特許訂正審判
2024-390004
遊技機
- 審判番号
- 2024-390004
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2020-075096
- 登録番号
- 7218925
- 請求日
- 2024年01月04日
- 審決日
- 2024年04月22日
- 公報発行日
- 2024年08月30日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】株式会社 ユニバーサルエンターテインメント
- 【請求人代理人】納谷 洋弘
- 審判長/審判官
- 審判長 小林 俊久
- 審判官 薄井 義明
- 審判官 澤田 真治
- 分類
- P141 .852-Y (A63F) / P141 .853-Y (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法126条1項3号特許法126条5項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7218925号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
特許第7218925号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本件特許第7218925号(以下「本件特許」という。)は、令和2年4月21日に特許出願(特願2020-75096)したものであり、令和5年1月30日に特許権の設定登録がなされ、その後、令和6年1月4日に本件訂正審判の請求がされたものである。
第2 請求の趣旨
本件訂正審判請求の趣旨は、本件特許の願書に添付した明細書(以下「本件特許明細書」という。)及び特許請求の範囲(以下「本件特許請求の範囲」という。)を本件審判請求書に添付した訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものである。
第3 訂正の内容
本件訂正審判請求による訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、次のものである。なお、下線は訂正箇所を表す。
1 訂正事項1
本件特許請求の範囲の請求項1に「第3の演出の演出を示唆」と記載されているのを、「第3の演出を示唆」に訂正する。
2 訂正事項2
本件特許明細書の【0007】に「第2の結果(例えば、柄ハズレ)」と記載されているのを、「第2の結果(例えば、ハズレ)」に訂正する。
3 訂正事項3
本件特許明細書の【0007】に「第4の時間(例えば、300000ms)」と記載されているのを、「第4の時間(例えば、600000ms)」に訂正する。
4 訂正事項4
本件特許明細書の【0007】に「第3の演出(例えば、第3予告演出)の演出を示唆」と記載されているのを、「第3の演出(例えば、第3予告演出)を示唆」に訂正する。
第4 当審における判断
1 訂正事項1について
(1)特許法第126条第1項ただし書(訂正の目的)について
本件特許請求の範囲の請求項1には、「第3の演出の演出」以外の演出として「第1の演出」、「第2の演出」、「第3の演出」、「第4の演出」、「所定の演出」、「共通の演出」及び「互いに異なる演出」が記載されているが、「第3の演出の演出」以外の演出において「演出の演出」との記載がされておらず、また、「前記第3の演出」(「演出の演出」ではない第3の演出)との記載もされていることから、本件特許請求の範囲の請求項1の「第3の演出の演出を示唆」との記載の「第3の演出の演出」は、「の演出」という語句を重複して記載した誤記であって、正しくは「第3の演出」であることが明らかである。
また、本件特許請求の範囲の請求項1の「所定の演出として、同じ系統である第1の演出と第2の演出とを有し、前記第1の演出は、前記第1の演出及び前記第2の演出とは異なる系統である第3の演出の演出を示唆することが可能であり、前記第2の演出は、前記第3の演出とは異なる系統である第4の演出を示唆することが可能であり、」の記載において、「第3の演出の演出」と「第4の演出」とは、それぞれを示唆する演出が「第1の演出」及び「第2の演出」である点で対比し得る同等の演出として記載され、一方で、「第4の演出」は「前記第3の演出とは異なる系統である」ことから、「第4の演出」と「第3の演出」とが比較し得る同等の演出として記載されている。
したがって、「第3の演出の演出」は「第4の演出」と対比し得る同等の演出であり、「第3の演出」は「第4の演出」と比較し得る同等の演出として記載されていることから、「第3の演出の演出」と「第3の演出」とは同等の演出であると解するべきものである。そして、上記したように両者が「の演出」という語句を重複して記載した誤記の関係であることを踏まえれば、「第3の演出の演出」と「第3の演出」とは同一の演出、つまり、「第3の演出の演出」は「第3の演出」と同一の意味を示すものと認められる。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものである。
(2)特許法第126条第5項(新規事項の有無)について
訂正事項1は、前記(1)のとおり、誤記の訂正を目的とするものであって、明らかな誤記を自明な事項に訂正するものであるから、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「当初明細書等」という。)に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではない。
したがって、訂正事項1は、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであり、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(3)特許法第126条第6項(特許請求の範囲の拡張又は変更の有無)について
訂正事項1は、前記(1)のとおり、誤記の訂正を目的とするものであって、本件特許明細書の記載との関係で、誤りであることが明らかあり、かつ、本件特許明細書の記載から、明らかな誤記を自明な事項に訂正するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第126条第6項の規定に適合する。
(4)特許法第126条第7項(独立特許要件)について
訂正事項1に係る訂正前の請求項1に係る発明と同様に、訂正事項1に係る訂正後の請求項1に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しないから、訂正事項1は、特許法第126条第7項の規定に適合する
(5)小括
以上(1)~(4)のとおりであるから、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ同条第5項~第7項の規定に適合する。
2 訂正事項2について
(1)特許法第126条第1項ただし書(訂正の目的)について
本件特許明細書の【0007】には「前記第1の抽選の結果が第2の結果(例えば、柄ハズレ)である場合には、」と記載されているが、当該「柄ハズレ」との記載自体が、一般的に用いられる用語ではなく、それ自体の意味が不明瞭である。
加えて、本件特許明細書の【0007】には「前記第1の抽選の結果が前記第2の結果(例えば、ハズレ)である場合には、」と記載されており、第1の抽選の結果が第2の結果であることの例示が、「柄ハズレ」であるか、「ハズレ」であるか、の点において前記両記載は不整合を生じているため、【0007】の記載が不明瞭となっている。
訂正事項2に係る訂正は、それ自体記載内容が明らかでない「柄ハズレ」の記載を正すものであり、また、他の記載との関係において不整合を生じている記載を正すものである。
したがって、訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(2)特許法第126条第5項(新規事項の有無)について
訂正事項2は、前記(1)のとおり、本件特許明細書の【0007】の「第2の結果(例えば、柄ハズレ)」なる明瞭でない記載を「第2の結果(例えば、ハズレ)」と訂正するものであるから、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではない。
したがって、訂正事項2は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであり、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(3)特許法第126条第6項(特許請求の範囲の拡張又は変更の有無)について
訂正事項2は、前記(1)のとおり、本件特許明細書の【0007】の「第2の結果(例えば、柄ハズレ)」との明瞭でない記載を「第2の結果(例えば、ハズレ)」と訂正するものであものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第126条第6項の規定に適合する。
(4)特許法第126条第7項(独立特許要件)について
訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるから、訂正後の請求項1に係る発明について、特許法第126条第7項の規定に適合するか否かについての判断を要しない。
(5)小括
以上(1)~(4)のとおりであるから、訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ同条第5項~第6項の規定に適合する。
3 訂正事項3について
(1)特許法第126条第1項ただし書(訂正の目的)について
本件特許明細書の【0007】には「第4の時間」について、「前記第2の時間(例えば、10000ms、20000ms、30000ms)よりも長時間である第4の時間(例えば、300000ms)に亘って識別情報を変動表示させることが可能であり、」との記載、及び、「前記第1表示手段において前記第4の時間(例えば、 600000ms)に亘って識別情報が変動表示されているときに、」との記載があり、「第4の時間」の例示記載として「第4の時間(例えば、300000ms)」と「第4の時間(例えば、600000ms)」が記載されていることから、【0007】において「第4の時間」の例示記載の値が整合していない。
「第4の時間」に対応する本件特許明細書等の他の記載として、【1656】には「これに対し、高確低ベース状態において、普通抽選の結果が普通ハズレであるときは、普通図柄の変動時間が10000msec、20000msec、30000msecおよび600000msecのうちいずれかに決定される。・・・」と、【1661】には「また、高確低ベース状態における普通抽選の結果が普通ハズレであるときに、普通図柄変動パターンコマンドを受信したサブCPU301は、普通図柄の変動時間に基づく演出を実行することが好ましい。すなわち、普通図柄の変動時間が10000msecであるときと、20000msecであるときと、30000msecであると、600000msecとで、獲得しうる賞球量の期待値が異なることから、普通図柄の変動時間に応じて、有利度合い(例えば獲得可能な賞球量の度合い)を把握できる演出を実行してもよい。・・・」と、及び、【図136】には、当落が「ハズレ」の場合に選択し得る変動時間(ms)として「10000」、「20000」、「30000」、「600000」と、記載されている【0007】の「第2の時間」の例示記載が「(例えば、10000ms、20000ms、30000ms)」であることから、【0007】の「第4の時間」の値としては、本件特許明細書の実施例として「600000ms(msec)」が記載されている。
よって、本件特許明細書の【0007】の「300000ms」という記載は、【0007】の「600000ms」という記載と整合しておらず、また、本件特許明細書等の【1656】、【1661】及び【図136】の「600000ms(600000msec)」という記載とも整合していない。
訂正事項3は、本件特許明細書の【0007】の「300000ms」という記載を、本件特許明細書等の他の記載と整合させるため、「600000ms」という記載に訂正するものである。
したがって、訂正事項3は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(2)特許法第126条第5項(新規事項の有無)について
訂正事項3は、前記(1)のとおり、本件特許明細書の【0007】の「第4の時間(例えば、300000ms)」との明瞭でない記載を「第4の時間(例えば、600000ms)」と訂正するものであるから、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではない。
したがって、訂正事項3は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであり、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(3)特許法第126条第6項(特許請求の範囲の拡張又は変更の有無)について
訂正事項3は、前記(1)のとおり、本件特許明細書の【0007】の「第4の時間(例えば、300000ms)」との明瞭でない記載を「第4の時間(例えば、600000ms)」と訂正するものであものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第126条第6項の規定に適合する。
・
(4)特許法第126条第7項(独立特許要件)について
訂正事項3は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるから、訂正後の請求項1に係る発明について、特許法第126条第7項の規定に適合するか否かについての判断を要しない。
(5)小括
以上(1)~(4)のとおりであるから、訂正事項3は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ同条第5項~第6項の規定に適合する。
4 訂正事項4について
(1)特許法第126条第1項ただし書(訂正の目的)について
訂正事項4は、訂正事項1に係る特許請求の範囲の訂正に伴い、特許請求の範囲と整合させるために行う明細書の訂正である。
したがって、訂正事項4は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(2)特許法第126条第5項(新規事項の有無)について
訂正事項4は、本件特許明細書の【0007】の「第3の演出(例えば、第3予告演出)の演出を示唆」なる明瞭でない記載を「第3の演出(例えば、第3予告演出)を示唆」に訂正するものであるから、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではない。
したがって、訂正事項4は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであり、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(3)特許法第126条第6項(特許請求の範囲の拡張又は変更の有無)について
訂正事項4は、本件特許明細書の【0007】の「第3の演出(例えば、第3予告演出)の演出を示唆」なる明瞭でない記載を「第3の演出(例えば、第3予告演出)を示唆」に訂正するだけのものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでなく、特許法第126条第6項の規定に適合する。
(4)特許法第126条第7項(独立特許要件)について
訂正事項4は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるから、訂正後の請求項1に係る発明について、特許法第126条第7項の規定に適合するか否かについての判断を要しない。
(5)小括
以上(1)~(4)のとおりであるから、訂正事項4は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ同条第5項~第6項の規定に適合する。
第5 むすび
以上のとおりであるから、訂正事項1~4は、特許法第126条第1項ただし書第2号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ同条第5項~第7項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
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