特許訂正審判
2016-390155
遊技台
- 審判番号
- 2016-390155
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2014-043691外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2016年12月01日
- 審決日
- 2017年01月23日
- 公報発行日
- 2017年04月28日
- 結論
- 訂正認容
- 分類
- P141 .851-Y (A63F) / P141 .853-Y (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法126条1項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第5794484号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
特許第5794484号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第5794484号(以下、「本件特許」という。)は、平成22年5月10日に出願した特願2010-108301号の一部を新たに特許出願(特願2011-204347号)し、さらにその一部を新たに特許出願(特願2012-27927号)し、さらにまたその一部を平成26年3月6日に新たに特許出願(特願2014-43691号)したものであって、その請求項1~3に係る発明は、平成27年8月21日に特許権の設定登録がなされ、平成28年11月30日付けで本件訂正審判の請求がなされたものである。
第2 請求の趣旨
本件訂正審判の趣旨は、本件特許の明細書及び特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付した訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものである。
第3 訂正事項
1 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に「前記基板ケースに一部が貼付可能なシールと、」とあるのを、「前記基板ケースに一部だけが貼付されているシールと、」に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項2、3も同様に訂正する)。(下線部は訂正箇所を表す。以下も同様。)。
2 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項1に「前記シールは、前記基板ケースに貼付されている第一の部位を含むものであり、前記シールは、前記基板ケースに貼付されていない第二の部位を含むものであり、」とあるのを、「前記シールは、第一の部位と第二の部位からなるシールであり、前記第一の部位は、前記基板ケースに貼付されている部位であり、前記第二の部位は、前記基板ケースに貼付されていない部位であり、」と訂正する(請求項1の記載を引用する請求項2、3も同様に訂正する)。
3 訂正事項3
特許請求の範囲の請求項1に、「前記第一の部位は、貼付面が形成された部位であり、前記第二の部位は、貼付面が形成された部位であり、」を追加する(請求項1の記載を引用する請求項2、3も同様に訂正する)。
4 訂正事項4
特許請求の範囲の請求項1に、「前記破損手段は、前記シールを破断させる際に、該シールの貼付面に少なくとも接触可能なものであり、」とあるのを、「前記破損手段は、前記シールを破断させる際に、前記第二の部位における前記貼付面に少なくとも接触可能なものであり、」と訂正する(請求項1の記載を引用する請求項2、3も同様に訂正する)。
5 訂正事項5
明細書の段落【0008】に記載した、「本発明は、制御基板を収容する基板ケースと、前記基板ケースに一部が貼付可能なシールと、前記シールを破損させることが可能な破損手段と、を備えた遊技台であって、前記シールは、前記基板ケースに貼付されている第一の部位を含むものであり、前記シールは、前記基板ケースに貼付されていない第二の部位を含むものであり、前記破損手段は、前記基板ケースとは別体に構成されたものであり、前記破損手段は、前記シールを破損させることが可能なものであり、前記シールは、前記破損手段の少なくとも一部を覆うものであり、前記シールは、文字が表示されており、前記破損手段は、前記シールを破断させる際に、該シールの貼付面に少なくとも接触可能なものであり、前記破損手段は、前記シールを破断させる場合に、該シールに表示された文字を破断するものである、ことを特徴とする遊技台である。」を、
「本発明は、制御基板を収容する基板ケースと、前記基板ケースに一部だけが貼付されているシールと、前記シールを破損させることが可能な破損手段と、を備えた遊技台であって、前記シールは、第一の部位と第二の部位からなるシールであり、前記第一の部位は、前記基板ケースに貼付されている部位であり、前記第二の部位は、前記基板ケースに貼付されていない部位であり、前記第一の部位は、貼付面が形成された部位であり、前記第二の部位は、貼付面が形成された部位であり、前記破損手段は、前記基板ケースとは別体に構成されたものであり、前記破損手段は、前記シールを破損させることが可能なものであり、前記シールは、前記破損手段の少なくとも一部を覆うものであり、前記シールは、文字が表示されており、前記破損手段は、前記シールを破断させる際に、前記第二の部位における前記貼付面に少なくとも接触可能なものであり、前記破損手段は、前記シールを破断させる場合に、該シールに表示された文字を破断するものである、ことを特徴とする遊技台である。」に訂正する。
6 訂正事項6
明細書の段落【0193】に記載した、
「以上説明したように、上記実施形態に係る遊技台(例えば、パチンコ機100)は、制御基板を収容する基板ケース(例えば、図14(a)に示す、主基板ケース158)と、前記基板ケースに一部が貼付可能なシール(例えば、図14(b)に示す、ICタグシール716)と、前記シールを破損させることが可能な破損手段(例えば、図14(b)に示す、ICタグシールカッター720d)と、を備えた遊技台であって、前記シールは、前記基板ケースに貼付されている第一の部位を含むものであり、前記シールは、前記基板ケースに貼付されていない第二の部位を含むものであり、前記破損手段は、前記基板ケースとは別体に構成されたものであり、前記破損手段は、前記シールを破損させることが可能なものであり、前記シールは、前記破損手段の少なくとも一部を覆うものであり、前記シールは、文字が表示されており、前記破損手段は、前記シールを破断させる際に、該シールの貼付面に少なくとも接触可能なものであり、前記破損手段は、前記シールを破断させる場合に、該シールに表示された文字を破断するものである、ことを特徴とする遊技台である。…」
を、
「以上説明したように、上記実施形態に係る遊技台(例えば、パチンコ機100)は、制御基板を収容する基板ケース(例えば、図14(a)に示す、主基板ケース158)と、前記基板ケースに一部だけが貼付されているシール(例えば、図14(b)に示す、ICタグシール716)と、前記シールを破損させることが可能な破損手段(例えば、図14(b)に示す、ICタグシールカッター720d)と、を備えた遊技台であって、前記シールは、第一の部位と第二の部位からなるシールであり、前記第一の部位は、前記基板ケースに貼付されている部位であり、前記第二の部位は、前記基板ケースに貼付されていない部位であり、前記第一の部位は、貼付面が形成された部位であり、前記第二の部位は、貼付面が形成された部位であり、前記破損手段は、前記基板ケースとは別体に構成されたものであり、前記破損手段は、前記シールを破損させることが可能なものであり、前記シールは、前記破損手段の少なくとも一部を覆うものであり、前記シールは、文字が表示されており、前記破損手段は、前記シールを破断させる際に、前記第二の部位における前記貼付面に少なくとも接触可能なものであり、前記破損手段は、前記シールを破断させる場合に、該シールに表示された文字を破断するものである、ことを特徴とする遊技台である。…」に訂正する。
第4 当審の判断
1 訂正事項1について
(1)訂正の目的について
訂正前の請求項1では、基板ケースにシールの「一部が貼付可能」であることのみを特定していた。これに対して、訂正後の請求項1では、基板ケースにシールの「一部だけが貼付されている」ことを具体的に特定し、基板ケースにシールの全部が貼付されていることを排除するものであるから、特許請求の範囲を減縮しようとするものである。
したがって、当該訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(2)新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
明細書の段落【0068】には、「ICタグシール716は、ICタグシール設置部710の設置領域と未設置領域に跨って設置されるが、ICタグシール716の全領域のうち設置領域に貼り付けられることによってICタグシール設置部710に支持される領域を「第一の領域」、未設置領域に位置して(設置領域に接触せずに)ICタグシール設置部710に支持されない領域を「第二の領域」という場合がある。…」と記載されており、基板ケースたるICタグシール設置部710にシールたるICタグシール716の一部たる第一の領域だけが貼付され、第二の領域が貼付されていないことを開示するから、訂正事項1は、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「本件特許明細書等」という。)の記載に基づくものであって、本件特許明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。
また、訂正事項1は、上記(1)の訂正の目的からも明らかなように、発明特定事項を上位概念から下位概念にするものであり、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
2 訂正事項2について
(1)訂正の目的について
訂正前の請求項1では、シールが、基板ケースに貼付されている第一の部位と基板ケースに貼付されていない第二の部位を「含むもの」であることを特定していたが、それ以外の部位があるのか否か明瞭でなかった。
一方、明細書の段落【0068】には、「ICタグシール716は、ICタグシール設置部710の設置領域と未設置領域に跨って設置されるが、ICタグシール716の全領域のうち設置領域に貼り付けられることによってICタグシール設置部710に支持される領域を「第一の領域」、未設置領域に位置して(設置領域に接触せずに)ICタグシール設置部710に支持されない領域を「第二の領域」という場合がある。…」と記載されており、シールたるICタグシール716の全領域は、基板ケースたるICタグシール設置部710貼付されている第一の部位たる第一の領域と、基板ケースたるICタグシール設置部710に貼付されていない第二の部位たる第二の領域からなり、それ以外の部位がないことが示されている。
そして、訂正事項2は、訂正前の請求項1におけるシールについて、「第一の部位と第二の部位からなる」ことを特定して、それ以外の部位がないことを明らかにし、請求項1の記載を明瞭にするものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(2)新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
訂正事項2は、上記2(1)において検討したとおり、本件特許明細書等の記載に基づくものであって、本件特許明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。
さらに、訂正事項2は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項2は、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
3 訂正事項3について
(1)訂正の目的について
訂正前の請求項1では、シールが「基板ケースに貼付されている第一の部位」及び「基板ケースに貼付されていない第二の部位」を含むことのみ特定していた。これに対して、訂正後の請求項1では、シールの「第一の部位」と「第二の部位」のいずれもが、「貼付面が形成された部位」であることを特定して、特許請求の範囲を減縮しようとするものである。
したがって、当該訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(2)新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
明細書の段落【0068】には、「ICタグシール716の全領域のうち設置領域に貼り付けられることによってICタグシール設置部710に支持される領域を「第一の領域」、未設置領域に位置して(設置領域に接触せずに)ICタグシール設置部710に支持されない領域を「第二の領域」という」と記載されているところ、段落【0073】には、「ICタグシール717の裏面には、同図(b)、(c)に示すように、上述のICタグシール設置部710の設置領域にICタグシール717を貼り付けるための粘着剤が塗布された貼付面717gが形成され、この貼付面717gの上に、ICタグ717d、アンテナ717e、アンテナ保護フィルム717fなどが固定されている」と記載され、第7図(b)及び(c)も参酌すれば、基板ケースに貼付されている第一の部位たる第一の領域と基板ケースに貼付されていない第二の部位たる第二の領域に関わらず、ICタグシール717の裏面の全領域に貼付面が形成されていることが示されているといえる。
したがって、「前記第一の部位は、貼付面が形成された部位であり、前記第二の部位は、貼付面が形成された部位であり、」と追加する訂正事項3は、本件特許明細書等の記載に基づくものであって、本件特許明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。
また、訂正事項3は、上記(1)の訂正の目的からも明らかなように、発明特定事項を上位概念から下位概念にするものであり、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項3は、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
4 訂正事項4について
(1)訂正の目的について
訂正前の請求項1では、破損手段がシールを破断させる際に接触可能なシールの貼付面が、基板ケースに貼付されている「第一の部位」における貼付面なのか、基板ケースに貼付されていない「第二の部位」における貼付面なのか明瞭でなかった。
一方、明細書の段落【0068】には、「ICタグシール716の全領域のうち…未設置領域に位置して(設置領域に接触せずに)ICタグシール設置部710に支持されない領域を「第二の領域」という」と記載され、段落【0089】には、「ICタグシールカバー720を取り外し方向にスライドさせると、ICタグシールカッター720dが未設置領域を上から下へ移動することになるが、このICタグシールカッター720dの移動に伴って、未設置領域に配設されたICタグシール716が長手方向に切断される。」と記載され、段落【0098】には、「ICタグシールカッター740dがICタグシールの貼付面717gで汚れることがないため、破損手段を再利用することができる場合がある。」と記載されており、これらの記載から、破損手段たるICタグシールカッター720dがシールたるICタグシール716を破断させる際に接触可能なシールの貼付面が、基板ケースに貼付されていない「第二の部位」たる未設置領域に配設された第二領域であることが示されているといえる。
そして、訂正事項4は、訂正前の請求項1における破損手段がシールを破断させる際に接触可能なシールの貼付面が、基板ケースに貼付されていない「第二の部位」における貼付面であることを明らかにし、請求項1の記載を明瞭にするものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(2)新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
訂正事項4は、上記4(1)において検討したとおり、本件特許明細書等の記載に基づくものであって、本件特許明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。
さらに、訂正事項4は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項4は、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
5 訂正事項5及び6について
訂正事項5及び6は、上記訂正事項1~4にかかる訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るため、明細書の段落【0008】及び【0193】の記載を訂正後の請求項1の内容に合わせて訂正するものである。
したがって、訂正事項5及び6は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
また、上記1~4で検討したのと同様に、訂正事項5及び6は、本件特許明細書等の記載に基づくものであって、本件特許明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。
さらに、訂正事項5及び6は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項5及び6は、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
第5 特許出願の際に独立して特許をうけることができることについて
請求項1が訂正され、請求項2及び3は請求項1の従属項であることから、訂正後の特許請求の範囲の請求項1~3に記載されている事項により特定される各発明は、訂正前の請求項1~3に記載されている事項により特定される各発明とは異なる。しかし、訂正後の特許請求の範囲の請求項1~3に記載されている事項により特定される各発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しない。
したがって、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とする訂正事項1及び3に係る訂正は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
なお、上記訂正事項2及び4~6は、特許法第126条第1項ただし書第3号の「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものであるから,特許法第126条第7項の規定は適用されない。
第6 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求に係る訂正事項1及び3は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同法同条第5~7項の規定に適合するものであり、また、本件訂正審判の請求に係る訂正事項2及び4~6は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同法同条第5~6項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2016-390155