商標拒絶査定不服審判
2022-003345
ボーイ、ビイオオワイ
- 審判番号
- 2022-003345
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-027716
- 請求日
- 2022年03月04日
- 審決日
- 2023年04月11日
- 公報発行日
- 2023年10月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】アングロフランチャイズ リミテッド
- 【請求人代理人】豊崎 玲子
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 板谷 玲子
- 審判官 須田 亮一
- 分類
- T18 .261-Z (W03) / T18 .262-Z (W03) / T18 .263-Z (W03) / T18 .264-Z (W03)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号、商標法第10条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021- 27716拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は,成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は,令和元年6月12日に登録出願された商願2019-83297に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として同2年10月14日に登録出願された商願2020-127111に係る同条同項の規定による商標登録出願として,同3年3月9日に出願されたものであって,その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年3月25日付け:拒絶理由通知
令和3年7月13日 :意見書の提出
令和3年11月4日付け:拒絶査定
令和4年3月4日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は,別掲のとおりの構成よりなり,第3類「せっけん類,化粧品,香料,薫料,洗顔料,シャワージェル,ティッシュに浸み込ませた肌清浄用化粧品,ボディスクラブ,身体及び顔の装飾用シール」を指定商品として,登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願の拒絶の理由に引用した登録第5860739号商標(以下「引用商標」という。)は,「BOY」の文字を標準文字で表してなり,2015年(平成27年)11月25日にスイス連邦においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し,平成28年5月11日に登録出願,第3類「皮膚・頭皮・頭髪・爪の手入れ用剤,皮膚・頭皮・頭髪・爪に塗布する化粧品,せっけん類,香料・薫料及び香水類,香水類,エッセンシャルオイル,化粧品,医療用でない化粧品,タルカムパウダー,身体防臭用化粧品及び制汗用化粧品,つけづめ固定用の接着剤,一時的な入れ墨(化粧用転写シール),家庭用芳香剤,芳香剤,ポプリ」を指定商品として,同年6月24日に設定登録されたものであり,その商標権は,現に有効に存続しているものである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本願商標について
本願商標は,別掲のとおり,「BOY」の欧文字(以下「本願文字部分」という。)を大きく横書きし,その上部中央に「O」の文字の上端に接するように,猛きん類とおぼしき鳥をモチーフとした図形(以下「本願図形部分」という。)を配してなるところ,その構成中,本願文字部分は,「少年。男児。」等の意味を有する英語(「ランダムハウス英和大辞典第2版」株式会社小学館)であるから,本願文字部分は,その構成文字に相応して「ボーイ」の称呼及び「少年。男児。」の観念を生じるものである。
一方,本願図形部分は,猛きん類とおぼしき鳥をモチーフとした図形と認識され得るものではあるものの,特定の事物を表したもの,又は意味合いを表すものとして認識され,親しまれているというべき事情は認められないことから,本願図形部分は,特定の称呼及び観念は生じないものである。
そして,本願文字部分と本願図形部分(以下,これらをまとめて「両部分」という。)は,共にザクザクとした線で表されるとともに,本願図形部分が「O」の文字の上端に接するように表されているものの,本願文字部分が本願商標の中央下部において大きく目立つように記載されているものであり,本願図形図部分と本願文字部分の接する箇所もわずかであって,両部分は互いに融合した構成態様からなるものとはいい難い。
また,両部分は,観念的に関連性を有しているものではないし,一連一体となって何らかの称呼が生じるともいえないもので,その他に両部分を常に一体のものとしてのみ観察しなければならない特段の事情は見いだせない。
そして,本願文字部分又は本願図形部分が,本願の指定商品との関係において,当該商品の品質等を表すものともいえないうえ,ほかに両部分が単独では商品の出所識別機能を有しないと認めるに足りる事情も見あたらないことからすれば,これらを分離して観察することは,取引上不自然なものとはいえず,簡易迅速を尊ぶ取引の実際においては,称呼しやすく,記憶にとどめやすい本願文字部分をもって取引にあたる場合も少なくないというのが相当であるから,本願文字部分を要部として抽出し,他の商標と比較して商標の類否を判断することができるものである。
したがって,本願商標は,その構成中,独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得る本願文字部分の構成文字に相応して,「ボーイ」の称呼及び「少年。男児。」の観念を生じるものである。
イ 引用商標について
引用商標は,上記3のとおり,「BOY」の文字を標準文字で表してなるところ,当該文字は,上記アのとおり,「少年。男児。」等の意味を有する英語である。
したがって,引用商標は,その構成文字に相応して,「ボーイ」の称呼及び「少年。男児。」の観念を生じるものである。
ウ 本願商標と引用商標の類否について
本願商標の要部の一つである本願文字部分と,引用商標を比較すると,外観においては,それぞれの構成文字の書体において差異はあるものの,文字のつづりを共通にするものであるから,両者は外観において類似するものである。
また,称呼においては,本願文字部分と引用商標は,ともに「ボーイ」の称呼を生じるから,両者は,称呼上,同一である。
さらに,観念においては,本願文字部分と引用商標は,ともに「少年。男児。」の観念を生じるから,両者は,観念上,同一である。
以上によれば,本願文字部分と引用商標は,外観が類似するものであって,称呼及び観念を同一とするものであるから,その外観,称呼及び観念が取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合すれば,両商標は,商品の出所について誤認を生じさせるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
エ 本願商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否について
本願商標の指定商品は,引用商標の指定商品中「皮膚・頭皮・頭髪・爪の手入れ用剤,皮膚・頭皮・頭髪・爪に塗布する化粧品,せっけん類,香料・薫料及び香水類,香水類,エッセンシャルオイル,化粧品,医療用でない化粧品,タルカムパウダー,身体防臭用化粧品及び制汗用化粧品,一時的な入れ墨(化粧用転写シール),家庭用芳香剤,芳香剤,ポプリ」と,その需要者,用途等を共通にする同一又は類似の商品である。
オ 小括
本願商標と引用商標とは,相紛れるおそれのある類似の商標であり,かつ,本願商標の指定商品は,引用商標の指定商品と同一又は類似のものである。
したがって,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は,「本願図形部分の下に配された「O」は文字「O」というよりも,鷲が足を載せた岩のように認識し得る。鷲とその足元の「O」には,岩石の上に立つ鷲を表現するデザイン上の一体性があることは明らかである。」旨を主張している。
しかしながら,「BOY」の欧文字は,前記(1)アのとおり,「少年。男児。」等の意味を有する語であって,我が国において親しまれている平易な語であること,本願文字部分の構成各文字の線の太さは本願図形部分との対比において比較的太い線で表されており,比較的細い線で表された本願図形部分とは外観上分離して看取されること,両部分は観念上の関連性もないことからすれば,本願文字部分中「O」の文字は,本願図形部分の一部分として認識されるというよりは,本願文字部分中「B」及び「Y」の文字とともに,「BOY」の語を構成する一文字と認識・理解されるものであると判断するのが相当である。
イ 請求人は,「本願図形部分と切り離して文字だけを視覚上看取することは困難である。また,本願商標は,全体としてバランスのとれた構成となっている。」旨を述べ,本願商標は全体をもって,他人の商標と類否判断がなされるべき旨を主張している。
しかしながら,本願文字部分を見るときに本願図形部分が目に入ることは認め得るとしても,前記(1)アのとおり,両部分は互いに融合した構成態様からなるものではないことに加え,観念的に関連性を有しているものではないし,一連一体となって何らかの称呼が生じるともいえないもので,その他に両部分を常に一体のものとしてのみ観察しなければならない特段の事情は見いだせないうえ,両部分が単独では商品の出所識別機能を有しないと認めるに足りる事情も見あたらないことからすれば,これらを分離して観察することは,取引上不自然なものとはいえず,簡易迅速を尊ぶ取引の実際においては,称呼しやすく,記憶にとどめやすい本願文字部分をもって取引にあたる場合も少なくないというのが相当であるから,本願文字部分を要部として抽出し,他の商標と比較して商標の類否を判断することができるものである。
ウ 請求人は,「男性用化粧品の市場は年々拡大しているだけでなく,年代についても10代から化粧品の購入が盛んになされるようになった昨今(第1号証,第2号証)を鑑みると,「BOY」は,具体的に商品の消費者層を暗示する語句といえる。指定商品との関係を考慮し,本願商標において支配的な印象を与える部分はどちらかと問えば,明らかに,圧倒的な存在感と特異性を放っているのは図形部分であり,要部として抽出される潜在的識別力の高い部分は図形部分ということになる。」旨を主張している。
しかしながら,本願の指定商品中「化粧品」等を取り扱う業界において,男性用化粧品の市場は年々拡大しており,その需要者の中には10代の若い世代の男性も含まれているとしても,それによって,直ちに本願文字部分における商品の出所識別標識としての機能が弱いということはできない。
また,第1号証及び甲第2号証によれば,男性用化粧品の市場が拡大しており,10代の若い世代の男性も化粧品を盛んに購入していることは認め得るとしても,若い世代の男性向けの化粧品であることを表す文字として「BOY」の文字が一般に使用されているような事実は認められないし,ほかに本願文字部分の商品の出所識別標識としての機能が弱いことを認めるべき事情も見あたらないから,上記(1)アで述べたとおり,本願文字部分も,独立して商品の出所識別標識としての機能を果たし得るものと判断するのが相当である。
エ 請求人は,図形と文字からなる結合商標に関する過去における審決例(第3号証~第12号証)を挙げて本願商標も登録されるべき旨を主張している。
しかしながら,商標の類否の判断は,査定時又は審決時における取引の実情を勘案し,その指定商品の取引者,需要者の認識を基準に対比される商標について個別具体的に判断されるべきものであるところ,本願商標と上記事例における商標とは商標の構成が異なるものであって,本願とは事案を異にするものであるから,上記審決例によって,直ちに本願の判断が左右されるものではない。
オ したがって,請求人の主張はいずれも採用できない。
(3)まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当し,登録することができない。
よって,結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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