2019-700462
椅子システム
- 審判番号
- 2019-700462
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2014-212957外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2019年06月06日
- 審決日
- 2020年08月17日
- 公報発行日
- 2020年11月27日
- 結論
- 訂正認容
- 分類
- P1651.113-YAA(A47B) / P1651.121-YAA(A47B)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法120条の8第1項特許法135条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第120条の5第2項、特許法第120条の8第1項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
結論
理由
目次 ▾ 16項目
第1 手続の経緯
折りたたみ中(クリックで表示)
特許第6478386号(以下、「本件特許」という。)の請求項1ないし5に係る特許についての出願は、平成26年10月17日に出願され、平成31年2月15日にその特許の設定登録がされ、平成31年3月6日に特許掲載公報が発行された。その後、請求項1、3及び5に係る特許について、令和1年6月6日に特許異議申立人佐野裕之(以下、「申立人A」という。)により特許異議の申立てがされ、また、請求項1ないし5に係る特許について、令和1年9月5日に特許異議申立人佐藤義光(以下、「申立人B」という。)により特許異議の申立てがされ、当審は、令和1年12月17日に取消理由を通知した。特許権者は、その指定期間である令和2年2月20日に意見書の提出及び訂正の請求(以下、「本件訂正請求」という。)を行い、その訂正の請求に対して、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたところ、申立人Bは、令和2年4月23日に意見書を提出したが、申立人Aからは応答がなかった。
また、当審において令和2年3月17日付けで申立人Aに対し審尋し、期間を指定して回答書を提出する機会を与えたが、申立人Aからは応答がなかった。
なお、申立人A及び申立人Bが提出した特許異議申立書を、以下、それぞれ「申立書A」及び「申立書B」という。
第2 訂正の適否
1 訂正の内容
本件訂正請求による訂正の内容は以下の(1)のとおりである。(下線は訂正箇所を示す。)
(1)訂正事項
ア 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に
「椅子と、前記椅子の背面側に設けられ、該椅子と反対側から立位姿勢で利用可能なカウンターと、前記椅子と前記カウンターとの間に、前記椅子と当接するようにして設けられた区画部と、を備え、前記区画部は、前記椅子の上部から前記カウンターの天板の上方に突出するように設けられるとともに、前記椅子に着座する着座者の背を支持する背凭れ部の後方に配置されていることを特徴とする椅子システム。」と記載されているのを、
「床面上に配置される脚部に支持された座部に連結されて上方に向かって延びる背凭れ部を設けた椅子と、前記椅子の背面側に、床面上から立設された支持脚に支持される天板が前記背凭れ部より上方に突出するようにして設けられ、該椅子と反対側から立位姿勢で利用可能なカウンターと、前記椅子と前記カウンターとの間に、前記椅子の背凭れ部と当接するようにして設けられ、支持脚体を床面に設置することで床面上に立設させるパネル体からなる区画部と、を備え、前記区画部は、前記椅子の上部から前記カウンターの天板の上方に突出するように設けられるとともに、前記椅子に着座する着座者の背を支持する背凭れ部の後方に配置され、前記椅子と第一連結部材により、また前記カウンターと第二連結部材によりそれぞれ連結されていることを特徴とする椅子システム。」に訂正する。
イ 訂正事項2
明細書の段落【0007】を、
「【0007】上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。すなわち、本発明に係る椅子システムは、床面上に配置される脚部に支持された座部に連結されて上方に向かって延びる背凭れ部を設けた椅子と、前記椅子の背面側に、床面上から立設された支持脚に支持される天板が前記背凭れ部より上方に突出するようにして設けられ、該椅子と反対側から立位姿勢で利用可能なカウンターと、前記椅子と前記カウンターとの間に、前記椅子の背凭れ部と当接するようにして設けられ、支持脚体を床面に設置することで床面上に立設させるパネル体からなる区画部と、を備え、前記区画部は、前記椅子の上部から前記カウンターの天板の上方に突出するように設けられるとともに、前記椅子に着座する着座者の背を支持する背凭れ部の後方に配置され、前記椅子と第一連結部材により、また前記カウンターと第二連結部材によりそれぞれ連結されていることを特徴とする。」に訂正する。
ウ 訂正事項3
特許請求の範囲の請求項2に
「椅子と、前記椅子の背面側に設けられ、該椅子と反対側から立位姿勢で利用可能なカウンターと、前記椅子と前記カウンターとの間に、前記椅子と当接するようにして設けられた区画部と、を備え、前記区画部は、前記椅子の上部から前記カウンターの天板の上方に突出するように設けられ、前記天板は、前記区画部との間に隙間を有して配置されていることを特徴とする椅子システム。」と記載されているのを、
「床面上に配置される脚部に支持された座部に連結されて上方に向かって延びる背凭れ部を設けた椅子と、前記椅子の背面側に、床面上から立設された支持脚に支持される天板が前記背凭れ部より上方に突出するようにして設けられ、該椅子と反対側から立位姿勢で利用可能なカウンターと、前記椅子と前記カウンターとの間に、前記椅子の背凭れ部と当接するようにして設けられ、支持脚体を床面に設置することで床面上に立設させるパネル体からなる区画部と、を備え、前記区画部は、前記椅子の上部から前記カウンターの天板の上方に突出するように設けられるとともに、前記椅子に着座する着座者の背を支持する背凭れ部の後方に配置され、前記カウンターの支持脚と天板は、前記区画部と第二連結部材により連結されることで、前記区画部との間に隙間を有して配置されていることを特徴とする椅子システム。」に訂正する。
ウ 訂正事項4
明細書の段落【0011】を、
「【0011】また、本発明に係る椅子システムは、床面上に配置される脚部に支持された座部に連結されて上方に向かって延びる背凭れ部を設けた椅子と、前記椅子の背面側に、床面上から立設された支持脚に支持される天板が前記背凭れ部より上方に突出するようにして設けられ、該椅子と反対側から立位姿勢で利用可能なカウンターと、前記椅子と前記カウンターとの間に、前記椅子の背凭れ部と当接するようにして設けられ、支持脚体を床面に設置することで床面上に立設させるパネル体からなる区画部と、を備え、前記区画部は、前記椅子の上部から前記カウンターの天板の上方に突出するように設けられるとともに、前記椅子に着座する着座者の背を支持する背凭れ部の後方に配置され、前記カウンターの支持脚と天板は、前記区画部と第二連結部材により連結されることで、前記区画部との間に隙間を有して配置されてもよい。」に訂正する。
エ 訂正事項5
特許請求の範囲の請求項3を削除する。
オ 訂正事項6
特許請求の範囲の請求項4を削除する。
カ 訂正事項7
特許請求の範囲の請求項5を削除する。
2 訂正の適否
(1)訂正事項1
ア 訂正の目的の適否について
椅子に関して、「床面上に配置される脚部に支持された座部に連結されて上方に向かって延びる背凭れ部を設けた」椅子と具体的に限定するものであり、カウンターに関して、「床面上から立設された支持脚に支持される天板が前記背凭れ部より上方に突出するようにして」設けられと具体的に限定するものであり、区画部に関して、「椅子」の「背凭れ部」と当接するようにして設けられるとともに、「支持脚体を床面に設置することで床面上に立設させるパネル体からなる」もので、「前記椅子と第一連結部材により、また前記カウンターと第二連結部材によりそれぞれ連結されている」区画部と具体的に限定するものであるから、訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するか否かについて
上記アで説示したように、訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「明細書等」という。)に記載した事項の範囲内の訂正であるか否かについて
訂正事項1において限定した事項は、願書に添付した明細書の【0023】【0025】【0054】【0057】【0066】【0076】【0091】【0106】【0117】【0126】【0142】、及び図1,2,20に記載されており、訂正事項1は、明細書等に記載した事項の範囲内の訂正である。
特に、図1及び図2をみると、「天板」が、「背凭れ部」より上方に位置している点、すなわち、「天板」が、上下方向において、「背凭れ部」より上に出た状態が記載されている。したがって、「天板が背凭れ部より上方に突出するようにして設けられ」た点は、明細書等に記載した事項である。
(2)訂正事項2
訂正事項2は、訂正事項1に係る訂正に伴い、特許請求の範囲の請求項1の記載と明細書の記載との整合を図るための訂正であるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。また、明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、さらに、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(3)訂正事項3
ア 訂正の目的の適否について
椅子に関して、「床面上に配置される脚部に支持された座部に連結されて上方に向かって延びる背凭れ部を設けた」椅子と具体的に限定するものであり、カウンターに関して、「床面上から立設された支持脚に支持される天板が前記背凭れ部より上方に突出するようにして」設けられと具体的に限定するものであり、区画部に関して、「椅子」の「背凭れ部」と当接するようにして設けられるとともに、「支持脚体を床面に設置することで床面上に立設させるパネル体からなる」もので、「椅子に着座する着座者の背を支持する背凭れ部の後方に配置され」る区画部と具体的に限定するものであり、「隙間」に関して、「カウンターの支持脚」と天板は、「前記区画部と第二連結部材により連結されることで、」前記区画部との間に隙間を有して配置されていると具体的に限定するものであるから、訂正事項3は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するか否かについて
上記アで説示したように、訂正事項3は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
ウ 明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であるか否かについて
訂正事項3において限定した事項は、願書に添付した明細書の【0023】【0025】【0054】【0057】【0066】【0106】【0117】【0126】【0142】、及び図1,2,20、22~25に記載されており、訂正事項3は、明細書等に記載した事項の範囲内の訂正である。
特に、図1及び図2をみると、「天板」が、「背凭れ部」より上方に位置している点、すなわち、「天板」が、上下方向において、「背凭れ部」より上に出た状態が記載されている。したがって、「天板が背凭れ部より上方に突出するようにして設けられ」た点は、明細書等に記載した事項である。
(4)訂正事項4
訂正事項4は、訂正事項3に係る訂正に伴い、特許請求の範囲の請求項2の記載と明細書の記載との整合を図るための訂正であるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。また、明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、さらに、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(5)訂正事項5
訂正事項5は、請求項3を削除するものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(6)訂正事項6
訂正事項6は、請求項4を削除するものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(7)訂正事項7
訂正事項7は、請求項5を削除するものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
ケ 一群の請求項について 訂正前の請求項4及び5は、いずれも訂正前の請求項3を引用するものであって、上記訂正事項5による請求項3の訂正により連動して訂正されるものであるから、訂正前の請求項3乃至5に対応する訂正後の請求項3乃至5は一群の請求項である。
4 小括
したがって、上記訂正請求による訂正事項1~7は、特許法第120条の5第2項ただし書第1及び3号に掲げる事項を目的とするものであって、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項、第6項の規定に適合するので、訂正後の請求項1,2,[3~5]について訂正を認める。
第3 訂正後の本件発明
本件訂正請求により訂正された請求項1乃至2に係る発明(以下、それぞれの発明を「本件発明1」等といい、全体を「本件発明」という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1乃至2に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。
「【請求項1】床面上に配置される脚部に支持された座部に連結されて上方に向かって延びる背凭れ部を設けた椅子と、前記椅子の背面側に、床面上から立設された支持脚に支持される天板が前記背凭れ部より上方に突出するようにして設けられ、該椅子と反対側から立位姿勢で利用可能なカウンターと、前記椅子と前記カウンターとの間に、前記椅子の背凭れ部と当接するようにして設けられ、支持脚体を床面上に設置することで床面上に立設させるパネル体からなる区画部と、を備え、続きを表示(全11行)前記区画部は、前記椅子の上部から前記カウンターの天板の上方に突出するように設けられるとともに、前記椅子に着座する着座者の背を支持する背凭れ部の後方に配置され、前記椅子と第一連結部材により、また前記カウンターと第二連結部材によりそれぞれ連結されていることを特徴とする椅子システム。【請求項2】床面上に配置される脚部に支持された座部に連結されて上方に向かって延びる背凭れ部を設けた椅子と、前記椅子の背面側に、床面上から立設された支持脚に支持される天板が前記背凭れ部より上方に突出するようにして設けられ、該椅子と反対側から立位姿勢で利用可能なカウンターと、前記椅子と前記カウンターとの間に、前記椅子の背凭れ部と当接するようにして設けられ、支持脚体を床面上に設置することで床面上に立設させるパネル体からなる区画部と、を備え、前記区画部は、前記椅子の上部から前記カウンターの天板の上方に突出するように設けられるとともに、前記椅子に着座する着座者の背を支持する背凭れ部の後方に配置され、前記カウンターの支持脚と天板は、前記区画部と第二連結部材により連結されることで、前記区画部との間に隙間を有して配置されていることを特徴とする椅子システム。」
第4 取消理由通知に記載した取消理由について
1 取消理由の概要
本件請求項1乃至5に係る特許に対して令和1年12月17日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。
(1)本件発明1は、刊行物1に記載された発明、引用例1に掲載された発明、引用例3に掲載された発明であるか、刊行物1に記載された発明、引用例1に掲載された発明、引用例3に掲載された発明、刊行物2に記載された発明の何れかの発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、
(2)本件発明2は、引用例3に掲載された発明であるか、刊行物1に記載された発明、引用例1に掲載された発明、引用例3に掲載された発明、刊行物2に記載された発明の何れかの発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、
(3)本件発明3は、刊行物1に記載された発明、引用例1に掲載された発明、引用例3に掲載された発明、刊行物2に記載された発明であるか、刊行物1に記載された発明、引用例1に掲載された発明、引用例3に掲載された発明、刊行物2に記載された発明の何れかの発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、
(4)本件発明4は、刊行物2に記載された発明であるか、刊行物1に記載された発明、引用例1に掲載された発明、引用例3に掲載された発明、刊行物2に記載された発明の何れかの発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、
(5)本件発明5は、刊行物1に記載された発明、引用例1に掲載された発明、引用例3に掲載された発明であるか、刊行物1に記載された発明、引用例1に掲載された発明、引用例3に掲載された発明、刊行物2に記載された発明の何れかの発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
<刊行物>
<引用例>
「URL:http://www.qufurnituresolutions.com/2011/06agati-3-products-time-neocom-2011/」
下記URLで掲載内容が示されるウェブページ。 (申立書Bの甲第1-1号証)
「URL:https://web.archive.org/web/20140304035744/https//:www.spaceoasis.com/education/open-learning/」
下記URLで掲載内容が示されるウェブページ。 (申立書Bの甲第1-2号証)
「URL:https://web.archive.org/web/20140309111610/https//:www.spaceoasis.com/product-range/pods-screens/seminario/」
引用例2及び引用例3は、ウェイバックマシンを利用して、URLが「https//:www.spaceoasis.com/education/open-learning/」及び「https//:www.spaceoasis.com/product-range/pods-screens/seminario/」であるウェブページをそれぞれ検索し、その結果を印刷したものと認められる。
そして、引用例2については、URLを「https//:www.spaceoasis.com/education/open-learning/」とするウェブページが2014年3月4日に、引用例2に記載されている状態で収集された(保存された)ことを示し、引用例3については、URLを「https//:www.spaceoasis.com/product-range/pods-screens/seminario/」とするウェブページが、2014年3月9日に、引用例3に記載されている状態で収集された(保存された)ことを示しているということができる。
したがって、引用例2に記載の事項が公衆に利用可能となった時期は、本件出願前である2014年3月4日以前であり、また、引用例3記載の事項が公衆に利用可能となった時期は、本件出願前である2014年3月9日以前であると認められる。
一方、引用例1(申立人Aが提出した甲第2号証)について、当審は、申立人Aに対して審尋し、Webサイトにおいて2011年6月13日(もしくは、本件特許出願前)に掲載されたことを裏付ける証拠の提出を要請したところ、応答がなかった。また、上記のことを裏付ける証拠は他にはない。
よって、引用例1に記載の事項が公衆に利用可能となった時期は、引用例1に記載の「2011年6月13日」である、もしくは、本件特許出願前であるということができない。
したがって、引用例1に記載の事項は、本件特許出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となったものであるとは認められない。
2 刊行物及び引用例について
(1)刊行物1
ア 刊行物1に記載の事項
(ア)1頁の(54)の項目
「SEAT AND DESK UNIT」
(上記摘記箇所に対応する、令和1年6月6日付けで申立人から提出された申立書に添付された「甲第1号証の要部和訳」を援用して併記する、以下同じ。)
「座席及び机のユニット」
(イ)1頁の(57)の項目
「CLAIMThe ornamental design for an seat and desk unit, as shown and described.DESCRIPTIONFIG.1 is a front perspective view of the seat and desk unit of the present invention;FIG.2 is a front elevation view of the seat and desk unit of the present invention, the rear elevation view being a mirror image thereof; ・・・・」
「請求の範囲図示して説明されているように、座席および机のユニットの装飾デザインである。図面の説明図1は、本発明の座席及び机ユニットの正面斜視図である。図2は、本発明の座席及び机ユニットの正面図であり、後面図はその鏡像である。 ・・・・」
(ウ)図面
a FIG.1
「」
b FIG.2
「」
なお、上記図面中の「1→」、「S→」等の数字ないし記号による指示は、申立人Aが記入したものであり、刊行物1発明の認定には考慮していない。
上記FIG.1及びFIG.2から以下の点が看て取れる。
a 座席と机のユニットにおいて、
前面に空間を有するとともに、利用者が着座する部分と、着座する部分に連結されて上方に延びる利用者の背を支持する部分を有する円弧状の座席と、
当該円弧状の座席の利用者の背を支持する部分の外側に沿うとともに、その下端が円弧状の座席の下端とが同じ高さにあって、円弧状の座席の外側に取り付けられていて、円弧状の座席を囲むように立設された円弧状の板状体(以下、「円弧状立設板状体」という。)と、
当該円弧状立設板状体の外側おいて、外側にむかって延びた略水平の部分を有する円弧状の構造体(以下、「円弧状構造体」という。)と、を備え、 円弧状構造体の円弧状の座席とは反対側に空間を有している点。
b 円弧状の座席の利用者が着座する部分が、脚部により支持されている点。
c 円弧状立設板状体が、2枚、並んだ状態で配置されている点。
d 円弧状立設板状体の上端が、座席の背を支持する部分の上端、及び、円弧状構造体の略水平の部分の上面よりも上方に位置している点。
e 円弧状構造体の略水平の部分が、利用者の背を支持する部分より上方に位置している点。
イ 刊行物1に記載された発明
上記ア(ア)ないし(ウ)からみて、刊行物1には、次の発明(以下、「刊行物1発明」という。)が記載されていると認められる。
(刊行物1発明)
「座席と机のユニットにおいて、前面に空間を有するとともに、利用者が着座する部分と、着座する部分に連結されて上方に延びる利用者の背を支持する部分を有する円弧状の座席と、当該円弧状の座席の利用者の背を支持する部分の外側に沿うとともに、その下端が円弧状の座席の下端とが同じ高さにあって、円弧状の座席の外側に取り付けられていて、前記円弧状の座席を囲むように立設された円弧状立設板状体と、当該円弧状立設板状体の外側において、外側にむかって延びた略水平の部分を有する円弧状構造体と、を備え、円弧状構造体の前記円弧状の座席とは反対側に空間を有しており、前記円弧状の座席の利用者が着座する部分が、脚部により支持されており、前記円弧状立設板状体が、2枚、並んだ状態で配置され、前記円弧状立設板状体の上端が、前記円弧状の座席の利用者の背を支持する部分の上端、及び、前記円弧状構造体の略水平の部分の上面よりも上方に位置しており、円弧状構造体の略水平の部分が、利用者の背を支持する部分より上方に位置している、座席と机のユニット。」
(2)刊行物2
ア 刊行物2に記載の事項
刊行物2には、以下の事項が記載されている。
(翻訳は申立人Bが提出した甲第2号証の抄訳を援用した。下線は当決定で付した。)
(ア)「【0001】The present invention relates to an improved furniture system. In particular, the furniture system may be used to produce items of furniture for use in an office environment or the like. Such furniture systems are required to permit of readily assembly and disassembly, while being of sturdy and robust construction when assembled during use.【0002】However, due to these difficulties many so-called modular systems are no more than a collection of separate items of furniture that may permit of different arrangements when placed together. It is an object of the present invention to provide for a truly modular furniture system in which a number of different items of furniture may be constructed from similar or common parts.【0003】According to a first aspect of the present invention, a modular furniture system comprises a plurality of panel members, at least one panel member having a curvature, a plurality of end pieces adapted to be located between and secured to adjacent panel members, the end pieces and the at least one panel member forming a curved framework, characterised in that the ends of each panel member are provided with a recessed channel within which one of the end pieces is received.【0004】This has as an advantage that the curvature enhances the overall strength of an item of furniture produced from the system.・・・・【0013】According to a second aspect of the invention an item of furniture is produced according to the system of the first aspect of the invention.」
(翻訳)
「【0001】本発明は改良された家具システムに関する。特に、家具システムは、オフィス環境などで使用するための家具を製造するのに使用されてもよい。そのような家具システムは、使用中に組み立てられたときに丈夫で堅牢な構造でありながら、容易に組み立ておよび分解することを可能にすることが要求される。【0002】しかしながら、これらの問題のために、多くのいわゆるモジュール式システムは、一緒に配置されたときに異なる配置を可能にすることができる別々の家具の集ま引こすぎない。本発明の目的は、多数の異なるアイテムの家具を類似または共通の部品から構成することができる真にモジュール式の家具システムを提供することである。続きを表示(全11行)【0003】本発明の第1の態様によれば、モジュール式家具システムは、複数のパネル部材と、曲率を有する少なくとも1つのパネル部材と、隣接するパネル部材間に配置され固定されるようになった複数の端部片(End pieces)とを備え、端部片および少なくとも1つのパネル部材は湾曲した枠組を形成し、各パネル部材の端部は端部片のうちの1つが収容される凹状チャネルを備えることを特徴とする。【0004】これは、曲率がシステムから製造される家具のアイテムの全体的な強度を高めるという利点を有する。・・・・【0013】本発明の第2の態様によれば、家具のアイテムは、本発明の第1の態様のシステムに従って製造される。」
(イ)「【0014】The invention will now be described, by way of example only, with reference to the accompanying drawings, in which:- Figure 1 shows in section adjacent panel members secured to an end piece according to a first embodiment of the present invention;Figure 2 shows in section adjacent panel members partially secured to an end piece;Figure 3 shows a side view of an end piece and a plurality of fixing means;Figure 3a shows a side shelf member for attachment to the end piece of Figure 3;続きを表示(全15行)Figure 4 shows a suitable fixing member;Figure 5 shows a plan view of a fixing blade secured to a first and second panel members;Figure 6 shows a side view of a fixing blade and desktop;Figure 7 shows a side section of a shelf unit connected to a fixing blade;Figure 8 shows a side view of a seat unit and seat back;Figure 9 shows somewhat schematically in section a number of different arrangements illustrating possible combinations of the furniture system according to the present invention;Figure 10 shows somewhat schematically in section a number of additional different arrangements illustrating possible combinations of the furniture system according to the present invention;Figure 11 shows somewhat schematically in section a number of further different arrangements illustrating possible combinations of the furniture system according to the present invention;Figure 12 shows a detail of an end piece in accordance with a second embodiment of the present invention;Figure 13 shows an alternative form of a fixing lug, in particular for use with the second embodiment of the invention; andFigure 14 shows an alternative form of a blade for use, in particular, with the second embodiment of the invention. 」
(翻訳)
「【0014】本発明は、添付の図面を参照して、ほんの一例として説明される。図1 本発明の第1の実施形態による端部片に固定された隣接するパネル部材の断面図である。図2 端部片に部分的に固定された隣接するパネル部材を断面で示す図である。図3 端部片と複数の固定手段の側面図である。続きを表示(全16行)図3a図3の端部片に取り付けるための側部棚部材を示す図である。図4 適切な固定部材を示す図である。図5 第1および第2のパネル部材に固定された固定ブレードの平面図である。図6 固定ブレードおよびデスクトップの側面図である。図7 固定ブレードに接続された棚ユニットの側面図である。図8 座席ユニットおよび背もたれの側面図である。図9 本発明による家具システムの可能な組み合わせを示すいくつかの異なる配置を断面で幾分概略的に示す。図10 本発明による家具システムの可能な組み合わせを示すいくつかの追加の異なる配置を断面で幾分概略的に示す。図11 本発明による家具システムの可能な組み合わせを示すいくつかのさらに異なる配置を断面で幾分概略的に示す。図12 本発明の第2の実施形態による端部片の詳細図である。図13 特に本発明の第2の実施形態と共に使用するための、固定ラグの代替形態を示す図である。図14 特に本発明の第2の実施形態と共に使用するためのブレードの代替形態を示す図である。」
(ウ)「【0015】Referring first to Figure 1 there may be seen a furniture arrangement formed in accordance with a first embodiment of the present invention comprising adjacent first and second panel members 2,4 secured to an end piece 6. Each of the first and second panel members 2,4 can be seen to possess a curvature. On each side of the first and second panel members 2,4 a furniture component 8 is secured to the end piece 6 by a fixing member 10. The end piece 6 is provided with first and second outwardly extending flange members 12. Each of the first and second panel members 2,4 is secured to a respective outwardly extending flange member 12 by secondary fixings 14.」
・・・・
【0017】Each end of the respective first and second panel members 2,4 is provided with a channel 16. The channel 16 comprises a first part 18 and a second part 20, the first part 18 adapted to receive a thickness of the end piece 6 and the second part 20 adapted to receive the at least one flange member 12 of the end piece 6. In the preferred embodiment, the channel 16 is formed as a routed rebated slot.
・・・・
【0023】The slots 34 are adapted to be engaged by the fixing members 10. Figure 3b shows a furniture component 8 in the form of a side shelf member 40 having two fixing members 10 extending from a rear surface. The fixing members 10 are arranged on the side shelf member 40 at suitable intervals to fit into corresponding vertical slots 34. The side shelf member 40 has a plurality of parallel fixing points 41 to which the ends of a suitable member may be fixed to provide a shelf. By fixing a side shelf member 40 at each end of a panel member 2,4 a plurality of shelf elements (each having a rear surface of curvature matching that of the panel member against which the shelf element is adjacent) may then be secured between the side shelf members to form a shelf unit.
・・・・
【0027】Figure 6 shows a desktop 44 to blade fixing 42 detail in which it can be seen that following attachment of the blade fixing 42 to an end piece 6 at each end of a panel member 2, 4 of the furniture system the desktop 44 need only be lowered into position and then fixed to the blade fixing 42 at suitable fixing points 41. In use, the desktop 44 bears onto the blade fixing 42. The blade fixing 42 may additionally be provided with an aperture 56 to serve as a cable guide. Additionally, or alternatively, recesses may be formed in the edge of a desktop 44 to serve as a cable guide.
・・・・
【0030】In Figure 8 a blade fixing 42 can be seen, together with the fixing members 10 extending rearwardly therefrom. A seat 46 is shown in position on the blade fixing 42. Above the seat 46 can seen a seat back 48, again having a fixing member 10 extending from the rear thereof.
・・・・
【0032】Figure 10 shows a second arrangement of furniture produced in accordance with the present furniture system. To the left, a set of panel members of intermediate height have been used to construct a seating unit 66 to one side of the panel members and a desk unit 68 to the other. To the right a relatively high set of panel members have been used to provide a tall bookcase 70 to one side of the panel members and a seating unit 66 with a back rest 48 to the other.
【0033】Figure 11 shows a third arrangement of furniture produced in accordance with the present furniture system. To the left a relatively high set of panel members have been used to provide a tall bookcase 70 to one side of the panel members and a desk unit 68 to the other. To the right, a relatively high set of panel members have been used to construct a tall bookcase 70 to one side of the panel members and a desk unit 68 and upper shelf unit to the other. In the desk unit to the right the desktop 44 does not extend to the panel member but is spaced in relation thereto. The space may be used to pass cables through to computers or the like in use located on the desktop 44.
【0034】Figures 9, 10 and 11 illustrate the versatility of the modular furniture system provided for by the invention. It will be understood that the furniture system may also use panel members without a curvature in constructing a furniture module, but that in order to provide appropriate strength and rigidity at least one, and preferably more, panel members having a curvature should be used.」
(翻訳)
「【0015】まず図1を参照すると、端部片6に固定された隣接する第1および第2のパネル部材2、4を含む、本発明の第1の実施形態に従って形成された家具配置が見られる。第1および第2のパネル部材2、4は湾曲を有するように見ることができる。第1および第2のパネル部材2、4の両側には、家具部品8が固定部材10によって端部片6に固定されている。端部片6には、外側に延びる第1および第2のフランジ部材12が設けられている。第1及び第2のパネル部材2、4は、第2の固定部14によってそれぞれ外側に延びるフランジ部材12に固定されている。・・・・【0017】続きを表示(全21行)第1および第2のパネル部材2、4のそれぞれの端部にはチャネル16が設けられている。チャネル16は第1の部分18および第2の部分20を含み、第1の部分18は端部片6の厚さを受けるようになっており、第2の部分20は、端部片6の少なくとも一つのフランジ部材12を受けるようになっている。好ましい実施形態では、チャネル16はルーテッドリベートスロットとして形成されている。・・・・【0023】スロット34は、固定部材10と係合するようになっている。図3bは、背面から延びる2つの固定部材10を有する側部棚部材(side shelf member)40の形態の家具構成要素8を示す。固定部材10は、対応する垂直スロット34に嵌合するように適切な間隔で側部棚部材40上に配置される。側部棚部材40は、棚を提供するために適切な部材の端部が固定され得る複数の平行な固定点41を有する。パネル部材2、4の各端部に側部棚部材40を固定することにより、複数の棚要素(各々が、棚要素が隣接するパネル部材の曲率に一致する曲率の背面を有する)が、棚ユニットを形成するために側部棚部材の間に固定される。・・・・【0027】図6は、デスクトップ44のブレード固定部42への詳細を示しており、家具システムのパネル部材2、4の各端部の端部片6へのブレード固定部42の取り付けがみられる。デスクトップ44は、所定の位置に下げてから、適切な固定点41でブレード固定部42に固定される。使用中、デスクトップ44は、ブレード固定部42に当接する。ブレード固定部42は、ケーブルガイドとして機能する開口部56をさらに備えることができる。追加的または代替的に、デスクトップ44の縁部に凹部を形成して、ケーブルガイドとして機能させることができる。・・・・【0030】図8では、そこから後方に延びる固定部材10と共にブレード固定部42が示されている。シート46がブレード固定部42上の所定の位置に示されている。シート46の上方には背もたれ48が見え、これもまたその後部から延びる固定部材10を有する。・・・・【0032】図10は、本家具システムに従って製造された家具の第2の配置を示す。左側では、中間の高さの一組のパネル部材を使用して、パネル部材の一方の側に座席ユニット66を、他方の側にデスクユニット68を構成している。右側では、比較的高い組のパネル部材を使用して、パネル部材の一方の側に背の高い本棚70を、他方の側に背もたれ48を備えた座席ユニット66を設けている。【0033】図11は、本家具システムに従って製造された家具の第3の配置を示す。左側では、比較的高い組のパネル部材を使用して、パネル部材の一方の側に背の高い本棚70を、他方の側にデスクユニット68を設けている。右側では、比較的高い組のパネル部材を使用して、パネル部材の一方の側に背の高い本棚70を、他方の側にデスクユニット68と上の棚ユニットを組み立てている。右側のデスクユニットでは、デスクトップ44はパネル部材まで延びておらず、それに対して間隔を置いて配置されている。この空間は、デスクトップ44上に配置された使用中のコンピューターなどにケーブルを通すために使用されてもよい。【0034】図9、10および11は、本発明によって提供されるモジュール式家具システムの汎用性を示す。家具システムはまた、家具モジュールを構築する際に曲率のないパネル部材を使用してもよいが、適切な強度と剛性を提供するために、曲率を有する少なくとも1つ、好ましくはそれ以上のパネル部材を使用する必要があることが理解されよう。」
(エ)図面
a 図1
「」
上記図1から、以下の点が看て取れる。
(a)第1のパネル部材2及び第2のパネル部材4の端部にそれぞれチャネル16が形成され、各チャネル16が対向することにより形成された空間に端部片6が配置されている点。
(b)第1のパネル部材2及び第2のパネル部材4が、端部片6と、第2の固定部14とを用いて接続されている点。
(c)家具部品8が、接続された第1のパネル部材2及び第2のパネル部材4の両側にあり、家具部品8が、第1のパネル部材2と第2のパネル部材4が対向する部位の両側において、第1のパネル部材2及び第2のパネル部材4の端部に跨がるように当接している点。
(d)端部片6と固定部材10と家具部品8が連結されている点。
b 図3,3a
「」
c 図6
「」
上記図6から、デスクトップ44及びブレード固定部42の部品がある点、及び、ブレード固定部42に固定部材10が連結されている点が看て取れる。
d 図8
「」
上記図8から、背もたれ48、シート46及びブレード固定部42がある点、並びに、ブレード固定部42及び背もたれ48の各々に、固定部材10が連結されている点が看て取れる。
e 図10
「」
上記図10の左の部分から、以下の点が看て取れる。
(a)略中央で上下方向に設けられた部材と、座席ユニット66と、デスクユニット68とを備えた家具システムにおいて、上下方向に設けられた部材が、座席ユニット66とデスクユニット68との間に設けられるとともに、座席ユニット66と当接するように設けられており、さらに略中央で上下方向に設けられた部材、座席ユニット66及びとデスクユニット68の各下端が床面に載っている点。
(b)デスクユニット68において、座席ユニット66がある側とは反対側に空間が形成されている点。
(c)家具システムの前記上下方向に設けられた部材が、デスクユニット68の上面の上方に突出するように構成されているとともに、デスクユニット68の上面が、座席ユニットの上面より上方に位置している点。
f 図11
「」
上記図11の左の部分から、デスクユニット68にデスクトップ44が含まれており、当該デスクトップ44が、略中央で上下方向に設けられた部材まで延びておらず、当該部材に対して間隔を置いて配置されている点が看て取れる。
(オ)上記(ウ)及び上記(エ)e(c)からいえること。
上記(ウ)の段落【0032】における、図10についての「中間の高さの一組のパネル部材を使用して、パネル部材の一方の側に座席ユニット66を、他方の側にデスクユニット68を構成している」との記載と、上記(エ)e(c)で示す図10について「前記上下方向に設けられた部材が、デスクユニット68の上面の上方に突出するように構成されている」といえることから、同図10の左の部分に看て取れる略中央で上下方向に設けられた部材が、パネル部材であるといえる。
さらに、上記のことを踏まえれば、図10の左の部分に示された家具システムにおいて、パネル部材が、座席ユニット66とデスクユニット68との間に設けられるとともに、座席ユニット66と当接するように設けられているといえるとともに、パネル部材がデスクユニット68の上面の上方に突出しているともいえる。
(カ)上記(ウ)及び上記(エ)dからいえること。
上記(ウ)の段落【0014】には、「図8 座席ユニットおよび背もたれの側面図である。」と記載されていることから、(エ)dで説示した背もたれ48ではないものが座席ユニットであるといえるので、座席ユニットは、背もたれ48以外の「シート46」と「ブレード固定部42」を有しているものといえる。なお、「固定部材10」は、家具部品8を端部片に6に固定するものであるから、座席ユニットに含まれないことは明らかである。
そして、上記(エ)dで説示した「座席ユニット66」の構成要素をみると、図8に示された「シート46」及び「ブレード固定部42」に対応する部品を含んでいるといえる。
したがって、「座席ユニット66」は、「シート46」及び「ブレード固定部42」を有しているものといえる。
(キ)上記(ウ)並びに上記(エ)f,e及びcからいえること。
上記(ウ)の段落【0033】には、図11に関して「右側のデスクユニットでは、デスクトップ44はパネル部材まで延びておらず」と記載されていることから、(エ)fで示す図11において、「44」で指示されるものがデスクトップである。また、同図11では、68で指示されるものが「デスクユニット」としていることから、「デスクユニット68」は、「デスクトップ44」を有しているといえる。また、同図11のデスクトップを下から支持する部品は、「デスクトップ68」に包含されると認めれられるとともに、(エ)cで示した「デスクトップ44」が固定される「ブレード固定部42」に対応するから、「デスクトップ68」は、「ブレード固定部42」を有しているといえる。したがって、図11の「デスクユニット68」は、「デスクトップ44」及び「ブレード固定部42」を有しているといえる。
そして、同図11の「デスクユニット68」と、(エ)eで示す図10の「デスクユニット68」は、同じ番号「68」で示されるとともに、「デスクユニット68」を、パネル部材に対して取り付ける向きが反対であること、パネル部材に対して間隔を置いて配置すること以外同じであるから、図10の「デスクトップ68」も同様に、「デスクトップ44」及び「ブレード固定部42」を有しているといえる。
(ク)上記(ウ)及び上記(エ)fからいえること。
上記(ウ)の段落【0033】における、図11についての「右側のデスクユニットでは、デスクトップ44はパネル部材まで延びておらず、それに対して間隔を置いて配置されている。この空間は、・・・」との記載と、上記(エ)fの「当該デスクトップ44が、略中央で上下方向に設けられた部材まで延びておらず、当該部材に対して間隔を置いて配置されている」といえることから、図11の左の部分には、パネル部材2、4に対してデスクトップ44が間隔をおいて配置されているといえる。
(ケ)上記(エ)a、c、d及びeからいえること。
上記(エ)aの図1で示される、パネル部材2及びパネル部材4が対向する部位の両側の、固定部材10に接続される「家具部品8」は、同c及びdで示される「固定部材10」と「ブレード固定部42」との連結状況、同eで示されるパネル部材が、座席ユニット66とデスクユニット68との間に設けられる状況からみて、「ブレード固定部42」に対応する部品であることは明らかである。
(コ)上記(エ)e(a)、(オ)、(カ)、(キ)よりいえること。
上記パネル部材の下端と、座席ユニット66のブレード固定部42の下端と、デスクユニット68のブレード固定部42の下端が床面に載っているといえる。
イ 刊行物2に記載された発明
上記ア(ア)ないし(コ)からみて、刊行物2には、次の発明(以下、「刊行物2発明」という。)が記載されていると認められる。
(刊行物2発明)
「オフィス環境などで使用するための家具システムにおいて、パネル部材と、座席ユニット66と、デスクユニット68と、を備えており、前記パネル部材が、前記座席ユニット66と前記デスクユニット68との間に設けられるとともに、前記座席ユニット66と当接するように設けられており、前記デスクユニット68において、前記座席ユニット66がある側とは反対側に空間が形成されており、続きを表示(全14行)前記パネル部材が、前記デスクユニット68の上面の上方に突出するように構成されているとともに、前記デスクユニット68の上面が、前記座席ユニット66の上面より上方に位置しており、前記座席ユニット66は、シート46及びブレード固定部42を有し、前記デスクユニット68は、デスクトップ44及びブレード固定部42を有し、前記パネル部材の下端と、座席ユニット66のブレード固定部42の下端と、デスクユニット68のブレード固定部42の下端が床面に載っており、前記パネル部材が、曲率を有する第1のパネル部材2および第2のパネル部材4が隣接して配置されているものであり、前記第1のパネル部材2及び第2のパネル部材4の端部にそれぞれチャネル16が形成され、前記各チャネル16が対向することにより形成された空間に端部片6が配置され、前記第1のパネル部材2及び第2のパネル部材4が、前記端部片6と、第2の固定部14とを用いて接続され、接続された前記第1のパネル部材2及び第2のパネル部材4の両側にあるブレード固定部42が、前記第1のパネル部材2と第2のパネル部材4が対向する部位の両側において、第1のパネル部材2及び第2のパネル部材4の端部に跨がるように当接し、前記端部片6と前記固定部材10と前記ブレード固定部42が連結されている、家具システム。」
(3)刊行物3
ア 刊行物3に記載の事項
刊行物3には、以下の事項が記載されている。
(ア)「【技術分野】【0001】本発明は、デスクやテーブルなどの机に取付けられる衝立状パネルの取付構造を利用して、当該パネルとそのパネルが取付けられた天板側辺との間に取付けるようにした配線装置に関する。」
(イ)「【0009】本発明では、上記構成において、天板の一側辺、例えば前側辺と衝立状パネルの前面の間には、配線が挿通可能な隙間が形成された形態であり、かかる隙間を備えた衝立状パネルの前面に当接させて下部に配線受けを備えた板金製パネルを取付ける構成を採ることができる。天板より上方へ出た板金製パネル面には、磁石付きのコンセントタップなどを取付けることができる。【0010】また、隙間は、前記天板と衝立状パネルとの間に形成する配線挿通可能な隙間は、前記天板と衝立パネルを結合するパネル取付用ブラケットの前後方向での取付位置を調整して形成することができる。さらに、当該隙間は、天板の一側辺に配線が挿通できる横長溝状の切欠を設け、この天板の一側辺に衝立状パネルを切欠部のない部位に当接させて取付けても形成することができる。」
(ウ)「【0017】3は上記天板1の前端辺1aの側(天板1の向う側)に隙間Gを保って設置される衝立状パネルで、ここでは、天板1の下面に配置される倒立したL字状の2つの取付ブラケット4,5により、天板1の前端辺1aに隙間Gを保って立設姿勢で取付けられている。前記パネル3は、天板1が直線辺のものであれば、平坦面パネルを用いるが、弯曲辺の天板1の場合には、その弯曲に沿った弯曲面のパネル3を用いる。3aは前記パネル3の上部辺に設けたライン状のハンガー部材であるが、ハンガー部材3aを設けない衝立状パネル3の場合もある。」
(エ)図面
a 【図1】
「」
b 【図4】
「」
(4)刊行物4
ア 刊行物4に記載の事項
刊行物4には、以下の事項が記載されている。
(ア)「【技術分野】【0001】本発明は、机等における配線装置に関する。」
(イ)「【0037】また、この取付状態では、配線受け部(17B)において、天板(4)の後端面(4c)と幕板(6)との間に隙間(30a)が作られ、さらに該隙間(30a)に連通して、天板(4)の下面(4a)と配線受け部(17B)との間に配線スペースとしての隙間(30b)が作られる。そして、配線ケーブル(31)を左右方向に向け、その配線ケーブル(31)を隙間(30a)より各配線受け部(17B)上の隙間(30b)内に侵入させ、左右1対のブラケット(7)(7)に跨らせると、該配線ケーブル(31)を天板(4)の下面(4a)に沿った状態にして配置することができる。すなわち、この配線では、該配線ケーブル(31)は天板(4)で隠され、外部に露呈しない状態で配線される。【0038】次いで、デスクトップパネル取付部(19)の取付孔(19A)にピン(5b)を差し込むと、ブラケット本体(7A)上にデスクトップパネル(5)を取り付けることができる。このようにして取り付けたデスクトップパネル(5)は、幕板(6)と同一平面をなし、また、天板(4)とほぼ直角をなした状態になる。図1及び図2は、この状態を示す。」
(ウ)図面
a 【図1】
「」
b 【図2】
「」
(5)刊行物5
ア 刊行物5に記載の事項
刊行物5には、以下の事項が記載されている。
(ア)「【0001】【産業上の利用分野】本考案は、間仕切装置における脚ブラケットの抜止め装置に係わり、更に詳しくは机天板を支持する脚板に固定した脚ブラケットを間仕切装置の目地部の係止孔に嵌合係止する際に、該脚ブラケットの脱落を防止するための抜止め装置に関する。」
(イ)「【0007】【実施例】次に添付図面に示した実施例に基づき更に本考案の詳細を説明する。図1及び図2は、複数の間仕切パネル1,…を互いに連結し、その連結部分に形成された目地部2に脚ブラケット3を用いて机天板4を支持する脚板5を取付けて、間仕切パネル1の前面に机Tを連結構成してなる間仕切装置の代表的実施例を示している。【0008】本考案は、特に端部に位置する脚板5を取付ける脚ブラケット3の抜止めに関するものであり、脚板5は図3に示すように、後端面6の中央に縦方向の凹溝7を形成し、該凹溝7内に脚ブラケット3をネジ止め固定するようになしている。更に詳しくは、前記脚ブラケット3は、図3~図5に示すように、基板8の前縁に略直角に固定板9を折曲形成し、該固定板9の上下部にはネジ10を挿通するための取付孔11,11を形成し、基板8の後縁から間仕切パネル1の目地部2に縦方向に列設した係止孔12,…に嵌合係止する下向きフック13,…を後端上下部に有する係止板14を連結板15を介してクランク状に延設したものである。換言すれば、脚ブラケット3は、基板8の後縁から外側方へ略直角に連結板15を延設するとともに、該連結板15の側縁から後方へ略直角に係止板14を延設した形状を有し、固定板9を脚板5の凹溝7の底面にネジ10にて固定した際に、脚板5の後端面6から後方へ基板8が延び、該後端面6と連結板15との間に所定の凹部16が形成される。・・・・【0010】また、前記間仕切パネル1の側端には中空の縦枠26が一部側方へ突出状態で取付けられ、この縦枠26の突出部側面には前記係止孔12,…が一定間隔毎に縦方向に列設され、2枚の間仕切パネル1,1を直線状に連結した際には、その連結部に形成される目地部2に前記係止孔12,…が並列状態で出現するのである。【0011】しかして、図5及び図6に示すように、脚板5の後端に固定した脚ブラケット3の係止板14を目地部2に挿入し、該目地部2に臨む外側の係止孔12,…列の所定のものの下縁に脚ブラケット3のフック13,…を嵌合係止し、それから抜止め具19を後方へスライド移動させて、係合片22の爪21を対応する係止孔12に嵌入して、脚ブラケット3の持ち上がりを防止し、もって抜止めがなされるのである。この状態では、脚ブラケット3の連結板15と抜止め具19の連結片23は面一となり、連結板15及び連結片23と脚板5の後端面6との間には、前述の如く外側方へ開放した凹部16が形成される。この凹部16には、サイドキャップ27が圧入され、抜止め具19の前方への戻り防止と凹部16の閉塞がなされる。ここで、サイドキャップ27は、金属板若しくは合成樹脂製で弾力性を有する断面略コ字形状に形成され、表面板28の両側にやや外側に開いた状態で脚片29,29を延設し、前側の脚片29の先端部には前記脚板5の外側方の後端面6の内側縁と脚ブラケット3の基板8間の間隙30に抜止め係合する突条31を縦方向に形成している。このサイドキャップ27を、その脚片29,29を押し狭めて凹部16に圧入した状態では、脚片29,29の弾性復元力によって抜止め具19の連結片23が後方へ押圧されている。しかし、このサイドキャップ27は前述の作用を有するものであれば、例えばゴム製のパッキンでもよく、特にその形状及び構造には限定されない。」
(ウ)図面
a【図1】
「」
b【図3】
「」
c【図5】
「」
d【図6】
「」
上記図6から以下の点が看て取れる。
(a)間仕切パネル1の端に凹部が形成されている点。
(b)脚ブラケット3が、間仕切パネル1の端に形成された凹部と、机の脚板5の端に形成された凹部とを連結している点。
(6)刊行物6
ア 刊行物6に記載の事項
刊行物6の二枚目の写真から、以下の点が看て取れる。
(ア)オフィスの室内において、
前方に空間を有している円弧状の椅子と、当該円弧状の椅子の背面側から利用可能な白色の円弧状の天板と該天板を支持する棒状の部材を有する構造体と、前記椅子と前記構造体との間に、前記椅子と接するとともに上下に立設した黄色の円弧状の板状部材と、を備えたシステムが設置され、
前記板状部材が、椅子の背凭れ部分の後方に配置され、
前記板状部材の上端が、前記椅子の背凭れ部分の上端、及び、前記構造体の前記天板の上面より上方に位置している点。
(イ)前記板状部材が、椅子の前方に有する空間を包むように湾曲して立設されている点。
(7)刊行物7
ア 刊行物7に記載の事項
(ア)59頁の中段の「統合管制室 大型モニターと情報共有のコロッセオ」との記載された箇所の右側の写真
上記写真から、以下の点が看て取れる。
a オフィスの室内において、
前方に空間を有している青色の円弧状の椅子と、当該円弧状の椅子の背面側から利用可能な白色の円弧状の天板と該天板を支持する板状の部材を有する構造体と、を備えたシステムが設置されている点。
b 前記椅子が、椅子の前方に有する空間を包むように湾曲して設けられている点。
(イ)59頁の下から3段目、右側の「コロッセオ」と題された図
上記図から、以下の点が看て取れる。
・オフィスの室内において、座席と、座席の背面側から利用可能なハイカウンターと、を備えたシステムが設置された点。
(ウ)59頁の下から3段目、右側の「コロッセオ」と題された図の説明部分
「テーブル席・ソファ席・ハイカウンターの3列型の円錐状のミーティングスペース。緊急時には1度に30人集まり情報共有可能です。」と記載されている。
(8)刊行物8
刊行物8の184頁の上の写真から、以下の点が看て取れる。
(ア)オフィスの室内において、
前方に空間を有している椅子と、当該椅子の背後に立設された橙色の壁状部材と、を備えたシステムが設置され、
前記椅子に着座する6人の着座者、及び、椅子の背面側において立位姿勢もしくは着座姿勢の4人の者と、前記空間で立位姿勢となる1人の者とが、およそ対向する位置関係となっている点。
(9)刊行物9
ア 刊行物9の38頁の上の写真から、以下の点が看て取れる。
(ア)オフィスの室内において、
前方に空間を有している着座する部分が青色の円弧状の椅子と、当該椅子の背後に円弧状に立設された茶色の壁状部材と、を備えたシステムが設置され、
(イ)前記壁状部材が、椅子の前方に有する空間を包むように湾曲して立設されている点。
(10)引用例1
ア 引用例1に掲載された事項
(ア)1頁 下段(翻訳は申立人Aが提出した甲第2号証の要部和訳による。)
「AGATI-3 new products just in time for NeoCon 2011Posted by Jenn |June 13th,2011 | Comment on this post」
(翻訳)「AGATI-NeoCon2011に間に合うように3つの新製品
投稿者Jenn|2011年6月13日」
(イ)3頁 下段 「The Elements Media Center pairs AGATI’s supportive , comfortable Hampton seating with its technology-adapted Elements Workstation. Ideal for multiple users and long hours of collaborating in comfort. Tags: Agati , Commerical , Furniture , Gee , Havana , Lounge , Neocon ,Office
This entry was posted on Monday , June 13th,2011 at 10:38 am and is filed under Commercial, Furniture , Trade Shows.」
(翻訳)
「エレメンツメディアセンターは、AGATIの支持的で心地よいハンプトンの座席と、テクノロジーに対応したエレメンツワークステーションを組み合わせたものです。快適に、複数のユーザーと長い時間に亘って共同作業をするのに理想的です。このエントリは、2011年6月13日月曜日の午前10時38分に投稿され、広告、家具、トレードショーの下に提出されます。」
(ウ)3頁 上の図面
「」
なお、上記図面中の「4→」、「T→」等の数字ないし記号による指示は、申立人Aが記入したものであり、引用例1発明の認定には考慮していない。
上記(イ)の記載と上記(ウ)の図面から以下の点が看て取れる。
a エレメンツメディアセンターにおいて、
前面に空間を有する円弧状の座席(うすい緑色の部分)と、
当該円弧状の座席の外側に沿うとともに、円弧状の座席を囲むように立設された板状の構造体(うすい茶色の部分)(以下、「円弧状立設板状体」という。)と、
当該円弧状立設板状体の外側において、外側にむかって延びた略水平の部分(白色の部分)を有する円弧状の構造体(以下、「円弧状構造体」という。)と、を備え、
円弧状構造体の円弧状の座席が有る側とは反対側に6脚の椅子が配置されるとともに、空間を有している点。
b 円弧状の座席が、利用者が着座する部分と、着座した者の背を支持する部分を有している点。
c 円弧状立設板状体の上端が、円弧状の座席の背を支持する部分の上端、及び、円弧状構造体の略水平の部分の上面よりも上方に位置している点。
イ 引用例1発明
上記ア(ア)ないし(ウ)からみて、引用例1には、次の発明(以下、「引用例1発明」という。)が掲載されていると認められる。
(引用例1発明)
「エレメンツメディアセンターにおいて、前面に空間を有する円弧状の座席と、当該円弧状の座席の外側に沿うとともに、円弧状の座席を囲むように立設された円弧状立設板状体と、当該円弧状立設板状体の上方の部位の外側において、外側にむかって延びた略水平の部分を有する円弧状構造体と、を備え、円弧状構造体の円弧状の座席が有る側とは反対側に6脚の椅子を配置するとともに、空間を有しており、円弧状の座席が、利用者が着座する部分と、利用者の背を支持する部分を有し、前記円弧状立設板状体の上端が、円弧状の座席の背を支持する部分の上端、及び、円弧状構造体の略水平の部分の上面よりも上方に位置している、 エレメンツメディアセンター。」
なお、引用例1は、前記1において説示したように、引用例1に記載の事項が、本件特許出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となったものであるとは認められないから、後の「3 当審の判断」においては、検討の対象としていない。
(11)引用例2
ア 引用例2に掲載された事項
引用例2には、以下の事項が記載されている。
(ア)1頁 下から3―末行
「Pods & ScreensIf you want to subdivide spaces, or have a central Google bar,pods and screens provide opportunities to create spaces with different purposes.」
(上記摘記箇所に対応する、令和1年9月5日付けで申立人Bから提出された申立書Bに添付された抄訳(「甲第1-1号証 抄訳」)を援用して併記する。以下同じ。)
「ポッドとスクリーン(pods and screens)スペースを細分化する場合、又は中央のGoogleバーを使用する場合、ポッドとスクリーン(pods and screens)は、さまざまな目的でスペースを作成するための機会を与える。」
(イ)2頁 下から7-5行
「SeatsDifferent activities require different spaces, and the seating selected can provide signposts to that functionality.」
(翻訳)
「シートアクティビティごとに異なるスペースが必要であり、選択した座席がその機能に標識(signposts)を提供できます。」
(ウ)7頁 下から3行-末行
「Copyright○C Spaceoasis Ltd 2014.European Patent No 1470773Community Registered Design no.00013268/0001-8.UK Registered Design No GB3004035.SPACEOASIS is a registered trade mark of Spaceoasis Ltd.」
(翻訳)
「著作権○Cスペースオアシスリミテッド(SpaceoasisLtd)2014. 欧州特許出願公開第1470773号公報コミュニティ登録デザインno.00013268/0001-8.英国登録デザインNo.GB 3004035.SPACEOASISは、スペースオアシスリミテッドの商標として登録されている。」
(上記「〇C」は、「〇」の中に「C」)
(エ)2頁の写真
「」
上記写真から以下の点が看て取れる。
a 床面に2組、配置された製品であって、
各組において、前面に空間を有するとともに、利用者が着座する部分と、着座した利用者の背を支持する部分を有する円弧状の座席(黄色の部分およびその下のグレーの部分)と、
当該円弧状の座席の着座した利用者の背を支持する部分の外側に沿うとともに、円弧状の座席を囲むように立設された円弧状の板状体(断面が肌色の板状体)(以下、「円弧状立設板状体」という。)と、
当該円弧状立設板状体の外側において、外側にむかって延びた略水平の部分(白色の部分)と当該略水平の部分の下方位置で円弧状立設板状体に沿うよう立設した部分(グレーの部分)を有する円弧状の構造体(以下、「円弧状構造体」という。)と、を備え、
前記円弧状立設板状体は、略水平の部分の下方位置で円弧状立設板状体に沿うよう立設した部分及び背凭れ部を設けた椅子とともに一体となっていて、
前記円弧状構造体の円弧状の座席がある側とは反対側に6脚の椅子を配置するとともに、空間を有している点。
b 前記円弧状立設板状体が、円弧状の座席と円弧状構造体との間において配置されているとともに、写真手前(右側)の組において、左から2つめと3つめの椅子の間に対応する位置等で、円弧状立設板状体の上端部分が分割されていて、当該分割された位置には、円弧状構造体の立設した部分が位置している点。
c 前記円弧状構造体の略水平の部分の内側は、円弧状立設板状体との間に隙間を有している点。
d 前記円弧状立設板状体の上端が、円弧状の座席の背を支持する部分の上端、及び、円弧状構造体の略水平の部分の上面よりも上方に位置している点。(写真手前(右側)の組において、特に左から2つめと3つめの椅子の間や、左から6つめの椅子の前方において確認できる。)
イ 引用例2に掲載された発明 上記ア(ア)ないし(エ)からみて、引用例2には、次の発明(以下、「引用例2発明」という。)が記載されていると認められる。
(引用例2発明)
「床面に、配置された製品において、前面に空間を有するとともに、利用者が着座する部分と、着座した利用者の背を支持する部分とを有する円弧状の座席と、当該円弧状の座席の着座した利用者の背を支持する部分の外側に沿うとともに、円弧状の座席を囲むように立設された円弧状立設板状体と、当該円弧状立設板状体の外側において、外側にむかって延びた略水平の部分と当該略水平の部分の下方位置で円弧状立設板状体に沿うよう立設した部分を有する円弧状構造体と、を備え、前記円弧状立設板状体は、略水平の部分の下方位置で円弧状立設板状体に沿うよう立設した部分及び背凭れ部を設けた椅子とともに一体となっていて、前記円弧状構造体の円弧状の座席がある側とは反対側に6脚の椅子を配置するとともに、空間を有しており、前記円弧状構造体の略水平の部分の内側は、円弧状立設板状体との間に隙間を有しており、前記円弧状立設板状体の上端が、円弧状の座席の背を支持する部分の上端、及び、円弧状構造体の略水平の部分の上面よりも上方に位置している、製品。」
(12)引用例3
ア 引用例3に掲載された事項
引用例3には、以下の事項が記載されている。
(ア)2頁 1―7行
「Seminario RangeThe Seminario is very practical version of stadium seating for formal teaching.The lower level incorporates soft seating where standalone tables can be added for note taking, computer or tablet use. The higher leel increases the capacity of the group and incorporates worktops.」
(翻訳)
「セミナリオレンジ(Seminario Range) セミナリオは、正式な指導のためのスタジアム席の非常に実用的なバージョンです。下位レベルには、メモを取る、コンピュータ又はタブレットを使用するためのスタンドアロンテーブルを追加できるソフトな座席が組み込まれています。上位レベルでは、グループのキャパシティが増加し、ワークトップが組み込まれます。」
(イ)7頁 下から3行-末行
「Copyright○C Spaceoasis Ltd 2014.European Patent No 1470773 Community Registered Design no.00013268/0001-8.UK Registered Design No GB3004035.SPACEOASIS is a registered trade mark of Spaceoasis Ltd.」(翻訳)「著作権○Cスペースオアシスリミテッド(SpaceoasisLtd)2014. 欧州特許出願公開第1470773号公報コミュニティ登録デザインno.00013268/0001-8.英国登録デザインNo.GB 3004035.SPACEOASISは、スペースオアシスリミテッドの商標として登録されている。」
(上記「〇C」は、「〇」の中に「C」)
(ウ)1頁の表題が「Seminario Range」であり、
「Seminario Range products」(セミナリオレンジ製品。訳及び下線は、当決定で付した。)の説明がされた写真
「」
上記写真から以下の点が看て取れる。
a 床面に2組、配置され、
各組において、前面に空間を有するとともに、利用者が着座する部分と、着座した利用者の背を支持する部分を有する円弧状の座席(黄色の部分およびその下のグレーの部分)と、
当該円弧状の座席の着座した利用者の背を支持する部分の外側に沿うとともに、円弧状の座席を囲むように立設された円弧状の板状体(断面が肌色の板状体)(以下、「円弧状立設板状体」という。)と、
当該円弧状立設板状体の外側において、外側にむかって延びた略水平の部分(白色の部分)と当該略水平の部分の下方位置で円弧状立設板状体に沿うよう立設した部分(グレーの部分)を有する円弧状の構造体(以下、「円弧状構造体」という。)と、を備え、
前記円弧状立設板状体は、略水平の部分の下方位置で円弧状立設板状体に沿うよう立設した部分及び背凭れ部を設けた椅子とともに一体となっていて、
前記円弧状構造体の円弧状の座席がある側とは反対側に6脚の椅子配置するとともに、空間を有している点。
b 写真手前(右側)の組において、左から2つめと3つめの椅子の間に対応する位置等で、円弧状立設板状体の上端部分が分割されていて、当該分割された位置には、円弧状構造体の立設した部分が位置している点。
c 前記円弧状構造体の略水平の部分の内側は、円弧状立設板状体との間に隙間を有している点。
d 前記円弧状立設板状体の上端が、円弧状の座席の背を支持する部分の上端、及び、円弧状構造体の略水平の部分の上面よりも上方に位置している点。(写真手前(右側)の組において、特に左から2つめと3つめの椅子の間や、左から6つめの椅子の前方において確認できる。)
イ 引用例3に掲載された発明
上記ア(ア)ないし(ウ)からみて、引用例3には、次の発明(以下、「引用例3発明」という。)が記載されていると認められる。
(引用例3発明)
「床面に、配置された製品において、前面に空間を有するとともに、利用者が着座する部分と、着座した利用者の背を支持する部分とを有する円弧状の座席と、当該円弧状の座席の着座した利用者の背を支持する部分の外側に沿うとともに、円弧状の座席を囲むように立設された円弧状立設板状体と、当該円弧状立設板状体の外側において、外側にむかって延びた略水平の部分と当該略水平の部分の下方位置で円弧状立設板状体に沿うよう立設した部分を有する円弧状構造体と、を備え、前記円弧状立設板状体は、略水平の部分の下方位置で円弧状立設板状体に沿うよう立設した部分及び背凭れ部を設けた椅子とともに一体となっていて、前記円弧状構造体の円弧状の座席がある側とは反対側に6脚の椅子を配置するとともに、空間を有しており、前記円弧状構造体の略水平の部分の内側は、円弧状立設板状体との間に隙間を有しており、前記円弧状立設板状体の上端が、円弧状の座席の背を支持する部分の上端、及び、円弧状構造体の略水平の部分の上面よりも上方に位置している、製品。」
3 当審の判断
(1)刊行物1を主引用例として
ア 本件発明1について
(ア)対比
本件発明1と刊行物1発明とを対比すると、
a 刊行物1発明の「円弧状の座席」、「円弧状立設板状体」及び「円弧状構造体」は、本件発明1の「椅子」、「区画部」及び「カウンター」にそれぞれ相当する。
b 刊行物1発明の「脚部により支持」される「利用者が着座する部分」、及び「着座する部分に連結されて上方に延びる利用者の背を支持する部分」は、それぞれ、本件発明1の「脚部に支持された座部」及び「座部に連結されて上方に向かって延びる背凭れ部」に相当する。また、刊行物1発明の「脚部」は、床面上に配置されることは明らかである。
そうすると、刊行物1発明は、本件発明1の「床面上に配置される脚部に支持された座部に連結されて上方に向かって延びる背凭れ部を設けた椅子」の構成を有しているといえる。
c 刊行物1発明の「円弧状構造体」の「略水平の部分」は、本件発明1の「カウンター」の「天板」に相当する。
また、刊行物1発明において、「円弧状の座席」に利用者が着座した場合、「円弧状構造体」は、利用者の背面側となるから、「円弧状構造体」は、「円弧状の座席」の外側、すなわち背面側に設けられているといえる。さらに、「円弧状構造体」の「円弧状の座席」が有る側とは反対側に空間を有しているところ、当該空間があることで、立位姿勢で「円弧状構造体」を利用可能であることは明らかである。
したがって、刊行物1発明の「円弧状の座席」の背面側に設けられ、「円弧状構造体」の円弧状の座席が有る側とは反対側において、立位姿勢で利用可能な「円弧状構造体」は、本件発明1の「前記椅子の背面側に設けられ、該椅子と反対側から立位姿勢で利用可能なカウンター」に相当する。
また、刊行物1発明の「略水平の部分」が、「利用者の背を支持する部分より上方に位置している」ので、「略水平の部分」が、上下方向において、利用者の背を支持する部分より上に出た状態となる。
よって、刊行物1発明の「略水平の部分」は、「利用者の背を支持する部分」より上方に突出するようにして設けられているといえる。
以上のことから、刊行物1発明は、本件発明1の「前記椅子の背面側に」、「天板が前記背凭れ部より上方に突出するようにして設けられ、該椅子と反対側から立位姿勢で利用可能なカウンター」の構成を有しているといえる。
d 刊行物1発明の「円弧状立設板状体」は、板状の物体であるから、パネル体からなるものであるといえる。
また、刊行物1発明の「円弧状立設板状体」は、「円弧状の座席の利用者の背を支持する部分の外側に沿う」のであるから、「円弧状の座席の利用者の背を支持する部分」と当接するようにして設けられているものである。
さらに、「円弧状立設板状体」は、「円弧状の座席の利用者の背を支持する部分」の「外側に沿う」とともに、「円弧状立設板状体」の「外側」に「円弧状構造体」があることから、「円弧状の座席」と「円弧状構造体」との間に設けられているものといえる。
したがって、刊行物1発明は、本件発明1の「前記椅子と前記カウンターとの間に、前記椅子の背凭れ部と当接するようにして設けられ」る「パネル体からなる区画部」の構成を有しているといえる。
e 刊行物1発明の「円弧状立設板状体の上端」が、「円弧状構造体の略水平の部分の上面よりも上方に位置」していることは、本件発明1の、「前記区画部」は、「カウンターの天板の上方に突出するように設けられる」ことに相当する。
また、刊行物1発明の「円弧状立設板状体」が、「円弧状の座席の利用者の背を支持する部分の外側に沿う」ものであって、「円弧状立設板状体」が立設されていることをふまえれば、「円弧状の座席」の少なくとも上部に該当するところに「円弧状立設板状体」は存在していることになるから、「円弧状立設板状体」が、「円弧状の座席」の「上部」から「設けられている」ということができる。また、刊行物1発明の「円弧状立設板状体」は、「円弧状の座席」に利用者が着座したときに向く方向からみて、「利用者の背を支持する部分」の後方に配置されているということができる。
そうすると、刊行物1発明は、本件発明1の「前記区画部は、前記椅子の上部から前記カウンターの天板の上方に突出するように設けられるとともに、前記椅子に着座する着座者の背を支持する背凭れ部の後方に配置され」「ること」という構成を有しているといえる。
f 刊行物1発明の「座席」、「円弧状立設板状体」及び「円弧状構造体」とを備える「座席及び机のユニット」は、本件発明1の「椅子システム」に相当する。
そうすると、本件発明1と刊行物1発明との、一致点及び相違点は、以下のとおりである。
<一致点>
「床面上に配置される脚部に支持された座部に連結されて上方に向かって延びる背凭れ部を設けた椅子と、前記椅子の背面側に、天板が前記背凭れ部より上方に突出するようにして設けられ、該椅子と反対側から立位姿勢で利用可能なカウンターと、前記椅子と前記カウンターとの間に、前記椅子の背凭れ部と当接するようにして設けられ、床面上に立設させるパネル体からなる区画部と、を備え、前記区画部は、前記椅子の上部から前記カウンターの天板の上方に突出するように設けられるとともに、前記椅子に着座する着座者の背を支持する背凭れ部の後方に配置される椅子システム。」
<相違点>
1.天板が、本件発明1では、床面上から立設された支持脚に支持されているのに対して、刊行物1発明では、そのような特定がなされていない点。
2.パネル体からなる区画部が、本件発明1では、支持脚体を床面に設置することで床面上に立設されているのに対して、刊行物1発明では、座席の利用者の背を支持する部分の外面に沿うとともに、その下端が円弧状の座席の下端とが同じ高さにあって、円弧状の座席の外側に取り付けられていて、円弧状の座席を囲むように立設されている点。
3.区画部が、本件発明1では、椅子と第一連結部材により、またカウンターと第二連結部材によりそれぞれ連結されているのに対して、刊行物1発明では、そのような特定がなされていない点。
上記のとおり、本件発明1と刊行物1発明とは、カウンターの天板の支持に関する構成、パネル体からなる区画部の支持に関する構成、さらに区画部と、椅子及びカウンターとのそれぞれの連結に関する構成についての実質的な相違点があるから、本件発明1は、刊行物1に記載された発明ではない。
(イ)判断
事案に鑑みて、相違点2から検討する。
刊行物1発明は、本件発明1と同様に、「背凭れ部を設けた椅子」、「カウンター」及び「パネル体からなる区画部」を有する椅子システムであるが、刊行物1には、上記相違点2に係る本件発明1のような「パネル体からなる区画部」が、「支持脚体を床面に設置することで床面上に立設」されていることが、記載も示唆もされていない。むしろ、刊行物1発明は、円弧状立設板状体の下端が円弧状の座席の下端とが同じ高さにあって、円弧状の座席の外側に取り付けられていていることからみて、「円弧状立設板状体」は、床面に支持部材などを設置することが不要の構造体であるといえる。
よって、刊行物1発明において、上記相違点2に係る本件発明1の構成とすることは、当業者が容易になし得たことではない。
したがって、本件発明1は、他の相違点を検討するまでもなく、刊行物1発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(ウ)申立人Bの主張について
相違点2に相当する構成(「パネル体からなる区画部」が、「支持脚体を床面に設置することで床面上に立設」されていること)は、刊行物6、刊行物7、申立人Bが提出した甲第6号証乃至甲第13号証、並びに、甲第19号証乃至甲第23号証に例示された周知技術に過ぎないから、刊行物1発明に、上記周知技術を適用して、相違点2に係る本件発明1とすることは、当業者が容易になし得ることである旨主張する。(申立人B意見書26頁19~末行)
しかしながら、刊行物1発明の「円弧状立設板状体」は、円弧状の座席の利用者の背が支持される部分の外側に沿うとともに、その下端が円弧状の座席の下端とが同じ高さにあって、円弧状の座席の外側に取り付けられていて、円弧状の座席を囲むように立設されたものである。すなわち、刊行物1発明の「円弧状立設板状体」は、床面に支持部材などを設置することが不要の構造体である。
このようなことから、刊行物1発明の「円弧状立設板状体」を、支持脚体を床面に設置することで床面上に立設させるという課題が内在されているとはいえないから、上記周知技術を刊行物1発明に適用する動機付けがあるとはいえない。
したがって、刊行物1発明に上記周知技術を適用できないから、申立人Bの主張を採用することはできない。
(エ)小括
以上のとおりであるから、本件発明1は、刊行物1発明に記載された発明ではなく、また、刊行物1発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものでもない。
イ 本件発明2について
(ア)対比
本件発明2と刊行物1発明とを対比すると、上記ア(ア)a~fの点は同様である。
そうすると、本件発明2と刊行物1発明との、一致点及び相違点は、以下のとおりである。
<一致点>
「床面上に配置される脚部に支持された座部に連結されて上方に向かって延びる背凭れ部を設けた椅子と、前記椅子の背面側に、天板が前記背凭れ部より上方に突出するようにして設けられ、該椅子と反対側から立位姿勢で利用可能なカウンターと、前記椅子と前記カウンターとの間に、前記椅子の背凭れ部と当接するようにして設けられ、床面上に立設させるパネル体からなる区画部と、を備え、前記区画部は、前記椅子の上部から前記カウンターの天板の上方に突出するように設けられるとともに、前記椅子に着座する着座者の背を支持する背凭れ部の後方に配置される椅子システム。」
<相違点>
4.天板が、本件発明2では、床面上から立設された支持脚に支持されているのに対して、刊行物1発明では、そのような特定がなされていない点。
5.パネル体からなる区画部が、本件発明2では、支持脚体を床面に設置することで床面上に立設されているのに対して、刊行物1発明では、座席の利用者の背を支持する部分の外面に沿うとともに、その下端が円弧状の座席の下端とが同じ高さにあって、円弧状の座席の外側に取り付けられていて、円弧状の座席を囲むように立設されている点。
6.本件発明2は、カウンターの支持脚と天板が、区画部と第二連結部材により連結されることで、前記区画部との間に隙間を有して配置されているのに対して、刊行物1発明では、そのような特定がなされていない点。
(イ)判断
事案に鑑みて、相違点5から検討する。
刊行物1、及び周知技術の例として示した刊行物2~刊行物4、引用例2,引用例3のいずれにも、上記相違点5に係る本件発明2のような「パネル体からなる区画部」が、「支持脚体を床面に設置することで床面上に立設」されていることが、記載も示唆もされていない。むしろ、刊行物1発明は、円弧状立設板状体の下端が円弧状の座席の下端とが同じ高さにあって、円弧状の座席の外側に取り付けられていていることからみて、「円弧状立設板状体」は、床面に支持部材などを設置することが不要の構造体であるといえる。
よって、刊行物1発明に、周知技術を適用して、上記相違点5に係る本件発明2の構成とすることは、当業者が容易になし得たことではない。
したがって、本件発明2は、他の相違点を検討するまでもなく、刊行物1発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(ウ)申立人Bの主張について
相違点5について、上記ア(ウ)と同様の主張をしているが(申立人B意見書25頁14~18行)、上記と同様である。
(エ)小括
以上のとおりであるから、本件発明2は、刊行物1発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものでもない。
(2)引用例3を主引用例として
ア 本件発明1について
(ア)対比
本件発明1と引用例3発明とを対比すると、
a 引用例3発明の「円弧状の座席」、「円弧状立設板状体」及び「円弧状構造体」は、本件発明1の「椅子」、「区画部」及び「カウンター」にそれぞれ相当する。
b 引用例3発明の「利用者の背を支持する部分」は、本件発明1の「上方に向かって延びる背凭れ部」に相当する。
c 引用例3発明の「円弧状構造体」の「略水平の部分」及び「略水平の部分の下方位置で円弧状立設板状体に沿うよう立設した部分」は、本件発明1の「カウンター」の「天板」及び「支持脚」に相当する。
また、引用例3発明の「略水平の部分の下方位置で円弧状立設板状体に沿うよう立設した部分」が、床面上から立設されたものであることは明らかである。
さらに、引用例3発明において、「円弧状の座席」に利用者が着座した場合、「円弧状構造体」は、利用者の背面側となるから、「円弧状構造体」は、「円弧状の座席」の外側、すなわち背面側に設けられているといえる。また、引用例3発明は、「円弧状構造体の円弧状の座席が有る側とは反対側に6脚の椅子を配置するとともに、空間を有して」いるところ、当該空間があることで、また、配置されている6脚の椅子が撤去されることなどにより、立位姿勢で「円弧状構造体」を利用可能であることは明らかである。
そうすると、引用例3発明は、本件発明1の「前記椅子の背面側に、床面上から立設された支持脚に支持される天板」が「設けられ、該椅子と反対側から立位姿勢で利用可能なカウンター」の構成を有しているといえる。
d 引用例3発明の「円弧状立設板状体」は、板状の物体であるから、パネル体からなるものであるといえる。
また、引用例3発明の「円弧状立設板状体」は、「円弧状の座席の利用者の背を支持する部分の外側に沿う」のであるから、「円弧状の座席の利用者の背を支持する部分」と当接するようにして設けられているものである。
さらに、引用例3発明の「円弧状立設板状体」は、「円弧状の座席の利用者の背を支持する部分」の「外側に沿う」とともに、「円弧状立設板状体」の「外側」に「円弧状構造体」があることから、「円弧状の座席」と「円弧状構造体」との間に設けられているものといえる。
したがって、引用例3発明は、本件発明1の「前記椅子と前記カウンターとの間に、前記椅子の背凭れ部と当接するようにして設けられ」る「パネル体からなる区画部」の構成を有しているといえる。
e 引用例3発明の「円弧状立設板状体の上端」が、「円弧状構造体の略水平の部分の上面よりも上方に位置」していることは、本件発明1の、「前記区画部」は、「カウンターの天板の上方に突出するように設けられる」ことに相当する。
また、引用例3発明の「円弧状立設板状体」が、「円弧状の座席の利用者の背を支持する部分の外側に沿う」ものであって、「円弧状立設板状体」が立設されていることをふまえれば、「円弧状の座席」の少なくとも上部に該当するところに「円弧状立設板状体」は存在していることになるから、「円弧状立設板状体」が、「円弧状の座席」の「上部」から「設けられている」ということができる。また、引用例3発明の「円弧状立設板状体」は、「円弧状の座席」に利用者が着座したときに向く方向からみて「利用者の背を支持する部分」の後方に配置されているということができる。
そうすると、引用例3発明は、本件発明1の「前記区画部は、前記椅子の上部から前記カウンターの天板の上方に突出するように設けられるとともに、前記椅子に着座する着座者の背を支持する背凭れ部の後方に配置され」「ること」という構成を有しているといえる。
f 引用例3発明の「座席」、「円弧状立設板状体」及び「円弧状構造体」とを備える「製品」は、本件発明1の「椅子システム」に相当する。
そうすると、本件発明1と引用例3発明との、一致点及び相違点は、以下のとおりである。
<一致点>
「上方に向かって延びる背凭れ部を設けた椅子と、前記椅子の背面側に、床面上から立設された支持脚に支持される天板が設けられ、該椅子と反対側から立位姿勢で利用可能なカウンターと、前記椅子と前記カウンターとの間に、前記椅子の背凭れ部と当接するようにして設けられるパネル体からなる区画部と、を備え、前記区画部は、前記椅子の上部から前記カウンターの天板の上方に突出するように設けられるとともに、前記椅子に着座する着座者の背を支持する背凭れ部の後方に配置される椅子システム。」
<相違点>
6.上方に向かって延びる背凭れ部を設けた椅子が、本件発明1では、床面上に配置される脚部に支持された座部に連結されているのに対して、引用例3発明では、そのような特定がなされていない点。
7.床面上から立設された支持脚に支持される天板が、本件発明1では、背凭れ部より上方に突出するようにして設けられているのに対して、引用例3発明では、そのような特定がなされていない点。
8.パネル体からなる区画部が、本件発明1では、支持脚体を床面上に設置することで床面上に立設されているのに対して、引用例3発明では、座席の利用者の背を支持する部分の外面に沿うとともに、円弧状の座席を囲むように立設され、略水平の部分の下方位置で円弧状立設板状体に沿うよう立設した部分及び背凭れ部を設けた椅子とともに一体となっている点。
9.区画部が、本件発明1では、椅子と第一連結部材により、またカウンターと第二連結部材によりそれぞれ連結されているのに対して、引用例3発明では、第一連結部材及び第二連結部材によりそれぞれ椅子及びカウンターと連結されているか不明である点。
上記のとおり、本件発明1と引用例3発明とは、椅子の脚部に関する構成、カウンターの天板と背凭れ部の位置関係に関する構成、パネル体からなる区画部の支持に関する構成、さらに区画部と、椅子及びカウンターとのそれぞれの連結に関する構成についての実質的な相違点があるから、本件発明1は、引用例3に記載された発明ではない。
(イ)判断
事案に鑑みて、相違点8から検討する。
引用例3発明は、本件発明1と同様に、「背凭れ部を設けた椅子」、「カウンター」及び「パネル体からなる区画部」を有する椅子システムであるが、引用例3には、上記相違点8に係る本件発明1のような「パネル体からなる区画部」が、「支持脚体を床面に設置することで床面上に立設」されていることが、記載も示唆もされていない。むしろ、引用例3発明のパネル体からなる区画部は、略水平の部分の下方位置で円弧状立設板状体に沿うよう立設した部分及び背凭れ部を設けた椅子とともに一体となっていて、簡単に、分離することはできないことから、パネル体からなる区画部にだけに支持脚体を設置することは困難であるといえる。
よって、引用例3発明において、上記相違点8に係る本件発明1の構成とすることは、当業者が容易になし得たことではない。
したがって、本件発明1は、他の相違点を検討するまでもなく、引用例3発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(ウ)申立人Bの主張について
相違点8に相当する構成(「パネル体からなる区画部」が、「支持脚体を床面上に設置することで床面上に立設」されていること)は、刊行物6、刊行物7、申立人Bが提出した甲第6号証乃至甲第13号証、並びに、甲第19号証乃至甲第23号証に例示された周知技術に過ぎないから、引用例3発明に、上記周知技術を適用して、相違点2に係る本件発明1とすることは、当業者が容易になし得ることである旨主張する。(申立人B意見書23頁10~18行)
しかしながら、引用例3発明の「円弧状立設板状体」(パネル体からなる区画部)は、座席の利用者の背を支持する部分(背凭れ部)の外面に沿うとともに、円弧状の座席(椅子)を囲むように立設され、さらに外側に円弧状構造体(カウンター)を備えていて、略水平の部分の下方位置で円弧状立設板状体に沿うよう立設した部分(支持脚)及び円弧状の座席(背凭れ部を設けた椅子)とともに一体となっている構造体である。
このようなことから、引用例3発明において、「円弧状立設板状体」を、「円弧状構造体」との関連をなくし、支持脚体を床面に設置することで床面上に立設させるという課題が内在されているとはいえないから、上記周知技術を引用例3発明に適用する動機付けがあるとはいえない。
したがって、引用例3発明に上記周知技術を適用できないから、申立人Bの主張を採用することはできない。
(エ)小括
以上のとおりであるから、本件発明1は、引用例3発明に記載された発明ではなく、また、引用例3発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものでもない。
イ 本件発明2について
(ア)対比
本件発明2と引用例3発明とを対比すると、上記ア(ア)a~fの点は同様である。加えて、
a 引用例3発明の「円弧状構造体の略水平の部分の内側」と「円弧状立設板状体」との間の「隙間」は、本件発明2の「天板」と「区画部」との間に有している「隙間」に相当する。
そうすると、本件発明2と引用例3発明との、一致点及び相違点は、以下のとおりである。
<一致点>
「上方に向かって延びる背凭れ部を設けた椅子と、前記椅子の背面側に、床面上から立設された支持脚に支持される天板が設けられ、該椅子と反対側から立位姿勢で利用可能なカウンターと、前記椅子と前記カウンターとの間に、前記椅子の背凭れ部と当接するようにして設けられ、パネル体からなる区画部と、を備え、前記区画部は、前記椅子の上部から前記カウンターの天板の上方に突出するように設けられるとともに、前記椅子に着座する着座者の背を支持する背凭れ部の後方に配置され、前記天板は、前記区画部との間に隙間を有して配置されている椅子システム。」
<相違点>
10.上方に向かって延びる背凭れ部を設けた椅子が、本件発明2では、床面上に配置される脚部に支持された座部に連結されているのに対して、引用例3発明では、そのような特定がなされていない点。
11.床面上から立設された支持脚に支持される天板が、本件発明2では、背凭れ部より上方に突出するようにして設けられているのに対して、引用例3発明では、そのような特定がなされていない点。
12.パネル体からなる区画部が、本件発明2では、支持脚体を床面に設置することで床面上に立設されているのに対して、引用例3発明では、座席の利用者の背を支持する部分の外面に沿うとともに、円弧状の座席を囲むように立設され、略水平の部分の下方位置で円弧状立設板状体に沿うよう立設した部分及び背凭れ部を設けた椅子とともに一体となっている点。
13.カウンターの支持脚と天板が、本件発明2では、区画部と第二連結部材により連結されることで、前記区画部との間に隙間を有して配置されているのに対して、引用例3発明では、天板と区画部との間に隙間を有しているものの、カウンターの支持脚と天板が、区画部と第二連結部材により連結されること、及び、支持脚と区画部との間に隙間を有すること、の特定がなされていない点。
上記のとおり、本件発明2と引用例3発明とは、椅子の脚部に関する構成、カウンターの天板と背凭れ部の位置関係に関する構成、パネル体からなる区画部の支持に関する構成、さらに区画部と、カウンターとの連結に関する構成についての実質的な相違点があるから、本件発明2は、引用例3に記載された発明ではない。
(イ)判断
事案に鑑みて、相違点12から検討する。
a 引用例3発明は、本件発明2と同様に、「背凭れ部を設けた椅子」、「カウンター」及び「パネル体からなる区画部」を有する椅子システムであるが、引用例3には、上記相違点12に係る本件発明1のような「パネル体からなる区画部」が、「支持脚体を床面に設置することで床面上に立設」されていることが、記載も示唆もされていない。むしろ、引用例3発明のパネル体からなる区画部は、略水平の部分の下方位置で円弧状立設板状体に沿うよう立設した部分及び背凭れ部を設けた椅子とともに一体となっていて、簡単に、分離することはできないことから、パネル体からなる区画部にだけに支持脚体を設置することは困難であるといえる。
よって、引用例3発明において、上記相違点12に係る本件発明2の構成とすることは、当業者が容易になし得たことではない。
したがって、本件発明2は、他の相違点を検討するまでもなく、引用例3発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
b また、前記(1)イ(イ)に示したように、刊行物2~刊行物4、引用例2,引用例3のいずれにも、上記相違点12に係る本件発明2のような「パネル体からなる区画部」が、「支持脚体を床面に設置することで床面上に立設」されていることが、記載も示唆もされていない。
よって、引用例3発明に、周知技術を適用して、上記相違点12に係る本件発明2の構成とすることは、当業者が容易になし得たことではない。
したがって、本件発明2は、他の相違点を検討するまでもなく、引用例3発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(ウ)申立人Bの主張について
相違点12について、上記ア(ウ)と同様の主張をしているが(申立人B意見書24頁13~17行)、上記と同様である。
(エ)小括
以上のとおりであるから、本件発明2は、引用例3発明に記載された発明ではなく、また、引用例3発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものでもない。
3 刊行物2を主引用例として
ア 本件発明1について
(ア)対比
本件発明1と刊行物2発明とを対比すると
a 刊行物2発明の「座席ユニット66」及び「デスクユニット68」は、本件発明1の「椅子」及び「カウンター」にそれぞれ相当する。
また、刊行物2発明の「パネル部材」又は「第1のパネル部材2及び第2のパネル部材4」は、本件発明1の「パネル体からなる区画部」に相当する。
b 刊行物2発明の「座席ユニット66」の「シート46」及び「ブレード固定部42」は、本件発明1の「座部」及び「脚部」に、それぞれ相当する。
また、刊行物2発明の「ブレード固定部42」が、「シート46」を支持するとともに、床面上に配置されていることは、明らかである。そうすると、刊行物2発明は、本件発明1の「床面上に配置される脚部に支持された座部」の構成を有しているといえる。
c 刊行物2発明の「デスクユニット68」の「デスクトップ44」及び「ブレード固定部42」は、本件発明1の「天板」及び「支持脚」に、それぞれ相当する。
また、前記「ブレード固定部42」が床面上から立設されていることは、明らかである。
したがって、刊行物2発明は、本件発明1の「床面上から立設された支持脚に支持される天板が」「設けられ」の構成を有しているといえる。
また、刊行物2発明は、「パネル部材が、座席ユニット66とデスクユニット68との間に設けら」た位置関係、及び、座席ユニット66に座ると、着座した者の背面側に「デスクユニット66」が存在することになるから、「デスクユニット68」が、「座席ユニット66」の背面側に設けられることは明らかである。
さらに、刊行物2発明の「デスクユニット68」は、「座席ユニット66がある側とは反対側に空間が形成されて」いるので、「座席ユニット66」がある側とは反対側において、立位姿勢で「デスクユニット68」を利用可能であることは明らかである。
したがって、刊行物2発明は、本件発明1の「前記椅子の背面側に」「設けられ」、「該椅子と反対側から立位姿勢で利用可能なカウンター」の構成を有しているといえる。
d 刊行物2発明の「パネル部材」は、「座席ユニット66とデスクユニット68との間」に設けられるとともに、「座席ユニット66と当接するよう」に設けられている。なお、「パネル部材」に当接している部分としては、刊行物2発明が「接続された第1のパネル部材2及び第2のパネル部材4の両側にあるブレード固定部42が、第1のパネル部材2と第2のパネル部材4が対向する部位の両側において、第1のパネル部材2及び第2のパネル部材4の端部に跨がるように当接し」ていることから、「座席ユニット66」の「ブレード固定部42」であるといえる。
そうすると、刊行物2発明の「座席ユニット66とデスクユニット68との間」に、「座席ユニット66と当接するよう」に設けられている「パネル部材」は、本件発明1の「前記椅子と前記カウンターとの間に、前記椅子」「と当接するようにして設けられたパネル体からなる区画部」に相当する。
e
(a)刊行物2発明の「デスクユニット68」が有する「デスクトップ44」は、本件発明1の「カウンター」の「天板」に相当するから、刊行物2発明の「パネル部材が、デスクユニット68の上面の上方に突出するように構成されている」ことは、本件発明1の「前記区画部」は、「前記カウンターの天板の上方に突出するように設けられる」ことに相当する。
また、刊行物2発明の「パネル部材」が「上方に突出」する、すなわち、上下の方向性をもっていて、「座席ユニット66」に当接するように設けられていることをふまえれば、「座席ユニット66」の少なくとも上部に該当するところに「パネル部材」が存在していることになるから、「パネル部材」が、「座席ユニット66」の上部から設けられているということができる。
したがって、刊行物2発明は、本件発明1の「前記区画部は、前記椅子の上部から前記カウンターの天板の上方に突出するように設けられる」という構成を有しているといえる。
(b)刊行物2発明の「座席ユニット66」の「ブレード固定部42」に連結される「固定部材10」と、「パネル部材」の「チャネル16」に配置された「端部片6」とからなる部材は、「座席ユニット66」と「パネル部材」を連結する連結部材といえるから、本件発明1の「椅子」と「区画部」を連結する「第一連結部材」に相当する。
さらに、刊行物2発明の「デスクユニット68」の「ブレード固定部42」に連結される「固定部材10」と、「パネル部材」の「チャネル16」に配置された「端部片6」とからなる部材は、「デスクユニット68」と「パネル部材」を連結する連結部材といえるから、本件発明1の「カウンター」と「区画部」を連結する「第二連結部材」に相当する。
したがって、刊行物2発明は、本件発明1の「前記区画部は、前記椅子と第一連結部材により、また前記カウンターと第二連結部材によりそれぞれ連結されている」という構成を有しているといえる。
f 刊行物2発明の「座席ユニット66」、「パネル部材」及び「デスクユニット68」とを備える「家具システム」は、本件発明1の「椅子システム」に相当する。
そうすると、本件発明1と刊行物2発明との、一致点及び相違点は、以下のとおりである。
<一致点>
「椅子と、前記椅子の背面側に、床面上から立設された支持脚に支持される天板が設けられ、該椅子と反対側から立位姿勢で利用可能なカウンターと、前記椅子と前記カウンターとの間に、パネル体からなる区画部と、を備え、前記区画部は、前記椅子の上部から前記カウンターの天板の上方に突出するように設けられるとともに、前記椅子と第一連結部材により、また前記カウンターと第二連結部材によりそれぞれ連結されている椅子システム。」
<相違点>
14.椅子が、本件発明1では、床面上に配置される脚部に支持された座部に連結されて上方に向かって延びる背凭れ部を設けているのに対して、刊行物2発明では、床面上に配置される脚部に支持された座部を有しているものの、座部に連結されて上方に向かって延びる背凭れ部を設けていない点。
15.天板が、本件発明1では、背凭れ部より上方に突出するようにして設けられているのに対して、刊行物2発明では、そのような特定がなされていない点。
16.パネル体からなる区画部が、本件発明1では、前記椅子の背凭れ部と当接するようにして設けられ、支持脚体を床面に設置することで床面上に立設されるものであるのに対して、刊行物2発明では、椅子とは当接するものの、背凭れ部が存在せず、また、パネル体からなる区画部の下端と、座部の脚部の下端と、カウンターの支持脚の下端が床面に載っている点。
17.区画部が、本件発明1では、椅子に着座する着座者の背を支持する背凭れ部の後方に配置されるのに対して、刊行物2発明では、そのような特定がなされていない点。
(イ)判断
事案に鑑みて、相違点16から検討する。
刊行物2、及び周知技術の例として示した刊行物1、引用例2,引用例3のいずれにも、上記相違点16に係る本件発明2のような、「パネル体からなる区画部」が、「椅子の背凭れ部と当接するようにして設けられ」、「支持脚体を床面上に設置することで床面上に立設」されていることが、記載も示唆もされていない。むしろ、刊行物2発明は、パネル体からなる区画部の下端と、座部の脚部の下端と、カウンターの支持脚の下端が床面に載っており、座部の脚部及びカウンターの支持脚と互いに連結部材で連結されていることから、パネル体からなる区画部にだけに支持脚体を設置することは困難である。
よって、刊行物2発明に、周知技術を適用して、上記相違点16に係る本件発明1の構成とすることは、当業者が容易になし得たことではない。
したがって、本件発明1は、他の相違点を検討するまでもなく、刊行物2発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(ウ)申立人Bの主張について
相違点16に相当する構成(「パネル体からなる区画部」が、「椅子の背凭れ部と当接するようにして設けられ」、「支持脚体を床面上に設置することで床面上に立設」されていることは、刊行物6、刊行物7、申立人Bが提出した甲第6号証乃至甲第13号証、並びに、甲第19号証乃至甲第23号証に例示された周知技術に過ぎないから、刊行物2発明に、上記周知技術を適用して、相違点16に係る本件発明1とすることは、当業者が容易になし得ることである旨主張する。(申立人B意見書12頁3行~16頁9行)
しかしながら、刊行物2発明の「パネル部材」(パネル体からなる区画部)は、パネル体からなる区画部の下端と、座部の脚部の下端と、カウンターの支持脚の下端が床面に載っており、座部の脚部及びカウンターの支持脚と互いに連結部材で連結されている、すなわち、これらが一体となっている構造体である。
このようなことから、刊行物2発明の「パネル部材」を、「座席ユニット66」や「デスクユニット68」との関連をなくし、支持脚体を床面に設置することで床面上に立設させるという課題が内在されているとはいえないから、上記周知技術を刊行物2発明に適用する動機付けがあるとはいえない。 したがって、刊行物2発明に上記周知技術を適用できないから、申立人Bの主張を採用することはできない。
(エ)小括
以上のとおりであるから、本件発明1は、刊行物2発明および周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものでもない。
イ 本件発明2について
(ア)対比
本件発明2と刊行物2発明とを対比すると、上記ア(ア)a~e(a)、fの点は同様である。
そうすると、本件発明2と刊行物2発明との、一致点及び相違点は、以下のとおりである。
<一致点>
「椅子と、前記椅子の背面側に、床面上から立設された支持脚に支持される天板が設けられ、該椅子と反対側から立位姿勢で利用可能なカウンターと、前記椅子と前記カウンターとの間に、区画部と、を備え、前記区画部は、前記椅子の上部から前記カウンターの天板の上方に突出するように設けられる、椅子システム。」
<相違点>
18.椅子が、本件発明2では、床面上に配置される脚部に支持された座部に連結されて上方に向かって延びる背凭れ部を設けているのに対して、刊行物2発明では、床面上に配置される脚部に支持された座部を有しているものの、座部に連結されて上方に向かって延びる背凭れ部を設けていない点。
19.天板が、本件発明2では、背凭れ部より上方に突出するようにして設けられているのに対して、刊行物2発明では、そのような特定がなされていない点。
20.パネル体からなる区画部が、本件発明2では、前記椅子の背凭れ部と当接するようにして設けられ、支持脚体を床面に設置することで床面上に立設させるものであるのに対して、刊行物2発明では、椅子とは当接するものの、背凭れ部が存在せず、また、パネル体からなる区画部の下端と、座部の脚部の下端と、カウンターの支持脚の下端が床面に載っている点。
21.区画部が、本件発明2では、椅子に着座する着座者の背を支持する背凭れ部の後方に配置されるのに対して、刊行物2発明では、そのような特定がなされていない点。
22.カウンターの支持脚と天板が、本件発明2では、区画部と第二連結部材により連結されることで、前記区画部との間に隙間を有して配置されているのに対して、刊行物2発明では、そのような特定がなされていない点。
(イ)判断
事案に鑑みて、相違点20から検討する。
刊行物2、及び周知技術の例として示した刊行物2、刊行物3、刊行物4、引用例2,引用例3のいずれにも、上記相違点20に係る本件発明2のような、「椅子の背凭れ部と当接するようにして設けられ」、「パネル体からなる区画部」が、「支持脚体を床面に設置することで床面上に立設」されていることが、記載も示唆もされていない。むしろ、刊行物2発明は、パネル体からなる区画部の下端と、座部の脚部の下端と、カウンターの支持脚の下端が床面に載っており、互いに連結部材で連結されていることから、パネル体からなる区画部にだけに支持脚体を設置することは困難である。
よって、刊行物2発明に、周知技術を適用して、上記相違点20に係る本件発明2の構成とすることは、当業者が容易になし得たことではない。
したがって、本件発明2は、他の相違点を検討するまでもなく、刊行物2発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(ウ)申立人Bの主張について
相違点20について、上記ア(ウ)と同様の主張をしているが(申立人B意見書17頁10~14行)、上記と同様である。
(エ)小括
以上のとおりであるから、本件発明2は、刊行物2発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものでもない。
第5 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について
1 申立書B(第9頁第1-8行)記載された特許異議申立理由
訂正前の請求項1に係る発明は、引用例2(申立人Bが提出した甲第1-1号証)に記載された発明であること、または、引用例2発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、
また、訂正前の請求項2に係る発明は、引用例2に記載された発明であること、もしくは、引用例2発明及び周知技術(刊行物2乃至4)に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、
本件発明1,2に係る特許は、取り消されるべきものである。
2 上記の特許異議申立理由について
引用例2に記載された事項と、引用例3に記載された事項とは、同様の内容であり、また、引用例2発明と引用例3発明とは、同様の発明である(上記第4の2(11)(12)参照)ことから、上記の特許異議申立理由については、上記第4の3(2)において、実質的に検討したといえる。
よって、上記第4の3(2)の検討結果と同様の結論となるといえる。
3 結論
本件発明1は、引用例2に記載された発明ではなく、また、引用例2発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものでもない。
また、本件発明2は、引用例2に記載された発明ではなく、また、引用例2発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
第6 むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件請求項1及び2に係る特許を取り消すことはできない。
そして、他に本件請求項1及び2に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
また、本件請求項3乃至5に係る特許は、上記のとおり、訂正により削除された。これにより、本件請求項3乃至5に係る特許異議の申立ては、申立ての対象が存在しないものとなったため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定によって却下する。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
2019-700462