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特許拒絶査定不服審判

2022-004571

半導体装置およびその製造方法

審判番号
2022-004571
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2018-007062外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2022年03月29日
審決日
2023年01月11日
公報発行日
2023年03月31日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .575-Z (H01L) / P18 .121-Z (H01L)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第6項、特許法第36条第6項第1号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2018- 7062「半導体装置およびその製造方法」拒絶査定不服審判事件〔令和 1年 7月25日出願公開、特開2019-125754〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由

目次 ▾ 11項目
理 由

第1 手続の経緯

本願は、平成30年1月19日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。

令和 3年 5月26日付け:拒絶理由通知書
令和 3年 7月12日 :意見書、手続補正書の提出
令和 3年12月24日付け:拒絶査定(原査定)
令和 4年 3月29日 :審判請求書、手続補正書の提出
令和 4年 6月22日付け:前置報告書
令和 4年 9月16日 :上申書の提出

第2 令和4年3月29日にされた手続補正についての補正の却下の決定

[補正の却下の決定の結論]

令和4年3月29日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]

1 本件補正について(補正の内容)

(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載

本件補正により、特許請求の範囲の請求項7の記載は、次のとおり補正された。(下線部は、補正箇所である。)

「【請求項7】
第1面を有する半導体基板を準備する工程と、
前記第1面上に第1段差部を形成する工程と、
前記第1段差部を覆うように第1被覆膜を形成する工程と、
続きを表示(全14行)
前記第1被覆膜上に第2被覆膜を形成する工程と、
前記第1被覆膜および前記第2被覆膜に前記第1面に達するコンタクトホールを形成することにより、第1バリア膜および第1絶縁膜を形成する工程と、
前記コンタクトホールの表面及び前記第1絶縁膜の上面を覆うように第2バリア膜を形成する工程と、
前記コンタクトホール内において前記第2バリア膜上に高融点金属を含む材料をCVD法により成膜してコンタクト部を形成する工程とを備え、
前記第2被覆膜の前記第1面に対する高さは、前記第1段差部の前記第1面に対する高さよりも高くされ、
前記第1バリア膜および第1絶縁膜を形成する工程では、
前記コンタクトホールが平面視において前記第1段差部と重ならない領域上に形成され、
前記第1被覆膜から前記コンタクトホールの側面の底部において露出する第1部と前記第1段差部の側面の底部に面している第2部とを含み、前記第1面に沿った方向における前記第1部と前記第2部との間の距離が前記第1面に垂直な方向における前記第1バリア膜の厚み以下である前記第1バリア膜が形成され、かつ、
前記第2被覆膜から前記第1絶縁膜が形成され、
前記第2バリア膜を形成する工程では、前記第2バリア膜が、前記第1部と接しかつ前記第1バリア膜の厚みが前記第2バリア膜の厚み以上となるように形成される、半導体装置の製造方法。」

(2)本件補正前の特許請求の範囲

本件補正前の、令和3年7月12日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項7の記載は次のとおりである。

「【請求項7】
第1面を有する半導体基板を準備する工程と、
前記第1面上に第1段差部を形成する工程と、
前記第1段差部を覆うように第1被覆膜を形成する工程と、
続きを表示(全14行)
前記第1被覆膜上に第2被覆膜を形成する工程と、
前記第1被覆膜および前記第2被覆膜に前記第1面に達するコンタクトホールを形成することにより、第1バリア膜および第1絶縁膜を形成する工程と、
前記コンタクトホールの表面を覆うように第2バリア膜を形成する工程と、
前記コンタクトホール内において前記第2バリア膜上に高融点金属を含む材料をCVD法により成膜してコンタクト部を形成する工程とを備え、
前記第2被覆膜の前記第1面に対する高さは、前記第1段差部の前記第1面に対する高さよりも高くされ、
前記第1バリア膜および第1絶縁膜を形成する工程では、
前記コンタクトホールが平面視において前記第1段差部と重ならない領域上に形成され、
前記第1被覆膜から前記コンタクトホールの側面の底部において露出する第1部と前記第1段差部の側面の底部に面している第2部とを含み、前記第1面に沿った方向における前記第1部と前記第2部との間の距離が前記第1面に垂直な方向における前記第1バリア膜の厚み以下である前記第1バリア膜が形成され、かつ、
前記第2被覆膜から前記第1絶縁膜が形成され、
前記第2バリア膜を形成する工程では、前記第2バリア膜が、前記第1部と接しかつ前記第1バリア膜の厚みが前記第2バリア膜の厚み以上となるように形成される、半導体装置の製造方法。」

2 補正の適否

本件補正は、本件補正前の請求項7に記載された発明を特定するために必要な事項である「第2バリア膜を形成する工程」について、上記のとおり、「前記コンタクトホールの表面を覆うように第2バリア膜を形成する工程」との記載を「前記コンタクトホールの表面及び前記第1絶縁膜の上面を覆うように第2バリア膜を形成する工程」として、限定を付加するものであって、補正前の請求項7に記載された発明と補正後の請求項7に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法17条の2第5項2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

そこで、本件補正後の請求項7に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。

(1)本件補正発明

本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。

(2)引用文献の記載事項

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ア 引用文献1

(ア)原査定の拒絶の理由で引用された本願の出願前に、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2010-212589号公報(以下「引用文献1」という。)には、次の記載がある。(下線は当審において付した。以下同じ。)

「【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造技術に関し、特に、銅配線を使用した半導体装置の製造技術に適用して有効な技術に関するものである。」
「【0023】
(実施の形態1)
本実施の形態1における半導体装置の製造方法について図面を参照しながら説明する。まず、図1に示すように、ホウ素(B)などのp型不純物を導入したシリコン単結晶よりなる半導体基板1Sを用意する。このとき、半導体基板1Sは、略円盤形状をした半導体ウェハの状態になっている。そして、半導体基板1Sの主面のMISFET形成領域に素子間を分離する素子分離領域STIを形成する。素子分離領域STIは、素子が互いに干渉しないようにするために設けられる。この素子分離領域STIは、例えばLOCOS(local Oxidation of silicon)法やSTI(shallow trench isolation)法を用いて形成することができる。例えば、STI法では、以下のようにして素子分離領域STIを形成している。すなわち、半導体基板1Sにフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用して素子分離溝を形成する。そして、素子分離溝を埋め込むように半導体基板上に酸化シリコン膜を形成し、その後、化学的機械的研磨法(CMP;chemical mechanical polishing)により、半導体基板上に形成された不要な酸化シリコン膜を除去する。これにより、素子分離溝内にだけ酸化シリコン膜を埋め込んだ素子分離領域STIを形成することができる。
・・・
続きを表示(全37行)
【0026】
次に、図2に示すように、半導体基板1S上にゲート絶縁膜GOXを形成する。ゲート絶縁膜GOXは、例えば、酸化シリコン膜から形成され、例えば熱酸化法やISSG酸化法を使用して形成することができる。・・・
【0030】
次に、図3に示すように、ゲート絶縁膜GOX上にポリシリコン膜PF1aを形成する。ポリシリコン膜PF1aは、例えば、CVD法を使用して形成することができる。このとき、半導体基板1Sの裏面にもポリシリコン膜PF1bが形成される。その後、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用して、ポリシリコン膜PF1a中に不純物を導入する。具体的には、nチャネル型MISFET形成領域に形成されているポリシリコン膜PF1a中にリ2ンや砒素などのn型不純物を導入し、pチャネル型MISFET形成領域に形成されているポリシリコン膜PF1a中にホウ素などのp型不純物を導入する。
【0031】
続いて、図4に示すように、パターニングしたレジスト膜をマスクにしたエッチングによりポリシリコン膜PF1aを加工して、nチャネル型MISFET形成領域にゲート電極G1を形成し、pチャネル型MISFET形成領域にゲート電極G2を形成する。
・・・
【0035】
その後、図7に示すように、半導体基板1Sの主面上に形成された窒化シリコン膜SN1aを異方性エッチングすることにより、ゲート電極G1の側壁およびゲート電極G2の側壁にサイドウォールSWを形成する。
・・・
【0039】
次に、図9に示すように、半導体基板1Sの主面上に、例えば、CVD法を使用することにより、薄い酸化シリコン膜OX1を形成した後、この酸化シリコン膜OX1上にストレッサ膜SMT1aを形成する。・・・
【0042】
続いて、図10に示すように、半導体基板1Sの主面上に形成されているストレッサ膜SMT1aを除去する。・・・
【0043】
・・・この酸化シリコン膜OX1は、非常に薄い膜なので、ストレッサ膜SMT1aおよびストレッサ膜SMT1bを除去した後に実施される洗浄処理などで除去される。
【0044】
その後、図11に示すように、半導体基板1S上にニッケル膜を形成する。このとき、ゲート電極G1およびゲート電極G2に直接接するようにニッケル膜が形成される。同様に、深いn型不純物拡散領域NRの表面および深いp型不純物拡散領域PRの表面にもニッケル膜が直接接する。
【0045】
ニッケル膜は、例えば、スパッタリング法を使用して形成することができる。そして、ニッケル膜を形成した後、熱処理を施すことにより、ゲート電極G1およびゲート電極G2を構成するポリシリコン膜PF1aとニッケル膜を反応させて、ニッケルシリサイド膜CSを形成する。・・・
【0046】
そして、未反応のニッケル膜は、半導体基板1S上から除去される。なお、本実施の形態1では、ニッケルシリサイド膜CSを形成するように構成しているが、例えば、ニッケルシリサイド膜CSに代えてコバルトシリサイド膜やチタンシリサイド膜やプラチナシリサイド膜を形成するようにしてもよい。
【0047】
次に、図12に示すように、ゲート電極G1およびゲート電極G2を覆う半導体基板1Sの主面上に、窒化シリコン膜SN2を形成する。そして、図13に示すように、この窒化シリコン膜SN2上に、例えば、酸化シリコン膜からなる層間絶縁膜IL1を形成する。このように、ゲート電極G1とゲート電極G2の間の領域を含む半導体基板1S上に、まず、窒化シリコン膜SN2を形成した後、この窒化シリコン膜SN2上に層間絶縁膜IL1を形成する。これにより、その後、層間絶縁膜IL1に、層間絶縁膜IL1と窒化シリコン膜SN2を貫通するコンタクトホールを形成するが、層間絶縁膜IL1の下層に窒化シリコン膜SN2を形成することで、コンタクトホールの位置ずれによるゲート電極G1、G2とコンタクトホール内に埋め込む導電材料とのショート不良を抑制できる効果が得られる。すなわち、絶縁膜である窒化シリコン膜SN2はエッチングストッパ膜として機能している。この技術は、いわゆるSAC(Self Align Contact)と呼ばれている。つまり、ゲート電極G1とゲート電極G2の間の領域を含む半導体基板1S上に形成される窒化シリコン膜SN2は、SAC技術を実現する機能を有し、コンタクトホールの位置ずれによる不良発生を抑制できる機能を有するものである。
・・・
【0049】
SAC用の窒化シリコン膜SN2上には層間絶縁膜IL1が形成されるが、この層間絶縁膜IL1は、例えば、酸化シリコン膜から形成されている。具体的には、オゾンとTEOS(tetra ethyl ortho silicate)を原料としたCVD法で形成された酸化シリコン膜と、TEOSを原料としたプラズマCVD法で形成された酸化シリコン膜との積層構造となっている。
【0050】
続いて、図14に示すように、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、層間絶縁膜IL1および窒化シリコン膜SN2を貫通して半導体基板1Sに達するコンタクトホールCNTを形成する。コンタクトホールCNTは、まず、層間絶縁膜IL1をエッチングした後、窒化シリコン膜SN2をエッチングすることにより形成される。これにより、窒化シリコン膜SN2が酸化シリコン膜からなる層間絶縁膜IL1のエッチングの際のエッチングストッパとして機能することになり、コンタクトホールCNTの位置ずれによる不良発生を抑制できる効果が得られる。
【0051】
次に、図15に示すように、コンタクトホールCNTの底面および内壁を含む層間絶縁膜IL1上にチタン/窒化チタン膜を形成する。チタン/窒化チタン膜は、チタン膜とチタン膜上に形成された窒化チタン膜の積層膜から構成され、例えばスパッタリング法を使用することにより形成することができる。このチタン/窒化チタン膜は、例えば、後の工程で埋め込む膜の材料であるタングステンがシリコン中へ拡散するのを防止するとともに、六フッ化タングステン(WF6)を用いたCVD法によりタングステン膜を形成する際にフッ素がシリコン材料へアタックすることによりシリコン材料にダメージを与えるのを防止する、いわゆるバリア性を有する。
【0052】
続いて、コンタクトホールCNTを埋め込むように、半導体基板1Sの主面の全面にタングステン膜を形成する。このタングステン膜は、例えばCVD法を使用して形成することができる。そして、層間絶縁膜IL1上に形成された不要なチタン/窒化チタン膜およびタングステン膜を例えばCMP法を除去することにより、プラグPLGを形成することができる。」

図1、4、11~15は、以下のとおりのものである。

図13から、層間絶縁膜IL1の半導体基板1Sの主面に対する高さは、ゲート電極G1、G2の前記主面に対する高さよりも高いことが見てとれる。

図14から、窒化シリコン膜SN2は、コンタクトホールCNTの側面の底部において露出する部分(以下「部分A」という。)とゲート電極G1、G2に形成されたサイドウォールSWの側面の底部に面している部分(以下「部分B」という。)とを含むことが見てとれる。

図15から、チタン/窒化チタン膜を形成する工程では、チタン/窒化チタン膜は、前記部分Aと接するように形成されることが見てとれる。

[図:0001394911000001.jpg]

[図:0001394911000002.jpg]

[図:0001394911000003.jpg]

[図:0001394911000004.jpg]

[図:0001394911000005.jpg]

(イ)上記記載から、引用文献1には、次の技術的事項が記載されている。

a 引用文献1に記載された技術は、半導体装置の製造方法に関し、特に、銅配線を使用した半導体装置の技術に適用して有効な技術に関するものである(【0001】)。

b 実施の形態1における半導体装置の製造方法は、次のとおりである。

(a)主面を有する半導体基板1Sを用意し、半導体基板1S上にゲート絶縁膜GOXを形成し、ゲート絶縁膜GOX上にポリシリコン膜PF1aを形成し、ポリシリコン膜PF1aを加工して、nチャネル型MISFET形成領域にゲート電極G1を形成し、pチャネル型MISFET形成領域にゲート電極G2を形成し、その後、半導体基板1Sの主面上に形成された窒化シリコン膜SN1aを異方性エッチングすることにより、ゲート電極G1の側壁およびゲート電極G2の側壁にサイドウォールSWを形成すること(【0023】、【0026】、【0030】、【0031】、【0035】)。

(b)半導体基板1Sの主面上に、薄い酸化シリコン膜OX1を形成した後、この酸化シリコン膜OX1上にストレッサ膜SMT1aを形成し、続いて、ストレッサ膜SMT1aを除去し、酸化シリコン膜OX1を除去すること(【0039】、【0043】、【0044】)。

(c)その後、半導体基板1S上にニッケル膜を形成し、熱処理を施すことにより、ニッケルシリサイド膜CSを形成し、未反応のニッケル膜を、半導体基板1S上から除去すること(【0044】~【0046】)。

(d)次に、ゲート電極G1およびゲート電極G2を覆う半導体基板1Sの主面上に、窒化シリコン膜SN2を形成し、窒化シリコン膜SN2上に、酸化シリコン膜からなる層間絶縁膜IL1を形成すること(【0047】)。

(e)続いて、層間絶縁膜IL1および窒化シリコン膜SN2を貫通して半導体基板1Sに達するコンタクトホールCNTを形成すること(【0050】)。

(f)次に、コンタクトホールCNTの底面および内壁を含む層間絶縁膜IL1上に、バリア性を有するチタン/窒化チタン膜を形成すること(【0051】)。

(g)続いて、コンタクトホールCNTを埋め込むように、半導体基板1Sの主面の全面にタングステン膜をCVD法を使用して形成し、層間絶縁膜IL1上に形成された不要なチタン/窒化チタン膜およびタングステン膜を除去することにより、プラグPLGを形成すること(【0052】)。

(h)「コンタクトホールの位置ずれによるゲート電極G1,G2とコンタクトホール内に埋め込む導電材料とのショート不良を抑制できる効果が得られる。」(【0047】)との記載、及び図14から、コンタクトホールCNTを形成する工程では、コンタクトホールが平面視においてゲート電極G1、G2及びサイドウォールSWと重ならない領域上に形成されること。

(ウ)上記(ア)、(イ)から、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「主面を有する半導体基板1Sを用意し、半導体基板1S上にゲート絶縁膜GOXを形成し、ゲート絶縁膜GOX上にポリシリコン膜PF1aを形成し、ポリシリコン膜PF1aを加工して、nチャネル型MISFET形成領域にゲート電極G1を形成し、pチャネル型MISFET形成領域にゲート電極G2を形成し、その後、半導体基板1Sの主面上に形成された窒化シリコン膜SN1aを異方性エッチングすることにより、ゲート電極G1の側壁およびゲート電極G2の側壁にサイドウォールSWを形成することと、
半導体基板1Sの主面上に、薄い酸化シリコン膜OX1を形成した後、この酸化シリコン膜OX1上にストレッサ膜SMT1aを形成し、続いて、ストレッサ膜SMT1aを除去し、酸化シリコン膜OX1を除去することと、
その後、半導体基板1S上にニッケル膜を形成し、熱処理を施すことにより、ニッケルシリサイド膜CSを形成し、未反応のニッケル膜を、半導体基板1S上から除去すること、
次に、ゲート電極G1およびゲート電極G2を覆う半導体基板1Sの主面上に、窒化シリコン膜SN2を形成し、窒化シリコン膜SN2上に、酸化シリコン膜からなる層間絶縁膜IL1を形成することと、
続きを表示(全11行)
続いて、層間絶縁膜IL1および窒化シリコン膜SN2を貫通して半導体基板1Sに達するコンタクトホールCNTを形成することと、
次に、コンタクトホールCNTの底面および内壁を含む層間絶縁膜IL1上に、バリア性を有するチタン/窒化チタン膜を形成することと、
続いて、コンタクトホールCNTを埋め込むように、半導体基板1Sの主面の全面にタングステン膜をCVD法を使用して形成し、層間絶縁膜IL1上に形成された不要なチタン/窒化チタン膜およびタングステン膜を除去することにより、プラグPLGを形成することとを備え、
層間絶縁膜IL1の半導体基板1Sの主面に対する高さは、ゲート電極G1、G2の前記主面に対する高さよりも高くされ、
窒化シリコン膜SN2は、コンタクトホールCNTの側面の底部において露出する部分Aとゲート電極G1、G2に形成されたサイドウォールSWの側面の底部に面している部分Bとを含み、
コンタクトホールCNTを形成する工程では、コンタクトホールが平面視においてゲート電極G1、G2及びサイドウォールSWと重ならない領域上に形成され、
チタン/窒化チタン膜を形成する工程では、チタン/窒化チタン膜は、前記部分Aと接するように形成される、半導体装置の製造方法。」

イ 引用文献2

(ア)同じく原査定に引用され、本願の出願前に、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2012-59958号公報(以下「引用文献2」という。)には、次の記載がある。

「【0021】
図2は、前記半導体装置のメモリセル領域の一部を示す模式的な平面図である。図3は、図2のIII-III線に沿う断面図である。図4は、図2のIV-IV線に沿う断面図である。
・・・
【0024】
続きを表示(全11行)
シリコン基板2上の酸化膜19の表面、サイドウォール12a,12bの表面およびゲート部3の表面には、たとえばSiNからなる窒化膜17が形成されている。窒化膜17の表面上には、たとえばBPSG(Boron Phosphorous Silicate Glass)からなる層間絶縁膜18が形成されている。層間絶縁膜18には、隣り合う2つのメモリセル1によって共有される不純物拡散領域(ドレイン領域5aまたはソース領域5b)をビットライン25に電気的に接続するためのコンタクトプラグ40が貫通して設けられている。
【0025】
コンタクトプラグ40は、バリアメタル膜43と金属プラグ44とを含む。層間絶縁膜18を貫通して形成されたコンタクト孔41の側壁は、層間絶縁膜18より緻密なシール膜42によって覆われている。バリアメタル膜43は、シール膜42の表面およびコンタクト孔41の底面部を覆うように形成されている。金属プラグ44は、バリアメタル膜43に包囲された状態でコンタクト孔41内に埋め込まれている。
【0026】
シール膜42は、たとえばSiNからなり、厚さは5nm~10nm程度であってもよい。この実施形態では、シール膜42の厚さは約7nmである。バリアメタル膜43は、Ti/TiNの2層構造膜からなっていてもよい。Ti層は、シール膜42に接し、その厚さは30nm程度であってもよい。TiN層は、Ti層上に積層され、その厚さは6nm~10nm程度であってもよい。金属プラグ44は、たとえばタングステン(W)からなる。金属プラグ44は、たとえば、フッ素を含む原料ガスを用いて、CVD(Chemical Vapor Deposition:化学的気相成長)法により形成される。フッ素を含む原料ガスは、BPSGからなる層間絶縁膜18に対する腐食性を有しているけれども、シール膜42により、層間絶縁膜18の腐食が回避される。
【0027】
この実施形態では、コンタクト孔41の側壁を覆うように、層間絶縁膜18より緻密なシール膜42が形成されているので、その表面が滑らかである。したがって、バリアメタル膜43をシール膜42に密着させることができ、かつバリアメタル膜43は貫通孔のない良好な膜質を有することができる。このため、コンタクトホール41内に金属プラグ44を堆積させるときに、原料ガスがバリアメタル膜43およびシール膜42を透過して、層間絶縁膜18に達するのを防止できる。このため、フッ素を含む原料ガスによって、層間絶縁膜18が腐食したり、金属プラグ44の材料であるタングステンが層間絶縁膜18内に染み出したりするのを防止できる。つまり、層間絶縁膜18とコンタクトプラグ40との間に明瞭な界面を形成できるから、コンタクト間ショート等の異常を抑制できる。」

図3は、以下のとおりのものである。

[図:0001394911000006.jpg]

ウ 引用文献3

(ア)本願の出願前に、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2003-273240号公報(以下「引用文献3」という。)には、次の記載がある。

「【0039】図1は、本発明の実施形態1である半導体装置の概略構成を示す模式的断面図であり、図2は、ドレイン電流変動率の膜応力依存性を示す特性図であり、図3及び図4は、電流方向と膜応力方向との関係を示す模式的平面図及び模式的断面図であり、図5乃至図19は、図1の半導体装置の製造工程中における模式的断面図であり、図20乃至図23は、本発明を成す過程で本発明者によって見出された問題点を説明するための模式的断面図である。
・・・
【0050】ソース・ドレイン用コンタクト孔18及びゲート用コンタクト孔は、窒化シリコン膜14a及び14bをエッチングストッパ膜として用いるSAC(Self Aligned Contact hole)技術によって形成されている。即ち、窒化シリコン膜14a及び14bは、自己整合コンタクト用絶縁膜として使用されている。」
「【0058】次に、本実施形態1の半導体装置の製造について、図5乃至図19を用いて説明する。まず、比抵抗10Ωcmを有する単結晶シリコンからなるp型基板1を準備し、その後、図5に示すように、p型基板1の回路形成面にp型ウエル領域2及びn型ウエル領域3を選択的に形成する。
・・・
【0060】次に、図6に示すように、熱処理を施してp型基板1の回路形成面のnMIS形成領域1n及びpMIS形成領域1pに例えば厚さが2~3nm程度の酸化シリコン膜からなるゲート絶縁膜5を形成し、その後、p型基板1の回路形成面上の全面に例えば150~200nm程度の厚さの多結晶シリコン膜をCVD法で形成し、その後、多結晶シリコン膜にパターンニングを施してゲート電極6を形成する。多結晶シリコン膜には、抵抗値を低減する不純物がその堆積中又は堆積後に導入される。
・・・
続きを表示(全14行)
【0068】次に、図11に示すように、n型及びp型MISFET上を含むp型基板1の回路形成面上の全面に、絶縁膜として例えば100~120nm程度の厚さの窒化シリコン膜14aをプラズマCVD法で形成する。窒化シリコン膜14aの形成は、例えば高周波電力350~400W、或いはチャンバー内圧力300~350Torrの条件で行なう。
【0069】この工程において、n型及びp型MISFETは、窒化シリコン膜14aで覆われる。また、ゲート電極6のシリサイド層12、半導体領域(10,11)、並びサイドウォールスペーサ9等は、絶縁膜13を介在して窒化シリコン膜14aで覆われる。
【0070】次に、図12に示すように、n型及びp型MISFET上を含むp型基板1の回路形成面上の全面に、例えば50nm程度の厚さの酸化シリコン膜からなる絶縁膜15をCVD法で形成する。この工程において、窒化シリコン膜14aは、絶縁膜15で覆われる。
・・・
【0076】次に、フォトレジストマスクRM1を除去した後、図15に示すように、絶縁膜15上を含むp型基板1の回路形成面上の全面に、絶縁膜として例えば100nm程度の厚さの窒化シリコン膜14bをプラズマCVD法で形成する。窒化シリコン膜14bの形成は、例えば高周波電力600~700W、或いはチャンバー内圧力5~10Torrの条件で行なう。
【0077】この工程において、n型及びp型MISFETは、窒化シリコン膜14bで覆われる。また、n型MISFET上の窒化シリコン膜14aは絶縁膜15を介在して窒化シリコン膜14bで覆われる。
・・・
【0082】次に、フォトレジストマスクRM2を除去した後、図18に示すように、n型及びp型MISFET上を含むp型基板1の回路形成面上の全面に例えば酸化シリコン膜からなる層間絶縁膜16をプラズマCVD法で形成し、その後、層間絶縁膜16の表面をCMP法で平坦化する。
・・・
【0084】次に、図19に示すように、半導体領域(11,12)上に、層間絶縁膜16の表面からシリサイド層12に到達するソース・ドレイン用コンタクト孔18を形成する。ソース・ドレイン用コンタクト孔18の形成は、窒化シリコン膜(14a,14b)をエッチングストッパとするSAC技術で行う。具体的には、まず、半導体領域(10,11)と対向する位置にコンタクト孔用の開口パターンを持つフォトレジストマスクを層間絶縁膜16上に形成し、その後、前記フォトレジストマスクをエッチングマスクにして、層間絶縁膜16、絶縁膜15,窒化シリコン膜(14a,14b)及び絶縁膜13に異方性ドライエッチングを順次施す。・・・」

図1、19は、以下のとおりのものである。

[図:0001394911000007.jpg]

[図:0001394911000008.jpg]

エ 引用文献4

(ア)本願の出願前に、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2000-349167号公報(以下「引用文献4」という。)には、次の記載がある。

「【0021】そして図6(b)の工程では、ポリシリコン膜2の上に厚さ約30nmのSiN膜3が形成されたのち、フォトリソグラフィーにてパターニングされ、pチャネルMOSトランジスタのゲート電極2Aと、nチャネルMOSトランジスタのゲート電極2Bとが形成される。・・・
【0029】図8(f)の工程では、図7(e)の構造上に層間絶縁膜としてSiO2 膜10がプラズマCVD法により成膜され、化学機械研磨(CMP)によって層間絶縁膜が平坦化される。図8(g)の工程では、図8(f)の構造におけるSiO2 膜10中に、フォトリソグラフィーによってp+ 型拡散領域8あるいはn+ 型拡散領域9を露出するよう、コンタクトホール10A~10Dが開孔される。
加することとなる。
・・・
【0038】以上より、本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法によれば、サイドウオール絶縁膜材料として下地依存性の大きい常圧O3-TEOSや低減圧O3-TEOSを用いることにより、例えばp型とn型のように種類の異なるトランジスタにおいて、厚さの異なるサイドウオール絶縁膜を一工程で形成することができる。
[実施の形態2]本発明の実施の形態2に係る半導体装置は、上記実施の形態1に係る半導体装置と同様な構成を有し、かつ、同様な方法により製造されるものであるが、ゲート電極の構造が相違するものである。
・・・
【0040】図15は、SAC(Self Align Contact)構造を有する本実施の形態2に係る半導体装置の構造を示す図である。ただし、図15中先に説明した部分に対応する部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。図15を参照すると、本実施の形態2に係る半導体装置では、SiNサイドウオール絶縁膜63が、コンタクトホール10A~10Dの形成時にエッチングストッパとして作用し、その結果コンタクトホール10A~10Dの底部には、SiNサイドウオール絶縁膜63により画成された微細な自己整合コンタクトホールが形成される。」

図8、15は、以下のとおりのものである。

[図:0001394911000009.jpg]

[図:0001394911000010.jpg]

オ 引用文献5

(ア)本願の出願前に、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開平11-204659号公報(以下「引用文献5」という。)には、次の記載がある。

「【0011】図2は、本実施形態に係るpMOS負荷形のSRAMセルの概略平面図である。この図2では、簡略化のためビット線等の上層配線層は省略されている。また、図3は図2のA-A’線に沿った断面構造図、図4は本実施形態におけるポリサイド電極の積層構造を示す図である。
【0012】図3の断面図において、符号2は例えばp型シリコンウェーハ等の半導体基板、4はn型のウェル(nウェル)、6はp型のウェル(pウェル)を示す。pウェル6の表面側には、例えばLOCOS等の素子分離層8が形成され、素子分離層8周囲のpウェル6内表面には、n型の不純物が高濃度に導入されたn+ 不純物拡散領域10aとp型不純物が高濃度に導入されたp+ 不純物拡散領域10bが形成されている。素子分離層8および不純物拡散領域10a,10b上には、ポリサイド電極9(9a~9b)が所定パターンで形成されている。
【0013】このポリサイド電極9は、図4にも拡大して示すように、不純物拡散領域10a,10b等上のゲート絶縁膜12,多結晶シリコン層14,不純物拡散阻止膜16,シリサイド層18を順に積層した構成を有し、更にシリサイド層18上にオフセット絶縁膜20が積層されている。不純物拡散阻止膜16は、本発明で新たに設けられた層であり、本実施形態では、窒化タングステンWNx から構成されている。不純物拡散阻止膜16は、下層の多結晶シリコン層14に導入されたp型又はn型の不純物が、低抵抗化のために設けられ本発明の“低抵抗層”に該当する上層のシリサイド層18内に拡散しないように阻止する膜である。その膜厚に限定はないが、不純物拡散の阻止を有効に行うためには、例えば5nm程度は必要である。
【0014】図3に示すように、ポリサイド電極9(9a~9c)上の全面に、比較的に薄い第1の層間絶縁膜22と、比較的に厚く成膜され表面が平坦化された第2の層間絶縁膜24とが成膜されている。この第1及び第2の層間絶縁膜22,24は、エッチング選択比がとれる材料、例えば第2の層間絶縁膜24が酸化シリコン系の材料からなる場合、第1の層間絶縁膜22は窒化シリコン等から構成されている。
・・・
【0016】また、これらポリサイド電極9a~9cと素子分離層8に囲まれた不純物拡散領域10a,10b上に、自己整合コンタクトSAC1~SAC8が設けられている。この自己整合コンタクトSAC1~SAC8は、図3の断面図にSAC1及びSAC7で代表して示すように、第1及び第2の層間絶縁膜22,24に所定の不純物拡散領域10a又は10bに達するコンタクト孔が開孔され、そのコンタクト孔に、例えばTi/TiN等の薄いバリアメタル26を介してタングステン(W)等の高融点金属材料からなる金属プラグ28を埋め込むことによって形成されている。先に述べたように第1及び第2の層間絶縁膜22,24はエッチング選択比が大きいことから、第2の層間絶縁膜24のコンタクト孔開孔時には第1の層間絶縁膜22は殆どエッチングされない。続いて行う第1の層間絶縁膜22を開孔を異方性の強い条件でエッチングすると、ポリサイド電極9a~9cの側壁に接する第1の層間絶縁膜部分は殆どエッチングされずに残すことができ、この結果、このコンタクト孔の少なくとも不純物拡散領域10a又は10bに接する部分が自己整合的に形成される。」

図1~3は、以下のとおりのものである。

[図:0001394911000011.jpg]

[図:0001394911000012.jpg]

[図:0001394911000013.jpg]

カ 引用文献6

(ア)同じく原査定に引用され、本願の出願前に、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2010-56275号公報(以下「引用文献6」という。)には、次の記載がある。

「【0031】
次に、ゲート電極6A,6Bを含むシリコン基板1の上側全面に、酸化防止絶縁膜13(カバー膜)としてプラズマCVD法で酸窒化シリコン(SiON)膜を厚さ約200nmに形成する。さらに、TEOS(tetra ethoxy silane)ガスを使用するプラズマCVD法により、酸化防止絶縁膜13の上に第1層間絶縁膜14として酸化シリコン(SiO2)膜を厚さ約1000nmに形成する。なお、TEOSを用いてプラズマCVD法によって形成されるSiO2膜を以下においてTEOS膜という。
そして、第1層間絶縁膜14の表面を化学的機械研磨 (CMP:Chemical Mechanical Polishing)法で研磨して平坦化させ、シリコン基板1の表面から第1層間絶縁膜14の表面までの膜厚を所定値、例えば、約700nmに調整する。
【0032】
次に、図1Bに示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、酸化防止絶縁膜13と第1層間絶縁膜14とをフォトリソグラフィ法によってパターニングして、コンタクトホール15A,15B,15Cを形成する。コンタクトホール15A~15Cの深さはソース/ドレイン領域11A,11Bのそれぞれの高融点金属シリサイド層12a、12bに到達するまでとし、その径は例えば0.25μmにする。
【0033】
そして、コンタクトホール15A~15Cを用いてソース/ドレイン領域11A,11Bに電気的に接続される導電性プラグ16A,16B,16Cを形成する。具体的には、コンタクトホール15A~15Cの内面に厚さが30nmのチタン(Ti)膜と、厚さが20nmの窒化チタン(TiN)膜とを順番にスパッタ法等により形成し、2層の積層構造を有する密着膜(グルー膜)17Aを作製する。さらに、密着膜17A上にタングステン(W)膜17BをCVD法により成長させる。この膜厚は、第1層間絶縁膜14上で、例えば300nmとし、W膜17Bでコンタクトホール15A~15Cの空隙を埋める。第1層間絶縁膜14の上面上に成長した余分なW膜17B及び密着膜17BをCMP法で除去する。これにより、コンタクトホール15A~15Cには、それぞれ導電性プラグ16A,16B,16Cが形成される。」

(3)引用発明との対比

ア 本件補正発明と引用発明とを対比する。

(ア)引用発明において、「主面を有する半導体基板1Sを用意」するところ、「主面」、「半導体基板1S」は、それぞれ本件補正発明の「第1面」、「半導体基板」に相当するから、引用発明の「主面を有する半導体基板1Sを用意し」は、本件補正発明の「第1面を有する半導体基板を準備する工程」に相当する。

(イ)引用発明は、「半導体基板1S上にゲート絶縁膜GOXを形成し、ゲート絶縁膜GOX上にポリシリコン膜PF1aを形成し、ポリシリコン膜PF1aを加工して、nチャネル型MISFET形成領域にゲート電極G1を形成し、pチャネル型MISFET形成領域にゲート電極G2を形成し、その後、半導体基板1Sの主面上に形成された窒化シリコン膜SN1aを異方性エッチングすることにより、ゲート電極G1の側壁およびゲート電極G2の側壁にサイドウォールSWを形成することと」、「その後、半導体基板1S上にニッケル膜を形成し、熱処理を施すことにより、ニッケルシリサイド膜CSを形成し、未反応のニッケル膜を、半導体基板1S上から除去すること」とを備えるものであるところ、引用発明における、「サイドウォールSW」が形成され、「未反応のニッケル膜」が除去された「ゲート電極G1、G2」は、本件補正発明の「第1段差部」に相当する。

したがって、本件補正発明と引用発明とは、「前記第1面上に第1段差部を形成する工程」を備える点で一致する。

(ウ)引用発明において、「次に、ゲート電極G1およびゲート電極G2を覆う半導体基板1Sの主面上に、窒化シリコン膜SN2を形成し、窒化シリコン膜SN2上に、酸化シリコン膜からなる層間絶縁膜IL1を形成する」ところ、引用発明の「窒化シリコン膜SN2」、「層間絶縁膜IL1」は、それぞれ本件補正発明の「第1被覆膜」、「第2被覆膜」に相当するから、本件補正発明と引用発明とは、「前記第1段差部を覆うように第1被覆膜を形成する工程」と、「前記第1被覆膜上に第2被覆膜を形成する工程」とを備える点で一致する。

(エ)引用発明において、「続いて、層間絶縁膜IL1および窒化シリコン膜SN2を貫通して半導体基板1Sに達するコンタクトホールCNTを形成する」ところ、引用発明の「コンタクトホールCNT」は、本件補正発明の「コンタクトホール」に相当するから、引用発明における「コンタクトホールCNT」を形成後の「窒化シリコン膜SN2」は、本件補正発明の「第1バリア膜」に対応し、両者は「第1被覆部」である点で共通し、また、引用発明における「コンタクトホールCNT」を形成後の「層間絶縁膜IL1」は、本件補正発明の「第1絶縁膜」に相当する。

したがって、本件補正発明と引用発明とは、「前記第1被覆膜および前記第2被覆膜に前記第1面に達するコンタクトホールを形成することにより、第1被覆部および第1絶縁膜を形成する工程」を備え、「前記第2被覆膜から前記第1絶縁膜が形成され」る点で共通する。

(オ)引用発明において、「次に、コンタクトホールCNTの底面および内壁を含む層間絶縁膜IL1上に、バリア性を有するチタン/窒化チタン膜を形成する」ところ、「バリア性を有するチタン/窒化チタン膜」は、本件補正発明の「第2バリア膜」に相当するから、本件補正発明と引用発明とは、「前記コンタクトホールの表面及び前記第1絶縁膜の上面を覆うように第2バリア膜を形成する工程」を備える点で一致する。

(カ)引用発明において、「続いて、コンタクトホールCNTを埋め込むように、半導体基板1Sの主面の全面にタングステン膜をCVD法を使用して形成し、層間絶縁膜IL1上に形成された不要なチタン/窒化チタン膜およびタングステン膜を除去することにより、プラグPLGを形成する」ところ、引用発明における「タングステン」、「タングステン膜」から形成された「プラグPLG」は、それぞれ本件補正発明における「高融点金属を含む材料」、「コンタクト部」に相当する。

したがって、本件補正発明と引用発明とは、「前記コンタクトホール内において前記第2バリア膜上に高融点金属を含む材料をCVD法により成膜してコンタクト部を形成する工程」を備える点で一致する。

(キ)引用発明において、「層間絶縁膜IL1の半導体基板1Sの主面に対する高さは、ゲート電極G1、G2の前記主面に対する高さよりも高くされ」るから、本件補正発明と引用発明とは、「前記第2被覆膜の前記第1面に対する高さは、前記第1段差部の前記第1面に対する高さよりも高くされ」る点で一致する。

(ク)引用発明は、「層間絶縁膜IL1および窒化シリコン膜SN2を貫通して半導体基板1Sに達するコンタクトホールCNTを形成すること」を備え、「コンタクトホールCNTを形成する工程では、コンタクトホールが平面視においてゲート電極G1、G2及びサイドウォールSWと重ならない領域上に形成され」るところ、上記(エ)から、本件補正発明と引用発明とは、「前記第1被覆部および第1絶縁膜を形成する工程では、前記コンタクトホールが平面視において前記第1段差部と重ならない領域上に形成され」る点で共通する。

(ケ)更に、引用発明は、「窒化シリコン膜SN2は、コンタクトホールCNTの側面の底部において露出する部分Aとゲート電極G1、G2に形成されたサイドウォールSWの側面の底部に面している部分Bとを含」むものであるところ、引用発明の「部分A」、「部分B」は、それぞれ本件補正発明の「前記第1被覆膜から前記コンタクトホールの側面の底部において露出する第1部」、「前記第1段差部の側面の底部に面している第2部」に相当する。

したがって、本件補正発明と引用発明とは、「前記第1被覆部および第1絶縁膜を形成する工程では」、「前記第1被覆膜から前記コンタクトホールの側面の底部において露出する第1部と前記第1段差部の側面の底部に面している第2部とを含む前記第1被覆部が形成され」る点で共通する。

(コ)引用発明において、「チタン/窒化チタン膜を形成する工程では、チタン/窒化チタン膜は、前記部分Aと接するように形成される」から、上記(オ)、(ケ)から、本件補正発明と引用発明とは、「前記第2バリア膜を形成する工程では、前記第2バリア膜が、前記第1部と接」するように「形成される」で一致する。

(サ)上記(ア)~(コ)より、本件補正発明と引用発明とは、以下の点で一致し相違する。

<一致点>

「第1面を有する半導体基板を準備する工程と、
前記第1面上に第1段差部を形成する工程と、
前記第1段差部を覆うように第1被覆膜を形成する工程と、
前記第1被覆膜上に第2被覆膜を形成する工程と、
続きを表示(全13行)
前記第1被覆膜および前記第2被覆膜に前記第1面に達するコンタクトホールを形成することにより、第1被覆部および第1絶縁膜を形成する工程と、
前記コンタクトホールの表面及び前記第1絶縁膜の上面を覆うように第2バリア膜を形成する工程と、
前記コンタクトホール内において前記第2バリア膜上に高融点金属を含む材料をCVD法により成膜してコンタクト部を形成する工程とを備え、
前記第2被覆膜の前記第1面に対する高さは、前記第1段差部の前記第1面に対する高さよりも高くされ、
第1被覆部および第1絶縁膜を形成する工程では、
前記コンタクトホールが平面視において前記第1段差部と重ならない領域上に形成され、
前記第1被覆膜から前記コンタクトホールの側面の底部において露出する第1部と前記第1段差部の側面の底部に面している第2部とを含む第1被覆部が形成され、かつ、
前記第2被覆膜から前記第1絶縁膜が形成され、
前記第2バリア膜を形成する工程では、前記第2バリア膜が、前記第1部と接するように形成される、半導体装置の製造方法。」

<相違点>

<相違点1>

「前記第1被覆膜および前記第2被覆膜」に「コンタクトホールを形成することにより、形成する」ものが、本件補正発明では、「第1バリア膜および第1絶縁膜」であるのに対し、引用発明では、コンタクトホールCNTを形成後の「窒化シリコン膜SN2」および「層間絶縁膜IL1」について、「窒化シリコン膜SN2」がバリア膜であるとの特定はなされていない点。

<相違点2>

第1バリア膜および第1絶縁膜を形成する工程について、本件補正発明では、「前記第1面に沿った方向における前記第1部と前記第2部との間の距離が前記第1面に垂直な方向における前記第1バリア膜の厚み以下である前記第1バリア膜」が形成されるのに対し、引用発明では、コンタクトホールCNTを形成後に、「主面」に沿った方向における窒化膜SN2の「コンタクトホールCNTの側面の底部において露出する部分A」と「ゲート電極G1、G2に形成されたサイドウォールSWの側面の底部に面している部分B」との間の距離は、「主面」に垂直な方向における窒化シリコン膜SN2の厚み以下ではない点。

<相違点3>

第2バリア膜を形成する工程について、本件補正発明では、第2バリア膜が、「前記第1バリア膜の厚みが前記第2バリア膜の厚み以上となるように形成される」のに対し、引用発明では、チタン/窒化チタン膜を形成する工程で、窒化シリコン膜SN2の厚みがチタン/窒化チタン膜の厚み以上となるように、チタン/窒化チタン膜が形成されるとの特定はなされていない点。

(4)判断

以下、相違点について検討する。

ア 相違点1について

本願の明細書の段落【0020】には、「第1バリア膜3を構成する材料は、コンタクト部6を形成する工程において使用されるプロセスガスによるエッチングレートが第2絶縁膜22を構成する材料と比べて遅い材料であればよいが、例えば窒化ケイ素(Si3N4)を含む。」と、同【0035】には、「次に、コンタクトホール3H,4H内において第2バリア膜5上にコンタクト部6が形成される。コンタクト部6は、CVD法により成膜される。コンタクト部6を構成する材料がWを含む場合、プロセスガスとして例えば六フッ化タングステン(WF6)およびシラン(SiH4)が用いられる。」と記載されている。

引用発明において、「窒化シリコン膜SN2」及び「プラグPLG」を形成する「タングステン膜」は、いずれも本願の明細書に記載の「第1バリア膜3」、及び「コンタクト部6」と同じ材料からなる膜であるし、例えば、引用文献2に記載されているように、タングステン(W)からなる金属プラグを形成する際に、SiNからなるシール膜は、フッ素を含む原料ガスによる腐食を防止する機能を有することは周知の技術事項であるから、引用発明において、コンタクトホールCNT形成後の「窒化シリコン膜2」は、本件補正発明の「第1バリア膜」に相当するといえる。

したがって、相違点1は、実質的なものではない。

イ 相違点2について

(ア)引用発明は、「ゲート電極G1の側壁およびゲート電極G2の側壁にサイドウォールSWを形成すること」と、「次に、ゲート電極G1およびゲート電極G2を覆う半導体基板1Sの主面上に、窒化シリコン膜SN2を形成し、窒化シリコン膜SN2上に、酸化シリコン膜からなる層間絶縁膜IL1を形成することと、続いて、層間絶縁膜IL1および窒化シリコン膜SN2を貫通して半導体基板1Sに達するコンタクトホールCNTを形成することと」を備える半導体装置の製造方法であるところ、引用文献1の段落【0047】には、窒化シリコン膜SN2は、エッチングストッパ膜として機能しており、いわゆるSAC(Self Align Contact)技術を実現する機能を有するものである旨が記載されている。

(イ)一方、主面上にゲート電極(及びサイドウォール)が形成された半導体基板上に、窒化シリコン膜を形成し、窒化シリコン膜上に、酸化シリコン膜からなる層間絶縁膜を形成し、層間絶縁膜及び窒化シリコン膜を貫通して半導体基板に達するコンタクトホールを、SAC(自己整合コンタクト)技術を利用して形成する、半導体装置の製造方法において、コンタクトホールを、平面視において、窒化シリコン膜がゲート電極(及びサイドウォール)から半導体基板上に延在する部分(窒化シリコン膜のひさし部分)に残らないように形成することは、引用文献3~5に記載されているように周知技術である。

(ウ)上記(ア)から、引用発明は、主面上にゲート電極G1およびG2並びにサイドウォールSWが形成された半導体基板1S上に、窒化シリコン膜SN2を形成し、窒化シリコン膜SN2上に、酸化シリコン膜からなる層間絶縁膜IL1を形成し、層間絶縁膜IL1及び窒化シリコン膜SN2を貫通して半導体基板1Sに達するコンタクトホールCNTを、SAC(自己整合コンタクト)技術を利用して形成する、半導体装置の製造方法であるといえるから、微細化という周知の技術課題に対して、引用文献3~5に記載された前記周知技術に基づき、「窒化シリコン膜SN2を形成し、窒化シリコン膜SN2上に、酸化シリコン膜からなる層間絶縁膜IL1を形成する」工程において、例えば、コンタクトホールCNTのゲート電極側の側壁を、サイドウォールSW側に近づけてシリコン窒化膜SN2に接するようにすることで、窒化シリコン膜SN2からコンタクトホールCNTの側面の底部において露出する部分と、ゲート電極G1およびG2並びにサイドウォールSWの側面の底部に面している部分との距離が、前記主面に垂直な方向における窒化シリコン膜SN2の厚み以下である窒化シリコン膜が形成されるものとすることは、当業者であれば適宜なし得たことである。

(エ)したがって、引用発明において、引用文献3~5に記載された周知技術に基づき、相違点2に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。

ウ 相違点3について

引用発明において、「窒化シリコン膜SN2」の厚みと「バリア性を有するチタン/窒化チタン膜」の厚みは、それぞれ適宜設定し得た事項にすぎない。

そして、引用発明において、「窒化シリコン膜SN2」は、上記イ(ア)で検討したように、SAC技術におけるエッチングストッパ膜として機能するものであるから、その厚みはエッチングストッパ膜として機能するように設定し、「バリア性を有するチタン/窒化チタン膜」の厚みは、バリア膜として機能する程度に薄く設定するものであり、例えば、引用文献5の段落【0016】にも、「そのコンタクト孔に、例えばTi/TiN等の薄いバリアメタル26を介してタングステン(W)等の高融点金属材料からなる金属プラグ28を埋め込むことによって形成されている。」と記載されている。

更に、例えば、引用文献6には、ゲート電極6A,6Bを含むシリコン基板1の上側全面に、カバー膜13として、厚さ約200nmの酸窒化シリコン(SiON)膜を形成し、その上に第1層間絶縁膜14を形成し、次に、コンタクトホール15A、15B、15Cを形成し、コンタクトホール15A~15Cの内面に厚さが30nmのチタン(Ti)膜と、厚さが20nmの窒化チタン(TiN)膜とを順番に形成し、その上にタングステン(W)膜を成長させ、導電性プラグ16A、16B、16Cを形成する旨が記載されているように、チタン/窒化チタン膜を形成する工程で、カバー膜13の厚み(約200nm)がチタン/窒化チタン膜の厚み(50nm)以上となるように形成されることが記載されている。

したがって、引用発明において、引用文献5、6に記載された技術に基づき、チタン/窒化チタン膜を形成する工程で、窒化シリコン膜SN2の厚みがチタン/窒化チタン膜の厚み以上となるように、チタン/窒化チタン膜が形成されるものとすることで、相違点3に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者であれば適宜なし得たことである。

エ そして、これらの相違点を総合的に勘案しても、本件補正発明の奏する作用効果は、引用発明及び引用文献2~6に記載された技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。

オ したがって、本件補正発明は、引用発明並びに引用文献2に記載された周知の技術事項、引用文献3~5に記載された周知技術、及び引用文献5、6に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

3 本件補正についてのむすび

よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明について

1 本願発明

令和4年3月29日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、令和3年7月12日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~9に記載された事項により特定されるものであるところ、そのうちの請求項7に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項7に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定の拒絶の理由は、本願の請求項1~3、7~9に係る発明は、下記の引用例1に記載された発明及び下記の引用例2、4に記載された周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、本願の請求項4~6に係る発明は、引用例1に記載された発明及び下記の引用例2~4に記載された周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない、また、本願の請求項1~6に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものでないから、本願は、特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない、というものである。

引用例1:特開2010-212589号公報(上記引用文献1)
引用例2:特開2012-599958号公報(周知技術を示す文献。上記引用文献2)
引用例3:特開2001-338925号公報(周知技術を示す文献)
引用例4:特開2010-56275号公報(周知技術を示す文献。上記引用文献6)

3 引用文献

原査定の拒絶の理由で引用された引用例1~4のうち、引用例1、2、4の記載事項は、前記第2の[理由]2(2)に記載したとおりである。

4 対比・判断

本願発明は、前記第2の[理由]2で検討した本件補正発明から、「第2バリア膜を形成する工程」について、「及び第1絶縁膜の上面」を覆うようにとの限定事項を削除したものである。

そうすると、本件補正発明が、前記第2の[理由]2(3)、(4)に記載したとおり、引用発明並びに引用文献2に記載された周知の技術事項、引用文献3~5に記載された周知技術、及び引用文献5、6に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、引用発明並びに引用文献2に記載された周知の技術事項、引用文献3~5に記載された周知技術、及び引用文献5、6に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

第4 むすび

以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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2022-004571

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