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特許拒絶査定不服審判

2024-007153

制御装置

審判番号
2024-007153
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2023-098020外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2024年04月26日
審決日
2025年01月17日
公報発行日
2025年04月25日
結論
請求不成立
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (G06Q) / P18 .575-Z (G06Q) / 標準データ:手続:不服 / 標準データ:80・121-Z (G06Q) / 標準データ:80・575 / 標準データ:確定ステータス:1 維持(出訴無し)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条1項3号特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第29条第1項第3号、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項
データ出所
審決公報(XML)、特許情報標準データ(審判)

事件の表示

特願2023- 98020「制御装置」拒絶査定不服審判事件〔令和 6年12月26日出願公開、特開2024-179288〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由

目次 ▾ 11項目
理 由

第1 手続の経緯

本願は、令和5年6月14日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。

令和 5年 8月24日付け:拒絶理由通知書
令和 5年12月28日 :意見書、手続補正書の提出
令和 6年 1月25日付け:拒絶査定(原査定)
令和 6年 4月26日 :審判請求書、手続補正書の提出
令和 6年 7月19日付け:前置報告書

第2 令和6年4月26日にされた手続補正についての補正の却下の決定

[補正の却下の決定の結論]

令和6年4月26日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]

1 本件補正について

(1) 本件補正後の特許請求の範囲の記載

本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された(下線部は、補正箇所である。)。

「【請求項1】
客席に設けられた表示装置において、注文可能な複数の商品の画像を表示させ、前記商品の画像に対する操作に応じて前記商品の注文を受け付ける制御部を備え、
前記制御部は、店舗で提供される可能性のある商品に関する情報であって表示される文字や画像を含む商品群データを記憶するコンテンツ情報記憶部が記憶する情報に基づいて、前記表示装置において所定の方向に移動するように表示する対象となる商品である表示対象商品の画像を前記商品群データから選択し、
前記制御部は、前記客席の顧客の第一の動作からの経過時間に基づいて、前記表示対象商品として前記客席の顧客に対して優先的に表示させる商品である優先表示商品の画像を選択し、
前記顧客の第一の動作は、前記表示装置が設けられた店舗に前記顧客が入店したこと、又は、前記表示装置が設けられた客席に前記顧客が着いたことであり、
前記制御部は、前記客席の顧客の第一の動作からの経過時間を、前記顧客に提供される座席と前記顧客とを対応付けて、記憶装置に登録されてからの経過時間として判定する、制御装置。」

(2)本件補正前の特許請求の範囲の記載

本件補正前の、令和5年12月28日にされた手続補正による特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。

「【請求項1】
客席に設けられた表示装置において、注文可能な複数の商品の画像を表示させ、前記商品の画像に対する操作に応じて前記商品の注文を受け付ける制御部を備え、
前記制御部は、店舗で提供される可能性のある商品に関する情報であって表示される文字や画像を含む商品群データを記憶するコンテンツ情報記憶部が記憶する情報に基づいて、前記商品群データから表示対象となる商品を表示対象商品として選択し、
前記制御部は、前記客席の顧客の第一の動作からの経過時間に基づいて、前記表示装置において表示させる前記商品の画像を選択し、
前記顧客の第一の動作は、前記表示装置が設けられた店舗に前記顧客が入店したこと、又は、前記表示装置が設けられた客席に前記顧客が着いたことであり、
前記制御部は、前記客席の顧客の第一の動作からの経過時間を、前記顧客に提供される座席と前記顧客とが対応付けて記憶装置に登録されてからの経過時間として判定する、制御装置。」

2 補正の適否

本件補正は、上記1のとおり、「制御部」が選択する「表示装置において表示させる商品」の「画像」について、(i)「コンテンツ情報記憶部」に記憶される「商品群データ」から選択される「画像」であり、「前記表示装置において所定の方向に移動するように表示する対象となる商品である表示対象商品の画像」であること、(ii)「前記表示対象商品として前記客席の顧客に対して優先的に表示させる商品である優先表示商品の画像」であるとの限定を付加するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下、「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。

(1)本件補正発明

本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。

(2)引用文献の記載、引用発明等

ア 引用文献1

(ア)引用文献1の記載

原査定の拒絶の理由で引用された本願の出願日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、特開2014-153983号公報(平成26年8月25日出願公開。以下、「引用文献1」という。)には、次の記載がある。(なお、下線は当審で付した。)

「【0015】
図1は、本発明の実施形態に係る飲食注文システムの構成を示す図である。この図は、ある飲食店の店内の様子を模式的に示した図である。飲食店は大きく分けて顧客に飲食物を提供する場となるフロアと、飲食物を調理する場となるキッチン(厨房)に分けられている。
【0016】
フロアには、飲食注文システムを統括して管理する管理サーバ装置1、各テーブルにおいて顧客が操作する注文端末3a~3d、従業員が携帯することで、受注処理、あるいは、注文状況などの各種情報を確認するためのハンディターミナル9a、9bが設置される。この他、入店した顧客に対して予約、あるいは、入店待ち時間などを知らせるためのウェイティング端末6が設置されている。」
「【0020】
図2は、本発明の実施形態に係る注文端末3、充電台4の構成を示すブロック図である。注文端末3は、制御部として機能するCPU34a、ROM34b、RAM34c、画像処理部34d、音声処理部34eを有している。CPU34aは、ROM34bあるいはHDD35などの記憶手段に記憶されたプログラムに基づいて、注文端末3の処理全体を統括制御する。その際、一時的に生成されたデータなどはRAM34cに記憶される。
【0021】
画像処理部34dは、CPU34aで生成されたデータを画像に変換し、表示部32aに表示出力する。音声処理部34eは、CPU34aで生成されたデータを音声に変換し、スピーカに音声出力する。
【0022】
本実施形態では、表示部32aとタッチパネル32bとでタッチパネルモニタ32が構成されている。このタッチパネル32bは、表示部32aに表示されるアイコンやスイッチなどの各種オブジェクトに対応して、ユーザーからの入力を受け付ける入力手段として機能する。注文端末3には、このタッチパネル32b以外にも機械的なスイッチなどの入力手段を設けることとしてもよい。タッチパネル32bからの入力情報は、インターフェイス37bを介してCPU34aに伝達される。」
「【0028】
図3は本発明の実施形態に係る管理サーバ装置1の構成を示すブロック図である。管理サーバ装置1は、飲食店の出入口付近に設置され、管理者によって使用される装置である。本実施形態では、飲食注文システムを統括して管理する他、販売実績を集計するPOS端末、そして、会計やレシート(領収書)の発行などを行う会計端末としても機能する。この管理サーバ装置1は、通常のパーソナルコンピュータにて構成することが可能である。管理サーバ装置1は、制御部として、CPU11a、ROM11b、RAM11c、画像処理部11d、音声処理部11eを有する。画像処理部11dは、CPU11aで処理したデータを表示部17aに表示出力する。また、音声処理部11eは、CPU11aで処理したデータをスピーカに音声出力する。
【0029】
また、管理サーバ装置1は、記憶手段としてHDD12(ハードディスク)を有している。記憶手段としてはHDD12以外に、SSD(Solid State Drive)など各種形態を採用することが可能である。HDD12には管理サーバ装置1の各種処理を実行するために必要なプログラムやデータを記憶する。・・・」
「【0032】
では、このような飲食注文システムにおいて実行される各種処理について説明する。図4は、飲食注文システムにて実行されるメイン処理を示したフロー図である。このメイン処理は一人の顧客、あるいは、1つの顧客グループ(テーブル)に対して行われる一連の処理を示したものである。まず、空席のテーブルに対して顧客、あるいは、顧客グループが案内されると、従業員はハンディターミナル9、あるいは、管理サーバ1に対して顧客に関する情報を入力する。S101の着席判定は、この顧客に関する情報入力に基づいてい実行され、案内されたテーブルに設置された注文端末3は、S200以降の処理を開始する。
【0033】
本実施形態では、入店した顧客の着席が判定された後(S101:Yes)、顧客から注文端末3において商品の注文を受け付けるオーダ処理S200が開始される。なお、このオーダ処理S200は、注文端末3の記憶手段(HDD35など)に記憶されるプログラムで実行されるものであってもよいし、管理サーバ1の記憶手段(HDD12など)に記憶されるプログラムで実行であってもよい。あるいは、注文端末3側で記憶するプログラムと、管理サーバ1側で記憶するプログラムが連携して実行されるものであってもよい。このオーダ処理S200については、後で詳細に説明を行う。
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【0034】
顧客が退店を指示した場合、会計処理S102が実行される。退店の指示は顧客自身が注文端末3に対して入力することとしても、あるいは、従業員に退店する旨を伝え、従業員がハンディターミナル9、あるいは、管理サーバ1に入力して行うこととしてもよい。・・・
【0035】
では、本発明において特徴となるオーダ処理S200についてその詳細を説明する。
【0036】
図5、図6は、飲食注文システムにおいて使用される各種データの構成を示した図であって、図5は、本発明の実施形態に係る店舗情報のデータ構成を、図6は、本発明の実施形態に係る顧客関連情報のデータ構成を示したものである。これら店舗情報、顧客関連情報は、管理サーバ装置1の記憶手段(HDD12)に蓄積、管理される。
【0037】
店舗情報は、商品マスタ情報、テーブル-端末情報、商品グループ情報、商品プッシュ情報などを含んで構成されている。商品マスタ情報は、飲食店で扱う商品について各種情報を規定した情報であって、本実施形態では、商品コード、商品名、単価などを含んで構成されている。テーブル-端末情報は、店舗内のどのテーブルにどの注文端末3が設置されているかを示す情報である。・・・
【0038】
本実施形態の店舗情報は、後に説明する商品プッシュ処理を実行するため、商品プッシュ情報と商品グループ情報を有して構成される。この商品プッシュ処理は、顧客の飲食時間経過に応じて、注文端末3において商品を推奨する処理である。商品プッシュ情報は、タイミング条件と商品抽出条件を含んで構成されている。タイミング条件は、顧客の飲食時間経過に応じたタイミングを規定した条件であり、主に2つの形態、(1)顧客の入店後、テーブルに着いた飲食開始時点を起点とする飲食時間経過、(2)顧客が注文端末3を操作して商品の注文を行った時点を起点とする飲食時間経過に分けられる。(1)の形態では、顧客が入店して、従業員にテーブルに案内され、従業員がハンディターミナル9を操作して、顧客に関するテーブル情報が入力された時点が起点となる。(2)の形態は、注文端末3を操作して商品の注文を確定した時点が起点となる。」
「【0040】
また、本実施形態では、推奨する各商品を商品グループ情報に基づいてグループに分けておき、商品プッシュ情報中の商品抽出条件に基づいて、グループを指定することで推奨する商品を決定することとしている。この商品抽出条件としては、各種形態が考えられ、単純にグループを指定する形態、注文した商品に対応したグループを決定する形態、最後に注文した商品に対応してグループを決定する形態、これまでの商品の注文傾向に対応したグループを決定する形態などが考えられる。・・・
【0041】
推奨する商品のグループは、商品グループ情報にて規定される。本実施形態では、推奨対象となる商品の商品コードにグループが割り振られている。商品抽出条件で決定されたグループは、この商品グループ情報を参照することで、推奨対象となる商品コードが決定され、推奨商品が抽出される。本実施形態では、同じグループに属する複数の商品の中から、推奨商品を決定するべく優先順位が割り振られており、この優先順位に従って推奨商品が抽出される。このように本実施形態では、推奨対象となる商品を、予め商品に設定されたグループに基づいて決定することとしているが、グループを使用することなく、個別の商品を商品抽出条件に割り当てることとしてもよい。
【0042】
図6の顧客関連情報は、顧客の来店によって生成される情報であり、テーブル情報、注文履歴情報(注文情報)を含んで構成されている。テーブル情報は、顧客の来店時、従業員のハンディターミナル9、管理サーバ装置1の操作によって入力される情報であり、顧客(顧客グループ)に関する情報で構成される。入店コードは、顧客(顧客グループ)毎に割り振られる識別情報であって、顧客(顧客グループ)毎に加算されるシリアル番号などにて構成される。テーブルコードは顧客が着席したテーブルを示す識別情報である。入店日時は、顧客(顧客グループ)の入店した日時であって、テーブル情報を作成した際の日時が自動入力される。この他、オプション情報として、顧客(顧客グループ)の人数、あるいは、顧客(顧客グループ)の性別、年齢(年齢層)などの顧客属性を含めることとしてもよい。このようなオプション情報は、従業員による目視確認に基づき判断され、ハンディターミナル9、管理サーバ1に対して入力される。」
「【0044】
図7は、本発明の実施形態に係るオーダ処理を示すフロー図である。このオーダ処理S200では、商品マスタ情報に登録されている全ての商品を注文すること、並びに、図5で説明した商品プッシュ情報に基づき、飲食時間経過に応じて商品を推奨する商品プッシュ処理が行われる。オーダ処理S200が開始されると、商品マスタ情報に登録されている商品についてメニュー表示が実行される(S201)。図8には、本発明の実施形態に係るオーダ画面が示されている。本実施形態のオーダは、商品毎の種別毎に階層化されており、多くの商品の中から効率的に選択することが可能となっている。そのため、画面上部には種別を選択するための種別選択タブ3Aが設けられている。顧客はこの種別選択タブ3Aの中から所望の種別を選択して、メニュー欄3Bに表示される商品をタッチして選択することができる。メニュー欄3Bは、操作ボタン3C、3Dを操作することで左右にスクロール表示させることが可能となっている。各商品は、その商品画像、商品名、価格(単価)が表示されている。
【0045】
顧客によるタッチで選択された商品は、選択商品名欄3Eに表示され、顧客はプラスボタン、マイナスボタンで構成された数量選択ボタン3Fを使用して、注文数量を指定する(S203)。数量選択ボタン3Fで指定された商品は、カートに格納される(S204)とともに、選択商品欄3G内に、サムネイル画像(SN)と商品名が表示される。画面右下には、注文確認ボタン3Hが設けられており、顧客がこのボタン3Hを操作した場合、図9に示す注文確認画面に移行し、カートに入れた商品の確認が行われる。・・・
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【0046】
注文内容を確認した顧客は、注文確定ボタン3Lを操作することで注文を確定し(S205:Yes)、確定された注文商品は、その数量、入店コード、注文日時などを対応付け、注文情報としてネットワークに送信される(S206)。ネットワークに送信された注文情報は、管理サーバ装置1に注文履歴情報として蓄積されるとともに、キッチン端末5、キッチンプリンタ51などに送信され、調理、配膳のために使用される。
【0047】
一方、注文確認画面において、左下に表示されるもどるボタン3Kが操作された場合には、図8に示すオーダ画面に戻る。このオーダ処理S200は、顧客による退席指示にて終了する(S202:Yes)。注文端末3からの退席指示、あるいは、従業員に対して退席する旨を告げ、従業員によるハンディターミナル9、あるいは、管理サーバ装置1の操作によって退席指示が行われると、このオーダ処理S200を終了し、図4のメイン処理中の会計処理S102へと移行する。
【0048】
このオーダ処理S200の実行期間中に実行されるのが商品プッシュ処理S300である。この商品プッシュ処理S300は、管理サーバ装置1に記憶するプログラムで実行する形態、注文端末3に記憶するプログラムで実行される形態、あるいは、管理サーバ装置1に記憶するプログラムと注文端末3に記憶するプログラムが連携して行う形態がある。注文端末3に推奨商品を表示させる商品プッシュ処理S300を実行する構成は、本発明における商品推奨手段として機能することとなる。
【0049】
図10には、本発明の実施形態に係る商品プッシュ処理を示すフロー図が示されている。この商品プッシュ処理S300は、図5で説明した商品プッシュ情報に基づいて実行される処理であり、S301では、商品プッシュ情報に規定されているタイミング条件に基づく商品プッシュタイミング、すなわち、商品を推奨するタイミングの到来が判定される。このタイミング条件は、前述したように飲食開始時点を起点とする(1)の時間経過の形態、顧客が注文端末3を操作して商品の注文を行った時点を起点とする(2)の時間経過の形態に分けられる。
【0050】
商品プッシュタイミングの到来でないと判定された場合(S302:No)には、この商品プッシュ処理を抜け、オーダ処理を継続して実行する。一方、商品プッシュタイミングの到来であると判定された場合(S302:Yes)には、注文端末3上に推奨する商品を表示して、当該商品の注文を受け付ける。その際、本実施形態では、顧客による注文端末3が操作期間であるか否かを判定し、操作中でないと判定した場合(S303:No)に、推奨する商品を商品プッシュ画面にポップアップ表示して、当該商品の注文を受け付けるようにしている。」
「【0053】
図11の飲食開始時点を起点として商品を推奨するタイミングを決定する(1)の形態では、飲食開始後、15分、45分、70分、100分経過した時点といったタイミングを商品プッシュ情報のタイミング条件として使用している。このようなタイミング条件のもと、商品プッシュ情報に含まれる商品抽出条件には、商品のグループが使用されている。例えば、15分経過したタイミングでは、グループA(例えば、食事系)に属する商品を推奨し、45分経過したタイミングでは、グループB(あっさり系)に属する商品を推奨し、70分経過したタイミングでは、グループC(ご飯、麺類系)に属する商品を推奨し、100分経過したタイミングでは、グループD(デザート系)に属する商品を推奨することが考えられる。・・・
【0054】
推奨するグループが決定された場合、当該グループに属する商品が複数存在する場合には、図5で説明した商品グループ情報に含まれる優先順位を使用して推奨する商品が決定される。・・・」
「【0058】
図13には、図10のフロー図中、S304にて表示する商品プッシュ画面(単一商品)が示されている。ここでは、通常のオーダ画面上に商品プッシュ画面3Mをポップアップ表示させた形態を採用している。この商品プッシュ画面3Mには、商品名、商品名、単価など、商品に関する情報が表示され、顧客は、数量指定欄3N中のプラスボタンとマイナスボタンで注文する商品の数量を指定する(S307)ことで、商品をカート上に格納さし、注文確定ボタン3Pを操作することで注文を確定させる(S309:Yes)。注文が確定された商品は、注文情報としてネットワークに送信される(S310)。注文を確定後、商品プッシュ画面3Mを閉じて、通常のオーダ画面へともどる(S311)。」
「【図1】
[図:0001421218000001.jpg]
」
「【図2】
[図:0001421218000002.jpg]
」
「【図4】
[図:0001421218000003.jpg]
」
「【図6】
[図:0001421218000004.jpg]
」
「【図7】
[図:0001421218000005.jpg]
」
「【図8】
[図:0001421218000006.jpg]
」
「【図10】
[図:0001421218000007.jpg]
」
「【図11】
[図:0001421218000008.jpg]
」
「【図13】
[図:0001421218000009.jpg]
」
「【図14】
[図:0001421218000010.jpg]
」

(イ)引用発明

上記(ア)によれば、引用文献1には、次の事項が記載されている。

a 段落【0016】、図1の記載によれば、引用文献1には、飲食注文システムを統括して管理する管理サーバ装置1、各テーブルにおいて顧客が操作する注文端末3、従業員が携帯するハンディターミナル9が設置される、飲食注文システムにおける管理サーバ装置1が記載されている。

b 段落【0020】~【0022】、図2の記載によれば、注文端末3は、表示部32aとタッチパネル32bとで構成されるタッチパネルモニタ32を有している。

c 段落【0029】、【0036】の記載によれば、管理サーバ装置1は、HDD12を有し、HDD12には、店舗情報、顧客関連情報が蓄積、管理される。

d 段落【0037】、【0038】の記載によれば、店舗情報は、飲食店で扱う商品についての商品コード、商品名、単価などを含んで構成される商品マスタ情報、顧客の飲食時間経過に応じて、注文端末3において商品を推奨する商品プッシュ処理を実行するための、商品プッシュ情報と商品グループ情報を有し、商品プッシュ情報は、顧客の飲食時間経過に応じたタイミングを規定したタイミング条件と、商品抽出条件を含んで構成され、タイミング条件は、顧客が入店して、従業員にテーブルに案内され、従業員により顧客に関するテーブル情報が入力された時点を起点とする飲食時間経過である。

e 段落【0042】、図6の記載によれば、顧客関連情報は、顧客の来店によって生成される、テーブル情報、注文履歴情報(注文情報)を含む情報であり、テーブル情報は、顧客が着席したテーブルを示す識別情報であるテーブルコードと、顧客(顧客グループ)の入店した日時であって、テーブル情報を作成した際の日時が自動入力される入店日時を含む。

f 段落【0032】、【0033】、【0044】、【0045】、図4、図7の記載によれば、飲食注文システムにて実行されるメイン処理では、まず、空席のテーブルに対して顧客、あるいは、顧客グループが案内されると、従業員がハンディターミナル9、あるいは、管理サーバ1に対して顧客に関する情報を入力することに基づいて入店した顧客の着席が判定され、案内されたテーブルに設置された注文端末3において顧客から商品の注文を受け付けるオーダ処理が開始され、オーダ処理では、商品マスタ情報に登録されている全ての商品を注文すること、並びに、商品プッシュ情報に基づき、飲食時間経過に応じて商品を推奨する商品プッシュ処理が行われ、商品マスタ情報に登録されている商品についてメニュー表示が実行され、顧客はこの種別選択タブの中から所望の種別を選択して、メニュー欄にその商品画像、商品名、価格(単価)が表示される商品をタッチして選択すると、選択された商品は選択商品名欄に表示され、顧客が数量選択ボタンで注文数量を指定することにより、商品はカートに格納され、顧客はカートに入れた商品を確認して注文確定ボタンを操作することで注文を確定する。

g 段落【0048】~【0050】、【0053】、【0058】、図10、図11、図13の記載によれば、オーダ処理の実行期間中に実行され、注文端末3に推奨商品を表示させる商品プッシュ処理では、商品プッシュ情報に規定されているタイミング条件に基づく商品プッシュタイミング、すなわち、飲食開始時点を起点として、飲食開始後、15分、45分、70分、100分経過した時点といったタイミングを商品プッシュ情報のタイミング条件として使用し、商品プッシュタイミングの到来であると判定された場合には、商品プッシュ情報に含まれる商品抽出条件として使用されている商品のグループに基づき、推奨する商品の商品画像、商品名、単価などを含む商品プッシュ画面を注文端末上にポップアップ表示して、当該商品の注文を受け付ける。

h 段落【0033】、【0048】によれば、オーダ処理及び商品プッシュ処理は、管理サーバ装置1に記憶するプログラムと注文端末3に記憶するプログラムが連携して実行されるものである。

以上によれば、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。

「飲食注文システムを統括して管理する管理サーバ装置1と、各テーブルにおいて顧客が操作する注文端末3、従業員が携帯するハンディターミナル9が設置される、飲食注文システムにおける管理サーバ装置1であって、
注文端末3は、表示部32aとタッチパネル32bとで構成されるタッチパネルモニタ32を有しており、
管理サーバ装置1は、HDD12を有し、HDD12には、店舗情報、顧客関連情報が蓄積、管理され、
店舗情報は、飲食店で扱う商品についての商品コード、商品名、単価などを含んで構成される商品マスタ情報、顧客の飲食時間経過に応じて、注文端末において商品を推奨する商品プッシュ処理を実行するための、商品プッシュ情報と商品グループ情報を有し、
続きを表示(全11行)
商品プッシュ情報は、顧客の飲食時間経過に応じたタイミングを規定したタイミング条件と、商品抽出条件を含んで構成され、タイミング条件は、顧客が入店して、従業員にテーブルに案内され、従業員により顧客に関するテーブル情報が入力された時点を起点とする飲食時間経過であり、
顧客関連情報は、顧客の来店によって生成される、テーブル情報、注文履歴情報(注文情報)を含む情報であり、テーブル情報は、顧客が着席したテーブルを示す識別情報であるテーブルコードと、顧客(顧客グループ)の入店した日時であって、テーブル情報を作成した際の日時が自動入力される入店日時を含み、
飲食注文システムにて実行されるメイン処理では、まず、空席のテーブルに対して顧客、あるいは、顧客グループが案内されると、従業員がハンディターミナル9、あるいは、管理サーバ1に対して顧客に関する情報を入力することに基づいて入店した顧客の着席が判定され、案内されたテーブルに設置された注文端末3において顧客から商品の注文を受け付けるオーダ処理が開始され、
オーダ処理では、商品マスタ情報に登録されている全ての商品を注文すること、並びに、商品プッシュ情報に基づき、飲食時間経過に応じて商品を推奨する商品プッシュ処理が行われ、商品マスタ情報に登録されている商品についてメニュー表示が実行され、顧客はこの種別選択タブの中から所望の種別を選択して、メニュー欄にその商品画像、商品名、価格(単価)が表示される商品をタッチして選択すると、選択された商品は選択商品名欄に表示され、顧客が数量選択ボタンで注文数量を指定することにより、商品はカートに格納され、顧客はカートに入れた商品を確認して注文確定ボタンを操作することで注文を確定するものであり、
オーダ処理の実行期間中に実行され、注文端末3に推奨商品を表示させる商品プッシュ処理では、商品プッシュ情報に規定されているタイミング条件に基づく商品プッシュタイミング、すなわち、商品を推奨するタイミングの到来が判定され、飲食開始時点を起点として商品を推奨するタイミングを決定する形態では、飲食開始後、15分、45分、70分、100分経過した時点といったタイミングを商品プッシュ情報のタイミング条件として使用し、商品プッシュタイミングの到来であると判定された場合には、商品プッシュ情報に含まれる商品抽出条件として使用されている商品のグループに基づき、推奨する商品の商品画像、商品名、単価などを含む商品プッシュ画面を注文端末上にポップアップ表示して、当該商品の注文を受け付けるものであり、
オーダ処理及び商品プッシュ処理は、注文端末側で記憶するプログラムと、管理サーバ側で記憶するプログラムが連携して実行される、
管理サーバ装置1。」

イ 引用文献2

(ア) 引用文献2の記載

前置報告書において、本件補正(審判請求時の補正)によって追加された構成に対し、周知技術を示す文献として引用され、本願の出願日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2002-230132号公報(平成14年8月16日出願公開。以下「引用文献2」という。)には、次の記載がある。

「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、利用者側に配置された商品注文用電子端末に接続された表示画面上に提供される商品を表示させ、商品提供者側に利用者が入力した商品注文情報を伝達することにより注文を受け付けるとともに、表示画面上に表示される接客キャラクタが接客を行う商品注文システムに関する。」

「【0044】図1は、本発明の商品注文システムを構成する要素の一つであり、本発明を機能させるべく備えられる、商品注文情報を処理するための制御装置100のハードウェアの一態様を説明するためのブロック図である。」

「【0047】図中101は、本発明の商品注文システムを制御するためのプログラムやデータが格納されたプログラム・データ記憶手段である。」

「【0058】上記プログラム・データ記憶手段101をより詳細に説明すると、本発明の商品注文システムにより利用者に提供されるべきサービスのバリエーションに応じて、図2に示す手段を備えることが可能である。
【0059】すなわち、商品関連情報記憶手段1011は、商品提供者が利用者に提供する商品及び商品に関連する情報(例えば、メニュー、商品画像、商品素材、商品提供者のお勧め情報等)を記憶する。そして、レンダリングプロセッサ(又はサウンドプロセッサ)に信号を伝達して画像情報(又は音声情報)により商品関連情報を利用者に提供する。」

「【0061】また、注文情報生成(形成)手段1013は、利用者がディスプレイモニタ112等の商品情報の表示手段の画面上に表示されるオブジェクトの動画像を選択すると、選択されたオブジェクトに対応する商品を注文したことに相当する商品注文情報を生成(形成)する。そして、このようにして生成(形成)された商品注文情報は、注文情報記憶手段1012及び注文履歴記憶手段1015に伝達される。」

「【0075】上記ディスプレイモニタに表示される画像は、静止画像のみならず動画像をも含む。また、表示される商品関連情報は、提供する商品の画像だけではなく、商品に関連する画像、例えば商品素材等のオブジェクトの画像が含まれる。
【0076】従って、本商品注文システムが例えば寿司店舗において用いられる場合には、あたかも本当の回転寿司店舗内にいるかのような回転する寿司ネタの動画像を表示させることもできるし、また、海の中を想像させる背景画面に海中を泳ぐ魚やイカやタコの画像や漫画を動画として表示するようなことも可能である。
【0077】利用者(客)は、上記表示された商品関連画像情報(例えば寿司ネタや魚の画像等)から、自己の所望する商品の注文やその他のサービスを受けるための入力を行う。上記入力は、表示手段が例えばタッチパネルモニタである場合には、パネル上に表示されている画像の一部を触れることによって可能となる。
【0078】このようにして入力された利用者側からの入力信号は、バスアービタ105を介してCPU102へと伝達され、上記入力に対応する演算処理が実行される。
【0079】例えば、上記入力が寿司ネタ画像を触れることによる特定の寿司商品の注文である場合には、プログラム・データ記憶手段101の一部として設けられている注文情報記憶手段1012、注文履歴記憶手段1015に上記特定の寿司商品に関する注文内容が記憶されるとともに、注文情報生成(形成)手段1013によって上記特定の寿司商品の注文情報を生成(形成)する。
【0080】そして、上記注文情報は、バスアービタ105を介して情報伝達手段であるLAN等により商品受注用電子端末に伝達され特定の寿司商品の注文を行う。」
「【0116】図5は、画像表示手段に表示される商品関連情報から、客が寿司を注文する場合のプロセスの一態様を説明するフローチャートである。
【0117】利用者は、本発明の商品注文システムを有する寿司店舗に入店し店内210に配置された客席につくと、客席には商品注文用電子端末250が設置されており、制御装置100に接続された商品注文用の画面を表示するタッチパネル251には、提供されるべき商品に関する情報が提示されている。
【0118】上記商品提供情報は、プログラム・データ記憶手段101を構成する商品関連情報記憶手段1011に格納されている画像のうち、新規な入店客に相応しい画像がシステムメモリ103に格納されたプログラムに従ってCPU102により選択される(501)。」
「【0120】上記商品関連情報は、提供されるべき商品に相応しい画像であるが、例えば図6のように回転している寿司ネタのコンピュータグラフィック(CG)のようなものである。このようなCGを表示することにより、客はあたかも回転寿司店舗に入店した場合と同様、画面上を回転する寿司ネタを仮想の商品たる寿司として商品選択が行える。すなわち、マグロが食べたければマグロをネタとする寿司のCGを、イクラが食べたければイクラをネタとする寿司のCGを選択するのである。
【0121】表示手段がタッチパネルモニタである場合には、客が表示画面上の寿司ネタのCGの中から所望する寿司ネタのCGの部分をタッチする(503)。そうすると、タッチパネル113により入力された選択結果の情報がデジタル信号に変換されてバスアービタ105に送信される。そして、注文情報が生成(形成)(504)され、商品注文情報及び商品注文履歴情報として記憶(505、506)された後、LAN等の交信手段110により商品提供側の商品受注用電子端末に送信され、選択された商品である寿司の注文が行われる(507)という仕組みである。」
「【図1】
[図:0001421218000011.jpg]
」
「【図2】
[図:0001421218000012.jpg]
」
「【図5】
[図:0001421218000013.jpg]
」
「【図6】
[図:0001421218000014.jpg]
」

(イ)引用文献2に記載された事項

上記(ア)によれば、引用文献2には、次の事項が記載されている。

「利用者側に配置された商品注文用電子端末に接続された表示画面上に提供される商品を表示させ、商品提供者側に利用者が入力した商品注文情報を伝達することにより注文を受け付ける商品注文システムに関し、(【0001】)
商品注文システムの制御装置が備えるプログラム・データ記憶手段は、商品提供者が利用者に提供する商品及び商品に関連する情報(例えば、メニュー、商品画像、商品素材、商品提供者のお勧め情報等)を記憶する商品関連情報記憶手段と、利用者が商品情報の表示手段の画面上に表示されるオブジェクトの動画像を選択すると、選択されたオブジェクトに対応する商品を注文したことに相当する商品注文情報を生成(形成)する注文情報生成(形成)手段を備え、(【0044】、【0047】、【0058】、【0059】、【0061】、図1、図2)
利用者は、商品注文システムを有する寿司店舗に入店し店内に配置された客席につくと、客席には商品注文用電子端末が設置されており、制御装置に接続された商品注文用の画面を表示するタッチパネルには、提供されるべき商品に関する情報が提示され(【0117】)、あたかも本当の回転寿司店舗内にいるかのような回転する寿司ネタの動画像を表示させることができ、(【0076】、図6)
客が表示画面上の寿司ネタのCGの中から所望する寿司ネタのCGの部分をタッチすると、タッチパネルにより入力された選択結果の情報がデジタル信号に変換されて、注文情報が生成(形成)され、商品提供側の商品受注用電子端末に送信され、選択された商品である寿司の注文が行われる。(【0121】、図5)」

ウ 引用文献3について

前置報告書において、本件補正(審判請求時の補正)によって追加された構成に対し、周知技術を示す文献として引用され、本願の出願日前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、「[発想の転換] はま寿司の新タッチパネルが・・・最高すぎる!,BUZZmag,[online],2023年4月16日,[令和6年7月19日検索],インターネット<URL:https://buzzmag.jp/archives/423583>」(以下「引用文献3」という。)には、次の記載がある。

「はま寿司の回転レールが概念化したタッチパネル。
会員情報にお気に入りのネタを登録して、このタッチパネルに好きなネタだけ流せるとか色々面白い体験作れそう。
・・・
まさかメニューを回転させるとは驚きました!
・・・
お寿司をレーンに載せて回す必要がなくなるため、フードロスの削減にも一役買いそうですね(*‘ω‘ *)」

エ 引用文献4について

前置報告書において、本件補正(審判請求時の補正)によって追加された構成に対し、周知技術を示す文献として引用され、本願の出願日前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、「デジタル画像の寿司が回転している回転寿司屋「はま寿司」に行った結果,ガジェット通信, [online],2023年4月17日,[令和6年7月19日検索],インターネット<URL:https://getnews.jp/archives/3401239>」(以下「引用文献4」という。)には、次の記載がある。

「いつも新鮮な握りたてのフレッシュ画像
そんな回転寿司の文化に新たな概念を持ち込んだのが『はま寿司』。なななんと、デジタル画像の寿司を回転させているのです。デジタル画像の寿司なので、いつも新鮮な握りたてのフレッシュ画像。劣化もしないのでいつも新鮮!しかも楽しい。」
「タップして寿司をオーダーすることも可能
店内に入って席に座ると……、ありました!長方形の細長いモニターがテーブル横に設置されていて、その液晶画面に寿司やサイドメニューなどが表示され、回転しています(流れています)!しかもこの液晶画面……触ると反応する!デジタル画像の寿司を触ると注文できるってコト?タッチパネル式になっていて、スライドして寿司を素早く回転させたり、タップして寿司をオーダーすることも可能のようです。わァ……!」

[図:0001421218000015.jpg]

「本物の寿司が流れてきた!
さっそく回転しているデジタル画像の寿司をタップして寿司をオーダー。すると、上段と下段のレーンから寿司が流れてきました。こちらは本物の寿司なので食べられます(笑)。さっそく食べましたが、安定のおいしさ!良き~!」

[図:0001421218000016.jpg]

[図:0001421218000017.jpg]

「回転寿司というジャンルは保たれる!
いやー、それにしても、まさかデジタル画像の寿司が回転する時代が回転寿司屋にやってくるとは驚きです。
これかなりスゴイ革命ですよ。本物の寿司は回転しないから食品ロスがゼロになる。回転する寿司にいたずらされなくなる。デジタル寿司が回転しているので回転寿司というジャンルは保たれる!」

(3) 対比

本件補正発明と引用発明とを対比する。

ア 引用発明の「注文端末3」は、「各テーブルにおいて顧客が操作する」ものであって、「表示部32aとタッチパネル32bとで構成されるタッチパネルモニタ32」を有するものであるところ、引用発明の「テーブル」は、本件補正発明の「客席」に相当し、引用発明の「注文端末3」は、本件補正発明の「客席に設けられた表示装置」に相当する。

また、引用発明の「注文端末3」は、「顧客から商品の注文を受け付けるオーダ処理が開始され」ると、「商品マスタ情報に登録されている商品についてメニュー表示が実行され」、「顧客はこの種別選択タブの中から所望の種別を選択して、メニュー欄にその商品画像、商品名、価格(単価)が表示される商品をタッチして選択すると、選択された商品は選択商品名欄に表示され、顧客が数量選択ボタンで注文数量を指定することにより、商品はカートに格納され、顧客はカートに入れた商品を確認して注文確定ボタンを操作することで注文を確定するもの」であるから、本件補正発明と同様、「注文可能な複数の商品の画像を表示させ、前記商品の画像に対する操作に応じて前記商品の注文」を行うものである。

そして、引用発明における「オーダ処理」は、「注文端末側で記憶するプログラムと、管理サーバ側で記憶するプログラムが連携して実行される」ものであるから、「管理サーバ側」である「管理サーバ装置1」は、「注文端末側」である「注文端末3」に「注文可能な複数の商品の画像を表示させ」たり、「注文端末3」で実行された「オーダ処理」による注文を受け付けたりする制御部を備えているということができる。

また、このような「制御部」を備える「管理サーバ装置1」は、「制御装置」ということができる。

そうすると、引用発明の「管理サーバ装置1」は、後述の相違点を除き、本件補正発明の「客席に設けられた表示装置において、注文可能な複数の商品の画像を表示させ、前記商品の画像に対する操作に応じて前記商品の注文を受け付ける制御部」を備えた「制御装置」に相当する。

イ 引用発明の「HDD12」には、「店舗情報」として「飲食店で扱う商品についての商品コード、商品名、単価などを含んで構成される商品マスタ情報」が蓄積、管理されているところ、「飲食店で扱う商品」は「店舗で提供される可能性のある商品」といえ、「商品マスタ情報」は複数の商品の情報からなるものであって、商品に関するコンテンツ情報であるといえる。

そして、引用発明の「注文端末3」では、「商品画像、商品名、価格(単価)」が表示されているところ、これらのうち、「商品名、価格(単価)」は、「HDD12」が蓄積している「商品名、単価」のことであって、いずれも「文字」であるといえる。

そうすると、引用発明の「飲食店で扱う商品についての商品コード、商品名、単価などを含んで構成される商品マスタ情報」を蓄積する「HDD12」と、本件補正発明の「店舗で提供される可能性のある商品に関する情報であって表示される文字や画像を含む商品群データを記憶するコンテンツ情報記憶部」は、「店舗で提供される可能性のある商品に関する情報であって表示される文字を含む商品群データを記憶するコンテンツ情報記憶部」である点で共通する。

また、引用発明の「注文端末3」で表示される「商品画像、商品名、価格(単価)」のうち、「商品名、価格(単価)」は、「HDD12」が蓄積しているから、引用発明の「管理サーバ装置1」は、「注文端末3」で表示される「商品名、価格(単価)」を「商品マスタ情報」から選択しているということができる。

そうすると、引用発明の「管理サーバ装置1」において、「HDD12」が蓄積する「商品マスタ情報」から「商品名、価格(単価)」を「選択」する処理は、本件補正発明の「前記制御部は、店舗で提供される可能性のある商品に関する情報であって表示される文字や画像を含む商品群データを記憶するコンテンツ情報記憶部が記憶する情報に基づいて、前記表示装置において所定の方向に移動するように表示する対象となる商品である表示対象商品の画像を前記商品群データから選択」する処理と、「前記制御部は、店舗で提供される可能性のある商品に関する情報であって表示される文字を含む商品群データを記憶するコンテンツ情報記憶部が記憶する情報に基づいて、前記表示装置において表示する対象となる商品である表示対象商品を前記商品群データから選択」する処理で共通する。

ウ 引用発明は、「注文端末3に推奨商品を表示させる商品プッシュ処理では」、「商品を推奨するタイミングの到来が判定され、飲食開始時点を起点として商品を推奨するタイミングを決定する形態では、飲食開始後、15分、45分、70分、100分経過した時点といったタイミングを商品プッシュ情報のタイミング条件として使用し、商品プッシュタイミングの到来であると判定された場合には」、「推奨する商品の商品画像、商品名、単価などを含む商品プッシュ画面を注文端末上にポップアップ表示して」いるところ、当該「推奨する商品の商品画像」を選択する処理は、本件補正発明の「前記表示対象商品として前記客席の顧客に対して優先的に表示させる商品である優先表示商品の画像」を選択する処理に相当する。

そして、引用発明では、「飲食開始後」、すなわち、「顧客が入店して、従業員にテーブルに案内され、従業員により顧客に関するテーブル情報が入力された時点を起点とする飲食時間経過」後に、「注文端末3」に「推奨する商品の商品画像」が表示されるから、「管理サーバ装置1」は、「注文端末3」が設けられた「テーブル」に顧客が着いたときからの経過時間に基づいて、「推奨する商品の商品画像」を選択しているということができる(なお、当該経過時間は、本件補正発明の「客席の顧客の第一の動作からの経過時間」の選択肢のうち、「前記表示装置が設けられた客席に前記顧客が着いたこと」からの経過時間に相当する。)。

そうすると、引用発明の「管理サーバ装置1」は、本件補正発明と同様の「前記制御部は、前記客席の顧客の第一の動作からの経過時間に基づいて、前記表示対象商品として前記客席の顧客に対して優先的に表示させる商品である優先表示商品の画像を選択」する処理を行っている。

エ 引用発明の「HDD12」には、「顧客関連情報」として「顧客が着席したテーブルを示す識別情報であるテーブルコードと、顧客(顧客グループ)の入店した日時であって、テーブル情報を作成した際の日時が自動入力される入店日時」を含む「テーブル情報」が蓄積されているから、「テーブル」(座席)と「顧客」とを対応付けて、記憶装置である「HDD12」に登録しているといえる。

そして、上記ウのとおり、引用発明では、「顧客が入店して、従業員にテーブルに案内され、従業員により顧客に関するテーブル情報が入力された時点を起点とする飲食時間経過」後に、「注文端末3」に「推奨する商品の商品画像」が表示されるところ、当該飲食時間は、記憶装置である「HDD12」に登録されてからの経過時間である。

そうすると、引用発明の「管理サーバ装置1」は、本件補正発明と同様の「前記制御部は、前記客席の顧客の第一の動作からの経過時間を、前記顧客に提供される座席と前記顧客とを対応付けて、記憶装置に登録されてからの経過時間として判定する」処理を行っている。

以上によれば、本件補正発明と引用発明との一致点、相違点は、次のとおりである。

[一致点]

「客席に設けられた表示装置において、注文可能な複数の商品の画像を表示させ、前記商品の画像に対する操作に応じて前記商品の注文を受け付ける制御部を備え、
前記制御部は、店舗で提供される可能性のある商品に関する情報であって表示される文字を含む商品群データを記憶するコンテンツ情報記憶部が記憶する情報に基づいて、前記表示装置において表示する対象となる商品である表示対象商品を前記商品群データから選択し、
前記制御部は、前記客席の顧客の第一の動作からの経過時間に基づいて、前記表示対象商品として前記客席の顧客に対して優先的に表示させる商品である優先表示商品の画像を選択し、
前記顧客の第一の動作は、前記表示装置が設けられた客席に前記顧客が着いたことであり、
前記制御部は、前記客席の顧客の第一の動作からの経過時間を、前記顧客に提供される座席と前記顧客とを対応付けて、記憶装置に登録されてからの経過時間として判定する、制御装置。」

[相違点]

(相違点1)

表示対象商品の画像について、本件補正発明は、「コンテンツ情報記憶部」に記憶される商品群データから選択するのに対し、引用発明は、「コンテンツ情報記憶部」(HDD12)に蓄積されている「商品群データ」(商品マスタ情報)から選択するのか不明である点。

(相違点2)

表示対象商品の画像について、本件補正発明は、「所定の方向に移動するように表示する対象となる商品である表示対象商品」の画像であるのに対し、引用発明は、「表示する対象となる商品である表示対象商品」の画像であるものの、「所定の方向に移動するように」表示する対象となる商品である表示対象商品の画像ではない点。

(4) 判断

以下、相違点について、それぞれ検討する。

ア 相違点1について

引用発明の「HDD12」は、「飲食店で扱う商品についての商品コード、商品名、単価などを含んで構成される商品マスタ情報」を蓄積(記憶)しているところ、上記(3)イのとおり、引用発明の「注文端末3」は、「商品画像、商品名、価格(単価)」を表示しているから、「HDD12」は、「商品名、価格(単価)」に加え、「商品画像」も記憶していると解され、かえって、「商品画像」のみを「HDD12」に記憶していないと解するのは不自然である。

そうすると、引用発明においても、本件補正発明と同様に、「商品画像」(表示対象商品の画像)を「HDD12」(コンテンツ情報記憶部)から選択するものであるといえるから、相違点1は実質的な相違点ではない。

また、上記(2)イの段落【0058】に、「商品関連情報記憶手段1011は、商品提供者が利用者に提供する商品及び商品に関連する情報(例えば、メニュー、商品画像、商品素材、商品提供者のお勧め情報等)を記憶する。」と記載されているように、商品と、商品画像等の商品に関連する情報を同じ記憶手段(商品関連情報記憶手段1011)に記憶することは、本願出願時における周知技術であるから、引用発明において、当該周知技術を採用し、「HDD12」(コンテンツ情報記憶部)に「商品画像」(表示対象商品の画像)も記憶させ、「管理サーバ装置1」が選択するように構成することは、当業者であれば容易に想到し得るものである。

イ 相違点2について

上記2(2)イ(イ)のとおり、引用文献2には、「利用者は、商品注文システムを有する寿司店舗に入店し店内に配置された客席につくと、客席には商品注文用電子端末が設置されており、制御装置に接続された商品注文用の画面を表示するタッチパネルには、提供されるべき商品に関する情報が提示され」、「あたかも本当の回転寿司店舗内にいるかのような回転する寿司ネタの動画像を表示させること」が記載されており、図6をみると、「回転している寿司ネタのコンピュータグラフィック」が記載されている。

また、上記2(2)ウのとおり、引用文献3には、「はま寿司の回転レールが概念化したタッチパネル」、「まさかメニューを回転させるとは驚きました!」、「お寿司をレーンに載せて回す必要がなくなる」等が記載されている。

さらに、上記2(2)エのとおり、引用文献4には、「デジタル画像の寿司を回転させている」、「長方形の細長いモニターがテーブル横に設置されていて、その液晶画面に寿司やサイドメニューなどが表示され、回転しています(流れています)!」、「回転しているデジタル画像の寿司をタップして寿司をオーダー」等が記載されており、写真をみると、実際にその様子がうかがえる。

以上によれば、回転寿司のネタの画像について、時計回りに回転させたり、タッチパネル上の回転レールに載せたり、細長いモニター上で流れるように表示したりすること、すなわち、相違点2に係る構成である「所定の方向に移動するように表示する対象となる商品である表示対象商品」の画像は、本願出願時における周知技術であったと認められる。

そうすると、引用発明において、「表示する対象となる商品である表示対象商品」の画像について、当該周知技術を採用し、「所定の方向に移動するように」表示する対象となる商品である表示対象商品の画像とするように構成することは、当業者であれば容易に想到し得るものである。

ウ 作用効果について

本件補正発明の奏する作用効果は、引用発明及び引用文献2~4に記載の周知技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。

エ 請求人の主張について

(ア) 請求人は、審判請求書の「3.拒絶査定の違法性について」の(3)において、仮に、所定の方向に移動するように商品を表示する技術を引用文献1に適用したとしても、通常のオーダー画面(引用文献1の図8)のメニュー欄3Bにおいて所定の方向に移動するように商品が表示されるにすぎず、奨励する商品が表示される商品プッシュ画面は、依然として、商品が移動する通常のオーダー画面の上にポップアップ表示(引用文献1の図13)されるか、もしくは、商品が移動する通常のオーダー画面を完全に隠して表示(引用文献1の図14)されるはずであり、このような適用を行っても、本件補正発明の「前記制御部は、前記客席の顧客の第一の動作からの経過時間に基づいて、前記表示対象商品として前記客席の顧客に対して優先的に表示させる商品である優先表示商品の画像を選択し、」という構成を得ることはできない旨主張する。

しかしながら、請求人の主張する当該構成は、上記(3)ウのとおり、本件補正発明と引用発明の一致点であるから、請求人の主張は理由がない。

(イ) なお、請求人は、引用文献1の図8の表示態様を前提として、引用文献2~4に記載された回転寿司のネタの画像が回転したり、流れたりする表示装置の技術(請求人が主張する「所定の方向に移動するように商品を表示する技術」)を適用した場合には、図13や図14の表示態様になるはずである旨主張するが、当該技術を適用したとしても、必ずしもそのような表示態様に限定されるものではない。

すなわち、本件補正発明の「優先表示商品」は「表示対象商品」から選択されたものであるところ、引用文献1の「推奨商品」も、商品プッシュ処理(商品推奨手段)によって「飲食店で扱う商品」から選択されたものであるから、引用文献2~4に記載された表示装置を引用文献1のシステムに採用した場合、回転寿司のネタとして回転したり流れたりしている「飲食店で扱う商品」に加えて、同様に回転したり流れたりする態様で「推奨商品」を表示させればよく、あえて「飲食店で扱う商品」とは異なる態様で「推奨商品」を表示させる合理的な理由はない。

そして、引用文献1において、「推奨商品」を表示させる際に、図13のポップアップ表示や図14の全画面表示の表示態様とすることは、引用文献1における必須の構成であるともいえないから、引用文献2~4に記載された表示装置を採用した場合、推奨されるタイミングで「推奨商品」を「飲食店で扱う商品」に加えて、同様に回転したり流れたりする態様で表示させることに阻害要因もない。

したがって、請求人の主張は理由がない。

オ むすび

以上のとおり、本件補正発明は、引用発明及び引用文献2~4に記載された周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

3 補正の却下の決定についてのむすび

したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明について

1 本願発明

本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1~4に係る発明は、令和5年12月28日の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~4に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。

2 原査定の拒絶の理由

本願発明についての原査定の拒絶の理由は、概略、本願発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された上記引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない、また、本願発明は、上記引用文献1に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。

3 引用文献

原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1及び引用発明は、前記第2の[理由]2(2)に記載したとおりである。

4 対比・判断

本願発明は、前記第2の[理由]2で検討した本件補正発明から、前記第2の[理由]2で示した限定事項を削除したものである。

そうすると、本願発明と引用発明は、上記第2の[理由]の2(3)で言及した上記相違点1の一部である「表示対象商品」の「画像」が「コンテンツ情報記憶部」に記憶されているか否かで相違し、その他の点で一致する。

そして、当該相違点1に係る事項については、上記第2の[理由]の2(4)アで検討したとおり、実質的な相違点ではないか、あるいは、当業者であれば容易に想到し得るものである。

したがって、本願発明は、引用発明であるか、あるいは、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

第4 むすび

以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができない、あるいは、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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2024-007153

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  • 2025-004389拒絶査定不服審判 / 2026-02-16 / 原査定取消(特許/登録すべき)情報処理システム、情報処理方法、情報処理プログラム
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