商標拒絶査定不服審判
2024-009908
デュオプレミア、デュオ、デイユウオオ、プレミア、プルミエ
- 審判番号
- 2024-009908
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-061239
- 請求日
- 2024年06月13日
- 審決日
- 2025年04月17日
- 公報発行日
- 2025年07月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】プレミアアンチエイジング株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人大島・西村・宮永商標特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 清川 恵子
- 審判官 目黒 潤
- 分類
- T18 .261-Z (W03) / T18 .262-Z (W03) / T18 .263-Z (W03)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023-61239拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和5年6月5日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年12月12日付け:拒絶理由通知書
令和6年 1月29日 :意見書の提出
令和6年 3月18日付け:拒絶査定
令和6年 6月13日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第3類「化粧品,美容液,化粧用クリーム,化粧用ジェル,クレンジングクリーム,クレンジング用化粧品,せっけん類,化粧用せっけん」を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下の(1)ないし(5)のとおりであり(以下、これらをまとめて「引用商標」という場合がある。)、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第789346号(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
登録出願日:昭和41年 4月15日
設定登録日:昭和43年 8月 7日
書換登録日:平成21年 4月 8日
指定商品:「せっけん類,化粧品」を含む第3類及び第30類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(2)登録第1793225号(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:別掲3のとおり
登録出願日:昭和54年11月27日
設定登録日:昭和60年 7月29日
書換登録日:平成17年 6月 8日
指定商品:第3類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(3)登録第2297763号(以下「引用商標3」という。)
商標の構成:別掲4のとおり
登録出願日:昭和63年 9月21日
設定登録日:平成 3年 1月31日
書換登録日:平成13年 9月19日
指定商品:「せっけん類,化粧品」を含む第3類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(4)登録第5341457号(以下「引用商標4」という。)
商標の構成:別掲5のとおり
登録出願日:平成21年12月25日
設定登録日:平成22年 7月30日
指定商品:第3類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(5)登録第5699319号(以下「引用商標5」という。)
商標の構成:別掲6のとおり
登録出願日:平成26年 4月25日
設定登録日:平成26年 9月 5日
指定商品:「せっけん類,化粧品」を含む第3類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、1文字目の「D」の文字の左辺を湾曲させた「DUO」の文字(以下「本願上段部分」という場合がある。)と7文字目の「R」の文字の斜線部分が右上方向にはねた「PREMIER」の文字(以下「本願下段部分」という。)を上下二段に横書きした構成よりなるところ、本願上段部分は「二重奏,2人組,2つ一組」を、本願下段部分は「第1位の,首位の,最高(級)の」等(いずれも出典は「ランダムハウス英和大辞典 第2版」株式会社小学館)をそれぞれ意味する語である。
そして、本願商標を構成する文字は、それぞれ重なることなく表され、また、本願上段部分は、本願下段部分に比して大きく顕著に表されており、文字の大小に差異があることからすれば、本願上段部分と本願下段部分は視覚上分離して看取、把握され得るものである。
また、本願上段部分と本願下段部分はそれぞれ上記意味合いを理解させるものであり、一連一体となって何らかの観念が生じるともいえないものであるから、観念上のつながりがあるとはいえず、ほかに本願上段部分と本願下段部分を常に一体のものとしてのみ観察しなければならない特段の事情も見いだせない。
そうすると、本願上段部分と本願下段部分とを分離して観察することが、取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとはいえず、また、本願上段部分は、本願の指定商品との関係において商品の品質等を表すものではなく、自他商品の識別標識としての機能を強く発揮し得るといえることから、本願商標の構成においては、顕著に表された本願上段部分が、需要者に対して、強く支配的な印象を与える要部であるといえる。
したがって、本願商標の構成から、本願上段部分を要部として抽出し、他の商標と比較して商標の類否を判断することが許されるというべきであるから、本願商標全体からは「デュオプレミア」の称呼を生じ、上記を意味する語を結合してなるとしても、特定の意味合いを想起させるものではない。また、本願商標の要部である本願上段部分(以下「本願要部」という場合がある。)からは、その構成文字に相応して、「デュオ」の称呼を生じ、「二重奏」の観念を生じるものといえる。
イ 引用商標について
(ア)引用商標1について
引用商標1は、別掲2のとおり、「DUO」の文字と「デュオ」の文字を上下二段に横書きした構成よりなるところ、「デュオ」の文字は「DUO」の欧文字の読みを片仮名表記したものと容易に理解されるものであるから、その構成文字に相応して、「デュオ」の称呼を生じ、「二重奏」の観念を生じるものといえる。
(イ)引用商標2について
引用商標2は、別掲3のとおり、「プルミエ」の文字と「PREMIER」の文字を上下二段に横書きした構成よりなるところ、「PREMIER」は英語と同義のフランス語としても一定程度親しまれている語といえるものであり、また、引用商標2の構成態様からすれば、「プルミエ」の文字が「PREMIER」の欧文字の読みを片仮名表記したものと理解されるといい得るものであるから、その構成文字に相応して、「プルミエ」の称呼を生じ、「最高(級)の」の観念を生じるものといえる。
(ウ)引用商標3について
引用商標3は、別掲4のとおり、「デュオ」の文字を横書きした構成よりなるところ、その構成文字に相応して、「デュオ」の称呼を生じ、「二重奏」の観念を生じるものといえる。
(エ)引用商標4について
引用商標4は、別掲5のとおり、「PREMIER」の文字と「プルミエ」の文字を上下二段に横書きした構成よりなるところ、上記(イ)と同様に、その構成文字に相応して、「プルミエ」の称呼を生じ、「最高(級)の」の観念を生じるものといえる。
(オ)引用商標5について
引用商標5は、別掲6のとおり、「デュオ」の文字と「DUO」の文字を上下二段に横書きした構成よりなるところ、「デュオ」の文字は「DUO」の欧文字の読みを片仮名表記したものと容易に理解されるものであるから、その構成文字に相応して、「デュオ」の称呼を生じ、「二重奏」の観念を生じるものといえる。
ウ 本願商標と引用商標1ないし引用商標5の類否
(ア)本願商標と引用商標1及び引用商標5の類否
本願商標と引用商標1及び引用商標5は、上記ア、イ(ア)及びイ(オ)のとおりの構成よりなるところ、全体の外観において、「PREMIER」の文字の有無等に差異を有するものの、本願要部との比較においては、片仮名の有無に差異があるものの、当該片仮名は、上記イ(ア)及びイ(オ)のとおり、「DUO」の文字の読みを表したものと容易に理解でき、また、それぞれを構成する欧文字3文字を共通にすることから、外観上、近似した印象を与えるものである。
そして、称呼においては、本願商標と引用商標1及び引用商標5は、全体として「デュオプレミア」と「デュオ」の称呼が生じるから相違し、観念においては比較できないものの、本願要部との比較においては、「デュオ」の称呼を同じくし、「二重奏」の観念を同じくするものである。
そうすると、本願商標と引用商標1及び引用商標5とは、全体の外観及び称呼においては相違するものの、本願要部と引用商標1及び引用商標5との対比では、外観上近似した印象を与えるものであり、称呼及び観念も同一にするものであるから、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標1及び引用商標5は、商品の出所について誤認混同を生じるおそれのある、互いに類似の商標というのが相当である。
(イ)本願商標と引用商標3の類否
本願商標と引用商標3は、上記ア及びイ(ウ)のとおりの構成よりなるところ、全体の外観において、文字種や構成文字等の差異を有するものの、本願要部との比較においては、本願要部が欧文字で表されているのに対し、引用商標3は片仮名で表されているところ、商標の使用においては、商標の構成文字を同一の称呼が生じる範囲内で文字種を相互に変換して表記することが一般的に行われている取引の実情があることに鑑みれば、両者における文字種の相違が、看者に対し、出所識別標識としての外観上の顕著な差異として強い印象を与えるとまではいえない。
そして、称呼においては、本願商標と引用商標3は、全体として「デュオプレミア」と「デュオ」の称呼が生じるから相違し、また、観念においては、相紛れるおそれのないものの、本願要部との比較においては、「デュオ」の称呼を同じくし、「二重奏」の観念を同じくするものである。
そうすると、本願商標と引用商標3は、全体の外観及び称呼においては相違するものの、本願要部と引用商標3との対比では、外観上の差異が顕著な差異として強い印象を与えるとまではいえず、称呼及び観念を同一にするものであるから、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標3は、商品の出所について誤認混同を生じるおそれのある、互いに類似の商標というのが相当である。
(ウ)本願商標と引用商標2及び引用商標4の類否
本願商標と引用商標2及び引用商標4は、上記ア、イ(イ)及びイ(エ)のとおりの構成よりなるところ、外観において、「PREMIER」の文字を共通にするとしても、「DUO」の文字及び「プルミエ」の文字の有無等の差異から判然と区別できるものであり、称呼において、本願商標における「デュオ」の音の有無の差異及び全体の構成音数が相違するから明瞭に聴別できるものであり、観念において、「二重奏」の観念と「最高(級)の」の観念をそれぞれ生じ、相違するものであるから、相紛れるおそれはない。
そうすると、本願商標と引用商標2及び引用商標4は、商品の出所について誤認混同を生じるおそれのない、互いに非類似の商標というのが相当である。
エ 本願の指定商品と引用商標1、引用商標3及び引用商標5の指定商品との類否について
本願の指定商品は、引用商標1、引用商標3及び引用商標5の指定商品中、第3類「せっけん類,化粧品」と同一又は類似する商品である。
オ 小括
上記アないしエによれば、本願商標は、引用商標2及び引用商標4とは非類似の商標であるから、その指定商品が同一又は類似するものであるとしても、引用商標2及び引用商標4との関係において、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
しかしながら、本願商標は、引用商標1、引用商標3及び引用商標5と類似する商標であって、かつ、本願の指定商品は、引用商標1、引用商標3及び引用商標5の指定商品と同一又は類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標の構成中の「D」が「2」を意識したことで書き始めが大きく湾曲して、通常のアルファベット「D」のデザインでは見られない特徴的なデザインになっており、本願商標の始めの「D」と終わりの「R」に同様の特徴を持たせることで統一感を演出し、上下段の文字の左右を揃えるように整えたことで、一目で全体を把握できるため、外観上一体的に捉えることが可能である旨主張している。
しかしながら、本願商標の構成中の「D」と「R」の文字は、その表現方法に多少特徴を有しているとしても、そのデザイン化の程度は高いものとはいい難く、単に「DUO」及び「PREMIER」の文字を表したものと容易に理解されるものというのが自然であって、上記(1)アのとおり、必ずしも本願上段部分と本願下段部分を一体で捉えるべき事情も見いだせない。
イ 請求人は、本願商標を構成する「DUO」及び「PREMIER」の各語は、平易な英単語であるから、「二種類の商品、最高級の」の意味合いを理解させるか、又は、「DUO」部分が請求人の人気商品のブランド名称、「PREMIER」部分が請求人名称の一部であることに鑑みて、「プレミアアンチエイジング株式会社のDUO」という理解も想定し得る旨、また、両語は、現在では識別力が極めて弱いため、一方が出所識別標識として強く支配的なものでもなければ、一方が抽出されるような態様ではない旨主張している。
しかしながら、本願商標は、各語を結合して具体的な意味を有する成語となるものではなく、請求人が主張するような特定の観念を直ちに生じるとはいい難いものであって、また、本願商標の各語に観念的な結びつきがあるともいえず、本願商標の構成において、本願上段部分が強く支配的な印象を与える要部であるといえ、本願商標から本願上段部分を要部として抽出し、他の商標と比較して商標の類否を判断することが許されると判断するのが相当であることは、上記(1)アで述べたとおりである。
ウ 請求人は、「DUO」の語を含む商標の併存例や識別力の低い二語の結合商標に関する審決例等を挙げ、本願商標も登録されるべきである旨主張する。
しかしながら、商標の類否判断は、対比する商標について個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げる登録例及び審決例と本願商標とは、商標の具体的構成等において本願とは事案を異にするものであり、本願商標と引用商標の類否については上記(1)ウのとおりであるから、これらの登録例及び審決例をもって、上記判断が左右されるものではない。
エ したがって、請求人の上記アないしウの主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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