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特許異議申立

2025-701153

発泡性薬効付与組成物、及びそれを用いた薬効付与方法

審判番号
2025-701153
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2021-105473
登録番号
7695831
請求日
2025年12月18日
審決日
2026年03月18日
公報発行日
2026年04月24日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】大日本除蟲菊株式会社
  • 【権利者代理人】沖中 仁
  • 【異議申立人】安 銀珍
審判長/審判官
  • 審判長 冨永 保
  • 審判官 小石 真弓
  • 審判官 常見 優
分類
P1651.113-Y (A01N) / P1651.121-Y (A01N) / P1651.537-Y (A01N)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第1号、特許法第36条第6項第2号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7695831号発明「発泡性薬効付与組成物、及びそれを用いた薬効付与方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7695831号の請求項1~12に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7695831号の請求項1~12に係る特許(以下、「本件特許」ということがある。)についての出願は、令和3年6月25日(優先権主張 令和2年7月7日)に出願され、令和7年6月11日にその特許権の設定登録がされ、同年同月19日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許について、令和7年12月18日に特許異議申立人 安 銀珍 (以下、「申立人」という。)により特許異議の申立てがされた。 第2 本件発明 本件特許の請求項1~12に係る発明(以下、請求項の番号順に、「本件発明1」等といい、併せて「本件発明」ということがある。)は、その特許請求の範囲の請求項1~12に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 「【請求項1】 噴射製品に充填するための発泡性薬効付与用組成物であって、 前記組成物は(A)有効成分、(B)界面活性剤、(C)有機溶剤、水を含有し、 前記(B)界面活性剤は、ポリオキシエチレン2-エチルヘキシルエーテル、アルキルポリグリコシド、及びヤシ油アルキルジメチルアミンオキシドからなる群から選択される1種又は2種以上であり、 前記(C)有機溶剤は、ノルマルパラフィン、イソパラフィン、流動パラフィン、ナフテン系炭化水素、ワセリン、α-オレフィンオリゴマー、スクワラン、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、ターシャリーブタノール、1-ペンタノール、1-ヘキサノール、ベンジルアルコール、2-フェニルエタノール、2-フェノキシエタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1-フェノキシ-2-プロパノール、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、及びトリプロピレングリコールモノブチルエーテルからなる群から選択される1種又は2種以上であり、 前記組成物を、底面積11.3cm2の300mLのメスシリンダーに1秒間噴射した際の、噴射直後の泡の体積の最大値Xと、噴射1分後の泡の体積Yとの比率である泡体積比は、Y/X≦0.99である発泡性薬効付与用組成物。 【請求項2】 前記(B)界面活性剤は、ポリオキシエチレン2-エチルヘキシルエーテルであり、 前記(C)有機溶剤は、エタノール、2-フェノキシエタノール、及びイソパラフィンであり、 前記(A)有効成分と(C)有機溶剤の配合質量比率は、50≦(C)/(A)≦700である請求項1に記載の発泡性薬効付与用組成物。 【請求項3】 前記(C)有機溶剤は、0.5~30質量%配合されている請求項1又は2に記載の発泡性薬効付与用組成物。 【請求項4】 前記Y/Xは、Y/X≦0.70である請求項1~3のいずれか1項に記載の発泡性薬効付与用組成物。 【請求項5】 前記組成物のpHは、5.0~12.0である請求項1~4のいずれか1項に記載の発泡性薬効付与用組成物。 【請求項6】 前記(A)有効成分は防汚成分であり、薬効は防汚効果である請求項1~5のいずれか1項に記載の発泡性薬効付与用組成物。 【請求項7】 前記(A)有効成分は芳香消臭成分であり、薬効は芳香消臭効果である請求項1~6のいずれか1項に記載の発泡性薬効付与用組成物。 【請求項8】 トイレの便器に使用するものである請求項7に記載の発泡性薬効付与用組成物。 【請求項9】 前記(A)有効成分の配合量は、0.05~2質量%である請求項7又は8に記載の発泡性薬効付与用組成物。 【請求項10】 前記請求項1~9のいずれか1項に記載の組成物と、噴射剤と、をエアゾール容器に充填してなるエアゾール製品。 【請求項11】 前記請求項1~9のいずれか1項に記載の組成物をスプレー容器に充填してなるスプレー製品。 【請求項12】 (A)有効成分、(B)界面活性剤、(C)有機溶剤、及び水を含有した発泡性薬効付与用組成物を噴射する薬効付与方法であって、 前記(B)界面活性剤は、ポリオキシエチレン2-エチルヘキシルエーテル、アルキルポリグリコシド、及びヤシ油アルキルジメチルアミンオキシドからなる群から選択される1種又は2種以上であり、 前記(C)有機溶剤は、ノルマルパラフィン、イソパラフィン、流動パラフィン、ナフテン系炭化水素、ワセリン、α-オレフィンオリゴマー、スクワラン、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、ターシャリーブタノール、1-ペンタノール、1-ヘキサノール、ベンジルアルコール、2-フェニルエタノール、2-フェノキシエタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1-フェノキシ-2-プロパノール、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、及びトリプロピレングリコールモノブチルエーテルからなる群から選択される1種又は2種以上であり、 前記組成物を、底面積11.3cm2の300mLのメスシリンダーに1秒間噴射した際の、噴射直後の泡の体積の最大値Xと、噴射1分後の泡の体積Yとの比率である泡体積比は、Y/X≦0.99である薬効付与方法(但し、ヒトを薬効付与対象とする場合を除く)。」 第3 特許異議申立理由の概要 1 特許異議申立理由の概要 申立人は、証拠方法として、特許異議申立書(以下、「申立書」という。)に添付して下記(4)に示す甲第1号証(以下、「甲1」ということがある。)を提出し、本件特許の請求項1~12に係る特許を取り消すべき理由として、下記(1)~(3)に示す特許異議の申立ての理由(以下、「申立理由」という。)を主張している。 申立理由の概要は、申立書の記載全体からみて、以下のとおりであると認められる。 (1)申立理由1(新規性及び進歩性欠如) ア 申立理由1-1(新規性欠如) 本件請求項1、3、4及び12に係る発明は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明である甲1に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号に該当するから、これらの請求項に係る特許は、同法同条同項の規定に違反してされたものであり、同法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。 イ 申立理由1-2(進歩性欠如) 本件請求項1、3、4及び12に係る発明は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明である甲1に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、これらの請求項に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、同法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。 (2)申立理由2(サポート要件違反) 本件特許の特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第1号に適合するものではないから、本件請求項1~9、11及び12に係る特許は、同法同条同項に規定する要件を満たさない特許出願に対してされたものであり、同法第113条第4号に該当し、取り消されるべきものである。 具体的な理由の概要は次のとおりである。 本件発明1~9、11及び12は、噴射剤を含まない発明も包含するが、本件特許に係る発明の効果が、噴射剤を使用しない場合にも得られるとはいえず、本件発明1~9、11及び12は、その全体にわたってその課題を解決できない蓋然性が高いから、本件発明1~9、11及び12は、本件特許の明細書の発明の詳細な説明に記載したものでない。 (3)申立理由3(明確性要件違反) 本件特許の特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第2号に適合するものではないから、本件請求項1~12に係る特許は、同法同条同項に規定する要件を満たさない特許出願に対してされたものであり、同法第113条第4号に該当し、取り消されるべきものである。 具体的な理由の概要は次のとおりである。 本件発明1~12における「発泡性薬効付与用組成物」との発明特定事項は、当該組成物が使用される対象に薬効を付与する組成物と解釈することが可能であり、また、組成物そのものに薬効を付与する組成物とも解釈することが可能であり、発明の範囲が明確とはいえないため、本件発明1~12は、明確ではない。 (4)証拠方法 提出された証拠方法は、次のとおりである。 甲1:特開平8-319496号公報 第4 当審合議体の判断 当審合議体は、本件請求項1~12に係る特許は、上記申立理由によっては、取り消されるべきものではないと判断する。 その理由は次のとおりである。 1 申立理由1(新規性及び進歩性欠如)について (1)甲1の記載事項 甲1の記載事項を、上記申立理由の判断に必要な範囲で以下に摘記する。なお、「・・・」は摘記の省略を示す。 甲1a 「【請求項1】 一般式(1)で表されるアルキルポリグリコシド100重量部に対し、炭素数4~22の直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪族アルコールを1~30重量部含有することを特徴とする洗浄剤組成物。 R-O-(G)n (1) [式中、Rは炭素数6~10のアルキル基を表す。Gは炭素数5又は6の還元性サッカリド残基を表す。nは1~3の正数を表す。]」 甲1b 「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、洗浄剤組成物に関する。更に、詳しくは生分解性に優れた低発泡性の洗浄剤組成物に関する。 ・・・ 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、特定のアルキルポリグリコシドを洗浄剤成分とし、所定のアルコールを含有してなる組成物が、洗浄性、安全性に優れ、生分解性が良好で環境に対する影響がなく、低発泡性で、且つすすぎ性に優れたフロン代替の洗浄剤となり得ることを見いだし、かかる知見に基づいて本発明を完成するに至った。」 甲1c 「【0009】 【発明の実施の形態】一般式(1)で表されるアルキルポリグリコシドは、所定のグリコースと過剰量の脂肪族アルコールとを加熱下に反応せしめることを内容とするフィッシャー(Fisher)法(Ber.Dtsch.Chem.Ges.,22,2204 (1889))やケーニッヒ・クノール(Koenigs-Knorr)改良法(J.Org.Chem.,36,863 (1971))に基づいて合成される。又、大量に合成する方法としては、過剰量の脂肪族アルコールを用いたグリコシ ド交換法(特公昭47-24532号)等がある。 【0010】当該グリコースは、炭素数5又は6の還元性サッカリドであり、具体的には、リボース、アラビノース、キシロース、グルコース、マンノース、ガラクトース、アロース、タロース、フルクトース等のD体、L体が利用でき、中でも価格の面からD-グルコースが推奨される。 【0011】又、脂肪族アルコールは、炭素数6~10の直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族飽和アルコールであり、具体的には、n-ヘキサノール、n-ヘプタノール、n-オクタノール、n-ノナノール、n-デカノール、2-エチルブタノール、2-エチルヘキサノール等が例示され、特に、n-オクタノール、n-デカノール等が推奨される。 【0012】アルキルグリコシド中のグリコシド結合の様式としては、α-結合、β-結合のいずれでもよく、又、糖同士の結合様式としては、炭素数5の還元性サッカライド残基の場合には1-2、1-3及び1-4結合のいずれでもよく、炭素数6の還元性サッカライド残基の場合には1-2、1-3、1-4及び1-6結合のいずれでもよい。 【0013】本発明に係るアルキルポリグリコシドは、単独で又は2種以上組み合わせて用いられる。このとき、還元性サッカライド残基の平均重合度(n)は1~3の正数であり、より好ましくは1~2である。nが1未満の場合には洗浄性が低下し、nが3を越える場合には起泡性が大きくなって、いずれの場合も好ましくない。」 甲1d 「【0014】アルキルポリグリコシドと併用される脂肪族アルコールとしては、炭素数4~22の炭素数を有する直鎖状若しくは分岐鎖状の飽和又は不飽和の脂肪族アルコールが挙げられ、特に、炭素数6~12の脂肪族飽和アルコールが推奨される。 【0015】脂肪族飽和アルコールとしては、n-ブタノール、n-ヘキサノール、n-ヘプタノール、n-ヘプタノール、n-オクタノール、n-ノナノール、n-デカノール、n-ドデカノール、n-トリデカノール、n-テトラデカノール、n-ペンタデカノール、n-ヘキサデカノール、n-ヘプタデカノール、n-オクタデカノール等の直鎖状飽和アルコール、2-エチルブタノール、2-エチルヘキサノール、2-エチルオクタノール、2-ヘキシルデカノール、2-オクチルドデカノール、2-デシルテトラデカノール、イソステアリルアルコール等の分岐状飽和アルコール、2-オクタデセノール等の不飽和アルコールが例示され、中でも価格、洗浄性の面からn-ヘキサノール、n-オクタノール、n-デカノール、n-ドデカノール等が推奨される。 ・・・ 【0017】脂肪族アルコールの配合量は、アルキルポリグリコシド100重量部に対し、1~30重量部、好ましくは1~20重量部である。1重量部未満では起泡性が高すぎ、30重量部を越えると活性剤組成物の系が不安定になると共に洗浄性の面で劣り、いずれの場合も好ましくない。」 甲1e 「【0021】本発明に係る洗浄剤組成物中には、ビルダー、アルカリ剤、防錆剤、酸化防止剤、防黴剤、防菌剤等の添加物を任意に配合しても差しつかえない。又、本発明固有の効果を損なわない範囲で本発明に係るアルキルポリグリコシド以外の界面活性剤を併用することもできる。 ・・・ 【0026】防黴剤や防菌剤としては、パラベン、ベンゾチアゾール、イソチアゾリン系化合物、フェノキシエタノール、安息香酸等が例示され、当該添加量としては、0~5重量%が例示される。」 甲1f 「【0028】かくして得られる洗浄剤組成物は、低発泡性であり、良好な生分解性や高い安全性を有しており、金属加工油、工作油、機械油、防錆油又は工業用油剤に起因する油脂成分等の油性成分の等の除去に適している。即ち、本発明に係る洗浄剤組成物を適用した洗浄方法は、金属加工油、工作油、機械油、防錆油又は油脂の工業的に有利な除去方法である。 【0029】金属加工油や工作油としては、切削油、研削油、鍛造油、押し出し油、圧延油等が例示され、機械油しては、軸受け油、プレス油、マシン油、引き抜き油、熱処理油等が例示される。 【0030】又、金属加工等に用いられる油の種類としては、パラフィン系、ナフテン系、芳香族系の鉱油、ポリオレフィン、ポリブテン等の合成油、トリオレイン、大豆油等の動植物性油脂等が例示される。 【0031】本発明に係る洗浄剤組成物は、一般的に常温でペースト状乃至固体状であり、通常、水により希釈されて用いられる。このとき、当該洗浄剤水溶液中におけるアルキルポリグリコシドの濃度は、1~20重量%、好ましくは1~10重量%に調整される。1重量%未満では洗浄力の面で劣り、20重量%を越える濃度では洗浄性は良好であるが特に優位差は認められず、多量のすすぎ水が必要となるため不経済である。」 【0032】かくして得られた洗浄剤水溶液は、浸透法、超音波洗浄法、振動法、スプレー法、噴流法等の従来公知の各種洗浄方法に適した洗浄剤として採用され、且つ好ましい結果を与える。」 甲1g 「【0034】 【実施例】以下に実施例及び比較例を掲げ、本発明を詳しく説明する。尚、各例における洗浄剤組成物の界面活性能は、以下の方法にて測定した。 【0035】起泡性試験 ロスマイルス法により評価する。90cmの高さから活性剤水溶液(活性剤濃度0.1重量%)を落下させ、落下直後の泡量(H0、cm)及び5分後の泡量(H5、cm)を測定する(25℃)。H0/H5を起泡性の指標とする。 【0036】洗浄試験 アルミニウム板3×5×0.1cmに油を付着させ、3時間放置して乾燥した後、付着した油の重量(A、g)を秤量する。当該アルミニウム板を100mlのビーカーに採取した所定の活性剤水溶液(アルキルポリグリコシド濃度:2重量%)60ml中に浸漬し、一定速度(380rpm)で攪拌した後3分間静置する。次いで、100mlのビーカーに採取したイオン交換水60ml中に浸漬し、一定速度で攪拌した後3分間静置し、すすぎを行う。100℃で20分間乾燥して、洗浄後の油の重量(B、g)を秤量し、油の残存率(残油率、B/A、%)を算定する。同様の試験を8回行い、その平均値として平均残油率を算定する。尚、試験に供した油は、次の3種である。 【0037】ハイドロカーボン系マシン油(商品名「N-46」、日本石油社製) トリオレイン(試薬特級、ナカライテスク社製) 大豆油(試薬特級、ナカライテスク社製) 【0038】生分解性試験 アルキルポリグリコシドの生分解性をJIS K 0102に準じて生物学的酸素消費量(BOD、ppm)を測定し、その分解率(BOD測定値/BOD理論値、%)を算定して評価した。その結果、オクチルポリグリコシド(重合度=1.30)のBODは97.7ppmであり、分解率は51.5%であった。又、デシルポリグリコシド(重合度=1.70)のBODは105.2ppmであり、分解率は52.1%であった。尚、標準物質のアニリンのBODは174.4ppmであり、分解率は58.0%であった。 【0039】実施例1~12 所定のアルキルポリグルコシド[重合度(n)はGPCにより測定、以下同様]100重量部に対し、所定の脂肪族アルコールを所定量(重量部)配合して洗浄剤組成物を調製し、このものの起泡性(H0/H5)及び洗浄性(平均残油率、%)を評価した。得られた結果を第1表に示す。 ・・・ 【0045】 【表1】 [図:0001434203000001.jpg] 」 (2)甲1に記載された発明 甲1には、特定のアルキルポリグリコシド100重量部に対して、所定の脂肪族アルコールを1~30重量部含有する、生分解性に優れた低発泡性の洗浄剤組成物が記載されており(摘記甲1a~甲1g)、その具体例として、実施例1の組成物が記載されている(摘記甲1g)。 そうすると、甲1には、実施例1として次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。 ≪甲1発明≫ 「オクチルポリグルコシド[重合度1.30]100重量部に対し、n-オクタノールを5重量部配合した洗浄剤組成物。」 (3)本件発明1について ア 対比 本件発明1と甲1発明とを対比する。 甲1発明の「オクチルポリグルコシド[重合度1.30]」は、アルキルポリグリコシドに包含される化合物である(摘記甲1a、摘記甲1c)。 また、甲1に、「本発明固有の効果を損なわない範囲で本発明に係るアルキルポリグリコシド以外の界面活性剤を併用することもできる」と記載されているとおり(摘記甲1eの【0021】)、「アルキルポリグリコシド」は「界面活性剤」である。 したがって、甲1発明の「オクチルポリグルコシド[重合度1.30]」は、本件発明1における「(B)界面活性剤」及び「前記(B)界面活性剤は、ポリオキシエチレン2-エチルヘキシルエーテル、アルキルポリグリコシド、及びヤシ油アルキルジメチルアミンオキシドからなる群から選択される1種又は2種以上」であることに相当する。 そうすると、本件発明1と甲1発明との間には、次の一致点及び相違点があるものと認められる。 <一致点> 「(B)界面活性剤を含有し、前記(B)界面活性剤は、ポリオキシエチレン2-エチルヘキシルエーテル、アルキルポリグリコシド、及びヤシ油アルキルジメチルアミンオキシドからなる群から選択される1種又は2種以上である、組成物。」 <相違点1> 本件発明1は、「噴射製品に充填するための発泡性薬効付与用組成物」であるのに対し、甲1発明は、「洗浄剤組成物」である点。 <相違点2> 本件発明1は、「(A)有効成分」を含有するのに対し、甲1発明は、「(A)有効成分」を含有するとされていない点。 <相違点3> 本件発明1は、「(C)有機溶剤」を含有し、「前記(C)有機溶剤は、ノルマルパラフィン、イソパラフィン、流動パラフィン、ナフテン系炭化水素、ワセリン、α-オレフィンオリゴマー、スクワラン、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、ターシャリーブタノール、1-ペンタノール、1-ヘキサノール、ベンジルアルコール、2-フェニルエタノール、2-フェノキシエタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1-フェノキシ-2-プロパノール、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、及びトリプロピレングリコールモノブチルエーテルからなる群から選択される1種又は2種以上」であるのに対し、甲1発明は、そのような「(C)有機溶剤」を含有するとされていない点。 <相違点4> 本件発明1は、「水」を含有するのに対し、甲1発明は、「水」を含有するとされていない点。 <相違点5> 本件発明1は、「前記組成物を、底面積11.3cm2の300mLのメスシリンダーに1秒間噴射した際の、噴射直後の泡の体積の最大値Xと、噴射1分後の泡の体積Yとの比率である泡体積比は、Y/X≦0.99である」のに対し、甲1発明は、そのような組成物であるかが不明である点。 イ 判断 (ア)申立理由1-1(新規性欠如)について 上記相違点1について検討する。 本件発明1の「噴射製品に充填するための発泡性薬効付与用組成物」における「薬効付与用」とは、以下の3で述べるとおり、組成物の適用対象に対して薬効を付与するために用いられることを特定しているものと認められる。 一方、甲1発明における「洗浄剤組成物」は、「洗浄剤」として用いられるものであり、組成物の適用対象に対して薬効を付与するために用いられるものではない。 したがって、上記相違点1は実質的な相違点である。 よって、他の相違点について検討するまでもなく、本件発明1は、甲1に記載された発明ではない。 (イ)申立理由1-2(進歩性欠如)について 上記相違点1について検討する。 甲1には、甲1発明の洗浄剤組成物について、「金属加工油、工作油、機械油、防錆油又は工業用油剤に起因する油脂成分等の油性成分の等の除去」に用いることが記載され(摘記甲1f)、上記洗浄剤組成物の具体的な評価として、アルミニウム板に油を付着させ、当該アルミニウム板を、甲1発明の活性剤水溶液に所定条件で浸漬し、次いで、イオン交換水中に所定条件で浸漬して、すすぎを行い、洗浄後の油の残存率を算定したことが記載されている(摘記甲1g)。 また、甲1には、使用形態の一例として、水によって希釈されて洗浄剤水溶液とし、そのような洗浄剤水溶液を、スプレー法、噴流法等の従来公知の各種洗浄方法に適した洗浄剤として採用できることが記載されている(摘記甲1fの【0031】~【0032】)。 以上のとおり、甲1には、上記洗浄剤組成物を、油性成分等の汚れを洗浄するために用いること、洗浄剤組成物としての使用形態の例示が記載されているが、「薬効付与用」、すなわち、組成物の適用対象に対して薬効を付与するために用いることは記載も示唆もされていない。 甲1には、洗浄剤組成物中に、アルカリ剤、防錆剤、酸化防止剤、防黴剤、防菌剤等の添加物を任意に配合できることが記載されているものの(摘記甲1e)、これらの添加剤は、洗浄剤組成物そのものに当該添加剤の機能を追加するためのものであると解されるから、当該記載は、洗浄剤組成物を「薬効付与用」として用いることを記載ないし示唆するものであるとはいえない。 よって、甲1には、洗浄剤組成物を「薬効付与用」とすることは記載も示唆もされておらず、甲1発明の「洗浄剤組成物」を「噴射製品に充填するための発泡性薬効付与用組成物」とすることは、当業者が容易になし得た事項であるということはできない。 したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本件発明1は、甲1に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (4)本件発明3及び4について 本件発明3及び4は、本件発明1を直接又は間接的に引用し、本件発明1をさらに限定するものであるから、本件発明1と同様に、本件発明3及び4は、甲1に記載された発明ではないし、また、甲1に記載された発明に基いて当業者が容易に発明できたものではない。 (5)本件発明12について 本件発明12は、本件発明1の「発泡性薬効付与用組成物」を「噴射する薬効付与方法」の発明である。そして、上記(3)で述べたとおり、本件発明1は、甲1に記載された発明ではないし、また、甲1に記載された発明に基いて当業者が容易に発明できたものでないのであるから、本件発明12は、本件発明1と同様に、甲1に記載された発明ではないし、甲1に記載された発明に基いて当業者が容易に発明できたものではない。 (6)小括 よって、本件請求項1、3、4及び12に係る特許は、申立理由1(新規性及び進歩性欠如)によって取り消されるべきものでない。 2 申立理由2(サポート要件違反)について (1)判断の前提 特許請求の範囲の記載が明細書のサポート要件に適合するか否かは、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し、特許請求の範囲に記載された発明が、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載又はその示唆により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断すべきものである。 (2)本件特許明細書の発明の詳細な説明の記載 本件特許明細書の発明の詳細な説明の記載事項を、上記申立理由の判断に必要な範囲で以下に摘記する。なお、「・・・」は摘記の省略を示す。 本a 発明が解決しようとする課題について 「【0002】 発泡性の製品は、使用時に泡の外観などを視認することができるため、使用感が好ましい製品も多い。そのため、従来から様々な種類の発泡性の製品が検討・開発されている。 【0003】 例えば、特許文献1には、長時間消泡、乾燥しない泡を形成でき、その泡を悪臭源表面に長時間乾燥せずに残留させ、泡によって悪臭源を覆い隠し、悪臭の空気中への拡散を防ぐことのできる発泡性の消臭用エアゾール組成物が記載されている。また、特許文献2には、噴出される原液が泡状となり、常温下や低温下においても泡の形成性が良好で、持続性が優れるため利用しやすい発泡性のエアゾール組成物が記載されている。 【0004】 しかし、特許文献1や特許文献2に記載のエアゾール組成物は、いずれも発泡後の泡の持続性を高めるような設計がされており、泡の持続性を高めることで対象物への暴露時間が長くなり、性能を十分に発揮することができるとされている。また、泡の持続性に劣るエアゾール組成物は、対象物への暴露時間が短くなるため、性能が十分に発揮できなくなる虞があると考えられていた。そのため、泡の持続性を高めなくても、優れた薬効を発揮することができるエアゾール組成物は望まれていた。 ・・・ 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、噴射製品に充填するための発泡性薬効付与組成物において、泡の持続性を高めなくても、有効成分の優れた拡散性を示し、優れた薬効を発揮することができ、使用感にも優れる発泡性薬効付与組成物を提供することを課題とする。」 本b 課題を解決するための手段について 「【課題を解決するための手段】 【0007】 本発明者らは、本発明の目的を達成するため、鋭意検討を行った結果、噴射製品に充填するための発泡性薬効付与組成物において、噴射後の泡の体積の変化率である泡体積比が特定の範囲であることが、有効成分の拡散性、薬効、及び使用感を向上させる上で、重要であることを見出し、本発明の完成に至った。」 本c 発泡性薬効付与用組成物の組成について 「【0011】 本発明で用いられる成分(A)有効成分としては、特に限定されないが、芳香消臭成分、防カビ成分、防虫成分、防汚成分、防ヌメリ成分、抗菌成分、ウイルス不活性化成分等が挙げられる。これらの成分のうち1種又は2種以上である。 ・・・ 【0020】 (A)成分の配合量は、発泡性薬効付与組成物中、0.01~10質量%であることが好ましく、0.02~5質量%であることがより好ましく、0.05~2質量%であることがさらに好ましい。 【0021】 本発明で用いられる(B)界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤のいずれであっても良い。アニオン系界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、アルキルりん酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルりん酸塩などが挙げられ、ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレン2-エチルヘキシルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン2-エチルヘキシルエーテル等のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ラウリルポリグルコシド、ミリスチルポリグルコシド等のアルキルポリグルコシド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレン硬化ひまし油などが挙げられ、両性界面活性剤としては、例えば、アルキルアミンオキシド、ヤシ油アルキルジメチルアミンオキシド、アミノ酢酸ベタイン、アミドプロピルベタイン、アルキルアミドプロピルヒドロキシスルテイン、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインなどが挙げられる。これらの界面活性剤の中でも、発泡性の観点から、ノニオン系界面活性剤及び/又は両性界面活性剤を含有することが好ましく、ノニオン系界面活性剤を含有することがより好ましく、ポリオキシエチレンアルキルエーテル及び/ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルを含有することがさらに好ましく、分岐アルキル鎖を有するポリオキシエチレンアルキルエーテル及び/又はポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルを含有することがさらに好ましい。これらの界面活性剤は1種以上を組み合わせて用いることができる。また、本発明の発泡性薬効付与組成物中に(B)界面活性剤は0.1~10質量%配合されることが好ましい。なお、本明細書において、防カビ成分、抗菌成分、防汚成分やウイルス不活性化成分であるカチオン系界面活性剤は、(B)界面活性剤として取り扱わないものとする。 【0022】 本発明で用いられる(C)溶剤としては、特に限定されないが、例えば、ノルマルパラフィン、イソパラフィン、流動パラフィン、ナフテン系炭化水素、ワセリン、スクワラン、α-オレフィンオリゴマー、スクワラン等の炭化水素系溶剤、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール(IPA)、1-ブタノール、2-ブタノール、ターシャリーブタノール、1-ペンタノール、1-ヘキサノール、ベンジルアルコール、2-フェニルエタノール等のアルコール系溶剤、2-フェノキシエタノール(エチレングリコールモノフェニルエーテル)、エチレングリコール、プロピレングリコール、1-フェノキシ-2-プロパノール(プロピレングリコールフェニルエーテル)、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコール系溶剤等が挙げられる。これらの溶剤は1種以上を組み合わせて用いることができ、本発明の発泡性薬効付与組成物中に(C)溶剤は0.5~30質量%配合されることが好ましい。 【0023】 本発明で用いられる水としては、イオン交換水や逆浸透膜水等の精製水や、通常の水道水や工業用水、海洋深層水等が挙げられる。水の配合量は、溶解性を保っていれば特に限定されないが、本発明の発泡性薬効付与組成物中に水は50~99質量%配合されることが好ましい。」 本d 発泡性薬効付与用組成物の特性について 「【0025】 本発明において、発泡性薬効付与組成物を、底面積11.3cm2の300mLのメスシリンダーに1秒間噴射した際の、噴射直後の泡の体積の最大値Xと、噴射1分後の泡の体積Yとの比率である泡体積比は、Y/X≦0.99であることが好ましく、Y/X≦0.70であることがより好ましい。本発明の発泡性薬効付与組成物を噴射した後、泡の体積の変化率である泡体積比が前記範囲にあることで、有効成分の拡散性が向上し、優れた薬効を発揮することができる。 【0026】 本発明の発泡性薬効付与組成物の(A)有効成分と(C)有機溶剤の配合質量比率は10≦(C)/(A)≦700であることが好ましく、50≦(C)/(A)≦500であることがより好ましい。(C)/(A)が上記範囲内にあることで、有効成分の拡散性が向上し、優れた薬効を発揮することができる。」 本e 発泡性薬効付与用組成物の使用形態について 「【0029】 また、本発明の発泡性薬効付与組成物は、トリガー式やポンプ式のスプレー容器に充填し、噴射剤を要しないスプレー形態や、耐圧製容器に充填し噴射剤を配合してなるエアゾール形態等の噴射製品として使用する。後者は、エアゾール容器にエアゾール原液を入れ、噴射剤としては、特に限定されないが、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン等の液化石油ガス(LPG)、ノルマルペンタン、イソペンタン、ジメチルエーテル(DME)、及びHFO1234ze等のハイドロフルオロオレフィン等の液化ガス、並びに窒素ガス、炭酸ガス、亜酸化窒素、及び圧縮空気等の圧縮ガス等が挙げられ、これらを加圧充填することで、本発明のエアゾールを提供することができる。前記エアゾールは、定量噴射バルブを備えることで、定量噴射型エアゾールとすることも可能である。エアゾール原液と噴射剤の配合比率(容量比率)は、10/90~60/40であることが好ましく、15/85~50/50であることがより好ましい、20/80~40/60であることがさらに好ましい。エアゾールの種類としては、水性エアゾール、油性エアゾールのいずれでも製剤することが可能である。また、スプレー形態やエアゾール形態にした際の、噴口の数、寸法及び形状は特に限定されない。また、噴射ボタンとしては、泡を形成するタイプのボタンであれば、いずれであってもよいが、スパウトタイプ、またはメカニカルブレークアップ機構を持つものが好ましい。」 本f 実施例等について 「【実施例】 【実施例1】 【0032】 [発泡性薬効付与組成物の調製] (A)成分として香料A(d-リモネン15%、酢酸リナリル15%、リナロール10%を含有するラベンダー調香料)、d-リモネン、ラベンダー油、(B)成分としてポリオキシエチレン2-エチルヘキシルエーテル(以下、POE 2-エチルヘキシルエーテルと称する。ニューコール1008、日本乳化剤株式会社製)、アルキルポリグルコシド(炭素数10-16、Glucopon 600 CSUP、BASF株式会社製)、ヤシ油アルキルジメチルアミンオキシド(カデナックスDMC-W、ライオン・スペシャリティー・ケミカルズ株式会社製)、(C)成分として、エタノール(富士フィルム和光純薬株式会社製)、2-フェノキシエタノール(ダワノールEPh、安藤パラケミー株式会社製)、1-フェノキシ-2-プロパノール(ダワノールPPh、ダウ・ケミカル日本株式会社製)を表1、表2に示す配合割合(質量%)で配合し、イオン交換水を加えて100質量%として発泡性薬効付与組成物を調整した。この発泡性薬効付与組成物を、噴射剤としてLPGと共にエアゾール容器に入れ、表1、表2に示すエアゾール製品を調製した(実施例1~13)。噴射ボタンは内径0.6 mm、長さ10 cmの樹脂パイプ付ボタン(品番D94WHCD"3"-A-NP-23-100N-W、株式会社三谷バルブ製)を使用した。また、各エアゾール製品を製品の温度を水浴にて25℃に調整し、底面積11.3cm2の300mLのメスシリンダーに1秒間噴射し、噴射直後の泡の体積の最大値Xと、噴射1分後の泡の体積Yを、それぞれの目盛りを読み取り、体積の最大値Xと体積Yを求め、泡体積比(X/Y)を測定した。 【0033】 同様に、(A)成分として香料A(d-リモネン15%、酢酸リナリル15%、リナロール10%を含有するラベンダー調香料)、(B)成分としてPOE 2-エチルヘキシルエーテル(ニューコール1008、日本乳化剤株式会社製)表3に示す配合割合(質量%)で配合し、イオン交換水を加えて100質量%として発泡性薬効付与組成物[L]を調整した。この発泡性薬効付与組成物[L]を、噴射剤[G]と共にエアゾール容器に入れ(容量比率は、[L]/[G]=70/30とする。)、表3に示すエアゾール製品を調製した。噴射ボタンは内径0.6 mm、長さ10 cmの樹脂パイプ付ボタンの樹脂パイプ付ボタン(品番D94WHCD"3"-A-NP-23-100N-W、三谷バルブ株式会社製)を使用した。また、各エアゾール製品を製品の温度を水浴にて25℃に調整し、底面積11.3cm2の300mLのメスシリンダーに1秒間噴射し、噴射直後の泡の体積の最大値Xと、噴射1分後の泡の体積Yを、それぞれの目盛りを読み取り、体積の最大値Xと体積Yを求め、泡体積比(X/Y)を測定した。 【0034】 【表1】 [図:0001434203000002.jpg] 【0035】 【表2】 [図:0001434203000003.jpg] 【0036】 【表3】 [図:0001434203000004.jpg] 【0037】 [効果試験1(試験結果は表4に記載)] (1)芳香消臭成分の拡散性試験 1.ステンレス製の筒(直径20cm、長さ85cm)を2個つなげた。筒の一端の口は、予め、中心に約7cm四方の穴が開いたアルミホイルで蓋をしておいた(以下、評価側とする。)。反対側の口はアルミホイルをせずに、そのままにしておいた(以下、サンプル側とする。)。 2.上部が開口したガラスシャーレ(直径9.8cm、高さ1.8cm)にサンプルを1秒間噴射し、サンプル側から中に入れ、筒内サンプル側の端から10cmのところに置き、3.すぐにサンプル側の筒の口をアルミホイルで覆った。 4.評価者は評価側の口から筒の中のにおいを嗅ぎつづけ、ガラスシャーレを入れてから香りを感じるまでの時間を測定した。10人の評価者が測定した時間を平均して平均測定時間を算出し、以下の基準で評価した。 <芳香消臭成分の拡散性> ◎:(平均測定時間)≦12秒 〇:12秒<(平均測定時間)≦17秒 ×:17秒<(平均測定時間) 【0038】 (2)薬効(芳香消臭効果)試験 1.ステンレス製の筒(直径20cm、長さ85cm)を2個つなげた。筒の一端は、予め下半分に開口部(以下、開口部Aとする。)のあるアルミホイルで蓋をしておき(以下、サンプル側とする。)、反対側には、中央に7cm×7cmの開口部(以下、開口部Bとする。)を設けたアルミホイルで蓋をした。(以下、評価側とする。)。さらに、評価側には開口部Bが隠れる大きさのアルミホイルを開口部Bの蓋として貼っておき、これを開閉することで、開口部Bの開閉を可能とした。 2.ガラス台(直径9.8cm、高さ1.8cm)の上部に1%アンモニア水0.5mLを乗せ、ステンレス製の筒のサンプル側から中に入れて、筒内サンプル側の端から10cmのところに置いた。この状態で、ファン(日本電産サーボ製、VE55B5)のスイッチを入れ、10秒間送風した。 3.10秒後にファンを止め、評価側の開口部Bのアルミホイルの蓋を静かに開けて、評価者に開口部Bから筒内部においを嗅いでもらい、アンモニア臭を6段階(0:無臭、1:やっと感知できるにおい、2:何のにおいであるか分かる弱いにおい、3:楽に感知できるにおい、4:強いにおい、5:強烈なにおい)で評価した(評価点をSとする。)。 4.サンプル側から悪臭のガラス台を取り出し、次に上部が開口したガラスシャーレ(直径9.8cm、高さ1.8cm)にサンプルを1秒間噴射し、サンプル側から中に入れ、筒内サンプル側の端から10cmのところに置き、10秒間静置した。 5.前記3.と同様に評価側の開口部Bのアルミホイルの蓋を静かに開けて、評価者に開口部Bから筒内部においを嗅いでもらい、アンモニア臭を6段階(0:無臭、1:やっと感知できるにおい、2:何のにおいであるか分かる弱いにおい、3:楽に感知できるにおい、4:強いにおい、5:強烈なにおい)で評価した(評価点をTとする。)。 6.アンモニア臭の消臭率を(S-T)/S×100で算出した。10人の評価者による結果を平均して平均消臭率を算出し、以下の基準で評価した。 <薬効(芳香消臭効果)試験> ◎:60%≦(平均消臭率) 〇:30%≦(平均消臭率)<60% ×:(平均消臭率)<30% 【0039】 (3)泡性能試験 ステンレス板に各種発泡性薬効付与組成物をスプレーしたときの、泡立ちとはじけ方(使用感)を以下の基準で評価した。 <泡立ちとはじけ方(使用感)> ◎:泡立ち、はじけ方のいずれも良好 〇:泡がはじけにくい、または、はじけるのが早く泡立ちにくい ×:全く泡がはじけない 【0040】 【表4】 [図:0001434203000005.jpg] 【0041】 試験の結果、底面積11.3cm2の300mLのメスシリンダーに1秒間噴射した際の、噴射直後の泡の体積の最大値Xと、噴射1分後の泡の体積Yとの比率である泡体積比(Y/X)が、Y/X≦0.99である実施例1~13は、芳香消臭成分の拡散性、芳香消臭効果及び使用感において、優れたものであった。中でも、Y/X≦0.70である実施例2~8及び11~13は、芳香消臭成分の拡散性、芳香消臭効果及び使用感において、より優れていることが明らかとなった。これに対して、Y/X≦0.99を満たさない比較例1では、芳香消臭成分の拡散性、芳香消臭効果及び使用感のいずれにおいても好ましい結果が得られなかった。 【0042】 [効果試験2:防汚効果試験] (1) 試験例1 実施例5において、香料A0.05質量%に代えて、防汚成分である4級アンモニウム塩ポリマー系化合物0.05質量%を配合して、他は実施例5と同様にして実施例14のエアゾール製品を得た。本エアゾール製品の発泡性薬効付与組成物のpHは6.0で、泡体積比(Y/X)は0.27であった。 トイレ便器に実施例14のエアゾール製品を1秒間噴射し、1分間放置してから水を流した。この処理便器にサラダ油を3滴滴下し、水を流したところ、サラダ油は便器にくっつくことなく、全て流れた。 【0043】 (2) 試験例2 実施例12において、d-リモネン0.05質量%に代えて、防汚成分である4級アンモニウム塩ポリマー系化合物0.05質量%を配合して、他は実施例11と同様にして実施例15のエアゾール製品を得た。本エアゾール製品の発泡性薬効付与組成物のpHは6.4で、泡体積比(Y/X)は0.08であった。 トイレ便器に実施例15のエアゾール製品を1秒間噴射し、1分間放置してから水を流した。この処理便器にサラダ油を3滴滴下し、水を流したところ、サラダ油は便器にくっつくことなく、全て流れた。 【0044】 [効果試験3:防カビ効果試験] (1) 試験例1 実施例5において、香料A0.05質量%に代えて、防カビ成分でチモール0.05質量%を配合して、他は実施例5と同様にして実施例16のエアゾール製品を得た。本エアゾール製品の発泡性薬効付与組成物のpHは6.0で、泡体積比(Y/X)は0.23であった。 浴室のタイルに実施例16のエアゾール製品を1秒間噴射し、1分間放置してから水で洗い流し、1週間放置したところ、処理面には黒カビ、ピンクぬめりが生えてこなかった。 【0045】 実施例11において、香料A0.05質量%に代えて、防カビ成分であるチモール0.05質量%を配合して、他は実施例11と同様にして実施例17のエアゾール製品を得た。本エアゾール製品の発泡性薬効付与組成物のpHは6.4で、泡体積比(Y/X)は0.09であった。 浴室のタイルに実施例17のエアゾール製品を1秒間噴射し、1分間放置してから水で洗い流し、1週間放置したところ、処理面には黒カビ、ピンクぬめりが生えてこなかった。 【産業上の利用可能性】 【0046】 本発明の発泡性薬効付与組成物は、トイレの便器、浴槽、排水管、洗濯槽、窓ガラス、エアコンのフィルター、フィルター、エアコンのアルミフィン、換気扇、網戸、自動車等において、芳香消臭成分、防汚成分、防カビ成分、抗菌成分、ウイルス不活性化成分等の有効成分の拡散性、及び薬効を向上させることできるので、これらの薬効を有する噴射製品に利用できる可能性がある。」 (3)判断 本件特許明細書の発明の詳細な説明全体の記載事項、特に【0006】(摘記本a)の記載からみて、本件発明1~9、11及び12の解決しようとする課題は、「噴射製品に充填するための発泡性薬効付与組成物において、泡の持続性を高めなくても、有効成分の優れた拡散性を示し、優れた薬効を発揮することができ、使用感にも優れる発泡性薬効付与組成物を提供すること」であると認める。 本件特許明細書の発明の詳細な説明には、課題を解決するための手段として、「噴射製品に充填するための発泡性薬効付与組成物において、噴射後の泡の体積の変化率である泡体積比が特定の範囲であることが、有効成分の拡散性、薬効、及び使用感を向上させる上で、重要であることを見出し、本発明の完成に至った」ことが記載されている(摘記本b)。 そして、本件特許明細書の発明の詳細な説明には、発泡性薬効付与組成物に含有される「(A)有効成分」、「(B)界面活性剤」、「(C)有機溶剤」及び「水」についての記載があり(摘記本c)、発泡性薬効付与組成物が、「底面積11.3cm2の300mLのメスシリンダーに1秒間噴射した際の、噴射直後の泡の体積の最大値Xと、噴射1分後の泡の体積Yとの比率である泡体積比は、Y/X≦0.99であること」で、「有効成分の拡散性が向上し、優れた薬効を発揮することができる」ことが記載されている(摘記本d)。 また、実施例において、具体的に、(A)成分として香料A、d-リモネン、ラベンダー油、(B)成分としてポリオキシエチレン2-エチルヘキシルエーテル、アルキルポリグルコシド、ヤシ油アルキルジメチルアミンオキシド、(C)成分としてエタノール、2-フェノキシエタノール、IPクリーンLX(合議体注:イソパラフィン系溶剤であると認める。)、1-フェノキシ-2-プロパノールを所定の配合割合で配合し、イオン交換水を加えて100質量%として発泡性薬効付与組成物を調整したこと、この発泡性薬効付与組成物を噴射剤とともにエアゾール容器に入れ、エアゾール製品(実施例1~13)を調製したことが記載されている(摘記本fの【0032】~【0036】)。 そして、泡体積比(Y/X)がY/X≦0.99である実施例1~13のエアゾール製品は、芳香消臭成分の拡散性、芳香消臭効果及び使用感において、優れたものであったのに対して、(C)成分を含有していない発泡性薬効付与組成物を噴射剤とともにエアゾール容器に入れた、Y/X≦0.99を満たさない比較例1のエアゾール製品は、芳香消臭成分の拡散性、芳香消臭効果及び使用感のいずれにおいても好ましい結果が得られなかったことが記載されている(摘記本fの【0037】~【0041】)。 また、本件特許明細書の発明の詳細な説明には、[効果試験2:防汚効果試験]として、実施例5及び12について、香料A及びd-リモネンに代えて、防汚成分である4級アンモニウム塩ポリマー系化合物を配合した、実施例14及び15のエアゾール製品の試験結果(トイレ便器の防汚効果)が記載され(摘記本fの【0042】~【0043】)、[効果試験3:防カビ効果試験]として、実施例5及び11について、香料Aに代えて、防カビ成分であるチモールを配合した、実施例16及び17のエアゾール製品の試験結果(浴室タイルの防カビ効果)が記載されている(摘記本fの【0044】~【0045】)。 さらに、本件特許明細書の発明の詳細な説明には、発泡性薬効付与組成物は、トリガー式やポンプ式のスプレー容器に充填し、噴射剤を要しないスプレー形態等の噴射製品として使用できることも記載されている(摘記本e)。 なお、本件発明の「発泡性薬効付与用組成物」は、以上の本件特許明細書の記載における「発泡性薬効付与組成物」に対応する。 以上の本件特許明細書の発明の詳細な説明の記載から、本件発明1~9、11及び12は、当業者が上記課題を解決できると認識できる範囲のものであるといえる。 (4)申立人の主張について 申立人の主張の概要は次のとおりである。 本件発明1~9、11及び12は、噴射剤を含まない発明も包含するが、本件特許に係る発明の効果が、噴射剤を使用しない場合にも得られるとはいえず、本件発明1~9、11及び12は、その全体にわたってその課題を解決できない蓋然性が高いから、本件発明1~9、11及び12は、本件特許の明細書の発明の詳細な説明に記載したものでない。 上記主張について検討する。 本件特許明細書には、噴射剤の使用の有無について、「本発明の発泡性薬効付与組成物は、トリガー式やポンプ式のスプレー容器に充填し、噴射剤を要しないスプレー形態や、耐圧製容器に充填し噴射剤を配合してなるエアゾール形態等の噴射製品として使用する。」と記載されており(摘記本e)、かかる記載から、当業者は、本件発明の組成物について噴射剤を使用してもしなくてもよいことを理解するといえる。 そして、本件特許明細書には、噴射剤の使用の有無によって、有効成分の拡散性、薬効等について何らかの差異が生じる旨の記載もない。 一般に、発泡性薬効付与用組成物を噴射する際に、噴射剤の有無により噴射性が相違し、それによって、発生する泡の形状等に多少の相違が生じることが考えられるとしても、噴射剤の有無が、当該組成物の適用対象における有効成分の拡散性及び薬効に大きな影響を与えるという本願出願時の技術常識はない。 そうすると、上述の本件特許明細書の発明の詳細な説明の記載に接した当業者であれば、噴射剤を使用しない場合であっても、本件特許明細書の実施例に記載された噴射剤を使用する場合と同様に、「泡の持続性を高めなくても、有効成分の優れた拡散性を示し、優れた薬効を発揮する」ことを認識するといえるから、上記課題を解決できると認識できるといえる。 よって、申立人の主張は採用できない。 (5)まとめ したがって、本件発明1~9、11及び12は、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載又はその示唆により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであり、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるといえる。 よって、本件発明1~9、11及び12は、発明の詳細な説明に記載したものである。 (6)小括 以上のとおりであるから、本件請求項1~9、11及び12に係る特許は、申立理由2(サポート要件違反)によって取り消されるべきものでない。 3 申立理由3(明確性要件違反)について (1)「発泡性薬効付与用組成物」について 本件請求項1に記載された「発泡性薬効付与用組成物」の「薬効付与用」とは、その文言からみて、組成物の用途を特定しているものであり、当該組成物の適用対象に対して薬効を付与するために用いられることを特定しているものであると認められる。 そのように解することは、本件特許明細書において、「本発明の発泡性薬効付与組成物は、トイレの便器、浴槽、排水管、洗濯槽、窓ガラス、エアコンのフィルター、フィルター、エアコンのアルミフィン、換気扇、網戸、自動車等において、芳香消臭成分、防汚成分、防カビ成分、抗菌成分、ウイルス不活性化成分等の有効成分の拡散性、及び薬効を向上させることできる」と記載されている(2(2)摘記本fの【0046】)とおり、トイレの便器等において、芳香消臭成分等の有効成分の薬効を向上させることができることが説明されていることと整合する。 さらに、本件特許明細書に記載されている「(2)薬効(芳香消臭効果)試験」について、当該試験は、概要、ステンレス製の筒の中にアンモニア水を載せたガラス台に入れることによって、ステンレス製の筒にアンモニア臭を付与した後に、本件発明の発泡性薬効付与用組成物を噴射したガラスシャーレを当該ステンレス製の筒に静置して、当該アンモニア臭の消臭率によって芳香消臭効果を評価する試験であるところ(2(2)摘記本f)、当該試験においては、本件発明の発泡性薬効付与用組成物が噴射されたガラスシャーレをステンレス製の筒に静置することで、ステンレス製の筒の中が消臭されるものであると理解できる。すなわち、ガラスシャーレ又はステンレス製の筒に対して消臭効果を付与することによって、ステンレス製の筒の中が消臭されると理解することができる。 また、「発泡性薬効付与用組成物」との記載が、第三者に不測の不利益を及ぼすほどに不明確であるとはいえない。 したがって、「発泡性薬効付与用組成物」との記載に不明確な点はない。 よって、本件発明1~12は明確である。 (2)申立人の主張について 申立人は、 「前記試験例1において、「ガラスシャーレ」は単なる硬質表面として機能し、噴射によって薬効(芳香消臭効果)を付与されたと解釈することも可能ですが、一方で通常「ガラスシャーレ」は容器として使われますから、試験例1においては、スプレーした組成物はガラスシャーレ中に液体のまま存在し、その液体を試験対象とした試験と読むことも可能です。後者の場合は、「発泡性薬効付与用組成物」とは、組成物(液体)そのものに薬効を付与したと解釈することも可能と考えられます。」 と主張するが、上記「(2)薬効(芳香消臭効果)試験」は、ガラスシャーレの静置の前後においてステンレス製の筒の中の臭いを嗅いで消臭率を算出し、芳香消臭効果を評価する試験であるから、当該試験は、ガラスシャーレ又はステンレス製の筒に対して薬効を付与したことを評価する試験であって、組成物そのものに薬効を付与したことを評価する試験であるとはいえない。 したがって、申立人の主張を採用することはできない。 (3)小括 よって、本件請求項1~12に係る特許は、申立理由3(明確性要件違反)によって取り消されるべきものでない。 第5 むすび 以上のとおりであるから、特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件特許の請求項1~12に係る特許を取り消すことはできない。 また、ほかに本件特許の請求項1~12に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2025-701153

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