特許拒絶査定不服審判
2022-017741
車載制御システム及び車両制御方法
- 審判番号
- 2022-017741
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2020-048394
- 請求日
- 2022年11月04日
- 審決日
- 2024年02月13日
- 公報発行日
- 2024年05月31日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】矢崎総業株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人栄光事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 一ノ瀬 覚
- 審判官 八木 誠
- 審判官 沼生 泰伸
- 分類
- P18 .575-Z (B60R) / P18 .121-Z (B60R)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第2号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2020-48394号「車載制御システム及び車両制御方法」拒絶査定不服審判事件〔令和3年9月27日出願公開、特開2021-146867号〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和2年3月18日の出願であって、令和4年5月23日付けで拒絶理由通知をされ、同年7月13日に意見書が提出されるとともに、明細書及び特許請求の範囲について補正する手続補正書が提出されたが、同年9月7日付けで拒絶査定(以下「原査定」という。)がされ、これに対して、同年11月4日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に、明細書及び特許請求の範囲について補正する手続補正書が提出されたものである。
第2 令和4年11月4日の手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和4年11月4日の手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
1 本件補正について
(1)本件補正後の特許請求の範囲の請求項1
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された(下線部は補正箇所である。)。
「【請求項1】
それぞれが複数負荷の個別駆動を可能にするドライバ回路及び多重通信回路を含む複数の下位制御部と、
所定の通信線を経由して前記複数の下位制御部とそれぞれ接続され、前記複数の下位制御部を制御する上位制御部と、
を有し、
前記複数の下位制御部として、少なくとも第1の下位制御部、及び第2の下位制御部が接続され、
前記上位制御部は、前記第1の下位制御部に対して第1の機能を割り当て、前記第2の下位制御部に対して第2の機能を割り当てる機能割当部と、通信により前記第1の機能及び前記第2の機能をそれぞれ制御するマスタ制御部とを備え、
各前記下位制御部は、前記上位制御部が割り当てた機能に応じて、下流側の各負荷を制御する機能実行部を備え、
前記第1の下位制御部及び前記第2の下位制御部の各々は、前記下流側の前記負荷が接続される標準負荷用接続部と、追加の負荷が接続される追加負荷用接続部と、を備え、前記追加負荷用接続部は、外部のドライバを経由して前記追加の負荷に接続され、
前記外部のドライバは、センサ又はスイッチを含む前記追加の負荷が出力する信号を入力して送信する機能を含む、
車載制御システム。」
(2)本件補正前の特許請求の範囲の請求項1
本件補正前の特許請求の範囲の請求項1は、次のとおりである。
「【請求項1】
それぞれが複数負荷の個別駆動を可能にするドライバ回路及び多重通信回路を含む複数の下位制御部と、
所定の通信線を経由して前記複数の下位制御部とそれぞれ接続され、前記複数の下位制御部を制御する上位制御部と、
を有し、
前記複数の下位制御部として、少なくとも第1の下位制御部、及び第2の下位制御部が接続され、
前記上位制御部は、前記第1の下位制御部に対して第1の機能を割り当て、前記第2の下位制御部に対して第2の機能を割り当てる機能割当部と、通信により前記第1の機能及び前記第2の機能をそれぞれ制御するマスタ制御部とを備え、
各前記下位制御部は、前記上位制御部が割り当てた機能に応じて、下流側の各負荷を制御する機能実行部を備え、
前記第1の下位制御部及び前記第2の下位制御部の各々は、前記下流側の前記負荷が接続される標準負荷用接続部と、追加の負荷が接続される追加負荷用接続部と、を備え、前記追加負荷用接続部は、外部のドライバを経由して前記追加の負荷に接続される、
車載制御システム。」
2 補正の適否
本件補正は、本件補正前の請求項1の「外部のドライバ」について、「前記外部のドライバは、センサ又はスイッチを含む前記追加の負荷が出力する信号を入力して送信する機能を含む」との限定を付加するものであって、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載された発明とは、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が異なるものではないから、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下「本件補正発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否か)について、以下に検討する。
(1)本件補正発明
本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。
(2)引用文献等の記載事項等
ア 引用文献1について
(ア)記載事項
原査定で引用された特表2009-530186号公報(以下「引用文献1」という。)には、図面とともに、以下の事項が記載されている(下線は当審が付与。以下同様。)。
「【技術分野】
【0001】
本出願は、移動体座席用操作システムに関するものであり、特に航空機の座席の操作及び制御システムに関するものである。」
「【0009】
上述の両方のシステムでは、アクチュエータと主制御器とを接続するために過剰な配線が使用されている。主制御器の配置が一部又は全てのアクチュエータから離れているので、制御器をアクチュエータに接続するために使用される配線量は過剰である。さらに、旧式のアクチュエータを備える古い座席を新式の又は改良された制御器及び制御アルゴリズムと共に使用するように容易に改良することはできない。そのような状況では、旧式のアクチュエータを、新式の制御器により制御され得るアクチュエータに交換することが必要である。
【0010】
上述のことに立脚して、改良された配線とモジュール性と性能向上とを提供する移動体座席用の操作又は制御システムに対するニーズがある。」
「【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図4及び5を参照すると、本開示による移動体座席操作システム400が示されている。前記座席操作システム400は、主制御器402を含んでおり、前記主制御器402は数個の座席デバイス406A~E及び407を制御するために数個のハブ制御器404A~Cと協働する。ハブ制御器404A~Cの各々は、1個又は数個の座席デバイス406A~E及び407を制御することができる。本開示においては、例示的な座席デバイスがアクチュエータ406A~E及びランバー空気嚢407として示される。しかしながら、本明細書で用いられる“座席デバイス”は、座席に結び付けられたデバイス及び座席に隣接する領域の環境状態に結び付けられたデバイス(即ち、照明装置、温度・湿度装置、娯楽装置)を指す。
【0016】
主制御器402は、所望の作動を実現するために共通シリアルバス408(リード線408A~Dを含む)を通じて各ハブ制御器404A~Cにコマンドを送ることができる。結び付けられたアクチュエータのためのコマンドに応答して、ハブ制御器(例えばハブ制御器404A)は、結び付けられたアクチュエータ(例えばアクチュエータ406B)に対する作動信号を生成する。ハブ制御器は、結び付けられた接続リード線(例えばリード線410B)を介してアクチュエータに作動信号を送る。ハブ制御器は、各々のアクチュエータ(例えばアクチュエータ406A及び406B)と通信するために別個の接続リード線(例えばリード線410A及び410B)を使用することができる。ランバーポンプ・制御器404Cは、空気導管411を通してランバー空気嚢407と空気で連通することが可能である。
【0017】
主制御器402はハブ制御器404A~404Cに接続されており、前記ハブ制御器404A~404Cは、一体型ケーブル410A~E及び付属コネクタ412を有する4本の相互接続ケーブル408A~Cを使って付加されたアクチュエータ406A~Eを制御する。しかしながら、ハブ制御器はアクチュエータに比較的近接して配置されているので、座席制御器に結び付けられた配線量は図2の制御システムに比較して削減される。ハブ制御器404A~404Cは、在来的アクチュエータ信号によって在来的アクチュエータを制御するために使用され得る。結果として、改良された機能及び削減された配線が、旧式のアクチュエータの交換を必要とすることなく旧式の座席に提供される。センサーからの在来的な信号は、結び付けられた接続線を介して結び付けられたハブ制御器に送られる。ハブ制御器は、アクチュエータを制御するためにセンサー信号を処理する。またハブ制御器はセンサー信号に由来するデータを主制御器に送ることもできる。」
「【0020】
図4の座席操作システム400の作動の一実施例の更なる詳細が図5と関連して説明される。図5は、ハブ制御器504の一実施例と通信している主制御器502の一実施例の選ばれた構成要素を図解している。主制御器502はプロセッサ506、データメモリ508、及び通信インターフェイス510を含んでおり、またハブ制御器504の機能の全てを受け入れる。さらに、主制御器502は、主電源から座席制御器の他の構成要素へ電力を供給する電源分配構成要素512を含んでいる。
【0021】
様々なデータがデータメモリ508に記憶される。データメモリ508はプロセッサ506のための実行コードを記憶している。データメモリ508は、ハブ制御器、アクチュエータ、及び他のデバイスに結び付けられたデータも記憶できる。この情報は、例えば構成情報及び較正情報及び試験情報を含む。一般の及び特別のソフトウェアドライバも前記メモリに記憶され得る。データメモリは、座席の動作を制御する座席運動学及び動力学の数学モデルを記憶することもある。さらに、アクチュエータ及び座席の安全ゾーンもメモリに記憶され得る。」
「【0023】
一実施例では、プロセッサ506はコマンドモジュール514を含んでいる。コマンドモジュールは、例えば位置、速度、又は診断情報のようなリアルタイムの情報を取得するために各アクチュエータ及びハブ制御器等に質問又はポーリングするように構成されている。さらに、コマンドモジュール514は、メモリから数学的アルゴリズムとモデル、及び安全ゾーンを使用して、並びにアクチュエータから(例えばセンサーデータのような)リアルタイム情報を使用して、(ハブ制御器を介して)アクチュエータに座席を動かすように命令する。一実施例では、コマンドモジュール514は、リアルタイム情報を解釈して、(図4に示される)乗客制御ユニット(PCU)413に前記情報の一部又は全てを伝送する。前記情報を受信すると、PCU413は前記情報を使用者に、例えば特定の方向及び速度で移動している座席を表示するグラフィックディスプレイに提供することができる。コマンドモジュール514は、可能性のあるエラー又は利用データについてアクチュエータ及びハブ制御器等を監視するために、又は前記情報をメモリに記録又は記憶するために前記情報を活用する。
【0024】
プロセッサ506は登録モジュール516も含んでいる。登録モジュール516は全てのアクチュエータ及びハブ制御器等の記録及びこれら構成要素のシステムにおけるアドレス又は位置を維持している。さらに、登録モジュール516は、構成要素がシステムに追加又はシステムから除去されたときを識別することができる。登録モジュール516は、コマンドモジュール514と協力して、構成要素が作動不可能であるとき又はそうではなく使用されていないときを認知及び記録することも可能である。」
「【0027】
通信インターフェイス510は、ハブ制御器及びアクチュエータ等から情報を受信するため及びハブ制御器及びアクチュエータ等へ情報を伝送するために主制御器をシリアル通信回線522に連結する。通信インターフェイス510は、乗客制御ユニット413から情報を受信するため及び乗客制御ユニット413へ情報を伝送するために、主制御器502を乗客制御ユニット413へ同様に連結する。一実施例では、通信インターフェイス510はシリアル通信回線又はネットワークを制御する。例えば、シリアル通信回線に接続されている他のデバイスの全ては、主制御器からのコマンド及び要求等に単純に応答することができる。
【0028】
通信インターフェイス510は、シリアル通信回線を実現するために用いられる特定のプロトコル及び/又は物理インターフェイスを支えている。例えば、シリアル通信回線は、RS-485、CAN,TCP/UDP又はフィールドバス(Fieldbus)シリアルインターフェイスを含んでいる。」
「【0032】
ハブ制御器504はパススルー接続526及び通信インターフェイス528を含むことができる。通信インターフェイス528は、シリアル通信回線とインターフェイスするための送受信機(図示せず)を含んでいる。一実施例では、前記送受信機は、回線上の構成要素間の(半二重又は完全二重の)双方向通信をサポートする3状態2線送受信機である。
【0033】
ハブ制御器504は、該ハブ制御器504に接続されたアクチュエータ又は他のデバイスの各々とインターフェイスするための数個の構成要素(例えばアクチュエータドライバ回路)を含んでいる。これらの構成要素は、主制御器502と協働してアクチュエータ等の各々を制御するための別個の又は組み合わせられた論理回路及び他の回路を含んでいる。このために、これらの構成要素は、アクチュエータ等を制御する信号を生成すると共に、アクチュエータ等から状態信号を受信する。
【0034】
ハブ制御器504は、(配線532A~532Cで表されるように)信号を送ると共に、(配線532A~532Cで表されるように)アクチュエータ又は他のデバイス(図5には示されない)から信号を受信するために適切な信号インターフェイス構成要素530A~530Cを含んでいる。これらの構成要素は、例えば、各アクチュエータのための別個のラインドライバ及び受信機を含んでいる。アクチュエータドライバ回路は、適切なラインドライバ及び受信機とインターフェイスして所望のアクチュエータ等へ信号を送るため及び所望のアクチュエータ等から信号を受信するために、固定された接続又はアドレッシング又は幾つかの他の機構を使用する。一実施例では、ハブ制御器404A~Cのアドレッシングは、(図4で示される)ハーネス408A~Cにおいて実施される。
【0035】
図5の実施例により示されるように、ハブ制御器504の構成要素は、一つ以上のプロセッサ534を用いて実行される。例えば、プロセッサ534は、メッセージとデータを送受信するために通信インターフェイス528と相互作用する。さらに、各アクチュエータ又は他のデバイスに結び付けられたハブ制御器504の構成要素は、一つ以上のプロセッサを使用して実行される。
【0036】
所与の構成要素に結び付けられた機能は、データメモリ536に記憶されたコード、コマンド、及び他のデータによって定義されている。したがって、別個のコード及びデータが各構成要素に結び付けられている。一実施例では、ハブ制御器504は、データメモリにそれ自身の構成情報、較正情報、及び/又は試験情報を記憶している。
【0037】
したがってプロセッサ534はコマンドを定式化してアクチュエータ等にデータパラメータを供給し、前記データパラメータはデバイスに特定の一つの又は複数の機能を実行させるものである。例えば、プロセッサは、モーターにギアを始動又は移動させる信号を生成する。このために、プロセッサ534はコマンドモジュール538を含んでいる。コマンドモジュール538は、例えばプログラムのようなコマンド又は命令、並びに主制御器502又は他の構成要素からの関連するデータを解釈して、座席を操縦する。一実施例では、コマンドモジュール538は、例えば機械コードのような適切なコード、又は例えば特定の電圧又は電流を与える信号、又は例えばレジスターのようなメモリ要素に特定のビットを書き込むデータ記憶を決定し且つ利用して、主制御器502からのコマンドに従って座席を操縦する。」
「【図4】
[図:0001409704000001.jpg]
」
「【図5】
[図:0001409704000002.jpg]
」
(イ)認定事項
a 【0020】の記載によれば、図5は、図4の座席操作システム400のうち、主制御器とハブ制御器の詳細を示したものであることから、以下、座席操作システム400の各構成は、図4の表記(すなわち、符号は400番台。)とし、主制御器及びハブ制御器の内部の構成は、図5の表記(すなわち、符号は500番台。)とし、アクチュエータ406A、406Bは、まとめて「アクチュエータ」ともいい、ハブ制御器404A~404Cは、まとめて、「ハブ制御器」ともいう。
b 【0033】、【0034】の記載及び図4、5によれば、上記aを踏まえると、ハブ制御器404Aは、それぞれアクチュエータ406A、406Bと信号を送受信するための信号インターフェイス構成要素530A、530Bを含むこと、ハブ制御器404Bは、それぞれアクチュエータ406C~406Eと信号を送受信するための信号インターフェイス構成要素530A~530Cを含むこと、ハブ制御器404Cは、ランバー空気嚢407が接続されたこと、及び、信号インターフェイス構成要素530A~530Cはアクチュエータドライバ回路とラインドライバ及び受信機を含んでいることが認められる。
c 【0016】の記載によれば、主制御器402は、共通シリアルバス408を介してハブ制御器404A~404Cと接続され、ハブ制御器404A~404Cを制御することが認められる。
d 【0024】の記載によれば、登録モジュール516は、全てのアクチュエータ及びハブ制御器等の記録及びこれら構成要素のシステムにおけるアドレス又は位置を維持していることが認められ、【0023】の記載によれば、上記aを踏まえると、コマンドモジュール514は、ハブ制御器404A、404Bにそれぞれコマンドを送信することでアクチュエータ406A~406Eに座席を動かすよう命令することが認められる。
e 【0020】の記載によれば、上記aを踏まえると、主制御器402は、プロセッサ506を含むことが認められ、【0023】及び【0024】の記載によれば、プロセッサ506は、登録モジュール516と、コマンドモジュール514とを含むことが認められる。
f 【0037】の記載、及び、図4、5によれば、上記aを踏まえると、プロセッサ534は、主制御器402からのコマンドに従って、アクチュエータ406A~406Eを制御することで座席を操縦することが認められ、【0035】も参照すると、ハブ制御器404A、404Bは、プロセッサ534を含むことが認められる。
g 図4によれば、ハブ制御器404A、404Bのそれぞれは、アクチュエータ406A~406Eが接続される接続部を含むことが看取できる。
(ウ)引用発明
上記(ア)及び(イ)を総合すると、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「それぞれアクチュエータ406A、406Bと信号を送受信するための信号インターフェイス構成要素530A、530Bを含むハブ制御器404Aと、それぞれアクチュエータ406C~406Eと信号を送受信するための信号インターフェイス構成要素530A~530Cを含むハブ制御器404Bと、ランバー空気嚢407が接続されたハブ制御器404Cと、
共通シリアルバス408を介してハブ制御器404A~404Cと接続され、ハブ制御器404A~404Cを制御する主制御器402と、
を含み、
信号インターフェイス構成要素530A~530Cはアクチュエータドライバ回路とラインドライバ及び受信機を含んでおり、
主制御器402は、全てのアクチュエータ及びハブ制御器等の記録及びこれら構成要素のシステムにおけるアドレス又は位置を維持している登録モジュール516と、ハブ制御器404A、404Bにそれぞれコマンドを送信することでアクチュエータ406A~406Eに座席を動かすよう命令するコマンドモジュール514とを含むプロセッサ506を含み、
ハブ制御器404A、404Bは、主制御器402からのコマンドに従って、アクチュエータ406A~406Eを制御することで座席を操縦するプロセッサ534を含み、
ハブ制御器404A、404Bのそれぞれは、アクチュエータ406A~406Eが接続される接続部を含む、
移動体座席操作システム400。」
イ 引用文献2について
原査定で引用された特開2016-15809号公報(以下「引用文献2」という。)には、図面とともに、以下の事項が記載されている。
「【0003】
ところで、車両に配索されるワイヤハーネスは、車両の仕様違いによる機能の有無への対応が必要となる。従来のワイヤハーネスでは、このような場合、機能部品の後付けで対応がなされている。このような機能部品の後付けは、機能毎にワイヤハーネスを追加したり、搭載率が高い機能のワイヤハーネスを配索したりして行われる。
また、近年では、車両に搭載される複数の電装機器を制御する通信システムとして、各電装機器を制御する複数の電子制御ユニットがそれぞれ共通の多重通信線で接続され、その多重通信線を介して多重化された信号の授受を行い、これに基づいて各電装機器の作動を制御するようにした多重通信システムが用いられている(例えば、特許文献1参照)。」
「【0027】
標準コネクタ部20aは、標準電装機器18に接続された標準ハーネス11の一端を接続するためにジャンクションボックス20に設けられたコネクタ部である。
拡張コネクタ部20bは、拡張電装機器29に他端が接続された追加接続部材13の一端が後付けで分岐接続される拡張用ハーネス12を接続するためにジャンクションボックス20に設けられたコネクタ部である。」
「【0029】
本第1実施形態の拡張用ハーネス12は、ジャンクションボックス20の拡張制御部21に接続される通信線25、電源線23及びGND27の3種類の電線を基本とするワイヤハーネスであり、標準ハーネス11に併設されたり、標準ハーネス11とは別に配索されたりして、取付対象車両における拡張電装機器29の近傍まで延びている。拡張用ハーネス12は、これに加え、信号線(図示略)などの他の電線が更に加わるものであってもよいし、GND27を省いたものであってもよい。拡張用ハーネス12における通信線25には、多重信号が流される。また、拡張用ハーネス12における信号線には、単独の信号が流される。
更に、拡張用ハーネス12は、ジャンクションボックス20の拡張コネクタ部20bに接続されるジャンクションボックス側コネクタ24が一端に設けられ、終端装置30が他端に設けられている。
【0030】
そして、取付対象車両に選択的に後付けされる拡張電装機器(例えば、集中ドアロック・ユニットやシートヒータ・ユニットなど)29が、追加接続部材13を介して拡張用ハーネス12に後付けされている。
追加接続部材13は、図4の(a)に示すように、一端がハーネス分岐接続機構31を介して拡張用ハーネス12の任意の位置に分岐接続され、他端が補機接続機構61を介して拡張電装機器29に接続される。追加接続部材13を介して拡張電装機器29を拡張用ハーネス12に後付けする後付け方法は、「圧接」、「接着」、「溶着」など、拡張用ハーネス12のうちの少なくとも通信線25又は電源線23の少なくとも一方に分岐接続できる方法であれば何れであってもよい。本第1実施形態においては、追加接続部材13が、後述するハーネス分岐接続機構31によって拡張用ハーネス12の電源線23、通信線25及びGND27に分岐接続される場合を例に説明する。
【0031】
本第1実施形態のジャンクションボックス20における標準制御部19及び拡張制御部21は、それぞれ標準電装機器18及び拡張電装機器29を電子制御するマスターECUである。これら標準制御部19及び拡張制御部21は、より具体的には「マイコン」、「半導体ヒューズ」、「通信トランシーバ」を回路基板若しくは電子部品に実装することで構成されている。なお、ジャンクションボックス20における標準制御部19及び拡張制御部21は、上述のように別々に内蔵されるものに限らず、標準制御部の中に拡張制御部を予め一体に備えたものでもよい。
【0032】
また、本第1実施形態の追加接続部材13には、制御機能部15が設けられる。本第1実施形態において、通信線25からの信号を受けて拡張電装機器29の動作を制御する制御信号を生成する信号生成部を有する制御機能部15は、拡張電装機器29の動作を制御するスレーブECUである。制御機能部15は、拡張電装機器29の動作を制御するために追加接続部材13に設けられる。制御機能部15は、より具体的には「マイコン」、「半導体ヒューズ」、「通信トランシーバ」を回路基板若しくはバスバーによる回路体などに実装することで構成されている。なお、拡張電装機器29自体が、予め制御機能部を有するものでもよい。」
「【0050】
更に、上記拡張制御部21として、マイクロコンピュータを内蔵することで、拡張電装機器29のSW入力、センサ入力、PWM出力などの制御に対する対応が容易となる。これら拡張電装機器29に対する制御は、マイクロコンピュータで行われるため、仕様変更等がソフトによって容易に対応が可能となる。」
「【図1】
[図:0001409704000003.jpg]
」
ウ 追加文献について
当審が追加した特開2011-93374号公報(以下「追加文献」という。)には、図面とともに、以下の事項が記載されている。
「【0029】
オプション回路321は、標準回路311と同様の複数の電線で構成されている。オプション回路321は、通信コネクタ50とECU20とを接続する接続回路であって、これらの間で行われる通信に必要な制御信号線及び電源供給線などを備えている。例えば、通信コネクタ50とECU20との間で行われる通信のためのプロトコルとして、公知のLINを採用して、オプション回路321には、これら通信プロトコルに必要とされる制御信号線などが設けられる。勿論、通信プロトコルとして、CAN(Controller Area Network)等の他の通信プロトコルを採用してもよい。」
「【0036】
このICチップを備えることにより、通信コネクタ50は、オプション回路321を介してECU20と通信を行うための通信機能と、複数のオプション電子機器10bとECU20とをオプション回路321を共通に用いて通信可能に接続するための通信多重化機能と、を有している。即ち、通信コネクタ50は、該通信コネクタ50に接続された複数のオプション電子機器10bと電子制御ユニット20との通信を多重化する多重通信を、オプション回路321(即ち、接続回路)を介して電子制御ユニット20と行う通信制御手段(即ち、通信手段及び通信多重化手段)を有している。
【0037】
具体的には、ICチップは、(1)オプション回路321及び複数の圧接端子70を介してECU20から制御情報(以下、「第1情報」という)を受信し、この第1情報に含まれるアドレスデータを判定して、(2)このアドレスデータが自分自身の通信アドレスを示すものでないときは、第1情報を破棄し、又は、(3)このアドレスデータが自分自身の通信アドレスを示すものであるときは、(4)第1情報を、該第1情報にさらに含まれる回路識別データが示す雄タブ71の組から出力して、該雄タブ71の組に接続されたオプション電子機器10bに送信する。
【0038】
また、ICチップは、(5)雄タブ71を介してオプション電子機器10bから制御情報(以下、「第2情報」という)を受信して、(6)この第2情報に、該第2情報を受信した雄タブ71の組を示す回路識別データを付加したのち、(7)さらに自分自身の通信アドレスを示すアドレスデータを付加して圧接端子70から出力して、ECU20に送信する。上記(1)~(3)、(7)は、通信コネクタ50が備える通信機能に相当し、上記(4)~(6)は、通信多重化機能に相当する。また、オプション回路321に複数の通信コネクタ50が設けられている場合には、この通信機能についても、通信多重化機能に相当する(即ち、複数の通信コネクタ50とECU20との複数の通信を多重化する)。」
「【図1】
[図:0001409704000004.jpg]
」
「【図2】
[図:0001409704000005.jpg]
」
(3)対比・判断
ア 対比
(ア)本件補正発明と引用発明とを対比すると、後者の「アクチュエータ406A~406E」のそれぞれは、前者の「負荷」に相当し、以下同様に、「ハブ制御器404A~404C」のそれぞれは「下位制御部」に、「共通シリアルバス408」は「所定の通信線」に、「主制御器402」は「上位制御部」に、「含」むことは「備え」ることに、「アクチュエータドライバ回路」は「ドライバ回路」に、「コマンドモジュール514」は「マスタ制御部」に、「プロセッサ534」は「機能実行部」に、「接続部」は「標準負荷用接続部」に、それぞれ相当する。
(イ)上記(ア)を踏まえると、後者の「それぞれアクチュエータ406A、406Bと信号を送受信するための」及び「それぞれアクチュエータ406C~406Eと信号を送受信するための」は、前者の「それぞれが複数負荷の個別駆動を可能にする」に相当し、後者の「ハブ制御器404A」及び「ハブ制御器404B」は、前者の「複数の下位制御部」に相当し、後者の「ラインドライバ及び受信機」は、アクチュエータやその他のデバイスから信号を受け取るものであり、前者の「多重通信回路」と、「通信回路」という点で共通するから、
後者の「それぞれアクチュエータ406A、406Bと信号を送受信するための信号インターフェイス構成要素530A、530Bを含むハブ制御器404Aと、それぞれアクチュエータ406C~406Eと信号を送受信するための信号インターフェイス構成要素530A~530Cを含むハブ制御器404B」及び「信号インターフェイス構成要素530A~530Cはアクチュエータドライバ回路とラインドライバ及び受信機を含んで」いることは、
前者の「それぞれが複数負荷の個別駆動を可能にするドライバ回路及び多重通信回路を含む複数の下位制御部」と、「それぞれが複数負荷の個別駆動を可能にするドライバ回路及び通信回路を含む複数の下位制御部」という点で共通する。
(ウ)後者の「ハブ制御器404A」、「ハブ制御器404B」は、それぞれ前者の「第1の下位制御部」、「第2の下位制御部」にも相当し、上記(ア)、(イ)も踏まえると、
後者の「共通シリアルバス408を介してハブ制御器404A~404Cと接続され、ハブ制御器404A~404Cを制御する主制御器402」は、
前者の「所定の通信線を経由して前記複数の下位制御部とそれぞれ接続され、前記複数の下位制御部を制御する上位制御部」及び「前記複数の下位制御部として、少なくとも第1の下位制御部、及び第2の下位制御部が接続され」ることに相当する。
(エ)引用文献1の図4によれば、ハブ制御器404Aに接続されたアクチュエータ406Aは、背もたれ部のリクライニングを行うアクチュエータであり、ハブ制御器404Bに接続されたアクチュエータ406C~406Eは、それぞれ座面、レッグレスト、フットレストを動かすアクチュエータであると認められる。
そして、引用文献1の【0024】も参照すると、後者の「登録モジュール516」は、全てのアクチュエータ及びハブ制御器等の記録及びこれら構成要素のシステムにおけるアドレス又は位置を維持していることで、全てのアクチュエータ及びハブ制御器の接続関係を登録、管理するものであると認められるところ、例えば、図4で示されるアクチュエータ及びハブ制御器の接続関係を登録、管理すれば、ハブ制御器404Aには、背もたれ部のリクライニング機能(前者の「第1の機能」に相当。)を割り当てることができ、ハブ制御器404Bには、座面、レッグレスト、フットレストを動かす機能(前者の「第2の機能」に相当。)を割り当てることができるのは明らかであるから、
上記(ア)~(ウ)も踏まえると、後者の「全てのアクチュエータ及びハブ制御器等の記録及びこれら構成要素のシステムにおけるアドレス又は位置を維持している登録モジュール516」は、前者の「前記第1の下位制御部に対して第1の機能を割り当て、前記第2の下位制御部に対して第2の機能を割り当てる機能割当部」に相当する。
(オ)上記(ア)~(エ)を踏まえると、後者の「ハブ制御器404A、404Bにそれぞれコマンドを送信することでアクチュエータ406A~406Eに座席を動かすよう命令するコマンドモジュール514」は、前者の「通信により前記第1の機能及び前記第2の機能をそれぞれ制御するマスタ制御部」に相当する。
(カ)後者において、主制御器402からのコマンドは、登録モジュール516に登録、管理されたアクチュエータ及びハブ制御器の接続関係に基づいて、ハブ制御器404A、404Bに送信されるものであることを勘案すると、後者の「ハブ制御器404A、404Bは、主制御器402からのコマンドに従って、アクチュエータ406A~406Eを制御する」「プロセッサ534を含」むことは、前者の「各前記下位制御部は、前記上位制御部が割り当てた機能に応じて、下流側の各負荷を制御する機能実行部を備え」ることに相当する。
(キ)上記(ア)を踏まえると、後者の「ハブ制御器404A、404Bのそれぞれは、アクチュエータ406A~406Eが接続される接続部を含む」ことは、前者の「前記第1の下位制御部及び前記第2の下位制御部の各々は、前記下流側の前記負荷が接続される標準負荷用接続部」「を備え」ることに相当する。
そうすると、本件補正発明と引用発明との一致点及び相違点は、以下のとおりである。
<一致点>
「それぞれが複数負荷の個別駆動を可能にするドライバ回路及び通信回路を含む複数の下位制御部と、
所定の通信線を経由して前記複数の下位制御部とそれぞれ接続され、前記複数の下位制御部を制御する上位制御部と、
を有し、
前記複数の下位制御部として、少なくとも第1の下位制御部、及び第2の下位制御部が接続され、
前記上位制御部は、前記第1の下位制御部に対して第1の機能を割り当て、前記第2の下位制御部に対して第2の機能を割り当てる機能割当部と、通信により前記第1の機能及び前記第2の機能をそれぞれ制御するマスタ制御部とを備え、
各前記下位制御部は、前記上位制御部が割り当てた機能に応じて、下流側の各負荷を制御する機能実行部を備え、
前記第1の下位制御部及び前記第2の下位制御部の各々は、前記下流側の前記負荷が接続される標準負荷用接続部を備える、
制御システム。」
<相違点1>
通信回路について、本件補正発明では、「多重」通信回路であるのに対して、引用発明では、そのような通信回路であるのか不明である点。
<相違点2>
本件補正発明では、「追加の負荷が接続される追加負荷用接続部」「を備え、前記追加負荷用接続部は、外部のドライバを経由して前記追加の負荷に接続され、前記外部のドライバは、センサ又はスイッチを含む前記追加の負荷が出力する信号を入力して送信する機能を含む」のに対し、引用発明では、そのような構成があるのか不明である点。
<相違点3>
制御システムについて、本件補正発明では、「車載制御システム」であるのに対して、引用発明では、移動体の座席操作システム400である点。
イ 相違点についての判断
(ア)相違点1について
複数の機器を制御するシステムにおいて、通信を多重通信とすることは、本願出願前の周知技術(例えば、引用文献2の【0003】、追加文献の【0036】等参照。以下「周知技術1」という。)であり、多重通信は1つの通信路で複数の通信をすることが可能である。
そして、引用発明は、通信用の配線を少なくすることが課題の1つである(引用文献1の【0009】、【0010】参照。)から、引用発明において、該課題を解決するために、周知技術1を適用して、相違点1に係る本件補正発明の構成とすることは、必要に応じて適宜なし得る設計的事項にすぎない。
(イ)相違点2について
複数の機器を制御するシステムにおいて、追加の接続部(引用文献2では「拡張コネクタ部20b」、追加文献では、「通信コネクタ50」が相当。)を設け、追加の接続部は外部のドライバ(引用文献2では「制御機能部15」、追加文献では「通信コネクタ50」が相当。)を経由して追加の負荷(引用文献2では「拡張電装機器29」,追加文献では、「オプション電子機器10b」が相当。)が接続され、外部のドライバは、追加の負荷が出力するセンサやスイッチ等の信号を受信することも、本願出願前の周知技術(例えば、引用文献2の【0027】、【0029】~【0032】、【0050】、図1、追加文献の【0029】、【0036】~【0038】、図1、2等参照。以下「周知技術2」という。)である。
そして、引用発明は、モジュール性を改良すること、すなわち、種々の機器の接続性を改良することが課題の1つである(引用文献1の【0009】、【0010】参照。)から、該課題を解決するために、引用発明において、周知技術2を適用して、相違点2に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
(ウ)相違点3について
引用文献1の【0001】を参照すると、移動体座席は、具体的には航空機の座席を特に想定したものであると認められるが、当該段落に「特に航空機」と例示として記載され、また、請求項1に「移動体座席用操作システム」と記載されるように、航空機の座席に限定されるものではなく、広く移動体の座席を対象とするものである。そして、移動体の一種である車両の座席においても、座席の姿勢を変更するモータ等の負荷を複数有するものは、例示するまでもなく、本願出願前の周知技術(以下「周知技術3」という。)である。
そうすると、引用発明において、移動体を車両とすることで、相違点3に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
ウ 小括
以上によれば、本件補正発明は、引用発明及び周知技術(周知技術1~3)に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。
よって、本件補正発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものではない。
(4)まとめ
以上のとおりであるから、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は上記の通り却下されたので、本件補正前の本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、上記「第2 1(2)」に示したとおりのものと認められる。
2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由の概要は、以下の理由を含むものである。
[理由](進歩性)
この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記
・請求項 1
・引用文献 1、2
・引用文献等一覧
1.特表2009-530186号公報
2.特開2016-15809号公報(周知技術を示す文献)
3 引用文献の記載事項等
引用文献1等の記載事項等は、上記「第2 2(2)」に示したとおりである。
4 当審の判断
本願発明は、本件補正発明から、「外部のドライバ」について、「前記外部のドライバは、センサ又はスイッチを含む前記追加の負荷が出力する信号を入力して送信する機能を含む」との限定を削除するものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、更に他の事項を付加したものである本件補正発明が、上記「第2 2(3)イ」で説示したとおり、引用発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明を検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2022-017741