特許拒絶査定不服審判
2015-015026
車両及びステアリングユニット
- 審判番号
- 2015-015026
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2014-550572外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2015年08月10日
- 審決日
- 2017年02月13日
- 公報発行日
- 2017年05月26日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P18 .121-WZ (B60R)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2014-550572「車両及びステアリングユニット」拒絶査定不服審判事件〔平成28年4月7日国際公開、WO2016/051440〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯・本願発明
本願は、2014年10月3日を国際出願日とする出願であって、平成26年12月1日付けで拒絶理由が通知され、平成27年1月16日付けで手続補正され、同年2月3日付けで拒絶理由が通知され、同年4月9日付けで意見書が提出されたが、同年5月7日付け(発送日:同年5月12日)で拒絶査定され、これに対し、同年8月10日に拒絶査定不服審判が請求され、その後、当審において平成28年3月25日付けで拒絶理由が通知され、同年5月24日付けで手続補正され、同年7月29日付けで拒絶理由が通知され、同年9月28日付けで手続補正され、同年11月4日付けで拒絶理由が通知され、同年12月27日付けで意見書が提出されたものである。
そして、本願の請求項1ないし6に係る発明は、平成28年9月28日付けで手続補正された特許請求の範囲の請求項1ないし6に記載されたとおりのものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりである。
「【請求項1】
ステアリングホイールと、
該ステアリングホイールに配置された少なくとも第1タッチパッドと第2タッチパッドから構成されるタッチパッドと、
を備え、
前記ステアリングホイールの前記第1タッチパッドと前記第2タッチパッドに対する圧力を検出すると、前記ステアリングホイールの前記タッチパッドへのジェスチャによる被制御装置の制御を可能にし、
前記ステアリングホイールの前記タッチパッドへの前記ジェスチャに応じて前記タッチパッドから触感を呈示する
ことを特徴とする車両。」
第2 刊行物
1 刊行物1
当審の平成28年11月4日付けの拒絶理由に引用され、本願の出願前に頒布された特開2010-224684号公報(以下、「刊行物1」という。)には、「操作入力装置」について、図面(特に【図1】ないし【図4】参照。)とともに、以下の事項が記載されている。なお、下線は当審が付した。以下同様。
(1)「【0026】
ナビゲーション装置100は、ユーザからの操作入力を待機している待機状態で、例えばナビ画面を入出力部110に表示しているとする。ユーザの指150により入出力部110が押下されると、入出力部110は、入出力部110上の押下位置を中心とした周囲の領域に、機能選択メニュー120を表示する。そして、ナビゲーション装置100は、機能選択メニュー120を表示した旨を、入出力部110を振動させることでユーザに通知する。【0027】
機能選択メニュー120は、複数の機能ボタン130a-eを含んでいる。機能ボタン130には、メインメニュー表示用の機能ボタン130a、カーナビゲーション設定用の機能ボタン130b、エアコン設定用の機能ボタン130c、デフォルト画面に戻るためのキャンセル用の機能ボタン130d、オーディオ設定用の機能ボタン130eを含む。
【0028】
機能選択メニュー120が表示されている場合に、ユーザは、入出力部110上に指150が触れた状態で指150をスライドさせていくことで、望ましい機能ボタン130を選択することができる。望ましい機能ボタン130にスライドさせて所定のタッチ操作をすると、ナビゲーション装置100は選択された機能ボタン130に対応する機能を実行する。例えば、ユーザが指150で機能ボタン130cを強く押下する操作をしたり、機能ボタン130c上でナビゲーション装置100から指150を離す操作をしたり、機能ボタン130c上でタップ操作のように二度押下された場合に、ナビゲーション装置100はエアコンを設定するメニューを入出力部110に表示する。
【0029】
ここで、ナビゲーション装置100は、ユーザの指150がある機能ボタン130から他の機能ボタン130上に移動したことを検出すると、移動先の機能ボタン130に対応する振動特性の振動を、入出力部110に与える。例えば、それぞれの機能ボタン130には、互いに異なる振動パターンが割り当てられる。そして、ナビゲーション装置100は、機能ボタン130c上にユーザの指150が移動してきたことを検出した場合に、エアコン設定機能に対応する振動パターンの振動で入力デバイス260を振動させる。このため、ユーザは、ユーザの指150が現在いずれのボタン上にあるかを、入出力部110を注視しなくとも容易に判断することができる。
【0030】
(省略)
【0031】
以上説明したように、ナビゲーション装置100は、ユーザがタッチした位置に機能選択メニュー120を表示するとともに、各機能ボタン130に対応する振動パターンで入出力部110を振動させる。これにより、ユーザは、入出力部110をタッチした後、そこから相対的に指150を移動させるだけで望む機能を選択することができる。また、ユーザは、どの機能ボタン上に指150があるかを振動パターンにより理解することができる。このため、ユーザは、入出力部110を注視することなく、場合によっては全く入出力部110を見ることなく、望む機能を容易に選択することができる。
【0032】
なお、本図において、ナビゲーション装置100は、機能選択メニュー120を画面に表示する画像表示機能および入力機能を有しているとして説明されたが、ナビゲーション装置100は、車輌のフロントガラス30に機能選択メニュー120を投射することにより表示してもよい。また、画像表示機能と、操作入力機能は、別所に設けられてよい。例えば、操作入力機能は、ステアリング20であったり、ナビゲーション装置100以外のその他の場所に設けられてよい。そして、画像表示機能はナビゲーション装置100に設けられて良い。
【0033】
図2は、ナビゲーション装置100の機能ブロック構成の一例を示す。ナビゲーション装置100は、操作処理部200、設定可能領域格納部240、閾値記憶部222、閾値設定部220、ユーザ特定部210、基準値記憶部212、鍵所有者記憶部230、鍵情報取得部232、および操作入力ユニット250を備える。操作処理部200は、機能設定部201、機能実行部202、操作判断部204、振動制御部207、および、表示制御部206を有する。
【0034】
操作入力ユニット250は、入力デバイス260、振動部272、表示部274、および操作信号算出部280を有する。入力デバイス260は、入力部262を含む。操作信号算出部280は、位置算出部282および押下強さ算出部284を含む。
【0035】
操作入力ユニット250は、ユーザからの操作入力を受け付ける。図1に関連して説明した入出力部110は、入力部262の一部領域であってよい。なお、以下の説明では、入出力部110において、ユーザ操作が可能な領域とユーザに画像を提供することができる領域とは略一致しているとする。したがって、以下の説明では、入出力部110に表示することを、入力部262に表示するとして説明する。
【0036】
(省略)
【0037】
以下に、ナビゲーション装置100が有する構成要素の機能および動作をより詳細にする。入力デバイス260は、例えばタッチパッドデバイスであってよい。入力デバイス260が有する入力部262は、ユーザが押下することによりユーザ入力を受け付ける機能を有する。位置算出部282は、入力部262が押下された押下位置を算出する。また、押下強さ算出部284は、押下された強さを算出する。なお、位置算出部282および押下強さ算出部284の機能および動作については、図10および図11に関連して説明される。」
(2)「【0065】
図3は、入力部262に表示する画面遷移の一例を示す。ナビゲーション装置100は、ユーザによる押下操作を検出していない場合には、待機画面300を入力部262に表示する。待機画面300に表示し得るコンテンツとしては、カーナビゲーションのためのマップ、映像などを例示することができる。待機画面300は、ユーザによる押下操作を待機している画面であり、上述のナビ画面は待機画面300の一例である。」
(3)「【0070】
また、振動制御部207は振動部272を振動させることで、人物の指で知覚できる程度の強度で入力部262を振動させる。これにより、ユーザは指150でこの振動を知覚することができ、機能選択メニュー314が表示されたことを理解することができる。このように、ナビゲーション装置100は、機能選択ボタンが表示されたことを、入力部262を振動させることでユーザに通知する。
【0071】
また、機能設定部201は、機能選択メニュー314が表示される領域内に、予め定められた複数の機能を割り当てる。具体的には、機能設定部201は、メインメニュー表示用の機能、カーナビ設定メニュー表示用の機能、エアコン設定メニュー表示用の機能、オーディオ設定メニュー表示用の機能、および、キャンセル用の機能を、機能選択メニュー314内に設定する。図示されるように、機能設定部201は、位置318を含む中央領域にメインメニュー表示機能を割り当てるとともに、その周囲が放射上に4分割された領域に、他の機能を1つずつ割り当てる。
【0072】
また、表示制御部206は、入力部262上において各機能が割り当てられた領域に、メインメニュー表示を選択するための機能ボタン316a、カーナビ設定メニュー表示を選択するための機能ボタン316b、エアコン設定メニュー表示を選択するための機能ボタン316c、キャンセルを選択するための機能ボタン316d、オーディオ設定メニュー表示用の機能ボタン316eを表示部274に表示させる。
【0073】
ユーザが指150で入力部262を触れたままスライドさせると、位置算出部282は、触れられた位置を示す情報を含む操作信号を、ナビゲーション装置100の各部に供給する。機能選択画面320に示されるように、機能ボタン316cが表示された領域に押下位置が移動してきた場合には、振動制御部207は振動部272を振動させて、ユーザにその旨を通知する。
【0074】
機能ボタン316cの領域内でユーザが指150で所定の押下操作をすると、操作判断部204は操作信号に基づき、機能ボタン316cに対応する機能の実行をユーザが選択した旨を判断する。なお、機能を選択するための所定の押下操作としては、入力部262から指150を離す操作の他、予め定められた閾値より大きい押下強さで押下する操作、略同一の位置を二度押しする操作、タップ操作などを例示することができる。
【0075】
機能ボタン316cが選択されると、機能実行部202は、エアコン設定メニューを表示するための処理を実行する。機能選択画面330は、その実行結果の一例を示している。具体的には、表示制御部206は、エアコン設定用の機能ボタン332a-gを表示部274に表示させる。なお、機能選択画面330では、混乱をしないよう機能ボタン332a-gを示しているが、マップ302上に機能ボタン332をオーバーレイ表示させてよい。
【0076】
図示されるように、機能選択画面330は、機能選択画面310とは異なり、全画面を機能数分の部分領域に分割して、各領域に1つずつ機能ボタン332を割り当てる。機能設定部201は、機能ボタン332が表示された領域に、エアコンに対して対応する設定を行うための機能を割り当てる。ユーザは、入力部262上を指150で所定の押下操作をすることにより、対応する機能を実行させることができる。
【0077】
機能選択画面330における所定の押下操作としては、例えば、入力部262に触れたまま指150で円を描くよう入力部262上をスライドさせる操作を例示することができる。例えば、エアコンの温度設定用の機能ボタン332a上で円を描く操作をした場合に、機能実行部202は、描いた円の距離に応じてエアコンの設定温度を上昇または下降させる機能を実行してよい。機能実行部202は、円を描く周回方向を検知して、周回方向に基づき温度を上昇させるか下降させるかを決定してもよい。他にも、機能実行部202は、押下される度に設定温度を上昇または下降させることもできる。
【0078】
なお、機能選択画面330に対するスライドおよび押下操作に対する操作処理部200の内部の処理は、実行される機能、押下操作の内容が異なる点を除いて、機能選択画面320が表示されている場合と同様である。例えば、機能選択画面330上でスライド操作がなされた場合にいずれの機能ボタン332上に指150があるかをユーザに通知すべく、振動制御部207は振動部272を振動させることができる。このような処理は上述した処理と同様であるので、機能選択画面330が表示されている場合における各部の動作については、説明を省略する。」
上記記載事項及び図1ないし図4の図示内容を総合し、本願発明の記載ぶりに則って整理すると、刊行物1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。
「ステアリング20と、
タッチパッドデバイスと、
を備え、
前記タッチパッドデバイスに対する押下操作を検出すると、前記タッチパッドデバイスへのスライド及び押下操作によるエアコン装置の機能の実行を可能にし、
前記タッチパッドデバイスへのスライド及び押下操作に対応する振動パターンで前記タッチパッドデバイスを振動させる、画像表示機能及び操作入力機能を有するナビゲーション装置100を持つ車両。」
2 刊行物2
当審の平成28年11月4日付けの拒絶理由に引用され、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2013-95289号公報(以下、「刊行物2」という。)には、図面(特に【図1】、【図4】、【図5】、【図11】及び【図13】参照)とともに、次の事項が記載されている。
(1)「【0008】
図1は、本発明の一実施の形態による入力装置が設けられたステアリングホイールの斜視図である。図1(a)の斜視図はステアリングホイール10の裏面側を図示しており、図1(b)の斜視図はステアリングホイール10の表面側を図示している。ステアリングホイール10は、裏面側から車両のステアリングシャフトに取り付けられている。
【0009】
ステアリングホイール10は、リム部11と、車両のステアリングシャフトに取り付けられるセンターボス12と、リム部11とセンターボス12とを連結する左スポーク部13aおよび右スポーク部13bとを備えている。
【0010】
図1(a)に図示するように、右スポーク部13bの裏面側には、第1タッチパッド1が設けられている。図1(a)では隠れているが、第1タッチパッド1は左スポーク部13aの裏面側にも設けられている。第1タッチパッド1は、予めステアリングホイール10の部品として組み込まれていても良いし、後付けで設置されてもよい。
【0011】
第1タッチパッド1は、指の接触位置を検出する検出面を有する。第1タッチパッド1の検出面は、運転手がステアリングホイール10を握ったときの指(親指を除く)の可動範囲を含むように配置されている。たとえば、左スポーク部13a(右スポーク部13b)の裏面側に設けられた第1タッチパッド1は、左スポーク部13a(右スポーク部13b)の裏面側のうちリム部11の内周側面11aからセンターボス12側へ所定距離(たとえば、120mm)の範囲を検出面内に含むように配置されている。
【0012】
図1(b)に図示するように、右スポーク部13bの表面側には、第2タッチパッド2が設けられている。第2タッチパッド2は、左スポーク部13aの表面側にも設けられている。第2タッチパッド2は、予めステアリングホイール10の部品として組み込まれていても良いし、後付けで設置されてもよい。
【0013】
第2タッチパッド2は、指の接触位置を検出する検出面を有する。第2タッチパッド2の検出面は、運転手がステアリングホイール10を握ったときの親指の可動範囲を含むように配置されている。たとえば、左スポーク部13a(右スポーク部13b)の表面側に設けられた第2タッチパッド2は、左スポーク部13a(右スポーク部13b)の表面側のうちリム部11の内周側面11aからセンターボス12側へ所定距離(たとえば、120mm)の範囲を検出面内に含むように配置されている。
【0014】
第1タッチパッド1および第2タッチパッド2は、ナビゲーション装置、カーオーディオ、カーラジオ、カーテレビなど車載装置に接続されている。運転手の指が第1タッチパッド1や第2タッチパッド2の検出面に接触すると、その接触位置に対応した信号が車載装置へ送信される。」
(2)「【0016】
図2は、本発明の一実施の形態による入力装置のブロック構成図である。図2に例示する入力装置3は、第1タッチパッド1を二つと、第2タッチパッド2を二つ備える。入力装置3に備わる二つの第1タッチパッド1および二つの第2タッチパッド2は、それぞれナビゲーション装置4に接続されている。ナビゲーション装置4は、カーオーディオ機能とナビゲーション機能とを有し、運転手が入力装置3を介して行った操作に対応して動作する。」
(3)「【0023】
図4は、ステアリングホイール10のリム部11を両手で握った様子を図示している。図4では、リム部11を握った両手の親指が第2タッチパッド2の検出面に接触している。また、図示されていないが、ステアリングホイール10の裏面側では両手の指が第1タッチパッド1の検出面に接触している。図2の制御部42は、第1タッチパッド1や第2タッチパッド2の検出面に接触した各指の軌跡に基づいて、たとえば図3に図示されたカーソル110の移動や、住所リスト101のスクロール、住所リスト101の各項目や地名入力ボタン102、地図表示ボタン103の選択などの操作を行うことができる。
【0024】
(第1の操作例)
入力装置3の第1の操作例について説明する。図5(a)、図5(b)、および図5(c)は、第1の操作例を行う右手RH1を図示した図である。図5(a)は、右手RH1の正面図である。図5(b)および図5(c)は、右手RH1の上面図である。右手RH1は、ステアリングホイール10を握っているが、図5(a)ではステアリングホイール10の裏面側の指を明示するためにステアリングホイール10と第1タッチパッド1と第2タッチパッド2とを省略している。
【0025】
図5(b)および図5(c)に図示するように、右手RH1の親指F1は第1タッチパッド1の検出面に接触している。そして、右手RH1の人差し指F2は第2タッチパッド2の検出面に接触している。運転手が図5(b)の右手RH1の人差し指F2を第1タッチパッド1の検出面に接触させながら右方向にスライドさせると、たとえば図5(c)の状態となる。
【0026】
表示部40に図3の操作画面100が表示されているときに、図5(b)から図5(c)へのスライド操作が行われると、図3では住所リスト101の上に表示されていたカーソル110が図6に図示するように地名入力ボタン102(住所リスト101の右側に表示されている)に移動する。逆に図5(c)から図5(b)へ左方向にスライドする操作が行われると、地名入力ボタン102から住所リスト101へカーソル110が移動する。
【0027】
制御部42は、人差し指F2が図5(b)の位置から図5(c)の位置までスライドしたときの、第1タッチパッド1の検出面上の軌跡を検出する。そして、制御部42は、ROM等に記憶された制御プログラムに基づいて、検出した人差し指F2が右方向(左方向)にスライドした軌跡に対応する動作を行うように、ナビゲーション装置4を制御する(たとえば、カーソル110を右方向(左方向)に移動させる)。」
(4)「【0037】
(第4の操作例)
入力装置3の第4の操作例について図11、図12、および図13を用いて説明する。第4の操作例では、制御部42は、複数のタッチパッドに接触する複数の指の軌跡を個別に検出し、複数のタッチパッド上をスライドする複数の指の軌跡に対応するナビゲーション装置4の動作を行う。
【0038】
図11(a)および11(b)では、ステアリングホイール10を握った両手の親指を、左右の第2タッチパッド2の検出面にそれぞれ接触させながらスライドさせている。図11(a)では両手の親指が近づくようにスライドされており、図11(b)では両手の親指が離れるようにスライドされている。
【0039】
制御部42は、ステアリングホイール10の表面の左右にある第2タッチパッド2から両手の親指の軌跡を検出し、図11(a)のように両手の親指同士が近づいたことを検出すると、ピンチイン操作が行われたものと判断する。一方、制御部42は、図11(b)のように両手の親指同士が離れたことを検出すると、ピンチアウト操作が行われたものと判断する。」
(5)「【0042】
図13は、図5(b)の状態から右手RH1の親指F1と人差し指F2とを共に右方向にスライドした状態を示す。制御部42は、第2タッチパッド2から右手RH1の親指F1が右方向にスライドした軌跡が検出され、且つ第1タッチパッド1から人差し指F2が右方向にスライドした軌跡が検出された場合、図5(b)の状態から図13の状態になる操作が行われたと判断する。このときたとえば、ナビゲーション装置4のカーオーディオ機能で音声を再生していた場合は、再生中の楽曲をお気に入りのコンテンツとして登録する動作を行ってもよい。お気に入りのコンテンツに関する情報は、記憶部43に個人情報として記憶される。」
(6)「【0049】
(変形例5)入力装置3に含まれる第1タッチパッド1や第2タッチパッド2の個数は、2個に限定しない。右手用のタッチパッドのみを備えていてもよいし、左手用のタッチパッドのみを備えていてもよい。さらに、ステアリングホイール10の表面や裏面に3個以上のタッチパッドを備えていても良い。」
上記記載事項及び図面の図示内容から、刊行物2には、次の事項(以下「刊行物2に記載された事項」という。)が記載されている。
「ステアリングホイールの表面に配置された、第1のタッチパッドと第2のタッチパッドから構成された入力装置を備え、ステアリングホイールの第1のタッチパッドと第2のタッチパッドに対する軌跡を検出する、ナビゲーション装置。」
第3 対比
本願発明と引用発明とを比較すると、後者の「ステアリング20」は前者の「ステアリングホイール」に相当し、以下同様に、「タッチパッドデバイス」は「タッチパッド」に、「押下操作を検出」することは「圧力を検出」することに、「スライド及び押下操作」は「ジェスチャ」に、「エアコン装置の機能を実行」は「被制御装置の制御」に、「振動パターン」で「振動させる」は「触感を呈示する」に、それぞれ相当する。
また、後者の「タッチパッドデバイス」と前者の「ステアリングホイールに配置された少なくとも第1タッチパッドと第2タッチパッドから構成されたタッチパッド」とは、「タッチパッド」という限りで共通する。
したがって、両者は
「ステアリングホイールと、
タッチパッドと、
を備え、
前記タッチパッドに対する圧力を検出すると、前記タッチパッドへのジェスチャによる被制御装置の制御を可能にし、
前記タッチパッドへの前記ジェスチャに応じて前記タッチパッドから触感を呈示する車両。」の点で一致し、以下の相違点で相違する。
[相違点]
本願発明は、タッチパッドが、「ステアリングホイールに配置された少なくとも第1タッチパッドと第2タッチパッドから構成されたタッチパッド」であり、「前記ステアリングホイールの前記第1タッチパッドと前記第2タッチパッドに対する」圧力を検出するのに対し、引用発明のタッチパッドデバイスは、かかる構成を備えていない点。
第4 当審の判断
そこで、相違点について検討する。
刊行物1には、「画像表示機能と、操作入力機能は、別所に設けられてよい。例えば、操作入力機能は、ステアリング20であったり、ナビゲーション装置100以外のその他の場所に設けられてよい。」(【0032】)との記載があり、この記載によれば、ナビゲーション装置100の画像表示機能を担う部分と操作入力機能を担う部分とを分け、操作入力機能を担う部分をステアリング20に設けることが示唆されている。
また、上記刊行物2に記載された事項は、ステアリングホイールの表面に第1のタッチパッドと第2のタッチパッドから構成された入力装置を配置したナビゲーション装置であり、引用発明とは、ナビゲーション装置の被制御装置を操作するタッチパッドに関する技術として共通し、また、タッチパッドに対するスライド操作を検出する点でも共通する。
そうであれば、引用発明に刊行物2に記載された事項を適用する動機付けはあるから、引用発明において、刊行物1の上記示唆を踏まえて、ナビゲーション装置100のタッチパッドデバイスに上記刊行物2に記載された事項を適用することにより、タッチパッドを第1タッチパッドと第2タッチパッドとして、上記相違点に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
また、本願発明の奏する効果は、全体としてみても、引用発明及び刊行物2に記載された事項から、当業者が予測できる範囲内のものであって、格別顕著なものでない。
請求人は、平成28年12月27日付け意見書において「引用発明1は、1つのタッチパッドデバイスに対する押下を検出するものであって、2つのタッチパッドデバイスに対する押下を検出するものではなく、上述した本願発明の構成に対応する直接的な記載やこれを示唆する記載ではありません。」(第2ページ第29行ないし第32行)と主張するが、2つのタッチパッドデバイスに対するものは刊行物2に記載されており、刊行物1にはタッチパッドデバイスを複数設けることを排除する記載も見当たらないから、上記主張は採用できない。
また、請求人は、同意見書において、刊行物2に記載された事項について「2つのタッチパッドに対する押下を検出するものではなく、上述した本願発明の構成に対応する直接的な記載やこれを示唆する記載ではありません。」(第3ページ第4行ないし第6行)と主張するが、タッチパッドに対する押下を検出するものは刊行物1に記載されているから、上記主張は採用できない。
したがって、本願発明は、引用発明及び刊行物2に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第5 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び刊行物2に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。
したがって、本願のその他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶をすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2015-015026