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特許異議申立

2025-700646

食器ストッカー及び洗浄システム

審判番号
2025-700646
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2024-018781
登録番号
7606021
請求日
2025年06月20日
審決日
2026年03月25日
公報発行日
2026年08月28日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】北沢産業株式会社
  • 【権利者代理人】弁理士法人東京アルパ特許事務所
  • 【異議申立人】山田 友則
審判長/審判官
  • 審判長 川口 真一
  • 審判官 窪田 治彦
  • 審判官 関口 哲生
分類
P1651.113-YAA(A47L) / P1651.121-YAA(A47L)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条、特許法第120条の5第2項、特許法第120条の8第1項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7606021号発明「食器ストッカー及び洗浄システム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7606021号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~7〕について訂正することを認める。 特許第7606021号の請求項1~4、7に係る特許を維持する。 特許第7606021号の請求項5、6に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。

理由

理 由 第1 手続の経緯の概略 特許第7606021号の請求項1~7に係る特許(以下「本件特許」という。)についての手続の概略は、概ね、次のとおりである。 令和 6年 2月 9日 出願 令和 6年12月16日 特許権の設定登録 令和 6年12月24日 特許掲載公報 令和 7年 6月20日 特許異議申立人山田友則による請求項1~ 7に係る特許に対する特許異議の申立て 令和 7年 9月24日付け 取消理由通知書 令和 7年11月26日 特許権者による意見書及び訂正請求書の提 出 令和 7年12月 5日付け 手続指令書(方式) 令和 8年 1月 8日 特許権者による手続補正書(方式)の提出 令和 8年 1月26日付け 通知書(訂正請求があった旨の通知) 令和 8年 2月27日 特許異議申立人による意見書の提出 以下、令和8年1月8日付け手続補正書(方式)により補正された令和7年11月26日付け訂正請求書を「本件訂正請求書」といい、本件訂正請求書に係る訂正を「本件訂正」という。 第2 本件訂正の適否 1 本件訂正の内容 本件訂正の請求は、特許請求の範囲を、本件訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~7について訂正を求めるものであって、その訂正内容は次のとおりである(下線は訂正箇所を示す。)。 (1) 訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に、 「前記食器仕分け部は、 前記食器を搬送する食器搬送コンベアと、 前記食器搬送コンベアの上方に配設され、個々の前記食器の高さに対応して下端の高さ位置が異なる複数の仕分けバーとを備え、 前記仕分けバーに接触した前記食器が前記食器搬送コンベアによって搬送されつつ前記仕分けバーにガイドされてスライドし、前記食器が前記食器収納部に収納される」 と記載されているのを、 「前記食器仕分け部は、 前記食器を搬送する食器搬送コンベアと、 前記食器搬送コンベアの上方に配設され、個々の前記食器の高さに対応して下端の高さ位置が異なる複数の仕分けバーと、 前記仕分けバーを昇降させる昇降機構とを備え、 前記複数の仕分けバーには、下端の高さ位置が同じである複数の仕分けバーを含み、 前記仕分けバーに接触した前記食器が前記食器搬送コンベアによって搬送されつつ前記仕分けバーにガイドされてスライドし、前記食器が前記食器収納部に収納され、 前記昇降機構は、前記下端の高さ位置が同じである複数の仕分けバーのうち前記食器収納部への前記食器の収納をしない仕分けバーを上昇させる、」 に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項2~4、7も同様に訂正するものと認める。)。 (2) 訂正事項2 請求項5及び6を削除する。 (3) 訂正事項3 特許請求の範囲の請求項7に 「食器に残存した残飯を落とす残飯処理装置と、 前記残飯処理装置から搬送された前記食器及び前記食器を載せていたトレーを洗浄する洗浄装置と、 前記洗浄装置において洗浄された前記トレーを収納するトレーストッカーと、 前記洗浄装置において洗浄された前記食器を収納する請求項1ないし6のいずれか1項に記載の食器ストッカーと、 を備える洗浄システム。」 と記載されているのを、 「食器に残存した残飯を落とす残飯処理装置と、 前記残飯処理装置から搬送された前記食器及び前記食器を載せていたトレーを洗浄する洗浄装置と、 前記洗浄装置において洗浄された前記トレーを収納するトレーストッカーと、 前記洗浄装置において洗浄された前記食器を収納する請求項1ないし4のいずれか1項に記載の食器ストッカーと、 を備える洗浄システム。」 に訂正する。 (4) なお、訂正前の請求項1~7について、訂正前の請求項2、3、5、7が、本件訂正の請求の対象である請求項1の記載を引用する関係にあり、訂正前の請求項4が、本件訂正の請求の対象である請求項3の記載を引用する関係にあり、訂正前の請求項6が、本件訂正の請求の対象である請求項5の記載を引用する関係にあるから、本件訂正は、訂正前の請求項〔1~7〕という一群の請求項ごとに請求されたものである。 2 本件訂正の適否について (1) 訂正事項1について ア 訂正の目的 訂正事項1に係る本件訂正は、「食器仕分け部」について、「前記仕分けバーを昇降させる昇降機構」を備える点、「前記複数の仕分けバーには、下端の高さ位置が同じである複数の仕分けバー」を含む点、「前記昇降機構は、前記下端の高さ位置が同じである複数の仕分けバーのうち前記食器収納部への前記食器の収納をしない仕分けバーを上昇させる」点を更に限定するものである。 よって、訂正事項1に係る本件訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件明細書等」という。)には、次の記載がある。 ・「【請求項5】 前記仕分けバーを昇降させる昇降機構を備えた 請求項1に記載の食器ストッカー。 【請求項6】 下端の高さ位置が同じである前記仕分けバーを複数備え、 前記昇降機構は、前記複数の仕分けバーのうち前記食器収納部への前記食器の収納をしない仕分けバーを上昇させる 請求項5に記載の食器ストッカー。」 ・「【0005】 … 前記食器ストッカーは、前記仕分けバーを昇降させる昇降機構を備えるとよい。 前記食器ストッカーは、下端の高さ位置が同じである前記仕分けバーを複数備え、前記昇降機構は、前記複数の仕分けバーのうち前記食器収納部への前記食器の収納をしない仕分けバーを上昇させるとよい。」 ・「【0032】 仕分けバー421~426を支持する支持部材431~436のうち、少なくとも支持部材432、434、436が、昇降機構481、483、485によって駆動されて昇降可能となっている。すなわち、下端の高さ位置が等しい仕分けバーが2つ並んでいる場合は、食器の搬送方向上流側の支持部材及び仕分けバーが昇降可能となっている。なお、すべての支持部材431~436及び仕分けバー421~426について、それぞれ昇降機構を設けてもよい。」 ・「【0070】 次に搬送されてくる食器7cは、仕分けバー421に接触する高さを有するが、ここで、食器積み上げ部451に食器7cがすでに満載されていると、食器台451aが最下位置にあるため、このことを食器満載センサ451fが検知する。この状態では、これ以上は食器7cを収納できないため、昇降機構481が支持部材431及び仕分けバー421を上昇させている。したがって、搬送されてきた食器7cは、仕分けバー421を通過し、仕分けバー422によってせき止められる。したがって、この食器7cは、図6に示した受け渡し部442の斜面442aを滑り落ち、切り欠き部442bから下方に落下する。ここでも、食器センサ462が食器7cの通過を検知し、エア噴出部472からエアが噴出され、スライドがアシストされる。」 ・「【0072】 このようにして次々と食器が収納されていく。そして、例えば食器積み上げ部455の食器台455aに食器7aが満載されると、食器台455aが食器満載センサ455fによって検知され、昇降機構485が支持部材435及び仕分けバー425を上昇させるため、その次に搬送されてくる食器7aは、食器積み上げ部456に収納される。」 ・「【図7】 [図:0001438283000001.jpg] 」 以上のような本件明細書等の記載からすると、本件明細書等には、「食器仕分け部」について、「前記仕分けバーを昇降させる昇降機構」を備える点、「前記複数の仕分けバーには、下端の高さ位置が同じである複数の仕分けバー」を含む点、「前記昇降機構は、前記下端の高さ位置が同じである複数の仕分けバーのうち前記食器収納部への前記食器の収納をしない仕分けバーを上昇させる」点について記載されているものと認められる。 そうすると、訂正事項1に係る本件訂正は、本件明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであって、新規事項を追加するものではない。 ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 訂正事項1に係る本件訂正は、発明を特定する事項をより具体的に限定するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。 エ 特許出願の際に独立して特許を受けることができること 本件においては、本件訂正前の請求項1~7について特許異議の申立てがされているので、訂正事項1に係る本件訂正に関して、独立特許要件は課されない。 (2) 訂正事項2について 訂正事項2に係る本件訂正は、請求項5、6を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的するものである。 そして、訂正事項2に係る本件訂正は、請求項5、6を削除するものであるから、本件明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではない。 本件においては、本件訂正前の請求項1~7について特許異議の申立てがされているので、訂正事項2に係る本件訂正に関して、独立特許要件は課されない。 (3) 訂正事項3について 訂正事項3に係る本件訂正は、引用する請求項を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、訂正事項3に係る本件訂正は、引用する請求項を削除するものであるから、本件明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではない。 本件においては、本件訂正前の請求項1~7について特許異議の申立てがされているので、訂正事項3に係る本件訂正に関して、独立特許要件は課されない。 (4) 以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法120条の5第2項ただし書1号に掲げる事項を目的とするものであって、同条9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に適合するので、訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~7〕について訂正することを認める。 第3 本件発明 前記第2のとおり、本件訂正は認められたから、本件特許の特許請求の範囲は、次のとおりである。 そして、請求項1~4、7に係る発明は、特許請求の範囲の請求項1~4、7に記載された事項により特定されるとおりのものである。以下、請求項1~4、7に係る発明を請求項の番号に従って「本件発明1」などという。 「【請求項1】 洗浄後の食器を高さに応じて仕分けする食器仕分け部と、前記食器仕分け部によって仕分けされた前記食器を収納する食器収納部と、を備え、 前記食器仕分け部は、 前記食器を搬送する食器搬送コンベアと、 前記食器搬送コンベアの上方に配設され、個々の前記食器の高さに対応して下端の高さ位置が異なる複数の仕分けバーと、 前記仕分けバーを昇降させる昇降機構とを備え、 前記複数の仕分けバーには、下端の高さ位置が同じである複数の仕分けバーを含み、 前記仕分けバーに接触した前記食器が前記食器搬送コンベアによって搬送されつつ前記仕分けバーにガイドされてスライドし、前記食器が前記食器収納部に収納され、 前記昇降機構は、前記下端の高さ位置が同じである複数の仕分けバーのうち前記食器収納部への前記食器の収納をしない仕分けバーを上昇させる、 食器ストッカー。 【請求項2】 前記仕分けバーの側面に沿ってスライドする前記食器を検知する食器センサと、 前記食器センサが前記食器を検知すると、前記食器に向けて、前記スライドの方向にエアを噴出するエア噴出部とを備える 請求項1に記載の食器ストッカー。 【請求項3】 前記食器が前記食器収納部に収納されたことを検知する食器収納センサを備え、 前記食器収納部には昇降可能な食器台を備え、 前記食器収納センサが前記食器を検知すると、設定された高さ分だけ前記食器台を下降させる 請求項1に記載の食器ストッカー。 【請求項4】 前記食器台が最下位置に到達し前記食器が満載されていることを検知する食器満載センサと、 前記食器が満載されていることを表示する食器満載表示部と を備えた 請求項3に記載の食器ストッカー。 【請求項5】(削除) 【請求項6】(削除) 【請求項7】 食器に残存した残飯を落とす残飯処理装置と、 前記残飯処理装置から搬送された前記食器及び前記食器を載せていたトレーを洗浄する洗浄装置と、 前記洗浄装置において洗浄された前記トレーを収納するトレーストッカーと、 前記洗浄装置において洗浄された前記食器を収納する請求項1ないし4のいずれか1項に記載の食器ストッカーと、 を備える洗浄システム。」 第4 取消理由 1 本件訂正前の請求項1~5、7に係る特許に対し通知した取消理由は、概ね、次のとおりである。 (1) 本件訂正前の請求項1、5に係る発明は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において頒布された、引用例1に記載された発明であって、特許法29条1項3号に該当するから、本件訂正前の請求項1、5に係る特許は、特許法29条1項の規定に違反してされたものである。 (2) 本件訂正前の請求項1~5、7に係る発明は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において頒布された、引用例1に記載された発明、引用例2に記載された発明、引用例3に記載された発明及び引用例4~7に記載された事項に基いて、本件特許の出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、本件訂正前の請求項1~5、7に係る特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものである。 2 引用例 取消理由通知において引用した引用例は次のとおりである。 なお、括弧内は特許異議申立人が提出した証拠方法のうち対応するものである。 引用例1:特開2023-14800号公報(甲第1号証) 引用例2:特公昭43-1699号公報(甲第2号証) 引用例3:米国特許出願公開第2013/0319828号明細書(甲第9号証) 引用例4:特開平11-138110号公報(甲第3号証) 引用例5:特開平5-116759号公報(甲第6号証) 引用例6:特開2023-127194号公報(甲第5号証) 引用例7:特開2004-60430号公報(甲第10号証) 第5 取消理由について 1 引用例1に記載された発明 (1) 引用例1には、以下の事項が記載されている(下線は当審にて付与した。以下同様。) ・「【請求項1】 複数種の食器を種類ごとに選別するための食器選別装置であって、 前記食器選別装置は、前記複数種の食器を搬送しながら搬送方向に沿って単列に整列させる整列部を少なくとも備えており、 前記整列部は、食器を搬送する主搬送面が形成されたコンベヤベルトを有する第1コンベヤと、前記第1コンベヤ上に配置され、前記第1コンベヤの主搬送面に対して立設するように副搬送面が形成されたサイドベルトを有した複数のサイドコンベヤと、を備え、 前記複数のサイドコンベヤは、前記第1コンベヤの幅方向の一方縁から下流側に向かって前記コンベヤベルトの中央側に、前記第1コンベヤの搬送方向に対して傾斜したサイドベルトと、前記第1コンベヤの幅方向の他方縁から下流に向かって前記コンベヤベルトの中央側に、前記第1コンベヤの搬送方向に対して傾斜したサイドベルトとが、前記第1コンベヤの搬送方向に沿って交互に、前記第1コンベヤ上に配置されていることを特徴とする食器選別装置。」 ・「【請求項4】 前記食器選別装置は、前記整列部で整列した食器を種類ごとの食器に選別する選別部を備え、 前記選別部は、前記整列部の前記第1コンベヤの下流端に配置された第2コンベヤと、 前記第2コンベヤで搬送される食器を種類に合わせて選別する複数の選別ガイドを備え、 前記各選別ガイドは、前記第2コンベヤの搬送方向に傾斜した状態で、前記第2コンベヤの搬送面に対して、各種類の食器の高さに応じて設定された隙間が、前記第2コンベヤの下流に進むに従って小さくなるように形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の食器選別装置。」 ・「【0001】 本発明は、複数種の食器を種類ごとに選別するための食器選別装置に関する。」 ・「【0006】 本発明は、このような点を鑑みてなされたものであり、複数種の食器が一度に大量に搬送された場合であっても、複数種の食器を種類ごとに、正確に選別することができる食器選別装置を提供することにある。」 ・「【0021】 1.食器選別装置1について 図1(a)および(b)に示すように、本実施形態に係る食器選別装置1は、複数種の食器を種類ごとに選別するため装置であり、たとえば、使用後に、食器洗浄装置で洗浄された複数の食器が選別され、選別された食器は、選別された種類の食器ごとに、所定の食器カゴ91に収納される。食器選別装置1は、複数種の食器を搬送しながら搬送方向Pに沿って単列に整列させる整列部3と、整列部3で整列した食器を種類ごとの食器に選別する選別部6と、を備えている。」 ・「【図1】 [図:0001438283000002.jpg] 」 ・「【0049】 5.選別部6について 選別部6は、整列部3で整列した食器を種類ごとの食器に選別する装置であり、たとえば、異径サイズの孔による落下分離する装置、カメラ判定によりロボットで食器を拾い上げるピックアップ装置、振り分け装置など種々の装置が採用されてもよい。本実施形態では、図1(a)に示すように、選別部6は、整列部3の第1コンベヤ11の下流端に配置された第2コンベヤ61と、第2コンベヤ61で搬送される食器を種類に合わせて選別する複数の(具体的には4つの)選別ガイド71、71、…(71A~71D)を備えている。」 ・「【0051】 図5に示すように、各選別ガイド71は、第2コンベヤ61に対して着脱自在に、第2コンベヤ61に取り付けられている。選別ガイド71は、ガイド本体72と、ガイド本体72のうち、食器と接触する表面に取り付けられた樹脂製の受け板76と、を備えている。 【0052】 ガイド本体72の両側には、ガイド本体72から垂下する差し込みロッド73が取り付けられており、差し込みロッド73は、第2コンベヤ61の両側に固着されたブラケット66A、66Bの貫通孔に挿通される。これにより、選別ガイド71のガイド本体72を、第2コンベヤ61の搬送方向に対して、特定の角度で傾斜するように、位置決めして配置することができる。 【0053】 さらに、ガイド本体72の両側には、第2コンベヤ61の搬送面62Aに対して、選別ガイド71の高さを調整する高さ調整機構77を有している。高さ調整機構77は、ガイド本体72に取り付けられ、上下方向に貫通したネジ孔が形成されたベース部材77Aと、ベース部材77Aのネジ孔に螺着する高さ調整シャフト(高さ調整ボルト)77Bと、を有している。高さ調整シャフト77Bの端部(具体には、本実施形態のボルト頭部)は、第2コンベヤ61の両側に固着されたブラケット66A、66Cに当接している。高さ調整シャフト77Bを、ベース部材77Aに対して回動させることにより、選別ガイド71の高さを調整することができる。 【0054】 本実施形態では、このような高さ調整機構77により、各選別ガイド71は、第2コンベヤ61の搬送方向Pに傾斜した状態で、第2コンベヤ61の搬送面62Aに対して、各種類の食器の高さに応じて設定された隙間Sが、第2コンベヤ61の下流に進むに従って小さくなるように形成されている。具体的には、図1(a)、(b)に示す選別ガイド71A~71Dは、これらの順に、隙間Sが小さくなっている。」 ・「【0057】 このようにして、本実施形態によれば、図6(a)に示すように、第1コンベヤ11で、単列化して第2コンベヤ61に搬送された複数の食器のうち、最も高さh1が高い食器D1は、第2コンベヤ61の上流側で選別ガイド71Aに接触し、それよりも高さh2が低い食器D2は、選別ガイド71Aと第2コンベヤ61の搬送面62Aとの隙間S1を通過する。 【0058】 選別ガイド71Aに接触した高さの高い食器D1は、選別ガイド71Aに接触した後、接触した選別ガイド71Aに案内されながら、図1(a)に示すように、第2コンベヤ61の脇に寄せられて、テーブル92に載置された食器カゴ91に集められる。このようにして、複数の食器から、高さh1が高い食器D1を、選別することができる。 【0059】 さらに、図6(b)に示すように、上流側の選別ガイド71Aを通過した高さh2が低い食器D2は、それよりも下流側において、高さh2よりも隙間S2が小さい選別ガイド71Bに接触した後、接触した選別ガイド71Bに案内されながら、第2コンベヤ61の脇に寄せられる。このようにして、他の選別ガイド71C、71Dにおいても同じように作用することで、整列部3で、複数種の食器が単列に整列された後、選別部6で、食器を一枚ずつ正確に選別することができる。 【0060】 このように、高さが異なる複数の食器が大量に搬送されたとしても、これらの食器は、整列部3により単列化されるため、本来、選別ガイド71と第2コンベヤ61の搬送面62Aを通過すべき高さh2が低い食器D2が、高さh1が高い食器D1の脇への移動に巻き込まれることなく、高さh2が低い食器D2が、選別ガイド71Aで案内されてしまうことを防止することができる。 ・「【図5】 [図:0001438283000003.jpg] 【図6】 [図:0001438283000004.jpg] 」 (2) 引用例1の図5、6において、選別部6に備えられた選別ガイド71、71A、71Bが第2コンベア61の上方に配設されている点が見て取れるから、選別ガイド71A~71Dは、第2コンベア61の上方に配設されているといえる。 そうすると、引用例1に記載された事項から、引用例1には次の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されているものと認められる。 (引用発明1) 「洗浄後の食器を高さに応じて選別する選別部6と、前記選別部6によって選別された前記食器を収納する食器カゴ91と、を備え、 前記選別部6は、 前記食器を搬送する第2コンベア61と、 前記第2コンベア61の上方に配設され、前記第2コンベア61の搬送面62Aに対して、各種類の前記食器の高さに対応して設定された隙間Sが異なる複数の選別ガイド71A~71Dと、 前記選別ガイド71A~71Dの高さを調整する高さ調整機構77を備え、 前記選別ガイド71A~71Dに接触した前記食器が前記第2コンベア61によって搬送されつつ前記選別ガイド71A~71Dに案内されて第2コンベア61の脇に寄せられて、前記食器が前記食器カゴ91に収納される、 食器選別装置1。」 2 引用例2に記載された発明 (1) 引用例2には、以下の事項が記載されている。 ・「近時各所に衛生設備の完備した給食センターが設けられ、一時に数千食にも及ぶ給食作業を極めて小数の従業員で取扱つている。本発明はこのような施設において給食先より戻つて来た用済み後の食器類を洗浄機にかけ、洗浄機より繰り出される洗浄ずみの各容器を容器別に自動的に選別する装置に関するもので、正方形の主食容器ならびにその覆蓋および主食容器よりやや小型の同様正方形の副食容器ならびにその覆蓋をそれぞれ別々に選り別ける装置である。」(1頁左欄下から24行~下から15行) ・「つぎに本装置の実施例を図面について説明する。フレーム1上をコンベヤー2が矢印の方向に駆動され、洗浄機(図示してない)からつぎつぎと繰り出される主食容器a同覆蓋b、および副食容器c同覆蓋dが互いに入り乱れ該コンベヤー2上を移動する。コンベヤー2上にはコンベヤー2を跨いて前縁3および後縁4が斜状にコンベヤー2を横切るブリツジ5を架設し、前縁3とコンベヤー2との間隙を主食容器a副食容器cの高さより低く、主食容器の覆蓋b副食容器の覆蓋dより高くなるようにする。また同様にブリツジ5の後縁4とコンベヤー2との間隙は主食覆蓋b副食覆蓋dの高さより低くする。ここに各容器ならびに覆蓋の高さはa≧C>b≧dである。従つてコンベヤ-2上を移動する各容器ならびに覆蓋のうち主食容器a副食容器cはその高さがブリツジ5の前縁3より高いので前縁3に突き当り前縁3に沿うて斜めに移動しついでコンベヤー2の側縁2aから滑り落ちる。同様に前縁3をくぐつた主食覆蓋b副食覆蓋dは後縁4でせきとめられ、同様に斜めに移動して側縁2aから滑り落ちる。 このブリツジ5の前縁3、後縁4の端部の下方には平板6,7をそれぞれ折曲線8,9で屏風様に折曲げ、滑り面10,11および側壁12,13を形成した滑り台14,15を斜状に設ける。そして滑り面10には主食容器aの一辺の長さlaよりも小さく副食容器cの一辺の長さlcよりも大きい欠切孔16を設け、同様に滑り面11にも主食覆蓋bの一辺の長さlbよりも小さく副食覆蓋dの一辺の長さldよりも大きい欠切孔17を設けておく。しかるときは前述したようにコンベヤー2上を移動しブリツジ5の前縁3でせき止められて側縁2aから滑り落ちる主食容器aおよび副食容器cは滑り面10上に落ちるとともに側壁12に容器a、cの一辺を密接しつつ折曲線8に沿うて滑り面10上を滑り落ち、ついで主食容器aは欠切孔16の上を越えて滑り面10の下端10aより篭18内に落下し、副食容器cは欠切孔16において孔より下の篭19内に落下する。同様にブリツジ5の後縁4にせき止められる覆蓋b,dは滑り面11を滑り落ち主食覆蓋bは滑り面11の下端11aより落下し、副食覆蓋dは滑り面11に設けた欠切孔17より下方に落下する。従つてコンベヤー2上を雑然と混合して移動する主食容器a、同覆蓋b、副食容器c、同覆蓋dはそれぞれ整然と選り別けられて各容器別に容器篭内に収容される。容器別に選別された各容器ならびに覆蓋はそれぞれ消毒室に入り、ついで爾後の給食の準備工程に振向けられる。 本発明は上述したように洗浄機を経て雑然とコンベヤー2上に繰り出される各容器ならびにその覆蓋を人手を煩わすことなく自動的に容器別、覆蓋別に選り別けることができるので爾後の作業を容易にし従つて給食センターの能率を向上することができる。」(1頁左欄下から14行~右欄下から3行) ・「 [図:0001438283000005.jpg] [図:0001438283000006.jpg] [図:0001438283000007.jpg] 」 (2) 引用例2に記載された事項から、引用例2には次の発明(以下「引用発明2」という。)が記載されているものと認められる。 (引用発明2) 「洗浄後の容器を高さに応じて選別するフレーム1、コンベヤー2、ブリッジ5及び滑り台14、15と、前記フレーム1、コンベヤー2、ブリッジ5及び滑り台14、15によって選別された前記容器を収容する篭18、19と、を備え、 前記ブリッジ5は、前記コンベヤー2上に斜状に架設され、前記コンベヤー2との間隙を異にする前縁3及び後縁4を備え、 前記前縁3及び後縁4に突き当たった前記容器が前記コンベヤー2によって移動させられつつ前記前縁3及び後縁4に沿うて斜めに移動し、前記容器が前記篭18、19に収容される 食器類の自動選別装置。」 3 引用例3に記載された発明 (1) 引用例3には、以下の事項が記載されている。なお、日本語訳は、特許異議申立人提出の訳文による。 ・「[0005] In conveyor warewashers, the washware, such as, for example, trays, crockery, pots, glasses, cutlery and other utensils to be cleaned, is conveyed through a plurality of treatment zones, such as, for example, pre-washing zone(s), main wash zone(s), afterwash or pre-rinse zone(s), final rinse zone(s) and drying zone(s). For transporting washware in a transport direction through the conveyor warewasher, a transport apparatus is used, which usually has compartments for the reception of washware. In a flight-type warewasher, the compartments may be formed by supporting fingers on a conveyor belt of the transport apparatus. In rack-conveyor warewashers, crockery racks, in which compartments may be formed in order to receive the washware to be treated, serve as the transport apparatus. It is conceivable in this case that the crockery racks are transported through the rack-conveyor warewasher by means of a conveying apparatus.」(コンベア式食器洗浄機では、トレー、陶磁器類、鍋、グラス類、カトラリーおよびその他の洗浄対象物が、前洗浄ゾーン、主洗浄ゾーン、アフターウォッシュまたは予備すすぎゾーン、最終すすぎゾーン、乾燥ゾーンのような複数の処理ゾーンを通じて搬送される。洗浄対象物をコンベア式食器洗浄機内で搬送するためには、通常、洗浄対象物を収容する区画を持つ搬送装置が使用される。例えば、フライト式食器洗浄機では、搬送装置のコンベアベルトにある支持フィンガーによって区画が形成される場合がある。また、ラック式コンベア食器洗浄機では、洗浄封象物を収容するための区画がランク内に形成され、それが搬送装置として機能する。この場合、ラックは搬送装置を介してラック式コンベア食器洗浄機内で搬送されることが考えられる。) ・「[0007] Where trays or tray-like articles are concerned, pre-sorting usually takes place in such a way that the crockery and cutlery batch is picked up from a tray to be cleaned and the tray is subsequently stacked upstream of the transport apparatus or in the incoming region (dirty side) of the conveyor warewasher. The trays from this tray stack are from time to time placed, fully sorted, into the conveyer belt of the warewasher and cleaned. This fully sorted procedure has the advantage that trays cannot throw spray shadows onto smaller washware articles stacked behind the trays.」(トレーやトレー状の物品については、通常、洗浄のためにトレーから陶磁器類やカトラリーを取り除き、トレーは搬送装置の上流またはコンベア式食器洗浄機の入力領域(汚れ側)で積み重ねられる。この積み重ねられたトレーは、定期的に完全に分類された状態で食器洗浄機のコンベアベルトに置かれ、洗浄される。このような完全な分類手順には、トレーが後ろに積み重ねられた小型洗浄対象物に対してスプレーシャドゥを投影しないという利点がある。) ・「[0008] Furthermore, as a result of this procedure, the stacking and de-stacking workflow is greatly simplified and is more efficient as compared with an intermixing of the washware with the trays to be cleaned.」(さらに、この手順により、積み重ねおよび解除の作業プロセスが大幅に簡素化され、洗浄対象物とトレーを混合して洗浄する場合と比較して、作業効率が向上する。) ・「[0014] …The cutlery and crockery articles are removed manually from the trays there and are placed into the warewasher conveyor belt provided for crockery. The trays are conveyed further on in parallel in the direction of the machine incoming region and are automatically introduced there into a special tray conveyor belt of the warewasher via an unloading station or clocking-in/placing-in station.」(トレー上のカトラリーおよび陶磁器類は手動で取り除かれ、それらは陶器用に用意された食器洗浄機コンベアベルトに置かれる。トレーはさらに汚れ側の機械入力領域の方向に平行して搬送され、その後、アンロードステーションまたはクロンキングステーションを介して、食器洗浄機の専用トレーコンベアベルトに自動的に導入される。) ・「[0022] The concept of providing a separate conveyor belt for specific types of washware can be extended, as desired, and various combinations of individual conveyor belts are possible. Thus, in a preferred implementation of the transport apparatus there is provision whereby, furthermore, at least one further conveyor belt running parallel to the first and second conveyor belt is used, this further conveyor belt preferably being provided for cutlery articles. In this case, it is preferable if the further conveyor belt provided for cutlery articles runs directly next to the first conveyor belt and between the first and second conveyor belt. In this implementation, it is no longer necessary for the operator of the conveyor warewasher to remove the cutlery batch from the respective tray manually at the machine inlet. Since the trays are placed on edge for feeding them and for placing them onto the first conveyor belt, the cutlery batch falls automatically, due to gravity, from the erected tray into the cutlery track (further conveyor belt) and likewise, after washing and drying, into a container provided. The manipulations needed for the cutlery are therefore dispensed with completely.」(特定の種類の洗浄物に専用のコンベアベルトを設けるという概念は、必要に応じて拡張可能であり、個別のコンベアベルトを組み合わせるさまざまな方法が考えられる。輸送装置の好ましい実施形態では、第一および第二コンベアベルトに並行してさらに少なくとも一つのコンベアベルトが設けられ、この追加のコンベアベルトは特にカトラリー用に設けられるのが望ましい。この場合、カトラリー用の追加コンベアベルトは第一コンベアベルトの隣に設置され、第一コンベアベルトと第二コンベアベルトの間を走行する形となる。この実施形態では、コンベア式洗浄機のオペレーターが機械の入口でトレーからカトラリーの束を手動で取り除く必要がなくなる。トレーを立てて配置し、第一コンベアベルトに配置することで、重力によりカトラリーの束がトレーから自動的に落下し、カトラリー用のトラック(追加のコンベアベルト)へと移動する。同様に、洗浄・乾燥後にはカトラリーの束が容器にそのまま入る仕組みとなる。その結果、カトラリーに関する操作は完全に省略される。) ・「 [図:0001438283000008.jpg] 」 (2) 引用例3の図5a、5bにおいて、陶磁器類及びカトラリーを載せたトレーを搬送する搬送装置と、陶磁器類、カトラリー、トレーを洗浄するコンベア式食器洗浄機とが、ひとまとまりの洗浄システムを構成している点が見て取れる。 そうすると、引用例3に記載された事項から、引用例3には次の発明(以下「引用発明3」という。)が記載されているものと認められる。 (引用発明3) 「搬送装置と、 前記搬送装置から搬送された陶磁器類、陶磁器類を載せていたトレーを洗浄するコンベア式食器洗浄機と、 を備える洗浄システム。」 4 対比及び判断 (1) 本件発明1について ア 引用例1に基づく検討 (ア) 本件発明1と引用発明1とを、その有する機能に照らして対比する。 まず、引用発明1の「選別部6」は「洗浄後の食器を高さに応じて選別する」ものであるが、「選別する」ことにより食器を仕分けすることになるから、本件発明1の「洗浄後の食器を高さに応じて仕分けする食器仕分け部」に相当する。 次に、引用発明1の「前記選別部6によって選別された前記食器を収納する食器カゴ91」、「前記食器を搬送する第2コンベア61」は、それぞれ、本件発明1の「前記食器仕分け部により仕分けされた前記食器を収納する食器収納部」、「前記食器を搬送する食器搬送コンベア」に相当する。 また、引用発明1は「選別ガイド71A~71D」を備えるが、「選別」することで仕分けすることになるから、引用発明1の「複数の選別ガイド71A~71D」は、本件発明1の「複数の仕分けバー」に相当し、「前記第2コンベア61の搬送面62Aに対して、各種類の前記食器の高さに対応して」「隙間S」が設定されることにより、「選別ガイド71A~71D」は、個々の食器の高さに対応した下端の高さ位置となることから、引用発明1の「前記第2コンベア61の上方に配設され、前記第2コンベア61の搬送面62Aに対して、各種類の前記食器の高さに対応して設定された隙間Sが異なる複数の選別ガイド71A~71D」は、本件発明1の「前記食器搬送コンベアの上方に配設され、個々の前記食器の高さに対応して下端の高さ位置が異なる複数の仕分けバー」に相当する。 そして、引用発明1の「前記選別ガイド71A~71Dの高さを調整する高さ調整機構77」は、本件発明1の「前記仕分けバーを昇降させる昇降機構」に相当する。 さらに、引用発明1は、「前記選別ガイド71A~71Dに接触した前記食器が前記第2コンベア61によって搬送されつつ前記選別ガイド71A~71Dに案内されて第2コンベア61の脇に寄せられて、前記食器が前記食器カゴ91に収納される」が、「前記食器が…前記選別ガイド71A~71Dに案内されて第2コンベア61の脇に寄せられる」ことは、本件発明1における「前記食器が…前記仕分けバーにガイドされてスライド」する態様と同じであるから、引用発明1は、本件発明1と、「前記仕分けバーに接触した前記食器が前記食器搬送コンベアによって搬送されつつ前記仕分けバーにガイドされてスライドし、前記食器が前記食器収納部に収納される」点で一致する。 加えて、引用発明1の「食器選別装置1」は、本件発明1の「食器ストッカー」に相当する。 そうすると、本件発明1と引用発明1とは、以下の点で一致し、相違する。 (一致点1) 「洗浄後の食器を高さに応じて仕分けする食器仕分け部と、前記食器仕分け部によって仕分けされた前記食器を収納する食器収納部と、を備え、 前記食器仕分け部は、 前記食器を搬送する食器搬送コンベアと、 前記食器搬送コンベアの上方に配設され、個々の前記食器の高さに対応して下端の高さ位置が異なる複数の仕分けバーと、 前記仕分けバーを昇降させる昇降機構とを備え、 前記仕分けバーに接触した前記食器が前記食器搬送コンベアによって搬送されつつ前記仕分けバーにガイドされてスライドし、前記食器が前記食器収納部に収納される、 食器ストッカー。」 (相違点1) 本件発明1は、「前記複数の仕分けバーには、下端の高さ位置が同じである複数の仕分けバーを含み」、「前記昇降機構は、前記下端の高さ位置が同じである複数の仕分けバーのうち前記食器収納部への前記食器の収納をしない仕分けバーを上昇させる」のに対し、引用発明1は、「複数の選別ガイド71A~71D」と「前記選別ガイド71A~71Dの高さを調整する高さ調整機構77」を備えるものの、そのようには構成されていない点。 (イ) このように、本件発明1と引用発明1とは、相違点1において相違し、この点は実質的な相違点であるから、本件発明1は、引用発明1であるとは認められない。 次に、相違点1について検討するに、引用例1には、下端の高さ位置が同じである複数の選別ガイドを設ける点、下端の高さ位置が同じである複数の選別ガイドのうち食器カゴへの食器の収納をしない選別ガイドを上昇させる点について、特段記載や示唆は認められないから、引用発明1において、下端の高さ位置が同じである複数の選別ガイドを設け、下端の高さ位置が同じである複数の選別ガイドのうち食器カゴへの食器の収納をしない選別ガイドを上昇させることを動機付ける事情は特段認められない。 この点は、引用例2~7、その他の証拠方法(甲第4号証、甲第7号証、甲第8号証等。以下同様。)をみても同様である。 そして、本件発明1は、相違点1に係る構成を備えることにより、「下端の高さ位置が同じである仕分けバーを複数備え、昇降機構が、複数の仕分けバーのうち食器収納部への食器の収納をしない仕分けバーを上昇させることにより、高さが等しい食器を収納できる領域を複数設けておき、食器が満載されていない領域に食器を収納していくことが可能となる。」(本件明細書【0006】)といった顕著な効果を奏するものであって、相違点1に係る構成が単なる設計変更とは認められない。 このように、引用例2~7、その他の証拠方法をみても、引用発明1において、相違点1に係る構成とすることは、当業者が容易に想到することができたものとは認められない。 特許異議申立人は、相違点1に関し、下端の高さ位置が同じ仕分けバーを複数設けることは、稼働率や運用性の確保を目的として、当業者が運用条件に応じて適宜採用する設計上の措置にすぎず、当業者の通常の創作能力で容易に想到できる設計変更の範囲内である、下端の高さ位置が同じ仕分けバーを複数設ける構成を採用する以上、使用しない側の仕分けバーを退避させて食器を通過させることは、使用する側の仕分けバーの動作を妨げないためにも通常必要となる構成である、などと主張している(意見書2頁)。 しかしながら、既に述べたとおり、引用例1には、相違点1に係る構成に関し特段記載や示唆はなく、引用例2~7、その他の証拠方法をみても、引用発明1において、相違点1に係る構成とすることについての動機付けは特段認められない。本件発明1が奏する効果に鑑みると、単なる設計変更とも認められないから、引用発明1において、相違点1に係る構成とすることは、当業者が容易に想到することができたものとは認められない。 また、特許異議申立人は、本件発明1は、引用発明1及び参考資料1(特開平8-324767号公報)に記載された事項に基づいて、当業者が容易に想到することができる、などと主張している(同2~3頁)。 参考資料1には、工場の出荷ヤードや物流センター等において、コンベヤ上を搬送される物品を、コンベヤの左右両側方へ払い出す仕分け装置が記載され(【0001】)、少ないスペースに設置でき、仕分け作業を能率的に行うことできる仕分け装置を提供することを目的とした(【0004】)、投入ベルトコンベヤ1、左右振り分けコンベヤ2及び搬送コンベヤ3を備えた仕分け装置が記載されている。 そして、搬送コンベヤ3には、搬送方向に沿って左右両側に複数の払出部4が設けられ、払出部4にシュート5が配置され、物品9を、指定した払出部4のシュート5へ払い出すために、仕分けユニット6A、6Bが設けられる点、仕分けユニット6A、6Bは、搬送コンベヤ3の搬送面に対して略垂直な面で互いに逆方向に回転して、物品9を払出部4へ払い出す左右一対の払出ベルト61を備え、払出ベルト61は昇降部70に支持されている点が記載されている(【0010】~【0015】)。 また、特に、第2実施例(【0026】~【0029】、【0033】、図4、5)として、 ・搬送コンベヤ3上に搬送されてきた物品9を、指定された払出部4のシュート5へ払い出すために、それぞれの払出部4毎に、仕分けユニット6A、6Bとほぼ同じ構造の仕分けユニット6が定置される点(【0026】、【0027】) ・搬送コンベヤ3に搬入されてきた物品9の各シュート5への仕分け作業は、搬送コンベヤ3の上流側の払出部4に位置するものから下流側に順に行われ(【0028】)、払出部4の左右のシュート5へ、予定数の物品9が払い出されると、払出部4に位置する仕分けユニット6の昇降部70は上昇し、左右一対の払出ベルト61を物品9に干渉しない位置まで上昇させ、払出ベルト61の下方を通過した物品9は、下流側の次の払出部4に設置されている仕分けユニット6によって、同様に仕分け作業が行われ、下流側で一つのアイテムの仕分け作業が終了する前に、上流側の払出部4に設置されている仕分けユニット6は、次のアイテムの物品9をシュート5へ払い出す作業を開始して、アイテムの切り換えが速やかに行えるようにする点(【0029】) ・仕分けを行う物品のアイテムを切り替える際に、下流側での仕分け作業が終了する前に、仕分け作業が既に終了している上流側の仕分けユニットによって、次のアイテムの物品の仕分け作業を開始することができるため、仕分け作業の能率を向上させることができる。さらにまた、搬送コンベヤの上流側に左右振り分けコンベヤを設けることによって、仕分けの自動化が達成され、仕分け作業の省力化と効率化が図られる点(【0033】) などが記載されている。 しかしながら、参考資料1に記載された仕分け装置は、引用発明1とは対象とする物品が異なり、その目的とするところも引用発明1とは異なる上、仕分けユニット6の構造も、引用発明1の選別ガイドとは異なる点が多いから、参考資料1に記載された事項をみても、引用発明1において、相違点1に係る構成とすることについて、特段動機付けられるものとは認められない。 よって、特許異議申立人の主張は採用することができない。 (ウ) 以上のとおりであるから、本件発明1は、引用例1に記載された発明であるとは認められず、引用発明1、引用例2~7、その他の証拠方法に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとも認められない。 イ 引用例2に基づく検討 (ア) 本件発明1と引用発明2とを、その有する機能に照らして対比する。 まず、引用発明2の「洗浄後の容器を高さに応じて選別するフレーム1、コンベヤー2、ブリッジ5及び滑り台14、15」は、全体として、本件発明1の「洗浄後の食器を高さに応じて仕分けする食器仕分け部」に相当し、引用発明2の「容器を収容する篭18、19」は、本件発明1の「食器を収納する食器収納部」に相当する。 次に、引用発明2の「ブリッジ5」は、「前記コンベヤー2上に斜状に架設され」るものであるから、コンベヤー2の上方に配設されているといえ、「コンベヤー2との間隙を異にする前縁3及び後縁4を備える」ことにより、個々の食器の高さに対応して下端の高さが異なることになるから、引用発明2の「ブリッジ5」は、本件発明1の「仕分けバー」に相当する。 また、引用発明2は、「前記前縁3及び後縁4に突き当たった前記容器が前記コンベヤー2によって移動させられつつ前記前縁3及び後縁4に沿うて斜めに移動し、前記容器が前記篭18、19に収容される」が、「前記容器が…前記前縁3及び後縁4に沿うて斜めに移動」することは、本件発明1における「前記食器が…前記仕分けバーにガイドされてスライド」する態様と同じであるから、引用発明2は、本件発明1と、「前記仕分けバーに接触した前記食器が前記食器搬送コンベアによって搬送されつつ前記仕分けバーにガイドされてスライドし、前記食器が前記食器収納部に収納される」点で一致する。 そして、引用発明2の「食器類の自動選別装置」は、本件発明1の「食器ストッカー」に相当する。 そうすると、本件発明1と引用発明2とは、以下の点で一致し、相違する。 (一致点2) 「洗浄後の食器を高さに応じて仕分けする食器仕分け部と、前記食器仕分け部によって仕分けされた前記食器を収納する食器収納部と、を備え、 前記食器仕分け部は、 前記食器を搬送する食器搬送コンベアと、 前記食器搬送コンベアの上方に配設され、個々の前記食器の高さに対応して下端の高さ位置が異なる仕分けバーとを備え、 前記仕分けバーに接触した前記食器が前記食器搬送コンベアによって搬送されつつ前記仕分けバーにガイドされてスライドし、前記食器が前記食器収納部に収納される 食器ストッカー。」 (相違点2) 本件発明1は、「複数」の仕分けバーと、「前記仕分けバーを昇降させる昇降機構」とを備え、「前記複数の仕分けバーには、下端の高さ位置が同じである複数の仕分けバーを含み」、「前記昇降機構は、前記下端の高さ位置が同じである複数の仕分けバーのうち前記食器収納部への前記食器の収納をしない仕分けバーを上昇させる」のに対し、引用発明2は、「前縁3及び後縁4」を備える「ブリッジ5」を備えるものの、そのようには構成されていない点。 (イ) そこで、相違点2について検討するに、引用例2には、複数のブリッジ5と、ブリッジ5を昇降させる昇降機構を備える点、下端の高さ位置が同じである複数のブリッジ5を含み、昇降機構は、下端の高さ位置が同じである複数のブリッジ5のうち篭18、19への容器の収容をしないブリッジ5を上昇させる点について、特段記載や示唆は認められないから、引用発明2において、複数のブリッジ5と、ブリッジ5を昇降させる昇降機構を備え、下端の高さ位置が同じである複数のブリッジ5を含み、昇降機構は、下端の高さ位置が同じである複数のブリッジ5のうち篭18、19への容器の収容をしないブリッジ5を上昇させることを動機付ける事情は特段認められない。 この点は、引用例1、3~7、その他の証拠方法をみても同様である。 そして、本件発明1は、相違点2に係る構成を備えることにより、前記効果(前記ア(イ))を奏するものであって、相違点2に係る構成が単なる設計変更とは認められない。 このように、引用例1、3~7、その他の証拠方法をみても、引用発明2において、相違点2に係る構成とすることは、当業者が容易に想到することができたものとは認められない。 (ウ) よって、本件発明1は、引用発明2、引用例1、3~7、その他の証拠方法に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとは認められない。 (2) 本件発明2~4について 本件発明2~4は、本件発明1を特定するための事項を全て含むものであるから、その余の事項を検討するまでもなく、本件発明2~4は、本件発明1と同様の理由により、引用発明1、引用例2~7、その他の証拠方法に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとは認められない。 (3) 本件発明7について ア 本件発明7と引用発明3とを、その有する機能に照らして対比すると、引用発明3の「搬送装置」は、本件発明7の「残飯処理装置」と、「食器及びトレーを返却するための装置」である点で共通する。 そして、引用発明3の「陶磁器類」、「陶磁器類を載せていたトレー」、「コンベア式食器洗浄機」は、それぞれ、本件発明7の「食器」、「トレー」、「洗浄装置」に相当する。 そうすると、本件発明7と引用発明3とは、以下の点で一致し、相違する。 (一致点3) 「食器及びトレーを返却するための装置と、 前記食器及びトレーを返却するための装置から搬送された前記食器及び前記トレーを洗浄する洗浄装置と、 を備える洗浄システム。」 (相違点3) 本件発明7は、食器及びトレーを返却するための装置として「食器に残存した残飯を落とす残飯処理装置」を備え、「前記残飯処理装置」から搬送された前記食器及び前記トレーを洗浄する洗浄装置を備えるのに対し、引用発明3は、搬送装置とコンベア式食器洗浄機を備えるものの、残飯処理装置は備えていない点。 (相違点4) 本件発明7は、「前記洗浄装置において洗浄された前記トレーを収納するトレーストッカー」を備えるのに対し、引用発明3は、そのように構成されていない点。 (相違点5) 本件発明7は、「前記洗浄装置において洗浄された前記食器を収納する請求項1ないし4のいずれか1項に記載の食器ストッカー」を備えるのに対し、引用発明3は、そのように構成されていない点。 イ そこで、相違点について検討する。 事案に鑑み、相違点5についてみるに、本件発明7は、本件発明1を特定するための事項を全て含むものであるから、本件発明1と同様の理由により、引用発明3に引用発明1を適用し、相違点5に係る構成とすることは、当業者が容易に想到することができたものとは認められない。引用例2~7、その他の証拠方法をみても、同様である。 そうすると、その余の事項を検討するまでもなく、本件発明7は、引用発明3、引用発明1、引用例2~7、その他の証拠方法に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとは認められない。 第8 むすび 以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議の申立ての理由によっては、本件の請求項1~4、7に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件の請求項1~4、7に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 そして、本件特許の請求項5、6は、本件訂正により削除され、これにより、請求項5、6に係る特許に対する特許異議の申立ては、申立ての対象が存在しないものとなったため、特許法120条の8第1項で準用する同法135条の規定により却下する。 よって、結論のとおり決定する。

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2025-700646

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