商標拒絶査定不服審判
2021-650070
アクアディジオジョルジオアルマーニプロフォンド、アクアディジオ、ジオ、ジイアイオオ、ジョルジオアルマーニ、ジョルジオ、ジョルジョ、ジオルジオ、アルマーニ、プロフォンド
- 審判番号
- 2021-650070
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 1494788
- 請求日
- 2021年12月27日
- 審決日
- 2022年11月01日
- 公報発行日
- 2023年05月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】GIORGIO ARMANI S.P.A
- 【請求人代理人】関口 一哉
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬京太郎
- 審判官 板谷玲子
- 審判官 須田亮一
- 分類
- T18 .261-Z (W03) / T18 .262-Z (W03) / T18 .263-Z (W03) / T18 .264-Z (W03)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
国際登録第1494788号に係る国際商登録出願の拒絶査定に対する審判事件について,次のとおり審決する。
結論
本件審判の請求は,成り立たない。
理由
1 手続の経緯
本願は,2019年(平成31年)4月9日にEuropean Unionにおいてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して,同年(令和元年)7月24日に国際商標登録出願されたものであって,その手続きの経緯は以下のとおりである。
2020年(令和2年)11月10日付け:暫定拒絶通報
令和3年(2021年) 2月12日 :意見書の提出
令和3年(2021年) 9月 8日付け:拒絶査定
令和3年(2021年)12月27日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は,別掲のとおりの構成よりなり,第3類「Perfumed soaps;perfumes;eau de cologne;toilet waters;eau de parfumed deodorants;cleaning and fragrancing preparations;scented body lotions and creams;essential oils」を指定商品として,国際商標登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願の拒絶の理由に引用した登録第5676570号商標(以下「引用商標」という。)は,「PROFONDE」の欧文字を横書きしてなり,平成25年12月25日に登録出願,第3類「化粧品」を指定商品として,同26年6月13日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第11号該当せいについて
ア 商標の類否
商標の類否は,同一又は類似の商品又は役務に使用された商標が,その外観,観念,称呼等によって取引者に与える印象,記憶,連想等を総合して,その商品又は役務に係る取引の実績を踏まえつつ全体的に考察すべきものである(最高裁昭和39年(行ツ)第110号同43年2月27日第三小法廷・民集22巻2号399頁参照)。
また,複数の構成部分を組み合わせた結合商標と解されるものについては,商標の各構成部分を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものと認められる場合には,その構成部分の一部を抽出し,この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは,原則として許されないが,商標の構成部分の一部が取引者,需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる場合や,それ以外の部分から出所識別標識としての称呼 ,観念が生じないと認められる場合などには,商標の構成部分の一部だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することも許されるものと解される(最高裁昭和37年(オ)第953号同38年12月5日第一小法廷判決。民集17巻12号1621頁,最高裁平成3年(行ツ)第103号同5年9月10日第二小法廷判決・民集47巻7号5009頁,最高裁平成19年(行ヒ)第223号同20年9月8日第二小法廷判決・裁判集民事228号561頁参照)。
イ 本願商標について
本願商標は,別掲のとおり,黒色の縦長長方形の上部に「ACQUA DI」,「GIO」(「O」の文字の上にはアクサン記号が付されている。以下同じ。)及び「GIORGIO ARMANI」の銀色の文字を三段に横書き(以下,これらをまとめて「上部文字部分」という。)し,下部に「PROFONDO」の銀色の文字を横書きしてなるものである。
本願商標を構成する各文字についてみるに,「ACQUA」の文字は「水」等の,「DI」の文字は「《所有,所属》。・・の」等の,「PROFONDO」の文字は「深い。」等の意味を有するイタリア語(いずれも「伊和中辞典(第2版)」株式会社小学館)であるものの,我が国において親しまれた語とはいい難く,「GIO」の文字は,辞書等に掲載のないものであって,特定の意味合いを有する語として知られているとも認められないから,上記各文字はいずれも特定の意味合いを理解させることのない一種の造語として認識されるものである。また,「GIORGIO ARMANI」の文字は,「イタリアの服飾デザイナー。」(「広辞苑第7版」株式会社岩波書店)の氏名を表すものである。
そして,上部文字部分を構成する「ACQUA DI」,「GIO」及び「GIORGIO ARMANI」の各文字部分の文字の大きさは,それぞれ異なるものの,いずれも同色の同じ書体で,三段が密接するように配されていることから,上部文字部分は,全体としてまとまりよく看取されるものである。これに対し,「PROFONDO」の文字は,上部文字部分から大きく間隔を空けて配されていることから,上部文字部分とは,視覚上分離して看取されるものである。また,「PROFONDO」の文字は,上部文字部分と観念的なつながりを有しているものでもない上,構成文字全体を一体のものとして捉えた場合には,文字数が多くなり,生じ得る称呼が冗長となる。さらに,上部文字部分と「PROFONDO」の文字部分とは,それぞれが単独では商品の出所識別機能を有しないと認めるに足りる事情も見あたらない。
そうすると,上部文字部分と「PROFONDO」の文字部分とは,これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとは認められない。
以上からすると,本願商標は,「PROFONDO」の文字部分のみを要部として抽出し,他人の商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというのが相当である。
以上からすると,本願商標は,「PROFONDO」の文字部分のみを要部として抽出し,他人の商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというのが相当である。
したがって,本願商標は,「PROFONDO」の文字部分に相応して「プロフォンド」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
ウ 引用商標について
引用商標は,「PROFOND」の欧文字を横書きしてなるところ,当該文字は,「深い。」等の意味を有するフランス語(「ロワイヤル仏和中辞典[第2版]株式会社旺文社」)であるものの,我が国において親しまれた語とはいい難いから,当該文字は特定の意味合いを認識させることのない一種の造語として認識されるものである。
そして,特定の語義を有しない欧文字からなる商標については,我が国において親しまれている英語風又はローマ字読みの発音をもって称呼されるのが一般的といえるから,引用商標は,その構成文字に相応して,「プロフォンド」又は「プロフォンデ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
工 本願商標と引用商標の類否について
本願商標の要部の一つである「PROFONDO」の文字部分(以下「本願要部」という。)と引用商標とを比較すると,外観については,看者の注意を強く引くとはいい難い話尾における「O」と「E」の1文字の差異であり,全8文字のうちの7文字の文字つづりを共通にするものであって,両者はともに格別特異な書体ともいい難い書体で表されたものであることから,両者は,互いに紛らわしく,外観上近似した印象を与えるものである。
次に,称呼については,両者は「プロフォンド」の称呼を共通にする場合がある。また,本願要部から生じる「プロフォンド」の称呼と,引用商標から生じる「プロフォンデ」の称呼とを比較しても,語尾における「ド」の音と「デ」の音という差異を有するものの,当該差異音は,互いに近似する音であることに加え,明瞭に聴取し難い語尾に位置し,その差異が称呼全体に及ぼす影響がそれほど大きいものとはいえないものであって,語頭を含む全5音中の4音の音を共通にするものであるから,両称呼を一連に称呼した場合には,語調,語感が近似したものとして聴取され得るものであって,両称呼は,互いに聞き誤るおそれがあるというべきである。
そして,観念については,両者は共に特定の観念を生じないから,観念において比較することはできない。
以上によれば,本願要部と引用商標とは,観念において比較することはできないものの,外観において互いに紛らわしく近似した印象を与えるものであって,称呼においても「プロフォンド」の称呼を共通にするか,または互いに聞き誤るおそれがあるものであるから,その外観,称呼及び観念が,取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合すれば,本願商標と引用商標は,商品の出所について誤認を生じさせるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
オ 本願商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否について
本願商標の指定商品中,「Perfumes; eau de cologne; toilet waters; eau de parfum; personal deodorants; scented body lotions and creams.」は,引用商標の指定商品に含まれるものであるから,両商品は同一又は類似の商品である。
力 小括
本願商標と引用商標とは,相紛れるおそれのある類似の商標であり,かつ,本願商標の指定商品は,引用商標の指定商品と同一又は類似の商品である。
したがって,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(3)まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当し,登録することができない。
よって,結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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