特許訂正審判
2019-390086
遊技機
- 審判番号
- 2019-390086
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2017-095418
- 登録番号
- 特許第6479093号(P6479093)
- 請求日
- 2019年07月09日
- 審決日
- 2019年09月11日
- 公報発行日
- 2019年12月27日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】京楽産業. 株式会社
- 【請求人代理人】岡村 俊雄
- 【請求人代理人】大津 元
- 審判長/審判官
- 審判長 長崎 洋一
- 審判官 島田 英昭
- 審判官 田邉 英治
- 分類
- P141 .853-Y (A63F) / P141 .851-Y (A63F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第6479093号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
特許第6479093号の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書、訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
特許第6479093号(以下「本件特許」という。)は、平成28年2月10日の出願(特願2016-23571号)の一部を平成29年5月12日に新たな特許出願(特願2017-95418号)としたものであって、平成31年2月15日にその特許権の設定登録がなされ、同年3月26日に訂正審判(訂正2019-390042)の請求がされたところ、同年(令和1年)5月16日に訂正拒絶理由が通知され、同年6月7日に審判請求が取下げられ、同年7月9日に本件訂正審判の請求がなされたものである。
第2 請求の趣旨
本件審判の請求の趣旨は、本件特許の明細書、特許請求の範囲を審判請求書に添付した訂正明細書、訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものである(以下、訂正前の「本件特許の明細書」、「特許請求の範囲」を、それぞれ、「願書に添付した明細書」、「本件特許の特許請求の範囲」という。また、下線部が訂正部分である。)。
第3 訂正の内容
(1)訂正事項1-1
本件特許の特許請求の範囲の請求項1における
「遊技盤に取り付けられた複数の誘導手段の配置が所定の配置であるか否かを、配置確認手段を用いて確認可能にした遊技機であって、」、「前記配置確認手段は、前記複数の誘導手段の前側に配置可能であり且つ透過性を有するとともに、前記遊技機の製造・出荷時に設定された前記第1誘導手段の所定の配置に対応する第1表示と、前記遊技機の製造・出荷時に設定された前記第2誘導手段の所定の配置に対応する前記第1表示と異なる表示態様の第2表示と、第1のラインとを有し、」を、
「遊技機の遊技盤に取り付けられた複数の誘導手段の前側に配置可能であり且つ透過性を有するとともに、前記遊技機の製造・出荷時に設定された第1誘導手段の所定の配置に対応する第1表示と、前記遊技機の製造・出荷時に設定された第2誘導手段の所定の配置に対応する前記第1表示と異なる表示態様の第2表示と、第1のラインとを有する配置確認手段を用いて、前記第1,第2誘導手段の配置が所定の配置であるか否かを確認可能である遊技機であって、」
に訂正する。
(2)訂正事項1-2
本件特許の特許請求の範囲の請求項1における
「前記複数の誘導手段は、第1誘導手段と、前記第1誘導手段と同形状の誘導手段であって異なる配置であり、且つ、前記第1誘導手段と隣接する第2誘導手段とがあり、」、「前記配置確認手段が所定位置に配置されているか否かを目視により照合可能であり、前記誘導手段とは異なる前記遊技盤に取り付けられた部材であって前記第1のラインと合致する第2のラインを有する照合手段を遊技盤側に設け、」を、
「前記遊技盤は、前記第1誘導手段と、前記第1誘導手段と同形状の誘導手段であって異なる配置であり、且つ、前記第1誘導手段と隣接する前記第2誘導手段と、前記誘導手段とは異なる前記遊技盤に取り付けられた部材であって前記遊技盤の前側に前記配置確認手段が配置されるときに前記第1のラインと合致する第2のラインを有する照合手段とを設け、」
に訂正する。
(3)訂正事項1-3
本件特許の特許請求の範囲の請求項1における
「前記照合手段の前側に前記配置確認手段を配置して目視により前記第1誘導手段の配置が前記第1表示と一致するか否か及び前記第2誘導手段の配置が前記第2表示と一致するか否かを確認可能にした、」を、
「前記複数の誘導手段の前側に前記配置確認手段を配置して前記第1,第2誘導手段の配置が前記遊技機の製造・出荷時に設定された所定の配置であるか否かを確認するときに、前記照合手段の前側に前記配置確認手段を配置して、前記第2のラインが前記第1のラインと合致するか否かを目視により照合可能であるとともに、前記第1誘導手段の配置が前記第1表示と一致するか否か及び前記第2誘導手段の配置が前記第2表示と一致するか否かを目視により確認可能である、」
に訂正する。
(4)訂正事項2
願書に添付した明細書の段落【0007】の
「本発明は、遊技盤(4)に取り付けられた複数の誘導手段(10)の配置が所定の配置であるか否かを、配置確認手段(30D)を用いて確認可能にした遊技機(1)であって、前記複数の誘導手段(10)は、第1誘導手段(10a~10f)と、前記第1誘導手段(10a~10f)と同形状の誘導手段(10a~10f以外の10)であって異なる配置であり、且つ、前記第1誘導手段(10a~10f)と隣接する第2誘導手段(10a~10f以外の10)とがあり、前記配置確認手段(30D)は、前記複数の誘導手段(10)の前側に配置可能で且つ透過性を有するとともに、前記遊技機(1)の製造・出荷時に設定された前記第1誘導手段(10a~10f)の所定の配置に対応する第1表示(32Ca,36)と、前記遊技機(1)の製造・出荷時に設定された前記第2誘導手段(10a~10f以外の10)の所定の配置に対応する前記第1表示(32Ca,36)と異なる表示態様の第2表示(32C)と、第1のライン(図20に示す円形基準線34Cb又は鉛直基準線34Cc又は水平基準線34Cd)とを有し、前記配置確認手段(30D)が所定位置に配置されているか否かを目視により照合可能であり、前記誘導手段(10)とは異なる前記遊技盤(4)に取り付けられた部材(センタ役物20等)であって前記第1のライン(34Cb又は34Cc又は34Cd)と合致する第2のライン(例えば、図4に示す円形基準線51a又は鉛直基準線51b又は水平基準線51c)を有する照合手段(50)を前記遊技盤(4)側に設け、前記照合手段(50)の前側に前記配置確認手段(30D)を配置して目視により前記第1誘導手段(10a~10f)の配置が前記第1表示(32Ca,36)と一致するか否か及びと前記第2誘導手段(10a~10f以外の10)の配置が前記第2表示(32C)と一致するか否かを確認可能にしたことを特徴とする。」を、
「遊技機(1)の遊技盤(4)に取り付けられた複数の誘導手段(10)の前側に配置可能であり且つ透過性を有するとともに、前記遊技機(1)の製造・出荷時に設定された第1誘導手段(10a~l0f)の所定の配置に対応する第1表示(32Ca,36)と、前記遊技機(1)の製造・出荷時に設定された第2誘導手段(10a~l0f以外の10)の所定の配置に対応する前記第1表示(32Ca,36)と異なる表示態様の第2表示(32C)と、第1のライン(図20に示す円形基準線34Cb又は鉛直基準線34Cc又は水平基準線34Cd)とを有する配置確認手段(30D)を用いて、前記第1,第2誘導手段(10a~10f, 10a~l0f以外の10)の配置が所定の配置であるか否かを確認可能である遊技機(1)であって、前記遊技盤(4)は、前記第1誘導手段(l0a~l0f)と、前記第1誘導手段(l0a~l0f)と同形状の誘導手段(10a~10f以外の10)であって異なる配置であり、且つ、前記第1誘導手段(l0a~l0f)と隣接する前記第2誘導手段(10a~10f以外の10)と、前記誘導手段(10)とは異なる前記遊技盤(4)に取り付けられた部材(センタ役物20等)であって前記遊技盤(4)の前側に前記配置確認手段(30D)が配置されるときに前記第1のライン(34Cb又は34Cc又は34Cd)と合致する第2のライン(例えば、図4に示す円形基準線51a又は鉛直基準線51b又は水平基準線51c)を有する照合手段(50)とを設け、前記複数の誘導手段(10)の前側に前記配置確認手段(30D)を配置して前記第1,第2誘導手段(10a~l0f,10a~l0f以外の10)の配置が前記遊技機(1)の製造・出荷時に設定された所定の配置であるか否かを確認するときに、前記照合手段(50)の前側に前記配置確認手段(30D)を配置して、第2のライン(例えば、図4に示す円形基準線51a又は鉛直基準線51b又は水平基準線51c)が前記第1のライン(図20に示す円形基準線34Cb又は鉛直基準線34Cc又は水平基準線34Cd)と合致するか否かを目視により照合可能であるとともに、前記第1誘導手段(10a~l0f)の配置が前記第1表示(32Ca, 36)と一致するか否か及び前記第2誘導手段(10a~10f以外の10)の配置が前記第2表示(32C)と一致するか否かを目視により確認可能であることを特徴とする。」
に訂正する。
第4 当審の判断
(1)訂正事項1-1について
ア 訂正の目的
本件特許の特許請求の範囲は以下のとおりである。
「A 遊技盤に取り付けられた複数の誘導手段の配置が所定の配置であるか否かを、配置確認手段を用いて確認可能にした遊技機であって、
B 前記複数の誘導手段は、
第1誘導手段と、前記第1誘導手段と同形状の誘導手段であって異なる配置であり、且つ、前記第1誘導手段と隣接する第2誘導手段とがあり、
C 前記配置確認手段は、
C1 前記複数の誘導手段の前側に配置可能であり且つ透過性を有するとともに、
C2 前記遊技機の製造・出荷時に設定された前記第1誘導手段の所定の配置に対応する第1表示と、前記遊技機の製造・出荷時に設定された前記第2誘導手段の所定の配置に対応する前記第1表示と異なる表示態様の第2表示と、第1のラインとを有し、
D 前記配置確認手段が所定位置に配置されているか否かを目視により照合可能であり、前記誘導手段とは異なる前記遊技盤に取り付けられた部材であって前記第1のラインと合致する第2のラインを有する照合手段を遊技盤側に設け、
E 前記照合手段の前側に前記配置確認手段を配置して目視により前記第1誘導手段の配置が前記第1表示と一致するか否か及び前記第2誘導手段の配置が前記第2表示と一致するか否かを確認可能にした、
F ことを特徴とする遊技機。」(当審においてAないしFに分説した。以下AないしFの構成を「構成A」ないし「構成F」と言うことがある。)
本件特許の特許請求の範囲の請求項1では、「遊技盤に取り付けられた複数の誘導手段の配置が所定の配置であるか否かを、配置確認手段を用いて確認可能にした遊技機であって、」(構成A)の記載の後に、「前記配置確認手段は、」(構成C)、「前記複数の誘導手段の前側に配置可能であり且つ透過性を有するとともに、」(構成C1)、「前記遊技機の製造・出荷時に設定された前記第1誘導手段の所定の配置に対応する第1表示と、前記遊技機の製造・出荷時に設定された前記第2誘導手段の所定の配置に対応する前記第1表示と異なる表示態様の第2表示と、第1のラインとを有し、」(構成C2)と記載されていることで、遊技機に配置確認手段が常時配置されていると解釈される恐れがあるため不明瞭であった。
ここで、訂正事項1-1によれば、訂正後の「遊技機」は、「遊技機の遊技盤に取り付けられた複数の誘導手段の前側に配置可能であり且つ透過性を有するとともに、前記遊技機の製造・出荷時に設定された第1誘導手段の所定の配置に対応する第1表示と、前記遊技機の製造・出荷時に設定された第2誘導手段の所定の配置に対応する前記第1表示と異なる表示態様の第2表示と、第1のラインとを有する配置確認手段」を用いて、「前記第1,第2誘導手段の配置が所定の配置であるか否かを確認可能である」というものである。
そして、訂正事項1-3による訂正後の記載によれば、「前記複数の誘導手段の前側に前記配置確認手段を配置して前記第1,第2誘導手段の配置が前記遊技機の製造・出荷時に設定された所定の配置であるか否かを確認するとき」とあることからすると、訂正事項1-1による訂正後の記載において、「配置確認手段」を用いて、「前記第1,第2誘導手段の配置が所定の配置であるか否かを確認」するのは、「前記複数の誘導手段の前側に前記配置確認手段を配置して前記第1,第2誘導手段の配置が前記遊技機の製造・出荷時に設定された所定の配置であるか否かを確認するとき」である。
そうすると、訂正特許請求の範囲の請求項1に係る発明において、遊技機に配置確認手段が配置されるのは、「前記第1,第2誘導手段の配置が前記遊技機の製造・出荷時に設定された所定の配置であるか否かを確認するとき」であり、遊技機に配置確認手段が常時配置されているのではないことが明確である。
よって、訂正事項1-1は、特許法第126条第1項ただし書き第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
イ 願書に添付した明細書、本件特許の特許請求の範囲又は図面(以下「本件特許の明細書等」という。)に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
訂正事項1-1について、以下のとおり、(a)ないし(c)に分説して検討する。
(a)訂正特許請求の範囲の「遊技機の遊技盤に取り付けられた複数の誘導手段の前側に配置可能であり且つ透過性を有するとともに、」について
願書に添付した明細書の段落【0007】には、「本発明は、遊技盤(4)に取り付けられた複数の誘導手段(10)の配置が所定の配置であるか否かを、配置確認手段(30D)を用いて確認可能にした遊技機(1)であって、・・・前記配置確認手段(30D)は、前記複数の誘導手段(10)の前側に配置可能で且つ透過性を有する」と記載されている。
また、段落【0016】には、「遊技領域4aには、複数の誘導手段である釘10(障害釘10)と、・・・が、図示の配置で設けられ、」と記載され、段落【0031】には、「ゲージボード30は、不透明な合成樹脂製(又は木製、又はガラス製)のボードからなるゲージ本体31と、ゲージ本体31に全ての複数の釘10の所定の配置に対応するように形成された複数の釘視認孔32(釘の視認孔32)と、開閉扉3を開けた状態で当該ゲージボード30を確認位置に配置可能」と記載され、段落【0075】には、「ゲージボード30Cは、透明な合成樹脂製(又はガラス製)のボードからなるゲージ本体31C」と記載されている。
ここで、願書に添付した明細書の「釘10」が、訂正事項1-1に係る訂正特許請求の範囲における「誘導手段」に対応するものである。
そうすると、訂正事項1-1における上記の記載は、願書に添付した明細書に記載したものであるといえる。
また、訂正特許請求の範囲の「遊技機の遊技盤に取り付けられた複数の誘導手段」については、本件特許の特許請求の範囲の構成Aに「遊技盤に取り付けられた複数の誘導手段」と記載されており、訂正特許請求の範囲の「複数の誘導手段の前側に配置可能であり且つ透過性を有するとともに」については、本件特許の特許請求の範囲の構成C1に「前記複数の誘導手段の前側に配置可能であり且つ透過性を有するとともに」と記載されていることから、訂正事項1-1の上記の記載は、本件特許の特許請求の範囲に記載された範囲内であるともいえる。
(b)訂正特許請求の範囲の「前記遊技機の製造・出荷時に設定された第1誘導手段の所定の配置に対応する第1表示と、前記遊技機の製造・出荷時に設定された第2誘導手段の所定の配置に対応する前記第1表示と異なる表示態様の第2表示と、第1のラインとを有する配置確認手段を用いて、」について
願書に添付した明細書の段落【0007】には、「前記配置確認手段(30D)は、・・・前記遊技機(1)の製造・出荷時に設定された前記第1誘導手段(10a~10f)の所定の配置に対応する第1表示(32Ca,36)と、前記遊技機(1)の製造・出荷時に設定された前記第2誘導手段(10a~10f以外の10)の所定の配置に対応する前記第1表示(32Ca,36)と異なる表示態様の第2表示(32C)と、第1のライン(図20に示す円形基準線34Cb又は鉛直基準線34Cc又は水平基準線34Cd)とを有し、」と記載されている。
また、願書に添付した明細書の段落【0077】には、「複数の釘配置表示32Cは、確認位置に配置された当該ゲージボード30Cのゲージ本体31Cの前側から、全ての複数の釘10を個別に視認して、その釘10の配置が所定の配置であるか否かを確認可能にゲージ本体31Cの前面又は後面に印されている。各釘配置表示32Cは、縦線と横線を交差させた十字線かなり、対応する釘10が所定の配置であるとき、その頭部10の中心が十字線の交点を通して視認可能に印されている。」と記載され、段落【0085】には、「このゲージボード30Dにおいては、ゲージ本体31Dの前面又は後面に、複数の釘配置表示32Cのうち主要な複数の釘10(命釘10a~10f)に対応する複数の主要な釘配置表示32Caが、他の釘配置表示32Cと識別可能な目印36が印され(描かれ)ている。本実施例では、この目印36の具体例として、ゲージ本体31Dの前面又は後面には、主要な釘配置表示32Caの十字線の交点を中心とする2重円が印されている。」と記載されている。
さらに、段落【0027】には、「しかし、その後、遊技ホールに設置されたパチンコ遊技機1の複数の釘10の配置が同遊技機1の出荷・製造時の複数の釘10の配置と異なっていると、つまり所定の配置でなくなっていると、釘10が当初の状態から故意に曲げられている(不正な改造が行われている)虞があり、特にその曲げられた釘10が命釘10a~10f等の主要な釘10であると、当該遊技機1の所期の性能が得られない虞がある。」と記載され、段落【0028】には、「こうした問題に着眼し、本発明のパチンコ遊技機1は、遊技盤4に取り付けられた複数の釘10の配置が所定の配置である(例えば、パチンコ遊技機1の製造時(出荷時)の複数の釘10の配置と同じである)か否かを、配置確認手段であるゲージボード30を用いて確認可能にしたものである。」と記載されている。
ここで、願書に添付した明細書の「命釘10a~10f」、「目印36が印された釘配置表示32Ca」、「命釘以外の釘10」、「釘配置表示32C」は、それぞれ順に、訂正事項1-1に係る訂正特許請求の範囲における「第1誘導手段」、「第1表示」、「第2誘導手段」、「第2表示」に対応するものである。
そうすると、訂正事項1-1における上記の記載は、願書に添付した明細書に記載したものであるといえる。
また、本件特許の特許請求の範囲の構成C、C2には「前記配置確認手段は、」「前記遊技機の製造・出荷時に設定された前記第1誘導手段の所定の配置に対応する第1表示と、前記遊技機の製造・出荷時に設定された前記第2誘導手段の所定の配置に対応する前記第1表示と異なる表示態様の第2表示と、第1のラインとを有し」と記載され、本件特許の特許請求の範囲の構成Aには「複数の誘導手段の配置が所定の配置であるか否かを、配置確認手段を用いて確認可能にした」と記載されているから、訂正事項1-1の上記の記載は、本件特許の特許請求の範囲に記載された範囲内であるともいえる。
(c)訂正特許請求の範囲の「前記第1、第2誘導手段の配置が所定の配置であるか否かを確認可能である遊技機であって、」について
願書に添付した明細書の段落【0007】には、「前記照合手段(50)の前側に前記配置確認手段(30D)を配置して目視により前記第1誘導手段(10a~10f)の配置が前記第1表示(32Ca,36)と一致するか否か及び前記第2誘導手段(10a~10f以外の10)の配置が前記第2表示(32C)と一致するか否かを確認可能」と記載されている。
また、段落【0084】には、「複数の釘10の配置が所定の配置であるか否かを、これら複数の釘10のうちの主要な1又は複数の釘10(本実施例では、複数の命釘10a~10f)が判るようにして確認可能に構成したものである。」と記載されている。
そうすると、訂正事項1-1における上記の記載は、願書に添付した明細書に記載したものであるといえる。
また、本件特許の特許請求の範囲の構成Aには「複数の誘導手段の配置が所定の配置であるか否かを、配置確認手段を用いて確認可能にした」と記載され、構成Bには「前記複数の誘導手段は、第1誘導手段と、前記第1誘導手段と同形状の誘導手段であって異なる配置であり、且つ、前記第1誘導手段と隣接する第2誘導手段とがあり、」と記載されていることに鑑みるに、本件特許の特許請求の範囲においても、第1,第2誘導手段の配置が所定の配置であるか否かを確認可能であると解されるから、訂正事項1-1の上記の記載は、本件特許の特許請求の範囲に記載された範囲内であるともいえる。
したがって、訂正事項1-1は、本件特許の明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許の明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。
よって、訂正事項1-1は、特許法第126条第5項の規定に適合する。
ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
訂正事項1-1は、上記(1)アで検討したとおり、遊技機に配置確認手段が常時配置されているのではないことを明確にして限定するものといえるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
よって、訂正事項1-1は、特許法第126条第6項の規定に適合する。
(2)訂正事項1-2について
ア 訂正の目的
訂正事項1-2は、「前記遊技盤は、前記第1誘導手段と、前記第1誘導手段と同形状の誘導手段であって異なる配置であり、且つ、前記第1誘導手段と隣接する前記第2誘導手段と、前記誘導手段とは異なる前記遊技盤に取り付けられた部材であって前記遊技盤の前側に前記配置確認手段が配置されるときに前記第1のラインと合致する第2のラインを有する照合手段とを設け、」と訂正するものであり、以下のとおり分説して検討する。
(a)訂正特許請求の範囲の「前記遊技盤は、前記第1誘導手段と、前記第1誘導手段と同形状の誘導手段であって異なる配置であり、且つ、前記第1誘導手段と隣接する前記第2誘導手段と、」について
本件特許の特許請求の範囲の構成Aには、「遊技盤に取り付けられた複数の誘導手段」と記載され、構成Bには、「前記複数の誘導手段は、第1誘導手段と、前記第1誘導手段と同形状の誘導手段であって異なる配置であり、且つ、前記第1誘導手段と隣接する第2誘導手段とがあり、」と記載されているから、本件特許の特許請求の範囲においても、遊技盤には、第1誘導手段と第2誘導手段とを設けていると解される。
よって、訂正事項1-2における上記の記載は、本件特許の特許請求の範囲に記載された範囲内であるといえる。
(b)訂正特許請求の範囲の「且つ、前記第1誘導手段と隣接する前記第2誘導手段と、前記誘導手段とは異なる前記遊技盤に取り付けられた部材であって前記遊技盤の前側に前記配置確認手段が配置されるときに前記第1のラインと合致する第2のラインを有する照合手段とを設け、」について
本件特許の特許請求の範囲の構成Dには、「前記配置確認手段が所定位置に配置されているか否かを目視により照合可能であり、前記誘導手段とは異なる前記遊技機に取り付けられた部材であって前記第1のラインと合致する第2のラインを有する照合手段を遊技盤側に設け、」と記載され、構成Bには、「第1誘導手段と、前記第1誘導手段と同形状の誘導手段であって異なる配置であり、且つ、前記第1誘導手段と隣接する第2誘導手段とがあり、」と記載され、構成C、C1には「前記配置確認手段は、前記複数の誘導手段の前側に配置可能であり」と記載されている。
そうすると、訂正事項1-2における上記の記載は、「第2のライン」が「第1のラインと合致する」(構成D)時について、「前記遊技盤の前側に前記配置確認手段が配置されるときに」という限定事項を付加したものといえる。
以上のとおり、訂正事項1-2は、本件特許の特許請求の範囲の構成Dに、「前記遊技盤の前側に前記配置確認手段が配置されるときに」という限定事項を付加したものといえるから、特許請求の範囲の減縮に該当するといえる。
よって、訂正事項1-2は、特許法第126条第1項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 本件特許の明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
上記アと同様に(a)、(b)に分説して検討する。
(a)訂正特許請求の範囲の「前記遊技盤は、前記第1誘導手段と、前記第1誘導手段と同形状の誘導手段であって異なる配置であり、且つ、前記第1誘導手段と隣接する前記第2誘導手段と、」について
願書に添付した明細書の段落【0007】には、「第1誘導手段(10a~10f)と、前記第1誘導手段(10a~10f)と同形状の誘導手段(10a~10f以外の10)であって異なる配置であり、且つ、前記第1誘導手段(10a~10f)と隣接する第2誘導手段(10a~10f以外の10)とがあり」と記載されている。
また、段落【0084】には、「複数の釘10の配置が所定の配置であるか否かを、これら複数の釘10のうちの主要な1又は複数の釘10(本実施例では、複数の命釘10a~10f)が判るようにして確認可能に構成したものである。」と記載されている。
そうすると、訂正事項1-2における上記の記載は、願書に添付した明細書に記載したものであるといえる。
(b)訂正特許請求の範囲の「且つ、前記第1誘導手段と隣接する前記第2誘導手段と、前記誘導手段とは異なる前記遊技盤に取り付けられた部材であって前記遊技盤の前側に前記配置確認手段が配置されるときに前記第1のラインと合致する第2のラインを有する照合手段とを設け、」について
まず、「且つ、前記第1誘導手段と隣接する前記第2誘導手段と、前記誘導手段とは異なる前記遊技機に取り付けられた部材であって」について検討する。
願書に添付した明細書の段落【0007】には、「前記誘導手段(10)とは異なる前記遊技盤(4)に取り付けられた部材(センタ役物20等)であって前記第1のライン(34Cb又は34Cc又は34Cd)と合致する第2のライン(例えば、図4に示す円形基準線51a又は鉛直基準線51b又は水平基準線51c)を有する照合手段(50)を前記遊技盤(4)側に設け、」と記載され、段落【0046】には、「盤側基準部51は、遊技盤4の前面に印された(描かれた)円形基準線51a、鉛直基準線51b、及び水平基準線51cを有する。」と記載されているから、願書に添付した明細書に記載したものであるといえる。
次に、「前記遊技盤の前側に前記配置確認手段が配置されるときに前記第1のラインと合致する第2のラインを有する照合手段とを設け、」について検討する。
願書に添付した明細書の段落【0039】には、「ゲージ側判別手段34は、パチンコ遊技機1の判別手段50と対応しており、当該ゲージボード30が確認位置に配置されているときに、パチンコ遊技機1の判別手段50の第2の基準部である盤側基準部51と合致する第1の基準部であるゲージ側基準部34aであって、つまり当該ゲージボード30が確認位置からズレて配置されているときには盤側基準部51と合致しないゲージ側基準部34aを有し、このゲージ側基準部34aは、ゲージ本体31のうち遊技領域4aの前側に位置しない(つまり複数の釘視認孔32が形成されていない)部位であって、4つのボード支持部33aが形成されていない部位(本実施例ではゲージ本体31の右下部)に設けられている。」と記載されている。
また、段落【0045】には、「図2~図4に示すように、判別手段50は、ゲージボード30が確認位置に配置されているときに、ゲージボード30のゲージ側基準部34aと合致する盤側基準部51であって、つまり当該ゲージボード30が確認位置からズレて配置されているときにはゲージ側基準部34aと合致しない盤側基準部51を有し、このボード側基準部51は、遊技盤4のうち遊技領域4aが形成されない部位に設けられている。」と記載されている。
同様に、段落【0047】には、「この判別手段50によって、確認作業者が目視により盤側基準部51とゲージ側基準部34aとが合致するか否かを確認して、ゲージボード30が確認位置に配置されているか否かを判別可能になる。具体的には次のようにして判別を行う。」と記載され、段落【0049】には、「ここで、通常は、取付手段40によりゲージボード30が遊技盤4に取り付けられた状態で、ゲージボード30が確認位置に配置されるように遊技盤4に対して位置決めされていることになる故、盤側基準部51とゲージ側基準部34aとが合致するようになっているが、合致しないということは、遊技盤4、取付手段40、判別手段50、ゲージボード30、ゲージ側取付手段33、ゲージ側判別手段34の何れかに問題がある(例えば、製造誤差や取り付け誤差が生じている)可能性があり、つまり、判別手段50では、こうした問題の可能性があるか否かの判別を行い得るものにもなる。」と記載されている。
さらに、段落【0080】には、「つまり、ゲージボード30Cが遊技盤4に取り付けられた状態で、盤側基準部51の円形基準線51aとゲージ側基準部34Caの円形基準線34Cbが同一円上に一致するように見えているか、また、盤側基準部51の鉛直基準線51b及び水平基準線51cとゲージ側基準部34Caの鉛直基準線34Cc及び水平基準線34Cdが夫々同一直線上に一致するように見えているかを確認し、全て一致するように見えていると、ゲージボード30Cが確認位置に配置されていると判別でき、そう見えていないと、ゲージボード30Cが確認位置に配置されていない(確認位置からズレて配置されている)と判別できる。」と記載されている。
そして、願書に添付した明細書の「ゲージボード30」、「円形基準線34Cb又は鉛直基準線34Cc又は水平基準線34Cd」、「円形基準線51a又は鉛直基準線51b又は水平基準線51c」は、それぞれ順に、訂正事項1-2の「配置確認手段」、「第1のライン」、「第2のライン」に対応する。
よって、上記段落【0039】、【0045】、【0047】、【0049】、【0051】、【0080】の記載を総合的に検討すると、願書に添付した明細書には、当該ゲージボード30(確認配置手段)が確認位置に配置されているときに、円形基準線51a又は鉛直基準線51b又は水平基準線51c(第2のライン)と合致し、当該ゲージボード30(確認配置手段)が確認位置からズレて配置されているときには盤側基準部51と合致しない円形基準線34Cb又は鉛直基準線34Cc又は水平基準線34Cd(第1のライン)を設け、合致しないということは、製造誤差や取り付け誤差等が生じている可能性があり、判別手段50は、こうした問題の可能性があるか否かの判別を行い得る点が記載されているといえる。
さらに、「当該ゲージボード30が確認位置に配置されているとき」とは、段落【0051】の「この釘10の配置確認では、確認作業者が、確認位置に配置されたゲージボード30の複数の釘視認孔32から、遊技盤4に取り付けられた複数の釘10を視認し、複数の釘10の配置が所定の配置であるか否かを確認する。」との記載を踏まえれば、遊技盤の前側にゲージボード30(配置確認手段)が配置されるときであることは自明な事項である。
そうすると、訂正事項1-2における上記の記載は、願書に添付した明細書に記載したものであるといえる。
したがって、訂正事項1-2は、本件特許の明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許の明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。
よって、訂正事項1-2は、特許法第126条第5項の規定に適合する。
ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
訂正事項1-2は、上記(2)アで検討したとおり、本件特許の特許請求の範囲に記載されたものに限定事項を付加して減縮した訂正であるから実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
よって、訂正事項1-2は、特許法第126条第6項の規定に適合する。
(3)訂正事項1-3について
ア 訂正の目的
訂正事項1-3は、「前記複数の誘導手段の前側に前記配置確認手段を配置して前記第1,第2誘導手段の配置が前記遊技機の製造・出荷時に設定された所定の配置であるか否かを確認するときに、前記照合手段の前側に前記配置確認手段を配置して、前記第2のラインが前記第1のラインと合致するか否かを目視により照合可能であるとともに、前記第1誘導手段の配置が前記第1表示と一致するか否か及び前記第2誘導手段の配置が前記第2表示と一致するか否かを目視により確認可能である、」と訂正するものであり、以下のとおり分説して検討する。
(a)訂正特許請求の範囲の「前記複数の誘導手段の前側に前記配置確認手段を配置して前記第1,第2誘導手段の配置が前記遊技機の製造・出荷時に設定された所定の配置であるか否かを確認するときに、前記照合手段の前側に前記配置確認手段を配置して、前記第2のラインが前記第1のラインと合致するか否かを目視により照合可能であるとともに、」について
本件特許の特許請求の範囲の構成C、C1には、「前記配置確認手段は、前記複数の誘導手段の前側に配置可能であり」と記載され、構成C2には、「前記遊技機の製造・出荷時に設定された前記第1誘導手段の所定の配置に対応する第1表示と、前記遊技機の製造・出荷時に設定された前記第2誘導手段の所定の配置に対応する前記第1表示と異なる表示態様の第2表示」と記載され、構成Dには、「前記配置確認手段が所定位置に配置されているか否かを目視により照合可能であり、」と記載され、構成Eには、「前記照合手段の前側に前記配置確認手段を配置して目視により前記第1誘導手段の配置が前記第1表示と一致するか否か及び前記第2誘導手段の配置が前記第2表示と一致するか否かを確認可能にした、」と記載されている。
ここで、訂正事項1-3における上記の記載のうち、「前記複数の誘導手段の前側に前記配置確認手段を配置」することと、「前記第1,第2誘導手段の配置が前記遊技機の製造・出荷時に設定された所定の配置であるか否かを確認する」ことと、「前記照合手段の前側に前記配置確認手段を配置して、前記第2のラインが前記第1のラインと合致するか否かを目視により照合可能である」ことは、それぞれ本件特許の特許請求の範囲の記載の範囲内であるといえる。
そうすると、訂正事項1-3は、「前記複数の誘導手段の前側に前記配置確認手段を配置して前記第1,第2誘導手段の配置が前記遊技機の製造・出荷時に設定された所定の配置であるか否かを確認するときに、」と記載したものであるから、訂正前に「前記複数の誘導手段の前側に前記配置確認手段を配置」する時期が特定されていなかったものを、「前記第1,第2誘導手段の配置が前記遊技機の製造・出荷時に設定された所定の配置であるか否かを確認するときに」特定するものである。
さらに、訂正事項1-3は、「前記第1,第2誘導手段の配置が前記遊技機の製造・出荷時に設定された所定の配置であるか否かを確認するときに、」「前記第2のラインが前記第1のラインと合致するか否かを目視により照合可能である」と記載したものであるから、訂正前に、「前記第1,第2誘導手段の配置が前記遊技機の製造・出荷時に設定された所定の配置であるか否かを確認する」時期と、「前記照合手段の前側に前記配置確認手段を配置して、前記第2のラインが前記第1のラインと合致するか否かを目視により照合可能である」時期との関係が特定されていなかったものを、それらの時期が同時期であることを特定するものである。
(b)訂正特許請求の範囲の「前記第1誘導手段の配置が前記第1表示と一致するか否か及び前記第2誘導手段の配置が前記第2表示と一致するか否かを目視により確認可能である、」について
本件特許の特許請求の範囲の構成Eには「目視により前記第1誘導手段の配置が前記第1表示と一致するか否か及び前記第2誘導手段の配置が前記第2表示と一致するか否かを確認可能にした、」と記載されている。
そうすると、訂正事項1-3の上記の記載は、本件特許の特許請求の範囲に記載された範囲内である。
以上のとおり、訂正事項1-3は、本件特許の特許請求の範囲に記載されたものに対して、配置確認手段が遊技機に配置される時期が誘導手段の配置を確認するときであることや、誘導手段の配置を確認する時期とラインの合致を照合可能である時期とが同時期であることについて限定事項を付加したものといえるから、特許請求の範囲の減縮に該当するといえる。
よって、訂正事項1-3は、特許法第126条第1項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 本件特許の明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
(a)訂正特許請求の範囲の「前記複数の誘導手段の前側に前記配置確認手段を配置して前記第1,第2誘導手段の配置が前記遊技機の製造・出荷時に設定された所定の配置であるか否かを確認するときに、前記照合手段の前側に前記配置確認手段を配置して、前記第2のラインが前記第1のラインと合致するか否かを目視により照合可能であるとともに、」について
願書に添付した明細書の段落【0007】には、「前記配置確認手段(30D)は、前記複数の誘導手段(10)の前側に配置可能で」、「前記遊技機(1)の製造・出荷時に設定された前記第1誘導手段(10a~10f)の所定の配置に対応する第1表示(32Ca,36)と、前記遊技機(1)の製造・出荷時に設定された前記第2誘導手段(10a~10f以外の10)の所定の配置に対応する前記第1表示(32Ca,36)と異なる表示態様の第2表示(32C)と、」、「前記配置確認手段(30D)が所定位置に配置されているか否かを目視により照合可能であり、」と記載されている。
また、段落【0028】には、「遊技盤4に取り付けられた複数の釘10の配置が所定の配置である(例えば、パチンコ遊技機1の製造時(出荷時)の複数の釘10の配置と同じである)か否かを、配置確認手段であるゲージボード30を用いて確認可能にしたものである。」と記載され、段落【0045】には、「図2~図4に示すように、判別手段50は、ゲージボード30が確認位置に配置されているときに、ゲージボード30のゲージ側基準部34aと合致する盤側基準部51であって、つまり当該ゲージボード30が確認位置からズレて配置されているときにはゲージ側基準部34aと合致しない盤側基準部51を有し、このボード側基準部51は、遊技盤4のうち遊技領域4aが形成されない部位に設けられている。」と記載されている。
さらに、段落【0047】には、「この判別手段50によって、確認作業者が目視により盤側基準部51とゲージ側基準部34aとが合致するか否かを確認して、ゲージボード30が確認位置に配置されているか否かを判別可能になる。具体的には次のようにして判別を行う。」と記載され、段落【0048】には、「取付手段40によりゲージボード30が遊技盤4に取り付けられた状態で、盤側基準部51の円形基準線51aがゲージ側基準部34aの基準開口34bと一致するように基準開口34bから見えているか、盤側基準部51の鉛直基準線51b及び水平基準線51cが夫々ゲージ側基準部34aの鉛直基準線34c及び水平基準線34dと同一直線上に一致するように見えているかを確認し、全て一致するように見えていると、ゲージボード30が確認位置に配置されていると判別でき、そう見えていないと、ゲージボード30が確認位置に配置されていない、つまり確認位置からズレて配置されていると判別できる。」と記載されている。
そうすると、訂正事項1-3の上記の記載は、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内においてしたものである。
(b)訂正特許請求の範囲の「前記第1誘導手段の配置が前記第1表示と一致するか否か及び前記第2誘導手段の配置が前記第2表示と一致するか否かを目視により確認可能である、」について
願書に添付した明細書の段落【0007】には、「目視により前記第1誘導手段(10a~10f)の配置が前記第1表示(32Ca,36)と一致するか否か及びと前記第2誘導手段(10a~10f以外の10)の配置が前記第2表示(32C)と一致するか否かを確認可能にしたことを特徴とする。」と記載されている。
さらに、段落【0081】には、「ゲージボード30Cが確認位置に配置された状態で行う釘10の配置確認では、図18(1)に示すように、視認対象の釘10が所定の配置であると、確認作業者は、図18(2)に示すように、ゲージボード30Cの対応する釘配置表示32Cから、その十字線の交点を通して視認対象の釘10の頭部10aを視認可能(例えば、視認対象の釘10の頭部10aの中心頂部10bを視認可能)になり、これにより、視認対象の釘10が所定の配置であることを確認することができる。」と記載され、段落【0082】には、「一方、図19(1)に示すように、視認対象の釘10が所定の配置でないと、確認作業者は、図19(2)に示すように、ゲージボード30Cの対応する釘配置表示32Cから、その十字線の交点を通して視認対象の釘10の頭部10aを視認不可能(例えば、視認対象の釘10の頭部10aの中心頂部10bを視認不可能)になり、これにより、視認対象の釘10が所定の配置でないことを確認することができる。」と記載されている。
そうすると、訂正事項1-3の上記の記載は、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内においてしたものである。
したがって、訂正事項1-3は、本件特許の明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許の明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。
よって、訂正事項1-3は、特許法第126条第5項の規定に適合する。
ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
訂正事項1-3は、上記(3)アで検討したとおり、本件特許の特許請求の範囲の記載に基づいて訂正するものであるから実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
よって、訂正事項1-3は、特許法第126条第6項の規定に適合する。
(4)訂正事項2について
訂正事項2は、訂正事項1-1ないし1-3に係る訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るため、願書に添付した明細書の段落【0007】の記載を訂正するものであるから、明瞭でない記載の釈明に該当するとともに、上記(1)ないし(3)で検討したとおり、本件特許の明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであって、さらに、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
よって、訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書き第3号に掲げる事項を目的とし、同条第5項及び第6項の規定に適合する。
(5)特許法第126条第7項について
訂正後の特許請求の範囲の請求項1により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しないから、訂正事項1-2及び1-3は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
第4 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求に係る訂正事項1-1及び2は、特許法第126条第1項ただし書き第3号に掲げる事項を目的とし、かつ同条第5項及び第6項の規定に適合する。
また、本件訂正審判の請求に係る訂正事項1-2及び1-3は、特許法第126条第1項ただし書き第1号に掲げる事項を目的とし、かつ同条第5項ないし第7項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2019-390086