商標拒絶査定不服審判
2023-000636
ビヨンドイマジネーション、ビヨンド、イマジネーション
- 審判番号
- 2023-000636
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-029818
- 請求日
- 2023年01月13日
- 審決日
- 2024年05月15日
- 公報発行日
- 2024年08月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】プレミアアンチエイジング株式会社
- 【請求人代理人】橘 哲男
- 【請求人代理人】佐藤 大輔
- 審判長/審判官
- 審判長 鈴木 雅也
- 審判官 渡邉 あおい
- 審判官 渡邉 潤
- 分類
- T18 .16 -Z (W05)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022- 29818拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「Beyond Imagination」の文字を標準文字で表してなり、第5類「サプリメント,アミノ酸を主原料とした錠剤状・顆粒状・液状・粉状・板状・ゲル状・ゼリー状・カプセル状の加工食品」を指定商品として、令和4年3月15日に登録出願されたものである。
本願は、令和4年8月10日付けで拒絶理由の通知がされ、同年9月28日付けの意見書が提出されたが、同年10月11日付けで拒絶査定がされ、これに対して、同5年1月13日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。
第2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は「Beyond Imagination」の文字を標準文字で表してなるところ、「Beyond」及び「Imagination」の各文字は、それぞれ、「越えて」及び「想像」の意味を有する平易な英単語として、いずれも親しまれているものあり、本願商標は、全体として「想像を越えて」ほどの意味合いを容易に認識させるものであるところ、「Beyond Imagination」の語は、上記意味合いをもって多数の企業がその企業理念・行動指針等を表す際に一般的に使用しているものであることが認められる。そうすると、本願商標を、その指定商品について使用しても、これに接する需要者は、多数の企業が使用している企業理念・行動方針等を表す標語の一を表示したものであると理解するにとどまり、これを超えて、何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものと判断するのが相当であるから、本願商標は商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審における審尋
当審において、令和6年2月9日付け審尋(以下「審尋」という。)により、請求人に対し、別掲1のとおりの事実を提示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する回答を求めたが、請求人は、応答期間において、当該審尋に対する意見を提出していない。
第4 当審の判断
1 本願商標を構成する文字の語義について
本願商標は、「Beyond Imagination」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「Beyond」の文字は、「・・・の向こうに、・・・を越えて」等の意味を、「Imagination」の文字は、「想像、想像力」等の意味を有する英語であり(いずれの語も「ジーニアス英和辞典第5版」株式会社大修館書店発行)、例えば「beyond2020」がオリンピック・パラリンピック東京大会開催にあたっての標語や事業名等に採択されたり、「imagination」の語の表音である「イマジネーション」が広辞苑第7版等の日本語の辞書に掲載されるなど、いずれの語も我が国において広く一般に知られているものである。
そうすると、「Beyond Imagination」の文字は、「想像を超えて」ほどの意味合いを容易に認識させるものである。
2 「Beyond Imagination」の文字の使用状況について
「Beyond Imagination」の文字が、多くの事業者により、「想像を超えて」ほどの意味合いをもって、企業の経営方針、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)、「挨拶」等のメッセージ、トップページの目立つ部分等において、採択、使用されている状況は、原審で示す事例(別掲2)以外に、例えば、別掲1のインターネット情報からも確認することができる。
3 商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、「Beyond Imagination」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、上記1のとおり、「想像を超えて」ほどの意味合いを容易に認識させるものである。
また、「Beyond Imagination」の文字は、上記2のとおり、業種を問わず、多くの事業者によって、企業の経営方針、MVV、「挨拶」等のメッセージ、トップページの目立つ部分等において、共通して採択、使用されている実情がある。
そして、これらの使用については、例えば、「クライアント様の持つイメージにプラスアルファの相乗効果と価値をご提案致します。」(別掲1(1))、「だれもが想像もしないようなイノベーティブな価値を提供する。」(同(2))、「私たちと一緒に想像を超える未来を創りませんか?」(同(7))、「私たちの想像を超えた未来が・・・当社はそのような未来のために、夢ある様々なモノを生み出す会社でありたいと考えています。」(同(8))、「新たな進化した・・・を一緒につくっていきたい」、「誰も知らない未来をともに。」(同(11))、「「お客様の期待・想像を超える成果=価値」を生み出し続ける」(同(12))等の文言と共に使用されている。
こうした状況からすると、「想像を超えて」を意味する「Beyond Imagination」の文字は、事業者が経営方針、MVV等の一つとして、現在の価値観や既存の概念等にとらわれることなく、新しい「価値」や「未来」といったものを作り出し、顧客に提供すること等を理念や目標等として掲げ、顧客や従業員等に向けたメッセージとして発信する際に、それらの理念や目標等を端的に表す語句(フレーズ)として用いられているものというべきである。
そうすると、「Beyond Imagination」の文字は、事業者の特性や優位性等を記述する語句であるとともに、実際に企業理念や経営方針等を表す際に一般的に使用される語句であるというのが相当であり、当該文字よりなる本願商標を、その指定商品に使用をしても、これに接する取引者、需要者は、事業者の企業理念や経営方針等として顧客や従業員等に向けられたメッセージであると捉えるにとどまり、特定の事業者の出所識別標識としては認識し得ないというのが相当である。
したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものであるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。
4 請求人の主張について
(1)請求人は、「本願商標は、全体として特定の意味合いを有しない一種の造語と認識し把握されるとみるのが取引の実情に沿うものであり、単にウェブサイト上に本願商標の構成に関する情報が掲載されていたからといって、それのみに基づいて本願商標が自他商品・役務の識別標識としての機能を発揮し得るか否かを判断することは法的安定性を欠く。」旨主張する。
しかしながら、上記1のとおり、本願商標は、「・・・の向こうに、・・・を越えて」等の意味を有する英語の「Beyond」の文字と、「想像、想像力」等の意味を有する英語の「Imagination」の文字からなり、いずれの語も我が国において広く一般に知られているものであるから、構成全体として、「想像を超えて」ほどの意味合いを容易に認識させるものである。
また、本願商標が、商標法第3条第1項第6号に該当すると判断したのは、上記1ないし3のとおり、本願商標を構成する各文字の語義及び本願商標の構成全体の意味合い、別掲1及び別掲2のような取引の実情を踏まえてのものであって、単にウェブサイト上に本願商標の構成に関する情報が掲載されていたことによるものではない。
加えて、原審及び当審において示したウェブサイトの掲載情報は、特許庁においてインターネットに接続して入手した情報に基づくものである。当該情報は、企業を含む複数の者により掲載されたものであり、その内容は、それらの者の取り扱いに係る商品・役務の紹介や宣伝等の実際の取引の実情を含むものであって、掲載者がその内容を改変しなければならない理由はなく、また、改変されたことをうかがわせる証拠も何らないから、上記判断の基礎とできるものである。
(2)請求人は、「過去の商標登録例、特に、本願商標と大文字、小文字の差異はあるものの、実質的には同一の文字構成といえる近時の登録例を挙げることにより、本願商標も同様に自他商品識別力を有し、登録されるべきである。本願商標のみが登録を受けられないとする理由について言及されなければ、恣意的な判断の介在を疑わざるを得ない。」旨主張する。
しかしながら、出願された商標が商標法第3条第1項第6号に該当するか否かは、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、これに接する取引者、需要者の認識を基準として判断されるべきであり、当該商標の構成態様と指定商品との関係や商品の取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるものであるところ、当審においては、上記1ないし3のとおり、本願商標を構成する各文字の語義及び本願商標の構成全体の意味合い、別掲1及び別掲2のような取引の実情を踏まえて、取引者、需要者の認識を客観的に認定した上で、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する旨判断しているのであり、請求人の挙げる登録例の存在によって、当該認定、判断が左右されるものではない。
(3)したがって、請求人の上記(1)及び(2)の主張は、いずれも採用することができず、その他、請求人の主張は、採用するべき事情はない。
5 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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