特許訂正審判
2022-390056
遊技台
- 審判番号
- 2022-390056
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2021-163396外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 登録番号
- 7037226
- 請求日
- 2022年04月26日
- 審決日
- 2022年06月29日
- 公報発行日
- 2022年09月30日
- 結論
- 訂正認容
- 分類
- P141 .853-Y (A63F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7037226号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
特許第7037226号の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
理由
理 由
第1 事案の概要
1 手続の経緯
本件特許第7037226号(以下「本件特許」という。)は、令和3年1月29日に出願した特願2021-13210の一部を同年10月4日に新たな特許出願(特願2021-163396)としたものであり、令和4年3月8日に特許権の設定の登録がなされ、その後、同年4月26日に本件訂正審判の請求がなされたものである。
2 請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、「特許第7037226号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求める。」というものである。
3 訂正の内容
本件訂正審判による訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、次のものである。
(1) 訂正事項1
本件特許の特許請求の範囲の請求項1に「場合以下、「第一の場合」という。があり、」とあるのを、「場合(以下、「第一の場合」という。)があり、」と訂正する。
なお、下線は当合議体が付したものであり、訂正箇所を表す。以下同様。
(2) 訂正事項2
本件特許の明細書の段落【0006】に「場合以下、「第一の場合」という。があり、」とあるのを、「場合(以下、「第一の場合」という。)があり、」と訂正する。
第2 当合議体の判断
1 特許法第126条第1項ただし書(訂正の目的)について
(1) 訂正事項1
本件訂正前の請求項1では、「以下、「第一の場合」という。」の後に、「該第一の場合に該モータの駆動が停止しても発光を継続する場合があるものであり、」と記載されていることから、前記「以下、「第一の場合」という。」は、「第一の場合」とされる事象を定義し、後に続く記載につなげるための記載であると認められる。
ここで、本件訂正前の請求項1の「以下、「第一の場合」という。」の前には、「前記発光手段は、電断状態において前記可動体を手で動作させて前記モータを駆動させ該モータによって生じる逆起電力による電流が流入することで発光する場合」と記載されている。
この記載に関して、本件特許の明細書には、以下の記載がある(下線は当合議体が付した。)。
「【0131】
通電状態で点灯する、図9に示すいずれのモニタLED(電源制御24VモニタLED24PL、電源制御5VモニタLED5PL、主制御24VモニタLED24ML、主制御5VモニタLED5ML、副制御24VモニタLED24SL、副制御5VモニタLED5SL)も電断状態では消灯している。
【0132】
しかしながら、図10に示すように、手動で左リール110を回転させると、左リール110を回転させるモータ110m(図9参照)で逆起電力による電流(誘導電流)が発生する。図9を参照しながら説明を続けると、モータ110mで発生した誘導電流は、ハーネスMR1を通って主制御基板300Bに流れ込み、リール駆動IC322iから24V電源ラインと5V電源ラインそれぞれに供給される。主制御24VモニタLED24MLとグランドの間には主制御24V調整抵抗24MRが設けられており、主制御5VモニタLED5MLとグランドの間には主制御5V調整抵抗5MRが設けられている。主制御24VモニタLED24MLは、主制御24V調整抵抗24MRによって抵抗値が調整されていることにより、誘導電流によって点灯し、主制御5VモニタLED5MLは、主制御5V調整抵抗5MRによって抵抗値が調整されていることにより、誘導電流によって点灯する。また、手動による回転を止めても、24V電源ラインには、主制御24Vコンデンサ24MCが設けられているため、しばらくの間は主制御24VモニタLED24MLは点灯を継続する。一方、5V電源ラインには、コンデンサが設けられていないため、手動による回転を止めると主制御5VモニタLED5MLはすぐに消灯する。すなわち、手動による回転を止めると主制御5VモニタLED5MLは主制御24VモニタLED24MLよりも先に消灯する。なお、5V電源ラインにも、主制御24Vコンデンサ24MCよりも低容量のコンデンサを設けておいてもよい。
【0133】
主制御基板300Bに流れ込んだ誘導電流は、今度は、ハーネスPMを通って電源制御基板252Bに流れ込み、コネクタPC2から24V電源ラインと5V電源ラインそれぞれに供給される。電源制御24VモニタLED24PLとグランドの間には電源制御24V調整抵抗24PRが設けられており、電源制御5VモニタLED5PLとグランドの間には電源制御5V調整抵抗5PRが設けられている。電源制御24VモニタLED24PLは、電源制御24V調整抵抗24PRによって抵抗値が調整されていることにより、誘導電流によって点灯し、電源制御5VモニタLED5PLは、電源制御5V調整抵抗5PRによって抵抗値が調整されていることにより、誘導電流によって点灯する。ここでは、主制御基板300BのLED(24ML,5ML)と電源制御基板252BのLED(24PL,5PL)といった複数の基板のLEDが発光していることになる。また、手動による回転を止めても、24V電源ラインには、電源制御24Vコンデンサ24PCが設けられているため、しばらくの間は電源制御24VモニタLED24PLは点灯を継続する。また、5V電源ラインにも電源制御5Vコンデンサ5PCが設けられているため、しばらくの間は電源制御5VモニタLED5PLも点灯を継続する。」
上記記載のうち、「電断状態では消灯している」「電源制御24VモニタLED24PL、電源制御5VモニタLED5PL」は、「手動で左リール110を回転させ」て「モータ110m」「で逆起電力による電流(誘導電流)」を「発生」させ、「モータ110mで発生した誘導電流」が「流れ込み」、「誘導電流によって点灯」することは、本件訂正前の請求項1の「前記発光手段は、電断状態において前記可動体を手で動作させて前記モータを駆動させ該モータによって生じる逆起電力による電流が流入することで発光する」ことに対応しているといえる。
また、続く記載で「電源制御24VモニタLED24PL、電源制御5VモニタLED5PL」が、「手動による回転を止めても」「しばらくの間は」「点灯を継続する」とされていることは、本件訂正前の請求項1の「該モータの駆動が停止しても発光を継続する場合がある」ことに対応しているといえる。
そうすると、上記記載の「電断状態では消灯している」「電源制御24VモニタLED24PL、電源制御5VモニタLED5PL」は、「手動で左リール110を回転させ」て「モータ110m」「で逆起電力による電流(誘導電流)」を「発生」させ、「モータ110mで発生した誘導電流」が「流れ込み」、「誘導電流によって点灯」したことが、本件訂正前の請求項1の「該第一の場合に該モータの駆動が停止しても発光を継続する場合がある」の「該第一の場合」に対応しているといえるから、上記記載の「電断状態では消灯している」「電源制御24VモニタLED24PL、電源制御5VモニタLED5PL」は、「手動で左リール110を回転させ」て「モータ110m」「で逆起電力による電流(誘導電流)」を「発生」させ、「モータ110mで発生した誘導電流」が「流れ込み」、「誘導電流によって点灯」する場合、すなわち、本件訂正前の請求項1の「前記発光手段は、電断状態において前記可動体を手で動作させて前記モータを駆動させ該モータによって生じる逆起電力による電流が流入することで発光する場合」が、「第一の場合」と定義されているといえる。
そして、「以下、「第一の場合」という。」と、それ以前の内容に対して定義付けをする文言は定義する内容の直後に括弧内に記載することが通例であることや、「という。があり、」と句点に助詞が続く記載の意味が不明であることから見て、本件訂正前の請求項1に「場合以下、「第一の場合」という。があり、」とあるのを、「場合(以下、「第一の場合」という。)があり、」とする訂正は、訂正後の内容を指すのか、それ以外の内容を指すのか明瞭でなかった訂正前の記載が、訂正後の内容を指すことを明瞭にするための訂正であるといえる。
よって、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(2) 訂正事項2
訂正事項2は、本件特許の明細書の段落【0006】の記載を、訂正事項1による本件特許請求の範囲の訂正に伴い、整合性を図るための訂正であるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。
(3) 小括
訂正事項1及び2は、いずれも、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
2 特許法第126条第5項(新規事項の有無)について
(1) 訂正事項1について
上記1(1)において検討したように、訂正事項1は、請求項1の記載における定義付けを明確にするものであり、また本件特許の明細書の上記段落【0131】ないし【0133】等の記載から、本件訂正後の請求項1に係る発明は、願書に添付した明細書又は図面(以下「本件特許明細書等」という。)に記載されているといえる。
したがって、訂正事項1は、本件特許明細書等の記載に基づくものであって、本件特許明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。
(2) 訂正事項2について
訂正事項2は、本件訂正前の請求項1に対応する本件特許の明細書の段落【0006】について、訂正事項1と同様の訂正をしたものであるから、訂正事項1と同様の理由により、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。
(3) 小括
以上のとおり、訂正事項1ないし2は、特許法第126条第5項の規定に適合する。
3 特許法第126条第6項(特許請求の範囲の拡張又は変更の有無)について
(1) 訂正事項1について
訂正事項1は、明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正であって、本件特許明細書等の記載に接した当業者ならば、本件訂正前の請求項1に係る発明を本件訂正後の請求項1に係る発明のとおり理解したことは当然である。
そして、訂正事項1は、カテゴリー、対象又は目的を変更するものではない。
そうすると、訂正事項1による訂正の前後で特許請求の範囲の拡張又は変更はないから、訂正事項1は、訂正前の特許請求の範囲を実質上拡張し、又は変更するものでない。
(2) 訂正事項2について
訂正事項2は、訂正事項1と同様の訂正をしたものであるから、訂正前の特許請求の範囲を質上拡張し、又は変更するものでない。
(3) 小括
以上のとおり、訂正事項1ないし2は、特許法第126条第6項の規定に適合する。
4 特許法第126条第7項(独立特許要件)について
上記1で検討したとおり、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とする訂正であるので、同法第126条第7項に規定される独立特許要件は課されない。
第3 むすび
以上のとおりであるから、訂正事項1ないし2は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ同条第4項ないし第6項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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