特許訂正審判
2024-390134
画像符号化装置および方法
- 審判番号
- 2024-390134
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2023-220431
- 登録番号
- 7563562
- 請求日
- 2024年11月13日
- 審決日
- 2025年02月21日
- 公報発行日
- 2025年06月27日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】ソニーグループ 株式会社
- 【請求人代理人】西川 孝
- 【請求人代理人】三浦 勇介
- 審判長/審判官
- 審判長 畑中 高行
- 審判官 圓道 浩史
- 審判官 高橋 宣博
- 分類
- P141 .852-Y (H04N)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第3項、特許法第126条第4項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7563562号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
特許第7563562号の明細書、及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書、及び特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-2〕、〔3-4〕について訂正することを認める。
理由
理 由
第1 経緯
本件訂正審判に係る特許第7563562号(以下「本件特許」という。)は、2019年(令和元年)12月16日(優先権主張 平成30年12月28日)を国際出願日とする特願2020-563093号の一部を、令和5年12月27日に新たな特許出願としたものであって、令和6年9月30日に特許権の設定登録がなされ、その後、令和6年11月13日に本件訂正審判の請求がなされた。
第2 請求の趣旨、訂正の内容
1 請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第7563562号の明細書、及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書、及び特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~4について訂正することを認める、との審決を求めるというものである。
2 訂正の内容
訂正の内容は、以下のとおりである。
(1) 訂正事項1
ア 訂正事項1-1
特許請求の範囲の請求項1における「Cooding Unit(CU)」との記載を、「Coding Unit(CU)」に訂正する。請求項1を引用する請求項2についても同様に訂正する。
イ 訂正事項1-2
願書に添付した明細書の段落0015、段落0017、および段落0456の<1>における「Cooding Unit(CU)」との記載を、「Coding Unit(CU)」に訂正する。
(2) 訂正事項2
ア 訂正事項2-1
特許請求の範囲の請求項3における「Cooding Unit(CU)」との記載を、「Coding Unit(CU)」に訂正する。請求項3を引用する請求項4についても同様に訂正する。
イ 訂正事項2-2
願書に添付した明細書の段落0016、段落0017、および段落0456の<3>における「Cooding Unit(CU)」との記載を、「Coding Unit(CU)」に訂正する。
第3 当審の判断
1 訂正事項1について
(1) 訂正の目的の適否について
ア 訂正事項1-1について
請求人は、審判請求書の「6(1)3)イ(ア)a」(第2ページ)において、訂正事項1-1は特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものである旨主張しているので、以下に検討する。
まず、誤記の訂正とは、本来その意であることが明細書、特許請求の範囲又は図面の記載などから明らかな字句、語句に正すことをいい、訂正前の記載が当然に訂正後の記載と同一の意味を表示するものと客観的に認められるものをいう。
そして、誤記の訂正が認められるためには、設定登録時の明細書、特許請求の範囲又は図面中の記載に誤記が存在することが必要である。
そこで、設定登録時の明細書、又は特許請求の範囲中の記載を参酌すると、「CU」に関して以下の記載がある。
(ア)
「【請求項1】
インター予測処理に用いられるCooding Unit(CU)を、Optical Flowの手法により時間的に前後の1フレームずつを参照する双方向性予測(BIO)を行うか否かについての判定に用いるコスト計算のための処理単位として8×8、16×16、32×32、または64×64のいずれかに仮想的に分割する制御部と、
前記CUの予測ブロックのSum of Absolute Difference(SAD)と、前記処理単位のサイズに応じたBIO閾値との比較に基づいて、前記BIOを適用するか否かを決定するBIO適用判定部と
を備える画像符号化装置。」
(イ)
「【請求項3】
制御部と、BIO適用判定部とを備える画像符号化装置の画像符号化方法であって、
前記制御部は、インター予測処理に用いられるCooding Unit(CU)を、Optical Flowの手法により時間的に前後の1フレームずつを参照する双方向性予測(BIO)を行うか否かについての判定に用いるコスト計算のための処理単位として8×8、16×16、32×32、または64×64のいずれかに仮想的に分割し、
前記BIO適用判定部は、前記CUの予測ブロックのSum of Absolute Difference(SAD)と、前記処理単位のサイズに応じたBIO閾値との比較に基づいて、前記BIOを適用するか否かを決定する
画像符号化方法。」
(ウ)
「【0003】
VVC規格では、最大128x128の大きなCU(Coding Unit)が採用されているが、特にHW Decoder実装での回路規模や消費電力の増大などを考慮して、VPDU(Virtual Pipeline Data Units)という概念も導入されている。
(中略)
【0005】
VVCでは64x64が最大TUサイズであり、VPDUにもこの大きさが想定されている。VVCでは1つのCUに1つのPUが対応しており、VPDUより大きなサイズのPUに対してインター予測処理をする必要がある。」
(エ)
「【0015】
本技術の一側面の画像符号化装置は、インター予測処理に用いられるCooding Unit(CU)を、Optical Flowの手法により時間的に前後の1フレームずつを参照する双方向性予測(BIO)を行うか否かについての判定に用いるコスト計算のための処理単位として8×8、16×16、32×32、または64×64のいずれかに仮想的に分割する制御部と、前記CUの予測ブロックのSum of Absolute Difference(SAD)と、前記処理単位のサイズに応じたBIO閾値との比較に基づいて、前記BIOを適用するか否かを決定するBIO適用判定部とを備える。
【0016】
本技術の一側面の画像符号化方法は、制御部と、BIO適用判定部とを備える画像符号化装置の画像符号化方法であって、前記制御部は、インター予測処理に用いられるCooding Unit(CU)を、Optical Flowの手法により時間的に前後の1フレームずつを参照する双方向性予測(BIO)を行うか否かについての判定に用いるコスト計算のための処理単位として8×8、16×16、32×32、または64×64のいずれかに仮想的に分割し、前記BIO適用判定部は、前記CUの予測ブロックのSum of Absolute Difference(SAD)と、前記処理単位のサイズに応じたBIO閾値との比較に基づいて、前記BIOを適用するか否かを決定する。
【0017】
本技術の一側面においては、インター予測処理に用いられるCooding Unit(CU)が、Optical Flowの手法により時間的に前後の1フレームずつを参照する双方向性予測(BIO)を行うか否かについての判定に用いるコスト計算のための処理単位として8×8、16×16、32×32、または64×64のいずれかに仮想的に分割され、前記CUの予測ブロックのSum of Absolute Difference(SAD)と、前記処理単位のサイズに応じたBIO閾値との比較に基づいて、前記BIOを適用するか否かが決定される。」
(オ)
「【0022】
VVC規格では、最大128x128の大きなCU(Coding Unit)が採用されているが、HW Decoder実装での回路規模や消費電力の増大などを特に考慮して、VPDU(Virtual Pipeline Data Units)という概念も導入されている。
(中略)
【0024】
VVCでは64x64が最大TUサイズであり、VPDUにもこの大きさが想定されている。VVCでは1つのCUに1つのPUが対応しており、VPDUのサイズより大きなサイズのPUに対してインター予測処理を行う必要がある。」
(カ)
「【0456】
<構成の組み合わせ例>
本技術は、以下のような構成をとることもできる。
<1> インター予測処理に用いられるCooding Unit(CU)を、Optical Flowの手法により時間的に前後の1フレームずつを参照する双方向性予測(BIO)を行うか否かについての判定に用いるコスト計算のための処理単位として8×8、16×16、32×32、または64×64のいずれかに仮想的に分割する制御部と、
前記CUの予測ブロックのSum of Absolute Difference(SAD)と、前記処理単位のサイズに応じたBIO閾値との比較に基づいて、前記BIOを適用するか否かを決定するBIO適用判定部と
を備える画像符号化装置。
<2> 前記BIO適用判定部は、前記SADが前記BIO閾値より小さいとき、前記BIOを適用するか否かを示すBIO適用フラグを不適用に変更する
<1>に記載の画像符号化装置。
<3> 制御部と、BIO適用判定部とを備える画像符号化装置の画像符号化方法であって、
前記制御部は、インター予測処理に用いられるCooding Unit(CU)を、Optical Flowの手法により時間的に前後の1フレームずつを参照する双方向性予測(BIO)を行うか否かについての判定に用いるコスト計算のための処理単位として8×8、16×16、32×32、または64×64のいずれかに仮想的に分割し、
前記BIO適用判定部は、前記CUの予測ブロックのSum of Absolute Difference(SAD)と、前記処理単位のサイズに応じたBIO閾値との比較に基づいて、前記BIOを適用するか否かを決定する
画像符号化方法。」
以上をまとめると、設定登録時の請求項1(上記(ア))、及び請求項3(上記(イ))、並びに、明細書の段落0015(上記(エ))、0016(上記(エ))、0017(上記(エ))、0456の<1>及び同<3>(上記(カ))には、「インター予測処理に用いられるCooding Unit(CU)」が共通して記載されており、また、明細書の段落0003から0005(上記(ウ))、及び段落0022から0024(上記(オ))には、「VVC規格では、・・・CU(Coding Unit)が採用されて」おり「1つのCUに1つのPUが対応しており、・・・PUに対してインター予測処理をする必要がある」ことが共通して記載されている。
ここで、明細書の段落0003から0005、及び段落0022から0024の記載によれば、「CU(Coding Unit)」と対応するPUに対してインター予測処理をする必要があるから、「CU(Coding Unit)」はインター予測処理に用いられるといえる。
そうすると、設定登録時の請求項1及び3、並びに、明細書の段落0015、0016、0017、0456の<1>及び同<3>に記載された「Cooding Unit(CU)」と、明細書の段落0003から0005、及び段落0022から0024に記載された「CU(Coding Unit)」は、同じ「CU」を意味し、互いに表記が異なる用語であるといえる。
さらに、明細書の段落0003から0005、及び段落0022から0024にも記載されているとおり、「CU」は、VVC規格における技術用語であるところ、VVC規格のドラフトにおいて、「CU」が「coding unit」の略称として定義される一方、「cooding unit」という用語が使用されていないことは、当業者にとって明らかである。
したがって、設定登録時の請求項1及び3、並びに、明細書の段落0003、0015、0016、0017、0022、0456の<1>及び同<3>に記載された「CU(Coding Unit)」及び「Cooding Unit(CU)」のうち、「Cooding Unit(CU)」が誤記であり、その正しい記載が「Coding Unit(CU)」であることは、明らかである。
よって、訂正事項1-1による訂正は、誤記である「Cooding Unit(CU)」との記載を、本来その意であることが明細書の記載などから明らかな語句である「Coding Unit(CU)」に正すものであるから、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものである。
イ 訂正事項1-2について
請求人は、審判請求書の「6(1)3)イ(イ)a」(第3ページ)において、訂正事項1-2は特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものである旨主張している。
そして、訂正事項1-2による訂正は、上記アと同様の理由により、明らかな誤記である「Cooding Unit(CU)」との記載を、本来その意であることが明細書の記載などから明らかな語句である「Coding Unit(CU)」に正すものであるから、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものである。
ウ 訂正の目的の適否についてのまとめ
上記ア及びイのとおりであるから、訂正事項1-1及び1-2からなる訂正事項1による訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものである。
(2) 一群の請求項について
本件訂正前の請求項1及び2において、請求項2は、請求項1の記載を引用するものであるから、請求項2は、訂正事項1-1により記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。
また、本件訂正前の請求項1の記載を引用する請求項は請求項2以外に存在せず、さらに、本件訂正前の請求項2の記載を引用する請求項は存在しない。
そうすると、本件訂正前の請求項1及び2に対応する本件訂正後の請求項1及び2は、特許法第126条第3項に規定する一群の請求項である。
したがって、本件訂正審判の請求は、訂正事項1-1について、2以上の請求項に係る願書に添付した特許請求の範囲の訂正をする場合において、当該請求項の中に一群の請求項があるときに、当該一群の請求項ごとに当該請求をするものであるから、特許法第126条第3項の規定に適合するものである。
(3) 明細書の訂正に係る請求項について
訂正事項1-2は、明細書の段落0015、段落0017、および段落0456の<1>について訂正をするものであり、また、本件訂正審判の請求の趣旨(上記第2「1」)によれば、本件訂正審判の請求は、請求項ごとに請求をするものであり、さらに、上記(2)のとおり、本件訂正審判の請求は、一群の請求項ごとに請求をする場合に該当するから、本件訂正審判の請求は、特許法第126条第4項の規定により、当該明細書の訂正に係る請求項を含む一群の請求項の全てについて行わなければならない。
そこで検討するに、明細書の段落0015(上記(1)ア(エ))は、「画像符号化装置」についての記載であるから、段落0015の訂正に係る請求項は、同じく「画像符号化装置」についての請求項1、及び2である。
また、明細書の段落0017(上記(1)ア(エ))は、「技術の一側面」についての記載であって、当該一側面は「画像符号化装置」を含むと解されるから、段落0017の訂正に係る請求項は、同じく「画像符号化装置」についての請求項1、及び2である。
さらに、明細書の段落0456の<1>(上記(1)ア(カ))は、「画像符号化装置」についての記載であるから、段落0456の<1>の訂正に係る請求項は、同じく「画像符号化装置」についての請求項1、及び2である。
そして、上記(2)を考慮すると、訂正事項1-2による明細書の訂正に係る請求項を含む一群の請求項は、本件訂正後の請求項1及び2である。
そうすると、本件訂正審判の請求は、訂正事項1-1及び1-2について、明細書の訂正に係る請求項を含む一群の請求項の全てについて行うものであるから、特許法第126条第4項の規定に適合するものである。
(4) 願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であるかについて
上記(1)ア及びイのとおり、訂正事項1-1及び1-2による訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものであるから、訂正事項1-1及び1-2からなる訂正事項1による訂正は、特許法第126条第5項の規定により、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしなければならない。
ここで、願書に最初に添付した明細書の段落0003、及び0022には、それぞれ上記(1)ア(ウ)の段落0003、及び同(オ)の段落0022と同様に「CU(Coding Unit)」との記載がある。
したがって、訂正事項1-1及び1-2からなる訂正事項1による訂正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものであり、特許法第126条第5項に規定する要件に適合するものである。
(5) 特許請求の範囲の拡張又は変更の存否について
設定登録時の請求項1、明細書の段落0015、0017、及び0456の<1>に記載された「Cooding Unit(CU)」と、訂正事項1-1及び1-2による訂正後の「CU(Coding Unit)」は、同じ「CU」を意味することは、上記(1)アで説示したとおりであるから、訂正事項1-1及び1-2からなる訂正事項1による訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでない。
したがって、訂正事項1-1及び1-2からなる訂正事項1による訂正は、特許法第126条第6項に規定する要件に適合するものである。
(6) 独立特許要件について
訂正事項1-1及び1-2からなる訂正事項1による訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものであるから(上記(1))、本件訂正後の請求項1及び2に係る発明について、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるかについて検討する。
本件特許の請求項1及び2に係る発明は、拒絶の理由を発見しないものとして特許査定がなされ、また、上記(5)のとおり、訂正事項1による訂正の前後で、特許請求の範囲は実質上拡張又は変更されない。
そして、本件訂正後の請求項1及び2に係る発明について、新たな拒絶理由を発見しないから、本件訂正後の請求項1及び2に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。
したがって、訂正事項1-1及び1-2からなる訂正事項1による訂正は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
(7) 訂正事項1についてのまとめ
以上(1)から(6)のとおり、訂正事項1-1及び1-2からなる訂正事項1による訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものであって、かつ、同条第5項、第6項、及び第7項の規定に適合するものであり、また、本件訂正審判の請求は、訂正事項1について、同条第3項、及び第4項、の規定に適合するものである。
2 訂正事項2について
(1) 訂正の目的の適否について
ア 訂正事項2-1について
請求人は、審判請求書の「6(2)3)イ(ア)a」(第5ページ)において、訂正事項2-1は特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものである旨主張している。
そして、訂正事項2-1による訂正は、上記(1)アと同様の理由により、明らかな誤記である「Cooding Unit(CU)」との記載を、本来その意であることが明細書の記載などから明らかな語句である「Coding Unit(CU)」に正すものであるから、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものである。
イ 訂正事項2-2について
請求人は、審判請求書の「6(2)3)イ(イ)a」(第6ページ)において、訂正事項2-2は特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものである旨主張している。
そして、訂正事項2-2による訂正は、上記1(1)アと同様の理由により、明らかな誤記である「Cooding Unit(CU)」との記載を、本来その意であることが明細書の記載などから明らかな語句である「Coding Unit(CU)」に正すものであるから、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものである。
ウ 訂正の目的の適否についてのまとめ
上記ア及びイのとおりであるから、訂正事項2-1及び2-2からなる訂正事項2による訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものである。
(2) 一群の請求項について
本件訂正前の請求項3及び4において、請求項4は、請求項3の記載を引用するものであるから、請求項4は、訂正事項2-1により記載が訂正される請求項3に連動して訂正されるものである。
また、本件訂正前の請求項3の記載を引用する請求項は請求項4以外に存在せず、さらに、本件訂正前の請求項4の記載を引用する請求項は存在しない。
そうすると、本件訂正前の請求項3及び4に対応する本件訂正後の請求項3及び4は、特許法第126条第3項に規定する一群の請求項である。
したがって、本件訂正審判の請求は、訂正事項2-1について、上記1(2)と同様の理由により、特許法第126条第3項の規定に適合するものである。
(3) 明細書の訂正に係る請求項について
明細書の段落0016(上記1(1)ア(エ))は、「画像符号化方法」についての記載であるから、段落0016の訂正に係る請求項は、同じく「画像符号化方法」についての請求項3、及び4である。
また、明細書の段落0017(上記(1)ア(エ))は、「技術の一側面」についての記載であって、当該一側面は「画像符号化方法」を含むと解されるから、段落0017の訂正に係る請求項は、同じく「画像符号化方法」についての請求項3、及び4である。
さらに、明細書の段落0456の<3>(上記(1)ア(カ))は、「画像符号化方法」についての記載であるから、段落0456の<3>の訂正に係る請求項は、同じく「画像符号化方法」についての請求項3、及び4である。
そして、上記(2)を考慮すると、訂正事項2-2による明細書の訂正に係る請求項を含む一群の請求項は、本件訂正後の請求項3及び4である。
そうすると、本件訂正審判の請求は、訂正事項2-1及び2-2について、上記1(3)と同様の理由により、特許法第126条第4項の規定に適合するものである。
(4) 願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であるかについて
願書に最初に添付した明細書の段落0003、及び0022には、それぞれ上記1(1)ア(ウ)の段落0003、及び同(オ)の段落0022と同様に「CU(Coding Unit)」との記載がある。
したがって、訂正事項2-1及び2-2からなる訂正事項2による訂正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものであり、特許法第126条第5項に規定する要件に適合するものである。
(5) 特許請求の範囲の拡張又は変更の存否について
設定登録時の請求項3、明細書の段落0016、0017、及び0456の<3>に記載された「Cooding Unit(CU)」と、訂正事項2-1及び2-2による訂正後の「CU(Coding Unit)」は、同じ「CU」を意味することは、上記1(1)アで説示したとおりであるから、訂正事項2-1及び2-2からなる訂正事項2による訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでない。
したがって、訂正事項2-1及び2-2からなる訂正事項2による訂正は、特許法第126条第6項に規定する要件に適合するものである。
(6) 独立特許要件について
本件特許の請求項3及び4に係る発明は、拒絶の理由を発見しないものとして特許査定がなされ、また、上記(5)のとおり、訂正事項2による訂正の前後で、特許請求の範囲は実質上拡張又は変更されない。
そして、本件訂正後の請求項3及び4に係る発明について、新たな拒絶理由を発見しないから、本件訂正後の請求項3及び4に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。
したがって、訂正事項2-1及び2-2からなる訂正事項2による訂正は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
(7) 訂正事項2についてのまとめ
以上(1)から(6)のとおり、訂正事項2-1及び2-2からなる訂正事項2による訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものであって、かつ、同条第5項、第6項、及び第7項の規定に適合するものであり、また、本件訂正審判の請求は、訂正事項2について、同条第3項、及び第4項、の規定に適合するものである。
第4 むすび
以上のとおり、本件訂正審判の請求に係る訂正事項1及び2による訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものであって、かつ、同条第5項、第6項、及び第7項の規定に適合するものであり、また、本件訂正審判の請求は、訂正事項1及び2について、同条第3項、及び第4項、の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり決定する。
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