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特許異議申立

2022-700882

画像検査システム、画像検査設定方法、および画像検査設定プログラム

審判番号
2022-700882
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2020-002702
登録番号
7031688
請求日
2022年09月08日
審決日
2023年10月12日
公報発行日
2024年01月26日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】コニカミノルタ株式会社
  • 【権利者代理人】弁理士法人鷲田国際特許事務所
  • 【異議申立人】工藤 望
審判長/審判官
  • 審判長 千葉 輝久
  • 審判官 渡辺 努
  • 審判官 高橋 宣博
分類
P1651.841-YAA(H04N) / P1651.851-YAA(H04N) / P1651.853-YAA(H04N) / P1651.537-YAA(H04N) / P1651.55 -YAA(H04N) / P1651.113-YAA(H04N) / P1651.121-YAA(H04N)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法120条の8第1項特許法135条
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第2項、特許法第120条の5第9項、特許法第126条第5項、特許法第120条の5第4項、特許法第126条第6項、特許法第36条第6項第1号、特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第1項、特許法第29条第2項、特許法第113条第4号、特許法第113条第1号、特許法第120条の8第1項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7031688号発明「画像検査システム、画像検査設定方法、および画像検査設定プログラム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7031688号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~26〕、〔27、51~55〕、〔28~50〕について訂正することを認める。 特許第7031688号の請求項1~24、26、27、28~48、50、51~53、55に係る特許を維持する。 特許第7031688号の請求項25、49、54に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7031688号の請求項1~55に係る特許についての出願は、令和2年1月10日に出願され、令和4年2月28日にその特許権の設定登録(特許掲載公報発行日 令和4年3月8日)がされた。 その後、令和4年9月8日に特許異議申立人工藤望(以下、「特許異議申立人」という。)により本件の請求項1~55に係る特許に対する特許異議の申立てがなされ、甲第1号証ないし甲第12号証が提出された。 当審は、令和5年1月17日付けで取消理由を通知した。 特許権者は、その指定期間内である令和5年3月24日に訂正請求書及び意見書の提出を行った。 当審は、令和5年5月9日付けで特許異議申立人に対して訂正請求があった旨の通知をし、特許異議申立人は、令和5年6月14日に意見書及び甲第13号証ないし甲第19号証の提出を行った。 第2 訂正の適否 1 訂正の内容 令和5年3月24日の訂正請求(以下、「本件訂正請求」という。)は、特許第7031688号(以下、「本件特許」という。)の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~55について訂正することを求めるものであり、その訂正の内容は、以下の訂正事項のとおりである(なお、下線は訂正部分を示す。)。 (1)訂正事項1 請求項1において、 「画像検査ジョブに設定された前記検査関連領域を保存するデータ格納部と、前記データ格納部に格納された前記検査関連領域を新たな画像検査ジョブの検査関連領域として設定する設定部と、を備え、」 とあるのを、 「実行された画像検査ジョブに設定された前記検査関連領域を保存するデータ格納部と、前記データ格納部に格納された前記検査関連領域を、前記実行された画像検査ジョブとは異なる新たな画像検査ジョブの検査関連領域として設定する設定部と、を備え、」 に訂正する。 (2)訂正事項2 請求項25を削除する。 (3)訂正事項3 請求項26において、 「請求項1~25の何れか1項に記載の画像検査システム。」 とあるのを、 「請求項1~24の何れか1項に記載の画像検査システム。」 に訂正する。 (4)訂正事項4 請求項28において、 「画像検査ジョブに設定された前記検査関連領域をデータ格納部に保存する処理と、前記データ格納部に格納された前記検査関連領域を新たな画像検査ジョブの検査関連領域として設定する処理と、」 とあるのを、 「実行された画像検査ジョブに設定された前記検査関連領域をデータ格納部に保存する処理と、前記データ格納部に格納された前記検査関連領域を、前記実行された画像検査ジョブとは異なる新たな画像検査ジョブの検査関連領域として設定する処理と、」 に訂正する。 (5)訂正事項5 請求項49を削除する。 (6)訂正事項6 請求項50において、 「請求項28~49の何れか1項に記載の画像検査設定プログラム。」 とあるのを、 「請求項28~48の何れか1項に記載の画像検査プログラム。」 に訂正する。 (7)訂正事項7 請求項27において、 「画像検査ジョブに設定された前記検査関連領域をデータ格納部に保存し、前記データ格納部に格納された前記検査関連領域を新たな画像検査ジョブの検査関連領域として設定し、」 とあるのを、 「実行された画像検査ジョブに設定された前記検査関連領域をデータ格納部に保存し、前記データ格納部に格納された前記検査関連領域を、前記実行された画像検査ジョブとは異なる新たな画像検査ジョブの検査関連領域として設定し、」 に訂正する。 (8)訂正事項8 請求項54を削除する。 (9)訂正事項9 請求項55において、 「請求項27、請求項51~54の何れか1項に記載の画像検査設定方法。」 とあるのを、 「請求項27、請求項51~53の何れか1項に記載の画像検査設定方法。」 に訂正する。 2 訂正の適否についての判断 (1)一群の請求項1~26について ア 一群の請求項 訂正前の請求項2~26は、訂正前の請求項1を直接もしくは間接に引用しており、訂正事項1によって訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。 したがって、訂正前の請求項1~26に対応する訂正後の請求項1~26は、特許法第120条の5第4項に規定される一群の請求項である。 イ 訂正事項1について (ア)訂正の目的 訂正事項1は、訂正前の請求項1の「画像検査ジョブ」について「実行された画像検査ジョブ」に限定し、「新たな画像検査ジョブ」について「前記実行された画像検査ジョブとは異なる新たな画像検査ジョブ」に限定したものである。 したがって、訂正事項1に係る訂正は、訂正前の請求項1について、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 また、当該訂正事項1に係る訂正は、訂正前の請求項2~26についても同様のことがいえる。 (イ)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 明細書の【0107】~【0111】、【0117】、【0123】、【0126】には、以下のような記載がある。 なお、下線は、強調のために当審で付したものである。 「【0107】 本実施の形態の一具体例では、画像検査装置50は、検査関連領域(検査対象領域または検査除外領域)が設定された領域設定情報を、画像検査のジョブ(検品ジョブ)が終了しても削除せず、データ格納部51にファイル化して保存、蓄積する。画像検査装置50は、かかる領域設定情報を、画像検査のジョブ(検品ジョブ)毎に作成し、検品ジョブ毎に、検査プロファイルの一部としてデータ格納部51に保存する。 【0108】 言い換えると、本実施の形態の画像検査システム1では、領域設定情報を検品ジョブ毎に保存する「設定保存部」を設ける。本実施の形態では、画像検査装置50およびデータ格納部51は、本発明の「設定保存部」に対応する。 【0109】 また、本実施の形態において、画像検査装置50は、上述した印刷条件を示す情報、領域設定情報の他、当該設定された検査関連領域(検査対象領域または検査除外領域)が付加(重畳表示)された基準画像RIのサムネイル画像を含めた検査プロファイルを作成し、作成した検査プロファイルに所定のファイル名を付けてデータ格納部51に保存する。かかるファイル名の付け方については後述する。 【0110】 また、本実施の形態の画像検査システム1では、保存された領域設定情報(ファイル名ひいては設定内容)を、画像検査(新たな検品ジョブの実行)に先立って、ユーザーに対して選択可能に提示する「提示部」が備えられる。一具体例では、画像検査装置50および表示部26は、本発明の「提示部」に対応する。 【0111】 さらに、本実施の形態では、ユーザーによって選択された領域設定情報における検査関連領域(検査対象領域または検査除外領域)を、画像検査装置50が実行しようとする画像検査(検品ジョブ)の検査関連領域として設定する「設定部」を設ける。本実施の形態では、画像検査装置50は、本発明の「設定部」に対応する。」 「【0117】 本実施の形態では、画像検査装置50は、リファレンスジョブ(図3のステップS10参照)において設定された検査関連領域(領域設定情報)を含む画像検査(検品ジョブ)の設定内容を、上述した検査プロファイルとしてデータ格納部51に保存(蓄積)する(ステップS500)。」 「【0123】 次に、新たな検品ジョブが設定される段階で、データ格納部51に保存(蓄積)されている過去の検査プロファイルを読み出して、選択(または編集)可能な形態でユーザーに提示する(ステップS600)。」 「【0126】 そして、画像検査装置50は、ユーザーによって選択(または編集)された設定内容を、当該新たな検品ジョブにおける画像検査の検査関連領域として設定する(ステップS700)。」 以上の記載より、願書に添付した明細書には、画像検査のジョブが終了すると、設定された検査関連領域を保存すること、保存された検査関連領域を、画像検査(新たな検品ジョブの実行)に先立って、選択可能に提示し、選択された検査関連領域を、実行しようとする新たな画像検査(検品ジョブ)の検査関連領域として設定することが記載されているものである。 ここで、画像検査のジョブが終了すると、設定された検査関連領域を保存する際の画像検査のジョブは、終了した画像検査のジョブであるから、「実行された画像検査ジョブ」といえ、実行しようとする新たな画像検査(検品ジョブ)は、すでに終了した画像検査のジョブとは異なるものであるから、「前記実行された画像検査ジョブとは異なる新たな画像検査ジョブ」といえる。 そうすると、願書に添付した明細書には、「実行された画像検査ジョブに設定された前記検査関連領域を保存するデータ格納部と、前記データ格納部に格納された前記検査関連領域を、前記実行された画像検査ジョブとは異なる新たな画像検査ジョブの検査関連領域として設定する設定部」が記載されているものである。 したがって、当該訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。 (ウ)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 上記(ア)から明らかなように、訂正事項1に係る訂正は、発明特定事項を限定するものであって、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。 また、訂正事項1は、訂正前の請求項1の記載以外に、訂正前の請求項2~26の記載について訂正するものではなく、請求項2~26のカテゴリーや対象、目的を変更するものではない。 ウ 訂正事項2について (ア)訂正の目的 訂正事項2は、請求項を削除する訂正であるから、訂正事項2に係る訂正は、訂正前の請求項25について、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 (イ)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること及び実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 訂正事項2は、請求項を削除する訂正であるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではなく、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。 エ 訂正事項3について (ア)訂正の目的 多数項を引用している請求項26の引用請求項を一部削除する(「請求項1~25」から「請求項1~24」とする)訂正である訂正事項3に係る訂正は、訂正前の請求項26について、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 また、訂正事項3は、訂正事項2により削除された請求項25を引用しているという不明瞭な状態を解消させるものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。 (イ)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること及び実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 訂正事項3は、引用請求項を一部削減する訂正であるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではなく、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。 (2)一群の請求項28~50について ア 一群の請求項 訂正前の請求項29~50は、訂正前の請求項28を直接もしくは間接に引用しており、訂正事項4によって訂正される請求項28に連動して訂正されるものである。 したがって、訂正前の請求項28~50に対応する訂正後の請求項28~50は、特許法第120条の5第4項に規定される一群の請求項である。 イ 訂正事項4について (ア)訂正の目的 訂正事項4は、訂正前の請求項28の「画像検査ジョブ」について「実行された画像検査ジョブ」に限定し、「新たな画像検査ジョブ」について「前記実行された画像検査ジョブとは異なる新たな画像検査ジョブ」に限定したものである。 したがって、訂正事項4に係る訂正は、訂正前の請求項28について、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 また、当該訂正事項4に係る訂正は、訂正前の請求項29~50についても同様のことがいえる。 (イ)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記(1)イ(イ)で検討したように、願書に添付した明細書には、画像検査のジョブが終了すると、設定された検査関連領域を保存すること、保存された検査関連領域を、画像検査(新たな検品ジョブの実行)に先立って、選択可能に提示し、選択された検査関連領域を、実行しようとする新たな画像検査(検品ジョブ)の検査関連領域として設定することが記載されているものである。 ここで、画像検査のジョブが終了すると、設定された検査関連領域を保存する際の画像検査のジョブは、終了した画像検査のジョブであるから、「実行された画像検査ジョブ」といえ、実行しようとする新たな画像検査(検品ジョブ)は、すでに終了した画像検査のジョブとは異なるものであるから、「前記実行された画像検査ジョブとは異なる新たな画像検査ジョブ」といえる。 そうすると、願書に添付した明細書には、「実行された画像検査ジョブに設定された前記検査関連領域をデータ格納部に保存する処理と、前記データ格納部に格納された前記検査関連領域を、前記実行された画像検査ジョブとは異なる新たな画像検査ジョブの検査関連領域として設定する処理」が記載されているものである。 したがって、当該訂正事項4は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。 (ウ)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 上記(ア)から明らかなように、訂正事項4に係る訂正は、発明特定事項を限定するものであって、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。 また、訂正事項4は、訂正前の請求項28の記載以外に、訂正前の請求項29~50の記載について訂正するものではなく、請求項29~50のカテゴリーや対象、目的を変更するものではない。 ウ 訂正事項5について (ア)訂正の目的 訂正事項5は、請求項を削除する訂正であるから、訂正事項5に係る訂正は、訂正前の請求項49について、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 (イ)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること及び実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 訂正事項5は、請求項を削除する訂正であるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではなく、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。 エ 訂正事項6について (ア)訂正の目的 多数項を引用している請求項50の引用請求項を一部削除する(「請求項28~49」から「請求項28~48」とする)訂正である訂正事項6に係る訂正は、訂正前の請求項50について、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 また、訂正事項6は、訂正事項5により削除された請求項49を引用しているという不明瞭な状態を解消させるものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。 (イ)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること及び実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 訂正事項6は、引用請求項を一部削減する訂正であるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではなく、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。 (3)一群の請求項27、51~55について ア 一群の請求項 訂正前の請求項51~55は、訂正前の請求項27を直接もしくは間接に引用しており、訂正事項7によって訂正される請求項27に連動して訂正されるものである。 したがって、訂正前の請求項27、51~55に対応する訂正後の請求項27、51~55は、特許法第120条の5第4項に規定される一群の請求項である。 イ 訂正事項7について (ア)訂正の目的 訂正事項7は、訂正前の請求項27の「画像検査ジョブ」について「実行された画像検査ジョブ」に限定し、「新たな画像検査ジョブ」について「前記実行された画像検査ジョブとは異なる新たな画像検査ジョブ」に限定したものである。 したがって、訂正事項7に係る訂正は、訂正前の請求項27について、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 また、当該訂正事項7に係る訂正は、訂正前の請求項51~55についても同様のことがいえる。 (イ)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記(1)イ(イ)で検討したように、願書に添付した明細書には、画像検査のジョブが終了すると、設定された検査関連領域を保存すること、保存された検査関連領域を、画像検査(新たな検品ジョブの実行)に先立って、選択可能に提示し、選択された検査関連領域を、実行しようとする新たな画像検査(検品ジョブ)の検査関連領域として設定することが記載されているものである。 ここで、画像検査のジョブが終了すると、設定された検査関連領域を保存する際の画像検査のジョブは、終了した画像検査のジョブであるから、「実行された画像検査ジョブ」といえ、実行しようとする新たな画像検査(検品ジョブ)は、すでに終了した画像検査のジョブとは異なるものであるから、「前記実行された画像検査ジョブとは異なる新たな画像検査ジョブ」といえる。 そうすると、願書に添付した明細書には、「実行された画像検査ジョブに設定された前記検査関連領域をデータ格納部に保存し、前記データ格納部に格納された前記検査関連領域を、前記実行された画像検査ジョブとは異なる新たな画像検査ジョブの検査関連領域として設定」することが記載されているものである。 したがって、当該訂正事項7は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。 (ウ)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 上記(ア)から明らかなように、訂正事項7に係る訂正は、発明特定事項を限定するものであって、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。 また、訂正事項7は、訂正前の請求項27の記載以外に、訂正前の請求項51~55の記載について訂正するものではなく、請求項51~55のカテゴリーや対象、目的を変更するものではない。 ウ 訂正事項8について (ア)訂正の目的 訂正事項8は、請求項を削除する訂正であるから、訂正事項8に係る訂正は、訂正前の請求項54について、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 (イ)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること及び実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 訂正事項8は、請求項を削除する訂正であるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではなく、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。 エ 訂正事項9について (ア)訂正の目的 多数項を引用している請求項55の引用請求項を一部削除する(「請求項51~54」から「請求項51~53」とする)訂正である訂正事項9に係る訂正は、訂正前の請求項55について、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 また、訂正事項9は、訂正事項8により削除された請求項54を引用しているという不明瞭な状態を解消させるものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。 (イ)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること及び実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 訂正事項9は、引用請求項を一部削減する訂正であるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではなく、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。 (4)訂正に対する特許異議申立人の主張について 特許異議申立人は、令和5年6月14日に提出された意見書において、以下の主張をしている。 「「異なる新たな画像検査ジョブ」とは、それに設定されている検査関連領域を設定して実行した画像検査ジョブとは異なる画像検査を行う「新たな画像検査ジョブ」と読むこともできる。すなわちジョブBは、ジョブAにより行われる画像検査とは異なる画像検査を行うものである。そしてこのような意味では、「異なる新たな画像検査ジョブ」は、本特許発明の実施の形態を説明している段落【0126】~【0131】には記載されていないし、当該箇所の記載から明らかでもない。 このように、必ずしも「「新たな画像検査ジョブ」が「実行された画像検査ジョブとは異なる」ものであることが明らか」とは言えないから、構成要件C’(当審注:下記第3の本件発明1の構成C)について、「異なる新たな画像検査ジョブ」との訂正事項は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正ではなく、訂正要件を満たしていない。 請求項1に係る発明を、方法発明、プログラム発明としたカテゴリ違いの請求項27、28についても、請求項1の構成要件C’に相当する訂正がされており、上記の理由と同様の理由で訂正要件を満たしていない。」(6頁15~26行) しかし、構成Cの「前記実行された画像検査ジョブとは異なる新たな画像検査ジョブ」とは、「新たな画像検査ジョブ」は「実行された画像検査ジョブ」とは異なるジョブと考えるのが自然であって、特許異議申立人の主張を採用することはできない。 (5)まとめ 以上のとおり、訂正前の請求項〔1~26〕、〔28~50〕、〔27、51~55〕に対応する訂正後の請求項〔1~26〕、〔28~50〕、〔27、51~55〕は、特許法第120条の5第4項に規定される「一群の請求項」である。 また、本件訂正請求の訂正事項1~9は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」もしくは同条同項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものであって、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項に適合するものである。 したがって、特許請求の範囲の請求項の記載を、訂正事項1~9のとおり、訂正後の請求項1~55について訂正することを認める。 第3 訂正後の請求項1~55に係る発明 本件訂正請求により訂正された請求項1~55に係る発明(以下、「本件発明1」などという。)は、その特許請求の範囲の請求項1~55に記載された事項により特定される以下のとおりのものである(なお、説明のために、本件発明1における各構成にA~Eの符号を当審で付した。以下、「構成A」~「構成E」という。)。 【請求項1】(本件発明1) A 用紙に形成された画像を読みとった画像データに対して、画像検査の対象となる検査対象領域と前記画像検査の対象外となる検査除外領域とが設定された検査関連領域に基づいて画像検査ジョブを行う画像検査システムであって、 B 実行された画像検査ジョブに設定された前記検査関連領域を保存するデータ格納部と、 C 前記データ格納部に格納された前記検査関連領域を、前記実行された画像検査ジョブとは異なる新たな画像検査ジョブの検査関連領域として設定する設定部と、 を備え 、 D 検査対象領域と検査除外領域とが重複する部分では、検査除外領域を優先する、 E 画像検査システム。 【請求項2】(本件発明2) 前記設定部は、前記新たな画像検査ジョブの前記検査関連領域を編集する、 請求項1に記載の画像検査システム。 【請求項3】(本件発明3) 前記編集は、前記検査関連領域を、前記新たな画像検査ジョブにおける所定のページに適用させる、 請求項2に記載の画像検査システム。 【請求項4】(本件発明4) 前記所定のページは、前記新たな画像検査ジョブにおける全ページである、 請求項3に記載の画像検査システム。 【請求項5】(本件発明5) 前記所定のページは、前記新たな画像検査ジョブにおいて指定されたページである、 請求項3または4に記載の画像検査システム。 【請求項6】(本件発明6) 前記新たな画像検査ジョブが用紙の両面の画像を検査する場合、前記所定のページは、両面のうち一方の面に対応するページである、 請求項3または5に記載の画像検査システム。 【請求項7】(本件発明7) 前記設定部は、前記検査関連領域の位置を調整する、 請求項2~6の何れかに記載の画像検査システム。 【請求項8】(本件発明8) 前記位置の調整は、マウス操作により行われる、 請求項7に記載の画像検査システム。 【請求項9】(本件発明9) 前記設定部は、前記検査関連領域を拡大または縮小する、 請求項2~8の何れか1項に記載の画像検査システム。 【請求項10】(本件発明10) 前記設定部は、前記新たな画像検査ジョブが複数ページである場合は、ページ毎に前記検査関連領域を編集する、 請求項2~9の何れか1項に記載の画像検査システム。 【請求項11】(本件発明11) 前記データ格納部に保存された前記検査関連領域を表示する、 請求項1~10の何れか1項に記載の画像検査システム。 【請求項12】(本件発明12) 前記画像検査システムは、更に、前記画像検査ジョブを行う際の比較対象となる基準画像を登録する登録部を有し、 設定された検査関連領域に基づいて、前記登録部に登録された基準画像と前記画像データとを比較する、 請求項1~11の何れか一項に記載の画像検査システム。 【請求項13】(本件発明13) 前記登録部は、用紙に形成された画像を読みとった画像データを基準画像として登録する、 請求項12に記載の画像検査システム。 【請求項14】(本件発明14) 前記データ格納部は、前記検査関連領域と前記基準画像とを関連付けた検査プロファイルを保存する、 請求項12または13に記載の画像検査システム。 【請求項15】(本件発明15) 前記データ格納部は、前記検査プロファイルにファイル名を付けて保存する、 請求項14に記載の画像検査システム。 【請求項16】(本件発明16) 前記新たな画像検査ジョブにおいて、基準画像を作成しなおす、 請求項12~15の何れか1項に記載の画像検査システム。 【請求項17】(本件発明17) 前記検査関連領域を編集する際、基準画像を表示して編集する、 請求項12~16の何れか1項に記載の画像検査システム。 【請求項18】(本件発明18) 前記データ格納部は、複数の前記画像検査ジョブの前記検査関連領域を保存し、 前記データ格納部に保存された複数の前記検査関連領域のうちユーザーに選択された前記検査関連領域を、前記新たな画像検査ジョブの検査関連領域として設定する、 請求項1~17の何れか1項に記載の画像検査システム。 【請求項19】(本件発明19) 検査関連領域が選択される際、前記データ格納部に保存された複数の前記検査関連領域を一覧表示する、 請求項18に記載の画像検査システム。 【請求項20】(本件発明20) 前記一覧表示で表示された複数の検査関連領域の何れかが選択された場合、選択された検査関連領域を、前記新たな画像検査ジョブにおける検査関連領域として編集する画面を表示する、 請求項19に記載の画像検査システム。 【請求項21】(本件発明21) 前記画像検査ジョブが終了した後、前記データ格納部に格納された前記検査関連領域を削除せずに保存する、 請求項1~20の何れか1項に記載の画像検査システム。 【請求項22】(本件発明22) 前記画像検査システムは、更に、用紙に形成された画像を読みとって画像データを出力する画像読取部を有する、 請求項1~21の何れか1項に記載の画像検査システム。 【請求項23】(本件発明23) 前記画像検査システムは、更に、 用紙に画像を形成する画像形成部と、 前記画像形成部で形成された用紙を搬送する搬送部と、を有し、 前記画像読取部は、前記搬送部により搬送される用紙上の画像を読みとる、 請求項22に記載の画像検査システム。 【請求項24】(本件発明24) 前記画像検査システムは、更に、用紙を排紙する第1排紙トレイと第2排紙トレイとを有し、 画像検査の結果が不良はないと判断された用紙は前記第1排紙トレイへ排紙する一方、不良があると判断された用紙は前記第2排紙トレイへ排紙する、 請求項1~23の何れか1項に記載の画像検査システム。 【請求項25】(削除) 【請求項26】(本件発明26) 前記データ格納部に格納された前記検査関連領域は、前記画像検査ジョブにおける画像検査結果とは別に保存される、 請求項1~24の何れか1項に記載の画像検査システム。 【請求項27】(本件発明27) 用紙に形成された画像を読みとった画像データに対して、画像検査の対象となる検査対象領域と前記画像検査の対象外となる検査除外領域とが設定された検査関連領域に基づいて画像検査ジョブを行い、 実行された画像検査ジョブに設定された前記検査関連領域をデータ格納部に保存し、 前記データ格納部に格納された前記検査関連領域を、前記実行された画像検査ジョブとは異なる新たな画像検査ジョブの検査関連領域として設定し、 検査対象領域と検査除外領域とが重複する部分では、検査除外領域を優先する、 画像検査設定方法。 【請求項28】(本件発明28) コンピューターに、 用紙に形成された画像を読みとった画像データに対して、画像検査の対象となる検査対象領域と前記画像検査の対象外となる検査除外領域とが設定された検査関連領域に基づいて画像検査ジョブを行う処理と、 実行された画像検査ジョブに設定された前記検査関連領域をデータ格納部に保存する処理と、 前記データ格納部に格納された前記検査関連領域を、前記実行された画像検査ジョブとは異なる新たな画像検査ジョブの検査関連領域として設定する処理と、 を実行させるための画像検査設定プログラムであって、 検査対象領域と検査除外領域とが重複する部分では、検査除外領域を優先する画像検査設定プログラム。 【請求項29】(本件発明29) 前記コンピューターに、 前記設定する処理において、前記新たな画像検査ジョブの前記検査関連領域を編集する処理を実行させる、 請求項28に記載の画像検査設定プログラム。 【請求項30】(本件発明30) 前記編集する処理は、前記検査関連領域を、前記新たな画像検査ジョブにおける所定のページに適用させる処理である、 請求項29に記載の画像検査設定プログラム。 【請求項31】(本件発明31) 前記所定のページは、前記新たな画像検査ジョブにおける全ページである、 請求項30に記載の画像検査設定プログラム。 【請求項32】(本件発明32) 前記所定のページは、前記新たな画像検査ジョブにおいて指定されたページである、 請求項30または31に記載の画像検査設定プログラム。 【請求項33】(本件発明33) 前記新たな画像検査ジョブが用紙の両面の画像を検査する場合、前記所定のページは、両面のうち一方の面に対応するページである、 請求項30または32に記載の画像検査設定プログラム。 【請求項34】(本件発明34) 前記コンピューターに、 前記設定する処理において、前記検査関連領域の位置を調整する処理を実行させる、 請求項29~33の何れかに記載の画像検査設定プログラム。 【請求項35】(本件発明35) 前記コンピューターに、 前記位置の調整を、マウス操作により行わせる処理を実行させる、 請求項34に記載の画像検査設定プログラム。 【請求項36】(本件発明36) 前記コンピューターに、 前記設定する処理において、前記検査関連領域を拡大または縮小する処理を実行させる、 請求項29~35の何れか1項に記載の画像検査設定プログラム。 【請求項37】(本件発明37) 前記コンピューターに、 前記設定する処理において、前記新たな画像検査ジョブが複数ページである場合は、ページ毎に前記検査関連領域を編集する処理を実行させる、 請求項29~36の何れか1項に記載の画像検査設定プログラム。 【請求項38】(本件発明38) 前記コンピューターに、 前記データ格納部に保存された前記検査関連領域を表示する処理を実行させる、 請求項28~37の何れか1項に記載の画像検査設定プログラム。 【請求項39】(本件発明39) 前記コンピューターに、更に、前記画像検査ジョブを行う際の比較対象となる基準画像を登録する登録処理と、 設定された検査関連領域に基づいて、前記登録処理で登録された基準画像と前記画像データとを比較する処理とを実行させる、 請求項28~38の何れか一項に記載の画像検査設定プログラム。 【請求項40】(本件発明40) 前記登録処理は、用紙に形成された画像を読みとった画像データを基準画像として登録する処理である、 請求項39に記載の画像検査設定プログラム。 【請求項41】(本件発明41) 前記コンピューターに、 前記データ格納部に、前記検査関連領域と前記基準画像とを関連付けた検査プロファイルを保存する処理を実行させる、 請求項39または40に記載の画像検査設定プログラム。 【請求項42】(本件発明42) 前記コンピューターに、 前記データ格納部に、前記検査プロファイルにファイル名を付けて保存する処理を実行させる、 請求項41に記載の画像検査設定プログラム。 【請求項43】(本件発明43) 前記コンピューターに、 前記新たな画像検査ジョブにおいて、基準画像を作成しなおす処理を実行させる、 請求項39~42の何れか1項に記載の画像検査設定プログラム。 【請求項44】(本件発明44) 前記コンピューターに、 前記検査関連領域を編集する際、基準画像を表示して編集する処理を実行させる、 請求項39~43の何れか1項に記載の画像検査設定プログラム。 【請求項45】(本件発明45) 前記コンピューターに、 前記データ格納部に、複数の前記画像検査ジョブの前記検査関連領域を保存する処理と、 前記データ格納部に保存された複数の前記検査関連領域のうちユーザーに選択された前記検査関連領域を、前記新たな画像検査ジョブの検査関連領域として設定する処理とを実行させる、 請求項28~44の何れか1項に記載の画像検査設定プログラム。 【請求項46】(本件発明46) 前記コンピューターに、 検査関連領域が選択される際、前記データ格納部に保存された複数の前記検査関連領域を一覧表示する処理を実行させる、 請求項45に記載の画像検査設定プログラム。 【請求項47】(本件発明47) 前記コンピューターに、 前記一覧表示する処理において、前記一覧表示で表示された複数の検査関連領域の何れかが選択された場合、選択された検査関連領域を、前記新たな画像検査ジョブにおける検査関連領域として編集する画面を表示する処理を実行させる、 請求項46に記載の画像検査設定プログラム。 【請求項48】(本件発明48) 前記コンピューターに、 前記画像検査ジョブが終了した後、前記データ格納部に格納された前記検査関連領域を削除せずに保存する処理を実行させる、 請求項28~47の何れか1項に記載の画像検査設定プログラム。 【請求項49】(削除) 【請求項50】(本件発明50) 前記コンピューターに、 前記データ格納部に格納された前記検査関連領域を、前記画像検査ジョブにおける画像検査結果とは別に保存する処理を実行させる、 請求項28~48の何れか1項に記載の画像検査設定プログラム。 【請求項51】(本件発明51) 前記新たな画像検査ジョブの前記検査関連領域を編集する、 請求項27に記載の画像検査設定方法。 【請求項52】(本件発明52) 更に、前記画像検査ジョブを行う際の比較対象となる基準画像を登録し、 設定された検査関連領域に基づいて、登録された基準画像と前記画像データとを比較する、 請求項27または請求項51に記載の画像検査設定方法。 【請求項53】(本件発明53) 前記データ格納部に、複数の前記画像検査ジョブの前記検査関連領域を保存し、 前記データ格納部に保存された複数の前記検査関連領域のうちユーザーに選択された前記検査関連領域を、前記新たな画像検査ジョブの検査関連領域として設定する、 請求項27、請求項51、および請求項52の何れか1項に記載の画像検査設定方法。 【請求項54】(削除) 【請求項55】(本件発明55) 前記データ格納部に格納された前記検査関連領域を、前記画像検査ジョブにおける画像検査結果とは別に保存する、 請求項27、請求項51~53の何れか1項に記載の画像検査設定方法。 第4 取消理由通知に記載した取消理由について 1 取消理由の概要 令和5年1月17日付け取消理由通知に記載した取消理由の概要は、次のとおりである。 (1)(新規性)下記の請求項に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当するから、下記の請求項に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものである。 記 ・請求項1、2、7~9、12、13、16、27~29、34~36、39、40、43、51、52に対して、引用文献1 ・請求項1、2、12、16~19、27~29、39、43~46、51~53に対して、引用文献2 (2)(進歩性)下記の請求項に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、下記の請求項に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 記 ・請求項 1~55に対して、引用文献1~3 <引用文献一覧> ・引用文献1:A3オフライン枚葉検査装置 簡易マニュアル[Trinity]ダックエンジニアリング株式会社 2014年2月22日(甲第6号証) ・引用文献2:Trinity 取扱説明書 枚葉タイプ ダックエンジニアリング株式会社 2014年10月第四版(甲第7号証) ・引用文献3:特開2012-206461号公報(甲第8号証) (3)(サポート要件)本件特許は、特許請求の範囲の記載が下記の点で不備のため、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。 記 ア 請求項25、49、54に対して 請求項25の「前記データ格納部に格納された前記検査関連領域は、名前が付されている」、請求項49の「前記データ格納部に格納された前記検査関連領域に、名前を付す処理を実行させる」、請求項54の「前記データ格納部に格納された前記検査関連領域に、名前を付す」に関連する記載として、発明の詳細な説明には、以下のように記載されている。 (中略) ここで、【0109】の「ファイル名」が、請求項25、49、54の「名前」に相当するものと考えたとしても、発明の詳細な説明には、検査プロファイルに名前を付すことが記載されているのみである。 また、【0109】以外の記載をみても、発明の詳細な説明には、検査関連領域に名前を付すことが記載されていない。 (中略) イ 請求項26、50、55に対して 請求項25を引用する請求項26に係る発明、請求項49を引用する請求項50に係る発明、請求項54を引用する請求項55に係る発明についても上記アと同様の理由が存在する。 ウ まとめ したがって、請求項25、26、49、50、54、55に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものでない。 2 異議申立人が提出した甲号証について 2-1 取消理由で採用した引用文献1~3(甲第6号証、甲第7号証、甲第8号証)について (1)引用文献1(甲第6号証) ア 引用文献1に記載された事項 引用文献1には、以下の記載がある。なお、下線は、当審にて付した。 (ア)「新規品種の検品データの設定を行います。(中略) 検査を行うには、検査対象(品種)に応じたデータ(品種データ)登録が必要です。 データは一度登録すると保存され、呼び出して検査を行う事が出来ます。」(2-1頁2~5行) (イ)「以前登録したデータ(品種データ)を呼び出します。 呼び出したデータの編集を行なうと、上書き保存されます。」(3-1頁2~3行) (ウ)「検査機で、検査を行う為には、良・不良の基準となる「マスター画像」を取込む必要があります。検査機は、このマスター画像と、現在の画像との比較を行って検品を行います。」(4-1頁2~3行) (エ)「マスターシートを給紙パイルの一番上にセットし機械側“給紙”ボタンをONし、紙を一枚流します。 マスターが自動で記憶されます。」(4-1頁13~18行) (オ)「また、検査枠の設定を行うことにより、部分的に検査を強くしたり、弱くしたり、マスクにしたりすることが出来ます。この枠データは品種毎に登録されますが、品種を呼び出して検査に入る前には、再度微調整をお願い致します。」(7-1頁2~5行) (カ)「7a、検査枠の設定 (中略) 枠設定ツールで枠レベル(普通、強め、弱め、マスク)を選択し図形選択で枠の形状を選択します。 「枠レベル」 弱め枠:通常の設定よりも甘い設定で検出する枠 普通枠:通常の設定。 強め枠:通常の設定よりも厳しい設定で検出する枠。 マスク枠:欠陥検出しない枠。」(7a-1頁1行~7a-2頁11行) (キ)「7b、検査枠の位置調整 設定ツールの位置を押します。 位置を選択した状態で、全体画像をクリックするか矢印ボタンで位置を設定して下さい。」(7b-1頁1~5行) (ク)「マスク枠はどの枠においても最優先されます」(7b-1頁12~13行) (ケ)「7c、検査枠のサイズ調整 設定ツールのサイズを押します。 サイズを選択した状態で、全体画面をクリックするか矢印ボタンでサイズを設定して下さい。」(7c-1頁1~5行) (コ)「検査の準備が整いましたら、検査を行います。 (中略) マスターが登録されていない場合は検査開始の1枚目をマスター登録し2枚目から検査を行います。 マスター登録済みの場合は1枚目から検査を行います。 搬送機で製品が搬送されると検査開始します」(8-1頁1~25行) イ 引用文献1に記載された発明 引用文献1に記載された検査機は、記憶されたマスター画像と現在の画像との比較を行うことにより、現在の画像の検査を行うシステムであるといえるので、画像検査システムが記載されているといえる。 そうすると、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明1」という)が記載されている。 なお、記号a1~j1は分説するために当審にて付した。以下、「構成a1」~「構成j1」という。また、各構成の末尾の括弧内は、上記アで摘出した関連する記載である。 (引用発明1) a1 検査機で、検査を行う為には、良・不良の基準となる「マスター画像」を取込む必要があり、このマスター画像と、現在の画像との比較を行って検品を行う画像検査システムであって、(上記(ウ)) b1 マスターシートを給紙パイルの一番上にセットし、紙を一枚流すと、マスターが自動で記憶される構成において、マスターが登録されていない場合は検査開始の1枚目をマスター登録し2枚目から検査を行い、マスター登録済みの場合は1枚目から製品の検査を行い、搬送機で製品が搬送されると検査開始する検査システムであって、(上記(エ)、(コ)) c1 普通枠、強め枠、弱め枠、欠陥検出しないマスク枠を含む検査枠の設定を行い、(上記(カ)) d1 検査枠の枠データを品種毎に登録し、(上記(オ)) e1 新規品種の検品データの設定において、検査を行うには、検査対象(品種)に応じたデータ(品種データ)登録が必要であり、データは一度登録すると保存され、呼び出して検査を行うことができ、(上記(ア)) f1 以前登録したデータ(品種データ)を呼び出して編集を行なうと、上書き保存され(上記(イ)) g1 マスク枠はどの枠においても最優先され、(上記(ク)) h1 登録された品種を呼び出して検査に入る前には、品種毎に登録された検査枠の枠データを微調整でき、(上記(オ)) i1 検査枠の位置調整及びサイズ調整を、全体画面のクリックまたは矢印ボタンにより設定する(上記(キ)、(ケ)) j1 画像検査システム。」 (2)引用文献2(甲第7号証) ア 引用文献2に記載された事項 引用文献2には、以下の記載がある。なお、下線は、当審にて付した。 (ア)「枚葉タイプ」(表紙) (イ)「検査を行うには、検査対象(品種)に応じたデータ(品種データ)登録が必要です。データは一度登録すると保存され、呼び出して検査を行う事が出来ます。新規品種の場合は新規に登録を行います。 Trinityは、標準で60,000件の品種データ登録が可能です。」(7頁3~5行) (ウ)「登録された品種を検査条件に設定する場合は、「品種選択メニュー」を、品種を新規に登録する場合は、「新規作成メニュー」を用いて設定を行います。」(8頁5~6行) (エ)「2-2-1.品種を新規に登録する場合 (中略) 「品種保存」ボタンをクリックすると、「品種データの新規保存」ウィンドウが表示されます。 [図:0001405792000001.jpg] 」(10頁2~5行及び図) 上記(エ)の図より、品種データの新規保存に際して、「品種名」が設定可能であることが見て取れる。 (オ)「登録された品種から選択する場合は、「リストから選択」ボタンをクリックして下さい。 「品種データの一覧選択」ウィンドウが表示されますので、「グループ」、「サブグループ」、「品種名」の順にチェックを入れ、選択を行って下さい。選択後に、「現在品種に使用する」ボタンをクリックして下さい。 [図:0001405792000002.jpg] 」(14頁3~5行及び図) 上記(オ)の図より、「品種データの一覧選択」ウィンドウでは、複数の検査対象に応じた品種データの一覧が表示されることが見て取れる。 また、「リストから選択」ボタンは、「品種選択メニュー」に含まれるものである。 (カ)「「品種データコントロール」は、品種の検索や新規作成、編集、コピー、移動、削除など品種データを総合的に操作する重要なコントロールです。 画面右側のツールボタンの「品種編集」をクリックし、「品種編集」をクリックして下さい。」(16頁4~6行) (キ)「「削除」ボタンをクリックすると、「品種削除モード選択」ウィンドウが表示されます。」(30頁3行) (ク)「検査を行うには、検査対象(品種)に応じたデータ(品種データ)登録が必要です。 ここでは、検査に必要な条件を設定します。主な設定項目は、「検査レベル」、「検出サイズ」、「検査範囲」、「位置補正」、「照明レベル」です。(中略) 一度設定したデータは品種ごとに保持され、次回から大きな変更が無い限りは再設定の必要はありません。」(46頁3~6行) (ケ)「検査方式には以下の3種類があります。 固定方式 マスター画像を固定する検査方式です。 半固定方式 マスター画像を設定した周期毎に更新する検査方式です。 学習方式 マスター画像を毎回更新する検査方式です。 1.固定方式 最初にマスター画像を記憶します。そのマスター画像を固定して検査を行います。 メリット ■徐々に変化する印刷濃度に対して検出が可能です。 ■連続して同じ位置に欠陥が発生しても検出が可能です。 (中略) デメリット (中略) ■記憶したマスター画像に欠陥があった場合、それを良品として検査を行いますので、実際に良品が流れても、欠陥があるとして誤検出されます。 2.半固定方式 最初にマスター画像を記憶します。その後、設定された枚数毎にマスター画像を更新して検査を行います。」(50頁3~19行) (コ)「「検査パスモード」検査時に使用するカメラに対するパス方向を指定します。 パス方向とは、カメラに対してワークの流れる方向となります。」(51頁11~12行) (サ)「3-1-4. 検査範囲 「検査条件」ウインドウの「検査範囲」ボタンをクリックして下さい。「検査範囲」ウインドウが表示されます。 [図:0001405792000003.jpg] 」(68頁2~3行及び図) 上記(サ)の図から、検査範囲ウインドウに「基本範囲設定モードボタン」、「分割範囲設定モードボタン」、「検査枠設定モードボタン」を有することが見て取れる。 (シ)「検査枠を設定して検査 ここでは、新たに検査枠を作成する方法を解説します。 検査枠は次の4種類が使用可能です。左側の図形の色で表されます。 弱め枠 通常の設定より甘い検出レベルで欠陥を検出する枠です。 普通枠 通称の検出レベルで欠陥を検出する枠です。 強め枠 通常の設定より厳しい検出レベルで欠陥を検出する枠です。 マスク マスク処理を行う枠です。 (中略) [図:0001405792000004.jpg] 」(72頁2~8行及び73頁図) 上記(シ)の図より、検査枠を設定する際に、ユーザインターフェースにおいて「全体画像」が表示されていることが見て取れる。 (ス)「また、枠が重なっている場合は、階層は数値が大きいものが、枠はAから優先されます。 ※枠の優先順位は装置データによります。 1.弱め<普通<強め<マスク 2.A<Z<マスク」(75頁8~11行) (セ)「 [図:0001405792000005.jpg] 」(91頁図) 上記(セ)の図より、検査領域には表面検査領域と裏面検査領域とがあることが見て取れる。 イ 引用文献2に記載された発明 引用文献2に記載された検査機は、記憶されたマスター画像と現在の画像との比較を行うことにより、現在の画像の検査を行うシステムであるといえるので、画像検査システムが記載されているといえる。 そうすると、引用文献2には、以下の発明(以下、「引用発明2」という)が記載されている。 なお、記号a2~q2は分説するために当審にて付した。以下、「構成a2」~「構成q2」という。また、各構成の末尾の括弧内は、上記アで摘出した関連する記載である。 (引用発明2) a2 枚葉タイプの検査機による画像検査システムであって、(上記(ア)) b2 印刷濃度や欠陥の発生が検出可能であり、(上記(ケ)) c2 検査時にカメラを使用し、(上記(コ)) d2 検査領域には表面検査領域と裏面検査領域とがあり、(上記(セ)) e2 検査を行うには、検査対象(品種)に応じたデータ(品種データ)登録が必要であり、ここで、検査範囲等の検査に必要な条件を設定し、データは一度登録すると保存され、呼び出して検査を行う事が出来、再設定の必要はなく、(上記(イ)、(ク)) f2 標準で60,000件の品種データ登録の品種データ登録が可能であり、(上記(イ)) g2 登録された品種を検査条件に設定する場合は、「品種選択メニュー」を、品種を新規に登録する場合は、「新規作成メニュー」を用いて設定を行い、(上記(ウ)) h2 「品種保存」ボタンをクリックすると、「品種データの新規保存」ウィンドウが表示され、新規保存に際して、「品種名」が設定可能であり、(上記(エ)) i2 登録された品種から選択する場合は、「品種選択メニュー」の「リストから選択」ボタンをクリックし、複数の検査対象に応じた品種データの一覧が表示される「品種データの一覧選択」ウィンドウから選択を行い、「現在品種に使用する」ボタンをクリックするものであり、(上記(オ)) j2 「品種データコントロール」は、品種の検索や新規作成、編集、コピー、移動、削除など品種データを総合的に操作するものであり、(上記(カ)) k2 「削除」ボタンをクリックすると、「品種削除モード選択」ウィンドウが表示され、(上記(キ)) l2 検査範囲ウインドウに検査枠設定モードボタンを有し、(上記(サ)) m2 検査条件として枠を設定する際に、ユーザインターフェースにおいて「全体画像」が表示され、(上記(シ)) n2 検査枠は、弱め枠、普通枠、強め枠、マスク処理を行うマスク枠の4種類であり、(上記(シ)) o2 枠が重なっている場合には、枠はAから優先され、弱め<普通<強め<マスク、A<Z<マスクであり、(上記(ス)) p2 最初にマスター画像を記憶し、そのマスター画像を固定して検査を行う固定方式と、最初にマスター画像を記憶し、設定された枚数毎にマスター画像を更新して検査を行う半固定方式と、マスター画像を毎回更新する学習方式とがあり、記憶したマスター画像に欠陥があった場合、それを良品として検査を行うので、実際に良品が流れても、欠陥があるとして誤検出される(上記(ケ)) q2 画像検査システム。 (3)引用文献3(甲第8号証) 引用文献3には、以下の記載がある。 (ア)「【0013】 (実施形態1) 図1は、本実施形態における画像形成装置100の構成を示す図である。画像形成装置100は、操作部110、プリンタ部120、コントローラ部140、検査部150、排紙トレイ160から構成されている。画像形成装置100は、シートに対して印刷を行う印刷処理と、当該印刷処理が実行された印刷物を検査する検品処理とが実行可能である。」 (イ)「【0016】 定着部128を通過したシートは、図示しないフラッパにより一旦パス133からパス134に搬送され、シートの後端がパス133を通過するとシートをスイッチバックさせてパス135から排出ローラ137に搬送される。これにより、トナー像が転写された面を下向きの状態(フェイスダウン)にして排出ローラ137によりプリンタ部120から排出することが可能である。また、シートの両面に印刷を行う場合は、シートを定着部128からパス133、パス134に搬送し、シートの後端がパス133を通過した直後にシートをスイッチバックさせ、図示しないフラッパにより両面搬送パス136に搬送する。両面搬送パス136に搬送されたシートに対し、再度、転写ローラ127でトナー像が転写され、定着部128でトナー像がシートに定着される。 【0017】 排出ローラ137から排出されたシートは検査部150に搬送される。検査部150では、まず読取部151と読取部152がシートに印刷された画像を読み取り、画像データを生成する。検査部150はシートを検知するシート検知部154を備えており、シート検知部154がシートを検知したタイミングによりシートに印刷された画像の読み取りタイミングを制御する。そして読み取られた画像データは検査制御部153(図3で詳しく説明する)に送られ、各種検品処理が行われる。検品処理の結果がOKの場合は、シートは排紙トレイ160に搬送され、検品処理の結果がNGの場合は、シートはNGトレイ155に搬送される。」 (ウ)「【0027】 画像処理部306は、ROM302やHDD313に格納された画像データ(印刷用の画像データ)と読取部151及び読取部152により読み取られた画像データとの比較を行うことで、印刷物を検査する検品処理を実行する。以上の構成はシステムバス305を介して互いに通信を行う。 【0028】 本実施形態では、表面(第1の面)と裏面(第2の面)の印刷のずれの有無を検査する印刷ずれ検査、適切な色味や濃度で印刷されたか否かを検査する色検査、テキスト情報が正しく印字されたか否かを検査する文字検査の3種類の検品処理を実行可能である。なお、本実施形態における検品処理は印刷ずれ検査、色検査、文字検査に限るものではなく、他の検品処理にも本実施形態は適用可能である。 印刷ずれ検査では、まず読取開始位置から基準点までの距離を表面と裏面のそれぞれで求める。そして表面と裏面それぞれの基準点までの距離の差が予め定められた閾値より大きい場合に、印刷ずれが発生していると判定されNGトレイ155に排紙される。」 (エ)「【0066】 検品設定画面500においてユーザがキー503を選択すると、図11に示す文字検査設定画面1100が表示部1307に表示される。文字検査設定画面1100では、テキスト情報が正しく印字されたか否かを検査する文字検査の設定を行うことが可能である。 【0067】 画像1101は、シートに印刷される印刷イメージを表わしている。キー1102をユーザが選択することで、画像1101を拡大、もしくは縮小して表示することができる。ページ選択バー1103を操作することで、画像1101として表示される印刷イメージを、他のページに対応する印刷イメージに変更することができる。登録項目1104には、文字検査の対象となる領域として登録されている項目の一覧が表示される。 【0068】 次に、登録項目1104に表示される登録内容について詳しく説明する。登録項目1104の「No」は、登録された項目に対して自動的に設定される登録番号である。「ページ」はその項目が文字検査の対象となるページ番号を表わしていて、「全頁」となっている場合は全ページが対象となる。「開始位置」と「終了位置」は文字検査の対象となる領域を特定するための情報である。 【0069】 登録項目1104のNo.1の項目は、印刷設定画面1000のプルダウンメニュー1001を用いてユーザが日付を印刷することを選択した場合に、文字検査の対象として自動的に登録される。「ページ」、「開始位置」、「終了位置」は、プルダウンメニュー1001で選択された内容に基づいて決定される。登録項目1104のNo.2の項目は、印刷設定画面1000のプルダウンメニュー1001を用いてユーザがページ番号を印刷することを選択した場合に、文字検査の対象として自動的に登録される。「ページ」、「開始位置」、「終了位置」は、No.1の項目と同様にプルダウンメニュー1002で選択された内容に基づいて決定される。 【0070】 自動的に登録された日付やページ番号の他に、ユーザがある領域を文字検査の対象領域としたい場合には、画像1101上で所望の領域(例えば領域1105)を選択し、追加キー1106を選択することで登録項目1104に登録される。その結果を示す図が文字検査設定画面1110である。文字検査設定画面1110では、登録項目1111のNo.3の項目として、領域1105が登録されている。 【0071】 登録項目1104及び登録項目1111の登録内容に従って、文字検査は行われる。具体的には、読取部151、読取部152により読み取られた画像データにOCR(Optical Character Recognition)処理を施し、検査対象となる領域にテキスト情報が適切に印字されているかどうかの検査を行う。」 2-2 異議申立てとともに提出されたが、取消理由通知において採用しなかった甲号証について (1)甲第1号証 ア 甲第1号証に記載された事項 甲第1号証には、以下の記載がある。なお、下線は当審にて付した。 (ア)「印刷検品装置Symphonyシリーズとして濃淡検査を核とした様々な印刷物の検査装置(グラビア印刷・オフセット枚葉印刷・オフセット輪転印刷・インクジェット印刷・紙面検査等)として販売を開始した.開発コンセプトとしては(1)高性能検査の自動化(2)オンライン化に対応し印刷機に組み込み,検出欠陥を即座にフィードバックすることにより,製品の印刷ロスを低減する」(380頁左欄3~10行) (イ)「画像認識処理の手法としてカメラで取り込んだ画像を,予め覚えている良品(マスター)と1画素単位で比較するパターンマッチングがある.」(382頁右欄2~4行) (ウ)「検査枠設定は部分的に,厳しく・普通・甘く・検査しない(未検査),に変える事ができる.商品の重要ポイントに該当する部分はレベル設定を厳しく,重要でない部分に関しては甘く,と部分的なレベル設定の変更,一定部分のみ検査範囲外として無検査にすることも可能である.(図1) その設定を保存し,次回から同一製品の検査の際には呼び出すだけで同条件にて検査できる.設定枠は製品の蛇行位置ズレに追尾する.食品パッケージであれば,商品イメージをアピールする部分の印刷色汚れ,医薬品パッケージでは能書などの細かい文字の欠け・汚れなど,一番重要な部分はより厳密な検査が必要であるが,逆に糊づけ部分や底部分などには同様の厳密な検査は必要ない.印刷の付加価値によって,個々の検査枠の色濃度レベル,欠陥検出寸法の設定が可能である.」(381頁右欄第1~14行) イ 甲第1号証に記載された発明 甲第1号証に記載された印刷検品装置(印刷物の検査装置)は、カメラで取り込んだ画像と予め覚えている良品(マスター)との比較を行うことにより、カメラで取り込んだ画像の検査を行うシステムであるといえるので、画像検査システムが記載されているといえる。 そうすると、甲第1号証には、以下の発明(以下、「甲1発明」という)が記載されている。 なお、記号a3~f3は分説するために当審にて付した。以下、「構成a3」~「構成f3」という。また、各構成の末尾の括弧内は、上記アで摘出した関連する記載である。 a3 濃淡検査を核とした様々な印刷物の検査装置である印刷検品装置による画像検査システムであって、(上記(ア)) b3 カメラで取り込んだ画像を、予め覚えている良品(マスター)と1画素単位で比較するパターンマッチングであって、(上記(イ)) c3 検査枠設定は部分的に、厳しく・普通・甘く・検査しない(未検査)、に変える事ができ、商品の重要ポイントに該当する部分はレベル設定を厳しく、重要でない部分に関しては甘く、と部分的なレベル設定の変更、一定部分のみ検査範囲外として無検査にし、(上記(ウ)) d3 その設定を保存し、次回から同一製品の検査の際には呼び出すだけで同条件にて検査でき、(上記(ウ)) e3 食品パッケージであれば、商品イメージをアピールする部分の印刷色汚れ、医薬品パッケージでは能書などの細かい文字の欠け・汚れなど、一番重要な部分はより厳密な検査が必要であるが、逆に糊づけ部分や底部分などには同様の厳密な検査は必要ない(上記(ウ)) f3 画像検査システム。 (2)甲第2号証 甲第2号証には、以下の記載がある。 「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、複数個の包装箱構成体が一組として繰り返して印刷された長尺の印刷物、複数個の包装箱構成体が一組印刷された枚葉印刷物、剥離紙に貼着されたラベル等の印刷物、アルミニウムの長尺フィルムに食品容器の蓋体等が印刷された印刷物などのように製品部分が不使用部分と一体化している状態の各種被検査物や、使用に際し、一部分が重ねられるなどによりその部分を検査対象から除外することができる壁紙などの各種被検査物の印刷汚れ、異物の付着等、各種欠陥を検出するために用いる品質検査方法および品質検査装置に関する。」 「【0027】まず、本発明の一実施形態による品質検査装置について説明する。図1、図2において、41は枚葉印刷物1を積層状態でセットするセット部、42はセット部41の枚葉印刷物1を繰出す繰出し部、43は繰出し部42から繰出される枚葉印刷物1を搬送する搬送帯、44は搬送帯43の走行を案内するローラ群、45は搬送される枚葉印刷物1の検査部、46は検査部45で検査された枚葉印刷物1の良品、不良品を仕分ける仕分け部、47は不良品の枚葉印刷物1を回収する回収箱、48は良品の枚葉印刷物1をストックするストック部、49は各部の制御盤である。 【0028】検査部45において、図1ないし図3に示すように、走行する枚葉印刷物1の印刷面の上方に位置して撮像部50が配置されている。枚葉印刷物1の走行方向で撮像部50の両側に反射照明用光源51が配置され、枚葉印刷物1を挟んで撮像部50と対向するように透過照明用光源52が配置されている。図示例では、反射照明と透過照明とを併用しているが、被検査物の種類によってはいずれかのみを採用してもよい。また、これら照明には、可視光、赤外線、紫外線、γ線、χ線などを使用することができる。図示例では、撮像部50は512、1024、2048、5000ビット等の線状センサであるCCDラインセンサカメラ(以下、単にカメラと称す)50a~50eが走行する無地紙1の幅方向に沿うように5台設置され、走行する枚葉印刷物1の全幅が順次撮像されるようになっている。 【0029】図4において、60は画像メモリであり、カメラ50a~50eから出力された枚葉印刷物1の印刷表示面の被検査画像を多値化画像として記憶する。例えば、カメラ50a~50eから順次出力される256段階の多階調ライン画像のデータを記憶するとともに、多階調エリア画像を作成する。61はX補正回路、62はY補正回路であり、カメラ50a~50eから出力された画像より検査基準となる印刷表示位置を記憶し、検査対象の印刷表示位置と比較することにより補正量を抽出し、画像メモリ60から多階調エリア画像を読み出す際に補正量を加え、多階調エリア画像を移動させ、検査対象と検査対象基準の画像の位置を同じにする。X補正回路61は枚葉印刷物1の走行方向に対して画像を垂直方向に補正し、Y補正回路62は枚葉印刷物1の走行方向に対して画像を同一方向に補正する。 【0030】そして、上記補正を行うには、被検査画像と基準画像のいずれか一方、若しくは両方を記憶手段の内部で移動させることにより、被検査画像と基準画像を重ね合わせた上、両画像を比較対象する。画像移動方法としては公知の手段を適宜採用することができ、メモリ上でのソフトウエア処理、専用論理回路を用いたハードウエア処理のいずれを用いることも任意である。ソフトウエア処理としては、例えば、画像の特徴点を認識させ、この特徴点を基準にして画像を移動する手法や、概略抽出した画像輪郭を基準にして画像を移動させる手法を採用することができる。またはあらかじめ画像のずれを想定した多数の基準画像をメモリに記憶させておき、被検査画像を基準画像と順次比較し、一致することにより補正量を抽出して被検査画像を移動させる手法を採用することができる。 【0031】63は平均濃度検出回路であり、カメラ50a~50eから出力された印刷表示画像をもとに検査基準となる印刷表示平均濃度を検出し、検査対象の印刷表示平均濃度と比較することにより補正量を抽出する。64は画像基準メモリであり、検査基準となる印刷表示画像を多値化画像として記憶する。例えば、あらかじめ撮像した正常な枚葉印刷物1の基準(マスタ)画像の256段階の多階調エリア画像を記憶する。65は許容値選択メモリであり、後述するように画像メモリ60から出力される被検査多階調エリア画像と基準画像メモリ64から出力される基準多階調エリア画像とを画素ごとに比較するための複数の濃度許容値を記憶し、選択する。 【0032】上記のように包装箱構成体2は包装箱32を構成する際、正面片3、背面片9は特に目立つ箇所であるばかりでなく、内容表示、商品イメージとして重要であるので、濃度レベルの許容値を厳格に設定し、側面片6、7は正面片3、背面片9に次いで目立つ箇所で商品イメージとして重量であるので、濃度レベルの許容値を普通に設定し、その他の各片は目立たなかったり、包装箱32として組み立てた際に隠れたりする箇所で上記各片ほど重要ではないので、濃度レベルの許容値を緩和するように設定し、それぞれの判定レベルでウインドウ処理できるようにする。すなわち、濃度レベル差の許容値を、精度の異なる判定レベルごとに、基準多階調ライン画像データの真値である基準濃度レベルに一定の許容値を加算して得られる「明」側で軽欠陥濃度レベルおよび重欠陥濃度レベルと、基準濃度レベルから一定の許容値を減算して得られる「暗」側で軽欠陥濃度レベルおよび重欠陥濃度レベルを設定する。また、精度の異なる判定レベルごとに異なるレベルで軽欠陥レベルを逸脱している部分におけるx方向(幅方向)とy方向(流れ方向)の形状による判定レベルを設定する。この軽欠陥濃度レベルを逸脱している部分におけるx方向とy方向の判定レベルについては精度の異なる判定レベルに共通であってもよい。異なる場合の判定レベルの一例について表1に示し、共通の場合の判定レベルの一例について表2に示す。また、枚葉印刷物1における包装箱構成体2以外の部分については判定に際してマスク処理することができるように許容値が最大となるように設定しておく。」 「【0035】66は画像演算回路であり、画像メモリ60から抽出した位置補正後で平均濃度検出回路63により検出された補正量を加えた被検査多階調エリア画像の各部の濃度を基準画像メモリ64から抽出した基準多階調エリア画像の対応する各部の濃度レベルと比較し、この比較結果について許容値選択メモリ65から抽出した許容値をもとに欠陥箇所を判定する。すなわち、枚葉印刷物1における包装箱構成体2以外の部分については許容値が最大となるので、マスク処理して比較対象から除外し、包装箱構成体2において、比較して得られた濃度レベル差が許容値を超えると欠陥であると判定し、許容値を超えなければ欠陥がないと判定する。67は欠陥検出回路であり、画像演算回路66で抽出された欠陥画像よりx方向とy方向の欠陥寸法を計測し、許容値選択メモリ65に設定されているx方向とy方向の判定レベルを超えるものを欠陥として検出し、検出した欠陥の位置、大きさの情報を記憶する。上記各メモリ60、64、65、各回路61、62、63、66、67はCPU(図示省略)によって制御される。」 「【0038】上記検査部45における検査方法の詳細について説明すると、上記のように走行する枚葉印刷物1を照明用光源51、52により照射し、枚葉印刷物1の被検査面をその幅方向の全長にわたってカメラ50a~50eにより順次撮像する。画像メモリ60はカメラ50a~50eから順次出力される256段階の多階調ライン画像のデータを記憶するとともに、多階調エリア画像を作成する。一方、X補正回路61とY補正回路62はカメラ50a~50eから出力された画像データから検査基準となる印刷表示位置を記憶し、検査対象の印刷表示位置と比較することにより補正量を抽出する。また、平均濃度検出回路63はカメラ50a~50eから出力された画像データから検査基準となる印刷表示平均濃度を検出し、検査対象の印刷表示平均濃度と比較することにより補正量を抽出する。」 (3)甲第3号証 ア 甲第3号証に記載された事項 甲第3号証には、以下の記載がある。なお、下線は当審にて付した。 (ア)「【0001】 本発明は、原稿画像データとこれに基づき印刷された印刷画像とを比較して印刷結果の良否を判定する検査に関する。」 (イ)「【0007】 本発明の印刷画像検査装置は、共通するフォームを有する複数のページを連続して印刷するジョブを処理する際に、これらのページの原稿画像データに基づき、検査の厳密さに応じた領域の抽出を行い、領域ごとに検査の厳しさを変える。領域抽出は、各ページに共通し、固定された内容で印刷が行われる固定印刷領域と、印刷は行われるが各ページに共通しない内容で印刷が行われる変更印刷領域とを抽出するものである。固定印刷領域は、いわゆる定形フォームである場合が多く、印刷画像を見る者にとって、この部分は、見慣れた情報であることが多い。したがって、そこに示されている情報の重要度はそれほど高くはなく、印刷結果に対して厳密な検査を行う必要はさほどないと考えられる。一方、変更印刷領域は、個々のページにより異なる情報であり、そのページにより伝達したい内容、すなわち重要な内容が示されている領域と考えられる。したがって、この部分の検査は、厳密に行い、伝達内容に間違いがないか十分に確認することが重要になる。このような領域を抽出し、これらの領域に対して、異なる良否判定の基準を適用して、印刷結果画像の検査を行う。」 (ウ)「【0014】 一つのジョブで用いられた領域の情報は記憶しておくことができ、次回領域の位置形状などが類似するジョブを処理する際に、これを利用することができる。この場合、原稿画像データの積算を全ページにわたって行わなくても済む場合があり、処理の負担が軽減される。記憶されている各領域の情報について、今回のジョブに関して類似する情報を操作者に提供し、これを用いるか否かを選択させることもできる。また、今回のジョブの領域に類似する情報を複数提供し、この中から使用する領域の情報を選択させるようにすることができる。この検索は、固定印刷領域に関する情報のみに基づき行うことができる。」 (エ)「【0017】 プリントサーバ12から送られたプリントジョブは、原稿画像データ抽出部16に送られ、各ページごとの印刷に必要な原稿画像データが抽出されてプリンタ10に送られる。プリンタ10では、このデータに従って印刷が実行される。プリンタ10は、電子写真方式により印刷を行う公知の装置であるが、他の印刷方式を用いることも可能である。原稿画像データ抽出部16で抽出された原稿画像データは、検査装置14内の原稿画像データ保存部18に送られ、ここに一時的に保存される。一方、用紙に印刷された印刷結果画像は、読取部20により光学的に読み取られて、印刷結果の検査に用いられる検査画像データとして、検査画像データ保存部22に一時的に保存される。原稿画像データと、このデータに基づき印刷された結果の検査画像データがそろうと、判定部24はこれらのデータを読み出し、データの一致の程度に基づき印刷結果の良否を判定する。判定は、例えば原稿画像データと検査画像データの対応する画素値(二値データであれば0と1)を比較して一致する画素数により行うことができる。一致する画素数が少なければ、印刷結果に何らかの不具合があると判断できる。判定部24による判定結果に基づきプリンタ10は、プリンタの印字機構、紙送り機構などの各機構部分に所定の操作を行う。例えば、不良の判定がなされた用紙については、他の用紙と分けてスタックされるように紙送り機構を制御する。また、例えば、不良の判定がなされた印刷を再度実行するように制御を行う。なお、本明細書において、「用紙」は、いわゆるコピー用紙など薄い紙のものに限らず、フィルム、厚紙、葉書などの印刷対象物全般を示すものである。 【0018】 この検査装置14においては判定部24において、印刷の特性応じて領域を分割し、領域ごとに検査の厳しさを変えて判定を行う。判定を厳しくすれば、小さな差でも不良と判断されるので、原稿画像データに、より一致する印刷結果が得られるが、反面、不良となった用紙は無駄となってしまう。この検査装置14においては、共通するフォームを有する複数のページを連続して印刷するジョブの場合に、そのジョブに含まれる各ページの原稿画像データに基づき、共通のフォームと思われる部分、各ページごとの内容が共通でない部分、白紙の部分の領域を抽出し、この領域ごとに検査の厳しさを変化させる。」 (オ)「【0022】 領域抽出部28は、積算値に基づき、領域の抽出を行う。各ページにおいて共通の印刷がなされる部分(黒の部分)に対して太め処理を行い、連続する黒の部分を囲う方形領域を設定する。この領域が各ページで共通に、固定した内容で印刷が行われる固定印刷領域である。図4に、この固定印刷領域が符号40を付され、また灰色の領域で示されている。枠部分は、枠を構成する直線が一つの領域を形成し、この例では5つの領域が組み合わされて形成されている。文字の部分は、太め処理によって隣接する文字がつながり、これにより一つの領域が形成される。画素値が、積算ページ数に達っしていないが0でもない画素、すなわちページごとに変更される内容が印刷される部分についても、太め処理を実行し、連続する部分を囲う方形領域を設定する。これが図4には一点鎖線で囲った領域として示されており、この領域が変更印刷領域42である。この二つの領域以外が非印刷領域である。領域抽出部28は、以上のようにして各領域の抽出を行う。なお、太め処理により方形領域を設定する方法を示したが、この設定は他の方法を用いることもできる。」 (カ)「【0026】 操作者は、表示された領域フォームを見て使用するか否か、また複数の候補があった場合にいずれを使用するのかを選択し、その選択結果を表示・UI部36より入力する。判定基準設定部34は、選択された領域フォームを用いて、ページ内の印刷検査の判定基準をその領域ごとに設定する。変更印刷領域は、各ページに個別の情報が記載され、伝達内容としてこの情報が重要と考えられ、原稿画像データと高い一致性を求められる。したがって、この領域に対しては、判定の基準値を高くして厳しい判定を行う。 【0027】 また、固定印刷領域は、ある程度の情報が伝わればよく、原稿画像データと、それほど高い一致性を求められていない。例えば、枠線などは、ある程度欠けていても必要な情報が伝達されないということはない。また、「名前」や「電話番号」などの項目名も、その内容、すなわち届け先の名前や電話番号が記載されていれば、項目名が例えなかったとしても内容は伝達される。また、「XXXX株式会社」やその住所など送り元の情報については、全く欠落していては問題があるが、ある程度読める程度に印刷がなされていれば、必要であれば他から情報を得て、補うこともできる。したがって、固定印刷領域に対しては、変更印刷領域ほどは原稿画像データとの一致性を求められない。したがって、この領域においては、印刷良否の判定基準を低くして、やや緩い検査を行う。 【0028】 また、非印字領域については、汚れが目立たなければよく、よって、固定印刷領域と同じか、またはそれより低い判定基準を設定することができる。または、非印字領域については、検査を行わないようにしてもよい。 【0029】 判定基準設定部34が設定した領域ごとの基準に従い判定部は、印刷良否の判定を行う。」 イ 甲第3号証に記載された発明 甲第3号証に記載された印刷画像検査装置は、原稿画像データとこれに基づき印刷された印刷画像との比較を行うことにより、印刷された印刷画像の検査を行うシステムであるといえるので、画像検査システムが記載されているといえる。 そうすると、甲第3号証には、以下の発明(以下、「甲3発明」という)が記載されている。 なお、記号a4~h4は分説するために当審にて付した。以下、「構成a4」~「構成h4」という。また、各構成の末尾の括弧内は、上記アで摘出した関連する記載である。 a4 原稿画像データとこれに基づき印刷された印刷画像とを比較して印刷結果の良否を判定する印刷画像検査装置による画像検査システムであって、(上記(ア)、(イ)) b4 原稿画像データは、検査装置内の原稿画像データ保存部に一時的に保存され、用紙に印刷された印刷結果画像は、印刷結果の検査に用いられる検査画像データとして、検査画像データ保存部に一時的に保存され、判定部は原稿画像データと検査画像データを読み出し、データの一致の程度に基づき印刷結果の良否を判定するものであり、(上記(エ)) c4 共通するフォームを有する複数のページを連続して印刷するジョブの場合に、そのジョブに含まれる各ページの原稿画像データに基づき、共通のフォームと思われる部分、各ページごとの内容が共通でない部分、白紙の部分の領域を抽出し、この領域ごとに検査の厳しさを変化させ、(上記(エ)) d4 各ページにおいて共通の印刷がなされる部分の領域が各ページで共通に、固定した内容で印刷が行われる固定印刷領域であり、ページごとに変更される内容が印刷される部分の領域が変更印刷領域であり、この二つの領域以外が非印刷領域であり、(上記(オ)) e4 判定基準設定部は、ページ内の印刷検査の判定基準をその領域ごとに設定し、各領域は、判定の基準値を高くして厳しい判定を行う変更印刷領域、印刷良否の判定基準を低くして、やや緩い検査を行う固定印刷領域、検査を行わない非印字領域であり、(上記(カ)) f4 判定基準設定部が設定した領域ごとの基準に従い判定部は、印刷良否の判定を行い、(上記(カ)) g4 一つのジョブで用いられた領域の情報は記憶しておくことができ、次回領域の位置形状などが類似するジョブを処理する際に、これを利用することができる(上記(ウ)) h4 画像検査システム。 (4)甲第4号証 甲第4号証には、以下の記載がある。 「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は印刷物の汚れ、欠け、文字違いなどを検出する検査方法及び検査装置に関するものである。」 「【0008】 【発明が解決しようとしている課題】本発明はこのような状況に鑑みて提案されたものであり、印刷物の製品で、多少見本と異なっていても損紙にならない部分を非検査領域として設定し、損紙による損失の防止、検査効率のアップを図る印刷物の検査方法及び検査装置を提供することである。」 「【0012】図3(a)に示す様な検査見本(10)を基準にして、印刷物を検査する例で説明する。画像入力装置(2)から基準となる検査見本(10)の画像を画像入力装置、実施例ではフラッドベッドスキャナを用いて読み取り、画像処理装置(1)のメモリユニットの基準メモリに格納させる。 【0013】マスクメモリは基準画像と同じ画素数構成で1画素1 ビットのメモリである。0は検査領域を表し、1 は非検査領域を表すことに使用する。初期状態は全領域を検査領域として扱うためこのメモリは初期状態はゼロクリアする。この基準メモリとマスクメモリの内容を画像表示ユニットを経由して画像表示用TVモニタ(3)に重畳して表示する。具体的には、マスクメモリで1と設定した非検査領域の画素はネガポジ反転などで他の画素と識別できるような表示をさせる。 【0014】そこで、検査見本(10)の画像から検査領域と非検査領域の指定をする。黄ベタに墨文字が印刷されている部分(11)は墨文字が少しズレても損紙とならないため非検査領域とする。また、折り目線である罫線部分(12)も非検査領域とする。ここでは、説明分以外は非検査領域として指定した。検査領域と非検査領域の区分けは任意であり、検査する必要がある場所を検査領域と指定すればよい。 【0015】図2(b)に示すような画面で、画面右上のラジオボタンでこれから設定しようとする領域を検査領域にするのか、非検査領域にするのかを選択できる。そして、マウス操作で画像の任意の位置に任意のサイズの矩形領域を指定するとその矩形の座標位置が得られるのでマスクメモリの対応する領域の内側の画素全てを先のラジオボタンの指定に従って設定する。また、「設定反転」のボタンを設け、このボタンが操作されたときにはこれまでの設定内容を反転させる。つまりマスクメモリ全域に対してビット反転処理を行う。この作業を繰り返すことで如何なるレイアウトの画像であっても簡単な操作で検査領域と非検査領域を設定することができる。」 (5)甲第5号証 甲第5号証には、以下の記載がある。 「【0001】 本開示は、例えば寸法変動や位置関係のバラツキが大きい特徴を有する被検査物に対して、カメラ等で撮像した画像の処理を行うことで、被検査物の良否を判定することができる技術等に関する。つまり、電子部品用パッケージ等の外観を検査する外観検査装置、及び、電子部品用パッケージ等の外観を検査する外観検査方法に関するものである。」 「【0005】 しかしながら、上述した従来技術では、下記のような問題があり、その改善が求められていた。 例えば、図26に示すように、セラミックパッケージ(P1)は、未焼成のセラミック層上に配線(P2)が形成された複数のシートを積層し、その後、乾燥、脱脂、焼成等の製造工程を得て完成される。」 「【0007】 しかし、各座標軸の間には、製造精度に起因するバラツキがあるので、セラミックパッケージの完成品(焼成後の製品)では、図28(a)、(b)、(c)に示すような形状バラツキが発生することがある。つまり、図28(a)に示す抜き穴のズレ、図28(b)に示す積層や印刷のズレ、図28(c)に示す穴位置やパッド位置のズレ等によって、形状バラツキが発生することがある。なお、図28(c)はセラミックパッケージの裏側の配線(パッド)等を示している。」 「【0039】 <外観検査システムの構成> まず、外観検査システムの全体構成について説明する。 図2に示すように、外観検査システム41は、製品(即ちセラミックPKG)1の搬送および良否の振り分けの制御を行う検査装置主制御部43と、セラミックPKG1に照射する光の制御を行う照明制御装置45と、セラミックPKG1の撮像およびデータ処理をすることでセラミックPKG1の良否判定等を行う画像処理装置47とを備えている。なお、この画像処理装置47が、前記外観検査装置に該当するものである。」 「【0044】 画像処理装置47では、セラミックPKG1を撮像して得られた画像データは、事前に設定されたパラメータ(例えば輝度値)に従って所定の処理によって良否判定(例えば電極の良否の良否判定)され、その判定結果とともに、検査装置主制御部43へ検査完了が通知される。」 「【0065】 なお、微分波形の符号を用いて、ピークを特定することで、「暗→明」、「明→暗」の変化を選択することができる。 <検査領域生成部> 例えば、図10(a)に示す電極面(即ち第3配線27)を考えた場合、検査領域生成部73では、図10(b)に示すように、事前に設定された第1領域である固定検査領域(KKR:図10(b)のメッシュ部分)から、後述する第2領域である除外領域(R2)を除外して、第3領域である検査領域(即ち最適検査領域SKR:図10(c)参照)を作成する。なお、第1領域を示すデータは、固定検査領域部81に記憶されている。 【0066】 つまり、固定検査領域から、基本形状領域(R1)外の領域である外側及び内側の除外領域を除外することで、セラミックPKG1ごとに最適化された検査領域を作成する。 具体的には、図10(b)に示すように、固定検査領域として、予め、第3配線27を含むとともに第3配線27よりも大きな領域を設定する。なお、図10(b)では、検出された基本形状領域の外周と内周とを太線で示している。そして、図10(c)に示すように、固定検査領域から基本形状領域の両側の除外領域を除去することにより、目的とする検査領域が得られる。 【0067】 ここで、検査領域を設定する手法について、更に詳しく説明する。 図11に、セラミックPKG1の角部における第3配線27の角部を示すが、第3配線27の角部では、固定検査領域や基本形状はR形状となっている。図11(a)に示すように、第3配線27の角部においては、基本形状の外周より外側部分に扇形の除外領域が設定されている。従って、基本形状の外周より外側の除外領域を除去することにより、図11(b)に示す検査領域が得られる。」 「【0098】 さらに、前記検査領域の作成方法を設定する場合には、図22に示すように、除外用の固定領域(即ち固定された除外領域)を用いる方法も選択可能である。 具体的には、固定検査領域(図22(a)のメッシュ部分)と、除外用の固定領域(図22(c)参照:図22(a)では斜線で表示)とを定義しておき、図22(b)に示すように、固定検査領域から固定領域(即ち除外領域)を除外することによって、検査領域(メッシュ部分)を生成するものである。」 「【0106】 図24に示すように、まず、ステップ300では、固定検査領域を検査領域(仮領域)として仮決定する。 続くステップ310では、設計形状定義テーブル79に従い、形状(即ち設計形状)を抽出する。 【0107】 続くステップ320では、n番目(nは正の整数)の基本形状を検査画像より検出する。つまり、上述したように、設計形状に基づいて、キャリパ等を用いた画像処理によって、複数のR部分や複数の直線部分からなる基本形状を順次検出する。なお、複数のR部分や複数の直線部分には番号が付けてあり、ここでは、基本形状は合計n個の部分(パーツ)から構成されている。 【0108】 続くステップ330では、上述のように、検出した基本形状より除外領域を作成する。なお、除外領域の幅等は予め設定してあるので、検出した基本形状に基づいて、除外領域を作成することができる。 【0109】 続くステップ340では、仮の検査領域(仮領域)から除外領域を除外する。 そして、ステップ350で、全ての基本形状の検出が終了したと判断された場合には、ステップ360に進む。なお、ステップ310~350の処理は、全ての基本形状の検出が終了するまで、繰り返して実施される ステップ360では、除外領域を除外した仮領域を検査領域として最終決定する。」 (6)甲第9号証 甲第9号証には、以下の記載がある。 「【0148】 ユーザは、この一覧の中からフォーム合成印刷で使用する透明インクの塗布領域が指定されたフォームファイルを選択する。ここで、ラジオボタン1813は、フォームファイルで指定されている透明インクを塗布する領域及び塗布しない領域を反転させるボタンである。プルダウンメニュー1814は、複数ページから成るフォームファイルをフォーム合成する際に、該フォームのページごとの領域指定を合成対象ページに順に適用していくか、1ページ目の領域指定を合成対象の全ページに適用するかを指定するメニューである。プルダウンメニュー1815は、フォーム合成時に使用するパターンを指定することができるメニューである。」 (7)甲第10号証 甲第10号証には、以下の記載がある。 「[0121] また、全体画像の部分領域を選択(設定)し、複数のしきい値で同時に一括検査を行い、二つ又は三つ以上のしきい値による検査結果の相違点表示画像をあおり表示を併用して見ると、複数のしきい値の中で部分領域画像として最適なしきい値を容易に選択することができる。また同様に、まず基準となる検査物(メディア)の画像の部分領域毎に最適のしきい値で検査をしたいときは、基準画像と検査画像を同一に分割して、例えば初めに設定した検査しきい値と併せて強弱数段階のしきい値で一括同時に検査し、分割した部分領域の画像毎に、一括で強弱数段階の複数のしきい値で検査された検査結果の相違点表示画像の中からそれぞれ最適な検査結果の相違点表示画像を選択するために、単独で或いは一覧で表示し、選択し保存する。選択された部分領域のしきい値は、次の検査においてデフォルト値として保存・利用されるとよい。」 「[0288] また、マルチメディア通信システムを携帯情報端末120で活用する場合は、予め情報処理装置110を用い既に処理済みのしきい値毎の検査結果のデータと限界しきい値及び確認結果を検査結果の画像にマーキング表示した状態で暗号化し、営業所やクライアントに渡すことで、安全に且つ正確に検査結果が確認できる。もし、より精度を高めて検査をしたい場合(例えば、ルビや二次元バーコードなど)は、情報処理装置110で設定しきい値で作成された検査画像より更に厳しいしきい値に変えたときの検査結果のマーキング情報を携帯情報端末120の表示画面上に表示させることで、再検査を行うことが可能である。」 (8)甲第11号証及び甲第12号証 甲第11号証及び甲第12号証は、甲第6号証及び甲第7号証に記載された装置が公知となった日を証明するために提出されたものである。 2-3 令和5年6月14日に提出された意見書とともに提出された甲号証について (1)甲第13号証 甲第13号証には、以下の記載がある。 「 [図:0001405792000006.jpg] 」(2頁) 「 [図:0001405792000007.jpg] 」(1-2頁) 「 [図:0001405792000008.jpg] 」(2-5頁) 「 [図:0001405792000009.jpg] [図:0001405792000010.jpg] 」(3-2、3-3頁) 「 [図:0001405792000011.jpg] 」(3-4頁) 「 [図:0001405792000012.jpg] [図:0001405792000013.jpg] [図:0001405792000014.jpg] 」(3-5~3-7頁) 「 [図:0001405792000015.jpg] 」(3-7頁) 「 [図:0001405792000016.jpg] 」(4-8頁) 「 [図:0001405792000017.jpg] 」(5-2頁) 「 [図:0001405792000018.jpg] 」(6-2頁) 「 [図:0001405792000019.jpg] 」(6-3頁) 「 [図:0001405792000020.jpg] 」(6-4頁) 「 [図:0001405792000021.jpg] 」(7-2頁) (2)甲第14号証 甲第14号証には、以下の記載がある。 「 [図:0001405792000022.jpg] 」(V頁) 「 [図:0001405792000023.jpg] 」(1-2頁) 「 [図:0001405792000024.jpg] 」(1-15頁) 「 [図:0001405792000025.jpg] 」(1-16頁) 「 [図:0001405792000026.jpg] 」(1-17頁) 「 [図:0001405792000027.jpg] 」(4-6頁) 「 [図:0001405792000028.jpg] 」(4-41頁) (3)甲第15号証~甲第17号証 甲第15号証~甲第17号証は、甲第13号証に記載された装置が公知となった日を証明するために提出されたものである。 (4)甲第18号証 甲第18号証には、以下の記載がある。 「【0026】 以下に、画像形成装置を添付図に基づいて説明する。この形態では、画像形成装置は、本発明の画像形成処理装置に相当している。 画像形成装置1は、図1に示すように、画像形成を行う装置本体10を備えており、装置本体10の前段側に給紙装置40、装置本体10の後段側に読取装置20を有し、読取装置20の後段側には排紙装置30を有している。各装置および装置本体は、電気的および機械的に接続されており、装置および装置本体間での通信および用紙の搬送が可能になっている。 また、画像形成装置1には、LAN3を介して外部装置5などが接続されている。なお、画像形成装置1と外部の装置などの接続は、LAN以外のネットワークを用いることも可能であり、特定のものに限定されるものではなく、有線、無線を問わず、例えば、WANなどを用いるものであってもよい。」 「【0028】 装置本体10は、図2に示すように、筺体内の下部側に、複数の給紙トレイを備えた本体給紙部12が配置されており、本体給紙部12の各給紙トレイに用紙が収納される。用紙は、本発明の記録媒体に相当し、紙に限定されるものではなく、布やプラスチックからなるものであってもよい。 装置本体10の筺体内には、上流側で給紙装置40に接続され、下流側で読取装置20に接続される搬送路13が設けられている。搬送路13には、さらに本体給紙部12が接続されており、給紙装置40または本体給紙部12から供給される用紙を搬送路13に沿って下流側に搬送することができる。」 「【0039】 読取制御部200では、画像制御部100で画像検査を行う場合は、読取画像を画像制御部100に転送する。また、読取制御部200で読取画像を用いて画像検査を行うものとしてもよい。 画像検査では、少なくとも、画像読取部で読み取られた読取画像と、予め用意された正解画像とを比較することで、画像の良否判定を行うことができる。さらに、画像が不良と判定された場合には、ユーザーの確定を待って良否判定を確定させることができる。 また、画像検査では、プルーフ印刷時に画像読取部で読み取った画像を正解画像として記憶することができる。 【0040】 読取装置20を経た用紙は、排紙装置30に搬送されて、所定の排紙先に排紙される。 排紙装置30では、排紙先の切り替えが可能となっており、画像検査などによって用紙に異常が検知された場合に、用紙を正常な排紙とは区別して排紙するようにしてもよい。排紙の区別は異なる排紙先に排紙するものとしてもよく、また、同じ排紙先であっても排紙位置や向きなどを変えることで排紙の区別を行うものであってもよい。 排紙装置30には、排紙制御部300を備えており、画像制御部100などの指令を受けて用紙の搬送や排紙先の切り替えなどを制御する。」 「【0048】 画像制御CPU113には、さらに、記憶部127が接続されている。 記憶部127はRAM、HDD、SSDなどにより構成することができ、プログラムやパラメータ、画像データ、ジョブデータ、ジョブの出力履歴、出力済みジョブの印刷画像データや正解画像データ等の所望の情報を格納することができる。記憶部127は複数の装置を備えるものであってもよい。」 「【0083】 次に、上記制御ブロックにおいて、外部から挿入画像を入力する場合の動作を図7に基づいて説明する。以下の括弧番号は図中の丸数字に対応している。以下、同様である。 (1)画像入力部6-1から、対象となる正解画像ジョブ、正解画像中に挿入画像を挿入する箇所、挿入対象画像の入力、挿入対象画像を挿入後の正解画像ジョブを元の正解画像ジョブとして上書きで登録するか、新規に別のジョブとして登録するかを指定することができる。 主制御部6-3は、印刷ジョブが開始されると、画像入力部6-1が入力した画像を、圧縮IC118を用いて圧縮し、圧縮メモリ121へ格納する。 その後、主制御部6-3は、圧縮メモリ121に格納されている圧縮画像を、伸長IC125を用いて伸長し、第1ページメモリ122Aへ格納する。 (2)主制御部6-3は、画像形成部11へ画像の出力を指示し、画像形成部11は画像を用紙に出力する。 (3)画像形成部11は、用紙の排紙完了後、主制御部6-3へ用紙の排紙完了を通知する。 (4)主制御部6-3は、読取装置20へ画像の読み取りを指示する。 (5)読取装置20は、印刷後の用紙を読み取り、読取画像を第2ページメモリ122Bに格納し、読み取り完了を主制御部6-3に通知する。 (6)主制御部6-3は、画像検査部6-6へ画像の検査を指示する。 (7)画像検査部6-6は、印刷用紙を読み取った画像に、不良がないか検査する。不良があった場合は、不良の検出箇所を主制御部6-3に通知する。 (8)指示部6-2は、不良と検出された画像を異常とするか、正常とするかを指示する。 (9)主制御部6-3は、画像検査部6-6に異常と検出されなかった画像、及び画像検査部6-6に異常と検出された後、指示部6-2により、正常と指示された画像を、記憶部6-7に正解画像として保存する。 (10)主制御部6-3は、画像検査部6-6で異常と検出され、かつ指示部6-2により、異常と指示された画像のリカバリ印刷をプリントコントローラーへ指示する。リカバリ印刷は、(1)から(10)の行程を繰り返し行う。 (11)主制御部6-3は、通知部6-8へ、異常画像、及び異常箇所を通知する。また画像入力部6-1からの指示で、存在しない正解画像ジョブが指定された場合、または存在しない挿入対象画像の挿入位置が指定された場合は、エラーを通知する。」 「【0097】 次に、再版プルーフ印刷時の画像検査について図12を用いて説明する。 再版プルーフ印刷時には、差し替え(挿入+削除)指定ページを印刷した用紙を読み取った読取画像と、印刷画像データ(プリントコントローラーから受信した画像や、印刷装置の記憶装置に保存済みの画像データ)とを比較し、その差分から画像の正常/異常の判定を行う。正常と判断された場合にのみ、元の正解画像と差し替え(挿入+削除)を行って、新たなジョブの正解画像とする。 図12の例では、登録済みの12ページのジョブ(1列目)を正解画像ジョブの全部または一部として指定した場合であって、6、10、12ページ目の画像を差し替え(挿入+削除)指定した場合を示している。正解画像に挿入対象画像を挿入したジョブで正解となる画像が必要な場合、指定された6(丸数字)ページ、10(丸数字)ページ、12(丸数字)ページの画像を印刷し(2列目)、印刷画像を印刷した用紙を読み取り、読取画像(3列目)と、印刷画像(2列目)とを比較して画像が異常かを判定する。 この例では、10ページ目の画像に異常が検知され、6ページ目と12ページ目は正常に印刷されたと判定された場合である。6ページと12ページのみ正解画像と差し替える(挿入+削除)(4列目)。10ページ目の画像は異常であるため正解画像との差し替えは行わない。」 「【0101】 次に、正解画像の編集を行ったジョブの登録方法について説明する。 登録済みの正解画像ジョブからページの一部分を変更して印刷したいが、この後も元のジョブのまま再版印刷する予定があり、ジョブとして残しておきたい場合がある。 そこで、正解画像ジョブの一部分を変更した場合に、変更前の正解画像ジョブに新しいジョブを上書きして保存するか、別の正解画像ジョブとして新規に登録するかをユーザーが選択できるようにすることができる。 正解画像の差し替え方法の設定画面を図14に示す。なお、以下では、正解画像の差し替えを行う場合について説明しているが、正解画像の挿入または削除のみを行う場合も同様である。 【0102】 図14に示す画像検査設定画面1700には、画面の中央部に、「上書き登録」釦1701と「新規登録」釦1702がそれぞれ選択可能に表示されている。「上書き登録」釦1701が選択された場合は、変更後の正解画像ジョブが上書き保存され、「新規登録」釦1702が選択された場合は、変更後の正解画像ジョブが新規の正解画像ジョブとして登録される。また、画像検査設定画面1700の右下部には、「OK」釦1703と「Cancel」釦1704が表示されており、「OK」釦1703が押下されると選択された設定内容が保存され、「Cancel」釦1704が押下されると設定内容がキャンセルされる。」 (5)甲第19号証 甲第19号証は、甲第14号証に記載された装置が公知となった日を証明するために提出されたものである。 3 取消理由についての当審の判断 (1)新規性、進歩性について ア 本件発明1について (ア)引用文献1を主引例とした場合 a 本件発明1と引用発明1との対比 本件発明1と引用発明1とを対比する。 (a)構成A、Eについて 引用発明1と本件発明1とはいずれも「画像検査システム」である。 引用発明1の構成c1の「普通枠、強め枠、弱め枠」(マスク枠以外の枠)と「欠陥検出しないマスク枠」は、それぞれ、検査を行う枠、検査を除外する枠であるから、それぞれの枠で設定された領域は、本件発明1の「画像検査の対象となる検査対象領域」及び「画像検査の対象外となる検査除外領域」に相当する。 また、引用発明1の「普通枠、強め枠、弱め枠、欠陥検出しないマスク枠を含む検査枠」で設定された領域は、本件発明1の「検査関連領域」に相当する。 更に、引用発明1の検査機は、構成a1、b1より、検査を行う画像は、給紙パイルから紙を流すことにより得られるものであるといえるので、用紙に形成された画像を読みとった画像データに対して、画像検査ジョブを行っているものといえる。 そうすると、引用発明1と本件発明1とは、「用紙に形成された画像を読みとった画像データに対して、画像検査の対象となる検査対象領域と前記画像検査の対象外となる検査除外領域とが設定された検査関連領域に基づいて画像検査ジョブを行う画像検査システム」である点で一致する。 (b)構成Bについて 構成e1、f1より、引用発明1は、新規品種の検品データの設定において、データを登録し保存し、また、以前登録したデータを呼び出して編集を行うと、上書保存するものであり、構成c1、d1より、普通枠、強め枠、弱め枠、欠陥検出しないマスク枠を含む検査枠の枠データは、登録されるものであることから、普通枠、強め枠、弱め枠、欠陥検出しないマスク枠を含む検査枠の枠データは、新規品種の検品データの設定、もしくは、以前登録したデータの編集の際に保存されるものといえる。 ここで、上記(a)で検討したように、引用発明1の「普通枠、強め枠、弱め枠、欠陥検出しないマスク枠を含む検査枠」で設定された領域は、本件発明1の「検査関連領域」に相当し、保存するためにはデータ格納部を備えることは自明であるから、引用発明1と本件発明1とは、「前記検査関連領域を保存するデータ格納部」を備える点で共通する。 しかし、検査関連領域を保存することに関して、本件発明1は、「実行された画像検査ジョブに設定された」検査関連領域を保存するのに対し、引用発明1は、「実行された画像検査ジョブに設定された」検査関連領域を保存するか明らかでない点で相違する。 (c)構成Cについて 構成c1~e1より、引用発明1の普通枠、強め枠、弱め枠、欠陥検出しないマスク枠を含む検査枠は品種毎に登録し保存され、登録し保存されたデータ(品種データ)を呼び出して検査を行うものであり、呼び出して検査を行うということは、保存された検査枠を、すでに実行された検査とは異なる新たな検査を行う際の検査枠として設定することといえる。 また、上記(b)で検討したように、保存するためにはデータ格納部を備えることは自明であり、上記(a)で検討したように、引用発明1の「普通枠、強め枠、弱め枠、欠陥検出しないマスク枠を含む検査枠」で設定された領域は、本件発明1の「検査関連領域」に相当する。 そうすると、引用発明1と本件発明1とは、「前記データ格納部に格納された前記検査関連領域を新たな画像検査ジョブの検査関連領域として設定する設定部」を備える点で一致する。 (d)構成Dについて 構成g1より、引用発明1のマスク枠はどの枠においても最優先されるものであるから、「普通枠、強め枠、弱め枠」と「マスク枠」が重複した場合には、マスク枠が優先される構成である。 従って、引用発明1と本件発明1とは、「検査対象領域と検査除外領域とが重複する部分では、検査除外領域を優先する」点で一致する。 b 一致点・相違点 以上より、本件発明1と引用発明1との一致点・相違点は、以下のとおりである。 (一致点) 用紙に形成された画像を読みとった画像データに対して、画像検査の対象となる検査対象領域と前記画像検査の対象外となる検査除外領域とが設定された検査関連領域に基づいて画像検査ジョブを行う画像検査システムであって、 前記検査関連領域を保存するデータ格納部と、 前記データ格納部に格納された前記検査関連領域を、前記実行された画像検査ジョブとは異なる新たな画像検査ジョブの検査関連領域として設定する設定部と、 を備え 、 検査対象領域と検査除外領域とが重複する部分では、検査除外領域を優先する、 画像検査システム。 (相違点) 検査関連領域を保存することに関して、本件発明1は、「実行された画像検査ジョブに設定された」検査関連領域を保存するのに対し、引用発明1は、「実行された画像検査ジョブに設定された」検査関連領域を保存するか明らかでない点。 c 新規性に関する検討 上記bより、本件発明1と引用発明1とを対比すると相違点を有するものであるから、請求項1に係る発明は、引用文献1に記載された発明ではない。 d 進歩性に関する検討 上記相違点について検討する。 構成Bの「実行された画像検査ジョブに設定された前記検査関連領域を保存する」とは、画像検査ジョブが実行されると、そのときに設定されている検査関連領域を保存することであり、検査関連領域の保存は、画像検査ジョブの後である。このことは、明細書の【0107】~【0111】の記載からも裏付けられる。 上記a(b)で検討したように、引用発明1において検査枠のデータを保存するのは、新規品種の検品データの設定したとき、もしくは、以前登録したデータを呼び出して編集を行ったときであり、画像検査を実行した後ではない。 ここで、新規品種の検品データの設定したとき、もしくは、以前登録したデータを呼び出して編集を行った際に検査枠のデータを保存する引用発明1の構成において、画像検査は設定もしくは編集の後に行うものであるから、保存は画像検査の前に行われるものである。 そのような引用発明1の構成において、保存のタイミングを画像検査の実行をした後とする動機付けがない。 なお、構成h1より、引用発明1は、登録された品種を呼び出して検査に入る前には、品種毎に登録された検査枠の枠データを微調整できる構成を有するものではあるが、微調整の際に保存するか否かは明らかでないし、仮に微調整の際に保存する構成であるとしても、以前登録したデータを呼び出して編集を行った際に検査枠のデータを保存する構成(構成f1)を参酌するに、微調整を行って保存してから、画像検査を行う構成となるものといえ、保存のタイミングを画像検査の実行をしたときとする構成を想到することはできない。 したがって、請求項1に係る発明は、引用文献1に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるといえない。 (イ)引用文献2を主引例とした場合 a 本件発明1と引用発明2との対比 本件発明1と引用発明2とを対比する。 (a)構成A、Eについて 引用発明2と本件発明1とはいずれも「画像検査システム」である。 引用発明2の構成n2の「弱め枠、普通枠、強め枠」(マスク枠以外の枠)と「マスク処理を行うマスク枠」は、それぞれ、検査を行う枠、検査を除外する枠であるから、それぞれの枠で設定された領域は、本件発明1の「画像検査の対象となる検査対象領域」及び「画像検査の対象外となる検査除外領域」に相当する。 また、引用発明2の「弱め枠、普通枠、強め枠、マスク処理を行うマスク枠」である「検査枠」で設定された領域は、本件発明1の「検査関連領域」に相当する。 更に、引用発明2の検査機は、構成a2,c2より、枚葉タイプの検査機で、カメラを使用するものであるから、用紙に形成された画像を読みとった画像データに対して、画像検査ジョブを行っているものといえる。 そうすると、引用発明2と本件発明1とは、「用紙に形成された画像を読みとった画像データに対して、画像検査の対象となる検査対象領域と前記画像検査の対象外となる検査除外領域とが設定された検査関連領域に基づいて画像検査ジョブを行う画像検査システム」である点で一致する。 (b)構成Bについて 構成g2~i2より、引用発明2は、品種を新規に登録する場合は、「新規作成メニュー」を用いて設定を行い、「品種保存」ボタンをクリックすると、「品種データの新規保存」ウィンドウが表示され、新規保存され、登録された品種を検査条件に設定する場合は、「品種選択メニュー」の「リストから選択」ボタンをクリックし、複数の検査対象に応じた品種データの一覧が表示される「品種データの一覧選択」ウィンドウから選択を行うものである。 また、構成e2、m2、n2より、品種データ登録の際に、弱め枠、普通枠、強め枠、マスク処理を行うマスク枠を含む検査枠(検査範囲)を検査条件として設定するものであることから、弱め枠、普通枠、強め枠、マスク処理を行うマスク枠を含む検査枠は、品種を新規に登録する場合に保存されるものといえる。 ここで、上記(a)で検討したように、引用発明2の「弱め枠、普通枠、強め枠、マスク処理を行うマスク枠」で設定された領域は、本件発明1の「検査関連領域」に相当し、保存するためにはデータ格納部を備えることは自明であるから、引用発明2と本件発明1とは、「前記検査関連領域を保存するデータ格納部」を備える点で共通する。 しかし、検査関連領域を保存することに関して、本件発明1は、「実行された画像検査ジョブに設定された」検査関連領域を保存するのに対し、引用発明2は、「実行された画像検査ジョブに設定された」検査関連領域を保存するか明らかでない点で相違する。 (c)構成Cについて 構成e2、g2、l2、n2より、引用発明2の弱め枠、普通枠、強め枠、マスク処理を行うマスク枠である検査枠は品種毎に登録し保存され、登録し保存されたデータ(品種データ)を呼び出して検査を行うものであり、呼び出して検査を行うということは、保存された検査枠を、すでに実行された検査とは異なる新たな検査を行う際の検査枠として設定することといえる。 また、上記(b)で検討したように、保存するためにはデータ格納部を備えることは自明であり、上記(a)で検討したように、引用発明2の「弱め枠、普通枠、強め枠、マスク処理を行うマスク枠」である「検査枠」で設定された領域は、本件発明1の「検査関連領域」に相当する。 そうすると、引用発明2と本件発明1とは、「前記データ格納部に格納された前記検査関連領域を新たな画像検査ジョブの検査関連領域として設定する設定部」を備える点で一致する。 (d)構成Dについて 構成o2の「枠はAから優先され、弱め<普通<強め<マスク、A<Z<マスク」との構成において、「枠はAから優先」との記載は、Aが優先されるのか、Aから順に優先されるのかが明らかでないため、「弱め<普通<強め<マスク」との記載が、弱め枠、マスク枠のいずれを優先するのかが明らかではないものの、引用発明2と本件発明1とは、「検査対象領域と検査除外領域とが重複する部分では、いずれかの領域を優先する」点で共通する。 しかし、検査対象領域と検査除外領域とが重複する部分において、本件発明1は、「検査除外領域を優先する」のに対し、引用発明2は、検査対象領域と検査除外領域のいずれの領域を優先するのか明らかでない点で相違する。 b 一致点・相違点 以上より、本件発明1と引用発明2との一致点・相違点は、以下のとおりである。 (一致点) 用紙に形成された画像を読みとった画像データに対して、画像検査の対象となる検査対象領域と前記画像検査の対象外となる検査除外領域とが設定された検査関連領域に基づいて画像検査ジョブを行う画像検査システムであって、 前記検査関連領域を保存するデータ格納部と、 前記データ格納部に格納された前記検査関連領域を、前記実行された画像検査ジョブとは異なる新たな画像検査ジョブの検査関連領域として設定する設定部と、 を備え 、 検査対象領域と検査除外領域とが重複する部分では、いずれかの領域を優先する、 画像検査システム。 (相違点) (相違点1) 検査関連領域を保存することに関して、本件発明1は、「実行された画像検査ジョブに設定された」検査関連領域を保存するのに対し、引用発明2は、「実行された画像検査ジョブに設定された」検査関連領域を保存するか明らかでない点。 (相違点2) 検査対象領域と検査除外領域とが重複する部分において、本件発明1は、「検査除外領域を優先する」のに対し、引用発明2は、検査対象領域と検査除外領域のいずれの領域を優先するのか明らかでない点。 c 新規性に関する検討 上記bより、本件発明1と引用発明2とを対比すると相違点を有するものであるから、請求項1に係る発明は、引用文献2に記載された発明ではない。 d 進歩性に関する検討 相違点1について検討する。 上記(ア)dで検討したように、構成Bの「実行された画像検査ジョブに設定された前記検査関連領域を保存する」とは、画像検査ジョブが実行されると、そのときに設定されている検査関連領域を保存することであり、検査関連領域の保存は、画像検査ジョブの後である。 上記a(b)で検討したように、引用発明2において検査枠のデータを保存するのは、品種を新規に登録する場合であり、画像検査を実行した後ではない。 ここで、品種を新規に登録する場合に検査枠のデータを保存する引用発明2の構成において、画像検査は設定の後に行うものであるから、保存は画像検査の前に行われるものである。 そのような引用発明2の構成において、保存のタイミングを画像検査の実行をした後とする動機付けがない。 なお、引用発明2において、登録された品種を検査条件に設定する場合にも編集して保存する構成であるとしても、保存してから、画像検査を行う構成となるものといえ、保存のタイミングを画像検査の実行をした後とする構成を想到することはできない。 したがって、相違点2について検討するまでもなく、請求項1に係る発明は、引用文献2に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるといえない。 (ウ)特許異議申立人の意見書における主張について a 特許異議申立人の意見書における主張 特許異議申立人は、令和5年6月14日に提出した意見書において、引用発明1もしくは引用発明2を主引例とした場合の各引用発明と構成Bとの対比に関して、以下の主張をしている。 (a)「ア 構成B’について (中略)したがって検査を行えばその検査で呼び出された検査枠は、実行された検査で呼び出された検査枠となる。したがって構成B’「実行された画像検査ジョブに設定された前記検査関連領域を保存するデータ格納部」は引用文献1から容易に想到する事項である。」(20頁21~29行)(以下、「主張(a)」という。) (b)「ア 構成B’について (中略)引用発明2は「マスク処理を行うマスク枠を含む検査枠」を登録し保存するものである。「マスク処理を行うマスク枠を含む検査枠」で設定された領域は本件訂正発明1の「画像検査ジョブに設定された前記検査関連領域」に相当する。そしてその格納領域を備えることは自明である。また品種データを検査の都度削除するとすれば、それは「登録し保存された品種データ」ではなく、登録されず保存もされない品種データ、であるから、「登録し保存された品種データ」が検査後も保存される品種データであることは明らかである。 従って、本件訂正発明1の構成B’「実行された画像検査ジョブに設定された前記検査関連領域を保存するデータ格納部」は引用文献2から容易に想到する事項である。」(22頁27行~23頁9行)(以下、「主張(b)」という。) (c)「イ 構成B’について (イの1) (中略) 第2に、引用文献1の9-1頁には、「以上で、「検査中断と終了」は完了しました。(中略)再度検査を行う場合は「3.品種の選択・登録へ」という記載とともに、引用文献1の3-1頁の、「呼び出したデータの編集を行なうと、上書き保存されます。」という記載を検討する。 整理のために検査の順に検査A、検査Bと記号をつけて説明する。 製品を検査する際に、「3.品種の選択」にてある検品データ(品種データ)を呼び出して所定の検査Aを開始するとする。引用文献1の「オペレーションの流れ」に従って、検査Aに入る前に例えば「6.検査範囲の設定」にて検査範囲の調整を行った上で検査が行われる。(中略)ここで、検査Aでは実行時にデータの編集を行っていたため、引用文献1の3-1頁の、「呼び出したデータの編集を行なうと、上書き保存されます。」という記載から、検査Aが編集された際に、編集された検品データが上書き保存されていたこととなる。また、検査Bに対して呼び出したある検品データは、検査Aで使用していた検品データである。ここから、実行済みの検査Aで使用した検品データが保存されていることがわかる。 (中略) そうすると、引用発明1’と本件訂正発明1とは、「実行された画像検査ジョブに設定された前記検査関連領域を保存するデータ格納部」を備える点で一致する。 (イの2)引用文献1と周知技術 なお、実行された検査Aに設定された検品データを保存することは、当業者にとっての技術常識である。(中略) 引用文献5、6及び7を参酌するに、画像検査システムで出力したジョブの印刷画像データや正解画像データ等の所望の情報を記憶部に格納することは、技術常識であることがわかる。」(82頁3行~84頁18行)(以下、「主張(c)という。」) b 各主張に対する検討 (a)主張(a)について 異議申立人が主張するように、検査を行えばその検査で呼び出された検査枠は、実行された検査で呼び出された検査枠といえるとしても、上記(ア)dで検討したように、引用発明1において検査枠のデータを保存するのは、新規品種の検品データの設定したとき、もしくは、以前登録したデータを呼び出して編集を行ったときであり、画像検査を実行した後ではないので、引用発明1の構成において、保存のタイミングを画像検査の実行をした後とする動機付けがなく、保存のタイミングを画像検査の実行をした後とする構成を想到することはできない。 (b)主張(b)について 異議申立人が主張するように、「登録し保存された品種データ」が検査後も保存される品種データであることが明らかであるとしても、上記(イ)dで検討したように、引用発明2において、検査枠のデータを保存するのは、品種を新規に登録する場合であり、画像検査を実行した後ではなく、保存は画像検査の前に行われるものであるから、保存のタイミングを画像検査の実行をした後とする動機付けがなく、保存のタイミングを画像検査の実行をした後とする構成を想到することはできない。 (c)主張(c)について 主張(c)のうちの(イの1)に関して、異議申立人が主張するように、引用文献1では、検査Aが編集された際に、編集された検品データが上書き保存されるものであり、検査Bに対して呼び出したある検品データは、検査Aで使用していた検品データであるとしても、上記(a)と同様に、保存のタイミングを画像検査の実行をした後とする動機付けがなく、保存のタイミングを画像検査の実行をした後とする構成を想到することはできない。 主張(c)のうちの(イの2)に関して、引用文献5~7より、実行された検査Aに設定された検品データを保存することが当業者にとっての技術常識であったとしても、上記(a)と同様に、引用発明1において、保存のタイミングを画像検査の実行をした後とする動機付けがなく、保存のタイミングを画像検査の実行をした後とする構成を想到することはできない。 したがって、引用発明1もしくは引用発明2を主引例とした場合の各引用発明と構成Bとの対比に関する特許異議申立人の主張はいずれも採用することができない。 イ 本件発明2~24、26について 上記アのとおり、本件発明1が新規性及び進歩性を有するものである以上、本件発明1を直接若しくは間接に引用する本件発明2~24、26は、新規性及び進歩性を有するものである。 ウ 本件発明25について 訂正により、請求項25は削除された。 エ 本件発明27、28について 本件発明27、28と引用発明1との相違点は、上記ア(ア)bと同様の相違点であり、上記ア(ア)c、dの検討と同様に、請求項27、28に係る発明は、引用文献1に記載された発明ではなく、引用文献1に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるといえない。 また、本件発明27、28と引用発明2との相違点は、上記ア(イ)bと同様の相違点であり、上記ア(イ)c、dの検討と同様に、請求項27、28に係る発明は、引用文献2に記載された発明ではなく、引用文献2に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるといえない。 オ 本件発明29~48、50、51~53、55について 上記エのとおり、本件発明27、28が新規性及び進歩性を有するものである以上、本件発明27、28のいずれかを直接若しくは間接に引用する本件発明29~48、50、51~53、55は、新規性及び進歩性を有するものである。 カ 本件発明49、54について 訂正により、請求項49、54は削除された。 (2)サポート要件について 請求項25に係る発明、請求項49に係る発明、請求項54に係る発明、請求項25を引用する請求項26に係る発明、請求項49を引用する請求項50に係る発明、請求項54を引用する請求項55に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものでない旨の取消理由通知に対し、訂正により、請求項25、請求項49、請求項54が削除された。 また、請求項26、請求項50、請求項55についてそれぞれ請求項25、請求項49、請求項54を引用しない請求項となった。 したがって、サポート要件に関する取消理由は存在しないものとなった。 4 取消理由についてのまとめ したがって、取消理由通知書に記載した取消理由により、請求項1~55に係る特許を取り消すことはできない。 第5 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について 1 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由の概要 (1)サポート要件 特許異議申立人は、特許異議申立書において、構成Dに関するサポート要件について以下のような主張をしている。 「このように、検査除外領域と端部除外領域とを含む複数の呼出プロファイルを同時適用した場合について段落0287以下に記載されている。図23には、呼出プロファイルAと呼出プロファイルBとを同時適用すると、呼出プロファイルAの各ページに設定されている検査除外領域と、呼出プロファイルBの各ページに設定されている検査除外領域とが適用されることが示されている。 そして本件明細書には、この検査除外領域を含む複数の呼出プロファイルの同時適用の説明に続く記載として段落0317を含む以下の記載がある。 (中略) この記載からは以下の少なくとも2点を読み取ることができる。 (1)検査領域と検査除外領域との重複は、複数の検査プロファイルを同時適用する場合に生じる。 (2)本件明細書の段落0317でいう重複は「検査領域と端部除外領域と」の重複であり、検査対象領域と検査除外領域との重複ではない。 このような発明の詳細な説明の理解に基づけば、本件発明特定事項1D(当審注:上記第3の構成D)は、発明の詳細な説明に記載された事項の範囲を超えていることは明らかである。 (中略) 以上説明したように、本件発明特定事項1Dは、発明の詳細な説明に記載された事項ではないから、本件発明特定事項1Dを有する本件特許発明1乃至本件特許発明26は特許法第36条第6項第1号の規定により特許を受けることができない発明であり、特許法第113条第4号により取り消されるべきである。さらに本件発明特定事項1Dと同様の本件発明特定事項27Dを有する本件特許発明27及び本件特許発明51乃至55、および本件発明特定事項1Dと同様の本件発明特定事項28Dを有する本件特許発明28乃至50はいずれも特許法第36条第6項第1号の規定により特許を受けることができない発明であり、特許法第113条第4号により取り消されるべきである。」(特許異議申立書51頁28行~56頁8行) (2)新規事項 特許異議申立人は、特許異議申立書において、新規事項について以下のような主張をしている。 「出願当初の特許請求の範囲には本件発明特定事項1D、27D、28Dに相当する事項を含む請求項はない。 また本件発明特定事項1D、27D、28Dが出願当初の明細書にも記載されていないことは理由1で述べたとおりである。 さらに本件出願当初の図面を参照しても、「検査領域と検査除外領域とが重複する部分では、検査関連領域として、検査対象外領域を優先して設定する」ことを示すものはない。 このように、本件発明特定事項1D、27D、28Dおよび本件明細書の段落0014に追加された事項は、出願当初の明細書、特許請求の範囲、図面のいずれにも記載されていないものである。したがって、令和4年1月7日に本件出願人が提出した手続補正による特許請求の範囲の補正は、特許法第17の2第3項に規定する要件を満たしておらず、本件特許発明1乃至55は特許法第113条第1号により取り消されるべきである。」(特許異議申立書63頁1~14行) (3)新規性 請求項13~15、20~22、25、26、40~42、47~50、54、55に係る発明は、甲第7号証に記載された発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当するから、請求項13~15、20~22、25、26、40~42、47~50、54、55に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものである。 (4)進歩性 請求項1~55に係る発明は、甲第1号証~甲第10号証に記載された発明のいずれかの組み合わせに基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1~55に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 なお、特許異議申立書141頁15行~148頁6行、170頁23行~171頁7行の記載から、独立請求項である請求項1、27、28に対する特許異議申立理由のうち、取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由は、甲第1号証もしくは甲第3号証に記載された発明と周知技術(甲第2号証、甲第4号証、甲第5号証)に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるというものであるから、以下、2(4)ではその点について検討する。 2 当審の判断 (1)サポート要件について 特許異議申立人の主張をまとめると、以下のア~ウの3点である。 ア 検査領域と検査除外領域との重複は、複数の検査プロファイルを同時適用する場合に生じるものである。 イ 本件明細書の段落0317でいう重複は「検査領域と端部除外領域と」の重複であり、検査対象領域と検査除外領域との重複ではない。 ウ 上記ア、イより、構成Dは、発明の詳細な説明に記載された事項の範囲を超えていることは明らかである。 (ア)上記アについて 【0287】~【0317】の記載から、「検査領域と検査除外領域との重複は、複数の検査プロファイルを同時適用する場合に生じるものである。」という特許異議申立人の主張に誤りはないものの、複数の検査プロファイルを同時適用して、検査領域と検査除外領域との重複が生じた場合に、画像検査システム、画像検査設定方法、画像検査設定プログラムは、構成Dのように、「検査対象領域と検査除外領域とが重複する部分では、検査除外領域を優先する」構成であれば、複数の検査プロファイルを同時適用して、検査領域と検査除外領域との重複が生じた場合の課題は解決されるものであって、複数の検査プロファイルを同時適用するという限定をする必要はない。 (イ)上記イについて 発明の詳細な説明には以下のような記載がある。 「【0075】 また、図5に示す基準画像RIの例では、上記の枠状の画像の外側の用紙Sの端部が、画像検査の対象から除外される検査除外領域(端部除外領域EDA)として指定されている(斜線のハッチングで示す)。かかる端部除外領域EDAを指定ないし設定するための操作等については後述する。」 「【0151】 また、基準画像RI1中に符号DA1で示された検査除外領域は、図5の領域設定部330を通じて設定された用紙Sの端部以外に関する検査除外領域であり、以下は「検査除外領域」と呼ぶ。一方、基準画像RI1中に符号EDA1で示された検査除外領域は、図5の端部除外設定部340を通じて設定された用紙Sの端部に関する検査除外領域であり、区別のため、以下は「端部検査除外領域」と呼ぶ。」 「【0316】 すなわち、検査関連領域として、検査除外領域が設定された領域設定情報と、検査領域が設定された領域設定情報と、を同時に適用しようとすると、ページ内に設定された検査除外領域と検査領域とが重複した部分において、いわゆるコンフリクト(競合)が発生する。 【0317】 かかるコンフリクトが発生した場合、画像検査装置50は、表示部26に警告メッセージを表示させて、ユーザーの選択ないし編集を促すようにするとよい。あるいは、例えば「検査領域と端部除外領域とが重複する部分では、端部除外領域を優先する(画像検査の対象としない)」などのルールを予め設定しておけばよい。」 すなわち、【0075】、【0151】には、検査除外領域のうち、用紙の端部が画像検査の対象から除外される検査除外領域を端部除外領域と称することが記載され、【0316】には、検査除外領域と検査領域とが重複した部分において、コンフリクト(競合)が発生することが記載され、【0317】には、一例として「検査領域と端部除外領域とが重複する部分では、端部除外領域を優先する(画像検査の対象としない)」というルールを設定することが記載されている。 そうすると、「検査領域と端部除外領域とが重複する部分では、端部除外領域を優先する(画像検査の対象としない)」というルールは一例であって、【0075】、【0151】、【0316】を参酌すれば、検査領域と端部除外領域の上位概念である検査除外領域との重複する部分についても同様のルールを適用すれば良いことは、明細書の記載から読み取れるものである。 (ウ)上記ウについて 上記(ア)、(イ)の検討より、構成Dに複数の検査プロファイルを同時適用するという限定をする必要はなく、また、検査領域と検査除外領域との重複について明細書に記載されているといえる以上、構成Dは、発明の詳細な説明に記載された事項の範囲を超えていることは明らかであるとまでいうことはできない。 したがって、構成Dに関するサポート要件についての特許異議申立人の主張を採用することはできない。 (2)新規事項について 上記(1)で検討したように、構成Dは、発明の詳細な説明に記載されている事項であり、すなわち、出願当初の明細書に記載されているものである。 したがって、新規事項に関する特許異議申立人の主張を採用することはできない。 (3)新規性について 上記第4の3(1)ア(イ)c及び第4の3(1)エで検討したように、本件発明1、27、28と引用発明2(甲第7号証に係る発明)とを対比すると相違点を有するものであるから、請求項13~15、20~22、25、26、40~42、47~50、54、55に係る発明は、甲第7号証に記載された発明であるとの特許異議申立人の主張を採用することはできない。 (4)進歩性について ア 甲第1号証を主引例とした場合 (a)構成A、Eについて 甲1発明と本件発明1とはいずれも「画像検査システム」である。 甲1発明の構成c3の「厳しく・普通・甘く」とする検査枠と「検査しない(未検査)」とする部分は、それぞれ、検査を行う枠、検査を除外する枠であるから、それぞれの枠で設定された領域は、本件発明1の「画像検査の対象となる検査対象領域」及び「画像検査の対象外となる検査除外領域」に相当する。 また、甲1発明の「厳しく・普通・甘く・検査しない(未検査)」である「検査枠」で設定された領域は、本件発明1の「検査関連領域」に相当する。 更に、甲1発明の印刷検品装置は、構成a3,b3より、カメラで取り込んだ画像に関する印刷物の検査装置であるから、用紙に形成された画像を読みとった画像データに対して、画像検査ジョブを行っているものといえる。 そうすると、甲1発明と本件発明1とは、「用紙に形成された画像を読みとった画像データに対して、画像検査の対象となる検査対象領域と前記画像検査の対象外となる検査除外領域とが設定された検査関連領域に基づいて画像検査ジョブを行う画像検査システム」である点で一致する。 (b)構成Bについて 構成c3、d3より、甲1発明は、検査枠の設定を保存するものである。 ここで、上記(a)で検討したように、甲1発明の「厳しく・普通・甘く・検査しない(未検査)」である「検査枠」で設定された領域は、本件発明1の「検査関連領域」に相当し、保存するためにはデータ格納部を備えることは自明であるから、甲1発明と本件発明1とは、「前記検査関連領域を保存するデータ格納部」を備える点で共通する。 しかし、検査関連領域を保存することに関して、本件発明1は、「実行された画像検査ジョブに設定された」検査関連領域を保存するのに対し、甲1発明は、「実行された画像検査ジョブに設定された」検査関連領域であるか明らかでない点で相違する。 (c)構成Cについて 構成c3、d3より、甲1発明の「厳しく・普通・甘く・検査しない(未検査)」である「検査枠」は保存され、保存された設定を次回から呼び出して検査できるものであり、呼び出して検査できるということは、保存された検査枠を、すでに実行された検査とは異なる新たな検査を行う際の検査枠として設定することといえる。 また、上記(b)で検討したように、保存するためにはデータ格納部を備えることは自明であり、上記(a)で検討したように、甲1発明の「厳しく・普通・甘く・検査しない(未検査)」である「検査枠」で設定された領域は、本件発明1の「検査関連領域」に相当する。 そうすると、甲1発明と本件発明1とは、「前記データ格納部に格納された前記検査関連領域を新たな画像検査ジョブの検査関連領域として設定する設定部」を備える点で一致する。 (d)構成Dについて 本件発明1は、「検査対象領域と検査除外領域とが重複する部分では、検査除外領域を優先する」のに対し、甲1発明はそのような限定がない点で相違する。 b 一致点・相違点 以上より、本件発明1と甲1発明との一致点・相違点は、以下のとおりである。 (一致点) 用紙に形成された画像を読みとった画像データに対して、画像検査の対象となる検査対象領域と前記画像検査の対象外となる検査除外領域とが設定された検査関連領域に基づいて画像検査ジョブを行う画像検査システムであって、 前記検査関連領域を保存するデータ格納部と、 前記データ格納部に格納された前記検査関連領域を、前記実行された画像検査ジョブとは異なる新たな画像検査ジョブの検査関連領域として設定する設定部と、 を備える、 画像検査システム。 (相違点) (相違点1) 検査関連領域を保存することに関して、本件発明1は、「実行された画像検査ジョブに設定された」検査関連領域を保存するのに対し、甲1発明は、「実行された画像検査ジョブに設定された」検査関連領域を保存するか明らかでない点。 (相違点2) 本件発明1は、「検査対象領域と検査除外領域とが重複する部分では、検査除外領域を優先する」のに対し、甲1発明はそのような限定がない点。 c 新規性に関する検討 上記bより、本件発明1と甲1発明とを対比すると相違点を有するものであるから、請求項1に係る発明は、甲第1号証に記載された発明ではない。 d 進歩性に関する検討 事案に鑑み、上記相違点2について検討する。 甲1発明は、商品の重要ポイントに該当する部分はレベル設定を厳しく、重要でない部分に関しては甘く、と部分的なレベル設定の変更、一定部分のみ検査範囲外として無検査にする(構成c3)ものであり、「食品パッケージであれば、商品イメージをアピールする部分の印刷色汚れ、医薬品パッケージでは能書などの細かい文字の欠け・汚れなど、一番重要な部分はより厳密な検査が必要であるが、逆に糊づけ部分や底部分などには同様の厳密な検査は必要ない」(構成e3)ために設定するものである。 そうすると、甲1発明においては、検査対象領域(食品パッケージであれば、商品イメージをアピールする部分の印刷色汚れ、医薬品パッケージでは能書などの細かい文字の欠け・汚れなど、一番重要な部分の領域)と検査除外領域(糊づけ部分や底部分の領域)とが重複するような構成を想定することができず、甲第2号証、甲第4号証、甲第5号証に記載された技術が周知技術であるとしても、相違点2に係る構成は、甲第1号証に記載された発明と周知技術(甲第2号証、甲第4号証、甲第5号証)に基いて、当業者が容易に想到しうるものといえない。 したがって、相違点1について検討するまでもなく、請求項1に係る発明は、甲第1号証に記載された発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるといえない。 イ 甲第3号証を主引例とした場合 (a)構成A、Eについて 甲3発明と本件発明1とはいずれも「画像検査システム」である。 甲3発明の構成d4、e4の「固定印刷領域」、「変更印刷領域」は、検査を行う領域であり、「被印字領域」は検査を行わない領域であるから、それぞれの領域は、本件発明1の「画像検査の対象となる検査対象領域」及び「画像検査の対象外となる検査除外領域」に相当する。 また、甲3発明の「固定印刷領域」と「変更印刷領域」と「被印字領域」は、本件発明1の「検査関連領域」に相当する。 更に、甲3発明の印刷画像検査装置は、構成a4より、原稿画像データとこれに基づき印刷された印刷画像とを比較して印刷結果の良否を判定する印刷画像検査装置であるから、用紙に形成された画像を読みとった画像データに対して、画像検査ジョブを行っているものといえる。 そうすると、甲3発明と本件発明1とは、「用紙に形成された画像を読みとった画像データに対して、画像検査の対象となる検査対象領域と前記画像検査の対象外となる検査除外領域とが設定された検査関連領域に基づいて画像検査ジョブを行う画像検査システム」である点で一致する。 (b)構成Bについて 構成g4より、甲3発明は、検査における領域の情報を保存するものである。 ここで、上記(a)で検討したように、甲3発明の「固定印刷領域」と「変更印刷領域」と「被印字領域」は、本件発明1の「検査関連領域」に相当し、保存するためにはデータ格納部を備えることは自明であるから、甲3発明と本件発明1とは、「前記検査関連領域を保存するデータ格納部」を備える点で共通する。 しかし、検査関連領域を保存することに関して、本件発明1は、「実行された画像検査ジョブに設定された」検査関連領域を保存するのに対し、甲3発明は、「実行された画像検査ジョブに設定された」検査関連領域であるか明らかでない点で相違する。 (c)構成Cについて 構成g4より、甲3発明の検査における領域の情報は保存され、当該領域の情報を次回利用して検査できるものであり、次回利用して検査できるということは、保存された領域の情報を、すでに実行された検査とは異なる新たな検査を行う際の領域の情報として設定することといえる。 また、上記(b)で検討したように、保存するためにはデータ格納部を備えることは自明であり、上記(a)で検討したように、甲3発明の「固定印刷領域」と「変更印刷領域」と「被印字領域」は、本件発明1の「検査関連領域」に相当する。 そうすると、甲3発明と本件発明1とは、「前記データ格納部に格納された前記検査関連領域を新たな画像検査ジョブの検査関連領域として設定する設定部」を備える点で一致する。 (d)構成Dについて 本件発明1は、「検査対象領域と検査除外領域とが重複する部分では、検査除外領域を優先する」のに対し、甲3発明はそのような限定がない点で相違する。 b 一致点・相違点 以上より、本件発明1と甲3発明との一致点・相違点は、以下のとおりである。 (一致点) 用紙に形成された画像を読みとった画像データに対して、画像検査の対象となる検査対象領域と前記画像検査の対象外となる検査除外領域とが設定された検査関連領域に基づいて画像検査ジョブを行う画像検査システムであって、 前記検査関連領域を保存するデータ格納部と、 前記データ格納部に格納された前記検査関連領域を、前記実行された画像検査ジョブとは異なる新たな画像検査ジョブの検査関連領域として設定する設定部と、 を備える、 画像検査システム。 (相違点) (相違点1) 検査関連領域を保存することに関して、本件発明1は、「実行された画像検査ジョブに設定された」検査関連領域を保存するのに対し、甲3発明は、「実行された画像検査ジョブに設定された」検査関連領域を保存するか明らかでない点。 (相違点2) 本件発明1は、「検査対象領域と検査除外領域とが重複する部分では、検査除外領域を優先する」のに対し、甲3発明はそのような限定がない点。 c 新規性に関する検討 上記bより、本件発明1と甲3発明とを対比すると相違点を有するものであるから、請求項1に係る発明は、甲第3号証に記載された発明ではない。 d 進歩性に関する検討 事案に鑑み、上記相違点2について検討する。 甲3発明は、「共通のフォームと思われる部分、各ページごとの内容が共通でない部分、白紙の部分の領域を抽出し、この領域ごとに検査の厳しさを変化させ、各ページにおいて共通の印刷がなされる部分の領域が各ページで共通に、固定した内容で印刷が行われる固定印刷領域であり、ページごとに変更される内容が印刷される部分の領域が変更印刷領域であり、この二つの領域以外が非印刷領域であり、判定基準設定部は、ページ内の印刷検査の判定基準をその領域ごとに設定し、各領域は、判定の基準値を高くして厳しい判定を行う変更印刷領域、印刷良否の判定基準を低くして、やや緩い検査を行う固定印刷領域、検査を行わない非印字領域」(構成c4~e4)とするものである。 そうすると、甲3発明においては、検査対象領域(各ページで共通に、固定した内容で印刷が行われる固定印刷領域と、ページごとに変更される内容が印刷される部分の領域である変更印刷領域)と検査除外領域(非印字領域)とが重複するような構成を想定することができず、甲第2号証、甲第4号証、甲第5号証に記載された技術が周知技術であるとしても、相違点2に係る構成は、甲第3号証に記載された発明と周知技術(甲第2号証、甲第4号証、甲第5号証)に基いて、当業者が容易に想到しうるものといえない。 したがって、相違点1について検討するまでもなく、請求項1に係る発明は、甲第3号証に記載された発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるといえない。 3 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由についてのまとめ したがって、取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由を採用することはできない。 第6 特許異議申立人の意見書における新たな主張について 特許異議申立人は、意見書とともに引用文献4(甲第13号証)を提出し、意見書の39~60頁にて、請求項1、2、7~10、16、21~24、29、34~37、43、48、51に係る発明は引用文献4に対して新規性がなく取り消されるべきであることを主張している。 しかし、訂正後の請求項1、2、7~10、16、21~24、29、34~37、43、48、51に係る発明が引用文献4に記載された発明であるなら、訂正前の請求項1、2、7~10、16、21~24、29、34~37、43、48、51に係る発明についても、引用文献4に記載された発明であるから、引用文献4は、本来異議申立書とともに提出されるべき刊行物である。 したがって、上記意見の内容は、実質的に新たな証拠(甲第13号証)に基づく申立理由を主張しているものであるから、これを採用して判断することはできない。 第7 むすび 以上より、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、請求項1~24、26~48、50~53、55に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に請求項1~24、26~48、50~53、55に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 さらに、請求項25、49、54に係る特許は、訂正により削除された。これにより、特許異議申立人による特許異議の申立てについて、請求項25、49、54に係る申立ては、申立ての対象が存在しないものとなったため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。 よって、結論のとおり決定する。

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2022-700882

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