商標拒絶査定不服審判
2022-014632
デュオザメディケーテッドレスキューバーム、デュオ、デイユウオオ、ザメディケーテッドレスキューバーム、ザメディケーテッドレスキュー、メディケーテッドレスキューバーム、メディケーテッドレスキュー
- 審判番号
- 2022-014632
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-120200
- 請求日
- 2022年09月15日
- 審決日
- 2023年11月28日
- 公報発行日
- 2024年02月22日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】プレミアアンチエイジング株式会社
- 【請求人代理人】橘 哲男
- 【請求人代理人】佐藤 大輔
- 審判長/審判官
- 審判長 冨澤 武志
- 審判官 馬場 秀敏
- 審判官 須田 亮一
- 分類
- T18 .261-Z (W03) / T18 .262-Z (W03) / T18 .263-Z (W03) / T18 .264-Z (W03)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-120200拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和3年9月28日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年1月31日付け:拒絶理由通知
令和4年3月30日 :意見書の提出
令和4年6月6日付け :拒絶査定
令和4年9月15日 :審判請求書の提出
第2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第3類「化粧品,せっけん類,歯磨き,香料,薫料」を指定商品として、登録出願されたものである。
第3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下に掲げるとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
1 登録第789346号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成 「DUO」の欧文字と「デュオ」の片仮名を二段に書してなる商標
指定商品 第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類」及び第30類「食品香料(精油のものを除く。)」
登録出願日 昭和41年4月15日
設定登録日 昭和43年8月7日
書換登録日 平成21年4月8日
2 登録第2297763号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成 「デュオ」の片仮名を横書きしてなる商標
指定商品 第3類「せっけん類,歯みがき,化粧品,香料類」
登録出願日 昭和63年9月21日
設定登録日 平成3年1月31日
書換登録日 平成13年9月19日
3 登録第5699319号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成 「デュオ」の片仮名と「DUO」の欧文字を二段に書してなる商標
指定商品 第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料,薫料」
登録出願日 平成26年4月25日
設定登録日 平成26年9月5日
以下、引用商標1ないし引用商標3をまとめて「引用商標」という。
第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)商標の類否
商標の類否は、同一又は類似の商品又は役務に使用された商標が、その外観、観念、称呼等によって取引者に与える印象、記憶、連想等を総合して、その商品又は役務に係る取引の実情を踏まえつつ全体的に考察すべきものである(最高裁昭和39年(行ツ)第110号同43年2月27日第三小法廷・民集22巻2号399頁参照)。
また、複数の構成部分を組み合わせた結合商標と解されるものについては、商標の各構成部分を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものと認められる場合には、その構成部分の一部を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは、原則として許されないが、商標の構成部分の一部が需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる場合や、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認められる場合などには、商標の構成部分の一部だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することも許されるものと解される(最高裁昭和37年(オ)第953号同38年12月5日第一小法廷判決・民集17巻12号1621頁、最高裁平成3年(行ツ)第103号同5年9月10日第二小法廷判決・民集47巻7号5009頁、最高裁平成19年(行ヒ)第223号同20年9月8日第二小法廷判決・裁判集民事228号561頁参照)。
(2)本願商標
本願商標は、別掲1のとおり、1文字目の「D」の文字の左辺を湾曲させた「DUO」の黒色の欧文字(以下「本願上段部分」という。)を大きく横書きし、その下部に、「the medicated rescue balm」の赤色の欧文字(以下「本願下段部分」という。)を横書きしてなるところ、その構成中「DUO」の文字は、「二重奏」等(「ベーシックジーニアス英和辞典第2版」株式会社大修館書店)の意味を有する語として一般に親しまれているものである。また、「the」の文字は「その」等の意味を有する定冠詞であり、「medicated」の文字は「薬用の」等の、「rescue」の文字は「救う」等の、「balm」の文字は「芳香性樹脂」等の意味をそれぞれ有する語である(いずれも「ジーニアス英和辞典第5版」株式会社大修館書店)。
そして、本願の指定商品中「化粧品」を取り扱う業界においては、別掲2のとおり、肌あれ・にきびを防ぐ、美白、デオドラントなどの効果を持つ「有効成分」が配合されている「薬用化粧品」が一般に存在しており、また、別掲3のとおり「保湿性があり、肌荒れ等をケアするクリームのような商品」が「レスキューバーム」「RESCUE BALM」と称して一般に販売されている実情がある。
そうすると、本願下段部分は、本願の指定商品中「化粧品」との関係においては、「薬用の保湿性があり、肌荒れ等をケアするクリームのような商品」であるという商品の品質を表示したものにすぎない部分であって、自他商品の識別標識としての機能を発揮し得ないか、又は希薄な部分であると判断するのが相当である。
そして、本願商標の構成中、本願上段部分の構成文字は本願下段部分の構成文字の約25倍の大きさで非常に大きく目立つように表されていること、本願上段部分と本願下段部分のそれぞれの構成文字の色彩が異なることからすれば、本願上段部分と本願下段部分はそれぞれ視覚上分離して看取されるものである。
また、本願商標全体から生じる「デュオザメディケイテッドレスキューバーム」の称呼は16音と冗長であり、さらに、本願上段部分と本願下段部分は互いに観念上のつながりがなく、一連一体となって何らかの観念が生じるともいえないものである。ほかに本願上段部分と本願下段部分を常に一体のものとしてのみ観察しなければならない特段の事情も見いだせない。加えて、上記のとおり、本願下段部分は、本願の指定商品中「化粧品」との関係においては、自他商品の識別標識としての機能を発揮し得ないか、又は希薄な部分である。
してみれば、本願上段部分と本願下段部分とを分離して観察することが、取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとはいえない中で、本願上段部分は、大きく目立つように表され、本願の指定商品との関係において商品の品質等を表すものではなく、自他商品の識別標識としての機能を強く発揮し得るから、本願商標の構成においては、本願上段部分が、需要者に対して、強く支配的な印象を与える要部であるといえる。
したがって、本願商標の構成から、本願上段部分を要部として抽出し、他の商標と比較して商標の類否を判断することが許されるものであり、本願商標は、その要部である本願上段部分の構成文字に相応して、「デュオ」の称呼及び「二重奏」の観念を生じるものである。
(3)引用商標
ア 引用商標1
引用商標1は、上記第3の1のとおり、「DUO」の欧文字と「デュオ」の片仮名を二段に書してなるところ、その構成中の「DUO」の文字は、上記(2)のとおり「二重奏」等の意味を有する語であり、下段の「デュオ」の文字は、上段の「DUO」の文字の読みを片仮名で表したものと容易に理解、認識できるものである。
したがって、引用商標1は、その構成文字に相応して、「デュオ」の称呼及び「二重奏」の観念を生じるものである。
イ 引用商標2
引用商標2は、上記第3の2のとおり、「デュオ」の片仮名を横書きしてなるところ、当該文字は、「二重奏」等の意味を有する語(「広辞苑第七版」株式会社岩波書店)である。
したがって、引用商標2は、その構成文字に相応して、「デュオ」の称呼及び「二重奏」の観念を生じるものである。
ウ 引用商標3
引用商標3は、上記第3の3のとおり、「デュオ」の片仮名と「DUO」の欧文字を二段に書してなるところ、その構成中の「DUO」の文字は、上記(2)とおり「二重奏」等の意味を有する語であり、上段の「デュオ」の文字は、下段の「DUO」の文字の読みを片仮名で表したものと容易に理解、認識できるものである。
したがって、引用商標3は、その構成文字に相応して、「デュオ」の称呼及び「二重奏」の観念を生じるものである。
(4)本願商標と引用商標との類否
ア 本願商標と引用商標1について
本願商標の要部である本願上段部分と引用商標1とを比較すると、外観においては「デュオ」の文字の有無という差異があるものの、引用商標1において、「デュオ」の文字は上段に配された「DUO」の文字の読みを表すものと容易に理解できるものであるから、当該差異は、看者に対し強い印象を与えるとはいえないところ、本願上段部分と引用商標1の構成中の「DUO」の文字部分とは、その文字のつづりを共通にするから、両者は外観において似通った印象を与えるものである。
そして、両者は「デュオ」の称呼及び「二重奏」の観念を共通にするものである。
以上によれば、本願上段部分と引用商標1とは、外観において似通った印象を与えるものであって、称呼及び観念を共通にするものであるから、両者の外観、称呼及び観念等によって、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標1は相紛れるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
イ 本願商標と引用商標2について
本願商標の要部である本願上段部分と引用商標2を比較すると、外観においては、文字種が異なるという差異があるものの、商標の使用において、商標の構成文字を同一の称呼が生じる範囲内でローマ字を平仮名、片仮名、漢字表記にしたり、あるいは、その逆にしたりという文字種の変換はごく普通に行われていることであることからすれば、両者は外観において似通った印象を与えるものである。
そして、両者は「デュオ」の称呼及び「二重奏」の観念を共通にするものである。
以上によれば、本願上段部分と引用商標2とは、外観において似通った印象を与えるものであって、称呼及び観念を共通にするものであるから、両者の外観、称呼及び観念等によって、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標2は相紛れるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
ウ 本願商標と引用商標3について
本願商標の要部である本願上段部分と引用商標3とを比較すると、外観においては「デュオ」の文字の有無という差異があるものの、引用商標3において、「デュオ」の文字は下段に配された「DUO」の文字の読みを表すものと容易に理解できるものであるから、当該差異は、看者に対し強い印象を与えるとはいえないところ、本願上段部分と引用商標3の構成中の「DUO」の文字部分とは、その文字のつづりを共通にするから、両者は外観において似通った印象を与えるものである。
そして、両者は「デュオ」の称呼及び「二重奏」の観念を共通にするものである。
以上によれば、本願上段部分と引用商標3とは、外観において似通った印象を与えるものであって、称呼及び観念を共通にするものであるから、両者の外観、称呼及び観念等によって、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標3は相紛れるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
(5)本願の指定商品と引用商標の指定商品との類否について
本願の指定商品と引用商標の指定商品とは、同一又は類似の商品である。
(6)小括
本願商標と引用商標とは、相紛れるおそれのある類似の商標であり、かつ、本願の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似のものものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、本願商標の類否判断に際しては、本願商標の構成中の一部である強いデザイン性を有する本願上段部分を抽出し、この一部だけを引用商標と比較してその類否を判断することは許されるべきではない旨を主張している。
しかしながら、本願商標の構成において、本願上段部分が強く支配的な印象を与える要部であるといえ、本願商標から本願上段部分を要部として抽出し、他の商標と比較して商標の類否を判断することが許されると判断するのが相当であることは、上記1(2)で述べたとおりである。
(2)請求人は、「本願商標は、「D」の欧文字の左辺を大きく湾曲させている点、並びに、その下方に「the medicated rescue balm」の欧文字部分を付加する点に特徴を有するものである一方、引用商標は、単に「DUO」や「デュオ」の文字のみにより構成されるものである。このように、本願商標と引用商標とは外観上における顕著な相違点を有するものである。そうすると、これらに接する取引者、需要者は、互いに別異の印象、記憶、連想を抱くものであることは想像に難くないところである。そのため、本願商標と引用各商標とは、外観上相紛れるおそれのない別異の商標といわなければならない。」と主張している。
しかしながら、本願上段部分の構成中の「D」の文字は、その左辺が湾曲しているとしても、その後に続く「UO」の文字と同じ大きさ、同じ線の太さで表されており、「DUO」の文字が「二重奏」等の意味を有する語として一般に親しまれたものであることからすれば、「D」の文字を表していることは無理なく理解できるものであって、本願上段部分は、全体として、「二重奏」等の意味を有する「DUO」の語を表したものと容易に理解できるものである。
そして、本願商標から本願上段部分を要部として抽出し、他の商標と比較して商標の類否を判断することが許されると判断するのが相当であるところ、本願上段部分と引用商標とは外観において、いずれも似通った印象を与えるものであることは、上記1(4)で述べたとおりである。
(3)請求人は、過去における審決例及び登録例を挙げて、本願商標も登録されるべき旨を主張している。
しかしながら、商標の類否の判断は、査定時又は審決時における取引の実情を勘案し、その指定商品の需要者の認識を基準に対比される商標について個別具体的に判断されるべきものであるところ、本願商標と請求人が挙げる審決例及び登録例における商標とは商標の構成が異なるものであって、本願とは事案を異にするものであるから、請求人が挙げる審決例及び登録例によって、直ちに本願の判断が左右されるものではない。
(4)したがって、請求人の主張は、いずれも採用できない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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