特許異議申立
2025-700432
電池、電池モジュールおよび電池の製造方法
- 審判番号
- 2025-700432
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2022-139559
- 登録番号
- 7567879
- 請求日
- 2025年04月16日
- 審決日
- 2025年11月27日
- 公報発行日
- 2026年03月27日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】トヨタ自動車株式会社
- 【権利者代理人】弁理士法人太陽国際特許事務所
- 【異議申立人】ジュネスプロパティーズ 株式会社
- 審判長/審判官
- 審判長 井上 信一
- 審判官 久々宇 篤志
- 審判官 須原 宏光
- 分類
- P1652.121-YAA(H01M) / P1652.537-YAA(H01M)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第36条第6項第1号、特許法第29条第2項、特許法第120条の5第4項、特許法第36条第6項第2号、特許法第113条第2号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7567879号発明「電池、電池モジュールおよび電池の製造方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第7567879号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-16〕について訂正することを認める。
特許第7567879号の請求項1-14に係る特許を維持する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7567879号の請求項1ないし16に係る特許についての出願は、令和4年9月1日に出願され、令和6年10月7日にその特許権の設定登録がなされ、同年10月16日に特許掲載公報が発行された。その後、本件特許に対して特許異議の申立てがなされたものであり、以降の本件特許異議の申立てに係る手続の概要は以下のとおりである。
令和7年 4月16日 特許異議申立人 ジュネスプロパティーズ株式
会社による請求項1ないし14に係る特許に対
する特許異議の申立て
令和7年 6月18日付け 取消理由通知
令和7年 7月31日 特許権者による訂正請求書、意見書の提出
なお、令和7年8月14日付けで特許異議申立人に対して訂正請求があった旨の通知をし、意見書を提出する機会を与えたが提出されなかった。
第2 訂正の適否
1.訂正の内容
令和7年7月31日の訂正請求(以下、「本件訂正請求」という。)は、特許第7567879号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1ないし16について訂正することを求めるものであり、その訂正の内容は、以下の訂正事項のとおりである。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に、
「電極体と、前記電極体の側面部に配置された側面部材と、前記電極体および前記側面部材を覆うラミネートフィルムと、を備える電池であって、前記電池を前記側面部材側から側面視した場合に、前記側面部材の外縁は、前記電極体の外縁より内側に位置し、前記ラミネートフィルムは、前記側面部材の前記外縁を構成する面、および前記電極体の前記外縁を構成する面を覆うように配置され、前記側面部材上に、前記ラミネートフィルムの内面同士が融着した融着部が配置され、前記融着部の前記側面部材側の始点における屈曲部が湾曲形状である、電池。」とあるのを、
「電極体と、前記電極体の側面部に配置された側面部材と、前記電極体および前記側面部材を覆うラミネートフィルムと、を備える電池であって、前記電池を前記側面部材側から側面視した場合に、前記側面部材の外縁は、前記電極体の外縁より内側に位置し、前記ラミネートフィルムは、前記側面部材の前記外縁を構成する面、および前記電極体の前記外縁を構成する面を覆うように配置され、前記側面部材上に、前記ラミネートフィルムの余剰部位を折り畳んだ状態で内面同士が融着した融着部が配置され、前記融着部の前記側面部材側の始点における屈曲部が湾曲形状である、電池。」に訂正する。
請求項1の記載を直接的又は間接的に引用する請求項2~16も同様に訂正する。
2.訂正の適否についての判断
(1)一群の請求項について
訂正前の請求項1ないし16について、請求項2ないし16は請求項1を引用しているものであって、訂正事項1によって訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。
したがって、訂正前の請求項1ないし16に対応する訂正後の請求項1ないし16は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。
(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項1は、請求項1に記載されたラミネートフィルムの「融着部」について、ラミネートフィルムの「余剰部位を折り畳んだ状態で」内面同士が融着したものであることの限定を付加するものであるから、当該訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。
そして、「融着部」について上記限定を付加することに関して、本件特許明細書の段落【0013】には「側面部材20をラミネートフィルム30で封止する場合、図4に示すように、ラミネートフィルム30の余剰部位を折り畳んで内面同士を融着させて融着部Xを形成することで封止する方法がある。」と記載されている。
したがって、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合する。
また、訂正事項1は上記のとおり、請求項1に記載されたラミネートフィルムの「融着部」について、ラミネートフィルムの「余剰部位を折り畳んだ状態で」内面同士が融着したものであることの限定を付加することによって、特許請求の範囲を減縮するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもなく、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合する。
(3)独立特許要件について
訂正事項1は「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであるが、本件においては、訂正前の請求項1ないし14の請求項について特許異議の申立てがなされているので、訂正前の請求項1ないし14に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は課されない。
そこで、本件特許異議の申立ての対象となっていない訂正前の請求項15及び16に係る特許に対応する訂正後の請求項15及び16に係る発明の独立特許要件について検討する。
訂正後の請求項15及び16に係る発明は、訂正後の請求項1を引用し、訂正後の請求項1に係る発明におけるラミネートフィルムの「融着部」が、ラミネートフィルムの余剰部位を折り畳んだ状態で内面同士が融着した構成を備えるところ、下記第3で述べる理由と同様の理由により、取消理由及び申立理由により特許を受けることができないものではない。
また、請求項15及び16に係る発明は、他に特許を受けることができないとすべき理由は見当たらない。
したがって、本件訂正後の請求項15及び16に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができたものである。
3.訂正の適否についてのむすび
以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項ないし第7項の規定に適合する。
よって、特許請求の範囲を訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-16〕について訂正することを認める。
第3 当審の判断
1. 本件発明
本件訂正請求により訂正された請求項1ないし16に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」ないし「本件発明16」という。)は、訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲の請求項1ないし16に記載された事項により特定される以下のとおりのものである(なお、下線は訂正された箇所を示す。)。
「【請求項1】
電極体と、
前記電極体の側面部に配置された側面部材と、
前記電極体および前記側面部材を覆うラミネートフィルムと、
を備える電池であって、
前記電池を前記側面部材側から側面視した場合に、前記側面部材の外縁は、前記電極体の外縁より内側に位置し、
前記ラミネートフィルムは、前記側面部材の前記外縁を構成する面、および前記電極体の前記外縁を構成する面を覆うように配置され、
前記側面部材上に、前記ラミネートフィルムの余剰部位を折り畳んだ状態で内面同士が融着した融着部が配置され、
前記融着部の前記側面部材側の始点における屈曲部が湾曲形状である、電池。
【請求項2】
前記ラミネートフィルムが、金属層と、前記融着部を形成する内面側に融着樹脂層と、を有し、前記側面部材が前記ラミネートフィルムと接する面に被覆樹脂層を有する、請求項1に記載の電池。
【請求項3】
前記屈曲部における湾曲形状の曲率半径Rが下記式(1)および式(3)を満たす、請求項2に記載の電池。
R<(((2Δt(a+b+4t1))/(4-π))1/2)-r・・・式(1)
R<b/2・・・式(3)
なお、式(1)および式(3)中の各記号は以下を表す。
a:前記側面部材の幅(mm)
b:前記側面部材の厚さ(mm)
t1:融着前の前記融着樹脂層の平均厚さと前記被覆樹脂層の平均厚さとの和(mm)
t2:前記融着部における融着後の前記融着樹脂層の平均厚さと前記被覆樹脂層の平均厚さとの和(mm)
Δt:t1-t2(mm)
r:前記ラミネートフィルムの平均厚さ(mm)
R:前記屈曲部における湾曲形状の曲率半径(mm)
【請求項4】
前記屈曲部における湾曲形状の曲率半径Rが下記式(2)および式(3)を満たす、請求項2に記載の電池。
R<(((((a+2t1)(b+2t1)-ab)×0.05)/(4-π))1/2)-r・・・式(2)
R<b/2・・・式(3)
なお、式(2)および式(3)中の各記号は以下を表す。
a:前記側面部材の幅(mm)
b:前記側面部材の厚さ(mm)
t1:融着前の前記融着樹脂層の平均厚さと前記被覆樹脂層の平均厚さとの和(mm)
r:前記ラミネートフィルムの平均厚さ(mm)
R:前記屈曲部における湾曲形状の曲率半径(mm)
【請求項5】
前記屈曲部における湾曲形状の曲率半径Rが、前記金属層の平均厚さ以上である、請求項2に記載の電池。
【請求項6】
前記融着部が、前記屈曲部以外の領域に折り目痕を有しない、請求項1に記載の電池。
【請求項7】
前記電池を厚さ方向から平面視した場合に、前記融着部は、前記側面部材側の前記ラミネートフィルムの端部位置αから、前記側面部材および前記電極体の境界に相当する前記ラミネートフィルムの位置βまで、連続的に配置されている、請求項1に記載の電池。
【請求項8】
前記融着部は、前記側面部材の前記外縁を構成する角部に配置されている、請求項1に記載の電池。
【請求項9】
前記電池を前記側面部材側から側面視した場合に、前記側面部材の形状は、四角形である、請求項1に記載の電池。
【請求項10】
前記側面部材上に、複数の前記融着部が配置されている、請求項1に記載の電池。
【請求項11】
前記側面部材が、集電端子である、請求項1に記載の電池。
【請求項12】
前記電池は、一対の前記側面部材を備え、
前記一対の前記側面部材は、前記電極体に対して、対向するように配置されている、請求項1に記載の電池。
【請求項13】
厚さ方向に積層された複数の電池を有する電池モジュールであって、
前記電池は、請求項1に記載の電池である、電池モジュール。
【請求項14】
前記厚さ方向において隣り合う、一対の前記側面部材において、一方の前記側面部材上に配置された前記ラミネートフィルムの主面部と、他方の前記側面部材上に配置された前記ラミネートフィルムの主面部とが接触していない、請求項13に記載の電池モジュール。
【請求項15】
請求項1に記載の電池の製造方法であって、
前記電極体および前記側面部材を有する構造体であって、前記電池を前記側面部材側から側面視した場合に、前記側面部材の形状は、四角形であり、前記四角形は、第1辺と、前記第1辺に隣接する第2辺と、前記第2辺に隣接し、前記第1辺と対向する第3辺と、前記第3辺に隣接し、前記第2辺と対向する第4辺とを有する構造体を準備する準備工程と、
前記構造体における前記電極体の前記外縁を構成する面を、前記ラミネートフィルムで覆う第1被覆工程と
前記構造体における前記側面部材の前記外縁を構成する面を、前記ラミネートフィルムで覆う第2被覆工程と、
を有し、
前記第2被覆工程は、
前記側面部材における前記第1辺側および前記第3辺側から、それぞれ、第1治具および第3治具を押し込み、前記第1辺および前記第3辺に、それぞれ、前記ラミネートフィルムを密着させる第1密着処理と、
前記第1密着処理の後に、前記側面部材における前記第2辺側および前記第4辺側から、それぞれ、第2治具および第4治具を押し込み、前記第2辺および前記第4辺に、それぞれ、前記ラミネートフィルムを密着させる第2密着処理と、
を有し、
前記第1治具および前記第3治具の少なくとも一方は、前記融着部における前記屈曲部の湾曲形状を形成する箇所が面取り形状である、電池の製造方法。
【請求項16】
前記準備工程の後、前記第1被覆工程の前に、
前記ラミネートフィルムに対し、前記電極体における角部に対向する位置に予め折り曲げ線をつける折り曲げ工程を有し、
前記折り曲げ工程では、前記ラミネートフィルムの前記側面部材に対向する位置には折り曲げ線をつけない、請求項15に記載の電池の製造方法。」
2.取消理由通知に記載した取消理由について
(1)取消理由の概要
令和7年6月18日付け取消理由通知に記載した取消理由の概要は、次のとおりである。
(1-1)理由1(明確性要件)について
請求項1ないし14に係る特許は、特許請求の範囲の記載が不備のため、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。
すなわち、本件請求項1には、「ラミネートフィルムは、・・・前記側面部材上に、前記ラミネートフィルムの内面同士が融着した融着部が配置され」る点が記載されている。ここで、本件請求項1に係る発明の「融着部」について、本件明細書の段落【0023】、【0024】には、「側面部材20上に、ラミネートフィルム30の内面同士が融着した融着部Xが配置される」点、及び「図4には、ラミネートフィルム30の端部同士が融着した端部密着部Yが配置されている」点が記載され、融着部と端部接着部が区別して記載しているが、本件明細書の段落【0038】には、「図9Aにおける端部密着部Yは、ラミネートフィルム30の端部同士が、それらの内面を接触させることで融着している」と記載されているとおり、「端部密着部」にあっても、本件請求項1に記載の、「ラミネートフィルムの内面同士が融着した」構成を満たし得るものである。
したがって、本件の請求項1に係る発明でいう「融着部」が、「端部密着部」のような融着部であってもよいのか否か(「端部密着部」のような「融着部」も含むものであるのか否か)が不明確である。
よって、本件請求項1に係る発明及び請求項1を直接的、又は間接的に引用する請求項2ないし14に係る発明は、明確でない。
(1-2)理由2(サポート要件)について
請求項1ないし14に係る特許は、特許請求の範囲の記載が不備のため、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。
すなわち、仮に、本件請求項1に係る発明の「融着部」が、本件明細書の段落【0024】、【0038】等でいう端部密着部を含むとした場合について検討する。本件請求項1に係る発明の「融着部」について、上記したとおり、本件明細書の段落【0023】、【0024】には、融着部と端部密着部が区別して記載されている。
また、本件明細書の段落【0004】には、「側面部材の寸法を、電極体の寸法より小さくする・・・寸法関係にある側面部材をラミネートフィルムで封止する場合、ラミネートフィルムの側面部材を覆う領域の余剰部位を折り畳んで内面同士を融着させて融着部を形成する」点が記載されているとおり、本件請求項1に係る発明の「融着部」は、電極体の寸法より小さい寸法の側面部材をラミネートフィルムで封止する際に、ラミネートフィルムの側面部材を覆う領域に生じた余剰部位を折り畳んで内面同士を融着させた部分であることが示されており、本件請求項1に係る発明の「融着部」は、端部同士が融着した端部密着部を含むものではないと解される。
また、本件特許明細書のその他の記載を見ても、本件請求項1に係る発明の「融着部」は、端部同士が融着した端部密着部を含むものであることを示す記載も示唆もない。
よって、本件請求項1に係る発明及び請求項1を直接的、又は間接的に引用する請求項2ないし14に係る発明は、発明の詳細な説明に記載された範囲を超えて特許を請求するものであるといえ、発明の詳細な説明に記載されたものと認めることはできない。
(2)取消理由についての当審の判断
本件明細書の段落【0023】、【0024】には、「側面部材20上に、ラミネートフィルム30の内面同士が融着した融着部Xが配置される」点、及び「図4には、ラミネートフィルム30の端部同士が融着した端部密着部Yが配置されている」点が記載され、融着部と端部接着部が区別して記載しているところ、段落【0013】には「側面部材20をラミネートフィルム30で封止する場合、図4に示すように、ラミネートフィルム30の余剰部位を折り畳んで内面同士を融着させて融着部Xを形成することで封止する方法がある。」と記載されている。
これに対して、本件訂正請求により、本件発明1における「融着部」は、ラミネートフィルムの余剰部位を折り畳んだ状態で内面同士が融着したものに限定されたことから、上記の融着部Xを示し、当該融着部Xと区別される端部密着部Yを含まないことが明確となった。本件発明1を直接的、又は間接的に引用する本件発明2ないし14についても同様である。
してみれば、本件発明1ないし14において、上記理由1(明確性要件)及び上記理由2(サポート要件)で指摘した不備な点は解消された。
よって、本件請求項1ないし14に係る特許は、特許法第36条第6項第1号及び同条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してなされたものではない。
3.取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について
(1)申立理由の概要
取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由の概要は次のとおりである。
理由(進歩性)
請求項1ないし14に係る発明は、その出願前日本国内または外国において頒布された下記の甲第1号証ないし甲第3号証に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1ないし14に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。このため、請求項1ないし14に係る特許は特許法第113条第2号の規定により取り消されるべきである。
記
甲第1号証:特開2022-123686号公報
甲第2号証:特開2021-190281号公報
甲第3号証:特開2019-153504号公報
(2)甲第1号証ないし甲第3号証の記載事項
(2-1)甲第1号証
上記甲第1号証には、図面とともに以下の各記載がある(なお、下線は当審で付与した。)。
ア.「【0010】
本開示の二次電池は、シート状の電極要素を積層した電極積層体と、電極積層体を内部に収容する外装体と、を備え、外装体は、少なくとも電極積層体の積層方向の両端面及び対向する一対の側面を覆う筒状のラミネートフィルム外装体と、該ラミネートフィルム外装体の開口部に配置される内蓋と、を有し、内蓋はその外周部から外装体の内部に延びる突出部を有し、突出部に囲まれる領域に電極積層体の少なくとも一部が存在しており、積層方向において、内蓋の厚みは電極積層体の厚みよりも小さく、内蓋の外周部と該内蓋の外周部に重なるラミネートフィルム外装体とが接合されていることで電極積層体を外装体の内部に封止することを特徴としている。」
イ.「【0013】
図1、図2に示した通り、二次電池100はシート状の電極要素を積層した電極積層体10と、電極積層体10を内部に収容する外装体20と、を備えている。」
ウ.「【0022】
<外装体20>
外装体20は、電極積層体10の積層方向の両端面及び対向する一対の側面を覆う筒状のラミネートフィルム外装体21と、ラミネートフィルム外装体21の開口部21aに配置される内蓋22と、を有している。また、内蓋22はその外周部から外装体20の内部に延びる突出部22bを有しており、突出部22bに囲まれる領域に電極積層体10の少なくとも一部が存在している。二次電池100は、このような外装体20を用いることにより、二次電池100の構造効率を向上することができる。
【0023】
ここで、電極積層体10の「側面」とは、積層される電極要素の外縁から形成される面である。また、本明細書において、電極積層体10の積層する方向を積層方向とし、長辺に沿った方向を長辺方向とし、短辺に沿った方向を短辺方向とする。この場合、突出部22bが突出している方向は長辺方向となる。このとき、「内蓋22の外周部から外装体20の内部に延びる突出部22b」とは、内蓋の積層方向の両端部及び短辺方向の両端部からそれぞれ長辺方向に突出した部分(後述する部分22c、22d)であり、これらの部分は端部においてそれぞれ接続されているものである。すなわち、内蓋22の外周部全体から突出する1つの突出部22bということができる。」
エ.「【0026】
一方で、図5に示した通り、二次電池100は次にように作製される。まず、筒状のラミネートフィルム外装体21を用意し、その内部に電極積層体10を収容する。次に、ラミネートフィルム外装体21の開口部21aに内蓋22を配置し、内蓋22の外周部と内蓋22の外周部に重なるラミネートフィルム外装体21とを接合する。接合方法は、特に限定されず公知の方法により行うことができる。例えば、熱溶着による接合や、接着剤による接合、プレスで一体化することによる接合、レーザーを用いた接合等である。
【0027】
ここで、ラミネートフィルム外装体21は1枚のラミネートフィルムを筒状に成形してなるものであり、ラミネートフィルムの両端部を接合して、筒状構造の1辺にシール部Sを形成している。具体的には、ラミネートフィルム外装体21は、ラミネートフィルムの両端部に接合部(シール部S)となる領域を残しながら、ラミネートフィルムを筒状に折り曲げ、重なり合う両端部を接合することにより作製されている。そのため、ラミネートフィルム外装体21のシール部Sは1辺のみである。このように、筒状のラミネートフィルム外装体21を用いることにより、シール部を低減することができる。また、図7(A)のように、ラミネートフィルム外装体21のシール部Sを側面に重なるように折り曲げてもよい。これにより、さらに電池の構造効率が向上する。あるいは、図7(B)のように、ラミネートフィルム外装体21の側面で両端部を重ね合わせて接合してもよい。この場合、内側となる端部の表面に接着層を設ける必要がある。接合は接着層同士でする必要があるためである。これにより、シール部Sが側面から突出しなくなるため、さらに電池の構造効率が向上する。」
オ.「【0033】
通常、二次電池は、図2のように複数重ねて使用される。その際に、拘束板R等を用いて、積層方向の内部に向かって一定の拘束圧を付与する。これにより電極積層体(電極要素)の密着性を高め、電池性能の向上を図っている。一方で、二次電池100において、ラミネートフィルム外装体21と内蓋22との外周部とが接合されているが、内蓋22の厚みによっては、拘束板Rによる拘束圧が付与できない場合が考えられる。そこで、二次電池100では、内蓋22の厚みを電極積層体の厚みよりも小さく設計することとした。これにより、拘束板R等を用いて、電極積層体10に一定の拘束圧を付与することができる。内蓋22の厚みはできるだけ厚くすることが好ましい。例えば、内蓋22と電極積層体10との厚み差が0.2~0.8mmの範囲内にあることが好ましい。」
カ.「【0038】
ラミネートフィルム外装体21の材料としては、公知のラミネートフィルムを使用することができる。例えば、アルミラミネートフィルムである。内蓋22としては、気密性があり、水分透過し難い材質であれば特に限定されない。例えば、金属又は樹脂とアルミシートとの一体成型品等である。」
キ.「図5
[図:0001433097000001.jpg]
」
ク.「図7
[図:0001433097000002.jpg]
」
上記「ア.」ないし「ク.」から以下のことがいえる。
・上記「ア.」、「イ.」、「ウ.」及び「カ.」の記載によれば、二次電池100は、電極積層体10、ラミネートフィルム外装体21及び当該ラミネートフィルム外装体21の開口部21aに配置される内蓋22を備えるものである。
・上記「エ.」の記載、及び上記「キ.」(図5)によれば、ラミネートフィルム外装体21の内部に電極積層体10が収容され、ラミネートフィルム外装体21の開口部21aに内蓋22が配置され、内蓋22の外周部と内蓋22の外周部に重なるラミネートフィルム外装体21とが接合されていることから、ラミネートフィルム外装体21は、電極積層体10及び内蓋22を覆い、また、内蓋22の外縁を構成する面、及び電極積層体10の外縁を構成する面を覆うように配置されているといえる。
・上記「オ.」の記載によれば、二次電池100は、電極積層体10の厚みよりも小さい厚みを有する内蓋22を備えている。
・上記「エ.」、「オ.」の記載及び上記「キ.」(図5)、「ク.」(図7)によれば、内蓋22上にラミネートフィルム外装体21の両端部を内面同士において接合して形成されたシール部Sを備え、当該シール部Sを側面に重なるように折り曲げることにより、電池の構造効率を向上するものであるといえる。
以上のことから、特にラミネートフィルム外装体21の両端部を内面同士において接合して形成されたシール部Sを備える場合のものに着目し、上記記載および図面を総合勘案すると、甲第1号証には、次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されている。
「電極積層体10と、
電極積層体10の開口部21aに配置された内蓋22と、
電極積層体10及び内蓋22を覆うラミネートフィルム外装体21と、
を備える二次電池100であって、
前記内蓋22の厚みは電極積層体10の厚みよりも小さく、
ラミネートフィルム外装体21は、内蓋22の外縁を構成する面、及び電極積層体10の外縁を構成する面を覆うように配置され、
ラミネートフィルム外装体21の両端部を内面同士において接合して形成されたシール部Sを有し、
当該シール部Sを側面に重なるように折り曲げることにより、電池の構造効率を向上させた、電池。」
(2-2)甲第2号証
上記甲第2号証には、図面とともに以下の各記載がある(なお、下線は当審で付与した。)。
ア.「【0007】
本発明は、電池セルにおける上記の問題に鑑み、電池をラミネートフィルムの外装体で覆った電池セルにおいて、新たな補強部材を設けることなく、電池セルの角部の剛性を高め、電極が割れることがないようにすることを目的とする。」
イ.「【0029】
図5は、図4の従来の電池セル2に対して、本件発明の電池1の角部に外装体3のフィルムを2枚重ねて設けられるリブ構造4を形成したものである。リブ構造4は、外装体3のフィルム2枚が重ねられて形成されたもので、電池1の角部に対して補強部となり、電池1を外力から保護することができる。
【0030】
図5のリブ構造4は、1枚のフィルムによって、電池1を、余裕を持たせて取り囲んで包装した後、余った部分を寄せ集めて形成することができる。それによって、外装体3のフィルムの余った部分を有効活用することができ、資源(フィルム)の利用効率を高めることができるとともに、1枚のフィルムによって、電池1を、余裕を持たせて取り囲んで包装するため、電池1の包装の工程において電池1を損傷するリスクを低減できる。
【0031】
また、図5のリブ構造4は、1枚のフィルムによって、電池1を取り囲んで包装した後に、フィルムの余裕部を電池1の角部に寄せて効率よく電池セル内の空気を抜くことができるようにした状態で、真空引きした後に形成されるフィルム集合部を利用して形成することができる。それによって、外装体3のフィルムの余った部分を有効活用することができ、資源(フィルム)の利用効率を高めることができるとともに、簡単な工程でリブ構造4を形成することができ、製造効率を高めることもできる。」
ウ.「図5
[図:0001433097000003.jpg]
図6
[図:0001433097000004.jpg]
」
上記「ア.」、「イ.」の記載、及び「ウ.」(図5及び図6)を総合勘案すると、甲第2号証には、次の発明(以下、「甲2発明」という。)が記載されている。
「電池1をラミネートフィルムの外装体で覆った電池セルにおいて、
1枚のフィルムによって電池1を取り囲んで包装した後に、フィルムの余裕部を電池1の角部に寄せて、電池1を外力から保護することができる補強部であるリブ構造4を形成し、フィルムの利用効率を高め、かつ、製造効率を高めた、電池セル。」
(2-3)甲第3号証
上記甲第3号証には、図面とともに以下の各記載がある(なお、下線は当審で付与した。)。
ア.「【0013】
《全固体電池》
図1に示すように、本発明の全固体電池100は、少なくとも1つの単位全固体電池を有する全固体電池積層体10であって、単位全固体電池が、正極集電体層、正極活物質層、固体電解質層、負極活物質層、及び負極集電体層をこの順で有する、全固体電池積層体10、並びに全固体電池積層体10を封入している電池ケース20、30を具備しており、電池ケースが、2つのラミネートフィルム製カップ状部材20、ラミネートフィルム製帯状部材30、及び樹脂製の封止部材40を具備しており、2つのカップ状部材20の底部22がいずれも、全固体電池積層体10に向き、かつ全固体電池積層体10を介して互いに対向するようにして、2つのカップ状部材20が配置されており、帯状部材30が、2つのカップ状部材20によって覆われていない全固体電池積層体の面を巻回し、2つのカップ状部材の側部24に接着され、かつ帯状部材30の両端部32の内側面において互いに接着されており、かつ帯状部材30の巻回の軸方向に対して垂直な断面で見たときに、封止部材40が、帯状部材30の両端部32及びカップ状部材20又は全固体電池積層体10に包囲される部分に配置され、2つのカップ状部材20及び帯状部材30と接着されている。」
イ.「図1
[図:0001433097000005.jpg]
」
上記「ア.」の記載、及び「イ.」(図1)を総合勘案すると、甲第3号証には、次の発明(以下、「甲3発明」という。)が記載されている。
「全固体電池積層体10と、
2つのラミネートフィルム製カップ状部材20、ラミネートフィルム製帯状部材30、及び樹脂製の封止部材40を有する電池ケースを備えた全固体電池100であって、
2つのカップ状部材20の底部22がいずれも、全固体電池積層体10に向き、かつ全固体電池積層体10を介して互いに対向するようにして、2つのカップ状部材20が配置されており、
帯状部材30が、2つのカップ状部材20によって覆われていない全固体電池積層体の面を巻回し、2つのカップ状部材の側部24に接着され、かつ帯状部材30の両端部32の内側面において互いに接着され、
樹脂製の封止部材40が、帯状部材30の巻回の軸方向に対して垂直な断面で見たときに、帯状部材30の両端部32及びカップ状部材20又は全固体電池積層体10に包囲される部分に配置され、2つのカップ状部材20及び帯状部材30と接着されている、
全固体電池100。」
(3)申立理由についての当審の判断
ア.本件発明1について
(ア)対比
本件発明1と甲1発明とを対比する。
a.甲1発明における「電極積層体10」、「内蓋22」及び「二次電池100」は、それぞれ本件発明1でいう「電極体」、「側面部材」及び「電池」に相当する。
ここで、本件特許明細書の段落【0016】には、「電極体の形状は特に限定されないが、例えば、図1Aに示すように、頂面部11と、頂面部11に対向する底面部12と、頂面部11および底面部12を連結する、4つの側面部(第1側面部13、第2側面部14、第3側面部15および第4側面部16)と、を有する。頂面部11および底面部12は、いずれも電極体の主面に該当し、主面の法線方向を、厚さ方向と定義することができる。」と記載されていることを踏まえると、甲1発明において、内蓋22の開口部21aは、電極積層体の側面部に存在するといえ、甲1発明における「電極積層体10の開口部21aに配置された内蓋22」は、本件発明1の「電極体の側面部に配置された側面部材」に相当するものである。
また、甲1発明における「ラミネートフィルム外装体21」は、電極積層体10及び内蓋22を覆い、内蓋22の外縁を構成する面、及び電極積層体10の外縁を構成する面を覆うように配置されるから、本件発明1でいう「電極体および前記側面部材を覆」い、「前記側面部材の前記外縁を構成する面、および前記電極体の前記外縁を構成する面を覆うように配置される」「ラミネートフィルム」に相当する。
したがって、本件発明1と甲1発明とは、
「電極体と、
前記電極体の側面部に配置された側面部材と、
前記電極体および前記側面部材を覆うラミネートフィルムと、
を備える電池であって、
前記ラミネートフィルムは、前記側面部材の前記外縁を構成する面、および前記電極体の前記外縁を構成する面を覆うように配置された」ものである点で一致する。
b.甲1発明における内蓋22は、厚みが電極積層体10の厚みよりも小さく、また、内蓋22上にラミネートフィルム外装体21の両端部を内面同士において接合して形成されたシール部Sを有するものであることから、本件発明1と甲1発明とは、「側面部材上に、前記ラミネートフィルムの」「内面同士が融着した融着部が配置され」る点では一致するといえる。
ただし、本件発明1では「電池を前記側面部材側から側面視した場合に、前記側面部材の外縁は、前記電極体の外縁より内側に位置」し、側面部材上に、前記ラミネートフィルムの「余剰部位を折り畳んだ状態で」内面同士が融着した融着部が配置されることを特定するのに対し、甲1発明では、そのような特定を有していない点で相違する。
c.本件発明1では、「融着部の前記側面部材側の始点における屈曲部が湾曲形状である」ことを特定するのに対し、甲1発明では、そのような特定を有していない点で相違する。
したがって上記a.ないしc.によれば、本件発明1と甲1発明とは、
「電極体と、
前記電極体の側面部に配置された側面部材と、
前記電極体および前記側面部材を覆うラミネートフィルムと、
を備える電池であって、
前記ラミネートフィルムは、前記側面部材の前記外縁を構成する面、および前記電極体の前記外縁を構成する面を覆うように配置され、
側面部材上に、前記ラミネートフィルムの内面同士が融着した融着部が配置された、電池。」
である点で一致し、次の点で相違する。
[相違点1]
側面部材について、本件発明1においては「電池を前記側面部材側から側面視した場合に、前記側面部材の外縁は、前記電極体の外縁より内側に位置」し、前記側面部材上に、前記ラミネートフィルムの「余剰部位を折り畳んだ状態で」内面同士が融着した融着部が配置されることを特定するのに対し、甲1発明ではそのような特定を有していない点。
[相違点2]
本件発明1では「前記融着部の前記側面部材側の始点における屈曲部が湾曲形状である」ことを特定するのに対し、甲1発明ではそのような特定を有していない点。
(イ)判断
そこで、事案に鑑み、まず相違点1について検討する。
甲1発明における内蓋22は、厚みが電極積層体10の厚みよりも小さいものの、幅が電極積層体10の幅より小さいものである構成は特定できず、また、当該構成とすべき動機もない。してみると、甲1発明から、本件発明1の「電池を前記側面部材側から側面視した場合に、前記側面部材の外縁は、前記電極体の外縁より内側に位置」する構成を導き出すことはできない。
また、本件発明1にて特定される「融着部」は、上記「第3」「2.」「(2)」で判断したように、ラミネートフィルムの余剰部位を折り畳んだ状態で内面同士が融着したものであって、本件特許明細書における融着部Xを示しており、当該融着部Xと区別される端部密着部Y、すなわち、ラミネートフィルムの端部同士を融着させた構成を含まないものと認められるから、甲1発明における「内蓋22上にラミネートフィルム外装体21の両端部を内面同士において接合して形成されたシール部S」とは異なるものである。
そして、甲1発明は、上記シール部Sを設け、ラミネートフィルム外装体21のシール部Sを側面に重なるように折り曲げることで構造効率を向上させるものであって、内蓋22上においてラミネートフィルム外装体21の両端部とは異なる余剰部位を折り畳んだ状態で内面同士を接合する構成とすべき動機がない。
よって、相違点1に係る構成は、甲1号証に記載された発明において導き出すことはできない。
また、甲2発明における「リブ構造4」や甲3発明における「帯状部材30」は、そもそも本件発明1でいう「電池を前記側面部材側から側面視した場合に、前記側面部材の外縁は、前記電極体の外縁より内側に位置」した「側面部材」に対応する部材に配置されるものとは認められず、さらに、甲1発明において上記のとおり内蓋22上においてラミネートフィルム外装体21の両端部とは異なる余剰部位を折り畳んだ状態で内面同士を接合する構成とすべき動機もないことから、甲1発明において甲2発明及び甲3発明を参照したとしても、相違点1に係る構成を導き出すことはできない。
なお、特許異議申立人は、異議申立書において、「甲第1号証は、内蓋22の幅について開示していないが、甲第1号証の図5に示されるように、電極積層体10を包んだ状態で形成されるラミネートフィルム外装体21の開口部に内蓋22を配置することから、内蓋22の幅は、電極積層体10の幅よりも少なくとも若干狭いことが把握できる。」(異議申立書第28ページ第22~25行)と主張している。
しかしながら、内蓋22の幅が、ラミネートフィルム外装体21の開口部よりは狭いという事項をもって、ラミネートフィルム外装体21の開口部から収納することのできた電極積層体10と内蓋22との幅の大小関係を特定することはできず、上記特許異議申立人の主張は採用できない。
よって、他の相違点(相違点2)について検討するまでもなく、本件発明1は、甲第1号証ないし甲第3号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
イ.本件発明2ないし14について
請求項2ないし14は請求項1を引用するものであり、少なくとも上記相違点1に係る発明特定事項を備えるものであるから、本件発明1についての判断と同様の理由により、本件発明2ないし14は、甲第1号証ないし甲第3号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
ウ.まとめ
以上のとおりであるから、本件請求項1ないし14に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるということはできない。
第4 むすび
以上のとおり、本件請求項1ないし14に係る特許は、取消理由通知に記載した取消理由、及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1ないし14に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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2025-700432