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特許異議申立

2025-700198

放射線撮影システム、放射線撮影方法及びプログラム

審判番号
2025-700198
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2020-206390
登録番号
7533188
請求日
2025年02月14日
審決日
2026年02月25日
公報発行日
2026年06月26日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】コニカミノルタ株式会社
  • 【権利者代理人】弁理士法人光陽国際特許事務所
  • 【異議申立人】三嶋 勝久
審判長/審判官
  • 審判長 南 宏輔
  • 審判官 松本 隆彦
  • 審判官 ▲高▼見 重雄
分類
P1651.113-YAA(A61B) / P1651.121-YAA(A61B) / P1651.537-YAA(A61B)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法120条の8第1項特許法135条
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第126条第5項、特許法第120条の5第4項、特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第1号、特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第1項、特許法第113条第2号、特許法第120条の5第5項、特許法第126条第7項、特許法第113条第4号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7533188号発明「放射線撮影システム、放射線撮影方法及びプログラム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7533188号の明細書、特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書、訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-7〕、8、9、〔10、12〕、11について訂正することを認める。 特許第7533188号の請求項1、2、4~8、10~12に係る特許を維持する。 特許第7533188号の請求項3及び9に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7533188号の請求項1~12に係る特許についての出願は、令和2年12月14日に出願され、令和6年8月5日にその特許権の設定登録がされ、同年同月14日に特許掲載公報が発行された。その後、全請求項に係る特許について、令和7年2月14日に特許異議申立人 三嶋勝久(以下「申立人」という。)により特許異議の申立てがされ、当審は、同年4月14日付けで取消理由を通知し、特許権者は、同年6月16日に訂正請求書及び意見書を提出し、同年8月5日に申立人により意見書(以下「申立人意見書」という。)の提出がされた。その後、当審は、同年8月27日付けで訂正拒絶理由を通知し、特許権者は、同年10月3日に手続補正書及び意見書を提出した。その後、当審は、同年12月3日付けで取消理由(決定の予告)を通知し、特許権者は、令和8年1月26日に訂正請求書(以下「本件訂正請求書」という。)及び意見書を提出した。 なお、すでに特許異議申立人に意見書の提出の機会が与えられており、本件訂正請求書による訂正請求によって特許請求の範囲が相当程度減縮され、事件において提出された全ての証拠や意見書等を踏まえて更に審理を進めたとしても上記結論のとおりになると合議体が判断していることから、特許法第120条の5第5項のただし書きで規定する「特許異議申立人に意見書を提出する機会を与える必要がないと認められる特別の事情」があるものといえる(特許庁「審判便覧」の67-05.5の4.(1)記載の「取消理由通知(決定の予告)後において、申立人に対して意見書を提出する機会を与えない場合」の(6)(原文は○数字である)参照)。したがって、当審では取消理由通知(決定の予告)後において、申立人に意見書を提出する機会を与えなかった。 第2 訂正の適否についての判断 1 訂正の内容 本件訂正請求書での訂正の請求(以下「本件訂正請求」という。)による訂正(以下「本件訂正」という。)は、明細書、特許請求の範囲を本件訂正請求書に添付された訂正明細書、訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~12について訂正することを求めるものであって、本件訂正の内容は次のとおりである。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に「放射線を発生させる管球と、受けた放射線に応じた放射線画像を生成する放射線検出器と、水平面又は前記管球の向きに対する前記放射線検出器の傾きを示す傾き情報の表示を、所定タイミングで開始又は終了する表示部と、前記表示部の表示制御を行う表示制御手段と、を備え、前記放射線検出器は、前記傾き情報を算出するのに必要な情報を検出するセンサー部を備え、前記表示制御手段は、前記放射線検出器が前記センサー部を備えたものである場合に、前記傾き情報の表示を許可する放射線撮影システム。」と記載されているのを、「放射線を発生させる管球と、受けた放射線に応じた放射線画像を生成する放射線検出器と、水平面又は前記管球の向きに対する前記放射線検出器の傾きを示す傾き情報の表示開始条件が成立したか否かを判定する判定手段と、前記判定手段が前記傾き情報の表示開始条件が成立したと判定した後に前記傾き情報を表示する表示部と、前記表示部の表示制御を行う表示制御手段と、を備え、前記放射線検出器は、前記傾き情報を算出するのに必要な情報を検出するセンサー部を備え、前記表示制御手段は、前記放射線検出器が前記センサー部を備えたものである場合に、前記傾き情報の表示を許可し、前記表示開始条件は、撮影の開始を指示するコンソールにおいて撮影オーダーが選択されること、前記放射線検出器が格納場所から取り出されること、前記放射線検出器がケーブルから外されること、前記管球が備えるコリメーターの所定ボタンが操作されること、及び前記放射線検出器の傾きの大きさが基準範囲内であること、のうちの少なくともいずれかである放射線撮影システム。」に訂正する。 (請求項1の記載を引用する請求項4~7も同様に訂正する)。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項2に「放射線を発生させる管球と、受けた放射線に応じた放射線画像を生成する放射線検出器と、水平面又は前記管球の向きに対する前記放射線検出器の傾きを示す傾き情報の表示を、所定タイミングで開始又は終了する表示部と、を備え、前記放射線検出器は、前記傾き情報を算出するのに必要な情報を検出するセンサー部を備え、前記センサー部が、所定時間経過する度に複数回検出することにより得られた複数の角度情報に基づいて、前記傾き情報を算出する算出手段を備える放射線撮影システム。」と記載されているのを、「放射線を発生させる管球と、受けた放射線に応じた放射線画像を生成する放射線検出器と、水平面又は前記管球の向きに対する前記放射線検出器の傾きを示す傾き情報の表示開始条件が成立したか否かを判定する判定手段と、前記判定手段が前記傾き情報の表示開始条件が成立したと判定した後に前記傾き情報を表示する表示部と、を備え、前記放射線検出器は、前記傾き情報を算出するのに必要な情報を検出するセンサー部を備え、前記センサー部が、所定時間経過する度に複数回検出することにより得られた複数の角度情報に基づいて、前記傾き情報を算出する算出手段を備え、前記表示開始条件は、撮影の開始を指示するコンソールにおいて撮影オーダーが選択されること、前記放射線検出器が格納場所から取り出されること、前記放射線検出器がケーブルから外されること、前記管球が備えるコリメーターの所定ボタンが操作されること、及び前記放射線検出器の傾きの大きさが基準範内であること、のうちの少なくともいずれかである放射線撮影システム。」に訂正する。 (請求項2の記載を引用する請求項4~7も同様に訂正する)。 (3)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項3は削除する。 (4)訂正事項4 特許請求の範囲の請求項4に「前記表示部は、前記コンソールから撮影の開始の指示を受けている前記放射線検出器の前記傾き情報を表示する、請求項3に記載の放射線撮影システム。」と記載されているのを、「前記表示部は、前記コンソールから撮影の開始の指示を受けている前記放射線検出器の前記傾き情報を表示する、請求項1又は2に記載の放射線撮影システム。」に訂正する。 (5)訂正事項5 特許請求の範囲の請求項5に「被検者を撮影したときの前記傾き情報を、当該被検者に関する情報と共に保存させる保存手段を備える、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の放射線撮影システム。」と記載されているのを、「被検者を撮影したときの前記傾き情報を、当該被検者に関する情報と共に保存させる保存手段を備える、請求項1、2、4のいずれか一項に記載の放射線撮影システム。」に訂正する。 (6)訂正事項6 特許請求の範囲の請求項7に「前記表示部は、被検者を撮影する前に前記傾き情報を表示する際に、当該被検者を過去に撮影したときの傾き情報を併せて表示する、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の放射線撮影システム。」と記載されているのを、「前記表示部は、被検者を撮影する前に前記傾き情報を表示する際に、当該被検者を過去に撮影したときの傾き情報を併せて表示する、請求項1、2、4、5、6のいずれか一項に記載の放射線撮影システム。」に訂正する。 (7)訂正事項7 願書に添付した明細書の段落【0007】に「上記課題を解決するため、本発明に係る放射線撮影システムは、放射線を発生させる管球と、受けた放射線に応じた放射線画像を生成する放射線検出器と、水平面又は前記管球の向きに対する前記放射線検出器の傾きを示す傾き情報の表示を、所定タイミングで開始又は終了する表示部と、前記表示部の表示制御を行う表示制御手段と、を備え、前記放射線検出器は、前記傾き情報を算出するのに必要な情報を検出するセンサー部を備え、前記表示制御手段は、前記放射線検出器が前記センサー部を備えたものである場合に、前記傾き情報の表示を許可する。 また、本発明に係る放射線撮影システムは、放射線を発生させる管球と、受けた放射線に応じた放射線画像を生成する放射線検出器と、水平面又は前記管球の向きに対する前記放射線検出器の傾きを示す傾き情報の表示を、所定タイミングで開始又は終了する表示部と、を備え、前記放射線検出器は、前記傾き情報を算出するのに必要な情報を検出するセンサー部を備え、前記センサー部が、時間をおきながら複数回検出することにより得られた複数の角度情報に基づいて、前記傾き情報を算出する算出手段を備える。」と記載されているのを、「上記課題を解決するため、本発明に係る放射線撮影システムは、放射線を発生させる管球と、受けた放射線に応じた放射線画像を生成する放射線検出器と、水平面又は前記管球の向きに対する前記放射線検出器の傾きを示す傾き情報の表示開始条件が成立したか否かを判定する判定手段と、前記判定手段が前記傾き情報の表示開始条件が成立したと判定した後に前記傾き情報を表示する表示部と、前記表示部の表示制御を行う表示制御手段と、を備え、前記放射線検出器は、前記傾き情報を算出するのに必要な情報を検出するセンサー部を備え、前記表示制御手段は、前記放射線検出器が前記センサー部を備えたものである場合に、前記傾き情報の表示を許可し、前記表示開始条件は、撮影の開始を指示するコンソールにおいて撮影オーダーが選択されること、前記放射線検出器が格納場所から取り出されること、前記放射線検出器がケーブルから外されること、前記管球が備えるコリメーターの所定ボタンが操作されること、及び前記放射線検出器の傾きの大きさが基準範囲内であること、のうちの少なくともいずれかである。 また、本発明に係る放射線撮影システムは、放射線を発生させる管球と、受けた放射線に応じた放射線画像を生成する放射線検出器と、水平面又は前記管球の向きに対する前記放射線検出器の傾きを示す傾き情報の表示開始条件が成立したか否かを判定する判定手段と、前記判定手段が前記傾き情報の表示開始条件が成立したと判定した後に前記傾き情報を表示する表示部と、を備え、前記放射線検出器は、前記傾き情報を算出するのに必要な情報を検出するセンサー部を備え、前記センサー部が、所定時間経過する度に複数回検出することにより得られた複数の角度情報に基づいて、前記傾き情報を算出する算出手段を備え、前記表示開始条件は、撮影の開始を指示するコンソールにおいて撮影オーダーが選択されること、前記放射線検出器が格納場所から取り出されること、前記放射線検出器がケーブルから外されること、前記管球が備えるコリメーターの所定ボタンが操作されること、及び前記放射線検出器の傾きの大きさが基準範囲内であること、のうちの少なくともいずれかである。」に訂正する。 (8)訂正事項8 特許請求の範囲の請求項8に「受けた放射線に応じた放射線画像を生成する放射線検出器と、水平面又は放射線を発生させる管球の向きに対する前記放射線検出器の傾き情報を算出する算出手段と、前記傾き情報の表示を、所定タイミングで開始又は終了する表示部と、前記表示部の表示制御を行う表示制御手段と、を備え、前記放射線検出器は、前記傾き情報を算出するのに必要な情報を検出するセンサー部を備え、前記表示制御手段は、前記放射線検出器が前記センサー部を備えたものである場合に、前記傾き情報の表示を許可し、前記算出手段は、水平面と前記放射線検出器の放射線入射面とがなす角の大きさを、前記傾き情報として算出する放射線撮影システム。」と記載されているのを、「受けた放射線に応じた放射線画像を生成する放射線検出器と、水平面又は放射線を発生させる管球の向きに対する前記放射線検出器の傾き情報を算出する算出手段と、前記傾き情報の表示開始条件が成立したか否かを判定する判定手段と、前記判定手段が前記傾き情報の表示開始条件が成立したと判定した後に前記傾き情報を表示する表示部と、前記表示部の表示制御を行う表示制御手段と、を備え、前記放射線検出器は、前記傾き情報を算出するのに必要な情報を検出するセンサー部を備え、前記表示制御手段は、前記放射線検出器が前記センサー部を備えたものである場合に、前記傾き情報の表示を許可し、前記算出手段は、水平面と前記放射線検出器の放射線入射面とがなす角の大きさを、前記傾き情報として算出し、前記表示開始条件は、撮影の開始を指示するコンソールにおいて撮影オーダーが選択されること、前記放射線検出器が格納場所から取り出されること、前記放射線検出器がケーブルから外されること、前記管球が備えるコリメーターの所定ボタンが操作されること、及び前記放射線検出器の傾きの大きさが基準範囲内であること、のうちの少なくともいずれかである放射線撮影システム。」に訂正する。 (9)訂正事項9 願書に添付した明細書の段落【0007】に「また、本発明に係る放射線撮影システムは、受けた放射線に応じた放射線画像を生成する放射線検出器と、水平面又は放射線を発生させる管球の向きに対する前記放射線検出器の傾き情報を算出する算出手段と、前記傾き情報の表示を、所定タイミングで開始又は終了する表示部と、前記表示部の表示制御を行う表示制御手段と、を備え、前記放射線検出器は、前記傾き情報を算出するのに必要な情報を検出するセンサー部を備え、前記表示制御手段は、前記放射線検出器が前記センサー部を備えたものである場合に、前記傾き情報の表示を許可し、前記算出手段は、水平面と前記放射線検出器の放射線入射面とがなす角の大きさを、前記傾き情報として算出する。」と記載されているのを、「また、本発明に係る放射線撮影システムは、受けた放射線に応じた放射線画像を生成する放射線検出器と、水平面又は放射線を発生させる管球の向きに対する前記放射線検出器の傾き情報を算出する算出手段と、前記傾き情報の表示開始条件が成立したか否かを判定する判定手段と、前記判定手段が前記傾き情報の表示開始条件が成立したと判定した後に前記傾き情報を表示する表示部と、前記表示部の表示制御を行う表示制御手段と、を備え、前記放射線検出器は、前記傾き情報を算出するのに必要な情報を検出するセンサー部を備え、前記表示制御手段は、前記放射線検出器が前記センサー部を備えたものである場合に、前記傾き情報の表示を許可し、前記算出手段は、水平面と前記放射線検出器の放射線入射面とがなす角の大きさを、前記傾き情報として算出し、前記表示開始条件は、撮影の開始を指示するコンソールにおいて撮影オーダーが選択されること、前記放射線検出器が格納場所から取り出されること、前記放射線検出器がケーブルから外されること、前記管球が備えるコリメーターの所定ボタンが操作されること、及び前記放射線検出器の傾きの大きさが基準範囲内であること、のうちの少なくともいずれかである。」に訂正する。 (10)訂正事項10 特許請求の範囲の請求項9を削除する。 (11)訂正事項11 願書に添付した明細書の段落【0007】に「また、本発明に係る放射線撮影システムは、受けた放射線に応じた放射線画像を生成する放射線検出器と、水平面又は放射線を発生させる管球の向きに対する前記放射線検出器の傾き情報を算出する算出手段と、を備え、前記放射線検出器は、前記傾き情報を算出するのに必要な情報を検出するセンサー部を備え、前記算出手段は、水平面と前記放射線検出器の放射線入射面とがなす角の大きさを、前記傾き情報として算出し、前記センサー部が、所定時間経過する度に検出することにより得られた複数の角度情報に基づいて、前記傾き情報を算出する。」と記載されているのを削除する。 (12)訂正事項12 特許請求の範囲の請求項10に「管球により放射線を発生させるステップと、放射線検出器により、受けた放射線に応じた放射線画像を生成するステップと、前記放射線検出器が、水平面又は前記管球の向きに対する前記放射線検出器の傾きを示す傾き情報を算出するのに必要な情報を検出するセンサー部を備えたものである場合に、前記傾き情報の表示を許可するステップと、表示部における、前記傾き情報の表示を、所定タイミングで開始又は終了するステップと、を含む放射線撮影方法。」と記載されているのを、「放射線撮影システムが実行する放射線撮影方法であって、管球により放射線を発生させるステップと、放射線検出器により、受けた放射線に応じた放射線画像を生成するステップと、水平面又は前記管球の向きに対する前記放射線検出器の傾きを示す傾き情報の表示開始条件が成立したか否かを判定するステップと、前記傾き情報の表示開始条件が成立したと判定した後に前記傾き情報を表示部に表示するステップと、前記放射線検出器が、水平面又は前記管球の向きに対する前記放射線検出器の傾きを示す傾き情報を算出するのに必要な情報を検出するセンサー部を備えたものである場合に、前記傾き情報の表示を許可するステップと、を含み、前記表示開始条件は、撮影の開始を指示するコンソールにおいて撮影オーダーが選択されること、前記放射線検出器が格納場所から取り出されること、前記放射線検出器がケーブルから外されること、前記管球が備えるコリメーターの所定ボタンが操作されること、及び前記放射線検出器の傾きの大きさが基準範囲内であること、のうちの少なくともいずれかである放射線撮影方法。」に訂正する。 (請求項10の記載を引用する請求項12も同様に訂正する)。 (13)訂正事項13 願書に添付した明細書の段落【0007】に「また、本発明に係る放射線撮影方法は、管球により放射線を発生させるステップと、放射線検出器により、受けた放射線に応じた放射線画像を生成するステップと、前記放射線検出器が、水平面又は前記管球の向きに対する前記放射線検出器の傾きを示す傾き情報を算出するのに必要な情報を検出するセンサー部を備えたものである場合に、前記傾き情報の表示を許可するステップと、表示部における、前記傾き情報の表示を、所定タイミングで開始又は終了するステップと、を含む。」と記載されているのを、「また、本発明に係る放射線撮影システムが実行する放射線撮影方法は、管球により放射線を発生させるステップと、放射線検出器により、受けた放射線に応じた放射線画像を生成するステップと、水平面又は前記管球の向きに対する前記放射線検出器の傾きを示す傾き情報の表示開始条件が成立したか否かを判定するステップと、前記傾き情報の表示開始条件が成立したと判定した後に前記傾き情報を表示部に表示するステップと、前記放射線検出器が、水平面又は前記管球の向きに対する前記放射線検出器の傾きを示す傾き情報を算出するのに必要な情報を検出するセンサー部を備えたものである場合に、前記傾き情報の表示を許可するステップと、を含み、前記表示開始条件は、撮影の開始を指示するコンソールにおいて撮影オーダーが選択されること、前記放射線検出器が格納場所から取り出されること、前記放射線検出器がケーブルから外されること、前記管球が備えるコリメーターの所定ボタンが操作されること、及び前記放射線検出器の傾きの大きさが基準範囲内であること、のうちの少なくともいずれかである。」に訂正する。 (14)訂正事項14 特許請求の範囲の請求項11に「管球により放射線を発生させるステップと、水平面又は前記管球の向きに対する放射線検出器の傾きを示す傾き情報を算出するのに必要な情報を検出するセンサー部を備える放射線検出器により、受けた放射線に応じた放射線画像を生成するステップと、前記センサー部が、所定時間経過する度に検出することにより得られた複数の角度情報に基づいて、前記傾き情報を算出するステップと、表示部における、前記傾き情報の表示を、所定タイミングで開始又は終了するステップと、を含む放射線撮影方法。」と記載されているのを、「放射線撮影システムが実行する放射線撮影方法であって、管球により放射線を発生させるステップと、水平面又は前記管球の向きに対する放射線検出器の傾きを示す傾き情報を算出するのに必要な情報を検出するセンサー部を備える放射線検出器により、受けた放射線に応じた放射線画像を生成するステップと、水平面又は前記管球の向きに対する前記放射線検出器の傾きを示す傾き情報の表示開始条件が成立したか否かを判定するステップと、前記傾き情報の表示開始条件が成立したと判定した後に前記傾き情報を表示部に表示するステップと、前記センサー部が、所定時間経過する度に検出することにより得られた複数の角度情報に基づいて、前記傾き情報を算出するステップと、を含み、前記表示開始条件は、撮影の開始を指示するコンソールにおいて撮影オーダーが選択されること、前記放射線検出器が格納場所から取り出されること、前記放射線検出器がケーブルから外されること、前記管球が備えるコリメーターの所定ボタンが操作されること、及び前記放射線検出器の傾きの大きさが基準範囲内であること、のうちの少なくともいずれかである放射線撮影方法。」に訂正する。 (15)訂正事項15 願書に添付した明細書の段落【0007】に「また、本発明に係る放射線撮影方法は、管球により放射線を発生させるステップと、水平面又は前記管球の向きに対する放射線検出器の傾きを示す傾き情報を算出するのに必要な情報を検出するセンサー部を備える放射線検出器により、受けた放射線に応じた放射線画像を生成するステップと、前記センサー部が、所定時間経過する度に検出することにより得られた複数の角度情報に基づいて、前記傾き情報を算出するステップと、表示部における、前記傾き情報の表示を、所定タイミングで開始又は終了するステップと、を含む。」と記載されているのを、「また、本発明に係る放射線撮影システムが実行する放射線撮影方法は、管球により放射線を発生させるステップと、水平面又は前記管球の向きに対する放射線検出器の傾きを示す傾き情報を算出するのに必要な情報を検出するセンサー部を備える放射線検出器により、受けた放射線に応じた放射線画像を生成するステップと、水平面又は前記管球の向きに対する前記放射線検出器の傾きを示す傾き情報の表示開始条件が成立したか否かを判定するステップと、前記傾き情報の表示開始条件が成立したと判定した後に前記傾き情報を表示部に表示するステップと、前記センサー部が、所定時間経過する度に検出することにより得られた複数の角度情報に基づいて、前記傾き情報を算出するステップと、を含み、前記表示開始条件は、撮影の開始を指示するコンソールにおいて撮影オーダーが選択されること、前記放射線検出器が格納場所から取り出されること、前記放射線検出器がケーブルから外されること、前記管球が備えるコリメーターの所定ボタンが操作されること、及び前記放射線検出器の傾きの大きさが基準範囲内であること、のうちの少なくともいずれかである。」に訂正する。 2 訂正の単位について (1)訂正前の請求項1~7について、請求項3~7はそれぞれ請求項1又は請求項2を引用しているものであって、訂正事項1又は訂正事項2によって記載が訂正される請求項1又は2に連動して訂正されるものである。したがって、訂正前の請求項1~7に対応する訂正後の請求項1~7は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。 (2)訂正前の請求項8に対応する訂正後の請求項8は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。 (3)訂正前の請求項9に対応する訂正後の請求項9は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。 (4)訂正前の請求項10、12について、請求項12は請求項10を引用しているものであって、訂正事項12によって記載が訂正される請求項10に連動して訂正されるものである。したがって、訂正前の請求項10、12に対応する訂正後の請求項10、12は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。 (5)訂正前の請求項11に対応する訂正後の請求項11は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。 3 本件訂正の適否 本件訂正請求書に記載された訂正事項ごとに、訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否について検討する。 (1)訂正事項1について ア 訂正前の請求項1に係る発明は、傾き情報の表示を開始又は終了する所定のタイミングであるか否かを判定する主体が、具体的には特定されていなかった。また、傾き情報の表示を開始又は終了する所定のタイミングについても具体的には特定されていなかった。 これに対して、訂正後の請求項1に係る発明は、「傾き情報の表示開始条件が成立したか否かを判定する判定手段と、」とすることで、択一的要素の、傾き情報の表示を終了する所定のタイミングに関する特定事項については削除するとともに、択一的要素の、傾き情報の表示を開始する所定のタイミングについて判定する主体が、放射線撮影システムであることを具体的に特定した。また、「前記判定手段が前記傾き情報の表示開始条件が成立したと判定した後に前記傾き情報を表示する表示部と、」とすることで、所定のタイミングが「前記判定手段が前記傾き情報の表示開始条件が成立したと判定した後」であることを具体的に特定し、「前記表示開始条件は、撮影の開始を指示するコンソールにおいて撮影オーダーが選択されること、前記放射線検出器が格納場所から取り出されること、前記放射線検出器がケーブルから外されること、前記管球が備えるコリメーターの所定ボタンが操作されること、及び前記放射線検出器の傾きの大きさが基準範囲内であること、のうちの少なくともいずれかである」とすることで、所定のタイミングを具体的に特定するための要件である表示開始条件を具体的に特定した。 よって、訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 訂正事項1は、本件特許についての出願の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件特許の明細書等」という。)における明細書の 「 【0075】 (条件判定処理) この表示制御処理において、第二制御部211は、まず、条件判定処理を実行する(ステップB1)。 本実施形態に係る条件判定処理において、第二制御部211は、下記複数の表示開始条件(1)~(5)のうちの少なくともいずれかの表示開始条件が成立したか否かを判定する。 (1)撮影の開始を指示するコンソールにおいて撮影オーダーが選択されること (2)検出器1が格納場所(システム100が回診車である場合は検出器格納部26、システム100が撮影室に据え付けられたものである場合は充電クレードル等)から取り出されること (3)検出器1がケーブルから外されること (4)管球が備えるコリメーター25の所定ボタン(例えば、放射線Rの照射野となる範囲に可視光を照射するためのランプボタン)が操作されること (5)検出器1の傾きの大きさが基準範囲内である(例えば、管球23と検出器1との角度差が所定角度よりも小さい等)こと 【0076】 ・・・。 一方、条件判定処理において、上記複数の表示開始条件のうちの少なくともいずれかの表示開始条件が成立したと判定した場合(ステップB1:Yes)、第二制御部211は、次の処理(ステップB2)に進む。」、 「 【0080】 (表示処理) 条件判定処理において表示開始条件が成立したと判定した後、第二制御部211は、表示処理を実行する(ステップB2)。」との記載に基づいている(下線は当審において付与した。)。 したがって、訂正事項1は、本件特許の明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。また、訂正事項1は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 よって、訂正事項1は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 ウ 申立人意見書について (ア)申立人は、申立人意見書において、「当初請求項1の「傾き情報の表示を、所定タイミングで開始又は終了する」との規定を、「前記判定手段が前記傾き情報の表示開始条件が成立したと判定した後に前記傾き情報を表示する」との規定とする訂正の請求がされた。この場合、当初請求項1の「所定タイミングで開始・・・する」との要件が削除されており、傾き情報の表示のタイミングが拡張または変更されている。したがって、請求された請求項1の訂正は、特許請求の範囲を拡張または変更するものであるから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に違反するものである。」と主張する。 しかしながら、当初請求項1の「所定タイミング」について、当初請求項1の「傾き情報の表示を、所定タイミングで開始・・・する」との要件は、訂正請求項1において「前記判定手段が前記傾き情報の表示開始条件が成立したと判定した後に前記傾き情報を表示する」との要件として「所定タイミング」を具体的に特定しているから、訂正請求項1において、当初請求項1の「所定タイミングで開始・・・する」との要件は削除されておらず、傾き情報の表示開始のタイミングについて拡張または変更されていない。 (イ)「また、申立人は、「また、実質的にみても、請求された請求項1の訂正は、傾き情報の表示のタイミングを拡張するものであるから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に違反するものである。以下に説明する。 まず、当初請求項1には、「傾き情報の表示を、所定タイミングで開始・・・する」との規定がある。当該規定は、傾き情報の表示が、所定タイミングで開始することを意味する。 一方、訂正請求項1においては、「前記判定手段が前記傾き情報の表示開始条件が成立したと判定した後に前記傾き情報を表示する」との訂正が請求された。ここで、「表示開始条件」との用語は、文字通り、“表示”が“開始”される“条件”を意味するから、当該訂正は、判定手段が表示開始条件が成立したと判定したタイミングで傾き情報の表示を開始することを限定する意図であったと思われる。しかし、「前記判定手段が・・・表示開始条件が成立したと判定した“後に”前記傾き情報を表示する」と表現されているため、判定手段が表示開始条件が成立したと判定した“後の任意のタイミング”で傾き情報の表示を開始するも権利範囲に含む。そうすると、傾き情報の表示の開始のタイミングが、当初請求項1においては所定タイミングであつたところ、訂正請求項1においては判定手段が表示開始条件が成立したと判定した“後の任意のタイミング”に拡張されている(図1)。 [図:0001436166000001.jpg] したがって、請求された請求項1の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張するものであるから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に違反するものである。」と主張する。 しかしながら、当初請求項1の「所定のタイミング」は、タイミングを具体的に特定しておらず、訂正請求項1では、「前記判定手段が前記傾き情報の表示開始条件が成立したと判定した後」が「所定のタイミング」であると理解できることから、タイミングを具体的に特定していない「所定のタイミング」から、タイミングを具体的に特定した訂正請求項1への訂正は、傾き情報の表示のタイミングを拡張するものではない。 (ウ)以上のことから、申立人意見書における訂正要件違反についての主張は採用できない。 (2)訂正事項2について ア 訂正前の請求項2に係る発明は、傾き情報の表示を開始又は終了する所定のタイミングであるか否かを判定する主体が、具体的には特定されていなかった。また、傾き情報の表示を開始又は終了する所定のタイミングについても具体的には特定されていなかった。 これに対して、訂正後の請求項2に係る発明は、「傾き情報の表示開始条件が成立したか否かを判定する判定手段と、」とすることで、択一的要素の、傾き情報の表示を終了する所定のタイミングに関する特定事項については削除するとともに、択一的要素の、傾き情報の表示を開始する所定のタイミングについて判定する主体が、放射線撮影システムであることを具体的に特定した。また、「前記判定手段が前記傾き情報の表示開始条件が成立したと判定した後に前記傾き情報を表示する表示部と、」とすることで、所定のタイミングが「前記判定手段が前記傾き情報の表示開始条件が成立したと判定した後」であることを具体的に特定し、「前記表示開始条件は、撮影の開始を指示するコンソールにおいて撮影オーダーが選択されること、前記放射線検出器が格納場所から取り出されること、前記放射線検出器がケーブルから外されること、前記管球が備えるコリメーターの所定ボタンが操作されること、及び前記放射線検出器の傾きの大きさが基準範囲内であること、のうちの少なくともいずれかである」とすることで、所定のタイミングを具体的に特定するための要件である表示開始条件を具体的に特定した。 よって、訂正事項2は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 訂正事項2は、本件特許の明細書等における明細書の 「 【0075】 (条件判定処理) この表示制御処理において、第二制御部211は、まず、条件判定処理を実行する(ステップB1)。 本実施形態に係る条件判定処理において、第二制御部211は、下記複数の表示開始条件(1)~(5)のうちの少なくともいずれかの表示開始条件が成立したか否かを判定する。 (1)撮影の開始を指示するコンソールにおいて撮影オーダーが選択されること (2)検出器1が格納場所(システム100が回診車である場合は検出器格納部26、システム100が撮影室に据え付けられたものである場合は充電クレードル等)から取り出されること (3)検出器1がケーブルから外されること (4)管球が備えるコリメーター25の所定ボタン(例えば、放射線Rの照射野となる範囲に可視光を照射するためのランプボタン)が操作されること (5)検出器1の傾きの大きさが基準範囲内である(例えば、管球23と検出器1との角度差が所定角度よりも小さい等)こと 【0076】 ・・・。 一方、条件判定処理において、上記複数の表示開始条件のうちの少なくともいずれかの表示開始条件が成立したと判定した場合(ステップB1:Yes)、第二制御部211は、次の処理(ステップB2)に進む。」、 「 【0080】 (表示処理) 条件判定処理において表示開始条件が成立したと判定した後、第二制御部211は、表示処理を実行する(ステップB2)。」との記載に基づいている(下線は当審において付与した。)。 したがって、訂正事項2は、本件特許の明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。また、訂正事項2は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 よって、訂正事項2は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 (3)訂正事項3について ア 訂正事項3は、請求項3を削除するというものであるから、訂正事項3は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 訂正事項3は、請求項3を削除するというものであるから、訂正事項3は、本件特許の明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。また、訂正事項3は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 よって、訂正事項3は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 (4)訂正事項4について ア 訂正事項4は、訂正前の請求項4の記載が訂正前の請求項3を引用する記載であったものを、請求項3を削除したために必要となった訂正であるから、訂正事項4は、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正である。 イ 訂正事項4は、訂正前の請求項4の記載が訂正前の請求項3を引用する記載であったものを、請求項3を削除したために必要となった訂正であるから、訂正事項4は、本件特許の明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。また、訂正事項4は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 よって、訂正事項4は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 (5)訂正事項5について ア 訂正事項5は、訂正前の請求項5の記載が訂正前の請求項1から請求項4のいずれかを引用する記載であったものを、請求項3を削除したために必要となった訂正であるから、訂正事項5は、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正である。 イ 訂正事項5は、訂正前の請求項5の記載が訂正前の請求項1から請求項4のいずれかを引用する記載であったものを、請求項3を削除したために必要となった訂正であるから、訂正事項5は、本件特許の明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。また、訂正事項5は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 よって、訂正事項5は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 (6)訂正事項6について ア 訂正事項6は、訂正前の請求項7の記載が訂正前の請求項1から請求項6のいずれかを引用する記載であったものを、請求項3を削除したために必要となった訂正であるから、訂正事項6は、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正である。 イ 訂正事項6は、訂正前の請求項7の記載が訂正前の請求項1から請求項6のいずれかを引用する記載であったものを、請求項3を削除したために必要となった訂正であるから、訂正事項6は、本件特許の明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。また、訂正事項6は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 よって、訂正事項6は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 (7)訂正事項7について ア 訂正事項7は、上記訂正事項1、2に係る訂正に伴い特許請求の範囲の記載と明細書の記載との整合を図るための訂正であるから、訂正事項7は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 訂正事項7は、上記訂正事項1、2に係る訂正に伴い特許請求の範囲の記載と明細書の記載との整合を図るための訂正であるから、訂正事項7は、本件特許の明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。また、訂正事項7は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 よって、訂正事項7は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 (8)訂正事項8について ア 訂正前の請求項8に係る発明は、傾き情報の表示を開始又は終了する所定のタイミングであるか否かを判定する主体が、具体的には特定されていなかった。また、傾き情報の表示を開始又は終了する所定のタイミングについても具体的には特定されていなかった。 これに対して、訂正後の請求項8に係る発明は、「傾き情報の表示開始条件が成立したか否かを判定する判定手段と、」とすることで、択一的要素の、傾き情報の表示を終了する所定のタイミングに関する特定事項については削除するとともに、択一的要素の、傾き情報の表示を開始する所定のタイミングについて判定する主体が、放射線撮影システムであることを具体的に特定した。また、「前記判定手段が前記傾き情報の表示開始条件が成立したと判定した後に前記傾き情報を表示する表示部と、」とすることで、所定のタイミングが「前記判定手段が前記傾き情報の表示開始条件が成立したと判定した後」であることを具体的に特定し、「前記表示開始条件は、撮影の開始を指示するコンソールにおいて撮影オーダーが選択されること、前記放射線検出器が格納場所から取り出されること、前記放射線検出器がケーブルから外されること、前記管球が備えるコリメーターの所定ボタンが操作されること、及び前記放射線検出器の傾きの大きさが基準範囲内であること、のうちの少なくともいずれかである」とすることで、所定のタイミングを具体的に特定するための要件である表示開始条件を具体的に特定した。 よって、訂正事項8は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 訂正事項8は、本件特許の明細書等における明細書の 「 【0075】 (条件判定処理) この表示制御処理において、第二制御部211は、まず、条件判定処理を実行する(ステップB1)。 本実施形態に係る条件判定処理において、第二制御部211は、下記複数の表示開始条件(1)~(5)のうちの少なくともいずれかの表示開始条件が成立したか否かを判定する。 (1)撮影の開始を指示するコンソールにおいて撮影オーダーが選択されること (2)検出器1が格納場所(システム100が回診車である場合は検出器格納部26、システム100が撮影室に据え付けられたものである場合は充電クレードル等)から取り出されること (3)検出器1がケーブルから外されること (4)管球が備えるコリメーター25の所定ボタン(例えば、放射線Rの照射野となる範囲に可視光を照射するためのランプボタン)が操作されること (5)検出器1の傾きの大きさが基準範囲内である(例えば、管球23と検出器1との角度差が所定角度よりも小さい等)こと 【0076】 ・・・。 一方、条件判定処理において、上記複数の表示開始条件のうちの少なくともいずれかの表示開始条件が成立したと判定した場合(ステップB1:Yes)、第二制御部211は、次の処理(ステップB2)に進む。」、 「 【0080】 (表示処理) 条件判定処理において表示開始条件が成立したと判定した後、第二制御部211は、表示処理を実行する(ステップB2)。」との記載に基づいている(下線は当審において付与した。)。 したがって、訂正事項8は、本件特許の明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。また、訂正事項8は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 よって、訂正事項8は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 (9)訂正事項9について ア 訂正事項9は、上記訂正事項8に係る訂正に伴い特許請求の範囲の記載と明細書の記載との整合を図るための訂正であるから、訂正事項9は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 訂正事項9は、上記訂正事項8に係る訂正に伴い特許請求の範囲の記載と明細書の記載との整合を図るための訂正であるから、訂正事項9は、本件特許の明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。また、訂正事項9は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 よって、訂正事項9は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 (10)訂正事項10について ア 訂正事項10は、請求項9を削除するというものであるから、訂正事項10は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 訂正事項10は、請求項9を削除するというものであるから、訂正事項10は、本件特許の明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。また、訂正事項10は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 よって、訂正事項10は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 (11)訂正事項11について ア 訂正事項11は、上記訂正事項10に係る訂正に伴い特許請求の範囲の記載と明細書の記載との整合を図るための訂正であるから、訂正事項11は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 訂正事項11は、上記訂正事項10に係る訂正に伴い特許請求の範囲の記載と明細書の記載との整合を図るための訂正であるから、訂正事項11は、本件特許の明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。また、訂正事項11は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 よって、訂正事項11は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 (12)訂正事項12について ア 訂正前の請求項10に係る発明は、傾き情報の表示を開始又は終了する所定のタイミングであるか否かを判定する主体が、具体的には特定されていなかった。また、傾き情報の表示を開始又は終了する所定のタイミングについても具体的には特定されていなかった。 これに対して、訂正後の請求項10に係る発明は、「放射線撮影システムが実行する放射線撮影方法であって、」「水平面又は前記管球の向きに対する前記放射線検出器の傾きを示す傾き情報の表示開始条件が成立したか否かを判定するステップと、」を含むとすることで、択一的要素の、傾き情報の表示を終了する所定のタイミングに関する特定事項については削除するとともに、択一的要素の、傾き情報の表示を開始する所定のタイミングについて判定する主体が、放射線撮影システムであることを具体的に特定した。また、「前記傾き情報の表示開始条件が成立したと判定した後に前記傾き情報を表示するステップと、」とすることで、所定のタイミングが「前記傾き情報の表示開始条件が成立したと判定した後」であることを具体的に特定し、「前記表示開始条件は、撮影の開始を指示するコンソールにおいて撮影オーダーが選択されること、前記放射線検出器が格納場所から取り出されること、前記放射線検出器がケーブルから外されること、前記管球が備えるコリメーターの所定ボタンが操作されること、及び前記放射線検出器の傾きの大きさが基準範囲内であること、のうちの少なくともいずれかである」とすることで、所定のタイミングを具体的に特定するための要件である表示開始条件を具体的に特定した。 よって、訂正事項12は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 訂正事項12は、本件特許の明細書等における明細書の 「 【0075】 (条件判定処理) この表示制御処理において、第二制御部211は、まず、条件判定処理を実行する(ステップB1)。 本実施形態に係る条件判定処理において、第二制御部211は、下記複数の表示開始条件(1)~(5)のうちの少なくともいずれかの表示開始条件が成立したか否かを判定する。 (1)撮影の開始を指示するコンソールにおいて撮影オーダーが選択されること (2)検出器1が格納場所(システム100が回診車である場合は検出器格納部26、システム100が撮影室に据え付けられたものである場合は充電クレードル等)から取り出されること (3)検出器1がケーブルから外されること (4)管球が備えるコリメーター25の所定ボタン(例えば、放射線Rの照射野となる範囲に可視光を照射するためのランプボタン)が操作されること (5)検出器1の傾きの大きさが基準範囲内である(例えば、管球23と検出器1との角度差が所定角度よりも小さい等)こと 【0076】 ・・・。 一方、条件判定処理において、上記複数の表示開始条件のうちの少なくともいずれかの表示開始条件が成立したと判定した場合(ステップB1:Yes)、第二制御部211は、次の処理(ステップB2)に進む。」、 「 【0080】 (表示処理) 条件判定処理において表示開始条件が成立したと判定した後、第二制御部211は、表示処理を実行する(ステップB2)。」との記載に基づいている(下線は当審において付与した。)。 したがって、訂正事項12は、本件特許の明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。また、訂正事項12は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 よって、訂正事項12は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 (13)訂正事項13について ア 訂正事項13は、上記訂正事項12に係る訂正に伴い特許請求の範囲の記載と明細書の記載との整合を図るための訂正であるから、訂正事項13は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 訂正事項13は、上記訂正事項12に係る訂正に伴い特許請求の範囲の記載と明細書の記載との整合を図るための訂正であるから、訂正事項13は、本件特許の明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。また、訂正事項13は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 よって、訂正事項13は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 (14)訂正事項14について ア 訂正前の請求項11に係る発明は、傾き情報の表示を開始又は終了する所定のタイミングであるか否かを判定する主体が、具体的には特定されていなかった。また、傾き情報の表示を開始又は終了する所定のタイミングについても具体的には特定されていなかった。 これに対して、訂正後の請求項11に係る発明は、「放射線撮影システムが実行する放射線撮影方法であって、」「水平面又は前記管球の向きに対する前記放射線検出器の傾きを示す傾き情報の表示開始条件が成立したか否かを判定するステップと、」を含むとすることで、択一的要素の、傾き情報の表示を終了する所定のタイミングに関する特定事項については削除するとともに、択一的要素の、傾き情報の表示を開始する所定のタイミングについて判定する主体が、放射線撮影システムであることを具体的に特定した。また、「前記傾き情報の表示開始条件が成立したと判定した後に前記傾き情報を表示するステップと、」とすることで、所定のタイミングが「前記傾き情報の表示開始条件が成立したと判定した後」であることを具体的に特定し、「前記表示開始条件は、撮影の開始を指示するコンソールにおいて撮影オーダーが選択されること、前記放射線検出器が格納場所から取り出されること、前記放射線検出器がケーブルから外されること、前記管球が備えるコリメーターの所定ボタンが操作されること、及び前記放射線検出器の傾きの大きさが基準範囲内であること、のうちの少なくともいずれかである」とすることで、所定のタイミングを具体的に特定するための要件である表示開始条件を具体的に特定した。 よって、訂正事項14は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 訂正事項14は、本件特許の明細書等における明細書の 「 【0075】 (条件判定処理) この表示制御処理において、第二制御部211は、まず、条件判定処理を実行する(ステップB1)。 本実施形態に係る条件判定処理において、第二制御部211は、下記複数の表示開始条件(1)~(5)のうちの少なくともいずれかの表示開始条件が成立したか否かを判定する。 (1)撮影の開始を指示するコンソールにおいて撮影オーダーが選択されること (2)検出器1が格納場所(システム100が回診車である場合は検出器格納部26、システム100が撮影室に据え付けられたものである場合は充電クレードル等)から取り出されること (3)検出器1がケーブルから外されること (4)管球が備えるコリメーター25の所定ボタン(例えば、放射線Rの照射野となる範囲に可視光を照射するためのランプボタン)が操作されること (5)検出器1の傾きの大きさが基準範囲内である(例えば、管球23と検出器1との角度差が所定角度よりも小さい等)こと 【0076】 ・・・。 一方、条件判定処理において、上記複数の表示開始条件のうちの少なくともいずれかの表示開始条件が成立したと判定した場合(ステップB1:Yes)、第二制御部211は、次の処理(ステップB2)に進む。」、 「 【0080】 (表示処理) 条件判定処理において表示開始条件が成立したと判定した後、第二制御部211は、表示処理を実行する(ステップB2)。」との記載に基づいている(下線は当審において付与した。)。 したがって、訂正事項14は、本件特許の明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。また、訂正事項14は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 よって、訂正事項14は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 (15)訂正事項15について ア 訂正事項15は、上記訂正事項14に係る訂正に伴い特許請求の範囲の記載と明細書の記載との整合を図るための訂正であるから、訂正事項15は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 訂正事項15は、上記訂正事項14に係る訂正に伴い特許請求の範囲の記載と明細書の記載との整合を図るための訂正であるから、訂正事項15は、本件特許の明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。また、訂正事項15は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 よって、訂正事項15は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 なお、特許異議の申立てが全請求項に対してされているので、本件訂正請求においては、いずれの請求項についても、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。 6 訂正の適否についてのまとめ 上記のとおり、訂正事項1~15に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号、3号、4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 したがって、明細書、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正明細書、訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-7〕、8、9、〔10、12〕、11について訂正することを認める。 第3 訂正後の本件発明 上記第2のとおり本件訂正が認められるから、本件訂正後の請求項1、2、4~8、10~12に係る発明(以下、それぞれ請求項の番号に対応して「本件発明1」などといい、総称して「本件発明」ということがある。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1、2、4~8、10~12に記載された事項により特定されるものと認められるところ、その請求項1、2、4~8、10~12の記載は、以下のとおりである。なお、本件訂正により請求項3、9は削除されている。 「【請求項1】 放射線を発生させる管球と、 受けた放射線に応じた放射線画像を生成する放射線検出器と、 水平面又は前記管球の向きに対する前記放射線検出器の傾きを示す傾き情報の表示開始条件が成立したか否かを判定する判定手段と、 前記判定手段が前記傾き情報の表示開始条件が成立したと判定した後に前記傾き情報を表示する表示部と、 前記表示部の表示制御を行う表示制御手段と、を備え、 前記放射線検出器は、前記傾き情報を算出するのに必要な情報を検出するセンサー部を備え、 前記表示制御手段は、前記放射線検出器が前記センサー部を備えたものである場合に、前記傾き情報の表示を許可し、 前記表示開始条件は、撮影の開始を指示するコンソールにおいて撮影オーダーが選択されること、前記放射線検出器が格納場所から取り出されること、前記放射線検出器がケーブルから外されること、前記管球が備えるコリメーターの所定ボタンが操作されること、及び前記放射線検出器の傾きの大きさが基準範囲内であること、のうちの少なくともいずれかである放射線撮影システム。 【請求項2】 放射線を発生させる管球と、 受けた放射線に応じた放射線画像を生成する放射線検出器と、 水平面又は前記管球の向きに対する前記放射線検出器の傾きを示す傾き情報の表示開始条件が成立したか否かを判定する判定手段と、 前記判定手段が前記傾き情報の表示開始条件が成立したと判定した後に前記傾き情報を表示する表示部と、を備え、 前記放射線検出器は、前記傾き情報を算出するのに必要な情報を検出するセンサー部を備え、 前記センサー部が、所定時間経過する度に複数回検出することにより得られた複数の角度情報に基づいて、前記傾き情報を算出する算出手段を備え、 前記表示開始条件は、撮影の開始を指示するコンソールにおいて撮影オーダーが選択されること、前記放射線検出器が格納場所から取り出されること、前記放射線検出器がケーブルから外されること、前記管球が備えるコリメーターの所定ボタンが操作されること、及び前記放射線検出器の傾きの大きさが基準範内であること、のうちの少なくともいずれかである放射線撮影システム。 【請求項3】(削除) 【請求項4】 前記表示部は、前記コンソールから撮影の開始の指示を受けている前記放射線検出器の前記傾き情報を表示する、請求項1又は2に記載の放射線撮影システム。 【請求項5】 被検者を撮影したときの前記傾き情報を、当該被検者に関する情報と共に保存させる保存手段を備える、請求項1、2、4のいずれか一項に記載の放射線撮影システム。 【請求項6】 1回の撮影操作につき複数の放射線画像を生成する撮影を行った場合に、放射線画像毎に保存された複数の前記傾き情報に基づいて、前記撮影を代表する傾き情報を決定する決定手段を備える、請求項5に記載の放射線撮影システム。 【請求項7】 前記表示部は、被検者を撮影する前に前記傾き情報を表示する際に、当該被検者を過去に撮影したときの傾き情報を併せて表示する、請求項1、2、4、5、6のいずれか一項に記載の放射線撮影システム。 【請求項8】 受けた放射線に応じた放射線画像を生成する放射線検出器と、 水平面又は放射線を発生させる管球の向きに対する前記放射線検出器の傾き情報を算出する算出手段と、 前記傾き情報の表示開始条件が成立したか否かを判定する判定手段と、 前記判定手段が前記傾き情報の表示開始条件が成立したと判定した後に前記傾き情報を表示する表示部と、 前記表示部の表示制御を行う表示制御手段と、を備え、 前記放射線検出器は、前記傾き情報を算出するのに必要な情報を検出するセンサー部を備え、 前記表示制御手段は、前記放射線検出器が前記センサー部を備えたものである場合に、前記傾き情報の表示を許可し、 前記算出手段は、水平面と前記放射線検出器の放射線入射面とがなす角の大きさを、前記傾き情報として算出し、 前記表示開始条件は、撮影の開始を指示するコンソールにおいて撮影オーダーが選択されること、前記放射線検出器が格納場所から取り出されること、前記放射線検出器がケーブルから外されること、前記管球が備えるコリメーターの所定ボタンが操作されること、及び前記放射線検出器の傾きの大きさが基準範囲内であること、のうちの少なくともいずれかである放射線撮影システム。 【請求項9】(削除) 【請求項10】 放射線撮影システムが実行する放射線撮影方法であって、 管球により放射線を発生させるステップと、 放射線検出器により、受けた放射線に応じた放射線画像を生成するステップと、 水平面又は前記管球の向きに対する前記放射線検出器の傾きを示す傾き情報の表示開始条件が成立したか否かを判定するステップと、 前記傾き情報の表示開始条件が成立したと判定した後に前記傾き情報を表示部に表示するステップと、 前記放射線検出器が、水平面又は前記管球の向きに対する前記放射線検出器の傾きを示す傾き情報を算出するのに必要な情報を検出するセンサー部を備えたものである場合に、前記傾き情報の表示を許可するステップと、を含み、 前記表示開始条件は、撮影の開始を指示するコンソールにおいて撮影オーダーが選択されること、前記放射線検出器が格納場所から取り出されること、前記放射線検出器がケーブルから外されること、前記管球が備えるコリメーターの所定ボタンが操作されること、及び前記放射線検出器の傾きの大きさが基準範囲内であること、のうちの少なくともいずれかである放射線撮影方法。 【請求項11】 放射線撮影システムが実行する放射線撮影方法であって、 管球により放射線を発生させるステップと、 水平面又は前記管球の向きに対する放射線検出器の傾きを示す傾き情報を算出するのに必要な情報を検出するセンサー部を備える放射線検出器により、受けた放射線に応じた放射線画像を生成するステップと、 水平面又は前記管球の向きに対する前記放射線検出器の傾きを示す傾き情報の表示開始条件が成立したか否かを判定するステップと、 前記傾き情報の表示開始条件が成立したと判定した後に前記傾き情報を表示部に表示するステップと、 前記センサー部が、所定時間経過する度に検出することにより得られた複数の角度情報に基づいて、前記傾き情報を算出するステップと、を含み、 前記表示開始条件は、撮影の開始を指示するコンソールにおいて撮影オーダーが選択されること、前記放射線検出器が格納場所から取り出されること、前記放射線検出器がケーブルから外されること、前記管球が備えるコリメーターの所定ボタンが操作されること、及び前記放射線検出器の傾きの大きさが基準範囲内であること、のうちの少なくともいずれかである放射線撮影方法。 【請求項12】 請求項10に記載の放射線撮影方法をコンピューターに実行させるプログラム。」 第4 特許異議の申立てについて 1 申立理由の概要 申立人は、証拠として下記2に示す甲第1号証~甲第6号証(以下、それぞれ「甲1」などという。)を提出し、以下の申立理由により、請求項1~12に係る特許は取り消すべきものである旨主張している。 申立理由1 (新規性)本件発明1、8、10、12は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、その特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものである。 したがって、請求項1、8、10、12に係る特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。 申立理由2 (進歩性)本件発明2、9、11は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲1に記載された発明、甲2に記載された技術的事項、及び周知技術(甲5、甲6)に基いて、本件発明3、4は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲1に記載された発明、及び甲3に記載された技術的事項に基いて、本件発明5は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲1に記載された発明、及び甲4に記載された技術的事項に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、請求項2、3、4、5、9、11に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 したがって、請求項2、3、4、5、9、11に係る特許は、特許法第113条第2号の規定に該当し、取り消されるべきものである。 申立理由3 (サポート要件)本件発明1~8、10~12は、発明の詳細な説明に記載したものでないから、請求項1~8、10~12に係る特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。 したがって、請求項1~8、10~12に係る特許は、特許法第113条第4号の規定に該当し、取り消されるべきものである。 2 証拠方法 甲1:特表2014-507247号公報 甲2:特開2008-116292号公報 甲3:特開2005-65942号公報 甲4:特開2017-18448号公報 甲5:特開2016-186475号公報 甲6:特開2018-165619号公報 第5 令和7年4月14日付け取消理由通知書に記載した取消理由について 当審が特許権者に通知した取消理由の概要は、以下のとおり。 取消理由1(サポート要件) 本件発明1~12は、発明の詳細な説明に記載したものでないから、請求項1~12に係る特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。 取消理由2(新規性) 本件発明1、3、4、8、10、12は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲1に記載された発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当するから、請求項1、3、4、8、10、12に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものである。 取消理由3(進歩性) 本件発明1、3、4、8、10、12は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲1に記載された発明に基いて、本件発明2、5、9、11は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲1に記載された発明、及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1~5、8~12に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 第6 取消理由通知書(決定の予告)に記載した取消理由について 当審が特許権者に通知した取消理由(決定の予告)の概要は、以下のとおり。なお、令和7年10月3日提出の手続補正書による、令和7年6月16日提出の訂正請求書の「一群の請求項11に係る訂正」についての補正が認められなかった結果、取消理由通知書(決定の予告)に記載した取消理由が対象とする請求項11に係る発明は、令和7年4月14日付け取消理由通知書に記載した取消理由が対象とした請求項11に係る発明から訂正されておらず、請求項11に関する決定の予告は、令和7年4月14日付けの取消理由と実質的に同じ内容となっている。 取消理由1(サポート要件) 本件発明11は、発明の詳細な説明に記載したものでないから、請求項11に係る特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。 取消理由3(進歩性) 本件発明11に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲1に記載された発明、及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項11に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 第7 各甲号証の記載等 1 甲1の記載について 甲1には、図面とともに以下の記載がある。なお、下線は当審において付与した。以下、同様である。 「【0001】 本発明は、概して、放射線画像化のための装置に関し、より具体的には、放射線画像を記録するための画像検出デバイスに対する放射線源の適切な整合を提供するための位置付け装置に関する。」、 「【0002】 X線画像が取得される際、放射線源と画像データを記録する2次元受信器との間に、概して最適な整合が存在する。ほとんどの場合、X線源が、記録媒体の表面に対して垂直な方向の放射線を提供することが好ましい。このため、大規模なX線撮影システムは、放射線ヘッドおよび記録媒体ホルダを、互いに特定の角度で搭載する。ヘッドおよび受信器を配向することは、典型的に、これらの2つの構成要素の間の全距離を越えて延在する、相当のサイズの搭載アームを必要とする。したがって、そのような大規模なシステムでは、受信器の望ましくない傾斜または斜行は、画像化システム自体のハードウェアによって防止される。」、 「【0003】 集中治療室(ICU)環境で使用されるもの等の可動型または可搬型放射線画像化装置の出現により、放射線源と2次元放射線受信器との間の固定角度関係は、もはやシステム自体の搭載ハードウェアによって与えられない。代わりに、オペレータは、典型的に、視覚的評価を使用して、可能な限り垂直な配向を提供するように、放射線源の照準を受信器表面に向けて合わせることを要求される。」、 「【0005】 図1は、コンピュータX線撮影(CR)および/またはデジタルX線撮影(DR)に採用することができる、可動型X線装置を示す。可動型X線撮影ユニット600は、取得画像および関連データを表示するための表示器610と、取得画像の記憶、伝送、修正、および印刷等の機能を可能にする制御パネル612とを含む、フレーム620を有する。可動性のために、ユニット600は、1つ以上の車輪615と、ユニット600をその意図される場所に誘導するのを助長する、典型的に胴、腕、または手の水平高さに提供される、1つ以上のハンドル把持部625とを有する。内蔵型バッテリパック626は、電源を提供することができ、電力コンセントの近くでの動作の必要性を排除する。」、 「【0007】 コンピュータX線撮影(CR)システムでは、2次元画像感知受信器10は、可読画像化媒体を格納する、可搬型カセットである。直接デジタルX線撮影(DR)システムでは、2次元画像感知受信器10は、平ら、剛性、または可撓性のいずれかの基板支持部を伴う、可搬型デジタル検出器である。しかしながら、受信器10は、可搬型であるため、いったん患者の背後に位置付けられると、技術者から見えない場合がある。これは、可搬型システムの整合作業を複雑にし、源-画像距離(SID)、傾斜角度、およびセンタリングを測定するために、ある方法を必要とし、散乱の影響を低減するために効果的にグリッドを使用することをより困難にする。可搬型X線撮影システムに伴うこの追加の複雑性のため、技術者は、グリッドを使用しないことを選択する場合があるが、しかしながら、グリッドがないと、結果として典型的に低品質画像になる。」、 「【0011】 重大なことに、上述される解決策は、例えば、可搬型システムを用いた胸部X線画像化の場合であり得るように、受信器およびその付随するグリッドが視界から隠れており、完全に患者の背後に置かれる場合、多くの場合、ほとんどまたは全く価値がない。今日の可搬型放射線画像化デバイスは、放射線学技術者によるフィルムカセット、CRカセット、またはデジタルX線撮影DR受信器の定置の相当の柔軟性を可能にする。患者は、画像化のために、横向き姿勢である必要はなく、必要とされる画像のタイプ、およびX線検査のために患者を動かす能力によって、任意の角度であってもよい。技術者は、各画像化セッションにおいて、可搬型カセットまたは受信器および放射線源の両方の位置を独立に手動で調節することができる。したがって、放射線源とグリッドと画像受信器との間の所望の角度を取得するための整合装置は、画像を取得するのに最適ないかなる配向にも適応することができなければならないことを理解することができる。従来的に適用されており、Tanakaらの名称が「Portable Radiation Imaging System and a Radiation Image Detection Device Equipped with an Angular Signal Output Means」の米国特許第7,156,553号に開示されるデバイスで使用されるような傾斜感知は、カセットが水平に置かれる単一の場合を除き、カセット対放射線源配向に関する十分な情報を提供しない。より複雑な位置感知デバイスを使用することができるが、経時的に悪くなる可能性があるサンプリングおよび累積丸め誤差の影響を受けやすく、頻繁な再同期を必要とする可能性がある。」、 「【0012】 したがって、従来の整合解決策は、特定のタイプのシステムおよび環境には有効であり得るが、しかしながら、相当の改善の余地が残されていることが明らかである。可搬型X線撮影装置は、小型かつ軽量でなければならず、これは、MacMahonの開示の‘948号で与えられるような機械的整合手法を、それ程望ましくないものにする。直接視線整合の制約は、多くのタイプの反射光ベースの方法の適用性を、限定された範囲の画像化状況に縮小する。Tanakaらの‘553号の解決策によって要求される複雑なセンサおよび動き制御対話は、既存の設計に相当の出費、複雑性、重量、およびサイズを追加し、限られた効果しか伴わない場合がある。多くのそれ程高価ではない可搬型放射線画像化ユニットは、必要な調節を達成するために必要とされる制御論理および動き協調構成要素を有さない。これらの手法のいずれも、特に散乱除去グリッドが使用される場合に、不整合を修正するための正しい指図である、手動調節を行うのに必要な情報をオペレータに与えない。」、 「【0016】 したがって、放射線画像を記録するために、画像検出デバイスおよび最適散乱除去グリッドに対する放射線源の適切な角度整合ならびに位置付けを可能にする、装置の必要性が存在することが分かる。」、 「【0017】 本発明の目的は、放射線受信器に対する放射線源の整合および適切な位置付けを助長する、例示的な装置ならびに方法実施形態を提供することによって、X線撮影画像化の技術を前進させることである。本発明の特徴は、放射線源に対する受信器の距離および位置配向を感知することができる、センサならびに検出器配設の使用である。既存のX線装置への直接的な組み込みを可能にすることができるということが、特定の例示的な装置および方法実施形態の利点である。」、 「【0020】 本発明の態様によると、X線撮影画像化システムにおいて、放射線源を可搬型画像受信器と整合させるための方法が提供され、本方法は、放射線源に結合されるエミッタ装置から、所定の界パターン(フィールドパターン)および所定の周波数の時変ベクトル方向を伴う磁界を生成することであって、生成される磁界は、同期信号をさらに備える、ことと、画像受信器に結合される感知装置から、磁界からの感知信号を取得することであって、感知装置は、3つ以上のセンサ要素を備え、センサ要素のうちの少なくとも2つは、互いに異なる角度に配設され、画像受信器の画像化領域の外側に配置される、ことと、同期信号に対する取得される感知信号の振幅および位相に従って、整合調節を示唆する出力信号を提供することとを含むことができる。」、 「【0030】 図2Aの斜視図は、X線撮影画像化装置30の構成要素を示す。X線源等の放射線源20は、放射線を患者14に向かって方向付ける。患者の背後に位置付けられる受信器10は、患者14を通過する入射放射線から、診断画像を形成する。受信器10は、例えば、フィルムもしくは蛍光体媒体等の光子刺激性媒体を有してもよく、または放射線源20から放出される放射線に従って画像を記録する、検出器アレイを有してもよい。受信器10は、横向きまたは縦向き配向を有してもよい。任意選択の散乱除去グリッド12は、受信器10の表面の真上に、図1Aに示されるように配設される、プレート18を有する。放射線源20は、図2Aの実施例では、源20から外向きに受信器10に向かって方向付けられる放射線界を画定する、コリメータ22を有する。」、 「【0033】 図3Aの斜視図および図3Bの側面図は、経路Pとして表され、中心軸を中心に分布される放射線経路を有する放射線源20と、放射エネルギー感知性が高く、X線撮影画像を形成するために被験者に隣接して位置付けられる画像化受信器10との間の相対的空間的関係を感知するように、ならびに整合および距離を含む相対的空間的関係を示唆する1つ以上の出力信号を生成するように通電可能である、整合感知装置40の使用を示す。図3Aおよび図3Bに示される実施形態では、ホルダ46は、画像受信器の画像化領域の外側に配置され、時変ベクトル方向を有する電磁界、あるいは単一のエミッタTもしくは一対のエミッタT1およびT2であって、各エミッタT、T1、もしくはT2は、コリメータ22の付近に搭載される等、放射線源20に結合されて示される界生成要素(フィールド生成要素)44を備える、単一のエミッタTもしくは一対のエミッタT1およびT2によって生成される、または磁石もしくは通電されたコイルを回転させるモータによって生成される信号を受信する、1つ以上のセンサ要素42(例えば、電磁コイル)を有する。一実施形態では、センサ要素42は、同一平面上ではない。一実施形態では、界生成要素44は、同一平面上ではない。」、 「【0034】 また、ホルダ46は、受信器10も保持する。代替えの実施形態では、整合感知装置40構成要素は、受信器10に組み込まれる。さらに別の代替えの実施形態では、信号方向が反転され、信号は、ホルダ46上の受信器10に結合される1つ以上のエミッタTから生成され、源20と結合されるセンサ要素によって検出される。角度測定値を取得するために、受信器10もしくは放射線源20の一方または両方上に、傾斜計、加速度計、コンパス、ジャイロスコープ、あるいは他のデバイス等の追加のセンサ28を提供することができる。整合感知装置40からの1つ以上の位置感知信号は、調節が必要か否かを判定するために、および任意選択的に、図3Bに示される放射線源20上に搭載される表示画面等の表示装置52にこの情報を提供するために、制御論理を提供する制御論理プロセッサ48に進む。代替えの実施形態では、整合の状態を示唆し、必要とされる特定の調節に関するガイダンスを提供する表示を患者または他の被験者上に投射するために、任意選択の投射器54が提供される。」、 「【0041】 表示装置50としての表示画面52」、 「【0042】 図7は、代替えの実施形態では表示装置50の投射器54を補完または置換することができる、表示画面52を示す。一実施形態では、表示画面52は、オペレータが、放射線源20を位置に移動させながら表示結果を見ることができるように、示されるように、コリメータ22の付近に搭載される。代替えの実施形態では、取り外し可能な表示画面もしくは遠隔表示画面上に、または表示器610(図1)、X線撮影画像化装置30自体の一部である表示コンソール上に、整合ユーティリティが提供されてもよい。」、 「【0043】 図8A、図8B、および図8Cは、表示画面52を表示装置50として使用する際のオペレータインターフェース例を示す。適切なセンタリング、角度、およびSIDのために必要とされる調節を記号で表すために、様々な図式アイコンならびに画像が使用される。角度調節指標100は、受信器10に対する源20の適切な角度調節を誘導するのを助長する、様々な図式および測定データを提供する。角度情報は以下の1つ以上を表示する。 (i)受信器角度:任意選択の傾斜計もしくは他のセンサ28(図3B)または他の整合感知装置40データから、真の水平に対する角度測定値を取得することができる。 (ii)放射線源20のチューブ角度:傾斜計もしくは他のセンサ28または他の整合感知装置40データから、この真の水平に対する角度測定値を同様に計算することができる。 (iii)受信器/グリッド対源20角度:受信器10と源20との間のこの相対角度測定値は、1つ以上の任意選択のセンサ28(図3B)からの測定値を使用して、または他の整合感知装置40データから取得することができる。 (iv)源対グリッド12整合のための捕捉角度データ。 (v)整合感知装置40の測定値から計算される所望の角度に対する源対受信器角度。これには、非法線角度の調節を含む。」、 「【0050】 図11の概略図は、整合装置40を使用する、X線撮影画像化装置30を示し、整合に必要とされる2つの平行移動、および3つの回転段階とコリメータ回転を標識する。図11の実施形態では、整合に単一のエミッタ装置Tが使用される。また、一対のエミッタ装置T1およびT2を伴う実施形態も使用される。」、 「【0059】 図13の平面図は、ホルダ46内に置かれた受信器10およびそのグリッド12を示す。磁界が放出され、感知される、図12A、図12B、および図12Cに記載される原理を使用して、生成される磁界の方向が、図13の装置を使用して感知され、エミッタ装置44に対する各センサ要素42の相対整合を示唆するために使用される。受信器信号は、センサ要素42のそれぞれから同期して測定され、記録される。感知装置内のセンサ要素は、信号三角測量の利点を利用するために、空間的に分離される。センサ要素42は、図13に示されるように、画像受信器10の周辺の画像受信器10の画像化領域の外側に位置することができる。センサ要素42がコイルである場合、それらの対称軸(コイルの各コア要素の対称軸と同一)は、受信器10の平面に対して概して平行な平面内に位置する。感知される大きさおよび位相情報は、エミッタとセンサ要素との間の相対位置および配向を導出するために、数学的に評定される。各センサ要素42の一部として、制御論理プロセッサ48(図3B)との信号通信を維持するための構成要素と共に、続いて本開示に記載される、信号増幅および測定支援回路が関連付けられる。」、 「【0062】 図14Aの概略ブロック図は、本発明の実施形態による、一対のエミッタ装置T1およびT2から時変磁界を生成し、放出するためのエミッタ回路200を示す。図14Aに示される実施形態では、各エミッタ装置T1およびT2は、サインコイル43と、コサインコイル45とを含むことができる、別個の界生成要素を変調させることができる。制御論理プロセッサ48(図3B)等の他の制御論理と通信リンク204上で信号通信状態にある制御プロセッサ202は、界生成要素44のコイルを駆動させる適切な電圧電流増幅器212に信号を提供するように、この変調の制御をデジタル-アナログ(D/A)変換器208およびオシレータ210と協調させる。制御プロセッサ202は、代替えとして、界生成要素、サインコイル43およびコサインコイル45の両方の対のそれぞれが、同時に磁界を放出しないように、離散時間間隔中に各エミッタ装置T1、T2を通電することができる制御回路を提供する。任意選択のオシレータ210は、本発明の一実施形態に従って、正弦波エンベロープ等の波形エンベロープ内で振幅が変調される搬送周波数を提供する。センサおよびエミッタ装置T要素内のそれぞれのコイルは、搬送周波数に同調される。好適な搬送周波数の選択は、電力および距離考察事項、患者を通る相対透過度、近隣機器との干渉、信号対ノイズ比、および他の要因を含む、多数の要因に基づくことができる。本発明の実施形態と一致して、数kHzから数MHzの範囲に及ぶ搬送周波数を使用することができる。広くは、搬送信号は、エミッタ装置から生成される、時変ベクトル方向を伴う磁界の周波数より高い周波数である。」、 「【0065】 図15Aの概略ブロック図は、エミッタ回路200からの放出信号を取得し、調整するための感知装置220を示す。各センサ要素42は、本発明の一実施形態によるコイルであることができる。他の実施形態は、例えば、ホール効果感知デバイス、磁気抵抗センサ、巨大磁気抵抗(GMR)センサ、またはフラックスゲートセンサ等のある他のデバイスを、センサ要素42として採用する。コイルを使用する実施形態では、各センサ要素42のコイルは、ノイズ除去のために、その信号を前置増幅器222および帯域通過フィルタ224に提供することができる。次いで、増幅器226および復調器228によって、信号を処理することができる。復調された信号を、低域通過フィルタ230を通して、アナログ-デジタル(A/D)変換器232に提供することができる。次いで、制御論理プロセッサ48(図3B)等の他の制御論理と通信リンク238上で信号通信状態にある制御プロセッサまたは他の信号生成回路236は、エミッタ装置に対する感知装置の位置および配向、ならびに感知装置とエミッタ装置との間の距離を示す出力データ信号等の出力信号を生成するように通電可能である。図15Aに示される専用マイクロプロセッサによって、または例えば、アナログ回路等のある他の回路によって、信号生成回路236の機能を実施することができる。また、例えば、加速度計等のデバイス配向を示唆するための他の構成要素も、信号生成回路236と信号通信状態にあることができる。」、 「【0070】 図16Bのフロー図は、本明細書の例示的な装置実施形態を使用することができる、またはそれで実現することができる、整合の動作シーケンスを示す。位置付けステップ300では、オペレータは、放射線源20を、概して患者の背後に位置付けられる受信器10を向くように位置付ける。次いで、オペレータは、界生成および処理の繰り返しサイクルを開始するコマンドを入力する。界生成および処理ステップ310は、図14A~図15Cを参照して記載される、各エミッタ装置T1およびT2のそれぞれからの順での同期(sync)信号86および磁界の自動生成、ならびに回路および信号シーケンスを使用した、センサ要素42から受信される各信号の感知および処理を提供する。評価ステップ320では、オペレータは、X線源20位置を再調節するために、表示されるガイダンスデータを見る。調節が必要とされる場合、示されるように、調節ステップ350が実行され、評価ステップ320が繰り返される。決定ステップ330が成功を示唆する場合、整合信号伝達および処理は、終了ステップ340で終了する。処理シーケンスにおいて、各エミッタ装置T1、T2のそれぞれを、制御プロセッサ202(図14A)等の制御回路によって開始され、それによって制御されるだけ何回でも繰り返されるサイクルで、実質的に重なり合わない時間間隔にわたり、順に個々に通電することができる。エミッタ装置T1またはT2のいずれかによる時変磁界の各生成で、センサ要素42のうちのいくつかまたはすべてが、受信信号を感知することができる。」、 「【図2A】 [図:0001436166000002.jpg] 」、 「【図3A】 [図:0001436166000003.jpg] 」、 「【図3B】 [図:0001436166000004.jpg] 」、 「【図8B】 [図:0001436166000005.jpg] 」、 「【図15A】 [図:0001436166000006.jpg] 」、 「【図16B】 [図:0001436166000007.jpg] 」 2 甲1に記載された発明 上記1の記載及び図面を総合すると、甲1には、次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。なお、各構成単位末尾の括弧内には、主たる認定根拠となる甲1の記載箇所を示す。 「放射線を患者14に向かって方向付けるX線源等の放射線源20と、患者14を通過する入射放射線から、診断画像を形成する、患者の背後に位置付けられる受信器10と、を備えるX線撮影画像化装置30及びX線撮影画像化方法であって、(【0030】) 放射線源20と画像化受信器10との間の整合および距離を含む相対的空間的関係を示唆する1つ以上の出力信号を生成するように通電可能である、整合感知装置40は、画像受信器の画像化領域の外側に配置され、放射線源20に結合されて示される界生成要素(フィールド生成要素)44を備える、単一のエミッタTもしくは一対のエミッタT1およびT2によって生成される信号を受信する、1つ以上のセンサ要素42(例えば、電磁コイル)を有するホルダ46を備え、(【0033】) また、ホルダ46は、受信器10も保持し、角度測定値を取得するために、受信器10もしくは放射線源20の一方または両方上に、傾斜計、加速度計、コンパス、ジャイロスコープ、あるいは他のデバイス等の追加のセンサ28を備え、整合感知装置40からの1つ以上の位置感知信号は、調節が必要か否かを判定するために、および放射線源20上に搭載される表示画面等の表示装置52にこの情報を提供するために、制御論理を提供する制御論理プロセッサ48に進むものであり、(【0034】) 表示画面52には、角度情報として、以下の1つ以上を表示し、 (i)受信器角度:任意選択の傾斜計もしくは他のセンサ28または他の整合感知装置40データから、真の水平に対する角度測定値を取得することができ、 (ii)放射線源20のチューブ角度:傾斜計もしくは他のセンサ28または他の整合感知装置40データから、この真の水平に対する角度測定値を同様に計算することができ、 (iii)受信器対源20角度:受信器10と源20との間のこの相対角度測定値は、1つ以上の任意選択のセンサ28からの測定値を使用して、または他の整合感知装置40データから取得することができ、(【0043】) 受信器信号は、センサ要素42のそれぞれから同期して測定され、記録され、感知される大きさおよび位相情報は、エミッタとセンサ要素との間の相対位置および配向を導出するために、数学的に評定され、(【0059】) 制御論理プロセッサ48等の他の制御論理と通信リンク238上で信号通信状態にある信号生成回路236は、エミッタ装置に対する感知装置の位置および配向、ならびに感知装置とエミッタ装置との間の距離を示す出力データ信号等の出力信号を生成するように通電可能であり、また、加速度計等のデバイス配向を示唆するための他の構成要素も、信号生成回路236と信号通信状態にあることができ、(【0065】) 整合の動作シーケンスについて、位置付けステップ300では、オペレータは、放射線源20を、概して患者の背後に位置付けられる受信器10を向くように位置付け、次いで、オペレータは、界生成および処理の繰り返しサイクルを開始するコマンドを入力し、界生成および処理ステップ310は、各エミッタ装置T1およびT2のそれぞれからの順での同期(sync)信号86および磁界の自動生成、ならびに回路および信号シーケンスを使用した、センサ要素42から受信される各信号の感知および処理を提供し、評価ステップ320では、オペレータは、X線源20位置を再調節するために、表示されるガイダンスデータを見、そして、調節が必要とされる場合、調節ステップ350が実行され、評価ステップ320が繰り返され、決定ステップ330が成功を示唆する場合、整合信号伝達および処理は、終了ステップ340で終了する、(【0070】) X線撮影画像化装置30及びX線撮影画像化方法。」 3 甲2の記載について 甲2には、以下の記載がある。 「【0005】 また、特許文献1に開示される回転検出装置のように、検出対象の磁界分布や磁界の方向を検出することによって回転体の絶対角度を算出する磁気アレイセンサなどの方式のセンサでは、磁気センサ素子および周辺アナログ回路のノイズによって磁界信号がばらつくことにより、検出角度分解能が制限される。このようなランダムノイズは測定を繰り返すことにより抑制することが可能で、例えばn回測定を繰り返して平均値を取った場合には、毎回の測定に含まれるノイズ量の1/√nになることが知られている。そこで、上記したような回転検出装置においても、検出結果を十分な回数で積算・平均処理すると、検出される角度分解能を十分高めることができる。」 4 甲2に記載された技術的事項 上記3の記載及び図面を総合すると、甲2には、次の技術的事項(以下「甲2技術的事項」という。)が記載されていると認められる。 「回転体の絶対角度を算出する磁気アレイセンサなどの方式のセンサでは、ランダムノイズは測定を繰り返すことにより抑制することが可能で、検出結果を十分な回数で積算・平均処理すると、検出される角度分解能を十分高めることができること。」 5 甲3の記載について 甲3には、以下の記載がある。 「【0013】 ・・・X線管装置1は、支柱6の下方部に取付ブロック8を介して取付けられ、照準器スイッチ2aを有するX線可動絞り2が取付けられ、操作ハンドル3を握り、図2に示す操作パネル部4の操作スイッチ(管球垂直回転動スイッチ4e、管球水平回転動スイッチ4d)でロックを解除して、支柱6の周囲に回動(旋回)でき、かつ取付ブロック8に対して水平軸を介して回転され、その水平軸回転角度が選択された撮影術式に応じて表示パネル5に表示される。」、 「【0016】 次に、本天井懸垂式X線管保持装置の操作について説明する。 本天井懸垂式X線管保持装置は、検査室に立位撮影台9(ブッキースタンド)や水平撮影台12(テーブル12a)及び透視撮影台などが据付けられ、X線管装置1と組合せられて、正面撮影、胸部撮影、側面撮影、斜位撮影などが行われる。ここでは、本装置を立位撮影台9と組み合わせて用いられたケースと、水平撮影台12と組み合わせて用いられたケースについて説明する。 まず、X線発生器操作卓の撮影術式で立位撮影台9を選択する。その信号が制御部10の撮影術式角度記憶装置10aに送られ、角度情報+90°が読み出される。そして、その信号が制御部10の表示変更器10bに送られ、角度情報+90°が角度基準位置0°に変更される。同時に、X線管装置1の回転方向が時計回りを+表示、反時計回りを-表示と定義される。 そして、受像部11(フイルムカセッテをセットしたブッキー撮影装置)がスタンドに設けられた立位撮影台9に、被検者を立位撮影台9側に向けて立たせ、操作者は操作パネル部4の操作ハンドル3を握り、操作スイッチ(長手動スイッチ4a、短手動スイッチ4b、上下動スイッチ4c)を選択しロックを解除して、天井のキャリッジ部7を走行させ、支柱6を伸縮させ、取付ブロック8に取付けられたX線管装置1を被検者から所定の距離離れた同じ高さに位置させる。そして、操作スイッチ(X線管装置1の管球垂直回転動スイッチ4e、X線管装置1の水平軸周りの管球水平回転動スイッチ4d)を押してロックを解除し、X線管装置1を縦にして、X線可動絞り2を被検者の撮影部位方向に向け、照準器スイッチ2aをONして照準し位置決めを行う。このとき立位撮影台9の受像部11へのX線入射角度が受像部11の法線方向と一致しているならば角度表示は0°を表示する。もし一致していなければ、角度基準位置0°からのずれ角度が+又は-の角度で表示される。この場合、回転方向が時計回りを+表示、反時計回りを-表示と定義されるので、その角度ずれを0°にするように、操作パネル部4の管球水平回転動スイッチ4dのロックを解除しながら操作ハンドル3で回転させて、X線入射角度が受像部11の法線方向と一致するように角度表示を0°に表示させる。この作業を繰り返して正確に照準する。そしてX線照射を行い、撮影を終了する。」、 「【0017】 次に、X線発生器操作卓の撮影術式で水平撮影台12を選択する。その信号が制御部10の撮影術式角度記憶装置10aに送られ、角度情報0°が読み出される。そして、その信号が制御部10の表示変更器10bに送られ、角度情報0°が角度基準位置0°として設定される。同時に、X線管装置1の回転方向が時計回りを+表示、反時計回りを-表示と定義される。 そして、受像部13(フイルムカセッテをセットしたブッキー撮影装置)がテーブル12aに設けられた水平撮影台12に、被検者を臥位にして載せ、操作者は操作パネル部4の操作ハンドル3を握り、操作スイッチ(長手動スイッチ4a、短手動スイッチ4b、上下動スイッチ4c)を選択しロックを解除して、天井のキャリッジ部7を走行させ、支柱6を伸縮させ、取付ブロック8に取付けられたX線管装置1を被検者から所定の距離離れた上部に位置させる。そして、操作スイッチ(X線管装置1の管球垂直回転動スイッチ4e、X線管装置1の水平軸周りの管球水平回転動スイッチ4d)を押してロックを解除し、X線管装置1を水平にして、X線可動絞り2を被検者の撮影部位方向に向け、照準器スイッチ2aをONして照準し位置決めを行う。このとき水平撮影台12の受像部13へのX線入射角度が受像部13の法線方向と一致しているならば角度表示は0°を表示する。もし一致していなければ、角度基準位置0°からのずれ角度が+又は-の角度で表示される。この場合、回転方向が時計回りを+表示、反時計回りを-表示と定義されるので、その角度ずれを0°にするように、操作パネル部4の管球水平回転動スイッチ4dのロックを解除しながら操作ハンドル3で回転させて、X線入射角度が受像部13の法線方向と一致するように角度表示を0°に表示させる。この作業を繰り返して正確に照準する。そしてX線照射を行い、撮影を終了する。」 6 甲3に記載された技術的事項 上記5の記載及び図面を総合すると、甲3には、次の技術的事項(以下「甲3技術的事項」という。)が記載されていると認められる。 「X線管装置1は、照準器スイッチ2aを有するX線可動絞り2が取付けられ、X線発生器操作卓の撮影術式で立位撮影台9を選択した場合、X線管装置1を水平にして、X線可動絞り2を被検者の撮影部位方向に向け、照準器スイッチ2aをONして照準し位置決めを行い、このとき水平撮影台12の受像部13へのX線入射角度が受像部13の法線方向と一致しているならば角度表示は0°を表示し、もし一致していなければ、角度基準位置0°からのずれ角度が+又は-の角度で表示され、X線照射を行い、撮影を終了し、X線発生器操作卓の撮影術式で水平撮影台12を選択した場合、X線管装置1を水平にして、X線可動絞り2を被検者の撮影部位方向に向け、照準器スイッチ2aをONして照準し位置決めを行い、このとき水平撮影台12の受像部13へのX線入射角度が受像部13の法線方向と一致しているならば角度表示は0°を表示し、もし一致していなければ、角度基準位置0°からのずれ角度が+又は-の角度で表示され、X線照射を行い、撮影を終了すること。」 7 甲4の記載について 甲4には、以下の記載がある。 「【0019】 医療従事者が、X線血管撮影装置50を使用して検査又は治療を完了させると、X線血管撮影装置50は、血管造影撮影により収集したX線画像及びこのX線画像に対応するX線照射記録をコンピュータ10に送信する機能をもっている。X線画像及びX線照射記録は、医用画像のフォーマット規格であるDICOMにより、X線血管撮影装置50からコンピュータ10に送信される。」、 「【0020】 このX線血管撮影装置50からのX線照射記録は、X線光学系の幾何学的情報(X線照射した検出器の領域、C形アーム533及びΩ形アーム513の回転角度(又は、X線管531及びX線検出器532並びにX線管511及びX線検出器512の位置・角度))などのX線条件を含んでいる。また、X線照射記録は、IVR位置における総空気カーマAK(全X線線量)、被検体ID、及びX線照射工程の日時を示す日時情報を含んでいる。」 8 甲4に記載された技術的事項 上記7の記載及び図面を総合すると、甲4には、次の技術的事項(以下「甲4技術的事項」という。)が記載されていると認められる。 「X線血管撮影装置50は、X線照射記録をコンピュータ10に送信する機能をもっており、X線照射記録は、X線管及びX線検出器の角度を含んでおり、また、X線照射記録は、被検体IDを含んでいること。」 9 甲5の記載について 甲5には、以下の記載がある。 「【0006】 【特許文献1】特開2008-116292号公報 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】【0007】 上記特許文献1に記載の回転検出装置において、磁気センサ素子により一定サンプリング周期で現在時刻の角度が出力され、記憶手段に記憶、蓄積される。そして、記憶手段に記憶、蓄積されている現在時刻の角度データに至る過去の角度データに、平均化フィルタ等の処理を行い、予測すべきサンプリング時刻における角度(予測角度)が求められる。」 10 甲6の記載について 甲6には、以下の記載がある。 「【0006】 【特許文献1】特開2008-116292号公報 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 上記特許文献1に記載の回転検出装置において、磁気センサ素子により一定サンプリング周期で現在時刻の角度が出力され、記憶手段に記憶、蓄積される。そして、記憶手段に記憶、蓄積されている現在時刻の角度データに至る過去の角度データに、平均化フィルタ等の処理を行い、予測すべきサンプリング時刻における角度(予測角度)が求められる。」 11 周知技術について 上記甲5、6の記載から次の技術的事項が周知技術であると認められる。 「回転検出装置において、磁気センサ素子により一定サンプリング周期で現在時刻の角度を出力し、記憶手段に記憶、蓄積すること。」 第8 取消理由1(サポート要件)についての当審の判断 1 当審が通知した取消理由1(サポート要件)について、要約すると、本件発明の課題は、「ベッドと被検者との間に放射線検出器が配置される前の段階から装置が傾き情報を表示してしまうと、ユーザーに混乱を与えてしまう可能性があったので、傾き情報を、ユーザーが必要とするタイミングで確認できるようにすること」にあり、当該課題を解決するための課題解決手段は、「制御部は、複数の表示開始条件(1)~(8)のうちの少なくともいずれかの表示開始条件が成立したか否かを判定すること」(以下「課題解決制御手段/課題解決制御ステップ」という。)及び「表示部は、前記複数の表示開始条件のうちの少なくともいずれかの表示開始条件が成立した後に傾き情報を表示すること」(以下「課題解決表示手段/課題解決表示ステップ」という。)にあり、上記表示開始条件(1)~(8)は、以下のとおりである。 (1)撮影の開始を指示するコンソールにおいて撮影オーダーが選択されること (2)検出器1が格納場所(システム100が回診車である場合は検出器格納部26、システム100が撮影室に据え付けられたものである場合は充電クレードル等)から取り出されること (3)検出器1がケーブルから外されること (4)管球が備えるコリメーター25の所定ボタン(例えば、放射線Rの照射野となる範囲に可視光を照射するためのランプボタン)が操作されること (5)検出器1の傾きの大きさが基準範囲内である(例えば、管球23と検出器1との角度差が所定角度よりも小さい等)こと (6)検出器1を検出器格納部26から取り出した(傾きが変化し始めた)後、再び検出器1の傾きが安定した(検出器1が被検者Sの下又は背後に配置され動かなくなった)こと (7)検出器1が備える検出器1の筐体内の気圧を検出する気圧センサーの検出値が基準値を超えた(検出器1が被検者Sの下又は背後に配置され筐体が圧迫された)こと (8)距離測定部29の光学カメラが生成した光学画像に検出器1が写り込んだこと ここで、上記表示開始条件(1)~(8)の成立は、「ベッドと被検者との間に放射線検出器が配置され」たことの目安にすぎないが、本件発明は、「ベッドと被検者との間に放射線検出器が配置され」たことを、操作者が主体的に確認することなく、放射線撮影システム(第二制御部)が一定の信頼性をもって客観的に判断できるようにするために、上記表示開始条件(1)~(8)が存在していると理解できる。 一方、本件発明1~12は、上記「課題解決制御手段/課題解決制御ステップ」及び上記「課題解決表示手段/課題解決表示ステップ」を備えていないことから、本件発明1~12は、本件出願時の技術常識を踏まえても、本件発明の課題を解決し得ず、発明の詳細な説明に記載したものでない、というものである。 2 本件発明1、2、4~8、10~12(請求項3、9は削除)は、本件訂正により、上記「課題解決制御手段/課題解決制御ステップ」及び上記「課題解決表示手段/課題解決表示ステップ」を備えたものになった。 したがって、本件発明1、2、4~8、10~12は、発明の詳細な説明に記載したものでない、とはいえず、当審が通知した取消理由1(サポート要件)により、請求項1、2、4~8、10~12に係る特許を取り消すことはできない。 第9 取消理由2(新規性)及び取消理由3(進歩性)についての当審の判断 1 本件発明1について (1)対比 本件発明1と甲1発明とを対比する。 ア 管球 X線源にはX線管球を用いることが技術常識であるから、甲1発明の「放射線を患者14に向かって方向付けるX線源等の放射線源20」(【0030】)は、本件発明1の「放射線を発生させる管球」に相当する。 イ 放射線検出器 甲1発明の「患者14を通過する入射放射線から、診断画像を形成する、患者の背後に位置付けられる受信器10」を「保持し」た「ホルダ46」(【0030】、【0034】)は、本件発明1の「受けた放射線に応じた放射線画像を生成する放射線検出器」に相当する。 ウ 表示部 (ア)甲1発明の「表示画面等の表示装置52」(【0034】)は、本件発明1の「表示部」に相当する。 (イ)「エミッタ」は「放射線源20に結合され」、「センサ要素」は「ホルダ」の「画像受信器の画像化領域の外側に配置され」る(【0033】)ところ、甲1発明の「エミッタとセンサ要素との間の相対位置および配向」(【0059】)は、本件発明1の「水平面又は前記管球の向きに対する前記放射線検出器の傾きを示す傾き情報」に相当する。 また、甲1発明では、「整合感知装置40からの1つ以上の位置感知信号は、調節が必要か否かを判定するために、および放射線源20上に搭載される表示画面等の表示装置52にこの情報を提供するために、制御論理を提供する制御論理プロセッサ48に進むものであり」(【0034】)、「整合の動作シーケンスについて、位置付けステップ300では、オペレータは、放射線源20を、概して患者の背後に位置付けられる受信器10を向くように位置付け、次いで、オペレータは、界生成および処理の繰り返しサイクルを開始するコマンドを入力し、界生成および処理ステップ310は、各エミッタ装置T1およびT2のそれぞれからの順での同期(sync)信号86および磁界の自動生成、ならびに回路および信号シーケンスを使用した、センサ要素42から受信される各信号の感知および処理を提供し、評価ステップ320では、オペレータは、X線源20位置を再調節するために、表示されるガイダンスデータを見」る(【0070】)ことから、「オペレータは、放射線源20を、概して患者の背後に位置付けられる受信器10を向くように位置付け」た後、「オペレータは、界生成および処理の繰り返しサイクルを開始するコマンドを入力」することで、「制御論理プロセッサ48」は「界生成および処理」を開始し、「ガイダンスデータ」を「オペレータ」が「X線源20位置を再調節するために」「表示画面等の表示装置52」に「表示」させている。ここでの「オペレータ」が、「放射線源20を、概して患者の背後に位置付けられる受信器10を向くように位置付け」ることは、本件発明1の「水平面又は前記管球の向きに対する前記放射線検出器の傾きを示す傾き情報の表示開始条件が成立したか否かを判定する」ことに相当する。 そして、「ガイダンスデータ」が「エミッタとセンサ要素との間の相対位置および配向」であることは、「受信器信号は、センサ要素42のそれぞれから同期して測定され、記録され、感知される大きさおよび位相情報は、エミッタとセンサ要素との間の相対位置および配向を導出するために、数学的に評定され」(【0059】)の記載から自明な事項である。 そうすると、甲1発明の「オペレータは、放射線源20を、概して患者の背後に位置付けられる受信器10を向くように位置付け」た後、「オペレータは、界生成および処理の繰り返しサイクルを開始するコマンドを入力」することで、「エミッタとセンサ要素との間の相対位置および配向」を「表示」する「表示画面等の表示装置52」と、 本件発明1の「水平面又は前記管球の向きに対する前記放射線検出器の傾きを示す傾き情報の表示開始条件が成立したか否かを判定する判定手段と、 前記判定手段が前記傾き情報の表示開始条件が成立したと判定した後に前記傾き情報を表示する表示部」とは、 「水平面又は前記管球の向きに対する前記放射線検出器の傾きを示す傾き情報の表示開始条件が成立したか否かを判定」し、 「前記傾き情報の表示開始条件が成立したと判定した後に前記傾き情報を表示する表示部」である点で共通する。 (ウ)上記(イ)で説示した甲1発明の「エミッタとセンサ要素との間の相対位置および配向」(【0059】)に加えて、「真の水平に対する角度測定値」である「受信器角度」と「受信器10と源20との間のこの相対角度測定値」である「受信器対源20角度」との「角度情報」(【0043】)も、本件発明1の「水平面又は前記管球の向きに対する前記放射線検出器の傾きを示す傾き情報」に相当する。 また、甲1発明では、「表示画面52には」「(i)受信器角度」、「(iii)受信器対源20角度」を「角度情報として」「表示」すること(【0043】)が特定されており、「角度情報」をどのタイミングで「表示」するかの特定はない。しかし、上記(イ)で説示したとおり、「エミッタとセンサ要素との間の相対位置および配向」を導出して表示することにより整合再調節するタイミングを踏まえると、「角度情報」を取得して表示することにより角度調節するタイミングは、「オペレータ」が「放射線源20を、概して患者の背後に位置付けられる受信器10を向くように位置付け」た後、「エミッタとセンサ要素との間の相対位置および配向」の整合再調節を行う前に行うと考えるのが自然である。 そうすると、甲1発明の「オペレータは、放射線源20を、概して患者の背後に位置付けられる受信器10を向くように位置付け」た後、「エミッタとセンサ要素との間の相対位置および配向」の整合再調節を行う前に、「真の水平に対する角度測定値」である「受信器角度」と「受信器10と源20との間のこの相対角度測定値」である「受信器対源20角度」との「角度情報」を「表示」する「表示画面等の表示装置52」と、 本件発明1の「水平面又は前記管球の向きに対する前記放射線検出器の傾きを示す傾き情報の表示開始条件が成立したか否かを判定する判定手段と、 前記判定手段が前記傾き情報の表示開始条件が成立したと判定した後に前記傾き情報を表示する表示部」とは、 「水平面又は前記管球の向きに対する前記放射線検出器の傾きを示す傾き情報の表示開始条件が成立したか否かを判定」し、 「前記傾き情報の表示開始条件が成立したと判定した後に前記傾き情報を表示する表示部」である点で共通する。 エ 表示制御手段 甲1発明の「表示画面等の表示装置52」を備えている(【0034】)から、「表示画面等の表示装置52」の表示制御を行う表示制御手段を備えていることは技術的に明らかである。 よって、甲1発明は、本件発明1の「前記表示部の表示制御を行う表示制御手段」に相当する構成を備えているといえる。 オ 放射線検出器(センサー部) (ア)甲1発明では、「画像受信器の画像化領域の外側に配置され、放射線源20に結合されて示される界生成要素(フィールド生成要素)44を備える、単一のエミッタTもしくは一対のエミッタT1およびT2によって生成される信号を受信する、1つ以上のセンサ要素42(例えば、電磁コイル)を有するホルダ46を備え」(【0033】)、「ホルダ46は、受信器10も保持し、・・・整合感知装置40からの1つ以上の位置感知信号は、調節が必要か否かを判定するために、・・・制御論理を提供する制御論理プロセッサ48に進むものであり」(【0034】)、「受信器信号は、センサ要素42のそれぞれから同期して測定され、記録され、感知される大きさおよび位相情報は、エミッタとセンサ要素との間の相対位置および配向を導出するために、数学的に評定され」(【0059】)る。これらの記載から、甲1発明では、「受信器10」を「保持し」た「ホルダ46」は、「1つ以上のセンサ要素42」「を有する」。そして、これらの記載から、甲1発明の「大きさおよび位相情報」は、本件発明1の「必要な情報」に相当し、甲1発明の「1つ以上のセンサ要素42」は、本件発明1の「センサー部」に相当するといえる。 そうすると、甲1発明の「受信器10」を「保持し」た「ホルダ46」は、「エミッタとセンサ要素との間の相対位置および配向を導出する」のに「大きさおよび位相情報」を「感知」する「1つ以上のセンサ要素42」「を有する」ことは、本件発明1の「前記放射線検出器は、前記傾き情報を算出するのに必要な情報を検出するセンサー部を備え」ることに相当する。 (イ)甲1発明では、「ホルダ46は、受信器10も保持し、角度測定値を取得するために、受信器10もしくは放射線源20の一方または両方上に、傾斜計、加速度計、コンパス、ジャイロスコープ、あるいは他のデバイス等の追加のセンサ28を備え」(【0034】)、「真の水平に対する角度測定値」である「受信器角度」と「受信器10と源20との間のこの相対角度測定値」である「受信器対源20角度」とを「取得」する(【0043】)。これらの記載から、甲1発明では、「受信器10」を「保持し」た「ホルダ46」は、「1つ以上のセンサ要素42」に加えて「追加のセンサ28を備え」る。そして、これらの記載から、甲1発明の「真の水平に対する角度測定値」である「受信器角度」と「受信器10と源20との間のこの相対角度測定値」である「受信器対源20角度」は、本件発明1の「必要な情報」に相当し、甲1発明の「1つ以上のセンサ要素42」に加えて「追加のセンサ28」も、本件発明1の「センサー部」に相当するといえる。 そうすると、甲1発明の「受信器10」を「保持し」た「ホルダ46」は、「角度情報」を「取得」するのに「真の水平に対する角度測定値」である「受信器角度」と「受信器10と源20との間のこの相対角度測定値」である「受信器対源20角度」とを「測定」する「追加のセンサ28を備え」ることは、本件発明1の「前記放射線検出器は、前記傾き情報を算出するのに必要な情報を検出するセンサー部を備え」ることに相当する。 (カ)表示制御手段(表示許可) 甲1発明は、上記(オ)で説示したとおり、「受信器10」を「保持し」た「ホルダ46」は、「1つ以上のセンサ要素42」及び「追加のセンサ28」を備え、上記(ウ)で説示したとおり、「エミッタとセンサ要素との間の相対位置および配向」、及び「角度情報」を「表示」するものであるから、甲1発明において当該表示が許可されていることは当然のことにすぎない。 そうすると、甲1発明は、本件発明1の「前記表示制御手段は、前記放射線検出器が前記センサー部を備えたものである場合に、前記傾き情報の表示を許可する」ことに相当する構成を備えているといえる。 (キ)放射線撮影システム 甲1発明の「X線撮影画像化装置30」(【0030】)は、本件発明1の「放射線撮影システム」に相当する。 (2)一致点・相違点 上記(1)での対比を踏まえると、本件発明1と甲1発明とは、次の点で一致し、次の各点で相違する。 (一致点) 「放射線を発生させる管球と、 受けた放射線に応じた放射線画像を生成する放射線検出器と、 水平面又は前記管球の向きに対する前記放射線検出器の傾きを示す傾き情報の表示開始条件が成立したか否かを判定」し、 「前記傾き情報の表示開始条件が成立したと判定した後に前記傾き情報を表示する表示部と、 前記表示部の表示制御を行う表示制御手段と、を備え、 前記放射線検出器は、前記傾き情報を算出するのに必要な情報を検出するセンサー部を備え、 前記表示制御手段は、前記放射線検出器が前記センサー部を備えたものである場合に、前記傾き情報の表示を許可」する、 放射線撮影システム。」 (相違点1) 傾き情報の表示開始条件が成立したか否かを判定する主体について、 本件発明1では、「放射線撮影システム」が、傾き情報の表示開始条件が成立したか否かを判定する「判定手段を備え、前記判定手段が」前記傾き情報の表示開始条件が成立したと判定した後に表示部に前記傾き情報を表示するのに対し、 甲1発明では、「オペレータ」が「放射線源20を、概して患者の背後に位置付けられる受信器10を向くように位置付け」た後、「表示画面等の表示装置52」に「エミッタとセンサ要素との間の相対位置および配向」又は「真の水平に対する角度測定値」である「受信器角度」と「受信器10と源20との間のこの相対角度測定値」である「受信器対源20角度」との「角度情報」を「表示」する点。 (相違点2) 表示開始条件の具体的内容について、 本件発明1では、「前記表示開始条件は、撮影の開始を指示するコンソールにおいて撮影オーダーが選択されること、前記放射線検出器が格納場所から取り出されること、前記放射線検出器がケーブルから外されること、前記管球が備えるコリメーターの所定ボタンが操作されること、及び前記放射線検出器の傾きの大きさが基準範囲内であること、のうちの少なくともいずれかである」のに対し、 甲1発明では、表示開始条件は、「放射線源20を、概して患者の背後に位置付けられる受信器10を向くように位置付け」ることである点。 (3)判断 上記相違点1について検討する。 上記相違点1は、実質的な相違点であるから、本件発明1は、甲1発明ではない。 また、「放射線撮影システム」が、傾き情報の表示開始条件が成立したか否かを判定する「判定手段を備え、前記判定手段が」前記傾き情報の表示開始条件が成立したと判定した後に表示部に前記傾き情報を表示する、という上記相違点1に係る本件発明1の構成は、甲2技術的事項(第7の4参照)、甲3技術的事項(第7の6参照)、甲4技術的事項(第7の8参照)、及び甲5、6に例示される周知技術(第7の11参照)から導出できないし、本件特許出願前に周知技術といえる証拠も見いだせない。 そして、本件発明1は、上記相違点1の構成を備えることで、「傾き情報を、ユーザーが必要とするタイミングで確認することができるようになる。」(【0008】)という特有な効果を奏する。 よって、上記相違点1に係る本件発明1の構成は、甲1発明、及び甲2~4技術的事項、甲5、6に例示される周知技術に基づいて当業者が容易に想到し得るものではない。 (4)小括 したがって、上記相違点2について検討するまでもなく、本件発明1は、甲1発明でなく、また、甲1発明、及び甲2~4技術的事項、甲5、6に例示される周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 2 本件発明2、4~8、10~12について 本件発明2、4~8、10~12は、いずれも、上記相違点1及び2に係る要素を含む発明であるから、上記1と同様の理由により、本件発明2、4~8、10~12は、甲1発明でなく、また、甲1発明、及び甲2~4技術的事項、甲5、6に例示される周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 3 まとめ 以上のとおり、本件発明1、2、4~8、10~12は、甲1発明でなく、また、甲1発明、及び甲2~4技術的事項、甲5、6に例示される周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、当審が通知した取消理由2(新規性)及び取消理由3(進歩性)により、請求項1、2、4~8、10~12に係る特許を取り消すことはできない。 第10 取消理由通知において採用しなかった申立理由について 1 申立人が主張する請求項1、3~8、10、12のサポート要件違反について(第79~80頁) 申立人が主張する請求項1、3~8、10、12のサポート要件違反は、以下のとおり。 (1)「前記表示制御手段は、前記放射線検出器が前記センサー部を備えたものである場合に、前記傾き情報の表示を許可する」について、請求項1、3~8、10、12には、「放射線検出器がセンサー部を備えたものでない場合」についての規定がされていないため、「放射線検出器がセンサー部を備えたものでない場合に、傾き情報の表示を許可する」ものも含むことになる。そのため、請求項1、3~8、10、12においては、「ユーザーUの誤認を防ぐ」との課題を解決できない構成を含むことになる。したがって、これら請求項に係る発明が、発明の課題を解決できると認識できる範囲のものではない。 (2)請求項1、3~8、10、12には、「放射線検出器がセンサー部を備えたものである場合」か否かの判断手法を無数に含み、これら請求項に係る発明の範囲まで拡張ないし一般化できない。 2 当審の見解 上記1(1)に関し、「傾き情報の表示を許可する」か否かについては、第8の1で説示した本件発明の課題解決手段として位置づけられるものではない。また、上記1(2)に関し、「放射線検出器がセンサー部を備えたものである場合」か否かの判断手法についても、第8の1で説示した本件発明の課題解決手段として位置づけられるものではなく、発明の詳細な説明に記載された手法に限定される理由はない。よって、上記1(1)及び1(2)の主張は採用できない。 第11 むすび 以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由、取消理由通知(決定の予告)に記載した取消理由、特許異議申立書に記載した申立理由及び証拠によっては、本件請求項1、2、4~8、10~12に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件請求項1、2、4~8、10~12に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 また、本件請求項3、9に係る特許は、上記のとおり、訂正により削除された。これにより、申立人による特許異議の申立てについて、請求項3、9に係る申立ては、申立ての対象が存在しないものとなったため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。 よって、結論のとおり決定する。

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2025-700198

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