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特許拒絶査定不服審判

2020-016392

基板移送ロボットエンドエフェクタ

審判番号
2020-016392
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2017-521054外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2020年11月30日
審決日
2021年06月16日
公報発行日
2021年12月24日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (H01L) / P18 .575-Z (H01L)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第2号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2017-521054「基板移送ロボットエンドエフェクタ」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 1月 7日国際公開、WO2016/003598、平成29年 8月10日国内公表、特表2017-522738〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。

理由

目次 ▾ 12項目
【理 由】

第1 手続の経緯

折りたたみ中(クリックで表示)

本件審判請求に係る出願(以下,「本願」という。)は,2015年(平成27年) 6月 5日(優先権主張 2014年(平成26年) 7月 3日 米国,2014年(平成26年) 9月 3日 米国)を国際出願日とする出願であって,その手続の経緯は以下のとおりである。

平成28年12月27日  :国内書面,翻訳文の提出
平成30年 5月31日  :手続補正書の提出
平成31年 2月12日付け:拒絶理由通知
令和 1年 7月22日  :意見書,手続補正書の提出
令和 1年 9月 3日付け:拒絶理由通知
令和 2年 2月12日  :意見書、手続補正書の提出
令和 2年 7月15日付け:拒絶査定(以下,「原査定」という。)
令和 2年11月30日  :審判請求書,手続補正書の提出
令和 3年 1月18日  :令和 2年11月30日に提出された審判請求書についての手続補正書の提出
令和 3年 5月24日  :上申書の提出

第2 令和 2年11月30日付けの手続補正についての補正却下の決定

[補正却下の決定の結論]

令和 2年11月30日付けの手続補正(以下,「本件補正」という。)を却下する。

[理由]

1 本件補正について(補正の内容)

(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載

本件補正後の特許請求の範囲の請求項1-9の記載は次のとおりである。(下線部は,補正箇所である。以下,それぞれ,「補正後の請求項1」-「補正後の請求項9」という。)

「  【請求項1】
基板を支持するための装置であって、
支持部材と、
前記支持部材から突き出る複数の基板コンタクト要素と、
続きを表示(全30行)
を備え、
前記複数の基板コンタクト要素のそれぞれが、
配置されたときに基板を支持するための第1のコンタクト面と、
前記第1のコンタクト面から延在する第2のコンタクト面と、を備え、
前記第2のコンタクト面が前記基板の半径方向の移動を防ぐように前記基板の周辺部に隣接し、
前記第1のコンタクト面が前記支持部材に対して第1の角度にあり、前記第2のコンタクト面が前記支持部材に対して第2の角度にあり、前記第1のコンタクト面及び前記第2のコンタクト面は湾曲しており、
前記第1の角度が3度~5度の間であり、
前記複数の基板コンタクト要素が、複数のねじによって前記支持部材に結合されており、
前記複数のねじのそれぞれが、前記複数のねじのそれぞれと、対応する前記基板コンタクト要素との間に空隙がないようにするための貫通孔を含む、装置。
【請求項2】
前記支持部材が基板移送ロボットのアームのブレードであり、前記複数の基板コンタクト要素が前記ブレードの上面から突き出る、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ブレードが導電性のチタンドープされたセラミックから形成されている、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第2の角度が前記第1の角度よりも大きい、請求項1から3までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記第1のコンタクト面および前記第2のコンタクト面が、連続した湾曲面を形成する、請求項1から3までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記第1のコンタクト面が、前記基板の滑りを防ぐために摩擦力および半径方向の力を印加するように構成されている、請求項1から3までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記第1のコンタクト面の水平の長さが4mm~7mmの間である、請求項1から3までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記支持部材と前記複数の基板コンタクト要素の1つまたは複数との間に配置された1つまたは複数のシム、
をさらに備える、請求項1から3までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記複数の基板コンタクト要素が、アルミニウム酸化物、窒化ケイ素、ステンレス鋼、または導電性プラスチックの1つまたは複数から形成されている、請求項1から3までのいずれか1項に記載の装置。」

(2)本件補正前の特許請求の範囲

本件補正前の,平成 2年 2月12日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1-9の記載は次のとおりである。(以下,それぞれ,「補正前の請求項1」-「補正前の請求項9」という。)

「  【請求項1】
基板を支持するための装置であって、
支持部材と、
前記支持部材から突き出る複数の基板コンタクト要素と、
続きを表示(全30行)
を備え、
前記複数の基板コンタクト要素のそれぞれが、
配置されたときに基板を支持するための第1のコンタクト面と、
前記第1のコンタクト面から延在する第2のコンタクト面と、を備え、
前記第2のコンタクト面が前記基板の半径方向の移動を防ぐように前記基板の周辺部に隣接し、
前記第1のコンタクト面が前記支持部材に対して第1の角度にあり、前記第2のコンタクト面が前記支持部材に対して第2の角度にあり、
前記第1の角度が3度~5度の間であり、
前記複数の基板コンタクト要素が、複数のねじによって前記支持部材に結合されており、
前記複数のねじのそれぞれが、前記複数のねじのそれぞれと、対応する前記基板コンタクト要素との間の空隙を取り除くための貫通孔を含む、装置。
【請求項2】
前記支持部材が基板移送ロボットのアームのブレードであり、前記複数の基板コンタクト要素が前記ブレードの上面から突き出る、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ブレードが導電性のチタンドープされたセラミックから形成されている、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第2の角度が前記第1の角度よりも大きい、請求項1から3までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記第1のコンタクト面および前記第2のコンタクト面が、連続した湾曲面を形成する、請求項1から3までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記第1のコンタクト面が、前記基板の滑りを防ぐために摩擦力および半径方向の力を印加するように構成されている、請求項1から3までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記第1のコンタクト面の水平の長さが4mm~7mmの間である、請求項1から3までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記支持部材と前記複数の基板コンタクト要素の1つまたは複数との間に配置された1つまたは複数のシム、
をさらに備える、請求項1から3までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記複数の基板コンタクト要素が、アルミニウム酸化物、窒化ケイ素、ステンレス鋼、または導電性プラスチックの1つまたは複数から形成されている、請求項1から3までのいずれか1項に記載の装置。」

2 補正の目的

(1)本件補正は,概略,下記の補正事項1-2よりなるものである。

ア 補正事項1

補正前の請求項1に記載された発明特定事項である「第1のコンタクト面」及び「第2のコンタクト面」について,「前記第1のコンタクト面及び前記第2のコンタクト面は湾曲しており」と特定する補正。

イ 補正事項2

補正前の請求項1に記載された発明特定事項である「貫通孔」について,本件補正前に「対応する前記基板コンタクト要素との間の空隙を取り除くための貫通孔」とあった記載を,本件補正後に「対応する前記基板コンタクト要素との間に空隙がないようにするための貫通孔」とする補正。

(2)補正事項について

補正事項1は,補正前の請求項1の発明特定事項を限定的に減縮することを目的とするものである。

そして,補正事項2は,補正前の請求項1の不明瞭な記載を明確にすることを目的とするものである。

そして,補正前の請求項1-9に記載された発明と補正後の請求項1-9に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題は同一であることは明らかである。

3 独立特許要件

(1)以上のように,本件補正は,特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とする補正を含むものである。

そこで,補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について,以下,検討する。

本件補正発明は,上記1(1)に補正後の請求項1として記載したとおりのものである。

(2)引用文献

ア 引用文献1に記載されている技術的事項及び引用発明

(ア)原査定の令和 1年 9月 3日付け拒絶理由通知において引用された,特開2003-258076号公報(以下,「引用文献1」という。)には,以下の事項が記載されている。(当審注:下線は,参考のために当審で付与したものである。以下同じ。)

「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,基板の搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば半導体デバイスの製造プロセスにおけるフォトリソグラフィー工程では,基板表面にレジスト液を塗布するレジスト塗布処理,露光された基板を現像する現像処理,レジスト塗布処理後,現像処理前後に行われる熱処理等が行われ,基板に所定の回路パターンを形成する。
【0003】これらの一連の処理は,各種処理装置が多数搭載された塗布現像処理システムで行われる。塗布現像処理システムは,通常,このシステムに対して基板を搬入出するためのカセットステーション,前記各種処理装置が設置されている処理ステーション,露光処理装置との間で基板を受け渡しするためのインターフェイス部等で構成されている。
【0004】カセットステーションには,複数の基板を収容できるカセットを載置するカセット載置部と,このカセット載置部に載置されたカセットと処理ステーションとの間で基板を搬送する搬送装置とが備えられている。
【0005】この搬送装置には,図20に示すように支柱130から直列的に連結された3つのアーム131~133と,各アームの回転軸134~136とを備えた,いわゆる3軸の搬送装置が用いられている。この3軸の搬送装置は,各アーム131~133が各回転軸134~136を中心に連動して回転することにより,基板を保持したヘッドアーム131が所定方向に進退して,基板を搬送できるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで,ヘッドアーム131で基板を搬送している際中は,基板の落下を防止するため基板をしっかりと保持している方が望ましい。また,搬送中基板が固定されていないと,基板がヘッドアーム131上で激しく振動し,基板の破損,パーティクルの発生等の原因に成り兼ねない。一方,ヘッドアーム131が基板を搬送先に受け渡す際には,基板はヘッドアーム131上でフリーの状態になっている必要がある。」
「【0036】ヘッドアーム63は,図7に示すように略U字形でウェハWの保持位置Pのあるヘッド部63aと,そのヘッド部63aの根元部分でヘッド部63aを支えるアーム部63bから構成されている。ヘッド部63aには,ウェハWを保持するための固定部材80,81と支持部材82,83が取り付けられている。固定部材80,81は,ヘッド部63aの先端部Aに,支持部材82,83は,ヘッド部63aのアーム部63b側に設けられている。
【0037】固定部材80,81は,例えば図8に示すようにアーム部63b側に面した垂直面85と,当該垂直面85の下端部に向かって次第に高くなる傾斜面86を有している。垂直面85は,例えばウェハWの厚みより僅かに高い,例えば1mm程度の高さに形成されている。垂直面85は,平面から見ると図7に示すようにウェハWの側面の形状に適合するように円弧状に湾曲している。傾斜面86は,例えば水平面に対し4°~6°程度の角度に形成されている。かかる構成から,後述する押圧部材100によりアーム部63b側から押されたウェハWが,ウェハWの裏面との擦れる面積が少ないように傾斜面86に沿って誘導され,最終的に垂直面85に到達し,垂直面85に適合する。なお,固定部材80,81の材質は,例えば耐摩耗性の優れたセラミックス,PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)等の樹脂が用いられる。
【0038】支持部材82,83は,図8に示すように保持位置Pに向かって低くなる第1傾斜部90と,第1傾斜部90の下端に繋がる垂直部91と,この垂直部91の下端からヘッド63aの先端部A側に向かって低くなる載置部としての第2傾斜部92とを備えている。第1傾斜部90は,例えば水平面に対し4°~6°程度の角度に形成されており,後述する押圧部材100により押されたウェハWは,この第1傾斜部90に沿って誘導され,第2傾斜部92に落とし込まれる。なお,第2傾斜部92も水平面に対し4°~6°程度の角度に形成されている。
【0039】垂直部91は,その下端が上述の固定部材80,81の垂直面85の下端より少し高くなるように形成され,例えば後述する押圧部材100により押されたウェハWの先端部A側の側面が垂直面85に合致した時に,ウェハWが水平に支持されるようになっている。
【0040】垂直部91と垂直面85は,保持位置PにウェハWを支持した際に,このウェハWに対して例えば0.3mm程度の遊び,つまりウェハWと垂直部91及び垂直面85との間に所定の隙間ができるように形成される。こうすることにより,ウェハWが第2傾斜部92上に落とし込まれた時にも,ウェハWは保持位置P内で遊動できる。垂直部91は,図7に示すようにウェハWの形状に合わせて,平面から見て円弧状に設けられている。なお,この支持部材82,83の材質には,例えばPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)等の樹脂が用いられる。」
「【図7】
」
「【図8】
」

(イ)ここで,引用文献1に記載されている事項を検討する。

a 上記図8を参照すると,「固定部材80,81」は,「ヘッド部63a」から突き出ていることは明らかである。

b 上記図8を参照すると,「固定部材80,81」の「傾斜面86」が,「ウェハW」を支持するための面であり,「垂直面85」が,「傾斜面86」から延在するものであることは明らかである。

また,上記段落0037の「ウェハWが,~,最終的に垂直面85に到達し,垂直面85に適合する。」旨の記載及び図8を参照すると,「固定部材80,81」の「垂直面85」が,「ウェハW」の半径方向の移動を防ぐように,「ウェハW」の周辺部に隣接することは明らかである。

(ウ)以上から,引用文献1には,次の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。

「 略U字形でウェハWの保持位置Pのあるヘッド部63aと,そのヘッド部63aの根元部分でヘッド部63aを支えるアーム部63bから構成され,ヘッド部63aには,ウェハWを保持するための固定部材80,81と支持部材82,83が取り付けられているヘッドアーム63であって,
固定部材80,81は,ヘッド部63aから突き出ており,
固定部材80,81は,アーム部63b側に面した垂直面85と,当該垂直面85の下端部に向かって次第に高くなる傾斜面86を有しており,傾斜面86は,例えば水平面に対し4°~6°程度の角度に形成され,
傾斜面86が,ウェハWを支持するための面であり,
垂直面85が,傾斜面86から延在し,ウェハWの半径方向の移動を防ぐように,ウェハWの周辺部に隣接する,
ヘッドアーム63。」

イ 引用文献2に記載されている技術的事項

(ア)原査定の令和 1年 9月 3日付け拒絶理由通知において引用された,実願昭62-185297号(実開平1-89455号)のマイクロフィルム(以下,「引用文献2」という。)には,以下の事項が記載されている。

「(問題点を解決するための手段)
上述した目的を達成するための本考案は、外部から遮蔽され所定の真空度に維持されるか、或いは空気を除去した後に所定のガスが充填される内部空間が形成された遮蔽体内に、ねじ部材を用いて被締結部品を締結するようにした締結装置において、前記遮蔽体内に設置される第1部品にねじ孔を形成し、前記第1部品に締結される第2部品を貫通して前記ねじ孔とねじ結合されるねじ部と、前記第2部品を押圧する頭部とを有するねじ部材に、前記ねじ孔にねじ結合された状態の下で前記ねじ部の端面と前記ねじ孔とにより形成される残留空間と、前記遮蔽体内の内部空間とを連通させる連通路を形成したことを特徴とする締結装置である。
(作用)
第1部品と第2部品をねじ部材を用いて締結すると、第1部品に形成されたねじ穴内に、第1部品とねじ部材とに残留空間が形成されることになるが、この残留空間は連通路によって、これらの部品が収容されている遮蔽体の中の空間に連通していることから、この空間内の空気を外部に排除すると、残留空間内の空気は、連通路を介して迅速かつ確実に排出されることになる。」(第7頁第8行~第8頁第11行)

「 尚、図示する実施例は、上述のように、PIXE分析装置に用いられる加速器の部品を相互に締結するために本考案を具体化した場合を示すが、例えば、所定の真空度に設定されたままの状態が維持される真空容器等の中に組込まれる部品相互を締結するために本考案を具体化することも可能である。換言すれば、外部から遮蔽され所定の真空度に維持したり、或いはこの空間内における空気を除去した後に、所定のガスを減圧状態や加圧状態にして充填するようにした遮蔽体内の空間に設けられる種々の部品相互を締結するために用いられる場合であれば、本考案を適用することが可能である。このような場合としては、イオンビーム加工、電子ビーム加工、スパッタリング、イオンプレーティング等のように、遮蔽された空間内に空気を排除した状態に維持する場合の全てを挙げることができる。」(第11頁第3~19行)

「第1図
」

(イ)以上から,引用文献2には,次の技術的事項(以下,「引用文献2記載事項」という。)が記載されているものと認められる。

「 外部から遮蔽され所定の真空度に維持されるか、或いは空気を除去した後に所定のガスが充填される内部空間が形成された遮蔽体内に、ねじ部材を用いて被締結部品を締結するようにした締結装置において、前記遮蔽体内に設置される第1部品にねじ孔を形成し、前記第1部品に締結される第2部品を貫通して前記ねじ孔とねじ結合されるねじ部と、前記第2部品を押圧する頭部とを有するねじ部材に、前記ねじ孔にねじ結合された状態の下で前記ねじ部の端面と前記ねじ孔とにより形成される残留空間と、前記遮蔽体内の内部空間とを連通させる連通路を形成し
残留空間内の空気は、連通路を介して迅速かつ確実に排出される
締結装置。」

ウ 引用文献4に記載されている技術的事項

(ア)原査定の令和 1年 9月 3日付け拒絶理由通知において引用された,特開2010-239023号公報(以下,「引用文献4」という。)には,以下の事項が記載されている。

「【0001】
本発明は、基板の処理時に当該基板を搬送する基板搬送装置及びこれを備えた基板処理装置に係り、特に、真空チャックなどの適用が困難な真空雰囲気下などで基板を搬送する技術に関する。」
「【0012】
本発明はこのような事情の下になされたものであり、その目的は、搬送中に基板の位置ずれが生じにくく、且つ、パーティクルの発生を抑えた基板搬送装置及びこの基板搬送装置を備えた基板処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る基板搬送装置は、基板を保持して水平方向に移動可能な保持部材と、
基板の下面側の周縁部を保持するために前記保持部材に基板の載置領域の周方向に沿って複数設けられ、垂直方向の断面が円弧状の凹曲面である保持面と、を備えたことを特徴とする。」
「【0029】
図3(a)、図3(b)は、保持アーム1a、1bの先端部に設けられた本実施の形態に係るウエハ保持部材10を上面側から見た平面図及び側面図である。ウエハ保持部材10は、例えば図2に示す支持アーム部16側から見て左右に広がる扁平な部材からなる基端部材11と、この基端部材11との接続位置を基端部として、当該基端部から先端部へ向けて前方に複数、例えば2つに分岐して伸びる扁平で細長い部材からなる分岐部分である支持部材12とが一体に形成され、二股に分かれたフォーク形状の外観を有する部材として構成されている。ウエハ保持部材10は、例えばアルミナなどのセラミック製の焼結体を切削加工することなどにより形成される。
【0030】
図3(b)の側面図に示すように、2本の支持部材12は各々基端部材11と接続されている基端部及び先端部の厚さ「h1」が例えば4mm程度、これら基端部及び先端部に挟まれた領域の厚さ「h2」が例えば2mm程度となっており、これらの厚さの異なる領域の境界は凹曲面にて連続的に接続されており、これらの凹曲面がウエハWの保持面13、14となっている。
【0031】
以下、基端部側の保持面を基端側保持面13、先端部側の保持面を先端側保持面14と呼ぶと、基端側保持面13は図3(a)に示すように2本の支持部材12の間の領域に亘って伸びる横長の連続面として基端部材11に形成されており、この連続面は、上面側から見ると、例えば直径300mmのウエハWを底面側から支持することができる円環状の領域Sの一部を切り取った細長い円弧形状となっている。一方、2本に分岐した分岐部分である支持部材12の先端部に設けられた各々の先端側保持面14についても、前記基端側保持面13側の円弧形状の領域と共通する円環状の領域Sの一部を切り取った短い円弧形状に形成されている。また基端側保持面13の外周領域に当該基端側保持面13に沿って形成された肉厚部分は、ウエハ保持部材10の強度を保つためのリブ15である。
【0032】
上述の構成を備えることによりウエハ保持部材10は、図4の斜視図に示すように基端側保持面13及び先端側保持面14にてウエハWを底面側から支持した状態で保持し、この状態にてスカラ型の保持アーム1a、1bを作動させることにより、第2の搬送室26内におけるウエハWの搬送を実行することができる。言い替えると、本ウエハ保持部材10はウエハWの載置領域の周方向に沿って複数の保持面13、14が設けられていることになる。ここで基端側保持面13及び先端側保持面14を構成する凹曲面は、以下に説明する特徴を備えることにより、ウエハW搬送時の位置ずれの抑え、またウエハWとの接触面積を小さくした構造となっている。」
「【0039】
また既述のように基端側保持面13及び先端側保持面14は共通の内面として構成されているところ、この球と平坦なウエハWの底面との交線は円形になる。従って、例えば公差の範囲内でウエハWの大きさやベベル部の大きさがばらついた結果、第1の稜線(底面側から見ればこの第1の稜線の形状も円となっている)の大きさが変化した場合でも、例えば図7に実線及び一点鎖線で示すように、各々の第1の稜線に対応する位置にてウエハWを支えることが可能であり、この結果、位置ずれやパーティクルの発生しにくい状態でウエハWを保持することができる。
【0040】
さらにはウエハ保持部材10の保持面13、14が凹曲面となっていることにより、当該凹曲面に外接する面の水平方向に対する傾きは、外側に行くほど大きくなる。このため図8に実線で示すように例えばウエハWが傾いた状態で載置されたり、また搬送中のウエハWに働く慣性力が大きく、凹曲面にて支持されているにも拘らずウエハWがずれて傾いたりした場合であっても、ずれた方向の保持面13、14からウエハWに向けて働く水平方向の反力が大きくなるので、ウエハWは中心方向へ押し戻され易くなる。
【0041】
さらには、ウエハ保持部材10の保持面13、14が凹曲面となっていることにより、図8の実線で示すようにウエハWが傾いた場合であっても、例えば保持面13a、14aが単なる傾斜面からなる図9(b)の場合に比べて図9(a)に示すように凹曲面はより奥側に向けて凹んでいる。このためウエハWの第2の稜線と保持面13、14とが接しにくく、ウエハWと保持面13、14との接触面が大きくならずに済み、この点でもパーティクルが発生しにくい。」
「【0047】
ここで保持面13、14を構成する凹曲面は、上述の実施の形態中に例示した球の内面の一部を構成するように形成されている場合に限られない。例えば垂直方向に縦長の楕円球や水平方向に横長の楕円球の一部でもよく、また基端部材11側の基端側保持面13と支持部材12の先端部側の先端側保持面14とで互いに曲率が異なる凹曲面であってもよい。このように、本発明における「垂直方向の断面が円弧状の凹曲面」の「円弧」とは、真円の一部を切り取った円弧に限らず、楕円などの種々の弓なりの形状の弧を含んでいる。このような凹曲面の場合にも、図5~図13を用いて説明した球の内面の場合とほぼ同様の理由により、搬送時にウエハWの位置ずれが発生しにくく、ウエハWとの接触面が小さいことからパーティクルが発生しにくいウエハ保持部材10を構成することができる。」
「図3
」

(イ)以上から,引用文献4には,次の技術的事項(以下,「引用文献4記載事項」という。)が記載されているものと認められる。

「 基板を保持して水平方向に移動可能な保持部材と、
基板の下面側の周縁部を保持するために前記保持部材に基板の載置領域の周方向に沿って複数設けられ、垂直方向の断面が円弧状の凹曲面である保持面と、を備えた基板搬送装置であって,
保持面を構成する凹曲面は、水平方向に横長の楕円球の一部でもよいこと。」

エ その他の文献に記載されている技術的事項

(ア)本願の優先日前に頒布又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった,特開2004-266202号(以下,「周知文献」という。)には,以下の事項が記載されている。

「【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、ウェハなどのワークピースを取り扱うロボットのハンドリング装置などとして用いるのに好適なワークピースの保持機構に関する。」
「【0017】
図1および図2は、本願発明に係るワークピースの保持機構の一例を示している。本実施形態のワークピースの保持機構Aは、たとえば直径が300mmの半導体ウェハWをクランプ保持するための機構であり、図1によく表われているように、ベースプレート1、一対ずつの第1および第2の支持部2A,2B、および一対の押動体3を備えて構成されている。なお、ウェハWの外周縁には、切り欠き部(オリエンテーションフラット)が形成されているが、図面においては省略している。
【0018】
ベースプレート1は、たとえば炭素繊維強化プラスチック製の板材により形成されており、その基端部(図1の右側部分)には、ロボットのアーム8が取り付けられている。このロボットとしては、たとえばアーム8を三次元のx,y,z軸方向に移動自在とする多軸・多関節型のものが用いられているが、むろんこれに限定されるものではない。本実施形態の保持機構Aは、上記ロボットのハンドリング機構部としての役割を果たす。ベースプレート1は、その軽量化などのために、その縦幅がウェハWの直径よりも小寸法とされているとともに、ベースプレート1の先端部寄りの領域は二股状に分岐した形態とされている。
【0019】
第1および第2の支持部2A,2Bは、ベースプレート1とは別体のチップ状の部材20A,20Bをベースプレート1にボルト21などを用いて取り付けることにより設けられている。チップ状の部材20A,20Bの材質は、耐衝撃性などの機械的な強度が大きく、かつ耐疲労性や耐環境性などに優れるものとして、たとえばPEEK(ポリエーテル・エーテル・ケトン)とされている。一対の第1の支持部2Aはベースプレート1の2つの先端部上に設けられているとともに、一対の第2の支持部2Bはベースプレート1の基端部寄り領域の上面に設けられていることにより、これら第1および第2の支持部2A,2Bは、ウェハWの外周縁の4箇所を支持可能な配置とされている。また、それらの配置は、図1で示す中心線Lを挟んで対称な配置となっている。」

(3)対比

ア 本件補正発明と引用発明とを対比する。

(ア)引用発明の「ウェハW」が,本件補正発明の「基板」に相当することは明らかであり,また,引用発明の,ウェハWの保持位置Pのある「ヘッド部63a」が,本件補正発明の「支持部材」に相当する。

そして,引用発明の「固定部材80,81」は,ウェハWを保持するためのものであり,「ヘッド部63a」に取り付けられているとともに,「ヘッド部63a」から突き出ているから,本件補正発明の「基板コンタクト要素」と,「前記支持部材から突き出る複数の基板コンタクト要素」である点で共通する。

すると,引用発明の「ヘッドアーム63」と,本件補正発明の「基板を支持するための装置」とは,「支持部材と、前記支持部材から突き出る複数の基板コンタクト要素と,を備え」る「基板を支持するための装置」である点で一致する。

(イ)引用発明の「固定部材80,81」における「垂直面85」,「傾斜面86」が,本件補正発明の「第2のコンタクト面」,「第1のコンタクト面」に対応する。

そして,引用発明の「傾斜面86」は,ウェハWを支持するための面であるから,本願補正発明の「第1のコンタクト面」と,「配置されたときに基板を支持するための第1のコンタクト面」である点で一致する。

また,引用発明の「垂直面85」は,「傾斜面86」から延在しており,ウェハWの半径方向の移動を防ぐように,ウェハWの周辺部に隣接するものであるから,本件補正発明の「第2のコンタクト面」と,「前記第1のコンタクト面から延在する第2のコンタクト面」である点で一致する。

すると,引用発明の「固定部材80,81」と,本件補正発明の「基板コンタクト要素」とは,「配置されたときに基板を支持するための第1のコンタクト面と、前記第1のコンタクト面から延在する第2のコンタクト面と、を備え、前記第2のコンタクト面が前記基板の半径方向の移動を防ぐように前記基板の周辺部に隣接し」ている点で一致する。

(ウ)引用発明において,「ヘッド部材63a」が水平であることは明らかである。

すると,引用発明の,水平面に対し4°~6°程度の角度に形成されている「傾斜面86」は,「ヘッド部材63a」に対して4°~6°程度の角度で設置されているといえるから,本件補正発明の「第1のコンタクト面」と,「前記支持部材に対して第1の角度にあり」,「前記第1の角度が4度~5度の間であ」る点で一致する。

また,引用発明の「垂直面85」は,「ヘッド部材63a」に対して所定の角度で設置されているといえるから,本件補正発明の「第2のコンタクト面」と,「前記支持部材に対して第2の角度にある」点で一致する。

イ 以上から,本件補正発明と引用発明とは,以下の点で一致し,また,以下の点で相違する。

<一致点>

「 基板を支持するための装置であって、
支持部材と、
前記支持部材から突き出る複数の基板コンタクト要素と、
を備え、
続きを表示(全11行)
前記複数の基板コンタクト要素のそれぞれが、
配置されたときに基板を支持するための第1のコンタクト面と、
前記第1のコンタクト面から延在する第2のコンタクト面と、を備え、
前記第2のコンタクト面が前記基板の半径方向の移動を防ぐように前記基板の周辺部に隣接し、
前記第1のコンタクト面が前記支持部材に対して第1の角度にあり、前記第2のコンタクト面が前記支持部材に対して第2の角度にあり、
前記第1の角度が4度~5度の間である
装置。」

<相違点1>

「第1のコンタクト面」及び「第2のコンタクト面」に関して,本件補正発明は両者が「湾曲して」いると特定されているのに対し,引用発明は、そのように特定されていない点。

<相違点2>

「第1の角度」に関して,本件補正発明は「3度~5度の間」と特定されているのに対し,引用発明は、「4°~6°程度の角度に形成され」ている点。

<相違点3>

「基板コンタクト要素」に関して,本件補正発明は「複数のねじによって前記支持部材に結合されており」,「前記複数のねじのそれぞれが、前記複数のねじのそれぞれと、対応する前記基板コンタクト要素との間に空隙がないようにするための貫通孔を含む」と特定されているのに対し,引用発明は、そのように特定されていない点。

(4)当審の判断

上記相違点1-3について検討する。

ア 相違点1について

相違点1について検討する。

引用文献4記載事項には,基板を保持する保持部材において,その基板の保持面を円弧状の凹曲面とすること,及び,凹曲面として,水平方向に横長の楕円球の一部でもよいことが記載されている。

引用発明と引用文献4は,どちらも,基板を支持するための装置に関するものであり,引用発明の「傾斜面85」及び「垂直面86」と,引用文献4記載事項の「凹曲面」とは,粒子生成を防ぐことができる基板保持面であるから,引用発明に引用文献4記載事項を採用し,相違点1に係る構成とすることは,当業者が容易になし得たものである。

イ 相違点2について

相違点2について検討する。

「第1の角度」について,引用発明においても,「4°~6°程度の角度に形成され」と特定されているところ,その角度を最適化することは,当業者が実施に当たり適宜なし得る設計的事項である。

そして,「第1の角度」を「3度~5度の間」と特定することによる,格別の有利な効果や,顕著な効果は認められない。

すると,引用発明において,相違点2に係る構成とすることは,当業者が容易になし得たものである。

ウ 相違点3について

相違点3について検討する。

「支持部材」に「基板コンタクト要素」をどの様な手段を用いて結合するのかは,当業者が実施に当たり適宜なし得る設計的事項であると認められるところ,例えば,ボルト,すなわち,ねじを用いて結合することも,周知文献に記載されているように,周知技術である。

また,引用文献2記載事項に記載されているように,半導体処理設備のような,遮蔽された空間内に空気を排除した状態,すなわち,真空状態で処理を行う装置に使用されるねじとして,基板コンタクト要素との間に空隙がないようにするための貫通孔を含むねじも,複数の部材を嵌合するための周知慣用手段にすぎない。

そして,引用発明も半導体処理設備であることは明らかであるから,引用発明において,周知技術及び引用文献2記載事項を採用し,相違点3に係る構成とすることは,当業者が容易になし得たものである。

エ 請求人の主張について

(ア) 請求人は審判請求書において,

「(2)この点、引用文献1は、複数の基板コンタクト要素のそれぞれが、配置されたときに基板を支持するための第1のコンタクト面と、前記第1のコンタクト面から延在する第2のコンタクト面とを備えた装置において、「前記第1のコンタクト面及び前記第2のコンタクト面は湾曲しており」という構成を有することについて何ら開示ないし示唆しておりません。
本発明者らは、湾曲したコンタクト面を設けることによって、基板に印加される摩擦力および半径方向の力が基板の位置に応じて変わることを見出しました。基板が滑る場合に、基板に作用する半径方向の力が、基板のエッジコンタクトパッド210に対する位置に応じて、増減します。結果として、このことは、基板の特定方向のさらなる滑りが制限され、または防止される、という技術的効果を提供するものであります([0014]等)。」

と主張している。

(イ)上記主張について検討する。

引用文献4の段落0040には「さらにはウエハ保持部材10の保持面13、14が凹曲面となっていることにより、当該凹曲面に外接する面の水平方向に対する傾きは、外側に行くほど大きくなる。」と記載されており,請求人が主張する,基板とのコンタクト面が湾曲している場合に,基板に作用する半径方向の力が、基板のエッジコンタクトパッドに対する位置に応じて、増減することは,当業者が十分予測可能なものであって,格別のものとは認められない。

(5)小括

上記で検討したごとく,相違点1-3に係る構成は当業者が容易に想到し得たものであり,そして,これらの相違点を総合的に勘案しても,本件補正発明の奏する作用効果は,上記引用発明及び引用文献2,4等に記載の当該技術分野の周知技術の奏する作用効果から予測される範囲のものにすぎず,格別顕著なものということはできない。

したがって,本件補正発明は,上記引用発明及び引用文献2,4等に記載の当該技術分野の周知技術に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであり,特許法第29条第2項の規定により,特許出願の際独立して特許を受けることができない。

4 補正却下の決定のむすび

以上から,本件補正は,特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので,同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

よって,上記補正却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明について

1 本願発明

令和 2年11月30日にされた手続補正は,上記のとおり却下されたので,本願の請求項に係る発明は,本件補正前の特許請求の範囲の請求項1-9に記載された事項により特定されるものであるところ,その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は,上記「第2」の「1(2)」に,補正前の請求項1として記載されたとおりのものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定の拒絶の理由は,以下のとおりである。

理由1 この出願の請求項1-9に係る発明は,下記の引用文献1-4に記載された発明に基づいて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献1 特開2003-258076号公報

引用文献2 実願昭62-185297号(実開平1-89455号)のマイクロフィルム

引用文献3 特開2001-53135号公報

引用文献4 特開2010-239023号公報

3 引用文献に記載されている技術的事項及び引用発明

原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1,2,4は,前記「第2」の「3(2)ア」-「3(2)ウ」に記載したとおりである。

4 対比・判断

本願発明は,前記「第2」の「3」で検討した本件補正発明に関する限定事項を削除したものである。

そうすると,本願発明の発明特定事項を全て含む本件補正発明が,前記「第2」の「3」に記載したとおり,引用発明及び引用文献2,4等に記載の周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから,上記限定事項を省いた本願発明も同様の理由により,引用発明及び引用文献2,4等に記載の周知技術に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものである。

第4 むすび

以上のとおり,本願の請求項1に係る発明は,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから,その余の請求項に係る発明について検討するまでもなく,本願は拒絶すべきものである。

よって,結論のとおり審決する。

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2020-016392

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