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特許無効審判

2024-800111

給気装置

審判番号
2024-800111
法域
特許
審判種別
無効審判(無効の審決)
出願番号
特願2019-059239
登録番号
6763050
請求日
2024年09月27日
審決日
2025年11月12日
公報発行日
2026年05月29日
結論
請求成立(無効)
当事者
  • 【請求人】東莞市麦通新材科技有限公司
  • 【請求人代理人】瀬戸 一宏
  • 【被請求人】劉 志明
  • 【被請求人代理人】佐野 泰彦
審判長/審判官
  • 審判長 窪田 治彦
  • 審判官 長馬 望
  • 審判官 柿崎 拓
分類
P1113.113-Z (F04B) / P1113.121-Z (F04B)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項特許法123条1項2号特許法169条2項民事訴訟法61条
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第123条第1項第2号、特許法第29条第1項、特許法第169条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

上記当事者間の特許第6763050号発明「給気装置」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 特許第6763050号の請求項1~15に係る発明についての特許を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第6763050号(以下「本件特許」という。)の請求項1~15に係る特許(以下、請求項順に「本件特許1」~「本件特許15」という。)についての出願は、2014年(平成26年)10月28日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2014年10月9日(以下「優先日」という。)(CN)中国)を国際出願日とする特願2016-548247号の一部を平成31年3月26日に新たな特許出願としたものであって、令和2年9月11日に特許権の設定登録がされた。 これに対し、令和6年9月27日に、請求人である東莞市麦通新材科技有限公司(以下「請求人」という。)により、本件特許1~本件特許15について特許無効審判が請求され、令和6年10月21日付けで請求書の副本を被請求人である劉志明(以下「被請求人」という。)に送達するとともに期間を指定して、答弁書を提出する機会を与えたが、被請求人から応答はなかった。 その後、令和7年5月12日に請求人から、「本審判の審理は書面審理により行うことを希望します。」と記載された上申書が提出され、令和7年5月15日に被請求人から、「書面審理で進めてください。」と記載された上申書が提出され、令和7年5月19日付け書面審理通知書により、請求人及び被請求人に対して、審理を書面審理によるものとすることを通知した。 その後、令和7年7月2日付けで審決の予告をし、被請求人に対し、期間を指定して、訂正を請求する機会を与えたが、被請求人から応答はなかった。 第2 本件特許発明 本件特許1~本件特許15に係る各発明(以下、請求項順に「本件特許発明1」~「本件特許発明15」という。)は、本件特許の特許請求の範囲の請求項1~15に記載された事項によって特定される以下のとおりのものと認める。 「【請求項1】 弁体、ガス袋を含み、弁体に給気口、排気口、貯気腔が設置され、給気口内に給気バルブ装置が設置され、排気口内に排気バルブ装置が設置され、貯気腔がガス袋と連通し、給気口、排気口が弁体の腔体を介して連通し、貯気腔が腔体と連通し、 ガス袋が、排気口の中軸線及び給気口の中軸線の傍に位置しており、 ガスを放出するとき、給気バルブ装置は操作可能に移動して給気口を開き、かつ給気バルブ装置の移動により排気バルブ装置を駆動して排気口を開き、物体内の気体が、排気口から、ガス袋を経由せずに、給気口を通って外界へ放出されることを特徴とする給気装置。 【請求項2】 前記排気バルブ装置が排気弁基体を含み、排気弁基体内に排気弁貫通孔が設置され、前記排気弁基体上に排気弁芯体が取り付けられ、前記排気弁芯体は排気弁貫通孔に沿って移動可能である、ことを特徴とする請求項1に記載の給気装置。 【請求項3】 前記給気弁基体上に給気弁芯体が取り付けられ、前記給気弁芯体は給気弁貫通孔に沿って移動可能であり、前記給気弁芯体の移動により前記排気弁芯体が押されて移動し、排気口を開くことを特徴とする請求項2に記載の給気装置。 【請求項4】 前記給気バルブ装置は、前記給気口を密封するための給気弁密封シートをさらに含み、前記給気弁密封シートは前記給気弁芯体と一緒に移動して前記給気口を開き、前記排気バルブ装置は、前記排気口を密封するための排気弁密封シートをさらに含み、前記排気弁密封シートは前記排気弁芯体と一緒に移動して前記排気口を開くことができることを特徴とする請求項3に記載の給気装置。 【請求項5】 前記排気弁貫通孔、前記給気弁貫通孔の軸線が同軸であり、給気弁貫通孔から弁体の腔体方向へ給気弁芯体を押す時に、給気弁芯体が給気弁密封シートを介して排気弁芯体を押し、排気口を開くことができることを特徴とする請求項4に記載の給気装置。 【請求項6】 排気弁密封シートの内側に延伸部が設置され、延伸部が弾性体であり、延伸部において排気弁密封シートから離れる一端が延伸部の遠端であり、この遠端が径方向において外への突出頭を有し、この突出頭は、排気弁芯体の内孔を貫通して排気弁芯体の係止孔内に位置し、排気弁芯体の内孔より大きいことを特徴とする請求項4に記載の給気装置。 【請求項7】 給気弁密封シートの内側に延伸部が設置され、延伸部が弾性体であり、延伸部において給気弁密封シートから離れる一端が延伸部の遠端であり、この遠端が径方向において外への突出頭を有し、この突出頭は、給気弁芯体の内孔を貫通して給気弁芯体の係止孔内に位置し、給気弁芯体の内孔より大きいことを特徴とする請求項4に記載の給気装置。 【請求項8】 排気弁基体に排気弁コネクタが設置され、給気弁基体に排気弁コネクタに対応して給気弁コネクタが配設され、排気弁コネクタと給気弁コネクタとが差込式で接続されることを特徴とする請求項3に記載の給気装置。 【請求項9】 前記排気バルブ装置が排気弁基体を含み、排気弁基体内に排気弁貫通孔が設置され、排気弁貫通孔に排気弁円環が設置され、排気弁円環が少なくとも2本の排気弁支持ストリップを介して排気弁貫通孔の孔壁に接続され、排気弁基体、排気弁円環、排気弁支持ストリップが一体となっており、 排気弁芯体が排気弁円環の内孔を貫通し、排気弁芯体が排気弁円環の内孔において軸方向に可動であり、排気弁芯体の外端に径方向において排気弁円環の内孔よりも大きくかつ外へ向く環状突起が設置され、排気弁芯体の内端に排気弁突出蓋が接続され、排気弁突出蓋が排気弁円環の内孔より大きく、排気弁円環が環状突起と排気弁突出蓋との間に位置し、排気弁突出蓋と排気弁円環との間に排気弁バネが設置され、排気弁芯体の内端が排気弁バネを貫通し、排気弁芯体の外端が弁体の外界を向き、排気弁芯体の内端が弁体の腔体を向くことを特徴とする請求項1に記載の給気装置。 【請求項10】 排気弁芯体の外端に排気弁密封シートが接続され、排気弁貫通孔の外端に環状斜面が設置され、この環状斜面の形状と大きさが排気弁密封シートの形状と大きさにマッチングし、前記排気弁バネにより排気弁密封シートと環状斜面とを緊密に接触させて、排気弁貫通孔を密封することができることを特徴とする請求項9に記載の給気装置。 【請求項11】 前記給気バルブ装置が給気弁基体を含み、給気弁基体内に給気弁貫通孔が設置され、給気弁貫通孔に給気弁円環が設置され、給気弁円環が少なくとも2本の給気弁支持ストリップを介して給気弁貫通孔の孔壁に接続され、給気弁基体、給気弁円環、給気弁支持ストリップが一体となっており、 給気弁芯体が給気弁円環の内孔を貫通し、給気弁芯体が給気弁円環の内孔において軸方向に可動であり、給気弁芯体の外端に径方向において給気弁円環の内孔よりも大きくかつ外へ向く環状突起が設置され、給気弁芯体の内端に給気弁突出蓋が接続され、給気弁突出蓋が給気弁円環の内孔より大きく、給気弁円環が環状突起と給気弁突出蓋との間に位置し、給気弁突出蓋と給気弁円環との間に給気弁バネが設置され、給気弁芯体の内端が給気弁バネを貫通し、給気弁芯体の外端が弁体の腔体を向き、給気弁芯体の内端が弁体の外界を向くことを特徴とする請求項1に記載の給気装置。 【請求項12】 給気弁芯体の外端に給気弁密封シートが接続され、給気弁貫通孔の外端に環状斜面が設置され、この環状斜面の形状と大きさが給気弁密封シートの形状と大きさにマッチングし、前記給気弁バネにより給気弁密封シートと環状斜面とを緊密に接触させて、給気弁貫通孔を密封し、給気弁貫通孔の外端が弁体の腔体に向き、給気弁貫通孔の内端が弁体外界に向くことを特徴とする請求項11に記載の給気装置。 【請求項13】 排気バルブ装置は排気弁密封シートを含み、排気弁密封シートは移動して排気口を開くことができ、給気バルブ装置は給気弁密封シートを含み、給気弁密封シートは移動して給気口を開くことができ、給気弁密封シートは移動して排気弁密封シートを押して移動させることができることを特徴とする請求項1に記載の給気装置。 【請求項14】 排気バルブ装置は排気弁基体を含み、排気弁基体内に排気口と腔体を連通する排気弁貫通孔が設置され、排気弁基体に排気弁密封機構が設置され、排気弁密封機構は排気弁貫通孔に対して移動して排気口を密封するか又は開くことができ、給気バルブ装置は給気弁基体をさらに含み、給気弁基体内に給気口と腔体を連通する給気弁貫通孔が設置され、給気弁基体に給気弁密封機構が設置され、給気弁密封機構は給気弁貫通孔に対して移動して給気口を密封するか又は開くことができ、給気弁密封機構は移動して排気弁密封機構を移動させることができることを特徴とする請求項1に記載の給気装置。 【請求項15】 排気弁密封機構は排気弁密封シートを有し、排気弁密封シートは排気弁貫通孔に対して移動して排気口を密封するか又は開くことができ、給気弁密封機構は給気弁密封シートを有し、給気弁密封シートは給気弁貫通孔に対して移動して給気口を密封するか又は開くことができ、給気弁密封シートは移動して排気弁密封シートを移動させることができることを特徴とする請求項14に記載の給気装置。」 第3 両当事者の主張及び証拠方法 1 請求人の主張の概要及び証拠方法 (1)請求人の主張の概要 本件審判請求の趣旨は、「特許第6763050号の特許を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求める。」というものであり、請求人が主張する無効理由は、審判請求書の第7ページの「理由の要点」、第8ページの「(3)特許無効審判請求の根拠」、第34ページの「(5)結語」の記載などからみて、概略、以下のとおりである。 ア 本件特許1、13について 本件特許発明1、13は、本件特許の優先日前に外国において頒布された刊行物である甲第1号証(以下「甲1」という。甲第2号証等についても、同様に「甲2」等という。)に記載された発明であるから、特許法第29条第1項の規定により特許を受けることができないものである。 また、仮に本件特許発明1、13が、甲1に記載された発明でないとしても、本件特許発明1、13は、甲1に記載された発明に基づいて、当業者が優先日前に容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。 したがって、本件特許1、13は、特許法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。 イ 本件特許2~5、9~12、14、15について 本件特許発明2~5、9~12、14、15は、甲1に記載された発明及び甲3に記載された事項に基づいて、当業者が優先日前に容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。 したがって、本件特許2~5、9~12、14、15は、特許法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。 ウ 本件特許6、7について 本件特許発明6、7は、甲1に記載された発明、甲3に記載された事項及び甲6に記載された事項に基づいて、当業者が優先日前に容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。 したがって、本件特許6、7は、特許法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。 エ 本件特許8について 本件特許発明8は、甲1に記載された発明、甲3に記載された事項及び甲8に記載された事項に基づいて、当業者が優先日前に容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。 したがって、本件特許8は、特許法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。 (2)請求人の提出した証拠方法 請求人が提出した証拠方法は、以下のとおりである。 甲1:中国実用新案登録第201241813号公報 甲2:中国実用新案登録第201241813号公報 部分日本語訳 甲3:中国実用新案登録第202746683号公報 甲4:中国実用新案登録第202746683号公報 部分日本語訳 甲5:中国実用新案登録第202746683号公報 日本語機械翻訳文 甲6:中国実用新案登録第201772115号公報 甲7:中国実用新案登録第201772115号公報 日本語機械翻訳文 甲8:中国実用新案登録第2475178号公報 甲9:中国実用新案登録第2475178号公報 日本語機械翻訳文 甲10:中国特許第104279137号公報 甲11:中国特許第107002651号公報 甲12:中国特許第104279137号公報 部分日本語訳 甲13:中国特許第107002651号公報 部分日本語訳 甲14:中国特許第104279137号に対する部分無効審決書データ 甲15:中国特許第104279137号に対する全部無効審決書データ 甲16:中国特許第107002651号に対する無効審判請求書データ 甲17:中国特許第104279137号に対する部分無効審決書日本語機械翻訳文 甲18:中国特許第104279137号に対する全部無効審決書日本語機械翻訳文 甲19:中国特許第107002651号に対する無効審判請求書日本語機械翻訳文 甲20:中国特許第104279137号に対する全部無効審決書部分日本語訳 甲21:中国特許第107002651号に対する無効審判請求書部分日本語訳 甲22:米国特許出願公開第2011/0293454号明細書 甲23:中国実用新案登録第201277162号公報 甲24:米国特許第7640945号公報 甲25:中国実用新案登録第201818469号公報 甲26:中国実用新案登録第201041864号公報 甲27:中国実用新案登録第2215151号公報 甲28:米国特許出願公開第2008/0047612号明細書 甲29:実願昭59-11316号(実開昭60-125961号)のマイクロフィルム 甲30:台湾特許出願公開第201433275号公報 甲31:中国実用新案登録第201241813号公報 校正済み日本語機械翻訳文 甲32:中国特許第104279137号公報 日本語機械翻訳文 甲33:中国特許第107002651号公報 日本語機械翻訳文 甲34:中国特許第107002651号に対する無効審判受領書データ 甲35:中国実用新案登録第201241813号公報 全文日本語訳 2 被請求人の主張の概要及び証拠方法 被請求人は、前記第1に示したとおり、答弁書を提出しなかった。 第4 甲号証に記載された事項及び発明 1 甲1 (1)甲1の記載 甲1には、次の事項が記載されている。なお、以下の当審訳は、甲1の全文日本語訳として提出された甲35を基に、当審で作成したものである。 ア 「 [図:0001434908000001.jpg] 」(第4ページ第2行~第4行)[当審訳:技術分野 本実用新案は、給排気装置に関し、特に、空気袋に給気及び排気させることができる給排気装置に関する。] イ 「 [図:0001434908000002.jpg] [図:0001434908000003.jpg] [図:0001434908000004.jpg] 」(第6ページ第1行~第7ページ第8行)[当審訳:具体的な実施形態 本実用新案の選択された実施形態の構造を示す図1、図2を参照されたい。 以下、本実用新案に係る「空気袋給排気装置」の実施例について説明するが、その特徴は以下の通りである。 上ダイヤフラム1の片面に外凸円弧状の上押圧部11を設け、前記上ダイヤフラム1の他方の面には、円形の第1座部12が突出して形成されている。前記第1座部12の底面は、テーパ状の第1収容空間13を有する。該第1収容空間13の上面には、第1貫通孔14が設けられている。第1座部12の他方の側には、第1貫通孔14を囲むフランジ15が設けられている。 下ダイヤフラム2は上ダイヤフラム1と組み合わされる。本実施形態では、上ダイヤフラム1と下ダイヤフラム2はPU材料で作られており、柔軟性を有し、両方に高周波技術が使用されて結合する。下ダイヤフラム2の片側には、外側に凸の円弧状の下押圧部21が設けられている。該上、下押圧部11、21の間に空気室22が形成されており、下ダイヤフラム2の他方側の表面には円形の第2座部23が凸設されており、第2座部23の上部は、第1収容空間13と対向するように凹んで第1の溝24を形成しており、第1座部12は第1の溝24に組み付けられ、第2座部23の底部は凹んで第2の溝25を形成しており、第2の溝25の上面の中央付近から第1の溝24に向かってテーパ状の第2収容空間26が開口しており、第2収容空間26は第2貫通孔261を有している。下ダイヤフラム2の第1の溝24と空気室22との間には空気流路27が形成されており、第2座部23の下端には第2の溝25を覆う蓋体28が設けられており、前記蓋体28は開口部281を有する。 これら二つの間には、弾性弁体31、32が上下に配置されており、本実施形態においては二つの弁体31、32は弾性材料で形成されており、各弁体31、32は円周状の基部311、321を有し、それらの頂部の中央付近は外側に向かって先細りの円形の円弧部312、322を形成している。前記円弧部312、322の頂部はその周りに円形状の凸部313、323を形成し、各弁体31、32の基部311、321の底部は円弧部312、322内に凹んでいて円形の収容空間314、324を形成し、各弁体31、32の円弧部312、322の底縁には通常は三つの通気孔である少なくとも一つの通気孔315、325が開口している。 前記上方に配置される弁体31の基部311、円弧部312及び凸部313は、それぞれ前記第1の溝24、第1収容空間13及び第1貫通孔14に配置され、前記下方に配置される弁体32の基部321、円弧部322及び凸部323は、それぞれ第2の溝25、第2収容空間26及び第1の溝24に配置される。かつ上述した下方に配置される弁体31(当審注:「弁体32」の誤記と認められる。)の基部311(当審注:「基部321」の誤記と認められる。)の底縁は蓋体28の内面に接触し、前記下方に配置される弁体32の凸部323は前記第2貫通孔261を通過して上方の弁体31の収容空間314に配置され、前記収容空間314の上面との間に隙間326を形成する。 本実施例においては、上述の各弁体31、32の円弧部312、322は、第1及び第2収容空間13、26に一致する形状に形成され、かつ上方に配置される弁体31の凸部313は、上ダイヤフラム1の第1貫通孔14を通過して出る。] ウ 「 [図:0001434908000005.jpg] 」(第7ページ第9行~第18行)[当審訳:給気使用時は図3を参照して、上下の押圧部11、21を押圧すると、空気室22内の空気が圧迫を受けて空気流路27、第1の溝24、上方の弁体31の通気孔315、第2貫通孔261、第2収容空間26、第2の溝25、前記下方の弁体32の通気孔325、及び前記蓋体28の開口281を順に通過し、袋体4の給気領域41に進入する。 以上のことから図4を参照して、前記上下の押圧部11、21に対する圧力を緩和すると、外部大気圧が空気室22内部の圧力よりも高くなり、弁体31は弾性材料で作られているため、外部の空気が第1貫通孔14、第1の溝24、及び前記空気流路27を通って空気室22内に進入する。すなわち、上下の押圧部11、21を連続的に押圧、弛緩させることによって、袋体4の給気効果を達成することができる。] エ 「 [図:0001434908000006.jpg] 」(第7ページ第19行~第26行)[当審訳:反対に、袋体4内の空気を放出したい場合には、図5を参照して、上方の弁体31の凸部313を押し下げ、前記凸部313が位置する第1貫通孔14を押し下げる。形成された開放状態では、袋体4の給気領域41内の空気は、蓋体28の開口281、第2の溝25、下方の弁体32の通気孔325、第2収容空間26、第2貫通孔261、第1の溝24、上方の弁体31の通気孔315、第1収容空間13及び第1貫通孔14を順次通過して、外界に排出される。 このほか、本実用新案の前記第1貫通孔14を囲む環状フランジ15により、弁体31の凸部313との誤接触を防止することができ、不必要な排気状態発生を回避できる。] オ 図1~図5には、次の事項が図示されている。 [図:0001434908000007.jpg] [図:0001434908000008.jpg] [図:0001434908000009.jpg] [図:0001434908000010.jpg] [図:0001434908000011.jpg] カ 前記イ及び前記オの図2によると、空気袋給排気装置は、上押圧部11が設けられるとともに、第1座部12が突出して形成されている上ダイヤフラム1と、前記上ダイヤフラム1と組み合わされ、下押圧部21が設けられるとともに、第2座部23が凸設されている下ダイヤフラム2と、前記第2座部23の下端に設けられ、開口部281を有する蓋体28を含むことが把握できる。 キ 前記イ及び前記オの図2によると、上押圧部11及び下押圧部21の間に空気室22が形成されることが把握できる。 ク 前記イ及び前記オの図2によると、第1座部12の底面にテーパ状の第1収容空間13を有し、前記第1収容空間13の上面に、第1貫通孔14が設けられ、前記第1収容空間13及び前記第1貫通孔14には、弾性材料で形成されている弁体31の円弧部312及び凸部313がそれぞれ配置されることが把握できる。 さらに、前記イ及び前記オの図1、図2によると、第2座部23についても、第1座部12と同様の構成を備えていると解されるから、第2座部23の底面にテーパ状の第2収容空間26を有し、前記第2収容空間26の上面に、第2貫通孔261が設けられ、前記第2収容空間26及び前記第2貫通孔261には、弾性材料で形成されている弁体32の円弧部322及び凸部323がそれぞれ配置されることが把握できる。 ケ 前記イ及び前記オの図1、図2によると、第2座部23の上部は、第1収容空間13と対向するように凹んで第1の溝24を形成しており、第1座部12は第1の溝24に組み付けられ、下ダイヤフラム2の第1の溝24と空気室22との間には空気流路27が形成されていることが把握できる。 コ 前記イによると、弁体31、32が上下に配置されることが把握でき、前記オの図3、図4によると、弁体31、32は、それぞれ上下方向に移動することが看取できる。 サ 前記イ及び前記オの図1によると、通気孔315、325は、弁体31、32の円周状の基部311、321に開口しているといえる。そして、弾性材料で形成されている弁体31、32は、通気孔315、325が開口している円周状の基部311、321と、前記基部311、321の頂部の中央付近に形成された外側に向かって先細りの円形の円弧部312、322と、前記円弧部312、322の頂部に形成された円形状の凸部313、323を有していることが把握でき、また、上方に配置される弁体31の基部311は、第1の溝24に配置され、下方に配置される弁体32の基部321は、第2座部23の底部に凹んで形成された第2の溝25に配置されていることが把握できる。 シ 前記エ及び前記オの図2、図5によると、上方の弁体31の凸部313を押し下げて形成された開放状態では、袋体4の給気領域41内の空気が、蓋体28の開口281、第2の溝25、下方の弁体32の通気孔325、第2収容空間26、第2貫通孔261、第1の溝24、上方の弁体31の通気孔315、第1収容空間13及び第1貫通孔14を順次通過して、外界に排出されることが把握できる。 ス 前記イ及び前記オの図2によると、弁体31の円弧部312は、第1収容空間13に一致する形状に形成され、弁体32の円弧部322は、第2収容空間26に一致する形状に形成されていることが把握できる。 セ 前記ウ及び前記オの図3、図4によると、弾性材料で形成されている弁体31、32の基部311、321が変形して、第1貫通孔14及び第1収容空間13、又は第2貫通孔261及び第2収容空間26を空気が通過することが把握できる。 (2)甲1に記載された発明 甲1の前記(1)ア~セの記載及び図面の図示内容を総合すると、甲1には、次の発明(以下「甲1-1発明」、「甲1-2発明」という。)が記載されていると認められる。 ア 甲1-1発明 「上押圧部11が設けられるとともに、第1座部12が突出して形成されている上ダイヤフラム1と、前記上ダイヤフラム1と組み合わされ、下押圧部21が設けられるとともに、第2座部23が凸設されている下ダイヤフラム2と、前記第2座部23の下端に設けられ、開口部281を有する蓋体28を含み、前記上押圧部11及び前記下押圧部21の間に空気室22が形成され、前記第1座部12の底面にテーパ状の第1収容空間13を有し、前記第1収容空間13の上面に、第1貫通孔14が設けられ、前記第1収容空間13及び前記第1貫通孔14には、弾性材料で形成されている弁体31の円弧部312及び凸部313がそれぞれ配置され、前記第2座部23の底面にテーパ状の第2収容空間26を有し、前記第2収容空間26の上面に、第2貫通孔261が設けられ、前記第2収容空間26及び前記第2貫通孔261には、弾性材料で形成されている弁体32の円弧部322及び凸部323がそれぞれ配置され、前記第2座部23の上部は、前記第1収容空間13と対向するように凹んで第1の溝24を形成しており、前記第1座部12は前記第1の溝24に組み付けられ、前記下ダイヤフラム2の前記第1の溝24と前記空気室22との間には空気流路27が形成され、 弾性材料で形成されている前記弁体31、32は、上下に配置され、それぞれ上下方向に移動し、通気孔315、325が開口している円周状の基部311、321と、前記基部311、321の頂部の中央付近に形成された外側に向かって先細りの円形の前記円弧部312、322と、前記円弧部312、322の頂部に形成された円形状の前記凸部313、323を有し、上方に配置される前記弁体31の前記基部311は、前記第1の溝24に配置され、下方に配置される前記弁体32の前記基部321は、前記第2座部23の底部に凹んで形成された第2の溝25に配置され、 上方の前記弁体31の凸部313を押し下げて形成された開放状態では、袋体4の給気領域41内の空気が、前記蓋体28の前記開口281、前記第2の溝25、下方の前記弁体32の前記通気孔325、前記第2収容空間26、前記第2貫通孔261、前記第1の溝24、上方の前記弁体31の前記通気孔315、前記第1収容空間13及び前記第1貫通孔14を順次通過して、外界に排出される空気袋給排気装置。」 イ 甲1-2発明 「前記弁体31の前記円弧部312は、前記第1収容空間13に一致する形状に形成され、前記弁体32の前記円弧部322は、前記第2収容空間26に一致する形状に形成され、 弾性材料で形成されている前記弁体31、32の基部311、321が変形して、前記第1貫通孔14及び前記第1収容空間13、又は前記第2貫通孔261及び前記第2収容空間26を空気が通過する甲1-1発明の空気袋給排気装置。」 2 甲3 (1)甲3の記載 甲3には、次の事項が記載されている。なお、以下の当審訳は、甲3の部分日本語訳として提出された甲4、及び甲3の日本語機械翻訳文として提出された甲5を基に、当審で作成したものである。 ア 「 [図:0001434908000012.jpg] 」[当審訳:技術分野 [0001]本実用新案は空気を入れる必要がある装置上の注入バルブに関する。 背景技術 [0002]比較的に大型の空気を入れる必要がある機器はエアベッド、空気充填船にいずれも注入バルブを設ける。普通の注入バルブは、ハウジングを含み、ハウジング内に動作環境と連通する作動室と、外部と連通した吸気チャンバを有し、作動室と吸気チャンバとの間は、弁口を介して互いに連通し、弁口位置に一方向空気充填弁コアアセンブリが設けられ、該一方向空気充填弁コアアセンブリは空気が吸気チャンバから作動室に入ることのみを許容する。] イ 「 [図:0001434908000013.jpg] 」[当審訳:[0025]注入バルブは、バルブケース1を含み、バルブケース1の横断面は階段状であり、バルブケース1内に上気室11及び下気室12を有し、上気室11の外径は下気室12の外径より小さく、上気室11と下気室12との間は弁口13を介して互いに連通し、バルブケース1内に段付き貫通孔を有し、段付き貫通孔の小孔部は上気室11を形成し、段付き貫通孔の大孔部は前記下気室12を形成し、段付き貫通孔の小孔部と大孔部との境界位置に前記弁口13が形成される。上気室11はガス充填装置(気筒又は空気ポンプ)又は外部と連通し、下気室12はガス充填を必要とする装置(空気入れ風帆)の内部と連通し、上気室11の外周はまた押さえカバー10をねじ接続する。] ウ 「 [図:0001434908000014.jpg] 」[当審訳:[0026]バルブケース1に上気室11を遮蔽することができるキャップ2が接続されていて、キャップ2は接続片9を介してバルブケース1と一体に接続され、接続片9の一端はキャップ2に固定され、キャップ2は上気室11の外周にねじ接続される。接続片9の他端は上気室11の外周面に嵌設されて押さえカバー10の上方に位置する。バルブケース1の外部段面15上に滑り止めストライプ16が成形され、押さえカバー10の下方にクッションパッド17が設けられ、クッションパッドの下面に滑り止めストライプ171が成形される。] エ 「 [図:0001434908000015.jpg] 」[当審訳:[0027]弁口13の位置にガス充填逆止弁コアアセンブリが設けられ、ガス充填逆止弁コアアセンブリはステム5を含み、弁口13の内壁に交差して設置される接続リブ14が成形され、ステム5は接続リブ14の交差接続部に可動的に穿設され、ステム5の上端にストッパカバー6が固定され、バネ4はストッパカバー6と接続リブの交差位置との間に支持され、ステム5の下端に棚板7が接続されていて、且つステム5の底面と棚板7との間に弁口13を遮蔽可能な可撓性材料で製造されるガスケット8が設けられ、棚板7及びガスケット8は下気室12内に位置し、棚板7の外周は外へ延伸して円周に沿って間隔を置いて設置される挿入部71を有する。] オ 「 [図:0001434908000016.jpg] [図:0001434908000017.jpg] 」[当審訳:[0031]図2、3に示すように、通常状態で、ガス充填逆止弁コアアセンブリがバネ4の作用で弁口13を閉じることを保持し、空気漏れを防止する。 [0032]空気入れの時は、ガス充填装置のガス充填ノズルが上気室の外周に接続され、ガス充填装置がステム5を押し下げてガスケット8を作動させ、弁口13を開き、ガスは弁口13を通過して下気室12に入り、空気入れを完成する。 [0033]図5に示すように、排気する時は、ステム5を押し下げ、且つ時計回りに回転させ、ステム5は、棚板7を時計回りに限界位置まで回転させ、すなわち、棚板7の挿入部71が時計回りに第2リブ3bに隣接したときに手を放して、バネ4の作用で、ステム5が上昇し、棚板7が第1リブ3a上に配置され、弁口13が開いたままになり、排気操作は便利である。] カ 図3、図4、図6には、次の事項が図示されている。 [図:0001434908000018.jpg] [図:0001434908000019.jpg] [図:0001434908000020.jpg] キ 前記エ及び前記カの図6によると、弁口13の内壁に交差して設置される接続リブ14の交差接続部は、円環状となっており、前記イ及び前記カの図3及び図4も踏まえると、段付き貫通孔の小孔部である上気室11に、円環状の交差接続部が設置され、円環状の交差接続部が6本の接続リブ14を介して段付き貫通孔の内壁に接続され、バルブケース1、円環状の交差接続部、接続リブ14が一体となっていることが把握できる。 ク 前記エ及び前記カの図3、図4、図6によると、ステム5が円環状の交差接続部の孔を貫通し、該孔に沿って軸方向に可動であること、ステム5の下端に円環状の交差接続部の孔より径の大きい底面があること、ステム5の上端にストッパカバー6が固定され、ストッパカバー6の径が円環状の交差接続部の孔より大きいこと、円環状の交差接続部がステム5の底面とストッパカバー6との間に位置すること、ストッパカバー6と円環状の交差接続部との間にバネ4が支持され、ステム5の上端がバネ4を貫通していることが把握できる。 ケ 前記イによると、バルブケース1内の段付き貫通孔の小孔部と大孔部との境界位置に弁口13が形成されており、前記カの図3、図4によると、弁口13のガスケット8と対向する部分は斜面となっていることが看取できる。そして、前記エによると、ガスケット8は、弁口13を遮蔽可能なものであるから、前記斜面が環状斜面であることは、技術的にみて明らかである。 したがって、前記イ、エ、オ及び前記カの図3、図4によると、ステム5の底面とステム5の下端に接続された棚板7との間に可撓性材料で製造されるガスケット8が設けられ、バルブケース1内の段付き貫通孔の小孔部と大孔部との境界位置に形成された弁口13のガスケット8と対向する部分は環状斜面となっており、バネ4の作用でガスケット8が弁口13を遮蔽可能としていることが把握できる。 (2)甲3に記載された事項 甲3の前記(1)ア~ケの記載及び図面の図示内容を総合すると、甲3には、次の事項が記載されていると認められる。 「バルブケース1を含み、前記バルブケース1内に段付き貫通孔を有し、前記段付き貫通孔の小孔部である上気室11に、円環状の交差接続部が設置され、前記円環状の交差接続部が6本の接続リブ14を介して前記段付き貫通孔の内壁に接続され、前記バルブケース1、前記円環状の交差接続部、前記接続リブ14が一体となっており、 ステム5が前記円環状の交差接続部の孔を貫通し、前記ステム5が前記孔に沿って軸方向に可動であり、前記ステム5の下端に前記円環状の交差接続部の前記孔より径の大きい底面があり、前記ステム5の上端にストッパカバー6が固定され、前記ストッパカバー6の径が前記円環状の交差接続部の前記孔より大きく、前記円環状の交差接続部が前記ステム5の底面と前記ストッパカバー6との間に位置し、前記ストッパカバー6と前記円環状の交差接続部との間にバネ4が支持され、前記ステム5の上端が前記バネ4を貫通し、 前記ステム5の前記底面と前記ステム5の下端に接続された棚板7との間に可撓性材料で製造されるガスケット8が設けられ、前記バルブケース1内の前記段付き貫通孔の前記小孔部と大孔部との境界位置に形成された弁口13の前記ガスケット8と対向する部分は環状斜面となっており、前記バネ4の作用で前記ガスケット8が前記弁口13を遮蔽可能としている注入バルブ。」 3 甲6 甲6には、次の事項が記載されている。なお、以下の当審訳は、甲6の日本語機械翻訳文として提出された甲7を基に、当審で作成したものである。 (1)「 [図:0001434908000021.jpg] 」[当審訳:所属技術分野 [0001]本実用新案は、注入バルブに関し、特に素早くガス充放出する空気弁である。] (2)「 [図:0001434908000022.jpg] 」[当審訳:[0021]図1に示すように、本実用新案は弁座1、弁板2、弁体3、バネ4と底蓋5から組成する。弁座1の底部中央には、弁板差込穴11を設定して、その外側には数個の通気穴12を設け、2つの通気穴12の間にそれぞれ上向きに抜け止めほぞ13が凸設され、弁座1の上部に係止リング14が設けられ、弁座1の底部外側端縁に環状の溶着シート15が設けられて気泡化製品と溶接して、溶着シート15の片側にひも16が延出し、ひも16の他端にカバー17が設けられ、カバー17の反対側にはプルヘッド172が設けられる。弁板2はキノコ形状に設けられ、その中央に嵌合柱21が設けられる。弁体3の中央に気柱31が設けられ、外側端縁にバネ係止リング32が設けられる。底蓋5の底面に複数の貫通孔52が設けられ、底部中央に上向きに弁板突き上げピン53が凸設される。 [0022]図2に示すように、本実用新案が組み立てられる時、弁体3は係止リング14内に嵌合する。 [0023]図3に示すように、弁板2の中央に設けられる嵌合柱21は弁座1の底部の弁板差込穴11内に嵌合する、これにより、弁板2を嵌め込み且つ下方から通気穴12を封止する。バネ4は弁体3の外側端縁のバネ係止リング32の外壁に嵌め込まれ、且つ弁座1の底部に当接される。係止リング14の内側に制限リブ141が設けられ、バネ係止リング32の上端は、制限リブ141の下方に係止され、弁体3の滑り出しを防止することができる。空気入れの時は直接口で気柱31から吹き込むことができ、通気穴12を経て弁板2を押し開くだけで充填することができ、同じく膨張型管を気柱31に嵌めることができて、その他の方式を用いて充填できる。弁体3の下端は数本のガス放出針33が設けられ、弁体3を下に押して、ガス放出針33が弁板2に当接するとガス放出できる。] (3)図1、図3、図4には、次の事項が図示されている。 [図:0001434908000023.jpg] [図:0001434908000024.jpg] [図:0001434908000025.jpg] 4 甲8 甲8には、次の事項が記載されている。なお、以下の当審訳は、甲8の日本語機械翻訳文として提出された甲9を基に、当審で作成したものである。 (1)「 [図:0001434908000026.jpg] 」(説明書第1ページ下から14行~下から13行)[当審訳:本実用新案は、組み立てが容易で、接着強度が高く、様々な外観を有する電源コードソケットシェルを提供することを目的としている。] (2)「 [図:0001434908000027.jpg] 」(説明書第2ページ11行~30行)[当審訳:図4から図7を参照すると、本実用新案の電源コードソケットシェルは、主に、複数のジャックソケット4を取り付けることができる下部ベース本体2と、上部カバー本体3とを備えている。下部ベース本体2は、四周縁に枠状の延出構造21が設けられた底板であり、延出構造21は上方に開口する嵌め込み溝211と外側被覆体212とを備え、適切な数の長手方向に突出するガード片22を備える。係合部23は、ガード片22の上部に凸状に形成されており、外面が傾斜している。上部カバー本体3は、下側に開口した蓋状体であり、その下端面31が下部ベース本体2の延出構造21の嵌め込み溝211に挿入可能となっており、その側面には係合部23が係止されて位置決めするための貫通孔32がガード片22に対応して設けられている。外側被覆体212は、上部カバー本体3の外周と一体化できるように、下から上に向かって先細りの円弧状の表面を呈している。上部カバー本体3には、複数の立設されたガイドポスト35が設けられており、下部ベース本体2の対応する位置には、ガイドポスト35が係止可能なガイドポストベース24が設けられている。ガイドポスト35は、ガイドポストベース24の内孔に挿入され、下部ベース本体2の下端面から突出する。 上記の構造に基づいて、本実用新案の上部カバー本体3は、ソケットシェルのほぼ全高さであり、中央に隙間や接合面がなく、そのカバー形状の本体構造は、既存の上部の構造よりも優れている。また、下部ベース本体2のガード片22は内側に向けて弾性を有しており、係合部23の外面は傾斜面となっており、係合を迅速にガイドすることができる。係合部23を上部カバー本体3の貫通孔32に係合させて、ソケットハウジングに迅速に組み付けることができる。図7に示すように、上部カバー本体3は、下部ベース本体2上に組み付けられると、その下端面31が下部ベース本体2の外周の延出構造21の嵌め込み溝211に埋設され、その下端面31が下部ベース本体2の周囲に形成される。下端接合面は外側被覆体212となっており、全体の外観を美しくするとともに、上部カバー本体3をしっかりと位置決めすることができる。したがって、本実用新案は、ねじを使用することなく、上部カバー本体3と下部ベース本体2を迅速に組み立てることができ、組み立てられたソケットシェルの側面は、美観を損なうことなく、非常に完成度が高く、ガイドポスト35が下部ベース本体2を貫通し、接合強度を高めることができるだけでなく、突出面351を足台として利用することもできる。] (3)図5、図6、図7には、次の事項が図示されている。 [図:0001434908000028.jpg] [図:0001434908000029.jpg] [図:0001434908000030.jpg] 第5 無効理由についての判断 1 本件特許発明1について (1)対比 本件特許発明1と甲1-1発明とを対比する。 ア 甲1-1発明の「上ダイヤフラム1」に設けられた「上押圧部11」及び「下ダイヤフラム2」に設けられた「下押圧部21」は、「前記上押圧部11及び前記下押圧部21の間に空気室22が形成され」るものであるから、本件特許発明1の「ガス袋」に相当するものを形成しているといえる。 イ 甲1-1発明の「上ダイヤフラム1」の「上押圧部11」を除いた部分には、「第1座部12」が形成され、「下ダイヤフラム2」の「下押圧部21」を除いた部分には、「第2座部23」及び「空気流路27」が形成されており、「下ダイヤフラム2」の「第2座部23」の上部に形成された「第1の溝24」に、「上ダイヤフラム1」の「第1座部12」が組み付けられ、「下ダイヤフラム2」の「第1の溝24」と、「空気室22」との間に「空気流路27」が形成されている。さらに、「第2座部23」の下端に「蓋体28」が設けられるともに、「第2座部23」の第2収容空間26及び第2貫通孔261には、「弁体32」が配置され、「第1座部12」の第1収容空間13及び第1貫通孔14には、「弁体31」が配置されている。以上によると、甲1-1発明の「上ダイヤフラム1」の「上押圧部11」を除いた部分、「下ダイヤフラム2」の「下押圧部21」を除いた部分は、「蓋体28」、「弁体32」及び「弁体31」とともに、本件特許発明1の「弁体」に相当するものを形成しているといえる。 ウ 甲1-1発明の「第1座部12」の「第1収容空間13」及び「第1貫通孔14」は、空気袋給排気装置により給気する際、該空気袋給排気装置に空気を給気する側に設けられた孔であるから、本件特許発明1の「給気口」に相当し、甲1-1発明の「第2座部23」の「第2収容空間26」及び「第2貫通孔261」は、前記とは逆に排気する側に設けられた孔であるから、本件特許発明1の「排気口」に相当する。さらに、甲1-1発明の「第1の溝24」は、本件特許発明1の「腔体」に相当し、甲1-1発明の「空気流路27」は、第1の溝24と空気室22との間に形成されるものであるから、両者と連通するものといえ、本件特許発明1の「腔体と連通し」、「ガス袋と連通」する「貯気腔」に相当する。 さらに、前記イに示したように、甲1-1発明において、「下ダイヤフラム2」の「第2座部23」の上部に形成された「第1の溝24」に、「上ダイヤフラム1」の「第1座部12」が組み付けられていることからみて、甲1-1発明の「第1座部12」の「第1収容空間13」及び「第1貫通孔14」と、「第2座部23」の「第2収容空間26」及び「第2貫通孔261」とは、「第1の溝24」を介して連通しているといえ、甲1-1発明のこれらの構成は、本件特許発明1の「給気口、排気口が弁体の腔体を介して連通」することに相当する。 エ 甲1-1発明の「弁体31」は、空気を給気する側に設けられた弁の可動部材であるから、本件特許発明1の「給気バルブ装置」と、給気バルブ装置に係る少なくとも一部の部材である点において共通し、甲1-1発明の「前記第1座部12の底面にテーパ状の第1収容空間13を有し、前記第1収容空間13の上面に、第1貫通孔14が設けられ、前記第1収容空間13及び前記第1貫通孔14には、弾性材料で形成されている弁体31の円弧部312及び凸部313がそれぞれ配置され」ることは、本件特許発明1の「給気口内に給気バルブ装置が設置され」ることと、給気口内に給気バルブ装置に係る少なくとも一部の部材が設置される点において共通する。 オ 甲1-1発明の「弁体32」は、空気を排気する側に設けられた弁の可動部材であるから、本件特許発明1の「排気バルブ装置」と、排気バルブ装置に係る少なくとも一部の部材である点において共通し、甲1-1発明の「前記第2座部23の底面にテーパ状の第2収容空間26を有し、前記第2収容空間26の上面に、第2貫通孔261が設けられ、前記第2収容空間26及び前記第2貫通孔261には、弾性材料で形成されている弁体32の円弧部322及び凸部323がそれぞれ配置され」ることは、本件特許発明1の「排気口内に排気バルブ装置が設置され」ることと、排気口内に排気バルブ装置に係る少なくとも一部の部材が設置される点において共通する。 カ 甲1-1発明の「上押圧部11が設けられるとともに、第1座部12が突出して形成されている上ダイヤフラム1と、前記上ダイヤフラム1と組み合わされ、下押圧部21が設けられるとともに、第2座部23が凸設されている下ダイヤフラム2と」を含み、「前記上押圧部11及び前記下押圧部21の間に空気室22が形成され」ることは、「第2座部23」の第2収容空間26及び第2貫通孔261に、「弁体32」が配置され、「第1座部12」の第1収容空間13及び第1貫通孔14に、「弁体31」が配置され、「前記弁体31、32は、上下に配置され、それぞれ上下方向に移動」すること、及び前記第4 1(1)オの図2等の記載を踏まえると、空気室22が、第2収容空間26及び第2貫通孔261の軸線、並びに第1収容空間13及び第1貫通孔14の軸線の横に位置するものといえるから、本件特許発明1の「ガス袋が、排気口の中軸線及び給気口の中軸線の傍に位置して」いることに相当する。 キ 甲1-1発明の「上方の前記弁体31の凸部313を押し下げて形成された開放状態」は、袋体4の給気領域41内の空気が外界に排出される状態であるから、本件特許発明1の「ガスを放出するとき」に相当する。また、甲1-1発明の「上方の前記弁体31の凸部313を押し下げて形成された開放状態」は、弁体31が押し下げられて、第1収容空間13及び第1貫通孔14、並びに第2収容空間26及び第2貫通孔261を、空気が通過している状態であり、この時、前記第4 1(1)オの図5の記載を踏まえると、弁体31の移動により、弁体32が移動していることは明らかであるから、本件特許発明1の「給気バルブ装置は操作可能に移動して給気口を開き、かつ給気バルブ装置の移動により排気バルブ装置を駆動して排気口を開」いた状態と、給気バルブ装置に係る少なくとも一部の部材は操作可能に移動して給気口を開き、かつ給気バルブ装置に係る少なくとも一部の部材の移動により排気バルブ装置に係る少なくとも一部の部材を駆動して排気口を開いた状態である点において共通する。さらに、甲1-1発明の「袋体4の給気領域41内の空気が、前記蓋体28の前記開口281、前記第2の溝25、下方の前記弁体32の前記通気孔325、前記第2収容空間26、前記第2貫通孔261、前記第1の溝24、上方の前記弁体31の前記通気孔315、前記第1収容空間13及び前記第1貫通孔14を順次通過して、外界に排出される」ことは、袋体4の給気領域41内の空気が、第2収容空間26及び第2貫通孔261から、空気室22を通らずに、第1収容空間13及び第1貫通孔14を通って、外界に排出されているといえるから、本件特許発明1の「物体内の気体が、排気口から、ガス袋を経由せずに、給気口を通って外界へ放出される」ことに相当する。 ク 甲1-1発明の「空気袋給排気装置」は、本件特許発明1の「給気装置」に相当する。 ケ そうすると、本件特許発明1と甲1-1発明とは、次の一致点1で一致し、相違点1で相違する。 <一致点1> 「弁体、ガス袋を含み、弁体に給気口、排気口、貯気腔が設置され、給気口内に給気バルブ装置に係る少なくとも一部の部材が設置され、排気口内に排気バルブ装置に係る少なくとも一部の部材が設置され、貯気腔がガス袋と連通し、給気口、排気口が弁体の腔体を介して連通し、貯気腔が腔体と連通し、 ガス袋が、排気口の中軸線及び給気口の中軸線の傍に位置しており、 ガスを放出するとき、給気バルブ装置に係る少なくとも一部の部材は操作可能に移動して給気口を開き、かつ給気バルブ装置に係る少なくとも一部の部材の移動により排気バルブ装置に係る少なくとも一部の部材を駆動して排気口を開き、物体内の気体が、排気口から、ガス袋を経由せずに、給気口を通って外界へ放出される給気装置。」 <相違点1> 本件特許発明1は、給気口内に「給気バルブ装置」が設置され、排気口内に「排気バルブ装置」が設置され、「給気バルブ装置」は操作可能に移動して給気口を開き、かつ「給気バルブ装置」の移動により「排気バルブ装置」を駆動して排気口を開くのに対し、甲1-1発明は、第1収容空間13及び第1貫通孔14に弾性材料で形成されている弁体31が配置されているものの、給気バルブ装置が配置されているとはいえず、第2収容空間26及び第2貫通孔261に弾性材料で形成されている弁体32が配置されているものの、排気バルブ装置が配置されているとはいえず、そのため、前記のように、給気口及び排気口を開いているとはいえない点。 (2)判断 ア 相違点についての検討 <相違点1>は、実質的な相違点といえるから、以下、<相違点1>の容易想到性について、検討する。 (ア)甲1-1発明は、第1座部12の第1収容空間13及び第1貫通孔14に、弾性材料で形成されている弁体31を配置し、また、第2座部23の第2収容空間26及び第2貫通孔261に、弾性材料で形成されている弁体32を配置したものである。 (イ)ここで、甲1-1発明の第1座部12は、前記第4 1(1)オの図2等の記載を踏まえると、弁体31等を備えた装置のケースとして機能するものであり、ケースに、第1収容空間13及び第1貫通孔14、つまり給気口を設置したものといえるが、ケースに設置した給気口内に可動部材のみを設置し、該可動部材により給気口を直接、開閉するか、前記給気口内に給気口と同軸の貫通孔が設けられた基体、及び前記貫通孔を開閉する可動部材とからなるバルブ装置を設置し、該可動部材によりバルブ装置内の貫通孔を開閉するかは、製造、組立ての利便性等を考慮の上、当業者が任意に選択し得る事項である。 同様に、甲1-1発明の第2座部23は、前記第4 1(1)オの図2等の記載を踏まえると、弁体32等を備えた装置のケースとして機能するものであり、ケースに、第2収容空間26及び第2貫通孔261、つまり排気口を設置したものといえるが、ケースに設置した排気口内に可動部材のみを設置し、該可動部材により排気口を直接、開閉するか、前記排気口内に排気口と同軸の貫通孔が設けられた基体、及び前記貫通孔を開閉する可動部材とからなるバルブ装置を設置し、該可動部材によりバルブ装置内の貫通孔を開閉するかは、製造、組立ての利便性等を考慮の上、当業者が任意に選択し得る事項である。 (ウ)以上によると、甲1-1発明において、第1収容空間13及び第1貫通孔14内、並びに第2収容空間26及び第2貫通孔261内に、これらと同軸の貫通孔が設けられた基体、及び前記貫通孔を開閉する可動部材とからなるバルブ装置を設置することは、当業者が容易に想到し得たものである。この時、甲1-1発明において、第1収容空間13及び第1貫通孔14内に「給気バルブ装置」が設置され、第2収容空間26及び第2貫通孔261内に「排気バルブ装置」が設置されることになるから、本件特許発明1と同様に、「給気バルブ装置」が操作可能に移動して第1収容空間13及び第1貫通孔14を開き、かつ「給気バルブ装置」の移動により「排気バルブ装置」を駆動して第2収容空間26及び第2貫通孔261を開くことになると解される。 (エ)したがって、甲1-1発明において、本件特許発明1の前記相違点1に係る発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。 イ 作用効果について 本件特許発明1の作用効果は、本件特許の明細書の段落【0022】、【0023】の記載によると、「電気を使わず、かつ口で吹く必要がなく、手で絶え間がなく押圧すれば、気体を給気製品に入れることができ、操作が便利であり、清潔で衛生である」、「体積が小さく、携帯に利便である。操作が電源を使わない」、「構造が簡単であり、体積が小さい。ガス放出操作も容易、簡単である」ことと解されるが、該作用効果は、甲1-1発明から当業者が予測できる範囲のものである。 (3)まとめ したがって、本件特許発明1は、甲1に記載された発明ではない。しかしながら、本件特許発明1は、甲1-1発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 2 本件特許発明2について (1)対比 ア 本件特許発明2と甲1-2発明とを対比すると、前記1(1)に示した本件特許発明1と甲1-1発明との対比と同様のことがいえる。 イ さらに、甲1-2発明の「下方に配置される前記弁体32」は、空気袋給排気装置により給気する際、該空気袋給排気装置から空気を排気する側に設けられた弁の可動部材であるから、本件特許発明2の「排気弁芯体」と、排気側の弁の可動部材である点で共通する。また、甲1-2発明の「弁体32は」「上下方向に移動」することは、前記第4 1(1)オの図2、図3、図4の記載を踏まえると、第2収容空間26及び第2貫通孔261に沿って移動することといえるから、本件特許発明2の「前記排気弁芯体は排気弁貫通孔に沿って移動可能である」ことと、排気側の弁の可動部材は排気用の貫通孔に沿って移動可能である点において共通する。 ウ そうすると、本件特許発明2と甲1-2発明とは、前記一致点1の他、次の一致点2で一致し、前記相違点1の他、次の相違点2で相違する。 <一致点2> 「排気側の弁の可動部材は排気用の貫通孔に沿って移動可能である」こと。 <相違点2> 本件特許発明2は、「前記排気バルブ装置が排気弁基体を含み、排気弁基体内に排気弁貫通孔が設置され、前記排気弁基体上に排気弁芯体が取り付けられ」、「前記排気弁芯体」は「排気弁貫通孔」に沿って移動可能であるのに対し、甲1-2発明は、第2収容空間26及び第2貫通孔261に配置された弁体32が上下方向に移動するものの、前記のような排気バルブ装置を備えているとはいえない点。 (2)判断 ア 相違点についての検討 <相違点1>については、前記1(2)アにおいて、検討したとおりである。次に、<相違点2>について、検討する。 (ア)まず、前記1(2)ア(イ)に示したように、甲1-2発明の第2収容空間26及び第2貫通孔261、つまり排気口内に、可動部材のみを設置し、該可動部材により排気口を直接、開閉するか、排気口内に、排気口と同軸の貫通孔が設けられた基体、及び前記貫通孔を開閉する可動部材とからなるバルブ装置を設置し、該可動部材によりバルブ装置内の貫通孔を開閉するかは、製造、組立ての利便性等を考慮の上、当業者が任意に選択し得る事項である。 (イ)また、甲1-2発明は、弾性材料で形成されている弁体31、32が、上下に配置され、それぞれ上下方向に移動し、第1貫通孔14及び第1収容空間13、又は第2貫通孔261及び第2収容空間26を空気が通過するものであり、甲1の第7ページ第9行~第24行(前記第4 1(1)ウ及びエ)の記載によると、通常(袋体4内の空気を放出する時以外)、第1貫通孔14及び第1収容空間13、又は第2貫通孔261及び第2収容空間26には、上から下に向かってのみ、空気が通過するものと解され、弁体31及び弁体32は、逆止弁を構成するものである。 (ウ)そして、このような逆止弁の具体的な構成は、本件特許に係る出願の優先日前から、種々のものが知られており、当業者が、所望のものを選択し、採用し得るものであるところ、甲3には、前記第4 2(2)に示した注入バルブが記載されている。ここで、甲3に記載された事項によると、段付き貫通孔の内壁に接続リブ14を介して円環状の交差接続部が接続され、該円環状の交差接続部にバネ4により、ストッパカバー6が支持され、該ストッパカバー6は、ステム5の上端に固定されるものであるから、ステム5は、ストッパカバー6、バネ4、円環状の交差接続部、接続リブ14を介して、段付き貫通孔の内壁に取り付けられているといえる。そして、甲3に記載された事項の「ステム5」は、本件特許発明2の「芯体」に対応するものといえ、また、甲3に記載された「注入バルブ」は、その機能、構成からみて逆止弁であることは明らかである。すると、甲3には、逆止弁の具体的な構成として、芯体が、貫通孔の内壁に取り付けられることが記載されているといえる。 (エ)以上によると、甲1-2発明において、第2収容空間26及び第2貫通孔261内に、これらと同軸の貫通孔が設けられた基体、及び前記貫通孔を開閉する可動部材とからなるバルブ装置を設置するとともに、弁体32等の構成に、甲3に記載された逆止弁に係る前記構成を採用することは、当業者が容易に想到し得たものである。この時、甲1-2発明の弁体32等の構成に、貫通孔が設置された基体、及び貫通孔の内壁に取り付けられた芯体が備えられることになるから、甲1-2発明において、「排気バルブ装置が排気弁基体を含み、排気弁基体内に排気弁貫通孔が設置され、前記排気弁基体上に排気弁芯体が取り付けられ」、「前記排気弁芯体」は「排気弁貫通孔」に沿って移動可能であるという構成を備えることになる。 (オ)したがって、甲1-2発明において、甲3に記載された事項を適用し、本件特許発明2の前記相違点2に係る発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。 イ 作用効果について 本件特許発明2の作用効果は、甲1-2発明及び甲3に記載された事項から当業者が予測できる範囲のものである。 (3)まとめ したがって、本件特許発明2は、甲1-2発明及び甲3に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 3 本件特許発明3について (1)対比 ア 本件特許発明3と甲1-2発明とを対比すると、前記1(1)に示した本件特許発明1と甲1-1発明との対比、及び前記2(1)に示した本件特許発明2と甲1-2発明との対比と同様のことがいえる。 イ さらに、甲1-2発明の「上方に配置される前記弁体31」は、空気袋給排気装置により給気する際、該空気袋給排気装置に空気を給気する側に設けられた弁の可動部材であるから、本件特許発明3の「給気弁芯体」と、給気側の弁の可動部材である点で共通する。また、甲1-2発明の「弁体31」は「上下方向に移動」することは、前記第4 1(1)オの図2、図3、図4の記載を踏まえると、第1収容空間13及び第1貫通孔14に沿って移動することといえるから、本件特許発明3の「前記給気弁芯体は給気弁貫通孔に沿って移動可能である」ことと、給気側の弁の可動部材は給気用の貫通孔に沿って移動可能である点において共通する。 ウ 甲1-2発明の「上方の前記弁体31の凸部313を押し下げて形成された開放状態では、袋体4の給気領域41内の空気が、前記蓋体28の前記開口281、前記第2の溝25、下方の前記弁体32の前記通気孔325、前記第2収容空間26、前記第2貫通孔261、前記第1の溝24、上方の前記弁体31の前記通気孔315、前記第1収容空間13及び前記第1貫通孔14を順次通過して、外界に排出され」ることは、前記第4 1(1)オの図5の記載を踏まえると、弁体31の移動により、弁体32が押されて移動し、第2収容空間26及び第2貫通孔261を開いていることは明らかであるから、本件特許発明3の「前記給気弁芯体の移動により前記排気弁芯体が押されて移動し、排気口を開くこと」と、給気側の弁の可動部材の移動により排気側の弁の可動部材が押されて移動し、排気口を開く点において共通する。 エ そうすると、本件特許発明3と甲1-2発明とは、前記一致点1及び一致点2の他、次の一致点3で一致し、前記相違点1及び相違点2の他、次の相違点3で相違する。 <一致点3> 「給気側の弁の可動部材は給気用の貫通孔に沿って移動可能であり、前記給気側の弁の可動部材の移動により前記排気側の弁の可動部材が押されて移動し、排気口を開く」こと。 <相違点3> 本件特許発明3は、「前記給気弁基体上に給気弁芯体が取り付けられ」、「前記給気弁芯体」は「給気弁貫通孔」に沿って移動可能であり、「前記給気弁芯体」の移動により「前記排気弁芯体」が押されて移動し、排気口を開くのに対し、甲1-2発明は、第1収容空間13及び第1貫通孔14に配置された弁体31が上下方向に移動するものの、前記のような構成を備えているとはいえない点。 (2)判断 ア 相違点についての検討 <相違点1>及び<相違点2>については、前記1(2)ア、及び前記2(2)アにおいて、検討したとおりである。次に、<相違点3>について、検討する。 (ア)まず、前記1(2)ア(イ)に示したように、甲1-2発明の第1収容空間13及び第1貫通孔14、つまり給気口内に、可動部材のみを設置し、該可動部材により給気口を直接、開閉するか、給気口内に、給気口と同軸の貫通孔が設けられた基体、及び前記貫通孔を開閉する可動部材とからなるバルブ装置を設置し、該可動部材によりバルブ装置内の貫通孔を開閉するかは、製造、組立ての利便性等を考慮の上、当業者が任意に選択し得る事項である。 (イ)また、前記2(2)ア(イ)に示したように、甲1-2発明の弁体31及び弁体32は、逆止弁を構成するものである。 (ウ)そして、このような逆止弁の具体的な構成は、本件特許に係る出願の優先日前から、種々のものが知られており、当業者が、所望のものを選択し、採用し得るものであるところ、甲3には、前記2(2)ア(ウ)に示したように、逆止弁の具体的な構成として、芯体が、貫通孔の内壁に取り付けられることが記載されているといえる。 (エ)以上によると、甲1-2発明において、第1収容空間13及び第1貫通孔14内に、これらと同軸の貫通孔が設けられた基体、及び前記貫通孔を開閉する可動部材とからなるバルブ装置を設置するとともに、弁体31、弁体32等の構成に、甲3に記載された逆止弁に係る前記構成を採用することは、当業者が容易に想到し得たものである。この時、甲1-2発明の弁体31等の構成に、貫通孔が設置された基体、貫通孔の内壁に取り付けられた芯体が備えられ、弁体32等の構成に、芯体が備えられることになるから、甲1-2発明において、「前記給気弁基体上に給気弁芯体が取り付けられ」、「前記給気弁芯体」は「給気弁貫通孔」に沿って移動可能であり、「前記給気弁芯体」の移動により「前記排気弁芯体」が押されて移動し、排気口を開くという構成を備えることになる。 (オ)したがって、甲1-2発明において、甲3に記載された事項を適用し、本件特許発明3の前記相違点3に係る発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。 イ 作用効果について 本件特許発明3の作用効果は、甲1-2発明及び甲3に記載された事項から当業者が予測できる範囲のものである。 (3)まとめ したがって、本件特許発明3は、甲1-2発明及び甲3に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 4 本件特許発明4について (1)対比 ア 本件特許発明4と甲1-2発明とを対比すると、前記1(1)に示した本件特許発明1と甲1-1発明との対比、前記2(1)に示した本件特許発明2と甲1-2発明との対比及び前記3(1)に示した本件特許発明3と甲1-2発明との対比と同様のことがいえる。 イ さらに、甲1-2発明の「前記弁体31の前記円弧部312は、前記第1収容空間13に一致する形状に形成され、前記弁体32の前記円弧部322は、前記第2収容空間26に一致する形状に形成され」ることは、弁体31の円弧部312又は弁体32の円弧部322により、第1収容空間13及びその上面に設けられた第1貫通孔14、又は第2収容空間26及びその上面に設けられた第2貫通孔261を密封しているものと解されるから、本件特許発明4の「前記給気バルブ装置は、前記給気口を密封するための給気弁密封シートをさらに含み」、「前記排気バルブ装置は、前記排気口を密封するための排気弁密封シートをさらに含」むことと、給気バルブ装置に係る少なくとも一部の部材は、給気口を密封するための給気弁密封部材をさらに含み、排気バルブ装置に係る少なくとも一部の部材は、排気口を密封するための排気弁密封部材をさらに含む点において共通する。 ウ 甲1-2発明の「弾性材料で形成されている前記弁体31、32の基部311、321が変形して、前記第1貫通孔14及び前記第1収容空間13、又は前記第2貫通孔261及び前記第2収容空間26を空気が通過する」ことは、弁体31の前記変形により、円弧部312が移動して、第1貫通孔14及び第1収容空間13を開き、弁体32の前記変形により、円弧部322が移動して、第2貫通孔261及び第2収容空間26を開いていることは明らかであるから、本件特許発明4の「前記給気弁密封シートは前記給気弁芯体と一緒に移動して前記給気口を開き」、「前記排気弁密封シートは前記排気弁芯体と一緒に移動して前記排気口を開くことができる」ことと、給気弁密封部材が移動して給気口を開き、排気弁密封部材が移動して排気口を開くことができる点において共通する。 エ そうすると、本件特許発明4と甲1-2発明とは、前記一致点1、一致点2及び一致点3の他、次の一致点4で一致し、前記相違点1、相違点2及び相違点3の他、次の相違点4で相違する。 <一致点4> 「前記給気バルブ装置に係る少なくとも一部の部材は、前記給気口を密封するための給気弁密封部材をさらに含み、前記給気弁密封部材が移動して前記給気口を開き、前記排気バルブ装置に係る少なくとも一部の部材は、前記排気口を密封するための排気弁密封部材をさらに含み、前記排気弁密封部材が移動して排気口を開くことができる」こと。 <相違点4> 本件特許発明4は、「前記給気バルブ装置」が、「給気弁密封シート」をさらに含み、「前記給気弁密封シートは前記給気弁芯体と一緒に」移動して給気口を開き、「前記排気バルブ装置」が、「排気弁密封シート」をさらに含み、「前記排気弁密封シートは前記排気弁芯体と一緒に」移動して排気口を開くことができるのに対し、甲1-2発明は、第1収容空間13及び第1貫通孔14に給気バルブ装置が配置されているとはいえず、第2収容空間26及び第2貫通孔261に排気バルブ装置が配置されているとはいえず、また、弁体31が、第1収容空間13に一致する形状に形成された円弧部312を有し、弁体32が、第2収容空間26に一致する形状に形成された円弧部322を有するものの、それぞれ密封シートを含んでいるとはいえず、さらに、該密封シートが芯体と一緒に移動しているともいえない点。 (2)判断 ア 相違点についての検討 <相違点1>、<相違点2>及び<相違点3>については、前記1(2)ア、前記2(2)ア、及び前記3(2)アにおいて、検討したとおりである。次に、<相違点4>について、検討する。 (ア)まず、前記1(2)ア(イ)に示したように、甲1-2発明の第1収容空間13及び第1貫通孔14、つまり給気口内や、第2収容空間26及び第2貫通孔261、つまり排気口内に、可動部材のみを設置し、該可動部材により給気口や排気口を直接、開閉するか、給気口内や排気口内に、給気口や排気口と同軸の貫通孔が設けられた基体、及び前記貫通孔を開閉する可動部材とからなるバルブ装置を設置し、該可動部材によりバルブ装置内の貫通孔を開閉するかは、製造、組立ての利便性等を考慮の上、当業者が任意に選択し得る事項である。 (イ)また、前記2(2)ア(イ)に示したように、甲1-2発明の弁体31及び弁体32は、逆止弁を構成するものである。 (ウ)そして、このような逆止弁の具体的な構成は、本件特許に係る出願の優先日前から、種々のものが知られており、当業者が、所望のものを選択し、採用し得るものであるところ、甲3には、前記第4 2(2)に示した注入バルブが記載されている。ここで、甲3に記載された事項によると、ステム5の底面とステム5の下端に接続された棚板7との間に可撓性材料で製造されるガスケット8が設けられ、バネ4の作用でガスケット8が弁口13を遮蔽可能としているから、可撓性材料で製造されるガスケット8が、ステム5と一緒に移動して、弁口13を開閉していることは明らかである。そして、甲3に記載された事項の「可撓性材料で製造されるガスケット8」及び「ステム5」は、本件特許発明4の「密封シート」及び「芯体」に対応するものといえ、また、甲3に記載された「注入バルブ」は、その機能、構成からみて逆止弁であることは明らかである。すると、甲3には、逆止弁の具体的な構成として、密封シートが芯体と一緒に移動して、弁口を開くことが記載されているといえる。 (エ)以上によると、甲1-2発明において、第1収容空間13及び第1貫通孔14内、並びに第2収容空間26及び第2貫通孔261内に、これらと同軸の貫通孔が設けられた基体、及び前記貫通孔を開閉する可動部材とからなるバルブ装置を設置するとともに、弁体31、弁体32等の構成に、甲3に記載された逆止弁に係る前記構成を採用することは、当業者が容易に想到し得たものである。 (オ)したがって、甲1-2発明において、甲3に記載された事項を適用し、本件特許発明4の前記相違点4に係る発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。 イ 作用効果について 本件特許発明4の作用効果は、甲1-2発明及び甲3に記載された事項から当業者が予測できる範囲のものである。 (3)まとめ したがって、本件特許発明4は、甲1-2発明及び甲3に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 5 本件特許発明5について (1)対比 ア 本件特許発明5と甲1-2発明とを対比すると、前記1(1)に示した本件特許発明1と甲1-1発明との対比、前記2(1)に示した本件特許発明2と甲1-2発明との対比、前記3(1)に示した本件特許発明3と甲1-2発明との対比及び前記4(1)に示した本件特許発明4と甲1-2発明との対比と同様のことがいえる。 イ さらに、甲1-2発明の「弾性材料で形成されている前記弁体31、32は、上下に配置され、それぞれ上下方向に移動」することは、前記第4 1(1)オの図2等の記載を踏まえると、本件特許発明5の「前記排気弁貫通孔、前記給気弁貫通孔の軸線が同軸であ」ることと、排気用の貫通孔、給気用の貫通孔の軸線が同軸である点において共通する。 ウ 甲1-2発明の「上方の前記弁体31の凸部313を押し下げて形成された開放状態」にすることは、弁体31の円弧部312及び凸部313が、第1収容空間13及び第1貫通孔14にそれぞれ配置された状態から、前記第1収容空間13と対向するように凹んで形成されている第1の溝24の方に、弁体31が押された状態にすることであると解され、この時、前記第4 1(1)オの図5の記載を踏まえると、弁体31が弁体32を押していることは明らかであるから、本件特許発明5の「給気弁貫通孔から弁体の腔体方へ給気弁芯体を押す時に、給気弁芯体が給気弁密封シートを介して排気弁芯体を押」すことと、給気用の貫通孔から弁体の腔体方へ給気側の弁の可動部材を押す時に、給気側の弁の可動部材が排気側の弁の可動部材を押す点において共通する。 エ 甲1-2発明の「袋体4の給気領域41内の空気が、前記蓋体28の前記開口281、前記第2の溝25、下方の前記弁体32の前記通気孔325、前記第2収容空間26、前記第2貫通孔261、前記第1の溝24、上方の前記弁体31の前記通気孔315、前記第1収容空間13及び前記第1貫通孔14を順次通過して、外界に排出される」ことは、本件特許発明5の「排気口を開くことができる」ことに相当する。 オ そうすると、本件特許発明5と甲1-2発明とは、前記一致点1、一致点2、一致点3及び一致点4の他、次の一致点5で一致し、前記相違点1、相違点2、相違点3及び相違点4の他、次の相違点5で相違する。 <一致点5> 「排気用の貫通孔、給気用の貫通孔の軸線が同軸であり、給気用の貫通孔から弁体の腔体方へ給気側の弁の可動部材を押す時に、給気側の弁の可動部材が排気側の弁の可動部材を押し、排気口を開くことができる」こと。 <相違点5> 本件特許発明5は、「前記排気弁貫通孔」、「前記給気弁貫通孔」の軸線が同軸であり、「給気弁貫通孔」から弁体の腔体方へ「給気弁芯体」を押す時に、「給気弁芯体」が「給気弁密封シートを介して」「排気弁芯体」を押すのに対し、甲1-2発明は、基体内に設置された「排気弁貫通孔」、「給気弁貫通孔」を備えるものでなく、また、弁体31が「給気弁芯体」及び「給気弁密封シート」を備えるものでなく、弁体32が「排気弁芯体」を備えるものでないため、前記のような同軸であるとはいえず、また、前記のように押されているとはいえない点。 (2)判断 ア 相違点についての検討 <相違点1>、<相違点2>、<相違点3>及び<相違点4>については、前記1(2)ア、前記2(2)ア、前記3(2)ア、及び前記4(2)アにおいて、検討したとおりである。次に、<相違点5>について、検討する。 (ア)まず、前記1(2)ア(イ)に示したように、甲1-2発明の第1収容空間13及び第1貫通孔14、つまり給気口内や、第2収容空間26及び第2貫通孔261、つまり排気口内に、可動部材のみを設置し、該可動部材により給気口や排気口を直接、開閉するか、給気口内や排気口内に、給気口や排気口と同軸の貫通孔が設けられた基体、及び前記貫通孔を開閉する可動部材とからなるバルブ装置を設置し、該可動部材によりバルブ装置内の貫通孔を開閉するかは、製造、組立ての利便性等を考慮の上、当業者が任意に選択し得る事項であるから、甲1-2発明において、第1収容空間13及び第1貫通孔14内、並びに第2収容空間26及び第2貫通孔261内に、これらと同軸の貫通孔が設けられた基体、及び前記貫通孔を開閉する可動部材とからなるバルブ装置を設置することに格別の困難性はない。 (イ)また、前記2(2)ア(ウ)及び(エ)に示したように、甲1-2発明の弁体32等の構成に、甲3に記載された逆止弁に係る構成を採用し、「排気弁芯体」を備えることは、当業者が容易に想到し得たものである。同様に、前記3(2)ア(ウ)及び(エ)、並びに前記4(2)ア(ウ)及び(エ)に示したように、甲1-2発明の弁体31等の構成に、甲3に記載された逆止弁に係る構成を採用し、「給気弁芯体」及び「給気弁密封シート」を備えることは、当業者が容易に想到し得たものである。 (ウ)以上によると、甲1-2発明の第2収容空間26及び第2貫通孔261と同軸の貫通孔、並びに第1収容空間13及び第1貫通孔14と同軸の貫通孔が、基体に設けられることにより、「排気弁貫通孔」、「給気弁貫通孔」を備えることになり、これらの軸線は同軸といえる。また、甲1-2発明の弁体31が「給気弁芯体」及び「給気弁密封シート」を備え、弁体32が「排気弁芯体」を備えることにより、甲1-2発明において、「給気弁貫通孔」から押し下げて、第1の溝24(腔体)の方へ「給気弁芯体」を押す時に、「給気弁芯体」が「給気弁密封シートを介して」「排気弁芯体」を押すことになるといえる。 (エ)したがって、甲1-2発明において、甲3に記載された事項を適用し、本件特許発明5の前記相違点5に係る発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。 イ 作用効果について 本件特許発明5の作用効果は、甲1-2発明及び甲3に記載された事項から当業者が予測できる範囲のものである。 (3)まとめ したがって、本件特許発明5は、甲1-2発明及び甲3に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 6 本件特許発明6について (1)対比 ア 本件特許発明6と甲1-2発明とを対比すると、前記1(1)に示した本件特許発明1と甲1-1発明との対比、前記2(1)に示した本件特許発明2と甲1-2発明との対比、前記3(1)に示した本件特許発明3と甲1-2発明との対比及び前記4(1)に示した本件特許発明4と甲1-2発明との対比と同様のことがいえる。 イ そうすると、本件特許発明6と甲1-2発明とは、前記一致点1、一致点2、一致点3及び一致点4で一致し、前記相違点1、相違点2、相違点3及び相違点4の他、次の相違点6で相違する。 <相違点6> 本件特許発明6は、「排気弁密封シートの内側に延伸部が設置され、延伸部が弾性体であり、延伸部において排気弁密封シートから離れる一端が延伸部の遠端であり、この遠端が径方向において外への突出頭を有し、この突出頭は、排気弁芯体の内孔を貫通して排気弁芯体の係止孔内に位置し、排気弁芯体の内孔より大きい」のに対し、甲1-2発明は、弾性材料で形成されている弁体32に円弧部322が形成されているものの、密封シートが係止されているものではない点。 (2)判断 ア 相違点についての検討 <相違点1>、<相違点2>、<相違点3>及び<相違点4>については、前記1(2)ア、前記2(2)ア、前記3(2)ア、及び前記4(2)アにおいて、検討したとおりである。次に、<相違点6>について、検討する。 (ア)甲6には、前記第4 3(1)~(3)によると、キノコ形状の弁板2の中央に嵌合柱21を設け、該嵌合柱21を、弁座1の弁板差込穴11内に嵌合することが記載されており、前記第4 3(3)の図1、図3、図4によると、該弁板2及び嵌合柱21は、密封シートの内側に延伸部が設置され、延伸部において密封シートから離れる一端が遠端であり、この遠端が径方向において外への突出頭を有し、この突出頭は、弁板差込穴11を貫通し、弁板差込穴11よりも大きいものであるといえる。また、嵌合柱21が、弁座1の弁板差込穴11内に嵌合するものであることを踏まえると、該嵌合柱21、つまり延伸部を弾性体で構成することが示唆されているといえる。 (イ)そして、前記2(2)ア(ウ)及び(エ)、並びに前記4(2)ア(ウ)及び(エ)に示したように、甲1-2発明の弁体32等の構成に、甲3に記載された逆止弁に係る構成を採用し、「排気弁密封シート」及び「排気弁芯体」を備えることは、当業者が容易に想到し得たものであり、その際、「排気弁密封シート」及び「排気弁芯体」の接続の態様は任意といえ、甲6に記載された事項にならって構成することに格別の困難性はない。 (ウ)したがって、甲1-2発明において、甲3に記載された事項及び甲6に記載された事項を適用し、本件特許発明6の前記相違点6に係る発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。 イ 作用効果について 本件特許発明6の作用効果は、甲1-2発明、甲3に記載された事項及び甲6に記載された事項から当業者が予測できる範囲のものである。 (3)まとめ したがって、本件特許発明6は、甲1-2発明、甲3に記載された事項及び甲6に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 7 本件特許発明7について (1)対比 ア 本件特許発明7と甲1-2発明とを対比すると、前記1(1)に示した本件特許発明1と甲1-1発明との対比、前記2(1)に示した本件特許発明2と甲1-2発明との対比、前記3(1)に示した本件特許発明3と甲1-2発明との対比及び前記4(1)に示した本件特許発明4と甲1-2発明との対比と同様のことがいえる。 イ そうすると、本件特許発明7と甲1-2発明とは、前記一致点1、一致点2、一致点3及び一致点4で一致し、前記相違点1、相違点2、相違点3及び相違点4の他、次の相違点7で相違する。 <相違点7> 本件特許発明7は、「給気弁密封シートの内側に延伸部が設置され、延伸部が弾性体であり、延伸部において給気弁密封シートから離れる一端が延伸部の遠端であり、この遠端が径方向において外への突出頭を有し、この突出頭は、給気弁芯体の内孔を貫通して給気弁芯体の係止孔内に位置し、給気弁芯体の内孔より大きい」のに対し、甲1-2発明は、弾性材料で形成されている弁体31に円弧部312が形成されているものの、密封シートが係止されているものではない点。 (2)判断 ア 相違点についての検討 <相違点1>、<相違点2>、<相違点3>及び<相違点4>については、前記1(2)ア、前記2(2)ア、前記3(2)ア、及び前記4(2)アにおいて、検討したとおりである。次に、<相違点7>について、検討する。 (ア)甲6には、前記第4 3(1)~(3)によると、キノコ形状の弁板2の中央に嵌合柱21を設け、該嵌合柱21を、弁座1の弁板差込穴11内に嵌合することが記載されており、前記第4 3(3)の図1、図3、図4によると、該弁板2及び嵌合柱21は、密封シートの内側に延伸部が設置され、延伸部において密封シートから離れる一端が遠端であり、この遠端が径方向において外への突出頭を有し、この突出頭は、弁板差込穴11を貫通し、弁板差込穴11よりも大きいものであるといえる。また、嵌合柱21が、弁座1の弁板差込穴11内に嵌合するものであることを踏まえると、該嵌合柱21、つまり延伸部を弾性体で構成することが示唆されているといえる。 (イ)そして、前記3(2)ア(ウ)及び(エ)、並びに前記4(2)ア(ウ)及び(エ)に示したように、甲1-2発明の弁体31等の構成に、甲3に記載された逆止弁に係る構成を採用し、「給気弁密封シート」及び「給気弁芯体」を備えることは、当業者が容易に想到し得たものであり、その際、「給気弁密封シート」及び「給気弁芯体」の接続の態様は任意といえ、甲6に記載された事項にならって構成することに格別の困難性はない。 (ウ)したがって、甲1-2発明において、甲3に記載された事項及び甲6に記載された事項を適用し、本件特許発明7の前記相違点7に係る発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。 イ 作用効果について 本件特許発明7の作用効果は、甲1-2発明、甲3に記載された事項及び甲6に記載された事項から当業者が予測できる範囲のものである。 (3)まとめ したがって、本件特許発明7は、甲1-2発明、甲3に記載された事項及び甲6に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 8 本件特許発明8について (1)対比 ア 本件特許発明8と甲1-2発明とを対比すると、前記1(1)に示した本件特許発明1と甲1-1発明との対比、前記2(1)に示した本件特許発明2と甲1-2発明との対比及び前記3(1)に示した本件特許発明3と甲1-2発明との対比と同様のことがいえる。 イ そうすると、本件特許発明8と甲1-2発明とは、前記一致点1、一致点2及び一致点3で一致し、前記相違点1、相違点2及び相違点3の他、次の相違点8で相違する。 <相違点8> 本件特許発明8は、「排気弁基体に排気弁コネクタが設置され、給気弁基体に排気弁コネクタに対応して給気弁コネクタが配設され、排気弁コネクタと給気弁コネクタとが差込式で接続される」のに対し、甲1-2発明は、前記のようなコネクタにより接続されているとはいえない点。 (2)判断 ア 相違点についての検討 <相違点1>、<相違点2>及び<相違点3>については、前記1(2)ア、前記2(2)ア、及び前記3(2)アにおいて、検討したとおりである。次に、<相違点8>について、検討する。 (ア)甲1-2発明は、第2座部23の上部に形成された第1の溝24に、第1座部12を組み付けるものである。 (イ)甲8には、前記第4 4(1)~(3)によると、下部ベース本体2と上部カバー本体3を、係合部23と貫通孔32との係合、及びガイドポストベース24の内孔へのガイドポスト35の挿入により、組み付けることが記載されており、これらの係合部23及び貫通孔32や、ガイドポストベース24の内孔及びガイドポスト35は、いずれも差込式で接続するためのコネクタであるといえる。 (ウ)そして、甲1-2発明の第2座部23と第1座部12とを組み付けるにあたり、具体的な組み付け手段は、当業者が、所望のものを選択し、採用し得るものであるところ、前記甲8に記載された事項に基づいて、第2座部23側及び第1座部12側に、それぞれコネクタを設置し、該コネクタを接続することは、当業者が容易に想到し得たものである。 (エ)また、前記1(2)ア(イ)に示したように、甲1-2発明の第1収容空間13及び第1貫通孔14、つまり給気口内や、第2収容空間26及び第2貫通孔261、つまり排気口内に、可動部材のみを設置し、該可動部材により給気口や排気口を直接、開閉するか、給気口内や排気口内に、給気口や排気口と同軸の貫通孔が設けられた基体、及び前記貫通孔を開閉する可動部材とからなるバルブ装置を設置し、該可動部材によりバルブ装置内の貫通孔を開閉するかは、製造、組立ての利便性等を考慮の上、当業者が任意に選択し得る事項であるから、甲1-2発明において、第1収容空間13及び第1貫通孔14内、並びに第2収容空間26及び第2貫通孔261内に、これらと同軸の貫通孔が設けられた基体、及び前記貫通孔を開閉する可動部材とからなるバルブ装置を設置し、前記コネクタを、これらの基体に設けることに格別の困難性はない。 (オ)したがって、甲1-2発明において、甲8に記載された事項を適用し、本件特許発明8の前記相違点8に係る発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。 イ 作用効果について 本件特許発明8の作用効果は、甲1-2発明、甲3に記載された事項及び甲8に記載された事項から当業者が予測できる範囲のものである。 (3)まとめ したがって、本件特許発明8は、甲1-2発明、甲3に記載された事項及び甲8に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 9 本件特許発明9について (1)対比 ア 本件特許発明9と甲1-2発明とを対比すると、前記1(1)に示した本件特許発明1と甲1-1発明との対比と同様のことがいえる。 イ さらに、甲1-2発明の「下方に配置される前記弁体32」は、空気袋給排気装置により給気する際、該空気袋給排気装置から空気を排気する側に設けられた弁の可動部材であるから、本件特許発明9の「排気弁芯体」と、排気側の弁の可動部材である点で共通する。 ウ 甲1-2発明の弁体32が「上下方向に移動」することは、本件特許発明9の「軸方向に可動であ」ることに相当する。 エ 甲1-2発明の「上」及び「下」は、本件特許発明9の「内」及び「外」に相当し、甲1-2発明の「下方に配置される前記弁体32の前記基部321は、前記第2座部23の底部に凹んで形成された第2の溝25に配置され」ることは、前記第4 1(1)オの図2等の記載を踏まえると、本件特許発明9の「排気弁芯体の外端が弁体の外界を向き、排気弁芯体の内端が弁体の腔体を向く」ことと、排気側の弁の可動部材の外端が弁体の外界を向き、排気側の弁の可動部材の内端が弁体の腔体を向く点において共通する。 オ そうすると、本件特許発明9と甲1-2発明とは、前記一致点1の他、次の一致点9で一致し、前記相違点1の他、次の相違点9で相違する。 <一致点9> 「排気側の弁の可動部材が軸方向に可動であり、排気側の弁の可動部材の外端が弁体の外界を向き、排気側の弁の可動部材の内端が弁体の腔体を向く」こと。 <相違点9> 本件特許発明9は、「前記排気バルブ装置が排気弁基体を含み、排気弁基体内に排気弁貫通孔が設置され、排気弁貫通孔に排気弁円環が設置され、排気弁円環が少なくとも2本の排気弁支持ストリップを介して排気弁貫通孔の孔壁に接続され、排気弁基体、排気弁円環、排気弁支持ストリップが一体となっており、排気弁芯体が排気弁円環の内孔を貫通し、排気弁芯体が排気弁円環の内孔において」軸方向に可動であり、「排気弁芯体の外端に径方向において排気弁円環の内孔よりも大きくかつ外へ向く環状突起が設置され、排気弁芯体の内端に排気弁突出蓋が接続され、排気弁突出蓋が排気弁円環の内孔より大きく、排気弁円環が環状突起と排気弁突出蓋との間に位置し、排気弁突出蓋と排気弁円環との間に排気弁バネが設置され、排気弁芯体の内端が排気弁バネを貫通し」、「排気弁芯体」の外端が弁体の外界を向き、「排気弁芯体」の内端が弁体の腔体を向くのに対し、甲1-2発明は、弾性材料で形成されている弁体32が前記のように構成されているとはいえない点。 (2)判断 ア 相違点についての検討 <相違点1>については、前記1(2)アにおいて、検討したとおりである。次に、<相違点9>について、検討する。 (ア)まず、前記1(2)ア(イ)に示したように、甲1-2発明の第2収容空間26及び第2貫通孔261、つまり排気口内に可動部材のみを設置し、該可動部材により排気口を直接、開閉するか、前記排気口内に排気口と同軸の貫通孔が設けられた基体、及び前記貫通孔を開閉する可動部材とからなるバルブ装置を設置し、該可動部材によりバルブ装置内の貫通孔を開閉するかは、製造、組立ての利便性等を考慮の上、当業者が任意に選択し得る事項である。 (イ)また、甲1-2発明は、弾性材料で形成されている弁体31、32が、上下に配置され、それぞれ上下方向に移動し、第1貫通孔14及び第1収容空間13、又は第2貫通孔261及び第2収容空間26を空気が通過するものであり、甲1の第7ページ第9行~第24行(前記第4 1(1)ウ及びエ)の記載によると、通常(袋体4内の空気を放出する時以外)、第1貫通孔14及び第1収容空間13、又は第2貫通孔261及び第2収容空間26には、上から下に向かってのみ、空気が通過するものと解され、弁体31及び弁体32は、逆止弁を構成するものである。 (ウ)そして、このような逆止弁の具体的な構成は、本件特許に係る出願の優先日前から、種々のものが知られており、当業者が、所望のものを選択し、採用し得るものであるところ、甲3には、前記第4 2(2)に示した注入バルブが記載されている。ここで、甲3に記載された事項の「段付き貫通孔」、「円環状の交差接続部」、「接続リブ14」、「内壁」、「ステム5」、「孔」、「下端」、「底面」、「上端」、「ストッパカバー6」及び「バネ4」は、それぞれ本件特許発明9の「貫通孔」、「円環」、「支持ストリップ」、「孔壁」、「芯体」、「内孔」、「外端」、「環状突起」、「内端」、「突出蓋」及び「バネ」に対応するものといえ、また、甲3に記載された「注入バルブ」は、その機能、構成からみて逆止弁であることは明らかである。すると、甲3には、逆止弁の具体的な構成として、「貫通孔に円環が設置され、円環が少なくとも2本の支持ストリップを介して貫通孔の孔壁に接続され、貫通孔を設置する部材、円環、支持ストリップが一体となっており、芯体が円環の内孔を貫通し、芯体が円環の内孔において軸方向に可動であり、芯体の外端に径方向において円環の内孔よりも大きくかつ外へ向く環状突起が設置され、芯体の内端に突出蓋が接続され、突出蓋が円環の内孔より大きく、円環が環状突起と突出蓋との間に位置し、突出蓋と円環との間にバネが設置され、芯体の内端がバネを貫通」することが記載されているといえる。 (エ)以上によると、甲1-2発明において、第2収容空間26及び第2貫通孔261内に、これらと同軸の貫通孔が設けられた基体、及び前記貫通孔を開閉する可動部材とからなるバルブ装置を設置するとともに、弁体32等の構成に、甲3に記載された逆止弁に係る前記構成を採用することは、当業者が容易に想到し得たものである。この時、甲1-2発明の弁体32等の構成に、芯体に対応する構成を採用することになるから、甲1-2発明において、「排気弁芯体」の外端が弁体の外界を向き、「排気弁芯体」の内端が第1の溝24(腔体)を向くことになるといえる。 (オ)したがって、甲1-2発明において、甲3に記載された事項を適用し、本件特許発明9の前記相違点9に係る発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。 イ 作用効果について 本件特許発明9の作用効果は、甲1-2発明及び甲3に記載された事項から当業者が予測できる範囲のものである。 (3)まとめ したがって、本件特許発明9は、甲1-2発明及び甲3に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 10 本件特許発明10について (1)対比 ア 本件特許発明10と甲1-2発明とを対比すると、前記1(1)に示した本件特許発明1と甲1-1発明との対比、及び前記9(1)に示した本件特許発明9と甲1-2発明との対比と同様のことがいえる。 イ さらに、甲1-2発明の「前記第2座部23の底面にテーパ状の第2収容空間26を有」することは、本件特許発明10の「排気弁貫通孔の外端に環状斜面が設置され」ることと、排気用の貫通孔の外端に環状斜面が設置される点において共通する。 ウ 甲1-2発明の「前記第2収容空間26及び前記第2貫通孔261には、弾性材料で形成されている弁体32の円弧部322及び凸部323がそれぞれ配置され」、「前記弁体32の前記円弧部322は、前記第2収容空間26に一致する形状に形成され」、「弾性材料で形成されている前記弁体31、32の基部311、321が変形して」、「前記第2貫通孔261及び前記第2収容空間26を空気が通過する」ことは、弁体32の弾性に抗して、弁体32の基部321を変形させて、第2貫通孔261及び第2収容空間26に空気を通過させるものであって、通常時は、弁体32の弾性により、円弧部322が第2収容空間26及び第2貫通孔261を密封しているものと解されるから、本件特許発明10の「この環状斜面の形状と大きさが排気弁密封シートの形状と大きさにマッチングし、前記排気弁バネにより排気弁密封シートと環状斜面とを緊密に接触させて、排気弁貫通孔を密封することができる」ことと、この環状斜面の形状と大きさが排気弁密封部材の形状と大きさにマッチングし、弾性により排気弁密封部材と環状斜面とを緊密に接触させて、排気用の貫通孔を密封することができる点において共通する。 エ そうすると、本件特許発明10と甲1-2発明とは、前記一致点1及び一致点9の他、次の一致点10で一致し、前記相違点1及び相違点9の他、次の相違点10で相違する。 <一致点10> 「排気用の貫通孔の外端に環状斜面が設置され、この環状斜面の形状と大きさが排気弁密封部材の形状と大きさにマッチングし、弾性により排気弁密封部材と環状斜面とを緊密に接触させて、排気用の貫通孔を密封することができる」こと。 <相違点10> 本件特許発明10は、「排気弁芯体の外端に排気弁密封シートが接続され」、「排気弁貫通孔」に環状斜面が設置され、この環状斜面が「排気弁密封シート」にマッチングし、「排気弁バネにより排気弁密封シート」と環状斜面とを緊密に接触させて、「排気弁貫通孔」を密封することができるのに対し、甲1-2発明は、弾性材料で形成されている弁体32に円弧部322が形成されているものの、密封シートが接続されているとはいえず、また、基体内に設置された貫通孔に環状斜面が設置されているものでなく、さらに、これらをバネにより、緊密に接触させているものではない点。 (2)判断 ア 相違点についての検討 <相違点1>及び<相違点9>については、前記1(2)ア、及び前記9(2)アにおいて、検討したとおりである。次に、<相違点10>について、検討する。 (ア)まず、前記1(2)ア(イ)に示したように、甲1-2発明の第2収容空間26及び第2貫通孔261、つまり排気口内に可動部材のみを設置し、該可動部材により排気口を直接、開閉するか、前記排気口内に排気口と同軸の貫通孔が設けられた基体、及び前記貫通孔を開閉する可動部材とからなるバルブ装置を設置し、該可動部材によりバルブ装置内の貫通孔を開閉するかは、製造、組立ての利便性等を考慮の上、当業者が任意に選択し得る事項である。 (イ)また、甲1-2発明の弁体31及び弁体32は、前記9(2)ア(イ)に示したように、逆止弁を構成するものである。 (ウ)そして、このような逆止弁の具体的な構成は、本件特許に係る出願の優先日前から、種々のものが知られており、当業者が、所望のものを選択し、採用し得るものであるところ、甲3には、前記第4 2(2)に示した注入バルブが記載されている。ここで、甲3に記載された事項の「ステム5」、「下端」、「可撓性材料で製造されるガスケット8」及び「バネ4」は、それぞれ本件特許発明10の「芯体」、「外端」、「密封シート」及び「バネ」に対応するものといえ、また、甲3に記載された「注入バルブ」は、その機能、構成からみて逆止弁であることは明らかである。すると、甲3には、逆止弁の具体的な構成として、「芯体の外端に密封シートが接続され」、環状斜面が「密封シート」にマッチングし、「バネにより密封シート」と環状斜面とを緊密に接触させることが記載されているといえる。 (エ)以上によると、甲1-2発明において、第2収容空間26及び第2貫通孔261内に、これらと同軸の貫通孔が設けられた基体、及び前記貫通孔を開閉する可動部材とからなるバルブ装置を設置するとともに、弁体32等の構成に、甲3に記載された逆止弁に係る前記構成を採用することは、当業者が容易に想到し得たものである。 (オ)したがって、甲1-2発明において、甲3に記載された事項を適用し、本件特許発明10の前記相違点10に係る発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。 イ 作用効果について 本件特許発明10の作用効果は、甲1-2発明及び甲3に記載された事項から当業者が予測できる範囲のものである。 (3)まとめ したがって、本件特許発明10は、甲1-2発明及び甲3に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 11 本件特許発明11について (1)対比 ア 本件特許発明11と甲1-2発明とを対比すると、前記1(1)に示した本件特許発明1と甲1-1発明との対比と同様のことがいえる。 イ さらに、甲1-2発明の「上方に配置される前記弁体31」は、空気袋給排気装置により給気する際、該空気袋給排気装置に空気を給気する側に設けられた弁の可動部材であるから、本件特許発明11の「給気弁芯体」と、給気側の弁の可動部材である点で共通する。 ウ 甲1-2発明の弁体31が「上下方向に移動」することは、本件特許発明11の「軸方向に可動であ」ることに相当する。 エ 甲1-2発明の「上」及び「下」は、本件特許発明11の「内」及び「外」に相当し、甲1-2発明の「上方に配置される前記弁体31の前記基部311は、前記第1の溝24に配置され」ることは、前記第4 1(1)オの図2等の記載を踏まえると、本件特許発明11の「給気弁芯体の外端が弁体の腔体を向き、給気弁芯体の内端が弁体の外界を向く」ことと、給気側の弁の可動部材の外端が弁体の腔体を向き、給気側の弁の可動部材の内端が弁体の外界を向く点において共通する。 オ そうすると、本件特許発明11と甲1-2発明とは、前記一致点1の他、次の一致点11で一致し、前記相違点1の他、次の相違点11で相違する。 <一致点11> 「給気側の弁の可動部材が軸方向に可動であり、給気側の弁の可動部材の外端が弁体の腔体を向き、給気側の弁の可動部材の内端が弁体の外界を向く」こと。 <相違点11> 本件特許発明11は、「前記給気バルブ装置が給気弁基体を含み、給気弁基体内に給気弁貫通孔が設置され、給気弁貫通孔に給気弁円環が設置され、給気弁円環が少なくとも2本の給気弁支持ストリップを介して給気弁貫通孔の孔壁に接続され、給気弁基体、給気弁円環、給気弁支持ストリップが一体となっており、給気弁芯体が給気弁円環の内孔を貫通し、給気弁芯体が給気弁円環の内孔において」軸方向に可動であり、「給気弁芯体の外端に径方向において給気弁円環の内孔よりも大きくかつ外へ向く環状突起が設置され、給気弁芯体の内端に給気弁突出蓋が接続され、給気弁突出蓋が給気弁円環の内孔より大きく、給気弁円環が環状突起と給気弁突出蓋との間に位置し、給気弁突出蓋と給気弁円環との間に給気弁バネが設置され、給気弁芯体の内端が給気弁バネを貫通し」、「給気弁芯体」の外端が弁体の腔体を向き、「給気弁芯体」の内端が弁体の外界を向くのに対し、甲1-2発明は、弾性材料で形成されている弁体31が前記のように構成されているとはいえない点。 (2)判断 ア 相違点についての検討 <相違点1>については、前記1(2)アにおいて、検討したとおりである。次に、<相違点11>について、検討する。 (ア)まず、前記1(2)ア(イ)に示したように、甲1-2発明の第1収容空間13及び第1貫通孔14、つまり給気口内に可動部材のみを設置し、該可動部材により給気口を直接、開閉するか、前記給気口内に給気口と同軸の貫通孔が設けられた基体、及び前記貫通孔を開閉する可動部材とからなるバルブ装置を設置し、該可動部材によりバルブ装置内の貫通孔を開閉するかは、製造、組立ての利便性等を考慮の上、当業者が任意に選択し得る事項である。 (イ)また、甲1-2発明の弁体31及び弁体32は、前記9(2)ア(イ)に示したように、逆止弁を構成するものである。 (ウ)そして、このような逆止弁の具体的な構成は、本件特許に係る出願の優先日前から、種々のものが知られており、当業者が、所望のものを選択し、採用し得るものであるところ、甲3には、前記9(2)ア(ウ)に示したように、逆止弁の具体的な構成として、「貫通孔に円環が設置され、円環が少なくとも2本の支持ストリップを介して貫通孔の孔壁に接続され、貫通孔を設置する部材、円環、支持ストリップが一体となっており、芯体が円環の内孔を貫通し、芯体が円環の内孔において軸方向に可動であり、芯体の外端に径方向において円環の内孔よりも大きくかつ外へ向く環状突起が設置され、芯体の内端に突出蓋が接続され、突出蓋が円環の内孔より大きく、円環が環状突起と突出蓋との間に位置し、突出蓋と円環との間にバネが設置され、芯体の内端がバネを貫通」することが記載されているといえる。 (エ)以上によると、甲1-2発明において、第1収容空間13及び第1貫通孔14内に、これらと同軸の貫通孔が設けられた基体、及び前記貫通孔を開閉する可動部材とからなるバルブ装置を設置するとともに、弁体31等の構成に、甲3に記載された逆止弁に係る前記構成を採用することは、当業者が容易に想到し得たものである。この時、甲1-2発明の弁体31等の構成に、芯体に対応する構成を採用することになるから、甲1-2発明において、「給気弁芯体」の外端が第1の溝24(腔体)を向き、「給気弁芯体」の内端が弁体の外界を向くことになるといえる。 (オ)したがって、甲1-2発明において、甲3に記載された事項を適用し、本件特許発明11の前記相違点11に係る発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。 イ 作用効果について 本件特許発明11の作用効果は、甲1-2発明及び甲3に記載された事項から当業者が予測できる範囲のものである。 (3)まとめ したがって、本件特許発明11は、甲1-2発明及び甲3に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 12 本件特許発明12について (1)対比 ア 本件特許発明12と甲1-2発明とを対比すると、前記1(1)に示した本件特許発明1と甲1-1発明との対比、及び前記11(1)に示した本件特許発明11と甲1-2発明との対比と同様のことがいえる。 イ さらに、甲1-2発明の「前記第1座部12の底面にテーパ状の第1収容空間13を有」することは、本件特許発明12の「給気弁貫通孔の外端に環状斜面が設置され」ることと、給気用の貫通孔の外端に環状斜面が設置される点において共通する。 ウ 甲1-2発明の「前記第1収容空間13及び前記第1貫通孔14には、弾性材料で形成されている弁体31の円弧部312及び凸部313がそれぞれ配置され」、「前記弁体31の前記円弧部312は、前記第1収容空間13に一致する形状に形成され」、「弾性材料で形成されている前記弁体31、32の基部311、321が変形して、前記第1貫通孔14及び前記第1収容空間13」「を空気が通過する」ことは、弁体31の弾性に抗して、弁体31の基部311を変形させて、第1貫通孔14及び第1収容空間13に空気を通過させるものであって、通常時は、弁体31の弾性により、円弧部312が第1収容空間13及び第1貫通孔14を密封しているものと解されるから、本件特許発明12の「この環状斜面の形状と大きさが給気弁密封シートの形状と大きさにマッチングし、前記給気弁バネにより給気弁密封シートと環状斜面とを緊密に接触させて、給気弁貫通孔を密封」することと、この環状斜面の形状と大きさが給気弁密封部材の形状と大きさにマッチングし、弾性により給気弁密封部材と環状斜面とを緊密に接触させて、給気用の貫通孔を密封する点において共通する。 エ 甲1-2発明の「前記第1座部12の底面にテーパ状の第1収容空間13を有し、前記第1収容空間13の上面に、第1貫通孔14が設けられ」ることは、前記第4 1(1)オの図2等の記載を踏まえると、本件特許発明12の「給気弁貫通孔の外端が弁体の腔体に向き、給気弁貫通孔の内端が弁体外界に向く」ことと、給気用の貫通孔の外端が弁体の腔体に向き、給気用の貫通孔の内端が弁体外界に向く点において共通する。 オ そうすると、本件特許発明12と甲1-2発明とは、前記一致点1及び一致点11の他、次の一致点12で一致し、前記相違点1及び相違点11の他、次の相違点12で相違する。 <一致点12> 「給気用の貫通孔の外端に環状斜面が設置され、この環状斜面の形状と大きさが給気弁密封部材の形状と大きさにマッチングし、弾性により給気弁密封部材と環状斜面とを緊密に接触させて、給気用の貫通孔を密封し、給気用の貫通孔の外端が弁体の腔体に向き、給気用の貫通孔の内端が弁体外界に向く」こと。 <相違点12> 本件特許発明12は、「給気弁芯体の外端に給気弁密封シートが接続され」、「給気弁貫通孔」に環状斜面が設置され、この環状斜面が「給気弁密封シート」にマッチングし、「給気弁バネにより給気弁密封シート」と環状斜面とを緊密に接触させて、「給気弁貫通孔」を密封し、「給気弁貫通孔」の外端が弁体の腔体に向き、「給気弁貫通孔」の内端が弁体外界に向くのに対し、甲1-2発明は、弾性材料で形成されている弁体31に円弧部312が形成されているものの、密封シートが接続されているとはいえず、また、基体内に設置された貫通孔に環状斜面が設置されているものでなく、さらに、これらをバネにより、緊密に接触させているものではない点。 (2)判断 ア 相違点についての検討 <相違点1>及び<相違点11>については、前記1(2)ア、及び前記11(2)アにおいて、検討したとおりである。次に、<相違点12>について、検討する。 (ア)まず、前記1(2)ア(イ)に示したように、甲1-2発明の第1収容空間13及び第1貫通孔14、つまり給気口内に可動部材のみを設置し、該可動部材により給気口を直接、開閉するか、前記給気口内に給気口と同軸の貫通孔が設けられた基体、及び前記貫通孔を開閉する可動部材とからなるバルブ装置を設置し、該可動部材によりバルブ装置内の貫通孔を開閉するかは、製造、組立ての利便性等を考慮の上、当業者が任意に選択し得る事項である。 (イ)また、甲1-2発明の弁体31及び弁体32は、前記9(2)ア(イ)に示したように、逆止弁を構成するものである。 (ウ)そして、このような逆止弁の具体的な構成は、本件特許に係る出願の優先日前から、種々のものが知られており、当業者が、所望のものを選択し、採用し得るものであるところ、甲3には、前記10(2)ア(ウ)に示したように、逆止弁の具体的な構成として、「芯体の外端に密封シートが接続され」、環状斜面が「密封シート」にマッチングし、「バネにより密封シート」と環状斜面とを緊密に接触させることが記載されているといえる。 (エ)以上によると、甲1-2発明において、第1収容空間13及び第1貫通孔14内に、これらと同軸の貫通孔が設けられた基体、及び前記貫通孔を開閉する可動部材とからなるバルブ装置を設置するとともに、弁体31等の構成に、甲3に記載された逆止弁に係る前記構成を採用することは、当業者が容易に想到し得たものである。この時、甲1-2発明の第1収容空間13及び第1貫通孔14と同軸の貫通孔が、基体に設けられることになるから、甲1-2発明において、「給気弁貫通孔」の外端が第1の溝24(腔体)に向き、「給気弁貫通孔」の内端が弁体外界に向くことになるといえる。 (オ)したがって、甲1-2発明において、甲3に記載された事項を適用し、本件特許発明12の前記相違点12に係る発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。 イ 作用効果について 本件特許発明12の作用効果は、甲1-2発明及び甲3に記載された事項から当業者が予測できる範囲のものである。 (3)まとめ したがって、本件特許発明12は、甲1-2発明及び甲3に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 13 本件特許発明13について (1)対比 ア 本件特許発明13と甲1-2発明とを対比すると、前記1(1)に示した本件特許発明1と甲1-1発明との対比と同様のことがいえる。 イ さらに、甲1-2発明の「前記弁体31の前記円弧部312は、前記第1収容空間13に一致する形状に形成され、前記弁体32の前記円弧部322は、前記第2収容空間26に一致する形状に形成され」ることは、弁体31の円弧部312又は弁体32の円弧部322により、第1収容空間13及びその上面に設けられた第1貫通孔14、又は第2収容空間26及びその上面に設けられた第2貫通孔261を密封しているものと解されるから、本件特許発明13の「排気バルブ装置は排気弁密封シートを含み」、「給気バルブ装置は給気弁密封シートを含」むことと、排気バルブ装置に係る少なくとも一部の部材は排気弁密封部材を含み、給気バルブ装置に係る少なくとも一部の部材は給気弁密封部材を含む点において共通する。 ウ 甲1-2発明の「弾性材料で形成されている前記弁体31、32の基部311、321が変形して、前記第1貫通孔14及び前記第1収容空間13、又は前記第2貫通孔261及び前記第2収容空間26を空気が通過する」ことは、弁体31の前記変形により、円弧部312が移動して、第1貫通孔14及び第1収容空間13を開き、弁体32の前記変形により、円弧部322が移動して、第2貫通孔261及び第2収容空間26を開いていることは明らかであるから、本件特許発明13の「排気弁密封シートは移動して排気口を開くことができ」、「給気弁密封シートは移動して給気口を開くことができ」ることと、排気弁密封部材は移動して排気口を開くことができ、給気弁密封部材は移動して給気口を開くことができる点において共通する。 エ 甲1-2発明の「上方の前記弁体31の凸部313を押し下げて形成された開放状態」にすることは、弁体31の円弧部312及び凸部313が、第1収容空間13及び第1貫通孔14にそれぞれ配置された状態から、前記第1収容空間13と対向するように凹んで形成されている第1の溝24の方に、弁体31が押された状態にすることであると解され、この時、前記第4 1(1)オの図5の記載を踏まえると、弁体31の円弧部312が移動して、弁体32の円弧部322を押して移動させていることは明らかであるから、本件特許発明13の「給気弁密封シートは移動して排気弁密封シートを押して移動させることができる」ことと、給気弁密封部材は移動して排気弁密封部材を押して移動させることができる点において共通する。 オ そうすると、本件特許発明13と甲1-2発明とは、前記一致点1の他、次の一致点13で一致し、前記相違点1の他、次の相違点13で相違する。 <一致点13> 「排気バルブ装置に係る少なくとも一部の部材は排気弁密封部材を含み、排気弁密封部材は移動して排気口を開くことができ、給気バルブ装置に係る少なくとも一部の部材は給気弁密封部材を含み、給気弁密封部材は移動して給気口を開くことができ、給気弁密封部材は移動して排気弁密封部材を押して移動させることができる」こと。 <相違点13> 本件特許発明13は、「排気バルブ装置は排気弁密封シートを含み」、「排気弁密封シート」は移動して排気口を開くことができ、「給気バルブ装置は給気弁密封シートを含み」、「給気弁密封シート」は移動して給気口を開くことができ、「給気弁密封シート」は移動して「排気弁密封シート」を押して移動させることができるのに対し、甲1-2発明は、第1収容空間13及び第1貫通孔14に給気バルブ装置が配置されているとはいえず、第2収容空間26及び第2貫通孔261に排気バルブ装置が配置されているとはいえず、また、弁体31が、第1収容空間13に一致する形状に形成された円弧部312を有し、弁体32が、第2収容空間26に一致する形状に形成された円弧部322を有するものの、それぞれ密封シートであるとはいえず、そのため、前記のように、押して移動させることができるとはいえない点。 (2)判断 ア 相違点についての検討 <相違点1>及び<相違点13>は、実質的な相違点といえるから、以下、<相違点1>及び<相違点13>の容易想到性について、検討する。 そして、<相違点1>については、前記1(2)アにおいて、検討したとおりである。次に、<相違点13>について、検討する。 (ア)まず、前記1(2)ア(イ)に示したように、甲1-2発明の第1収容空間13及び第1貫通孔14、つまり給気口内や、第2収容空間26及び第2貫通孔261、つまり排気口内に、可動部材のみを設置し、該可動部材により給気口や排気口を直接、開閉するか、給気口内や排気口内に、給気口や排気口と同軸の貫通孔が設けられた基体、及び前記貫通孔を開閉する可動部材とからなるバルブ装置を設置し、該可動部材によりバルブ装置内の貫通孔を開閉するかは、製造、組立ての利便性等を考慮の上、当業者が任意に選択し得る事項である。 (イ)また、甲1-2発明の弁体31の円弧部312は、テーパ状の第1収容空間13との間で、空気を密封するために、第1収容空間13に一致する形状に形成されていると解され、同じく、甲1-2発明の弁体32の円弧部322は、テーパ状の第2収容空間26との間で、空気を密封するために、第2収容空間26に一致する形状に形成されていると解されるが、バルブ装置の可動側の部材に、空気を密封するべく、シート状部材を用いることは、本件特許に係る出願の優先日前から、慣用されている技術である(必要であれば、甲3の段落[0027](前記第4 2(1)エ)のガスケット8参照。)。そして、甲1-2発明において、密封性を向上させるという課題は内在しているといえるから、弁体31、弁体32にシート状部材を採用する動機付けはあるといえる。 (ウ)以上によると、甲1-2発明において、第1収容空間13及び第1貫通孔14内、並びに第2収容空間26及び第2貫通孔261内に、これらと同軸の貫通孔が設けられた基体、及び前記貫通孔を開閉する可動部材とからなるバルブ装置を設置するとともに、弁体31の円弧部312、及び弁体32の円弧部322に代えて、シート状部材を採用することは、当業者が容易に想到し得たものである。この時、甲1-2発明の弁体31、弁体32の構成に、シート状部材が備えられることになるから、甲1-2発明において、「排気弁密封シート」は移動して排気口を開くことができ、「給気弁密封シート」は移動して給気口を開くことができ、「給気弁密封シート」は移動して「排気弁密封シート」を押して移動させることができることになる。 (エ)したがって、甲1-2発明において、本件特許発明13の前記相違点13に係る発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。 イ 作用効果について 本件特許発明13の作用効果は、甲1-2発明から当業者が予測できる範囲のものである。 (3)まとめ したがって、本件特許発明13は、甲1に記載された発明ではない。しかしながら、本件特許発明13は、甲1-2発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 14 本件特許発明14について (1)対比 ア 本件特許発明14と甲1-2発明とを対比すると、前記1(1)に示した本件特許発明1と甲1-1発明との対比と同様のことがいえる。 イ さらに、甲1-2発明の「前記弁体31の前記円弧部312は、前記第1収容空間13に一致する形状に形成され、前記弁体32の前記円弧部322は、前記第2収容空間26に一致する形状に形成され、弾性材料で形成されている前記弁体31、32の基部311、321が変形して、前記第1貫通孔14及び前記第1収容空間13、又は前記第2貫通孔261及び前記第2収容空間26を空気が通過する」ことは、弁体31、32の弾性に抗して、弁体31、32の基部311、321を変形させて、第1貫通孔14及び第1収容空間13、又は第2貫通孔261及び第2収容空間26に空気を通過させるものであって、通常時は、弁体31、32の弾性により、円弧部312が第1収容空間13及び第1貫通孔14を密封し、又は円弧部322が第2貫通孔261及び第2収容空間26を密封しているものと解されるから、本件特許発明14の「排気弁基体に排気弁密封機構が設置され、排気弁密封機構は排気弁貫通孔に対して移動して排気口を密封するか又は開くことができ」、「給気弁基体に給気弁密封機構が設置され、給気弁密封機構は給気弁貫通孔に対して移動して給気口を密封するか又は開くことができ」ることと、排気弁密封機構が設置され、排気弁密封機構は排気用の貫通孔に対して移動して排気口を密封するか又は開くことができ、給気弁密封機構が設置され、給気弁密封機構は給気用の貫通孔に対して移動して給気口を密封するか又は開くことができる点において共通する。 ウ 甲1-2発明の「上方の前記弁体31の凸部313を押し下げて形成された開放状態」にすることは、弁体31の円弧部312及び凸部313が、第1収容空間13及び第1貫通孔14にそれぞれ配置された状態から、前記第1収容空間13と対向するように凹んで形成されている第1の溝24の方に、弁体31が押された状態にすることであると解され、この時、前記第4 1(1)オの図5の記載を踏まえると、弁体31の円弧部312が移動して、弁体32の円弧部322を移動させていることは明らかであるから、本件特許発明14の「給気弁密封機構は移動して排気弁密封機構を移動させることができる」ことに相当する。 エ そうすると、本件特許発明14と甲1-2発明とは、前記一致点1の他、次の一致点14で一致し、前記相違点1の他、次の相違点14で相違する。 <一致点14> 「排気弁密封機構が設置され、排気弁密封機構は排気用の貫通孔に対して移動して排気口を密封するか又は開くことができ、給気弁密封機構が設置され、給気弁密封機構は給気用の貫通孔に対して移動して給気口を密封するか又は開くことができ、給気弁密封機構は移動して排気弁密封機構を移動させることができる」こと。 <相違点14> 本件特許発明14は、「排気バルブ装置は排気弁基体を含み、排気弁基体内に排気口と腔体を連通する排気弁貫通孔が設置され」、「排気弁基体に」排気弁密封機構が設置され、排気弁密封機構は「排気弁貫通孔」に対して移動し、「給気バルブ装置は給気弁基体をさらに含み、給気弁基体内に給気口と腔体を連通する給気弁貫通孔が設置され」、「給気弁基体に」給気弁密封機構が設置され、給気弁密封機構は「給気弁貫通孔」に対して移動するのに対し、甲1-2発明は、第1収容空間13及び第1貫通孔14に給気バルブ装置が配置されているとはいえず、第2収容空間26及び第2貫通孔261に排気バルブ装置が配置されているとはいえず、そのため、排気弁基体及び給気弁基体を含まず、排気弁基体内及び給気弁基体内に排気弁貫通孔及び給気弁貫通孔が設置されず、排気弁基体及び給気弁基体に排気弁密封機構及び給気弁密封機構が設置されていない点。 (2)判断 ア 相違点についての検討 <相違点1>については、前記1(2)アにおいて、検討したとおりである。次に、<相違点14>について、検討する。 (ア)まず、前記1(2)ア(イ)に示したように、甲1-2発明の第1収容空間13及び第1貫通孔14、つまり給気口内や、第2収容空間26及び第2貫通孔261、つまり排気口内に、可動部材のみを設置し、該可動部材により給気口や排気口を直接、開閉するか、給気口内や排気口内に、給気口や排気口と同軸の貫通孔が設けられた基体、及び前記貫通孔を開閉する可動部材とからなるバルブ装置を設置し、該可動部材によりバルブ装置内の貫通孔を開閉するかは、製造、組立ての利便性等を考慮の上、当業者が任意に選択し得る事項である。 (イ)また、前記2(2)ア(イ)に示したように、甲1-2発明の弁体31及び弁体32は、逆止弁を構成するものである。 (ウ)そして、このような逆止弁の具体的な構成は、本件特許に係る出願の優先日前から、種々のものが知られており、当業者が、所望のものを選択し、採用し得るものであるところ、甲3には、前記第4 2(2)に示した注入バルブが記載されている。ここで、甲3に記載された事項によると、段付き貫通孔の内壁に接続リブ14を介して円環状の交差接続部が接続され、該円環状の交差接続部にバネ4により、ストッパカバー6が支持され、該ストッパカバー6が、ステム5の上端に固定され、該ステム5の底面と該ステム5の下端に接続された棚板7との間に可撓性材料で製造されるガスケット8が設けられるから、可撓性材料で製造されるガスケット8は、ステム5、ストッパカバー6、バネ4、円環状の交差接続部、接続リブ14を介して、段付き貫通孔の内壁に設置されているといえる。そして、甲3に記載された事項の「可撓性材料で製造されるガスケット8」は、本件特許発明14の「密封機構」に対応するものといえ、また、甲3に記載された「注入バルブ」は、その機能、構成からみて逆止弁であることは明らかである。すると、甲3には、逆止弁の具体的な構成として、密封機構が、貫通孔の内壁に設置されることが記載されているといえる。 (エ)以上によると、甲1-2発明において、第1収容空間13及び第1貫通孔14内、並びに第2収容空間26及び第2貫通孔261内に、これらと同軸の貫通孔が設けられた基体、及び前記貫通孔を開閉する可動部材とからなるバルブ装置を設置するとともに、弁体31、弁体32等の構成に、甲3に記載された逆止弁に係る前記構成を採用することは、当業者が容易に想到し得たものである。この時、甲1-2発明において、第2収容空間26及び第2貫通孔261と同軸の貫通孔、並びに第1収容空間13及び第1貫通孔14と同軸の貫通孔が、「排気弁基体」、「給気弁基体」に設けられることにより、これらの貫通孔が「排気弁貫通孔」、「給気弁貫通孔」となる。すると、「排気バルブ装置は排気弁基体を含み」、「排気弁基体」内に「排気口と腔体を連通する排気弁貫通孔」が設置され、「排気弁基体」の排気弁貫通孔の内壁に排気弁密封機構が設置され、排気弁密封機構は「排気弁貫通孔」に対して移動し、「給気バルブ装置は給気弁基体をさらに含み」、「給気弁基体」内に「給気口と腔体を連通する給気弁貫通孔」が設置され、「給気弁基体」の給気弁貫通孔の内壁に給気弁密封機構が設置され、給気弁密封機構は「給気弁貫通孔」に対して移動することになる。 (オ)したがって、甲1-2発明において、甲3に記載された事項を適用し、本件特許発明14の前記相違点14に係る発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。 イ 作用効果について 本件特許発明14の作用効果は、甲1-2発明及び甲3に記載された事項から当業者が予測できる範囲のものである。 (3)まとめ したがって、本件特許発明14は、甲1-2発明及び甲3に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 15 本件特許発明15について (1)対比 ア 本件特許発明15と甲1-2発明とを対比すると、前記1(1)に示した本件特許発明1と甲1-1発明との対比、及び前記14(1)に示した本件特許発明14と甲1-2発明との対比と同様のことがいえる。 イ さらに、甲1-2発明の「前記弁体31の前記円弧部312は、前記第1収容空間13に一致する形状に形成され、前記弁体32の前記円弧部322は、前記第2収容空間26に一致する形状に形成され、弾性材料で形成されている前記弁体31、32の基部311、321が変形して、前記第1貫通孔14及び前記第1収容空間13、又は前記第2貫通孔261及び前記第2収容空間26を空気が通過する」ことは、弁体31、32の弾性に抗して、弁体31、32の基部311、321を変形させて、第1貫通孔14及び第1収容空間13、又は第2貫通孔261及び第2収容空間26に空気を通過させるものであって、通常時は、弁体31、32の弾性により、円弧部312が第1収容空間13及び第1貫通孔14を密封し、又は円弧部322が第2貫通孔261及び第2収容空間26を密封しているものと解されるから、本件特許発明15の「排気弁密封機構は排気弁密封シートを有し、排気弁密封シートは排気弁貫通孔に対して移動して排気口を密封するか又は開くことができ、給気弁密封機構は給気弁密封シートを有し、給気弁密封シートは給気弁貫通孔に対して移動して給気口を密封するか又は開くことができ」ることと、排気弁密封機構を有し、排気弁密封機構は排気用の貫通孔に対して移動して排気口を密封するか又は開くことができ、給気弁密封機構を有し、給気弁密封機構は給気用の貫通孔に対して移動して給気口を密封するか又は開くことができる点において共通する。 ウ 甲1-2発明の「上方の前記弁体31の凸部313を押し下げて形成された開放状態」にすることは、弁体31の円弧部312及び凸部313が、第1収容空間13及び第1貫通孔14にそれぞれ配置された状態から、前記第1収容空間13と対向するように凹んで形成されている第1の溝24の方に、弁体31が押された状態にすることであると解され、この時、前記第4 1(1)オの図5の記載を踏まえると、弁体31の円弧部312が移動して、弁体32の円弧部322を移動させていることは明らかであるから、本件特許発明15の「給気弁密封シートは移動して排気弁密封シートを移動させることができる」ことと、給気弁密封機構は移動して排気弁密封機構を移動させることができる点において共通する。 エ そうすると、本件特許発明15と甲1-2発明とは、前記一致点1及び一致点14の他、次の一致点15で一致し、前記相違点1及び相違点14の他、次の相違点15で相違する。 <一致点15> 「排気弁密封機構を有し、排気弁密封機構は排気用の貫通孔に対して移動して排気口を密封するか又は開くことができ、給気弁密封機構を有し、給気弁密封機構は給気用の貫通孔に対して移動して給気口を密封するか又は開くことができ、給気弁密封機構は移動して排気弁密封機構を移動させることができる」こと。 <相違点15> 本件特許発明15は、「排気弁密封機構は排気弁密封シートを有し」、「排気弁密封シート」は「排気弁貫通孔」に対して移動し、「給気弁密封機構は給気弁密封シートを有し」、「給気弁密封シート」は「給気弁貫通孔」に対して移動し、「給気弁密封シート」は移動して「排気弁密封シート」を移動させることができるのに対し、甲1-2発明は、弁体31が、第1収容空間13に一致する形状に形成された円弧部312を有し、弁体32が、第2収容空間26に一致する形状に形成された円弧部322を有するものの、それぞれ密封シートを有するものでなく、また、排気弁基体内及び給気弁基体内に設置された排気弁貫通孔及び給気弁貫通孔を備えないから、「排気弁密封シート」は「排気弁貫通孔」に対して移動するものでなく、「給気弁密封シート」は「給気弁貫通孔」に対して移動するものでない点。 (2)判断 ア 相違点についての検討 <相違点1>及び<相違点14>については、前記1(2)ア、及び前記14(2)アにおいて、検討したとおりである。次に、<相違点15>について、検討する。 (ア)まず、前記1(2)ア(イ)に示したように、甲1-2発明の第1収容空間13及び第1貫通孔14、つまり給気口内や、第2収容空間26及び第2貫通孔261、つまり排気口内に、可動部材のみを設置し、該可動部材により給気口や排気口を直接、開閉するか、給気口内や排気口内に、給気口や排気口と同軸の貫通孔が設けられた基体、及び前記貫通孔を開閉する可動部材とからなるバルブ装置を設置し、該可動部材によりバルブ装置内の貫通孔を開閉するかは、製造、組立ての利便性等を考慮の上、当業者が任意に選択し得る事項である。 (イ)また、前記2(2)ア(イ)に示したように、甲1-2発明の弁体31及び弁体32は、逆止弁を構成するものである。 (ウ)そして、このような逆止弁の具体的な構成は、本件特許に係る出願の優先日前から、種々のものが知られており、当業者が、所望のものを選択し、採用し得るものであるところ、甲3には、前記第4 2(2)に示した注入バルブが記載されている。ここで、甲3に記載された事項によると、ステム5の底面とステム5の下端に接続された棚板7との間に可撓性材料で製造されるガスケット8が設けられ、バネ4の作用でガスケット8が弁口13を遮蔽可能としているから、可撓性材料で製造されるガスケット8により、弁口13を密封していることは明らかである。そして、甲3に記載された事項の「可撓性材料で製造されるガスケット8」は、本件特許発明15の「密封シート」に対応するものといえ、また、甲3に記載された「注入バルブ」は、その機能、構成からみて逆止弁であることは明らかである。すると、甲3には、逆止弁の具体的な構成として、弁口を密封するために密封シートを用いたものが記載されているといえる。 (エ)以上によると、甲1-2発明において、第1収容空間13及び第1貫通孔14内、並びに第2収容空間26及び第2貫通孔261内に、これらと同軸の貫通孔が設けられた基体、及び前記貫通孔を開閉する可動部材とからなるバルブ装置を設置するとともに、弁体31、弁体32等の構成に、甲3に記載された逆止弁に係る密封シートを採用することは、当業者が容易に想到し得たものである。この時、甲1-2発明において、第2収容空間26及び第2貫通孔261と同軸の貫通孔、並びに第1収容空間13及び第1貫通孔14と同軸の貫通孔が、「排気弁基体」、「給気弁基体」に設けられることにより、これらの貫通孔が「排気弁貫通孔」、「給気弁貫通孔」となる。また、甲1-2発明の弁体31、弁体32等の構成に、密封シートが備えられることになるから、甲1-2発明において、「排気弁密封機構は排気弁密封シートを有し」、「排気弁密封シート」は「排気弁貫通孔」に対して移動し、「給気弁密封機構は給気弁密封シートを有し」、「給気弁密封シート」は「給気弁貫通孔」に対して移動し、「給気弁密封シート」は移動して「排気弁密封シート」を移動させることになる。 (オ)したがって、甲1-2発明において、甲3に記載された事項を適用し、本件特許発明15の前記相違点15に係る発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。 イ 作用効果について 本件特許発明15の作用効果は、甲1-2発明及び甲3に記載された事項から当業者が予測できる範囲のものである。 (3)まとめ したがって、本件特許発明15は、甲1-2発明及び甲3に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第6 むすび 以上のとおり、本件特許発明1~15は、甲1に記載された発明に基いて、甲1に記載された発明及び甲3に記載された事項に基いて、甲1に記載された発明、甲3に記載された事項及び甲6に記載された事項に基いて、又は甲1に記載された発明、甲3に記載された事項及び甲8に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 したがって、本件特許1~15は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきものである。 審判に関する費用については、特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第61条の規定により、被請求人の負担とする。 よって、結論のとおり審決する。

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2024-800111

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