特許異議申立
2026-700236
遊技機
- 審判番号
- 2026-700236
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2021-183200
- 登録番号
- 7743277
- 請求日
- 2026年03月19日
- 審決日
- 2026年05月14日
- 公報発行日
- 2026年06月26日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】株式会社三共
- 【異議申立人】日本電動式遊技機特許 株式会社
- 【異議申立人代理人】弁理士法人武和国際特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 秋田 将行
- 審判官 蔵野 いづみ
- 審判官 齋藤 智也
- 分類
- P1651.121-Y (A63F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7743277号発明「遊技機」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第7743277号の請求項1に係る特許を維持する。
理由
理 由
1 手続の経緯
特許第7743277号(以下「本件特許」という。)の請求項1に係る特許についての出願は、令和3年11月10日に出願され、令和7年9月12日にその特許権の設定登録がされ、同月24日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許に対し、令和8年3月19日に特許異議申立人日本電動式遊技機特許株式会社(以下「申立人」という。)は特許異議の申立てを行った。
2 本件発明
本件特許の請求項1の特許に係る発明(以下「本件発明」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである。なお、符号A等は分説のため当審で付した。また、符号により分説された発明特定事項を「特定事項A」等という。
本件発明
「【請求項1】
A 始動条件が成立したことにもとづいて特別識別情報の可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、
B 表示手段と、
C 発光手段と、
D 発光制御手段と、
E 可動体と、
F 前記有利状態に制御されるか否かを報知する特定演出と、前記可動体を動作させるとともに前記発光手段を発光させる特別演出と、を実行可能な演出実行手段と、
を備え、
G 前記演出実行手段は、
前記特定演出として、特定キャラクタを表示して前記特定キャラクタを用いて前記有利状態に制御されるか否かを報知する第1特定演出と、前記特定キャラクタを表示することなく前記有利状態に制御されるか否かを報知する第2特定演出と、を実行可能であり、
H 前記特定演出において前記有利状態に制御されることが報知される場合に、前記特定演出の実行期間において前記特別演出を実行可能であり、
I 前記第1特定演出における前記特別演出の実行期間において、前記可動体の動作に関連したエフェクト表示とともに前記特定キャラクタが表示され、
J 前記第2特定演出における前記特別演出の実行期間において、前記第1特定演出と共通の態様の前記エフェクト表示が表示される一方で前記特定キャラクタが表示されず、
K 前記特別演出における前記発光手段の発光態様は、前記第1特定演出において前記特別演出が実行される場合と前記第2特定演出において前記特別演出が実行される場合とで共通であり、
L 前記エフェクト表示は、前記可動体の動作に伴い表示され、前記可動体が動作するよりも前のタイミングにおいて表示されない表示であり、
M 前記第2特定演出が実行されるときよりも前記第1特定演出が実行されるときの方が前記有利状態に制御される期待度が高く、
N 前記表示手段は、
前記特別識別情報の可変表示に対応する演出識別情報の可変表示を表示可能であり、
O 遊技が終了した後の第1期間において、背景表示を表示可能であり、
P 前記第1期間が終了した後の第2期間において、デモンストレーション表示を表示可能であり、
Q 前記発光制御手段は、
前記第1期間において、前記背景表示に対応する背景表示用輝度データテーブルを用いて前記発光手段を制御可能であり、
R 前記第2期間において、前記デモンストレーション表示に対応するデモンストレーション表示用輝度データテーブルを用いて前記発光手段を制御可能であり、
S 前記背景表示から前記デモンストレーション表示に表示を切り替えるよりも前に、前記背景表示用輝度データテーブルから前記デモンストレーション表示用輝度データテーブルに切り替えて前記発光手段を制御可能であり、
T 前記表示手段により前記デモンストレーション表示が表示されているときに前記始動条件が成立した場合、前記表示手段が該デモンストレーション表示から前記演出識別情報の可変表示に対応する表示に表示を切り替えるよりも前に、前記デモンストレーション表示用輝度データテーブルから該演出識別情報の可変表示に対応する輝度データテーブルに切り替えて前記発光手段を制御可能である、
U ことを特徴とする遊技機。」
3 申立理由の概要
申立人は、主たる証拠として次の証拠方法に示す甲第1号証及び従たる証拠として同甲第2~4号証を提出し、請求項1に係る特許は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、同法第113条第2号の規定により、請求項1に係る特許を取り消すべきものである旨主張する。
(証拠方法)
甲第1号証:特開2021-90532号公報
甲第2号証:【 P牙狼月虹ノ旅人 】Live配信!ガロ最新作がジェーピーに導入開始 [ パチンコ ][ パチスロ ][ スロット ][ 新台 ][ 試打 ][ 最速 ][ ライブ ][ がろげっこうのたびびと ]、2021年6月8日公開、URL:https://www.youtube.com/live/XYxS39-ZJp8
甲第3号証:特開2010-178800号公報
甲第4号証:特開2013-74946号公報
以下、申立人の提出した「甲第1号証」等を「甲1」等という。
4 各証拠について
(1)甲1
ア 甲1に記載の事項
甲1には図面とともに次の事項が記載されている(下線は当審で付した。以下同様。)。
「【0039】
(パチンコ遊技機1の構成等)
図1は、パチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
・・・
【0041】
なお、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。また、第1特図を用いた特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図を用いた特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。なお、特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示装置は1種類であってもよい。
【0042】
遊技盤2における遊技領域の中央付近には画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)や有機EL(Electro Luminescence)等から構成され、各種の演出画像を表示する。画像表示装置5は、プロジェクタおよびスクリーンから構成されていてもよい。画像表示装置5には、各種の演出画像が表示される。
【0043】
例えば、画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して、特別図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報としての飾り図柄(数字などを示す図柄など)の可変表示が行われる。ここでは、第1特図ゲームまたは第2特図ゲームに同期して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄が可変表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)される。なお、同期して実行される特図ゲームおよび飾り図柄の可変表示を総称して単に可変表示ともいう。」
「【0073】
入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に遊技球が進入すると、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームが開始される。」
「【0076】
特図ゲームにおいて、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄、例えば「7」、後述の大当り種別に応じて実際の図柄は異なる。)が停止表示されれば、「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄、例えば「2」)が停止表示されれば、「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄(ハズレ図柄、例えば「-」)が停止表示されれば「ハズレ」となる。
【0077】
特図ゲームでの表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの表示結果が「小当り」になった後には、小当り遊技状態に制御される。」
「【0101】
また、例えば特図ゲーム等が実行されていないときには、画像表示装置5にデモ(デモンストレーション)画像が表示される(客待ちデモ演出が実行される)。」
「【0183】
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、表示制御部123を指示することで、ステップS171にて設定された演出制御パターンに基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、可動体32を駆動させること、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を実行する。こうした演出制御を行った後、例えば演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から確定飾り図柄を停止表示させることを指定するコマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の表示結果となる確定飾り図柄を停止表示させる。確定飾り図柄を停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新され、可変表示中演出処理は終了する。」
「【0196】
(特徴部109SGに関する説明)
次に、本発明の実施の形態における特徴部109SG(以下、本特徴部109SGと略記する)について説明する。図10-1は、本特徴部109SGにおけるパチンコ遊技機1の正面図である。図10-1に示すように、本特徴部109Sのパチンコ遊技機1においては、遊技盤2とその背面側に設けられている画像表示装置5との間に可動体ユニット109SG400が設けられている。
【0197】
該可動体ユニット109SG400は、図10-3(A)に示すように、基台109SG410を有している。該基台109SG410の左右幅方向の中央部には第1可動体109SG401が、基台109SG410の左右幅方向の左部には第2可動体109SG402Lが、基台109SG410の左右幅方向の右部には第3可動体109SG402Rが、それぞれ配置されている。
【0198】
また、該可動体ユニット109SG400には、第1可動体109SG401を動作させるための第1可動体用モータ109SG421と、第2可動体109SG402Lを動作させるための第2可動体用モータ109SG422と、第3可動体109SG402Rを動作させるための第3可動体用モータ109SG423と、を有している。このため、本特徴部109SGにおける第2可動体109SG402Lと第3可動体109SG402Rとは、第1可動体109SG401とは個別に動作可能となっている。また、第1可動体109SG401の所定位置(例えば、第1可動体109SG401の上部位置)には、可動体LED109SG495が内蔵されている。」
「【0252】
そして、図10-9に示すように、本特徴部109SGにおける各可変表示の大当り期待度としては、スーパーリーチβ2の大当り期待度が最も高く設定されており、以降、スーパーリーチβ1、スーパーリーチα2、スーパーリーチα1、ノーマルリーチ、非リーチの順に大当り期待度が高く設定されている(本特徴部109SGにおける各可変表示での大当り期待度:スーパーリーチβ2>スーパーリーチβ1>スーパーリーチα2>スーパーリーチα1>ノーマルリーチ>非リーチ)。」
「【0368】
尚、図10-21に示すように、スーパーリーチα1、スーパーリーチα2のリーチ演出中は、可変表示結果が大当りとなる場合であれば、期間T3の終了タイミングから可変表示の終了タイミングに亘って、可変表示結果が大当りであることを報知する演出として、第1可動体109SG401を退避位置から演出位置に移動させるとともに第2可動体109SG402Lと第3可動体109SG402Rとを第1可動体109SG401の左右近接位置に移動させた後(可動体ユニット109SG400を第1状態から第3状態に変化させた後)、暫くしてから第1可動体109SG401、第2可動体109SG402L、第3可動体109SG402Rを各退避位置に移動させる(可動体ユニット109SG400を第3状態から第1状態に変化させる)可動体動作演出Aを実行する。」
「【0374】
また、スーパーリーチα1、スーパーリーチα2のリーチ演出中は、可動体LED109SG495の発光も実行される。具体的には、図10-21及び図10-22に示すように、可動体LED109SG495は、前述した期間T2(第1拡大表示期間と第2拡大表示期間)及び期間T3の途中(より正確には第1拡大表示期間の開始タイミングから第3拡大表示期間の終了タイミング)に亘って可動体LED109SG495を輝度C1にて発光させる。更に、可変表示結果が大当りとなる場合は、期間T4に亘って可動体LED109SG495を輝度C1よりも高輝度である輝度C2にて発光させる。」
「【0388】
先ず、図10-27(A)及び図10-27(B)に示すように、スーパーリーチα1、スーパーリーチα2、スーパーリーチβ1、スーパーリーチβ2のいずれかの可変表示が開始されてから暫くすると、「左」の飾り図柄表示エリア5Lと「右」の飾り図柄表示エリア5Rとで表示されている飾り図柄がリーチを示す組み合わせで停止する。そして、該リーチの状態で更に所定期間が経過すると、当該可変表示がスーパーリーチα1の可変表示であればリーチ演出として味方キャラクタAと敵キャラクタAのバトル演出が開始され(図10-27(C)及び図10-28(A)参照)、当該可変表示がスーパーリーチα2の可変表示であればリーチ演出として味方キャラクタAと敵キャラクタBのバトル演出が開始され(図10-27(D)及び図10-30(A)参照)、当該可変表示がスーパーリーチβ1の可変表示であればリーチ演出として味方キャラクタBと敵キャラクタAのバトル演出が開始され(図10-27(E)及び図10-30(A)参照)、当該可変表示がスーパーリーチβ2の可変表示であればリーチ演出として味方キャラクタBと敵キャラクタBのバトル演出が開始される(図10-27(F)及び図10-34(A)参照)。」
「【0394】
図10-29(H)及び図10-29(I)に示すように、可変表示結果が大当りである場合は、可動体動作演出Aとして、画像表示装置5の中央部において味方キャラクタAと敵キャラクタAの画像に重複して爆発のエフェクト画像109SG005Bが表示されるとともに、画像表示装置5の中央部から画像表示装置5の端縁に向けて速度V2にて移動するように複数の星型のエフェクト画像109SG005Sが表示される。
【0395】
更にこのとき、第1可動体109SG401が退避位置から演出位置に移動するとともに、第2可動体109SG402Lと第3可動体109SG402Rとが演出位置に移動した第1可動体109SG401の左右近接位置に移動する(可動体ユニット109SG400が第1状態から第3状態に変化する)。つまり、爆発のエフェクト画像109SG005Bは第1可動体109SG401の背後で表示されるとともに、複数の星型のエフェクト画像109SG005Sは速度V2にて画像表示装置5の端縁に向けて移動するように表示される。」
「【0403】
図10-31(G)~図10-31(I)に示すように、可変表示結果が大当りである場合は、可動体動作演出Aとして、画像表示装置5の中央部において味方キャラクタAと敵キャラクタBの画像に重複して爆発のエフェクト画像109SG005Bが表示されるとともに、画像表示装置5の中央部から画像表示装置5の端縁に向けて速度V2にて移動するように複数の星型のエフェクト画像109SG005Sが表示される。
【0404】
更にこのとき、第1可動体109SG401が退避位置から演出位置に移動するとともに、第2可動体109SG402Lと第3可動体109SG402Rとが演出位置に移動した第1可動体109SG401の左右近接位置に移動する(可動体ユニット109SG400が第1状態から第3状態に変化する)。つまり、爆発のエフェクト画像109SG005Bは第1可動体109SG401の背後で表示されるとともに、複数の星型のエフェクト画像109SG005Sは速度V2にて画像表示装置5の端縁に向けて移動するように表示される。」
「【図10-21】
[図:0001436234000001.jpg]
」
「【図10-29】
[図:0001436234000002.jpg]
」
「【図10-31】
[図:0001436234000003.jpg]
」
イ 認定事項
(ア)認定事項1
甲1の「各可変表示の大当り期待度としては、・・・スーパーリーチα2、スーパーリーチα1・・・の順に大当り期待度が高く設定されている」(【0252】)との記載より、スーパーリーチα2とスーパーリーチα1は、可変表示がそれぞれの期待度にしたがい所定の割合で大当りとなるものであるので、大当りか否かを報知するものである。また、「スーパーリーチα1、スーパーリーチα2のリーチ演出中は、可変表示結果が大当りとなる場合であれば、・・・可変表示結果が大当りであることを報知する演出として、第1可動体109SG401を退避位置から演出位置に移動させるとともに第2可動体109SG402Lと第3可動体109SG402Rとを第1可動体109SG401の左右近接位置に移動させた後・・・、暫くしてから第1可動体109SG401、第2可動体109SG402L、第3可動体109SG402Rを各退避位置に移動させる・・・可動体動作演出Aを実行する」(【0368】)、「スーパーリーチα1、スーパーリーチα2のリーチ演出中は、可動体LED109SG495の発光も実行される」(【0374】)及び上側に「スーパーリーチα1、スーパーリーチα2大当り可変表示」と記載され、可動体動作演出A実行期間であるT4において可動体LEDが発光することが示された【図10-21】より、甲1には、「可変表示が大当りか否かを報知する演出であるスーパーリーチα1又はスーパーリーチα2のリーチ演出中に、可変表示結果が大当りとなる場合であれば、第1可動体109SG401を退避位置から演出位置に移動させるとともに第2可動体109SG402Lと第3可動体109SG402Rとを第1可動体109SG401の左右近接位置に移動させた後、暫くしてから第1可動体109SG401、第2可動体109SG402L、第3可動体109SG402Rを各退避位置に移動させる可動体動作演出Aを実行し、可動体動作演出Aの期間に可動体LED109SG495の発光を実行する」ことが記載されているといえる。
また、「演出制御用CPU120は、表示制御部123を指示することで、ステップS171にて設定された演出制御パターンに基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、可動体32を駆動させること、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を実行する」(【0183】)との記載より、可変表示中の表示画面による演出や可動体による各種演出の制御は、演出制御用CPU120が実行するものといえる。
そうすると、甲1には、「可変表示が大当りか否かを報知する演出であるスーパーリーチα1又はスーパーリーチα2のリーチ演出中に、可変表示結果が大当りとなる場合であれば、第1可動体109SG401を退避位置から演出位置に移動させるとともに第2可動体109SG402Lと第3可動体109SG402Rとを第1可動体109SG401の左右近接位置に移動させた後、暫くしてから第1可動体109SG401、第2可動体109SG402L、第3可動体109SG402Rを各退避位置に移動させる可動体動作演出Aを実行し、可動体動作演出Aの期間に可動体LED109SG495の発光を実行する演出制御用CPU120」が記載されているものと認められる(以下「認定事項1」という。)。
(イ)認定事項2
甲1には、「当該可変表示がスーパーリーチα1の可変表示であればリーチ演出として味方キャラクタAと敵キャラクタAのバトル演出が開始され(図10-27(C)及び図10-28(A)参照)、当該可変表示がスーパーリーチα2の可変表示であればリーチ演出として味方キャラクタAと敵キャラクタBのバトル演出が開始され」(【0388】)、「図10-29(H)及び図10-29(I)に示すように、可変表示結果が大当りである場合は、可動体動作演出Aとして、画像表示装置5の中央部において味方キャラクタAと敵キャラクタAの画像に重複して爆発のエフェクト画像109SG005Bが表示される」(【0394】)及び「図10-31(G)~図10-31(I)に示すように、可変表示結果が大当りである場合は、可動体動作演出Aとして、画像表示装置5の中央部において味方キャラクタAと敵キャラクタBの画像に重複して爆発のエフェクト画像109SG005Bが表示される」(【0403】)と記載されている。
また、爆発のエフェクト画像109SG005Bが示された【図10-29】(G)と爆発のエフェクト画像109SG005Bが示された【図10-31】(G)には、これらの「爆発のエフェクト画像109SG005B」は同じ態様であることが示されている。
そうすると、甲1には、「スーパーリーチα1で味方キャラクタAと敵キャラクタAの画像に重複して表示される爆発のエフェクト画像109SG005Bとスーパーリーチα2で味方キャラクタAと敵キャラクタBの画像に重複して表示される爆発のエフェクト画像109SG005Bは同じ態様である」ことが記載されているといえる(以下「認定事項2」という。)。
(ウ)認定事項3
甲1の「スーパーリーチα1、スーパーリーチα2のリーチ演出中は、可動体LED109SG495の発光も実行される。具体的には、図10-21及び図10-22に示すように、可動体LED109SG495は、前述した期間T2(第1拡大表示期間と第2拡大表示期間)及び期間T3の途中(より正確には第1拡大表示期間の開始タイミングから第3拡大表示期間の終了タイミング)に亘って可動体LED109SG495を輝度C1にて発光させる。更に、可変表示結果が大当りとなる場合は、期間T4に亘って可動体LED109SG495を輝度C1よりも高輝度である輝度C2にて発光させる。」(【0374】)との記載、及び、上側に「スーパーリーチα1、スーパーリーチα2大当り可変表示」と記載され、T4が可動体動作演出A実行期間であり、この期間に可動体LEDが発光することが示された【図10-21】より、甲1には、「スーパーリーチα1又はスーパーリーチα2のリーチ演出中、可動体動作演出Aの実行期間において、可動体LED109SG495を輝度C1よりも高輝度である輝度C2にて発光させ」ることが記載されているといえる(以下「認定事項3」という。)。
ウ 甲1発明
上記ア及びイより、甲1には、次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。なお、符号a等は分説のため当審で付した。また、符号により分説された発明特定事項を「特定事項a」等という。
「a 入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に遊技球が進入すると、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームが開始され、第1特図ゲームにおいて、確定特別図柄として特定の特別図柄が停止表示されれば、「大当り」となり、第1特図ゲームでの表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御され(【0041】、【0073】、【0076】、【0077】)、
b 画像表示装置5と(【0042】)、
c 可動体LED109SG495と(【0198】)、
d ランプ制御基板14と(【0183】)、
e 中央部に第1可動体109SG401、左部に第2可動体109SG402L、右部に第3可動体109SG402Rがそれぞれ配置された可動体ユニット109SG400と(【0196】、【0197】)、
f 可変表示が大当りか否かを報知する演出であるスーパーリーチα1又はスーパーリーチα2のリーチ演出中に、可変表示結果が大当りとなる場合であれば、第1可動体109SG401を退避位置から演出位置に移動させるとともに第2可動体109SG402Lと第3可動体109SG402Rとを第1可動体109SG401の左右近接位置に移動させた後、暫くしてから第1可動体109SG401、第2可動体109SG402L、第3可動体109SG402Rを各退避位置に移動させる可動体動作演出Aを実行し、可動体動作演出Aの期間に可動体LED109SG495の発光を実行する演出制御用CPU120と、を備え(認定事項1)、
g 演出制御用CPU120は、可変表示が大当りか否かを報知する演出であり、味方キャラクタAと敵キャラクタAのバトル演出が開始されるスーパーリーチα1と、可変表示結果が大当りか否かを報知する演出であり、味方キャラクタAと敵キャラクタBのバトル演出が開始されるスーパーリーチα2と、を実行可能であり(認定事項1、【0388】)、
h スーパーリーチα1又はスーパーリーチα2のリーチ演出中に、可変表示結果が大当りとなる場合であれば、第1可動体109SG401を退避位置から演出位置に移動させるとともに第2可動体109SG402Lと第3可動体109SG402Rとを第1可動体109SG401の左右近接位置に移動させた後、暫くしてから第1可動体109SG401、第2可動体109SG402L、第3可動体109SG402Rを各退避位置に移動させる可動体動作演出Aを実行し、可動体動作演出Aの期間に可動体LED109SG495の発光を実行し(認定事項1)、
i スーパーリーチα2のリーチ演出として味方キャラクタAと敵キャラクタBのバトル演出が開始され、リーチ演出中における可動体動作演出Aとして、画像表示装置5の中央部において味方キャラクタAと敵キャラクタBの画像に重複して爆発のエフェクト画像109SG005Bが表示されるとともに、画像表示装置5の中央部から画像表示装置5の端縁に向けて速度V2にて移動するように複数の星型のエフェクト画像109SG005Sが表示され、更にこのとき、第1可動体109SG401が退避位置から演出位置に移動するとともに、第2可動体109SG402Lと第3可動体109SG402Rとが演出位置に移動した第1可動体109SG401の左右近接位置に移動し(【0388】、【0403】、【0404】、【図10-31】)、
j スーパーリーチα1のリーチ演出として味方キャラクタAと敵キャラクタAのバトル演出が開始され、リーチ演出中における可動体動作演出Aとして、画像表示装置5の中央部において味方キャラクタAと敵キャラクタAの画像に重複して、スーパーリーチα2で味方キャラクタAと敵キャラクタBの画像に重複して表示されるのと同じ態様の爆発のエフェクト画像109SG005Bが表示されるとともに、画像表示装置5の中央部から画像表示装置5の端縁に向けて速度V2にて移動するように複数の星型のエフェクト画像109SG005Sが表示され、更にこのとき、第1可動体109SG401が退避位置から演出位置に移動するとともに、第2可動体109SG402Lと第3可動体109SG402Rとが演出位置に移動した第1可動体109SG401の左右近接位置に移動し(【0388】、【0394】、【0395】、【図10-29】、認定事項2)、
k スーパーリーチα1又はスーパーリーチα2のリーチ演出中、可動体動作演出A実行期間において、可動体LED109SG495を輝度C1よりも高輝度である輝度C2にて発光させ(認定事項3)、
l 可動体動作演出Aとして、画像表示装置5の中央部において味方キャラクタAと敵キャラクタAの画像に重複して爆発のエフェクト画像109SG005Bが表示されるとともに、画像表示装置5の中央部から画像表示装置5の端縁に向けて速度V2にて移動するように複数の星型のエフェクト画像109SG005Sが表示され、更にこのとき、第1可動体109SG401が退避位置から演出位置に移動するとともに、第2可動体109SG402Lと第3可動体109SG402Rとが演出位置に移動した第1可動体109SG401の左右近接位置に移動し(【0394】、【0395】、【0403】、【0404】)、
m 各可変表示の大当り期待度としては、スーパーリーチα2、スーパーリーチα1、の順に大当り期待度が高く設定されており(【0252】)、
n 画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲームと同期して、特別図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報としての飾り図柄の可変表示が行われ(【0043】)、
p 特図ゲーム等が実行されていないときには、画像表示装置5にデモ画像が表示される(【0101】)、
u パチンコ遊技機1(【0039】)。」
(2)甲2
甲2のYouTube動画を視聴することで、次の事項が記録されていると認定することができる。
ここで、画像は、当該YouTube動画に係る画像(以下「動画像」という。)からキャプチャしたものである。
また、例えば、「2:23:45」は、再生開始からの経過時間を示し、以下の同様の「時分秒」に係る記載も同じである。さらに、コマ送り再生(「.(ピリオド)」キーを押すと1フレーム進み、「,(コンマ)」キーを押すと1フレーム戻る。1フレームは0.033秒に相当する。)を行うことにより経過時間を詳細に特定した動画像については、「時分秒」の後に「(~から2フレームコマ送り)」等と記載した。
ア 開示事項
甲2において、動画像の下側に「【 P牙狼月虹ノ旅人 】Live配信!ガロ最新作がジェーピーに導入開始 [ パチンコ ][ パチスロ ][ スロット ][ 新台 ][ 試打 ][ 最速 ][ ライブ ][ がろげっこうのたびびと ]」と表示され、その下側に「2021/06/08 にライブ配信」と表示されていることが見て取れる。また、下記(ア)aの画像より、当該YouTube動画はパチンコ機に関するものである。
以上から、甲2に係る動画は、2021年6月8日に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、「P牙狼月虹ノ旅人」という機種のパチンコ機(以下、単に「パチンコ機」という。)に係る動画であると認められる。
(ア)2:23:45-2:25:16
a 2:23:45
パチンコ機は表示画面と表示画面周囲に配置された発光部材を備え、左側のパチンコ機の表示画面において人物を含む図柄が3つ停止し、図柄の奥にも何らかの表示があり、表示画面周囲の発光部材は緑系統の色で発光していることが看取される。
[図:0001436234000004.jpg]
b 2:25:16
左側のパチンコ機の表示画面において図柄が継続して停止しており、図柄の奥にも何らかの表示があり、表示画面周囲の発光部材は緑系統の色で発光していることが看取される。
[図:0001436234000005.jpg]
c 2:25:16(上記bの画像から2フレームコマ送り)
左側のパチンコ機の表示画面において図柄が継続して停止しており、図柄の奥にも何らかの表示があり、表示画面周囲の発光部材は青系統の色で発光していることが看取される。
[図:0001436234000006.jpg]
d 2:25:16(上記cの画像から4フレームコマ送り)
左側のパチンコ機の表示画面において図柄の表示が消え、「San」という文字等が表示され、表示画面周囲の発光部材は青系統の色で発光していることが看取される。
[図:0001436234000007.jpg]
(イ)0:01:13-0:01:15
a 0:01:13
右側のパチンコ機の表示画面に「牙狼剣動作注意」という文字が表示され、図柄は表示されておらず、表示画面周囲の発光部材は緑系統の色で発光していることが看取される。
[図:0001436234000008.jpg]
b 0:01:14
右側のパチンコ機の表示画面に「牙狼剣動作注意」という文字が継続して表示され、表示画面周囲の発光部材は青系統の色で発光していることが看取される。
[図:0001436234000009.jpg]
c 0:01:14(上記bの画像から4フレームコマ送り)
右側のパチンコ機の表示画面に人物を含む3つの図柄が表示され、表示画面周囲の発光部材は青系統の色で発光していることが看取される。
[図:0001436234000010.jpg]
d 0:01:15
右側のパチンコ機の表示画面において3つの図柄が下向きに移動していく様子が表示され、表示画面周囲の発光部材は青系統の色で発光していることが看取される。
[図:0001436234000011.jpg]
イ 甲2開示事項
上記ア(ア)より、甲2には、以下の技術が開示されているものと認められる(以下「甲2開示事項1」という。)。
「パチンコ機が表示画面及び表示画面の周囲に発光部材を備えており、表示画面において、図柄が3つ停止し、図柄の奥にも何らかの表示があり、表示画面周囲の発光部材は緑系統の色で発光し、その後、表示画面において、図柄が停止し、かつ、図柄の奥にも何らかの表示がある状態が継続し、表示画面周囲の発光部材は青系統の色での発光となり、その後、表示画面において図柄の表示が消え、「San」という文字等が表示され、表示画面周囲の発光部材は青系統の色で発光する技術。」
また、上記ア(イ)より、甲2には、以下の技術が開示されているものと認められる(以下「甲2開示事項2」という。)。
「パチンコ機の表示画面に「牙狼剣動作注意」という文字が表示され、図柄は表示されておらず、表示画面周囲の発光部材は緑系統の色で発光しており、その後、「牙狼剣動作注意」という文字が継続して表示され、表示画面周囲の発光部材は青系統の色で発光し、その後、表示画面に人物を含む3つの図柄が表示され、表示画面周囲の発光部材は青系統の色で発光しており、その後、3つの表示画面において図柄が下向きに移動していく様子が表示され、表示画面周囲の発光部材は青系統の色で発光する技術。」
(3)甲3
ア 甲3に記載の事項
甲3には図面とともに次の事項が記載されている。
「【0001】
この発明は、ぱちんこ遊技機などの遊技機の遊技盤面に設けられて演出等を行うランプを点灯制御するランプ制御装置と、このランプ制御装置を備えた遊技機、ランプ制御方法およびプログラムに関する。」
「【0024】
制御部102は、このコマンド解析時に、タイマ103の計時情報と、データ格納部104に格納されているランプテーブル111を参照して、コマンドに対応したランプ制御データを生成し、出力部105に出力する。この制御部102には階調制御部102aが設けられており、階調制御部102aは、輝度を変化させる階調制御時に、実際の明るさを感明度に基づいて一定に変化するランプ制御データを生成する。ランプ108は、フルカラーLEDからなり、任意の発光色で発光可能である。
【0025】
図2は、ランプテーブルの一例を示す図である。このランプテーブル111は、255段階の明るさを有し、各段階の明るさに対応した輝度がそれぞれ設定されている。図2には、便宜上、255段階の途中の段階について記載してある。段階の値が大きいほど輝度が高く明るい。そして、このランプテーブル111には、各段階の輝度に対応した感明度についても設定されている。」
「【図2】
[図:0001436234000012.jpg]
」
イ 上記アより、甲3には、以下の技術が記載されているものと認められる(以下「甲3記載事項」という。)。
「ぱちんこ遊技機において、ランプ制御データを生成するために各段階の明るさに対応した輝度がそれぞれ設定されたランプテーブル111を用いる技術。」
(4)甲4
ア 甲4には図面とともに次の事項が記載されている。
「【0001】
本発明は、遊技機の前面に設けられた発光装置と、発光装置の発光量を変更可能な輝度設定手段と、遊技制御手段からの制御指令信号に基づいて発光装置による発光を制御する演出制御手段と、を備えた遊技機に関する。」
「【0136】
図17には、装飾制御処理(ステップB19)の具体的な手順の一例が示されている。
・・・一方、ステップB161において、フレーム更新タイミングである(Yes)と判定した場合は、ステップB162へ進み、予め用意されている変動表示ゲームの際の変動パターンや大当りのシーンなど複数の演出パターンにそれぞれ付与されている演出番号のうち今回の演出に対応した演出番号に基づいて、現在の輝度データテーブル(図18参照)をROMより取得する。
・・・
【0138】
・・・
また、ステップB167で、減算後の輝度は下の閾値以下でない(No)と判定した場合は、ステップB170へ進み、算出結果の輝度データを輝度調整レジスタ345に書き込むように指示してステップB171へ進む。
ステップB171では、点灯させたいダイオード列を指定する点灯データを取得してその点灯データを出力設定レジスタ346(図5参照)に書き込むように指示して、当該装飾制御処理から抜ける。なお、以上の処理を制御対象のダイオード(図5のLED0~LED15)分だけ行う。
【0139】
図18には、輝度データテーブルの例が示されている。図18において、フレームとは表示装置41におけるフレームに対応するものであり、表示フレームに対応して図18の輝度データテーブルの各フレームの輝度設定データと点灯データが、左から右へ順次、ペアで読み出されて輝度調整レジスタ345および出力設定レジスタ346レジスタに設定されることで、枠装飾装置18や盤装飾装置42内の対応する発光ダイオードが点灯制御されることとなる。図18はダイオードLED0に関するものであり、図示しないが、このようなテーブルがダイオード列(図5のLED0~LED15)ごとに用意されている。
なお、図18において、(A)は図17に示す装飾制御処理により輝度の設定が変更される前のテーブルデータを、(B1)と(B2)は図17に示す装飾制御処理により輝度の設定が変更された後のテーブルデータを示している。」
「【図18】
[図:0001436234000013.jpg]
」
イ 上記アより、甲4には、以下の技術が記載されているものと認められる(以下「甲4記載事項」という。)。
「遊技機において、枠装飾装置18や盤装飾装置42内の対応する発光ダイオードを点灯制御するために輝度データテーブルを用いる技術。」
5 当審の判断
(1)本件発明
本件発明は、前記2に示したとおりである。
(2)対比
分説に従い、本件発明と甲1発明とを対比する。
ア 特定事項Aについて
甲1発明の「入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に遊技球が進入する」ことは、本件発明の「始動条件が成立したこと」に相当する。
また、甲1発明の「第1特図ゲーム」は、「確定特別図柄として特定の特別図柄が停止表示されれば、「大当り」とな」るものであり、特別図柄が可変表示するものであるから、本件発明の「特別識別情報の可変表示」に相当する。
よって、甲1発明の特定事項aは、本件発明の特定事項Aに相当する。
イ 特定事項B~Eについて
甲1発明の「画像表示装置5」、「可動体LED109SG495」、「ランプ制御基板14」及び「中央部に第1可動体109SG401、左部に第2可動体109SG402L、右部に第3可動体109SG402Rがそれぞれ配置された可動体ユニット109SG400」は、本件発明の「表示手段」、「発光手段」、「発光制御手段」及び「可動体」にそれぞれ相当する。
よって、甲1発明の特定事項b~eは、本件発明の特定事項B~Eに相当する。
ウ 特定事項Fについて
甲1発明の「可変表示が大当りか否かを報知する演出であるスーパーリーチα1又はスーパーリーチα2」は、本件発明の「前記有利状態に制御されるか否かを報知する特定演出」に相当する。
また、甲1発明の「第1可動体109SG401を退避位置から演出位置に移動させるとともに第2可動体109SG402Lと第3可動体109SG402Rとを第1可動体109SG401の左右近接位置に移動させた後、暫くしてから第1可動体109SG401、第2可動体109SG402L、第3可動体109SG402Rを各退避位置に移動させる可動体動作演出Aを実行し、可動体動作演出Aの期間に可動体LED109SG495の発光を実行する」ことは、本件発明の「前記可動体を動作させるとともに前記発光手段を発光させる特別演出」に相当する。
さらに、甲1発明の「演出制御用CPU120」は、本件発明の「演出実行手段」に相当する。
よって、甲1発明の特定事項fは、本件発明の特定事項Fに相当する。
エ 特定事項Gについて
上記ウで検討したとおり、甲1発明の「スーパーリーチα1」と「スーパーリーチα2」は、本件発明の「特定演出」に相当する。
そして、甲1発明の「スーパーリーチα2」は、「味方キャラクタAと敵キャラクタB」を表示するものであるところ、「敵キャラクタB」を本件発明の「特定キャラクタ」とすれば、「スーパーリーチα2」は、本件発明の「第1特定演出」に相当する。
また、甲1発明の「スーパーリーチα1」は、「味方キャラクタAと敵キャラクタA」を表示するものであって、「敵キャラクタB」は表示しないので、本件発明の「第2特定演出」に相当する。
よって、甲1発明の特定事項gは、本件発明の特定事項Gに相当する。
オ 特定事項Hについて
上記ウで検討したとおり、甲1発明の「スーパーリーチα1」と「スーパーリーチα2」は、本件発明の「特定演出」に相当し、甲1発明の「第1可動体109SG401を退避位置から演出位置に移動させるとともに第2可動体109SG402Lと第3可動体109SG402Rとを第1可動体109SG401の左右近接位置に移動させた後、暫くしてから第1可動体109SG401、第2可動体109SG402L、第3可動体109SG402Rを各退避位置に移動させる可動体動作演出Aを実行し、可動体動作演出Aの期間に可動体LED109SG495の発光を実行」することは、本件発明の「特別演出」に相当する。
そして、甲1発明は、スーパーリーチα1又はスーパーリーチα2のリーチ演出中に、可変表示結果が大当りとなる場合であれば、可動体動作演出A及び可動体LED109SG495の発光を実行可能なものである。
よって、甲1発明の特定事項hは、本件発明の特定事項Hに相当する。
カ 特定事項Iについて
甲1発明は、「スーパーリーチα2のリーチ演出として味方キャラクタAと敵キャラクタBのバトル演出が開始され、リーチ演出中における可動体動作演出Aとして、画像表示装置5の中央部において味方キャラクタAと敵キャラクタBの画像に重複して爆発のエフェクト画像109SG005Bが表示され・・・更にこのとき、第1可動体109SG401が退避位置から演出位置に移動するとともに、第2可動体109SG402Lと第3可動体109SG402Rとが演出位置に移動した第1可動体109SG401の左右近接位置に移動」するものである。
ここで、上記エで検討したとおり、甲1発明の「スーパーリーチα2」、「敵キャラクタB」は、本件発明の「第1特定演出」、「特定キャラクタ」にそれぞれ相当し、上記ウで検討したとおり、甲1発明の「可動体動作演出A」は、本件発明の「特別演出」のうち、可動体に関する演出に該当する。
そうすると、甲1発明の「エフェクト画像109SG005B」は、「スーパーリーチα2」の「可動体動作演出A」の実行期間に「敵キャラクタB」に重複して表示されるものであり、本件発明の「エフェクト表示」に相当する。
よって、甲1発明の特定事項iは、本件発明の特定事項Iに相当する。
キ 特定事項Jについて
甲1発明は、「スーパーリーチα1のリーチ演出として味方キャラクタAと敵キャラクタAのバトル演出が開始され、リーチ演出中における可動体動作演出Aとして、画像表示装置5の中央部において味方キャラクタAと敵キャラクタAの画像に重複して、味方キャラクタAと敵キャラクタBの画像に重複して表示されるのと同じ態様の爆発のエフェクト画像109SG005Bが表示され」、「更にこのとき、第1可動体109SG401が退避位置から演出位置に移動するとともに、第2可動体109SG402Lと第3可動体109SG402Rとが演出位置に移動した第1可動体109SG401の左右近接位置に移動」するものである。
そうすると、上記エで検討したとおり、本件発明の「第2特定演出」に相当する「スーパーリーチα1」のリーチ演出においては、「敵キャラクタB」は表示されず、かつ、スーパーリーチα2で味方キャラクタAと敵キャラクタBの画像に重複して表示されるのと同じ態様の爆発のエフェクト画像109SG005Bが表示されるものといえる。
よって、甲1発明の特定事項jは、本件発明の特定事項Jに相当する。
ク 特定事項Kについて
甲1発明の「可動体LED109SG495」は、本件発明の「前記発光手段」に相当する。
そして、甲1発明は、「スーパーリーチα1又はスーパーリーチα2のリーチ演出中、可動体動作演出A実行期間において、可動体LED109SG495を輝度C1よりも高輝度である輝度C2」という共通の態様で発光するものである。
よって、甲1発明の特定事項kは、本件発明の特定事項Kに相当する。
ケ 特定事項Lについて
甲1発明は、「可動体動作演出Aとして、画像表示装置5の中央部において味方キャラクタAと敵キャラクタAの画像に重複して爆発のエフェクト画像109SG005Bが表示されるとともに、画像表示装置5の中央部から画像表示装置5の端縁に向けて速度V2にて移動するように複数の星型のエフェクト画像109SG005Sが表示され、更にこのとき、第1可動体109SG401が退避位置から演出位置に移動するとともに、第2可動体109SG402Lと第3可動体109SG402Rとが演出位置に移動した第1可動体109SG401の左右近接位置に移動」するものであり、「爆発のエフェクト画像109SG005B」は、可動体動作演出Aとして表示され、第1可動体109SG401等の移動を伴う表示であるから、第1可動体109SG401等が動作するよりも前には表示されないものといえる。
よって、甲1発明の特定事項lは、本件発明の特定事項Lに相当する。
コ 特定事項Mについて
甲1発明は、各可変表示の大当り期待度としては、スーパーリーチα2、スーパーリーチα1、の順に大当り期待度が高く設定されているものである。
よって、甲1発明の特定事項mは、本件発明の特定事項Mに相当する。
サ 特定事項Nについて
上記アで検討したとおり、甲1発明の「第1特図ゲーム」は、本件発明の「前記特別識別情報の可変表示」に相当し、「装飾識別情報としての飾り図柄」は「演出識別情報」に相当する。
よって、甲1発明の特定事項nは、本件発明の特定事項Nに相当する。
シ 特定事項Pについて
甲1発明の「デモ画像」は、本件発明の「デモンストレーション表示」に相当する。
よって、甲1発明の特定事項pは、本件発明の特定事項Pのうち、「デモンストレーション表示を表示可能」である点を備えている。
ス 特定事項Uについて
甲1発明の「パチンコ遊技機1」は、本件発明の「遊技機」に相当する。
よって、甲1発明の特定事項uは、本件発明の特定事項Uに相当する。
セ 一致点及び相違点
上記ア~スより、本件発明と甲1発明とは、
[一致点]
「【請求項1】
A 始動条件が成立したことにもとづいて特別識別情報の可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、
B 表示手段と、
C 発光手段と、
D 発光制御手段と、
E 可動体と、
F 前記有利状態に制御されるか否かを報知する特定演出と、前記可動体を動作させるとともに前記発光手段を発光させる特別演出と、を実行可能な演出実行手段と、
を備え、
G 前記演出実行手段は、
前記特定演出として、特定キャラクタを表示して前記特定キャラクタを用いて前記有利状態に制御されるか否かを報知する第1特定演出と、前記特定キャラクタを表示することなく前記有利状態に制御されるか否かを報知する第2特定演出と、を実行可能であり、
H 前記特定演出において前記有利状態に制御されることが報知される場合に、前記特定演出の実行期間において前記特別演出を実行可能であり、
I 前記第1特定演出における前記特別演出の実行期間において、前記可動体の動作に関連したエフェクト表示とともに前記特定キャラクタが表示され、
J 前記第2特定演出における前記特別演出の実行期間において、前記第1特定演出と共通の態様の前記エフェクト表示が表示される一方で前記特定キャラクタが表示されず、
K 前記特別演出における前記発光手段の発光態様は、前記第1特定演出において前記特別演出が実行される場合と前記第2特定演出において前記特別演出が実行される場合とで共通であり、
L 前記エフェクト表示は、前記可動体の動作に伴い表示され、前記可動体が動作するよりも前のタイミングにおいて表示されない表示であり、
M 前記第2特定演出が実行されるときよりも前記第1特定演出が実行されるときの方が前記有利状態に制御される期待度が高く、
N 前記表示手段は、
前記特別識別情報の可変表示に対応する演出識別情報の可変表示を表示可能であり、
P’ デモンストレーション表示を表示可能である、
U 遊技機。」
である点で一致し、次の点で相違する。
[相違点1](特定事項O、P)
本件発明は、「遊技が終了した後の第1期間において、背景表示を表示可能であり、前記第1期間が終了した後の第2期間において、デモンストレーション表示を表示可能であ」るのに対し、甲1発明は、特図ゲーム等が実行されていないときには、画像表示装置5にデモ画像が表示されるが、遊技が終了した後の期間において、背景表示を表示可能であるか否か不明であり、デモ画像が表示されるタイミングが特定されていない点。
[相違点2](特定事項Q、R)
本件発明は、「前記発光制御手段は、前記第1期間において、前記背景表示に対応する背景表示用輝度データテーブルを用いて前記発光手段を制御可能であり、前記第2期間において、前記デモンストレーション表示に対応するデモンストレーション表示用輝度データテーブルを用いて前記発光手段を制御可能であ」るのに対し、甲1発明は、このような特定がされていない点。
[相違点3](特定事項S)
本件発明は、「前記背景表示から前記デモンストレーション表示に表示を切り替えるよりも前に、前記背景表示用輝度データテーブルから前記デモンストレーション表示用輝度データテーブルに切り替えて前記発光手段を制御可能であ」るのに対し、甲1発明は、このような特定がされていない点。
[相違点4](特定事項T)
本件発明は、「前記表示手段により前記デモンストレーション表示が表示されているときに前記始動条件が成立した場合、前記表示手段が該デモンストレーション表示から前記演出識別情報の可変表示に対応する表示に表示を切り替えるよりも前に、前記デモンストレーション表示用輝度データテーブルから該演出識別情報の可変表示に対応する輝度データテーブルに切り替えて前記発光手段を制御可能である」のに対し、甲1発明は、このような特定がされていない点。
(3)判断
事案に鑑みて、上記相違点3から検討する。
甲2開示事項1として、上記4(2)イに記載した技術が開示されている。
ここで、甲2開示事項1の「図柄の奥」の「何らかの表示」は、本件発明の「背景表示」に相当する。
また、甲2開示事項1の「表示画面において図柄の表示が消え、「San」という文字等が表示され」ている表示は、本件発明の「デモンストレーション表示」に相当する。
そうすると、甲2開示事項1は、「図柄の奥にも何らかの表示があ」るときに、「表示画面周囲の発光部材は緑系統の色で発光」しており、「図柄の表示が消え、「San」という文字等が表示され」るよりも前に、「表示画面周囲の発光部材は青系統の色での発光となり」、その後、「図柄の表示が消え、「San」という文字等が表示され」るものであるので、本件発明と同様に、前記背景表示から前記デモンストレーション表示に表示を切り替えるよりも前に、前記背景表示のときの発光態様から、前記デモンストレーション表示のときの発光態様に前記発光手段の態様を変化させる制御が可能であるものといえる。
ここで、甲3記載事項及び甲4記載事項に照らして、遊技機の技術分野において、発光手段を輝度のデータを含むデータテーブルにより制御することは、本件出願日前の周知技術であり、広く用いられていたものであるから、甲2開示事項1は、このようなデータテーブルを当然に備えているものと認められる。
しかしながら、甲2開示事項1には、「図柄の奥にも何らかの表示があ」るときの輝度のデータを含むデータテーブルが緑系統の色のデータのみからなり、デモンストレーション表示のときの輝度のデータを含むデータテーブルが青系統の色のデータのみからなり、「図柄の表示が消え、「San」という文字等が表示され」るよりも前に、「表示画面周囲の発光部材は青系統の色での発光」するために、このタイミングでデータテーブルを切り替えることについては開示されていない。
また、上記のような発光態様の制御を行うためには、単に、「図柄の奥にも何らかの表示があ」るときの輝度のデータを含むデータテーブルの最後の部分を青系統の色のデータとすることが考えられるので、「図柄の表示が消え、「San」という文字等が表示され」るよりも前に、「表示画面周囲の発光部材は青系統の色での発光」するために、当業者であれば当然にこのタイミングでデータテーブルを切り替えるということもできない。
よって、甲2開示事項1は、上記相違点3に係る本件発明の構成を充足するものではないので、甲1発明に甲2開示事項1を適用したと仮定しても、上記相違点3に係る本件発明の構成には至らない。
また、甲2開示事項2、甲3記載事項及び甲4記載事項を適用したとしても、上記相違点3に係る本件発明の構成を充足するものでないことは明らかである。
したがって、相違点1、2、4について検討するまでもなく、本件発明は、甲1発明、甲2開示事項及び上記周知技術に基づいて当業者が容易に想到しうるものではない。
(4)申立人の主張について
上記相違点3に係る点(異議申立書における本件発明の構成S)について、「一方、甲1発明には、本件特許発明の構成O~T が開示されていない点で相違する(相違点1)。」とした上で、「甲2発明の構成s2において、「部屋の背景」から「デモ演出:企業ロゴ(Sansei)」に表示が切り替わるよりも前に、台枠ランプの発光が黄緑基調から水色基調に切り替わることは明らかである。よって、甲2発明は、本件特許発明の構成Sを備えている。」と主張している。
しかしながら、上記(3)に記載したとおり、甲2には、「デモ演出:企業ロゴ(Sansei)」に表示が切り替わるよりも前に、輝度のデータを含むデータテーブルを切り替えることは開示されていない。
したがって、申立人の上記主張には理由がない。
(5)まとめ
以上のとおりであるから、本件発明は、甲1~4に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明することができたものではない。
したがって、本件発明に係る特許は特許法第29条第2項の規定に違反したものではない。
6 むすび
以上のとおり、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、請求項1に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に請求項1に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2026-700236