2022-003697
撮像装置、システム、及びこのシステムを装備したフォークリフト
- 審判番号
- 2022-003697
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2020-095825外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年03月11日
- 審決日
- 2023年03月30日
- 公報発行日
- 2023年06月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社ユピテル
- 分類
- P18 .121-Z (B60R)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 11項目
第1 手続の経緯
本願は、平成28年1月25日に出願した特願2016-11973号の一部を令和2年6月2日に新たな特許出願としたものであって、令和3年5月24日付けで拒絶理由が通知され、同年8月5日に意見書及び手続補正書が提出されたが、同年12月9日付けで拒絶査定(以下「原査定」という。)がされ、これに対して、令和4年3月11日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正書が提出されたものである。
第2 令和4年3月11日の手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和4年3月11日の手続補正を却下する。
[理由]
1 補正の内容
令和4年3月11日の手続補正を、以下「本件補正」という。
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された(下線部は、補正箇所である。)。
「 【請求項1】少なくとも半球の領域を撮影可能なカメラを備えたフォークリフト用の撮像システムであって、前記少なくとも半球の領域を撮影可能なカメラを複数接続可能な記録手段を備え、前記少なくとも半球の領域を撮影可能なカメラを前記フォークリフトのヘッドガードの天井部分の中央領域に下向きに設置可能な設置手段を備え、前記設置手段は、前記フォークリフトの前記ヘッドガードの前面側上部領域で前記少なくとも半球の領域を撮影可能なカメラの撮影方向を前方向に向けて設置可能な構成であり、前記フォークリフトの前記ヘッドガードの背面側上部領域で前記少なくとも半球の領域を撮影可能なカメラの撮影方向を下向きから背面側に起こした設置角度でも設置可能な構成としたことを特徴とする撮像システム。」
(2)本件補正前の特許請求の範囲の記載
本件補正前の、令和3年8月5日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。
「 【請求項1】カメラを備えたフォークリフト用の撮像システムであって、前記カメラは少なくとも半球の領域を撮影可能なカメラであり、前記カメラが接続される記録手段を備え、前記記録手段は前記少なくとも半球の領域を撮影可能なカメラを複数接続可能であり、前記フォークリフトの前記ヘッドガードの前面側上部領域で前記カメラの撮影方向を前方向に向けて設置可能な設置手段を備え、前記設置手段は、前記フォークリフトの前記ヘッドガードの背面側上部領域で前記カメラの撮影方向を下向きから背面側に起こした設置角度でも設置可能な構成としたことを特徴とする撮像システム。」
2 補正の適否
本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「設置手段」について、「前記少なくとも半球の領域を撮影可能なカメラを前記フォークリフトのヘッドガードの天井部分の中央領域に下向きに設置可能な」という事項を付加して限定するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
なお、上記の限定箇所以外の本件補正後の請求項1の下線部に対応する補正箇所は、発明を特定するために必要な事項の順序を入れ替えたり、「前記カメラ」を全て「前記少なくとも半球の領域を撮影可能なカメラ」として、「前記」に対応する事項を統一したりしているが、本件補正前と発明を特定するために必要な事項は同じであり、実質的に補正がされたものではない。
そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下検討する。
(1)本願補正発明
本願補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。
(2)引用文献に記載された事項及び発明
1:特開2013-9211号公報
2:特開2015-174705号公報
3:特開2012-51678号公報
4:特開2015-229551号公報
5:特開2012-203707号公報
以下、順にそれぞれ、「引用文献1」~「引用文献5」という。
引用文献1について以下のことがいえる。
ア 引用文献1に記載された事項
原査定の拒絶の理由で引用された本願の出願前に頒布された刊行物である引用文献1には、図面とともに、次の事項が記載されている(なお、下線は当審が付した。以下、同様である。)。
「【0035】図4は、本発明の実施形態に係る車載カメラの取付状態を示す図であり、(A)はカメラ非動作状態の側面図、(B)はカメラ動作状態の側面図である。この図に示すように、車載カメラ1は、後方確認カメラや死角監視カメラとして用いる場合、前側が低く、後側が高くなる傾斜姿勢で車両の外部に取付けられ、取付位置から下方を見下ろすように車外を撮像する。例えば、本実施形態の車載カメラ1は、取付角度を調整可能な取付金具40を介して、車体50の後部に傾斜姿勢で取付けられる。ちなみに、取付金具40は、カメラ本体10の後面部に固定されるカメラ固定部材41と、車体50に固定される車体固定部材42と、カメラ固定部材41と車体固定部材42を角度調整自在に連結する連結部材43とを備えて構成されている。・・・【0051】例えば、前記実施形態の車載カメラ1では、画角が180°を超えない広角レンズ12を用いているが、画角が180°を超える魚眼レンズを用いる場合でも、本発明が適用可能であることは言うまでもない。つまり、魚眼レンズを用いる場合は、カメラ動作時にフード20を近接する位置に摺動したとき、側面視において魚眼レンズのレンズ機能面全体がフード20よりも前方に突出するようにカメラ本体10及びフード20の形状を設定すればよい。」
イ 引用文献1に記載された発明
上記アから、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
[引用発明]
「カメラ本体10の後面部に固定されるカメラ固定部材41と、車体50に固定される車体固定部材42と、カメラ固定部材41と車体固定部材42を角度調整自在に連結する連結部材43とを備えた、取付角度を調整可能な取付金具40を介して、例えば、車体50の後部に傾斜姿勢で取付けられる、画角が180°を超える魚眼レンズを用いた車載カメラ1。」
(3)対比
本件補正発明と引用発明とを対比する。
ア
引用発明の「画角が180°を超える魚眼レンズを用いた車載カメラ1」は、本件補正発明の「少なくとも半球の領域を撮影可能なカメラ」に相当する。
イ
引用発明の「カメラ本体10の後面部に固定されるカメラ固定部材41と、車体50に固定される車体固定部材42と、カメラ固定部材41と車体固定部材42を角度調整自在に連結する連結部材43とを備えた、取付角度を調整可能な取付金具40」(以下「車載カメラ1の取付角度を調整可能な取付金具40」ともいう。)は、「画角が180°を超える魚眼レンズを用いた車載カメラ1」を、「例えば」「車体50の後部に傾斜姿勢で取付け」るものであるから、「取付角度を調整」することで、車載カメラ1を下向きに設置可能であり、車載カメラ1の撮影方向を下向きから背面側に起こした設置角度でも設置可能な構成であるといえる。
ウ
引用発明の「取付金具40」は、本件補正発明の「設置手段」に相当する。
このことと上記ア、イを踏まえると、引用発明の「車載カメラ1の取付角度を調整可能な取付金具40」すなわち「画角が180°を超える魚眼レンズを用いた車載カメラ1の取付角度を調整可能な取付金具40」と、本件補正発明の「前記少なくとも半球の領域を撮影可能なカメラを前記フォークリフトのヘッドガードの天井部分の中央領域に下向きに設置可能な設置手段」及び「前記フォークリフトの前記ヘッドガードの前面側上部領域で前記少なくとも半球の領域を撮影可能なカメラの撮影方向を前方向に向けて設置可能な構成であり、前記フォークリフトの前記ヘッドガードの背面側上部領域で前記少なくとも半球の領域を撮影可能なカメラの撮影方向を下向きから背面側に起こした設置角度でも設置可能な構成とした」「前記設置手段」とは、「少なくとも半球の領域を撮影可能なカメラを下向きに設置可能な設置手段」及び「前記少なくとも半球の領域を撮影可能なカメラの撮影方向を下向きから背面側に起こした設置角度でも設置可能な構成とした」「前記設置手段」において共通する。
エ
引用発明の「画角が180°を超える魚眼レンズを用いた車載カメラ1」及び「車載カメラ1の取付角度を調整可能な取付金具40」を合わせたものは、撮像システムを構築し、「車体50」(実質的に車両といえる。)に取付けられている。
このことと上記アを踏まえると、引用発明の「画角が180°を超える魚眼レンズを用いた車載カメラ1」及び「車載カメラ1の取付角度を調整可能な取付金具40」を合わせたものと、本願発明の「少なくとも半球の領域を撮影可能なカメラを備えたフォークリフト用の撮像システム」とは、「少なくとも半球の領域を撮影可能なカメラを備えた車両用の撮像システム」において共通する。
以上から、本件補正発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。
<一致点>
「少なくとも半球の領域を撮影可能なカメラを備えた車両用の撮像システムであって、前記少なくとも半球の領域を撮影可能なカメラを下向きに設置可能な設置手段を備え、前記設置手段は、前記少なくとも半球の領域を撮影可能なカメラの撮影方向を下向きから背面側に起こした設置角度でも設置可能な構成とした撮像システム。」
<相違点1>
「撮像システム」が、本件補正発明では、「フォークリフト用」であり、「前記少なくとも半球の領域を撮影可能なカメラを複数接続可能な記録手段を備え」ているのに対して、引用発明では、そのように特定されていない点。
<相違点2>
「少なくとも半球の領域を撮影可能なカメラを設置可能な設置手段」の設置場所及び設置方向ついて、本件補正発明では、少なくとも半球の領域を撮影可能なカメラを「フォークリフトのヘッドガードの天井部分の中央領域に」「下向きに」設置可能な設置手段あり、「フォークリフトのヘッドガードの前面側上部領域で」「少なくとも半球の領域を撮影可能なカメラの撮影方向を前方向に向けて設置可能な構成であり」、「前記フォークリフトの前記ヘッドガードの背面側上部領域で」少なくとも半球の領域を撮影可能なカメラの撮影方向を下向きから背面側に起こした設置角度でも設置可能な構成であるのに対して、引用発明では、「車載カメラ1の取付角度を調整可能な取付金具40」は、「画角が180°を超える魚眼レンズを用いた車載カメラ1」を、「例えば、」「車体50の後部に」「取付け」る点。
(4)判断
各相違点等について以下検討する。
ア 相違点1について
(ア)
引用発明の「画角が180°を超える魚眼レンズを用いた車載カメラ1」は、車体50(車両)の周囲を撮影するものである。
そして、フォークリフト(車体ないし車両といえる。)の周囲等を撮影するカメラを、フォークリフトに設けることは、周知技術である(後述のイ(エ)で指摘する引用文献2~4も参照。)。
(イ)
また、引用文献1には明記されていないものの、車載カメラを設けている車両であれば、車種を問わず車載カメラの記録手段が備えられていることは技術常識であり、その記録手段がカメラを複数接続可能な構造となっていることは、周知技術である(必要であれば、引用文献5の明細書の段落【0005】、特開2010-195235号公報の請求項1等を参照。)。
(ウ)
これらの技術常識及び各周知技術に鑑み、引用発明の撮像システム(上記(3)エ)を、フォークリフト用として、カメラを複数接続可能な記録手段を備えるようにし、相違点1に係る本件補正発明の構成とする程度のことは、当業者が適宜なし得たといえる。
イ 相違点2について
(ア)
本件補正発明は、フォークリフト用の撮像システムの発明であって、撮像システムを特定の位置に設置したフォークリフトの発明ではない。
すなわち、相違点2に係る本件補正発明の構成は、「少なくとも半球の領域を撮影可能なカメラ設置可能な設置手段」が、「少なくとも半球の領域を撮影可能なカメラ」を、フォークリフトの所定の箇所に所定の方向に向けて「設置可能」であることを特定しているにすぎず、実際にフォークリフトにカメラが設置されている構成を特定するものではない。
(イ)
引用発明では、「画角が180°を超える魚眼レンズを用いた車載カメラ1の取付角度を調整可能な取付金具40」は、「画角が180°を超える魚眼レンズを用いた車載カメラ1」を、「例えば、」「車体50の後部に」「取付け」るものであって、引用文献1の全記載を見ても、当該「取付金具40」により「車載カメラ1」が取り付けられる車種及び設置場所が限定されているものとは認められない。
要するに、当該「取付金具40」は、「画角が180°を超える魚眼レンズを用いた車載カメラ1」を車種及び設置場所を限定することなく取付けることができるものである。
(ウ)
そうすると、引用発明の「画角が180°を超える魚眼レンズを用いた車載カメラ1の取付角度を調整可能な取付金具40」(少なくとも半球の領域を撮影可能なカメラ設置可能な設置手段)は、実質的に、フォークリフトのヘッドガードの天井部分の中央領域や、フォークリフトのヘッドガードの前面側上部領域や、フォークリフトのヘッドガードの背面側上部領域にも「設置可能な構成」となっているし、そこまではいえないとしても、そのような領域に「設置可能な構成」とすることは、当業者が適宜なし得たことにすぎない。
(エ)
上記(ア)で示したとおりであって、相違点2に係る本件補正発明の構成は、フォークリフトの構成を特定するものではないが、念のため、当該構成がフォークリフトにおける撮像システムの設置に係る構成が特定されているもの(例えば本願の図12(C)、(D))と仮定して、以下検討しておくことにする。
引用文献2(段落【0022】、【0023】、図1等参照)、引用文献3(段落【0025】、図1等参照)、引用文献4(段落【0040】、【0055】、図1、図5等参照)には、それぞれ、フォークリフトのヘッドガードの前面側上部領域で前方向に向けてカメラを設置すること、ヘッドガードの背面側上部領域でカメラの撮影方向を下向きから背面側に起こした設置角度で設置すること、少なくとも半球の領域を撮影可能なカメラをフォークリフトのヘッドガードの天井部分の中央領域に下向きに設置することが記載されている。
そして、前進や後進などを頻繁に繰り返すフォークリフトでは、安全確保などのために、車両の周囲全体の様子を十分把握する必要があることは、自明な課題であることを踏まえると、引用発明において、「車載カメラ1」の設置場所や設置方向を、上記各引用文献2~4に記載のようにして、相違点2に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たといえる。
ウ 本件補正発明の作用効果について
そして、本件補正発明の奏する作用効果は、引用発明及び技術常識、各周知技術、引用文献2~4に記載された技術事項から予測できる程度のものであって、格別に顕著なものとはいえない。
エ 審判請求人の主張について
(ア)
審判請求書の「4.本願発明が特許されるべき理由」「b.本願発明の特徴」の欄において、審判請求人は、「例えば少なくとも半球の領域を撮影可能なカメラを1種類製造するだけで、後方及び運転者の撮影が可能であるという効果を奏する。」と主張するが、引用発明は、画角が180°を超える魚眼レンズを用いた車載カメラ1(半球の領域を撮影可能なカメラ)であるから、同様の効果を奏するといえる。
したがって、当該主張は採用できない。
(イ)
また、同欄において、審判請求人は、「例えば1種類の少なくとも半球の領域を撮影可能なカメラを2つ備え、図12(C)及び(D)のように設置することも可能となり、この場合、同一種類のカメラを2つ用いて、[0135]に記載のように、高いところの荷物も撮影できるとともに、更に、後方及び運転者の撮影が可能であるという効果を奏しうる。このように少なくとも半球の領域を撮影可能なカメラ1種類を上述のように効果的にフォークリフトの特定の箇所にも配置可能とする思想はいずれの引用文献にも記載がなく、引用文献を組み合わせることができたとしても、本願発明には想到しない。」(下線は当審が付した。)と主張するが、上記イで述べたとおりであって、引用発明の「車載カメラ1」は、取り付けられる車種及び設置場所が限定されていないので、審判請求人が主張する上記の設置に係る可能性は、引用発明において排除されているものではない。
また、本件補正発明の「少なくとも半球の領域を撮影可能なカメラ」は、「フォークリフト用」であり、「フォークリフト」の所定の領域に「設置可能な構成」となっているが、上記イ(ア)で述べたとおり、実際に「フォークリフト」に設置したものではないから、審判請求人が主張する上記の効果を奏するものではない(そもそも、本件補正発明では、例えば図12(C)及び(D)のような,撮像システムを搭載するフォークリフト自体の構成が特定されていないのだから、審判請求人が主張する上記の撮影に係る効果は、本件補正発明の効果とはいえない。)。
さらに、仮に、本件補正発明が、1種類の少なくとも半球の領域を撮影可能なカメラを2つ備え、フォークリフトに図12(C)及び(D)のように設置したものを意味していると解しても、上記イ(エ)で述べたとおり、当業者が容易になし得たものであり、効果についても当業者が予測可能な範囲内のものである。
したがって、当該主張も採用できない。
(5)小括
したがって、本件補正発明は、引用発明及び技術常識、各周知技術、引用文献2~4に記載された技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
3 本件補正についてのむすび
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記の補正の却下の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
令和4年3月11日の手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1~3に係る発明は、令和3年8月5日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~3に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された以下の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、という理由を含むものである。
[刊行物等一覧]
3 引用文献に記載された事項等
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1ないし5及び引用文献1の記載事項等は、前記第2の[理由]2(2)に記載したとおりである。
4 対比・判断
本願発明は、前記第2の[理由]2で検討した本件補正発明から、「設置手段」について、「前記少なくとも半球の領域を撮影可能なカメラを前記フォークリフトのヘッドガードの天井部分の中央領域に下向きに設置可能な」という限定事項を削除したものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、前記第2の[理由]2(5)に記載したとおり、引用発明及び技術常識、各周知技術、引用文献2~4に記載された技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、引用発明及び技術常識、各周知技術、引用文献2~4に記載された技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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