特許拒絶査定不服審判
2025-001082
持参収容具利用システム
- 審判番号
- 2025-001082
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2020-183373
- 請求日
- 2025年01月24日
- 審決日
- 2026年06月18日
- 公報発行日
- 2026年08月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社MILKBOTTLE SHAKERS
- 【請求人代理人】▲崎▼山 博教
- 審判長/審判官
- 審判長 岩間 直純
- 審判官 富澤 哲生
- 審判官 久慈 渉
- 分類
- P18 .121-WZ (G06Q) / P18 .575-WZ (G06Q)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第6項、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第29条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2020-183373「持参収容具利用システム」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年11月 4日出願公開、特開2021-176072〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和2年10月31日(優先権主張令和2年4月23日)の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和6年 7月23日付け:拒絶理由通知書
令和6年 9月11日 :意見書、手続補正書の提出
令和6年10月16日付け:拒絶査定
令和7年 1月24日 :審判請求書、手続補正書の提出
令和7年12月17日付け:拒絶理由(当審拒絶理由、最後の拒絶理由)通知書
令和8年 2月20日 :意見書、手続補正書の提出
第2 令和8年2月20日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和8年2月20日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正について(補正の内容)
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された(下線部は、本件補正前の請求項1に対する補正箇所である。)。
「【請求項1】
商品の購入者が商品を収容するために持参する持参収容具を他の収容具と識別可能とする収容具識別情報が付与された収容具識別媒体を有しており、
任意に選択された収容具に対して前記収容具識別媒体を取り付けた状態で前記持参収容具として使用可能であり、
前記収容具識別媒体から少なくとも前記収容具識別情報を取得する情報取得部を備えた少なくとも一つの制御端末を有しており、
前記情報取得部で前記収容具識別情報を取得することにより、商品の販売者が商品の収容のために配布する配布収容具に代えて、前記収容具識別情報によって識別された特定の前記持参収容具を商品の収容に用いたことを示す持参収容具利用情報が、前記収容具識別情報によって識別された特定の前記持参収容具に係る前記収容具識別情報と関連付けて生成されるものであり、
前記持参収容具利用情報が、前記持参収容具の累積使用回数であり、
前記累積使用回数に係る情報が、通信装置を介してサーバーに対して出力され、前記サーバーにおいて前記収容具識別情報と関連付けて管理されるものであり、
前記持参収容具利用情報に応じてポイントを付与するポイント付与部を有し、前記ポイントに係る情報が、前記収容具識別情報と関連付けて利用者付与ポイント情報として蓄積可能に生成されること、を特徴とする持参収容具利用システム。」
(2)本件補正前の特許請求の範囲
本件補正前の、令和7年1月24日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の各請求項の記載は次のとおりである。
「【請求項1】
商品の購入者が商品を収容するために持参する持参収容具を他の収容具と識別可能とする収容具識別情報が付与された収容具識別媒体を有しており、
前記収容具識別媒体から少なくとも前記収容具識別情報を取得する情報取得部を備えた少なくとも一つの制御端末を有しており、
前記情報取得部で前記収容具識別情報を取得することにより、商品の販売者が商品の収容のために配布する配布収容具に代えて前記持参収容具を商品の収容に用いたことを示す持参収容具利用情報が、当該持参収容具に係る前記収容具識別情報と関連付けて生成されるものであり、
前記持参収容具利用情報が、少なくとも前記持参収容具の累積使用回数を含むものであること、を特徴とする持参収容具利用システム。
【請求項2】
前記持参収容具利用情報が、通信装置を介してサーバーに対して出力可能であること、を特徴とする請求項1に記載の持参収容具利用システム。
【請求項3】
商品の販売者が備える販売者端末により、前記収容具識別媒体から前記収容具識別情報を取得可能であること、を特徴とする請求項1又は2に記載の持参収容具利用システム。
【請求項4】
前記収容具識別情報が付与された収容具識別媒体を有し、
任意に選択された収容具に対して前記収容具識別媒体を取り付けた状態で前記持参収容具として使用可能であること、を特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の持参収容具利用システム。
【請求項5】
前記持参収容具利用情報に応じてポイントを付与するポイント付与部を有し、
前記ポイントに係る情報が、前記収容具識別情報と関連付けて利用者付与ポイント情報として蓄積可能に生成されること、を特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の持参収容具利用システム。
【請求項6】
前記収容具識別情報と関連付けて利用者に係る利用者情報を登録可能であると共に、寄付又は投資を受け付けて活動を行う事業者に係る事業者情報を登録可能であり、
前記事業者に対して付与されたポイントに係る情報を事業者付与ポイント情報として、前記事業者情報と関連付けて蓄積可能であり、
前記利用者により入力される指令情報に則り、当該利用者の前記利用者情報に基づいて特定される前記収容具識別情報と関連付けて蓄積されているポイントの範囲内において、前記事業者に移行するポイント移行処理を行うことができ、
前記事業者が所有する前記ポイントの数量に応じて、前記事業者への寄付又は投資に係る決済処理を行うことができること、を特徴とする請求項5に記載の持参収容具利用システム。
【請求項7】
前記収容具識別情報と関連付けて利用者に係る利用者情報を登録可能であり、
前記利用者により入力される指令情報に則り、当該利用者の前記利用者情報に基づいて特定される前記収容具識別情報と関連付けて蓄積されているポイントの範囲内において、ポイントを金品により決済する決済処理を行うことができること、を特徴とする請求項5又は6に記載の持参収容具利用システム。」
2 補正の目的について
本件補正の適否について検討するに当たり、まず、補正の目的について検討する。
(1)本件補正は、本件補正前における請求項5に係る発明(請求項1のみを引用する場合)に対し、以下の各変更を行って、本件補正後の請求項1に係る発明とすることを含むものといえる。
ア 「持参収容具」と「収容具識別媒体」との関係について、「任意に選択された収容具に対して前記収容具識別媒体を取り付けた状態で前記持参収容具として使用可能であ」るとの記載を付加する変更
イ 「前記持参収容具を商品の収容に用いたことを示す持参収容具利用情報が、前記持参収容具に係る前記収容具識別情報と関連付けて生成される」との記載における2箇所の「前記持参収容具」について、それぞれ「前記収容具識別情報によって識別された特定の」ものであるとの記載を付加する変更
ウ 「前記持参収容具利用情報」と「前記持参収容具の累積使用回数」との関係について、前者が後者を含む旨の記載から、前者が後者である旨の記載への変更
エ 「累積使用回数」について、「前記累積使用回数に係る情報が、通信装置を介してサーバーに対して出力され、前記サーバーにおいて前記収容具識別情報と関連付けて管理されるものであ」るとの記載を付加する変更
(2)上記(1)ア、イ、エは、いずれも本件補正前の請求項5の発明特定事項について限定する記載を付加するものであり、同ウも、変更後に「持参収容具利用情報」に「持参収容具の累積使用回数」以外の情報が含まれ得る場合が除外されているから、限定を付加するものといえる。
また、本件補正前の請求項5に係る発明と本件補正後の請求項1に係る発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が異なるものとは認められない。
(3)よって、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものを含む。
3 独立特許要件について
上記2(3)によれば、本件補正が認められるためには、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合する(特許出願の際独立して特許を受けることができるものである)ことが必要であるから、その当否について、以下、検討する。
(1)本件補正発明
本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。
(2)引用文献の記載事項、引用発明及び周知技術
ア 引用文献1、引用発明
(ア)令和7年12月17日付けで当審が通知した拒絶理由(以下「当審拒絶理由」という。)において引用された特開2004-157634号公報(以下「引用文献1」という。)には、図面とともに、次の記載がある(下線は当審による。以下同様。)。
「【0011】
【発明が解決しようとする課題】
そのようなことから、消費者や商店等にレジ袋を使用しないためのインセンティブを与えると共に、レジ袋を使用しないことによる煩わしさがなく、日常的に取り組めるシステムが必要とされている。また、地域の住民が、空き缶やタバコの吸い殻等の回収に積極的に取り組めるようなシステムが必要とされている。
【0012】
そこで、上記の点に鑑み、本発明の第1の目的は、消費者に買い物袋を持参させることによってレジ袋の使用量を低減すると共に、地元の商店等に消費者を誘導することにより地元経済が活性化されるような販売支援システム及び販売支援方法を提供することである。また、本発明の第2の目的は、地域住民による積極的なリサイクル活動又は地域環境保全活動を促進すると共に、地元の商店等に消費者を誘導することにより地元経済が活性化されるような販売支援システム及び販売支援方法を提供することである。」
「【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る販売支援システムの構成を示している。本実施形態においては、本発明に係る販売支援システムを、複数の加盟店を含む地域の商店街に適用した例について説明する。
【0020】
図1に示すように、この販売支援システムは、本実施形態に係る販売支援システム全体を管理する管理用端末10と、複数のレジ端末20a、20b、…とを含んでいる。これらの管理用端末10と各レジ端末20a、20b、…とは、ネットワークN1を介して接続されている。なお、利用者がパーソナルコンピュータ等のユーザ端末30a、30b、…を有している場合には、それらをネットワークN1に接続するようにしても良い。また、利用者が携帯電話を有している場合には、携帯電話とネットワークN1との間で情報の送受信を行っても良い。
【0021】
買い物袋1は、利用者が買い物をする際に利用者に持参させるために販売されており、それぞれの買い物袋1には個別のバーコードが付与されている。図2は、図1に示す買い物袋1を拡大して示す図である。図2の(a)に示すように、バーコード2は、買い物袋1に直接印字されていても良いし、バーコード2が印字されたラベルを買い物袋1に縫いつけても良い。あるいは、図2の(b)に示すように、バーコード2が印字されたタグ3を買い物袋1に結びつけても良い。さらに、利用者の利便性のために、買い物袋1に付されたものと同じバーコードが印字され、利用者の氏名等を記入することができるカード(バーコードカード)を利用者に提供しても良い。
【0022】
再び、図1を参照すると、管理用端末10は、例えば、パーソナルコンピュータであり、本実施形態に係る販売支援システムにおいて用いられる情報を管理する。管理用端末10は、管理用端末10の各部を制御する制御部12と、記録部13と、送受信部14と、入力部15と、表示部16とを有している。
【0023】
図3に示すように、記録部13は、顧客情報データベース(DB)13a及び加盟店情報データベース(DB)13bを有している。
顧客情報には、利用者の登録番号、氏名、住所、電話番号、メールアドレス等の利用者に関する情報に加えて、加盟店において利用者が買い物袋を持参して買い物をした場合に加算される獲得ポイント、及び、所定の期間内に利用者が行った買い物の履歴を表す買い物履歴情報等が含まれている。ここで、買い物履歴情報は、買い物の金額、購入した商品名や数量、及び、買い物をした加盟店名等の情報を含んでいる。このような顧客情報は、登録番号により、顧客が所持する買い物袋1のバーコード2に関連付けて記録される。
また、加盟店情報には、加盟店の番号、店名、住所、電話番号、メールアドレス、取り扱い商品の種別、利用者に提供しているサービスの内容、及び、サービスの利用状況等の情報が含まれている。
【0024】
再び、図1を参照すると、送受信部14は、ネットワークN1を介してレジ端末20a、20b、…との間で情報の送受信を行う。入力部15は、キーボードやタッチパネル等の入力デバイスであり、オペレータが管理用端末10に情報を入力する際に用いられる。表示部16は、CRT等のディスプレイであり、制御部12から出力される情報や命令を表示する。
【0025】
レジ端末20a、20b、…は、加盟店A、B、…の会計カウンターに設置されている。また、各レジ端末20a、20b、…には、バーコードリーダ21が接続されている。バーコードリーダ21は、買い物袋1に対応して付与されたバーコード2や商品に付されたバーコードを読み取る際に用いられる。レジ端末20a、20b、…は、利用者の買い物代金を計算し、その金額や購入した商品名等の情報を買い物情報として、買い物袋に対応して付与されたバーコードが表す情報と共に管理用端末10に送信する。」
「【0030】
図6は、本実施形態に係る販売支援方法におけるポイント蓄積方法を示すフローチャートである。
利用者は、ステップS13において、買い物袋1を持参して加盟店Aにおいて買い物をする。販売支援システムは、ステップS23において、商品を会計する際に、レジ端末20aのバーコードリーダ21を用いて買い物袋1に付されたバーコード2を読み取る。その後、利用者は会計を済ませ、持参した買い物袋に商品を収納して持ち帰る。
なお、利用者は、通常の買い物袋を持参した場合においても、バーコードが付与された買い物袋を購入したときに提供されたバーコードカードを提示することによってポイントを蓄積させることができる。
【0031】
ステップS24において、販売支援システムは、レジ端末20aにおいて読み取られたバーコードが表す登録番号、及び、利用者が購入した商品名や金額等を含む買い物情報を管理用端末10に送信し、登録番号に基づいて顧客情報を検索する。
【0032】
ステップS25において、販売支援システムは、管理用端末10において、検索された顧客情報に含まれる獲得ポイントに所定の点数を加算する。この点数は、1回の買い物について決まった点数でも良いし、買い物金額に応じて所定の規則により換算された点数でも良い。また、販売支援システムは、買い物履歴情報に買い物情報を記録して更新する。さらに、販売支援システムは、管理用端末10において加算された獲得ポイントをレジ端末20aに送信し、レジ端末から発行されるレシートに最新の獲得ポイントが印字されるようにしても良い。
【0033】
さらに、ステップS26において、販売支援システムは、顧客情報に含まれるメールアドレスを使用して、管理用端末10からそれぞれのユーザ端末30a、30b、…に、現在の獲得ポイントや買い物履歴情報を定期的に送信する。この買い物履歴情報については、利用者が家計簿処理等のために利用し易いように、購入した商品の品目ごとにデータを整理して送信するようにしても良い。また、その際に、販売支援システムは、「お買い得情報」のように、加盟店の宣伝となる情報を送信しても良い。利用者は、ステップS14において、受信した獲得ポイント及び買い物履歴情報を確認する。
【0034】
図7は、本実施形態に係る販売支援方法におけるサービス提供方法を示すフローチャートである。
蓄積されたポイントを確認する場合に、利用者は、ステップS15において、買い物袋1に付与されたバーコード2をいずれかのレジ端末20a、20b、…に読み取らせる。販売支援システムは、ステップS27において、読み取られたバーコードが表す登録番号を管理用端末10に送信し、該当する顧客情報を検索する。
【0035】
ステップS28において、販売支援システムは、管理用端末10において検索された顧客情報の内の少なくとも獲得ポイントを含む情報を、登録番号が送信されたレジ端末に返し、その画面に表示する。
利用者は、ステップS16において、画面に表示された獲得ポイントを確認し、獲得ポイントが予め定められている値に達している場合に、サービスチケットを発行させるか否か選択する(ステップS17)。」
「【0040】
本実施形態によれば、利用者は、買い物をする際に、スタンプを収集する等の煩わしさを感じることなくポイントを貯めることができ、ポイントに応じたサービスを受けることができる。また、利用者は、管理用端末から利用者の端末に送信される買い物履歴情報を用いて、家計簿の処理を行うことができる。このように、利用者は、バーコードが付された買い物袋を持参して買い物するだけで様々な利益を得ることができるので、積極的に買い物袋を利用するようになり、結果的に、レジ袋の使用量を減らすことができる。」
「【図1】
[図:0001437938000001.jpg]
」
(イ)上記(ア)の記載から、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「管理用端末10と、複数のレジ端末20a、20b、…とを含み、これらの管理用端末10と各レジ端末20a、20b、…とは、ネットワークN1を介して接続されており、
買い物袋1は、利用者が買い物をする際に利用者に持参させるために販売されており、それぞれの買い物袋1には個別のバーコードが付与されており、バーコード2が印字されたタグ3を買い物袋1に結びつけ、
管理用端末10は、販売支援システムにおいて用いられる情報を管理し、管理用端末10は、記録部13を有し、
記録部13は、顧客情報データベース(DB)13aを有し、
顧客情報には、利用者の登録番号、氏名、住所、電話番号、メールアドレス等の利用者に関する情報に加えて、加盟店において利用者が買い物袋を持参して買い物をした場合に加算される獲得ポイント、及び、所定の期間内に利用者が行った買い物の履歴を表す買い物履歴情報等が含まれており、顧客情報は、登録番号により、顧客が所持する買い物袋1のバーコード2に関連付けて記録され、
利用者は、買い物袋1を持参して加盟店Aにおいて買い物をし、販売支援システムは、商品を会計する際に、レジ端末20aのバーコードリーダ21を用いて買い物袋1に付されたバーコード2を読み取り、その後、利用者は会計を済ませ、持参した買い物袋1に商品を収納して持ち帰り、
販売支援システムは、レジ端末20aにおいて読み取られたバーコードが表す登録番号、及び、利用者が購入した商品名や金額等を含む買い物情報を管理用端末10に送信し、登録番号に基づいて顧客情報を検索し、
販売支援システムは、管理用端末10において、検索された顧客情報に含まれる獲得ポイントに所定の点数を加算し、この点数は、1回の買い物について決まった点数であり、買い物履歴情報に買い物情報を記録して更新し、
利用者は、バーコードが付された買い物袋を持参して買い物するだけで様々な利益を得ることができるので、積極的に買い物袋を利用するようになり、結果的に、レジ袋の使用量を減らすことができる、販売支援システム。」
イ 周知技術
(ア)当審拒絶理由において引用された特開2018-73274号公報(以下「引用文献2」という。)には、図面とともに、次の記載がある。
「【0059】
<第2の実施形態>
まず、本実施形態の概要を説明する。本実施形態の会計システムは、顧客に提供した買物袋を顧客が持参した回数を特定することができる。そして、会計システムは、回数が増えるほど大きな特典を顧客に提供することができる。
【0060】
このような本実施形態の会計システムによれば、顧客が、店舗で受け取った買物袋を繰り返し持参することが期待される。これにより、同じ買物袋の繰り返しの再利用を促進できる。結果、店舗から顧客への買物袋の提供を低減できる。
【0061】
図6に示すように、本実施形態の会計システムは、複数の会計装置10と、サーバ20とを含む。会計装置10及びサーバ20間の通信手段は特段制限されず、あらゆる技術を採用できる。」
「【0064】
図7に、本実施形態の会計装置10の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、会計装置10は、商品情報取得部11と、算出部12と、決定部13と、出力部14と、読込部15と、返信情報取得部16とを有する。商品情報取得部11、決定部13及び出力部14の構成は、第1の実施形態と同様である。」
「【0073】
返信情報取得部16は、読込部15により取得された特典情報及び袋識別情報をサーバ20に送信してもよい。そして、返信情報取得部16は、当該特典情報及び当該袋識別情報に基づきサーバ20で決定された今回の会計処理時に適用するサービス内容を取得してもよい。以下で説明するが、サーバ20は、取得した袋識別情報に基づき、買物袋から当該袋識別情報を取得された積算回数を把握する。そして、サーバ20は、当該積算回数と、取得した特典情報とに基づき、今回の会計処理時に適用するサービス内容を決定する。サーバ20は、例えば、図8に示すような情報を用いてサービス内容を決定する。」
「【0083】
このような本実施形態の会計システムによれば、顧客が、店舗で受け取った買物袋を繰り返し持参することが期待される。これにより、同じ買物袋の繰り返しの再利用を促進できる。結果、店舗から顧客への買物袋の提供を低減できる。
【0084】
ここで、本実施形態の変形例を説明する。例えば、店舗が顧客に提供する買物袋と異なる買物袋(例:顧客が自身で購入したもの。以下、「エコバッグ」という。)に、エコバッグであることを示す情報、及び、袋識別情報が付与されてもよい。例えば、このような情報を記憶する電子タグや、このような情報を表すコード(例:バーコード、2次元コード)を付与されたタグがエコバッグにとりつけられてもよい。例えば、店舗から顧客にこのようなタグが提供されてもよい。そして、顧客は、自身のエコバッグに受け取ったタグを取り付けてもよい。会計装置10は、当該タグから、袋識別情報や、エコバッグであることを示す情報を取得してもよい。そして、会計装置10は、これらの情報をサーバ20に送信してもよい。
【0085】
サーバ20は、同様にして、エコバッグから袋識別情報を取得された積算回数を管理することができる。そして、サーバ20は、積算回数を会計装置10に返信したり、積算回数に基づいて決定したサービス内容を会計装置10に返信したりできる。例えば、予め、エコバッグ持参時の特典が定められていてもよい。そして、当該特典は、持参回数が増えるほどサービス内容がよくなるものであってもよい(例:割引率が大きくなる、プレゼントされる商品が高価になる)。サーバ20は、当該情報に基づいて、サービス内容を決定してもよい。なお、サーバ20から積算回数を取得した会計装置10が、同様にしてサービス内容を決定してもよい。」
(イ)上記(ア)の記載において、「店舗が顧客に提供する買物袋と異なる買物袋(例:顧客が自身で購入したもの。以下、「エコバッグ」という。)に、エコバッグであることを示す情報、及び、袋識別情報が付与されてもよい。例えば、このような情報を記憶する電子タグや、このような情報を表すコード(例:バーコード、2次元コード)を付与されたタグがエコバッグにとりつけられてもよい。例えば、店舗から顧客にこのようなタグが提供されてもよい。そして、顧客は、自身のエコバッグに受け取ったタグを取り付けてもよい。」(【0084】)との記載は、任意に選択された「買物袋」が、これに対して「タグ」を取り付けた状態で「「エコバッグ」として使用可能であることを示すものといえる。
また、「会計装置10は、当該タグから、袋識別情報や、エコバッグであることを示す情報を取得してもよい。そして、会計装置10は、これらの情報をサーバ20に送信してもよい。」(同)、「サーバ20は、同様にして、エコバッグから袋識別情報を取得された積算回数を管理することができる。そして、サーバ20は、積算回数を会計装置10に返信したり、積算回数に基づいて決定したサービス内容を会計装置10に返信したりできる。」(【0085】)との記載は、「タグ」には、「エコバッグ」の使用を管理するための情報(「袋識別情報」)が付与されていることを示すものといえる。
(ウ)上記(ア)の記載において、「積算回数」は、「エコバッグ持参回数」であって、「エコバッグ」を用いたことを示し、かつ累積使用回数を示す情報として生成され、利用されるものであることは明らかである。
(エ)当審拒絶理由において引用された特開2009-56046号公報(以下「引用文献3」という。)には、図面とともに、次の記載がある。
「【0035】
本発明の請求項2は、
前記のICチップ搭載媒体は、
取付部材に取り付けられ、
前記の取付部材がエコバッグに着脱自在に設けられた
ことを特徴とするエコバッグである。
【0036】
取付部材は、ICチップ搭載媒体のエコバッグへの取り付けを容易にしたものであり、エコバッグに着脱自在に設ける。
本請求項に係る発明は、請求項1に係る発明のように、エコバッグにICチップ搭載媒体を直接取り付けるのではなく、ICチップ搭載媒体を取付部材に取り付けた後、この取付部材をエコバッグに取り付けるようにしたものである。
【0037】
これによると、請求項1に係るエコバッグでは、ICチップ搭載媒体をエコバッグから容易に取り外せないように取り付けるので、一度ICチップ搭載媒体を取り付けたエコバッグは継続して使い続けなければならないが、本請求項に係るエコバッグは、取付部材を取り外すことで、ICチップ搭載媒体も取り外すことができ、特定のエコバッグだけを使用し続けなければならないという問題を解消することができる。
【0038】
近年は、エコバッグと言えどもファッション感覚で所持、使用する消費者が増えていることから、例えば複数のエコバッグをその日の気分などによって替えて使用することができる。
これにより、利用者の嗜好に合った様々なエコバッグが普及することが期待でき、同時にエコバッグの利用も促進することが期待できる。」
「【0074】
本発明の請求項9は、
前記のカウント装置は、
記憶部を備え、
前記の記憶部を備えたカウント装置がホストコンピューターに接続され、
前記のホストコンピューターによって前記の記憶部に記録されたエコバッグの利用回数を集計、記録できることを特徴とするエコバッグを利用した情報管理システムである。」
「【0079】
カウント装置のホストコンピューターとの接続は、電話回線や専用回線、通信回線など、いずれの接続方法によっても良く、有線、無線を問わない。
また、各カウント装置が、例えば店舗内でLANを通してサーバと接続されている場合、このサーバを介してホストコンピューターと接続される場合も含むものとする。」
「【0097】
エコバッグは、ICチップ及びアンテナを備えたRFIDタグ1を取り付けてある。
RFIDタグ1は、プレート状からなる皮製の取付部材2の裏面に縫着した。
取付部材2は、エコバッグ側面の下部に縫着した。
【0098】
取付部材2のエコバッグへの取り付け位置は、本実施例に限られず、エコバッグに取り付けられ、エコバッグの使用に支障が無く、エコバッグに収容した商品によってRFIDタグ1が破損、損傷しなければ、いずれの場所に取り付けても良い。
例えば、エコバッグの持ち手部分であったり、エコバッグの正面部分、側面部分、下面部分など、いずれの場所でも良い。
本実施例では、カウント装置がICチップを読み取り易いように、エコバッグの側面で且つ下部に取付部材2を取り付けた。
【0099】
エコバッグへの取付部材2の取付方法、及び取付部材2へのRFIDタグ1の取付方法は、縫い付け、貼り付け、そのほか圧接、巻付け、嵌合、接着などの方法のほか、いずれの方法によっても良い。
【0100】
図2は、本発明に係るカウント装置の一実施例の概略を示す構成図である。
【0101】
カウント装置は、アンテナ部、入出力処理部、制御部、表示部とからなる。
アンテナ部は、カウント装置に内臓され、レジカウンタを通過するエコバッグの利用者のみと通信できるように、特定の方向にのみ指向し、且つ30cm程度の通信距離を有する。
【0102】
表示部は、カウント装置と一体に構成され、レジカウンタを通過するエコバッグの利用者に対してのみ視認できる液晶表示による。
カウント装置は、キャッシュレジスタやPOS端末などの会計処理を行う装置と一体に構成される装置ではなく、それ自体単体で構成される。
【0103】
入出力処理部は、ICチップに記録されたエコバッグの利用回数を読み取り、読み込んだ利用回数に加算した利用回数をICチップに書き込む処理を行う。
制御部は、CPU(中央演算装置)で構成され、ICチップへの利用回数の読み取りの指令、読み取った利用回数に利用による回数を加算した後の利用回数をICチップへ書き込む指令をそれぞれ行う。
【0104】
また、読み取った利用回数を表示する指令を出す。
さらに、制御部は、読み取った利用回数が記録された最新の記録日時から、所定時間、利用回数を記録しない記録禁止機能を備える。
【0105】
以下、利用者がエコバッグを入手し、エコバッグを使用して買い物を行う流れを説明する。
【0106】
エコバッグは、商店やスーパー、デパートなどの小売店やその他利用者が買物をする店のレジカウンタ、受付、案内カウンターなどに予め用意されているものを利用者に頒布するようにしても良いし、郵便などで利用者宅へ郵送しても良い。
【0107】
このようにして、利用者はエコバッグを入手する。
また、エコバッグではなく、RFIDタグ1のみ、又はRFIDタグ1が取り付けられた取付部材2のみを入手することができるようにしても良い。
【0108】
この場合、RFIDタグ1又は取付部材2は、商店やスーパー、デパートなどの小売店やその他利用者が買物をする店のレジカウンタ、受付、案内カウンターなどに予め用意されているものを利用者に頒布するようにしても良いし、郵便などで利用者宅へ郵送しても良い。
そして、利用者自身の手によって、RFIDタグ1又は取付部材2をエコバッグに取り付ける。
【0109】
利用者は、このエコバッグを持参して各スーパー、商店へ行き、買い物をする。
購入する商品をカート或いは籠に入れてレジカウンタに向かった利用者は、オペレーターが商品の代金を集計して精算した後、レジカウンタに並設されているカウント装置に所持したエコバッグを近づけ、利用回数の加算を行う。
【0110】
この利用回数の加算は、エコバッグの利用者が自ら行っても良いし、レジカウンタのオペレーターが行っても良い。
また、商品の代金を集計して精算した後ではなく、オペレーターが商品の代金を集計している間でも良く、カウント装置がレジカウンタに並設されている場合であれば、利用者がレジカウンタを通過するまでの間に行うことができれば、どのタイミングで行っても良い。
【0111】
但し、利用回数の記録は自動的になされるので、カウント装置付近にエコバッグを近づけて、不正に何度も利用回数を加算して記録させることも可能である。
そこで、カウント装置は、利用回数の最新の記録日時から10分間は利用回数を記録できないように記録禁止機能を予め設定しておく。
【0112】
これにより、利用者が買い物を終えた後に別のレジカウンタ付近を通過しても、不正に利用回数が加算されることがない。
そして、利用者は、購入した商品をレジ袋ではなく、エコバッグに収納して持ち帰る。」
(オ)上記(エ)の記載において、「複数のエコバッグ」(【0038】)は、任意に選択されたエコバッグであることは明らかであり、当該記載は、これに対して「ICチップ搭載媒体」(【0037】)を取り付けた状態で「エコバッグ」として使用可能であることを示すものといえる。
また、「入出力処理部は、ICチップに記録されたエコバッグの利用回数を読み取り、読み込んだ利用回数に加算した利用回数をICチップに書き込む処理を行う。」(【0103】)との記載は、「ICチップ搭載媒体」には、「エコバッグ」の使用を管理するための情報(「利用回数」)が付与されていることを示すものといえる。
(カ)また、上記(エ)の記載において、「加算」後の「利用回数」は、「エコバッグ」を用いたことを示し、かつ累積使用回数を示す情報として生成され、利用されるものであることは明らかである。
(キ)上記(イ)、(オ)によれば、「任意に選択された収容具に対して収容具の使用を管理するための情報が付与された媒体を取り付けた状態で持参収容具として使用可能とすること」は周知技術(以下「周知技術1」という。)と認められる。
(ク)上記(ウ)、(カ)によれば、「持参収容具を商品の収容に用いたことを示す情報として、持参収容具の累積使用回数を生成し、利用すること」は周知技術(以下「周知技術2」という。)と認められる。
(ケ)上記(ア)の記載における「サーバ20」に関する記載や、上記(エ)の記載における「サーバ」に関する記載から明らかなように、店舗に関する情報を管理するシステム等で用いられる情報処理装置として、サーバは周知のものである(以下「周知技術3」という。)。
(3)引用発明との対比
ア 本件補正発明と引用発明とを対比する。
(ア)引用発明は、「利用者は、買い物袋1を持参して加盟店Aにおいて買い物をし」、「持参した買い物袋に商品を収納して持ち帰」るものであるから、引用発明の「買い物袋1」は、「利用者」が「商品を収納」するために「持参」するものといえる。
そして、引用発明の「利用者」、「買い物袋1」は、それぞれ、本件補正発明の「商品の購入者」、「持参収容具」に相当する。
また、引用発明は、「買い物袋1は、利用者が買い物をする際に利用者に持参させるために販売されており、それぞれの買い物袋1には個別のバーコードが付与されており、バーコード2が印字されたタグ3を買い物袋1に結びつけ」るものであるから、「バーコード2」は、「販売され」る「それぞれの買い物袋1」について「個別」の情報が付与されたものであって、「買い物袋1」は、「バーコード2が印字されたタグ3」が「結びつけ」られた状態では、「バーコード2が印字されたタグ3」を有しているといえ、また、当該情報は、当該「買い物袋1」を、少なくとも他の「買い物袋1」すなわち収容具と識別可能とし得るものであることが理解できる。なお、引用発明は、「顧客情報には、利用者の登録番号・・・が含まれており」、「販売支援システムは、・・・バーコードが表す登録番号・・・を管理用端末10に送信」するものであるから、上記情報は、「利用者」を識別するものともいえるが、「買い物袋1は、利用者が買い物をする際に利用者に持参させるために販売され」るものであり、ここで、引用文献1に「バーコード2は、買い物袋1に直接印字されていても良い」(【0021】)との記載があることからすると、1人の「利用者」に対して1個の「買い物袋1」が「販売され」る、すなわち「買い物袋1」と「利用者」とが1対1に対応しており、この点は、「バーコード2が印字されたタグ3を買い物袋1に結びつけ」る引用発明においても同様であることは明らかであるから、この点は、上記理解を左右するものではない。
そして、引用発明の上記「個別」の情報、「バーコード2が印字されたタグ3」は、それぞれ、本件補正発明の「収容具識別情報」、「収容具識別媒体」に相当する。
よって、引用発明の「販売支援システム」は、本件補正発明の「商品の購入者が商品を収容するために持参する持参収容具を他の収容具と識別可能とする収容具識別情報が付与された収容具識別媒体を有して」いることに相当する構成を含むものである。
(イ)引用発明は、「商品を会計する際に、レジ端末20aのバーコードリーダ21を用いて買い物袋1に付されたバーコード2を読み取」ることが行われるものであり、この動作がレジ端末20b等でも行われ得ることは明らかであるから、引用発明の「販売支援システム」は、「買い物袋1」から少なくとも「バーコード2を読み取」る「バーコードリーダ21」を備えた「複数のレジ端末20a、20b、…」を有しているといえるところ、「バーコード2を読み取」ることにより、上記(ア)の「個別」の情報が取得されること、及び「複数のレジ端末20a、20b、…」のそれぞれがその取得手段を備えていることはいずれも明らかである。
そして、引用発明の「複数のレジ端末20a、20b、…」、上記取得手段は、それぞれ、本件補正発明の「少なくとも一つの制御端末」、「情報取得部」に相当する。
よって、引用発明の「販売支援システム」は、本件補正発明の「前記収容具識別媒体から少なくとも前記収容具識別情報を取得する情報取得部を備えた少なくとも一つの制御端末を有して」いることに相当する構成を含むものである。
(ウ)引用発明は、「顧客情報には、利用者の登録番号、氏名、住所、電話番号、メールアドレス等の利用者に関する情報に加えて、加盟店において利用者が買い物袋を持参して買い物をした場合に加算される獲得ポイント、及び、所定の期間内に利用者が行った買い物の履歴を表す買い物履歴情報等が含まれており、顧客情報は、登録番号により、顧客が所持する買い物袋のバーコード2に関連付けて記録され」、「販売支援システムは、商品を会計する際に、レジ端末20aのバーコードリーダ21を用いて買い物袋1に付されたバーコード2を読み取り、その後、利用者は会計を済ませ、持参した買い物袋1に商品を収納して持ち帰り」、「販売支援システムは、レジ端末20aにおいて読み取られたバーコードが表す登録番号、及び、利用者が購入した商品名や金額等を含む買い物情報を管理用端末10に送信し、登録番号に基づいて顧客情報を検索し」、「販売支援システムは、管理用端末10において、検索された顧客情報に含まれる獲得ポイントに所定の点数を加算し、この点数は、1回の買い物について決まった点数であり、買い物履歴情報に買い物情報を記録して更新」するものであるから、引用発明の「販売支援システム」は、「バーコード2」が上記(イ)の取得手段で「レジ端末において読み取られ」て上記(ア)の「個別」の情報を取得することにより、「1回の買い物について決まった点数であ」る「所定の点数」が「加算」された「獲得ポイント」が、(新規に、又は「加算」前の「獲得ポイント」に上書きされて)「商品を収納して持ち帰」ることに用いられた「買い物袋1」に係る当該「個別」の情報と関連付けて生成された上で、両者を含む「顧客情報」が「記録され」るといえる。
また、ここで、「商品を収納して持ち帰」ることに用いられた「買い物袋1」は、上記(ア)で述べたように「バーコード2が印字されたタグ3」が「結びつけ」られた状態では、上記情報によって識別された特定の「買い物袋1」といえ、「1回の買い物について決まった点数であ」る「所定の点数」が「加算」された「獲得ポイント」は、「利用者」が「持参した買い物袋1に商品を収納して持ち帰」ったこと、すなわち、上記情報によって識別された特定の「買い物袋1」を「商品」の「収納」に用いたことに関する情報といえ、さらに、引用発明は、「利用者は、バーコードが付された買い物袋を持参して買い物するだけで様々な利益を得ることができるので、積極的に買い物袋を利用するようになり、結果的に、レジ袋の使用量を減らすことができる」ものであるから、「レジ袋」に代えて、上記情報によって識別された特定の「買い物袋1」が「商品」の「収納」に用いられる場合を含むものといえる。
そして、引用発明の「レジ袋」は、本件補正発明の「商品の販売者が商品の収容のために配布する配布収容具」に相当し、引用発明の、「レジ袋」に代えて、上記情報によって識別された特定の「買い物袋1」を「商品」の「収納」に用いたことを示す「獲得ポイント」は、本件補正発明の「商品の販売者が商品の収容のために配布する配布収容具に代えて、前記収容具識別情報によって識別された特定の前記持参収容具を商品の収容に用いたことを示す持参収容具利用情報」と、「商品の販売者が商品の収容のために配布する配布収容具に代えて、前記収容具識別情報によって識別された特定の前記持参収容具を商品の収容に用いたことに関する情報」である点で共通し、本件補正発明と引用発明とは、当該情報が「前記収容具識別情報によって識別された特定の前記持参収容具と関連付けて生成される」点でも共通する。
(エ)引用発明は、「記録部13」が「顧客情報データベース(DB)13aを有し」、「顧客情報には、利用者の登録番号、氏名、住所、電話番号、メールアドレス等の利用者に関する情報に加えて、加盟店において利用者が買い物袋を持参して買い物をした場合に加算される獲得ポイント、及び、所定の期間内に利用者が行った買い物の履歴を表す買い物履歴情報等が含まれており、顧客情報は、登録番号により、顧客が所持する買い物袋のバーコード2に関連付けて記録され」、「販売支援システムは、管理用端末10において、検索された顧客情報に含まれる獲得ポイントに所定の点数を加算し、この点数は、1回の買い物について決まった点数であり、買い物履歴情報に買い物情報を記録して更新する」ものであり、「獲得ポイント」を含む「顧客情報」が「顧客情報データベース(DB)13a」に「記録」、すなわち蓄積されることは明らかであるから、引用発明の「販売支援システム」は、「獲得ポイント」を付与する手段を有し、「獲得ポイント」に係る情報が、上記(ア)の「個別」の情報と関連付けて「顧客情報」に含まれる「獲得ポイント」を示す情報として「顧客情報データベース(DB)13a」において蓄積可能に生成されるといえる。
そして、引用発明の「獲得ポイント」、上記手段、「獲得ポイント」を示す情報は、それぞれ、本件補正発明の「ポイント」、「ポイント付与部」、「利用者付与ポイント情報」に相当する。
よって、引用発明における、「獲得ポイント」を付与する手段を有し、「獲得ポイント」に係る情報が、上記(ア)の「個別」の情報と関連付けて「顧客情報」に含まれる「獲得ポイント」を示す情報として「顧客情報データベース(DB)13a」において蓄積可能に生成されることと、本件補正発明における、「前記持参収容具利用情報に応じてポイントを付与するポイント付与部を有し、前記ポイントに係る情報が、前記収容具識別情報と関連付けて利用者付与ポイント情報として蓄積可能に生成される」こととは、「ポイントを付与するポイント付与部を有し、前記ポイントに係る情報が、前記収容具識別情報と関連付けて利用者付与ポイント情報として蓄積可能に生成される」ことである点で共通する。
(オ)引用発明の「販売支援システム」は、「利用者は、バーコードが付された買い物袋を持参して買い物するだけで様々な利益を得ることができるので、積極的に買い物袋を利用するようになり、結果的に、レジ袋の使用量を減らすことができる」ものであるから、「買い物袋1」の「利用」システムといえるものであり、本件補正発明の「持参収容具利用システム」に相当する。
イ 以上のことから、本件補正発明と引用発明とは、次の点で一致する。
(一致点)
「商品の購入者が商品を収容するために持参する持参収容具を他の収容具と識別可能とする収容具識別情報が付与された収容具識別媒体を有しており、
前記収容具識別媒体から少なくとも前記収容具識別情報を取得する情報取得部を備えた少なくとも一つの制御端末を有しており、
前記情報取得部で前記収容具識別情報を取得することにより、商品の販売者が商品の収容のために配布する配布収容具に代えて、前記収容具識別情報によって識別された特定の前記持参収容具を商品の収容に用いたことに関する情報が、前記収容具識別情報によって識別された特定の当該持参収容具に係る前記収容具識別情報と関連付けて生成されるものであり、
ポイントを付与するポイント付与部を有し、前記ポイントに係る情報が、前記収容具識別情報と関連付けて利用者付与ポイント情報として蓄積可能に生成される、持参収容具利用システム。」
ウ また、本件補正発明と引用発明とは、次の点で相違する。
(相違点1)
本件補正発明は、「任意に選択された収容具に対して前記収容具識別媒体を取り付けた状態で前記持参収容具として使用可能であ」るのに対して、引用発明は、「利用者が買い物をする際に利用者に持参させるために販売されて」いる「買い物袋1」に対して「バーコード2が印字されたタグ3」を「結びつけ」るものである点。
(相違点2)
「前記情報取得部で前記収容具識別情報を取得することにより、商品の販売者が商品の収容のために配布する配布収容具に代えて、前記収容具識別情報によって識別された特定の前記持参収容具を商品の収容に用いたことに関する」情報が、本件補正発明では、「前記持参収容具の累積使用回数であ」るところの「商品の販売者が商品の収容のために配布する配布収容具に代えて、前記収容具識別情報によって識別された特定の前記持参収容具を商品の収容に用いたことを示す持参収容具利用情報」であるのに対し、引用発明では、「獲得ポイント」であって、「商品の販売者が商品の収容のために配布する配布収容具に代えて、前記収容具識別情報によって識別された特定の前記持参収容具を商品の収容に用いたこと」を直接「示す」ものではない点。
(相違点3)
本件補正発明は、「前記累積使用回数に係る情報が、通信装置を介してサーバーに対して出力され、前記サーバーにおいて前記収容具識別情報と関連付けて管理されるものであ」るのに対して、引用発明は、当該構成を含むものではない点。
(相違点4)
本件補正発明では、「ポイントを付与する」ことが、「前記持参収容具利用情報に応じて」行われるのに対し、引用発明では、「獲得ポイント」の「加算」が単独で行われる点。
(4)判断
各相違点について、以下に検討する。
ア 相違点1について
引用文献1には、「なお、利用者は、通常の買い物袋を持参した場合においても、バーコードが付与された買い物袋を購入したときに提供されたバーコードカードを提示することによってポイントを蓄積させることができる。」(【0030】)との記載があり、当該記載は、引用発明においても、「買い物袋1」として、「利用者が買い物をする際に利用者に持参させるために販売されて」いるもの以外の持参した通常の買い物袋を使用し得ることを意味するものといえる。
そうすると、引用発明の「利用者が買い物をする際に利用者に持参させるために販売されて」いる「買い物袋1」に代え、周知技術1(任意に選択された収容具に対して収容具の使用を管理するための情報が付与された媒体を取り付けた状態で持参収容具として使用可能とすること)を適用し、「利用者が買い物をする際に利用者に持参させるために販売されて」いる「買い物袋1」に「バーコード2が印字されたタグ3」を「結びつけ」けて使用することが可能であるものとして、相違点1に係る本件補正発明の「任意に選択された収容具に対して前記収容具識別媒体を取り付けた状態で前記持参収容具として使用可能」とすることは、当業者が容易に想到し得ることである。
イ 相違点2~4について
相違点2~4は、「持参収容具利用情報」について相互に関連していることから、まとめて検討する。
引用発明の「販売支援システム」は、「顧客情報」に「利用者の登録番号」や「獲得ポイント」、「買い物履歴情報等」が含まれており、「顧客情報」が「登録番号により、顧客が所持する買い物袋1のバーコード2に関連付けて記録され」るものであるところ、このようなシステムにおいて、さらに他の情報が利用できるものとして高機能化等を図ることは、当業者にとって一般的な課題といえる。
そうすると、引用発明において、周知技術2(持参収容具を商品の収容に用いたことを示す情報として、持参収容具の累積使用回数を生成し、利用すること)を適用し、「顧客情報」中の情報として、「商品の販売者が商品の収容のために配布する配布収容具に代えて、前記収容具識別情報によって識別された特定の前記持参収容具を商品の収容に用いたこと」に関する情報である、「獲得ポイント」に加え、「持参収容具の累積使用回数」がさらに含まれるものとし、当該情報が、「商品の販売者が商品の収容のために配布する配布収容具に代えて、前記収容具識別情報によって識別された特定の前記持参収容具を商品の収容に用いたことを示す持参収容具利用情報」であるものとして、相違点2に係る構成とすること、かつ、当該「持参収容具の累積使用回数」に係る情報が「管理用端末10」に出力され、「記録部13」の「顧客情報データベース(DB)13a」において管理されるものとすることは、当業者が容易に想到し得ることである。
ここで、店舗に関する情報を管理するシステム等で用いられる情報処理装置として、サーバは、上記(2)イ(ケ)のとおり周知のものであり(周知技術3)、引用発明の「管理用端末10」を当該周知のサーバにより構成して、相違点3に係る構成とすることは、当業者が適宜なし得ることである。
また、引用発明の「獲得ポイント」は、「1回の買い物について決まった点数であ」る、すなわち「買い物」を行った累積の回数に応じたものであることから、引用発明に周知技術2を適用した場合、「獲得ポイント」が「買い物袋1」の累積使用回数に応じて付与される、相違点4に係る構成に至ることとなる。
ウ 作用効果について
これらの相違点を総合的に勘案しても、本件補正発明の奏する作用効果は、引用発明及び各周知技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。
(5)請求人の主張について
令和8年2月20日提出の意見書における請求人の各主張については、以下とおりであり、いずれも採用できないものである。
ア 請求人は、本件補正発明の「任意に選択された収容具に対して前記収容具識別媒体を取り付けた状態で前記持参収容具として使用可能であ」ることについて、この構成は、利用者が自身で所有する収容具を選択して収容具識別媒体を取り付ける態様のみならず、例えば、各種の収容具の提供者が、自ら提供する収容具に対して収容具識別媒体を取り付けて利用者に提供する態様等も包含するものであり、この構成の技術的意義は、収容具識別媒体を、選択された収容具に対して取り付けるという工程を経て持参収容具が構成される点にあり、かかる構成により、多様な収容具を持参収容具利用システムの対象とすることが可能となり、システムの柔軟性及び適用範囲の拡大が実現され、加えて、多様な収容具を持参収容具利用システムの対象とすることが可能となる結果、持参収容具の選択肢が広がり、持参収容具の過剰な生産及び廃棄の抑制にも寄与し得るものであるのに対し、引用文献1の段落0021には、「買い物袋1は、利用者が買い物をする際に利用者に持参させるために販売されており、それぞれの買い物袋1には個別のバーコードが付与されている。」と記載されており、すなわち、引用文献1においては、バーコード(タグを含む)は、販売される特定の買い物袋と対応するものとして付与されるものであり、引用文献1のタグは、販売される買い物袋に対応するバーコードを付すための手段にすぎず、任意に選択された収容具に取り付けることで当該収容具を持参収容具として機能させるという技術思想は、一切開示も示唆もされておらず、さらに、引用文献1では、バーコードと顧客の登録番号が紐付けられており、バーコードの役割はあくまで「登録番号に基づいて顧客情報を検索」することにあり、このように、引用文献1のバーコードが顧客管理のための識別子として機能するものである以上、これを任意に選択された収容具に付け替えて使用するという概念は、引用文献1の技術思想とは整合しない旨主張している。
しかしながら、本件補正発明の上記構成については、上記(4)アにおいて相違点1について検討したとおりであり、引用発明及び周知技術1に基づいて当業者が容易に想到し得るものである。
そして、多様な収容具を持参収容具利用システムの対象とすることが可能となり、システムの柔軟性及び適用範囲の拡大が実現され、持参収容具の選択肢が広がり、持参収容具の過剰な生産及び廃棄の抑制にも寄与し得るとの効果は、引用発明及び周知技術1の奏する作用効果から予測される範囲内のものであることが明らかである。
また、引用発明の「バーコード2」は、「利用者の登録番号」に対応することから、顧客管理のための識別子として機能するものであるとしても、上記(3)ア(ア)で検討したように、引用発明において、「買い物袋1」と「利用者」とは1対1に対応していることは明らかであり、「バーコード2」は特定の「バーコード2が印字されたタグ3を買い物袋1に結びつけ」た「買い物袋1」を他の「買い物袋1」と識別して管理するものといえるから、引用発明の技術思想と周知技術1との間に不整合は何ら認められない。
イ 請求人は、本件補正発明は、「前記収容具識別情報によって識別された特定の前記持参収容具を商品の収容に用いたことを示す持参収容具利用情報」が生成されるものである、すなわち、収容具識別情報に基づいて持参収容具の個体が特定された上で、当該特定の持参収容具が配布収容具に代えて使用されたことを示す利用情報が、当該持参収容具の個体に係る収容具識別情報と関連付けて生成されるものであり、ここで重要なのは、生成される情報が単なる読み取りログではなく、「配布収容具に代えて」商品の収容に用いたという代替利用の事実を示す情報である点であり、さらに、当初明細書等の段落0011には、本件補正発明が持参収容具の個体を主体として利用情報を生成・管理するシステムであることが明確に示されているが、これに対し、引用発明におけるバーコードの読み取りは、「レジ端末において読み取られたバーコードが表す登録番号、及び、利用者が購入した商品名や金額等を含む買い物情報を管理用端末10に送信し、登録番号に基づいて顧客情報を検索」するためのもの、すなわち、引用発明は顧客の登録番号を主体として情報を管理するシステムであり、持参収容具の個体を主体として利用情報を生成するものではなく、さらに、引用発明においては、バーコードカードの提示のみでポイントが蓄積されるものであり、特定の持参収容具の個体が配布収容具に代えて商品の収容に実際に用いられたか否かにかかわらずポイントが加算されるものであり、この点からも、引用発明は、「収容具識別情報によって識別された特定の持参収容具を商品の収容に用いたことを示す」利用情報を生成するものとはいえない旨主張している。
しかしながら、上記(3)ア(ア)で検討したように、引用発明の「バーコード2」は、「販売され」る「それぞれの買い物袋1」について「個別」の情報が付与されたものであって、当該情報は、当該「買い物袋1」を、少なくとも他の「買い物袋1」すなわち収容具と識別可能とし得るものであることが理解できることから、同(ウ)で検討したように、引用発明において、「1回の買い物について決まった点数であ」る「所定の点数」が「加算」された「獲得ポイント」は、上記情報によって識別された特定の「買い物袋1」を「商品」の「収納」に用いたことを示すものといえ、さらに、引用発明は、「レジ袋」に代えて、上記情報によって識別された特定の「買い物袋1」が「商品」の「収納」に用いられる場合を含むものといえる。
なお、請求人は、引用発明における上記情報は、「利用者」を識別するものともいえ、この点に基づいて、引用発明は顧客の登録番号を主体として情報を管理するシステムである旨主張しているものと解されるが、上記(3)ア(ア)で検討したように、引用発明は「買い物袋1」と「利用者」とが1対1に対応していることは明らかであるから、引用発明の「バーコード2」に付与された情報が「利用者」を識別する点は、上記理解を左右するものではない。この点は、請求人の下記エの主張中、引用文献1の管理用端末10は、「顧客情報データベース」において顧客の「登録番号」に関連付けて情報を管理するものであり、持参収容具の個体ごとの収容具識別情報に関連付けて累積使用回数を管理するものではない旨の主張、及び同オの主張中、引用発明においては、獲得ポイントは「顧客情報」として顧客の「登録番号」に関連付けて記録されるものであり、持参収容具の個体を識別するための収容具識別情報ではない旨の主張についても同様である。
そして、上記(3)ア(ウ)の末尾で述べたところから明らかなように、本件補正発明と引用発明とは、「商品の販売者が商品の収容のために配布する配布収容具に代えて、前記収容具識別情報によって識別された特定の前記持参収容具を商品の収容に用いたことを示す」情報が、「前記収容具識別情報によって識別された特定の前記持参収容具と関連付けて生成される」点において相違するものとは認められない。
ウ 請求人は、本件補正発明の「前記持参収容具利用情報が、前記持参収容具の累積使用回数であり」における「累積使用回数」は、収容具識別情報によって識別された特定の持参収容具が「配布収容具に代えて」商品の収容に用いられた回数を累積的に記録するものであり、すなわち、この「累積使用回数」は、特定の持参収容具の個体がその製品ライフサイクルを通じて配布収容具の代替として機能した実績を示す情報であるが、引用発明の「獲得ポイント」は、「1回の買い物について決まった点数」が加算されるものであり、かかるポイントは顧客に対するインセンティブとしての数値であり、特定の持参収容具の個体が配布収容具に代えて使用された回数を示すものとは、その情報としての意味が本質的に異なるものである旨主張している。
しかしながら、本件補正発明の上記構成については、上記(4)イにおいて相違点2について検討したとおりであり、引用発明及び周知技術2に基づいて当業者が容易に想到し得るものである。
また、「累積使用回数」が特定の持参収容具の個体がその製品ライフサイクルを通じて配布収容具の代替として機能した実績を示す情報である旨の主張は、本件補正発明において、「累積使用回数」がそのような情報であることは何ら特定されていないから、請求項の記載に基づいたものではない。
エ 請求人は、本件補正発明の「前記累積使用回数に係る情報が、通信装置を介してサーバーに対して出力され、前記サーバーにおいて前記収容具識別情報と関連付けて管理されるものであり」について、当該構成はすなわち、持参収容具の個体ごとの累積使用回数が、サーバーにおいて統括的に管理されるものであるが、引用文献1の管理用端末10は、「顧客情報データベース」において顧客の「登録番号」に関連付けて情報を管理するものであり、持参収容具の個体ごとの収容具識別情報に関連付けて累積使用回数を管理するものではなく、また、引用文献3に記載された技術は、エコバッグのICチップに利用回数を直接書き込むものであり、サーバーにおいて管理するものではなく、引用文献1と引用文献3を組み合わせたとしても、上記構成に到達することはできない旨主張している。
しかしながら、本件補正発明の上記構成については、上記(4)イにおいて相違点3について検討したとおり、引用発明及び周知技術2、3に基づいて当業者が容易に想到し得るものであり、引用文献3(【0103】)にエコバッグのICチップに利用回数を直接書き込むとの事項が記載されているとしても、周知技術2と一体不可分の事項ではないから、当該事項は相違点3の容易想到性とは無関係である。
オ 請求人は、本件補正発明の「前記持参収容具利用情報に応じてポイントを付与するポイント付与部を有し、前記ポイントに係る情報が、前記収容具識別情報と関連付けて利用者付与ポイント情報として蓄積可能に生成されること」は、ポイントに係る情報が「前記収容具識別情報と関連付けて」利用者付与ポイント情報として蓄積可能に生成されるものであり、すなわち、本件補正発明では、ポイントの付与先は利用者であるが、当該ポイントに係る情報は、持参収容具の個体を識別するための収容具識別情報と関連付けて蓄積されるものであり、ポイント情報の管理上の主体(管理キー)は持参収容具の個体を識別するための収容具識別情報であるのに対し、引用発明においては、獲得ポイントは「顧客情報」として顧客の「登録番号」に関連付けて記録されるものであり、すなわち、引用発明のポイント情報の管理キーは顧客の登録番号であり、持参収容具の個体を識別するための収容具識別情報ではなく、このように、本件補正発明の上記構成(F)は、ポイント情報の管理キーが持参収容具の個体に係る収容具識別情報である点において、顧客の登録番号を管理キーとする引用発明とは構成が異なる旨主張している。
しかしながら、同(3)ア(エ)で検討したところから明らかなように、本件補正発明と引用発明とは、「ポイントを付与するポイント付与部を有し、前記ポイントに係る情報が、前記収容具識別情報と関連付けて利用者付与ポイント情報として蓄積可能に生成されること」点において相違するものとは認められない。
カ 請求人は、引用文献2及び引用文献3に開示されているのは、エコバッグの利用回数を計数するという技術にすぎず、本件補正発明の「配布収容具に代えて、収容具識別情報によって識別された特定の持参収容具を商品の収容に用いたことを示す」情報としての累積使用回数を生成するものでなく、さらに、本件補正発明の「任意に選択された収容具に対して収容具識別媒体を取り付けた状態で使用可能」に相当する構成は開示されていなから、引用発明に、持参収容具の累積使用回数を生成し利用するとの周知技術を適用しても本願発明に到達することはできない旨主張している。
しかしながら、上記(2)イ(キ)、(ク)のとおり、引用文献2及び引用文献3の記載によれば、「任意に選択された収容具に対して収容具の使用を管理するための情報が付与された媒体を取り付けた状態で持参収容具として使用可能とすること」及び「持参収容具を商品の収容に用いたことを示す情報として、持参収容具の累積使用回数を生成し、利用すること」はいずれも周知技術(周知技術1、2)と認められ、また、上記(3)ア(ウ)で検討したところから明らかなように、本件補正発明と引用発明とは、「収容具識別情報によって識別された特定の持参収容具」において相違するものとは認められない。
そして、上記(4)ア、イのとおり、引用発明に周知技術1、2を適用して、相違点1、2に係る構成とすることは、当業者が容易に想到し得ることである。
キ 請求人は、引用文献2又は引用文献3に開示された技術を引用発明に組み合わせることが技術的に可能であるとしても、そのような組合せを行う動機付けは存在しない旨主張している。
請求人はさらに、引用発明は、買い物袋にバーコードを付して販売し、当該バーコードに対応する登録番号に基づいて顧客情報を検索して顧客ごとにポイントを管理するという、顧客の購買行動管理を目的とするシステムであり、この目的は、獲得ポイントの加算という仕組みにより十分に達成されており、さらに持参収容具の個体ごとの累積使用回数を管理する構成を追加する技術的必要性は認められないのに対し、本願発明は、収容具識別媒体を任意に選択された収容具に取り付けて持参収容具として使用可能とし、当該持参収容具の個体を主体として、配布収容具に代えて使用された事実を累積的に管理するシステムであり、本願発明の技術思想は、持参収容具の個体に着目した利用履歴の管理と、それに基づく代替利用の促進にあり、顧客の購買行動管理を目的とする引用発明の技術思想とは、その目的及び方向性が根本的に異なるものであり、このように、引用発明と本願発明とでは、情報管理の主体(顧客か持参収容具の個体か)、情報の意味(買い物に対するポイントか、配布収容具の代替使用を示す累積使用回数か)、及びシステムの目的(顧客の購買行動管理か、持参収容具の個体に着目した代替利用の促進か)において、いずれも異なり、かかる技術思想の方向性の相違に鑑みれば、引用発明に対して引用文献2又は引用文献3に記載された技術を組み合わせたとしても、本願発明の構成に到達することはできない旨主張している。
しかしながら、上記(4)イで検討したように、引用発明の「販売支援システム」は、「顧客情報」に「利用者の登録番号」や「獲得ポイント」、「買い物履歴情報等」が含まれており、「顧客情報」が「登録番号により、顧客が所持する買い物袋1のバーコード2に関連付けて記録され」るものであるところ、このような引用発明のシステムにおいて、さらに他の情報が利用できるものとして高機能化等を図ることは、当業者にとって一般的な課題といえるから、引用発明に周知技術2を適用する動機付けがあると認められる。
また、上記(3)ア(ア)で検討したように、引用発明の「バーコード2」は、「販売され」る「それぞれの買い物袋1」について「個別」の情報が付与されたものであって、当該情報は、「バーコード2が印字されたタグ3」が「結びつけ」られた状態の「買い物袋1」を、少なくとも他の「買い物袋1」すなわち収容具と識別可能とし得るものであることが理解できることから、引用発明は、請求人のいう「持参収容具の個体に着目した利用履歴の管理と、それに基づく代替利用の促進」の点において、本願発明と技術思想が相違するとは認められない。
ク 請求人は、本願発明によれば、収容具識別媒体を任意に選択された収容具に取り付けて使用可能であることにより、多様な収容具を持参収容具利用システムの対象とすることが可能となり、システムの適用範囲を柔軟に拡大でき、また、持参収容具の個体を主体として累積使用回数及びポイントが管理されるため、使用者が変わった場合であっても当該持参収容具の個体に紐付いた利用履歴及びポイントが継続して蓄積され、当該各構成が一体として機能することにより、利用者が特定の持参収容具を継続的に使用するように効果的な動機付けを図ることができ、これらの効果は、顧客を主体としてポイントを管理する引用発明の構成からは到底予測し得ない有利な効果である旨主張している。
しかしながら、多様な収容具を持参収容具利用システムの対象とすることが可能となる効果は、上記アでも述べたように引用発明及び周知技術1の奏する作用効果から予測される範囲内のものであることが明らかである。
また、引用発明において、「バーコード2が印字されたタグ3」を他人に譲渡する等により「利用者」が変わる場合が当然に想定されるところ、その場合、少なくとも「顧客情報」の「利用者の登録番号」が変更されないことは明らかであり、そのため、(「氏名」等を変更しても)「獲得ポイント」の変更が不要であることは自明であるから、利用者が特定の持参収容具を継続的に使用するように効果的な動機付けを図ることができるとの効果は、引用発明の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎない。
(6)小括
以上のとおりであるから、本件補正発明は、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
4 本件補正についてのむすび
本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
令和8年2月20日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、令和7年1月24日された手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~7に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、上記第2[理由]1(2)の請求項1に記載のとおりのものである。
2 当審拒絶理由の概要
当審拒絶理由の概要は、この出願の請求項1~5に係る発明は、引用文献1~3に記載された発明に基づいて、請求項6、7に係る発明は、引用文献1~4に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
引用文献1:特開2004-157634号公報
引用文献2:特開2018-73274号公報
引用文献3:特開2009-56046号公報
引用文献4:特開2002-245154号公報
3 引用文献の記載等
当審拒絶理由において引用された引用文献1~3の記載等は、上記第2[理由]3(2)に記載したとおりである。
4 対比・判断
本願発明は、上記第2[理由]3で検討した本件補正発明から、同2(2)で検討した限定事項を削除したものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、上記第2[理由]3(6)に記載したとおり、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2025-001082