商標拒絶査定不服審判
2022-015162
デュオ、デイユウオオ
- 審判番号
- 2022-015162
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-120088
- 請求日
- 2022年09月26日
- 審決日
- 2023年11月28日
- 公報発行日
- 2024年02月22日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】プレミアアンチエイジング株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人大島・西村・宮永商標特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 冨澤 武志
- 審判官 馬場 秀敏
- 審判官 須田 亮一
- 分類
- T18 .261-Z (W35) / T18 .262-Z (W35) / T18 .263-Z (W35) / T18 .265-Z (W35)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号、特許法第150条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-120088拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和3年9月28日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年3月23日付け:拒絶理由通知
令和4年4月28日 :意見書の提出
令和4年7月14日付け:拒絶査定
令和4年9月26日 :審判請求書、手続補正書の提出
第2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第35類及び第44類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、登録出願されたものであり、その後、指定役務については、上記第1の手続補正書により、第35類「化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」とされた。
第3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下に掲げるとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
1 登録第789346号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成 「DUO」の欧文字と「デュオ」の片仮名を二段に書してなる商標
指定商品 第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類」及び第30類「食品香料(精油のものを除く。)」
登録出願日 昭和41年4月15日
設定登録日 昭和43年8月7日
書換登録日 平成21年4月8日
2 登録第2297763号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成 「デュオ」の片仮名を横書きしてなる商標
指定商品 第3類「せっけん類,歯みがき,化粧品,香料類」
登録出願日 昭和63年9月21日
設定登録日 平成3年1月31日
書換登録日 平成13年9月19日
3 登録第5699319号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成 「デュオ」の片仮名と「DUO」の欧文字を二段に書してなる商標
指定商品 第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料,薫料」
登録出願日 平成26年4月25日
設定登録日 平成26年9月5日
以下、引用商標1ないし引用商標3をまとめて「引用商標」という。
第4 当審においてした証拠調べ
本願商標が、指定役務との関係において、商標法第4条第1項第11号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲2のとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条の規定に基づき、請求人に対して、令和5年8月24日付けで、証拠調べの結果を通知し、期間を指定して、請求人の意見を求めた。
第5 証拠調べに対する請求人の意見(要旨)
1 証拠調べ通知書で挙げられた使用例について
挙げられた使用例は10件であり、すべて小売店のオリジナル商品が存在するというものである。しかしながら、小売役務名称と同じ名称を使用するのではなく、別名称を付して販売していることから、同一事業者によって商品の販売とそれを取り扱う小売等役務が提供されることがあっても、その事実をもって需要者が誤認混同するということはない。
これらは小売等役務を行う者によるオリジナルブランドの商品開発がされたものと理解するが、商品開発を行う者がその名称をもって小売店へと広がったケースは見られない。つまり、個別商品商標から派生させて小売店の名称とすることは通常ない。この状況からすると、小売等役務を指定する先行商標があり、その後、当該取扱商品を指定する出願があった場合に、もしプライベートブラントとして別商標をもってくるのではなく、店名そのものから採った商標を使用する場合には、誤認混同のおそれがあるとして排除しても差し支えないが、取扱商品を指定する先行商標があり、その後、当該取扱商品を取り扱う小売等役務を指定する出願があった場合に排除されるのは上記実情に合致していない。
衣服を取り扱うファッションブランドにおいては、セレクトショップ以外では店名と取扱商品の名称が基本的には一致するため、誤認混同のおそれは理解できる。しかしながら、化粧品の分野に関しては小売店に多数の他社製品を取りそろえる状況が一般的である。まして、本願商標はこれまでにも述べたとおり、化粧品業界における当該語自体の識別力が弱いところ、小売店の名称と取扱商品の一つが共通することがあったとしても上記実情からすると、誤認混同するものではない。
2 商標の類否について
本願商標を構成する欧文字「DUO」は、過去における審決に鑑みると語自体の識別力がかかる分野において弱いものであるから、外観の差異によって区別される。加えて、上記のような小売店名称と商品名称の実情があるから、両者は誤認混同するものではない。
3 併存登録例
過去の登録例(登録第5697234号及び登録第5947595号)によれば、小売等役務とその取扱商品との関係において混同のおそれがないと判断されたことがうかがえる。
4 むすび
以上のとおり、証拠調べ通知書に挙げられた情報は、各引用商標に係る指定商品と本願に係る指定役務が混同するものではないという主張に影響を与えるものではない。
むしろ、同一名称で使用される実情がないことの証左といえ、小売等役務と取扱商品の混同がないこと、識別力が弱い語であることから、本願商標と各引用商標は併存して登録することが可能と考える。
第6 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本願商標
本願商標は、別掲1のとおり、1文字目の「D」の文字の左辺を湾曲させた「DUO」の黒色の欧文字を横書きしてなるところ、「DUO」の文字は、「二重奏」等(「ベーシックジーニアス英和辞典第2版」株式会社大修館書店)の意味を有する語として一般に親しまれているものである。
したがって、本願商標は、その構成文字に相応して、「デュオ」の称呼及び「二重奏」の観念を生じるものである。
(2)引用商標
ア 引用商標1
引用商標1は、上記第3の1のとおり、「DUO」の欧文字と「デュオ」の片仮名を二段に書してなるところ、その構成中の「DUO」の文字は、上記(1)のとおり「二重奏」等の意味を有する語であり、下段の「デュオ」の文字は、上段の「DUO」の文字の読みを片仮名で表したものと容易に理解、認識できるものである。
したがって、引用商標1は、その構成文字に相応して、「デュオ」の称呼及び「二重奏」の観念を生じるものである。
イ 引用商標2
引用商標2は、上記第3の2のとおり、「デュオ」の片仮名を横書きしてなるところ、当該文字は、「二重奏」等の意味を有する語(「広辞苑第七版」株式会社岩波書店)である。
したがって、引用商標2は、その構成文字に相応して、「デュオ」の称呼及び「二重奏」の観念を生じるものである。
ウ 引用商標3
引用商標3は、上記第3の3のとおり、「デュオ」の片仮名と「DUO」の欧文字を二段に書してなるところ、その構成中の「DUO」の文字は、上記(2)とおり「二重奏」等の意味を有する語であり、上段の「デュオ」の文字は、下段の「DUO」の文字の読みを片仮名で表したものと容易に理解、認識できるものである。
したがって、引用商標3は、その構成文字に相応して、「デュオ」の称呼及び「二重奏」の観念を生じるものである。
(3)本願商標と引用商標との類否
ア 本願商標と引用商標1について
本願商標と引用商標1とを比較すると、外観においては「デュオ」の文字の有無という差異があるものの、引用商標1において、「デュオ」の文字は上段に配された「DUO」の文字の読みを表すものと容易に理解できるものであるから、当該差異は、看者に対し強い印象を与えるとはいえないところ、本願商標と引用商標1の構成中の「DUO」の文字部分とは、その文字のつづりを共通にするから、両者は外観において似通った印象を与えるものである。
そして、両者は「デュオ」の称呼及び「二重奏」の観念を共通にするものである。
以上によれば、本願商標と引用商標1とは、外観において似通った印象を与えるものであって、称呼及び観念を共通にするものであるから、両者の外観、称呼及び観念等によって、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標1は相紛れるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
イ 本願商標と引用商標2について
本願商標と引用商標2を比較すると、外観においては、文字種が異なるという差異があるものの、商標の使用において、商標の構成文字を同一の称呼が生じる範囲内でローマ字を平仮名、片仮名、漢字表記にしたり、あるいは、その逆にしたりという文字種の変換はごく普通に行われていることであることからすれば、両者は外観において似通った印象を与えるものである。
そして、両者は「デュオ」の称呼及び「二重奏」の観念を共通にするものである。
以上によれば、本願商標と引用商標2とは、外観において似通った印象を与えるものであって、称呼及び観念を共通にするものであるから、両者の外観、称呼及び観念等によって、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標2は相紛れるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
ウ 本願商標と引用商標3について
本願商標と引用商標3とを比較すると、外観においては「デュオ」の文字の有無という差異があるものの、引用商標3において、「デュオ」の文字は下段に配された「DUO」の文字の読みを表すものと容易に理解できるものであるから、当該差異は、看者に対し強い印象を与えるとはいえないところ、本願商標と引用商標3の構成中の「DUO」の文字部分とは、その文字のつづりを共通にするから、両者は外観において似通った印象を与えるものである。
そして、両者は「デュオ」の称呼及び「二重奏」の観念を共通にするものである。
以上によれば、本願商標と引用商標3とは、外観において似通った印象を与えるものであって、称呼及び観念を共通にするものであるから、両者の外観、称呼及び観念等によって、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標3は相紛れるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
(4)本願の指定役務と引用商標の指定商品との類否について
本願の指定役務を取り扱う業界においては、別掲2のとおり、当該役務を提供する者が、自らその取扱商品の製造し販売することは一般的なことであるから、商品の製造・販売と、役務を提供が同一事業者によって行われているのが一般的であるといえる。また、当該取扱商品は小売業者によって一般消費者に対し販売されるのは一般的なことであるから、商品の販売場所と役務の提供場所も、需要者の範囲も一致する。
してみれば、本願の指定役務は引用商標の指定商品と類似のものと判断するのが相当である。
(5)小括
本願商標と引用商標とは、相紛れるおそれのある類似の商標であり、かつ、本願の指定役務は、引用商標の指定商品と類似のものものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、本願商標構成中の1文字目の「D」の文字が特徴的なデザイン化をされているものである旨を主張している。
しかしながら、本願上段部分の構成中の「D」の文字は、その左辺が湾曲しているとしても、その後に続く「UO」の文字と同じ大きさ、同じ線の太さで表されており、「DUO」の文字が「二重奏」等の意味を有する語として一般に親しまれたものであることからすれば、「D」の文字を表していることは無理なく理解できるものであって、本願商標は、全体として、「二重奏」等の意味を有する「DUO」の語を表したものと容易に理解できるものである。
そして、本願商標と引用商標とは外観において、いずれも似通った印象を与えるものであることは、上記1(3)で述べたとおりである。
(2)請求人は、「目的の商品を店舗内で探すために着目する物理的に商品に付された「商品商標」と、良い品揃えを期待して着目する看板の役割を担う「小売商標」(必ずしも店舗内に表示はない)では、需要者の認識において明確に異なる。加えて、店舗内に置いてある一商品の商標として理解される各引用商標と、複数の商品(個別商品商標が付されている)を取り扱う店舗名称としての本願商標では、上記に挙げた販売・提供場所や需要者等の一致があっても、使用対象の違いによる需要者の認識の差異によって混同が生じるものではなく、同一営業主の製造・販売又は提供に係るか否かという点のみで類似と判断することは現実の取引実情を無視するものである。」と述べるとともに、「個別商品商標から派生させて小売店の名称とすることは通常ない。この状況からすると、小売等役務を指定する先行商標があり、その後、当該取扱商品を指定する出願があった場合に、もしプライベートブラントとして別商標をもってくるのではなく、店名そのものから採った商標を使用する場合には、誤認混同のおそれがあるとして排除しても差し支えないが、取扱商品を指定する先行商標があり、その後、当該取扱商品を取り扱う小売等役務を指定する出願があった場合に排除されるのは上記実情に合致していない。」と述べている。
しかしながら、これらの主張は請求人の独自の主張であって、裏付ける証拠の提出はない。そして、本願商標と引用商標は類似の商標であって、本願商標の指定役務と引用商標の指定商品が類似するものであるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものであることは上記1のとおりである。
(3)請求人は、過去における審決例及び登録例を挙げて、本願商標も登録されるべき旨を主張している。
しかしながら、商標の類否の判断は、査定時又は審決時における取引の実情を勘案し、その指定役務の需要者の認識を基準に対比される商標について個別具体的に判断されるべきものであるところ、本願商標と請求人が挙げる審決例及び登録例における商標とは商標の構成が異なるものであって、本願とは事案を異にするものであるから、請求人が挙げる審決例及び登録例によって、直ちに本願の判断が左右されるものではない。
(4)したがって、請求人の主張は、いずれも採用できない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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