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特許異議申立

2024-701002

非栄養甘味料の味を改善する組成物及び方法

審判番号
2024-701002
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2022-109871
登録番号
7467540
請求日
2024年10月11日
審決日
2025年08月04日
公報発行日
2025年11月28日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】ペプシコ・インク
  • 【権利者代理人】松谷 道子
  • 【権利者代理人】櫻井 陽子
  • 【権利者代理人】笹倉 真奈美
  • 【異議申立人】金山 愼一
審判長/審判官
  • 審判長 天野 宏樹
  • 審判官 植前 充司
  • 審判官 宮久保 博幸
分類
P1651.113-XA (A23L) / P1651.121-XA (A23L) / P1651.537-XA (A23L) / P1651.536-XA (A23L)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法36条6項1号特許法113条4号特許法120条の8第1項特許法135条
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第4項、特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第1号、特許法第120条の5第5項、特許法第120条の5第2項、特許法第36条第6項第2号、特許法第120条の8第1項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7467540号発明「非栄養甘味料の味を改善する組成物及び方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7467540号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-22〕及び〔23-28〕について訂正することを認める。 特許第7467540号の請求項1ないし28に係る特許に対する特許異議申立を却下する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7467540号(以下、「本件特許」という。)についての出願は、2017年(平成29年)9月14日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2016年9月16日 (US)アメリカ合衆国)を国際出願日とする特願2019-514713号の一部を令和4年7月7日に新たな特許出願としたものであって、令和6年4月5日にその特許権の設定登録がなされ、同年同月15日に特許掲載公報が発行され、その後、その特許に対し、同年10月11日に特許異議申立人 金山 愼一(以下、「特許異議申立人」という。)から特許異議の申立て(対象請求項:請求項1ないし28)がされ、同年11月29日及び同年12月26日に特許異議申立人より上申書が提出され、令和7年1月6日に特許異議申立人より特許異議申立書に対する手続補正書が提出され、同年3月27日付けで取消理由が通知され、同年7月18日に特許権者 ペプシコ・インク(以下、「特許権者」という。)より訂正の請求(以下、「本件訂正請求」といい、本件訂正請求による訂正を「本件訂正」という。)がなされるとともに意見書の提出がされたものである。 なお、本件訂正は、後の第2に示すとおり、全ての請求項を削除するものであり、特許法第120条の5第5項ただし書の「特別な事情があるとき」にあたるから、特許異議申立人に意見書を提出する機会は与えないこととした。 第2 訂正の適否についての判断 1 請求の趣旨 本件訂正請求の趣旨は、「特許第7467540号の特許請求の範囲を、本訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~28について訂正することを求める。」というものである。 2 訂正の内容 本件訂正請求による訂正の内容は、以下のとおりである。 (1) 訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1を削除する。 (2) 訂正事項2 特許請求の範囲の請求項2を削除する。 (3) 訂正事項3 特許請求の範囲の請求項3を削除する。 (4) 訂正事項4 特許請求の範囲の請求項4を削除する。 (5) 訂正事項5 特許請求の範囲の請求項5を削除する。 (6) 訂正事項6 特許請求の範囲の請求項6を削除する。 (7) 訂正事項7 特許請求の範囲の請求項7を削除する。 (8) 訂正事項8 特許請求の範囲の請求項8を削除する。 (9) 訂正事項9 特許請求の範囲の請求項9を削除する。 (10) 訂正事項10 特許請求の範囲の請求項10を削除する。 (11) 訂正事項11 特許請求の範囲の請求項11を削除する。 (12) 訂正事項12 特許請求の範囲の請求項12を削除する。 (13) 訂正事項13 特許請求の範囲の請求項13を削除する。 (14) 訂正事項14 特許請求の範囲の請求項14を削除する。 (15) 訂正事項15 特許請求の範囲の請求項15を削除する。 (16) 訂正事項16 特許請求の範囲の請求項16を削除する。 (17) 訂正事項17 特許請求の範囲の請求項17を削除する。 (18) 訂正事項18 特許請求の範囲の請求項18を削除する。 (19) 訂正事項19 特許請求の範囲の請求項19を削除する。 (20) 訂正事項20 特許請求の範囲の請求項20を削除する。 (21) 訂正事項21 特許請求の範囲の請求項21を削除する。 (22) 訂正事項22 特許請求の範囲の請求項22を削除する。 (23) 訂正事項23 特許請求の範囲の請求項23を削除する。 (24) 訂正事項24 特許請求の範囲の請求項24を削除する。 (25) 訂正事項25 特許請求の範囲の請求項25を削除する。 (26) 訂正事項26 特許請求の範囲の請求項26を削除する。 (27) 訂正事項27 特許請求の範囲の請求項27を削除する。 (28) 訂正事項28 特許請求の範囲の請求項28を削除する。 (29) 一群の請求項について 訂正前の請求項1~4、10~22について、請求項2~4、10~22は請求項1を直接又は間接的に引用するものであるから、訂正前の請求項1~4、10~22に対応する訂正後の請求項1~4、10~22は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。 また、訂正前の請求項5~9、10~22について、請求項6~9、10~22は請求項5を直接又は間接的に引用するものであるから、訂正前の請求項5~9、10~22に対応する訂正後の請求項5~9、10~22は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。 そして、訂正前の請求項1~4、10~22と訂正前の請求項5~9、10~22は、請求項10~22が共通することから、組み合わされて、訂正前の請求項1~22に対応する訂正後の請求項1~22は、一群の請求項である。 また、訂正前の請求項23~28について、請求項24~28は請求項23を直接又は間接的に引用するものであるから、訂正前の請求項23~28に対応する訂正後の請求項23~28は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。 3 訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び、特許請求の範囲の拡張・変更の存否 (1) 訂正事項1~22について 訂正事項1~22に係る請求項1~22の訂正は、それぞれ請求項1~22を削除するというものであり、いずれも特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、訂正事項1~22に係る請求項1~22の訂正が、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことも明らかである。 (2) 訂正事項23~28について 訂正事項23~28に係る請求項23~28の訂正は、それぞれ請求項23~28を削除するというものであり、いずれも特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、訂正事項23~28に係る請求項23~28の訂正が、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことも明らかである。 4 訂正についてのまとめ 以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 したがって、結論のとおり、本件特許の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-22〕及び〔23-28〕について訂正することを認める。 第3 本件特許発明 上記第2のとおり、訂正後の請求項〔1-22〕及び〔23-28〕について訂正することを認めるので、本件特許の請求項1ないし28に係る発明は、令和7年7月18日に提出された訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1ないし28に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。 「【請求項1】 (削除) 【請求項2】 (削除) 【請求項3】 (削除) 【請求項4】 (削除) 【請求項5】 (削除) 【請求項6】 (削除) 【請求項7】 (削除) 【請求項8】 (削除) 【請求項9】 (削除) 【請求項10】 (削除) 【請求項11】 (削除) 【請求項12】 (削除) 【請求項13】 (削除) 【請求項14】 (削除) 【請求項15】 (削除) 【請求項16】 (削除) 【請求項17】 (削除) 【請求項18】 (削除) 【請求項19】 (削除) 【請求項20】 (削除) 【請求項21】 (削除) 【請求項22】 (削除) 【請求項23】 (削除) 【請求項24】 (削除) 【請求項25】 (削除) 【請求項26】 (削除) 【請求項27】 (削除) 【請求項28】 (削除)」 第4 特許異議申立理由の要旨 特許異議申立人が申し立てた請求項1ないし28に係る特許に対する特許異議申立理由の要旨は、次のとおりである。 1 申立理由1A(新規性) 本件特許の請求項1~8、11~14、16~20、22に係る発明は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の証拠に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができないものであるから、本件特許の請求項1~8、11~14、16~20、22に係る特許は、同法同条の規定に違反してされたものであり、同法第113条第2号に該当し取り消すべきものである。 ・主たる証拠と対象請求項 (1) 甲第1号証:請求項1~3、5~7、11 (2) 甲第2号証:請求項1、4、5、8、11 (3) 甲第3号証:請求項1、2、4~6、8、11、12 (4) 甲第4号証:請求項1、2、4~6、8、11、12 (5) 甲第5号証:請求項1~8、11、12 (6) 甲第6号証:請求項13、14、16、17、19 (7) 甲第7号証:請求項13、14、16、18~20 (8) 甲第8号証:請求項13、14、16、17、19 (9) 甲第9号証:請求項13、14、16、17、19、20 (10) 甲第10号証:請求項13、14、16、17、19 (11) 甲第11号証:請求項22 (12) 甲第12号証:請求項22 (13) 甲第13号証:請求項22 (14) 甲第14号証:請求項22 (15) 甲第15号証:請求項22 (16) 甲第16号証:請求項22 2 申立理由1B(進歩性) 本件特許の請求項1~9、11~14、16~20、22、23、28に係る発明は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の証拠に記載された発明に基づいて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本件特許の請求項1~9、11~14、16~20、22、23、28に係る特許は、同法同条の規定に違反してされたものであり、同法第113条第2号に該当し取り消すべきものである。 ・主たる証拠と対象請求項 (1) 甲第1号証:請求項1~3、5~7、9~11、15、21、23、28 (2) 甲第2号証:請求項1、4、5、8~11、15、21、23、28 (3) 甲第3号証:請求項1、2、4~6、8~12、15、21、23、28 (4) 甲第4号証:請求項1、2、4~6、8~12、15、21、23、28 (5) 甲第5号証:請求項1~12、15、21、23、28 (6) 甲第6号証:請求項13~17、19、21 (7) 甲第7号証:請求項13~16、18~21 (8) 甲第8号証:請求項13~17、19、21 (9) 甲第9号証:請求項13~17、19~21 (10) 甲第10号証:請求項13~17、19~21 (11) 甲第11号証:請求項22 (12) 甲第12号証:請求項22 (13) 甲第13号証:請求項22 (14) 甲第14号証:請求項22 (15) 甲第15号証:請求項22 (16) 甲第16号証:請求項22 3 申立理由2A(サポート要件及び実施可能要件) 本件特許の請求項1ないし28に係る特許は、下記の点で特許法第36条第6項第1号に規定する要件及び同法同条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、本件特許の請求項1ないし28に係る特許は、同法第113条第4号に該当し取り消すべきものである。 (1) 成分(1)「レバウディオサイドM」 本件発明の解決課題は、「非栄養甘味料の風味プロファイル(苦味、渋味、甘草風味、金属味、及び/又は残留する後味など、及び非栄養甘味料に付随する異味による障害)の改善に適した組成物及び方法」の提供である。 本件発明1、5及び23の甘味料組成物には、成分(1)として「レバウディオサイドM」が含まれる。 しかし、すべての実施例において、成分(1)として「レバウディオサイドM」のみを用いた甘味料組成物は、上記解決課題を解決することが実際に示されていない。例えば、実施例1~6では、表2の組成物1(レバウディオサイドA、ステビオサイド、レバウディオサイドDを含む)が用いられ、レバウディオサイドMは含まれていない。実施例7と8では、レバウディオサイドD、レバウディオサイドA、ステビオサイド、レバウディオサイドC、ステビオ配糖体を含有する水性ステビア組成物が用いられ、レバウディオサイドMは含まれていない。 本件発明1、5及び23に記載された成分(1)のステビオール配糖体は、種類によって甘味の強さや苦味等の不快味のバランス等も異なる。成分(1)として「レバウディオサイドM」のみを含む甘味料組成物は、上記解決課題を解決することが実施例で実際に示されていないため、本件発明1、5及び23の全範囲にわたって、上記の解決課題が解決されるといえる客観的な根拠が見いだせない。 従って、出願時の技術常識に照らしても、本件発明1、5及び23の全範囲まで、発明の詳細な説明に開示された内容を拡張ないし一般化できるとはいえない。 以上の通り、本件発明1、5及び23並びにそれらに従属する本件特許発明(本件発明1~28)は、発明の詳細な説明に記載したものではなく、発明の詳細な説明の記載が当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものではないため、サポート要件及び実施可能要件を満たさない。 (2) 成分(2) 本件発明1、5及び23の甘味料組成物には、成分(2)として12化合物から選択される2つ以上の化合物が含まれる。 本件特許明細書の実施例8~14で、上記の12化合物から選択される1化合物又は2つ以上の化合物を含む、サンプルI~X、XII~XXI、及びXXIV~XLの試験が行われている。しかし、サンプルI~X、XII~XXI、及びXXIV~XLには、「オクタン酸エチル(化合物5)」及び「シス-4-メチル-5-ブチルジヒドロ-2(3H)-フラノン(化合物11)」は含まれていない。 成分(2)の1つの成分として「オクタン酸エチル(化合物5)」及び「シス-4-メチル-5-ブチルジヒドロ-2(3H)-フラノン(化合物11)」を含む甘味料組成物は、上記解決課題を解決することが実施例で実際に示されていないため、本件発明1、5及び23の全範囲にわたって、上記の解決課題が解決されるといえる客観的な根拠が見いだせない。 従って、出願時の技術常識に照らしても、本件発明1、5及び23の全範囲まで、発明の詳細な説明に開示された内容を拡張ないし一般化できるとはいえない。 以上の通り、本件発明1、5及び23並びにそれらに従属する本件特許発明(本件発明1~28)は、発明の詳細な説明に記載したものではなく、発明の詳細な説明の記載が当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものではないため、サポート要件及び実施可能要件を満たさない。 (3) 本件発明24~27 本件発明24は、「前記添加することが、前記水溶液をオーク樽中に保存するか、又はオークチップと接触させることを含む、請求項23に記載の方法」である。 本件特許明細書で、前記水溶液をオーク樽中に保存して成分(2)の分析を行った結果が、本件特許明細書の[0360]と[0367]の表4に記載されている。 [0360]では、実施例3の甘味組成物をGCMSで分析して、8つの揮発性化合物が同定された。しかし、これら8つの揮発性化合物には、本件発明24が引用する本件発明23に記載された成分(2)のうち、5つの化合物(酢酸ブチル、2-メチルブタノ-ル、オクタン酸エチル、デカン酸エチル、ヘキサデカン酸エチル)は含まれていない。従って、実施例3の「中程度に炭化したオーク樽中に保管する」方法では、これら5つの成分(2)を含む甘味組成物は製造できない。 [0367]では、実施例7の甘味組成物をGCMSで揮発性化合物を分析して、その結果が表4に記載されている。表4によれば、4つの化合物(トランス-2,4-ヘキサジエナール、4-ヘキセン-1-オール、シス-4-メチル-5-ブチルジヒドロ-2(3H)-フラノン、ヘキサデカン酸エチル)は濃度が0.0ppmであり、実施例7の甘味組成物に含まれていない。従って、実施例7の「中程度に炭化したオーク樽中に保管する」方法では、これら4つの成分(2)を含む甘味組成物は製造できない。 少なくとも「ヘキサデカン酸エチル」を含む甘味組成物は、実施例3及び7の「中程度に炭化したオーク樽中に保管する」方法のいずれの方法でも、製造することができない。 従って、本件発明24~27は、発明の詳細な説明に記載したものではなく、発明の詳細な説明の記載が当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものではないため、サポート要件及び実施可能要件を満たさない。 4 申立理由2B(明確性) 本件特許の請求項1ないし28に係る特許は、下記の点で特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、本件特許の請求項1ないし28に係る特許は、同法第113条第4号に該当し取り消すべきものである。 (1) 「・・・又は・・・からなる群」 本件発明1、5及び23の甘味料組成物には、「(1)レバウディオサイドA、レバウディオサイドD、ステビオサイド、レバウディオサイドM、又はこれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上のステビオール配糖体」が含まれる。 「又は」は、複数の事柄のうちのいずれかを選択できることを意味する接続詞である。上記の成分(1)では、「又は」が用いられているため、例えば、先頭の「レバウディオサイドA」を選択した場合、「レバウディオサイドAからなる群」となり、単一の化合物のみが「群」を構成することになり、明確ではない。 従って、本件発明1、5及び23並びにそれらに従属する本件特許発明(本件発明1~28)は、明確性に違反する。 (2) 「これらの組み合わせ」 本件発明1、5及び23の甘味料組成物には、「(2)・・・、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される2つ以上の化合物」が含まれる。 上記の群から「これらの組み合わせ」が選択された場合、これらの組み合わせは化合物ではないため、明確ではない。万が一、「これらの組み合わせ」が化合物であったとしても、1つの化合物であるのか、2つ以上の化合物であるのかが明確ではない。 従って、本件発明1、5及び23並びにそれらに従属する本件特許発明(本件発明1~28)は、明確性に違反する。 (3) 「8oz当たり200カロリー未満」 本件発明19は、「前記飲料が1人分8oz当たり200カロリー未満である」ことを規定する。 甲第39号証に、「カロリーが大カロリー(1000cal)を意味したり、小カロリー(1cal)を意味したりする」ことがあると記載されている。 従って、本件発明19におけるカロリーがいずれを意味するかが明確ではない。また、ozは、SI単位系ではなく、明確ではない。 従って、本件発明19は、明確性に違反する。 5 証拠方法 甲第1号証:Mintel Group Ltd.,ミンテルGNPDデータ,記録番号:2310564,2014年2月,https://www.gnpd.com/sinatra/recordpage/2310564/からダウンロード 甲第2号証:Mintel Group Ltd.,ミンテルGNPDデータ,記録番号:1898776,2012年10月,https://www.gnpd.com/sinatra/recordpage/1898776/からダウンロード 甲第3号証:Mintel Group Ltd.,ミンテルGNPDデータ,記録番号:2186811,2013年10月,https://www.gnpd.com/sinatra/recordpage/2186811/からダウンロード 甲第4号証:Mintel Group Ltd.,ミンテルGNPDデータ,記録番号:3608531,2015年12月,https://www.gnpd.com/sinatra/recordpage/3608531/からダウンロード 甲第5号証:Mintel Group Ltd.,ミンテルGNPDデータ,記録番号:3436429,2015年9月,https://www.gnpd.com/sinatra/recordpage/3436429/からダウンロード 甲第6号証:Mintel Group Ltd.,ミンテルGNPDデータ,記録番号:3368671,2015年7月,https://www.gnpd.com/sinatra/recordpage/3368671/からダウンロード 甲第7号証:Mintel Group Ltd.,ミンテルGNPDデータ,記録番号:1785851,2012年4月,https://www.gnpd.com/sinatra/recordpage/1785851/からダウンロード 甲第8号証:Mintel Group Ltd.,ミンテルGNPDデータ,記録番号:3679439,2015年12月,https://www.gnpd.com/sinatra/recordpage/3679439/からダウンロード 甲第9号証:Mintel Group Ltd.,ミンテルGNPDデータ,記録番号:3681025,2015年12月,https://www.gnpd.com/sinatra/recordpage/3681025/からダウンロード 甲第10号証:Mintel Group Ltd.,ミンテルGNPDデータ,記録番号:1477978,2011年1月,https://www.gnpd.com/sinatra/recordpage/1477978/からダウンロード 甲第11号証:Mintel Group Ltd.,ミンテルGNPDデータ,記録番号:1680548,2011年11月,https://www.gnpd.com/sinatra/recordpage/1680548/からダウンロード 甲第12号証:Mintel Group Ltd.,ミンテルGNPDデータ,記録番号:3207053,2015年5月,https://www.gnpd.com/sinatra/recordpage/3207053/からダウンロード 甲第13号証:Mintel Group Ltd.,ミンテルGNPDデータ,記録番号:230090,2003年9月,https://www.gnpd.com/sinatra/recordpage/230090/からダウンロード 甲第14号証:Mintel Group Ltd.,ミンテルGNPDデータ,記録番号:3506951,2015年10月,https://www.gnpd.com/sinatra/recordpage/3506951/からダウンロード 甲第15号証:Mintel Group Ltd.,ミンテルGNPDデータ,記録番号:129133,2002年1月,https://www.gnpd.com/sinatra/recordpage/129133/からダウンロード 甲第16号証:Mintel Group Ltd.,ミンテルGNPDデータ,記録番号:2419741,2014年5月,https://www.gnpd.com/sinatra/recordpage/2419741/からダウンロード 甲第17号証:JAFAN, 日本食品添加物協会,第29巻,第6号(2010), p.355-362 甲第17-1号証:甲第17号証の奥付 甲第18号証:谷村顕雄、棚元憲一監修,第8版食品添加物公定書解説書,2007,廣川書店,表紙,p. D-1014-D-1022 甲第19号証:Food Chemistry, Elsevier Applied Science Publishers Ltd., Vol.14 (1984) p.113-124 甲第19-1号証:甲第19号証の表紙、目次 甲第20号証:J. Sci. Food Agric., Society of Chemical Industry, 2014, Vol.94, p.882-889 甲第20-1号証:甲第20号証の表紙 甲第21号証:J. Agric. Food Chem., American Chemical Society, 2006, Vol.54, p.7242-7250 甲第21-1号証:甲第21号証の表紙、目次 甲第22号証:J. Agric. Food Chem., American Chemical Society, 2000, Vol.48, p.4290-4293 甲第22-1号証:甲第22号証の裏表紙、目次 甲第23号証:香料, 日本香料協会, No.113, 1975年12月, p.65-71 甲第24号証:J. Sci. Food Agric., Society of Chemical Industry, 2016, Vol.96, p.848-858 甲第24-1号証:甲第24号証の表紙 甲第25号証:Food Chemistry, Elsevier Ltd., Vol. 176 (2015) p.357-366 甲第26号証:J. Agric. Food Chem., American Chemical Society, 1995, Vol.43, p.1616-1620 甲第26-1号証:甲第26号証の裏表紙,目次 甲第27号証:J. Agric. Food Chem., American Chemical Society, 2016, Vol.64, p.9041-9053 甲第27-1号証:甲第27号証の裏表紙.目次 甲第28号証:Journal of Food Science, Institute of Food Technologists, 2015, Vol.80, No.12, p.C2701-C2710 甲第28-1号証:甲第28号証の表紙,目次 甲第29号証:Int. J. Mol. Sci., Molecular Diversity Preservation International, 2012, Vol.13, p.7383-7392 甲第30号証:J. Agric. Food Chem., American Chemical Society, 1970, Vol.18, No.2, p.306-309 甲第30-1号証:甲第30号証を公開するウェブサイトの印刷画面 p.1, 2, 9 (https://pubs.acs.org/toc/jafcau/18/2) 甲第31号証:J. Agric. Food Chem., American Chemical Society, 1985, Vol.33, p.232-235 甲第31-1号証:甲第31号証を公開するウェブサイトの印刷画面 p.1, 2, 7 (https://pubs.acs.org/toc/jafcau/33/2) 甲第32号証:J. Agric. Food Chem., American Chemical Society, 1992, Vol.40, p.599-603 甲第32-1号証:甲第32号証の目次 甲第33号証:J. Japan Soc. Hort. Sci., 園芸学会, 1986, Vol.55 (3), p.280-289 甲第33-1号証:甲第33号証の目次 甲第34号証:Journal of Dairy Research, Cambridge University Press, 1993, Vol.60, p.199-213 甲第34-1号証:甲第34号証の表紙,目次 甲第35号証:J. Dairy Sci., American Dairy Science Association, 1982, Vol.65, p.191-196 甲第35-1号証:甲第35号証の表紙,目次 甲第36号証:J. Agric. Food Chem., American Chemical Society, 1979, Vol.27, No.2, p.365-372 甲第36-1号証:甲第36号証を公開するウェブサイトの印刷画面 p.1, 2, 9 (https://pubs.acs.org/toc/jafcau/27/2) 甲第37号証:Vitis, Bundesforschungsanstalt fur Rebenzuchtung Geilweilerhof, 1984, Vol.23, p.143-158 甲第37-1号証:甲第37号証の裏表紙,目次 甲第38号証:J. Agric. Food Chem., American Chemical Society, 2007, Vol.55, p.4501-4510 甲第38-1号証:甲第38号証の表紙,目次 甲第39号証:ウィキペディアのインターネット情報:「カロリー」:[online],インターネット,<URL: https://ja.wikipedia.org/wiki/カロリー> 証拠の表記については、特許異議申立書における記載におおむね従った。なお、ウムラウト記号はシステム上表記できないため省略した。 第5 令和7年3月27日付け取消理由通知で特許権者に通知した取消理由の要旨 請求項1~9、11~23、28に係る特許に対して、当審が令和7年3月27日付け取消理由通知で特許権者に通知した取消理由の要旨は次のとおりである。 1 取消理由1(新規性) 本件特許の請求項1~9、11~14、16~20、22に係る発明は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の証拠に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができないものであるから、本件特許の請求項1~9、11~14、16~20、22に係る特許は、同法同条の規定に違反してされたものであり、同法第113条第2号に該当し取り消すべきものである。 ・主たる証拠と対象請求項 (1) 甲第1号証:請求項1~3、5~7、11 (2) 甲第2号証:請求項1、4、5、8、11 (3) 甲第3号証:請求項1、2、4~6、8、11、12 (4) 甲第4号証:請求項1、2、4~6、8、11、12 (5) 甲第5号証:請求項1~9、11、12 (6) 甲第6号証:請求項13、14、16、17、19 (7) 甲第8号証:請求項13、14、16、18、19 (8) 甲第9号証:請求項13、14、16、17、19、20 (9) 甲第10号証:請求項13、14、16、17、19、20 (10) 甲第11号証:請求項22 (11) 甲第12号証:請求項22 (12) 甲第13号証:請求項22 (13) 甲第14号証:請求項22 (14) 甲第15号証:請求項22 (15) 甲第16号証:請求項22 2 取消理由2(進歩性) 本件特許の請求項1~9、11~14、16~20、22に係る発明は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の証拠に記載された発明に基づいて、その優先日前に当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本件特許の請求項1~9、11~14、16~20、22に係る特許は、同法同条の規定に違反してされたものであり、同法第113条第2号に該当し取り消すべきものである。 ・主たる証拠と対象請求項 (1) 甲第1号証:請求項1~3、5~7、9、11、22 (2) 甲第2号証:請求項1、4、5、8、9、11、22 (3) 甲第3号証:請求項1、2、4~6、8、9、11、12、22 (4) 甲第4号証:請求項1、2、4~6、8、9、11、12、22 (5) 甲第5号証:請求項1~9、11、12、22 (6) 甲第6号証:請求項13、14、16、17、19 (7) 甲第8号証:請求項13、14、16、18、19 (8) 甲第9号証:請求項13、14、16、17、19、20 (9) 甲第10号証:請求項13、14、16、17、19、20 (10) 甲第11号証:請求項22 (11) 甲第12号証:請求項22 (12) 甲第13号証:請求項22 (13) 甲第14号証:請求項22 (14) 甲第15号証:請求項22 (15) 甲第16号証:請求項22 3 取消理由3(サポート要件) 本件特許の請求項1~9、11~23、28に係る特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、同法第113条第4号に該当し、取り消すべきものである。 第6 当審の判断 上記第3のとおり、本件訂正により、本件特許の請求項1ないし28に係る発明は削除されたため、取消理由及び特許異議申立理由の対象は存在しない。 第7 結語 上記第6のとおり、本件特許の請求項1ないし28に対して特許異議申立人がした特許異議の申立てについては、申立ての対象が存在しないこととなったため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。 よって、結論のとおり決定する。

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2024-701002

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