特許異議申立
2024-701205
電子レンジ調理用組成物
- 審判番号
- 2024-701205
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2019-141345
- 登録番号
- 7502005
- 請求日
- 2024年12月17日
- 審決日
- 2025年04月28日
- 公報発行日
- 2025年05月30日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】ハウス食品株式会社
- 【権利者代理人】▲吉▼田 和彦
- 【権利者代理人】須田 洋之
- 【権利者代理人】山崎 一夫
- 【権利者代理人】服部 博信
- 【権利者代理人】松田 七重
- 【異議申立人】細田 浩一
- 審判長/審判官
- 審判長 柴田 昌弘
- 審判官 加藤 友也
- 審判官 松本 陶子
- 分類
- P1651.113-Y (A23L) / P1651.121-Y (A23L) / P1651.537-Y (A23L)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法36条6項1号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第1号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7502005号発明「電子レンジ調理用組成物」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第7502005号の請求項1~10に係る特許を維持する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7502005号(以下、「本件特許」という。)の請求項1~10に係る特許についての出願は、
令和 1年 7月31日の出願であって、
令和 6年 6月10日にその特許権の設定登録(請求項の数10)がされ、
令和 6年 6月18日に特許掲載公報が発行され、
その後、その特許に対し、
令和 6年12月17日に特許異議申立人 細田 浩一(以下、「特許異議申立人」という。)から特許異議の申立て(対象請求項:全請求項)がされたものである。
第2 本件特許発明
本件特許の請求項1~10に係る発明(以下、順に「本件特許発明1」のようにいう。)は、それぞれ、本件特許の願書に添付した特許請求の範囲の請求項1~10に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。
「【請求項1】
増粘多糖類と、
油脂と、
を含み、
前記増粘多糖類が、キサンタンガム、ウェランガム、グアガム、タマリンドシードガム、ジェランガム、カラギーナン、及びローカストビーンガムからなる群から選択される少なくとも一種であり、
前記増粘多糖類の含有量が、0.5~5.0質量%であり、
前記油脂の含有量が、前記増粘多糖類1質量部に対して、1~100質量部である、電子レンジ調理用固体状組成物。
【請求項2】
前記油脂の含有量が、前記増粘多糖類1質量部に対して、1~50質量部である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記増粘多糖類の含有量が1.0~5.0質量%である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物が粉末ルウであり、
前記油脂の含有量が、5~50質量%である、請求項1乃至3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物が固形ルウであり、
前記油脂の含有量が、10~98質量%である、請求項1乃至3のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
前記増粘多糖類が、キサンタンガム及びウェランガムからなる群から選択される少なくとも一種である、請求項1乃至5のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
さらに、澱粉を含む、請求項1乃至6のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
前記澱粉の含有量が、1~30質量%である、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記増粘多糖類1質量部に対して、前記澱粉が0.5~15質量部である、請求項7又は8に記載の組成物。
【請求項10】
電子レンジ加熱調理後における60℃での粘度が60~15000(mPa・s)であるスープを調製するために使用される、請求項1乃至9のいずれかに記載の組成物。」
第3 特許異議申立書に記載した特許異議申立理由の概要
令和 6年12月17日に特許異議申立人が提出した特許異議申立書(以下、「特許異議申立書」という。)に記載した申立ての理由の概要は次のとおりである。なお、判断の便宜上、進歩性に関する申立理由については、主引用文献となる証拠毎に申立理由を整理した。
1 申立理由1(甲第1号証に基づく新規性)
本件特許の請求項1~10に係る発明は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の甲第1号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができないものであるから、それらの発明に係る特許は、同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。
2 申立理由2(甲第1号証に基づく進歩性)
本件特許の請求項1~10に係る発明は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の甲第1号証に記載された発明に基いて、本件特許の出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、それらの発明に係る特許は、同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。
3 申立理由3(甲第3号証に基づく進歩性)
本件特許の請求項1~10に係る発明は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の甲第3号証に記載された発明に基いて、本件特許の出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、それらの発明に係る特許は、同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。
4 申立理由4(サポート要件)
本件特許の請求項1~10に係る特許は、以下のとおり、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない出願に対してされたものであるから、同法第113条第4号に該当し、取り消すべきものである。
・「本件発明の解決しようとする課題は、上記本件明細書記載事項(5-1)によれば、溶け残りなく十分なとろみを有するスープを得ることができる電子レンジ調理用組成物を提供することである。
しかしながら、本件特許発明1は、特定の増粘多糖類と油脂を所定量含む固形状組成物であるのに対して、本件発明の課題が解決できることが本件明細書に記載されているのは、さらにデキストリンを多量に含むものだけである。
デキストリンについて、本件明細書記載事項(5-3)には、「組成物中における各成分の含有量を調整するための希釈剤として用いることができる。」と記載されているが、甲第1号証、または甲第4、5号証に記載のように、デキストリンが固形ルーにおいて、増粘効果や熱水への溶解性を高めるために用いられることは、本件出願時の技術常識である。
したがって、デキストリンを含むことが特定されていない本件特許発明1~10は、本件明細書にその課題を解決できることが記載されておらず、また、本件出願時の技術常識を参酌してもその課題を解決できることを当業者が認識できるように本件明細書に記載されていないから、サポート要件を満たさない。」(特許異議申立書第17~18頁)
5 証拠方法
・甲第1号証:特開平10-75号公報
・甲第2号証:「でん粉などを原料とするとろみ調整食品の利用について」、白尾 美佳、独立行政法人農畜産業振興機構、砂糖類・でん粉情報2019.3、第2~5頁、URL: https://www.alic.go.jp/content/001161714.pdf
・甲第3号証:特開2012-170403号公報
・甲第4号証:特開2006-345856号公報
・甲第5号証:特開2006-109786号公報
なお、証拠の表記は、特許異議申立書及び証拠説明書の記載におおむね従った。以下、順に「甲1」のようにいう。
第4 当審の判断
当審は以下に述べるように、申立理由1~4によっては、本件特許を取り消すことはできないと判断する。
1 申立理由1及び2(甲1に基づく新規性・進歩性)について
(1)甲1の記載事項等
ア 甲1の記載事項
甲1には、「電子レンジ調理用ルウ食品及び該ルウ食品を用いた食品の調理方法」に関し、おおむね次の事項が記載されている。
・「【特許請求の範囲】
【請求項1】 生及び/又は茹でた具材と一緒に用いて電子レンジで加熱調理するためのルウ食品であって、香味成分を溶解した油脂相中に、調味料と増粘剤が分散していることを特徴とする電子レンジ調理用ルウ食品。
【請求項2】 生及び/又は茹でた具材と一緒に用いて電子レンジで加熱調理するためのルウ食品であって、油脂相中に、香味成分の包摂体及び/又はカプセル、調味料と増粘剤とが分散していることを特徴とする電子レンジ調理用ルウ食品。
【請求項3】 生及び/又は茹でた具材と一緒に用いて電子レンジで加熱調理するためのルウ食品であって、調味料と増粘剤とを溶解してなる水性相が、香味成分を溶解した油脂相中に乳化分散していることを特徴とする電子レンジ調理用ルウ食品。
【請求項4】 さらに香味成分が油脂相に溶解してなる請求項2又は3記載のルウ食品。
【請求項5】 酸化防止剤が油脂中に溶解してなる請求項1~3のいずれか1項記載のルウ食品。
【請求項6】 酸化防止剤が水性相中に溶解してなる請求項3記載のルウ食品。
【請求項7】 香味成分が、カレー、シチュー、ソース又はスープ用香味成分である請求項1~6のいずれか1項記載のルウ食品。
【請求項8】 乳化剤を含有する請求項3記載のルウ食品。
【請求項9】 液状、ペースト状、粉末又は顆粒の形態にある請求項1~8のいずれか1項記載のルウ食品。
【請求項10】 香味成分の汁液、エキス、フレーバー、オイル、ブイヨンから選ばれる少なくとも1つが含まれる請求項1~9のいずれか1項記載のルウ食品。」
・「【0002】一方、近年、電子レンジの普及が著しく、各種食品を加熱したり、又は調理するのに広く用いられてきている。そして、ルウに肉や野菜等と水を加えて電子レンジで加熱調理することも一部料理書等で提案されているが、実際には、これまでに販売されている従来のルウを用いて電子レンジで調理したカレー等は香味に乏しく、淡泊な風味のものとなるとの問題がある。
これは、確証は得られていないが、従来の鍋を用いる直火法と電子レンジでの調理との間の次に示す差異:
○1(当審注:○1は、1を○で囲んだ記号である。以下、同様。)従来の鍋を用いる直火法では、生や茹でた肉や野菜等の食材とルウがじっくりと煮込まれることで、両者の香味が融合されて好ましい香味が発現するが、電子レンジ調理では加熱時間が短く、食品内部で対流が起こらないため、食材とルウの香味が融合されにくいこと、
○2従来の鍋を用いる直火法では、直火型の加熱で食品が高温となるため、メーラード反応や褐変反応等によって加熱による香味が得られるが、電子レンジ調理ではこれが期待できないこと、及び
○3局部的に高温加熱される電子レンジ加熱の特性から、香味成分が逸散しやすいこと
によると考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、生及び/又は茹でた具材と一緒に用いて電子レンジで加熱調理する場合に、香味の優れた食品をつくることができる電子レンジ調理用ルウ食品を提供することを目的とする。本発明は、又、香味の優れた食品を電子レンジで調理できる調理方法を提供することを目的とする。」
・「【0007】本発明において油脂相を形成する油脂としては、融点が5℃以下、好ましくは-10℃以下の油脂があげられる。このうち、植物油脂を用いるのが好ましい。具体的には、パーム油、綿実油、大豆油、コーン油等の植物油脂を用いるのが好ましい。上記の油脂を用いることで加水して調理する際に溶解性、分散性が向上する。油脂の量は、油脂を主原料とする従来型のルウ食品を得る場合には、ルウ食品中25~40重量%(以下、%と略称する)とするのが好ましく、より好ましくは30~35%であり、低脂肪でサラリとした呈味のルウ食品を得る場合には、2~10%、好ましくは5~8%が適当である。」
・「【0011】本発明で用いる電子レンジで加熱調理する場合に食品に適正な粘性(とろみ)を付与するための増粘剤としては、各種澱粉や小麦粉、アラビアガム、キサンタンガム、グアガム、ローカストビーンガム等のガム質、乳タンパク(乳カゼイン)、ゼラチン、グルテン、ペクチン、デキストリン等の蛋白質や糖類、及び繊維質などがあげられる。これらは一種又は二種以上の混合物として用いることができる。」
・「【0013】小麦粉、その他の澱粉を使用する場合には、10~40%、好ましくは20~35%、ガム質等の増粘性物質を使用する場合には0.1~10%、好ましくは0.3~5%、繊維質等を使用する場合には40~75%、好ましくは45~65%の量が好ましい。」
・「【0015】例えば、ルウ食品がカレー等のルウである場合は、油脂と小麦粉とを100~140°C程度に加熱混合して小麦粉ルウを作った後に、上記各種原料等を加えて製造することができる。本発明の電子レンジ調理用ルウ食品としては、電子レンジで用いるときに、食品の粘度(B型粘度計で測定)を、加熱中に約2000cp未満とし、喫食時に約500~1000cp、特に増粘剤として繊維質を用いたものでは、約500~800cpとできるものが好ましい。」
・「【0020】実施例4
ラード20部に小麦粉部40部を、約110℃で約30分間加熱混合して小麦粉ルウを製造した。又、カレーオイル1部及びβ-サイクロデキストリン10部を加えて混合し、香味成分を包摂した組成物を製造した。前記の小麦粉ルウに、食塩12部、砂糖12部、カレー粉5部、調味料6部、香味成分を包摂した組成物5部を加えて約95℃で約30分間加熱混合し、これを押し出し造粒機にかけて造粒した後、熱風乾燥して顆粒状の電子レンジ調理用のカレールウを製造した。上記カレールウを用いて実施例2と同様に電子レンジを用いてカレーを調理したところ豊かな香味と旨味を有する高品質のものであった。」
イ 甲1に記載された発明
上記アの記載のうち、請求項1及び9を中心にまとめると、甲1には次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されていると認める。
<甲1発明>
「生及び/又は茹でた具材と一緒に用いて電子レンジで加熱調理するためのルウ食品であって、香味成分を溶解した油脂相中に、調味料と増粘剤が分散していて、液状、ペースト状、粉末又は顆粒の形態にある電子レンジ調理用ルウ食品。」
(2)検討
ア 本件特許発明1について
本件特許発明1と甲1発明とを対比する。
甲1発明の「電子レンジ調理用ルウ食品」のうち、「粉末又は顆粒の形態」からなるものは、本件特許発明1の「電子レンジ調理用固体状組成物」に相当する。
また、甲1発明は「油脂相」を有するものであるから、本件特許発明1の「油脂」「を含む、」を満たすものである。
そうすると、本件特許発明1と甲1発明との一致点及び相違点は以下のとおりである。
<一致点>
「油脂を含む、電子レンジ調理用固体状組成物。」
<相違点1-1>
増粘剤について、本件特許発明1は「増粘多糖類」であり、「前記増粘多糖類が、キサンタンガム、ウェランガム、グアガム、タマリンドシードガム、ジェランガム、カラギーナン、及びローカストビーンガムからなる群から選択される少なくとも一種」であることが特定されているのに対し、甲1発明の「増粘剤」は、そのようには特定されていない点。
<相違点1-2>
本件特許発明1では「増粘多糖類の含有量が、0.5~5.0質量%であり、前記油脂の含有量が、前記増粘多糖類1質量部に対して、1~100質量部である」ことが特定されているのに対し、甲1発明では、そのようには特定されていない点。
相違点1-1について検討する。
甲1発明における「増粘剤」として、キサンタンガム、ウェランガム、グアガム、タマリンドシードガム、ジェランガム、カラギーナン、及びローカストビーンガムからなる群から選択される少なくとも一種からなる増粘多糖類を用いることは記載されていないから、上記相違点1-1は実質的な相違点であり、本件特許発明1は甲1発明ではない。
また、甲1の【0011】には、多数の増粘剤が例示されているものの、その中から、キサンタンガム、グアガム及びローカストビーンガムの少なくとも一種からなる増粘剤を積極的に採用する動機付けとなる記載はない。
さらに、本件明細書の発明の詳細な説明における実施例1~14及び比較例1~2の記載によれば、キサンタンガム等の増粘多糖類を使用した実施例1~14では、溶け残りなくスープにとろみが付与されたものの、キサンタンガム等の増粘多糖類を使用せずに澱粉及びデキストリンのみを使用した比較例1~2では、スープにとろみが付与されなかったことが確認されている。すなわち、本件特許発明1は、数ある増粘剤の中でも特にキサンタンガム等の増粘多糖類を用いることによって、「溶け残りなく十分なとろみを有するスープを得ることができる、電子レンジ調理用組成物を提供する」という効果を得るものであるが、そのような効果は、甲1及び他の証拠の記載から当業者が予測できるものとはいえない。
したがって、甲1発明において、相違点1-1に係る本件特許発明1の発明特定事項を満たすものとすることは、当業者が容易になし得たこととはいえない。
よって、他の相違点について検討するまでもなく、本件特許発明1は、甲1発明並びに甲1及び他の証拠に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
なお、特許異議申立人は特許異議申立書において、上記相違点1-1について、以下のとおりの主張をしている。
・「甲1発明は、本件特許発明1の上位概念で発明を表現したものである。
ここで、審査基準には、「先行技術を示す証拠が上位概念で発明を表現している場合、下位概念で表現された発明を引用発明として認定しない。ただし、技術常識を参酌することにより、下位概念で表現された発明が導き出される場合には、審査官は、下位概念で表現された発明を引用発明として認定することができる。」とある。
そこで、本願出願時の技術常識として、甲第2号証として示した電子情報を参酌すると、食品にとろみを付与する原料の代表が、でん粉、カラギーナン、グアーガム、キサンタンガムである以上、甲1発明から、増粘剤としてガム質を選択する下位概念で表現された発明は、当業者が導き出せることである。
したがって、本件特許発明1は、甲第1号証の記載から把握される発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。」(特許異議申立書第15~16頁(7-2)相違点についての検討)
しかしながら、甲1には、【0011】等に極めて広範囲な増粘剤が例示されており、甲1発明の増粘剤として、キサンタンガム等の本件特許発明1で用いる増粘多糖類が導き出せるとはいえない。
そして、上記のとおり、甲1には、【0011】に例示された多数の増粘剤の中から、ガム質の増粘剤を選択する動機付けとなる記載や実施例もなく、甲2においても、複数の増粘剤が列記されているのみであり、ガム質の増粘剤を積極的に採用する示唆や動機付けとなる記載はない。
そうすると、甲1発明が、ガム質の増粘剤を含む上位概念で表現された発明であっても、キサンタンガム等の増粘多糖類が記載されているとはいえないし、数ある増粘剤の中からガム質を選択することは当業者にとって容易とは言えず、また、ガム質の増粘剤を選択することによって得られる上記効果を予測できるとはいえない。
したがって、特許異議申立人の上記主張は採用できない。
イ 本件特許発明2~10について
本件特許発明2~10は、請求項1を直接又は間接的に引用して特定するものであって、本件特許発明1の発明特定事項を全て備えるものであるから、本件特許発明1と同様に判断される。
よって、本件特許発明2~10は、甲1発明ではなく、また、甲1発明並びに甲1及び他の証拠に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(3)申立理由1及び2のまとめ
上記のとおり、本件特許発明1~10は、特許法第29条第1項第3号に該当又は同法同条第2項の規定により特許を受けることができないものであるとはいえないから、申立理由1及び2の理由では、本件特許の請求項1~10に係る特許を取り消すことはできない。
2 申立理由3(甲3に基づく進歩性)について
(1)甲3の記載事項等
ア 甲3の記載事項
甲3には、「凍結乾燥カレー及びその製造方法」に関し、おおむね次の事項が記載されている。
・「【背景技術】
【0002】
カレーの粘度付与にはでん粉が使用されるが、でん粉を含むカレーソースを凍結乾燥するとでん粉の老化により湯戻りが悪くなる不具合があった。
【0003】
特許文献1は、油脂性食品が、凍結乾燥食品に含浸された食品を開示し、栄養強化機能成分を含有する食品であるが、凍結乾燥カレーについての開示はない。
【0004】
凍結乾燥工程後に、湯戻し後の粘度付与を目的として油脂性素材にでん粉を配合する場合、多量に配合する必要があり、食品にでん粉臭が発生してしまい風味が悪くなる。
【0005】
特許文献2は、野菜ペーストを含む凍結乾燥カレーを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008-237102
【特許文献2】特開2009-273410
【発明の概要】【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、湯戻りが良好で、好適な粘度を有する凍結乾燥カレーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記課題に鑑み検討を重ねた。
【0009】
凍結乾燥前のカレーに増粘剤を添加して粘度を付与し、食用油脂の分離を抑制した場合、凍結乾燥カレーにお湯を注ぐだけでは、増粘剤がα化せず、ダマダマになるために増粘しなかった(比較例8~10)。
【0010】
一方、凍結乾燥後に好適な粘度を発現する量の増粘剤を添加すると、湯戻し時に糸引き性があり(比較例3~7)、糸引き性がない程度の量で増粘剤を付与した場合、好適な粘度が得られなかった(比較例1~2)。
【0011】
粘性を付与するために凍結乾燥前のカレーベースにでん粉を配合すると、湯戻しが悪くなる欠点がある。
【0012】
本発明者はさらに検討を重ねた結果、野菜ペーストで粘度を付けた凍結乾燥カレー本体に、食用油脂と増粘剤を含む分散液を含浸又は塗布することで、湯戻りが良好で、好適な粘度を有し、かつ、糸引き性のない凍結乾燥カレーが得られることを見出した。」
・「【0018】
増粘剤としては、キサンタンガム、ジェランガム、カラギーナン、ゼラチン、グアガムなどが挙げられ、これらを単独で、或いは2種以上を混合して使用することができる。好ましい増粘剤は、キサンタンガム、グアガムである。」
・「【0023】
食用油脂は、凍結乾燥カレー製品に対し1質量%~50質量%、好ましくは5質量%~40質量%含まれる。食用油脂は5質量%以上であることが良好な食味の凍結乾燥カレーを得るために好ましい。」
・「【実施例】
【0031】
以下に、本発明について、具体的に実施例、及び比較例を挙げてさらに詳しく説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
実施例1~2及び比較例1~10
凍結真空乾燥に供する前のカレーを次の要領で作製した。
【0032】
(実施例のカレーソース1の作製)
まず、ラード4重量部を100℃まで加熱し、カレー粉2.0重量部を加えて120℃まで加熱した。さらに、砂糖3重量部、食塩0.5重量部、カラメル色素0.2重量部、香辛料0.2重量部を加えて撹拌を行い、カレールウとした。こうして得たカレールウを100℃以下まで降温させた後、チキンエキス1重量部、カツオエキス1重量部、野菜ペースト21.6重量部(生姜ペースト2.0重量部、にんにくペースト0.6重量部、トマトペースト5.0重量部、オニオンペーストA7.0重量部、オニオンペーストB7.0重量部)、10mm×10mmにカット後90℃2分間のボイル処理を行った玉ねぎ28.0重量部、さらに、トータルで100重量部となるように水を加えて、90℃達温まで加熱撹拌を行い、カレーソース1を作製した。
【0033】
なお、オニオンペーストAは減圧濃縮法で製造された食物繊維含有率5%のオニオンペーストである。オニオンペーストBは、ダイサーで5mm×5mmにカット後、加熱撹拌によってペースト化された食物繊維含有率1.5%のオニオンペーストである。
【0034】
(実施例の凍結真空乾燥カレーの作製)
以上のようにして仕上げたカレーソース1は、5cm×5cm×2cmのプラスチックトレーに充填を行い、-20℃の冷凍庫に48時間保管して、完全に凍結させた。その後、東洋製作所の凍結真空乾燥機VF-350を用いて乾燥を行い、凍結真空乾燥カレーを得、表1の添加剤を含浸させる事で、実施例1~2のサンプルを作製した。
【0035】
(比較例のカレーソース2の作製)
まず、ラード4重量部を100℃まで加熱し、カレー粉2.0重量部を加えて120℃まで加熱した。さらに、砂糖3重量部、食塩0.5重量部、カラメル色素0.2重量部、香辛料0.2重量部を加えて撹拌を行い、カレールウとした。こうして得たカレールウを100℃以下まで降温させた後、チキンエキス1重量部、カツオエキス1重量部、オニオンエキス21.6重量部、10mm×10mmにカット後90℃2分間のボイル処理を行った玉ねぎ28.0重量部、さらに、トータルで100重量部となるように水を加えて、90℃達温まで加熱撹拌を行い、カレーソース2を作製した。
【0036】
なお、オニオンエキスは、玉ねぎを摩砕、加熱後に、搾汁したものを濾過し、加熱殺菌後にブリックス60以上まで濃縮したものである。」
・「【0041】
【表1】
[図:0001422468000001.jpg]
」
・「【0044】
(評価例)
表4に実施例1~2、比較例1~10の評価例を示す。
(評価方法)
作製したカレーサンプルを、熱湯130ccで湯戻し後、即座に28℃まで冷却して粘度の測定を行った。粘度は、目開き5mmのメッシュで玉ねぎを除去した後に、東機産業(株)製 B型粘度計DVL-BII、ローターNo.3を用いて、撹拌速度30rpm、測定開始後30秒の粘度を測定結果とした。
【0045】
湯戻りの状態は、熱湯投入した後、30秒間撹拌後にダマがない場合を○、ダマがある場合を×とした。官能粘度の評価は、カレーとして好ましい粘度がある場合を○、糸引き性など違和感がある場合を×、粘度が足りない場合を××とした。
総合評価は、5名のパネルにより評価を行い、とても好ましい場合を◎、好ましい場合を○、好ましくない場合を×、とした。」
イ 甲3に記載された発明
上記アの記載のうち、実施例2を中心にまとめると、甲3には次の発明(以下、「甲3発明」という。)が記載されていると認める。
<甲3発明>
「ラード4重量部を100℃まで加熱し、カレー粉2.0重量部を加えて120℃まで加熱し、さらに、砂糖3重量部、食塩0.5重量部、カラメル色素0.2重量部、香辛料0.2重量部を加えて撹拌を行い、カレールウとし、こうして得たカレールウを100℃以下まで降温させた後、チキンエキス1重量部、カツオエキス1重量部、野菜ペースト21.6重量部(生姜ペースト2.0重量部、にんにくペースト0.6重量部、トマトペースト5.0重量部、オニオンペーストA7.0重量部、オニオンペーストB7.0重量部)、10mm×10mmにカット後90℃2分間のボイル処理を行った玉ねぎ28.0重量部、さらに、トータルで100重量部となるように水を加えて、90℃達温まで加熱撹拌を行い、作製したカレーソース1を、5cm×5cm×2cmのプラスチックトレーに充填を行い、-20℃の冷凍庫に48時間保管して、完全に凍結させ、その後、東洋製作所の凍結真空乾燥機VF-350を用いて乾燥を行い、凍結真空乾燥カレーを得、表1の実施例2の添加剤を含浸させる事で作製したものであって、熱湯130ccで湯戻し後、即座に28℃まで冷却する、カレーサンプル。
【表1】
[図:0001422468000002.jpg]
」
(2)検討
ア 本件特許発明1について
本件特許発明1と甲3発明とを対比する。
甲3発明は「キサンタンガム」を含むものであるから、本件特許発明1の「増粘多糖類と、」「を含み、」「前記増粘多糖類が、キサンタンガム、ウェランガム、グアガム、タマリンドシードガム、ジェランガム、カラギーナン、及びローカストビーンガムからなる群から選択される少なくとも一種であり、」を満たすものである。
また、甲3発明は「植物油脂」を含むものであるから、本件特許発明1の「油脂と、を含み、」を満たすものである。
さらに、甲3発明における増粘多糖類の含有量は、約0.73質量%(=0.75/(100+2.5+0.75))であり、油脂の含有量は、増粘多糖類1質量部に対して約3.3質量部(=2.5/0.75)であるから、本件特許発明1の「前記増粘多糖類の含有量が、0.5~5.0質量%であり、前記油脂の含有量が、前記増粘多糖類1質量部に対して、1~100質量部である、」を満たしている。
そして、甲3発明の「カレーサンプル」は、「作製したカレーソース1を、5cm×5cm×2cmのプラスチックトレーに充填を行い、-20℃の冷凍庫に48時間保管して、完全に凍結させ、その後、東洋製作所の凍結真空乾燥機VF-350を用いて乾燥を行い、凍結真空乾燥カレーを得、表1の実施例2の添加剤を含浸させる事で作製したもの」であり、固体であることは明らかであるから、本件特許発明1の「固体状組成物」に相当する。
そうすると、本件特許発明1と甲3発明との一致点及び相違点は、以下のとおりである。
<一致点>
「増粘多糖類と、油脂と、を含み、前記増粘多糖類が、キサンタンガム、ウェランガム、グアガム、タマリンドシードガム、ジェランガム、カラギーナン、及びローカストビーンガムからなる群から選択される少なくとも一種であり、前記増粘多糖類の含有量が、0.5~5.0質量%であり、前記油脂の含有量が、前記増粘多糖類1質量部に対して、1~100質量部である、固体組成物。」
<相違点3>
「固体組成物」について、本件特許発明1では「電子レンジ調理用」であることが特定されているのに対し、甲3発明では、そのようには特定されていない点。
相違点3について検討する。
甲3発明は、「熱湯130ccで湯戻し」して用いるものであり、甲3の【0002】~【0011】の記載からも、湯戻し調理することを前提とした発明であると認められ、また、甲3及び他の証拠には、甲3発明の湯戻し調理に代えて電子レンジ調理とすることを示唆した記載や動機付けとなる記載はない。
また、甲1の【0002】や、本件特許の先行技術文献である特開2013-150596号公報の【0003】を参照すると、本件特許の出願時において、固形ルウを湯戻しではなく電子レンジ調理した際には食味が劣ることが当業者に知られていたと認められるところ、本件特許発明1は、「溶け残りなく十分なとろみを有するスープを得ることができる、電子レンジ調理用組成物が提供される」(【0009】)という効果を得るものであり、そのような効果は、甲3及び他の証拠の記載から当業者が予測できるものとはいえない。
したがって、甲3発明において、相違点3に係る本件特許発明1の発明特定事項を満たすものとすることは、当業者が容易になし得たこととはいえない。
よって、本件特許発明1は、甲3発明並びに甲3及び他の証拠に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
なお、特許異議申立人は特許異議申立書において、上記相違点3について、「本件出願前に、凍結乾燥食品をお湯で戻す際に電子レンジ調理することは必要に応じて適宜行われており、また、甲第3号証の記載から電子レンジ調理する阻害要因もみいだせないから、上記相違点は、当業者が必要に応じて適宜なし得たことにすぎない。」(特許異議申立書第17頁)と主張しているものの、凍結乾燥食品を湯戻しする際に電子レンジ調理することが本件特許の出願前に知られたものであったとしても、上記のとおり、甲3発明の湯戻し調理に代えて電子レンジ調理とすることの動機付けが見出せないし、また、その際に本件特許発明と同様の効果が得られるという証拠を示すものでもない。
したがって、特許異議申立人の上記主張は採用できない。
イ 本件特許発明2~10について
本件特許発明2~10は、請求項1を直接又は間接的に引用して特定するものであって、本件特許発明1の発明特定事項を全て備えるものであるから、本件特許発明1と同様に判断される。
よって、本件特許発明2~10は、甲3発明並びに甲3及び他の証拠に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(3)申立理由3のまとめ
上記のとおり、本件特許発明1~10は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるとはいえないから、申立理由3の理由では、本件特許の請求項1~10に係る特許を取り消すことはできない。
3 申立理由4(サポート要件)について
(1)サポート要件の判断基準
特許請求の範囲の記載が、サポート要件に適合するか否かは、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し、特許請求の範囲に記載された発明が、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断すべきものである。
(2)特許請求の範囲の記載
上記第2のとおりである。
(3)サポート要件についての判断
本件特許発明1~10の課題(以下、「本件発明の課題」という。)は、「溶け残りなく十分なとろみを有するスープを得ることができる、電子レンジ調理用組成物を提供することにある。」(【0006】)であり、本件明細書の発明の詳細な説明には、「本発明者らは、増粘多糖類と、油脂とを含む組成物を用いることで、上記課題を解決することができることを見出し、本発明に至った」(【0008】)ことが記載されている。
また、【0011】~【0012】には電子レンジ調理用組成物は増粘多糖類と油脂とを含んだものであり、組成物の形態は固形状が好ましいことが記載され、【0013】には増粘多糖類の種類と、増粘多糖類の含有量を0.5~5.0質量%とすることで、多くの食品においてふさわしい程度のとろみをスープに付与することができることが記載され、【0014】~【0015】には油脂の種類と、油脂の含有量が増粘多糖類1質量部に対して1~100質量部であり、増粘多糖類に対する油脂の含有量が大きいと得られるとろみが小さくなり、増粘多糖類に対する油脂の含有量が小さいと得られるとろみが大きくなることが記載され、【0021】には本実施形態に係る組成物の製造方法が記載され、【0022】には本実施形態に係る組成物の使用方法について、例えば、本実施形態に係る組成物を加えたカレーうどんについて、電子レンジ加熱によって、溶け残りなく適切なとろみを有するスープを含むことができることが記載され、【0026】~【0030】には、「スープのとろみ」、「スープの粘度」、及び「ダマの発生」の評価方法が記載されている。
また、【0024】~【0034】の実施例では、油脂及びキサンタンガム等の増粘多糖類を使用した実施例1~14では、溶け残りなくスープにとろみが付与されたものの、油脂、澱粉及びデキストリンを使用した比較例1~2では、スープにとろみが付与されなかったことが確認されており、また、組成物の形態が固形ルウの場合にも、特定の増粘多糖類を用いることにより、とろみのあるスープを、溶け残りなく、電子レンジによる加熱により得ることができることが確認されており、さらに、増粘多糖類の種類が異なるいずれの例においても、溶解性は良好であることが確認されている。
そうすると、これらの記載に接した当業者であれば、増粘多糖類と、油脂と、を含み、前記増粘多糖類が、キサンタンガム、ウェランガム、グアガム、タマリンドシードガム、ジェランガム、カラギーナン、及びローカストビーンガムからなる群から選択される少なくとも一種であり、前記増粘多糖類の含有量が、0.5~5.0質量%であり、前記油脂の含有量が、前記増粘多糖類1質量部に対して、1~100質量部である、電子レンジ調理用固体状組成物とすれば、本件発明の課題が解決できると認識できる。
そして、本件特許発明1~10は、いずれも、上記の発明の課題を解決できると認識できる電子レンジ調理用固体状組成分であるか、それをさらに限定するものである。
したがって、本件特許発明1~10は、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載により当業者が本件発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであり、特許請求の範囲の記載はサポート要件に適合する。
(4)特許異議申立人の主張について
特許異議申立人は、上記第3 4のとおり、デキストリンが含まれることが特定されていない本件特許発明1~10は、本件発明の課題を解決できると認識できるものではない旨を主張する。
しかしながら、上記(3)のとおり、本件特許の明細書全体の記載を参酌すれば、増粘多糖類と、油脂とを含み、成分の含有量が実施例を含む一定の数値範囲内にあり、発明の詳細な説明において好ましいとされている本件特許発明の数値範囲を満たす電子レンジ調理用固体状組成物であれば、本件発明の課題を解決できると認識できるものであるといえる。また、特許異議申立人は、デキストリンを含まない場合には課題が解決できないとする具体的な証拠を示すものでもないから、上記の特許異議申立人の主張はいずれも採用できない。
(5)申立理由4のまとめ
上記(3)及び(4)のとおりであるから、本件特許の請求項1~10に係る特許は、いずれも特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない出願に対してされたものであるとはいえないから、申立理由4の理由では、本件特許の請求項1~10に係る特許を取り消すことはできない。
第5 結語
以上のとおり、本件特許の請求項1~10に係る特許は、上記のいずれの特許異議申立理由によっても取り消すことはできない。
また、他に、これらの特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
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2024-701205