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特許無効審判

2015-800013

スロットマシン

審判番号
2015-800013
法域
特許
審判種別
無効審判(無効の審決)
出願番号
特願2001-246673外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2015年01月19日
審決日
2016年06月22日
公報発行日
2018年07月27日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P1113.121-YAA(A63F) / P1113.851-YAA(A63F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項特許法169条2項民事訴訟法61条
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第134条の2第9項、特許法第134条の2第1項、特許法第126条第5項、特許法第29条第2項、特許法第123条第1項第2号、特許法第134条の2第6項、特許法第126条第3項、特許法第169条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

上記当事者間の特許第5008231号発明「スロットマシン」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 特許第5008231号の明細書を訂正請求書に添付された全文訂正明細書のとおり,訂正後の請求項1~5について訂正することを認める。 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。

理由

【理 由】 【目次】 第1 手続の経緯             (第4頁) 第2 訂正の適否 1 訂正の内容              (第5頁) (1)訂正事項1 ~中略~ (28)訂正事項28 2 訂正の適否の判断          (第16頁) (1)訂正事項1 (1-1)訂正の目的について (1-2)新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について ~中略~ (28)訂正事項28 (28-1)訂正の目的について (28-2)新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について (29)一群の請求項等について 3 まとめ               (第43頁) 第3 本件特許発明           (第44頁) 第4 当事者の主張の概要 1 請求人の主張の概要         (第46頁) 【証拠方法】 [書証]甲第1~38号証 [検証]検甲第1~4号証 2 被請求人の主張の概要        (第49頁) [書証]乙第1~3号証 第5 当審の判断 1 甲各号証に記載された事項      (第50頁) (1)甲第1号証 (2)甲第2号証 (3)甲第3号証 ~中略~ (38)甲第38号証 2 検甲号証(検証物)について     (第76頁) (1)検甲第1号証 (1-1)~(1-17) (2)検甲第2号証 (2-1)~(2-17) (3)検甲第1~2号証の証拠としての適否 ア 請求人の主張 イ 被請求人の主張 ウ 当審による検討 (a)検甲第1号証 (a-1)検甲第1号証が「クランキーコンドル」であること (a-2)検甲第1号証の改造可能性 (b)検甲第2号証 (b-1)検甲第2号証が「フローズンナイツ」であること (b-2)検甲第2号証の改造可能性 (4)検甲第3号証 (5)検甲第4号証 3 無効理由について         (第105頁) 3-1 本件特許発明1について (1)対比 [一致点] [相違点1]~[相違点4] (2)判断 (2-1)相違点3について ア 請求人の主張 イ 被請求人の主張 ウ 当審の判断 (2-2)相違点4について (3)小括 3-2 本件特許発明2及び5について 第6 むすび     (第117頁) 【理由の本文】 第1 手続の経緯 本件特許第5008231号(以下,「本件特許」という。)に係る出願(特願2001-246673号)は,平成13年8月15日を出願日とする出願であって,その特許権の設定登録は平成24年6月8日にされ,その後,請求人日本電動式遊技機特許株式会社から無効審判が請求されたものである。以下,請求以後の経緯を整理して示す。 平成27年 1月19日差出 無効審判請求書の提出 平成27年 4月 2日   審判事件答弁書の提出 平成27年 4月 2日   訂正請求書の提出 平成27年 5月14日   弁駁書の提出 平成27年 6月25日   審理事項通知書 平成27年 8月 5日   口頭審理陳述要領書の提出(請求人) 平成27年 8月 6日   口頭審理陳述要領書の提出(被請求人) 平成27年 8月19日   口頭審理期日延期通知書 平成27年 8月31日   検証申出書の提出(請求人) 平成27年 8月31日   上申書の提出(請求人) 平成27年 9月14日   審理事項通知書 平成27年11月 2日   口頭審理陳述要領書(2)の提出(請求人) 平成27年11月 4日   口頭審理陳述要領書(2)の提出(被請求人) 平成27年11月10日   上申書の提出(請求人) 平成27年11月18日   手続補正書の提出(請求人) 平成27年11月18日   上申書の提出(請求人) 平成27年11月18日   口頭審理の実施 平成27年12月18日   審決の予告 平成28年 3月 4日   審判事件答弁書(2)の提出 平成28年 3月 4日   訂正請求書(2)の提出 平成28年 4月14日   弁駁書(2)の提出 平成28年 4月14日   検証申出書の提出(請求人) 第2 訂正の適否 本件特許の訂正について,平成27年4月2日付け訂正請求書,及び平成28年3月4日付け訂正請求書(2)が提出されているが,「訂正の請求がされた場合において,その審判事件において先にした訂正の請求があるときは,当該先の請求は,取り下げられたものとみなす」(特許法第134条の2第6項)と規定されているから,平成28年3月4日付け訂正請求書(2)に添付された全文訂正明細書の訂正のみを検討の対象とする。 また,請求人は,平成28年3月4日付け訂正請求書(2)による訂正請求(以下,「本件訂正」という。)について,平成28年4月14日付け弁駁書(2)においては争っていない。 1 訂正の内容 (1)訂正事項1 本件特許請求の範囲の請求項1に 「少なくとも一部に透光性領域を有するカバー部材と,」 とあるのを, 「全体が透光性領域で構成されたカバー部材と,」 に訂正する(下線部は訂正箇所を意味する。以下同様。)。 (2)訂正事項2 本件特許請求の範囲の請求項1に 「前記化粧部材の後面側に配置され,該化粧部材の後面を被覆する後部カバー部材と,」 とあるのを, 「前記化粧部材の後面側に配置され,該化粧部材の後面を被覆する前記カバー部材と同材質の全体が透光性領域で構成された後部カバー部材と,」 に訂正する。 (3)訂正事項3 本件特許請求の範囲の請求項1に 「前記化粧部材,前記カバー部材,前記後部カバー部材は,該化粧部材が前記カバー部材及び前記後部カバー部材により挟持され互いに枠体に一体的に組み付けられた状態で前記前面扉の前面側から該前面扉の一部の領域である所定領域に前記枠体を介して係止され,前記前面扉を開放して前記前面扉の後面側から前記係止を解除することにより取り外される,」 とあるのを, 「前記化粧部材,前記カバー部材及び前記後部カバー部材は,外方形状が上辺,該上辺を切り欠いた左右傾斜辺,左右辺及び下辺からなる六角形に形成され,該化粧部材が前記カバー部材及び前記後部カバー部材により挟持され互いに枠体の後面側に前記カバー部材を突き合わせた後,前記後部カバー部材の後側から前記上辺の両端部及び前記下辺の両端部に形成されたネジ挿通孔にネジを挿通し,前記枠体の後面に形成された雌ネジ部に螺入することにより一体的に組み付けられた状態で前記前面扉の前面側から該前面扉の一部の領域である所定領域に前記枠体を介して係止され,前記前面扉を開放して前記前面扉の後面側から前記係止を解除することにより取り外され,」と訂正する。 (4)訂正事項4 本件特許請求の範囲の請求項1に 「前記枠体の外方形状が上辺,該上辺を切り欠いた左右傾斜辺,左右辺及び下辺からなる六角形の環状に形成されており,先端に第1の係止爪を有する第1の係止片が前記枠体の後端より後ろ向きに突設し前記枠体の上辺よりも内側に前記枠体の上辺に沿って前記枠体の上辺の両端寄りに2個設けられ,先端に第2の係止爪を有する第2の係止片が前記枠体の後端より後ろ向きに突設し前記枠体の下辺よりも内側に前記枠体の下辺に沿って前記枠体の下辺の両端寄りに2個設けられ,先端に第3の係止爪を有する第3の係止片が前記枠体の左辺に沿って前記枠体の左辺の略中央に1個設けられ,先端に第4の係止爪を有する第4の係止片が前記枠体の右辺に沿って前記枠体の右辺の略中央に1個設けられ,前記枠体の前記左右傾斜辺には係止片は設けられておらず,前記第1の係止爪と前記第2の係止爪はそれぞれ外向きに形成され, 前記所定領域には,内周形状が上辺,該上辺を切り欠いた左右傾斜辺,左右辺及び下辺からなる六角形であり,前記枠体の外方側面が全周にわたり嵌合する凹部が形成され,前記凹部の内周よりも内側に第1の挿通口が前記凹部の上辺に沿って前記凹部の上辺の両端寄りに2個設けられ,前記凹部の内周よりも内側に第2の挿通口が前記凹部の下辺に沿って前記凹部の下辺の両端寄りに2個設けられ,前記凹部に第3の挿通口が前記凹部の左辺に沿って前記凹部の左辺の略中央に1個設けられ,前記凹部に第4の挿通口が前記凹部の右辺に沿って前記凹部の右辺の略中央に1個設けられ,前記凹部の前記左右傾斜辺には挿通口が設けられておらず, 前記第1の係止片が前記第1の挿通口に挿通されたときには前記第1の係止爪が前記前面扉の裏面に外向きに係止され,前記第2の係止片が前記第2の挿通口に挿通されたときには前記第2の係止爪が前記前面扉の裏面に外向きに係止され,前記第3の係止片は前記第3の挿通口に挿通され前記第3の係止爪が前記前面扉の裏面に係止され,前記第4の係止片は前記第4の挿通口に挿通され前記第4の係止爪が前記前面扉の裏面に係止されることにより,前記枠体の外方側面が全周にわたり前記凹部に嵌合し前記枠体の後端縁の上辺と前記第1の係止片との間の第1の領域が前記凹部の底面周縁の上辺と前記第1の挿通口の上辺との間の第2の領域において当接し,前記枠体の後端縁の下辺と前記第2の係止片との間の第3の領域が前記凹部の底面周縁の下辺と前記第2の挿通口の下辺との間の第4の領域において当接するとともに,前記枠体の後端縁の上辺と前記凹部の底面周縁の上辺が左右方向全幅にわたって当接し,前記枠体の後端縁の下辺と前記凹部の底面周縁の下辺が左右方向全幅にわたって当接する状態で,一体化した前記枠体,前記化粧部材,前記カバー部材及び前記後部カバー部材は前記前面扉に取り付けられ, 一体化した前記枠体,前記化粧部材,前記カバー部材及び前記後部カバー部材が前記前面扉に取り付けられた状態では,前記枠体の後端縁の上辺と前記第1の係止片との間の第1の領域が前記凹部の底面周縁の上辺と前記第1の挿通口の上辺との間の第2の領域において当接し,前記枠体の後端縁の下辺と前記第2の係止片との間の第3の領域が前記凹部の底面周縁の下辺と前記第2の挿通口の下辺との間の第4の領域において当接するとともに,前記枠体の後端縁の上辺と前記凹部の底面周縁の上辺が左右方向全幅にわたって当接し,前記枠体の後端縁の下辺と前記凹部の底面周縁の下辺が左右方向全幅にわたって当接する」 を加える。 (5)訂正事項5 本件特許請求の範囲の請求項3,4を削除する。 (6)訂正事項6 本件特許請求の範囲の請求項5に 「請求項1~4のいずれかに記載のスロットマシン。」 とあるのを, 「請求項1または2に記載のスロットマシン。」 に訂正する。 (7)訂正事項7 願書に添付した明細書の段落【0006】に 「1ゲームに対して賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに,表示状態を変化させることが可能な可変表示装置の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し,前記可変表示装置の表示結果に応じて所定の入賞が発生可能なスロットマシンにおいて, 前面が開口する本体と, 前記本体の前面開口を開閉可能に設けられる前面扉と, 少なくとも一部に透光性領域を有するカバー部材と, 前記カバー部材の後面側に配置され,前記透光性領域に対応する箇所に装飾が施された化粧部材と, 前記化粧部材の後面側に配置され,該化粧部材の後面を被覆する後部カバー部材と,を備え, 前記化粧部材,前記カバー部材,前記後部カバー部材は,該化粧部材が前記カバー部材及び前記後部カバー部材により挟持され互いに枠体に一体的に組み付けられた状態で前記前面扉の前面側から該前面扉の一部の領域である所定領域に前記枠体を介して係止され,前記前面扉を開放して前記前面扉の後面側から前記係止を解除することにより取り外される,ことを特徴としている。」 とあるのを, 「1ゲームに対して賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに,表示状態を変化させることが可能な可変表示装置の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し,前記可変表示装置の表示結果に応じて所定の入賞が発生可能なスロットマシンにおいて, 前面が開口する本体と, 前記本体の前面開口を開閉可能に設けられる前面扉と, 全体が透光性領域で構成されたカバー部材と, 前記カバー部材の後面側に配置され,前記透光性領域に対応する箇所に装飾が施された化粧部材と, 前記化粧部材の後面側に配置され,該化粧部材の後面を被覆する前記カバー部材と同材質の全体が透光性領域で構成された後部カバー部材と,を備え, 前記化粧部材,前記カバー部材及び前記後部カバー部材は,外方形状が上辺,該上辺を切り欠いた左右傾斜辺,左右辺及び下辺からなる六角形に形成され,該化粧部材が前記カバー部材及び前記後部カバー部材により挟持され互いに枠体の後面側に前記カバー部材を突き合わせた後,前記後部カバー部材の後側から前記上辺の両端部及び前記下辺の両端部に形成されたネジ挿通孔にネジを挿通し,前記枠体の後面に形成された雌ネジ部に螺入することにより一体的に組み付けられた状態で前記前面扉の前面側から該前面扉の一部の領域である所定領域に前記枠体を介して係止され,前記前面扉を開放して前記前面扉の後面側から前記係止を解除することにより取り外され, 前記枠体の外方形状が上辺,該上辺を切り欠いた左右傾斜辺,左右辺及び下辺からなる六角形の環状に形成されており,先端に第1の係止爪を有する第1の係止片が前記枠体の後端より後ろ向きに突設し前記枠体の上辺よりも内側に前記枠体の上辺に沿って前記枠体の上辺の両端寄りに2個設けられ,先端に第2の係止爪を有する第2の係止片が前記枠体の後端より後ろ向きに突設し前記枠体の下辺よりも内側に前記枠体の下辺に沿って前記枠体の下辺の両端寄りに2個設けられ,先端に第3の係止爪を有する第3の係止片が前記枠体の左辺に沿って前記枠体の左辺の略中央に1個設けられ,先端に第4の係止爪を有する第4の係止片が前記枠体の右辺に沿って前記枠体の右辺の略中央に1個設けられ,前記枠体の前記左右傾斜辺には係止片は設けられておらず,前記第1の係止爪と前記第2の係止爪はそれぞれ外向きに形成され, 前記所定領域には,内周形状が上辺,該上辺を切り欠いた左右傾斜辺,左右辺及び下辺からなる六角形であり,前記枠体の外方側面が全周にわたり嵌合する凹部が形成され,前記凹部の内周よりも内側に第1の挿通口が前記凹部の上辺に沿って前記凹部の上辺の両端寄りに2個設けられ,前記凹部の内周よりも内側に第2の挿通口が前記凹部の下辺に沿って前記凹部の下辺の両端寄りに2個設けられ,前記凹部に第3の挿通口が前記凹部の左辺に沿って前記凹部の左辺の略中央に1個設けられ,前記凹部に第4の挿通口が前記凹部の右辺に沿って前記凹部の右辺の略中央に1個設けられ,前記凹部の前記左右傾斜辺には挿通口が設けられておらず, 前記第1の係止片が前記第1の挿通口に挿通されたときには前記第1の係止爪が前記前面扉の裏面に外向きに係止され,前記第2の係止片が前記第2の挿通口に挿通されたときには前記第2の係止爪が前記前面扉の裏面に外向きに係止され,前記第3の係止片は前記第3の挿通口に挿通され前記第3の係止爪が前記前面扉の裏面に係止され,前記第4の係止片は前記第4の挿通口に挿通され前記第4の係止爪が前記前面扉の裏面に係止されることにより,前記枠体の外方側面が全周にわたり前記凹部に嵌合し前記枠体の後端縁の上辺と前記第1の係止片との間の第1の領域が前記凹部の底面周縁の上辺と前記第1の挿通口の上辺との間の第2の領域において当接し,前記枠体の後端縁の下辺と前記第2の係止片との間の第3の領域が前記凹部の底面周縁の下辺と前記第2の挿通口の下辺との間の第4の領域において当接するとともに,前記枠体の後端縁の上辺と前記凹部の底面周縁の上辺が左右方向全幅にわたって当接し,前記枠体の後端縁の下辺と前記凹部の底面周縁の下辺が左右方向全幅にわたって当接する状態で,一体化した前記枠体,前記化粧部材,前記カバー部材及び前記後部カバー部材は前記前面扉に取り付けられ, 一体化した前記枠体,前記化粧部材,前記カバー部材及び前記後部カバー部材が前記前面扉に取り付けられた状態では,前記枠体の後端縁の上辺と前記第1の係止片との間の第1の領域が前記凹部の底面周縁の上辺と前記第1の挿通口の上辺との間の第2の領域において当接し,前記枠体の後端縁の下辺と前記第2の係止片との間の第3の領域が前記凹部の底面周縁の下辺と前記第2の挿通口の下辺との間の第4の領域において当接するとともに,前記枠体の後端縁の上辺と前記凹部の底面周縁の上辺が左右方向全幅にわたって当接し,前記枠体の後端縁の下辺と前記凹部の底面周縁の下辺が左右方向全幅にわたって当接する,ことを特徴としている。」 に訂正する。 (8)訂正事項8 願書に添付した明細書の段落【0204】に 「本発明の請求項1は, 1ゲームに対して賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに,表示状態を変化させることが可能な可変表示装置(50)の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し,前記可変表示装置の表示結果に応じて所定の入賞が発生可能なスロットマシン(1,1a~1f)において, 前面が開口する本体(筐体2)と, 前記本体の前面開口を開閉可能に設けられる前面扉(前面扉4,基体160)と, 少なくとも一部に透光性領域を有するカバー部材(前面カバーパネル303,320)と, 前記カバー部材の後面側に配置され,前記透光性領域に対応する箇所に装飾が施された化粧部材(化粧シート304,321)と, 前記化粧部材の後面側に配置され,該化粧部材の後面を被覆する後部カバー部材(後面カバーパネル305,322)と,を備え, 前記化粧部材,前記カバー部材,前記後部カバー部材は,該化粧部材が前記カバー部材及び前記後部カバー部材により挟持され互いに枠体(上部飾り枠306,下部飾り枠323)に一体的に組み付けられた状態で前記前面扉の前面側から該前面扉の一部の領域である所定領域に前記枠体を介して係止され,前記前面扉を開放して前記前面扉の後面側から前記係止を解除することにより取り外される(図7,8参照)。」 とあるのを, 「本発明の請求項1は, 1ゲームに対して賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに,表示状態を変化させることが可能な可変表示装置(50)の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し,前記可変表示装置の表示結果に応じて所定の入賞が発生可能なスロットマシン(1,1a~1f))において, 前面が開口する本体(筐体2)と, 前記本体の前面開口を開閉可能に設けられる前面扉(前面扉4,基体160)と, 全体が透光性領域で構成されたカバー部材(前面カバーパネル320)と, 前記カバー部材の後面側に配置され,前記透光性領域に対応する箇所に装飾が施された化粧部材(化粧シート321)と, 前記化粧部材の後面側に配置され,該化粧部材の後面を被覆する前記カバー部材と同材質の全体が透光性領域で構成された後部カバー部材(後面カバーパネル322)と,を備え, 前記化粧部材,前記カバー部材及び前記後部カバー部材は,外方形状が上辺,該上辺を切り欠いた左右傾斜辺,左右辺及び下辺からなる六角形に形成され,該化粧部材が前記カバー部材及び前記後部カバー部材により挟持され互いに枠体(下部飾り枠323)の後面側に前記カバー部材を突き合わせた後,前記後部カバー部材の後側から前記上辺の両端部及び前記下辺の両端部に形成されたネジ挿通孔にネジを挿通し,前記枠体の後面に形成された雌ネジ部に螺入することにより一体的に組み付けられた状態で前記前面扉の前面側から該前面扉の一部の領域である所定領域に前記枠体を介して係止され,前記前面扉を開放して前記前面扉の後面側から前記係止を解除することにより取り外され(図7,8参照), 前記枠体の外方形状が上辺,該上辺を切り欠いた左右傾斜辺,左右辺及び下辺からなる六角形の環状に形成されており,先端に第1の係止爪を有する第1の係止片が前記枠体の後端より後ろ向きに突設し前記枠体の上辺よりも内側に前記枠体の上辺に沿って前記枠体の上辺の両端寄りに2個設けられ,先端に第2の係止爪を有する第2の係止片が前記枠体の後端より後ろ向きに突設し前記枠体の下辺よりも内側に前記枠体の下辺に沿って前記枠体の下辺の両端寄りに2個設けられ,先端に第3の係止爪を有する第3の係止片が前記枠体の左辺に沿って前記枠体の左辺の略中央に1個設けられ,先端に第4の係止爪を有する第4の係止片が前記枠体の右辺に沿って前記枠体の右辺の略中央に1個設けられ,前記枠体の前記左右傾斜辺には係止片は設けられておらず,前記第1の係止爪と前記第2の係止爪はそれぞれ外向きに形成され, 前記所定領域には,内周形状が上辺,該上辺を切り欠いた左右傾斜辺,左右辺及び下辺からなる六角形であり,前記枠体の外方側面が全周にわたり嵌合する凹部が形成され,前記凹部の内周よりも内側に第1の挿通口が前記凹部の上辺に沿って前記凹部の上辺の両端寄りに2個設けられ,前記凹部の内周よりも内側に第2の挿通口が前記凹部の下辺に沿って前記凹部の下辺の両端寄りに2個設けられ,前記凹部に第3の挿通口が前記凹部の左辺に沿って前記凹部の左辺の略中央に1個設けられ,前記凹部に第4の挿通口が前記凹部の右辺に沿って前記凹部の右辺の略中央に1個設けられ,前記凹部の前記左右傾斜辺には挿通口が設けられておらず, 前記第1の係止片が前記第1の挿通口に挿通されたときには前記第1の係止爪が前記前面扉の裏面に外向きに係止され,前記第2の係止片が前記第2の挿通口に挿通されたときには前記第2の係止爪が前記前面扉の裏面に外向きに係止され,前記第3の係止片は前記第3の挿通口に挿通され前記第3の係止爪が前記前面扉の裏面に係止され,前記第4の係止片は前記第4の挿通口に挿通され前記第4の係止爪が前記前面扉の裏面に係止されることにより,前記枠体の外方側面が全周にわたり前記凹部に嵌合し前記枠体の後端縁の上辺と前記第1の係止片との間の第1の領域が前記凹部の底面周縁の上辺と前記第1の挿通口の上辺との間の第2の領域において当接し,前記枠体の後端縁の下辺と前記第2の係止片との間の第3の領域が前記凹部の底面周縁の下辺と前記第2の挿通口の下辺との間の第4の領域において当接するとともに,前記枠体の後端縁の上辺と前記凹部の底面周縁の上辺が左右方向全幅にわたって当接し,前記枠体の後端縁の下辺と前記凹部の底面周縁の下辺が左右方向全幅にわたって当接する状態で,一体化した前記枠体,前記化粧部材,前記カバー部材及び前記後部カバー部材は前記前面扉に取り付けられ, 一体化した前記枠体,前記化粧部材,前記カバー部材及び前記後部カバー部材が前記前面扉に取り付けられた状態では,前記枠体の後端縁の上辺と前記第1の係止片との間の第1の領域が前記凹部の底面周縁の上辺と前記第1の挿通口の上辺との間の第2の領域において当接し,前記枠体の後端縁の下辺と前記第2の係止片との間の第3の領域が前記凹部の底面周縁の下辺と前記第2の挿通口の下辺との間の第4の領域において当接するとともに,前記枠体の後端縁の上辺と前記凹部の底面周縁の上辺が左右方向全幅にわたって当接し,前記枠体の後端縁の下辺と前記凹部の底面周縁の下辺が左右方向全幅にわたって当接する。」 に訂正する。 (9)訂正事項9 願書に添付した明細書の段落【0213】,【0215】,【0232】,【0234】を削除する。 (10)訂正事項10 願書に添付した明細書の段落【0025】に 「メダル排出穴9」 とあるのを, 「メダル払出穴9」 に訂正する。 (11)訂正事項11 願書に添付した明細書の段落【0037】に 「ウェイト表示部28」及び「スタート表示部29」 とあるのを, 「ウェイト表示部29」及び「スタート表示部28」 に訂正する。 (12)訂正事項12 願書に添付した明細書の段落【0047】に 「表示窓14」 とあるのを, 「透視窓14」 に訂正する。 (13)訂正事項13 願書に添付した明細書の段落【0053】に 「放熱用穴部90,91」及び「有孔板89」 とあるのを, 「放熱用穴部90a,90b」及び「有孔板91」 に訂正する。 (14)訂正事項14 願書に添付した明細書の段落【0079】に 「払出しセンサ61」 とあるのを, 「払出しメダルセンサ61」 に訂正する。 (15)訂正事項15 願書に添付した明細書の段落【0091】に 「前面カバーパネルパネル303,331,320」 とあるのを, 「前面カバーパネル303,331,320」 に訂正する。 (16)訂正事項16 願書に添付した明細書の段落【0091】に 「ぞれぞれ」 とあるのを, 「それぞれ」 に訂正する。 (17)訂正事項17 願書に添付した明細書の段落【0126】及び【0127】に 「開口部163」 とあるのを, 「上開口部163」 に訂正する。 (18)訂正事項18 願書に添付した明細書の段落【0128】に 「下部飾り枠323基体160の前面側から取り付けられる」 とあるのを, 「下部飾り枠323が基体160の前面側から取り付けられる」 に訂正する。 (19)訂正事項19 願書に添付した明細書の段落【0137】に 「透視窓334」 とあるのを, 「透光窓334」 に訂正する。 (20)訂正事項20 願書に添付した明細書の段落【0143】,【0144】及び【0149】に 「各種表示器110~112」 とあるのを, 「各種表示器108~110」 に訂正する。 (21)訂正事項21 願書に添付した明細書の段落【0166】,【0167】及び【0168】に 「設置板92」 とあるのを, 「載置板92」 に訂正する。 (22)訂正事項22 願書に添付した明細書の段落【0168】及び【0182】に 「収容ケース550」 とあるのを, 「収納ケース550」 に訂正する。 (23)訂正事項23 願書に添付した明細書の段落【0178】に 「開口部304」 とあるのを, 「開口部308」 に訂正する。 (24)訂正事項24 願書に添付した明細書の段落【0178】に 「化粧シート304c」 とあるのを, 「化粧シート304a」 に訂正する。 (25)訂正事項25 願書に添付した明細書の段落【0178】に 「化粧シート332c」 とあるのを, 「化粧シート332a」 に訂正する。 (26)訂正事項26 願書に添付した明細書の【図面の簡単な説明】に 「【図14】(a)はスロットマシン1dを示す正面図であり,(b)はそのカバー部材,化粧部材,後部カバー部材を示す概略図であり,(c)はその前面扉4の後面側の要部を示す概略図である。」 とあるのを, 「【図14】(a)はスロットマシン1dを示す正面図であり,(b)はそのカバー部材,化粧部材,後部カバー部材を示す概略図である。」 に訂正する。 (27)訂正事項27 願書に添付した明細書の【図面の簡単な説明】に 「【図15】(a)はスロットマシン1eを示す正面図であり,(b)はそのカバー部材,化粧部材,後部カバー部材を示す概略図であり,(c)はその前面扉4の後面側の要部を示す概略図である。」 とあるのを, 「【図15】(a)はスロットマシン1eを示す正面図であり,(b)はそのカバー部材,化粧部材,後部カバー部材を示す概略図である。」 に訂正する。 (28)訂正事項28 願書に添付した明細書の【符号の説明】に 「61 払出メダルセンサ」 とあるのを, 「61 払出しメダルセンサ」 に訂正する。 2 訂正の適否の判断 (1)訂正事項1 (1-1)訂正の目的について 訂正事項1は,「少なくとも一部に透光性領域を有するカバー部材」という発明特定事項を「全体が透光性領域で構成されたカバー部材」という発明特定事項に訂正することにより,訂正前の請求項1に記載された「カバー部材」に関して,全体が透光性領域で構成されたと減縮するものである。 したがって,訂正事項1は,特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (1-2)新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について 願書に添付した明細書の段落【0129】には「前面カバーパネル320,及び後面カバーパネル322は,ポリカーボネイト樹脂等の透光性の樹脂材により全体が透明に形成されている。」と記載されているから,訂正事項1は,本件特許の願書に添付した明細書又は図面(以下,「本件特許明細書等」という。)に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。このことから,訂正事項1は,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 また,訂正事項1は,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから,特許法第134条の2第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 (2)訂正事項2 (2-1)訂正の目的について 訂正事項2は,「該化粧部材の後面を被覆する後部カバー部材」という発明特定事項を「該化粧部材の後面を被覆する前記カバー部材と同材質の全体が透光性領域で構成された後部カバー部材」という発明特定事項に訂正することにより,訂正前の請求項1に記載された「後部カバー部材」に関して,カバー部材と同材質であることを減縮するとともに,全体が透光性領域で構成されたと減縮するものである。 したがって,訂正事項2は,特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (2-2)新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について 上記(1)(1-2)において既に検討しているように,本件特許明細書等の段落【0129】には「前面カバーパネル320,及び後面カバーパネル322は,ポリカーボネイト樹脂等の透光性の樹脂材により全体が透明に形成されている。」と記載されているから,訂正事項2は,本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。このことから,訂正事項2は,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 また,訂正事項2は,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから,特許法第134条の2第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 (3)訂正事項3 被請求人は,平成28年3月4日付け訂正請求書(2)の第15~16頁において,訂正事項の説明のために,以下の本件特許明細書等の【図7】,【図8】(b)に赤の引きだし線及び赤文字の部材名を記載した図面を付けている(識別困難であるが,訂正前の【図7】,【図8】(b)で追加された部分を示す。)。 【図7】 【図8】(b) (3-1)訂正の目的について 訂正事項3は,「前記化粧部材,前記カバー部材,前記後部カバー部材は,該化粧部材が前記カバー部材及び前記後部カバー部材により挟持され互いに枠体に一体的に組み付けられた状態で前記前面扉の前面側から該前面扉の一部の領域である所定領域に前記枠体を介して係止され,前記前面扉を開放して前記前面扉の後面側から前記係止を解除することにより取り外される,」という発明特定事項を「前記化粧部材,前記カバー部材及び前記後部カバー部材は,外方形状が上辺,該上辺を切り欠いた左右傾斜辺,左右辺及び下辺からなる六角形に形成され,該化粧部材が前記カバー部材及び前記後部カバー部材により挟持され互いに枠体の後面側に前記カバー部材を突き合わせた後,前記後部カバー部材の後側から前記上辺の両端部及び前記下辺の両端部に形成されたネジ挿通孔にネジを挿通し,前記枠体の後面に形成された雌ネジ部に螺入することにより一体的に組み付けられた状態で前記前面扉の前面側から該前面扉の一部の領域である所定領域に前記枠体を介して係止され,前記前面扉を開放して前記前面扉の後面側から前記係止を解除することにより取り外され,」という発明特定事項に訂正することにより,訂正前の請求項1に記載された「化粧部材」,「カバー部材」及び「後部カバー部材」の形状を具体的にすることにより減縮するとともに,「化粧部材」,「カバー部材」及び「後部カバー部材」を「枠体」に一体的に組み付ける組み付け方を具体的に限定することにより減縮するものである。 したがって,訂正事項3は,特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (3-2)新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について 以下,新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について,順に検討する。 (a)訂正事項3の「前記化粧部材,前記カバー部材及び前記後部カバー部材は,外方形状が上辺,該上辺を切り欠いた左右傾斜辺,左右辺及び下辺からなる六角形に形成され,」(以下,「訂正事項3a」という。)については,本件特許明細書等の【図7】には,化粧シート321,前面カバーパネル320及び後面カバーパネル322は,外方形状が上辺,該上辺を切り欠いた左右傾斜辺,左右辺及び下辺からなる六角形に形成されていることが図示されている。このことから,訂正事項3aは,本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。 (b)訂正事項3の「該化粧部材が前記カバー部材及び前記後部カバー部材により挟持され互いに枠体の後面側に前記カバー部材を突き合わせた後,前記後部カバー部材の後側から前記上辺の両端部及び前記下辺の両端部に形成されたネジ挿通孔にネジを挿通し,前記枠体の後面に形成された雌ネジ部に螺入することにより一体的に組み付けられた状態」(以下,「訂正事項3b」という。)については,本件特許明細書等の段落【0132】には「これら前面カバーパネル320,化粧シート321,後面カバーパネル322は,図7及び図8(b)に示されるように,化粧シート321を前面カバーパネル320と後面カバーパネル322とで前後方向から挟み込むように互いに重ね合わせて,前面カバーパネル320を下部飾り枠323の後面側に突き合わせた後,後面カバーパネル322の後側から,それぞれの四隅に形成されたネジ挿通孔324,325,326内にネジ327を挿通し,下部飾り枠323の裏面四隅に形成された雌ねじ部328内に螺入することにより,下部飾り枠323に一体的に取り付けることができる。」と記載されている。このことから,訂正事項3bは,本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。 以上のことから,訂正事項3は,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 また,訂正事項3は,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから,特許法第134条の2第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 (4)訂正事項4 (4-1)訂正の目的について 訂正事項4は,新たな発明特定事項を加えることにより,複数の発明特定事項を減縮する訂正であるので,順に検討する。 (a)訂正事項4の「前記枠体の外方形状が上辺,該上辺を切り欠いた左右傾斜辺,左右辺及び下辺からなる六角形の環状に形成されており,先端に第1の係止爪を有する第1の係止片が前記枠体の後端より後ろ向きに突設し前記枠体の上辺よりも内側に前記枠体の上辺に沿って前記枠体の上辺の両端寄りに2個設けられ,先端に第2の係止爪を有する第2の係止片が前記枠体の後端より後ろ向きに突設し前記枠体の下辺よりも内側に前記枠体の下辺に沿って前記枠体の下辺の両端寄りに2個設けられ,先端に第3の係止爪を有する第3の係止片が前記枠体の左辺に沿って前記枠体の左辺の略中央に1個設けられ,先端に第4の係止爪を有する第4の係止片が前記枠体の右辺に沿って前記枠体の右辺の略中央に1個設けられ,前記枠体の前記左右傾斜辺には係止片は設けられておらず,前記第1の係止爪と前記第2の係止爪はそれぞれ外向きに形成され,」という発明特定事項を加える部分の訂正事項(以下,「訂正事項4a」という。)については,「枠体」の外方形状を減縮するとともに,「枠体」と「第1~4の係止片」の位置関係を具体的に限定することにより減縮するものである。 (b)訂正事項4の「前記所定領域には,内周形状が上辺,該上辺を切り欠いた左右傾斜辺,左右辺及び下辺からなる六角形であり,前記枠体の外方側面が全周にわたり嵌合する凹部が形成され,前記凹部の内周よりも内側に第1の挿通口が前記凹部の上辺に沿って前記凹部の上辺の両端寄りに2個設けられ,前記凹部の内周よりも内側に第2の挿通口が前記凹部の下辺に沿って前記凹部の下辺の両端寄りに2個設けられ,前記凹部に第3の挿通口が前記凹部の左辺に沿って前記凹部の左辺の略中央に1個設けられ,前記凹部に第4の挿通口が前記凹部の右辺に沿って前記凹部の右辺の略中央に1個設けられ,前記凹部の前記左右傾斜辺には挿通口が設けられておらず,」という発明特定事項を加える部分の訂正事項(以下,「訂正事項4b」という。)については,「凹部」の内周形状を減縮するとともに,「凹部」と「第1~4の挿通口」の位置を具体的に限定することにより減縮するものである。 (c)訂正事項4の「前記第1の係止片が前記第1の挿通口に挿通されたときには前記第1の係止爪が前記前面扉の裏面に外向きに係止され,前記第2の係止片が前記第2の挿通口に挿通されたときには前記第2の係止爪が前記前面扉の裏面に外向きに係止され,前記第3の係止片は前記第3の挿通口に挿通され前記第3の係止爪が前記前面扉の裏面に係止され,前記第4の係止片は前記第4の挿通口に挿通され前記第4の係止爪が前記前面扉の裏面に係止されることにより,前記枠体の外方側面が全周にわたり前記凹部に嵌合し前記枠体の後端縁の上辺と前記第1の係止片との間の第1の領域が前記凹部の底面周縁の上辺と前記第1の挿通口の上辺との間の第2の領域において当接し,前記枠体の後端縁の下辺と前記第2の係止片との間の第3の領域が前記凹部の底面周縁の下辺と前記第2の挿通口の下辺との間の第4の領域において当接するとともに,前記枠体の後端縁の上辺と前記凹部の底面周縁の上辺が左右方向全幅にわたって当接し,前記枠体の後端縁の下辺と前記凹部の底面周縁の下辺が左右方向全幅にわたって当接する状態で,一体化した前記枠体,前記化粧部材,前記カバー部材及び前記後部カバー部材は前記前面扉に取り付けられ,」という発明特定事項を加える部分の訂正事項(以下,「訂正事項4c」という。)については,「第1~4の係止片」が「第1~4の挿通口」に挿通され,「第1~4の係止爪」が「前面扉」の裏面に係止されたときの「第1の領域」と「第2の領域」との関係,「第3の領域」と「第4の領域」との関係,「枠体の後端縁の上辺」と「凹部の底面周縁の上辺」との関係及び「枠体の後端縁の下辺」と「凹部の底面周縁の下辺」との関係,さらには「前面扉」と「枠体」,「化粧部材」,「カバー部材」,「後部カバー部材」との関係を具体的に限定することにより減縮するものである。 (d)訂正事項4の「一体化した前記枠体,前記化粧部材,前記カバー部材及び前記後部カバー部材が前記前面扉に取り付けられた状態では,前記枠体の後端縁の上辺と前記第1の係止片との間の第1の領域が前記凹部の底面周縁の上辺と前記第1の挿通口の上辺との間の第2の領域において当接し,前記枠体の後端縁の下辺と前記第2の係止片との間の第3の領域が前記凹部の底面周縁の下辺と前記第2の挿通口の下辺との間の第4の領域において当接するとともに,前記枠体の後端縁の上辺と前記凹部の底面周縁の上辺が左右方向全幅にわたって当接し,前記枠体の後端縁の下辺と前記凹部の底面周縁の下辺が左右方向全幅にわたって当接する」という発明特定事項を加える部分の訂正事項(以下,「訂正事項4d」という。)については,「一体化した枠体,化粧部材,カバー部材,後部カバー部材」が「前面扉」に取り付けられた状態での,「第1の領域」と「第2の領域」との関係,「第3の領域」と「第4の領域」との関係,「枠体の後端縁の上辺」と「凹部の底面周縁の上辺」との関係及び「枠体の後端縁の下辺」と「凹部の底面周縁の下辺」との関係を具体的に限定することにより減縮したものである。 したがって,訂正事項4は,特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (4-2)新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について 上記(4-1)において検討した訂正事項4a~訂正事項4d毎に,新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について検討する。 (a)訂正事項4aについて ア 訂正事項4aの「前記枠体の外方形状が上辺,該上辺を切り欠いた左右傾斜辺,左右辺及び下辺からなる六角形の環状に形成されており,」(以下,「訂正事項4aア」という。)については,本件特許明細書等の【図7】には,下部飾り枠323(枠体)の外方形状が上辺,該上辺を切り欠いた左右傾斜辺,左右辺及び下辺からなる六角形の環状に形成されていることが図示されている。このことから,訂正事項4aアは,本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。 イ 訂正事項4aの「先端に第1の係止爪を有する第1の係止片が前記枠体の後端より後ろ向きに突設し前記枠体の上辺よりも内側に前記枠体の上辺に沿って前記枠体の上辺の両端寄りに2個設けられ,先端に第2の係止爪を有する第2の係止片が前記枠体の後端より後ろ向きに突設し前記枠体の下辺よりも内側に前記枠体の下辺に沿って前記枠体の下辺の両端寄りに2個設けられ,先端に第3の係止爪を有する第3の係止片が前記枠体の左辺に沿って前記枠体の左辺の略中央に1個設けられ,先端に第4の係止爪を有する第4の係止片が前記枠体の右辺に沿って前記枠体の右辺の略中央に1個設けられ,」(以下,「訂正事項4aイ」という。)については,本件特許明細書等の段落【0133】の「下部飾り枠323の後端周縁所定箇所から後ろ向きに突設される,先端に係止爪329aを有する係止片329」という記載を参酌すると,本件特許明細書等の【図7】【図8】(b)には,先端に係止爪329a(第1の係止爪)有する係止片329(第1の係止片)が下部飾り枠323(枠体)の後端より後ろ向きに突設し下部飾り枠323の上辺よりも内側に該下部飾り枠323の上辺に沿って,該上辺の両端寄りに2個設けられ,先端に係止爪329a(第2の係止爪)を有する係止片329(第2の係止片)が下部飾り枠329の後端より後ろ向きに突設し下部飾り枠323の下辺よりも内側に該下部飾り枠323の下辺に沿って,該下辺の両端寄りに2個設けられ,先端に係止爪329a(第3の係止爪)を有する係止片329(第3の係止片)が下部飾り枠323の左辺に沿って,該左辺の略中央に1個設けられ,先端に係止爪329a(第4の係止爪)を有する係止片329(第4の係止片)が下部飾り枠323の右辺に沿って,該右辺の略中央に1個設けられていることが図示されている。これらのことから,訂正事項4aイは,本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。 ウ 訂正事項4aの「前記枠体の前記左右傾斜辺には係止片は設けられておらず,前記第1の係止爪と前記第2の係止爪はそれぞれ外向きに形成され,」(以下,「訂正事項4aウ」という。)については,本件特許明細書等の【図7】には,下部飾り枠323(枠体)の左右傾斜辺に係止片は設けられていないことが図示され,本件特許明細書等の【図8】(b)には,下部飾り枠323(枠体)の上辺の係止片329(第1の係止片)の係止爪329a(第1の係止爪)と下部飾り枠323(枠体)の下辺の係止片329(第2の係止片)の係止爪329a(第2の係止爪)がそれぞれ外向きに形成されていることが図示されている。このことから,訂正事項4aウは,本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。 エ 以上のことから,訂正事項4aは,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 また,訂正事項4aは,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではない。 (b)訂正事項4bについて ア 訂正事項4bの「前記所定領域には,内周形状が上辺,該上辺を切り欠いた左右傾斜辺,左右辺及び下辺からなる六角形であり,前記枠体の外方側面が全周にわたり嵌合する凹部が形成され,」(以下,「訂正事項4bア」という。)のうちの「前記所定領域には」,「前記枠体の外方側面が全周にわたり嵌合する凹部が形成され」以外については,本件特許明細書等の【図7】には,凹部165の内周形状が上辺,該上辺を切り欠いた左右傾斜辺,左右辺及び下辺からなる六角形であることが図示されているから,本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。 また,訂正事項4bアのうちの「前記所定領域には」,「前記枠体の外方側面が全周にわたり嵌合する凹部が形成され」について,以下で検討する。 本件特許明細書等の段落【0119】,【0128】,【0133】,【0134】及び【図7】には,前面扉4の突出部7よりも下方の領域に,環状に形成された「枠体」に相当する下部飾り枠323が嵌合することにより取り付けることが出来る凹部165が形成されていることが記載されている。そして,本件特許明細書等の【図8】(b)には,当該凹部165の上部に下部と同程度の奥行きが存在することが示されており,当該凹部165と下部飾り枠323の上辺及び下辺とが嵌合することが示されているが,下部飾り枠323の左傾斜辺,右傾斜辺,左辺及び右辺と嵌合することは明確には示されていない。 しかしながら,本件特許明細書等の【図7】には,下部飾り枠323の全周にわたって同程度の奥行きが存在することが示されていること,本件特許明細書等の【図1】には,下部飾り枠323の左辺及び右辺が,前面扉4の左右に存在する遊技効果LED部41と接しており,左傾斜辺及び右傾斜辺が,それぞれ,前面扉4の左右側下方に存在する略三角形状の遊技効果LED部43と接していることが示されているから,本件特許明細書等の【図8】(b)に示されるように,凹部165と下部飾り枠323の上辺及び下辺とが嵌合するのであれば,下部飾り枠323の左傾斜辺,右傾斜辺,左辺及び右辺とも嵌合することは明らかである。 よって,本件特許明細書等の凹部165は下部飾り枠323の上辺,下辺,左傾斜辺,右傾斜辺,左辺及び右辺と嵌合すること,すなわち,下部飾り枠323の外方側面が全周にわたり凹部165に嵌合することは明らかである。 以上のことから,訂正事項4bアのうちの「前記所定領域には」,「前記枠体の外方側面が全周にわたり嵌合する凹部が形成され」については,本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。 イ 訂正事項4bの「前記凹部の内周よりも内側に第1の挿通口が前記凹部の上辺に沿って前記凹部の上辺の両端寄りに2個設けられ,前記凹部の内周よりも内側に第2の挿通口が前記凹部の下辺に沿って前記凹部の下辺の両端寄りに2個設けられ,前記凹部に第3の挿通口が前記凹部の左辺に沿って前記凹部の左辺の略中央に1個設けられ,前記凹部に第4の挿通口が前記凹部の右辺に沿って前記凹部の右辺の略中央に1個設けられ,前記凹部の前記左右傾斜辺には挿通口が設けられておらず,」(以下,「訂正事項4bイ」という。)について,以下で検討する。 本件特許明細書等の段落【0133】には,「第1の挿通口」,「第2の挿通口」に相当するスリット穴330について,「先端に係止爪329aを有する係止片329を挿通可能なスリット穴330が,各係止片329に対応して形成されている」ことが記載されており,本件特許明細書等の【図8】(b)には,係止片329の枝部が,下部飾り枠323の外方側面よりも内側に設けられていることが示されている。そして,上記【図8】(b)の右図で示されるように,下部飾り枠323の外方側面は凹部の内周と接するのであるから,外方側面より内側に向けられた係止片329の枝部を挿通するためのスリット穴330が,凹部の内周より内側に設けられていることは明らかである。 これらのことから,本件特許明細書等の【図7】,【図8】(b)には,凹部165の内周よりも内側にスリット穴330(第1の挿通口)が凹部165の上辺に沿って凹部165の上辺の両端寄りに2個設けられ,凹部165の内周よりも内側にスリット穴330(第2の挿通口)が凹部165の下辺に沿って凹部165の下辺の両端寄りに2個設けられ,凹部165にスリット穴330(第3の挿通口)が凹部165の左辺に沿って凹部の左辺の略中央に1個設けられ(上記(a)で検討したように,枠体の左辺略中央に係止片329が1個設けられているから,凹部の左辺に沿って,係止片329が挿通するスリット穴330が該左辺の略中央に1個設けられていることは明らかである。),凹部165にスリット穴330(第4の挿通口)が凹部165の右辺に沿って凹部165の右辺の略中央に1個設けられ,凹部165の左右傾斜辺には挿通口が設けられていないことが図示されているといえる。このことから,訂正事項4bイは,本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。 ウ 以上のことから,訂正事項4bは,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 また,訂正事項4bは,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではない。 (c)訂正事項4cについて 訂正事項4cの「前記第1の係止片が前記第1の挿通口に挿通されたときには前記第1の係止爪が前記前面扉の裏面に外向きに係止され,前記第2の係止片が前記第2の挿通口に挿通されたときには前記第2の係止爪が前記前面扉の裏面に外向きに係止され,前記第3の係止片は前記第3の挿通口に挿通され前記第3の係止爪が前記前面扉の裏面に係止され,前記第4の係止片は前記第4の挿通口に挿通され前記第4の係止爪が前記前面扉の裏面に係止されることにより,前記枠体の外方側面が全周にわたり前記凹部に嵌合し前記枠体の後端縁の上辺と前記第1の係止片との間の第1の領域が前記凹部の底面周縁の上辺と前記第1の挿通口の上辺との間の第2の領域において当接し,前記枠体の後端縁の下辺と前記第2の係止片との間の第3の領域が前記凹部の底面周縁の下辺と前記第2の挿通口の下辺との間の第4の領域において当接するとともに,前記枠体の後端縁の上辺と前記凹部の底面周縁の上辺が左右方向全幅にわたって当接し,前記枠体の後端縁の下辺と前記凹部の底面周縁の下辺が左右方向全幅にわたって当接する状態で,一体化した前記枠体,前記化粧部材,前記カバー部材及び前記後部カバー部材は前記前面扉に取り付けられ,」について,以下で検討する。 本件特許明細書等の段落【0133】には「一方,凹部165の底面周縁には,基体160の前方から取り付けられる下部飾り枠323の後端縁が当接するとともに,下部飾り枠323の後端周縁所定箇所から後ろ向きに突設される,先端に係止爪329aを有する係止片329を挿通可能なスリット穴330が,各係止片329に対応して形成されている。」と記載され,上記(b)において既に検討したように,「前記枠体の外方側面が全周にわたり前記凹部に嵌合」することは本件特許明細書等に記載されていることであり,本件特許明細書等の段落【0134】には「よって,前面カバーパネル320,化粧シート321,後面カバーパネル322が一体的に取り付けられた下部飾り枠323は,図7及び図8(b)に示されるように,基体160の前方側から係止片329をスリット穴330内に差し込むようにして凹部165内に嵌合することにより,係止片329の係止爪329aが底面に係止されるため,この係止作用により凹部165に取り付けることが出来る。」と記載されているから,本件特許明細書等の【図8】(b)及び【図7】には,下部飾り枠323の上辺の係止片329(第1の係止片)がスリット穴330(第1の挿通口)に挿通されたときには係止爪329a(第1の係止爪)が基体160(前面扉)の裏面に外向きに係止され,下部飾り枠323の下辺の係止片329(第2の係止片)がスリット穴330(第2の挿通口)に挿通されたときには係止爪329a(第2の係止爪)が基体160(前面扉)の裏面に外向きに係止され,同様に左辺の係止片329(第3の係止片)はスリット穴330(第3の挿通口)に挿通され係止爪329a(第3の係止爪)が基体160(前面扉)の裏面に係止され,右辺の係止片329(第4の係止片)はスリット穴330(第4の挿通口)に挿通され係止爪329a(第4の係止爪)が基体160(前面扉)の裏面に係止されることにより,下部部飾り枠323の外方側面が全周にわたり凹部165に嵌合し下部飾り枠323の後端縁の上辺と第1の係止片との間の第1の領域が凹部165の底面周縁の上辺とスリット穴330(第1の挿通口)の上辺との間の第2の領域において当接し,下部飾り枠323の後端縁の下辺と係止片329(第2の係止片)との間の第3の領域が凹部165の底面周縁の下辺とスリット穴330(第2の挿通穴)の下辺との間の第4の領域において当接するとともに,下部飾り枠323の後端縁の上辺と凹部165の底面周縁の上辺が左右方向全幅にわたって当接し,下部飾り枠323の後端縁の下辺と凹部165の底面周縁の下辺が左右方向全幅にわたって当接する状態で(上記段落【0133】の「一方,凹部165の底面周縁には,基体160の前方から取り付けられる下部飾り枠323の後端縁が当接するとともに,」という記載参照),一体化した下部飾り枠体323,化粧シート332,前面カバーパネル321,及び後面カバーパネル322は基体160(前面扉)に取り付けられることが図示されているといえる。これらのことから,訂正事項4cは,本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。 以上のことから,訂正事項4cは,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 また,訂正事項4cは,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではない。 (d)訂正事項4dについて 訂正事項4dの「一体化した前記枠体,前記化粧部材,前記カバー部材及び前記後部カバー部材が前記前面扉に取り付けられた状態では,前記枠体の後端縁の上辺と前記第1の係止片との間の第1の領域が前記凹部の底面周縁の上辺と前記第1の挿通口の上辺との間の第2の領域において当接し,前記枠体の後端縁の下辺と前記第2の係止片との間の第3の領域が前記凹部の底面周縁の下辺と前記第2の挿通口の下辺との間の第4の領域において当接するとともに,前記枠体の後端縁の上辺と前記凹部の底面周縁の上辺が左右方向全幅にわたって当接し,前記枠体の後端縁の下辺と前記凹部の底面周縁の下辺が左右方向全幅にわたって当接する」については,上記(c)と同様に,上記段落【0133】,【0134】の記載から,「前記枠体の外方側面が全周にわたり前記凹部に嵌合」することが本件特許明細書等に記載されていることから,上記【図8】(b)及び【図7】には,一体化した下部飾り枠体323,化粧シート332,前面カバーパネル321,及び後面カバーパネル322は基体160(前面扉)に取り付けられた状態では,下部部飾り枠323の後端縁の上辺と第1の係止片との間の第1の領域が凹部165の底面周縁の上辺とスリット穴330(第1の挿通口)の上辺との間の第2の領域において当接し,下部飾り枠323の後端縁の下辺と係止片329(第2の係止片)との間の第3の領域が凹部165の底面周縁の下辺とスリット穴330(第2の挿通穴)の下辺との間の第4の領域において当接するとともに,下部飾り枠323の後端縁の上辺と凹部165の底面周縁の上辺が左右方向全幅にわたって当接し,下部飾り枠323の後端縁の下辺と凹部165の底面周縁の下辺が左右方向全幅にわたって当接する(上記段落【0133】の「一方,凹部165の底面周縁には,基体160の前方から取り付けられる下部飾り枠323の後端縁が当接するとともに,」という記載参照)ことが図示されているといえる。これらのことから,訂正事項4dは,本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。 以上のことから,訂正事項4dは,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 また,訂正事項4dは,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではない。 (e)小括 したがって,訂正事項4は,特許法第134条の2第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 (5)訂正事項5 (5-1)訂正の目的について 訂正事項5は,訂正前の請求項3~4を削除する訂正である。 したがって,訂正事項5は,特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (5-2)新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について 訂正事項5は,訂正前の請求項3~4を削除する訂正であるから,本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。このことから,訂正事項5は,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 また,訂正事項5は,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから,特許法第134条の2第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 (6)訂正事項6 (6-1)訂正の目的について 訂正事項6は,前記(5)訂正事項5の訂正により訂正前の請求項3~4を削除した結果,本件特許の請求項5に係る発明の従属関係の整合性を図るための訂正である。 したがって,訂正事項6は,特許法第134条の2第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 (6-2)新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について 訂正事項6は,前記(5)訂正事項5の訂正により削除された訂正前の請求項3~4を,請求項5において引用しない記載にする訂正であるから,本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。このことから,訂正事項6は,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 また,訂正事項6は,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから,特許法第134条の2第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 (7)訂正事項7 (7-1)訂正の目的について 訂正事項7は,前記(1)訂正事項1~(4)訂正事項4の訂正に伴い,訂正前の請求項1における特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正を行った結果,本件特許明細書等の段落【0006】において記載されるべき自明なものが記載されておらず不明瞭であったものを記載して明瞭にするための訂正であるから,特許法第134条の2第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。 (7-2)新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について 訂正事項7は,本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであるから,訂正事項7は,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 また,訂正事項7は,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから,特許法第134条の2第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 (8)訂正事項8 (8-1)訂正の目的について 訂正事項8は,前記(1)訂正事項1~(4)訂正事項4の訂正に伴い,訂正前の請求項1における特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正を行った結果,本件特許明細書等の段落【0204】において記載されるべき自明なものが記載されておらず不明瞭であったものを記載して明瞭にするための訂正であるから,特許法第134条の2第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。 (8-2)新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について 訂正事項8は,本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであるから,訂正事項8は,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 また,訂正事項8は,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから,特許法第134条の2第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 (9)訂正事項9 (9-1)訂正の目的について 訂正事項9は,前記(5)訂正事項5の訂正において訂正前の請求項3~4を削除したことに伴い,訂正前の請求項3~4に対応する記載である本件特許明細書等の段落【0213】,【0215】,【0232】,【0234】を削除する訂正である。 したがって,訂正事項9は,特許法第134条の2第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 (9-2)新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について 訂正事項9は,本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであるから,訂正事項9は,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 また,訂正事項9は,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから,特許法第134条の2第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 (10)訂正事項10 (10-1)訂正の目的について 本件特許明細書等の部材番号「9」について,段落【0025】の一部,【0027】,【0034】及び【0042】には「メダル払出穴9」と記載され,【符号の説明】には「9 メダル払出穴」と記載されているのに対し,段落【0025】の一部においては「メダル排出穴9」と記載されており,本件特許明細書等が,同じ部材に対して異なる部材名が使用される不明瞭な記載となっていた。 訂正事項10は,本件特許明細書等の段落【0025】,【0027】,【0034】,【0042】及び【符号の説明】の記載に基づいて,部材番号「9」に使用される部材名を「メダル払出穴」に統一し,複数箇所の部材番号「9」が同じ構成であることを明らかにするものであるから,特許法第134条の2第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。 (10-2)新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について 前記(10-1)で検討したとおり,訂正事項10は,本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであるから,訂正事項10は,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 また,訂正事項10は,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから,特許法第134条の2第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 (11)訂正事項11 (11-1)訂正の目的について 本件特許明細書等の段落【0028】,【0031】及び【0084】には「ウェイト表示部29」と記載され,【符号の説明】には「29 ウェイト表示部」と記載されているのに対し,段落【0037】には「ウェイト表示部28」と記載され,本件特許明細書等が,同じ部材名に対して異なる部材番号が使用される不明瞭な記載となっていた。 また,本件特許明細書等の段落【0028】,【0030】及び【0084】には「スタート表示部28」と記載され,【符号の説明】には「28 スタート表示部」と記載されているのに対し,段落【0037】には「スタート表示部29」と記載され,本件特許明細書等が,同じ部材名に対して異なる部材番号が使用される不明瞭な記載となっていた。 訂正事項11は,本件特許明細書等の段落【0028】,【0030】,【0031】,【0084】及び【符号の説明】の記載に基づいて,「ウェイト表示部」及び「スタート表示部」に使用される部材番号を,それぞれ「29」及び「28」に統一することで,複数箇所の部材名「ウェイト表示部」及び「スタート表示部」がそれぞれ同じ構成であることを明らかにするものであるから,特許法第134条の2第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。 (11-2)新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について 前記(11-1)で検討したとおり,訂正事項11は,本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであるから,訂正事項11は,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 また,訂正事項11は,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから,特許法第134条の2第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 (12)訂正事項12 (12-1)訂正の目的について 本件特許明細書等の部材番号「14」について,段落【0028】,【0029】,【0048】及び【0049】には「透視窓14」と記載され,【符号の説明】には「14 透視窓」と記載されているのに対し,段落【0047】には「表示窓14」と記載されており,本件特許明細書等が,同じ部材番号に対して異なる部材名が使用される不明瞭な記載となっていた。 訂正事項12は,本件特許明細書等の段落【0028】,【0029】,【0048】,【0049】及び【符号の説明】の記載に基づいて,部材番号「14」に使用される部材名を「透視窓」に統一し,複数箇所の部材番号「14」が同じ構成であることを明らかにするものであるから,特許法第134条の2第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。 (12-2)新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について 前記(12-1)で検討したとおり,訂正事項12は,本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであるから,訂正事項12は,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 また,訂正事項12は,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから,特許法第134条の2第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 (13)訂正事項13 (13-1)訂正の目的について 本件特許明細書等の【符号の説明】には「90a 90b 放熱用穴部」,「91 有孔板」と記載され,対応する【図2】にも91として「有孔板」が示されているのに対し,段落【0053】には「放熱用穴部90,91」,「有孔板89」と記載されており,本件特許明細書等が,同じ部材名に対して異なる部材番号が使用される不明瞭な記載となっていた。 訂正事項13は,「放熱用穴部」及び「有孔板」に使用される部材番号を,それぞれ「90a,90b」及び「91」に統一し,明細書及び図面の記載を整合させるものであるから,特許法第134条の2第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。 (13-2)新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について 前記(13-1)で検討したとおり,訂正事項13は,本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであるから,訂正事項13は,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 また,訂正事項13は,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから,特許法第134条の2第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 (14)訂正事項14 (14-1)訂正の目的について 本件特許明細書等の部材番号「61」について,段落【0056】には「払出しメダルセンサ61」と記載され,【符号の説明】には「61 払出しメダルセンサ61」と記載されているのに対し,段落【0079】には「払出しセンサ61」と記載されており,本件特許明細書等が,同じ部材番号に対して異なる部材名が使用される不明瞭な記載となっていた。 訂正事項14は,本件特許明細書等の段落【0056】及び【符号の説明】の記載に基づいて,部材番号「61」に使用される部材名を「払出しメダルセンサ」に統一し,複数箇所の部材番号「61」が同じ構成であることを明らかにするものであるから,特許法第134条の2第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。 (14-2)新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について 前記(14-1)で検討したとおり,訂正事項14は,本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであるから,訂正事項14は,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 また,訂正事項14は,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから,特許法第134条の2第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 (15)訂正事項15 (15-1)訂正の目的について 本件特許明細書等の部材番号「303」,「331」,「320」について,【符号の説明】等には「前面カバーパネル」と記載されているのに対し,段落【0091】には「前面カバーパネルパネル」と記載されており,「パネル」という記載が,誤って「パネルパネル」とされていた。 訂正事項15は,日本語として誤った「パネルパネル」という記載事項を,本来の内容を示す「パネル」という記載事項に正すものであるから,特許法第134条の2第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とする訂正に該当する。 (15-2)新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について 訂正事項15は,願書に最初に添付した明細書又は図面(以下,「当初明細書等」という。)に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,当初明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであるから,訂正事項15は,当初明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 また,訂正事項15は,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから,特許法第134条の2第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 (16)訂正事項16 (16-1)訂正の目的について 訂正事項16は,本件特許明細書等の段落【0091】の日本語として明らかに誤っている「ぞれぞれ」という記載事項を,本来の内容を示す「それぞれ」という記載事項に正すものであるから,特許法第134条の2第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とする訂正に該当する。 (16-2)新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について 訂正事項16は,当初明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,当初明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであるから,訂正事項16は,当初明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 また,訂正事項16は,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから,特許法第134条の2第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 (17)訂正事項17 (17-1)訂正の目的について 本件特許明細書等の部材番号「163」について,段落【0119】及び【0120】には「上開口部163」と記載され,【符号の説明】には「163 上開口部」と記載されているのに対し,段落【0126】及び【0127】には「開口部163」と記載されており,本件特許明細書等が,同じ部材番号に対して異なる部材名が使用される不明瞭な記載となっていた。 訂正事項17は,本件特許明細書等の段落【0119】,【0120】及び【符号の説明】の記載に基づいて,部材番号「163」に使用される部材名を「上開口部」に統一し,複数箇所の部材番号「163」が同じ構成であることを明らかにするものであるから,特許法第134条の2第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。 (17-2)新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について 前記(17-1)で検討したとおり,訂正事項17は,本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであるから,訂正事項17は,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 また,訂正事項17は,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから,特許法第134条の2第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 (18)訂正事項18 (18-1)訂正の目的について 訂正事項18は,本件特許明細書等の段落【0128】の日本語として明らかに誤っている「下部飾り枠323基体160の前面側から取り付けられる」という記載事項を,本来の内容を示す「下部飾り枠323が基体160の前面側から取り付けられる」という記載事項に正すものであるから,特許法第134条の2第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とする訂正に該当する。 (18-2)新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について 訂正事項18は,当初明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,当初明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであるから,訂正事項18は,当初明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 また,訂正事項18は,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから,特許法第134条の2第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 (19)訂正事項19 (19-1)訂正の目的について 本件特許明細書等の部材番号「334」について,段落【0137】の一部には「透光窓334」と記載され,【符号の説明】には「334 透光窓」と記載されているのに対し,段落【0137】の一部には「透視窓334」と記載されており,本件特許明細書等が,同じ部材番号に対して異なる部材名が使用される不明瞭な記載となっていた。 訂正事項19は,本件特許明細書等の段落【0137】及び【符号の説明】の記載に基づいて,部材番号「334」に使用される部材名を「透光窓」に統一し,複数箇所の部材番号「334」が同じ構成であることを明らかにするものであるから,特許法第134条の2第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。 (19-2)新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について 前記(19-1)で検討したとおり,訂正事項19は,本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであるから,訂正事項19は,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 また,訂正事項19は,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから,特許法第134条の2第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 (20)訂正事項20 (20-1)訂正の目的について 本件特許明細書等の段落【0089】には「各種表示器(クレジット表示器108,ゲーム回数表示器109,ペイアウト表示器110)」と記載され,段落【0137】,【0156】及び【0217】には「各種表示器108~110」と記載されているのに対し,段落【0143】,【0144】及び【0149】には「各種表示器110~112」と記載されており,本件特許明細書等が,同じ部材名に対して異なる部材番号が使用される不明瞭な記載となっていた。 訂正事項20は,「各種表示器」に使用される部材番号を「108~110」に統一し,明細書及び図面の記載を整合させるものであるから,特許法第134条の2第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。 (20-2)新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について 前記(20-1)で検討したとおり,訂正事項20は,本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであるから,訂正事項20は,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 また,訂正事項20は,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから,特許法第134条の2第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 (21)訂正事項21 (21-1)訂正の目的について 本件特許明細書等の部材番号「92」について,段落【0046】,【0054】及び【0105】には「載置板92」と記載され,【符号の説明】には「92 載置板」と記載されているのに対し,段落【0166】,【0167】及び【0168】には「設置板92」と記載されており,本件特許明細書等が,同じ部材番号に対して異なる部材名が使用される不明瞭な記載となっていた。 訂正事項21は,本件特許明細書等の段落【0046】,【0054】,【0105】及び【符号の説明】の記載に基づいて,部材番号「92」に使用される部材名を「載置板」に統一し,複数箇所の部材番号「92」が同じ構成であることを明らかにするものであるから,特許法第134条の2第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。 (21-2)新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について 前記(21-1)で検討したとおり,訂正事項21は,本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであるから,訂正事項21は,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 また,訂正事項21は,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから,特許法第134条の2第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 (22)訂正事項22 (22-1)訂正の目的について 本件特許明細書等の部材番号「550」について,段落【0167】及び【0168】には「収納ケース550」と記載され,【符号の説明】には「500,550,550a 収納ケース」と記載されているのに対し,段落【0168】,及び【0182】には「収容ケース550」と記載されており,本件特許明細書等が,同じ部材番号に対して異なる部材名が使用される不明瞭な記載となっていた。 訂正事項22は,本件特許明細書等の段落【0167】,【0168】及び【符号の説明】の記載に基づいて,部材番号「550」に使用される部材名を「収納ケース」に統一し,複数箇所の部材番号「550」が同じ構成であることを明らかにするものであるから,特許法第134条の2第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。 (22-2)新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について 前記(22-1)で検討したとおり,訂正事項22は,本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであるから,訂正事項22は,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 また,訂正事項22は,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから,特許法第134条の2第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 (23)訂正事項23 (23-1)訂正の目的について 本件特許明細書等の段落【0122】,【0170】及び【0184】には「開口部308」と記載され,【符号の説明】には「308,308a 開口部」と記載されているのに対し,段落【0178】には「開口部304」と記載されており,本件特許明細書等が,同じ部材名に対して異なる部材番号が使用される不明瞭な記載となっていた。 訂正事項23は,本件特許明細書等の段落【0122】,【0170】,【0184】及び【符号の説明】の記載に基づいて,「開口部」に使用される部材番号を「308」に統一し,明細書及び図面の記載を整合させるものであるから,特許法第134条の2第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。 (23-2)新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について 前記(23-1)で検討したとおり,訂正事項23は,本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであるから,訂正事項23は,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 また,訂正事項23は,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから,特許法第134条の2第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 (24)訂正事項24 (24-1)訂正の目的について 本件特許明細書等の段落【0170】には「図11(a)に示されるように,化粧シート304を,開口部308のない化粧シート304aに交換する」と記載されているのに対し,段落【0178】には「液晶表示部15を視認可能とする開口部308が形成された上部の化粧シート304が,開口部304が形成されていない化粧シート304cに交換される」と記載されており,本件特許明細書等が,開口部が形成されていない「化粧シート」に対して異なる部材番号が使用される不明瞭な記載となっていた。 訂正事項24は,本件特許明細書等の段落【0170】の記載に基づいて,段落【0178】における開口部が形成されていない「化粧シート」の部材番号を「304a」として統一し,明細書及び図面の記載を整合させるものであるから,特許法第134条の2第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。 (24-2)新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について 前記(24-1)で検討したとおり,訂正事項24は,本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであるから,訂正事項24は,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 また,訂正事項24は,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから,特許法第134条の2第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 (25)訂正事項25 (25-1)訂正の目的について 本件特許明細書等の段落【0170】には「図11(b),(c)に示されるように,化粧シート332を,この機種の構成に対応して3つの透視窓14L,14C,14Rが形成されるとともに,液晶表示部15を透視可能とする開口部308a及び適宜装飾が予め施された化粧シート332aに交換する」と記載されているのに対し,段落【0178】には「中央の化粧シート332が,透視窓14L,14C,14R及びこのさらに右側側方に演出用リール356を視認可能とする開口部357が形成された化粧シート332cに交換される」と記載されており,本件特許明細書等が,3つの透視窓14L,14C,14Rが形成され右側側方に開口部が形成された「化粧シート」に対して異なる部材番号が使用される不明瞭な記載となっていた。 訂正事項25は,本件特許明細書等の段落【0170】の記載に基づいて,段落【0178】における3つの透視窓14L,14C,14Rが形成され右側側方に開口部が形成された「化粧シート」の部材番号を「332a」として統一し,明細書及び図面の記載を整合させるものであるから,特許法第134条の2第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。 (25-2)新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について 前記(25-1)で検討したとおり,訂正事項25は,本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであるから,訂正事項25は,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 また,訂正事項25は,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから,特許法第134条の2第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 (26)訂正事項26 (26-1)訂正の目的について 本件特許明細書等の【図14】には(c)が記載されていないのに対し,【図面の簡単な説明】には「【図14】(a)はスロットマシン1dを示す正面図であり,(b)はそのカバー部材,化粧部材,後部カバー部材を示す概略図であり,(c)はその前面扉4の後面側の要部を示す概略図である。」と記載されており,本件特許の願書に添付した明細書(以下,「本件特許明細書」という。)と図面とが整合していない不明瞭な記載となっていた。 訂正事項26は,【図14】に基づいて,【図面の簡単な説明】の記載を「【図14】(a)はスロットマシン1dを示す正面図であり,(b)はそのカバー部材,化粧部材,後部カバー部材を示す概略図である。」とし,本件特許明細書と図面とを整合させるものであるから,特許法第134条の2第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。 (26-2)新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について 前記(26-1)で検討したとおり,訂正事項26は,本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであるから,訂正事項26は,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 また,訂正事項26は,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから,特許法第134条の2第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 (27)訂正事項27 (27-1)訂正の目的について 本件特許明細書等の【図15】には(c)が記載されていないのに対し,【図面の簡単な説明】には「【図15】(a)はスロットマシン1eを示す正面図であり,(b)はそのカバー部材,化粧部材,後部カバー部材を示す概略図であり,(c)はその前面扉4の後面側の要部を示す概略図である。」と記載されており,本件特許明細書と図面とが整合していない不明瞭な記載となっていた。 訂正事項27は,【図15】に基づいて,【図面の簡単な説明】の記載を「【図15】(a)はスロットマシン1eを示す正面図であり,(b)はそのカバー部材,化粧部材,後部カバー部材を示す概略図である。」とし,本件特許明細書と図面とを整合させるものであるから,特許法第134条の2第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。 (27-2)新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について 前記(27-1)で検討したとおり,訂正事項27は,本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであるから,訂正事項27は,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 また,訂正事項27は,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから,特許法第134条の2第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 (28)訂正事項28 (28-1)訂正の目的について 本件特許明細書等の段落【0056】には「払出しメダルセンサ61」と記載されているのに対し,【符号の説明】には「61 払出メダルセンサ」と記載されており,本件特許明細書等が,同一の部材に対して表記が整合しない不明瞭な記載となっていた。 訂正事項28は,本件特許明細書等の段落【0056】の記載に基づいて,【符号の説明】における部材番号「61」の部材名の表記を「払出しメダルセンサ」として統一し,明細書及び図面の記載を整合させるものであるから,特許法第134条の2第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。 (28-2)新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について 前記(28-1)で検討したとおり,訂正事項28は,本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであるから,訂正事項28は,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 また,訂正事項28は,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから,特許法第134条の2第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 (29)一群の請求項等について 訂正事項1~6に係る訂正後の請求項1を含む訂正後の請求項1,2及び5は,訂正後の請求項1を他の請求項2及び5がそれぞれ直接的又は間接的に引用しているものであるから,当該訂正後の請求項1,2及び5は,特許法施行規則第46条の2第4号に規定する関係を有する一群の請求項である。 よって,本件訂正は,特許法第134条の2第9項で準用する特許法第126条第3項の規定に適合するものである。 また,訂正事項7~28は,願書に添付した明細書に記載されている事項の訂正であるが,各訂正事項は請求項1,2及び5に対応する記載であり,訂正事項1~6に係る一群の請求項である請求項1,2及び5は,当該訂正事項7~28と関係を有するから,願書に添付した明細書の訂正である当該訂正事項7~28と関係する全ての一群の請求項(請求項1,2及び5)が請求の対象となっている。 よって,本件訂正は,特許法第134条の2第9項で準用する第126条第4項の規定に適合するものである。 3 まとめ 以上のとおりであるから,本件訂正請求に係る訂正は,特許法第134条の2第1項ただし書第1号乃至第3号に掲げる事項を目的とし,かつ特許法第134条の2第9項で準用する同法第126条第3項ないし第6項の規定に適合する。 したがって,本件特許に係る明細書及び特許請求の範囲を,平成28年3月4日付け訂正請求書に添付された全文訂正明細書のとおり,訂正後の請求項1~5について訂正することを認める。 第3 本件特許発明 本件特許第5008231号の請求項1,2及び5に係る発明は,本件訂正により訂正された特許請求の範囲の請求項1,2及び5に記載された事項により特定されるものであるところ,そのうち請求項1,2及び5に係る発明(以下,それぞれ「本件特許発明1」,「本件特許発明2」及び「本件特許発明5」という。)は次のとおりのものである(1A~5Bは,被請求人の平成28年3月4日付け審判事件答弁書(2)における本件特許発明1,2及び5の分説に従い,当審で付した。)。 「【請求項1】 1A 1ゲームに対して賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに,表示状態を変化させることが可能な可変表示装置の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し,前記可変表示装置の表示結果に応じて所定の入賞が発生可能なスロットマシンにおいて, 1B 前面が開口する本体と, 1C 前記本体の前面開口を開閉可能に設けられる前面扉と, 1D 全体が透光性領域で構成されたカバー部材と, 1E 前記カバー部材の後面側に配置され,前記透光性領域に対応する箇所に装飾が施された化粧部材と, 1F 前記化粧部材の後面側に配置され,該化粧部材の後面を被覆する前記カバー部材と同材質の全体が透光性領域で構成された後部カバー部材と,を備え, 1G 前記化粧部材,前記カバー部材及び前記後部カバー部材は,外方形状が上辺,該上辺を切り欠いた左右傾斜辺,左右辺及び下辺からなる六角形に形成され,該化粧部材が前記カバー部材及び前記後部カバー部材により挟持され互いに枠体の後面側に前記カバー部材を突き合わせた後,前記後部カバー部材の後側から前記上辺の両端部及び前記下辺の両端部に形成されたネジ挿通孔にネジを挿通し,前記枠体の後面に形成された雌ネジ部に螺入することにより一体的に組み付けられた状態で前記前面扉の前面側から該前面扉の一部の領域である所定領域に前記枠体を介して係止され,前記前面扉を開放して前記前面扉の後面側から前記係止を解除することにより取り外され, 1H(1) 前記枠体の外方形状が上辺,該上辺を切り欠いた左右傾斜辺,左右辺及び下辺からなる六角形の環状に形成されており,先端に第1の係止爪を有する第1の係止片が前記枠体の後端より後ろ向きに突設し前記枠体の上辺よりも内側に前記枠体の上辺に沿って前記枠体の上辺の両端寄りに2個設けられ,先端に第2の係止爪を有する第2の係止片が前記枠体の後端より後ろ向きに突設し前記枠体の下辺よりも内側に前記枠体の下辺に沿って前記枠体の下辺の両端寄りに2個設けられ,先端に第3の係止爪を有する第3の係止片が前記枠体の左辺に沿って前記枠体の左辺の略中央に1個設けられ,先端に第4の係止爪を有する第4の係止片が前記枠体の右辺に沿って前記枠体の右辺の略中央に1個設けられ,前記枠体の前記左右傾斜辺には係止片は設けられておらず,前記第1の係止爪と前記第2の係止爪はそれぞれ外向きに形成され, 前記所定領域には,内周形状が上辺,該上辺を切り欠いた左右傾斜辺,左右辺及び下辺からなる六角形であり,前記枠体の外方側面が全周にわたり嵌合する凹部が形成され,前記凹部の内周よりも内側に第1の挿通口が前記凹部の上辺に沿って前記凹部の上辺の両端寄りに2個設けられ,前記凹部の内周よりも内側に第2の挿通口が前記凹部の下辺に沿って前記凹部の下辺の両端寄りに2個設けられ,前記凹部に第3の挿通口が前記凹部の左辺に沿って前記凹部の左辺の略中央に1個設けられ,前記凹部に第4の挿通口が前記凹部の右辺に沿って前記凹部の右辺の略中央に1個設けられ,前記凹部の前記左右傾斜辺には挿通口が設けられておらず, 1H(2) 前記第1の係止片が前記第1の挿通口に挿通されたときには前記第1の係止爪が前記前面扉の裏面に外向きに係止され,前記第2の係止片が前記第2の挿通口に挿通されたときには前記第2の係止爪が前記前面扉の裏面に外向きに係止され,前記第3の係止片は前記第3の挿通口に挿通され前記第3の係止爪が前記前面扉の裏面に係止され,前記第4の係止片は前記第4の挿通口に挿通され前記第4の係止爪が前記前面扉の裏面に係止されることにより,前記枠体の外方側面が全周にわたり前記凹部に嵌合し前記枠体の後端縁の上辺と前記第1の係止片との間の第1の領域が前記凹部の底面周縁の上辺と前記第1の挿通口の上辺との間の第2の領域において当接し,前記枠体の後端縁の下辺と前記第2の係止片との間の第3の領域が前記凹部の底面周縁の下辺と前記第2の挿通口の下辺との間の第4の領域において当接するとともに,前記枠体の後端縁の上辺と前記凹部の底面周縁の上辺が左右方向全幅にわたって当接し,前記枠体の後端縁の下辺と前記凹部の底面周縁の下辺が左右方向全幅にわたって当接する状態で,一体化した前記枠体,前記化粧部材,前記カバー部材及び前記後部カバー部材は前記前面扉に取り付けられ, 1H(3) 一体化した前記枠体,前記化粧部材,前記カバー部材及び前記後部カバー部材が前記前面扉に取り付けられた状態では,前記枠体の後端縁の上辺と前記第1の係止片との間の第1の領域が前記凹部の底面周縁の上辺と前記第1の挿通口の上辺との間の第2の領域において当接し,前記枠体の後端縁の下辺と前記第2の係止片との間の第3の領域が前記凹部の底面周縁の下辺と前記第2の挿通口の下辺との間の第4の領域において当接するとともに,前記枠体の後端縁の上辺と前記凹部の底面周縁の上辺が左右方向全幅にわたって当接し,前記枠体の後端縁の下辺と前記凹部の底面周縁の下辺が左右方向全幅にわたって当接する 1I ことを特徴とするスロットマシン。 【請求項2】 2A 前記後部カバー部材は,透光性部材にて構成され, 2B 前記前面扉の所定箇所には,前記後部カバー部材を後側から照らす照明装置が設けられている 2C 請求項1に記載のスロットマシン。 【請求項5】 5A 前記化粧部材に,前記スロットマシンの機種名等を表示する機種名表示部が設けられている 5B 請求項1または2に記載のスロットマシン。」 第4 当事者の主張の概要 1 請求人の主張の概要 請求人は,特許第5008231号の請求項1,2及び5に係る発明についての特許を無効とする,審判費用は被請求人の負担とする,との審決を求め,無効審判請求書,平成27年5月14日付け弁駁書,平成27年8月5日付け口頭審理陳述要領書,平成27年8月31日付け上申書,平成27年11月2日付け口頭審理陳述要領書(2),平成27年11月10日付け上申書,平成27年11月18日付け上申書及び平成28年4月14日付け弁駁書(2)において無効とすべき理由を次のように主張するとともに,証拠方法として甲第1号証ないし甲第38号証及び検甲第1号証ないし検甲第4号証を提出し,平成27年8月31日付け検証申出書を提出することにより検甲第1号証ないし検甲第2号証を追加し,平成28年4月14日付け検証申出書を提出することにより検甲第3号証ないし検甲第4号証を追加している。 【無効理由】 本件特許発明1,2及び5は,甲第1号証ないし甲第13号証に記載された発明及び甲第14号証ないし甲第38号証と検甲第1号証ないし検甲第4号証で示される周知技術に基づき,出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり,その特許は同法第123条第1項第2号に該当し,無効とすべきである。 【証拠方法】 [書証]甲第1~38号証 甲第1号証 特開2001-170248号公報 甲第2号証 特開2000-5378号公報 甲第3号証 特開2001-95973号公報 甲第4号証 特開平11-114132号公報 甲第5号証 登録実用新案第3021969号公報 甲第6号証 特開平11-86110号公報 甲第7号証 特開平8-190662号公報 甲第8号証 実願昭59-123041号(実開昭61-37578号)のマイクロフィルム 甲第9号証 特開2001-37948号公報 甲第10号証 特開2001-161893号公報 甲第11号証 特開平9-220313号公報 甲第12号証 特開平11-276664号公報 甲第13号証 特開平9-687号公報 ・平成27年5月14日付け弁駁書と共に提出されたもの 甲第14号証 実願昭50-143884号(実開昭52-56789号)のマイクロフィルム 甲第15号証 特開2000-245893号公報 甲第16号証 実願昭58-124307号(実開昭60-33379号)のマイクロフィルム 甲第17号証 実願平1-135020号(実開平3-73480号)のマイクロフィルム 甲第18号証 特開平9-122421号公報 甲第19号証 特開平11-276693号公報 甲第20号証 特開平10-52546号公報 甲第21号証 特開平6-154389号公報 ・平成27年8月5付け口頭審理陳述要領書と共に提出されたもの 甲第22号証 「白夜ムック94 パチスロ必勝ガイド パチスロ大図鑑2001 回胴式遊技機歴史総覧」,株式会社白夜書房,2001年5月12日,第122~125頁,表表紙,裏表紙の写し 甲第23号証 写真撮影報告書(1),請求人従業員田中正彦作成,平成27年8月3日,第1~14頁 甲第24号証 「パチスロ攻略マガジン 1997 2月号特大号」,株式会社双葉社,1997年2月1日,第4~5頁,第138~139頁,表表紙,裏表紙の写し 甲第25号証 写真撮影報告書(2),請求人従業員田中正彦作成,平成27年8月3日,第1~11頁 甲第26号証 「白夜ムック94 パチスロ必勝ガイド パチスロ大図鑑2001 回胴式遊技機歴史総覧」,株式会社白夜書房,2001年5月12日,第14~15頁,表表紙,裏表紙の写し 甲第27号証 「MANHATTAN マンハッタン」,株式会社マックス商事 ・平成27年8月31日付け上申書と共に提出されたもの 甲第28号証 写真撮影報告書(3),請求人従業員田中正彦作成,平成27年8月31日,第1~6頁 甲第29号証 写真撮影報告書(4),請求人従業員田中正彦作成,平成27年8月31日,第1~6頁 ・平成27年11月18日付け上申書と共に提出されたもの 甲第30号証 「CRANKY CONDOR」,ユニバーサル販売株式会社 甲第31号証 「パチスロ必勝ガイド 1995 OCT」,1995年10月1日,株式会社白夜書房,第4~5頁,表表紙,裏表紙の写し 甲第32号証 「パチスロ必勝ガイド 1995 NOV」,1995年11月1日,株式会社白夜書房,第4~5頁,表表紙,裏表紙の写し 甲第33号証:写真撮影報告書(5),請求人従業員田中正彦作成,平成27年11月16日,第1~6頁 甲第34号証 「パチスロ必勝ガイド 1997 FEB」,1997年2月1日,株式会社白夜書房,第35頁,表表紙,裏表紙の写し 甲第35号証 「パチスロ必勝ガイド 1997 APR」,1997年4月1日,株式会社白夜書房,第38~39頁,表表紙,裏表紙の写し 甲第36号証 写真撮影報告書(6),請求人従業員田中正彦作成,平成27年11月16日,第1~6頁 ・平成28年4月14日付け弁駁書(2)と共に提出されたもの 甲第37号証 写真撮影報告書(7),請求人従業員田中正彦作成,平成28年4月14日,第1~9頁 甲第38号証 写真撮影報告書(8),請求人従業員田中正彦作成,平成28年4月14日,第1~10頁 [検証物]検甲第1~4号証 ・平成27年8月31日付け検証申出書により検証の申出がなされたもの 検甲第1号証 パチスロ機「クランキーコンドル」(ユニバーサル販売株式会社製) 検甲第2号証 パチスロ機「フローズンナイツ」(ユニバーサル販売株式会社製) ・平成28年4月14日付け検証申出書により検証の申出がなされたもの 検甲第3号証 パチスロ機「クランキーコンドル」(ユニバーサル販売株式会社製) 検甲第4号証 パチスロ機「フローズンナイツ」(ユニバーサル販売株式会社製) 2 被請求人の主張の概要 被請求人は,本件無効審判の請求は成り立たない,審判費用は請求人の負担とする,との審決を求め,平成27年4月2日付け審判事件答弁書,平成27年8月6日付け口頭審理陳述要領書,平成27年11月4日付け口頭審理陳述要領書(2)及び平成28年3月4日付け審判事件答弁書(2)において,請求人の主張する無効理由にはいずれも理由がない旨主張すると共に,乙第1~3号証を提出している。 【証拠方法】 [書証]乙第1~3号証 乙第1号証 “NAKAICHI 中古パチスロ,中古パチンコ,中古スロット実機販売”,[online],プリントアウトしたものを2015年11月4日に提出,[2015年10月15日検索],インターネット〈URL:http://nakaiti.com/html/siro005.html〉 乙第2号証 “R-NET 中古パチスロ改造・価格表”,[online],プリントアウトしたものを2015年11月4日に提出,[2015年10月23日検索],インターネット〈URL:http://www.ranking-network.co.jp/amusement/price.html〉 乙第3号証 “タストサービスonline store”,[online],プリントアウトしたものを2015年11月4日に提出,[2015年10月23日検索],インターネット〈URL:http://www.tasto777.jp/〉 第5 当審の判断 請求人が提出した平成28年4月14日付け検証申出書に係る検甲第3号証,検甲第4号証の検証は,甲第37号証,甲第38号証に記載された内容である,検甲第1号証の対象物件と同一の物件,及び検甲第2号証の対象物件と同一の物件の「枠体の左辺・右辺・上辺・下辺の長さ(外寸)」と「凹部の左辺・右辺・上辺・下辺の長さ(内寸)」が同寸又は差が1.5mmであり,「係止片の枝部の長さ(右左)」と「挿入口の奥行(右左)」が同寸であることを立証するものである。 平成28年4月14日付け審判事件弁駁書(2)(第25~27頁(ウ)),甲第37号証(第3頁2)及び甲第38号証(第3頁2)の記載を参酌すると,請求人はこの検証により,検甲第1~2号証が,本件特許発明1の構成1H(2)及び構成1H(3)である「(前記枠体の後端縁の上辺と前記第1の係止片との間の)第1の領域が(前記凹部の底面周縁の上辺と前記第1の挿通口の上辺との間の)第2の領域において当接」する構成,及び「前記枠体の後端縁の上辺と前記凹部の底面周縁の上辺が左右方向全幅にわたって当接」する構成を備えることを立証しようとするものである。 しかしながら,平成28年4月14日付け検証申出書による検証は,後記第5 3 3-1(2)(2-2)に記載した理由により行わなかった。 なお,検甲第3号証,検甲第4号証については,仮に検証を実施したものとして,後記2(4),(5)に仮認定する。 1 甲各号証に記載された事項 請求人が提出した書証である甲第1~38号証には,以下の記載事項(甲第1~2号証については,発明認定も行っている。また,甲第37~38号証は,平成28年4月14日付け弁駁書(2)と共に提出されたものである。)が認められる。なお,下線は当審で付した。 (1)甲第1号証 甲第1号証である本件特許の出願日前に頒布された特開2001-170248号公報には,図面と共に次の事項が記載されている。 (甲1-a)「【0011】スロットマシン1は,後述する主基板ボックス14,リールユニット15(可変表示装置ともいう),ホッパーユニット16,電源ボックス17,オーバーフロータンク18が収容される収容箱3と,該収容箱3に固定される連結部材としての上下の多関節蝶番13a,13bを介して収容箱3の前面に開閉自在に設けられる前面扉2と,から構成されている。 【0012】収容箱3は,上部の天板4と左右の側板5,6と下部の底板7と背面の背板8とによって直方体状に組み付けられている。また,前面扉2は,合成樹脂によって一体成形される前面枠9に前面飾り枠10,タイトルパネル11,メダル受皿12を装着して構成される。前面飾り枠10には,その上部に入賞態様等を説明する説明文等が表示される説明パネル434と前記リールユニット15の3つのリール駆動ユニット200a~200cの一部を視認し得る透視窓900が形成される遊技パネル350が一体的に取り付けられ,更に,その周囲を囲むように内部にランプが収容されるランプカバー(第1ランプカバー406,第2ランプカバー411,第3ランプカバー414,第4ランプカバー423,第5ランプカバー426,第6ランプカバー431)が取り付けられ,またその下部にスタートレバー539,ストップボタン533,534,535,精算ボタン522,1BTEボタン525,MAXBETボタン528,メダル詰まり解消ボタン542,及びメダル投入口530等の操作部が設けられている。 【0013】遊技パネル350には,リール駆動ユニット200a~200c(以下,リール200a~200cと略称する)のそれぞれの表面に描かれる複数の図柄(3つの図柄と上下の図柄の半分程度)を視認し得る透視窓900が印刷形成されていると共にその透視窓900には,メダルの賭け数(1ゲームにおける投入枚数)に応じて有効となる5本の有効ライン(上段・中段・下段の3本の水平線と2本の対角線)が印刷形成されている。また,透視窓900の左側には,1枚賭けランプ部901,2枚賭けランプ部902,903,3枚賭けランプ部904,905等の賭けランプ部が印刷形成され,透視窓900の右側には,ゲームオーバーランプ部906,リプレイランプ部907,ウェイトランプ部908,スタートランプ部909,インサートメダルランプ部910等の遊技ランプ部がそれぞれ印刷形成されている。各ランプ部901~910の後方位置には,後述するようにそれぞれランプが配置され,各ランプ部901~910を後方から照射するようになっている。更に,透視窓900の下方には,ペイアウト表示器696,ゲームカウント表示器697,クレジット表示器698が臨む透視部が印刷形成されている。」 (甲1-b)「【0018】スタートレバー539は,ゲームを開始する際に操作するレバーである。賭数を設定した後,このスタートレバー539を操作することにより各リール200a,200b,200cが一斉に回転し始める。各ストップボタン533,534,535は,ゲームが開始した後,回転しているリールを停止させる際に操作するボタンである。メダル詰まり解消ボタン542は,メダル投入口530に投入したメダルが後述するメダルセレクターユニット470の内部で詰まった場合,メダル詰まりを解消させる際に操作するボタンである。メダル詰まり解消ボタン542を操作することによって,メダルセレクターユニット470の内部に詰まったメダルに機械的な振動が与えられ,これによりメダル詰まりが解消される。」 (甲1-c)「【0022】賭数が設定された場合にはスタートランプ部909が点灯する。これにより,スタートレバー539を操作可能であるスタート状態になった旨が遊技者に報知される。スタートランプ部909が点灯している状態でスタートレバー539を操作すれば,各リール200a,200b,200cが一斉に回転(可変表示とも言う。以下,同じ)し始める。各リール200a,200b,200cには,複数の図柄が描かれており,リールの回転に伴って透視窓900に現れる図柄の種類が次々と変動し,複数種類の図柄が可変表示される。 【0023】可変表示の開始から所定時間が経過すれば,各ストップボタン533,534,535に設けられたランプが点灯する。これにより,各ストップボタン533,534,535の押圧操作が有効な操作有効状態になったことが遊技者に報知される。各ストップボタン533,534,535は,各リール200a,200b,200cに対応して設けられており,遊技者は自らの操作によって各リール200a,200b,200cを停止させる順序とタイミングとを選択できる。遊技者がストップボタン533,534,535のうち,いずれかを押圧操作すれば,対応するストップボタンに内蔵されるランプが消灯する。その後,所定時間以内に操作されたストップボタンに対応するリールの回転が停止する。 【0024】一方,遊技者がストップボタン533,534,535を操作しない場合には,所定の可変表示時間が経過した後に各リール200a,200b,200cが,例えば,左から順に自動的に停止し,ストップボタン533,534,535に内蔵されるランプが左から順に消灯する。 【0025】すべてのリールが停止した時点で,透視窓900から視認される各リール200a,200b,200cの上段,中段,下段の3段の図柄のうち,賭数に応じて定められる有効なライン上に位置する図柄の組合わせによって入賞の有無が決定される。賭数が1の場合には,中段の横1列の当りラインのみが有効化される。有効化された当りラインを有効ラインという。賭数が2の場合には,上段,中段,下段の横3列の当りラインが有効ラインとなる。賭数が3の場合には,横3列と斜め対角線2列の合計5本の当りラインが有効ラインとなる。各ゲームにおける有効ラインは,賭数を設定した際に賭数に応じて点灯する賭ランプ部901~905の点灯位置により示される。即ち,賭けランプ部901~905により,有効ラインを遊技者に報知可能な有効ライン報知手段が構成されている。」 (甲1-d)「【0136】(3)前面扉 前面扉2は,図33に示すように,合成樹脂によって一体成形される前面枠9と,該前面枠9の前面に取り付けられる前面飾り枠10,タイトルパネル11,及びメダル受皿12とから構成されている。前面飾り枠10と前面枠9との間に位置決め穴356,357によって位置決めされて遊技パネル350が挟持されている。そして,前面枠9の中程左右に形成されるランプハウス設置部374a,374bに対応してランプハウス351a,351bが設置されている。また,タイトルパネル11は,蛍光灯355を有する反射板354を被覆するように前面飾り枠10の下方に取り付けられる。メダル受皿12は,タイトルパネル11の下方の前面枠9に装着されるものである。更に,前面枠9には,前面飾り枠10の上部左右にスピーカカバー352a,352bが取り付けられ,前面飾り枠10の下部左右にランプカバー353a,353bが取り付けられている。以下,前面扉2を構成する部材について図面を参照して説明する。 ・・・ 【0149】前記タイトルパネル11によってその前面を被覆される領域には,2つの反射板取付ボス388aと2つの位置決め突起388bが対角位置に突設されると共に左右に一対の電極部逃げ開口389が形成されている。この電極部逃げ開口389は,蛍光灯355の電極の後方突出部を逃げるための開口である。また,蛍光灯355から発する熱を放熱する放熱穴391や蛍光灯355の配線を後方に引き出すための配線通し穴392が形成されている。更に,タイトルパネル11のタイトルパネル枠590の後方四隅から突設される係止爪591(図48参照)を挿入するタイトルパネル係止爪挿入穴390が4つ形成されている(ただし,左上の挿入穴390は図示されていない)。なお,後述するメダル誘導樋661を取り付けるためのネジ穴744が形成されるボスや,メダル返却払出シュート663を取り付けるための取付ネジ穴774aが形成されるボス及び位置決め穴774bが操作部開口363下方の前面枠9の前面側に表れている。」 (甲1-e)「【0161】次に,説明パネル用開口402に取り付けられる説明パネル434について,図35及び図37を参照して説明すると,説明パネル434は,その前面にゲームにおける入賞態様やゲーム内容について説明する図柄や文章が描かれているものであり,その取付は,説明パネル434の外周に適宜間隔を置いて突設される取付穴435を飾り枠本体400の説明パネル用開口402に周囲に沿って形成される取付部436に対応させてネジ437で螺着することにより,説明パネル434が飾り枠本体400に取り付けられる。なお,説明パネル434は,前面枠9の前記蛍光灯開口362に臨む蛍光灯641(図50参照)によって後面から照射されるものである。」 (甲1-f)「【0197】(3-5)タイトルパネル 前面飾り枠10の下方に取り付けられるタイトルパネル11について図48を参照して説明する。図48は,タイトルパネル11の分解斜視図である。 【0198】タイトルパネル11は,タイトルパネル枠590と,該タイトルパネル枠590に止着されるパネル593とから構成される。タイトルパネル枠590は,その前面にパネル593が臨む開口592が形成されると共に,その四隅に係止爪591が後方に向かって突設されている。一方,パネル593の周囲には,適宜間隔を置いて取付片594が突設形成され,タイトルパネル枠590の裏面に形成される取付部(図示しない)に取付片594を一致せしめてネジ595を螺着することにより,パネル593をタイトルパネル枠591に固定することができる。なお,パネル593の下部左右には,証紙596,597をその裏面から貼付して前面から視認できるような透明な証紙窓598,599が形成されている。 【0199】上記のように構成されるタイトルパネル11は,係止爪591をタイトルパネル係止爪挿入穴390に前方から挿入することにより前面枠9に着脱自在に装着し得るものである。なお,タイトルパネル11によって被覆される蛍光灯355については,後に詳述する。」 (甲1-g)前記(甲1-b)の段落【0018】には,「スタートレバー539」が「ゲームを開始する際に操作するレバー」であることが記載され,前記(甲1-c)の段落【0022】には,「賭数が設定された場合」には,「スタートレバー539を操作可能」となることが記載されている。 そうすると,前記(甲1-c)には,賭数が設定された場合にはゲームが開始可能となり,スタートレバー539を操作すれば,各リール200a,200b,200cが一斉に回転(可変表示とも言う。以下,同じ)し始め,各リール200a,200b,200cには,複数の図柄が描かれており,リールの回転に伴って透視窓900に現れる図柄の種類が次々と変動し,複数種類の図柄が可変表示されること,が記載されているといえる。 (甲1-h)前記(甲1-f)の段落【0198】には,「タイトルパネル11は,タイトルパネル枠590と,該タイトルパネル枠590に止着されるパネル593とから構成される」ことが記載され,また「パネル593の周囲には,適宜間隔を置いて取付片594が突設形成され,タイトルパネル枠590の裏面に形成される取付部(図示しない)に取付片594を一致せしめてネジ595を螺着することにより,パネル593をタイトルパネル枠591に固定することができ」ることが記載されている。 また,【図48】より,パネル593は,外方形状が上辺,該上辺を切り欠いた左右傾斜辺,左右辺及び下辺からなる六角形に形成され,前記上辺の中央部,前記左右傾斜辺,及び前記下辺の中央部と両端部に取付片594が突設形成されている,といえる。 そうすると,前記(甲1-f)及び【図48】には,パネル593は,外方形状が上辺,該上辺を切り欠いた左右傾斜辺,左右辺及び下辺からなる六角形に形成され,パネル593の上辺の中央部,左右傾斜辺,及び下辺の中央部と両端部には,取付片594が突設形成され,タイトルパネル枠590の裏面に形成される取付部に取付片594を一致せしめてネジ595を螺着することにより,パネル593をタイトルパネル枠590に固定することで,タイトルパネル11を構成すること,が記載されているといえる。 (甲1-i)【図33】,【図48】より,タイトルパネル枠590の外方形状が上辺,該上辺を切り欠いた左右傾斜辺,左右辺及び下辺からなる六角形の環状に形成されており,係止爪591がタイトルパネル枠590から後ろ向きで外向きに突設すると共に,タイトルパネル枠590の左右傾斜辺の上辺寄りに1個ずつ,下辺の両端寄りに2個設けられているといえる。 これらの記載事項(甲1-a)~(甲1-f)及び認定事項(甲1-g)~(甲1-i)を総合すると,甲第1号証には,次の発明が記載されていると認められる(以下「甲1発明」という。)。 「賭数が設定された場合にはゲームが開始可能となり,スタートレバー539を操作すれば,各リール200a,200b,200cが一斉に回転(可変表示とも言う。以下,同じ)し始め,各リール200a,200b,200cには,複数の図柄が描かれており,リールの回転に伴って透視窓900に現れる図柄の種類が次々と変動し,複数種類の図柄が可変表示され,遊技者がストップボタン533,534,535のうち,いずれかを押圧操作すれば,操作されたストップボタンに対応するリールの回転が停止し,すべてのリールが停止した時点で,透視窓900から視認される各リール200a,200b,200cの上段,中段,下段の3段の図柄のうち,賭数に応じて定められる有効なライン上に位置する図柄の組合わせによって入賞の有無が決定されるスロットマシン1であって, リールユニット15(可変表示装置ともいう)等が収容される収容箱3と, 収容箱3の前面に開閉自在に設けられる前面扉2と, パネル593と,から構成され, パネル593は,外方形状が上辺,該上辺を切り欠いた左右傾斜辺,左右辺及び下辺からなる六角形に形成され,パネル593の上辺の中央部,左右傾斜辺,及び下辺の中央部と両端部には,取付片594が突設形成され,タイトルパネル枠590の裏面に形成される取付部に取付片594を一致せしめてネジ595を螺着することにより,パネル593をタイトルパネル枠591に固定することで,タイトルパネル11を構成し, 前面扉2は,前面枠9と,タイトルパネル11とから構成されており,タイトルパネル11は,蛍光灯355を有する反射板354を被覆するように取り付けられるものであり, タイトルパネル11によって前面扉の前面を被覆される領域には,蛍光灯355から発する熱を放熱する放熱穴391や蛍光灯355の配線を後方に引き出すための配線通し穴392が形成されると共に,タイトルパネル枠590から後ろ向きで外向きに突設する係止爪591を挿入するタイトルパネル係止爪挿入穴390が4つ形成され,タイトルパネル11は,係止爪591をタイトルパネル係止爪挿入穴390に前方から挿入することにより前面枠9に着脱自在に装着し得るものであり, タイトルパネル枠590の外方形状が上辺,該上辺を切り欠いた左右傾斜辺,左右辺及び下辺からなる六角形の環状に形成されており,係止爪591がタイトルパネル枠590から後ろ向きで外向きに突設すると共に,タイトルパネル枠590の左右傾斜辺の上辺寄りに1個ずつ,下辺の両端寄りに2個設けられているスロットマシン1。」 (2)甲第2号証 甲第2号証である本件特許の出願日前に頒布された特開2000-5378号公報には,図面と共に次の事項が記載されている。 (甲2-a)「【0002】 【従来の技術】遊技機には,スロットマシンのように,略垂直な前面部に,遊技操作部を有するものがある。また,この種の遊技機では,遊技機上方に,遊技媒体(メダル等)の供給機構(コンベア等)が配設されるものが多い。このため,遊技機の上方には,これら供給機構内蔵空間を覆う目的で,覆板(以下,「幕板」という。)が設けられる。この幕板は,上部をヒンジにより回転可能に取り付けられ,自重で垂直に吊り下がり,遊技機の供給機構前面を覆っている。そして,供給機構の定期点検,故障時に,幕板の下部を持ち上げて上ヒンジで回転して保持され,供給機構前面が開放される。これにより,供給機構が露出し,供給機構の点検等が可能となる。また,この幕板の表面には,係員呼出し用の呼出スイッチ,呼出ランプ等が取り付けられている。幕板には,これら機能部品が取り付けられる以外の表面部分に,例えば遊技方法の説明,遊技場の内装デザイン等の各種表示シートが貼られていた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら,上述した幕板は,遊技方法説明シート,内装デザインシート等を貼着することにより,これら各種の表示を行っていたため,遊技説明や,内装デザインに変更が生じた場合には,シートを貼り替えなければならず,遊技機が多数台の場合には多大な労力が必要となった。更に,従来の遊技機は,幕板の表面にシートを貼着するのみで表示を行っていたため,視認性が悪いとともに,十分な演出効果が得られない問題があった。本発明は上記状況に鑑みてなされたもので,表示部材が容易に交換できるとともに,供給機構内蔵空間の開閉が容易に行え,しかも,表示の視認性,演出効果も高めることのできる遊技機用表示装置を提供することを目的とする。」 (甲2-b)「【0016】遊技機1には,フレーム13が連結されている。フレーム13は,遊技機1に溶接等により一体固定されたもの,ビス等により取り外し可能に遊技機1に固定されたもの,又は遊技場のフロアに設置されて遊技機1を収容するラック状のもののいずれであってもよい。遊技機1の上方には,供給機構内蔵空間15が確保されている。フレーム13は,この供給機構内蔵空間15を囲っている。この供給機構内蔵空間15には,遊技機1へ遊技媒体(メダル)を供給するための媒体供給機構(コンベア等)16が設けられている。 【0017】図3は内部を透視した蓋体の側面図,図4は上位位置に支持された蓋体の側面図,図5は中間位置に支持された蓋体の側面図,図6は下位位置に支持された蓋体の側面図である。図3に示すように,フレーム13には,供給機構内蔵空間15を覆う蓋体17が取り付けられている。蓋体17は,前面板19と,この前面板19の両側から後方へ突出して設けられる逆三角形状の一対の側板21と,両側の側板21の上部に架設される天板23とにより外形が形成されている。 【0018】前面板19の表面の上部には,従来と同様の係員呼出し用の呼出スイッチ25,呼出ランプ27等が取り付けられている。この蓋体17は,天板23の後端が第一ヒンジ29を介してフレーム13に固定されている。蓋体17は,図4に示すように第一ヒンジ29を介して,下部が上方へ持ち上げられるように,開閉自在となっている。」 (甲2-c)「【0025】前面板19には,呼出ランプ27の下方に,開口部51を形成してある。図8に示すように,隔壁41には,前面板19の背部に配置されるアクリル板保持枠55を,第三ヒンジ53を介して回動自在に取り付けてある。アクリル板保持枠55は,中央の開口した枠状に形成してある。 【0026】アクリル板保持枠55の内側には,下方から,光拡散板(乳白アクリル板)57,表示部材(デザインシート)59,透明アクリル板61が順次積層して収容できるようになっている。なお,この例では,最下層の乳白アクリル板57を,アクリル板保持枠55に固定してある。従って,デザインシート59,透明アクリル板61は,この乳白アクリル板57上に載置された状態で,アクリル板保持枠55内に収納保持されるようになっている。 【0027】透明アクリル板61,乳白アクリル板57は,少なくとも開口部51より大きな面積で形成してある。デザインシート59は,光透過率の差により表示像が視認される所謂スライドフィルム状となっている。乳白アクリル板57は,中央の開口するアクリル板保持枠55に取り付けられることで,周縁を除く大部分の面が蓋体17の内部に露出している。この乳白アクリル板57の背部には,上述した蛍光器具49が配置される。 【0028】アクリル板保持枠55は,第三ヒンジ53と反対側の端部が,ビス63又は係止金具によって,前面板19の背面に取り付けられるようになっている。これによって,アクリル板保持枠55に収納されたデザインシート59,透明アクリル板61は,乳白アクリル板57と前面板19とによって,挟持された状態で,前面板19の背部に保持されるようになっている。 【0029】次に,このように構成した遊技機用表示装置71の作用を説明する。通常時,蓋体17は,フレーム13に閉鎖され,蛍光器具49が点灯状態となる。蛍光器具49からの光は,乳白アクリル板57に拡散され,デザインシート59を透過する。これにより,蓋体17の開口部51には,デザインシート59に形成された操作説明,デザイン等が透過光によって表示される。このようなバックライト方法により,表示が行われることで,シートを単に貼着した従来の表示方法に比べて視認性,演出効果が高まることとなる。」 (甲2-d)「【0033】更に,デザインシート59の交換が必要となった場合には図9に示すように,アクリル板保持枠55を固定しているビス63(図8参照)を外すことで,第三ヒンジ53を介してアクリル板保持枠55を開く。アクリル板保持枠55の乳白アクリル板57上には,デザインシート59,透明アクリル板61が順次載置してある。従って,透明アクリル板61を外し,デザインシート59を交換した後,再び透明アクリル板61を載せて,アクリル板保持枠55をビス63で固定することにより,デザインシート59が容易に交換される。」 これらの記載事項(甲2-a)~(甲2-d)を総合すると,甲第2号証には,次の発明が記載されていると認められる(以下「甲2発明」という。)。 「上方に確保されている供給機構内蔵空間15を囲っているフレーム13に開閉自在な蓋体17が取り付けられたスロットマシンである遊技機1であって, 蓋体17は,前面板19により外形が形成されており,前面板19には,開口部51が形成され, 前面板19の背部に配置されるアクリル板保持枠55の内側には,下方から,光拡散板(乳白アクリル板)57,表示部材(デザインシート)59,透明アクリル板61が順次積層して収容できるようになっており,アクリル板保持枠55に収納されたデザインシート59,透明アクリル板61は,乳白アクリル板57と前面板19とによって,挟持された状態で,前面板19の背部に保持され, 乳白アクリル板57の背部には,蛍光器具49が配置され,この蛍光器具49からの光は,乳白アクリル板57に拡散され,デザインシート59を透過し,デザインシート59に形成された操作説明,デザイン等が透過光によって表示され, デザインシート59の交換が必要となった場合には,アクリル板保持枠55を固定しているビス63を外すことでデザインシート59が容易に交換される遊技機1。」 (3)甲第3号証 甲第3号証である本件特許の出願日前に頒布された特開2001-95973号公報には,図面と共に次の事項が記載されている。 (甲3-a)「【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は,スロットマシンに関し,新旧の機種交換が容易に行えるようにしたものである。 【0002】 【従来の技術】従来,この種のスロットマシンとしては,前扉にリール装置を着脱可能に取り付けたものが知られている(例えば特開平6-23134号公報)。また,本体箱と前扉との間に,中枠を開閉可能に取り付け,この中枠にリール装置を取り付けたものも知られている(例えば特開平1-37984号公報)。 【0003】さらに,前扉の下側に,受皿を着脱可能に取り付けたものも知られている(例えば特開平3-57473号公報)。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかし,上記した従来のスロットマシンでは,新旧の機種交換が面倒であるという共通の問題点があった。すなわち,スロットマシンは,一定期間経過すると,新機種に入れ替えられる。 【0005】このとき,旧機種を取り外し,取り外したスペースに新機種を再度,取り付けていた。上記新旧の機種交換は,面倒で手数が掛かっていた。このため,新旧の機種の交換に時間が掛かり,機種の交換のために,営業時間が短縮されたり,夜間の作業を強いられこととなり,多大な労力と費用とが掛かっていた。 【0006】また,新・旧の機種を丸ごと交換するので,それらの搬送費用や保管費用も多く掛かっていた。さらに,旧機種を廃棄し,新機種を新たに製造すると,資源の無駄が多い。」 (甲3-b)「【0047】なお,上記各種スイッチ類は,上部ドア90に限らず,下部ドア100に配置しても良いし,或いは上部ドア90と下部ドア100とに分散させて配置しても良い。 (下部ドア)前記下部ドア100には,図1,2に示すように,装飾パネル101を交換可能に取り付けている。」 (4)甲第4号証 甲第4号証である本件特許の出願日前に頒布された特開平11-114132号公報には,図面と共に次の事項が記載されている。 (甲4-a)「【0004】 【発明が解決しようとする課題】従来のスロットマシンでは,前述のように,キャビネット内に種々の部品が内蔵され,正面のドア部に設けられるスタートレバーやストップボタンなどの操作部や種々の表示部などと直接配線により接続されて一体に形成されている。一方,この種の遊技機は,数か月もするとゲーム内容に慣れて面白みが半減する。そのため客の入りが悪くなり機械を新台に入れ替えなければならないが,前述のようにこの種の遊技機は一体で形成されているため,たとえば表示部の模様替えや回胴の絵柄の変更,ゲーム内容の刷新などを図ろうとすると遊技機全体を取り替えなければならない。しかし,この種の遊技機は非常に高価でしかも非常に重いため,コストアップになり取替作業も容易ではなく,大変であるという問題がある。その反面,この種の電気信号により操作をする遊技機においては,操作部やキャビネット内の電源,モータ類などは消耗が少なく取り替える必要性は少ない。 【0005】本発明は,このような状況に鑑みてなされたもので,スロットマシンなどの電気信号により操作をする遊技機を着脱可能なユニットの組立体とし,ユニット単位の取替が可能な構成の遊技機を提供することを目的とする。」 (甲4-b)「【0009】前記操作部ユニットが前記操作スイッチを少なくとも有する操作部と,タイトルパネルを少なくとも有するドア部とからなり,該操作部とドア部とが着脱可能に固定されていることにより,またはさらに前記タイトルパネルが前記ドア部に着脱可能に固定されていることにより,操作部やタイトルパネルだけを取り替えて新たなイメージを惹起することもできる。」 (5)甲第5号証 甲第5号証である本件特許の出願日前に頒布された登録実用新案第3021969号公報には,図面と共に次の事項が記載されている。 (甲5-a)「【0001】 【産業上の利用分野】 本考案は,例えば,スロットマシン,所謂パチスロ機,パチンコ台等の遊戯機及び遊戯機の外装パネルに関する。」 (甲5-b)「【0012】 さらに,外装パネルに所望の絵柄が立体印刷によって表されていれば,その外装パネルを交換するだけで,写実的な外観を有する遊戯機が何種類も製造できるという利点がある。」 (6)甲第6号証 甲第6号証である本件特許の出願日前に頒布された特開平11-86110号公報には,図面と共に次の事項が記載されている。 (甲6-a)「【0006】本発明は,上記課題を解決するためになされたもので,ディスプレイを容易に交換でき,製造コストを削減することができ,かつディスプレイの汚損や盗難を防止できる自動販売機のディスプレイ装置を提供することを目的とする。」 (甲6-b)「【0023】図3乃至図5に示すように,ディスプレイ装置1には,取付枠4の内部には,カバー板5およびパネル6が設けられており,カバー板5およびパネル6は,上記横溝45,46内に配置されると共に,これらの間を延びている。パネル6は,メインドア3に接着された金属製(例えば鋼製)の板であり,平板部60と,平板部60の上端から手前側に折り返された折返部61と,を備えている(図8参照)。平板部60の前面には,図示しない両面テープを介してポスター(ディスプレイ)7が着脱自在に貼り付けられている。図4に示すように,平板部60の左端部は,メインドア3の前面に取り付けられたスペーサ62により,前方に少し押し出されており,それにより,カバー板5の左端部との密着性が高められている。」 (7)甲第7号証 甲第7号証である本件特許の出願日前に頒布された特開平8-190662号公報には,図面と共に次の事項が記載されている。 (甲7-a)「【0012】 【実施例】以下,本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。図1に示すように,前面扉1の下部には,接客面に配設される表示パネル2を傾斜させて保持する表示パネル保持装置3が設けられている。この表示パネル保持装置3は,前面扉1の両側部に配設された側部パネル4と,表示パネル2を裏面側から保持する裏板パネル5と,表示パネル2を前面側より保護する透明な保護シート6と,側部パネル4間の下端部前縁側位置に固定されて保護シート6,表示パネル2および裏板パネル5の各下辺部を下方および前後から受ける断面略コ字状のパネル受け7と,側部パネル4間の上下方向中央寄り後縁側位置に配設されて保護シート6,表示パネル2および裏板パネル5の各上辺部を上方および前後から挟持する断面略コ字状の挟持部8aを有するパネル押え8とから構成されている。」 (甲7-b)「【0016】一方,表示パネル2などを取り外す際には,裏板パネル5のつまみ5bを持って引き上げることにより,裏板パネル5に伴ってパネル押え8が側部パネル4の溝部4bに沿って引き上げられる。その後,パネル押え8の両端部が側部パネル4の切欠部4aに位置した状態で後方に引き出すことにより,パネル押え8が側部パネル4から離脱するため,この状態から,保護シート6,表示パネル2および裏板パネル5からパネル押え8を取り外すことにより,表示パネル2などを交換することができる。 【0017】このように,ねじなどを用いていないため,表示パネル2の取り付け,取り外し作業を簡単に行うことができる。」 (8)甲第8号証 甲第8号証である本件特許の出願日前に頒布された実願昭59-123041号(実開昭61-37578号)のマイクロフィルムには,図面と共に次の事項が記載されている。 (甲8-a)「4は広告用シート取付装置でシート保持体5を備える。シート保持体5はプラスチック板で浅い箱形に形成され適当な剛性をもつシート台51,シート台51の上に乗せた広告用シート6の上に被せられるシート押え52,シート台51の左右および下辺に沿ってコ字形に形成されかつ小ねじ53によりシート台51に固定され,シート台51の周縁部との間にシート押え52を挟持する断面L字形の受け具54およびシート押え52を固定するようにシート台51の上縁部にねじ込まれる化粧ねじ55からなり,前記手順に従って一体に組立てられる。」(第4頁第3~14行) (甲8-b)「[考案の効果]この考案によれば,広告用シートをシート台上に乗せその上に透明なシート押えを被せ前記シート押えを前記シート台に固定することによって一体に組立てられるシート保持体を設ける一方,前記シート保持体の周縁部を離脱可能に挟持する支持体を前面扉に設けて広告用シート取付装置を構成したので,前記シートが容易に着脱展示され,また前記シートを見づらくする不具合が排除される。」(第6頁第4~14行) (9)甲第9号証 甲第9号証である本件特許の出願日前に頒布された特開2001-37948号公報には,図面と共に次の事項が記載されている。 (甲9-a)「【0017】上記ドア施錠装置18は管理者以外の者が前扉1を無断で開放するのを防止するためのものであるが,このドア施錠装置18とは別に前扉1の無断開放を未然に防止するために,前扉1の開状態を検出するドアセンサ41が前扉1のヒンジ側と反対側である開放側(図1で右側)側辺部の上部に設けられているとともに,このドアセンサ41の検出信号を受けて作動する報知装置(図示せず)が装備されている。 【0018】上記ドアセンサ41は,図4ないし図6に詳示するように,プッシュ型スイッチからなるもので,スイッチケース41a内より最大5mm程度突出するスイッチボタン41bを筐体2の前端面に向けた状態で前扉1の裏面側に取付金具(図示せず)を介して取り付けられている。そして,前扉1の閉状態では図5(a)に示すようにスイッチボタン41bがスイッチケース41a内に略完全に埋没してONとなり,この閉状態から図4及び図5(b)に示すように前扉1が所定量開かれ,スイッチボタン41bがスイッチケース41a内より2mm程度突出するようになるまではOFFに切り替わらない,つまり前扉1の開状態の信号を出力しない不感帯領域を有している。尚,ドアセンサ41の出力信号を受ける報知装置は,図示していないが,光学式報知手段として,スロットマシンA自体の上部ランプ22やリール照明用蛍光灯33などの塔載ランプ類若しくは島ランプを用いて,それらの点灯又は点滅で前扉1の開状態を報知したり,あるいは音声式報知手段として,スロットマシンAのスピーカ35を用いてブザー音などの警報音若しくは人声音で「扉が開いています」を流すことで報知を行ったりするようになっている。」 (10)甲第10号証 甲第10号証である本件特許の出願日前に頒布された特開2001-161893号公報には,図面と共に次の事項が記載されている。 (甲10-a)「【0002】 【従来の技術】最近の遊技機,特にパチスロ機には,その上部に呼出ランプと呼ばれる通知装置が設けられており,その呼出ランプにより,パチスロ機での遊技状態または遊技結果等を従業員や遊技者に通知するようになっている。さらに,最近のパチスロ機には,特賞状態終了後に,チャレンジタイム(以下,CTという。)遊技と呼ばれる遊技状態を生起させる機種があり,そのような機種に設けられた呼出ランプでは,本体のパチスロ機でCT遊技状態が生起したときは,CT遊技状態が生起した旨の通知を行うようになっている。以下,遊技機としてパチスロ機を例にとって,パチスロ機および呼出ランプの構成を説明し,併せてCT遊技状態についても説明する。」 (11)甲第11号証 甲第11号証である本件特許の出願日前に頒布された特開平9-220313号公報には,図面と共に次の事項が記載されている。 (甲11-a)「【0016】スロットマシン1の正面下部には,機種名や機種イメージシンボル等が描かれたタイトル部パネル14が設けられている。さらにこのパネル14の下方には,メダル払出口15から払い出されるメダルを貯めるメダル受け皿16が設けられており,このメダル受け皿16に並んで灰皿17が設けられている。また,メダル払出口15の右方には複数の小孔からなる透音孔18が設けられている。一方,スロットマシン1の正面上部には配当表示パネル19が設けられている。この配当表示パネル19には各入賞に対してどれだけのメダルが払い出されるかが表示されている。さらにこの配当表示パネル19の上部には3つのボーナス表示ランプ20L,20C,20Rが配置されている。」 (12)甲第12号証 甲第12号証である本件特許の出願日前に頒布された特開平11-276664号公報には,図面と共に次の事項が記載されている。 (甲12-a)「【0019】前記扉部3の前面は,正面パネル11,上部パネル12,および下部パネル13で構成される。正面パネル11は,各リール8a,8b,8cのシンボル列を移動させた状態や停止させた状態で表示する部分である。上部パネル12や下部パネル13には,機種名や,機種に導入されたキャラクターのイメージ画,ゲーム情報などが表される。なお各パネル11,12,13とも,透明な合成樹脂板の表面に,シルクスクリーン印刷を施して形成される。」 (13)甲第13号証 甲第13号証である本件特許の出願日前に頒布された特開平9-687号公報には,図面と共に次の事項が記載されている。 (甲13-a)「【0037】また,前記画像遊技装置10には,図1に示すように,その前面向かって右側に,メダルセンサ(図示せず)を内蔵したメダル投入口14が設けられ,メダル投入口14の向かって右側には,前記メダル投入口14に詰まったメダルを返却するための返却スイッチ15が設けられている。また,前記画像遊技装置10には,図1に示すように,前記操作パネル12の下段に,例えば透光性のある材料で構成され,遊技装置の名称や装飾模様などが描かれたタイトルパネル板16が設けられている。前記タイトルパネル板16の下段には,遊技者に対して付与される利益としてのメダルを払い出すためのメダル払出口17が設けられている。前記メダル払出口17の下方には,前記メダル払出口17から払い出されたメダルを貯留するためのメダル貯留皿18が設けられている。」 (14)甲第14号証 甲第14号証である本件特許の出願日前に頒布された実願昭50-143884号(実開昭52-56789号)のマイクロフィルムには,図面と共に次の事項が記載されている。 (甲14-a)「本考案は上記欠点を排除すべくなされたもので差込み方法を採用し簡単に商品ラベルを交換することができることを目的とするものである。」(第1頁下から2行~第2頁2行) (甲14-b)「第1図に於いて(1)は自動販売機等の商品表示パネルで本体に形成されてあり,該パネルの前面は段落部(2)が形成されている。またこの段落部の側縁には一対の開口部(3)が対象に開設されている。(4)は合成樹脂等の素材で形成された表示枠でその外縁が前記段落部の内側縁に嵌着するようになつている。またこの表示枠(4)の一面には係止片(5)が突出して形成され前記開口部に対応して嵌入される。」(第2頁第4~11行) (甲14-c)「(7)は表示看板で組立時に前記表示枠(4)に圧着される。第4,5,6図は本考案により組立時の差込み状態を示す図で,第5図の場合は係止片(5)が段落部の内側縁によつてたわみを生じつゝ進入し,第6図の如く嵌着される。また表示枠(4)を取外す場合は係止片を夫々内側に押圧して取外せばよい。」(第2頁第14~20行) (甲14-d)第1,2,4~6図から,甲第14号証には,自動販売機等の商品表示パネル(1)に,表示看板(7)が圧着され環状に形成された表示枠(4)の外方側面が全周にわたり嵌合する段落部(2)が形成されている構成が記載されているといえる。 (15)甲第15号証 甲第15号証である本件特許の出願日前に頒布された特開2000-245893号公報には,図面と共に次の事項が記載されている。 (甲15-a)「【0013】本発明の実施の形態に係るスロットマシン10は,その前面側下パネル20と,それを固定するフロントマスク30とを備えているものである。前記前面側下パネル20は,樹脂又は金属からなり,図5に示すように,全体形状が略長方形であって,スロットマシン10の前面側の操作スイッチ等の下部に位置している。そして,前面側下パネル20の裏面側の上部には,前面側下パネル20をフロントマスク30に固定するために,フロントマスク30側に向かって突出して係合可能な二つの突出固定片40が形成されている。また,前面側下パネル20の裏面側の下部には,前面側下パネル20をフロントマスク30に支持するために,フロントマスク30側に向かって突出する二つの支持固定片45が形成されている。 ・・・ 【0016】前記支持固定片45は,図2に示すように,その縦断面形状が略L字状であって,その先端から下方に向かって直角に曲げられたL字部46を備えている。前記前面側開口部31には,突出固定片40を挿入した状態で突出固定片40と前面側開口部31との間の隙間を閉塞する金属からなる閉塞部材50が形成されている。この閉塞部材50は,前面側開口部31の周囲の周囲部材であるフロントマスク30を挟み込んで蝶ねじ54からなる締結部材53により固定される挟み込み部51と,この挟み込み部51から前面側開口部31内側に向かって延びて突出固定片40に当接する閉塞板部52とを備えている。前記挟み込み部51は,下方からねじ込まれる蝶ねじ54により挟み込んだフロントマスク30を押圧することによりフロントマスク30と一体に固定可能に形成されているものである。そして,係止爪部41の段差部44を前面側開口部31の周縁に係止させた状態において,閉塞板部52は,突出片本体部42の表面と前面側開口部31の内面との間に渡されている。また,閉塞板部52には,その上端面から下方に向かって切り欠かれた切り欠き部55が形成されている。この切り欠き部55の幅は,突出固定片40の幅と略整合するように設定されている。」 (16)甲第16号証 甲第16号証である本件特許の出願日前に頒布された実願昭58-124307号(実開昭60-33379号)のマイクロフィルムには,図面と共に次の事項が記載されている。 (甲16-a)「本考案は,表示シートと,この表示シートの表面に重合される化粧板とからなる樹脂製表示板の取付装置に関するものである。」(第1頁第16~18行) (甲16-b)「10は表示板であって,この表示板10は,透明なる樹脂板で形成された化粧板11と,この化粧板11の裏面に添設される表示シート12とで構成されるものであるが,その化粧板11の裏面においては,その左右両端部に,先端に係止爪13’を形成した一対の係止脚13が,化粧板11と一体となって突設されておりさらにこれら係止脚13の内側面,即ち対の係止脚13の対向面には,係止脚13の軸方向に延びる凹溝14が形成されているものである。」(第4頁第7~16行) (甲16-c)「19は上記の表示板10を取付けるべきインストルメントパネルであって,このインストルメントパネル19には,上記係止脚13が挿入係止される透孔20が形成されているものである。 以上が本実施例の構成であるが,次に上記表示板10をインストルメントパネル19に取付ける手順について述べると,まず化粧板11の裏面に表示シート12を添設して,その化粧板11の裏面に突設されている係止脚13,13をインストルメントパネル19に形成されている透孔20内に挿入すると,その係止脚13,13の先端部に設けた係止爪13’と透孔20の口縁との係合によって表示板10はインストルメントパネル19に係合される(第3図C参照)。」(第5頁第7行~第6頁第2行) (甲16-d)第3図の(a)及び(c)から,甲第16号証には,インストルメントパネル19の凹部の内周よりも内側に透孔20が形成され,表示板の外方側面よりも内側に設けられた係止脚13,13が透孔20に挿通されることにより,表示板10がインストルメントパネル19に係合されることが記載されているといえる。 (17)甲第17号証 甲第17号証である本件特許の出願日前に頒布された実願平1-135020号(実開平3-73480号)のマイクロフィルムには,図面と共に次の事項が記載されている。 (甲17-a)「本考案は,各種電子機器に採用されるパネル取付装置に関するものである。」(第1頁下から9~10行) (甲17-b)「以下,本考案の一実施例について図面を参照しながら説明する。 第1図はその分解斜視図,第2図は断面図である。同図において1はパネル,2はL型状取付爪,4はカバー,5はカバー4の開口3内に,その開口辺から植立された取付爪であり,その先端は遊端となっている。」(第3頁第1~7行) (甲17-c)第2図から,甲第17号証には,カバー4の凹部の内周よりも内側に開口3が形成され,パネル1の外方側面よりも内側に設けられたL型状取付爪2が開口3に挿通されることにより,パネル1がカバー4に係合されることが記載されているといえる。 (18)甲第18号証 甲第18号証である本件特許の出願日前に頒布された特開平9-122421号公報には,図面と共に次の事項が記載されている。 (甲18-a)「【0023】上記構成により,工場での組立て作業を容易にすることができる。 (実施の形態3)図3は取付台に係止部を設けた空調用フィルターと空気用フィルターの被装着体である空気調和機を示し,図3において取付台1の両端の少なくとも片側の表面に,相互につめ形状の引掛け部2とU字状の弾性変形構造を有する係止部11を,取付台1に一体成形し着脱手段を設けた空気用フィルター8を構成している。 【0024】例えば,前記空気用フィルター8を空気調和機12に使用する場合,前記引掛け部2と前記係止部11は,空気調和機12に設けられた空気用フィルター8の挿入口13の両端に設けた角孔14にそれぞれ差し込まれ,引掛け部2に設けたつめA15と係止部11に設けたつめB16で角孔14の先端部に引掛けることにより,空気調和機12に空気用フィルターを装着できる。 【0025】上記構成により,空気調和機12への空気用フィルター8の装着を容易にし,空気用フィルター8を空気調和機12よりはずす時も,係止部11を角孔14の手前方向17に押すことで簡単に取りはずすことができる。」 (19)甲第19号証 甲第19号証である本件特許の出願日前に頒布された特開平11-276693号公報には,図面と共に次の事項が記載されている。 (甲19-a)「【0030】次に実施例の上端側の防犯装置Qについては,図4に示すように,遊技盤枠1の上枠14の上端において突条33を,飾り縁4の基材8の上縁22にはそれが差し合う溝部35を設けてある。さらに,上枠14には,ガラス枠3の上において,引っ込み形態に段状屈折部37を設け,上縁22にはその段状屈折部37の中に差し込まれる突片39を設けてある。このようにして,上からカードや針金等を差し込む障害を造ってある。」 (20)甲第20号証 甲第20号証である本件特許の出願日前に頒布された特開平10-52546号公報には,図面と共に次の事項が記載されている。 (甲20-a)「【0018】図22~図25は前記防護片10の配置例を示すものである。図22及び図23に示す前面枠2においては,両パネル16,17の周面接合部の外側に裏面枠6の防護片10が重合されている。なお,図26は,防護片10が図22及び図23の如く配置されたパチンコ機の概観を示すものであり,両パネル16,17の周縁には,段差が設けられている。また,図24及び図25に示す前面枠2においては,両パネル16,17の周面接合部に断面コ字形の凹部42が形成され,この凹部42に防護片10が前面枠2の周面と重合するように挿入されている。このように,前面枠2の周面に防護片10を重合させることで,機枠1と前面枠2との隙間を密閉して,針金等により不正行為を確実に防止することができる。」 (21)甲第21号証 甲第21号証である本件特許の出願日前に頒布された特開平6-154389号公報には,図面と共に次の事項が記載されている。 (甲21-a)「【0001】 【産業上の利用分野】この発明は,スロットマシンやパチンコ機等の遊技機用の基板収納ケースに関し,特にその放熱孔の改良に関する。」 (甲21-b)「【0028】請求項2記載の発明によれば,放熱孔が,両分割部材のいずれか少なくとも一方の突き合わせ端面部に形成されていることから,屈曲した放熱孔を容易に形成することができ,これにより,両分割部材,ひいては基板収納ケース全体の製造を容易にすることができる。請求項3記載の発明によれば,放熱孔がクランク状に屈曲させて形成されているので,ICクリップ及び針金等の挿入を一層,困難にすることができ,これらの挿入による不正行為を一層,確実に防止することができる。 【0029】請求項4記載の発明によれば,放熱孔が内孔,中空部及び外孔から形成され,この外孔と内孔との位置が相互にずれて形成されているので,ICクリップ及び針金等の挿入をより一層,困難にすることができ,これらの挿入による不正行為をより一層,確実に防止することができる。」 (22)甲第22号証 甲第22号証である本件特許の出願日前に頒布された「白夜ムック94 パチスロ必勝ガイド パチスロ大図鑑2001 回胴式遊技機歴史総覧」(第124~125頁)には,前面からみたスロットマシンであるクランキーコンドルの筐体の写真及びリール配列を示す写真が掲載され,特に次の事項が記載されている。 (甲22-a)「ユニバーサル販売 クランキーコンドル 技術介入-。今でこそごく普通に使われるようになったこの言葉を,広く世のスロッターたちに知らしめた歴史的マシン。それが,ユニバーサル販売(現・アルゼ)の「クランキーコンドル」である。 後の名声とは裏腹に,本気のデビューはさほど華々しいものではなかった。爆発的ヒット機種「ニューパルサー」の影響が色濃く残る95年夏,「テーブル方式による本格的大量リーチ目搭載機」といういささか地味な謳い文句と共に,静かに世に現れたのだ。」(第124頁上段) (23)甲第23号証 甲第23号証である写真撮影報告書(1)は,平成27年8月3日に,日本電動式遊技機特許株式会社,特許事業部,次長である田中正彦により作成されたものであり,平成27年7月10日,28日に,当社内で撮影されたとされる21枚の写真と共に,特に次の事項が記載されている。 (甲23-a)「今般,当社は,ユニバーサル販売株式会社製のパチスロ機「クランキーコンドル」が,上記の「前記所定領域には環状に形成された前記枠体の外方側面が全周にわたり嵌合する凹部が形成され」,「環状に形成された前記枠体の外方側面が全周にわたり前記凹部に嵌合」の構成を備えていることを確認いたしました。」(第1頁第17~21行) (24)甲第24号証 甲第24号証である本件特許の出願日前に頒布された「パチスロ攻略マガジン 1997 2月号特大号」には,前面からみたスロットマシンであるフローズンナイツの筐体の写真及びリール配列を示す写真が掲載され,特に次の事項が記載されている。 (甲24-a)「一気に設置店を伸ばしているユニバの新機種,フローズンナイツ。」(第138頁上段,「今月のメニュー」の囲い内。) (25)甲第25号証 甲第25号証である写真撮影報告書(2)は,平成27年8月3日に,日本電動式遊技機特許株式会社,特許事業部,次長である田中正彦により作成されたものであり,平成27年7月27日,28日に,当社内で撮影されたとされる18枚の写真と共に,特に次の事項が記載されている。 (甲25-a)「今般,当社は,ユニバーサル販売株式会社製のパチスロ機「フローズンナイツ」が,上記の「前記所定領域には環状に形成された前記枠体の外方側面が全周にわたり嵌合する凹部が形成され」,「環状に形成された前記枠体の外方側面が全周にわたり前記凹部に嵌合」の構成を備えていることを確認いたしました。」(第1頁第17~20行) (26)甲第26号証 甲第26号証である本件特許の出願日前に頒布された「白夜ムック94 パチスロ必勝ガイド パチスロ大図鑑2001 回胴式遊技機歴史総覧」(第15頁)には,前面からみたスロットマシンであるマンハッタンの筐体の写真が掲載されている。 (27)甲第27号証 甲第27号証である「MANHATTAN マンハッタン」には,スロットマシンであるマンハッタンの筐体からランプボードを取外す写真が掲載されている。 (28)甲第28号証 甲第28号証である写真撮影報告書(3)は,平成27年8月31日に,日本電動式遊技機特許株式会社,特許事業部,次長である田中正彦により作成されたものであり,平成27年8月27日に,当社内で撮影されたとされる11枚の写真と共に,特に次の事項が記載されている。 (甲28-a)「「クランキーコンドル」は,「凹部の内周よりも内側に挿通口が設けられ,枠体の外方側面よりも内側に設けられた係止片が挿通口に挿通されること」により,環状に形成された枠体の外方側面が全周にわたり凹部に嵌合した状態で,一体化した枠体及び表示パネルが前面扉に取り付けられる構成をも備えるものです。」(第1頁第12~16行) (甲28-b)「平成27年8月3日付け写真撮影報告書(1)及び本写真撮影報告書で撮影の対象としたパチスロ実機「クランキーコンドル」は,平成11年7月7日に神尾商会から当社が購入したものです(別添資料)。」(第1頁第19~21行) (29)甲第29号証 甲第29号証である写真撮影報告書(4)は,平成27年8月31日に,日本電動式遊技機特許株式会社,特許事業部,次長である田中正彦により作成されたものであり,平成27年8月27日に,当社内で撮影されたとされる11枚の写真と共に,特に次の事項が記載されている。 (甲29-a)「「フローズンナイツ」は,「凹部の内周よりも内側に挿通口が設けられ,枠体の外方側面よりも内側に設けられた係止片が挿通口に挿通されること」により,環状に形成された枠体の外方側面が全周にわたり凹部に嵌合した状態で,一体化した枠体及び表示パネルが前面扉に取り付けられる構成をも備えるものです。」(第1頁第12~16行) (甲29-b)「平成27年8月3日付け写真撮影報告書(2)及び本写真撮影報告書で撮影の対象としたパチスロ実機「フローズンナイツ」は,平成11年7月7日に神尾商会から当社が購入したものです(別添資料)。」(第1頁第19~21行) (30)甲第30号証 甲第30号証である「CRANKY CONDOR」には,前面からみたスロットマシンであるクランキーコンドルの筐体の写真及びリール配列を示す写真が掲載されている。 (31)甲第31号証 甲第31号証である本件特許の出願日前に頒布された「パチスロ必勝ガイド 1995 OCT」(第4~5頁)には,前面からみたスロットマシンであるクランキーコンドルの筐体の写真及びリール配列を示す写真が掲載されている。 (32)甲第32号証 甲第32号証である本件特許の出願日前に頒布された「パチスロ必勝ガイド 1995 NOV」(第4~5頁)には,右斜正面からみたスロットマシンであるクランキーコンドルの筐体の写真が掲載されている。 (33)甲第33号証 甲第33号証である写真撮影報告書(5)は,平成27年11月16日に,日本電動式遊技機特許株式会社,特許事業部,次長である田中正彦により作成されたものであり,平成27年11月13日に,当社内で撮影されたとされる9枚の写真と共に,特に次の事項が記載されている。 (甲33-a)「パチスロ実機「クランキーコンドル」(検甲第1号証)につき,これが,「クランキーコンドル」の実機であり,かつ,製造販売された状態から改変がなされていないことを,平成27年11月13日に当社内で私が撮影した写真により,別紙のとおり報告いたします。」(第1頁第10~13行) (34)甲第34号証 甲第34号証である本件特許の出願日前に頒布された「パチスロ必勝ガイド 1997 FEB」(第35頁)には,前面からみたスロットマシンであるフローズンナイツの筐体の写真が掲載されている。 (35)甲第35号証 甲第35号証である本件特許の出願日前に頒布された「パチスロ必勝ガイド 1997 APR」(第38~39頁)には,前面からみたスロットマシンであるフローズンナイツの筐体の写真が掲載されている。 (36)甲第36号証 甲第36号証である写真撮影報告書(6)は,平成27年11月16日に,日本電動式遊技機特許株式会社,特許事業部,次長である田中正彦により作成されたものであり,平成27年11月13日に,当社内で撮影されたとされる9枚の写真と共に,特に次の事項が記載されている。 (甲36-a)「パチスロ実機「フローズンナイツ」(検甲第2号証)につき,これが,「フローズンナイツ」の実機であり,かつ,製造販売された状態から改変がなされていないことを,平成27年11月13日に当社内で私が撮影した写真により,別紙のとおり報告いたします。」(第1頁第10~13行) (37)甲第37号証 甲第37号証である写真撮影報告書(7)は,平成28年4月14日に,日本電動式遊技機特許株式会社,特許事業部,次長である田中正彦により作成されたものであり,平成28年4月8日に,当社内で撮影されたとされる12枚の写真と共に,特に次の事項が記載されている。 (甲37-a)「今般,当社は,ユニバーサル販売株式会社製のパチスロ機「クランキーコンドル」が,上記の第1の領域と第2の領域の当接,枠体の後端縁の上辺と凹部の底面周縁の上辺の左右方向全幅にわたっての当接の構成を備えていることを確認いたしました。」(第2頁第1~4行) (甲37-b)「1 本クランキーコンドル実機の筐体前面・筐体裏面に貼付されたラベル 本クランキーコンドル実機は,検甲第1号証の物件と同一の実機です(製造番号089964,製造年月1996年8月)」(第3頁第1~3行) (甲37-c)「2 寸法測定の方針 以下,本クランキーコンドル実機について,枠体の左辺の長さ(外寸)と凹部の左辺の長さ(内寸),枠体の右辺の長さ(外寸)と凹部の右辺の長さ(内寸),枠体の上辺の長さ(外寸)と凹部の上辺の長さ(内寸),枠体の下辺の長さ(外寸)と凹部の下辺の長さ(内寸),係止片の枝部の長さ(左右それぞれ)と挿通口の奥行(左右それぞれ)を測定しました。 測定の結果,両者の寸法が,それぞれ同寸ないし1.5mm程度の寸法差であれば,枠体の凹部内に隙間なく嵌合し,第1の領域と第2の領域が当接し,枠体の後端縁の上辺と凹部の底面周縁の上辺が左右方向全幅にわたって当接する構成であることを確認することができます。」(第3頁下から第10~1行) (甲37-d)「3(1) 枠体の左辺・右辺の長さ(外寸)の測定 本クランキーコンドル実機の枠体の左辺・右辺(外寸)の長さを測定した結果,いずれも223.5mmでした。」(第4頁第1~3行) (甲37-e)「3(2) 凹部の左辺・右辺の長さ(内寸)の測定 本クランキーコンドル実機の凹部の左辺・右辺(内寸)の長さを測定した結果,いずれも223.5mmでした。」(第5頁第1~3行) (甲37-f)「4(1) 枠体の上辺・下辺の長さ(外寸)の測定 本クランキーコンドル実機の枠体の上辺・下辺(外寸)の長さを測定した結果,445mmでした。」(第6頁第1~3行) (甲37-g)「4(2) 凹部の上辺・下辺の長さ(内寸)の測定 本クランキーコンドル実機の凹部の上辺・下辺(内寸)の長さを測定した結果,445mmでした。」(第7頁第1~3行) (甲37-h)「5(1) 係止片の枝部の長さの測定 本クランキーコンドル実機の枠体の上辺に設けられた2個の係止片の枝部の長さを測定した結果,いずれも12mmでした。」(第8頁第1~3行) (甲37-i)「5(2) 挿通口の奥行の測定 本クランキーコンドル実機の凹部の上辺に設けられた2個の挿通口の奥行を測定した結果,いずれも12mmでした。」(第8頁第4~6行) (甲37-j)「上記の測定結果により,本件クランキーコンドル実機が,枠体が凹部内に隙間なく嵌合し,第1の領域と第2の領域が当接し,枠体の後端縁の上辺と凹部の底面周縁の上辺が左右方向全幅にわたって当接する構成であることを確認しました。」(第9頁下から第5~2行) (38)甲第38号証 甲第38号証である写真撮影報告書(8)は,平成28年4月14日に,日本電動式遊技機特許株式会社,特許事業部,次長である田中正彦により作成されたものであり,平成28年4月8日に,当社内で撮影されたとされる15枚の写真と共に,特に次の事項が記載されている。 (甲38-a)「今般,当社は,ユニバーサル販売株式会社製のパチスロ機「フローズンナイツ」が,上記の第1の領域と第2の領域の当接,枠体の後端縁の上辺と凹部の底面周縁の上辺の左右方向全幅にわたっての当接の構成を備えていることを確認いたしました。」(第2頁第1~4行) (甲38-b)「1 本フローズンナイツ実機の筐体前面・筐体裏面に貼付されたラベル 本フローズンナイツ実機は,検甲第2号証の物件と同一の実機です(製造番号025280,製造年月1997年2月)」(第3頁第1~3行) (甲38-c)「2 寸法測定の方針 以下,本フローズンナイツ実機について,枠体の左辺の長さ(外寸)と凹部の左辺の長さ(内寸),枠体の右辺の長さ(外寸)と凹部の右辺の長さ(内寸),枠体の上辺の長さ(外寸)と凹部の上辺の長さ(内寸),枠体の下辺の長さ(外寸)と凹部の下辺の長さ(内寸),係止片の枝部の長さ(左右それぞれ)と挿通口の奥行(左右それぞれ)を測定しました。 測定の結果,両者の寸法が,それぞれ同寸ないし1.5mm程度の寸法差であれば,枠体の凹部内に隙間なく嵌合し,第1の領域と第2の領域が当接し,枠体の後端縁の上辺と凹部の底面周縁の上辺が左右方向全幅にわたって当接する構成であることを確認することができます。」(第3頁下から第10~1行) (甲38-d)「3(1) 枠体の左辺・右辺の長さ(外寸)の測定 本フローズンナイツ実機の枠体の左辺・右辺(外寸)の長さを測定した結果,いずれも233mmでした。」(第4頁第1~3行) (甲38-e)「3(2) 凹部の左辺・右辺の長さ(内寸)の測定 本フローズンナイツ実機の凹部の左辺・右辺(内寸)の長さを測定した結果,いずれも234.5mmでした。」(第5頁第1~3行) (甲38-f)「4(1) 枠体の上辺・下辺の長さ(外寸)の測定 本フローズンナイツ実機の枠体の上辺・下辺(外寸)の長さを測定した結果,465mmでした。」(第6頁第1~3行) (甲38-g)「4(2) 凹部の上辺・下辺の長さ(内寸)の測定 本フローズンナイツ実機の凹部の上辺・下辺(内寸)の長さを測定した結果,465mmでした。」(第7頁第1~3行) (甲38-h)「5(1) 係止片の枝部の長さの測定 本フローズンナイツ実機の枠体の上辺に設けられた2個の係止片の枝部の長さを測定した結果,いずれも10mmでした。」(第8頁第1~3行) (甲38-i)「5(2) 挿通口の奥行の測定 本フローズンナイツ実機の凹部の上辺に設けられた2個の挿通口の奥行を測定した結果,いずれも10mmでした。」(第9頁第1~3行) (甲38-j)「上記の測定結果により,本件フローズンナイツ実機が,枠体が凹部内に隙間なく嵌合し,第1の領域と第2の領域が当接し,枠体の後端縁の上辺と凹部の底面周縁の上辺が左右方向全幅にわたって当接する構成であることを確認しました。」(第10頁下から第5~2行) 2 検甲号証(検証物)について 請求人が提出した検証物である検甲第1~2号証には,特に以下の点が平成27年11月18日午後2時から特許庁審判廷で実施した検証により明らかとなり,検証調書に記載されている。 また,前記第5の冒頭で言及したように,平成28年4月14日付け検証申出書による検甲第3~4号証の検証は行っていないので,検甲第3~4号証については,請求人が検証しようとした内容について言及する。 そして,後記「3 無効理由について」においては,仮に検甲第3~4号証から,検甲第1~2号証(検甲第3~4号証)が,本件特許発明1の構成1H(2)及び構成1H(3)である「(前記枠体の後端縁の上辺と前記第1の係止片との間の)第1の領域が(前記凹部の底面周縁の上辺と前記第1の挿通口の上辺との間の)第2の領域において当接」する構成,及び「前記枠体の後端縁の上辺と前記凹部の底面周縁の上辺が左右方向全幅にわたって当接」する構成を備えることが立証できたと仮定して判断する。 (1)検甲第1号証 (1-1)検甲第1号証は,「CRANKY CONDOR」と記載された表示パネルを備えたパチスロ機である(写真検甲1(1))。 ・写真検甲1(1) (1-2)検甲第1号証は,裏面左上のシールの下方に「型式名 クランキーコンドル」,「製造番号089964」,「製造年月日1996.8」,「製造業者 ユニバーサル販売(株)」と記載されたシールが貼り付けられている(写真検甲1(2))。 ・写真検甲1(2) (1-3)検甲第1号証は,本体の前面に開閉可能な前面扉が設けられていて,前面扉を開くことにより本体の前面が開口する構成を備えている(写真検甲1(3)~(4))。 ・写真検甲1(3) ・写真検甲1(4) (1-4)検甲第1号証は,表示パネルが枠体に一体的に組み付けられる構成である(写真検甲1(7))。 (1-5)検甲第1号証は,表示パネルを一体的に組み付けた枠体が,前面扉を開放して,前面扉の後面側から係止を解除することにより取り外される構成である(写真検甲1(5)~(6))。 ・写真検甲1(5) ・写真検甲1(6) ・写真検甲1(7) (1-6)検甲第1号証は,枠体が矩形状で環状に形成されて備えられている(写真検甲1(8))。 ・写真検甲1(8) (1-7)検甲第1号証は,表示パネルが枠体に一体的に組み付けられた状態で係止される前面扉の一部の領域である所定領域に,深さ略2ミリの凹部が形成されている(写真検甲1(9))。 ・写真検甲1(9) (1-8)検甲第1号証は,凹部の内周よりも略0.5ミリだけ内側に挿通口が設けられている(写真検甲1(10))。 ・写真検甲1(10) (1-9)検甲第1号証は,係止片が枠体の外方側面よりも内側に設けられている(写真検甲1(11)~(12))。 ・写真検甲1(11) ・写真検甲1(12) (1-10)検甲第1号証は,表示パネルが,枠体に一体的に組み付けられた状態で,前面扉の前面側から前面扉の一部の領域である所定領域に,枠体を介して係止される構成である(写真検甲1(13)~(14))。 ・写真検甲1(13) ・写真検甲1(14) (1-11)検甲第1号証は,係止片が挿通口に挿通されることにより,環状に形成された枠体の外方側面が,全周にわたり凹部に嵌合した状態で,一体化した枠体及び表示パネルが前面扉に取り付けられている(写真検甲1(15)~(17))。 ・写真検甲1(15) ・写真検甲1(16) ・写真検甲1(17) (1-12)検甲第1号証の筐体前面の形状ならびに上部パネル,リールパネル及び腰部パネルの図柄が,それぞれ,甲第22,31~32号証に掲載された「クランキーコンドル」の写真に示された筐体前面の形状,ならびに上部パネル,リールパネル及び腰部パネルの図柄と同一である(写真検甲1(18)~(21))。 ・写真検甲1(18) ・写真検甲1(19) ・写真検甲1(20) ・写真検甲1(21) (1-13)検甲第1号証のリールに,甲第22,31~32号証に掲載された「クランキーコンドル」のリール図に示された鳥(コンドル)のキャラクターと同一の図が描かれている(写真検甲1(22))。 ・写真検甲1(22) (1-14)検甲第1号証のリールユニット取付ネジのネジ頭は潰れていない(写真検甲1(23))。 ・写真検甲1(23) (1-15)検甲第1号証の主基板に2本の青色の封印シールが貼付されていて,うち広幅のシールが筐体と主基板とをシールしていて封印が切られた形跡がない(写真検甲1(24))。 (1-16)検甲第1号証の主基板に貼付された狭幅のシールが主基板ケースの蓋と本体とをシールしていて封印が切られた形跡がない(写真検甲1(24))。 ・写真検甲1(24) (1-17)検甲第1号証の裏面のシールには,甲第22,31~32号証に掲載されたパチスロ機の型式名であるクランキーコンドルという名称,製造業者であるユニバーサル販売という名称が記載されている(写真検甲1(2))。 (2) 検甲第2号証 (2-1)検甲第2号証は,「FROZEN NIGHTS」と記載された表示パネルを備えたパチスロ機である(写真検甲2(1))。 ・写真検甲2(1) (2-2)検甲第2号証は,裏面左上に「型式名 フローズンナイツ」,「製造番号025280」,「製造年月日1997.2」,「製造業者 ユニバーサル販売(株)」と記載されたシールが貼り付けられている(写真検甲2(2))。 ・写真検甲2(2) (2-3)検甲第2号証は,本体の前面に開閉可能な前面扉が設けられていて,前面扉を開くことにより本体の前面が開口する構成を備えている(写真検甲2(3)~(4))。 ・写真検甲2(3) ・写真検甲2(4) (2-4)検甲第2号証は,表示パネルが枠体に一体的に組み付けられる構成である(写真検甲2(7))。 (2-5)検甲第2号証は,表示パネルを一体的に組み付けた枠体が,前面扉を開放して,前面扉の後面側から係止を解除することにより取り外される構成である(写真検甲2(5)~(6))。 ・写真検甲2(5) ・写真検甲2(6) ・写真検甲2(7) (2-6)検甲第2号証は,枠体が矩形状で環状に形成されて備えられている(写真検甲2(8))。 ・写真検甲2(8) (2-7)検甲第2号証は,表示パネルが枠体に一体的に組み付けられた状態で係止される前面扉の一部の領域である所定領域に,上辺深さ略2センチ,下辺,左辺,右辺深さ略2ミリの凹部が形成されている(写真検甲2(9)~(11))。 ・写真検甲2(9) ・写真検甲2(10) ・写真検甲2(11) (2-8)検甲第2号証は,凹部の内周よりも内側に挿通口が設けられている(写真検甲2(12))。 ・写真検甲2(12) (2-9)検甲第2号証は,係止片が枠体の外方側面よりも内側に設けられている(写真検甲2(13)~(14))。 ・写真検甲2(13) ・写真検甲2(14) (2-10)検甲第2号証は,表示パネルが,枠体に一体的に組み付けられた状態で,前面扉の前面側から前面扉の一部の領域である所定領域に,枠体を介して係止される構成である(写真検甲2(15)~(16))。 ・写真検甲2(15) ・写真検甲2(16) (2-11)検甲第2号証は,係止片が挿通口に挿通されることにより,環状に形成された枠体の外方側面が,全周にわたり凹部に嵌合した状態で,一体化した枠体及び表示パネルが前面扉に取り付けられている(写真検甲2(17)~(20))。 ・写真検甲2(17) ・写真検甲2(18) ・写真検甲2(19) ・写真検甲2(20) (2-12)検甲第2号証の筐体前面の形状ならびに上部パネル,リールパネル及び腰部パネルの図柄が,それぞれ,甲第24号証,甲第34~35号証に掲載された「フローズンナイツ」の写真に示された筐体前面の形状,ならびに上部パネル,リールパネル及び腰部パネルの図柄と同一である(写真検甲2(21)~(24))。 ・写真検甲2(21) ・写真検甲2(22) ・写真検甲2(23) ・写真検甲2(24) (2-13)検甲第2号証のリールに,甲第24号証,甲第34~35号証に掲載された「フローズンナイツ」のリール図に示された鳥(ペンギン)のキャラクターと同一の図が描かれている(写真検甲2(25))。 ・写真検甲2(25) (2-14)検甲第2号証のリールユニット取付ネジのネジ頭は潰れていない(写真検甲2(26))。 ・写真検甲2(26) (2-15)検甲第2号証の主基板に2本の青色の封印シールが貼付されていて,うち広幅のシールが筐体と主基板とをシールしていて封印が切られた形跡がない(写真検甲2(27))。 (2-16)検甲第2号証の主基板に貼付された狭幅のシールが主基板ケースの蓋と本体とをシールしていて封印が切られた形跡がない(写真検甲2(27))。 ・写真検甲2(27) (2-17)検甲第2号証の,裏面のシールには,甲第24号証,甲第34~35号証に掲載されたパチスロ機の型式名であるフローズンナイツという名称,製造業者であるユニバーサル販売が記載されている(写真検甲2(2))。 ここで,平成27年11月18日における口頭審理において,前記(1-8),(2-8)について,被請求人は,凹部の内周よりも略0.5ミリだけ内側に挿通口が設けられているのは,バリによって偶然できたものである旨を主張したが,検甲第1号証及び検甲第2号証においても,挿通口がほぼ均一に凹部の内周よりも内側に設けられていたことが確認されており,これが偶然できたものとは認められない。 (3)検甲第1~2号証の証拠としての適否 ア 請求人の主張 請求人は,平成27年11月18日付けの上申書において,検甲第1号証及び検甲第2号証は,それぞれ,1.筐体前面の形状及び各パネルの表示が,「クランキーコンドル」及び「フローズンナイツ」の筐体前面の形状及び各パネルの表示と同一であり,2.「クランキーコンドル」及び「フローズンナイツ」のリールユニットを具備していて,製造当初以後,リールユニットの交換がなされておらず,3.主基板が封印されたままの状態であり,4.型式名及び製造年月等を記した裏面シールの貼付替えがなされた跡がない。 よって,検甲第1号証及び検甲第2号証がそれぞれ「クランキーコンドル」及び「フローズンナイツ」のパチスロ実機であること,これらの実機が製造販売された当初の状態から改変されていないことは明らかである旨を主張している(第8~9頁(5-6))。 イ 被請求人の主張 被請求人は,平成27年11月4日付けの口頭審理陳述要領書(2)において,「請求人が検証申出書において主張する 「ケ 凹部の内周よりも内側に挿通口が設けられていること コ 係止片が枠体の外方側面よりも内側に設けられていること」,さらには「ウ」-「キ」の構成の検証は,立証趣旨と合致せず認められるものではない。 仮に検甲第1号証,検甲第2号証を主引用例とするために検証を行うのであれば,請求人の主張は請求の理由の要旨変更に該当するものであり審理を不当に遅延させるものであって,被請求人は同意しない。」と主張している(第5頁イ(ア))。 また,被請求人は,平成27年11月4日付けの口頭審理陳述要領書(2)において,理由丸1(1の丸囲み数字を「丸1」という。以下,同様。)~丸5を挙げて,「検甲第1号証は改造できる環境にあり,さらに製造時における検甲第1号証の構造や構成を直接認定する根拠となる正規の製造者の保証書,図面等の証拠は一切提出されていないのであるから,検甲第1号証は本件特許出願前の構造,構成と同一であると認めることはできず,本件特許出願前の証拠としての証拠能力はない。 同様に,検甲第2号証も本件特許出願前の証拠としての証拠能力はない。 さらに,検甲第2号証については,請求人が提出した元帳には「フローズンナイツ」との記載すらなく検甲第2号証の購入日は不明であるので,検甲第2号証は本件特許出願前の証拠としての証拠能力はない。」と主張している(第2~7頁の第2(1)ア~ウ)。 ウ 当審による検討 (a)検甲第1号証 以下,検甲第1号証の検証結果である前記(1-1)~(1-17)に基づいて,検甲第1号証の証拠能力について検討する。 (a-1)検甲第1号証が「クランキーコンドル」であること 被請求人が主張するとおり,検甲第1号証については,「製造時における検甲第1号証の構造や構成を直接認定する根拠となる正規の製造者の保証書,図面等の証拠」は提出されていない。 しかしながら,検甲第1号証の外観や構造を認定する根拠として,本件特許の出願日前に頒布された甲第22,31~32号証が提出されており,検証結果である前記(1-1)において,検甲第1号証は,「CRANKY CONDOR」と記載された表示パネルを備えたパチスロ機であることが示され,検証結果である前記(1-12)において,検甲第1号証の筐体前面の形状ならびに上部パネル,リールパネル及び腰部パネルの図柄が,それぞれ,甲第22,31~32号証に掲載された「クランキーコンドル」の写真に示された筐体前面の形状,ならびに上部パネル,リールパネル及び腰部パネルの図柄と同一であることが示され,前記(1-13)において,検甲第1号証のリールに,甲第22,31~32号証に掲載された「クランキーコンドル」のリール図に示された鳥(コンドル)のキャラクターと同一の図が描かれていることが示され,前記(1-14)において,検甲第1号証のリールユニット取付ネジのネジ頭は潰れていないことが示され,当該リールが他のリールに交換された可能性が低いことから,検甲第1号証は,甲第22,31~32号証に掲載された「クランキーコンドル」と同一機種であると推認できる。 加えて,検証結果である前記(1-2)において,検甲第1号証は,裏面左上のシールの下方に「型式名 クランキーコンドル」,「製造番号089964」,「製造年月日1996.8」,「製造業者 ユニバーサル販売(株)」と記載されたシールが貼り付けられていることが示され,前記(1-17)において,検甲第1号証の裏面のシールには,甲第22,31~32号証に掲載されたパチスロ機の型式名であるクランキーコンドルという名称,製造業者であるユニバーサル販売という名称が記載されていることが示されていることからも,検甲第1号証は,本件特許の出願日前に頒布された甲第22,31~32号証に記載された1995年の夏から販売された「クランキーコンドル」と同一機種であって,その機種の中でも1996年8月に製造されたものと推認できる。 (a-2)検甲第1号証の改造可能性 他方で,1の(甲28-b)における請求人従業員の報告によると,被請求人が主張するとおり,検甲第1号証は,請求人が神尾商会から購入したものであって,「正規の製造者(ユニバーサル販売株式会社)から購入したものではなく他者から購入したものであるので,装置全体が製造時の状態で封印されたものではなく外観はそのままでも内部構造は取り替えが可能」であり,「改造できる環境にあ」るから,「検甲第1号証の構造,構成が製造時の同一性を完全に保持しているか不明」であり,「経年変化による部品の劣化や部品等が交換された可能性」も否定できない。 確かに,中古市場にあるパチスロ機は改造され得る環境にありかつ改造されることがあるが,被請求人が提出した乙各号証に見られるように,改造の目的・内容は,購入者がストレス無く遊べるように,ウェイトをカットしたり,主基板におけるプログラムを変更して設定を甘く変更したり,コインを不要としたり(乙第1号証),ホール仕様からアミューズメント仕様へ変更するために,100円硬貨用のコインシューターを取り付けたり,カプセルやカード等を出力可能としたり(乙第2号証),ドアキーや設定キーを変更したり(乙第3号証)するものであることが一般的である。 しかし,検証の対象となった,検甲第1号証の前面扉,パネル,枠体,挿通口,係止片及びリールは,これらの改造の目的・内容とは無関係のものであり,仮に,他の内部構造が取り替えられていたとしても,改造目的とは無関係なこれらの構成を改造する動機は見当たらない。 また,甲第22号証に記載されているように,クランキーコンドルというスロットマシンは,広く世の利用者たちに知られている人気の機種であり,これを中古市場で流通させて利用者に提供する際に,敢えて改造を行って異なるスロットマシンとすることは不自然である。 さらに,検甲第1号証については,検証結果である前記(1-15)において,検甲第1号証の主基板に2本の青色の封印シールが貼付されていて,うち広幅のシールが筐体と主基板とをシールしていて封印が切られた形跡がないことが示され,前記(1-16)において,検甲第1号証の主基板に貼付された狭幅のシールが主基板ケースの蓋と本体とをシールしていて封印が切られた形跡がないことが示されており,改造の対象となり易い主基板ですら取り替えられていないものと推察されるから,その他の構成である筐体本体の前面扉,パネル,枠体,挿通口,係止片及びリールが,改造されておらず製造時のものと同じ構造であると考えられる。また,仮に,たとえばネジ止めされている係止片について,経年変化による部品の劣化や部品等が交換された可能性があるとしても,交換された係止片も挿入口との関係で係止する機能を果たす必要があり,挿入口はネジ止めされた係止片のように容易に交換されるものではないから,交換前の係止片と同様の形状を有するものと推察され,検甲第1号証の係止片は製造時のものと同じ構造であると考えるのが自然である。 以上のことから,検甲第1号証は,1995年の夏から販売された「クランキーコンドル」と同一機種であって,その機種の中でも1996年8月に製造されたものであり,少なくとも,前面扉,パネル,枠体,挿通口,係止片及びリールに改造がなされていないものと推認でき,その証拠能力を否定することはできない。 (b)検甲第2号証 以下,検甲第2号証の検証結果である前記(2-1)~(2-17)に基づいて,検甲第2号証の証拠能力について検討する。 (b-1)検甲第2号証が「フローズンナイツ」であること 検甲第2号証の外観や構造を認定する根拠として,本件特許の出願日前に頒布された甲第24,34~35号証が提出されており,検証結果である前記(2-1)において,検甲第2号証は,「FROZEN NIGHTS」と記載された表示パネルを備えたパチスロ機であることが示され,前記(2-12)において,検甲第2号証の筐体前面の形状ならびに上部パネル,リールパネル及び腰部パネルの図柄が,それぞれ,甲第24,34~35号証に掲載された「フローズンナイツ」の写真に示された筐体前面の形状,ならびに上部パネル,リールパネル及び腰部パネルの図柄と同一であることが示され,前記(2-13)において,検甲第2号証のリールに,甲第24,34~35号証に掲載された「フローズンナイツ」のリール図に示された鳥(ペンギン)のキャラクターと同一の図が描かれていることが示され,前記(2-14)において,検甲第2号証のリールユニット取付ネジのネジ頭は潰れていないことが示され,当該リールが他のリールに交換された可能性が低いことから,検甲第2号証は,甲第24,34~35号証に掲載された「フローズンナイツ」と同一機種であると推認できる。 加えて,検証結果である前記(2-2)において,検甲第2号証は,裏面左上に「型式名 フローズンナイツ」,「製造番号025280」,「製造年月日1997.2」,「製造業者 ユニバーサル販売(株)」と記載されたシールが貼り付けられていることが示され,前記(2-17)において,検甲第2号証の,裏面のシールには,甲第24,34~35号証に掲載されたパチスロ機の型式名であるフローズンナイツという名称,製造業者であるユニバーサル販売が記載されていることが示されていることからも,検甲第2号証は,本件特許の出願日前に頒布された甲第24,34~35号証に記載された1997年から販売された「フローズンナイツ」と同一機種であって,その機種の中でも1997年2月に製造されたものと推認できる。 (b-2)検甲第2号証の改造可能性 他方で,検甲第2号証については,検証結果である前記(2-15)において,検甲第2号証の主基板に2本の青色の封印シールが貼付されていて,うち広幅のシールが筐体と主基板とをシールしていて封印が切られた形跡がないことが示され,前記(2-16)において,検甲第2号証の主基板に貼付された狭幅のシールが主基板ケースの蓋と本体とをシールしていて封印が切られた形跡がないことが示されており,改造の対象となり易い主基板ですら取り替えられていないものと推察されるから,その他の構成である筐体本体の前面扉,パネル,枠体,挿通口,係止片及びリールが,改造されておらず製造時のものと同じ構造であると考えられる。その他の点についても,検甲第1号証について前記(a-2)で検討したことが,検甲第2号証にも同様にいえる。 以上のことから,検甲第2号証は,1997年から販売された「フローズンナイツ」と同一機種であって,その機種の中でも1997年2月に製造されたものであり,少なくとも,前面扉,パネル,枠体,挿通口,係止片及びリールに改造がなされていないものと推認でき,その証拠能力を否定することはできない。 (4)検甲第3号証 前記第5の冒頭で言及したように,検甲第3号証の検証は行っていないが,検甲第3号証の検証は,前記1「(37)甲第37号証」の前記(甲37-d)~(甲37-i)に記載された「枠体の左辺・右辺・上辺・下辺の長さ(外寸)」,「凹部の左辺・右辺・上辺・下辺の長さ(内寸)」,「係止片の枝部の長さ(右左)」,「挿入口の奥行(右左)」等を検証するものである。 前記(甲37-c)に「測定の結果,両者の寸法が,それぞれ同寸ないし1.5mm程度の寸法差であれば,枠体の凹部内に隙間なく嵌合し,第1の領域と第2の領域が当接し,枠体の後端縁の上辺と凹部の底面周縁の上辺が左右方向全幅にわたって当接する構造であることが確認することができます。」と記載されているから,請求人はこの検証により,検甲第1号証(検甲第3号証)が,本件特許発明1の構成1H(2)及び構成1H(3)であり,前記(甲37-j)に記載された「(前記枠体の後端縁の上辺と前記第1の係止片との間の)第1の領域が(前記凹部の底面周縁の上辺と前記第1の挿通口の上辺との間の)第2の領域において当接」する構成,及び「前記枠体の後端縁の上辺と前記凹部の底面周縁の上辺が左右方向全幅にわたって当接」する構成を備えることを立証しようとするものである。 後記「3 無効理由について」においては,仮に検甲第3号証から,検甲第1号証(検甲第3号証)が,本件特許発明1の構成1H(2)及び構成1H(3)である「(前記枠体の後端縁の上辺と前記第1の係止片との間の)第1の領域が(前記凹部の底面周縁の上辺と前記第1の挿通口の上辺との間の)第2の領域において当接」する構成,及び「前記枠体の後端縁の上辺と前記凹部の底面周縁の上辺が左右方向全幅にわたって当接」する構成を備えることが立証できたと仮定して判断を行う。 (5)検甲第4号証 前記第5の冒頭で言及したように,検甲第4号証の検証は行っていないが,検甲第4号証の検証は,前記1「(38)甲第38号証」の前記(甲38-d)~(甲38-i)に記載された「枠体の左辺・右辺・上辺・下辺の長さ(外寸)」,「凹部の左辺・右辺・上辺・下辺の長さ(内寸)」,「係止片の枝部の長さ(右左)」,「挿入口の奥行(右左)」等を検証するものである。 前記(甲38-c)に「測定の結果,両者の寸法が,それぞれ同寸ないし1.5mm程度の寸法差であれば,枠体の凹部内に隙間なく嵌合し,第1の領域と第2の領域が当接し,枠体の後端縁の上辺と凹部の底面周縁の上辺が左右方向全幅にわたって当接する構造であることが確認することができます。」と記載されているから,請求人はこの検証により,検甲第2号証(検甲第4号証)が,本件特許発明1の構成1H(2)及び構成1H(3)であり,前記(甲38-j)に記載された「(前記枠体の後端縁の上辺と前記第1の係止片との間の)第1の領域が(前記凹部の底面周縁の上辺と前記第1の挿通口の上辺との間の)第2の領域において当接」する構成,及び「前記枠体の後端縁の上辺と前記凹部の底面周縁の上辺が左右方向全幅にわたって当接」する構成を備えることを立証しようとするものである。 後記「3 無効理由について」においては,仮に検甲第4号証から,検甲第2号証(検甲第4号証)が,本件特許発明1の構成1H(2)及び構成1H(3)である「(前記枠体の後端縁の上辺と前記第1の係止片との間の)第1の領域が(前記凹部の底面周縁の上辺と前記第1の挿通口の上辺との間の)第2の領域において当接」する構成,及び「前記枠体の後端縁の上辺と前記凹部の底面周縁の上辺が左右方向全幅にわたって当接」する構成を備えることが立証できたと仮定して判断を行う。 3 無効理由について 3-1 本件特許発明1 (1)対比 本件特許発明1と甲1発明とを対比する。 ア 甲1発明の「賭数が設定された場合にはゲームが開始可能とな」ることは,本件特許発明1の「1ゲームに対して賭数を設定することによりゲームが開始可能となる」ことに相当する。 イ 甲1発明の「複数の図柄が描かれており」,「回転に伴って透視窓900に現れる図柄の種類が次々と変動し,複数種類の図柄が可変表示され」る「各リール200a,200b,200c」は,本件特許発明1の「可変表示装置」に相当する。そして,甲1発明の「すべてのリールが停止した時点で,透視窓900から視認される各リール200a,200b,200cの上段,中段,下段の3段の図柄」は,本件特許発明1の「可変表示装置の表示結果」に相当する。 そうすると,甲1発明の「遊技者がストップボタン533,534,535のうち,いずれかを押圧操作すれば,操作されたストップボタンに対応するリールの回転が停止し,すべてのリールが停止」することは,本件特許発明1の「表示状態を変化させることが可能な可変表示装置の表示結果が導出表示されること」に相当し,甲1発明の「すべてのリールが停止した時点で,透視窓900から視認される各リール200a,200b,200cの上段,中段,下段の3段の図柄のうち,賭数に応じて定められる有効なライン上に位置する図柄の組合わせによって入賞の有無が決定される」ことは,本件特許発明1の「前記可変表示装置の表示結果に応じて所定の入賞が発生可能」であることに相当する。 また,甲1発明において,「すべてのリールが停止した時点で,透視窓900から視認される各リール200a,200b,200cの上段,中段,下段の3段の図柄のうち,賭数に応じて定められる有効なライン上に位置する図柄の組合わせによって入賞の有無が決定される」ことで,スロットマシンの1ゲームが終了することは,当業者にとって自明な事項である。 ウ 甲1発明の「リールユニット15(可変表示装置ともいう)等が収容される収容箱3」は,前面に開閉自在の前面扉があることから,本件特許発明1の「前面が開口する本体」に相当する。 エ 甲1発明の「収容箱3の前面に開閉自在に設けられる前面扉2」は,本件特許発明1の「前記本体の前面開口を開閉可能に設けられる前面扉」に相当する。 オ 甲1発明の「パネル593」は,「タイトルパネル11」に止着されるものであり,その名称からスロットマシン1の機種名等のタイトルが表示されるパネルであることは明らかであるから,本件特許発明1の「装飾が施された化粧部材」に相当する。 カ 甲1発明は「パネル593は,外方形状が上辺,該上辺を切り欠いた左右傾斜辺,左右辺及び下辺からなる六角形に形成され」ているから,本件特許発明1と「前記化粧部材」「は,外方形状が上辺,該上辺を切り欠いた左右傾斜辺,左右辺及び下辺からなる六角形に形成され」ている点で共通する。 キ 甲1発明の「タイトルパネル枠590」は,本件特許発明1の「枠体」に相当するから,前記オより,甲1発明の「パネル593の上辺の中央部,左右傾斜辺,及び下辺の中央部と両端部には,取付片594が突設形成され,タイトルパネル枠590の裏面に形成される取付部に取付片594を一致せしめてネジ595を螺着することにより,パネル593をタイトルパネル枠591に固定することで,タイトルパネル11を構成し」た状態は,ネジ595がタイトルパネル枠590の後面の雌ネジ部に螺入していることが明らかであるから,本件特許発明1と「化粧部材」「に形成されたネジ挿通孔にネジを挿通し,前記枠体の後面に形成された雌ネジ部に螺入することにより一体的に組み付けられた状態」に相当する構成を有する点で共通する。 また,甲1発明の「前面扉2は,前面枠9と,タイトルパネル11とから構成されて」いるので,甲1発明の「タイトルパネル11によって前面扉の前面を被覆される領域」及び「タイトルパネル枠590から後ろ向きで外向きに突設する係止爪591を挿入するタイトルパネル係止爪挿入穴390が4つ形成され,タイトルパネル枠590は,その四隅に係止爪591が後方に向かって突設されており,タイトルパネル11は,係止爪591をタイトルパネル係止爪挿入穴390に前方から挿入することにより前面枠9に着脱自在に装着し得る」ことは,本件特許発明1の「前記前面扉の前面側から該前面扉の一部の領域である所定領域」及び「前記枠体を介して係止され」ることに相当する。 そして,甲1発明において,「タイトルパネル11は,係止爪591をタイトルパネル係止爪挿入穴390に前方から挿入することにより前面枠9に着脱自在に装着し得る」から,前面扉2の後面側から係止爪591を解除可能なものであることは自明である。 以上のことから,甲1発明の「パネル593の上辺の中央部,左右傾斜辺,及び下辺の中央部と両端部には,取付片594が突設形成され,タイトルパネル枠590の裏面に形成される取付部に取付片594を一致せしめてネジ595を螺着することにより,パネル593をタイトルパネル枠591に固定することで,タイトルパネル11を構成し,前面扉2は,前面枠9と,タイトルパネル11とから構成されており,」「係止爪591がタイトルパネル枠590から後ろ向きで外向きに突設すると共に,タイトルパネル枠590の左右傾斜辺の上辺寄りに1個ずつ,下辺の両端寄りに2個設けられ,タイトルパネル11によって前面扉の前面を被覆される領域には,蛍光灯355から発する熱を放熱する放熱穴391や蛍光灯355の配線を後方に引き出すための配線通し穴392が形成されると共に,タイトルパネル枠590から後ろ向きで外向きに突設する係止爪591を挿入するタイトルパネル係止爪挿入穴390が4つ形成され,タイトルパネル11は,係止爪591をタイトルパネル係止爪挿入穴390に前方から挿入することにより前面枠9に着脱自在に装着し得る」ことは,本件特許発明1と「化粧部材」「に形成されたネジ挿通孔にネジを挿通し,前記枠体の後面に形成された雌ネジ部に螺入することにより一体的に組み付けられた状態で前記前面扉の前面側から該前面扉の一部の領域である所定領域に前記枠体を介して係止され,前記前面扉を開放して前記前面扉の後面側から前記係止を解除することにより取り外され」ることに相当する構成を有する点で共通する。 ク 甲1発明は「タイトルパネル枠590の外方形状が上辺,該上辺を切り欠いた左右傾斜辺,左右辺及び下辺からなる六角形の環状に形成されており,係止爪591がタイトルパネル枠590から後ろ向きで外向きに突設すると共に,タイトルパネル枠590の左右傾斜辺の上辺寄りに1個ずつ,下辺の両端寄りに2個設けられて」おり,係止爪591の取付部に係止片を有することは明らかであるが,係止爪591が突設している場所がタイトルパネル枠590の後端でなく,係止爪591が設けられている辺や数も異なるから,本件特許発明1と「前記枠体の外方形状が上辺,該上辺を切り欠いた左右傾斜辺,左右辺及び下辺からなる六角形の環状に形成されており,先端に」「係止爪を有する」「係止片が前記枠体」に「設けられ」,「係止爪はそれぞれ外向きに形成され」に相当する構成を有する点で共通する。 ケ 甲1発明の「タイトルパネル11によって前面扉の前面を被覆される領域」に形成された4つの「タイトルパネル枠590から後ろ向きで外向きに突設する係止爪591を挿入するタイトルパネル係止爪挿入穴390」は,本件特許発明1と「前記所定領域」に設けられた「挿通口」に相当する構成を有する点で共通する。 コ 甲1発明の「パネル593」は,「タイトルパネル11」に止着されるものであるから,本件特許発明1と「前記係止片が前記挿通口に挿通されたときには前記係止爪が前記前面扉の裏面に外向きに係止されることにより,前記化粧部材は前記前面扉に取り付けられ」に相当する構成を有する点で共通する。 上記ア~コから,本件特許発明1と甲1発明とは, [一致点] 「1A 1ゲームに対して賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに,表示状態を変化させることが可能な可変表示装置の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し,前記可変表示装置の表示結果に応じて所定の入賞が発生可能なスロットマシンにおいて, 1B 前面が開口する本体と, 1C 前記本体の前面開口を開閉可能に設けられる前面扉と, 1E’ 装飾が施された化粧部材と,を備え, 1G’ 前記化粧部材は,外方形状が上辺,該上辺を切り欠いた左右傾斜辺,左右辺及び下辺からなる六角形に形成され,前記化粧部材に形成されたネジ挿通孔にネジを挿通し,前記枠体の後面に形成された雌ネジ部に螺入することにより一体的に組み付けられた状態で前記前面扉の前面側から該前面扉の一部の領域である所定領域に前記枠体を介して係止され,前記前面扉を開放して前記前面扉の後面側から前記係止を解除することにより取り外され, 1H(1)’ 前記枠体の外方形状が上辺,該上辺を切り欠いた左右傾斜辺,左右辺及び下辺からなる六角形の環状に形成されており,先端に係止爪を有する係止片が前記枠体に設けられ,前記係止爪はそれぞれ外向きに形成され,前記所定領域には挿通口が設けられ, 1H(2)’ 前記係止片が前記挿通口に挿通されたときには係止爪が前記前面扉の裏面に外向きに係止されることにより,前記化粧部材は前面扉に取り付けられる,スロットマシン。」 である点で一致し,以下の点で相違している。 [相違点1] 本件特許発明1では,「全体が透光性領域で構成されたカバー部材と」(1D),「化粧部材の後面側に配置され,該化粧部材の後面を被覆する前記カバー部材と同材質の全体が透光性領域で構成された後部カバー部材」(1F)とを備え,「化粧部材」が「前記カバー部材の後面側に配置され,前記透光性領域に対応する箇所に装飾が施され」(1E)ているのに対し, 甲1発明では,そのような構成でない点。 [相違点2] 本件特許発明1では,「前記化粧部材,前記カバー部材及び前記後部カバー部材は,外方形状が上辺,該上辺を切り欠いた左右傾斜辺,左右辺及び下辺からなる六角形に形成され,該化粧部材が前記カバー部材及び前記後部カバー部材により挟持され互いに枠体の後面側に前記カバー部材を突き合わせた後,前記後部カバー部材の後側から前記上辺の両端部及び前記下辺の両端部に形成されたネジ挿通孔にネジを挿通し,前記枠体の後面に形成された雌ネジ部に螺入することにより一体的に組み付けられた状態で前記前面扉の前面側から該前面扉の一部の領域である所定領域に前記枠体を介して係止され,前記前面扉を開放して前記前面扉の後面側から前記係止を解除することにより取り外され」る(1G)のに対し, 甲1発明では,そのような構成でない点。 [相違点3] 本件特許発明1では,「前記枠体の外方形状が上辺,該上辺を切り欠いた左右傾斜辺,左右辺及び下辺からなる六角形の環状に形成されており,先端に第1の係止爪を有する第1の係止片が前記枠体の後端より後ろ向きに突設し前記枠体の上辺よりも内側に前記枠体の上辺に沿って前記枠体の上辺の両端寄りに2個設けられ,先端に第2の係止爪を有する第2の係止片が前記枠体の後端より後ろ向きに突設し前記枠体の下辺よりも内側に前記枠体の下辺に沿って前記枠体の下辺の両端寄りに2個設けられ,先端に第3の係止爪を有する第3の係止片が前記枠体の左辺に沿って前記枠体の左辺の略中央に1個設けられ,先端に第4の係止爪を有する第4の係止片が前記枠体の右辺に沿って前記枠体の右辺の略中央に1個設けられ,前記枠体の前記左右傾斜辺には係止片は設けられておらず,前記第1の係止爪と前記第2の係止爪はそれぞれ外向きに形成され, 前記所定領域には,内周形状が上辺,該上辺を切り欠いた左右傾斜辺片,左右辺及び下辺からなる六角形であり,前記枠体の外方側面が全周にわたり嵌合する凹部が形成され,前記凹部の内周よりも内側に第1の挿通口が前記凹部の上辺に沿って前記凹部の上辺の両端寄りに2個設けられ,前記凹部の内周よりも内側に第2の挿通口が前記凹部の下辺に沿って前記凹部の下辺の両端寄りに2個設けられ,前記凹部に第3の挿通口が前記凹部の左辺に沿って前記凹部の左辺の略中央に1個設けられ,前記凹部に第4の挿通口が前記凹部の右辺に沿って前記凹部の右辺の略中央に1個設けられ,前記凹部の前記左右傾斜辺には挿通口が設けられて」いない(1H(1))のに対し, 甲1発明では,そのような構成でない点。 [相違点4] 本件特許発明1では,「前記第1の係止片が前記第1の挿通口に挿通されたときには前記第1の係止爪が前記前面扉の裏面に外向きに係止され,前記第2の係止片が前記第2の挿通口に挿通されたときには前記第2の係止爪が前記前面扉の裏面に外向きに係止され,前記第3の係止片は前記第3の挿通口に挿通され前記第3の係止爪が前記前面扉の裏面に係止され,前記第4の係止片は前記第4の挿通口に挿通され前記第4の係止爪が前記前面扉の裏面に係止されることにより,前記枠体の外方側面が全周にわたり前記凹部に嵌合し前記枠体の後端縁の上辺と前記第1の係止片との間の第1の領域が前記凹部の底面周縁の上辺と前記第1の挿通口の上辺との間の第2の領域において当接し,前記枠体の後端縁の下辺と前記第2の係止片との間の第3の領域が前記凹部の底面周縁の下辺と前記第2の挿通口の下辺との間の第4の領域において当接するとともに,前記枠体の後端縁の上辺と前記凹部の底面周縁の上辺が左右方向全幅にわたって当接し,前記枠体の後端縁の下辺と前記凹部の底面周縁の下辺が左右方向全幅にわたって当接する状態で,一体化した前記枠体,前記化粧部材,前記カバー部材及び前記後部カバー部材は前記前面扉に取り付けられ」(1H(2)), 「一体化した前記枠体,前記化粧部材,前記カバー部材及び前記後部カバー部材が前記前面扉に取り付けられた状態では,前記枠体の後端縁の上辺と前記第1の係止片との間の第1の領域が前記凹部の底面周縁の上辺と前記第1の挿通口の上辺との間の第2の領域において当接し,前記枠体の後端縁の下辺と前記第2の係止片との間の第3の領域が前記凹部の底面周縁の下辺と前記第2の挿通口の下辺との間の第4の領域において当接するとともに,前記枠体の後端縁の上辺と前記凹部の底面周縁の上辺が左右方向全幅にわたって当接し,前記枠体の後端縁の下辺と前記凹部の底面周縁の下辺が左右方向全幅にわたって当接する」(1H(3))のに対し, 甲1発明では,そのような構成でない点。 (2)判断 事案の内容に鑑み,まず相違点3から判断する。 (2-1)相違点3について ア 請求人の主張 請求人は,平成28年4月14日付け弁駁書(2)において,甲1発明は,枠体の厚みが箇所によって異なっているが,少なくとも,係止片が取り付けられている箇所において,係止片が枠体の後端より後ろ向きに突設しており,この点は相違点になるものではなく,また仮に,枠体の厚みが最大の箇所を基準として,係止片が枠体の後端より後ろ向きに突設するものでなく,相違点となるとしても,少なくとも,係止片が取り付けられている箇所において,係止片が枠体の後端より後ろ向きに突設して,凹部に設けられた挿通口に挿通され係止片が前面扉の裏面に係止する構成である旨主張すると共に(第14~15頁(イ)),係止片及び挿通口の位置及び数は,枠体及び凹部の形状,針金等の異物を挿入する不正を防止するというスロットマシン等の技術分野における周知な課題から,当業者が適宜定めるものでしかなく,本件特許発明1の相違点3に係る構成は,甲1発明に周知技術を採用するとともに,設計的事項を適宜選択して定めることにより,当業者が容易に想到し得たものでしかない旨主張している(第23~24頁(ウ))。 イ 被請求人の主張 被請求人は,平成28年3月4日付け審判事件答弁書(2)において,検甲第1,2号証の係止片は,本件特許発明1の如く「枠体の後端より後ろ向きに突設し」なる構成を有するものではなく(「写真検甲1(7)」,「写真検甲2(7)」参照),枠体の左辺,右辺には係止片,挿通口を備えていないので,検甲第1,2号証は本件特許発明1の[相違点3]を備えていない。甲1発明に仮に審決の予告において「周知技術1」とする検甲第1号証,検甲第2号証の構成を適用することができたとしても,本件特許発明1の構成には到達し得ない旨主張している(第15~17頁(a))。 ウ 当審の判断 甲第1号証の【図33】,【図48】から明らかなように,甲1発明のタイトルパネル枠590(枠体)の係止片に相当する部分の取付部,及びタイトルパネル枠590(枠体)の後端は,内外方向の厚みが十分でないから,甲1発明の係止片に相当する部分の取付部を,タイトルパネル枠590(枠体)の後端で,タイトルパネル枠590(枠体)の上辺又は下辺よりも内側に設けることはできない。 このことから,甲1発明のタイトルパネル枠590(枠体)の後端の係止片に相当する部分の取付構成を,「先端に第1の係止爪を有する第1の係止片が前記枠体の後端より後ろ向きに突設し前記枠体の上辺よりも内側に前記枠体の上辺に沿って前記枠体の上辺の両端寄りに2個設けられ,先端に第2の係止爪を有する第2の係止片が前記枠体の後端より後ろ向きに突設し前記枠体の下辺よりも内側に前記枠体の下辺に沿って前記枠体の下辺の両端寄りに2個設けられ,」「前記第1の係止爪と前記第2の係止爪はそれぞれ外向きに形成され」る構成(以下,「構成1H(1-1)」という。)にすることはできない。 検甲第1号証については,前記2(1)の検証結果である前記(1-6)において,枠体が矩形状で環状に形成されていることが示され,前記(1-7)において,表示パネルが枠体に一体的に組み付けられた状態で係止される前面扉の一部の領域である所定領域に,深さ略2ミリの凹部が形成されていることが示され,前記(1-8)において,凹部の内周よりも略0.5ミリだけ内側に挿通口が設けられていることが示され,前記(1-9)において,係止片が枠体の外方側面よりも内側に設けられていることが示され,前記(1-11)において,係止片が挿通口に挿通されることにより,環状に形成された枠体の外方側面が,全周にわたり凹部に嵌合した状態で,一体化した枠体及び表示パネルが前面扉に取り付けられていることが示されている。 しかしながら,前記2(1)(1-7)の「写真検甲1(7)」,(1-9)の「写真検甲1(11)」から,係止片が枠体の後端より前側かつ内側の部分(後端でない部分)から後方に突設する構成であることが明らかであるので,検甲第1号証は「係止片が前記枠体の後端より後ろ向きに突設し」た構成を備えるものではない。 また,前記「写真検甲1(7)」及び「写真検甲1(11)」から明らかなように,検甲第1号証の枠体の後端は内外方向の厚みが十分でなく,係止片の取付部を枠体の後端で枠体の上辺又は下辺よりも内側に設けることはできないから,上記構成1H(1-1)にすることはできない。 前記「第5 当審の判断」の冒頭において言及したように,検甲第3号証の検証は行わなかったが,検甲第3号証は検甲第1号証と同一の物件であるから,検甲第1号証と同様に,「係止片が前記枠体の後端より後ろ向きに突設し」た構成を備えるものではなく,上記構成1H(1-1)にすることもできない。 検甲第2号証については,前記2(2)の検証結果である前記(2-6)において,枠体が矩形状で環状に形成されていることが示され,前記(2-7)において,表示パネルが枠体に一体的に組み付けられた状態で係止される前面扉の一部の領域である所定領域に,上辺深さ略2センチ,下辺,左辺,右辺深さ略2ミリの凹部が形成されていることが示され,前記(2-8)において,凹部の内周よりも内側に挿通口が設けられていることが示され,前記(2-9)において,係止片が枠体の外方側面よりも内側に設けられていることが示され,前記(2-11)において,係止片が挿通口に挿通されることにより,環状に形成された枠体の外方側面が,全周にわたり凹部に嵌合した状態で,一体化した枠体及び表示パネルが前面扉に取り付けられていることが示されている。 しかしながら,前記2(2)(2-4)の「写真検甲2(7)」,(2-9)の「写真検甲2(13)」及び「写真検甲2(14)」から,係止片が枠体の後端より前側かつ内側の部分(後端でない部分)から後方に突設する構成であることが明らかであるので,検甲第2号証は「係止片が前記枠体の後端より後ろ向きに突設し」た構成を備えるものではない。 また,前記「写真検甲2(7)」,「写真検甲2(13)」及び「写真検甲2(14)」から明らかなように,検甲第2号証の枠体の後端は内外方向の厚みが十分でなく,係止片の取付部を枠体の後端で枠体の上辺又は下辺よりも内側に設けることはできないから,上記構成1H(1-1)にすることはできない。 前記「第5 当審の判断」の冒頭において言及したように,検甲第4号証の検証は行わなかったが,検甲第4号証は検甲第2号証と同一の物件であるから,検甲第2号証と同様に,「係止片が前記枠体の後端より後ろ向きに突設し」た構成を備えるものではなく,上記構成1H(1-1)にすることもできない。 甲1発明の枠体及び凹部の構成を,検甲第1~2号証に記載された枠体及び凹部の構成にすると,係止片が枠体の後端より前側かつ内側の部分(後端でない部分)から後方に突設する構成になるから,「係止片が前記枠体の後端より後ろ向きに突設し」た構成を含む上記構成1H(1-1)にすることはできない。 また,甲1発明の枠体及び凹部の構成を,検甲第1~2号証に記載された枠体及び凹部の構成にした状態で,係止片の取付部を枠体の後端で枠体の上辺又は下辺よりも内側に設けようとしても,既に検討したように,検甲第1~2号証の枠体の後端は内外方向の厚みが十分でないから,上記構成1H(1-1)にすることはできない。 しかも,甲1発明の係止片に相当する部分の取付部の構造を,検甲第1~2号証に記載された技術事項に基づいて,タイトルパネル枠590(枠体)の後端で,タイトルパネル枠590(枠体)の上辺又は下辺よりも内側に設けようとしても,既に検討したように,甲1発明のタイトルパネル枠590(枠体)の係止片に相当する部分の取付部,及びタイトルパネル枠590(枠体)の後端は,内外方向の厚みが十分でないから,上記構成1H(1-1)にすることはできない。 甲第14号証には,自動販売機等の商品表示パネル(1)に,表示看板(7)が圧着され環状に形成された表示枠(4)の外方側面が全周にわたり嵌合する段落部(2)が形成されている技術が記載されている。 しかしながら,甲第14号証に記載された技術は,係止片を枠体の上辺又は下辺よりも内側に設けたものではないから,甲1発明のタイトルパネル枠590(枠体)の後端,又は検甲第1~2号証の枠体の後端に,甲第14号証に記載された技術事項を適用しても,上記構成1H(1-1)にすることはできない。 甲第16号証には,インストルメントパネル19の凹部の内周よりも内側に透孔20が形成され,表示板の外方側面よりも内側に設けられた係止脚13,13が透孔20に挿通されることにより,表示板10がインストルメントパネル19に係合される技術が記載されている。 しかしながら,甲第16号証に記載された技術は,1つの透孔20(挿通口)に複数の係止脚13,13(係止片)を挿通させる技術であり,本件特許発明1のような複数の係止片を対応する複数の挿通口にそれぞれ挿通する技術ではないから,甲1発明のタイトルパネル枠590(枠体)の後端,及び検甲第1~2号証の枠体の後端に,甲第16号証に記載された技術を適用することはできない。 甲第17号証には,カバー4の凹部の内周よりも内側に開口3が形成され,パネル1の外方側面よりも内側に設けられたL型状取付爪2が開口3に挿通されることにより,パネル1がカバー4に係合される技術が記載されている。 しかしながら,甲第17号証に記載された技術は,L型状取付爪2(係止爪)を内側(内向き)に形成するものであり,本件特許発明1のような「前記第1の係止爪と前記第2の係止爪はそれぞれ外向きに形成」する技術ではないから,係止片が外向きに形成された状態を維持した状態で,甲1発明のタイトルパネル枠590(枠体)の後端,及び検甲第1~2号証の枠体の後端に,甲第16号証に記載された技術を適用することはできない。 しかも,既に検討したように,甲1発明のタイトルパネル枠590(枠体)の後端,検甲第1~2号証の枠体の後端は内外方向の厚みが十分でなく,係止片の取付部を,枠体の後端で,枠体の上辺又は下辺よりも内側に設けることはできないから,甲1発明のタイトルパネル枠590(枠体)の後端,又は検甲第1~2号証の枠体の後端に,甲第16~17号証に記載された技術事項を適用して,上記構成1H(1-1)にすることはできない。 また,甲第2~13号証には,いずれも「係止片が前記枠体の後端より後ろ向きに突設し」た構成は記載されていないから,上記構成1H(1-1)は記載されていない。 しかも,他の証拠をみても,上記構成1H(1-1)は記載されておらず,周知でもない。 したがって,甲1発明,甲第2~13号証に記載された発明,甲第14~38号証と検甲第1~4号証で示される周知技術に基づいて,相違点3に係る本件特許発明1の構成とすることは,当業者が容易になし得たものであるとはいえない。 (2-2)相違点4について 相違点4に係る本件特許発明1の構成には,「前記第1の係止片」及び「前記第2の係止片」が含まれ,「前記第1の係止片」及び「前記第2の係止片」は,前記「(2-1)相違点3について」において既に検討した前記構成1H(1-1)であることを前提とした構成である。 前記「(2-1)相違点3について」において既に検討したように,上記構成1H(1-1)は,甲1発明,甲第2~13号証,甲第14,16,17号証,検甲第1~2号証及び他の証拠には記載されておらず,周知でもなく,甲1発明,甲第2~13号証に記載された発明,甲第14~38号証と検甲第1~4号証で示される周知技術に基づいて上記構成1H(1-1)とすることができない構成である。 以上のことから,上記構成1H(1-1)を前提とした「前記第1の係止片」及び「前記第2の係止片」を含む相違点4に係る本件特許発明1の構成も,当業者が容易になし得たものであるとはいえない。 したがって,甲1発明,甲第2~13号証に記載された発明,甲第14~38号証と検甲第1~4号証で示される周知技術に基づいて,相違点4に係る本件特許発明1の構成とすることは,当業者が容易になし得たものであるとはいえない。 なお,前記「第5 当審の判断」の冒頭において言及したように,請求人は,検甲第1~2号証が,相違点4に係る本件特許発明1の構成である「(前記枠体の後端縁の上辺と前記第1の係止片との間の)第1の領域が(前記凹部の底面周縁の上辺と前記第1の挿通口の上辺との間の)第2の領域において当接」する構成,及び「前記枠体の後端縁の上辺と前記凹部の底面周縁の上辺が左右方向全幅にわたって当接」する構成を備えることを立証するために,平成28年4月14日付けで検証申出書を提出している。 しかしながら,既に検討したように,相違点4に係る本件特許発明1の構成は,上記構成1H(1-1)を前提とした「前記第1の係止片」及び「前記第2の係止片」を含むことにより当業者が容易になし得たものであるとはいえない。 このことから,検甲第1~2号証(検甲第3~4号証)が,「(前記枠体の後端縁の上辺と前記第1の係止片との間の)第1の領域が(前記凹部の底面周縁の上辺と前記第1の挿通口の上辺との間の)第2の領域において当接」する構成,及び「前記枠体の後端縁の上辺と前記凹部の底面周縁の上辺が左右方向全幅にわたって当接」する構成を備えることを立証できたとしても,「前記第1の係止片」及び「前記第2の係止片」を,上記構成1H(1-1)である「先端に第1の係止爪を有する第1の係止片が前記枠体の後端より後ろ向きに突設し前記枠体の上辺よりも内側に前記枠体の上辺に沿って前記枠体の上辺の両端寄りに2個設けられ,先端に第2の係止爪を有する第2の係止片が前記枠体の後端より後ろ向きに突設し前記枠体の下辺よりも内側に前記枠体の下辺に沿って前記枠体の下辺の両端寄りに2個設けられ,」「前記第1の係止爪と前記第2の係止爪はそれぞれ外向きに形成され」る構成にすることはできず,判断に何ら影響はないから,検証を行う必要は認められない。 (3)小括 以上のことから,上記相違点3~4に係る本件特許発明1の構成は,甲1発明,甲第2~13号証に記載された発明,甲第14~38号証と検甲第1~4号証で示される周知技術に基づいて,相違点4に係る本件特許発明1の構成とすることは,当業者が容易になし得たものであるとはいえない。 したがって,上記相違点1~2について検討するまでもなく,本件特許発明1は,特許法第29条第2項の規定に反してされた特許であるとはいえず,特許法第123条第1項第2号の規定に該当せず,その特許は無効とされるべきものではない。 3-2 本件特許発明2及び5について 本件特許発明2及び5は,本件特許発明1を引用するものであり,本件特許の請求項2及び5に記載された発明特定事項を付加するものである。 したがって,本件特許発明1が甲1発明,甲第2~13号証に記載された発明,甲第14~38号証と検甲第1~4号証で示される周知技術に基づいて,本件出願日前に当業者が容易に発明することができたものであるとはいえない以上,本件特許発明2及び5についても,甲1発明,甲第2~13号証に記載された発明,甲第14~38号証と検甲第1~4号証で示される周知技術に基づいて,本件出願日前に当業者が容易に発明することができたものであるとはいえない。 以上のことから,本件特許発明2及び5は,特許法第29条第2項の規定に反してされた特許であるとはいえず,特許法第123条第1項第2号の規定に該当せず,その特許は無効とされるべきものではない。 第6 むすび 本件特許発明1,2及び5は,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものではないから,当該発明に係る特許は,請求人の主張する無効理由及び提出した証拠方法によっては無効にすることはできない。 審判に関する費用については,特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第61条の規定により,請求人が負担すべきものとする。 よって,結論のとおり審決する。

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2015-800013

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