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特許異議申立

2025-701011

腐食を防止することができるカバー部材を備えたフレキシブルバスバー及びこれを含む電池モジュール

審判番号
2025-701011
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2023-556843
登録番号
7683896
請求日
2025年10月20日
審決日
2026年02月17日
公報発行日
2026年03月27日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
  • 【権利者代理人】飯田 雅人
  • 【権利者代理人】実広 信哉
  • 【異議申立人】橋本 澄
審判長/審判官
  • 審判長 吉田 美彦
  • 審判官 山崎 慎一
  • 審判官 脇岡 剛
分類
P1652.121-Y (H01B)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7683896号発明「腐食を防止することができるカバー部材を備えたフレキシブルバスバー及びこれを含む電池モジュール」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7683896号の請求項1に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1.手続の経緯 特許第7683896号の請求項1に係る特許(以下、「本件特許」という。)についての出願は、2023年(令和5年)3月9日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2022年5月19日 韓国(KR))を国際出願日とする出願であって、令和7年5月19日に特許権の設定登録がされ、同年同月27日に特許掲載公報が発行され、その後、令和7年10月20日に、本件特許の請求項1に係る発明について、特許異議申立人 橋本 澄(以下、「申立人」という。)により、特許異議の申立てがなされたものである。 第2.本件特許 特許第7683896号の請求項1に係る発明(以下、「本件特許発明」という。)は、特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 「【請求項1】 所定の幅、厚さ及び長さを有する金属板材が積層された構造を有し、長手方向の両端に締結部材を収容する第1貫通ホールが形成されたバスバー体と、 前記バスバー体の中間部分を取り囲む第1カバー部材と、 前記バスバー体の両端を取り囲む第2カバー部材と、を含み、 前記第2カバー部材は、ゴムまたはシリコン素材からなり、 前記第2カバー部材は、前記バスバー体の上面、側面、前面及び後面に密着するように位置する、フレキシブルバスバー。」 第3.申立理由の概要及び証拠 申立人による申立理由の概要、及び、申立人が提出した証拠は次のとおりである。 (1)申立理由 本件特許発明は、甲第1号証に記載の発明、甲第2号証ないし甲第8号証に記載の発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。(特許異議申立書第1頁「(1)申立ての理由」、同第3頁「(3)申立の根拠」、同第19頁「(5)むすび」など) (2)証拠方法 甲第1号証:国際公開第2021/045395号 甲第2号証:米国特許出願公開第2018/0026250号明細書 甲第3号証:特表2020-514976号公報 甲第4号証:特開2015-041656号公報 甲第5号証:特開2014-179197号公報 甲第6号証:特開2008-41331号公報 甲第7号証:特開2013-80625号公報 甲第8号証:特許第6872897号公報 第4.甲号証の記載事項 1.甲第1号証 (1)甲第1号証の記載事項 「 [図:0001433121000001.jpg] …中略… [図:0001433121000002.jpg] …中略… [図:0001433121000003.jpg] …中略… [図:0001433121000004.jpg] …中略… [図:0001433121000005.jpg] …中略… [図:0001433121000006.jpg] [図:0001433121000007.jpg] [図:0001433121000008.jpg] [図:0001433121000009.jpg] [図:0001433121000010.jpg] 」 (当審訳。なお下線は当審で付した。:「 [1] 本発明はインターバスバーに関するものであり、より具体的には、設置場所に応じて長さを容易に調整できるインターバスバーに関するものである。 …中略… [9] 本発明が解決しようとする課題は、バッテリーモジュール間の距離に関係なくバッテリーモジュールを容易に接続できる長さ調整可能なインターバスバーを提供することである。 …中略… [39] これらの図面を参照すると、本発明の第1実施例に基づくインターバスバー(100)は、第1バスバー(110)と前記第1バスバー(110)と結合及び結合解除可能な第2バスバー(120)を含む。 …中略… [44] 前記第1本体区間(111)は1つのバッテリーモジュールの端子に接触する部分であり、一端に締結孔(H)を有する。前記締結孔(H)は第1本体区間(111)をバッテリーモジュールの端子(未図示)に固定するためのボルト挿入用として使用される。 …中略… [51] 特に、図2及び図3に示すように、前記第1長さ調整区間(112)と前記第2長さ調整区間(122)は互いに少なくとも一部が重なって配置される連結部(130)を形成する。インターバスバー(100)は前記第1長さ調整区間(112)と前記第2長さ調整区間(122)の相対重なり範囲、すなわち連結部(130)の長さを調整して第1バスバー(110)と第2バスバー(120)を脱着することによってその全体の長さが調整される。 …中略… [80] 続いて、上記の図面を参照して本発明の一実施例に基づくバスバー組立体(200)について説明する。本発明の一実施例に基づくバスバー組立体(200)は、前述のインターバスバー(100)及び前記インターバスバー(100)を覆って被覆する絶縁被覆物(210,220,230)を含む。 [81] 前記絶縁被覆物は、前記第1バスバー(110)の締結孔(H)部分と前記第2バスバー(120)の締結孔(H)部分をそれぞれ開放または遮蔽するように設けられた第1端子カバー(210)と第2端子カバー(220)及び一端は前記第1端子カバー(210)に結合し、他端は前記第2端子カバー(220)に結合し、ひだ構造で弾性を有する被覆部材(230)を含むことができる。 [82] 前記第1端子カバー(210)と第2端子カバー(220)はプラスチック射出物であることができ、前記被覆部材(230)は弾性を有するシリコンまたはゴム材料であることができる。 [83] 前記第1端子カバー(210)と第2端子カバー(220)は同一形状であることができ、それぞれ第1バスバー(110)の一端部と第2バスバー(120)の一端部を保護するカバーボディ(211)及びボルト締結を容易にするためにカバーボディ(211)の上部を開閉可能に設けられたカバー上板(212)を含むことができる。 [84] 前記被覆部材(230)は前述の長さ調整可能なインターバスバー(100,100A,100B)に対応してひだ構造で弾性を有するように設けられることができる。すなわち、前記被覆部材(230)はインターバスバー(100,100A,100B)の長さに応じて適切にその長さを伸縮させることができるようになっており、さまざまな長さのインターバスバーを被覆することができる。したがって、インターバスバー(100,100A,100B)の長さが変更される度に絶縁物を新たに製作しなければならない手間や追加コストの発生をなくすことができる。」) 「【図2】 [図:0001433121000011.jpg] …中略… 【図10】 [図:0001433121000012.jpg] 」 (2)甲1発明 上記(1)の記載及び図面によると、甲第1号証には次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。 「第1バスバー(110)と第2バスバー(120)とが、重なって配置される連結部を形成し、長手方向の両端に締結部材を収容する締結孔Hが形成されたインターバスバー100と(段落39、44、51、図2)、 前記インターバスバー100の中間部分を取り囲む被覆部材230と(段落80、81、図10)、 前記インターバスバー100の両端を取り囲む第1端子カバー210及び第2端子カバー220と、を含み(段落80ないし83、図10)、 第1端子カバー210及び第2端子カバー220は、プラスチック射出物からなる(段落82、図10)、 バスバー組立体200」 2.甲第2号証 甲第2号証には、以下の事項が記載されている。 「[0074] Prior to stacking, at least the end portions 104 and 108 could be coated with a tinning solder 154 to prevent, or inhibit, corrosion of the end portions 104 and 108. In one example, the exposed surfaces of the end portions 104, 108 are covered entirely by the tinning solder 154 and then the layers 84 are stacked. The tinning solder 154 bonds to the end portions 104, 108.」 (当審訳:「[0074]積層に先立ち、少なくとも端部104および108は、端部104および108の腐食を防止し、又は抑制するために、錫メッキはんだ154でコーティングされる。一例では、端部104、108の露出面全体を錫めっきはんだ154によって全面的に覆い、その後にレイヤー84を積層する。錫メッキはんだ154は端部104、108に接合する。」 3.甲第3号証 甲第3号証には、以下の事項が記載されている。 「【0141】 コーティング部800は、第2面152及び第3連結回路部150の周辺のバスバー500の一部をカバーするように形成され得る。コーティング部800は、基板層101とバスバー500の電気的連結を妨げないように非伝導性材料で構成され得、ノズルを用いて一部にのみ塗布され得る。 【0142】 図27に示すように、コーティング部800は、第1面151がバスバー500に接合された状態で形成され得る。また、第2面152だけでなく、第2面152の周辺絶縁層102及び周辺バスバー500の一部までカバーするように形成されて基板層101の腐食を防止すると共に、バスバー500との接合強度を向上させることができる。」 4.甲第4号証 甲第4号証には、以下の事項が記載されている。 「【0034】 本実施形態によれば、以下の作用、効果を奏する。 本実施形態において、蓄電モジュール10は、電極端子32,32間を接続する接続部材40と電極端子32との接続部41を取り囲む箱状部42を備え、箱状部42には絶縁樹脂43が充填されているから、接続部材40と電極端子32との接続部41への水の浸入が抑制される。その結果、本実施形態によれば、接続部材40と電極端子32との接続部41における腐食の発生を抑制することができる。」 5.甲第5号証 甲第5号証には、以下の事項が記載されている。 「【0028】 ホルダキャップ52の内径は、接続部42の外径よりも僅かに大きく形成されている。これにより、ホルダキャップ52は、接続部42に上から被せ、接続部42に外側から嵌合することができる。なお、ホルダキャップ52は、接続部42を安定して押圧および保持できればよく、金属に限らず、合成樹脂等の絶縁材料で形成することも可能である。合成樹脂でホルダキャップ52を形成する場合は、スリット58を省略してもよい。 …中略… 【0036】 接触式による電気接続では、接続時は電気的に安定していたとしても、時間変化、環境変化によって、抵抗が上昇する可能性が生じる。本実施形態に係る二次電池装置によれば、接続部42をホルダキャップ52により押圧し、接続端子に押付けることで、応力緩和、電気抵抗の増大を防ぐ構造となっている。また、接続端子22b、23bに係合する際、バスバー40のリブ50が接続端子22b、23bの外周面を削りながら接触し、同時に、リブ50が削れることで、接続部42の母材がしっかり接続端子に導通する。更に、接続部42の羽部分、すなわち、スリット48間の部分、およびリブ50がホルダキャップ52によって接続端子の外周面側に押されることで、接触力を維持する。リブ50と接続端子22b、23bとの間に空気層がないため、酸化などの腐食の心配がなく、時間変化、環境変化による抵抗増大を防ぐことができる。 以上のことから、二次電池の電極端子を容易に、かつ、確実に接続することが可能な電池接続構造、およびこれを備えた二次電池装置が得られる。これにより、組立性の向上した二次電池装置が得られる。」 6.甲第6号証 甲第6号証には、以下の事項が記載されている。 「【0017】 本発明の実施の形態を説明する。 <実施例> 図1(I)は、本発明フレキシブルバスバの斜視図、(II)は、このフレキシブルバスバと接続対象との接続状態を説明する断面図である。以下、図面において同一物は同一符号で示す。フレキシブルバスバ1は、錫メッキ銅線の編組からなる導体部10と、導体部10の両端部にそれぞれ圧着される矩形筒状の端子部11とを具える。各端子部11は、接続対象である導電部材200に接触させる締結面11aにボルト300が挿通される貫通孔12を具えており、ボルト300及びナット301によるボルト締めにより、バスバ1と接続対象200とが接合される。バスバ1の特徴とするところは、両端子部11の締結面11aに突起部13を有している点にある。以下、突起部13を中心に説明する。」 7.甲第7号証 甲第7号証には、以下の事項が記載されている。 「【0058】 図7(b)に示すように、最上段の左端の単電池セル101の負極外部端子と、上から二段目の左端の単電池セル101の正極外部端子とは第2ブスバ162により接続されている。上から二段目の右端の単電池セル101の負極外部端子と、上から三段目の右端の単電池セル101の正極外部端子とは第3ブスバ163により接続されている。上から三段目の左端の単電池セル101の負極外部端子と、最下段の左端の単電池セル101の正極外部端子とは第2ブスバ162により接続されている。それ以外の中間に位置する単電池セル101の正極外部端子と、負極外部端子とは第1ブスバ161により接続されている。つまり、3列×4段の単電池セル101は全てが直列に接続され、最上段の右端の単電池セル101の正極外部端子と最下段の右端の負極外部端子との間には、12個の単電池セル101を直列に接続した電位差が生じている。 …中略… 【0063】 第1ブスバ161、第2ブスバ162、ならびに、第3ブスバ163、連結用ブスバ164およびケーブル接続用ブスバ165の材質は、導電性の良好な材質であり、たとえば銅である。第1伝熱カバー151、第2伝熱カバー152および第3伝熱カバー153は、上記した伝熱シート189と同様に熱伝導性と絶縁性を有する材質からなり、たとえば熱伝導率1~5W/m・K、体積抵抗率1010~1011Ω・cm程度のシリコンゴムで成形されている。 …中略… 【0067】 電圧検出用端子部161dは、電気的に接続される単電池セル101間の電圧を検出する電圧検出端子138(図6参照)が接続される部分である。電圧検出用端子部161dには、端子接続用の小ねじ139(図6参照)が装着されるねじ孔161eが形成されている。なお、電圧検出端子138は、基板129に半田で接続されている。基板129には導体パターンが予め印刷されており、電圧検出端子138は基板129上に配置されたコネクタ128と電気的に接続されている。 …中略… 【0073】 第1ブスバ161と第1伝熱カバー151とは個別に形成されている。第1ブスバ161の材質は剛性の高い銅であり、第1伝熱カバー151の材質は柔軟性を有するシリコンゴムであるため、第1伝熱カバー151の一対の保持部151eを両側に開くように変形させるなどして、第1伝熱カバー151に第1ブスバ161を密着させて取り付けることができる。 …中略… 【0091】 第2ブスバ162と第2伝熱カバー152とは個別に形成されている。第2ブスバ162の材質は剛性の高い銅であり、第2伝熱カバー152の材質は柔軟性を有するシリコンゴムであるため、第2伝熱カバー152の貫通孔152dに第2ブスバ162の電圧検出用端子部162dを挿入し、貫通孔152dから突出させるように押し込むことで、第2伝熱カバー152に第2ブスバ162を密着させて取り付けることができる。 …中略… 【0111】 ブスバ163,164,165と第3伝熱カバー153とは個別に形成されている。第3ブスバ163の材質は剛性の高い銅であり、第3伝熱カバー153の材質は柔軟性を有するシリコンゴムであるため、第3伝熱カバー153の貫通孔153d,154d,155dにそれぞれブスバ163,164,165の電圧検出用端子部163d,164d,165dを挿入し、貫通孔153d,154d,155dから突出させるように押し込むことで、第3伝熱カバー153にブスバ163,164,165を密着させて取り付けることができる。」 8.甲第8号証 甲第8号証には、以下の事項が記載されている。 「【0013】 そして、図1において、正極端子2および負極端子3のそれぞれがバスバー81,82と接続した状態で、正極端子2とバスバー81との接続部および負極端子3とバスバー82との接続部が被覆部である被覆材9により覆われている。図1では、接続部全体が被覆材9に覆われており、結露または塩害による正極端子2と負極端子3との間、さらに正極端子2および負極端子3と隣接する蓄電池との間の短絡を防止している。また、被覆材9により正極端子2および負極端子3の腐食を防ぐことも可能になる。なお、正極端子2とバスバー81との接続部または負極端子3とバスバー82との接続部のいずれか一方が被覆材9により覆われている場合もある。 …中略… 【0023】 実施の形態2. 図3は、本発明の実施の形態2に係る蓄電池1の端子接続部を示す図である。図3は、蓄電池1の端子接続部の被覆部に熱収縮チューブ19を使用した例である。熱収縮チューブ19としては、耐熱、耐寒性に優れたポリオレフィン樹脂、ポリビニルカーボネートが好ましい。また、長期信頼性が必要な場合には、熱収縮チューブ19としてフッ素系ポリマー熱収縮素材等が適している。これらの材料を用いた熱収縮チューブ19は、加熱することによって端子接続部を密着させることが可能である。これにより、被覆部としての被覆効果を高めることができる。 【0024】 また、図1に示した蓄電池1では正極端子2および負極端子3を含めた端子接続部全体を被覆部で被覆しているが、温度変化または塩害等が比較的少ない場合は、図3に示したように、正極端子2および負極端子3の上端などの一部は熱収縮チューブ19で被覆せずに、正極端子2および負極端子3とバスバー81,82との接続部のみを熱収縮チューブ19で被覆しても良い。」 第5.当審の判断 1.申立理由(特許法第29条第2項)について (1)本件特許発明と甲1発明との対比 ア.甲1発明の「第1バスバー(110)と第2バスバー(120)とが、重なって配置される連結部を形成し、長手方向の両端に締結部材を収容する締結孔Hが形成されたインターバスバー100」と、本件特許発明の「所定の幅、厚さ及び長さを有する金属板材が積層された構造を有し、長手方向の両端に締結部材を収容する第1貫通ホールが形成されたバスバー体」とは、「長手方向の両端に締結部材を収容する第1貫通ホールが形成されたバスバー体」の点で共通する。 イ.甲1発明の「前記インターバスバー100の中間部分を取り囲む被覆部材230」は、本件特許発明の「前記バスバー体の中間部分を取り囲む第1カバー部材」に相当する。 ウ.甲1発明の「前記インターバスバー100の両端を取り囲む第1端子カバー210及び第2端子カバー220」は、本件特許発明の「前記バスバー体の両端を取り囲む第2カバー部材」に相当する。 エ.甲1発明の「バスバー組立体200」は、上記アないしウの説示を踏まえると、「バスバー体」と「第1カバー部材」と「第2カバー部材」とを含む「バスバー」であるといえる。そうすると、甲1発明の「バスバー組立体200」と、本件特許発明の「フレキシブルバスバー」とは、「バスバー体」と「第1カバー部材」と「第2カバー部材」とを含む「バスバー」である点で共通する。 オ.上記アないしエのとおりであるから、本件特許発明と甲1発明とは、次の点で一致し、また、相違する。 【一致点】 「長手方向の両端に締結部材を収容する第1貫通ホールが形成されたバスバー体と、 前記バスバー体の中間部分を取り囲む第1カバー部材と、 前記バスバー体の両端を取り囲む第2カバー部材と、を含む、 バスバー。」 【相違点】 ・相違点1 本件特許発明の「バスバー体」は、「所定の幅、厚さ及び長さを有する金属板材が積層された構造」を有するのに対して、甲1発明の「インターバスバー100」は、当該事項について特定されていない点。 ・相違点2 本件特許発明の「第2カバー部材」は、「ゴムまたはシリコン素材」からなり、「前記バスバー体の上面、側面、前面及び後面に密着するように位置する」ものであるのに対して、甲1発明の「第2カバー部材」は、当該事項について特定されていない点。 ・相違点3 本件特許発明は、「フレキシブルバスバー」であるのに対して、甲1発明は、「バスバー組立体200」である点。 (2)判断 事案に鑑みて、まず、相違点2について検討する。 上記相違点2に係る本件特許発明の構成は、甲第2号証ないし甲第8号証のいずれにも記載されておらず、当該構成は、本件出願時における周知技術であるとも認められない。 また、本件特許明細書の段落0012、0041によると、本件特許発明における上記相違点2に係る構成は、塩害環境において、バスバー体の両端縁部で発生し得る腐食を防止するためのものであると解されるところ、塩害環境において、バスバー体の両端縁部で発生し得る腐食を防止することは、バスバーの技術分野における技術常識的な課題であるとはいえず、仮に、上記相違点2に係る本件特許発明の構成が周知技術であるとしても、甲1発明において、当該周知技術を採用すべき動機付けは認められない。 よって、他の相違点については判断するまでもなく、本件特許発明は、甲第1号証に記載の発明、甲第2号証ないし甲第8号証に記載の発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 2.申立人の主張について 申立人は、特許異議申立書において、甲第1号証には、「前記第2カバー部材は、ゴムまたはシリコン素材からなる」ことに相当する構成が記載されていると主張している。 しかし、甲第1号証の段落83には、「前記第1端子カバー(210)と第2端子カバー(220)はプラスチック射出物である」ことが記載されているところ、「前記第2カバー部材は、ゴムまたはシリコン素材からなる」ことに相当する構成は記載されているとはいえない。 よって、申立人による上記主張は認められない。 3.まとめ 上記1、2に説示したとおりであるから、本件特許発明は、甲第1号証に記載の発明、甲第2号証ないし甲第8号証に記載の発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 第6.むすび 以上のとおり、申立人による特許異議の申立理由によっては、請求項1に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に請求項1に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2025-701011

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