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特許拒絶査定不服審判

2021-015638

半導体デバイスの組立

審判番号
2021-015638
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2018-511279外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2021年11月15日
審決日
2023年01月23日
公報発行日
2023年07月28日
結論
請求不成立
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (H01L)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2018-511279「半導体デバイスの組立」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 3月 9日国際公開、WO2017/037475、平成30年10月25日国内公表、特表2018-531504〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由

目次 ▾ 23項目
理 由

1 手続の経緯

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本願は、2016年(平成28年) 9月 2日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2015年(平成27年) 9月 2日(以下「最先の優先日」という。)、2015年(平成27年)11月17日、2016年(平成28年) 4月26日及び2016年(平成28年)年5月27日、いずれも英国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。

令和 2年 9月29日付け:拒絶理由通知書
令和 3年 1月 6日 :意見書、手続補正書
令和 3年 7月 7日付け:拒絶査定
令和 3年11月15日 :審判請求書、手続補正書

2 本願発明

本願の請求項1~31に係る発明は、令和 3年11月15日の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~31に記載された事項により特定されるものであり、そのうち請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりのものである。

「【請求項1】
複数のピクセルを含み、各ピクセルは複数のサブピクセルを含み、各サブピクセルは所与の波長の光を提供するように構成されたディスプレイ素子を製造する方法であって、
ピックアップツール(PUT)を使用して、第1の配置サイクルを実行することであって、
未テストの複数の第1のLEDダイをピックアップすることであって、各第1のLEDダイは、前記ディスプレイ素子の前記複数のサブピクセルのうちの1つを提供するように構成された少なくとも1つの第1のLED発光器を備える、前記ピックアップすることと、
続きを表示(全11行)
前記複数の第1のLEDダイをディスプレイ基板上の前記ディスプレイ素子の前記複数のピクセルに対応する位置に配置することと、を含む前記第1の配置サイクルを実行すること、
前記ディスプレイ基板上の複数の第1のLED発光器をテストして、非機能性の複数の第1のLED発光器の1つ以上の位置を決定すること、
前記ディスプレイ素子の前記複数のサブピクセルのうちの1つを提供するように構成された少なくとも1つの第2のLED発光器をそれぞれ含むテスト済の複数の第2のLEDダイから、前記テストの結果に基づいて1つ以上の第2のLEDダイを選択すること、
選択された1つ以上の第2のLEDダイを、当該第2のLEDダイのピックアップ及び前記ディスプレイ基板上への配置が可能なように構成すること、並びに
前記ピックアップツールを使用して、第2の配置サイクルを実行することであって、
前記選択された1つ以上の第2のLEDダイをピックアップすることと、
前記選択された1つ以上の第2のLEDダイを、前記ディスプレイ基板上の非機能性の複数の第1のLED発光器の決定された位置に配置することと、を含む前記第2の配置サイクルを実行すること、を備える方法。」

3 原査定の拒絶の理由

拒絶査定(以下「原査定」という。)の理由である、令和2年9月29日付け拒絶理由通知の理由1は、次の内容を含むものである。

理由1

この出願の請求項1に係る発明は、本願の最先の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物である又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった文献である下記の引用文献1に記載された発明及び周知技術に基づいて、その最先の優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。

引用文献1.国際公開第2014/204696号

引用文献3.特開昭61-111561号公報(周知技術を示す文献)

4 引用文献の記載及び引用発明、引用文献に記載された技術的事項

(1)原査定の拒絶の理由で引用された本願の最先の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、国際公開第2014/204694号(2014年(平成26年)12月24日公開。原査定の「引用文献1」。以下「引用文献1」という。)には、図面とともに、次の記載がある。(なお、下線及び括弧内の日本語訳は当審が付したものである。)

ア

「[0001] The present invention relates to micro LED devices. More particularly embodiments of the present invention relate to methods and structures for integrating micro LED devices onto a substrate with tunable color emission spectrum.」

(日本語訳:

本発明は、マイクロLEDデバイスに関する。より詳細には、本発明の実施形態は、調整可能な色の発光スペクトルを有するように、基板上にマイクロLDEデバイスを統合するための、方法及び構造体に関する。)

「BRIEF DESCRIPTION OF THE DRAWINGS
[0008] FIG.1A is a schematic top view illustration of an active matrix display panel in accordance with an embodiment of the invention.」

(日本語訳:

図面の簡単な説明

[0008] 図1Aは、本発明の一実施形態によるアクティブマトリクス型表示パネルの概略的な上面図である。」

「[0051] Embodiments of the present invention describe a display in which a display substrate includes an array of pixels, with each pixel including multiple subpixels, and each subpixel within a pixel is designed for a different color emission spectrum. The display includes an array of micro LED device pairs, with a pair of micro LED devices being mounted within each subpixel. An array of wavelength conversion layers comprising phosphor particles are formed over the array of micro LED device pairs. In an embodiment, the wavelength conversion layer includes a polymer or glass matrix and a dispersion of phosphor particles (e.g. quantum dots that exhibit luminescence due to their size, and particles that exhibit luminescence due to their composition) within the matrix. In this manner, the light emission can be accurately tuned to specific colors in the color spectrum, with improved color gamut. In addition, the incorporation of micro LED devices in accordance with embodiments of the invention can be used to combine the performance, efficiency, and reliability of wafer-based LED devices with the high yield, low cost, mixed materials of thin film electronics, for both lighting and display applications.Exemplary micro LED devices which may be utilized with some embodiments of the invention are described in U.S. Patent No. 8,426,227, U.S. Publication No. 2013/0126081, U.S. Patent Application No. 13/458,932, U.S. Patent Application No. 13/711,554, and U.S. Patent Application No. 13/749,647 all of which are incorporated herein by reference. The micro LED devices are highly efficient at light emission and consume very little power (e.g., 250 mW for a 10 inch diagonal display) compared to 5-10 watts for a 10 inch diagonal LCD or OLED display, enabling reduction of power consumption of an exemplary display panel incorporating the micro LED devices and wavelength conversion layers. 」

(日本語訳:

[0051] 本発明の実施形態は、ディスプレイ基板がピクセルのアレイを含み、各ピクセルが、複数のサブピクセルを含み、ピクセル内部の各サブピクセルが、異なる色の発光スペクトル用に設計されている、ディスプレイを説明する。このディスプレイは、マイクロLEDデバイスの対のアレイを含み、各サブピクセルの内部に、一対のマイクロLEDデバイスが実装されている。蛍光体粒子を備える波長変換層のアレイが、マイクロLEDデバイスの対のアレイの上に形成される。一実施形態では、この波長変換層は、ポリマーマトリクス又はガラスマトリクスと、そのマトリクス内部の蛍光体粒子(例えば、そのサイズに起因するルミネセンスを呈する量子ドット、及び、その組成に起因するルミネセンスを呈する粒子)の分散とを含む。この方式で、改善された色域を有する、色スペクトル内の特定の色に、発光を正確に調整することができる。更には、本発明の実施形態に係わるマイクロLEDデバイスの組み込みを使用することにより、照明用途及びディスプレイ用途の双方に関して、ウェハベースのLEDデバイスの性能、効率、及び信頼性と、薄膜電子装置の高収率、低コスト、混合材料とを、組み合わせることができる。本発明の一部の実施形態で利用することが可能な、例示的なマイクロLEDデバイスが、米国特許第8,426,227号、米国公開第2013/0126081号、米国特許出願第13/458,932号、同第13/711,554号、及び同第13/749,647号で説明され、それらの全てが参照により本明細書に組み込まれる。マイクロLEDデバイスは、発光の効率が高く、消費する電力が、対角線10インチのLCD又はOLEDディスプレイに関しては5-10ワットであることに比較して、極めて小さく(例えば、対角線10インチのディスプレイに関しては250mW)、このマイクロLEDデバイス及び波長変換層を組み込む例示的なディスプレイパネルの、電力消費の低減を可能にする。)

「[0055] In another aspect, embodiments of the invention describe a redundancy scheme in which a plurality of bonding sites are available for bonding a plurality of micro LED devices within each subpixel, for example, within each bank opening for a subpixel. In an embodiment, the redundancy scheme includes bonding layers (e.g. indium posts) at a pair of bonding sites (or more) within a bank opening, with each bonding layer designed to receive a separate micro LED device. In an embodiment, the redundancy scheme can also include a repair bonding site within the bank opening that is large enough to receive a micro LED device. The repair bonding site may also optionally include a bonding layer. In this manner, in an embodiment, each bank opening may correspond to a single emission color of a subpixel, and receives a plurality of micro LED devices of the emission color. If one of the micro LED devices of a pair of micro LED devices mounted within a subpixel is defective, then the other micro LED device compensates for the defective micro LED device. In addition, the repair bonding site may be used to bond an additional micro LED device if desired. In one embodiment, a redundancy and repair configuration is integrated into a backplane structure which can improve emission uniformity across the display panel without having to alter the underlying thin film transistor (TFT) architecture already incorporated in conventional active matrix organic light emitting diode (AMOLED) displays. Thus, embodiments of the invention may be compatible with conventional TFT backplane technology of AMOLED displays where the micro LED devices replace the organic emission layers of AMOLED display technology.」

(日本語訳:

[0055] 別の態様では、本発明の実施形態は、各サブピクセル内部、例えば、サブピクセルに関する各バンク開口部の内部で、複数のマイクロLEDデバイスを接合するために、複数の接合部位が利用可能である、冗長スキームを説明する。一実施形態では、この冗長スキームは、バンク開口部の内部の一対の(又は、それ以上の)接合部位に、接合層(例えば、インジウム柱)を含み、各接合層は、別個のマイクロLEDデバイスを受容するように設計される。一実施形態では、この冗長スキームはまた、マイクロLEDデバイスを受容するために十分に大きい、バンク開口部の内部の修復接合部位も含み得る。この修復接合部位もまた、任意選択的に、接合層を含み得る。この方式で、一実施形態では、各バンク開口部は、サブピクセルの単一の発光色に対応し得るものであり、その発光色の複数のマイクロLEDデバイスを受容する。サブピクセルの内部に実装された一対のマイクロLEDデバイスのうちの、一方のマイクロLEDデバイスに欠陥がある場合には、他方のマイクロLEDデバイスが、その欠陥マイクロLEDデバイスを補う。更には、必要に応じて、修復接合部位を使用することにより、更なるマイクロLEDデバイスを接合することもできる。一実施形態では、冗長性及び修復構成は、バックプレーン構造体内に統合され、このことにより、従来のアクティブマトリクス型有機発光ダイオード(AMOLED)ディスプレイ内に既に組み込まれている、下層の薄膜トランジスタ(TFT)アーキテクチャを変更することを必要とせずに、ディスプレイパネル全域にわたる発光の均一性を改善することができる。それゆえ、本発明の実施形態は、AMOLEDディスプレイの従来のTFTバックプレーン技術に対応し得るものであり、マイクロLEDデバイスが、AMOLEDディスプレイ技術の有機発光層に置き換わる。)

「[0058] Referring now to FIGS. 1A-1D schematic top and side-view illustrations are provided of an active matrix display panel in accordance with an embodiment of the invention. In such an embodiment, the underlying TFT substrate 102 can be similar to those in a typical AMOLED backplane including working circuitry (e.g. Tl, T2). Referring to FIG. 1A, panel 100 may generally include a pixel area 104 including pixels 106 and subpixels 108 arranged in a matrix, and working circuitry connected to each subpixel for driving and switching the subpixels. The non-pixel area generally includes a data driver circuit 109 connected to a data line of each subpixel to enable data signals (Vdata) to be transmitted to the subpixels, a scan driver circuit 112 connected to scan lines of the subpixels to enable scan signals (Vscan) to be transmitted to the subpixels, a power supply line 114 to transmit a power signal (Vdd) to the TFTs, and a ground ring 116 to transmit a ground signal (Vss) to the array of subpixels. As shown, the data driver circuit, scan driver circuit, power supply line, and ground ring are all connected to a flexible circuit board (FCB) 113 which includes a power source for supplying power to the power supply line 114 and a power source ground line electrically connected to the ground ring 116. In accordance with embodiments of the invention, each of the subpixels 108 may be individually addressed with the corresponding underlying TFT circuitry while a uniform ground signal is supplied to the top of the pixel area 104.」

(日本語訳:

[0058] ここで図1A-図1Dを参照すると、本発明の一実施形態に係わる、アクティブマトリクス型ディスプレイパネルの概略上面図及び概略側面図が提供される。そのような実施形態では、下層のTFT基板102は、作動回路機構(例えば、T1、T2)を含む、典型的なAMOLEDバックプレーン内のものと同様とすることができる。図1Aを参照すると、パネル100は、マトリクスとして配置構成された、ピクセル106及びサブピクセル108と、それらのサブピクセルを駆動及び切り替えるための、各サブピクセルに接続された作動回路機構とを含む、ピクセル区域104を、一般的に含む。非ピクセル区域は、各サブピクセルのデータ線に接続されることにより、データ信号(Vdata)をサブピクセルに送信することを可能にする、データ駆動回路109と、サブピクセルの走査線に接続されることにより、走査信号(Vscan)をサブピクセルに送信することを可能にする、走査駆動回路112と、電力信号(Vdd)をTFTに送信するための電力供給線114と、接地信号(Vss)をサブピクセルのアレイに送信するための接地リング116とを、一般的に含む。図示のように、データ駆動回路、走査駆動回路、電力供給線、及び接地リングは全て、フレキシブル回路基板(FCB)113に接続されており、このフレキシブル回路基板113は、電力供給線114に電力を供給するための電源、及び接地リング116に電気的に接続された電源接地線を含む。本発明の実施形態によれば、サブピクセル108のそれぞれは、対応する下層のTFT回路機構で個別にアドレスすることができ、その一方で、均一な接地信号が、ピクセル区域104の上部に供給される。)

「[0070]FIG. 1C is a schematic side-view illustration of the active matrix display panel of FIG. 1A taken along lines X-X and Y-Y after the transfer of a pair of micro LED devices 400 in accordance with an embodiment of the invention. The micro LED devices 400 can be transferred and bonded to the substrate 102 as part of an array of micro LED devices 400 using a variety of techniques including a transfer bonding process, transfer using elastomeric stamps, or transfer and bonding using an electrostatic transfer head array, as described in any of U.S. Patent No. 8,333,860, U.S. Patent No 8,349,116, U.S. Patent No. 8,415,771, U.S. Patent No. 8,415,767, or U.S. Patent No. 8,415,768. In the following embodiments, description is made with regard to a specific vertical micro LED device 400 structures. It is to be appreciated, that the specific micro LED devices 400 illustrated is exemplary and that embodiments of the invention are not limited. For example, embodiments of the invention may also be practiced with LED devices that are not vertical LED devices. In the particular embodiment illustrated, the micro LED devices 400 include a micro p-n diode between a bottom contact 404 and top contact 402. In an embodiment, the micro p-n diode is several microns thick, such as 30 μm or less, or even 5μm or less, with the top and bottom contacts 404, 402 being 0.1 μm - 2 μm thick. The micro p-n diode may include a n-doped layer 409, a p-doped layer 405, and one or more quantum well layers 416 between the n-doped layer and p-doped layer. In the particular embodiment illustrated in FIG. 1C the n-doped layer 409 is illustrated as being above the p-doped layer 405. Alternatively, the p-doped layer 405 may be above the n-doped layer 409. The micro LED devices 400 may have straight or tapered sidewalls 406 (from top to bottom). The top and bottom contacts 402, 404 may include one or more layers and can be formed of a variety of electrically conducting materials including metals, conductive oxides, and conductive polymers. The top and bottom contacts 402, 404 may be transparent or semi-transparent to the visible wavelength spectrum (e.g. 380 nm - 750 nm) or opaque. The top and bottom contacts 402, 404 may optionally include a reflective layer, such as a silver layer. In an embodiment, a conformal dielectric barrier layer 407 may optionally be formed along the sidewalls 406 of the p-n diode to electrically passivate the quantum well 416, and optionally along the top or bottom surface of the micro p-n diode. The conformal dielectric barrier layer 407 may be thinner than the p-n diode so that it forms an outline of the topography of the p-n diode it is formed on. For example, the conformal dielectric barrier layer 407 may be approximately 50-600 angstroms thick aluminum oxide. A bonding layer 414 may be positioned between the micro LED device 400 and the reflective bank layer 142 to facilitate bonding of the bottom contact 404 of micro LED device 400 to the reflective bank layer 142, or other intervening layer. In an embodiment, bonding layer 414 includes a material such as indium, gold, silver, molybdenum, tin, aluminum, silicon, or an alloy or alloys thereof. Bonding layer 414 may be an alloy or intermetallic compound of a micro device bonding layer and a bonding layer 140.」

(日本語訳:

[0070] 図1Cは、本発明の一実施形態に係わる、一対のマイクロLEDデバイス400の転写の後の、図1Aのアクティブマトリクス型ディスプレイパネルの、線X-X及び線Y-Yに沿った概略側面図である。マイクロLEDデバイス400は、米国特許第8,333,860号、同第8,349,116号、同第8,415,771号、同第8,415,767号、又は同第8,415,768号のいずれかで説明されるように、転写接合プロセス、弾性スタンプを使用する転写、あるいは静電転写ヘッドアレイを使用する転写及び接合を含めた、様々な技術を使用して、マイクロLEDデバイス400のアレイの一部として、基板102に転写及び接合することができる。以下の実施形態では、特定の垂直型マイクロLEDデバイス400の構造体に関連して、説明がなされる。図示の特定のマイクロLEDデバイス400は例示的なものであり、本発明の実施形態が限定されるものではないことを理解されたい。例えば、本発明の実施形態はまた、垂直型LEDデバイスではないLEDデバイスでも実践することができる。図示の特定の実施形態では、マイクロLEDデバイス400は、底部接点404と上部接点402との間に、マイクロp-nダイオードを含む。一実施形態では、このマイクロp-nダイオードは、30μm以下、又は更に5μm以下などの、数マイクロメートルの厚さであり、上部接点402及び底部接点404は、厚さ0.1μm-2μmである。このマイクロp-nダイオードは、n型ドープ層409、p型ドープ層405、及びn型ドープ層とp型ドープ層との間の1つ以上の量子井戸層416を含み得る。図1Cに示される特定の実施形態では、n型ドープ層409は、p型ドープ層405の上方に存在するように示されている。あるいは、p型ドープ層405が、n型ドープ層409の上方に存在する場合もある。マイクロLEDデバイス400は、(上部から底部への)直線状又はテーパ状の側壁406を有し得る。上部接点402及び底部接点404は、1つ以上の層を含み得るものであり、金属、導電性酸化物、及び導電性ポリマーを含めた、様々な導電材料で形成することができる。上部接点402及び底部接点404は、可視波長スペクトル(例えば、380nm-750nm)に対して透明若しくは半透明、又は不透明とすることができる。上部接点402及び底部接点404は、任意選択的に、銀層などの反射層を含み得る。一実施形態では、量子井戸416を電気的に不活性化するために、p-nダイオードの側壁406に沿って、及び任意選択的に、マイクロp-nダイオードの上面若しくは底面に沿って、共形誘電バリア層407を、任意選択的に形成することができる。共形誘電バリア層407は、その共形誘電バリア層407が上に形成されるp-nダイオードの、トポグラフィの外形を形成するように、p-nダイオードよりも薄いものとすることができる。例えば、共形誘電バリア層407は、厚さ約50-600オングストロームの酸化アルミニウムとすることができる。マイクロLEDデバイス400と反射バンク層142との間に、接合層414を位置決めすることにより、反射バンク層142又は他の介在層への、マイクロLEDデバイス400の底部接点404の接合を容易にすることができる。一実施形態では、接合層414は、インジウム、金、銀、モリブデン、スズ、アルミニウム、シリコン、又はそれらの合金などの材料を含む。接合層414は、マイクロデバイス接合層と接合層140との、合金又は金属間化合物とすることができる。)

「[0076] In practical application, it is not expected to always achieve 100% transfer success of the micro LED devices 400 from a carrier substrate to the display substrate 102, and with no defective, missing, or contaminated micro LED devices. In accordance with embodiments of the invention, micro LED devices may be of 1 to 100 μm in scale, for example, having a maximum width of approximately 20 μm, 10 μm, or 5μm. Such micro LED devices are fabricated so that they are poised for pick up from a carrier substrate and transfer to the display substrate, for example, using an array of electrostatic transfer heads. Defective micro LED devices may result from a variety of reasons, such as contamination, stress fractures, and shorting between conductive layers. Micro LED devices also may not be picked up during the transfer operation due to a variety of reasons, such as non-planarity of the carrier substrate, contamination (e.g. particulates), or irregular adhesion of the micro LED devices to the carrier substrate. After the micro LED device 400 transfer operations are completed, testing can be performed to detect defective, missing, or contaminated micro LED devices and determine if any repair operations need to be performed.」

(日本語訳:

[0076] 実際の適用例では、キャリア基板からディスプレイ基板102への、マイクロLEDデバイス400の100%の転写の成功が常に達成され、かつ欠陥、欠落、又は汚染したマイクロLEDデバイスを有しないことは期待できない。本発明の実施形態によれば、マイクロLEDデバイスは、1~100μmのスケールのものであり、例えば、約20μm、10μm、又は5μmの最大幅を有し得る。そのようなマイクロLEDデバイスは、例えば静電転写ヘッドアレイを使用する、キャリア基板からのピックアップ及びディスプレイ基板への転写に関して、準備が整っているように製造される。欠陥マイクロLEDデバイスは、汚染、応力破損、及び導電層間の短絡などの、様々な原因から生じ得る。マイクロLEDデバイスはまた、キャリア基板の非平面性、汚染(例えば、微粒子)、又はキャリア基板に対するマイクロLEDデバイスの不規則な付着などの様々な理由により、転写操作の間にピックアップされない恐れもある。マイクロLEDデバイス400の転写操作が完了した後、欠陥、欠落、又は汚染したマイクロLEDデバイスを検出して、いずれかの修復操作を実行する必要があるか否かを判定するために、試験を実行することができる。)

「[0077] FIGS. 2C-2D illustrate exemplary applications of placing an additional micro LED device at the repair site after a defective, missing, or contaminated micro LED device is detected. For example, following the transfer and bonding of micro LED devices 400 shown in FIG. 2B the micro LED devices transferred to the display substrate can be inspected. If it is found that a micro LED device 400X is defective or contaminated, a repair micro LED device 400 can then be bonded at the repair site 401 as illustrated in FIG. 2C. Alternatively, it is found that a micro LED device was not transferred to an intended bonding site, a repair micro LED device 400 can then be bonded at the repair site 401 as illustrated in FIG. 2D.」

(日本語訳:

[0077] 図2C、図2Dは、欠陥、欠落、又は汚染したマイクロLEDデバイスが検出された後に、修復部位に更なるマイクロLEDデバイスを定置する、例示的な適用を示す。例えば、図2Bに示すマイクロLEDデバイス400の転写及び接合に続けて、ディスプレイ基板に転写されたそれらのマイクロLEDデバイスを検査することができる。マイクロLEDデバイス400Xに欠陥があるか、又は汚染されていることが判明した場合には、図2Cに示されるように、修復マイクロLEDデバイス400を、修復部位401に接合することができる。あるいは、意図された接合部位に、マイクロLEDデバイスが転写されなかったことが判明すると、図2Dに示されるように、修復マイクロLEDデバイス400を、修復部位401に接合することができる。)

イ

「[FIG.1A]
[図:0001398715000001.jpg]
[FIG.2B]
[図:0001398715000002.jpg]
[FIG.2C]
[図:0001398715000003.jpg]
」

ウ 引用発明

上記ア及びイから、引用文献1には、次の発明が記載されていると認められる。(以下「引用発明」という。なお、括弧内は認定の根拠とした段落番号などを参考までに示す。以下同じ。)

「マイクロLEDデバイスに関し、調整可能な色の発光スペクトルを有するように、基板上にマイクロLEDデバイスを統合する方法であって、([0001])
パネル100は、マトリクスとして配置構成された、ピクセル106及びサブピクセル108を含むアクティブマトリクス型ディスプレイパネルを有し、[0058]
ディスプレイ基板がピクセルのアレイを含み、各ピクセルが、複数のサブピクセルを含み、ピクセル内部の各サブピクセルが、異なる色の発光スペクトル用に設計されており、([0051])
各サブピクセル内部、例えば、サブピクセルに関する各バンク開口部の内部で、複数のマイクロLEDデバイスを接合するために、複数の接合部位が利用可能であり、([0055])
続きを表示(全13行)
バンク開口部の内部の修復接合部位も含み、([0055])
各バンク開口部は、サブピクセルの単一の発光色に対応し得るものであり、その発光色の複数のマイクロLEDデバイスを受容し、([0055])
サブピクセルの内部に実装された一対のマイクロLEDデバイスのうちの、一方のマイクロLEDデバイスに欠陥がある場合には、他方のマイクロLEDデバイスが、その欠陥マイクロLEDデバイスを補い、必要に応じて、修復接合部位を使用することにより、更なるマイクロLEDデバイスを接合することもできるものであって、([0055])
マイクロLEDデバイス400は、底部接点404と上部接点402との間に、マイクロp-nダイオードを含み、このマイクロp-nダイオードは、n型ドープ層409、p型ドープ層405、及びn型ドープ層とp型ドープ層との間の1つ以上の量子井戸層416を含み、([0070])
マイクロLEDデバイスは、例えば静電転写ヘッドアレイを使用する、キャリア基板からのピックアップ及びディスプレイ基板への転写に関して、準備が整っているように製造され、([0076])
マイクロLEDデバイス400は、静電転写ヘッドアレイを使用する転写を使用して、マイクロLEDデバイス400のアレイの一部として、基板102に転写及び接合され、[0070]
キャリア基板からディスプレイ基板102への、マイクロLEDデバイス400の100%の転写の成功が常に達成され、かつ欠陥、欠落、又は汚染したマイクロLEDデバイスを有しないことは期待できず、欠陥マイクロLEDデバイスは、汚染、応力破損、及び導電層間の短絡などの、様々な原因から生じ、マイクロLEDデバイスはまた、キャリア基板の非平面性、汚染(例えば、微粒子)、又はキャリア基板に対するマイクロLEDデバイスの不規則な付着などの様々な理由により、転写操作の間にピックアップされない恐れもあり、マイクロLEDデバイス400の転写操作が完了した後、欠陥、欠落、又は汚染したマイクロLEDデバイスを検出して、いずれかの修復操作を実行する必要があるか否かを判定するために、試験を実行し、([0076])
マイクロLEDデバイス400の転写及び接合に続けて、ディスプレイ基板に転写されたそれらのマイクロLEDデバイスを検査することができ、マイクロLEDデバイス400Xに欠陥があるか、又は汚染されていることが判明した場合には、修復マイクロLEDデバイス400を、修復部位401に接合する、[0077]
方法。[0001]」

(2)原査定の拒絶の理由で引用された本願の最先の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、特開昭61-111561号公報(1986年(昭和61年)5月29日公開。原査定の「引用文献3」。以下「引用文献2」という。)には、図面とともに、次の記載がある。

ア 引用文献2の記載事項

「本発明は不良チップの救済が可能な大規模集積回路(LSI)の構造に関する。」(第1頁右下欄第6,7行)

「(ii)ウエハ段階でチップ毎にチップ毎に試験し、不良チップの分布具合でウエハIC用ベースウェハ1と置き換え用ウエハとに分ける。
置き換え用ウエハはスクライブして、良品チップのみを取り出して不良置き換え用チップ8とする。」(第3頁左上欄第9~14行)

イ 引用文献2に記載された技術的事項について

上記アから、引用文献2には、次の技術的事項が記載されていると認められる。

「試験された良品チップを不良置き換え用チップとすること。」

(3)本願の最先の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、特開2004-39938号公報(2004年(平成16年)2月5日公開。以下「引用文献3」という。)には、図面とともに、次の記載がある。

ア 引用文献3の記載事項

折りたたみ中(クリックで表示)
「【0002】
【従来の技術】
従来、例えば画像表示装置の製造方法としては、ウエーハからダイシングして電子部品(例えば半導体チップ)を分離し、分離した電子部品をダイシングシートからチップトレイに移送し、所定の加工及び転写工程を経た後に、チップトレイから電子部品を真空吸着でピックアップし、基板にマウント若しくは接続した後に配線するという方法が知られている。」
「【0009】
また、樹脂チップ64を絶縁層64内に埋め込んでから性能検査を行った結果、樹脂チップ64の発光素子が不良品であると判明しても、既に絶縁層63に埋設しているために、不良な樹脂チップを除去することができない。
【0010】
このため、図14に示すように、新たな良品の樹脂チップ(リペアチップ)64の電極パッド57及び電極パッド60にはんだバンプ66をそれぞれ設け、この良品の樹脂チップ64を絶縁層63に埋設された不良品の樹脂チップ64上の配線51にはんだ付けしてフリップチップ実装している。」

イ 引用文献3に記載された技術的事項について

上記アから、引用文献3には、次の技術的事項が記載されていると認められる。

「画像表示装置の製造方法において、性能検査を行った発光素子が不良品であると判明した際に、新たな良品の樹脂チップ(リペアチップ)を実装すること。」

(4)本願の最先の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、特開2006-313825号公報(2006年(平成18年)11月16日公開。以下「引用文献4」という。)には、図面とともに、次の記載がある。

ア 引用文献4の記載事項

折りたたみ中(クリックで表示)
「【0006】
解決しようとする問題点は、欠陥LEDに代わる正常な発光を行うLEDを再実装する簡単なプロセスがないため、ディスプレイとしての暗点欠陥を無くすことができない点である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の表示装置は、複数の発光素子を配列実装した表示装置において、前記複数の発光素子のうち発光しない発光素子の直上に発光可能な修復用発光素子が配置されていることを最も主要な特徴とする。」

イ 引用文献4に記載された技術的事項について

上記アから、引用文献4には、次の技術的事項が記載されていると認められる。

「複数の発光素子を配列実装した表示装置において、欠陥LEDに代わる正常な発光を行うLEDを再実装する簡単なプロセスがない問題点を解決するために、発光しない発光素子の直上に発光可能な修復用発光素子を配置すること。」

(5)本願の最先の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、特開2003-324154号公報(2003年(平成15年)11月14日公開。以下「引用文献5」という。)には、図面とともに、次の記載がある。

ア 引用文献5の記載事項

折りたたみ中(クリックで表示)
「【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、複数の半導体集積回路チップを1チップ化するためにチップサイズが大きくなり、特にウエハ状態で検査する際に、故障が発生した半導体集積回路装置は不良と判断され廃棄されるため、歩留りが低下するという問題が発生している。また、1チップ化された半導体集積回路装置の中で一部の機能を変更して別の機能を実現する、もしくは一部の機能を変更して性能UPを図ることもあるが、1チップ化されているために最初から設計する必要があり、短期間での開発が難しくなってきている。」
「【0020】次に、本発明の実施の形態1に係る半導体集積回路装置の製造方法を説明する。いま、図2にあるように半導体集積回路装置100の機能ブロック130に故障300が発生しているとする。半導体集積回路装置100をウエハ状態で検査した際に、故障300は機能ブロック130で検出され、他の機能ブロック110、120、140には故障はないと検出される。
【0021】そこで、ウエハ状態で検査し、故障が発生しておらず良品判定された半導体集積回路チップ200を、機能ブロック130と置きかえるために半導体集積回路装置100に貼り合わせる。この時、半導体集積回路装置100の機能ブロック130は、故障のため正常動作ができないので、その他の機能ブロック110、140と切り離す必要がある。機能ブロック130を切り離す方法として、第1に、機能ブロック130に接続されている各パッドまでの全ての配線をメモリ冗長救済する時に使用するレーザーリペア装置を用い物理的に切断する。」

イ 引用文献5に記載された技術的事項について

上記アから、引用文献5には、次の技術的事項が記載されていると認められる。

「半導体集積回路において、複数の半導体集積回路チップを1チップ化するためにチップサイズが大きくなり、特にウエハ状態で検査する際に、故障が発生した半導体集積回路装置は不良と判断され廃棄されるため、歩留りが低下するという問題を解決するために、ウエハ状態で検査し、故障が発生しておらず良品判定された半導体集積回路チップ200を、故障300が発生した機能ブロック130と置きかえること。」

6 対比

本願発明と引用発明を対比する。

(1)本願発明の「複数のピクセルを含み、各ピクセルは複数のサブピクセルを含み、各サブピクセルは所与の波長の光を提供するように構成されたディスプレイ素子を製造する方法であって」との特定事項について

ア 引用発明の「ピクセル106」及び「サブピクセル108」は、「マトリクスとして配置構成された」ことから、それぞれ複数のものであり、本願発明の「複数のピクセル」及び「複数のサブピクセル」に相当する。

イ 引用発明の「各ピクセルが、複数のサブピクセルを含」むことは、本願発明の「各ピクセルは複数のサブピクセルを含み」に相当する。

ウ 引用発明の「各バンク開口部は、サブピクセルの単一の発光色に対応し得るもの」であることは、本願発明の「各サブピクセルは所与の波長の光を提供するように構成」されることに相当する。

エ 引用発明の「アクティブマトリクス型ディスプレイパネル」及び「基板上にマイクロLEDデバイスを統合する方法」は、それぞれ本願発明の「ディスプレイ素子」及び「ディスプレイ素子を製造する方法」に相当する。

オ 上記ア~エから、引用発明は、上記特定事項を満たす。

(2)本願発明の「ピックアップツール(PUT)を使用して、第1の配置サイクルを実行することであって」との特定事項について

引用発明の「静電転写ヘッドアレイ」は、「マイクロLEDデバイス」を「キャリア基板からのピックアップ及びディスプレイ基板への転写」をするものであるから、引用発明の「静電転写ヘッドアレイ」及び当該「静電転写ヘッドアレイ」による「キャリア基板からのピックアップ及びディスプレイ基板への転写」は、それぞれ本願発明の「ピックアップツール(PUT)」及び「第1の配置サイクル」に相当する。

よって、引用発明は、上記特定事項を満たす。

(3)本願発明の「未テストの複数の第1のLEDダイをピックアップすることであって、各第1のLEDダイは、前記ディスプレイ素子の前記複数のサブピクセルのうちの1つを提供するように構成された少なくとも1つの第1のLED発光器を備える、前記ピックアップすること」との特定事項について

ア 引用発明の「マイクロLEDデバイス400」は、本願発明の「第1のLEDダイ」に相当する。

イ 引用発明の「『マイクロLEDデバイス400』(本願発明の「第1のLEDダイ」に相当。)において、『キャリア基板からピックアップ』されること」は、本願発明の「ピックアップすること」に相当する。

ウ 引用発明において、上記アの「マイクロLEDデバイス400」が含む「マイクロp-nダイオード」は「n型ドープ層409、p型ドープ層405、及びn型ドープ層とp型ドープ層との間の1つ以上の量子井戸層416を含」ことから、いわゆるLED(発光ダイオード)を構成するものである。引用発明の「マイクロLEDデバイス400」に含まれる前記「マイクロp-nダイオード」は、本願発明の「第1のLEDダイ」が備える「少なくとも1つの第1のLED発光器」に相当する。

エ 引用発明において「マイクロLEDデバイス400」に対するテストに関する事項が特定されておらず、本願発明の「複数の第1のLEDダイ」が「未テスト」であることを満たすか不明である。

オ 上記ア~エから、引用発明と本願発明は、「複数の第1のLEDダイをピックアップすることであって、各第1のLEDダイは、前記ディスプレイ素子の前記複数のサブピクセルのうちの1つを提供するように構成された少なくとも1つの第1のLED発光器を備える、前記ピックアップすること」で共通するが、引用発明の「マイクロLEDデバイス400」が「未テスト」であることが不明であることで相違する。

(4)本願発明の「前記複数の第1のLEDダイをディスプレイ基板上の前記ディスプレイ素子の前記複数のピクセルに対応する位置に配置することと、を含む前記第1の配置サイクルを実行すること」との特定事項について

ア 引用発明の「ディスプレイ基板」は、本願発明の「ディスプレイ基板」に相当する。

イ 引用発明における「ディスプレイ基板がピクセルのアレイを含み、各ピクセルが、複数のサブピクセルを含み」、「各サブピクセル内部、例えば、サブピクセルに関する各バンク開口部の内部で、複数のマイクロLEDデバイスを接合」することは、本願発明の「前記複数の第1のLEDダイをディスプレイ基板上の前記ディスプレイ素子の前記複数のピクセルに対応する位置に配置すること」に相当する。その結果として、引用発明は、本願発明の「第1の配置サイクルを実行すること」を有するといえる。

ウ 上記ア及びイから、引用発明は、上記特定事項を満たす。

(5)本願発明の「前記ディスプレイ基板上の複数の第1のLED発光器をテストして、非機能性の複数の第1のLED発光器の1つ以上の位置を決定すること」との特定事項について

ア 引用発明は「マイクロLEDデバイス400の転写操作が完了した後、欠陥、欠落、又は汚染したマイクロLEDデバイスを検出して、いずれかの修復操作を実行する必要があるか否かを判定するために、試験を実行」することは、「マイクロLEDデバイス400」に含まれる「マイクロp-nダイオード」に対する「試験を実行」することを含むものである。

そうすると、引用発明は、本願発明の「前記ディスプレイ基板上の複数の第1のLED発光器をテストして」いることを備える。

イ 引用発明の「マイクロLEDデバイス400」が「欠陥」、「又は汚染した」ことは、本願発明の「第1のLED発光器」が「非機能性」であることに相当する。

ウ 引用発明は「マイクロLEDデバイス400に欠陥があるか、又は汚染されていることが判明した場合には、修復マイクロLEDデバイス400を、修復部位401に接合する」ことから、引用発明は「欠陥があるか、又は汚染されている」「マイクロLEDデバイス400」と対応する「修復部位401」の位置を特定しているということができ、本願発明の「非機能性の複数の第1のLED発光器の1つ以上の位置を決定すること」を備える。

エ 上記ア~ウから、引用発明は、上記特定事項を満たす。

(6)本願発明の「前記ディスプレイ素子の前記複数のサブピクセルのうちの1つを提供するように構成された少なくとも1つの第2のLED発光器をそれぞれ含むテスト済の複数の第2のLEDダイから、前記テストの結果に基づいて1つ以上の第2のLEDダイを選択すること」との特定事項について

ア 引用発明の「修復マイクロLEDデバイス」は、本願発明の「第2のLEDダイ」に相当する。

イ 引用発明の「修復マイクロLEDデバイス」は、「サブピクセルの単一の発光色に対応」する「バンク開口部」に含まれる「修復部位401」に接合されるものであるから、当該「修復マイクロLEDデバイス」は「サブピクセル」を構成するものである。そうすると、引用発明の「修復マイクロLEDデバイス」は本願発明の「前記ディスプレイ素子の前記複数のサブピクセルのうちの1つを提供するように構成された」ものといえる。

ウ 引用発明の「修復部位401」に接合される「修復マイクロLEDデバイス」は「欠陥があるか、又は汚染されている」「マイクロLEDデバイス400X」を修復するためのものであって、上記イで示したとおり「サブピクセル」を構成するものであるから、当該「サブピクセル」に配置された「マイクロLEDデバイス400」と同じ構造を有するもの、すなわち「マイクロLEDデバイス400」と同じ「マイクロp-nダイオード」を有しているものである。引用発明において「修復マイクロLEDデバイス」の「マイクロp-nダイオード」は、本願発明の「第2のLEDダイ」に含まれる「第2のLED発光器」に相当する。

エ 引用発明において、「修復マイクロLEDデバイス」は「マイクロLEDデバイス400に欠陥があるか、又は汚染されていることが判明した場合」に用いられるものであるところ、当該「欠陥があるか、又は汚染されていることが判明した場合」が複数あることは当然想定されるものであり、当該場合に用いられる「修復マイクロLEDデバイス」が複数あることは明らかである。

オ 引用発明において「修復マイクロLEDデバイス」が「テスト済み」であるか不明であり、本願発明と相違する。また、前記「テスト済み」であることが不明であることから、引用発明が本願発明の「前記テストの結果に基づいて1つ以上の第2のLEDダイを選択すること」を満たしているか不明である。

カ 上記ア~オから、「複数の第2のLEDダイ」について、引用発明と本願発明は「前記ディスプレイ素子の前記複数のサブピクセルのうちの1つを提供するように構成された少なくとも1つの第2のLED発光器をそれぞれ含む」ことで共通するが、本願発明の「テスト済」であって「前記テストの結果に基づいて」「選択すること」を引用発明が満たすか不明である。

(7)本願発明の「選択された1つ以上の第2のLEDダイを、当該第2のLEDダイのピックアップ及び前記ディスプレイ基板上への配置が可能なように構成すること、並びに前記ピックアップツールを使用して、第2の配置サイクルを実行することであって」との特定事項について

ア 引用発明の「修復マイクロLEDデバイス400を、修復部位401に接合する」ことは、本願発明の「第2の配置サイクルを実行すること」に相当する。

さらに、引用発明の「修復マイクロLEDデバイス400」は「修復部位401に接合」するものであるから「修復部位401に接合」可能な構成を当然備えているところ、当該構成は、本願発明の「第2のLEDダイを、」「前記ディスプレイ基板上への配置が可能なように構成すること」に相当する。

イ 引用発明は「修復マイクロLEDデバイス400」は、上記(6)ウで説示したとおり「マイクロLEDデバイス400」と同じ構造を有するものであって、当該「マイクロLEDデバイス400」は上記(2)で説示したとおり「ピックアップ」されるものであるから、前記「修復マイクロLEDデバイス400」は、本願発明の「ピックアップ」「が可能なように構成すること」を備える。

ウ 引用発明は、「修復マイクロLEDデバイス400を、修復部位401に接合する」ものではあるが、「前記ピックアップツールを使用」することは不明である。

エ 上記ア~ウから、本願発明の「第2の配置サイクルを実行すること」について、引用発明と本願発明とは「第2のLEDダイを、当該第2のLEDダイのピックアップ及び前記ディスプレイ基板上への配置が可能なように構成すること」で一致する。

一方で、引用発明は「選択された1つ以上の第2のLEDダイ」を用いること、及び、「第2の配置サイクル」において「前記ピックアップツールを使用」することが不明である点で相違する。

(8)本願発明の「前記選択された1つ以上の第2のLEDダイをピックアップすること」との特定事項について

引用発明は、上記(7)ウで示したとおり、本願発明の「第2のLEDダイをピックアップ」について特定されておらず、上記特定事項を満たすか不明である。

(9)本願発明の「前記選択された1つ以上の第2のLEDダイを、前記ディスプレイ基板上の非機能性の複数の第1のLED発光器の決定された位置に配置することと、を含む前記第2の配置サイクルを実行すること」との特定事項について

上記(5)ウ及び(6)ウでの対比を踏まえると、引用発明は「第2のLEDダイを、前記ディスプレイ基板上の非機能性の複数の第1のLED発光器の決定された位置に配置することと、を含む前記第2の配置サイクルを実行すること」を備えるが、引用発明の「修復マイクロLEDデバイス400」(本願発明の「第2のLEDダイ」に相当。)が、本願発明の「前記選択された1つ以上の」ものであるのか不明であることで両発明は相違する。

(10)一致点及び相違点の認定

上記(1)~(9)から、本願発明と引用発明とは、以下の点で一致し、また、相違する。

<一致点>

「複数のピクセルを含み、各ピクセルは複数のサブピクセルを含み、各サブピクセルは所与の波長の光を提供するように構成されたディスプレイ素子を製造する方法であって、
ピックアップツール(PUT)を使用して、第1の配置サイクルを実行することであって、
複数の第1のLEDダイをピックアップすることであって、各第1のLEDダイは、前記ディスプレイ素子の前記複数のサブピクセルのうちの1つを提供するように構成された少なくとも1つの第1のLED発光器を備える、前記ピックアップすることと、
前記複数の第1のLEDダイをディスプレイ基板上の前記ディスプレイ素子の前記複数のピクセルに対応する位置に配置することと、を含む前記第1の配置サイクルを実行すること、
前記ディスプレイ基板上の複数の第1のLED発光器をテストして、非機能性の複数の第1のLED発光器の1つ以上の位置を決定すること、
前記ディスプレイ素子の前記複数のサブピクセルのうちの1つを提供するように構成された少なくとも1つの第2のLED発光器をそれぞれ含む複数の第2のLEDダイを用いること、
第2のLEDダイを、当該第2のLEDダイのピックアップ及び前記ディスプレイ基板上への配置が可能なように構成すること、
第2の配置サイクルを実行することであって、
第2のLEDダイを、前記ディスプレイ基板上の非機能性の複数の第1のLED発光器の決定された位置に配置することと、を含む前記第2の配置サイクルを実行すること、を備える方法。」

<相違点1>

「複数の第1のLEDダイ」について、本願発明は「未テスト」であるのに対して、引用発明は「テスト」の有無が不明である点。

<相違点2>

「第2のLEDダイ」について、本願発明は、「テスト済の複数の第2のLEDダイから、前記テストの結果に基づいて」「選択」したものであるのに対して、引用発明は「テスト」の有無が不明である点。

<相違点3>

「第2のLEDダイ」について、本願発明は「前記ピックアップツールを使用して」、「ピックアップ」されるのに対して、引用発明はそのようなものか明らかではない点。

7 判断

(1)相違点1について

引用発明において、「汚染、応力破損、及び導電層間の短絡などの、様々な原因から生じ」る「欠陥マイクロLEDデバイス」や、「汚染したマイクロLEDデバイス」について、「マイクロLEDデバイス400の転写操作が完了した後、欠陥」「又は汚染したマイクロLEDデバイスを検出して、いずれかの修復操作を実行する必要があるか否かを判定するために、試験を実行」しているところ、「転写操作」より前において、「欠陥マイクロLEDデバイス」や、「汚染したマイクロLEDデバイス」を「検出」する「試験」は行われていないと認められる。

そうすると、引用発明の「マイクロLEDデバイス400」は、本願発明の「未テスト」のものに相当し、上記相違点1は実質的なものではない。

仮に、そうでないとしても、引用発明において、「転写操作」後に実行される「試験」に関して、「転写操作」前に行うことを省略し、転写前の「マイクロLEDデバイス400」を「未テスト」のものとすることは当業者が容易に想到しうるものである。

(2)相違点2について

引用文献3に記載された技術的事項(4(3)イ)において、「新たな良品の樹脂チップ(リペアチップ)」は試験によって「良品」と判断されたものであることは明らかである。また、引用文献4に記載された技術的事項(4(4)イ)において、「発光可能な修復用発光素子」は、試験によって「発光可能」であると判断されたものであることは明らかである。また、試験により良品と判定されたチップを不良チップの置き換えのチップとして用いることは、引用文献2及び5にも開示されたものである。(引用文献2及び5に記載された技術的事項(4(2)イ及び4(2)オ)参照。)

そうすると、引用文献2~5に記載された技術的事項から、半導体素子を用いた装置の製造方法において、不良品の半導体素子に代えて修復用半導体素子を用いる際に、当該修復用半導体素子として試験により良品と判断されたものを選択して用いることは周知技術であると認められる。

引用発明において、「修復マイクロLEDデバイス400」が不良品ならば修復が行えない問題が生じることは自明であり、上記周知技術に基づいて、前記「修復マイクロLEDデバイス400」として試験を行って良品と判断されたものを選択して用い、上記相違点2に係る発明の構成をなすことは、当業者が容易に想到しうるものである。

(3)相違点3について

引用発明において、「修復マイクロLEDデバイス400」は、「ピックアップ」されて「ディスプレイ基板」上に接合される「マイクロLEDデバイス400」と同じ構造を有しているといえる。したがって、「修復マイクロLEDデバイス400」は「マイクロLEDデバイス400」と同様に、本願発明の「ピックアップ」「が可能なように構成すること」を備え、「修復マイクロLEDデバイス400」は「マイクロLEDデバイス400」と同様に「静電転写ヘッドアレイを使用する転写」により「ディスプレイ基板」上に接合されるものと認められ、上記相違点3は実質的なものではない。

仮に、そうでないとしても、引用発明において、「修復マイクロLEDデバイス400」は「マイクロLEDデバイス400」と同様に「静電転写ヘッドアレイを使用する転写」することは当業者が容易に想到しうるものである。

(4)本願発明の効果について

上記相違点1~3を総合的に勘案しても、本願発明の奏する作用効果は、引用発明及び周知技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。

(5)請求人の主張について

審判請求書において請求人は、原査定の引用文献3(当審注:当審決の引用文献2)は「不良チップを、良品であることが確認されたチップと交換することは合理的であり、一般に行われている。しかしながら引用文献3は、単に不良チップの上に修理チップを接合することに関するものであり、本願発明のようにピックアップツールを用いて、第1及び第2の配置サイクルを実行することについては、何ら記載も示唆もない」ことから本願発明の構成が想到容易になることはない旨を主張している。

しかし、上記主張における「本願発明のようにピックアップツールを用いて、第1及び第2の配置サイクルを実行すること」は、引用発明に含まれるか、容易に想到しうる事項であるから、当該事項が原査定の引用文献3に記載されていないことは、進歩性の判断を左右するものではない。

そして、原査定において原査定の引用文献3は周知技術を示す文献として引用されているところ、上記7(2)で示したとおり当該周知技術の認定に問題は見られない。

よって、上記請求人による主張は採用できない。

(6)まとめ

よって、本願発明は、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

8 むすび

以上のとおり、本願発明は特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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2021-015638

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