特許訂正審判
2018-390078
ラックアンドピニオン式ステアリング装置の製造方法
- 審判番号
- 2018-390078
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2010-010394外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2018年05月09日
- 審決日
- 2018年06月12日
- 公報発行日
- 2018年09月28日
- 結論
- 訂正認容
- 分類
- P141 .832-Y (B21K) / P141 .841-Y (B21K) / P141 .851-Y (B21K) / P141 .852-Y (B21K) / P141 .853-Y (B21K)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第6項、特許法第126条第5項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第5471493号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
特許第5471493号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本件訂正審判請求に係る特許第5471493号(以下「本件特許」という。)は,平成22年1月20日に特許出願され,平成26年2月14日に特許権の設定登録がなされ,平成30年5月9日に本件訂正審判の請求がなされたものである。
第2 請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は,特許第5471493号の明細書及び特許請求の範囲を,本件審判請求書に添付した訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める,との審決を求めるものである。
第3 本件訂正の内容
本件訂正の内容は,次のとおりである(なお,下線部は訂正箇所を示すため当審で付したものである。)。
1.訂正事項1
本件特許請求の範囲の請求項1に,
「条件A)軟化焼鈍しが施された鋼製の素材を、冷間鍛造で所定の形状に成形した後に、再結晶処理を施し、さらに高周波焼入れを施して前記ラックを製造する。」
とあるのを,
「条件A)軟化焼鈍しが施された日本工業規格JIS G4051に規定されたS45C鋼製の素材を、冷間鍛造で所定の形状に成形した後に、再結晶処理を施し、さらに高周波焼入れを施して前記ラックを製造する。」
と訂正する。
2.訂正事項2
本件特許請求の範囲の請求項1に,
「条件B)前記軟化焼鈍しにより、前記冷間鍛造前の前記素材のビッカース硬さをHV200以下とするとともに、」
とあるのを,
「条件B)前記軟化焼鈍しにより、前記冷間鍛造前の前記素材のビッカース硬さをHV194とするとともに、」
と訂正する。
3.訂正事項3
本件特許請求の範囲の請求項2を削除する。
4.訂正事項4
本件特許明細書の段落0002に,
「S35~S55C」
とあるのを,
「S35C~S55C」
と訂正する。
5.訂正事項5
本件特許明細書の段落0007に,
「条件A)軟化焼鈍しが施された鋼製の素材を、冷間鍛造で所定の形状に成形した後に、再結晶処理を施し、さらに高周波焼入れを施して前記ラックを製造する。」
とあるのを,
「条件A)軟化焼鈍しが施された日本工業規格JIS G4051に規定されたS45C鋼製の素材を、冷間鍛造で所定の形状に成形した後に、再結晶処理を施し、さらに高周波焼入れを施して前記ラックを製造する。」
と訂正する。
6.訂正事項6
本件特許明細書の段落0007に,
「条件B)前記軟化焼鈍しにより、前記冷間鍛造前の前記素材のビッカース硬さをHV200以下とするとともに、」
とあるのを,
「条件B)前記軟化焼鈍しにより、前記冷間鍛造前の前記素材のビッカース硬さをHV194とするとともに、」
と訂正する。
7.訂正事項7
本件特許明細書の段落0030の表1に,「実施例」として番号1ないし12が付されているのを,以下のとおり,「参考例」として番号1ないし6及び9ないし12を付し,「実施例」として番号7及び8を付するよう訂正する。
8.訂正事項8
本件特許明細書の段落0029に,
「以下に、実施例を示して、」
とあるのを,
「以下に、実施例及び参考例を示して、」
と訂正する。
第4 当審の判断
1.訂正事項1及び2
(1)訂正の目的について
訂正事項1は,訂正前の請求項1に係る発明における,軟化焼鈍しが施された鋼製の素材を「日本工業規格JIS G4051に規定されたS45C」に減縮するものであるから,特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、訂正事項2は,訂正前の請求項1に係る発明における,軟化焼鈍しによる,冷間鍛造前の素材のビッカース硬さHVを「200以下」から「194」に減縮するものであるから,特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(2)新規事項の追加の有無について
願書に最初に添付した明細書の段落0029及び0030の表1に,実施例7及び8として,日本工業規格JISに規定のS45Cで構成された丸棒素材に,軟化焼鈍しを施すものが記載されており,かつ,同段落0030の表1に,実施例7及び8として,鋼の種類がS45Cであって,軟化焼鈍しによる,冷間鍛造前の素材のビッカース硬さHV「194」のものが記載されていたことからみて,訂正事項1及び2は,願書に最初に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであると認められる。
(3)特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
訂正事項1及び2は,上記(1)のとおり,特許請求の範囲を減縮するものである。また,訂正事項1及び2は,請求項1に係る発明の属する発明のカテゴリを変更するものではない。
したがって,訂正事項1及び2は,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものではなく,特許法第126条第6項の規定に適合する。
(4)独立特許要件について
訂正事項1及び2は,上記「1.訂正事項1」の「(1)訂正の目的について」で指摘したとおり,特許請求の範囲を減縮するものであるから,本件訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される請求項1に係る発明(以下,「本件訂正発明」という。)が,特許出願の際独立して特許を受けることができるかどうかについて検討する。
本件訂正発明は,特許出願の際独立して特許を受けることができた特許第5471493号の請求項1に係る発明を減縮するものである上、本件訂正発明について,特許査定された事情を変更すべき新たな事由を形成するものは,現時点では見当たらない。
したがって,本件訂正発明については,特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しないから,訂正事項1及び2は特許法第126条第7項の規定に適合する。
2.訂正事項3
(1)訂正の目的について
訂正事項3は,訂正前の特許請求の範囲の請求項2に係る発明を削除するものであるから,特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(2)新規事項の追加の有無について
訂正事項3は,訂正前の特許請求の範囲の請求項2に係る発明を削除するものに過ぎないから,訂正事項3は,願書に最初に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであって,特許法第126条第5項の規定に適合する。
(3)特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
訂正事項3は,訂正前の特許請求の範囲の請求項2に係る発明を削除するものに過ぎないから,訂正事項3は,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものではなく,特許法第126条第6項の規定に適合する。
3.訂正事項4
(1)訂正の目的について
訂正事項4において,「S35」を「S35C」に訂正した点を検討すると,日本工業規格JIS G4051は,機械構造用炭素鋼鋼材(以下,単に「鋼材」という。)の種類の一つとして,「S35C」を規定するが,「S35」は規定していないことからすれば,本件訂正前の明細書の段落0002には,鋼材の種類に関して誤記があることは明白である。
したがって,訂正事項4は,明細書の段落0002の記載を上記日本工業規格の規定と整合させる誤記の訂正であるから,特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものである。
(2)新規事項の追加の有無について
願書に最初に添付した特許請求の範囲の請求項2並びに同明細書の段落0009,0018及び0029に「日本工業規格JIS G4051に規定されたS35C」が記載されていたことからみて,訂正事項4は,願書に最初に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであると認められる。
したがって,訂正事項4は,願書に最初に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであって,特許法第126条第5項の規定に適合する。
(3)特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
訂正事項4は,上記(1)のとおり,鋼材の種類に関する明白な誤記を訂正するものに過ぎず,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものではないから,特許法第126条第6項の規定に適合する。
4.訂正事項5及び6
(1)訂正の目的について
本件訂正前の明細書の段落0007には,訂正事項1及び2による訂正前の請求項1に係る発明に対応する記載が存在するところ,訂正事項5及び6は,当該段落0007の記載を本件訂正発明の記載に一致させるものである。
したがって,訂正事項5及び6は,特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(2)新規事項の追加の有無について
上記「1.訂正事項1及び2」の「(2)新規事項の追加の有無について」で指摘したとおり,訂正事項5及び6は,願書に最初に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであって,特許法第126条第5項の規定に適合する。
(3)特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
上記「1.訂正事項1及び2」の「(3)特許請求の範囲の拡張・変更の存否について」で指摘したとおり,訂正事項5及び6は,特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものではなく,特許法第126条第6項の規定に適合する。
5.訂正事項7及び8
(1)訂正の目的について
本件訂正前の明細書の段落0030の表1には,訂正事項1及び2による訂正前の請求項1に係る発明に対応する実施例1ないし12が記載されているところ,訂正事項7は,これらの内,本件訂正発明には対応しないものを参考例とすることにより,これらを本件訂正発明に整合させるものである。
また,同段落0029には,「以下に、実施例を示して、」と記載されているところ,訂正事項8は,これを「以下に、実施例及び参考例を示して、」と書き改めることにより,当該段落0029の記載を本件訂正発明に整合させるものである。
したがって,訂正事項7及び8は,特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(2)新規事項の追加の有無について
訂正事項7及び8は,上記(1)のとおり,本件訂正発明に対応しない実施例を参考例とするものに過ぎないから,訂正事項7及び8は,願書に最初に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであって,特許法第126条第5項の規定に適合する。
(3)特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
訂正事項7及び8は,上記(1)のとおり,本件訂正発明に対応しない実施例を参考例とするものに過ぎず,特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものではないから,特許法第126条第6項の規定に適合する。
第5 むすび
以上のとおりであるから,本件訂正は,特許法第126条第1項ただし書第1号ないし第3号に掲げる事項を目的とするものであり,かつ,同条第5項ないし第7項の規定に適合する。
よって,結論のとおり審決する。
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