特許訂正審判
2025-390111
抗組織因子抗体、抗体薬物コンジュゲート、及び関連する方法
- 審判番号
- 2025-390111
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2020-557125
- 登録番号
- 7653013
- 請求日
- 2025年08月06日
- 審決日
- 2025年10月22日
- 公報発行日
- 2026年01月30日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】アイコニック セラピューティクス リミテッド ライアビリティ カンパニー
- 【請求人代理人】清水 初志
- 【請求人代理人】小寺 秀紀
- 審判長/審判官
- 審判長 小暮 道明
- 審判官 幸田 俊希
- 審判官 田中 耕一郎
- 分類
- P141 .852-Y (C12N)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7653013号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
特許第7653013号の明細書を本件審判請求書に添付した訂正明細書のとおり訂正することを認める。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本件訂正審判に係る特許第7653013号(以下「本件特許」という。)についての出願は、2019年1月4日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理2018年1月4日が2件 2018年3月22日 2018年8月2日が2件 いずれも(US)米国)を国際出願日とする出願であって、その請求項1~15に係る発明について令和7年3月19日に特許権の設定登録がされ、その後、令和7年8月6日に本件の訂正審判が請求されたものである。
第2 請求の趣旨及び訂正の内容
1.請求の趣旨
本件審判の請求の趣旨は、本件特許の明細書を本件審判請求書に添付した訂正明細書のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものである。
2.訂正の内容
訂正の内容は、以下のとおりである(合議体注:下線は訂正箇所を示す。)。
(1)訂正事項1
明細書の段落【0849】の「(表17)抗体25A-CDR配列」に、
「
[図:0001431084000001.jpg]
」と記載されているのを、
「
[図:0001431084000002.jpg]
」
に訂正する。
(2)訂正事項2
明細書の段落【0850】の「(表18)抗体25A3-CDR配列」に、
「
[図:0001431084000003.jpg]
」と記載されているのを、
「
[図:0001431084000004.jpg]
」
に訂正する。
(3)訂正事項3
明細書の段落【0851】の「(表19a)抗体25A5-CDR配列」
に、
「
[図:0001431084000005.jpg]
」と記載されているのを、
「
[図:0001431084000006.jpg]
」
に訂正する。
(4)訂正事項4
明細書の段落【0852】の「(表19b)抗体25A5-T-CDR配
列」に、
「
[図:0001431084000007.jpg]
」と記載されているのを、
「
[図:0001431084000008.jpg]
」
に訂正する。
(5)訂正事項5
明細書の【配列表】のSEQ ID NO:109に、
「<400> 109
Ala Arg Asp Ala Gly Thr Tyr Ser Pro Phe Gly Thr Gly Met Asp Val
1 5 10 15 」
と記載されているのを、
「<400> 109
Ala Arg Asp Ala Gly Thr Tyr Ser Pro Phe Gly Tyr Gly Met Asp Val
1 5 10 15 」
に訂正する。
(6)訂正事項6
明細書の【配列表】のSEQ ID NO:147に、
「<400> 147
Ala Arg Asp Ala Gly Thr Tyr Ser Pro Phe Gly Thr Gly Met Asp Val
1 5 10 15 」
と記載されているのを、
「<400> 147
Ala Arg Asp Ala Gly Thr Tyr Ser Pro Phe Gly Tyr Gly Met Asp Val
1 5 10 15 」
に訂正する。
(7)訂正事項7
明細書の【配列表】のSEQ ID NO:185に、
「<400> 185
Ala Arg Asp Ala Gly Thr Tyr Ser Pro Phe Gly Thr Gly Met Asp Val
1 5 10 15 」
と記載されているのを、
「<400> 185
Ala Arg Asp Ala Gly Thr Tyr Ser Pro Phe Gly Tyr Gly Met Asp Val
1 5 10 15 」
に訂正する。
(8)訂正事項8
明細書の【配列表】のSEQ ID NO:916に、
「<400> 916
Ala Arg Asp Ala Gly Thr Tyr Ser Pro Phe Gly Thr Gly Met Asp Val
1 5 10 15 」
と記載されているのを、
「<400> 916
Ala Arg Asp Ala Gly Thr Tyr Ser Pro Phe Gly Tyr Gly Met Asp Val
1 5 10 15 」
に訂正する。
第3 当審の判断
1 訂正事項1について
(1)訂正の目的について
ア 本件特許の明細書の発明の詳細な説明(以下「発明の詳細な説明」という。)の記載
(ア)CDRと可変領域との関係について、発明の詳細な説明には、以下の事項が記載されている。下線は合議体が付した。
「【0256】
「免疫グロブリン」という用語は、1対の軽(L)鎖及び1対の重(H)鎖の2対のポリペプチド鎖を一般に含む、構造的に関連するタンパク質のクラスを指す。「無傷の免疫グロブリン」において、これらの鎖の4つ全ては、ジスルフィド結合によって相互接続されている。免疫グロブリンの構造は、特徴がよく解明されている。例えば、Paul,Fundamental Immunology 7th ed.,Ch.5(2013)Lippincott Williams & Wilkins,Philadelphia,PAを参照されたい。簡潔に述べると、各重鎖は典型的に、重鎖可変領域(VH)及び重鎖定常領域(CH)を含む。重鎖定常領域は典型的に、CH1、CH2、及びCH3と略称される3つのドメインを含む。各軽鎖は典型的に、軽鎖可変領域(VL)及び軽鎖定常領域を含む。軽鎖定常領域は典型的に、CLと略称される1つのドメインを含む。」
「【0262】
VH及びVL領域は、より保存された領域が散在する、超可変性をもつ複数の領域(「超可変領域(HVR)」、別名「相補性決定領域」(CDR))にさらに細分されてもよい。より保存された領域は、フレームワーク領域(FR)と呼ばれる。各VH及びVLは通常、以下の順序(N末端からC末端へ)、すなわちFR1-CDR1-FR2-CDR2-FR3-CDR3-FR4で配置された、3つのCDR及び4つのFRを含む。CDRは、抗原結合に関与し、抗体の抗原特異性及び結合親和性に影響を及ぼす。参照によりその全体が援用される、Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest 5th ed.(1991)Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MDを参照されたい。
【0263】
「相補性決定領域(CDR)」は、免疫グロブリン(Igまたは抗体)VHのβシートフレームワークの非フレームワーク領域内にある3つの超可変領域(H1、H2、またはH3)のうちの1つ、または抗体VLのβシートフレームワークの非フレームワーク領域内にある3つの超可変領域(L1、L2、またはL3)のうちの1つを指す。CDRは、フレームワーク領域配列内に散在する可変領域配列である。CDRは、当該技術分野でよく認識されており、例えば、Kabatにより、抗体可変(V)ドメイン内で最大の超可変性をもつ領域として定義されている。Kabat et al.,J Biol Chem,1977,252:6609-6616及びKabat,Adv Protein Chem,1978,32:1-75を参照されたく、これらの各々は参照によりその全体が援用される。CDRはまた、Chothiaにより、保存されたβシートフレームワークの一部ではなく、故に、様々な立体構造を適合させることができる残基として構造的に定義されている。参照によりその全体が援用される、Chothia and Lesk,J Mol Biol,1987,196:901-917を参照されたい。Kabat及びChothia命名法は両方とも、当該技術分野で周知である。AbM、Contact、及びIMGTもまたCDRを定義した。古典的な抗体可変ドメイン内のCDRの位置は、多数の構造の比較によって決定されている。Morea et al.,Methods,2000,20:267-279及びAl-Lazikani et al.,J Mol Biol,1997,273:927-48を参照されたく、これらの各々は参照によりその全体が援用される。超可変領域内の残基の数は異なる抗体において様々であるため、古典的な位置に相対的な追加の残基は、古典的な可変ドメインの番号付けスキーム(Al-Lazikaniら(上記参照))における残基番号の隣のa、b、c等により慣習的に番号付けされる。かかる用語法は当業者に周知である。
【0264】
いくつかの超可変領域の境界付けが用いられており、これらが本明細書に含まれる。KabatのCDRは、配列の可変性に基づいており、最も一般的に使用される。参照によりその全体が援用される、Kabat et al.(1992)Sequences of Proteins of Immunological Interest,DIANE Publishing:2719を参照されたい。Chothiaは、構造的ループの箇所を代わりに参照する(Chothia及びLesk(上記参照))。AbMの超可変領域は、KabatのCDRとChothiaの構造的ループとの間の折衷案を表し、Oxford MolecularのAbM抗体モデリングソフトウェアによって使用される。Contactの超可変領域は、利用可能な複合体結晶構造の分析に基づく。これらの超可変領域の各々からの残基は、表1に記述される。
【0265】
より最近では、普遍的な番号付けシステムであるImMunoGeneTics(IMGT)Information System(商標)が開発され、広く採用されている。参照によりその全体が援用される、Lefranc et al.,Dev Comp Immunol,2003,27:55-77を参照されたい。IMGTは、ヒト及び他の脊椎動物の免疫グロブリン(IG)、T細胞受容体(TR)、及び主要組織適合性複合体(MHC)に特化している、統合された情報システムである。IMGTのCDRは、アミノ酸配列及び軽鎖または重鎖内の箇所の両方の点から参照される。免疫グロブリン可変ドメインの構造内のCDRの「箇所」は種の間で保存されており、ループと呼ばれる構造で存在するため、構造的特徴に従って可変ドメイン配列をアライメントする番号付けシステムを用いることにより、CDR及びフレームワーク残基が容易に特定される。Kabat、Chothia、及びIMGT番号付けの間の対応関係もまた、当該技術分野で周知である(Lefrancら(上記参照))。本明細書に示される代表的なシステムは、Kabat及びChothiaのCDR定義を組み合わせたものである。
【0266】
(表1)
[図:0001431084000009.jpg]
」
そうすると、発明の詳細な説明には、抗体の重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)は、それぞれ3つの相補性決定領域(CDR)と4つのフレームワーク領域(FR)を含んでおり、N末端からC末端へ、FR1-CDR1-FR2-CDR2-FR3-CDR3-FR4で配置されていること(上記(ア)の【0256】、【0262】、【0265】)(以下「可変領域の構造についての記載事項」という。)、及び、CDRは抗体のVH又はVLにある超可変領域であって(上記(ア)の【0263】)、Kabat、Chothia、AbM、Contact及びIMGTによって定義され得るものであること(上記(ア)の【0263】、【0264】)が記載されているといえる。
(イ)訂正事項1について、発明の詳細な説明には、以下の事項が記載されている。
「【0849】
(表17)抗体25A-CDR配列
[図:0001431084000010.jpg]
*例示的なCDR配列は、Kabat plus Chothiaによって決定されたアミノ酸を包含する。」
イ 判断
本件特許の段落【0849】の表17には、抗体25AのVH配列、VL配列、及び各CDR配列が記載されており、抗体25Aについて、VH配列が「QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFDVYGISWVRQAPGQGLEWMGWIAPYNGNTNYAQKLQGRVTMTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARDAGTYSPFGYGMDVWGQGTTVTVSS(SEQID NO:113)」であること、例示的なCDR配列のVHCDR3のアミノ酸配列が「DAGTYSPFGYGMDV(SEQ ID NO:79)」であること、Kabat番号付けによって決定されたVHCDR3のアミノ酸配列が「DAGTYSPFGYGMDV(SEQ ID NO:85)」であること、Chothia番号付けによって決定されたVHCDR3のアミノ酸配列が「AGTYSPFGYGMD(SEQ ID NO:91)」であること、AbM番号付けによって決定されたVHCDR3のアミノ酸配列が「DAGTYSPFGYGMDV(SEQ ID NO:97)」であること、Contact番号付けによって決定されたVHCDR3のアミノ酸配列が「ARDAGTYSPFGYGMD(SEQ ID NO:103)」であること、IMGT番号付けによって決定されたVHCDR3のアミノ酸配列が「ARDAGTYSPFGTGMDV(SEQ ID NO:109)」であることが記載されている。
そして、例示的なCDR配列のVHCDR3のアミノ酸配列(SEQ ID NO:79)、KabatによるVHCDR3のアミノ酸配列(SEQ ID NO:85)、ChothiaによるVHCDR3のアミノ酸配列(SEQ ID NO:91)、AbMによるVHCDR3のアミノ酸配列(SEQ ID NO:97)、ContactによるVHCDR3のアミノ酸配列(SEQ ID NO:103)は、そのアミノ酸配列からみて、いずれも抗体25AのVH配列(SEQID NO:113)の部分配列である。
したがって、例示的なCDR配列のVHCDR3のアミノ酸配列(SEQ ID NO:79)、KabatによるVHCDR3のアミノ酸配列(SEQ ID NO:85)、ChothiaによるVHCDR3のアミノ酸配列(SEQ ID NO:91)、AbMによるVHCDR3のアミノ酸配列(SEQ ID NO:97)、ContactによるVHCDR3のアミノ酸配列(SEQ ID NO:103)については、「可変領域の構造についての記載事項」に整合するものである。
一方、IMGTによるVHCDR3のアミノ酸配列(SEQ ID NO:109)は、「ARDAGTYSPFGTGMDV」であって、「ARDAGTYSPFGYGMD」を含む抗体25AのVH配列(SEQID NO:113)の部分配列とはいえないものであるから、「可変領域の構造についての記載事項」に整合しないものである。
そうすると、「可変領域の構造についての記載事項」に整合することにより誤りはないと理解する抗体25AのVH配列(SEQID NO:113)に対して、「可変領域の構造についての記載事項」に整合しない「ARDAGTYSPFGTGMDV」という配列からなるIMGTによるVHCDR3のアミノ酸配列(SEQ ID NO:109)は、技術的にみて明らかな誤りであって、当該アミノ酸配列は、抗体25AのVH配列(SEQID NO:113)の部分配列である「ARDAGTYSPFGYGMD」の誤記であることは明らかである。
そして、発明の詳細な説明には、このように解することを妨げる記載や、これと矛盾する記載は存在しない。
よって、段落【0849】についての訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものである。
(2)願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(本件特許は外国語書面出願に係る特許であるため、以下、「外国語書面」という。)に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記(1)で説示したとおり、訂正事項1は、誤記を訂正するものであって、本件訂正の前後でその意図する技術的事項は変わらないから、外国語書面に記載した事項の範囲内の訂正であることは明らかである。
よって、訂正事項1は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
上記(1)で説示したとおり、訂正事項1は、誤記を訂正するものであって、本件訂正の前後でその意図する技術的事項は変わらないし、カテゴリーや対象、目的を変更するものでもないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
2 訂正事項2について
(1)訂正の目的について
ア 発明の詳細な説明の記載
(ア)CDRと可変領域との関係について、発明の詳細な説明には、上記1(1)ア(ア)で示した事項が記載されている。
(イ)訂正事項2について、発明の詳細な説明には、以下の事項が記載されている。
「【0850】
(表18)抗体25A3-CDR配列
[図:0001431084000011.jpg]
*例示的なCDR配列は、Kabat plus Chothiaによって決定されたアミノ酸を包含する。」
イ 判断
本件特許の段落【0850】の表18には、抗体25A3のVH配列、VL配列、及び各CDR配列が記載されており、抗体25A3について、VH配列が「QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFDVYGISWVRQAPGQGLEWMGWIAPYSGNTNYAQKLQGRVTMTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARDAGTYSPFGYGMDVWGQGTTVTVSS(SEQID NO:151)」であること、例示的なCDR配列のVHCDR3のアミノ酸配列が「DAGTYSPFGYGMDV(SEQ ID NO:117)」であること、Kabat番号付けによって決定されたVHCDR3のアミノ酸配列が「DAGTYSPFGYGMDV(SEQ ID NO:123)」であること、Chothia番号付けによって決定されたVHCDR3のアミノ酸配列が「AGTYSPFGYGMD(SEQ ID NO:129)」であること、AbM番号付けによって決定されたVHCDR3のアミノ酸配列が「DAGTYSPFGYGMDV(SEQ ID NO:135)」であること、Contact番号付けによって決定されたVHCDR3のアミノ酸配列が「ARDAGTYSPFGYGMD(SEQ ID NO:141)」であること、IMGT番号付けによって決定されたVHCDR3のアミノ酸配列が「ARDAGTYSPFGTGMDV(SEQ ID NO:147)」であることが記載されている。
そして、例示的なCDR配列のVHCDR3のアミノ酸配列(SEQ ID NO:117)、KabatによるVHCDR3のアミノ酸配列(SEQ ID NO:123)、ChothiaによるVHCDR3のアミノ酸配列(SEQ ID NO:129)、AbMによるVHCDR3のアミノ酸配列(SEQ ID NO:135)、ContactによるVHCDR3のアミノ酸配列(SEQ ID NO:141)は、そのアミノ酸配列からみて、いずれも抗体25A3のVH配列(SEQID NO:151)の部分配列である。
したがって、例示的なCDR配列のVHCDR3のアミノ酸配列(SEQ ID NO:117)、KabatによるVHCDR3のアミノ酸配列(SEQ ID NO:123)、ChothiaによるVHCDR3のアミノ酸配列(SEQ ID NO:129)、AbMによるVHCDR3のアミノ酸配列(SEQ ID NO:135)、ContactによるVHCDR3のアミノ酸配列(SEQ ID NO:141)については、「可変領域の構造についての記載事項」に整合するものである。
一方、IMGTによるVHCDR3のアミノ酸配列(SEQ ID NO:147)は、「ARDAGTYSPFGTGMDV」であって、「ARDAGTYSPFGYGMDV」を含む抗体25A3のVH配列(SEQID NO:151)の部分配列とはいえないものであるから、「可変領域の構造についての記載事項」に整合しないものである。
そうすると、「可変領域の構造についての記載事項」に整合することにより誤りはないと理解する抗体25A3のVH配列(SEQID NO:151)に対して、「可変領域の構造についての記載事項」に整合しない「ARDAGTYSPFGTGMDV」という配列からなるIMGTによるVHCDR3のアミノ酸配列(SEQ ID NO:147)は、技術的にみて明らかな誤りであって、当該アミノ酸配列は、抗体25A3のVH配列(SEQID NO:151)の部分配列である「ARDAGTYSPFGYGMDV」の誤記であることは明らかである。
そして、発明の詳細な説明には、このように解することを妨げる記載や、これと矛盾する記載は存在しない。
よって、段落【0850】についての訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものである。
(2)外国語書面に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記(1)で説示したとおり、訂正事項2は、誤記を訂正するものであって、本件訂正の前後でその意図する技術的事項は変わらないから、外国語書面に記載した事項の範囲内の訂正であることは明らかである。
よって、訂正事項2は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
上記(1)で説示したとおり、訂正事項2は、誤記を訂正するものであって、本件訂正の前後でその意図する技術的事項は変わらないし、カテゴリーや対象、目的を変更するものでもないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
3 訂正事項3について
(1)訂正の目的について
ア 発明の詳細な説明の記載
(ア)CDRと可変領域との関係について、発明の詳細な説明には、上記1(1)ア(ア)で示した事項が記載されている。
(イ)訂正事項3について、発明の詳細な説明には、以下の事項が記載されている。
「【0851】
(表19a)抗体25A5-CDR配列
[図:0001431084000012.jpg]
*例示的なCDR配列は、Kabat plus Chothiaによって決定されたアミノ酸を包含する。」
イ 判断
本件特許の段落【0851】の表19aには、抗体25A5のVH配列、VL配列、及び各CDR配列が記載されており、抗体25A5について、VH配列が「QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFDVYGISWVRQAPGQGLEWMGWIAPYSGNTNYAQKLQGRVTMTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARDAGTYSPFGYGMDVWGQGTTVTVSS(SEQ ID NO:189)」であること、例示的なCDR配列のVHCDR3のアミノ酸配列が「DAGTYSPFGYGMDV(SEQ ID NO:155)」であること、Kabat番号付けによって決定されたVHCDR3のアミノ酸配列が「DAGTYSPFGYGMDV(SEQ ID NO:161)」であること、Chothia番号付けによって決定されたVHCDR3のアミノ酸配列が「AGTYSPFGYGMD(SEQ ID NO:167)」であること、AbM番号付けによって決定されたVHCDR3のアミノ酸配列が「DAGTYSPFGYGMDV(SEQ ID NO:173)」であること、Contact番号付けによって決定されたVHCDR3のアミノ酸配列が「ARDAGTYSPFGYGMD(SEQ ID NO:179)」であること、IMGT番号付けによって決定されたVHCDR3のアミノ酸配列が「ARDAGTYSPFGTGMDV(SEQ ID NO:185)」であることが記載されている。
そして、例示的なCDR配列のVHCDR3のアミノ酸配列(SEQ ID NO:155)、KabatによるVHCDR3のアミノ酸配列(SEQ ID NO:161)、ChothiaによるVHCDR3のアミノ酸配列(SEQ ID NO:167)、AbMによるVHCDR3のアミノ酸配列(SEQ ID NO:173)、ContactによるVHCDR3のアミノ酸配列(SEQ ID NO:179)は、そのアミノ酸配列からみて、いずれも抗体25A5のVH配列(SEQ ID NO:189)の部分配列である。
したがって、例示的なCDR配列のVHCDR3のアミノ酸配列(SEQ ID NO:155)、KabatによるVHCDR3のアミノ酸配列(SEQ ID NO:161)、ChothiaによるVHCDR3のアミノ酸配列(SEQ ID NO:167)、AbMによるVHCDR3のアミノ酸配列(SEQ ID NO:173)、ContactによるVHCDR3のアミノ酸配列(SEQ ID NO:179)については、「可変領域の構造についての記載事項」に整合するものである。
一方、IMGTによるVHCDR3のアミノ酸配列(SEQ ID NO:185)は、「ARDAGTYSPFGTGMDV」であって、「ARDAGTYSPFGYGMDV」を含む抗体25A5のVH配列(SEQ ID NO:189)の部分配列とはいえないものであるから、「可変領域の構造についての記載事項」に整合しないものである。
そうすると、「可変領域の構造についての記載事項」に整合することにより誤りはないと理解する抗体25A5のVH配列(SEQ ID NO:189)に対して、「可変領域の構造についての記載事項」に整合しない「ARDAGTYSPFGTGMDV」という配列からなるIMGTによるVHCDR3のアミノ酸配列(SEQ ID NO:185)は、技術的にみて明らかな誤りであって、当該アミノ酸配列は、抗体25A5のVH配列(SEQID NO:189)の部分配列である「ARDAGTYSPFGYGMDV」の誤記であることは明らかである。
そして、発明の詳細な説明には、このように解することを妨げる記載や、これと矛盾する記載は存在しない。
よって、段落【0851】についての訂正事項3は、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものである。
(2)外国語書面に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記(1)で説示したとおり、訂正事項3は、誤記を訂正するものであって、本件訂正の前後でその意図する技術的事項は変わらないから、外国語書面に記載した事項の範囲内の訂正であることは明らかである。
よって、訂正事項3は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
上記(1)で説示したとおり、訂正事項3は、誤記を訂正するものであって、本件訂正の前後でその意図する技術的事項は変わらないし、カテゴリーや対象、目的を変更するものでもないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
4 訂正事項4について
(1)訂正の目的について
ア 発明の詳細な説明の記載
(ア)CDRと可変領域との関係について、発明の詳細な説明には、上記1(1)ア(ア)で示した事項が記載されている。
(イ)訂正事項4について、発明の詳細な説明には、以下の事項が記載されている。
「【0852】
(表19b)抗体25A5-T-CDR配列
[図:0001431084000013.jpg]
*例示的なCDR配列は、Kabat plus Chothiaによって決定されたアミノ酸を包含する。」
イ 判断
本件特許の段落【0852】の表19bには、抗体25A5-TのVH配列、VL配列、及び各CDR配列が記載されており、抗体25A5-Tについて、VH配列が「QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFDAYGISWVRQAPGQGLEWMGWIAPYSGNTNYAQKLQGRVTMTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARDAGTYSPFGYGMDVWGQGTTVTVSS(SEQID NO:836)」であること、例示的なCDR配列のVHCDR3のアミノ酸配列が「DAGTYSPFGYGMDV(SEQ ID NO:886)」であること、Kabat番号付けによって決定されたVHCDR3のアミノ酸配列が「DAGTYSPFGYGMDV(SEQ ID NO:892)」であること、Chothia番号付けによって決定されたVHCDR3のアミノ酸配列が「AGTYSPFGYGMD(SEQ ID NO:898)」であること、AbM番号付けによって決定されたVHCDR3のアミノ酸配列が「DAGTYSPFGYGMDV(SEQ ID NO:904)」であること、Contact番号付けによって決定されたVHCDR3のアミノ酸配列が「ARDAGTYSPFGYGMD(SEQ ID NO:910)」であること、IMGT番号付けによって決定されたVHCDR3のアミノ酸配列が「ARDAGTYSPFGTGMDV(SEQ ID NO:916)」であることが記載されている。
そして、例示的なCDR配列のVHCDR3のアミノ酸配列(SEQ ID NO:886)、KabatによるVHCDR3のアミノ酸配列(SEQ ID NO:892)、ChothiaによるVHCDR3のアミノ酸配列(SEQ ID NO:898)、AbMによるVHCDR3のアミノ酸配列(SEQ ID NO:904)、ContactによるVHCDR3のアミノ酸配列(SEQ ID NO:910)は、そのアミノ酸配列からみて、いずれも抗体25A5-TのVH配列(SEQID NO:836)の部分配列である。
したがって、例示的なCDR配列のVHCDR3のアミノ酸配列(SEQ ID NO:886)、KabatによるVHCDR3のアミノ酸配列(SEQ ID NO:892)、ChothiaによるVHCDR3のアミノ酸配列(SEQ ID NO:898)、AbMによるVHCDR3のアミノ酸配列(SEQ ID NO:904)、ContactによるVHCDR3のアミノ酸配列(SEQ ID NO:910)については、「可変領域の構造についての記載事項」に整合するものである。
一方、IMGTによるVHCDR3のアミノ酸配列(SEQ ID NO:916)は、「ARDAGTYSPFGTGMDV」であって、「ARDAGTYSPFGYGMDV」を含む抗体25A5-TのVH配列(SEQID NO:836)の部分配列とはいえないものであるから、「可変領域の構造についての記載事項」に整合しないものである。
そうすると、「可変領域の構造についての記載事項」に整合することにより誤りはないと理解する抗体25A5-TのVH配列(SEQID NO:836)に対して、「可変領域の構造についての記載事項」に整合しない「ARDAGTYSPFGTGMDV」という配列からなるIMGTによるVHCDR3のアミノ酸配列(SEQ ID NO:916)は、技術的にみて明らかな誤りであって、当該アミノ酸配列は、抗体25A5-TのVH配列(SEQID NO:836)の部分配列である「ARDAGTYSPFGYGMDV」の誤記であることは明らかである。
そして、発明の詳細な説明には、このように解することを妨げる記載や、これと矛盾する記載は存在しない。
よって、段落【0852】についての訂正事項4は、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものである。
(2)外国語書面に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記(1)で説示したとおり、訂正事項4は、誤記を訂正するものであって、本件訂正の前後でその意図する技術的事項は変わらないから、外国語書面に記載した事項の範囲内の訂正であることは明らかである。
よって、訂正事項4は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
上記(1)で説示したとおり、訂正事項4は、誤記を訂正するものであって、本件訂正の前後でその意図する技術的事項は変わらないし、カテゴリーや対象、目的を変更するものでもないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
5 訂正事項5について
(1)訂正の目的について
ア 発明の詳細な説明の記載
(ア)CDRと可変領域との関係について、発明の詳細な説明には、上記1(1)ア(ア)で示した事項が記載されている。
(イ)訂正事項5について、発明の詳細な説明には、上記1(1)ア(イ)で示した事項が記載されている。
イ 判断
訂正事項5は、明細書の【配列表】の「SEQ ID NO:109」において12番目に記載された「Thr」を「Tyr」に訂正するものである。
ここで、訂正事項5に係る明細書の【配列表】の「SEQ ID NO:109」は、訂正事項1に係る明細書の段落【0849】の「(表17)抗体25A-CDR配列」において、IMGTによるVHCDR3のアミノ酸配列として記載されているアミノ酸配列である。
そして、訂正事項1は、明細書の段落【0849】の「(表17)抗体25A-CDR配列」に記載されたIMGTによるVHCDR3のアミノ酸配列、すなわち「SEQ ID NO:109」において12番目に記載された「T(Thr)」を「Y(Tyr)」に訂正するものである。
そうすると、訂正事項5は、実質的に訂正事項1と同じである。
したがって、上記1(1)イで説示したのと同様に、訂正事項5は、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものである。
(2)外国語書面に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記(1)で説示したとおり、訂正事項5は、誤記を訂正するものであって、本件訂正の前後でその意図する技術的事項は変わらないから、外国語書面に記載した事項の範囲内の訂正であることは明らかである。
よって、訂正事項5は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
上記(1)で説示したとおり、訂正事項5は、誤記を訂正するものであって、本件訂正の前後でその意図する技術的事項は変わらないし、カテゴリーや対象、目的を変更するものでもないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
6 訂正事項6について
(1)訂正の目的について
ア 発明の詳細な説明の記載
(ア)CDRと可変領域との関係について、発明の詳細な説明には、上記1(1)ア(ア)で示した事項が記載されている。
(イ)訂正事項6について、発明の詳細な説明には、上記2(1)ア(イ)で示した事項が記載されている。
イ 判断
訂正事項6は、明細書の【配列表】の「SEQ ID NO:147」において12番目に記載された「Thr」を「Tyr」に訂正するものである。
ここで、訂正事項6に係る明細書の【配列表】の「SEQ ID NO:147」は、訂正事項2に係る明細書の段落【0850】の「(表18)抗体25A3-CDR配列」において、IMGTによるVHCDR3のアミノ酸配列として記載されているアミノ酸配列である。
そして、訂正事項2は、明細書の段落【0850】の「(表18)抗体25A3-CDR配列」に記載されたIMGTによるVHCDR3のアミノ酸配列、すなわち「SEQ ID NO:147」において12番目に記載された「T(Thr)」を「Y(Tyr)」に訂正するものである。
そうすると、訂正事項6は、実質的に訂正事項2と同じである。
したがって、上記2(1)イで説示したのと同様に、訂正事項6は、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものである。
(2)外国語書面に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記(1)で説示したとおり、訂正事項6は、誤記を訂正するものであって、本件訂正の前後でその意図する技術的事項は変わらないから、外国語書面に記載した事項の範囲内の訂正であることは明らかである。
よって、訂正事項6は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
上記(1)で説示したとおり、訂正事項6は、誤記を訂正するものであって、本件訂正の前後でその意図する技術的事項は変わらないし、カテゴリーや対象、目的を変更するものでもないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
7 訂正事項7について
(1)訂正の目的について
ア 発明の詳細な説明の記載
(ア)CDRと可変領域との関係について、発明の詳細な説明には、上記1(1)ア(ア)で示した事項が記載されている。
(イ)訂正事項7について、発明の詳細な説明には、上記3(1)ア(イ)で示した事項が記載されている。
イ 判断
訂正事項7は、明細書の【配列表】のSEQ ID NO:185において12番目に記載された「Thr」を「Tyr」に訂正するものである。
ここで、訂正事項7に係る明細書の【配列表】の「SEQ ID NO:185」は、訂正事項3に係る明細書の段落【0851】の「(表19a)抗体25A5-CDR配列」において、IMGTによるVHCDR3のアミノ酸配列として記載されているアミノ酸配列である。
そして、訂正事項3は、明細書の段落【0851】の「(表19a)抗体25A5-CDR配列」に記載されたIMGTによるVHCDR3のアミノ酸配列(SEQ ID NO:185)において12番目に記載された「T(Thr)」を「Y(Tyr)」に訂正するものである。
そうすると、訂正事項7は、実質的に訂正事項3と同じである。
したがって、上記3(1)イで説示したのと同様に、訂正事項7は、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものである。
(2)外国語書面に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記(1)で説示したとおり、訂正事項7は、誤記を訂正するものであって、本件訂正の前後でその意図する技術的事項は変わらないから、外国語書面に記載した事項の範囲内の訂正であることは明らかである。
よって、訂正事項7は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
上記(1)で説示したとおり、訂正事項7は、誤記を訂正するものであって、本件訂正の前後でその意図する技術的事項は変わらないし、カテゴリーや対象、目的を変更するものでもないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
8 訂正事項8について
(1)訂正の目的について
ア 発明の詳細な説明の記載
(ア)CDRと可変領域との関係について、発明の詳細な説明には、上記1(1)ア(ア)で示した事項が記載されている。
(イ)訂正事項8について、発明の詳細な説明には、上記4(1)ア(イ)で示した事項が記載されている。
イ 判断
訂正事項8は、明細書の【配列表】のSEQ ID NO:916において12番目に記載された「Thr」を「Tyr」に訂正するものである。
ここで、訂正事項8に係る明細書の【配列表】の「SEQ ID NO:916」は、訂正事項4に係る明細書の段落【0852】の「(表19b)抗体25A5-T-CDR配列」において、IMGTによるVHCDR3のアミノ酸配列として記載されているアミノ酸配列である。
そして、訂正事項4は、明細書の段落【0852】の「(表19b)抗体25A5-T-CDR配列」に記載されたIMGTによるVHCDR3のアミノ酸配列(SEQ ID NO:185)において12番目に記載された「T(Thr)」を「Y(Tyr)」に訂正するものである。
そうすると、訂正事項8は、実質的に訂正事項4と同じである。
したがって、上記4(1)イで説示したのと同様に、訂正事項8は、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものである。
(2)外国語書面に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記(1)で説示したとおり、訂正事項8は、誤記を訂正するものであって、本件訂正の前後でその意図する技術的事項は変わらないから、外国語書面に記載した事項の範囲内の訂正であることは明らかである。
よって、訂正事項8は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
上記(1)で説示したとおり、訂正事項8は、誤記を訂正するものであって、本件訂正の前後でその意図する技術的事項は変わらないし、カテゴリーや対象、目的を変更するものでもないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
9 訂正事項1~8についての独立特許要件について
上記1~8で検討したとおり、訂正事項1~8に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する、誤記又は誤訳の訂正を目的とするものであるから、本件訂正後の請求項1~15に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものでなければならない。
そこで、検討すると、特許請求の範囲の請求項1~15に記載されている事項により特定される発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由は見いだせないから、訂正事項1~8は、特許法第126条第7項の規定に適合するものである。
第4 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書き第2号に掲げる事項を目的とし、かつ同条第5項ないし第7項に規定される要件に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2025-390111