審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
特許異議申立

2021-700597

眼科装置及びその作動方法

審判番号
2021-700597
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2017-021527外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
登録番号
6804321
請求日
2021年06月23日
審決日
2022年03月30日
公報発行日
2022年07月29日
結論
訂正認容
当事者
審判長/審判官
分類
P1652.113-YAA(A61B) / P1652.121-YAA(A61B)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法120条の8第1項特許法135条
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第126条第5項、特許法第113条第2号、特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項、特許法第36条第4項第1号、特許法第29条第1項、特許法第120条の8第1項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第6804321号発明「眼科装置及びその作動方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論
特許第6804321号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-2〕、〔3-11、13-18〕、12について訂正することを認める。
特許第6804321号の請求項4ないし6、10、12、13及び18に係る特許を維持する。
特許第6804321号の請求項1及び2に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。

理由

目次 ▾ 18項目
理 由

第1 手続の経緯

折りたたみ中(クリックで表示)

特許第6804321号の請求項1ないし12に係る特許についての出願は、平成29年2月8日に出願され、令和2年12月4日にその特許権の設定登録がされ、同月23日に特許掲載公報が発行された。本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。

令和3年 6月23日 :特許異議申立人 柴田 隆史(以下「申立人」

という。)による請求項1、2、4ないし6、

10及び12に係る特許に対する特許異議の

申立て

同年 9月13日付け:取消理由通知

同年11月15日 :特許権者による意見書の提出及び訂正の請求

(以下この請求を「本件訂正請求」といい、

それによる訂正を「本件訂正」という。)

なお、特許権者が令和3年11月15日にした訂正の請求に対して申立人に意見書を提出する機会を与えたが、申立人から意見書は提出されなかった。

第2 申立人が主張する取消理由

1 申立人は、甲第1号証ないし甲第4号証を提出し、本件特許の請求項1、2、4ないし6、10及び12に係る特許に対して、以下の取消理由を主張する。

(1)本件特許の請求項1、2、6及び12に係る発明は、甲第1号証に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、その特許は同項の規定に違反してされたものである。

したがって、請求項1、2、6及び12に係る特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。

(2)本件特許の請求項1、2、6及び12に係る発明は、甲第1号証に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、その特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

したがって、請求項1、2、6及び12に係る特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。

(3)本件特許の請求項1、2、6、10及び12に係る発明は、甲第2号証に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、その特許は同項の規定に違反してされたものである。

したがって、請求項1、2、6、10及び12に係る特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。

(4)本件特許の請求項1、2、4ないし6、10及び12に係る発明は、甲第2号証に記載された発明に基づいて、その出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、その特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

したがって、請求項1、2、4ないし6、10及び12に係る特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。

(5)本件特許の請求項1、2、6及び12に係る発明は、甲第3号証に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、その特許は同項の規定に違反してされたものである。

したがって、請求項1、2、6及び12に係る特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。

(6)本件特許の請求項1、2、6及び12に係る発明は、甲第3号証に記載された発明に基づいて、その出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、その特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

したがって、請求項1、2、6及び12に係る特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。

(7)本件特許の請求項1、2、6及び12に係る発明は、甲第4号証に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、その特許は同項の規定に違反してされたものである。

したがって、請求項1、2、6及び12に係る特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。

(8)本件特許の請求項1、2、6及び12に係る発明は、甲第4号証に記載された発明に基づいて、その出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、その特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

したがって、請求項1、2、6及び12に係る特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。

2 申立人が提出した証拠方法

甲第1号証:特開平1-242028号公報(以下「甲1」という。)
甲第2号証:特開2015-167683号公報(以下「甲2」という。)
甲第3号証:特開2005-224430号公報(以下「甲3」という。)
甲第4号証:特開平3-222939号公報(以下「甲4」という。)

第3 訂正の適否

1 請求項1ないし11及び13ないし18に係る訂正

(1)訂正の内容

ア 本件訂正のうち、請求項1ないし11及び13ないし18に係る訂正は、訂正前の請求項1ないし11に対する訂正であり、請求人(特許権者)は、請求項3ないし11及び13ないし18については、当該請求項について訂正が認められる場合には、一群の請求項の他の請求項とは別途訂正をすることを求めている。訂正の具体的内容は、以下の訂正事項1ないし14のとおりである。なお、下線は訂正箇所を示す(訂正事項に係る記載において以下同様。)。

(訂正事項1)

特許請求の範囲の請求項1~2を削除する。

(訂正事項2)

訂正前の請求項3が請求項1~2を引用する記載であるところ、請求項1~2を引用しないものとした上で、「被検眼の眼特性の取得動作を行う装置本体と、前記取得動作に含まれる複数の動作段階と、前記複数の動作段階にそれぞれ対応した前記装置本体の動作制御と、の対応関係を取得する対応関係取得部と、前記動作制御の開始操作であって且つ前記複数の動作段階で共通の前記開始操作を検出する操作検出部と、前記操作検出部で前記開始操作が検出された場合に前記複数の動作段階の中から現在の動作段階を判別し、前記対応関係取得部が取得した前記対応関係を参照して、前記現在の動作段階に対応した前記動作制御を決定する決定部と、前記決定部が決定した前記動作制御に従って前記装置本体を動作させる制御部と、を備え、前記装置本体は、ベースと、前記眼特性を取得する眼特性取得部と、前記ベースに設けられ、前記ベースに対して前記眼特性取得部を予め定めた軸方向に移動させる駆動部と、を備え、前記複数の動作段階には、前記装置本体による前記被検眼の前記眼特性の取得の開始前の第1動作段階が含まれ、前記対応関係には、前記第1動作段階に対応した前記動作制御として、前記駆動部の駆動を制御して前記被検眼に対する前記眼特性取得部のアライメントを開始するアライメント開始制御と、前記駆動部の駆動を制御して前記眼特性取得部による前記眼特性の取得の対象の前記被検眼を左右眼の一方から他方に切り替える左右切替移動制御と、が記憶されている眼科装置。」に訂正する。(請求項3の記載を直接的又は間接的に引用する請求項6、10、13~18も同様に訂正する。)

(訂正事項3)

訂正前の請求項4が請求項1~3を引用する記載であるところ、請求項1~3を引用しないものとした上で、「被検眼の眼特性の取得動作を行う装置本体と、前記取得動作に含まれる複数の動作段階と、前記複数の動作段階にそれぞれ対応した前記装置本体の動作制御と、の対応関係を取得する対応関係取得部と、前記動作制御の開始操作であって且つ前記複数の動作段階で共通の前記開始操作を検出する操作検出部と、前記操作検出部で前記開始操作が検出された場合に前記複数の動作段階の中から現在の動作段階を判別し、前記対応関係取得部が取得した前記対応関係を参照して、前記現在の動作段階に対応した前記動作制御を決定する決定部と、前記決定部が決定した前記動作制御に従って前記装置本体を動作させる制御部と、を備え、前記裝置本体は、ベースと、前記眼特性を取得する眼特性取得部と、前記ベースに設けられ、前記ベースに対して前記眼特性取得部を予め定めた軸方向に移動させる駆動部と、を備え、前記複数の動作段階には、前記駆動部が前記眼特性取得部を前記被検眼に向かう方向に移動させている第2動作段階が含まれ、前記対応関係には、前記第2動作段階に対応した前記動作制御として、前記駆動部の駆動を制御して前記眼特性取得部を前記被検眼から遠ざかる方向に移動させてから停止させる第1停止制御が記憶されている眼科装置。」に訂正する。(請求項4の記載を直接的又は間接的に引用する請求項6、10、13~18も同様に訂正する。)

(訂正事項4)

訂正前の請求項5が請求項1~4を引用する記載であるところ、請求項1~4を引用しないものとした上で、「被検眼の眼特性の取得動作を行う装置本体と、前記取得動作に含まれる複数の動作段階と、前記複数の動作段階にそれぞれ対応した前記装置本体の動作制御と、の対応関係を取得する対応関係取得部と、前記動作制御の開始操作であって且つ前記複数の動作段階で共通の前記開始操作を検出する操作検出部と、前記操作検出部で前記開始操作が検出された場合に前記複数の動作段階の中から現在の動作段階を判別し、前記対応関係取得部が取得した前記対応関係を参照して、前記現在の動作段階に対応した前記動作制御を決定する決定部と、前記決定部が決定した前記動作制御に従って前記装置本体を動作させる制御部と、を備え、前記裝置本体は、ベースと、前記眼特性を取得する眼特性取得部と、前記ベースに設けられ、前記ベースに対して前記眼特性取得部を予め定めた軸方向に移動させる駆動部と、を備え、前記複数の動作段階には、前記駆動部が前記眼特性取得部を前記被検眼に向かう方向とは異なる方向に移動させている第3動作段階が含まれ、前記対応関係には、前記第3動作段階に対応した前記動作制御として、前記駆動部の駆動を制御して前記眼特性取得部の移動を停止する第2停止制御が記憶されている眼科装置。」に訂正する。(請求項5の記載を直接的又は間接的に引用する請求項6、10、13~18も同様に訂正する。)

(訂正事項5)

訂正前の請求項1~5を引用する請求項6を、「前記装置本体は、前記被検眼の前記眼特性の取得結果を出力する出力部を有し、前記複数の動作段階には、前記装置本体による前記被検眼の前記眼特性の取得が完了した後の第4動作段階が含まれ、前記対応関係には、前記第4動作段階に対応した前記動作制御として、前記出力部に前記取得結果の出力を実行させる出力実行制御が記憶されている請求項3から5のいずれか1項に記載の眼科装置。」に訂正する。(請求項6の記載を引用する請求項10、13~18も同様に訂正する。)

(訂正事項6)

訂正前の請求項7が請求項1~6を引用する記載であるところ、請求項1~6を引用しないものとした上で、「被検眼の眼特性の取得動作を行う装置本体と、前記取得動作に含まれる複数の動作段階と、前記複数の動作段階にそれぞれ対応した前記装置本体の動作制御と、の対応関係を取得する対応関係取得部と、前記動作制御の開始操作であって且つ前記複数の動作段階で共通の前記開始操作を検出する操作検出部と、前記操作検出部で前記開始操作が検出された場合に前記複数の動作段階の中から現在の動作段階を判別し、前記対応関係取得部が取得した前記対応関係を参照して、前記現在の動作段階に対応した前記動作制御を決定する決定部と、前記決定部が決定した前記動作制御に従って前記装置本体を動作させる制御部と、を備え、前記装置本体は、ベースと、前記眼特性を取得する眼特性取得部と、前記ベースに設けられ、前記ベースに対して前記眼特性取得部を予め定めた軸方向に移動させる駆動部と、を備え、前記操作検出部は、前記開始操作として、前記眼特性取得部及び前記駆動部の少なくとも一方を前記軸方向に押し操作又は引き操作する押し引き操作を検出し、前記決定部は、前記操作検出部による前記押し引き操作の検出結果に基づき、前記現在の動作段階に対応した前記動作制御を決定する眼科装置。」に訂正する。(請求項7の記載を直接的又は間接的に引用する請求項8、9、13、18についても同様に訂正する。)

(訂正事項7)

訂正前の請求項1~6を引用する請求項10を、「前記操作検出部は、前記開始操作として、操作者による接触操作を検出する接触センサである請求項3から6のいずれか1項に記載の眼科装置。」に訂正する。(請求項10の記載を直接的又は間接的に引用する請求項13、18についても同様に訂正する。)

(訂正事項8)

訂正前の請求項11が請求項1~6を引用する記載であるところ、請求項1から請求項6を引用しないものとした上で、「被検眼の眼特性の取得動作を行う装置本体と、前記取得動作に含まれる複数の動作段階と、前記複数の動作段階にそれぞれ対応した前記装置本体の動作制御と、の対応関係を取得する対応関係取得部と、前記動作制御の開始操作であって且つ前記複数の動作段階で共通の前記開始操作を検出する操作検出部と、前記操作検出部で前記開始操作が検出された場合に前記複数の動作段階の中から現在の動作段階を判別し、前記対応関係取得部が取得した前記対応関係を参照して、前記現在の動作段階に対応した前記動作制御を決定する決定部と、前記決定部が決定した前記動作制御に従って前記装置本体を動作させる制御部と、を備え、前記操作検出部は、前記開始操作として、操作者の予め定めた動作を検出するモーションセンサである眼科装置。」に訂正する。(請求項11の記載を直接的又は間接的に引用する請求項13、18についても同様に訂正する。)

(訂正事項9)

訂正前の請求項7~11に引用される請求項6を、「前記装置本体は、前記被検眼の前記眼特性の取得結果を出力する出力部を有し、前記複数の動作段階には、前記装置本体による前記被検眼の前記眼特性の取得が完了した後の第4動作段階が含まれ、前記対応関係には、前記第4動作段階に対応した前記動作制御として、前記出力部に前記取得結果の出力を実行させる出力実行制御が記憶されている請求項7から11のいずれか1項に記載の眼科装置。」と記載し、新たに請求項13とする。(請求項13の記載を引用する請求項18についても同様に訂正する。)

(訂正事項10)

訂正前の請求項3~6を引用する請求項7を、「前記装置本体は、ベースと、前記眼特性を取得する眼特性取得部と、前記ベースに設けられ、前記ベースに対して前記眼特性取得部を予め定めた軸方向に移動させる駆動部と、を備え、前記操作検出部は、前記開始操作として、前記眼特性取得部及び前記駆動部の少なくとも一方を前記軸方向に押し操作又は引き操作する押し引き操作を検出し、前記決定部は、前記操作検出部による前記押し引き操作の検出結果に基づき、前記現在の動作段階に対応した前記動作制御を決定する請求項3から6のいずれか1項に記載の眼科装置。」と記載し、新たに請求項14とする。(請求項14の記載を引用する請求項15、16、18についても同様に訂正する。)

(訂正事項11)

訂正前の請求項7を引用する請求項8を、「前記操作検出部は、前記押し引き操作の操作方向と、前記押し引き操作の圧力の大きさとを検出し、前記決定部は、前記操作検出部が検出した前記圧力の大きさが予め定めた閾値未満の場合に前記現在の動作段階に対応した前記動作制御の決定を行い、前記駆動部は、前記操作検出部が検出した前記圧力の大きさが前記閾値以上の場合に、前記眼特性取得部を当該圧力の大きさに応じた速度で前記押し引き操作の操作方向に向けて移動させる請求項14に記載の眼科装置。」と記載し、新たに請求項15とする。(請求項15の記載を引用する請求項16、18についても同様に訂正する。)

(訂正事項12)

訂正前の請求項7~8を引用する請求項9を、「前記駆動部は、前記眼特性取得部と一体に移動する第1係合部と、前記第1係合部に係合する第2係合部と、前記第2係合部を前記軸方向に沿って移動させる駆動源と、を備え、前記第1係合部及び前記第2係合部は、前記軸方向において互いに対向する対向面を有し、前記操作検出部は、前記第1係合部及び前記第2係合部の双方の前記対向面にそれぞれ接続された圧カセンサであって、且つ前記押し引き操作の操作方向に応じて前記双方の前記対向面の間で圧縮又は伸長される圧カセンサである請求項14又は15に記載の眼科装置。」と記載し、新たに請求項16とする。(請求項16の記載を引用する請求項18についても同様に訂正する。)

(訂正事項13)

訂正前の請求項3~6を引用する請求項11を、「前記操作検出部は、前記開始操作として、操作者の予め定めた動作を検出するモーションセンサである請求項3から6のいずれか1項に記載の眼科装置。」と記載し、新たに請求項17とする。(請求項17の記載を引用する請求項18についても同様に訂正する。)

(訂正事項14)

訂正前の請求項3から請求項11に引用される請求項2を、「前記対応関係には、前記複数の動作段階ごとに、前記動作制御の種類と、前記動作制御の種類に対して予め定められた前記開始操作の種類とが対応付けて記憶されており、前記決定部は、前記操作検出部で前記開始操作が検出された場合に、前記対応関係を参照して、前記現在の動作段階及び前記開始操作の種類の双方に対応した前記動作制御の種類を決定する請求項3から11、13から17のいずれか1項に記載の眼科装置。」と記載し、新たに請求項18とする。

イ 訂正の単位について

訂正前の請求項1ないし11について、請求項2ないし11はそれぞれ請求項1を直接又は間接的に引用しているものであって、訂正事項1によって削除される請求項1に連動して訂正されるものである。

そして、訂正後の請求項13ないし18は、訂正前の請求項3ないし11に対応している。

したがって、訂正事項1ないし14は、訂正前に引用関係を有する請求項1ないし11に対して請求されたものである。

よって、訂正事項1ないし14は、一群の請求項〔1-11、13-18〕に対して請求されている。

(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否

ア 訂正事項1について

訂正事項1は、特許請求の範囲の請求項1及び2を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、本件特許についての出願の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件特許明細書等」という。)のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

したがって、訂正事項1は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

イ 訂正事項2について

訂正事項2は、訂正前の請求項3が請求項1又は2の記載を引用する記載であるところ、請求項2を引用しないものとした上で、請求項1を引用するものについて請求項間の引用関係を解消して、独立形式請求項へ改めるものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものであり、本件特許明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

したがって、訂正事項2は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

ウ 訂正事項3について

訂正事項3は、訂正前の請求項4が請求項1から3のいずれか1項の記載を引用する記載であるところ、請求項2及び3を引用しないものとした上で、請求項1を引用するものについて請求項間の引用関係を解消して、独立形式請求項へ改めるものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものである。

また、請求項3を引用するものについては、訂正後のいずれの請求項にも含まれないから、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

そして、本件特許明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

したがって、訂正事項3は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

エ 訂正事項4について

訂正事項4は、訂正前の請求項5が請求項1から4のいずれか1項の記載を引用する記載であるところ、請求項2ないし4を引用しないものとした上で、請求項1を引用するものについて請求項間の引用関係を解消して、独立形式請求項へ改めるものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものである。

また、請求項3又は4を引用するものについては、訂正後のいずれの請求項にも含まれないから、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

そして、本件特許明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

したがって、訂正事項4は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

オ 訂正事項5について

訂正事項5は、訂正前の請求項6が請求項1から5のいずれか1項の記載を引用する記載であるところ、請求項1及び2を引用しないものとし、請求項3から5のいずれか1項の記載を引用する記載にするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、本件特許明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

したがって、訂正事項5は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

カ 訂正事項6について

訂正事項6は、訂正前の請求項7が請求項1から6のいずれか1項の記載を引用する記載であるところ、請求項2ないし6を引用しないものとした上で、請求項1を引用するものについて請求項間の引用関係を解消して、独立形式請求項へ改めるものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものであり、本件特許明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

したがって、訂正事項6は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

キ 訂正事項7について

訂正事項7は、訂正前の請求項10が請求項1から6のいずれか1項の記載を引用する記載であるところ、請求項1及び2を引用しないものとし、請求項3から6のいずれか1項の記載を引用する記載にするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、本件特許明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

したがって、訂正事項7は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

ク 訂正事項8について

訂正事項8は、訂正前の請求項11が請求項1から6のいずれか1項の記載を引用する記載であるところ、請求項2ないし6を引用しないものとした上で、請求項1を引用するものについて請求項間の引用関係を解消して、独立形式請求項へ改めるものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものであり、本件特許明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

したがって、訂正事項8は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

ケ 訂正事項9について

訂正事項9は、訂正前の請求項6を引用する請求項7ないし11について、請求項6が引用する請求項4が請求項3を引用する場合、及び、請求項6が引用する請求項5が請求項3又は4を引用する場合を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、本件特許明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

したがって、訂正事項9は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

コ 訂正事項10について

訂正事項10は、訂正前の請求項3ないし6を引用する請求項7について、直接又は間接的に引用する請求項4が請求項3を引用する場合、及び、直接又は間接的に引用する請求項5が請求項3又は4を引用する場合を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、本件特許明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

したがって、訂正事項10は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

サ 訂正事項11について

訂正事項11は、訂正前の請求項7を引用する請求項8について、引用する請求項7が、直接又は間接的に引用する請求項4が請求項3を引用する場合、及び、直接又は間接的に引用する請求項5が請求項3又は4を引用する場合を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、本件特許明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

したがって、訂正事項11は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

シ 訂正事項12について

訂正事項12は、訂正前の請求項7又は8を引用する請求項9について、直接又は間接的に引用する請求項7が、直接又は間接的に引用する請求項4が請求項3を引用する場合、及び、直接又は間接的に引用する請求項5が請求項3又は4を引用する場合を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、本件特許明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

したがって、訂正事項12は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

ス 訂正事項13について

訂正事項13は、訂正前の請求項3ないし6を引用する請求項11について、直接又は間接的に引用する請求項4が請求項3を引用する場合、及び、直接又は間接的に引用する請求項5が請求項3又は4を引用する場合を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、本件特許明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

したがって、訂正事項13は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

セ 訂正事項14について

訂正事項14は、訂正前の請求項2を引用する請求項3ないし11について、直接又は間接的に引用する請求項4が請求項3を引用する場合、及び、直接又は間接的に引用する請求項5が請求項3又は4を引用する場合を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、本件特許明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

したがって、訂正事項14は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

(3)独立特許要件

本件においては、訂正前の請求項1、2、4ないし6及び10について特許異議の申立てがされているので、訂正前の請求項1、2、4ないし6及び10に係る訂正事項1、3ないし5及び7に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項に規定される独立特許要件は課されない。

また、訂正事項2、6及び8は、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に掲げる事項を目的とするものであるから、訂正事項2、6及び8に関して、同法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項に規定される独立特許要件は課されない。

そこで、訂正事項9ないし14に係る訂正後の請求項13ないし18に係る発明について、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項に規定する要件(特許出願の際、独立して特許を受けることができるものであるか)を満たしているか検討する。

ア 甲号証の記載事項

折りたたみ中(クリックで表示)

(ア)甲1の記載事項及び甲1に記載された発明

a 甲1には以下の記載がある(下線は当審で付加した。甲号証等の記載において以下同様。)。

(甲1-ア)「〔産業上の利用分野〕

本発明は、例えば角膜屈折力測定手段のように被検眼角膜に対して非接触で測定する測定系と、超音波眼軸長測定手段のように被検眼に接触させて測定する測定系とを複合した眼科装置に関するものである。」(第1頁右下欄3~8行)

(甲1-イ)「 そこで、角膜屈折力を測定する機能と眼軸長を測定する機能を1台の装置に複合したいという要望があるが、

目的別のスイッチ操作が簡便でなく、また、スイッチ操作を誤ると他被検眼とデータ混同する恐れがあり、被検眼のIOL演算に誤りを生ずる危険性があるという問題点があった。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明によれば、機能が異なる2つの測定系の切換えと、それぞれの測定データの保存と消去を安全に且つ容易に行い得るようにするため、測定シーケンスを進めるスイッチ(1コ)を設けて対応する制御プログラムにより、測定手順の自動化と測定データの管理の自動化を可能とするものである。

〔実施例〕

本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。

第1図において、摺動台1上に設けられた本体2内に、被検眼Eの角膜屈折力を測定する第1の測定系と、眼軸長を求めるための第2の測定系が設けられている。第1の測定系においては、被検眼Eに対向して対物レンズ3が配置され、その後方に光路に沿ってミラー4,5、結像レンズ6、CCD等から成る二次元撮像素子7が配置され、この二次元撮像素子7の出力はテレビモニタ8に接続されている。そして、対物レンズ3、ミラー4,5は一体構造とされ、電動機9により駆動するワイヤ10により上下動し得るようになっている。また、対物レンズ3の周囲には、第2図に示すように発光ダイオード等から成る複数個の投影視標光源11a~11dが光軸Lを中心にして等間隔に配置されている。

更に、第2の測定系においては、ミラー4の後方に配置された超音波探触子12が探触子ホルダ13を介して摺動案内部材14により保持され、この超音波探触子12はテンションばね15によって前方に付勢されている。また、超音波ホルダ13は電動機16により動くワイヤ17によって前後進し得るようになっている。なお、第1図において、18,19はそれぞれワイヤ10,17を案内するガイドローラ、20aは操作桿、20bは上下動調整環を示している。また、31はそれぞれの測定に対する実行指示を与えるアドバンススイッチである。

ここで、投影視標光源11a~11dを所定の空間距離を設けて被検眼Eの角膜に投影すると、角膜の凸面鏡作用によって投影視標光源11a~11dの角膜反射像が形成されるわけであるが、角膜の曲率半径や乱視度の大きさに応じてこれらの角膜反射像の光点位置の相互関係が変化するために、この変化を検出することによって角膜屈折力や角膜乱視度、軸角度を求めることができることは周知の通りである。

一方、超音波探触子12を被検眼Eの角膜Ecに接触させた状態で、探触子12の先端から超音波パルスを発振し、被検眼Eの網膜からの反射エコーを受信することによって、角膜Ecの表面から網膜までの眼軸長を検出し、測定値を求めることができることも周知の通りである。

ここで、第1の測定系は投影視標光源11a~11dの角膜反射像を対物レンズ3、ミラー4,5、結像レンズ6から成る光学系により二次元撮像素子7に結像させることによって検知している。

この検知信号は第3図に示すビデオ信号処理回路32においてビデオフリーズ処理等を行い、演算回路30によって角膜屈折力や角膜乱視度、軸角度を求める。

更に、第2の測定系は測定の実行に際して対物レンズ3、ミラー4,5が下降し、探触子12が被検眼Eの方向へ摺動するように電動機9および16が駆動制御される。つぎに、探触子12が被検眼Eの角膜に接触したときに得られる超音波反射信号は超音波信号処理回路33において計数処理等を行ない、同様に演算回路30によって被検眼Eの眼軸長を求める。なお、二次元撮像素子7は測定信号検出のみでなく、被検眼Eの前眼部観察機構としても利用でき、テレビモニタ8で前眼部観察を行ないながら、摺動台1を操作してアライメントできるようにされている。

このようにして、被検眼Eの角膜屈折力と眼軸長を測定したら、演算回路30はこれらの値を経験的に得られた計算式により、IOLの屈折力を算出しプリンター34に印字させる。

ここで、上述の角膜屈折力測定、眼軸長測定、プリンター印字それぞれの動作実行は、アドバンススイッチ31の指令により演算回路30を介してなされるように構成されている。

つぎに上述構成における制御の流れを第4図のフローチャートを用いて説明する。被検眼EのIOL屈折力測定にあたり、先ず、ステップ40のデータリセットによって前回測定眼の各データはリセットされ演算回路30は初期化される。ここで、被検眼Eと対物レンズ光軸とのアライメント操作が行われている間、制御はステップ41にありアドバンススイッチ31からの指令を待ち受ける。アドバンススイッチ31がオンされると制御はステップ42に移行して角膜屈折力の測定を実行する。測定実行後制御のステップは43となり、角膜屈折力の測定結果が正常か異常かの判別を行う。測定結果が異常の場合は制御のステップは41に戻される。このとき、テレビモニタ8には「角膜屈折力再測定」等のメッセージを表示する。

一方、測定結果が正常と判定された場合には、制御のステップは44に進み、テレビモニタ8を眼軸長アライメント画面に切換えて更にアドバンススイッチ31の指令を待つステップ45に移行する。ここでアドバンススイッチ31がオンされると制御のステップは46に移り眼軸長の測定を実行する。測定実行後は制御のステップは47となり眼軸長の測定結果が正常か異常かの判別をする。ここでは既に得られている角膜屈折力の測定結果に含まれる標準偏差等の測定の信頼度との比較もなされ、角膜屈折力測定と眼軸長測定とが同一水準の測定信頼度の場合のみ正常と判定される。

この結果、眼軸長の測定結果が異常の場合は、テレビモニタ8に「眼軸長再測定」等のメッセージを表示して、制御のステップは44に戻る。

眼軸長の測定結果が正常と判定された場合には、制御のステップは48に進み、ここまでに得られた角膜屈折力のデータと眼軸長のデータを用いてIOLの屈折力演算を実行する。

IOLの演算実行後、制御のステップは49に移行してアドバンススイッチ31の指令を待ち受ける。

ここでアドバンススイッチ31がオンされると制御のステップは50に進み、上記で得られた角膜屈折力、眼軸長、IOLの屈折力等のデータをプリンター34に印字する。

印字動作が完了すると制御のステップは再び40に戻って新しい被検眼の測定に向けて装置の初期化を行う。

なお、上記実施例においては、角膜屈折力測定、眼軸長測定それぞれの測定試行回数を一回として説明したが、測定試行回数を複数とするよう予めプログラムしても良い。

〔発明の効果〕

以上説明したように、操作シーケンスを進めるアドバンススイッチを1つに限定して設け、制御プログラムを対応させることにより、機能の異なる2つの測定系を操作する際の煩雑なスイッチ操作を解消し、2つの測定系によって得られる2つの測定結果から更に算出する(IOL)データに対する信頼度も高めることのできる効果がある。」(第2頁左上欄7行~第3頁右下欄13行)

(甲1-ウ)第1図

「
[図:0001386125000001.jpg]
」

(甲1-エ)第4図

「
[図:0001386125000002.jpg]
」

b 甲1に記載された発明

(a)上記(甲1-ウ)の第1図から、摺動台1の操作者側上面に操作桿20a及び上下動調整環20bが設けられ、操作桿20aの上端にアドバンススイッチ31が設けられていることが見て取れる。

(b)上記(甲1-ウ)の第1図から、眼科装置は、一端に頭部支持台が形成されたベースを備え、ベース上に摺動台1が載置されていることが見て取れる。

(c)上記(a)及び(b)を踏まえると、上記(甲1-ア)ないし(甲1-エ)の記載から、甲1には、

「 角膜屈折力測定手段である被検眼角膜に対して非接触で測定する測定系と、超音波眼軸長測定手段である被検眼に接触させて測定する測定系とを複合した眼科装置であって、
測定シーケンスを進めるスイッチ(1コ)を設けて対応する制御プログラムにより、測定手順の自動化と測定データの管理の自動化を可能とするものであり、
一端に頭部支持台が形成されたベースと、ベース上に載置された摺動台1を備え、
摺動台1上に設けられた本体2内に、被検眼Eの角膜屈折力を測定する第1の測定系と、眼軸長を求めるための第2の測定系が設けられており、
続きを表示(全18行)
摺動台1の操作者側上面に、操作桿20a及び上下動調整環20bが設けられ、操作桿20aの上端にそれぞれの測定に対する実行指示を与えるアドバンススイッチ31が設けられており、
テレビモニタ8で前眼部観察を行ないながら、摺動台1を操作してアライメントできるようにされており、
角膜屈折力測定、眼軸長測定、プリンター印字それぞれの動作実行は、アドバンススイッチ31の指令により演算回路30を介してなされるように構成されており、
被検眼EのIOL屈折力測定にあたり、先ず、ステップ40のデータリセットによって前回測定眼の各データはリセットされ演算回路30は初期化され、
被検眼Eと対物レンズ光軸とのアライメント操作が行われている間、制御はステップ41にありアドバンススイッチ31からの指令を待ち受け、
アドバンススイッチ31がオンされると制御はステップ42に移行して角膜屈折力の測定を実行し、
測定実行後制御のステップは43となり、角膜屈折力の測定結果が正常か異常かの判別を行い、測定結果が正常と判定された場合には、制御のステップは44に進み、テレビモニタ8を眼軸長アライメント画面に切換えて更にアドバンススイッチ31の指令を待つステップ45に移行し、
ここでアドバンススイッチ31がオンされると制御のステップは46に移り眼軸長の測定を実行し、
測定実行後は制御のステップは47となり眼軸長の測定結果が正常か異常かの判別をし、
眼軸長の測定結果が正常と判定された場合には、制御のステップは48に進み、ここまでに得られた角膜屈折力のデータと眼軸長のデータを用いてIOLの屈折力演算を実行し、
IOLの演算実行後、制御のステップは49に移行してアドバンススイッチ31の指令を待ち受け、
ここでアドバンススイッチ31がオンされると制御のステップは50に進み、上記で得られた角膜屈折力、眼軸長、IOLの屈折力等のデータをプリンター34に印字し、
印字動作が完了すると制御のステップは再び40に戻って新しい被検眼の測定に向けて装置の初期化を行う、
眼科装置。」

の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されているものと認められる。

(イ)甲2の記載事項及び甲2に記載された発明

a 甲2には以下の記載がある。

(甲2-ア)「【技術分野】

【0001】

本発明は、眼科装置、眼科装置の制御方法、プログラムに関する。たとえば眼科医院や集団健診等で用いられる眼底カメラなどといった眼科装置と、この眼科装置の制御方法と、この眼科装置を制御するためのプログラムに関する。」

(甲2-イ)「【0008】

[第1の実施形態]

まず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本発明を実施した眼科装置の第1の実施形態である眼底カメラ100の構成例を示す模式図である。光軸L1上には、ハロゲンランプ等の定常光を発する観察用光源1と、コンデンサレンズ2と、赤外光を透過し可視光を遮断するフィルタ3と、Xe管等の撮像用光源4と、レンズ5と、ミラー6とが配置される。ミラー6の反射方向の光軸L2上には、リング状開口を有するリング絞り7と、リレーレンズ8と、中央部開口を有する穴あきミラー9とが順次に配列される。穴あきミラー9の反射方向の光軸L3上には、被検眼Eに対向する対物レンズ10が配置される。穴あきミラー9の穴部には撮像絞り11が配置される。また、光軸L3上の被検眼Eとは反対側には、光軸L3上の位置を移動することによりピントを調整するフォーカスレンズ12と、撮像レンズ13と、撮像素子14とが順次に配列される。なお、撮像素子14は、撮像カメラCの内部に設けられており、動画観察と静止画撮影を兼ねることができる。撮像素子14は画像処理部17に接続され、画像処理部17はシステム制御部18に接続される。画像処理部17は、システム制御部18の制御にしたがって、撮像素子14により撮像される眼底像などを、タッチパネル16と一体のモニタ15に映出する。光軸L2上において、リング絞り7とリレーレンズ8の間には、フォーカス指標投影部22が配置される。フォーカス指標投影部22とフォーカスレンズ12は、それぞれフォーカスレンズ駆動部19およびフォーカス指標駆動部20により駆動される。また、フォーカスレンズ駆動部19およびフォーカス指標駆動部20は、システム制御部18により制御される。さらに、眼底カメラ100は、被検眼Eを固定するための図略の固視灯を有する。固視灯は、光軸L3上から被検眼Eに光束を投影する内部固視灯であってもよく、光軸L3とは異なる方向から被検眼Eに光束を投影する外部固視灯であってもよい。内部固視灯が適用される場合には、例えば、光軸L3上に跳ね上げ式のミラーが設けられ、このミラーの反射光軸方向に、内部固視灯の光源が設けられる。外部固視灯が適用される場合には、例えば、光軸L3から外れた位置に外部固視灯の光源が設けられる。

【0009】

図2は、本発明を実施した眼科装置の第1の実施形態である眼底カメラ100の構成例を示す外観斜視図である。眼底カメラ100は、ヘッド部30と、ベース部31と、顎受け部32とを含む。ベース部31には、表示手段の例であるモニタ15が、モニタアーム23を介して設けられる。モニタ15の表示面(画像を表示する面)には、タッチパネル16が一体に設けられる。また、ベース部31には、第2の操作手段の例であるジョイスティック21が、モニタ15およびモニタアーム23とは別体に設けられる。表示手段の例であるモニタ15は、モニタアーム23によって支持されており、モニタアーム23とともにベース部31に対して相対的に左右方向に移動可能である。また、モニタ15は、機械的制約の範囲内で、所望の位置で自由に停止させることができる。そして、モニタ15を移動させると、モニタ15とジョイスティック21との相対的な位置関係が変化する。モニタ15の位置(すなわち、モニタ15のジョイスティックに対する相対的な移動量および移動方向)は、モニタ位置検出センサ24により検出される。モニタ位置検出センサ24は、たとえば磁気センサなどといった、公知のセンサが適用できる。第2の操作手段の例であるジョイスティック21には、図略の撮像スイッチが設けられる。

【0010】

次に本実施形態での眼底カメラ100の撮像動作について説明する。システム制御部18は、検者によるタッチパネル16への操作にしたがって、手動合焦モードと自動合焦モードを切り替える。両モードにおいて、システム制御部18は観察用光源1を点灯する。観察用光源1から射出した光束は、コンデンサレンズ2で集光され、フィルタ3で可視光がカットされて赤外光のみが透過する。赤外光は、ストロボ等の撮像用光源4を透過し、レンズ5とミラー6とを経て、リング絞り7によりリング光束にされる。そして、リング光束は、リレーレンズ8を経た後、穴あきミラー9により光軸L3方向に偏向され、対物レンズ10を介して被検眼Eの眼底Erを照明する。眼底Erに達した光束は反射散乱して被検眼Eから射出する。射出した光束は、対物レンズ10と、撮像絞り11と、フォーカスレンズ12と、撮像レンズ13とを介して撮像素子14に眼底像として結像する。撮像素子14は、結像した眼底像を撮像し、画像処理部17に出力する。

【0011】

手動合焦モード時では、システム制御部18は、検者によるタッチパネル16への入力にしたがって、観察用光源1の光量調整・点灯・消灯などの制御と、撮像用光源4の光量調整・点灯・消灯などの制御を実行する。また、システム制御部18は、撮像素子14で撮像した眼底像を、画像処理部17を介してモニタ15に映し出す。検者は、第2の操作入力部の例であるジョイスティック21を用いて、被検眼Eの眼底Erと撮像素子14とが光学的に共役関係になるように、フォーカス指標投影部22の操作を行う。この際、検者は、タッチパネル16を用いて、モニタ15に映し出される眼底像の明るさを観察しやすい明るさへ調整も行う。次いで、検者は、フォーカス調整を行った後、図示しない撮像スイッチを押し、撮像を行う。

【0012】

自動合焦モード時では、システム制御部18は、撮像素子14に結像した眼底像を利用して合焦位置を検出し、その検出結果に基づき、フォーカスレンズ駆動部19およびフォーカス指標駆動部20を制御する。また、システム制御部18は、合焦位置の検出結果に基づき、観察用光源1の光量調整・点灯・消灯などの制御と、撮像用光源4の光量調整・点灯・消灯などの制御を実行する。

【0013】

次に、図3を用いて、画像処理部17がモニタ15の表示面に映し出す操作画面及び眼底像について説明する。仮想スイッチ301は、第2の操作手段とは別体で、表示手段上に一体に設けられる第1の操作手段の例である。仮想スイッチ301は、タッチパネル16と、モニタ15の表示面に表示されるスイッチのアイコンなどとによって実現される。アイコンは、図形、文字、または図形と文字の組み合わせにより構成される。仮想スイッチ301は、撮像中に頻繁に操作する機能をまとめたものである。本実施形態では、撮像中に頻繁に使われる観察光量調整と動作モードの切り替えスイッチが割り振られている。このほか、撮像中に頻繁に使う機能としては、観察光量調整、撮像光量調整、各センサの感度調整、合焦のための操作、撮像モードの切り替え、動作モードの切り替え、各動作の速度調整、内部固視灯の操作、外部固視灯の操作、表示画像の倍率調整、表示画像の切り替え、画像の表示モードの切り替え、緊急停止、状態リセット、撮像、ヘッド移動等のジョイスティック21で行う操作等がある。このように、仮想スイッチ301には、前述の機能のいずれか1つが割り振られるか、または複数の機能が纏めて割り振られる。

【0014】

システム制御部18は、仮想スイッチ301の操作(例えば、アイコンへのタッチ)を検出すると、検出結果に応じて、割り振られた機能を実現するための処理を実行する。具体的には次のとおりである。観察光量調整の機能が割り振られている場合には、仮想スイッチ301の操作に応じて観察用光源1の光量調整(観察光量調整)を実行する。撮像光量調整の機能が割り振られている場合には、仮想スイッチ301の操作に応じて撮像用光源4の光量調整(撮像光量調整)を実行する。センサの感度調整の機能が割り振られている場合には、仮想スイッチ301の操作に応じて撮像素子14の感度調整を実行する。合焦のための操作が割り振られている場合には、仮想スイッチ301の操作に応じてフォーカスレンズ12を駆動して合焦動作を実行する。撮像モードの切り替えの機能が割り振られている場合には、仮想スイッチ301の操作に応じて、撮像モード(動画観察と静止画撮像)を切替える。動作モードの切り替えの機能が割り振られている場合には、仮想スイッチ301の操作に応じて、検者が手動で合焦動作を行う手動合焦モードと、システム制御部18が自動で合焦動作を実行する自動合焦モードを切替える。各動作の速度調整の機能が割り振られている場合には、仮想スイッチ301の操作に応じて、各動作の速度調整を実行する。ここで調整対象となる動作としては、ヘッド部30の移動速度や、フォーカスレンズ12の駆動速度が挙げられる。内部固視灯または外部固視灯の操作の機能が割り振られている場合には、仮想スイッチ301の操作に応じて、内部固視灯または外部固視灯の点灯・消灯・光量調整を実行する。表示画像倍率調整の機能が割り振られている場合には、仮想スイッチ301の操作に応じて、モニタ15に表示する被検眼Eの眼底像の倍率を変更する。表示画像の切り替えの機能が割り振られている場合には、仮想スイッチ301の操作に応じて、モニタ15の表示画像の内容を切り替える。例えば、眼底像の表示からメニュー画像の表示またはその逆に切り替える。画像の表示モードの切り替えの機能が割り振られている場合には、仮想スイッチ301の操作に応じて、表示モードの切り替えを実行する。例えば、モニタ15に表示する撮像画像(眼底像)に各種情報を重ねて表示するか否かや、各種情報の表示が眼底像の表示を阻害しないようにするための表示処理方法が、表示モードごとに設定されている。緊急停止の機能が割り振られている場合には、仮想スイッチ301の操作を検出すると、眼底カメラ100の動作を直ちに停止させる。状態リセットの機能が割り振られている場合には、仮想スイッチ301の操作を検出すると、眼底カメラ100の設定を初期状態にリセットする。撮像の機能が割り振られている場合には、仮想スイッチ301の操作を検出すると、被検眼Eの撮像(動画または静止画の取得)を実行する。ヘッド移動の機能が割り振られている場合には、仮想スイッチ301の操作に応じて、ヘッド部30を移動させる。

【0015】

なお、第1の操作手段の例である仮想スイッチ301に割り振られる機能としては、眼底カメラ100が搭載し得る全ての機能のうちのいずれであってもよい。また、システム制御部18は、仮想スイッチ301に対して、1つの機能を割り振ってもよい。さらに、仮想スイッチ301に対して、複数の機能を割り振ってもよい。すなわち、仮想スイッチ301に、複数の機能が纏められていてもよい。このほか、検者による設定によって仮想スイッチ301に割り振られる機能を変更できるようにしてもよい。また、システム制御部18は、仮想スイッチ301の配置位置(表示位置)を、割り振った機能に対応して変化させる。本実施形態では、この仮想スイッチ301のモニタ15上での位置が特徴的なものとなる。

【0016】

操作スイッチ302a~302eは、撮影中において頻繁には操作されない機能が割り振られた仮想スイッチである。例えば、電源スイッチ等、上述の撮影中に頻繁に使う機能として選択されなかった機能すべてがこれに当たる。この機能も、仮想スイッチ301と同様に、使用者が設定できるようにしてもよい。なお、図3では、5個の操作スイッチ302a~302eが表示される構成を示すが、表示される操作スイッチの数及び割り振られる機能数は1つでもよいし、5に限らない複数でもよい。また、操作スイッチ302a~302eがモニタ15の左端の領域に(すなわち、表示手段上に)縦一列に表示される構成を示すが、操作スイッチ302a~302eの配置はこの構成に限定されるものではない。また、操作スイッチ302a~302eの表示場所を、検者が設定できるようにしてもよい。なお、操作スイッチ302a~302eは、モニタ15のフレームに設置された物理スイッチでもよい。」

(甲2-ウ)【図2】

「
[図:0001386125000003.jpg]
」

(甲2-エ)【図3】

「
[図:0001386125000004.jpg]
」

b 甲2に記載された発明

上記(甲2-ア)ないし(甲2-ウ)の記載から、甲2には、

「 ヘッド部30と、ベース部31と、顎受け部32とを含む眼底カメラ100であって、
ベース部31には、表示手段であるモニタ15が、モニタアーム23を介して設けられ、モニタ15の表示面には、タッチパネル16が一体に設けられており、モニタ15はモニタアーム23とともにベース部31に対して相対的に左右方向に移動可能であり、
ベース部31には、第2の操作手段であるジョイスティック21が、モニタ15およびモニタアーム23とは別体に設けられており、ジョイスティック21には撮像スイッチが設けられており、
システム制御部18は、検者によるタッチパネル16への操作にしたがって、手動合焦モードと自動合焦モードを切り替え、
手動合焦モード時では、システム制御部18は、撮像素子14で撮像した眼底像を、画像処理部17を介してモニタ15に映し出し、検者は、タッチパネル16を用いて、モニタ15に映し出される眼底像の明るさを観察しやすい明るさへ調整を行い、ジョイスティック21を用いて、被検眼Eの眼底Erと撮像素子14とが光学的に共役関係になるように、フォーカス指標投影部22の操作を行い、撮像スイッチを押し、撮像を行い、
表示手段上に一体に設けられる第1の操作手段である仮想スイッチ301が、タッチパネル16と、モニタ15の表示面に表示されるスイッチのアイコンなどとによって実現されており、
アイコンは、図形、文字、または図形と文字の組み合わせにより構成され、仮想スイッチ301は、撮像中に頻繁に操作する機能をまとめたものであり、観察光量調整、撮像光量調整、各センサの感度調整、合焦のための操作、撮像モードの切り替え、動作モードの切り替え、各動作の速度調整、内部固視灯の操作、外部固視灯の操作、表示画像の倍率調整、表示画像の切り替え、画像の表示モードの切り替え、緊急停止、状態リセット、撮像、ヘッド移動等のジョイスティック21で行う操作等の複数の機能が纏めて割り振られており、
システム制御部18は、仮想スイッチ301の操作を検出すると、検出結果に応じて、割り振られた機能を実現するための処理を実行する、
眼底カメラ100。」

の発明(以下「甲2発明」という。)が記載されているものと認められる。

(ウ)甲3の記載事項及び甲3に記載された発明

a 甲3には以下の記載がある。

(甲3-ア)「【技術分野】

【0001】

本発明は、被検者の眼球の前部の光学特性を測定して、例えば被検眼の房水中の蛋白質の濃度等を定量することができる前眼部の測定装置に関する。より詳しくは、本発明は、被検眼と測定装置との位置の調整(アライメント)、前眼部の表示及び測定データの保存において改良された前眼部の測定装置に関する。」

(甲3-イ)「【0044】

本発明の実施の形態を以下に説明する。

本実施の形態における前眼部の測定装置は、図1に示すように、固定台1と、固定台1の上を移動自在に設けられている架台2と、架台2の上に固定されている測定部3と、測定部3に固定されている表示部としてのモニタ4とを有する。

【0045】

固定台1には、パーソナルコンピュータに接続される通信ケーブル5が接続されており、架台2の位置を検出する架台位置検出器(図1においては不図示)と、被検者の顔を支持する支持台(不図示)等が設けられている。架台2には、架台2の移動やアライメント時の各種操作を行うための操作手段としてのジョイスティック6と、モニタ4に表示される画像の切り替えを指示するための画面切替ボタン7とが設けられている。ジョイスティック6の頂部には、測定ボタン8が設けられている。

【0046】

測定部3には、モニタ4の他に、四つのファンクションボタン9と、図示しないプリンタと、このプリンタによって印刷された測定結果の印刷物を排出するための排紙口10と、アライメント用及び測定用の光学系と、アライメント用及び測定用の制御系とが設けられている。なお、モニタ4は、被検者に向き合った状態で測定者が画像を見ることができるように、被検者と正対する測定部3の背面に、被検者に対して後ろ向きに固定されている。

【0047】

アライメント用及び測定用の光学系は、図2に示すように、被検眼Aに正面から光を照射する第一の光源としての赤外LED11と、カメラレンズ12を介して被検眼Aを正面から撮影する第一の撮影手段としてのCCD13と、被検眼Aに対して30°の斜めの方向(第一の斜めの方向)から被検眼Aに光を照射する第二の光源としての赤外LED14と、赤外LED14とは反対側で被検眼Aに対して60°の斜めの方向(第二の斜めの方向)から、対物レンズ15、ハーフミラー16、及びカメラレンズ17を介して被検眼Aを撮影する第二の撮影手段としてのCCD18と、コリメーティングレンズ19、回動自在なガルバノミラー20、及び被検眼Aに向けて光線を絞る投光レンズ21を介して、被検眼Aに対して30°の斜めの方向から被検眼Aにレーザー光線を照射するレーザー光源としての半導体レーザー22と、対物レンズ15、ハーフミラー16、受光レンズ23、シャッタ24、及び受光マスク25を介して、レーザー光線の被検眼Aにおける散乱光を受光する受光部としての高感度受光素子26とを有する。

【0048】

ハーフミラー16は、被検眼Aに対して60°の斜めの方向に反射又は散乱した光の一部をそのまま通過させ、一部を受光レンズ23に向けて反射する鏡である。本実施の形態では、ハーフミラー16に代えて孔あきミラーを用いても良い。受光レンズ23は、ハーフミラー16で反射した光を受光マスク25に向けて絞るレンズである。高感度受光素子26は、受光した光に応じて電気信号を発信する光電変換器である。

【0049】

アライメント用及び測定用の制御系は、図2及び図3に示すように、高感度受光素子26に接続され、高感度受光素子26からの電気信号から前眼部の光学特性を演算する演算部27と、CCD13及び18、及び演算部27のそれぞれが接続され、CCD13及び18からモニタ4への画像信号を赤外LED11及び14のオンオフに対応して切り替える切り替え部としての切り替え器28と、演算部27に接続されている記録部としての本体メモリ29とを有する。演算部27には、この他にも、赤外LED11及び14及び架台位置検出器30等がそれぞれ接続されている。切り替え器28はモニタ4と接続されている。

【0050】

測定部3には、これらの他にも、被検眼の視線を固定するための固視灯31と、排紙口

10から排出される印刷物を印刷するためのプリンタ32とが設けられている。

【0051】

通信ケーブル5は、外部のパーソナルコンピュータ33に接続されている。パーソナルコンピュータ33には、外部プリンタ34、外部モニタ35、及び入力手段としてのキーボード36がそれぞれ接続されている。

【0052】

前述した前眼部の測定装置による前眼部の光学特性を測定する方法を、以下に説明する。この方法における全体の操作の流れを図4に示す。

【0053】

まず、測定装置の電源を入れる。被検者が前記支持台に顔を載せる。架台2が所定の範囲を超えて移動する(例えば被検者側に引かれる)と、前記架台位置検出器によって架台2の移動が検出される。

【0054】

<第一段階(アライメント1)>

第一段階では、正面から光が照射されている被検眼を正面から撮影してその画像を表示部に表示し、表示部に表示される第一の虚像の位置に基づいて、レーザー光源及び受光部の位置と被検眼の位置とを相対的に調整する。第一の虚像の位置は、第一の虚像の最適の位置を表示部に表示し、この最適の位置に基づいて調整する。

【0055】

前記架台位置検出器によって架台2の移動が検出されると、演算部はアライメントの第一段階が始まったものと判断し、赤外LED11及び固視灯31を点灯する。これにより被検眼の視線は固定され、被検眼の前眼部は赤外光で照射される。この赤外光の照射により、前眼部には第一の虚像が映し出される。また赤外LED11の点灯により、モニタ4にはCCD13によって撮影された画像が表示される。赤外LED11によるアライメントの光学系を図5に示す。前眼部における反射光はカメラレンズ12を通るが、その際、カメラレンズのレンズ筒が開口絞りになっている。なお、赤外LED11は、第一の虚像を映し出すための光源として用いられているが、虹彩の照明ともなっている。

【0056】

赤外LED11を点灯したら、CCD13で前眼部を観察しながら、モニタ4に表示される第一の虚像の位置に基づいて、被検眼と測定部3との位置関係を調整する。この調整は、ジョイスティック6を操作して架台2を移動させることによって行われる。測定部3と被検眼との距離関係の良否は、第一の虚像が輝点となってモニタ4で観察されるか否かや、瞳孔の輪郭や虹彩の模様が明確であるか否かによって判断することができる。

【0057】

また、モニタ4には、図6に示すように、第一及び第二の虚像、及びレーザー光線の散乱光による実像の最適の位置にそれぞれ印37~39が付けられている。前記輝点(第一の虚像B)がモニタ4に付けられた印37に対する所定の位置(印37と重なるかその近辺)に表示されるように、ジョイスティック6を操作して架台2を移動させる。第一の虚像に基づく被検眼と測定部3との位置関係が調整できたと測定者が判断したら、画面切替ボタン7を押す。

【0058】

<第二段階(アライメント2)>

第二段階では、被検眼を照らす光源を、正面の光源から第一の斜め方向からの光源に切り替えると共に、被検眼の撮影を、正面の撮影から第二の斜め方向からの撮影に切り替え、被検眼に対して第一の斜めの方向から光が照射されている被検眼を、被検眼に対して第二の斜めの方向から撮影してその画像を表示部の表示し、表示部に表示される第二の虚像の位置に基づいて、レーザー光源及び受光部の位置と被検眼の位置とを相対的に調整する。また、第二段階では、レーザー光源が照射されている被検眼を、被検眼に対して第二の斜めの方向から撮影してその画像を表示部に表示し、表示部に表示されている、レーザー光線の散乱光による実像の位置に基づいて、レーザー光源及び受光部の位置と被検眼の位置とを相対的に調整する。第二段階では、第二の虚像及び前記実像の最適の位置を表示部に表示し、これらの最適の位置に基づいて第二の虚像及び前記実像の位置を調整する。

【0059】

画面切替ボタン7を押すと、赤外LED11が消灯し、赤外LED14が点灯する。さらに切り替え器28は、モニタ4に送られる画像信号を、CCD13からの画像信号からCCD18からの画像信号に切り替える。赤外LED14によるアライメントの光学系を図7に示す。赤外LED14も、赤外LED11と同様に、第二の虚像用の光源に加えて虹彩の照明用の光源を兼ねている。

【0060】

モニタ4には、図8に示すように、CCD18で撮影された画像が表示される。また、半導体レーザー22からは、レーザー光線が照射される。したがって、モニタ4に表示される画像には、赤外LED18による第二の虚像Cと、レーザー光線の照射による角膜での散乱光による実像Dとが、それぞれ輝点として表示される。第二の虚像C及び実像Dが印38及び39に対する所定の位置に表示されるように、ジョイスティック6によって架台2を移動させる。第二の虚像C及び実像Dに基づく被検眼と測定部3との位置関係が調整できたと測定者が判断したら、測定ボタン8を押す。

【0061】

なお、前述した第一及び第二段階において、過去に同一被検者で同一眼の測定に関するデータが保存されている場合では、所定のファンクションボタン9で操作することにより、そのデータに基づき、赤外LED11、14及び半導体レーザー22の光量と、モニタ4上の印37~39の位置を設定する。同一眼の測定に関するデータが保存されていない場合には、例えば、初期値として理論的に求められる位置に印37~39を付けて、前述した第一及び第二段階を行う。

【0062】

第二段階の終了時に、測定ボタン8に代えて画面切替ボタン7を押すと、点灯する赤外LEDとモニタ4に表示される画面とが前記第一段階のものと切り替わるので、第一段階と第二段階とを複数回繰り返して行っても良い。

【0063】

<第三段階(アライメントのチェック)>

測定ボタン8を押すと、演算部27は、切り替え器28を介して、図9に示すような測定ウインドウ40をモニタ4に表示する。測定ウインドウ40は、受光マスク25の開口幅によって決定される高感度受光素子26の受光範囲を示している。測定ウインドウ40を表示したら、演算部27は、ガルバノミラー20を回動させる。これにより、測定ウインドウ40を含む図9中の枠41内にレーザー光線が走査し、高感度受光素子26によってバックグラウンド値が測定される。演算部27は、測定ウインドウ40内外でのバックグラウンド値の差や大小からアライメントの良否を判断し、アライメントが良好であるとしたら、例えば測定ウインドウ40の点滅速度や表示色を変える。これにより、測定者は測定可能な状態にあることを確認することができる。

【0064】

<第四段階(測定)>

アライメントのチェック後に前眼部の光学特性の測定が行われるが、演算部27は、実際に測定を行う直前に、第三段階終了時での赤外LED11及び14の光量、モニタ4に映し出された前記輝点の位置等のアライメントの情報を本体メモリ29に記録する。

【0065】

測定の開始は、自動的に行っても良いし、手動で行っても良い。測定の開始を自動及び手動のいずれかで行える形態としては、オートモード、準オートモード、及びマニュアルモードが挙げられる。

【0066】

オートモードでは、アライメントが十分良好であると演算部27が判断したら、そのまま自動的に測定を開始する。この場合、測定ボタン8等の手動での操作は不要である。

【0067】

準オートモードでは、アライメントが十分良好であると演算部27が判断し、かつ測定者が測定ボタン8を押すことによって測定を開始する。この場合、測定者は、測定ウインドウ40の点滅速度や表示色等の、アライメントの良好さを示す信号を参酌して、測定を開始することができる。

【0068】

マニュアルモードでは、演算部27での判断に関わらず、測定者が前記アライメントの良好さを示す信号を参酌して、適当なタイミングで測定ボタン8を押すことによって測定を開始する。

いずれかのモードによって、一回分の測定が行われる。

【0069】

<第五段階(測定結果の表示)>

いずれのモードの場合も、測定が終了すると、測定結果が本体メモリ29に記録され、モニタ4には、図10に示すような測定結果が表示される。測定結果がモニタ4に表示された状態で所定のファンクションボタン9を押すと、図10に示すような測定結果がプリンタ32によって印刷され、排紙口10から印刷物が排出される。測定ボタン8を押すと、前記第三段階の状態に戻り、繰り返し測定することができる。前眼部の光学特性の測定は、必要に応じて複数回行われる。

【0070】

<第六段階(測定結果の一覧の表示)>

一回又は複数回の測定を行った後に画面切替ボタン7を押すと、図11に示すような、測定結果の数値の一覧を示す表がモニタ4に表示される。また固視灯31が消灯する。測定結果がモニタ4に表示された状態で所定のファンクションボタン9を押すと、図11に示すような測定結果がプリンタ32によって印刷され、排紙口10から印刷物が排出される。また、測定結果の一覧がモニタ4に表示されている状態で所定のファンクションボタン9を押すと、測定結果のデータがパーソナルコンピュータ33に送られる。

【0071】

次いで、モニタ4には、測定結果のデータとともに前記第四段階におけるアライメントの情報を記録するかを確認する画面が表示される。この記録の要否は、ファンクションボタン9で操作して指定される。何も指定しない場合では、前記アライメントの情報は記録されず、測定結果のデータのみが本体メモリ29に記録される。

【0072】

測定結果のデータとともにアライメントの情報を記録することを指定すると、測定結果のデータと、アライメントに関係するデータと、被検者及び被検眼に関するデータとが、関連付けられて本体メモリ29に記録される。前記アライメントに関係するデータとしては、測定時に記録した赤外LED11及び14の光量や、モニタ4に表示された画像中の角膜反射像、水晶体反射像、レーザースポット、角膜上のレーザー反射像、水晶体上のレーザー反射像等を画像処理により抽出して得られる各像の位置とその輝度等である。また、前記被検者及び被検眼に関するデータとしては、被検者個人を識別する被検者ID、左右眼データ等である(図12参照)。本体メモリ29に記録されたデータは、ファンクションボタン9で操作することにより、パーソナルコンピュータ33に送ることができ、パーソナルコンピュータ33で記録することができる。

【0073】

架台2を大きく動かすと、又は測定ボタン8を押すことにより、モニタ4の表示は前記第一段階のものに戻る。このとき本体メモリ29の記録内容は消去されるが、誤消去防止のために、消してよいかを確認するメッセージがモニタ4に表示される。このときに所定のファンクションボタン9を押すと、本体メモリ29のデータが消去される。画面切替ボタン7を押すと、モニタ4の表示は前記第三段階のものに戻り、同一の被検眼の測定が行われる。この場合では本体メモリ29のデータは消去されない。」

(甲3-ウ)【図1】

「
[図:0001386125000005.jpg]
」

(甲3-エ)【図4】

「
[図:0001386125000006.jpg]
」

b 甲3に記載された発明

(a)上記(甲3-エ)の【図4】から、第一段階で画面切替ボタンが押されると第二段階へ移行し、第二段階で画面切替ボタンが押されると第一段階へ戻り、第三段階で画面切替ボタンが押されると第二段階へ戻り、第五段階で画面切替ボタンが押されると第六段階へ移行し、第六段階で画面切替ボタンが押されると第三段階へ戻り、第二段階で測定ボタンが押されると第三段階へ移行し、第三段階で測定ボタンが押されると第四段階へ移行し、第五段階で測定ボタンが押されると第三段階へ戻り、第六段階で測定ボタンが押されるか架台が移動されると第一段階へ戻ることが見て取れる。

(b)上記(a)を踏まえると、上記(甲3-ア)ないし(甲3-エ)の記載から、甲3には、

「 固定台1と、固定台1の上を移動自在に設けられている架台2と、架台2の上に固定されている測定部3と、測定部3に固定されている表示部としてのモニタ4とを有する、前眼部の測定装置であって、
架台2には、架台2の移動やアライメント時の各種操作を行うための操作手段としてのジョイスティック6と、モニタ4に表示される画像の切り替えを指示するための画面切替ボタン7とが設けられ、ジョイスティック6の頂部には、測定ボタン8が設けられており、
測定部3には、プリンタ32が設けられており、
前眼部の光学特性の測定は、
続きを表示(全11行)
第一段階(アライメント1)では、架台位置検出器によって架台2の移動が検出されると、演算部はアライメントの第一段階が始まったものと判断し、赤外LED11及び固視灯31を点灯させ、モニタ4に表示される第一の虚像の位置に基づいて、ジョイスティック6を操作して架台2を移動させることによって被検眼と測定部3との位置関係を調整し、位置関係が調整できたと測定者が判断したら、画面切替ボタン7を押し、画面切替ボタン7を押すと、赤外LED11が消灯し、赤外LED14が点灯して第二段階(アライメント2)に移行し、
第二段階(アライメント2)では、第二の虚像C及び実像Dが所定の位置に表示されるように、ジョイスティック6によって架台2を移動させ、被検眼と測定部3との位置関係が調整できたと測定者が判断したら、測定ボタン8を押し、測定ボタン8を押すと、第三段階(アライメントのチェック)へ移行し、測定ボタン8に代えて画面切替ボタン7を押すと、点灯する赤外LEDとモニタ4に表示される画面とが第一段階のものと切り替わって第一段階へ戻り、
第三段階(アライメントのチェック)では、演算部27は、測定ウインドウ40内外でのバックグラウンド値の差や大小からアライメントの良否を判断し、アライメントが良好であるとしたら、測定ウインドウ40の点滅速度や表示色を変え、マニュアルモードでは、測定者が前記アライメントの良好さを示す信号を参酌して、適当なタイミングで測定ボタン8を押すことによって、第四段階(測定)へ移行し、画面切替ボタン7を押すと、第二段階へ戻り、
第四段階(測定)では、測定を開始して一回分の測定が行われ、測定が終了すると第五段階(測定結果の表示)へ移行し、
第五段階(測定結果の表示)では、モニタ4に測定結果が表示され、測定結果がモニタ4に表示された状態で所定のファンクションボタン9を押すと、測定結果がプリンタ32によって印刷され、測定ボタン8を押すと、第三段階の状態に戻り、画面切替ボタン7を押すと、第六段階(測定結果の一覧の表示)へ移行し、
第六段階(測定結果の一覧の表示)では、測定結果の数値の一覧を示す表がモニタ4に表示され、固視灯31が消灯し、測定結果がモニタ4に表示された状態で所定のファンクションボタン9を押すと、測定結果がプリンタ32によって印刷され、架台2を大きく動かすと、又は測定ボタン8を押すことにより、第一段階に戻り、画面切替ボタン7を押すと、第三段階に戻る、
ことにより行われる、前眼部の測定装置。」

の発明(以下「甲3発明」という。)が記載されているものと認められる。

(エ)甲4の記載事項及び甲4に記載された発明

a 甲4には以下の記載がある。

(甲4-ア)「(産業上の利用分野)

本発明は、撮影スイッチの操作を含めて次回の撮影に関連する操作に伴って、静止画として撮影像を表示している状態から観察像を表示する状態に画像表示手段の表示状態を切り換えることのできる眼科装置に関する。」(第1頁右下欄6~11行)

(甲4-イ)「(発明が解決しようとする課題)

しかしながら、この従来の眼科装置では、画像表示手段に表示された静止画としての撮影像は一定期間の後に検者の意思によらず消去され、再び、画像表示手段は観察像を表示可能な状態に切り換えられるので、フィルムに撮影された眼底像を慎重に検討する時間的余裕がなく、不便な面がある。

そこで、本発明の目的は、フィルムに記録された撮影像を慎重に検討する時間的余裕を取り得ることができると共に、次回の撮影に際し、その画像表示手段の表示状態切り換え操作を容易に行なうことのできる眼科装置を提供することにある。」(第2頁左上欄3~14行)

(甲4-ウ)「(実施例)

第2図において、100は被検者、101はベース、102は架台、103は装置本体部、104はジョイスティック、105は撮影スイッチ、106は圧力センサであり、架台102はジョイスティック104を前後に操作することにより、被検者に対して前後方向に往復動され、また、そのジョイスティック104を左右に操作することにより被検者の左眼位置と右眼位置との間で往復動される。

装置本体部103には第3図に示すように、赤外照明を利用した無散瞳型眼底カメラを構成する光学系が組み込まれている。その第3図において、1は観察光源としての電球(ハロゲンランプ)、2は赤外フィルター(800nmの波長の光は透過し、それ以下の波長の光は遮光する)、3は集光レンズ、4は撮影光源としてのストロボ管(キセノンランプ)、5はリングスリット、6はリレーレンズで、電球1、赤外フィルター2、集光レンズ3、ストロボ管4、リングスリット5、リレーレンズ6は光軸7にこの順に配列されて、有孔鏡8、対物レンズ9と共に照明光学系を構成し、電球1とストロボ管4とは集光レンズ3に関し共役である。

対物レンズ9の光軸10には、被検眼11に近い側から順に上記の有孔鏡8、結像レンズ12、ビームスプリッター13、シャッター14、フィルム15が配列されて撮影光学系を構成している。ビームスプリッター13は光路を折り曲げる機能を有し、その折り曲げ光路16には窓レンズ17、ハーフミラー18が順次配列され、ハーフミラー18によって分割された一方の光路16aにはミラー19、モニターレンズ20、撮像管21(たとえば、赤外光用ビジコン)が、他方の光路16bにはモニターレンズ22、撮像管23(たとえば、白色用ビジコン)が順次配列され、撮像管21、23の出力はモニターテレビ24(第1図参照)に後述する条件のもとで入力される。ここで、窓レンズ17、ハーフミラー18、モニターレンズ20、22、撮像管21、23は観察光学系を構成し、モニターテレビ24にはモノクロの観察像およびカラーの静止画が表示される。

ここで、ビームスプリッター13は赤外光をすべて反射し、可視光については一部を反射し一部を透過する特性を有する。このビームスプリッター13はハーフミラーとダイクロイックミラーのコーティング膜を重ねることにより得ることができる。なお、窓レンズ17は結像レンズ12の射出瞳位置を調整するために設けられ、フィルム15とほぼ共役になっている。

撮像管21は第1図に示すように切り換え手段としての切り換えスイッチ107を介してモニターテレビ24に接続されている。また、撮影スイッチ105は切り換え手段としてのラッチ回路108とストロボ同期回路109とに入力されている。なお、切り換えスイッチ107はスイッチ片107’、固定接点107a、107bとからなり、ラッチ回路108は常時はリセットされており、スイッチ片107’は固定接点107aに接続されている。

眼底写真撮影を行なう場合、電灯1を点灯させると、その電灯1からの光は赤外フィルター2により可視成分が除去され、赤外光束となる。この赤外光束は集光レンズ3によりストロボ管4の位置に一旦収束する。この光束はリングスリット5の環状開口25を通過することにより輪帯光束となり、リレーレンズ6により有孔鏡8の近傍にリングスリット5の像を形成する。つまり、リングスリット5と有孔鏡8とはリレーレンズ6に関しほぼ共役である。

このリングスリット5の像は対物レンズ9により被検眼11の虹彩26付近に投影される。このリングスリット5を通過した光束により被検眼11の眼底27が照明される。

眼底27で反射された光は被検眼11の水晶体28を通り、角膜29からほぼ平行光束となって射出し、対物レンズ9に入射してその後側焦点Fの近傍に眼底27の像を形成する。この眼底像は有孔鏡8の孔部30を通り、結像レンズ12でリレーされて窓レンズ17の近傍に結像される。

この像は更にハーフミラー18で分割され、一方の像はモニターレンズ20により撮像管21の受像面に結像される。また他方の像はモニターレンズ22により撮像管23の受像面に結像される。撮影スイッチ105を操作する前は、撮像管21からの出力信号に基づいて眼底像がモニターテレビ24のブラウン管に映し出されており、カメラを操作する者は画面を見ながらカメラの調節、眼底像の観察を行なうことができる。

次に、撮影スイッチ105を操作するとストロボ管4が発光され、同時にシャッタ14が開く。さらに、ラッチ回路108のラッチ信号により、切り換えスイッチ107のスイッチ片107’は固定接点107aから離間されて固定接点107bの側に切り換えられる。一方、ストロボ管4を発した光束は電球1を発した光束と同様に被検眼11の眼底27を照明し、その像を対物レンズ9の後側焦点Fの近傍に形成する。この像は有孔鏡8の孔部30を通り結像レンズ12でリレーされて、可視成分の一部がビームスプリッター13を透過してフィルム15上に結像し、眼底像が記録される。

残りの可視成分及び赤外成分はビームスプリッター13で反射されて窓レンズ17の近傍に結像した後、更にモニターレンズ22により撮像管23の受像面に結像され、撮像管23の出力信号がストロボ同期回路109を介して画像メモリとしてのフレームメモリー回路110に入力される。そして、そのフレームメモリー回路110に入力された眼底像の一フレーム分のメモリーは再生回路111を介してモニターテレビ24に出力され、眼底像がモニターテレビ24のブラウン管に静止画として映し出される。

従って、このモニターテレビ24に映し出された眼底像を確認することによりフィルム15に記録された眼底像の良否を確認できる。

ここでは、架台を前後左右に移動させるジョイスティック104が撮影に関連する操作部材であり、ジョイスティック104の側部には、第2図に示すように、圧力センサ106が設けられている。圧力センサ106はジョイスティック104を掴むことによりONされる。

圧力センサ106の出力は、ラッチ回路108に入力され、ラッチ回路108はこの圧力センサ106によりリセットされる。スイッチ片107’はラッチ回路108がリセットされると固定接点107bから固定接点107aの接続側に切り換えられ、従ってジョイスティック104を掴むと、モニターテレビ24は撮影像を静止画として表示している状態から観察像を表示可能な状態に切り換えられる。従ってモニターテレビ24にはその静止画がジョイスティック104を掴まない限り表示されたままであるので、慎重に検討する時間的余裕を術者は持つことができる。

また、切り換えスイッチ107と再生回路111との間には切り換えスイッチ112が設けられ、この切り換えスイッチ112は大型で精度が高い外部モニターテレビ31に接続され、従って集団検診等を病院外部で行なって、後からより一層子細に撮影像を検討することもできる。

次に本発明に係わる眼科装置の第2実施例を第4図、第5図を参照しつつ説明する。

この第4図において、32は瞳位置合わせ補正レンズで対物レンズ9と有孔鏡8の間の光軸上に挿入、挿脱が可能なように補正レンズ挿入部(図示を略す)に設けられ、補正レンズ32が挿入された状態でON、挿脱された状態でOFF作動するスイッチ(第2図の符号32’参照)を設けてモニターテレビ24が撮影像を静止画として表示している状態から観察像を表示する表示状態に切り換えられるようにしたものであり、この第2実施例では補正レンズ32の挿入が撮影に関連する操作である。

以上、第1、第2実施例について説明したが、本発明はこれに限るものではなく、撮影に関連する操作としては合焦ハンドルによる合焦、観察の際のアライメント操作、前眼部の観察、眼底の観察等が考えられ、これらの撮影に関連する操作に連動させて切り換え手段を動作させるようにしてもよい。

次に本発明に係わる眼科装置の第3実施例を第6図を参照しつつ説明する。

この第3実施例に示す眼科装置は、撮影スイッチ105そのものを操作することによって画像メモリに記憶された撮影像を静止画として表示している状態から観察像を表示可能な状態に画像表示手段の表示状態を切り換えることができるようにしたものであり、この第6図において、第1図に示す回路構成要素と同一回路構成要素については、同一番号が付されている。

この第3実施例のものでは、圧力センサ106の代わりにストロボ発光禁止回路113がストロボ同期回路109の前段に設けられている。ストロボ発光禁止回路113とラッチ回路108とには撮影スイッチ105からの信号が入力され、ラッチ回路108は第1実施例と同様に常時はリセットされている。ストロボ発光禁止回路113は、ラッチ回路108がリセット状態のときであってかつ撮影スイッチ105が操作されたときにストロボ管4の発光を許可する。

従って、眼底の撮影のために、撮影スイッチ105を操作すると、ラッチ回路108がリセット状態であるので、発光禁止回路113はストロボ発光を許可し、ストロボ管4が発光される。また、ラッチ回路108はラッチ信号を発光禁止回路113と切り換えスイッチ107とに出力する。これによって、切り換えスイッチ107は固定接点107bの側に切り換えられ、眼底像がモニターテレビ24のブラウン管に静止画として映し出される。また、発光禁止回路113はラッチ信号が入力されると、ストロボ管4の発光を禁止状態とする。

ここで、もう一度撮影スイッチ105を操作すると、ラッチ回路108がリセットされる。すると、切り換えスイッチ107は固定接点107aの側に切り換えられ、モニターテレビ24は撮影像を静止画として表示している状態から観察像を表示可能な状態となる。このもう一度撮影スイッチ105を操作した場合には、発光禁止回路113はラッチ回路108のラッチ信号によって発光禁止状態にあるので、ストロボ管4は発光しない。すなわち、撮影スイッチ105を押して静止画をモニターテレビ24に表示させた状態で、もう一度撮影スイッチ105を操作した場合には、観察像が表示可能な状態となるのみで、ストロボ管4は発光されない。

(効果)

本発明に係わる眼科装置によれば、撮影スイッチを操作して、撮影が行なわれてから次の撮影に移行する必要性があるまでの間、撮影像がそのままの状態で画像表示手段に表示されることになるので、フィルムに撮影された撮影像を慎重に検討する時間的余裕を持つことができ便利である。

また、撮影スイッチの操作を含めて次回の撮影に関連する操作部材の操作によって撮影像を表示している状態から観察像を表示する状態に切り換えられるので、術者に分かり易い操作であり、またその制御手段の構成も容易である。」(第2頁左下欄1行~第5頁左上欄7行)

(甲4-エ)第2図

「
[図:0001386125000007.jpg]
」

(甲4-オ)第6図

「
[図:0001386125000008.jpg]
」

b 甲4に記載された発明

(a)上記(甲4-ウ)の「この第3実施例に示す眼科装置は、撮影スイッチ105そのものを操作することによって画像メモリに記憶された撮影像を静止画として表示している状態から観察像を表示可能な状態に画像表示手段の表示状態を切り換えることができるようにしたものであり、この第6図において、第1図に示す回路構成要素と同一回路構成要素については、同一番号が付されている。

この第3実施例のものでは、圧力センサ106の代わりにストロボ発光禁止回路113がストロボ同期回路109の前段に設けられている。」との記載から、第3実施例の眼科装置は、第1実施例の眼科装置と比較して、「圧力センサ106の代わりにストロボ発光禁止回路113がストロボ同期回路109の前段に設けられている」点と「撮影スイッチ105そのものを操作することによって画像メモリに記憶された撮影像を静止画として表示している状態から観察像を表示可能な状態に画像表示手段の表示状態を切り換えることができるようにした」点とで異なり、その他の点では共通していることが読み取れる。

(b)上記(a)を踏まえると、上記(甲4-ア)ないし(甲4-オ)の記載から、甲4には、

「 静止画として撮影像を表示している状態から観察像を表示する状態に画像表示手段の表示状態を切り換えることのできる眼科装置であって、
ベース101、架台102、装置本体部103、ジョイスティック104及び撮影スイッチ105を備え、架台102はジョイスティック104を前後に操作することにより、被検者に対して前後方向に往復動され、また、そのジョイスティック104を左右に操作することにより被検者の左眼位置と右眼位置との間で往復動され、
装置本体部103には、赤外照明を利用した無散瞳型眼底カメラを構成する光学系が組み込まれており、
撮像管21は切り換え手段としての切り換えスイッチ107を介してモニターテレビ24に接続されており、撮影スイッチ105は切り換え手段としてのラッチ回路108とストロボ発光禁止回路113とに入力されており、ラッチ回路108は常時はリセットされており、ストロボ発光禁止回路113は、ラッチ回路108がリセット状態のときであってかつ撮影スイッチ105が操作されたときにストロボ管4の発光を許可し、
撮影スイッチ105を操作する前は、撮像管21からの出力信号に基づいて眼底像がモニターテレビ24のブラウン管に映し出されており、カメラを操作する者は画面を見ながらカメラの調節、眼底像の観察を行なうことができ、
眼底の撮影のために、撮影スイッチ105を操作すると、ラッチ回路108がリセット状態であるので、発光禁止回路113はストロボ発光を許可し、ストロボ管4が発光され、可視成分の一部がビームスプリッター13を透過してフィルム15上に結像し、眼底像が記録され、残りの可視成分及び赤外成分はビームスプリッター13で反射されて撮像管23の受像面に結像され、画像メモリとしてのフレームメモリー回路110に入力され、また、ラッチ回路108はラッチ信号を発光禁止回路113と切り換えスイッチ107とに出力し、これによって、切り換えスイッチ107は固定接点107bの側に切り換えられ、眼底像がモニターテレビ24のブラウン管に静止画として映し出され、フィルム15に記録された眼底像の良否を確認でき、発光禁止回路113はラッチ信号が入力されると、ストロボ管4の発光を禁止状態とし、
ここで、もう一度撮影スイッチ105を操作すると、ラッチ回路108がリセットされ、切り換えスイッチ107は固定接点107aの側に切り換えられ、モニターテレビ24は撮影像を静止画として表示している状態から観察像を表示可能な状態となり、このもう一度撮影スイッチ105を操作した場合、すなわち、撮影スイッチ105を押して静止画をモニターテレビ24に表示させた状態では、発光禁止回路113はラッチ回路108のラッチ信号によって発光禁止状態にあるので、観察像が表示可能な状態となるのみで、ストロボ管4は発光されない、
眼科装置。」

の発明(以下「甲4発明」という。)が記載されているものと認められる。

イ 請求項13に係る発明について

(ア)新規性及び進歩性について

a 請求項7の記載を引用して特定される請求項13に係る発明(以下「本件発明13A」という。)について

本件発明13Aを独立請求項形式に書き改めると、以下のとおりである。なお、各構成単位冒頭の「(A)」等は、当審で付した分説記号である。以下同様。

「(A)被検眼の眼特性の取得動作を行う装置本体と、
前記取得動作に含まれる複数の動作段階と、前記複数の動作段階にそれぞれ対応した前記装置本体の動作制御と、の対応関係を取得する対応関係取得部と、
前記動作制御の開始操作であって且つ前記複数の動作段階で共通の前記開始操作を検出する操作検出部と、
前記操作検出部で前記開始操作が検出された場合に前記複数の動作段階の中から現在の動作段階を判別し、前記対応関係取得部が取得した前記対応関係を参照して、前記現在の動作段階に対応した前記動作制御を決定する決定部と、
続きを表示(全13行)
前記決定部が決定した前記動作制御に従って前記装置本体を動作させる制御部と、
を備え、
(F)前記装置本体は、前記被検眼の前記眼特性の取得結果を出力する出力部を有し、
前記複数の動作段階には、前記装置本体による前記被検眼の前記眼特性の取得が完了した後の第4動作段階が含まれ、
前記対応関係には、前記第4動作段階に対応した前記動作制御として、前記出力部に前記取得結果の出力を実行させる出力実行制御が記憶されており、
(G)前記装置本体は、ベースと、前記眼特性を取得する眼特性取得部と、前記ベースに設けられ、前記ベースに対して前記眼特性取得部を予め定めた軸方向に移動させる駆動部と、を備え、
前記操作検出部は、前記開始操作として、前記眼特性取得部及び前記駆動部の少なくとも一方を前記軸方向に押し操作又は引き操作する押し引き操作を検出し、
前記決定部は、前記操作検出部による前記押し引き操作の検出結果に基づき、前記現在の動作段階に対応した前記動作制御を決定する
(L)眼科装置。」

(a)甲1発明を主引用発明とした場合について

(a-1)本件発明13Aと甲1発明とを対比する。

構成(A)について

(Aア)甲1発明の「ベース」、「摺動台1」、「本体2」及び「プリンター34」は、併せて本件発明13Aの「被検眼の眼特性の取得動作を行う装置本体」に相当する。

(Aイ)甲1発明の「被検眼Eと対物レンズ光軸とのアライメント操作が行われている間」であって「アドバンススイッチ31からの指令を待ち受け」ている「ステップ41」、「角膜屈折力の測定結果が」「正常と判定され」「テレビモニタ8を眼軸長アライメント画面に切換えて更にアドバンススイッチ31の指令を待つステップ45」及び「IOLの演算実行後」「アドバンススイッチ31の指令を待ち受け」る「ステップ」「49」は、それぞれ本件発明13Aの「前記取得動作に含まれる」「動作段階」に相当し、併せて本件発明13Aの「前記取得動作に含まれる複数の動作段階」に相当する。

(Aウ)甲1発明の「角膜屈折力の測定を実行」する制御、「眼軸長の測定を実行」する制御、及び「データをプリンター34に印字」する制御は、それぞれ本件発明13Aの「動作段階に」「対応した前記装置本体の動作制御」に相当し、併せて本件発明13Aの「前記複数の動作段階にそれぞれ対応した前記装置本体の動作制御」に相当する。

(Aエ)甲1発明の「アドバンススイッチ31がオンされる」ことは、本件発明13Aの「前記動作制御の開始操作であって且つ前記複数の動作段階で共通の前記開始操作」に相当する。

(Aオ)甲1発明は、「角膜屈折力測定、眼軸長測定、プリンター印字それぞれの動作実行は、アドバンススイッチ31の指令により演算回路30を介してなされるように構成されて」いることから、甲1発明の「演算回路30」は、「アドバンススイッチ31の指令」、すなわち「アドバンススイッチ31がオンされ」たことを認識してそれぞれの動作実行を行うものと解される。

したがって、甲1発明の「演算回路30」は、本件発明13Aの「前記動作制御の開始操作であって且つ前記複数の動作段階で共通の前記開始操作を検出する操作検出部」に相当する構成を備えているといえる。

(Aカ)そして、甲1発明の「演算回路30」は、本件発明13Aの「前記操作検出部で前記開始操作が検出された場合に前記複数の動作段階の中から現在の動作段階を判別し、前記対応関係取得部が取得した前記対応関係を参照して、前記現在の動作段階に対応した前記動作制御を決定する決定部」と、「前記操作検出部で前記開始操作が検出された場合に前記現在の動作段階に対応した前記動作制御を決定する決定部」で共通する構成を備えているといえる。

(Aキ)また、甲1発明の「演算回路30」は、本件発明13Aの「前記決定部が決定した前記動作制御に従って前記装置本体を動作させる制御部」に相当する構成を備えているといえる。

構成(F)について

(Fア)甲1発明の「得られた角膜屈折力、眼軸長、IOLの屈折力等のデータを」「印字」する「プリンター34」は、本件発明13Aの「前記被検眼の前記眼特性の取得結果を出力する出力部」に相当する。

(Fイ)甲1発明の「IOLの演算実行後、」「アドバンススイッチ31の指令を待ち受け」る「制御のステップ」「49」は、本件発明13Aの「前記装置本体による前記被検眼の前記眼特性の取得が完了した後の第4動作段階」に相当する。

(Fウ)甲1発明は、「ステップ」「49」で「アドバンススイッチ31がオンされると制御のステップは50に進み、上記で得られた角膜屈折力、眼軸長、IOLの屈折力等のデータをプリンター34に印字」することから、本件発明13Aの「前記対応関係には、前記第4動作段階に対応した前記動作制御として、前記出力部に前記取得結果の出力を実行させる出力実行制御が記憶されている」に相当する構成を備えているといえる。

構成(G)について

(Gア)甲1発明の「ベース」は、本件発明13Aの「ベース」に相当する。

(Gイ)甲1発明の内部に「被検眼Eの角膜屈折力を測定する第1の測定系と、眼軸長を求めるための第2の測定系が設けられて」いる「本体2」は、本件発明13Aの「眼特性取得部」に相当する。

(Gウ)甲1発明において、「摺動台1」の移動とともに「本体2」が移動することは明らかであるから、甲1発明の「ベース上に載置され」、その上に「本体2」が「設けられ」た「摺動台1」と、本件発明13Aの「前記ベースに設けられ、前記ベースに対して前記眼特性取得部を予め定めた軸方向に移動させる駆動部」とは、「前記ベースに設けられ、前記ベースに対して前記眼特性取得部を移動させる駆動部」で共通する。

構成(L)について

(Lア)甲1発明の「眼科装置」は、本件発明13Aの「眼科装置」に相当する。

(a-2)そうすると、本件発明13Aと甲1発明とは、

「 被検眼の眼特性の取得動作を行う装置本体を備え、
前記取得動作に含まれる複数の動作段階と、前記複数の動作段階にそれぞれ対応した前記装置本体の動作制御と、の対応関係が定められており、
前記動作制御の開始操作であって且つ前記複数の動作段階で共通の前記開始操作を検出する操作検出部と、
前記操作検出部で前記開始操作が検出された場合に前記現在の動作段階に対応した前記動作制御を決定する決定部と、
続きを表示(全11行)
前記決定部が決定した前記動作制御に従って前記装置本体を動作させる制御部と、
を備え、
前記装置本体は、前記被検眼の前記眼特性の取得結果を出力する出力部を有し、
前記複数の動作段階には、前記装置本体による前記被検眼の前記眼特性の取得が完了した後の第4動作段階が含まれ、
前記対応関係には、前記第4動作段階に対応した前記動作制御として、前記出力部に前記取得結果の出力を実行させる出力実行制御が記憶されており、
前記装置本体は、ベースと、前記眼特性を取得する眼特性取得部と、前記ベースに設けられ、前記ベースに対して前記眼特性取得部を移動させる駆動部を備える、
眼科装置。」

の発明である点において一致し、次の2点において相違する。

(相違点1)

前記現在の動作段階に対応した前記動作制御を決定することに関して、本件発明13Aは、前記取得動作に含まれる複数の動作段階と、前記複数の動作段階にそれぞれ対応した前記装置本体の動作制御と、の対応関係を取得する対応関係取得部を備え、決定部が、前記操作検出部で前記開始操作が検出された場合に前記複数の動作段階の中から現在の動作段階を判別し、前記対応関係取得部が取得した前記対応関係を参照して、前記現在の動作段階に対応した前記動作制御を決定するのに対し、甲1発明は、「制御プログラムにより、測定手順の自動化」が「可能と」され「角膜屈折力測定、眼軸長測定、プリンター印字それぞれの動作実行は、アドバンススイッチ31の指令により演算回路30を介してなされるように構成されて」いるものの、対応関係取得部を備えることは特定されておらず、「アドバンススイッチ31オンされ」たときに、どのようにして動作実行の内容を決定しているのか、その詳細は不明である点。

(相違点7)

本件発明13Aにおいては、駆動部による眼特性取得部の移動方向が、予め定めた軸方向であること、前記操作検出部が検出する前記開始操作が、前記眼特性取得部及び前記駆動部の少なくとも一方を前記軸方向に押し操作又は引き操作する押し引き操作であること、前記決定部は、前記操作検出部による前記押し引き操作の検出結果に基づき、前記現在の動作段階に対応した前記動作制御を決定することが特定されているのに対し、甲1発明においては、摺動台1の移動方向が予め定められた軸方向であることが特定されていないとともに、演算回路30が検出する開始操作が、「アドバンススイッチ31がオンされる」ことである点。

(a-3)上記相違点1について検討する。

甲1発明は、アドバンススイッチ31オンされたときに、どのようにして実行する動作の内容を決定しているのか、その詳細は不明であるが、ステップ41でアドバンススイッチ31がオンされると角膜屈折力の測定を実行し、ステップ45でアドバンススイッチ31がオンされると眼軸長の測定を実行し、ステップ49でアドバンススイッチ31がオンされるとデータをプリンター34に印字するように、制御プログラムにより、測定手順の自動化が可能とされ、角膜屈折力測定、眼軸長測定、プリンター印字それぞれの動作実行は、演算回路30を介してなされるように構成されていることから、各ステップとアドバンススイッチ31がオンされたときに実行する動作の内容との対応関係を把握しており、換言すれば当該対応関係を取得しており、アドバンススイッチ31がオンされたときに制御がどのステップにあるかを判断し、当該対応関係に基づいて実行する動作の内容を決定していると解される。

してみると、甲1発明は、本件発明13Aの「前記取得動作に含まれる複数の動作段階と、前記複数の動作段階にそれぞれ対応した前記装置本体の動作制御と、の対応関係を取得する対応関係取得部」及び「前記操作検出部で前記開始操作が検出された場合に前記複数の動作段階の中から現在の動作段階を判別し、前記対応関係取得部が取得した前記対応関係を参照して、前記現在の動作段階に対応した前記動作制御を決定する決定部」に相当する構成を備えているといえる。

したがって、上記相違点1は実質的な相違点ではない。

(a-4)上記相違点7について検討する。

上記相違点7は、実質的な相違点であるから、本件発明13Aは、甲1発明と同一ではない。

上記相違点7に係る「前記操作検出部は、前記開始操作として、前記眼特性取得部及び前記駆動部の少なくとも一方を前記軸方向に押し操作又は引き操作する押し引き操作を検出し、前記決定部は、前記操作検出部による前記押し引き操作の検出結果に基づき、前記現在の動作段階に対応した前記動作制御を決定する」構成(以下「押し引き構成」という。)について検討する。

甲3発明は、第六段階(測定結果の一覧の表示)において、架台2を大きく動かすと第一段階(アライメント1)に戻ることを開示するが、架台2を大きく動かすことは、複数の動作段階における共通の開始操作ではなく、甲3には、架台2を大きく動かすことを複数の動作段階における共通の開始操作として用いることを示唆する記載もない。

また、甲2及び甲4には、押し引き構成を開示又は示唆する記載はない。

そして、押し引き構成は、本件特許の出願前において周知技術であるともいえない。

したがって、上記相違点7に係る本件発明13Aの発明特定事項は、甲1ないし甲4に触れた当業者といえども容易になし得たこととはいえない。

よって、本件発明13Aは、当業者といえども、甲1発明及び甲2ないし甲4に記載された事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

(b)甲2発明ないし甲4発明のいずれかを主引用発明とした場合について

甲1ないし甲4は、上記相違点7に係る押し引き構成を開示するものではないから、甲2発明ないし甲4発明のいずれかを主引用発明とした場合にも、本件発明13Aと甲2発明ないし甲4発明との間には、少なくとも押し引き構成に係る相違点が存在する。

そのため、本件発明13Aは、甲2発明ないし甲4発明と同一ではない。

そして、本件発明13Aは、当業者といえども、甲2発明ないし甲4発明及び甲1ないし甲4に記載された事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

(c)してみると、本件発明13Aは、新規性又は進歩性が欠如するものとはいえない。

b 請求項8又は9の記載を引用して特定される請求項13に係る発明(以下「本件発明13B」という。)について

請求項8及び9は、直接又は間接的に請求項7の記載を引用している。

したがって、少なくとも本件発明13Aと同じ理由により、本件発明13Bは、新規性又は進歩性が欠如するものとはいえない。

c 請求項10の記載を引用して特定される請求項13に係る発明(以下「本件発明13C」という。)について

請求項10は、請求項3から6のいずれか1項の記載を引用し、請求項6は、請求項3から5のいずれか1項の記載を引用していることから、本件発明13Cを、それぞれの引用に基づいて、独立請求項形式に書き改めると、以下のとおりである。

「(A)被検眼の眼特性の取得動作を行う装置本体と、
前記取得動作に含まれる複数の動作段階と、前記複数の動作段階にそれぞれ対応した前記装置本体の動作制御と、の対応関係を取得する対応関係取得部と、
前記動作制御の開始操作であって且つ前記複数の動作段階で共通の前記開始操作を検出する操作検出部と、
前記操作検出部で前記開始操作が検出された場合に前記複数の動作段階の中から現在の動作段階を判別し、前記対応関係取得部が取得した前記対応関係を参照して、前記現在の動作段階に対応した前記動作制御を決定する決定部と、
続きを表示(全14行)
前記決定部が決定した前記動作制御に従って前記装置本体を動作させる制御部と、
を備え、
(C)前記装置本体は、ベースと、前記眼特性を取得する眼特性取得部と、前記ベースに設けられ、前記ベースに対して前記眼特性取得部を予め定めた軸方向に移動させる駆動部と、を備え、
前記複数の動作段階には、前記装置本体による前記被検眼の前記眼特性の取得の開始前の第1動作段階が含まれ、
前記対応関係には、前記第1動作段階に対応した前記動作制御として、前記駆動部の駆動を制御して前記被検眼に対する前記眼特性取得部のアライメントを開始するアライメント開始制御と、前記駆動部の駆動を制御して前記眼特性取得部による前記眼特性の取得の対象の前記被検眼を左右眼の一方から他方に切り替える左右切替移動制御と、が記憶されており、
(F)前記装置本体は、前記被検眼の前記眼特性の取得結果を出力する出力部を有し、
前記複数の動作段階には、前記装置本体による前記被検眼の前記眼特性の取得が完了した後の第4動作段階が含まれ、
前記対応関係には、前記第4動作段階に対応した前記動作制御として、前記出力部に前記取得結果の出力を実行させる出力実行制御が記憶されており、
(J)前記操作検出部は、前記開始操作として、操作者による接触操作を検出する接触センサである、
(L)眼科装置。」(以下「本件発明13C3」という。)
「(A)被検眼の眼特性の取得動作を行う装置本体と、
前記取得動作に含まれる複数の動作段階と、前記複数の動作段階にそれぞれ対応した前記装置本体の動作制御と、の対応関係を取得する対応関係取得部と、
前記動作制御の開始操作であって且つ前記複数の動作段階で共通の前記開始操作を検出する操作検出部と、
前記操作検出部で前記開始操作が検出された場合に前記複数の動作段階の中から現在の動作段階を判別し、前記対応関係取得部が取得した前記対応関係を参照して、前記現在の動作段階に対応した前記動作制御を決定する決定部と、
続きを表示(全12行)
前記決定部が決定した前記動作制御に従って前記装置本体を動作させる制御部と、
を備え、
(D)前記裝置本体は、ベースと、前記眼特性を取得する眼特性取得部と、前記ベースに設けられ、前記ベースに対して前記眼特性取得部を予め定めた軸方向に移動させる駆動部と、を備え、前記複数の動作段階には、前記駆動部が前記眼特性取得部を前記被検眼に向かう方向に移動させている第2動作段階が含まれ、前記対応関係には、前記第2動作段階に対応した前記動作制御として、前記駆動部の駆動を制御して前記眼特性取得部を前記被検眼から遠ざかる方向に移動させてから停止させる第1停止制御が記憶されており、
(F)前記装置本体は、前記被検眼の前記眼特性の取得結果を出力する出力部を有し、
前記複数の動作段階には、前記装置本体による前記被検眼の前記眼特性の取得が完了した後の第4動作段階が含まれ、
前記対応関係には、前記第4動作段階に対応した前記動作制御として、前記出力部に前記取得結果の出力を実行させる出力実行制御が記憶されており、
(J)前記操作検出部は、前記開始操作として、操作者による接触操作を検出する接触センサである、
(L)眼科装置。」(以下「本件発明13C4」という。)
「(A)被検眼の眼特性の取得動作を行う装置本体と、
前記取得動作に含まれる複数の動作段階と、前記複数の動作段階にそれぞれ対応した前記装置本体の動作制御と、の対応関係を取得する対応関係取得部と、
前記動作制御の開始操作であって且つ前記複数の動作段階で共通の前記開始操作を検出する操作検出部と、
前記操作検出部で前記開始操作が検出された場合に前記複数の動作段階の中から現在の動作段階を判別し、前記対応関係取得部が取得した前記対応関係を参照して、前記現在の動作段階に対応した前記動作制御を決定する決定部と、
続きを表示(全12行)
前記決定部が決定した前記動作制御に従って前記装置本体を動作させる制御部と、
を備え、
(E)前記裝置本体は、ベースと、前記眼特性を取得する眼特性取得部と、前記ベースに設けられ、前記ベースに対して前記眼特性取得部を予め定めた軸方向に移動させる駆動部と、を備え、前記複数の動作段階には、前記駆動部が前記眼特性取得部を前記被検眼に向かう方向とは異なる方向に移動させている第3動作段階が含まれ、前記対応関係には、前記第3動作段階に対応した前記動作制御として、前記駆動部の駆動を制御して前記眼特性取得部の移動を停止する第2停止制御が記憶されており、
(F)前記装置本体は、前記被検眼の前記眼特性の取得結果を出力する出力部を有し、
前記複数の動作段階には、前記装置本体による前記被検眼の前記眼特性の取得が完了した後の第4動作段階が含まれ、
前記対応関係には、前記第4動作段階に対応した前記動作制御として、前記出力部に前記取得結果の出力を実行させる出力実行制御が記憶されており、
(J)前記操作検出部は、前記開始操作として、操作者による接触操作を検出する接触センサである、
(L)眼科装置。」(以下「本件発明13C5」という。)

(a)甲1発明を主引用発明とした場合の本件発明13C3について

(a-1)本件発明13C3と甲1発明を対比する。

構成(A)、(F)及び(L)については、上記aにおける本件発明13Aと甲1発明との対比と同じことがいえる。

構成(C)のうち、「前記装置本体は、ベースと、前記眼特性を取得する眼特性取得部と、前記ベースに設けられ、前記ベースに対して前記眼特性取得部を予め定めた軸方向に移動させる駆動部と、を備え、」については、上記aにおける本件発明13Aの構成(G)と甲1発明との対比と同じことがいえる。

(a-2)そうすると、本件発明13C3と甲1発明とは、

「 被検眼の眼特性の取得動作を行う装置本体と、
前記取得動作に含まれる複数の動作段階と、前記複数の動作段階にそれぞれ対応した前記装置本体の動作制御と、の対応関係を取得する対応関係取得部と、
前記動作制御の開始操作であって且つ前記複数の動作段階で共通の前記開始操作を検出する操作検出部と、
前記操作検出部で前記開始操作が検出された場合に前記複数の動作段階の中から現在の動作段階を判別し、前記対応関係取得部が取得した前記対応関係を参照して、前記現在の動作段階に対応した前記動作制御を決定する決定部と、
続きを表示(全11行)
前記決定部が決定した前記動作制御に従って前記装置本体を動作させる制御部と、
を備え、
前記装置本体は、ベースと、前記眼特性を取得する眼特性取得部と、前記ベースに設けられ、前記ベースに対して前記眼特性取得部を移動させる駆動部を備え、
前記装置本体は、前記被検眼の前記眼特性の取得結果を出力する出力部を有し、
前記複数の動作段階には、前記装置本体による前記被検眼の前記眼特性の取得が完了した後の第4動作段階が含まれ、
前記対応関係には、前記第4動作段階に対応した前記動作制御として、前記出力部に前記取得結果の出力を実行させる出力実行制御が記憶されている、
眼科装置。」

の発明である点において一致し、次の2点において相違する。

(相違点3)

本件発明13C3においては、駆動部による眼特性取得部の移動方向が、予め定めた軸方向であること、前記複数の動作段階には、前記装置本体による前記被検眼の前記眼特性の取得の開始前の第1動作段階が含まれ、前記対応関係には、前記第1動作段階に対応した前記動作制御として、前記駆動部の駆動を制御して前記被検眼に対する前記眼特性取得部のアライメントを開始するアライメント開始制御と、前記駆動部の駆動を制御して前記眼特性取得部による前記眼特性の取得の対象の前記被検眼を左右眼の一方から他方に切り替える左右切替移動制御と、が記憶されていることが特定されているのに対し、甲1発明においては、そのような特定がされていない点。

(相違点10)

本件発明13C3においては、前記操作検出部は、前記開始操作として、操作者による接触操作を検出する接触センサであるのに対し、甲1発明においては、演算回路30が検出する開始操作が、「アドバンススイッチ31がオンされる」ことである点。

(a-3)上記相違点3について検討する

上記相違点3は、実質的な相違点であるから、本件発明13C3は、甲1発明と同一ではない。

そして、上記相違点3に係る「前記複数の動作段階には、前記装置本体による前記被検眼の前記眼特性の取得の開始前の第1動作段階が含まれ、前記対応関係には、前記第1動作段階に対応した前記動作制御として、前記駆動部の駆動を制御して前記被検眼に対する前記眼特性取得部のアライメントを開始するアライメント開始制御と、前記駆動部の駆動を制御して前記眼特性取得部による前記眼特性の取得の対象の前記被検眼を左右眼の一方から他方に切り替える左右切替移動制御と、が記憶されている」構成(以下「アライメント開始構成」という。)は、甲2ないし甲4には記載されておらず、本件特許の出願前において周知技術であるともいえない。

したがって、上記相違点3に係る本件発明13C3の発明特定事項は、甲1ないし甲4に触れた当業者といえども容易になし得たこととはいえない。

よって、上記相違点10について検討するまでもなく、本件発明13C3は、当業者といえども、甲1発明及び甲2ないし甲4に記載された事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

(b)甲2発明ないし甲4発明のいずれかを主引用発明とした場合の本件発明13C3について

甲1ないし甲4は、上記相違点3に係るアライメント開始構成を開示するものではないから、甲2発明ないし甲4発明のいずれかを主引用発明とした場合にも、本件発明13C3と甲2発明ないし甲4発明との間には、少なくともアライメント開始構成に係る相違点が存在する。

そのため、本件発明13C3は、甲2発明ないし甲4発明と同一ではない。

そして、本件発明13C3は、当業者といえども、甲2発明ないし甲4発明及び甲1ないし甲4に記載された事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

(c)してみると、本件発明13C3は、新規性又は進歩性が欠如するものとはいえない。

(d)甲1発明を主引用発明とした場合の本件発明13C4について

(d-1)本件発明13C4と甲1発明を対比する。

構成(A)、(F)及び(L)については、上記aにおける本件発明13Aと甲1発明との対比と同じことがいえる。

構成(D)のうち、「前記装置本体は、ベースと、前記眼特性を取得する眼特性取得部と、前記ベースに設けられ、前記ベースに対して前記眼特性取得部を予め定めた軸方向に移動させる駆動部と、を備え、」については、上記aにおける本件発明13Aの構成(G)と甲1発明との対比と同じことがいえる。

(d-2)そうすると、本件発明13C4と甲1発明とは、

「 被検眼の眼特性の取得動作を行う装置本体と、
前記取得動作に含まれる複数の動作段階と、前記複数の動作段階にそれぞれ対応した前記装置本体の動作制御と、の対応関係を取得する対応関係取得部と、
前記動作制御の開始操作であって且つ前記複数の動作段階で共通の前記開始操作を検出する操作検出部と、
前記操作検出部で前記開始操作が検出された場合に前記複数の動作段階の中から現在の動作段階を判別し、前記対応関係取得部が取得した前記対応関係を参照して、前記現在の動作段階に対応した前記動作制御を決定する決定部と、
続きを表示(全11行)
前記決定部が決定した前記動作制御に従って前記装置本体を動作させる制御部と、
を備え、
前記装置本体は、ベースと、前記眼特性を取得する眼特性取得部と、前記ベースに設けられ、前記ベースに対して前記眼特性取得部を移動させる駆動部を備え、
前記装置本体は、前記被検眼の前記眼特性の取得結果を出力する出力部を有し、
前記複数の動作段階には、前記装置本体による前記被検眼の前記眼特性の取得が完了した後の第4動作段階が含まれ、
前記対応関係には、前記第4動作段階に対応した前記動作制御として、前記出力部に前記取得結果の出力を実行させる出力実行制御が記憶されている、
眼科装置。」

の発明である点において一致し、次の2点において相違する。

(相違点4)

本件発明13C4においては、駆動部による眼特性取得部の移動方向が、予め定めた軸方向であること、前記複数の動作段階には、前記駆動部が前記眼特性取得部を前記被検眼に向かう方向に移動させている第2動作段階が含まれ、前記対応関係には、前記第2動作段階に対応した前記動作制御として、前記駆動部の駆動を制御して前記眼特性取得部を前記被検眼から遠ざかる方向に移動させてから停止させる第1停止制御が記憶されていることが特定されているのに対し、甲1発明においては、そのような特定がされていない点。

(相違点10)

本件発明13C4においては、前記操作検出部は、前記開始操作として、操作者による接触操作を検出する接触センサであるのに対し、甲1発明においては、演算回路30が検出する開始操作が、「アドバンススイッチ31がオンされる」ことである点。

(d-3)上記相違点4について検討する

上記相違点4は、実質的な相違点であるから、本件発明13C4は、甲1発明と同一ではない。

上記相違点4に係る「前記複数の動作段階には、前記駆動部が前記眼特性取得部を前記被検眼に向かう方向に移動させている第2動作段階が含まれ、前記対応関係には、前記第2動作段階に対応した前記動作制御として、前記駆動部の駆動を制御して前記眼特性取得部を前記被検眼から遠ざかる方向に移動させてから停止させる第1停止制御が記憶されている」構成(以下「後退停止構成」という。)について検討する。

甲2発明は、表示手段上に一体に設けられる第1の操作手段である仮想スイッチ301に、撮像中に頻繁に操作する機能である緊急停止等の複数の機能を纏めて割り振ることを開示するが、甲2には、同一のスイッチ操作により、複数の動作段階で異なる動作制御を行うことに関する記載はないことから、緊急停止が割り振られた仮想スイッチ301は、緊急停止専用のスイッチであると解される。そして、甲2には、複数の動作段階で共通の開始操作による、動作段階に対応した動作制御として、緊急停止を対応づけることを示唆する記載はない。

甲3及び甲4にも、複数の動作段階で共通の開始操作による、動作段階に対応した動作制御として、駆動部の停止制御を対応づけることを開示又は示唆する記載はない。

そして、後退停止構成は、本件特許の出願前において周知技術であるともいえない。

したがって、上記相違点4に係る本件発明13C4の発明特定事項は、甲1ないし甲4に触れた当業者といえども容易になし得たこととはいえない。

よって、上記相違点10について検討するまでもなく、本件発明13C4は、当業者といえども、甲1発明及び甲2ないし甲4に記載された事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

(e)甲2発明ないし甲4発明のいずれかを主引用発明とした場合の本件発明13C4について

甲1ないし甲4は、上記相違点4に係る後退停止構成を開示するものではないから、甲2発明ないし甲4発明のいずれかを主引用発明とした場合にも、本件発明13C4と甲2発明ないし甲4発明との間には、少なくとも後退停止構成に係る相違点が存在する。

そのため、本件発明13C4は、甲2発明ないし甲4発明と同一ではない。

そして、本件発明13C4は、当業者といえども、甲2発明ないし甲4発明及び甲1ないし甲4に記載された事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

(f)してみると、本件発明13C4は、新規性又は進歩性が欠如するものとはいえない。

(g)甲1発明を主引用発明とした場合の本件発明13C5について

(g-1)本件発明13C5と甲1発明を対比する。

構成(A)、(F)及び(L)については、上記aにおける本件発明13Aと甲1発明との対比と同じことがいえる。

構成(E)のうち、「前記装置本体は、ベースと、前記眼特性を取得する眼特性取得部と、前記ベースに設けられ、前記ベースに対して前記眼特性取得部を予め定めた軸方向に移動させる駆動部と、を備え、」については、上記aにおける本件発明13Aの構成(G)と甲1発明との対比と同じことがいえる。

(g-2)そうすると、本件発明13C5と甲1発明とは、

「 被検眼の眼特性の取得動作を行う装置本体と、
前記取得動作に含まれる複数の動作段階と、前記複数の動作段階にそれぞれ対応した前記装置本体の動作制御と、の対応関係を取得する対応関係取得部と、
前記動作制御の開始操作であって且つ前記複数の動作段階で共通の前記開始操作を検出する操作検出部と、
前記操作検出部で前記開始操作が検出された場合に前記複数の動作段階の中から現在の動作段階を判別し、前記対応関係取得部が取得した前記対応関係を参照して、前記現在の動作段階に対応した前記動作制御を決定する決定部と、
続きを表示(全11行)
前記決定部が決定した前記動作制御に従って前記装置本体を動作させる制御部と、
を備え、
前記装置本体は、ベースと、前記眼特性を取得する眼特性取得部と、前記ベースに設けられ、前記ベースに対して前記眼特性取得部を移動させる駆動部を備え、
前記装置本体は、前記被検眼の前記眼特性の取得結果を出力する出力部を有し、
前記複数の動作段階には、前記装置本体による前記被検眼の前記眼特性の取得が完了した後の第4動作段階が含まれ、
前記対応関係には、前記第4動作段階に対応した前記動作制御として、前記出力部に前記取得結果の出力を実行させる出力実行制御が記憶されている、
眼科装置。」

の発明である点において一致し、次の2点において相違する。

(相違点5)

本件発明13C5においては、駆動部による眼特性取得部の移動方向が、予め定めた軸方向であること、前記複数の動作段階には、前記駆動部が前記眼特性取得部を前記被検眼に向かう方向とは異なる方向に移動させている第3動作段階が含まれ、前記対応関係には、前記第3動作段階に対応した前記動作制御として、前記駆動部の駆動を制御して前記眼特性取得部の移動を停止する第2停止制御が記憶されていることが特定されているのに対し、甲1発明においては、そのような特定がされていない点。

(相違点10)

本件発明13C5においては、前記操作検出部は、前記開始操作として、操作者による接触操作を検出する接触センサであるのに対し、甲1発明においては、演算回路30が検出する開始操作が、「アドバンススイッチ31がオンされる」ことである点。

(g-3)上記相違点5について検討する

上記相違点5は、実質的な相違点であるから、本件発明13C5は、甲1発明と同一ではない。

上記相違点5に係る「前記複数の動作段階には、前記駆動部が前記眼特性取得部を前記被検眼に向かう方向とは異なる方向に移動させている第3動作段階が含まれ、前記対応関係には、前記第3動作段階に対応した前記動作制御として、前記駆動部の駆動を制御して前記眼特性取得部の移動を停止する第2停止制御が記憶されている」構成(以下「即停止構成」という。)について検討する。

甲2発明は、表示手段上に一体に設けられる第1の操作手段である仮想スイッチ301に、撮像中に頻繁に操作する機能である緊急停止等の複数の機能を纏めて割り振ることを開示するが、甲2には、同一のスイッチ操作により、複数の動作段階で異なる動作制御を行うことに関する記載はないことから、緊急停止が割り振られた仮想スイッチ301は、緊急停止専用のスイッチであると解される。そして、甲2には、複数の動作段階で共通の開始操作による、動作段階に対応した動作制御として、緊急停止を対応づけることを示唆する記載はない。

甲3及び甲4にも、複数の動作段階で共通の開始操作による、動作段階に対応した動作制御として、駆動部の停止制御を対応づけることを開示又は示唆する記載はない。

そして、即停止構成は、本件特許の出願前において周知技術であるともいえない。

したがって、上記相違点5に係る本件発明13C5の発明特定事項は、甲1ないし甲4に触れた当業者といえども容易になし得たこととはいえない。

よって、上記相違点10について検討するまでもなく、本件発明13C5は、当業者といえども、甲1発明及び甲2ないし甲4に記載された事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

(h)甲2発明ないし甲4発明のいずれかを主引用発明とした場合の本件発明13C5について

甲1ないし甲4は、上記相違点5に係る即停止構成を開示するものではないから、甲2発明ないし甲4発明のいずれかを主引用発明とした場合にも、本件発明13C5と甲2発明ないし甲4発明との間には、少なくとも即停止構成に係る相違点が存在する。

そのため、本件発明13C5は、甲2発明ないし甲4発明と同一ではない。

そして、本件発明13C5は、当業者といえども、甲2発明ないし甲4発明及び甲1ないし甲4に記載された事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

(i)してみると、本件発明13C5は、新規性又は進歩性が欠如するものとはいえない。

d 請求項11の記載を引用して特定される請求項13に係る発明(以下「本件発明13D」という。)について

本件発明13Dを独立請求項形式に書き改めると、以下のとおりである。

「(A)被検眼の眼特性の取得動作を行う装置本体と、
前記取得動作に含まれる複数の動作段階と、前記複数の動作段階にそれぞれ対応した前記装置本体の動作制御と、の対応関係を取得する対応関係取得部と、
前記動作制御の開始操作であって且つ前記複数の動作段階で共通の前記開始操作を検出する操作検出部と、
前記操作検出部で前記開始操作が検出された場合に前記複数の動作段階の中から現在の動作段階を判別し、前記対応関係取得部が取得した前記対応関係を参照して、前記現在の動作段階に対応した前記動作制御を決定する決定部と、
続きを表示(全11行)
前記決定部が決定した前記動作制御に従って前記装置本体を動作させる制御部と、
を備え、
(F)前記装置本体は、前記被検眼の前記眼特性の取得結果を出力する出力部を有し、
前記複数の動作段階には、前記装置本体による前記被検眼の前記眼特性の取得が完了した後の第4動作段階が含まれ、
前記対応関係には、前記第4動作段階に対応した前記動作制御として、前記出力部に前記取得結果の出力を実行させる出力実行制御が記憶されており、
(K)前記操作検出部は、前記開始操作として、操作者の予め定めた動作を検出するモーションセンサである
(L)眼科装置。」

(a)甲1発明を主引用発明とした場合について

(a-1)本件発明13Dと甲1発明とを対比する。

構成(A)(F)及び(L)については、上記aにおける本件発明13Aと甲1発明との対比と同じことがいえる。

(a-2)そうすると、本件発明13Dと甲1発明とは、

「 被検眼の眼特性の取得動作を行う装置本体と、
前記取得動作に含まれる複数の動作段階と、前記複数の動作段階にそれぞれ対応した前記装置本体の動作制御と、の対応関係を取得する対応関係取得部と、
前記動作制御の開始操作であって且つ前記複数の動作段階で共通の前記開始操作を検出する操作検出部と、
前記操作検出部で前記開始操作が検出された場合に前記複数の動作段階の中から現在の動作段階を判別し、前記対応関係取得部が取得した前記対応関係を参照して、前記現在の動作段階に対応した前記動作制御を決定する決定部と、
前記決定部が決定した前記動作制御に従って前記装置本体を動作させる制御部と、
を備え、
前記装置本体は、前記被検眼の前記眼特性の取得結果を出力する出力部を有し、
前記複数の動作段階には、前記装置本体による前記被検眼の前記眼特性の取得が完了した後の第4動作段階が含まれ、
前記対応関係には、前記第4動作段階に対応した前記動作制御として、前記出力部に前記取得結果の出力を実行させる出力実行制御が記憶されている、
眼科装置。」

の発明である点において一致し、次の点において相違する。

(相違点11)

前記動作制御の開始操作であって且つ前記複数の動作段階で共通の前記開始操作を検出する操作検出部が、本件発明13Dにおいては、前記開始操作として、操作者の予め定めた動作を検出するモーションセンサであるのに対し、甲1発明においては、「アドバンススイッチ31がオンされ」たことを認識する「演算回路30」である点。

(a-3)上記相違点11について検討する。

上記相違点11は、実質的な相違点であるから、本件発明13Dは、甲1と同一ではない。

そして、上記相違点11に係る「前記動作制御の開始操作であって且つ前記複数の動作段階で共通の前記開始操作を検出する操作検出部」が「前記開始操作として、操作者の予め定めた動作を検出するモーションセンサである」構成(以下「モーションセンサ構成」という。)は、甲2ないし甲4には記載されておらず、また、本件特許の出願前において周知技術であるともいえない。

したがって、上記相違点11に係る本件発明13Dの発明特定事項は、甲1ないし甲4に触れた当業者といえども容易になし得たこととはいえない。

よって、本件発明13Dは、当業者といえども、甲1発明及び甲2ないし甲4に記載された事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

(b)甲2発明ないし甲4発明のいずれかを主引用発明とした場合について

甲2ないし甲4は、上記相違点11に係るモーションセンサ構成を開示するものではないから、甲2発明ないし甲4発明のいずれかを主引用発明とした場合にも、本件発明13Dと甲2発明ないし甲4発明との間には、少なくともモーションセンサ構成に係る相違点が存在する。

そのため、本件発明13Dは、甲2発明ないし甲4発明と同一ではない。

そして、本件発明13Dは、当業者といえども、甲2発明ないし甲4発明及び甲1ないし甲4に記載された事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

(c)してみると、本件発明13Dは、新規性又は進歩性が欠如するものとはいえない。

(イ)記載不備について

請求項13の記載及び本件特許の明細書の記載を検討しても、特許法第36条第4項第1号の規定又は同条第6項の規定を満たしていないとすべき記載不備が存するものとはいえない。

(ウ)以上のことから、請求項13に係る発明が、特許出願の際、独立して特許を受けることができるものではないとすべき理由が存するものとは認められない。

したがって、訂正事項9は、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項に規定する要件を満たす。

ウ 請求項14ないし16に係る発明について

(ア)新規性及び進歩性について

請求項14ないし16に係る発明は、構成(G)を備えていることから、少なくとも上記相違点7に係る構成を有する点で、本件発明13Aと同じ理由により、新規性又は進歩性が欠如するものとはいえない。

(イ)記載不備について

請求項14ないし16の記載及び本件特許の明細書の記載を検討しても、特許法第36条第4項第1号の規定又は同条第6項の規定を満たしていないとすべき記載不備が存するものとはいえない。

(ウ)以上のことから、請求項14ないし16に係る発明が、特許出願の際、独立して特許を受けることができるものではないとすべき理由が存するものとは認められない。

したがって、訂正事項10ないし12は、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項に規定する要件を満たす。

エ 請求項17に係る発明について

(ア)新規性及び進歩性について

請求項17に係る発明は、構成(K)を備えていることから、少なくとも上記相違点11に係る構成を有する点で、本件発明13Dと同じ理由により、新規性又は進歩性が欠如するものとはいえない。

(イ)記載不備について

請求項17の記載及び本件特許の明細書の記載を検討しても、特許法第36条第4項第1号の規定又は同条第6項の規定を満たしていないとすべき記載不備が存するものとはいえない。

(ウ)以上のことから、請求項17に係る発明が、特許出願の際、独立して特許を受けることができるものではないとすべき理由が存するものとは認められない。

したがって、訂正事項13は、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項に規定する要件を満たす。

オ 請求項18に係る発明について

(ア)新規性及び進歩性について

a 請求項3の記載を引用して特定される請求項18に係る発明(以下「本件発明18A」という。)について

本件発明18Aは、構成(C)を備えていることから、上記相違点3に係る構成を備える点で、本件発明13C3と同じ理由により、新規性又は進歩性が欠如するものとはいえない。

b 請求項4の記載を引用して特定される請求項18に係る発明(以下「本件発明18B」という。)について

本件発明18Bは、構成(D)を備えていることから、上記相違点4に係る構成を備える点で、本件発明13C4と同じ理由により、新規性又は進歩性が欠如するものとはいえない。

c 請求項5の記載を引用して特定される請求項18に係る発明(以下「本件発明18C」という。)について

本件発明18Cは、構成(E)を備えていることから、上記相違点5に係る構成を備える点で、本件発明13C5と同じ理由により、新規性又は進歩性が欠如するものとはいえない。

d 請求項6の記載を引用して特定される請求項18に係る発明(以下「本件発明18D」という。)について

本件発明18Dは、請求項3から5のいずれか1項の記載を引用して特定されることから、構成(C)、(D)又は(E)を備えている。そのため、本件発明18Dは、上記相違点3、4又は5に係る構成を備える点で、本件発明13C3、13C4又は13C5と同じ理由により、新規性又は進歩性が欠如するものとはいえない。

e 請求項7ないし9のいずれか1項の記載を引用して特定される請求項18に係る発明(以下「本件発明18E」という。)について

請求項8及び9は、直接又は間接的に請求項7の記載を引用していることから、本件発明18Eは、構成(G)を備えている。そのため、本件発明18Eは、少なくとも上記相違点7に係る構成を備える点で、本件発明13Aと同じ理由により、新規性又は進歩性が欠如するものとはいえない。

f 請求項10の記載を引用して特定される請求項18に係る発明(以下「本件発明18F」という。)について

請求項10は請求項3から6のいずれか1項の記載を引用し、請求項6は請求項3から5のいずれか1項の記載を引用していることから、本件発明18Fは、構成(C)、(D)又は(E)を備えている。そのため、本件発明18Fは、少なくとも上記相違点3、4又は5に係る構成を備える点で、本件発明13C3、13C4又は13C5と同じ理由により、新規性又は進歩性が欠如するものとはいえない。

g 請求項11の記載を引用して特定される請求項18に係る発明(以下「本件発明18G」という。)について

本件発明18Gは、構成(K)を備えていることから、上記相違点11に係る構成を備える点で、本件発明13Dと同じ理由により、新規性又は進歩性が欠如するものとはいえない。

h 請求項13ないし17の記載を引用して特定される請求項18に係る発明(以下「本件発明18H」という。)について

上記イ(ア)、ウ(ア)及びエ(ア)で検討したとおり、請求項13ないし17に係る発明は、新規性又は進歩性が欠如するものとはいえない。

したがって、本件発明18Hは、少なくとも上記相違点3ないし5、7又は11に係る構成を備える点で、請求項13ないし17に係る発明と同じ理由により、新規性又は進歩性が欠如するものとはいえない。

(イ)記載不備について

請求項18の記載及び本件特許の明細書の記載を検討しても、特許法第36条第4項第1号の規定又は同条第6項の規定を満たしていないとすべき記載不備が存するものとはいえない。

(ウ)以上のことから、請求項18に係る発明が、特許出願の際、独立して特許を受けることができるものではないとすべき理由が存するものとは認められない。

したがって、訂正事項14は、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項に規定する要件を満たす。

(4)請求項1ないし11及び13ないし18に係る訂正の適否についてのまとめ

上記のとおり、訂正事項1ないし14に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号及び第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。

また、訂正後の請求項13ないし18は、特許出願の際、独立して特許を受けることができるものであり、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項に規定する要件を満たす。

そして、請求人(特許権者)は、請求項3ないし11及び13ないし18については、当該請求項について訂正が認められる場合には、一群の請求項の他の請求項とは別途訂正をすることを求めている。

したがって、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-2〕、〔3-11、13-18〕について訂正することを認める。

2 請求項12に係る訂正

(1)訂正の内容

(訂正事項1)

訂正前の請求項12を「被検眼の眼特性の取得動作を行う装置本体を備え、前記装置本体が、ベースと、前記眼特性を取得する眼特性取得部と、前記ベースに設けられ、前記ベースに対して前記眼特性取得部を予め定めた軸方向に移動させる駆動部と、を備える眼科装置の作動方法において、対応関係取得部が、前記取得動作に含まれる複数の動作段階と、前記複数の動作段階にそれぞれ対応した前記装置本体の動作制御と、の対応関係を取得する取得工程と、操作検出部が、前記動作制御の開始操作であって且つ前記複数の動作段階で共通の前記開始操作を検出する検出工程と、決定部が、前記操作検出部で前記開始操作が検出された場合に前記複数の動作段階の中から現在の動作段階を判別し、前記対応関係取得部が取得した前記対応関係を参照して、前記現在の動作段階に対応した前記動作制御を決定する決定工程と、制御部が、前記決定部により決定した前記動作制御に従って前記装置本体を動作させる制御工程と、を有し、前記複数の動作段階には、前記装置本体による前記被検眼の前記眼特性の取得の開始前の第1動作段階が含まれ、前記対応関係には、前記第1動作段階に対応した前記動作制御として、前記駆動部の駆動を制御して前記被検眼に対する前記眼特性取得部のアライメントを開始するアライメント開始制御と、前記駆動部の駆動を制御して前記眼特性取得部による前記眼特性の取得の対象の前記被検眼を左右眼の一方から他方に切り替える左右切替移動制御と、が記憶されている眼科装置の作動方法。」に訂正する。

(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否

ア 訂正の目的の適否

訂正事項1は、「眼科装置」について、「前記装置本体が、ベースと、前記眼特性を取得する眼特性取得部と、前記ベースに設けられ、前記ベースに対して前記眼特性取得部を予め定めた軸方向に移動させる駆動部と、を備える」こと、「複数の動作段階」について、「前記装置本体による前記被検眼の前記眼特性の取得の開始前の第1動作段階が含まれ」ること、及び、「対応関係」について、「前記第1動作段階に対応した前記動作制御として、前記駆動部の駆動を制御して前記被検眼に対する前記眼特性取得部のアライメントを開始するアライメント開始制御と、前記駆動部の駆動を制御して前記眼特性取得部による前記眼特性の取得の対象の前記被検眼を左右眼の一方から他方に切り替える左右切替移動制御と、が記憶されている」こととの限定を付加するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 新規事項の有無

訂正事項1は、訂正前の請求項3の「前記装置本体は、ベースと、前記眼特性を取得する眼特性取得部と、前記ベースに設けられ、前記ベースに対して前記眼特性取得部を予め定めた軸方向に移動させる駆動部と、を備え、前記複数の動作段階には、前記装置本体による前記被検眼の前記眼特性の取得の開始前の第1動作段階が含まれ、前記対応関係には、前記第1動作段階に対応した前記動作制御として、前記駆動部の駆動を制御して前記被検眼に対する前記眼特性取得部のアライメントを開始するアライメント開始制御と、前記駆動部の駆動を制御して前記眼特性取得部による前記眼特性の取得の対象の前記被検眼を左右眼の一方から他方に切り替える左右切替移動制御と、が記憶されている」との記載に基づくものである。

したがって、訂正事項1は、本件特許明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものである。

よって、訂正事項1は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否

訂正事項1は、上記アで示したように、特許請求の範囲を減縮するものであって特許請求の範囲を拡張するものではなく、当該訂正により訂正前の請求項12に係る発明のカテゴリー、対象及び目的を変更するものでもない。

したがって、訂正事項1は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項の規定に適合するものである。

(3)独立特許要件

本件においては、訂正前の請求項12について特許異議の申立てがされているので、訂正前の請求項12に係る訂正事項1に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項に規定される独立特許要件は課されない。

(4)請求項12に係る訂正の適否についてのまとめ

上記のとおり、訂正事項1に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。

したがって、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項12について訂正することを認める。

3 訂正の適否についてのまとめ

以上のとおり、請求項1ないし11及び13ないし18に係る訂正事項1ないし14に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号及び第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。

そして、訂正後の請求項13ないし18は、特許出願の際、独立して特許を受けることができるものであり、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項に規定する要件を満たす。

また、請求項12に係る訂正事項1に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。

したがって、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-2〕、〔3-11、13-18〕、12について訂正することを認める。

第4 本件発明

上記のとおり本件訂正が認められるから、請求項1及び2は削除された。そして、本件訂正後の請求項3ないし18に係る発明(以下それぞれ請求項の番号に対応して「本件発明3」などという。)は、訂正特許請求の範囲の請求項3ないし18に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。

【請求項1】

(削除)

【請求項2】

(削除)

【請求項3】

被検眼の眼特性の取得動作を行う装置本体と、

前記取得動作に含まれる複数の動作段階と、前記複数の動作段階にそれぞれ対応した前記装置本体の動作制御と、の対応関係を取得する対応関係取得部と、

前記動作制御の開始操作であって且つ前記複数の動作段階で共通の前記開始操作を検出する操作検出部と、

前記操作検出部で前記開始操作が検出された場合に前記複数の動作段階の中から現在の動作段階を判別し、前記対応関係取得部が取得した前記対応関係を参照して、前記現在の動作段階に対応した前記動作制御を決定する決定部と、

前記決定部が決定した前記動作制御に従って前記装置本体を動作させる制御部と、

を備え、

前記装置本体は、ベースと、前記眼特性を取得する眼特性取得部と、前記ベースに設けられ、前記ベースに対して前記眼特性取得部を予め定めた軸方向に移動させる駆動部と、を備え、

前記複数の動作段階には、前記装置本体による前記被検眼の前記眼特性の取得の開始前の第1動作段階が含まれ、

前記対応関係には、前記第1動作段階に対応した前記動作制御として、前記駆動部の駆動を制御して前記被検眼に対する前記眼特性取得部のアライメントを開始するアライメント開始制御と、前記駆動部の駆動を制御して前記眼特性取得部による前記眼特性の取得の対象の前記被検眼を左右眼の一方から他方に切り替える左右切替移動制御と、が記憶されている眼科装置。

【請求項4】

被検眼の眼特性の取得動作を行う装置本体と、

前記取得動作に含まれる複数の動作段階と、前記複数の動作段階にそれぞれ対応した前記装置本体の動作制御と、の対応関係を取得する対応関係取得部と、

前記動作制御の開始操作であって且つ前記複数の動作段階で共通の前記開始操作を検出する操作検出部と、

前記操作検出部で前記開始操作が検出された場合に前記複数の動作段階の中から現在の動作段階を判別し、前記対応関係取得部が取得した前記対応関係を参照して、前記現在の動作段階に対応した前記動作制御を決定する決定部と、

前記決定部が決定した前記動作制御に従って前記装置本体を動作させる制御部と、

を備え、

前記裝置本体は、ベースと、前記眼特性を取得する眼特性取得部と、前記ベースに設けられ、前記ベースに対して前記眼特性取得部を予め定めた軸方向に移動させる駆動部と、を備え、

前記複数の動作段階には、前記駆動部が前記眼特性取得部を前記被検眼に向かう方向に移動させている第2動作段階が含まれ、

前記対応関係には、前記第2動作段階に対応した前記動作制御として、前記駆動部の駆動を制御して前記眼特性取得部を前記被検眼から遠ざかる方向に移動させてから停止させる第1停止制御が記憶されている眼科装置。

【請求項5】

被検眼の眼特性の取得動作を行う装置本体と、

前記取得動作に含まれる複数の動作段階と、前記複数の動作段階にそれぞれ対応した前記装置本体の動作制御と、の対応関係を取得する対応関係取得部と、

前記動作制御の開始操作であって且つ前記複数の動作段階で共通の前記開始操作を検出する操作検出部と、

前記操作検出部で前記開始操作が検出された場合に前記複数の動作段階の中から現在の動作段階を判別し、前記対応関係取得部が取得した前記対応関係を参照して、前記現在の動作段階に対応した前記動作制御を決定する決定部と、

前記決定部が決定した前記動作制御に従って前記装置本体を動作させる制御部と、

を備え、

前記裝置本体は、ベースと、前記眼特性を取得する眼特性取得部と、前記ベースに設けられ、前記ベースに対して前記眼特性取得部を予め定めた軸方向に移動させる駆動部と、を備え、

前記複数の動作段階には、前記駆動部が前記眼特性取得部を前記被検眼に向かう方向とは異なる方向に移動させている第3動作段階が含まれ、

前記対応関係には、前記第3動作段階に対応した前記動作制御として、前記駆動部の駆動を制御して前記眼特性取得部の移動を停止する第2停止制御が記憶されている眼科装置。

【請求項6】

前記装置本体は、前記被検眼の前記眼特性の取得結果を出力する出力部を有し、

前記複数の動作段階には、前記装置本体による前記被検眼の前記眼特性の取得が完了した後の第4動作段階が含まれ、

前記対応関係には、前記第4動作段階に対応した前記動作制御として、前記出力部に前記取得結果の出力を実行させる出力実行制御が記憶されている請求項3から5のいずれか1項に記載の眼科装置。

【請求項7】

被検眼の眼特性の取得動作を行う装置本体と、

前記取得動作に含まれる複数の動作段階と、前記複数の動作段階にそれぞれ対応した前記装置本体の動作制御と、の対応関係を取得する対応関係取得部と、

前記動作制御の開始操作であって且つ前記複数の動作段階で共通の前記開始操作を検出する操作検出部と、

前記操作検出部で前記開始操作が検出された場合に前記複数の動作段階の中から現在の動作段階を判別し、前記対応関係取得部が取得した前記対応関係を参照して、前記現在の動作段階に対応した前記動作制御を決定する決定部と、

前記決定部が決定した前記動作制御に従って前記装置本体を動作させる制御部と、

を備え、

前記装置本体は、ベースと、前記眼特性を取得する眼特性取得部と、前記ベースに設けられ、前記ベースに対して前記眼特性取得部を予め定めた軸方向に移動させる駆動部と、を備え、

前記操作検出部は、前記開始操作として、前記眼特性取得部及び前記駆動部の少なくとも一方を前記軸方向に押し操作又は引き操作する押し引き操作を検出し、

前記決定部は、前記操作検出部による前記押し引き操作の検出結果に基づき、前記現在の動作段階に対応した前記動作制御を決定する眼科装置。

【請求項8】

前記操作検出部は、前記押し引き操作の操作方向と、前記押し引き操作の圧力の大きさとを検出し、

前記決定部は、前記操作検出部が検出した前記圧力の大きさが予め定めた閾値未満の場合に前記現在の動作段階に対応した前記動作制御の決定を行い、

前記駆動部は、前記操作検出部が検出した前記圧力の大きさが前記閾値以上の場合に、前記眼特性取得部を当該圧力の大きさに応じた速度で前記押し引き操作の操作方向に向けて移動させる請求項7に記載の眼科装置。

【請求項9】

前記駆動部は、前記眼特性取得部と一体に移動する第1係合部と、前記第1係合部に係合する第2係合部と、前記第2係合部を前記軸方向に沿って移動させる駆動源と、を備え、

前記第1係合部及び前記第2係合部は、前記軸方向において互いに対向する対向面を有し、

前記操作検出部は、前記第1係合部及び前記第2係合部の双方の前記対向面にそれぞれ接続された圧カセンサであって、且つ前記押し引き操作の操作方向に応じて前記双方の前記対向面の間で圧縮又は伸長される圧カセンサである請求項7又は8に記載の眼科装置。

【請求項10】

前記操作検出部は、前記開始操作として、操作者による接触操作を検出する接触センサである請求項3から6のいずれか1項に記載の眼科装置。

【請求項11】

被検眼の眼特性の取得動作を行う装置本体と、

前記取得動作に含まれる複数の動作段階と、前記複数の動作段階にそれぞれ対応した前記装置本体の動作制御と、の対応関係を取得する対応関係取得部と、

前記動作制御の開始操作であって且つ前記複数の動作段階で共通の前記開始操作を検出する操作検出部と、

前記操作検出部で前記開始操作が検出された場合に前記複数の動作段階の中から現在の動作段階を判別し、前記対応関係取得部が取得した前記対応関係を参照して、前記現在の動作段階に対応した前記動作制御を決定する決定部と、

前記決定部が決定した前記動作制御に従って前記装置本体を動作させる制御部と、

を備え、

前記操作検出部は、前記開始操作として、操作者の予め定めた動作を検出するモーションセンサである眼科装置。

【請求項12】

被検眼の眼特性の取得動作を行う装置本体を備え、前記装置本体が、ベースと、前記眼特性を取得する眼特性取得部と、前記ベースに設けられ、前記ベースに対して前記眼特性取得部を予め定めた軸方向に移動させる駆動部と、を備える眼科装置の作動方法において、

対応関係取得部が、前記取得動作に含まれる複数の動作段階と、前記複数の動作段階にそれぞれ対応した前記装置本体の動作制御と、の対応関係を取得する取得工程と、

操作検出部が、前記動作制御の開始操作であって且つ前記複数の動作段階で共通の前記開始操作を検出する検出工程と、

決定部が、前記操作検出部で前記開始操作が検出された場合に前記複数の動作段階の中から現在の動作段階を判別し、前記対応関係取得部が取得した前記対応関係を参照して、前記現在の動作段階に対応した前記動作制御を決定する決定工程と、

制御部が、前記決定部により決定した前記動作制御に従って前記装置本体を動作させる制御工程と、

を有し、

前記複数の動作段階には、前記装置本体による前記被検眼の前記眼特性の取得の開始前の第1動作段階が含まれ、

前記対応関係には、前記第1動作段階に対応した前記動作制御として、前記駆動部の駆動を制御して前記被検眼に対する前記眼特性取得部のアライメントを開始するアライメント開始制御と、前記駆動部の駆動を制御して前記眼特性取得部による前記眼特性の取得の対象の前記被検眼を左右眼の一方から他方に切り替える左右切替移動制御と、が記憶されている眼科装置の作動方法。

【請求項13】

前記装置本体は、前記被検眼の前記眼特性の取得結果を出力する出力部を有し、

前記複数の動作段階には、前記装置本体による前記被検眼の前記眼特性の取得が完了した後の第4動作段階が含まれ、

前記対応関係には、前記第4動作段階に対応した前記動作制御として、前記出力部に前記取得結果の出力を実行させる出力実行制御が記憶されている請求項7から11のいずれか1項に記載の眼科装置。

【請求項14】

前記装置本体は、ベースと、前記眼特性を取得する眼特性取得部と、前記ベースに設けられ、前記ベースに対して前記眼特性取得部を予め定めた軸方向に移動させる駆動部と、を備え、

前記操作検出部は、前記開始操作として、前記眼特性取得部及び前記駆動部の少なくとも一方を前記軸方向に押し操作又は引き操作する押し引き操作を検出し、

前記決定部は、前記操作検出部による前記押し引き操作の検出結果に基づき、前記現在の動作段階に対応した前記動作制御を決定する請求項3から6のいずれか1項に記載の眼科装置。

【請求項15】

前記操作検出部は、前記押し引き操作の操作方向と、前記押し引き操作の圧力の大きさとを検出し、

前記決定部は、前記操作検出部が検出した前記圧力の大きさが予め定めた閾値未満の場合に前記現在の動作段階に対応した前記動作制御の決定を行い、

前記駆動部は、前記操作検出部が検出した前記圧力の大きさが前記閾値以上の場合に、前記眼特性取得部を当該圧力の大きさに応じた速度で前記押し引き操作の操作方向に向けて移動させる請求項14に記載の眼科装置。

【請求項16】

前記駆動部は、前記眼特性取得部と一体に移動する第1係合部と、前記第1係合部に係合する第2係合部と、前記第2係合部を前記軸方向に沿って移動させる駆動源と、を備え、

前記第1係合部及び前記第2係合部は、前記軸方向において互いに対向する対向面を有し、

前記操作検出部は、前記第1係合部及び前記第2係合部の双方の前記対向面にそれぞれ接続された圧カセンサであって、且つ前記押し引き操作の操作方向に応じて前記双方の前記対向面の間で圧縮又は伸長される圧カセンサである請求項14又は15に記載の眼科装置。

【請求項17】

前記操作検出部は、前記開始操作として、操作者の予め定めた動作を検出するモーションセンサである請求項3から6のいずれか1項に記載の眼科装置。

【請求項18】

前記対応関係には、前記複数の動作段階ごとに、前記動作制御の種類と、前記動作制御の種類に対して予め定められた前記開始操作の種類とが対応付けて記憶されており、

前記決定部は、前記操作検出部で前記開始操作が検出された場合に、前記対応関係を参照して、前記現在の動作段階及び前記開始操作の種類の双方に対応した前記動作制御の種類を決定する請求項3から11、13から17のいずれか1項に記載の眼科装置。

第5 取消理由の概要

本件訂正前の請求項1、2、4ないし6、10及び12に係る特許に対して、当審が令和3年9月13日付け取消理由通知で特許権者に通知した取消理由の概要は、次のとおりである。

なお、上記取消理由通知では、特許異議申立書に記載された特許異議申立理由(1)ないし(8)(上記第2参照)の全てを採用した。

1 (新規性)請求項1、2、5、6、10及び12に係る発明は、本件特許に係る出願前に日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、その特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものである。

したがって、請求項1、2、5、6、10及び12に係る特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。

(1)請求項1:甲1、甲2、甲3、甲4

(2)請求項2:甲1、甲2、甲3、甲4

(3)請求項5:甲2

(4)請求項6:甲1、甲2、甲3、甲4

(5)請求項10:甲2

(6)請求項12:甲1、甲2、甲3、甲4

2 (進歩性)請求項1、2、4ないし6、10及び12に係る発明は、本件特許に係る出願前に日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、その特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

したがって、請求項1、2、4ないし6、10及び12に係る特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。

(1)請求項1:甲1、甲2、甲3、甲4

(2)請求項2:甲1、甲2、甲3、甲4

(3)請求項4:甲2

(4)請求項5:甲2

(4)請求項6:甲1、甲2、甲3、甲4

(5)請求項10:甲2

(6)請求項12:甲1、甲2、甲3、甲4

第6 取消理由についての当審の判断

甲1ないし甲4の記載事項、及び甲1発明ないし甲4発明は、上記第3の1(3)アに記載したとおりである。

また、本件訂正により請求項1及び2は削除されたため、本件訂正前の請求項1及び2に係る取消理由の対象となる請求項は存在しない。

1 本件発明4について

本件発明4は、構成(A)、(D)及び(L)からなる眼科装置に相当するものであるから、上記第3の1(3)イ(ア)c(d)における構成(A)、(D)、(F)、(J)及び(L)からなる本件発明13C4と甲1発明との対比を踏まえると、本件発明4と甲1発明とは、上記相違点4で相違し、その予の点で一致する。

また、上記第3の1(3)イ(ア)c(e)で説示したとおり、甲2発明ないし甲4発明も上記相違点4に係る後退停止構成を開示するものではない。

そして、上記相違点4は、実質的な相違点であるから、本件発明4は、甲1発明ないし甲4発明のいずれとも同一ではない。

さらに、上記第3の1(3)イ(ア)c(d)(d-3)及び(e)で説示したとおり、上記相違点4に係る後退停止構成は、甲1ないし甲4に接した当業者といえども、容易になし得たものとはいえない。

したがって、本件発明4は、甲1発明ないし甲4発明及び甲1ないし4に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

2 本件発明5について

本件発明5は、構成(A)、(E)及び(L)からなる眼科装置に相当するものであるから、上記第3の1(3)イ(ア)c(g)における構成(A)、(E)、(F)、(J)及び(L)からなる本件発明13C5と甲1発明との対比を踏まえると、本件発明5と甲1発明とは、上記相違点5で相違し、その予の点で一致する。

また、上記第3の1(3)イ(ア)c(h)で説示したとおり、甲2発明ないし甲4発明も上記相違点5に係る即停止構成を開示するものではない。

そして、上記相違点5は、実質的な相違点であるから、本件発明5は、甲1発明ないし甲4発明のいずれとも同一ではない。

さらに、上記第3の1(3)イ(ア)c(g)(g-3)及び(h)で説示したとおり、上記相違点5に係る即停止構成は、甲1ないし甲4に接した当業者といえども、容易になし得たものとはいえない。

したがって、本件発明5は、甲1発明ないし甲4発明及び甲1ないし4に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

3 本件発明6について

(1)本件発明6は、請求項3から5のいずれか1項の記載を引用して特定されることから、最初に請求項3に係る発明である本件発明3について検討する。

本件発明3は、構成(A)、(C)及び(L)からなる眼科装置に相当するものであるから、上記第3の1(3)イ(ア)c(a)における構成(A)、(C)、(F)、(J)及び(L)からなる本件発明13C3と甲1発明との対比を踏まえると、本件発明3と甲1発明とは、上記相違点3で相違し、その予の点で一致する。

また、上記第3の1(3)イ(ア)c(b)で説示したとおり、甲2発明ないし甲4発明も上記相違点3に係るアライメント開始構成を開示するものではない。

そして、上記相違点3は、実質的な相違点であるから、本件発明3は、甲1発明ないし甲4発明のいずれとも同一ではない。

さらに、上記第3の1(3)イ(ア)c(a)(a-3)及び(b)で説示したとおり、上記相違点3に係るアライメント開始構成は、甲1ないし甲4に接した当業者といえども、容易になし得たものとはいえない。

したがって、本件発明3は、甲1発明ないし甲4発明及び甲1ないし4に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

(2)本件発明4及び5は、それぞれ上記1及び2で検討したとおり、甲1発明ないし甲4発明と同一ではなく、また、甲1発明ないし甲4発明及び甲1ないし4に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

(3)したがって、請求項3から5のいずれか1項の記載を引用して特定される本件発明6は、本件発明3ないし5と同じ理由により、甲1発明ないし甲4発明と同一ではなく、また、甲1発明ないし甲4発明及び甲1ないし4に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

4 本件発明10について

本件発明10は、請求項3から6のいずれか1項の記載を引用して特定される。

本件発明3ないし6は、それぞれ上記3(1)及び1ないし3で検討したとおり、甲1発明ないし甲4発明と同一ではなく、また、甲1発明ないし甲4発明及び甲1ないし4に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

したがって、本件発明10は、本件発明3ないし6と同じ理由により、甲1発明ないし甲4発明と同一ではなく、また、甲1発明ないし甲4発明及び甲1ないし4に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

5 本件発明12について

本件発明12は、本件訂正により構成(C)に対応する構成を備えるものとなり、本件発明3のカテゴリーを変更した作動方法の発明に相当する。

したがって、本件発明12は、上記3(1)で検討した本件発明3と同様の理由により、甲1発明ないし甲4発明と同一ではなく、また、甲1発明ないし甲4発明及び甲1ないし4に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

6 本件発明13について

本件訂正前の請求項10に関連する本件発明13は、請求項7から11のいずれか1項の記載を引用して特定されるものであるから、上記第3の1(3)イ(ア)で検討したとおり、上記相違点3ないし5、7又は11において甲1発明ないし甲4発明と同一ではなく、また、甲1発明ないし甲4発明及び甲1ないし4に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

7 本件発明18について

本件訂正前の請求項4ないし6及び10に関連する本件発明18は、請求項3から11、13から17のいずれか1項の記載を引用して特定されるものであるから、上記第3の1(3)オ(ア)で検討したとおり、上記相違点3ないし5、7又は11において甲1発明ないし甲4発明と同一ではなく、また、甲1発明ないし甲4発明及び甲1ないし4に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

第7 むすび

以上のとおりであるから、取消理由通知書に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件請求項4ないし6、10、12、13及び18に係る特許を取り消すことはできない。

また、他に本件請求項4ないし6、10、12、13及び18に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。

そして、請求項1及び2は上記のとおり本件訂正により削除されたことにより、申立人による特許異議の申立てについて、請求項1及び2に係る特許についての申立ては、申立ての対象が存在しないものとなったため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。

よって、結論のとおり決定する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2021-700597

番号・当事者・条文・審決分類・商標の称呼が一致(または近い)審決を機械的に集めた候補です。判断内容は各審決の本文でご確認ください。

同じ当事者の審決28件(柴田 隆史、株式会社トプコン)
  • 2025-700423異議申立 / 2026-03-26 / 訂正認容蓄電体および蓄電構造物
    同じ当事者: 柴田 隆史
  • 2024-700470異議申立 / 2025-01-31 / 訂正認容TOC除去装置及びTOC除去方法
    同じ当事者: 柴田 隆史
  • 2023-701111異議申立 / 2024-05-21 / 訂正認容脱イオン水の製造方法および製造システム
    同じ当事者: 柴田 隆史
  • 2023-700089異議申立 / 2023-04-24 / 維持レンズ鏡筒
    同じ当事者: 柴田 隆史
  • 2021-700937異議申立 / 2021-12-27 / 維持電気式脱イオン水製造装置の運転方法および電気式脱イオン水製造装置
    同じ当事者: 柴田 隆史
同じ根拠条文の審決2,126件(特許法120条の8第1項、特許法135条)
  • 2025-700198異議申立 / 2026-02-25 / 訂正認容放射線撮影システム、放射線撮影方法及びプログラム
    共通の条文: 特許法120条の8第1項、特許法135条
  • 2024-701093異議申立 / 2025-08-19 / 訂正認容支持枠およびCT検出装置
    共通の条文: 特許法120条の8第1項、特許法135条
  • 2023-700355異議申立 / 2024-05-29 / 訂正認容脈波測定装置および脈波測定プログラム
    共通の条文: 特許法120条の8第1項、特許法135条
  • 2023-700649異議申立 / 2024-05-08 / 訂正認容浴室環境で使用するバイオモニタリング・デバイス、方法、及びシステム
    共通の条文: 特許法120条の8第1項、特許法135条
  • 2023-700743異議申立 / 2024-03-13 / 訂正認容生体電極、及び生体信号測定装置
    共通の条文: 特許法120条の8第1項、特許法135条
同じ論点・分野の審決(審決分類)1,968件(113・A61B、121・A61B)
  • 2026-700137異議申立 / 2026-05-12 / 維持情報処理方法、情報処理システム及びプログラム
    共通の審決分類: 113・A61B、121・A61B
  • 2025-700788異議申立 / 2026-04-27 / 訂正認容内視鏡用処置具
    共通の審決分類: 113・A61B、121・A61B
  • 2025-700198異議申立 / 2026-02-25 / 訂正認容放射線撮影システム、放射線撮影方法及びプログラム
    共通の審決分類: 113・A61B、121・A61B
  • 2025-700985異議申立 / 2026-02-03 / 維持乳癌検査器具、乳癌検査装置、乳癌検査セット、及び乳癌検査システム
    共通の審決分類: 113・A61B、121・A61B
  • 2025-700883異議申立 / 2025-12-17 / 維持胃腸の状態を評価する評価装置、評価システム、評価方法および評価プログラム
    共通の審決分類: 113・A61B、121・A61B

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存