特許異議申立
2020-700281
什器システム
- 審判番号
- 2020-700281
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2017-202676
- 登録番号
- 特許第6620376号(P6620376)
- 請求日
- 2020年04月21日
- 審決日
- 2020年12月10日
- 公報発行日
- 2021年04月30日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】株式会社オカムラ
- 【権利者代理人】松沼 泰史
- 【権利者代理人】鈴木 三義
- 【異議申立人】品田 祥子
- 【異議申立人】飯田 典子
- 審判長/審判官
- 審判長 森次 顕
- 審判官 土屋 真理子
- 審判官 袴田 知弘
- 分類
- P1652.113-YAA(A47B) / P1652.121-YAA(A47B)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法120条の8第1項特許法135条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第113条第2号、特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項、特許法第120条の5第9項、特許法第120条の8第1項、特許法第120条の5第5項、特許法第120条の5第4項、特許法第120条の5第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第6620376号発明「什器システム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
【結 論】
特許第6620376号の明細書、特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書、訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項[1-5]について訂正することを認める。
特許第6620376号の請求項1、2、5に係る特許を維持する。
特許第6620376号の請求項3に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
特許第6620376号の請求項1ないし5に係る特許についての出願は、平成27年 4月30日に出願された特願2015-93648号の一部を、平成29年10月19日に新たな特許出願としたものであって、令和 1年11月29日にその特許権の設定登録がされ、令和 1年12月18日に特許掲載公報が発行された。その後、本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。
令和 2年 4月21日 :特許異議申立人品田祥子(以下「申立人A」
という。)による請求項1、2、3、5に係
る特許に対する特許異議の申立て
令和 2年 6月 4日 :特許異議申立人飯田典子(以下「申立人B」
という。)による請求項1、2、3、5に係
る特許に対する特許異議の申立て
令和 2年 8月27日付け:取消理由通知書
令和 2年10月13日 :特許権者による意見書及び訂正請求書の提出
上記令和 2年10月13日に提出された訂正請求書による特許請求の範囲に係る訂正は、訂正前の請求項1に訂正前の請求項3の内容を加え、訂正前の請求項3を削除したものであるところ、申立人A、Bは、それぞれ、異議申立書において既に訂正前の請求項1を引用する訂正前の請求項3に対して意見を述べており、請求項1の従属請求項である2、5についても同様であるから、特許法第120条の5第5項ただし書に規定される「特別の事情があるとき」にあたり、申立人に意見書を提出する機会を与える必要はないものである。
第2 本件訂正請求について
1 訂正の内容
本件訂正請求による訂正の内容(以下「本件訂正」という。)は、以下のとおりである。(下線は、訂正箇所を示す。)
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に、「天板部、床面に沿って設けられる第一のベース部材、及び該第一のベース部材上に設けられて上下方向に延び、前記天板部を支持する支持脚を備えたデスク装置と、
パネル面を有する仕切体、及び前記床面上に設置され前記仕切体を支持する支持体を備えた仕切りユニットとを備え、
前記デスク装置の前記支持脚の前記第一のベース部材は、前記パネル面に直交する方向に延び、
前記仕切りユニットの前記支持体は、前記パネル面に直交する方向に延び、前記デスク装置の前記第一のベース部材と前記床面との隙間に挿入されたベースプレートを有する第二のベース部材を備える什器システム。」とあるのを、「天板部、床面に沿って設けられる第一のベース部材、及び該第一のベース部材上に設けられて上下方向に延び、前記天板部を支持する支持脚を備えたデスク装置と、
パネル面を有する仕切体、及び前記床面上に設置され前記仕切体を支持する支持体を備えた仕切りユニットとを備え、
前記デスク装置の前記支持脚の前記第一のベース部材は、前記パネル面に直交する方向に延び、
前記仕切りユニットの前記支持体は、前記パネル面に直交する方向に延び、前記デスク装置の前記第一のベース部材と前記床面との隙間に挿入されたベースプレートを有する第二のベース部材を備え、
前記仕切りユニットにおける前記支持体の前記第二のベース部材は、前記ベースプレートから前記デスク装置の幅方向に延びて前記仕切体が連結されるステー部とを有する什器システム。」に訂正する。(請求項1の記載を引用する請求項2~5も同様に訂正する。)
(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項3を削除する。
(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項4に、「前記支持体は、前記ステー部に固定された基部、及び前記基部から上方に向けて延び、前記仕切体に形成されたパネル固定用穴に挿入されたインサート部を有するブラケットを備える請求項3に記載の什器システム。」とあるのを、「前記支持体は、前記ステー部に固定された基部、及び前記基部から上方に向けて延び、前記仕切体に形成されたパネル固定用穴に挿入されたインサート部を有するブラケットを備える請求項1または請求項2に記載の什器システム。」に訂正する。
(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項5に、「前記支持脚は、上下方向に伸縮可能で、前記天板部の高さを調整可能である請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の什器システム。」とあるのを、「前記支持脚は、上下方向に伸縮可能で、前記天板部の高さを調整可能である請求項1、請求項2、請求項4のいずれか一項に記載の什器システム。」に訂正する。
(5)訂正事項5
明細書の段落【0006】を、
「【0006】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
この発明に係る什器システムは、天板部、床面に沿って設けられる第一のベース部材、及び該第一のベース部材上に設けられて上下方向に延び、前記天板部を支持する支持脚を備えたデスク装置と、パネル面を有する仕切体、及び前記床面上に設置され前記仕切体を支持する支持体を備えた仕切りユニットとを備え、前記デスク装置の前記支持脚の前記第一のベース部材は、前記パネル面に直交する方向の延び、前記仕切りユニットの前記支持体は、前記パネル面に直交する方向に延び、前記デスク装置の前記第一のベース部材と前記床面との隙間に挿入されたベースプレートを有する第二のベース部材を備え、前記仕切りユニットにおける前記支持体の前記第二のベース部材は、前記ベースプレートから前記デスク装置の幅方向に延びて前記仕切体が連結されるステー部とを有する。」に訂正する。
(6)訂正事項6
明細書の段落【0008】の記載を削除する。
2 訂正の目的、特許請求の範囲の拡張・変更の存否、新規事項の有無
(1)訂正事項1
ア 訂正の目的
訂正事項1は、訂正前の請求項1を、訂正前の請求項3の内容である「前記仕切りユニットにおける前記支持体の前記第二のベース部材は、前記ベースプレートから前記デスク装置の幅方向に延びて前記仕切体が連結されるステー部とを有する」によって減縮するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とした訂正である。
イ 特許請求の範囲の拡張または変更
訂正事項1は、上記アのとおり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
ウ 新規事項
願書に添付した特許請求の範囲の【請求項3】には、「前記仕切りユニットにおける前記支持体の前記第二のベース部材は、前記ベースプレートから前記デスク装置の幅方向に延びて前記仕切体が連結されるステー部とを有する請求項1または請求項2に記載の什器システム。」と記載されている。
そのため、訂正事項1において、上記アに示した限定を行った点は、願書に添付した特許請求の範囲、明細書及び図面(以下、「本件特許明細書等」という。)に記載された事項の範囲内で行ったものと認めることができる。
よって、訂正事項1は、本件特許明細書等に記載された事項の範囲内でしたものと認められ、新規事項の追加に該当しない。
(2)訂正事項2
訂正事項2は、請求項の記載を削除する訂正であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであることは明らかである。
(3)訂正事項3
訂正事項3は、訂正前の請求項4が、訂正前の請求項3を引用する記載であったものを、請求項3の削除に伴って、請求項1または2を引用する記載に改める訂正である。そして、訂正前の請求項3は請求項1または2を引用するものであり、また、訂正事項1に係る本件訂正により、訂正前の請求項3の記載は、実質的に請求項1及び請求項1を引用する請求項2に加えられているから、訂正事項3は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであることは明らかである。
(4)訂正事項4
訂正事項4は、訂正前の請求項5が、訂正前の請求項1から請求項4のいずれか一項を引用する記載であったものを、請求項3の削除に伴って、請求項1、請求項2、請求項4のうちの何れか一項を引用する記載に改める訂正である。よって、訂正事項4は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであることは明らかである。
(5)訂正事項5
訂正事項5は、明細書の段落【0006】の記載と訂正後の請求項1の記載とを整合させるための訂正であり、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであることは明らかである。
(6)訂正事項6
訂正事項6は、訂正事項5に係る本件訂正により、明細書の段落【0006】の記載と訂正後の請求項1の記載とを整合させるために訂正前の明細書の段落【0008】の内容を明細書の段落【0006】に記載したことに伴い、明細書の段落【0008】の記載を削除したものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであることは明らかである。
3 一群の請求項について
訂正前の請求項2ないし5は請求項1を直接的又は間接的に引用しているものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものであるから、訂正前の請求項1ないし5に対応する訂正後の請求項1ないし5は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。
4 独立特許要件について
(1)請求項1、2、3、5について
訂正前の請求項1、2、3、5については、いずれも特許異議の申立てがされているから、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は課されない。
(2)請求項4について
訂正事項1ないし4に係る訂正により補正されることとなる訂正後の請求項4に係る発明については特許異議の申立てがされておらず、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は課されるため、以下検討する。
訂正後の請求項4に係る発明は、以下のとおりである。
「【請求項4】
前記支持体は、前記ステー部に固定された基部、及び前記基部から上方に向けて延び、 前記仕切体に形成されたパネル固定用穴に挿入されたインサート部を有するブラケットを備える請求項1または2に記載の什器システム。」
訂正後の請求項1または2を引用する訂正後の請求項4に記載された発明において特定されている「前記支持体は、(「第二のベース部材」の「ベースプレートから前記デスク装置の幅方向に延びて前記仕切体が連結される」)前記ステー部に固定された基部、及び前記基部から上方に向けて延び、 前記仕切体に形成されたパネル固定用穴に挿入されたインサート部を有するブラケットを備える」ことは、申立人A、申立人Bの提出した各証拠には記載も示唆もされていない。
よって、訂正後の請求項4に係る発明は、特許出願の際に独立して特許を受けることができるものである。
5 まとめ
以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項ないし第7項の規定に適合する。
したがって、明細書、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-5〕について訂正することを認める。
第3 訂正後の本件発明
本件訂正請求により訂正された請求項1ないし5に係る発明(以下、「本件訂正発明1」等という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1ないし5に記載された次の事項により特定される以下のとおりのものである。
「【請求項1】
天板部、床面に沿って設けられる第一のベース部材、及び該第一のベース部材上に設けられて上下方向に延び、前記天板部を支持する支持脚を備えたデスク装置と、
パネル面を有する仕切体、及び前記床面上に設置され前記仕切体を支持する支持体を備えた仕切りユニットとを備え、
前記デスク装置の前記支持脚の前記第一のベース部材は、前記パネル面に直交する方向に延び、
前記仕切りユニットの前記支持体は、前記パネル面に直交する方向に延び、前記デスク装置の前記第一のベース部材と前記床面との隙間に挿入されたベースプレートを有する第二のベース部材を備え、
前記仕切りユニットにおける前記支持体の前記第二のベース部材は、前記ベースプレートから前記デスク装置の幅方向に延びて前記仕切体が連結されるステー部とを有する什器システム。
【請求項2】
前記デスク装置の前記第一のベース部材と、前記仕切りユニットにおける前記支持体の前記第二のベース部材とを前記床面に沿った方向に移動不能に拘束する位置決め機構を備える請求項1に記載の什器システム。
【請求項3】
(削除)
【請求項4】
前記支持体は、前記ステー部に固定された基部、及び前記基部から上方に向けて延び、前記仕切体に形成されたパネル固定用穴に挿入されたインサート部を有するブラケットを備える請求項1または請求項2に記載の什器システム。
【請求項5】
前記支持脚は、上下方向に伸縮可能で、前記天板部の高さを調整可能である請求項1、請求項2、請求項4のいずれか一項に記載の什器システム。」
第4 申立人により提出された証拠及びそれらの記載内容について
1 証拠一覧
申立人が特許異議申立書とともに提出した証拠は、以下の通りである。
(1) 引用文献1 特開2013-183795号公報
(申立人A提出の異議申立書添付の甲第1号証、
申立人B提出の異議申立書添付の甲第1号証)
(2) 引用文献2 意匠登録第1461131号公報
(申立人A提出の異議申立書添付の甲第2号証)
(3) 引用文献3 特表2000-506399号公報
(申立人B提出の異議申立書添付の甲第2号証)
(4) 引用文献4 特開2003-111624号公報
(申立人A提出の異議申立書添付の甲第3号証)
2 証拠の記載内容
(1)引用文献1 特開2013-183795号公報
引用文献1には、以下の記載がある。(当審で下線を付与。以下同様。)
ア「【0001】
本発明は、オフィスや病院、公共施設等における執務空間にて使用される
デスク本体に装着され執務に使用可能な物品等を収容するためのラック装置、及びこれとデスク本体とを備えたデスク装置に関する。」
イ「【0015】
図1に示すように、デスク装置100は、デスク本体10の背面側に、ラック装置20が設置されることで構成される。
ここで、デスク本体10は、床面F上に互いに離間して立設された一対の脚体11、11と、これら脚体11、11上に載置された天板12と、を少なくとも有する。デスク本体10は、脚体11、11間に、床面Fに直交する面内に位置する幕板13が設けられている。
デスク本体10を使用するときにユーザが位置する側を前方、その反対側を後方としたとき、このデスク本体10は、脚体11の後端部11rが、天板12の後端部12rよりも、前方に位置している。これにより、天板12の下方において、脚体11の後端部11rよりも後方の空間が配線用空間Acとされている。
【0016】
ラック装置20は、天板12の幅方向両端部に位置し、床面F上に互いに離間し、天板12の上方まで床面F上から立設される一対の支柱21、21と、配線用空間Ac内で床面Fと平行に配置されてこれら支柱21、21同士を連結する上部連結部材22および下部連結部材23と、を少なくとも備えている。」
ウ「【0018】
図2、図3に示すように、支柱21は、その下端部21aが下部ジョイント部材(第二の連結部材)25によりデスク本体10の脚体11に連結され、中間部21bが中間部ジョイント部材(第一の連結部材)26によりデスク本体10の天板12に連結されている。
【0019】
図2に示すように、下部ジョイント部材25は、支柱21に直交する方向に延びる略J字状の断面を有したサポートプレート27と、このサポートプレート27上に連結される連結プレート28とを有する。
サポートプレート27は、連結プレート28が載置される板状の載置部27aと、載置部27aの幅方向両側に上方に向けて立ち上がるように形成され、連結プレート28をサポートするガイド部27b、27cとを有し、載置部27a及びガイド部27b、27cにより断面略J字状に形成されている。
連結プレート28の一端部28aには、一端部28aと他端部28bとを結ぶ方向に長い長孔29が形成されている。この長孔29と、サポートプレート27に形成されたネジ孔27zとにボルト30を挿入して締結することで、サポートプレート27と連結プレート28とが連結される。このとき、ボルト30に対する長孔29の位置を適宜調整することで、連結プレート28のサポートプレート27に対する他端部28bの突出寸法を調整できるようになっている。
【0020】
図2(a)に示したように、連結プレート28の他端部28bには、一端部28aと他端部28bとを結ぶ方向に直交する方向に凹となる係止凹部31が形成されている。 図2(b)に示したように、連結プレート28の他端部28bは、デスク本体10の脚体11の底面11bに高さ調整のために設けられたアジャスタボルト32の頭部32aと脚体11の底面11bとの間に挿入し、係止凹部31にアジャスタボルト32の軸部32bを挿入させる。
これにより、下部ジョイント部材25は、その下端部が、脚体11から離間・接近する方向への一定寸法(係止凹部31の幅)以上の移動が、係止凹部31とアジャスタボルト32との係止により阻止される。」
エ「【0021】
図3に示すように、中間部ジョイント部材26は、支柱21の中間部21bに設けられ、支柱21に対して下部ジョイント部材25と平行にデスク本体10に向けて前方へ延びるベースプレート26aと、ベースプレート26aの上端部から天板12の下面と平行となるよう折り曲げられてデスク本体10の左右方向外側へ向かうようにベースプレート26aから張り出す張出部26bと、張出部26bから天板12の側面と平行となるよう立ち上がる固定プレート部26cと、を有する。
このような中間部ジョイント部材26は、張出部26bを天板12の下面に沿わせた状態で、固定プレート部26cが天板12の側面に沿うようになっている。そして、固定プレート部26cに形成された貫通孔35と、天板12の側面に予め形成されたボルト穴12zにボルト36をねじ込むことで、中間部ジョイント部材26により支柱21が天板12に連結・固定される。
【0022】
ここで、固定プレート部26cに、天板12の前方に向けて延びる延長プレート部26dを設け、天板12の側面には、延長プレート部26dの上下に互いに平行に位置するガイド部37、37を設ける構成とするのが好ましい。これにより、延長プレート部26dが上下に挟まれて上下方向への移動が規制される。
【0023】
上記したような下部ジョイント部材25および中間部ジョイント部材26によって、支柱21はデスク本体10の脚体11の下端部と天板12とに連結される。下部ジョイント部材25においては、係止凹部31がアジャスタボルト32に係止することによって、支柱21の下端部が脚体11から離間・接近する方向に移動するのが規制され、中間部ジョイント部材26においては、ボルト36によって天板12に固定されるとともに、延長プレート部26dによって上下方向への移動が規制されている。これによって、支柱21は、デスク本体10に強固に連結され、転倒が確実に阻止される。」
オ「【0026】
このような基本構成を有するラック装置20には、様々なオプションを設けることができる。
例えば図6に示すように、天板12よりも上方に、パネル48を設けることができる。このパネル48は、その両側端部に貫通孔(図示無し)を形成しておき、支柱21、21に形成されたビス孔(図示無し)に、ビス49等によって固定することができる。」
カ「【0032】
係止凹部31にアジャスタボルト32を係止させるようにしたが、係止凹部31に代えて貫通孔を連結プレート28に形成し、この貫通孔にアジャスタボルト32の軸部32bを挿通させるようにしても良い。
・・・(後略)・・・」
キ「【図1】
」
ク「【図2】
」
ケ「【図8】
」
コ 上記イの記載を踏まえると、上記キの図1からは、デスク本体10の脚体11が、床面Fに沿って前後に延びる部分と、天板の後方部分に位置し、床面Fに沿って前後に延びる部分からさらに上方に延びて天板12を支持する部分とを有することが看取される。
上記オの記載を踏まえると、上記キの図1からは、ラック装置20はパネル面を有するパネル48を備え、パネル48は支柱21、21に固定されて支持されること、デスク本体10の天板12の長手方向に沿った方向である「デスク本体10の幅方向」が「パネル面と平行な方向」であることが看取される。
さらに、デスク装置の天板は一般的に長方形であるとの技術常識を考慮すると、上記キの図1からは、デスク本体10の幅方向と直交する「デスク本体10の前後方向」が「パネル面と直交する方向」であり、デスク本体10の脚体11の床面Fに沿って前後に延びる部分及び下部ジョイント部材25は、パネル面と直交する方向であって、デスク本体10の幅方向と直交する方向に延びていることが看取される。
上記イ【0016】の「ラック装置20は、天板12の幅方向両端部に位置し、・・・立設される一対の支柱21、21・・・を・・・備えている。」との記載、上記ウ【0018】の「支柱21は、その下端部21aが下部ジョイント部材(第二の連結部材)25によりデスク本体10の脚体11に連結され」との記載、上記ウ【0019】の「下部ジョイント部材25は、支柱21に直交する方向に延びる略J字状の断面を有したサポートプレート27と、このサポートプレート27上に連結される連結プレート28とを有する。」との記載を踏まえると、上記キの図1、上記クの図2からは、ラック装置20の支柱21とデスク装置の脚体11とは、ともに天板12の幅方向両端部に位置し、下部ジョイント部材25で連結され、下部ジョイント部材25は、ラック装置20の支柱21の下端部21aに連設されるサポートプレート27とサポートプレート27上に連結される連結プレート28とを有し、連結プレート28はデスク本体10の脚体11の底面11bと床面Fとの間に挿入され、下部ジョイント部材25は、サポートプレート27及び連結プレート28を含む全体が、脚体11と同じ方向である、パネル面と直交する方向に延びていることが看取される。
(2)引用発明1
上記(1)の記載からみて、引用文献1には以下の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。
引用発明1
「ラック装置20とデスク本体10とを備えたデスク装置100であって、
デスク本体10は、床面F上に互いに離間して立設された一対の脚体11、11と、これら脚体11、11上に載置された天板12と、を少なくとも有し、
デスク本体の脚体11は、床面Fに沿って前後に延びる部分と、天板の後方部分に位置し、床面Fに沿って前後に延びる部分からさらに上方に延びて天板を支持する部分とを有し、
ラック装置20は、天板12の幅方向両端部に位置し、床面F上に互いに離間し、天板12の上方まで床面F上から立設される一対の支柱21、21と、床面Fと平行に配置されてこれら支柱21、21同士を連結する上部連結部材22および下部連結部材23と、支柱21、21に固定されて支持される、パネル面を有するパネル48とを備え、
支柱21は、その下端部21aがサポートプレート27と連結プレート28とを有する下部ジョイント部材25によりデスク本体10の脚体11に連結され、下部ジョイント部材25は、デスク本体10の幅方向と直交する方向に延び、中間部21bが中間部ジョイント部材26によりデスク本体10の天板12に連結されており、
脚体11の、床面Fに沿って前後に延びる部分と、天板の後方部分に位置し、床面Fに沿って前後に延びる部分からさらに上方に延びて天板を支持する部分とを含む全体及び下部ジョイント部材25のサポートプレート27及び連結プレート28を含む全体はパネル48のパネル面と直交する方向であってデスク本体10の幅方向と直交する方向に延びており、下部ジョイント部材25の連結プレート28は脚体11の底面11bと床面Fとの間に挿入されてなるデスク装置であって、
連結プレート28に形成された係止凹部31ないし係止凹部31に代えて形成した貫通孔とデスク本体10の脚体11の底面11bに設けられたアジャスタボルト32の軸部32bとの係止によって、支柱21の下端部が脚体11から離間・接近する方向に移動するのを規制することができる、デスク装置100。」
(3)引用文献2 意匠登録第1461131号公報
引用文献2には、以下の記載がある。ただし、【斜視図】、【使用状態を示す参考斜視図】の図中の符号は、申立人Aが付与したもので、下記クないしコにおいて、各部材の位置を特定するための参考として付記している。
ア「【意匠に係る物品】家具取付け用本棚」
イ「【斜視図】
」
ウ「【正面図】
」
エ「【底面図】
」
オ「【A-A線断面図】
」
カ「【B-B線断面図】
」
キ「【使用状況を示す参考斜視図】
」
ク 上記アの「【意匠に係る物品】家具取付け用本棚」との記載を踏まえると、上記キの【使用状況を示す参考斜視図】からは、本棚が取り付けられる家具(図中符号Dで示される)が天板部(1)及び脚(2、3)を備えたデスク装置(D)であり、脚が床面に沿って前後に延びるベース部材(2)と、該ベース部材からさらに上方に延びて天板部を支持する支持脚(3)とを備えることが看取される。
ケ 上記アの「【意匠に係る物品】家具取付け用本棚」との記載を踏まえ、上記イの【斜視図】、上記ウの【正面図】、上記エの【底面図】、上記オの【A-A線断面図】及び上記カの【B-B線断面図】を総合すると、上記イの【斜視図】中の左右両側に存在し、紙面上下に長く延びる棒状の部材(図中符号8で示される)は本棚を支持する柱状部材(8)であり、当該本棚を支持する柱状部材(8)間には、頂部に横架材が、中間部にパネル面(pm)を有する面状の部材(4)が存在することが看取される。
また、当該柱状部材(8)の下部から、上記ウの【正面図】でみて断面逆L字の部材及び断面逆L字の部材の下部に位置する板状の部材が面状の部材(pm)と直交する方向の一方側に突出して設けられており、下部に位置する板状の部材は、イの【斜視図】及びカの【B-B線断面図】でみて、突出した先端側に左右外向きに凹部を有していることが看取される。
さらに、上記イの【斜視図】、上記オの【A-A線断面図】からは、柱状部材の中間部から両側に延びる部材は、面状の部材(pm)と直交する方向の両側に延びていることが看取される。
コ 上記ケ及び上記キの【使用状況を示す参考斜視図】を総合してみると、柱状部材(8)の下部から一方側に突出して設けられた板状の部材は、デスク装置(D)の床面に沿って前後に延びるベース部材(2)と連続し、板状の部材はベース部材(2)よりも下側ないし斜視図奥側にあること、ベース部材(2)はパネル面(pm)に直交する方向に延び、柱状部材(8)の中間部から両側に突出して設けられた部材は、両側のデスク装置の天板(1)とそれぞれ連続し、家具としてのデスク装置と本棚とが組となって什器となっていることが看取される。
(4)引用発明2
上記(3)からみて、引用文献2には以下の発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されていると認められる。
引用発明2
「天板部、床面に沿って前後に延びるベース部材、及び該ベース部材上からさらに上方に延び、前記天板部を支持する支持脚を備えたデスク装置と、
パネル面を有する面状の部材、及び前記面状の部材と横架材とが間に存在する前記床面上に設置される一対の柱状部材とを備え、
デスク装置の支持脚のベース部材は、パネル面に直交する方向に延び、
面状の部材が間に存在する柱状部材から断面逆L字の部材とその下部に位置する板状の部材がパネル面に直交する方向に延び、
板状の部材は先端側に左右外向きに凹部を有し、デスク装置の床面に沿って前後に延びるベース部材と連続し、柱状部材の中間部から両側に延びる部材は、両側のデスク装置の天板とそれぞれ連続し、
デスク装置と本棚とが組となった什器。」
(5)引用文献3 特表2000-506399号公報
引用文献3には、以下の記載がある。
ア「図面を参照して、第9~11図はモジュラ・デスク2を示しており、このモジュラ・デスクはワーク面部材10、一対の脚20およb(当審註:「および」の誤記と認める。)モジュール維持装置30を包含する。各脚20は頂部22、底部24および後面26を有する。第11図に示すように、各脚20の頂部22は取り付けブラケット28に取り付けてある。各脚20の底部24は支持部材29に取り付けてある。支持部材29は支持面3、代表的には床面と係合するようになっている。
ワーク面部材10は頂面12、底面14、一対の側縁15、前縁16および後縁18を有する。
・・・中略・・・
・・・モジュラ・デスク2の幅は、代表的には、第1~3図に示すように、或る特別の一定距離(L)に維持される。図示のデスク2において、幅(L)は約48インチであり、デスク2の取り扱い、移動が容易であり、それと同時にワーク面部材10のワークスペースを適切な面積に保つことができる。デスクの幅が一定に保たれる場合、システムの隣り合ったデスクあるいはパネルを移動あるいは調節することなくデスク2を取り除き、別のデスクを適当な場所に据え付けることができる。本質的に、システムのモジュール状態が維持される。
・・・中略・・・
第9図に示すような単純な矩形ワーク面を持つデスクのシステムでは、結果的に、深さDが横並びに配置されたすべてのデスクを横切って一定に留まることになり、横並びに配置されたすべてのデスクの前縁16が一直線に揃うことになる。」(公報第39頁第14行~第40頁下から5行)
イ「好ましい実施例において、デスク2の脚20は、第11図に示すように、高さ調節可能である。各脚20は下方部材25と、この下方部材25に摺動自在に受け入れられた上方部材23とを包含する。上方部材23は固定した下方部材25内で昇降できる。この実施例では、モジュール維持装置34が下方部材25に取り付けてある。したがって、モジュール維持装置30は、上方部材23およびそこにとり付けたワーク面部材10が上昇あるいは下降するときに固定状態の留まる。」(公報第62頁下から8行~下から2行)
ウ「モジュラ・デスクは、壁パネル・システム、たとえば、ミシガン州ZeelanndのHerman Miller Inc.の市販する「ACTI0N OFFICE」または「ETHOSPACE」壁パネル・システムと組み合わせても使用できる。第7図に示すように、モジュラ・デスク2は、境界面32が壁パネル面202と突き合うように設置する。このように設置したとき、モジュラ・デスクは、第23図に示すように、コネクタ・ブラケット800でパネルに機械的に留め、パネルの支えとする共にデスクが変位するのを防ぐことができる。
コネクタ・ブラケット800は、プレート部材802と、このプレート部材から後方に延びる複数のフック804とを包含する。フック804はパネル200の端に取り付けたスタンダード808内に位置するスロット806と作動係合するようになっている。プレート部材802はほぼ垂直方向に配置した4つの開口を有する。2つの上方孔810が、モジュール維持装置支持部材の側壁31に設けた孔814と整合するように位置している。2つの下方開口は垂直方向のスロット状となっている。2つのファスナをスロット813内に配置し、足ブラケット816をコネクタ・ブロック800に固着する。足ブラケット816は、2つの直角のフランジ818、820と、これらのフランジの一方から外方に延びるフック部材822とを包含する。フック部材822は支持部材29の後部823と作動係合する。2つの下方開口はスロット状になっていて足ブラケット816の据え付けを容易にしている。
据え付け時、足ブラケット816上のフック部材822は支持部材の後部823と係合し、プレート802が複数のファスナで側壁に取り付けてある。加えて、フック部材804をスタンダード808のスロット806に挿入し、作動係合させる。こうして、モジュラ・デスクをパネルに取り外し自在に取り付けることができる。」(公報第69頁第18行~第70頁14行)
エ「境界面32が壁パネル面202と衝合するようにモジュラ・デスク2をパネルまたは壁に取り付ける他の例が、第58-79図の調度・パネル・システムで示してある。第58図に示すように、一対のパネル200がシーム1056に沿って互いに整合して取り付けてあり、これらのパネルは支持面1060、たとえば、床面にほぼ直角に位置する。パネル200は、支持面1060上にパネル200を支持する助けとなるスタンドまたはグライド1058を包含する。1つの調度、たとえば、モジュラ・デスク2が、ワーク面部材10の後縁18がパネル200に対してほぼ平行となり、支持部材40の側壁31がパネル200に対してほぼ直角となるように設置される。
ここで、側壁31が支持スタンドまたはグライド1062を包含することができ、この場合、グライドの回転でスクリュウを回転させ、デスクを上昇あるいは下降させることができることに注目されたい。」(公報第70頁第15~27行)
オ「第58-63、66-69図のアタッチメント・システム1064の第2コンポーネントは支持面1060上に位置する支持プレート1096である。支持プレートは先の述べた「ACTION OFFICE」、「ETHOSPACE」壁パネル・システムの両方で使用できる。第61、62、69図に示すように、支持プレート1096は、パネル20の一部を受け入れるパネル・レセプタクル1098と、調度の側壁31の一部を受け入れる壁レセプタクル1100とを包含する。パネル・レセプタクル1098は第61、69図に示してあり、支持プレート1096に対してほぼ直角に形成した3つの矩形の取り付け片1102を有する。取り付け片1102はパネル200の支持スタンドまたはグライド1058を挿入することのできる領域Aを構成する。取り付け片1102はグライド1058の側面と衝合、係合して支持プレート1096がパネル200から外れるのを防ぐ(第61図参照)。
支持プレート1096は異なった寸法の調度に順応するように調節可能である。第61、62、69図に示すように、壁レセプタクル1100は一対のスロット1106、1108を有する。取り付けてあるモジュラ・デスクのタイプに依存して、パネル・レセプタクル1098に形成したタブ1110がスロット1106、1108の一方に挿入してある。たとえば、タブ1110をスロット1106に挿入した場合、電力クランク調節可能テーブル・デスクを壁レセプタクル1100に取り付けることができる。取り付けを行うには、前部タブ1112のような取り付け片がグライド1062の底部に形成したスロット(図示せず)に挿入されるようにグライド1062を下降させる。固定高さテーブル・デスクの取り付けは、タブ1110がスロット1108に挿入されることを除いて、電力クランク調節可能テーブル・デスクと同じ要領で行われる。」(公報第72頁第13行~第73頁第8行)
カ「 あるいは、モジュラ・デスクは、第35図に示すようにデスクの側部が壁パネルに衝合するように位置させることができる。この実施例では、第24図に示す別のコネクタ・ブラケット840を用いて、第35図に示すように、パネルにデスクを取り付けることができる。コネクタ・ブラケットは、プレート部材842と、このプレート部材から直角に延びるフランジ844とを包含する。フランジはパネル・スタンダードにあるスロットと作動係合するようになっている複数のフック部材846を包含する。プレート部材842は、先に述べたように複数の開口を包含しており、コネクタ・ブラケットをモジュール維持装置、足ブラケットに取り付ける手段を提供する。」(公報第75頁第4~12行)
キ「【図3】
」
上記アの記載を踏まえると、図3からは、モジュラ・デスク2は、ワーク面部材10の一対の側縁15、15間がモジュラ・デスク2の幅(L)とされ、脚20及び支持部材29はモジュラ・デスク2の幅方向端部に設けられ、支持部材29はモジュラ・デスク2の幅方向と直交する方向に延びていることが看取される。
ク「【図11】
」
図11からは、支持部材29が床面3に沿って設けられることが看取される。
ケ「【図23】
」
コ「【図24】
」
サ「【図35】
」
シ「【図61】
」
ス「【図62】
」
図62からは、支持プレート1096が、パネル200と直交する方向に延び、モジュラ・デスク2の支持部材29と床面との隙間に壁レセプタクル1100が挿入されていること、モジュラ・デスク2の支持部材29は、支持プレート1096と同様パネル200と直交する方向に延びていること、パネル200がパネル面を有すること、モジュラ・デスク2の支持部材29は後端にグライド1062が設けられていることが看取される。
また、「支持部材29はモジュラ・デスク2の幅方向と直交する方向に延びている」(上記キ)ことを踏まえると、支持プレート1096は支持部材と同様、モジュラ・デスク2の幅方向と直交する方向に延びていることが理解できる。
セ「【図69】
」
(6)引用発明3
上記(5)ア、イ、エ、オ、キ、ク、シないしセからみて、引用文献3には以下の発明(以下、「引用発明3」という。)が記載されていると認められる。
引用発明3
「ワーク面部材10、一対の脚20を包含し、脚20は床面3に沿って設けられる支持部材29に取り付けてあるモジュラ・デスク2と、
グライド1058を包含する、パネル面を有するパネル200と、支持面1060である床面上に位置する支持プレート1096とを備え、
支持プレート1096は、パネル200と直交する方向であってモジュラ・デスク2の幅方向と直交する方向に延びており、パネル20の一部を受け入れるパネル・レセプタクル1098と、壁レセプタクル1100とを包含し、壁レセプタクル1100は支持部材29と床面との隙間に挿入されてなり、
支持部材29は、支持プレート1096と同様パネル200と直交する方向に延びる、
モジュラ・デスク2をパネルに取り付けた、調度・パネル・システムであって、
支持プレート1096は、パネル・レセプタクル1098に形成したタブ1110が壁レセプタクル1100が有する一対のスロット1106、1108の一方に挿入されてなり、パネル・レセプタクル1098は、パネル200のグライド1058の側面と衝合、係合する取り付け片1102を有し、壁レセプタクル1100は、モジュラ・デスク2の支持部材29の後端に設けられたグライド1062の底部に形成したスロットに挿入されるタブ1112を有しており、
デスク2の各脚20は、固定した下方部材25と、下方部材25内で昇降できる上方部材23とを包含し、上方部材23およびそこにとり付けたワーク面部材10が上昇あるいは下降し、高さ調節可能である、調度・パネル・システム。」
(7)引用文献4 特開2003-111624号公報
引用文献4には、以下の記載がある。
ア「【請求項1】パネルや棚板等のオプション部材を取り付け可能な枠体と、この枠体を自立可能に支持する左右1対のベースとを具備するものであって、前記ベースを前記枠体の最も外側の面よりも所定距離内方に位置付け、枠体と同一又は略同一の幅寸法を有する机の反使用端側に配置した場合に、この机の左右1対の支持脚を、前記各ベースの外側にそれぞれ配置し得るように構成していることを特徴とする枠構造体。」
イ「【0015】まず、本実施形態に係る机Dは、その側面図を図2に示すように、天板10と、天板10の左右両端部を支持する1対の支持脚20とからなる。
【0016】天板10は、その下面の左右両端を前記支持脚20に支持させてある平面視矩形状の板材からなるものである。前記支持脚20は、図2に示すように、天板10の下面の両側端部に沿って鉛直方向に延びる支持脚本体201と、前記支持脚本体の上端部に設けた天板受け202と、前記支持脚本体201の下端部から前後対称に突出させた机ベース203とからなる。この支持脚20は、その奥行き方向中央部及び天板10の奥行き方向中央部を横切りそれらの幅方向に延びる起立面平面t1に対して前後対称に構成してある。
【0017】具体的には、支持脚本体201は、外支持脚201a内に内支持脚201bを嵌め入れた二重構造をなし、外支持脚201aを机ベース203に、内支持脚201bを天板受け202にそれぞれ固定するようにしている。また、内支持脚201bを外支持脚201aに対して上下にスライドさせることで天板10の高さを変更し得るようにしている。」
ウ「【0051】【発明の効果】本発明は、以上に詳述したように枠構造体を構成する枠体の幅寸法を机と同一又は略同一とし、枠構造体のベースを枠体の最も外側の面よりも所定距離内方に位置付け、その一方で机の左右1対の支持脚が天板の両側端部を支持するように構成したので、机の反使用端に枠構造体に接近させると、机の支持脚がベースの外側に配置されて、机の支持脚が枠構造体のベースに干渉することなく、机の反使用端に枠構造体を一杯に近づけることができる。そのため、机本来の機能は机に果たさせる一方で、棚やデスクトップパネル等のオプション的な機能は枠構造体に担わせることができる。従って、枠構造体と机の間に無駄なスペースを生じることなく、室内空間を存分に利用して、オフィスレイアウトの自由度を飛躍的に向上することができる。」
エ「
」
第5 当審が特許権者に通知した取消理由の概要
訂正前の請求項1、2及び5に係る発明(以下、「本件発明1」等という。)に対して、当審が令和2年8月27日付けで特許権者に通知した取消理由の概要は、次のとおりである。
(1)本件発明1及び2は、引用文献1に記載された発明であるか、または、引用文献1記載の発明から当業者が容易に発明をすることができたものである。
よって、本件発明1及び2は、特許法第29条第1項第3号または同条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、特許法第113条第2号の規定により取り消されるべきものである。
(2)本件発明1は、引用文献2に記載された発明であるか、あるいは、引用文献2記載の発明から、または引用文献2記載の発明及び引用文献1記載の発明から当業者が容易に発明をすることができたものである。
よって、本件発明1は、特許法第29条第1項第3号または同条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、特許法第113条第2号の規定により取り消されるべきものである。
(3)本件発明2は、引用文献2記載の発明及び引用文献1記載の発明から当業者が容易に発明をすることができたものである。
よって、本件発明2は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、特許法第113条第2号の規定により取り消されるべきものである。
(4)本件発明1、2及び5は、引用文献3に記載された発明であるか、または、引用文献3記載の発明から当業者が容易に発明をすることができたものである。
よって、本件発明1、2及び5は、特許法第29条第1項第3号または同条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、特許法第113条第2号の規定により取り消されるべきものである。
第6 取消理由についての当審の判断
上記第2の通り、本件訂正により本件の請求項1ないし5に係る発明は訂正されたので、以下、訂正後の請求項1、2、5に係る発明(以下、「本件訂正発明1」等という。)である本件訂正発明1、2、5について判断する。また、上記第2のとおり、請求項3は本件訂正により削除されている。
1 引用文献1を主引例とした場合
(1)本件訂正発明1について
ア 対比
本件訂正発明1と引用発明1とを対比する。
引用発明1の「天板12」、デスク本体の脚体11の「床面Fに沿って前後に延びる部分」、デスク本体の脚体11の「床面Fに沿って前後に延びる部分からさらに上方に延びて天板を支持する部分」及び「デスク本体」は、それぞれ、本件訂正発明1の「天板部」、「第一のベース部材」、「支持脚」及び「デスク装置」に相当する。
引用発明1の「パネル面を有するパネル48」は、本件訂正発明1の「パネル面を有する仕切体」に相当する。
引用発明1の「パネル48」は、「ラック装置20の「互いに離間」して「床面F上から立設」された「一対の支柱21、21」に固定されて支持されるものであり、ラック装置20は、「一対の支柱21、21」同士を連結する「上部連結部材22」および「下部連結部材23」を備え、「支柱21」が「下部ジョイント部材25によりデスク本体10の脚体11に連結され、中間部21bが中間部ジョイント部材26によりデスク本体10の天板12に連結されて」立設されるものであるから、引用発明1のラック装置20の「床面F上から立設される一対の支柱21、21」、「上部連結部材22」及び「下部連結部材23」並びに支柱をデスク本体に連結して立設する「下部ジョイント部材25」及び「中間部ジョイント部材26」が本件訂正発明1の「支持体」に相当する。
引用発明1の「ラック装置20」は、「パネル48(仕切体)」と、本件訂正発明1の「支持体」に相当する「一対の支柱21、21」、「上部連結部材22」、「下部連結部材23」、「下部ジョイント部材25」及び「中間部ジョイント部材26」を備えたものであるから、本件訂正発明1の「仕切りユニット」に相当する。
引用発明1の「下部ジョイント部材25の連結プレート28」は、パネルを支持する「支持体」の一構成要素であり、パネル48のパネル面と直交する方向に延びており、脚体11の底面11bと床面Fとの間に挿入されてなるものであるから、本件訂正発明1の「ベースプレート」に相当する。
引用発明1の「下部ジョイント部材25」は、「支持体」の一構成要素であり、「連結プレート28(ベースプレート)」を有するものであるから、本件訂正発明1の「第二のベース部材」に相当する。
引用発明1の「デスク装置100」は、「ラック装置20(仕切りユニット)」と「デスク本体10(デスク装置)」とを備えたものであるから、本件訂正発明1の「什器システム」に相当する。
そうすると、本件訂正発明1と引用発明1とは、
一致点
「天板部、床面に沿って設けられる第一のベース部材、及び該第一のベース部材上に設けられて上下方向に延び、前記天板部を支持する支持脚を備えたデスク装置と、
パネル面を有する仕切体、及び前記床面上に設置され前記仕切体を支持する支持体を備えた仕切りユニットとを備え、
前記デスク装置の前記支持脚の前記第一のベース部材は、前記パネル面に直交する方向に延び、
前記仕切りユニットの前記支持体は、前記パネル面に直交する方向に延び、前記デスク装置の前記第一のベース部材と前記床面との隙間に挿入されたベースプレートを有する第二のベース部材を備える什器システム。」
で一致し、以下の点で相違する。
相違点1A
本件訂正発明1は、「前記仕切りユニットにおける前記支持体の前記第二のベース部材は、前記ベースプレートから前記デスク装置の幅方向に延びて前記仕切体が連結されるステー部とを有する」のに対し、引用発明1の「下部ジョイント部材(第二のベース部材)」は、全体がテスク本体10(デスク装置)の天板12と直交方向、すなわち、「デスク装置の幅方向と直交する方向」に延びるものであって、「連結プレート(ベースプレート)」から「デスク装置の幅方向に延びて前記仕切体が連結されるステー部」を有しない点。
イ 新規性についての判断
本件訂正発明1と引用発明1とには、実質的な相違点が存在するから、本件訂正発明1は引用発明1と同一ではない。
ウ 進歩性についての判断
上記相違点1Aについて検討する。
引用発明1の「下部ジョイント部材(第二のベース部材)」は、「デスク装置の幅方向と直交する方向に延び」るものであって、「連結プレート(ベースプレート)」から「デスク装置の幅方向に延びて前記仕切体が連結されるステー部」を有しない。
引用発明1の「デスク装置100(什器システム)」は、「下部ジョイント部材25(第二のベース部材)」が、「デスク装置の幅方向と直交する方向に延び」るものであるが、これは、引用文献1の「デスク本体10(デスク装置)」の「脚体11(支持脚)」と「ラック装置20(仕切りユニット)」「支柱21(「支持体」の一部を構成)」とがデスク装置の幅方向と直交する同じ直線上に存在することに起因する必然的な帰結であり、引用文献1には、連結プレート(ベースプレート)」から「デスク装置の幅方向に延びて前記仕切体が連結されるステー部」を設けることについて記載もなく、示唆もない。
そして、上記相違点1Aに係る本件訂正発明1の構成が、本件特許の出願前に周知の技術であるともいえない。
以下、上記相違点1Aに係る本件訂正発明1の構成が、申立人A、Bが提出した文献からみて公知技術であるかについて検討する。
(引用文献1)
引用文献1には、上述したように、「連結プレート(ベースプレート)」から「デスク装置の幅方向に延びて前記仕切体が連結されるステー部」を設けることについて記載もなく、示唆もない。
(引用文献2)
引用発明2は、本件訂正発明1の「ベースプレート」に相当する「板状の部材」と、「第二のベース部材」に相当する「断面逆L字の部材とその下部に位置する板状の部材」が開示されるが、「第二のベース部材」に相当する「断面逆L字の部材とその下部に位置する板状の部材」は「パネル面に直交する方向に延び」るものであり、「板状の部材」(ベースプレート)から「デスク装置」(デスク装置)の幅方向に延びる部材を有するものではなく、本件訂正発明1の「デスク装置の幅方向に延びて前記仕切体が連結されるステー部」との構成を備えない。
引用文献2のその他の記載を参酌しても、引用文献2には、「板状の部材(ベースプレート)」から「デスク装置の幅方向に延びて前記仕切体が連結されるステー部」を設けることについて記載もなく、示唆もない。
(引用文献3)
引用発明3には、本件訂正発明1の「ベースプレート」に相当する「壁レセプタクル1100」と、「第二のベース部材」に相当する「支持プレート1096」が開示されるが、「第二のベース部材」に相当する「支持プレート1096」は「パネル面に直交する方向に延び」るものである。「支持プレート1096」(第二のベース部材)は、「モジュラ・デスク2」(デスク装置)との関係では、デスク装置の幅方向と直交する方向に延びるものとなっており、引用発明3は、「壁レセプタクル1100」(ベースプレート)から「モジュラ・デスク2」(デスク装置)の幅方向に延びる部材を開示しない。よって、本件訂正発明1の「デスク装置の幅方向に延びて前記仕切体が連結されるステー部」との構成を備えない。
引用文献3の公報第69頁第18行~第70頁14行(第4 2(5)ウ)ないし図23(第4 2(5)ケ)には、パネル200側に取り付けられる足ブラケット816のフック部材822がデスク装置の床面に沿って設けられる部材である支持部材29の後部823において、床面との隙間に挿入されて作動係合することが開示されている。
しかし、足ブラケット816のフック部材822は、パネル200に機械的に留められたコネクタ・ブラケット800に固着されるものであり、コネクタ・ブラケット800はパネル200の端に取り付けたスタンダード808内に位置するスロット806にフック804を係合させて取り付けるものであって、コネクタ・ブラケット800は「支持部材29」と床面との間の隙間に挿入されたものではないから、第一のベース部材と床面との隙間に挿入された「ベースプレート」からデスク装置の幅方向に延びるものではない。
引用文献3の公報第75頁第4~12行(第4 2(5)カ)ないし図35(第4 2(5)サ)に示されるモジュラ・デスクは、「デスクの側部が壁パネルに衝合するように位置させる」ものであり、デスクの支持脚がパネル面に平行な方向に延びるものであって、本件訂正発明1と前提を異にする。また、図24(第4 2(5)コ)のコネクタ・ブラケット840は、コネクタ・ブラケット800(第4 2(5)ウ)と同様、パネルのスロットにフックを係合させて取り付けるものと認められ、「前記床面との隙間に挿入されたベースプレートからデスク装置の幅方向に延びる」ステー部を開示しない。
よって、引用発明3及び引用文献3のその他の記載を総合しても、引用文献3には、「壁レセプタクル1100(ベースプレート)」から「デスク装置の幅方向に延びて前記仕切体が連結されるステー部」を設けることについて記載もなく、示唆もない。
(引用文献4)
引用文献4は、申立人Aが訂正前の請求項5の発明について、支持脚は、上下方向に伸縮可能で、天板部の高さを調整可能であるものとすることが当業者に容易であることを立証するために提出したものである。
引用文献4の「枠構造体」(「仕切りユニット」)の「ベース」(支持体)と「机」(デスク装置)の「机ベース」(第一のベース部材)とは、「机」(デスク装置)の「机ベース」(第一のベース部材)が「枠構造体」(「仕切りユニット」)の「ベース」(支持体)の外側に配置され、干渉しないようになっているものであるから、引用文献4の「ベース」(支持体)は、「デスク装置の第一のベース部材と床面との隙間に挿入されたベースプレート」を備えない。そのため、当然に、「ベースプレート」から「デスク装置の幅方向に延びて前記仕切体が連結されるステー部」を設けることについて記載もなく、示唆もない。
よって、上記相違点1Aに係る本件訂正発明1の構成は、申立人A、Bが提出したいずれの文献にも記載も示唆も無い。
したがって、上記相違点1Aに係る本件訂正発明1の構成は、周知ないし公知の技術ではなく、本件訂正発明1は、引用発明1に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(2)本件訂正発明2、5
本件訂正発明2、5は、本件訂正発明1の構成をすべて含み、さらに限定を加えた発明である。
よって、上記(1)で検討した理由と同様の理由により、本件訂正発明2、5は、引用発明1と同一ではなく、また、引用発明1に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものでもない。
2 引用文献2を主引例とした場合
(1)本件訂正発明1について
ア 対比
本件訂正発明1と引用発明2とを対比する。
引用発明2の「天板部」、「ベース部材」、「支持脚」及び「デスク装置」は、それぞれ、本件訂正発明1の「天板部」、「第一のベース部材」、「支持脚」及び「デスク装置」に相当する。
引用発明2の「パネル面を有する面状の部材」は、本件訂正発明1の「パネル面を有する仕切体」に相当する。
引用発明2において、面状の部材が床面上に設置された柱状部材及び横架材で設けられるフレームに取り付けられ、断面逆L字の部材とその下部に位置する板状の部材及び柱状部材の中間部から両側に突出して設けられた部材でデスク装置に連続することで支持されることは明らかであるから、引用発明2の「床面上に設置される一対の柱状部材」、「横架材」、「断面逆L字の部材とその下部に位置する板状の部材」及び「柱状部材の中間部から両側に突出して設けられた部材」は、本件訂正発明1の「支持体」に相当し、引用発明2の「面状の部材」と本件訂正発明1の「支持体」に相当する「床面上に設置される一対の柱状部材」、「横架材」、「断面逆L字の部材とその下部に位置する板状の部材」及び「柱状部材の中間部から両側に突出して設けられた部材」とは、本件訂正発明1の「仕切りユニット」に相当する。
引用発明2の「デスク装置の支持脚のベース部材は、パネル面に直交する方向に延び」ていることは、本件訂正発明1の「前記デスク装置の前記支持脚の前記第一のベース部材は、前記パネル面に直交する方向に延び、」との構成に相当する。
引用発明2の「柱状部材から断面逆L字の部材とその下部に位置する板状の部材はパネル面に直交する方向に延び」は、本件訂正発明1の「仕切りユニットの支持体は、パネル面に直交する方向に延び、」との構成に相当する。
引用発明2の「板状の部材」は本件訂正発明1の「ベースプレート」に、引用発明2の「断面逆L字の部材とその下部に位置する板状の部材」は、本件訂正発明1の「第二のベース部材」にそれぞれ相当する。
引用発明2の「什器」は、本件訂正発明1の「什器システム」に相当する。
してみると、本件訂正発明1と引用発明2とは、
一致点
「天板部、床面に沿って設けられる第一のベース部材、及び該第一のベース部材上に設けられて上下方向に延び、前記天板部を支持する支持脚を備えたデスク装置と、
パネル面を有する仕切体、及び前記床面上に設置され前記仕切体を支持する支持体を備えた仕切りユニットとを備え、
前記デスク装置の前記支持脚の前記第一のベース部材は、前記パネル面に直交する方向に延び、
前記仕切りユニットの前記支持体は、前記パネル面に直交する方向に延びる、ベースプレートを有する第二のベース部材を備える什器システム。」
で一致し、以下の点で相違する。
相違点1B
本件訂正発明1は、「前記仕切りユニットにおける前記支持体の前記第二のベース部材は、前記ベースプレートから前記デスク装置の幅方向に延びて前記仕切体が連結されるステー部とを有する」のに対し、引用発明2の「断面逆L字の部材とその下部に位置する板状の部材(第二のベース部材)」は、「デスク装置の幅方向と直交する方向に延び」るものであって、「連結プレート(ベースプレート)」から「デスク装置の幅方向に延びて前記仕切体が連結されるステー部」を有しない点。
相違点2
本件訂正発明1は、ベースプレートが「デスク装置の第一のベース部材と床面との隙間に挿入された」ものと特定されているのに対し、引用発明2は、ベースプレートとデスク装置の第一のベース部材ないし床面との位置関係が明確でなく、「デスク装置の第一のベース部材と床面との隙間に挿入された」ものであるか否かが不明な点。
イ 新規性についての判断
本件訂正発明1と引用発明2とには、実質的な相違点が存在するから、本件訂正発明1は引用発明2と同一ではない。
ウ 進歩性についての判断
上記相違点1Bは相違点1Aと同様、「第二のベース部材」が、「ベースプレートから前記デスク装置の幅方向に延びて前記仕切体が連結されるステー部とを有する」点に関するものである。
そして、上記1(1)ウで相違点1Aについて検討したように、相違点1Bの構成は、周知ないし公知の技術ではなく、本件訂正発明1は、当業者が引用発明2から、または、引用発明2及び引用発明1から、容易になし得たものではない。
よって、本件訂正発明1は、相違点2について検討するまでもなく、引用発明2に基いて、または、引用発明2及び引用発明1に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(2)本件訂正発明2、5
本件訂正発明2、5は、本件訂正発明1の構成をすべて含み、さらに限定を加えた発明である。
よって、上記(1)で検討した理由と同様の理由により、本件訂正発明2、5は、引用発明2と同一ではなく、引用発明2に基いて、または、引用発明2及び引用発明1に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものでもない。
3 引用文献3を主引例とした場合
(1)本件訂正発明1について
ア 対比
引用発明3の「ワーク面部材10」、「支持装置29」、「脚20」及び「モジュラ・デスク2」は、それぞれ、本件訂正発明1の「天板部」、「第一のベース部材」、「支持脚」及び「デスク装置」に相当する。
引用発明3の「パネル面を有するパネル200」は、本件訂正発明1の「パネル面を有する仕切体」に相当する。
引用発明3の仕切体(パネル200)は床面上に設置されており、接地面のグライド1058のみによって自立するものではないから、仕切り体を支持する「支持体」によって支持されていることは自明であり、引用発明3の「支持プレート1096」も、仕切体を支持するものであって本件訂正発明1の「支持体」の一構成要素に相当すると認められる。
引用発明3の「パネル面を有するパネル200」及び「支持プレート1096」を含む「支持体」は、パネル200(仕切体)とそれを支持する支持体とを備えるものであるから、本件訂正発明1の「仕切りユニット」に相当する。
引用発明3の「支持部材29は、」「パネル200と直交する方向に延び」ていることは、本件訂正発明1の「前記デスク装置の前記支持脚の前記第一のベース部材は、前記パネル面に直交する方向に延び、」との構成に相当する。
引用発明3の「支持プレート1096は、パネル200と直交する方向に延び」ていることは、本件訂正発明1の「前記仕切りユニットの前記支持体は、前記パネル面に直交する方向に延び、」に相当する。
引用発明3の「壁レセプタクル1100」は、仕切体(パネル200)を支持する「支持体」の一構成要素である支持プレート1096が包含する部材であり、仕切体(パネル200)のパネル面と直交する方向に延びており、第一のベース部材(支持部材29)と床面との間に挿入されてなるものであるから、本件訂正発明1の「ベースプレート」に相当し、引用発明3の「支持プレート1096」は、本件訂正発明1の「第二のベース部材」に相当する。
引用発明3の「モジュラ・デスク2をパネル200に取り付けた、調度・パネル・システム」は、「モジュラ・デスク2」と「パネル200」とを備えたものであるから、本件訂正発明1の「什器システム」に相当する。
してみると、本件訂正発明1と引用発明3とは、
一致点
「天板部、床面に沿って設けられる第一のベース部材、及び該第一のベース部材上に設けられて上下方向に延び、前記天板部を支持する支持脚を備えたデスク装置と、
パネル面を有する仕切体、及び前記床面上に設置され前記仕切体を支持する支持体を備えた仕切りユニットとを備え、
前記デスク装置の前記支持脚の前記第一のベース部材は、前記パネル面に直交する方向に延び、
前記仕切りユニットの前記支持体は、前記パネル面に直交する方向に延び、前記デスク装置の前記第一のベース部材と前記床面との隙間に挿入されたベースプレートを有する第二のベース部材を備える什器システム。」
で一致し、以下の点で相違する。
相違点1C
本件訂正発明1は、「前記仕切りユニットにおける前記支持体の前記第二のベース部材は、前記ベースプレートから前記デスク装置の幅方向に延びて前記仕切体が連結されるステー部とを有する」のに対し、引用発明3の「支持プレート1096(第二のベース部材)」は、「デスク装置の幅方向と直交する方向に延び」るものであって、「連結プレート(ベースプレート)」から「デスク装置の幅方向に延びて前記仕切体が連結されるステー部」を有しない点。
イ 新規性についての判断
本件訂正発明1と引用発明3とには、実質的な相違点が存在するから、本件訂正発明1は引用発明3と同一ではない。
ウ 進歩性についての判断
上記相違点1Cは相違点1Aと同様、「第二のベース部材」が、「ベースプレートから前記デスク装置の幅方向に延びて前記仕切体が連結されるステー部とを有する」点に関するものである。
そして、上記1(1)ウで相違点1Aについて検討したように、相違点1Cに係る構成は、周知ないし公知の技術ではなく、本件訂正発明1は、当業者が引用発明2から容易になし得たことではない。
よって、本件訂正発明1は、引用発明3に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(2)本件訂正発明2、5
本件訂正発明2、5は、本件訂正発明1の構成をすべて含み、さらに限定を加えた発明である。
よって、上記(1)で検討した理由と同様の理由により、本件訂正発明2、5は、引用発明3と同一ではなく、また、引用発明3に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものでもない。
4 まとめ
以上のとおりであるから、本件訂正発明1、2、5は、引用文献1ないし3に記載された発明を主引例とし、引用文献1ないし4に記載の公知技術及び周知技術を参酌しても当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
よって、本件訂正発明1、2、5は、取消理由通知に記載した取消理由によっては、取り消すことができない。
第7 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由の概要
取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由の概要は、次のとおりである。
1 本件発明3について
(1)本件発明3は、引用文献1に記載された発明であるか、または、引用文献1記載の発明から当業者が容易に発明をすることができたものである。
よって、本件発明3は、特許法第29条第1項第3号または同条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、特許法第113条第2号の規定により取り消されるべきものである。(申立人A)
(2)本件発明3は、引用文献1記載の発明及び引用文献3記載の発明から当業者が容易に発明をすることができたものである。
よって、本件発明3は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、特許法第113条第2号の規定により取り消されるべきものである。(申立人B)
(3)本件発明3は、引用文献2に記載された発明であるか、または、引用文献2記載の発明から当業者が容易に発明をすることができたものである。
よって、本件発明3は、特許法第29条第1項第3号または同条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、特許法第113条第2号の規定により取り消されるべきものである。(申立人A)
(4)本件発明3は、引用文献3に記載された発明であるか、あるいは、引用文献3記載の発明から、当業者が容易に発明をすることができたものである。
よって、本件発明3は、特許法第29条第1項第3号または同条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、特許法第113条第2号の規定により取り消されるべきものである。(申立人B)
2 本件発明5について
(1)本件発明5は、引用文献1記載の発明及び引用文献3記載の発明から当業者が容易に発明をすることができたものである。
よって、本件発明5は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、特許法第113条第2号の規定により取り消されるべきものである。(申立人B)
(2)本件発明5は、引用文献1記載の発明及び引用文献4記載の発明から当業者が容易に発明をすることができたものである。
よって、本件発明5は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、特許法第113条第2号の規定により取り消されるべきものである。(申立人A)
(3)本件発明5は、引用文献2記載の発明及び引用文献4記載の発明から当業者が容易に発明をすることができたものである。
よって、本件発明5は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、特許法第113条第2号の規定により取り消されるべきものである。(申立人A)
第8 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由についての判断
上記第2のとおり、本件訂正により請求項3は削除された。
その結果、請求項3に係る異議申立ては、申立ての対象が存在しないものとなったため、不適法な特許異議の申立てであって、その補正をすることができないものであるから、特許法第120条の8第1項において準用する同法第135条の規定により却下すべきものである。
また、上記第2のとおり、本件訂正発明1は、訂正前の請求項1に訂正前の請求項3の内容を加えられたものとなった。
そして、上記第6で判断したとおり、本件訂正発明1は、引用文献1ないし3に記載された発明を主引例とし、引用文献1ないし4に記載の公知技術及び周知技術を参酌しても当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
訂正前の請求項5は、上記第2のとおり、本件訂正により、本件訂正発明5となり、本件訂正発明1の内容を全て含むものとなった。
そして、本件訂正発明1の内容を全て含むものとなった本件訂正発明5も、本件訂正発明1と同様、引用文献1ないし3に記載された発明を主引例とし、引用文献1ないし4に記載の公知技術及び周知技術を参酌しても当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
以上により、特許異議申立書に記載された特許異議申立理由によっては、本件訂正発明1ないしそれを引用する本件訂正発明5を取り消すことはできない。
第9 むすび
以上のとおりであるから、本件請求項1、2及び5に係る特許は、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由により取り消すことはできない。さらに、他に本件請求項1、2及び5に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
また、本件請求項3は、上記第2のとおり、訂正により削除された。これにより、申立人A及び申立人Bによる特許異議の申立てについて、請求項3に係る特許についての申立ては、申立ての対象が存在しないものとなったため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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2020-700281