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特許拒絶査定不服審判

2025-006950

情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム

審判番号
2025-006950
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2023-153287
請求日
2025年05月07日
審決日
2026年03月23日
公報発行日
2026年06月26日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】LINEヤフー株式会社
  • 【請求人代理人】弁理士法人酒井国際特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 松田 直也
  • 審判官 野崎 大進
  • 審判官 間野 裕一
分類
P18 .121-Z (G06Q) / P18 .575-Z (G06Q)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第6項、特許法第29条、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2023-153287「情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム」拒絶査定不服審判事件〔令和 7年 4月 2日出願公開、特開2025- 45354〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、令和5年9月20日の出願であって、その手続の経緯は、概略、以下のとおりである。 令和6年 7月17日付け 拒絶理由通知 令和6年 9月20日 意見書、手続補正書の提出 令和6年11月 8日付け 拒絶理由通知(最後) 令和7年 1月20日 意見書、手続補正書の提出 令和7年 1月28日付け 令和7年1月20日提出の手続補正書による 補正の却下の決定、拒絶査定(原査定) 令和7年 5月 7日 審判請求書、手続補正書の提出 第2 令和7年5月7日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和7年5月7日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 手続補正について(補正の内容) (1)本件補正後の請求項1 本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された。(下線部は、補正箇所である。) 「 複数の異なる広告コンテンツの運用実績を示す実績情報をそれぞれ取得する取得部と、 過去に取得した前記実績情報を学習して生成された生成モデルであって、前記取得部が取得した前記複数の異なる広告コンテンツそれぞれの前記実績情報を入力することで、前記生成モデルの出力として前記広告コンテンツ毎に前記実績情報を分析した分析結果を含む分析情報であって、前記複数の異なる広告コンテンツそれぞれの前記分析結果を比較した考察情報を含む分析情報を生成する生成部と、 生成した前記広告コンテンツ毎の前記分析情報を提供する提供部と、 を備え、 前記生成部は、 前記広告コンテンツのコンバージョン数および表示回数を含む前記実績情報を前記生成モデルの入力とし、前記表示回数に対する前記コンバージョン数の割合を示す効率性を含む前記分析情報を前記生成モデルにより出力するとともに、前記複数の広告コンテンツにおける前記効率性のランキングを前記生成モデルにより出力する 情報処理装置。」 (2)本件補正前の請求項1 本件補正前の、令和6年9月20日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。 「 複数の異なる広告コンテンツの運用実績を示す実績情報をそれぞれ取得する取得部と、 過去に取得した前記実績情報を学習して生成された生成モデルであって、前記取得部が取得した前記複数の異なる広告コンテンツそれぞれの前記実績情報を入力することで、前記生成モデルの出力として前記広告コンテンツ毎に前記実績情報を分析した分析情報と、前記複数の異なる広告コンテンツそれぞれの前記分析情報を比較した考察情報とを生成する生成部と、 生成した前記広告コンテンツ毎の前記分析情報と、前記考察情報とを提供する提供部と を備える情報処理装置。」 2 補正の適否 (1)本件補正の目的 この補正は、本件補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「生成した前記広告コンテンツ毎の前記分析情報と、前記考察情報とを提供する提供部」について、「分析情報」と「考察情報」とを1つにまとめて本件補正後の請求項1で新たに「分析情報」とし、これに連動して、本件補正前の請求項1の「分析情報」を、本件補正後の請求項1の「分析結果」と表現を改めた上で、本件補正前の請求項1の「分析情報」と「考察情報」と1つにまとめたものについて、「分析結果を含む分析情報」および「前記分析結果を比較した考察情報を含む分析情報」と限定し、さらに、「生成部」について、「前記広告コンテンツのコンバージョン数および表示回数を含む前記実績情報を前記生成モデルの入力とし、前記表示回数に対する前記コンバージョン数の割合を示す効率性を含む前記分析情報を前記生成モデルにより出力するとともに、前記複数の広告コンテンツにおける前記効率性のランキングを前記生成モデルにより出力する」と機能を限定するものであって、本件補正の前後で、請求項1に記載の発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下、「本件補正発明」という)が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項に規定された特許出願の際独立して特許を受けられるものであるか否かについて以下検討する。 (2)独立特許要件についての判断 ア 本件補正発明 本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。 イ 引用文献1および引用発明 (ア)引用文献1記載事項 原査定の拒絶の理由で引用された特開2022-167383号公報(本願の出願前である令和4年11月4日出願公開。以下、「引用文献1」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は、当審で付加した。以下同様。)。 「【技術分野】 【0001】 本発明は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。 【背景技術】 【0002】 近年、インターネットなどのネットワークを介して契約や決済などを行うeコマース(EC)が盛んになっており、インターネット上の仮想店舗において商品・サービスを購入することは珍しいことではなくなっている。一方で、インターネット上に多数の仮想店舗が開設されており、競争は激しい。このため、各店舗は販売促進(以下、販促ともいう)のためインターネット上に広告を出稿している。 【0003】 このようなインターネット上の広告の出稿方法の一例として、例えば、リスティング広告がある。リスティング広告は、検索キーワード及び入札価格の条件に応じて優先的に表示される順位付けが変動し得るようになされており、この表示優先順位が上位になるほど他のリスティング広告よりも優先して表示され、不特定多数のユーザに閲覧される可能性が高くなり、高い広告効果を得ることができる(例えば、特許文献1)。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0004】 【特許文献1】 特開2010-26624号公報 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 このようなインターネット上への広告の出稿は、その広告の出稿の効果を確認し、問題点をフィードバックして次回出稿する必要がある(このような一連の流れを広告運用ともいう)。このような広告運用においては、通常、広告出稿の効果や改善点を確認したり、報告するために報告書(レポート)を作成するが、この報告書に記載するコメントの作成が非常に大きな負担となっている。 【0006】 本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、コメント作成の負担を軽減できる情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。」 図2 [図:0001435988000001.jpg] 「【0012】 (サーバ2) 図2は、実施形態に係るサーバ2(情報処理装置)の構成図である。図2は、サーバ2の主なハード構成を示しており、サーバ2は、通信IF200A、記憶装置200B、CPU200Cがバスを介して接続された構成を備える。なお、サーバ2は、その他、キーボード、マウス、タッチパネルなどの入力装置、及び液晶モニタや有機ELモニタなどの表示装置を備えていてもよい。」 図3 [図:0001435988000002.jpg] 「【0017】 図3は、実施形態に係るサーバ(情報処理装置)の記憶装置に記憶されているデータベースの一例である。記憶装置200Bには、図3に示すように、ユーザDB1、実績DB2、テンプレートDB3などのデータベースが記憶されている。」 「【0019】 上述のようにユーザDB1には、報告書作成のための設定(以下、報告書の設定ともいう)がユーザIDに関連付けて記憶されているが、この設定には、報告書の種別、報告書に含む実績項目、出力するファイル形式、報告書を生成する日時、報告書の送信先、コメント(提案)の有無、実績の集計単位、実績の集計期間、レポート名、レポート形式、プラットフォーム、レポートタイプ、キャンペーン指定、サマリー単位、カラム出力順指定、エクセル出力位置などの少なくとも1以上の情報が含まれる。 報告書の種別は、例えば、単一又は合算などであり、単一の場合はプラットフォーム1つのみであり、合算の場合は、複数のプラットフォームが含まれる。 報告書に含む実績項目は、例えば、広告の表示回数(インプレッション回数)、クリック数(クリックされた数)、CTR(Click Through Ratio:広告がクリック(あるいはタップ)された回数を表示回数で割ったもの)、CPC(Cost Per Click:クリックやタップ一回あたりの料金)、コスト(広告運用に要した費用である)、CV数(Conversion:コンバージョン(最終的な成果)数)、CVR(Conversion Rate:コンバージョン数をクリック数やインプレッション数で割ったもの)、CPA(Cost Per Acquisition:広告単価の指標で顧客一人を獲得するため費用、または、何らかの成果や問い合わせを一件獲得するための費用)などである。」 「【0021】 (実績DB2) 実績DB2には、広告運用の実績が記憶されている。実績は、取得可能なものであればよく、例えば、広告の表示回数、クリック数、CTR、CPC、コスト、CV、CVR、CPAなどの項目の実績である。なお、広告運用の実績は、上記に示すもの以外にも種々の実績、例えば、実績の日時、広告ID、広告名、キャンペーン名、広告文、広告画像などを採用することができる。 【0022】 (テンプレートDB3) テンプレートDB3には、後述の生成部205が報告書を生成するためのテンプレート(書式)が記憶されている。より具体的には、生成部205が報告書に含まれるコメント(提案)を生成するためのテンプレート(書式)が記憶されている。本実施形態では、テンプレートは、レポートタイプ別(キャンペーン別、月別、デバイス別、キーワード別、広告別など)に記憶されている。また、コメントのテンプレートには、実績から導出される事実をコメントする第1コメントのテンプレート、実績及び/又は目標から導出される考察をコメントする第2コメントのテンプレートが含まれる。」 「【0028】 また、広告別の場合、第1コメントのテンプレートとして、 「広告別では、[広告名]>[広告名]>[広告名]の順でCPAが良く、[広告名]>[広告名]>[広告名]の順でCV数が取れています。」 「[広告名]のCPAが良い理由は、全体に対してCPCが全体[実績値]円に対して[実績値]円([算出値] %)安く、CVRが全体[実績値]%に対して[実績値]%(+[算出値] %)高いことが要因となっています。」 といったテンプレートがテンプレートDB3に記憶されている。 また、第2コメントのテンプレートとして、 「CPAが高い[広告名]([実績値]円)、[広告名]([実績値]円)を改善する必要があります。」 「CTRが高くてCPCが低い[広告名]を参考に新しい広告文を作成しましょう。」 といったテンプレートがテンプレートDB3に記憶されている。」 図4 [図:0001435988000003.jpg] 「【0036】 図4は、実施形態に係るサーバ2(情報処理装置)の機能ブロック図である。図4に示すように、サーバ2は、受信部201(第1~第3受付部)、送信部202(出力部)、記憶装置制御部203、実績取得部204(取得部)、生成部205、認証部206などの機能を備える。なお、図4に示す機能は、サーバ2のROM(不図示)に記憶された情報処理プログラムをCPU200Cが実行することにより実現される。 【0037】 受信部201(受付部)は、ユーザ端末3からの情報を受信する(受け付ける)。例えば、受信部201は、広告運用の報告書や目標値、条件などの設定を受信する。上述したように、この設定には、報告書の種別、報告書に含む実績項目、出力するファイル形式、報告書を生成して出力する間隔、報告書の送信先、コメントの有無などの少なくとも1以上の情報が含まれる。 【0038】 送信部202(出力部)は、ユーザ端末3へ情報を送信する(出力する)。例えば、送信部202は、生成部205が生成した報告書を出力する。 【0039】 記憶装置制御部203は、記憶装置200Bを制御する。具体的には、記憶装置制御部203は、記憶装置200Bへの情報の書き込みや読み出しを行う。 【0040】 実績取得部204(取得部)は、広告運用の実績を取得する。例えば、実績取得部204は、配信された広告の表示回数、クリック数、CTR、CPC、コスト、CV、CVR、CPAなどの実績を取得する。実績取得部204で取得された実績は、記憶装置制御部203により記憶装置200Bの実績DB2へ記憶される。 【0041】 生成部205は、広告運用の実績に基づいて広告運用の報告書を生成する。具体的には、生成部205は、受信部201が受信した設定に基づいて実績から所定の項目の実績を集計し、該集計した所定の項目の実績から広告運用の報告書を生成する。なお、該集計には、実績取得部204が取得した実績を設定に応じて寄せ集めて合計するだけでなく、所定の項目の実績を単に取得することや、所定の項目の実績から他の項目の実績を算出することなども含まれる(例えば、広告の表示回数及びCV数からCVRを算出するなど)。また、生成部205は、コメントの有無の設定に応じて、換言すると、設定「有」の場合にコメントを生成する。なお、生成されたコメントは、報告書に含まれる。ここで、生成部205は、設定に基づいて集計した実績などをテンプレートDB3に記憶されているテンプレートに挿入することでコメントを生成する。」 「【0061】 (広告別表示画面G5) 図10(a)は、報告書の広告別表示画面G5の一例を示す図である。図10(a)に示すように、広告別表示画面G5では、広告の表示回数61、クリック数62、CTR63、CPC64、コスト65、総CV66、CVR67、CPA68などの実績が広告別で生成部205により集計されて表示される。また、コメント「有」の設定である場合、図10(a)に示すように広告別表示画面G5の上側にコメント69が表示される。」 図10(a) [図:0001435988000004.jpg] ここで、上記【0061】を踏まえると、図10(a)から、報告書の広告別表示画面G5の上側には、「コメント」として「広告別ではアドエビス > 広告運用レポート > レポート自動化 Cの順でCPAが良く、アドエビス > 広告運用レポート > レポート自動化の順でCV数が取れています。」が表示され、広告として、アドレポ、アドエビス+EC、広告運用レポート、統合、レポート自動化、アドエビスとの広告名が表示されていることが看取される。 (イ)引用文献1に記載されているといえる事項 引用文献1の、特に下線を付加した記載に着目すると、引用文献1には、以下の事項a~jが記載されているといえる。 a 図2および段落【0012】の記載事項から、サーバ2は、通信IF200A、記憶装置200B、CPU200Cがバスを介して接続された構成を備えているといえる。 b 図3および段落【0017】の記載事項から、記憶装置200Bには、ユーザDB1、実績DB2、テンプレートDB3などのデータベースが記憶されているといえる。 c 段落【0019】【0021】の記載事項から、実績DB2には、広告運用の実績(例えば、広告の表示回数(インプレッション回数)、クリック数(クリックされた数)、CTR(Click Through Ratio:広告がクリック(あるいはタップ)された回数を表示回数で割ったもの)、CPC(Cost Per Click:クリックやタップ一回あたりの料金)、コスト(広告運用に要した費用である)、CV(Conversion:コンバージョン(最終的な成果))、CVR(Conversion Rate:コンバージョン数をクリック数やインプレッション数で割ったもの)、CPA(Cost Per Acquisition:広告単価の指標で顧客一人を獲得するため費用、または、何らかの成果や問い合わせを一件獲得するための費用)など)が記憶されているといえる。 d 段落【0022】【0028】の記載事項から、テンプレートDB3には、生成部205が報告書に含まれるコメント(提案)を生成するためのテンプレート(書式)が記憶されており、テンプレートは、レポートタイプ別(キャンペーン別、月別、デバイス別、キーワード別、広告別など)に記憶されており、コメントのテンプレートには、実績から導出される事実をコメントする第1コメントのテンプレート、実績及び/又は目標から導出される考察をコメントする第2コメントのテンプレートが含まれており、広告別の場合、第1コメントのテンプレートとして、「広告別では、[広告名]>[広告名]>[広告名]の順でCPAが良く、[広告名]>[広告名]>[広告名]の順でCV数が取れています。」といったテンプレートがテンプレートDB3に記憶され、第2コメントのテンプレートとして、「CPAが高い[広告名]([実績値]円)、[広告名]([実績値]円)を改善する必要があります。」「CTRが高くてCPCが低い[広告名]を参考に新しい広告文を作成しましょう。」といったテンプレートがテンプレートDB3に記憶されているといえる。 e 図4および段落【0036】の記載事項から、情報処理装置(サーバ2)のCPU200は、受信部201、送信部202、記憶装置制御部203、実績取得部204、生成部205などの機能を実現するといえる。 f 段落【0036】の記載事項から、送信部202は、ユーザ端末3へ生成部205が生成した報告書を出力するものであるといえる。 g 段落【0040】の記載事項から、実績取得部204は、広告運用の実績(配信された広告の表示回数、クリック数、CTR、CPC、コスト、CV、CVR、CPAなどの実績)を取得するものであるといえる。 h 段落【0019】【0041】の記載事項から、生成部205は、広告運用の実績に基づいて広告運用の報告書を生成することであって、実績から所定の項目の実績を集計し、該集計した所定の項目の実績から広告運用の報告書を生成し、報告書に含まれる実績項目には、例えば、広告の表示回数、クリック数、CTR、CPC、コスト、CV数、CVR、CPAなどがあり、該集計には、実績取得部204が取得した実績を設定に応じて寄せ集めて合計するだけでなく、所定の項目の実績を単に取得することや、所定の項目の実績から他の項目の実績を算出することなども含まれ(例えば、広告の表示回数及びCV数からCVRを算出するなど)、生成部205は、集計した実績などをテンプレートDB3に記憶されているテンプレートに挿入することでコメントを生成しているといえる。 i 段落【0061】の記載事項から、報告書の広告別表示画面G5では、広告の表示回数61、クリック数62、CTR63、CPC64、コスト65、総CV66、CVR67、CPA68などの実績が広告別で生成部205により集計されて表示され、広告別表示画面G5の上側にコメント69が表示されているといえる。 j さらに、段落【0061】の記載を踏まえると、図10(a)から、報告書の広告別表示画面G5の上側には、コメントの一例として、「広告別ではアドエビス > 広告運用レポート > レポート自動化 Cの順でCPAが良く、アドエビス > 広告運用レポート > レポート自動化の順でCV数が取れています。」が表示され、広告として、アドレポ、アドエビス+EC、広告運用レポート、統合、レポート自動化、アドエビスとの広告名が表示されていることが看取される。 (ウ)引用発明 上記(イ)より、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「通信IF200A、記憶装置200B、CPU200Cがバスを介して接続された構成を備えるサーバ2であって、((イ)a) 記憶装置には、ユーザDB1、実績DB2、テンプレートDB3などのデータベースが記憶されており、((イ)b) 実績DB2には、広告運用の実績(例えば、広告の表示回数(インプレッション回数)、クリック数(クリックされた数)、CTR(クリックされた数)、CPC(Cost Per Click:クリックやタップ一回あたりの料金)、コスト(広告運用に要した費用である)、CV(Conversion:コンバージョン(最終的な成果))、CVR(Conversion Rate:コンバージョン数をクリック数やインプレッション数で割ったもの)、CPA(Cost Per Acquisition:広告単価の指標で顧客一人を獲得するため費用、または、何らかの成果や問い合わせを一件獲得するための費用)など)が記憶されており、((イ)c) テンプレートDB3には、生成部205が報告書に含まれるコメント(提案)を生成するためのテンプレート(書式)が記憶されており、テンプレートは、レポートタイプ別(キャンペーン別、月別、デバイス別、キーワード別、広告別など)に記憶されており、コメントのテンプレートには、実績から導出される事実をコメントする第1コメントのテンプレート、実績及び/又は目標から導出される考察をコメントする第2コメントのテンプレートが含まれており、 広告別の場合、第1コメントのテンプレートとして、「広告別では、[広告名]>[広告名]>[広告名]の順でCPAが良く、[広告名]>[広告名]>[広告名]の順でCV数が取れています。」といったテンプレートがテンプレートDB3に記憶され、第2コメントのテンプレートとして、「CPAが高い[広告名]([実績値]円)、[広告名]([実績値]円)を改善する必要があります。」「CTRが高くてCPCが低い[広告名]を参考に新しい広告文を作成しましょう。」といったテンプレートがテンプレートDB3に記憶されており、((イ)d) CPU200は、受信部201、送信部202、記憶装置制御部203、実績取得部204、生成部205などの機能を実現しており、((イ)e) 送信部202は、ユーザ端末3へ生成部205が生成した報告書を出力するものであり、((イ)f) 実績取得部204は、広告運用の実績(配信された広告の表示回数、クリック数、CTR、CPC、コスト、CV、CVR、CPAなどの実績)を取得するものであり、((イ)g) 生成部205は、 広告運用の実績に基づいて広告運用の報告書を生成することであって、実績から所定の項目の実績を集計し、該集計した所定の項目の実績から広告運用の報告書を生成し、 報告書に含まれる実績項目は、広告の表示回数、クリック数、CTR、CPC、コスト、CV数、CVR、CPAなどであり、 該集計には、実績取得部204が取得した実績を設定に応じて寄せ集めて合計するだけでなく、所定の項目の実績を単に取得することや、所定の項目の実績から他の項目の実績を算出すること(広告の表示回数及びCV数からCVRを算出するなど)も含まれ、 集計した実績などをテンプレートDB3に記憶されているテンプレートに挿入することでコメントを生成するものであり、((イ)h) 報告書の広告別表示画面G5では、広告の表示回数61、クリック数62、CTR63、CPC64、コスト65、総CV66、CVR67、CPA68などの実績が広告別で生成部205により集計されて表示され、広告別表示画面G5の上側には、コメントの一例として、「広告別ではアドエビス > 広告運用レポート > レポート自動化 Cの順でCPAが良く、アドエビス > 広告運用レポート > レポート自動化の順でCV数が取れています。」とのコメント69が表示され、広告として、アドレポ、アドエビス+EC、広告運用レポート、統合、レポート自動化、アドエビスとの広告名が表示される((イ)i) サーバ2」 ウ 引用文献2および3 (ア)原査定で周知技術例示文献として引用された引用文献2(本願の出願前である令和元年3月27日発行)の7頁1~13行には、以下の記載がある。 「 [図:0001435988000005.jpg] 」 (イ)原査定で周知技術例示文献として引用された引用文献3(本願の出願前である令和4年6月25日発行)の185頁には、以下の記載がある。 「 [図:0001435988000006.jpg] 」 エ 対比 本件補正発明と引用発明とを対比する。 (ア)「複数の異なる広告コンテンツの運用実績を示す実績情報をそれぞれ取得する取得部」について 引用発明の「実績取得部204は、広告運用の実績(配信された広告の表示回数、クリック数、CTR、CPC、コスト、CV、CVR、CPAなどの実績)を取得する」ものである。 また、引用発明の生成部205が広告運用の実績に基づいて生成した「広告運用の報告書」の広告別表示画面G5では、広告の表示回数61、クリック数62、CTR63、CPC64、コスト65、総CV66、CVR67、CPA68などの実績が、「広告別」(広告名アドレポ、アドエビス+EC、広告運用レポート、統合、レポート自動化、アドエビス別)で集計されて表示されるものである。 そうすると、引用発明の「広告」は、本件補正発明の「広告コンテンツ」に相当し、引用発明の「広告運用の実績」は、クリック数、CTR、CPC、コスト、CV、CVR、CPAであって、広告別に集計されることから、本件補正発明の「複数の異なる広告コンテンツの運用実績を示す実績情報」に相当する。 したがって、引用発明の広告運用の実績を取得する「実績取得部204」は、本件補正発明の「複数の異なる広告コンテンツの運用実績を示す実績情報をそれぞれ取得する取得部」に相当する。 (イ)「過去に取得した前記実績情報を学習して生成された生成モデルであって、前記取得部が取得した前記複数の異なる広告コンテンツそれぞれの前記実績情報を入力することで、前記生成モデルの出力として前記広告コンテンツ毎に前記実績情報を分析した分析結果を含む分析情報であって、前記複数の異なる広告コンテンツそれぞれの前記分析結果を比較した考察情報を含む分析情報を生成部」について a 本件補正発明の「分析結果」、「分析情報」、「考察情報」について、本願明細書の段落【0016】に、次の事項が記載されている。 「【0016】 つづいて、情報処理装置1は、取得した実績情報を生成モデルへ入力し、生成モデルの出力として実績情報を分析した分析情報を生成する(ステップS4)。生成モデルは、様々なコンテンツを収集して学習した生成AI(Generative AI)であり、過去に収集した実績情報を学習して生成される。例えば、情報処理装置1は、複数の広告コンテンツそれぞれの実績情報を生成モデルへ入力し、広告コンテンツ毎に分析情報を生成する。分析情報は、例えば、コンバージョン数や、表示回数、クリック数、コストを入力とした場合、クリック率、コンバージョン率、コストパーコンバージョン等を算出した分析結果として含む。また、分析情報は、複数の広告コンテンツの分析結果を比較した考察情報を含む。考察情報は、例えば、複数の広告コンテンツ全体における分析結果のランキングや、表示回数に対するクリック数やコンバージョン数の割合を示す効率性、費用対効果、広告のターゲット層等に関する考察を含む。」 この記載から、本件補正発明の「広告コンテンツ毎」の「実績情報」は、「コンバージョン数や、表示回数、クリック数、コスト」であり、「分析結果」は、「コンバージョン数や、表示回数、クリック数、コストを入力とした場合、クリック率、コンバージョン率、コストパーコンバージョン等を算出した」ものであり、「考察情報」は、「複数の広告コンテンツ全体における分析結果のランキングや、表示回数に対するクリック数やコンバージョン数の割合を示す効率性、費用対効果、広告のターゲット層等に関する考察」を含み、「分析情報」は、「分析結果」と「考察情報」を含むことが理解できる。 b 引用発明において、「生成部205は、広告運用の実績に基づいて広告運用の報告書を生成する」ものであって、集計した実績などをテンプレートDB3に記憶されているテンプレートに挿入することでコメントを生成するものであり、広告別の場合、第1コメントのテンプレートとして、「広告別では、[広告名]>[広告名]>[広告名]の順でCPAが良く、[広告名]>[広告名]>[広告名]の順でCV数が取れています。」といったテンプレートがテンプレートDB3に記憶され、第2コメントのテンプレートとして、「CPAが高い[広告名]([実績値]円)、[広告名]([実績値]円)を改善する必要があります。」「CTRが高くてCPCが低い[広告名]を参考に新しい広告文を作成しましょう。」といったテンプレートがテンプレートDB3に記憶されており、「報告書の広告別表示画面G5では、広告の表示回数61、クリック数62、CTR63、CPC64、コスト65、総CV66、CVR67、CPA68などの実績が広告別で生成部205により集計されて表示され、該集計には、実績取得部204が取得した実績を設定に応じて寄せ集めて合計するだけでなく、所定の項目の実績を単に取得することや、所定の項目の実績から他の項目の実績を算出すること(広告の表示回数及びCV数からCVRを算出するなど)も含まれ、広告別表示画面G5の上側には、一例として、「広告別ではアドエビス > 広告運用レポート > レポート自動化 Cの順でCPAが良く、アドエビス > 広告運用レポート > レポート自動化の順でCV数が取れています。」とのコメント69が表示され、広告として、アドレポ、アドエビス+EC、広告運用レポート、統合、レポート自動化、アドエビスとの広告名が表示され」るとされている。 ここで、上記aを踏まえると、引用発明の「広告別表示画面G5」における「広告の表示回数61、クリック数62」、「コスト65、総CV66」は、本件補正発明の「複数の異なる広告コンテンツそれぞれの前記実績情報」に相当する。 引用発明の「広告別表示画面G5」における「CVR67」は、「CVR(Conversion Rate:コンバージョン数をクリック数やインプレッション数で割ったもの)」であり、引用発明の「広告別表示画面G5」における「CPA68」は、「CPA(Cost Per Acquisition:広告単価の指標で顧客一人を獲得するため費用、または、何らかの成果や問い合わせを一件獲得するための費用)」であって、「コスト/コンバージョン数」により算出されるものであり、「コストパーコンバージョン」に相当するから、いずれも、本件補正発明の「広告コンテンツ毎に前記実績情報を分析した分析結果」に相当する。 さらに、引用発明の「広告別表示画面G5」の上側に表示された「「広告別ではアドエビス > 広告運用レポート > レポート自動化 Cの順でCPAが良く・・・」との第1コメントは、「分析結果」である「CPA」の「比較」であり、「CPAが高い[広告名]([実績値]円)、[広告名]([実績値]円)を改善する必要があります。」との第2コメントが、「分析結果を比較した考察情報」であるといえるから、本件補正発明の「複数の異なる広告コンテンツそれぞれの前記分析結果を比較した考察情報」に相当する。 c そうすると、引用発明の、実績取得部204が取得した「広告別」の「コスト65、総CV66」などの実績情報から「CPA68」を算出し、「広告別ではアドエビス > 広告運用レポート > レポート自動化 Cの順でCPAが良く・・・」との「コメント69」を生成することは、本件補正発明の「前記取得部が取得した前記複数の異なる広告コンテンツそれぞれの前記実績情報を入力することで、前記生成モデルの出力として前記広告コンテンツ毎に前記実績情報を分析した分析結果であって、前記複数の異なる広告コンテンツそれぞれの前記分析結果を比較した考察情報を含む分析情報を生成する生成部」と、「前記取得部が取得した前記複数の異なる広告コンテンツそれぞれの前記実績情報を入力することで、」「出力として前記広告コンテンツ毎に前記実績情報を分析した分析結果であって、前記複数の異なる広告コンテンツそれぞれの前記分析結果を比較した考察情報を含む分析情報を生成する生成部」との点で共通する。 d したがって、引用発明の報告書を生成する「生成部205」は、本件補正発明の「生成部」と、「前記取得部が取得した前記複数の異なる広告コンテンツそれぞれの前記実績情報を入力することで、出力として前記広告コンテンツ毎に前記実績情報を分析した分析結果を含む分析情報であって、前記複数の異なる広告コンテンツそれぞれを比較した考察情報を含む分析情報を生成する生成部」との点で共通する。 他方、本件補正発明は、分析情報の出力を「過去に取得した前記実績情報を学習して生成された生成モデル」が行っているのに対して、引用発明は、分析情報を出力する際に、「過去に取得した前記実績情報を学習して生成された生成モデル」が行っていない点で相違する。 (ウ)「生成した前記広告コンテンツ毎の前記分析情報を提供する提供部」について 引用発明において、「ユーザ端末3へ生成部205が生成した報告書を出力する」「送信部202」は、本件補正発明の「生成した前記広告コンテンツ毎の前記分析情報を提供する提供部」に相当する。 (エ)生成部が「前記広告コンテンツのコンバージョン数および表示回数を含む前記実績情報を前記生成モデルの入力とし、前記表示回数に対する前記コンバージョン数の割合を示す効率性を含む前記分析情報を前記生成モデルにより出力するとともに、前記複数の広告コンテンツにおける前記効率性のランキングを前記生成モデルにより出力する」について a 引用発明は、上記(ア)のとおり、実績取得部204が、広告運用の実績(例えば、配信された広告の表示回数、クリック数、CTR、CPC、コスト、CV、CVR、CPAなどの実績)を取得し、上記(イ)bのとおり、生成部205が、実績から所定の項目の実績を集計し、該集計した所定の項目の実績から広告運用の報告書を生成し、該集計には、実績取得部204が取得した実績を設定に応じて寄せ集めて合計するだけでなく、所定の項目の実績を単に取得することや、所定の項目の実績から他の項目の実績を算出すること(広告の表示回数及びCV数からCVRを算出するなど)も含まれ、「報告書」には、「CVR(Conversion Rate:コンバージョン数をクリック数やインプレッション数で割ったもの)」を含むとされている。 b そうすると、引用発明の、配信された広告の「CV」、「表示回数」は、それぞれ、本件補正発明の「コンバージョン数」、「表示回数」に相当する。また、引用発明の報告書に含まれる「CVR(Conversion Rate:コンバージョン数をクリック数やインプレッション数で割ったもの)」の内、「コンバージョン数を」「インプレッション数」(広告表示回数)「で割った」「CVR」は、本件補正発明の「前記表示回数に対する前記コンバージョン数の割合を示す効率性」を示すものに相当する。 c したがって、引用発明の生成部205が、広告運用の実績に基づいて広告運用の報告書(「コンバージョン数を」「インプレッション数」(広告表示回数)「で割った」「CVR」を含む報告書)を生成することは、本件補正発明の「前記広告コンテンツのコンバージョン数および表示回数を含む前記実績情報を前記生成モデルの入力とし、前記表示回数に対する前記コンバージョン数の割合を示す効率性を含む前記分析情報を前記生成モデルにより出力する」ことと、「前記広告コンテンツのコンバージョン数および表示回数を含む前記実績情報を」「入力とし、前記表示回数に対する前記コンバージョン数の割合を示す効率性を含む前記分析情報を出力する」との点で共通する。 d さらに、引用発明の、生成部205が、「広告別ではアドエビス > 広告運用レポート > レポート自動化 Cの順でCPAが良く」とのコメントを生成することは、不等号「>」によって、広告の分析結果の順位付け(ランキング)をしているといえる。 ここで、引用発明の、生成部205が、順位付け(ランキング)しているCPAと、本件補正発明の「前記表示回数に対する前記コンバージョン数の割合」とは、いずれも、広告コンテンツ毎に実績情報を分析した分析結果であることから、引用発明の、生成部205が、広告別のCPAを順位付け(ランキング)していることと、本件補正発明の、生成部が、「前記複数の広告コンテンツにおける前記効率性のランキングを前記生成モデルにより出力する」こととは、「前記複数の広告コンテンツにおける」分析結果「のランキングを出力する」との点で共通する。 e よって、引用発明の「生成部205」と、本件補正発明の「生成部」とは、「前記広告コンテンツのコンバージョン数および表示回数を含む前記実績情報を入力とし、前記表示回数に対する前記コンバージョン数の割合を示す効率性を含む前記分析情報を出力するとともに、前記複数の広告コンテンツにおける」分析結果の「ランキングを出力する」との点で共通する。 他方、本件補正発明は、分析情報及び効率性のランキングを出力させる生成部が「前記生成モデル」により出力するのに対して、引用発明は、報告書及びコメントとして表示するための順位付けを出力させる生成部205が「前記生成モデル」により報告書及びコメントを出力させるものではない点で相違する。 また、本件補正発明は、生成部が「前記表示回数に対する前記コンバージョン数の割合を示す効率性」のランキングを生成するのに対して、引用発明は、CPAのランキングを生成するものであって、「効率性」のランキングを生成するものではない点で相違する。 (オ)「情報処理装置」について 引用発明の「サーバ2」は、上記(ア)~(エ)のとおり、広告の運用実績に基づいて報告書を生成する点で、後述する相違点は別にして、本件補正発明の「情報処理装置」に相当する。 オ 一致点および相違点 本件補正発明と、引用発明とは、以下(ア)の点で一致し、以下(イ)の点で相違する。 (ア)一致点 「複数の異なる広告コンテンツの運用実績を示す実績情報をそれぞれ取得する取得部と、 前記取得部が取得した前記複数の異なる広告コンテンツそれぞれの前記実績情報を入力することで、出力として前記広告コンテンツ毎に前記実績情報を分析した分析結果を含む分析情報であって、前記複数の異なる広告コンテンツそれぞれの比較した考察情報を含む分析情報を生成する生成部と、 生成した前記広告コンテンツ毎の前記分析情報を提供する提供部と、 を備え、 前記生成部は、 前記広告コンテンツのコンバージョン数および表示回数を含む前記実績情報を入力とし、前記表示回数に対する前記コンバージョン数の割合を示す効率性を含む前記分析情報を出力するとともに、前記複数の広告コンテンツにおけるランキングを出力する 情報処理装置。」 (イ)相違点 a <相違点1> 本件補正発明は、分析情報の出力を「過去に取得した前記実績情報を学習して生成された生成モデル」が行っているのに対して、引用発明は、分析情報を出力する際に、「過去に取得した前記実績情報を学習して生成された生成モデル」が行っていない点。 b <相違点2> 本件補正発明は、分析情報及び効率性のランキングを出力させる生成部が「前記生成モデル」により出力するのに対して、引用発明は、報告書及びコメントとして表示するための順位付けを出力させる生成部205が「前記生成モデル」により報告書及びコメントを出力させるものではない点。 c <相違点3> 本件補正発明は、生成部が「前記表示回数に対する前記コンバージョン数の割合を示す効率性」のランキングを生成するのに対して、引用発明は、CPAのランキングを生成するものであって、「効率性」のランキングを生成するものではない点。 カ 相違点についての判断 (ア) <相違点1>及び<相違点2>について a 本件補正発明の「生成モデル」の技術的意義を確認する。 本願明細書には、「生成モデル」について、次の事項が記載されている。 「【0012】 図1に示すように、実施形態に係る情報処理システムSは、広告コンテンツの運用実績を示す実績情報を生成モデルへ入力することで、生成モデルの出力として実績情報を分析した分析情報を生成し、生成した分析情報を提供する。」 「【0016】 つづいて、情報処理装置1は、取得した実績情報を生成モデルへ入力し、生成モデルの出力として実績情報を分析した分析情報を生成する(ステップS4)。生成モデルは、様々なコンテンツを収集して学習した生成AI(Generative AI)であり、過去に収集した実績情報を学習して生成される。例えば、情報処理装置1は、複数の広告コンテンツそれぞれの実績情報を生成モデルへ入力し、広告コンテンツ毎に分析情報を生成する。分析情報は、例えば、コンバージョン数や、表示回数、クリック数、コストを入力とした場合、クリック率、コンバージョン率、コストパーコンバージョン等を算出した分析結果として含む。また、分析情報は、複数の広告コンテンツの分析結果を比較した考察情報を含む。考察情報は、例えば、複数の広告コンテンツ全体における分析結果のランキングや、表示回数に対するクリック数やコンバージョン数の割合を示す効率性、費用対効果、広告のターゲット層等に関する考察を含む。」 このように、「生成モデル」は、広告コンテンツの運用実績を示す実績情報を入力することで、分析情報を生成し提供するものであって、分析情報には、分析結果のランキングが含まれる。 b 上記ウ(ア)および(イ)のとおり、機械学習の技術分野において、学習して生成された機械学習モデルを用いて、タスク処理の自動化や、文書要約等の表現を生成する技術は、本願出願前に周知であったと認められる。 c 引用発明は、「生成部205」は、広告運用の実績に基づいて広告運用の報告書を生成するものであって、報告書には、「広告別ではアドエビス > 広告運用レポート > レポート自動化 Cの順でCPAが良く」とのコメントが含まれるものである。 このように、引用発明の「生成部205」に対する入力及び出力は、本件補正発明の生成モデルに対する入力及び出力と同じである、すなわち、引用発明の「生成部205」は、本件補正発明の「生成モデル」と同じ機能を果たすものである。 d そして、引用発明は、生成部205によって報告書を作成することは、引用文献1の段落【0093】に「設定に応じて報告書を生成することができるので報告書の作成の利便性が向上する。」と記載されているように、利便性の向上のために行われることから、報告書の作成のために、どのような手段を用いるかは、当業者が適宜選択し得る設計的事項にすぎない。 e したがって、引用発明においても、生成部205に、CPAやCVRなどの分析結果を算出させ、集計した実績などをテンプレートDB3に記憶されているテンプレートに挿入することでコメントを生成させ、結果を出力することに代えて、上記bの周知技術を採用し、生成部205が、「生成モデル」に実行させるようにすることで、<相違点1>及び<相違点2>に係る構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。 (イ) <相違点3>について 引用発明は、広告コンテンツ毎に実績情報を分析した分析結果として、CPAや、「コンバージョン数を」「インプレッション数」(広告表示回数)「で割った」「CVR」などの分析結果を生成しており、また、CPAをランキング出力しているから、引用文献1の「なお、上記テンプレートは、あくまでコメントの一例であり、上記例だけに限られず、どのようなテンプレートをテンプレートDB3に記憶させるかは任意である。また、どのような単位でテンプレートをテンプレートDB3に記憶させるかは任意である。」(【0029】)ように、分析結果のうち、どの結果についてのランキングを生成するかは、設計的事項であるから、引用発明において、CPAと同様に、「コンバージョン数を」「インプレッション数」(広告表示回数)「で割った」「CVR」をランキング生成するようにして<相違点3>に係る構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。 キ 作用効果 そして、本件補正発明の奏する作用効果は、引用発明及び周知技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。 ク 小活 よって、本件補正発明は、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。 (3)補正の適否のまとめ したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 上述のとおり、令和7年5月7日の手続補正は却下されたので、本願の請求項に係る発明は、令和6年9月20日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし7の記載により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という)は、上記第2の1(1)に記載されたとおりのものである。 2 原査定の拒絶の理由の概要 原査定の理由のうち、進歩性の理由の概要は次のとおりである。 この出願の請求項1ないし7に係る発明は、本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明、及び、引用文献2ならびに3に記載された事項に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない、というものである。 引用文献1:特開2022-167383号公報 引用文献2:中西 崇文,人工知能の導入による生産性、効率性の向上、新製品開発への活用 第1版 ,第1版,日本,株式会社技術情報協会,2019年03月27日,pp.6-8 引用文献3:古嶋 十潤,DXの実務 戦略と技術をつなぐノウハウと企画から実装までのロードマップ 第1版,日本,英治出版株式会社,2022年06月25日,pp.184-185 3 引用文献1および引用発明 引用文献1の記載事項及び引用発明は、上記第2の2(2)イ(ウ)「引用発明」に記載したとおりである。 4 本願発明と引用発明との対比・判断 本願発明は、上記第2の2(1)で述べたように、本件補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「生成した前記広告コンテンツ毎の前記分析情報と、前記考察情報とを提供する提供部」について、本件補正発明の「分析結果を含む分析情報」及び「前記分析結果を比較した考察情報を含む分析情報」を、それぞれ、「分析情報」及び「考察情報」に上位概念化し、これに連動して、本件補正発明の「分析結果」を「分析情報」に表現を改めた上で、本件補正発明の「分析情報」として1つにまとめられていたものを、「分析情報」及び「考察情報」とし、本件補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「生成部」について、「前記広告コンテンツのコンバージョン数および表示回数を含む前記実績情報を前記生成モデルの入力とし、前記表示回数に対する前記コンバージョン数の割合を示す効率性を含む前記分析情報を前記生成モデルにより出力するとともに、前記複数の広告コンテンツにおける前記効率性のランキングを前記生成モデルにより出力する」との限定事項を削除したものである。 そのため、上記第2の2(2)オ「(イ)相違点」の「c <相違点3>」は相違点とはならず、同「a <相違点1>」及び「b <相違点2>」は、1つにまとめて、上位概念化された次のとおりのものとなる。 すなわち、本願発明と引用発明との相違点は、以下のとおりである。 <相違点> 本願発明は、分析情報および考察情報の生成を「過去に取得した前記実績情報を学習して生成された生成モデル」が行っているのに対して、引用発明は、分析情報および考察情報を出力する際に、「過去に取得した前記実績情報を学習して生成された生成モデル」が行っていない点。 上記<相違点>について検討すると、その判断は、実質的に、上記第2の2(2)カ「(ア) <相違点1>及び<相違点2>について」と同様に、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 したがって、本願発明は、引用発明及び引用文献2並びに3に記載された周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2025-006950

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