特許訂正審判
2018-390139
深溝玉軸受
- 審判番号
- 2018-390139
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2007-337772外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2018年09月18日
- 審決日
- 2019年01月08日
- 公報発行日
- 2019年04月26日
- 結論
- 訂正認容
- 分類
- P141 .852-Y (F16C) / P141 .853-Y (F16C)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法126条1項3号特許法126条5項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第7項、特許法第131条の2第1項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第5012499号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
特許第5012499号の明細書及び図面を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び図面のとおり訂正することを認める。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第5012499号(以下、「本件特許」という。)は、平成19年12月27日に出願され、その請求項1ないし4に係る発明について、平成24年6月15日に特許権の設定登録がされたものであって、平成30年9月18日に本件訂正審判の請求がされ、その後、同年11月6日付けで訂正拒絶理由が通知され、同年11月22日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。
第2 審判請求書、訂正明細書及び訂正図面の補正、並びにその適否
当審が平成30年11月6日付けで請求人に通知した訂正拒絶理由の要旨は、訂正事項3及び4の訂正は特許法第126条第1項ただし書に掲げるいずれの事項を目的とするものでもない、というものである。この訂正拒絶理由に対し、請求人は、平成30年11月22日付けで意見書、並びに審判請求書を補正(以下、「本件補正」という。)する手続補正書を提出した。
本件補正の内容は、平成30年9月18日付け審判請求書の「6 請求の理由」の「(2)訂正事項」から「ウ 訂正事項3」及び「エ 訂正事項4」を削除し、「(3)訂正の理由」から「ウ 訂正事項3」及び「エ 訂正事項4」を削除するものである。
本件補正による訂正事項3及び4の削除は、審判請求書の要旨を変更するものではない。よって、本件補正は特許法第131条の2第1項の規定に適合するから、補正を認める。
これにより、当審による訂正拒絶理由は解消した。
第3 請求の趣旨及び訂正の内容
本件訂正審判の請求の趣旨は、本件特許の明細書及び図面を、本件審判請求書に添付した訂正明細書及び図面のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものであり、その訂正内容は、次のとおりである(下線部分は訂正箇所を示す。)。
1 訂正事項1
明細書の段落【0024】の「本発明の深溝玉軸受に係る好適な実施形態」との記載を「本発明の深溝玉軸受に係る好適な実施形態及び参考形態」に訂正し、同段落【0025】及び【0047】中の「第1実施形態」との記載を「第1参考形態」に訂正し、同段落【0034】、【0035】、【0038】、【0039】及び【0042】の「本実施形態」との記載を「本参考形態」に訂正し、同段落【0074】【図1】の説明中の「本発明の第1実施形態」との記載を「第1参考形態」に訂正し、同段落【0074】【図3】の説明中の「本実施形態」との記載を「本参考形態」に訂正し、同段落【0074】【図5】の説明中の「第1実施形態」との記載を「第1参考形態」に訂正する。
2 訂正事項2
明細書の段落【0036】及び【0037】の「環状板5」との記載を「油溜板5」に訂正する。
3 訂正事項5
明細書の段落【0056】の「第3実施形態」との記載を「第3参考形態」に訂正し、同段落【0074】【図10】の説明中の「本発明の第3実施形態」との記載を「第3参考形態」に訂正する。
4 訂正事項6
明細書の段落【0074】【図11】、【図12】及び【図13】の説明中の「本発明の」との記載を削除する。
5 訂正事項7
明細書の段落【0075】の「1c テーパ状の切欠き」との記載を「1c 段差状の切欠き」に訂正し、同段落の「1d 段差状の切欠き」との記載を「1d テーパ状の切欠き」に訂正する。
6 訂正事項8
図面の【図6】の(a)の符号「1c」のうち右側のもの及び(b)の符号「1c」のうち左側のものをそれぞれ「1d」に訂正する。
7 訂正事項9
図面の【図8】の(b)の符号「1c」を「1d」に訂正する。
第4 当審の判断
1 訂正の目的について(特許法第126条第1項)
(1)訂正事項1
訂正前明細書の段落【0025】~【0046】に記載された「第1実施形態」は、本件特許の請求項1において特定された「テーパ状の切欠き」に関する構成を備えておらず、特許請求の範囲の技術的範囲に含まれない態様が明細書において「実施形態」として記載されていることから、当該記載は特許請求の範囲との関係で不明瞭な記載となっている。
また、訂正前明細書の段落【0024】では、特許請求の範囲の技術的範囲に含まれない上記態様を含めて「以下、本発明の深溝玉軸受に係る好適な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する」と記載されていることから、特許請求の範囲との関係で不明瞭な記載となっている。
訂正事項1は、特許請求の範囲の記載と明細書の記載との整合を図るため、訂正前明細書に記載されていた「第1実施形態」との記載を「第1参考形態」に訂正し、第1実施形態について用いられている「本実施形態」との記載を「本参考形態」に訂正し、「本発明の」との記載を削除することで、訂正前明細書に記載されていた第1実施形態が特許請求の範囲に含まれないことを明らかにするものであり、さらに訂正前明細書の段落【0024】の「実施形態」との記載を「実施形態及び参考形態」に訂正するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。
(2)訂正事項2
訂正前明細書の段落【0036】及び【0037】に「環状板5」と記載されているが、訂正前明細書の他の段落において符号5で示されているのは「油溜板5」である。また、本件特許の請求項1においても、「油溜板」との記載はあるものの、「環状板」との記載はない。してみると、当該「環状板5」との記載は特許請求の範囲及び明細書の他の段落の記載との関係で不明瞭な記載となっている。
訂正事項2は、不明瞭な「環状板5」との記載を特許請求の範囲及び明細書の他の段落の記載に整合させて「油溜板5」に訂正するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。
(3)訂正事項5
訂正前明細書の段落【0056】及び訂正前図面の【図10】に記載された「第3実施形態」は、本件特許の請求項1において特定された「テーパ状の切欠き」に関する構成を備えておらず、特許請求の範囲の技術的範囲に含まれない態様が明細書において「実施形態」として記載されていることから、当該記載は特許請求の範囲との関係で不明瞭な記載となっている。
訂正事項5は、特許請求の範囲の記載と明細書の記載との整合を図るため、訂正前明細書に記載されていた「第3実施形態」との記載を「第3参考形態」に訂正し、第3実施形態について用いられている「本発明の」との記載を削除することで、訂正前明細書に記載されていた第3実施形態が特許請求の範囲に含まれないことを明らかにするものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。
(4)訂正事項6
訂正前図面の【図11】、【図12】及び【図13】には、本件特許の請求項1において特定された「テーパ状の切欠き」を有していない態様が示されており、訂正前明細書の段落【0074】においてこれらの態様を「本発明の」深溝玉軸受と記載することは、特許請求の範囲との関係で不明瞭な記載となっている。
訂正事項6は、特許請求の範囲の記載と明細書の記載との整合を図るため、訂正前明細書の段落【0074】の【図11】、【図12】及び【図13】の説明から「本発明の」との記載を削除するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。
(5)訂正事項7
訂正前明細書の段落【0075】において、「1c テーパ状の切欠き」、「1d 段差状の切欠き」と記載されているが、訂正前明細書の段落【0031】の「段差状の切欠き1c」及び段落【0048】の「テーパ状の切欠き1d」との記載、並びに【図1】及び【図8】(a)等の記載に鑑みると、符号「1c」は「段差状の切欠き」を、符号「1d」は「テーパ状の切欠き」を意図していたことは明らかである。
訂正事項7は、訂正前明細書の段落【0075】の「1c テーパ状の切欠き」との明らかな誤記を「1c 段差状の切欠き」に訂正し、同段落の「1d 段差状の切欠き」との明らかな誤記を「1d テーパ状の切欠き」に訂正するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する「誤記又は誤訳の訂正」を目的とするものである。
(6)訂正事項8
訂正前図面の【図6】(a)、(b)において、段差状の切欠きとテーパ状の切欠きの両方に対して符号「1c」が用いられているが、上記(5)に記載したとおり、テーパ状の切欠きを示すのは符号「1d」である。このことは、訂正前明細書の段落【0048】における「図6(a)、(b)に示すように、本実施形態の深溝玉軸受は、片方の肩部1bの切欠を、軸方向外方へ行くに従って小径となるテーパ状の切欠き1dに置き換えている」との記載からも明らかである。
訂正事項8は、図面の【図6】(a)、(b)中の明らかな誤記である一方の「1c」を「1d」に訂正するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する「誤記又は誤訳の訂正」を目的とするものである。
(7)訂正事項9
訂正前図面の【図8】(b)において、テーパ状の切欠きに対して符号「1c」が用いられているが、上記(5)、(6)に記載したとおり、テーパ状の切欠きを示すのが符号「1d」であることは明らかである。
訂正事項9は、図面の【図8】(b)中の明らかな誤記である符号「1c」を「1d」に訂正するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する「誤記又は誤訳の訂正」を目的とするものである。
2 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内か否か、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正か否か(特許法第126条第5項及び第6項)
(1)訂正事項1、2、5及び6は、特許請求の範囲の記載と明細書の記載との整合を図るための訂正であり、何ら新規事項を追加するものではないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるとともに、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではない。
よって、訂正事項1、2、5及び6は、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
(2)訂正事項7~9は、明細書及び図面中の明らかな誤記を訂正するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるとともに、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではない。
よって、訂正事項7~9は、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
3 特許出願の際独立して特許を受けることができるか否か(特許法第126条第7項)
訂正事項7~9は、明細書及び図面中の明らかな誤記を訂正するものであるから、特許出願の際独立して特許を受けることができなくなるような特段の事情は存在しない。
よって、訂正事項7~9は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
第5 むすび
以上のとおり、本件訂正審判の請求に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号及び第3号に規定する事項を目的とするものであり、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
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