特許訂正審判
2018-390071
遊技機
- 審判番号
- 2018-390071
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2015-174580
- 登録番号
- 特許第6193939号(P6193939)
- 請求日
- 2018年04月10日
- 審決日
- 2018年06月05日
- 公報発行日
- 2018年08月31日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】サミー 株式会社
- 【請求人代理人】納口 慶太
- 審判長/審判官
- 審判長 森林 克郎
- 審判官 平城 俊雅
- 審判官 田付 徳雄
- 分類
- P141 .851-Y (A63F) / P141 .853-Y (A63F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第6193939号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
特許第6193939号の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
理由
【理 由】
1 手続の経緯
特許第6193939号(以下「本件特許」という。)の請求項1に係る発明は、平成27年9月4日に特願2015-174580号として出願されたものであって、平成29年8月18日にその特許権の設定登録がなされ、平成30年4月10日に本件訂正審判の請求がなされたものである。
2 請求の趣旨
本件審判の請求の趣旨は、本件特許の明細書、特許請求の範囲を審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものであり、訂正内容は次のとおりである(以下、本件特許の明細書、及び特許請求の範囲をそれぞれ「願書に添付した明細書」、「本件特許請求の範囲」という。また、下線部が訂正部分である。)。
(1)訂正事項1
本件特許請求の範囲の請求項1における
「前記グループ指定データ記憶領域の値を今回の割込み処理において作成した1単位のデータに更新する前に、」を、
「前記グループ指定データ記憶領域の値を更新する前に、」と訂正する。
(2)訂正事項2
本件特許請求の範囲の請求項1における
「前記点灯状態指定情報記憶領域に記憶されている前回の割込み処理で記憶した1単位のデータを、消灯状態とする情報に更新することを特徴とするぱちんこ遊技機」を、
「前記点灯状態指定情報記憶領域に記憶されている前回の割込み処理で記憶した1単位のデータを、消灯状態とする情報に更新して後、今回の割込み処理において作成した1単位のデータに更新することを特徴とするぱちんこ遊技機」と訂正する。
(3)訂正事項3
願書に添付した明細書の段落【0005】の
「前記グループ指定データ記憶領域の値を今回の割込み処理において作成した1単位のデータに更新する前に、」を、
「前記グループ指定データ記憶領域の値を更新する前に、」と訂正する。
(4)訂正事項4
願書に添付した明細書の段落【0005】の
「前記点灯状態指定情報記憶領域に記憶されている前回の割込み処理で記憶した1単位のデータを、消灯状態とする情報に更新することを特徴とするぱちんこ遊技機」を、
「前記点灯状態指定情報記憶領域に記憶されている前回の割込み処理で記憶した1単位のデータを、消灯状態とする情報に更新して後、今回の割込み処理において作成した1単位のデータに更新することを特徴とするぱちんこ遊技機」と訂正する。
なお、訂正事項1、2が審判請求書における訂正事項1に相当し、訂正事項3、4が審判請求書における訂正事項2に相当するものである。
3 当審の判断
(1)訂正事項1について
ア 訂正の目的について
本件特許請求の範囲の請求項1には「前記グループ指定データ記憶領域の値を今回の割込み処理において作成した1単位のデータに更新する前に、前記点灯状態指定情報記憶領域に記憶されている前回の割込み処理で記憶した1単位のデータを、消灯状態とする情報に更新する」と記載されており、「点灯状態指定情報記憶領域」だけでなく「グループ指定データ記憶領域」についても「1単位のデータ」に更新すると特定していたため、「点灯状態指定情報記憶領域」(セグメント出力ポート)と「グループ指定データ記憶領域」(デジットカウンタ)を「1単位のデータ」という同じ値に更新することを含むように解釈されるため、不明瞭となっていた。
訂正事項1においては、「前記グループ指定データ記憶領域の値を今回の割込み処理において作成した1単位のデータに更新する前に、」を「前記グループ指定データ記憶領域の値を更新する前に、」と訂正することにより、「グループ指定データ記憶領域」の値を「点灯状態指定情報記憶領域」と同じ値に更新することはないことを明瞭にするものであるから、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書き第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
イ 新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張又は変更について
願書に添付した明細書の段落【0628】には「先ず、LED出力処理においては、クリアデータ(00H)をセットし(S101)、このクリアデータをセグメント出力ポートへ出力する(S102)。」と記載され、段落【0631】には「S104の処理において、デジットカウンタの値が4未満であるか否かの判定を行い、デジットカウンタの値が4未満であれば、デジットカウンタの内容を+1して更新し、デジットカウンタの値が4以上であれば、「0」をデジットカウンタにストアする(S104)。」と記載されているから、S104において「グループ指定データ記憶領域」(デジットカウンタ)の値を更新する前に、S102において点灯状態指定情報記憶領域(セグメント出力ポート)のデータを消灯状態とする情報に更新することが記載されているといえる。
そして、本件特許請求の範囲の請求項1の「1単位のデータ」とは、同請求項1において「点灯状態指定情報記憶領域に記憶されている前回の割込み処理で記憶した1単位のデータ」とも特定されており、同明細書の段落【0711】に記載された「点灯状態指定情報記憶領域」(セグメント出力ポート)にセットされる、例えば「0011111」というデータに相当するものであるから、「グループ指定データ記憶領域」(デジットカウンタ)で更新する0から4までの値と異なることは明らかである。
よって、訂正事項1は、願書に添付した明細書の上記の各段落の記載に基づくものであって、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「願書に添付した明細書等」という。)のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。
また、訂正事項1は、上記アで検討したとおり、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、上記のとおり願書に添付した明細書の記載を参酌すれば、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
(2)訂正事項2について
ア 訂正の目的について
訂正事項2は、「前回の割込み処理で記憶した1単位のデータ」を、「消灯状態とする情報に更新」することについて、「(その)後、今回の割込み処理において作成した1単位のデータに更新」するという限定事項を付加するものであるから、特許法第126条第1項ただし書き第1号に掲げる、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張又は変更について
願書に添付した明細書の段落【0709】には「割込み処理において、点灯パターン選択情報記憶領域となる作業領域の情報(データ)を更新し、1回の遊技進行割込み処理において、複数の点灯パターンテーブル(デジットNセグメントテーブルからS121~S129の間の処理で使用するテーブル)を参照する。そして、点灯パターン選択情報(作業領域のデータ)のデータ列をオフセットとして複数の点灯パターンテーブルの内の1つから点灯パターン(抽出した1単位データ列)を読出し、読み出した値を順次以前の処理までに作成したセグメントデータと論理和演算を行うことによって、主制御表示装置53に出力されるセグメントデータを生成する(図23中のS127参照)。」と記載されているから、S127において点灯パターン選択情報記憶領域となる作業領域の情報(データ)を更新し1単位のデータ列を生成することが記載されているといえる。そして、これは上記(1)イで検討したS102の点灯状態指定情報記憶領域(セグメント出力ポート)のデータを消灯状態とする情報に更新した後であることが分かる。
よって、訂正事項2は、願書に添付した明細書の記載に基づくものであって、願書に添付した明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。
また、訂正事項2は、上記アで検討したとおり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
ウ 独立特許要件について
訂正事項2による訂正後の特許請求の範囲に記載された事項により特定される発明について、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由は見いだせない。
したがって、訂正事項2は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
(3)訂正事項3、4について
ア 訂正の目的について
訂正事項3、4は、本件特許請求の範囲における請求項1を訂正事項1、2のとおりに訂正することに伴い、特許請求の範囲と発明の詳細な説明との整合を図るために、願書に添付した明細書の記載を訂正するものであるから、特許法第126条第1項ただし書き第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
イ 新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張又は変更について
そして、訂正事項3、4は、願書に添付した明細書の記載に基づくものであって、願書に添付した明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。
また、訂正事項3、4は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
したがって、訂正事項3、4は、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
4 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求における訂正事項1、3、4は、特許法第126条第1項ただし書き第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項及び第6項の規定にも適合し、訂正事項2は特許法第126条第1項ただし書き第1号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項、第6項及び第7項の規定にも適合する。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2018-390071