特許異議申立
2024-700821
舗装取替方法
- 審判番号
- 2024-700821
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2020-070613
- 登録番号
- 7455473
- 請求日
- 2024年08月30日
- 審決日
- 2025年06月12日
- 公報発行日
- 2025年09月26日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】オリエンタル白石株式会社
- 【権利者代理人】安彦 元
- 【権利者代理人】眞榮城 繁樹
- 【異議申立人】出川 栄一郎
- 審判長/審判官
- 審判長 居島 一仁
- 審判官 土屋 真理子
- 審判官 立澤 正樹
- 分類
- P1652.121-XA (E01D)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法120条の8第1項特許法135条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第120条の5第2項、特許法第29条第2項、特許法第120条の5第5項、特許法第120条の8第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7455473号発明「舗装取替方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第7455473号の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1、2及び3について訂正することを認める。
特許第7455473号の請求項1に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7455473号(以下、「本件特許」という。)の請求項1~3に係る特許についての出願は、令和2年4月9日に出願され、令和6年3月15日にその特許権の設定登録がされ、同月26日特許掲載公報が発行され、その後、令和6年8月30日に特許異議申立人 出川 栄一郎(以下、「申立人」という。)より、請求項1に係る特許に対して、特許異議の申立てがされたものである(特許異議申立書については、以下、「申立書」という。)。
特許異議の申立てのその後の経緯は次のとおりである。
令和6年12月16日付け :取消理由通知
令和7年 2月14日 :訂正請求書・意見書(特許権者)
なお、以下の「第2」で述べるとおり、上記訂正請求書による訂正が、訂正前の請求項1を削除するとともに、かつ、特許異議の申立てがされていない請求項2及び3の引用関係を整理するものであって、実質的に訂正前の請求項1を削除するものであったことを鑑みて、特許法第120条の5第5項ただし書の特別の事情があると認め、上記訂正請求書による訂正に関し、申立人に対して意見書を提出する機会を与えなかった。
第2 訂正の適否
1 訂正の内容
令和7年2月14日の訂正請求書による訂正(以下、「本件訂正」という。)の内容は、以下の(1)~(4)(なお、下線は訂正箇所である。)のとおりである。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1を削除する。
(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2に「前記防水層は、前記セメント系材料層の上側に設けられる樹脂系材料層を含み、前記切削工程は、前記樹脂系材料層を残置して前記表層を切削することを特徴とする請求項1記載の舗装取替方法。」と記載されているのを、「打ち継ぎ目を有するコンクリート製の上部構造物の上面に設けられるとともに少なくともセメント系材料で構成されるセメント系材料層を含む防水層と、前記防水層の上面に設けられるとともにアスファルト系材料で構成される表層と、を備えた舗装構造の舗装を取り替える舗装取替方法であって、前記防水層の前記セメント系材料層を残置して前記表層を切削する切削工程と、前記切削工程で残置した前記セメント系材料層を含む前記防水層の上面に、アスファルト系材料で構成される新たな表層を設ける設置工程とを備え、前記防水層は、前記セメント系材料層の上側に設けられる樹脂系材料層を含み、前記切削工程は、前記樹脂系材料層を残置して前記表層を切削することを特徴とする舗装取替方法。」と訂正する。
(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項3に「前記防水層は、前記セメント系材料層の上側に設けられる樹脂系材料層を含み、前記切削工程は、前記樹脂系材料層と前記表層とを切削することを特徴とする請求項1記載の舗装取替方法。」と記載されているのを、「打ち継ぎ目を有するコンクリート製の上部構造物の上面に設けられるとともに少なくともセメント系材料で構成されるセメント系材料層を含む防水層と、前記防水層の上面に設けられるとともにアスファルト系材料で構成される表層と、を備えた舗装構造の舗装を取り替える舗装取替方法であって、前記防水層の前記セメント系材料層を残置して前記表層を切削する切削工程と、前記切削工程で残置した前記セメント系材料層を含む前記防水層の上面に、アスファルト系材料で構成される新たな表層を設ける設置工程とを備え、前記防水層は、前記セメント系材料層の上側に設けられる樹脂系材料層を含み、前記切削工程は、前記樹脂系材料層と前記表層とを切削することを特徴とする舗装取替方法。」に訂正する。
(4)訂正事項4
明細書段落【0020】に「本発明に係る舗装取替方法は、打ち継ぎ目を有するコンクリート製の上部構造物の上面に設けられるとともに少なくともセメント系材料で構成されるセメント系材料層を含む防水層と、前記防水層の上面に設けられるとともにアスファルト系材料で構成される表層と、を備えた舗装構造の舗装を取り替える舗装取替方法であって、前記防水層の前記セメント系材料層を残置して前記表層を切削する切削工程と、前記切削工程で残置した前記セメント系材料層を含む前記防水層の上面に、アスファルト系材料で構成される新たな表層を設ける設置工程とを備えることを特徴とする。」と記載されているのを「本発明に係る舗装取替方法は、打ち継ぎ目を有するコンクリート製の上部構造物の上面に設けられるとともに少なくともセメント系材料で構成されるセメント系材料層を含む防水層と、前記防水層の上面に設けられるとともにアスファルト系材料で構成される表層と、を備えた舗装構造の舗装を取り替える舗装取替方法であって、前記防水層の前記セメント系材料層を残置して前記表層を切削する切削工程と、前記切削工程で残置した前記セメント系材料層を含む前記防水層の上面に、アスファルト系材料で構成される新たな表層を設ける設置工程とを備え、前記防水層は、前記セメント系材料層の上側に設けられる樹脂系材料層を含み、前記切削工程は、前記樹脂系材料層を残置して前記表層を切削することを特徴とする。本発明に係る舗装取替方法は、打ち継ぎ目を有するコンクリート製の上部構造物の上面に設けられるとともに少なくともセメント系材料で構成されるセメント系材料層を含む防水層と、前記防水層の上面に設けられるとともにアスファルト系材料で構成される表層と、を備えた舗装構造の舗装を取り替える舗装取替方法であって、前記防水層の前記セメント系材料層を残置して前記表層を切削する切削工程と、前記切削工程で残置した前記セメント系材料層を含む前記防水層の上面に、アスファルト系材料で構成される新たな表層を設ける設置工程とを備え、前記防水層は、前記セメント系材料層の上側に設けられる樹脂系材料層を含み、前記切削工程は、前記樹脂系材料層と前記表層とを切削することを特徴とする。」に訂正する。
(5)一群の請求項
本件訂正前の請求項1~3は、請求項2~3が請求項1を直接引用する関係にあるから、本件訂正の請求は、一群の請求項〔1~3〕について請求されたものである。また、明細書に係る訂正は、一群の請求項〔1~3〕について請求されたものである。
(6)別の訂正単位とする求め
訂正後の請求項2及び3については、当該請求項についての訂正が認められる場合には、一群の請求項の他の請求項とは別途訂正することを求めている。
2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び、特許請求の範囲の拡張・変更の存否
(1)訂正事項1について
訂正事項1は、請求項1を削除するというものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(2)訂正事項2、3について
訂正事項2、3は、請求項2、3について、請求項間の引用関係を解消して、請求項1を引用しないものとし、独立形式請求項へ改めるための訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものであり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(3)訂正事項4について
訂正事項4は、上記訂正事項1~3に係る訂正に伴い特許請求の範囲の記載と明細書の記載との整合を図るための訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(4)独立特許要件について
訂正事項1は、請求項1について異議申立がされているので、独立特許要件は課されない。また、訂正事項2、3は、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものであるから、独立特許要件は課されない。
3 小括
上記2より、訂正事項1~4は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号、第3号及び第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同法同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
よって、訂正後の請求項2及び3については、当該請求項についての訂正が認められるから、一群の請求項の他の請求項とは別途訂正することが認められ、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲及び訂正明細書のとおり、訂正後の請求項1、2及び3について訂正することを認める。
第3 本件訂正後の本件発明
上記「第2 訂正請求の適否」に示すように、本件訂正は認められることとなったので、本件訂正後の本件特許の請求項1~3に係る発明は、次のとおりのものであると認める。
「【請求項1】
(削除)
【請求項2】
打ち継ぎ目を有するコンクリート製の上部構造物の上面に設けられるとともに少なくともセメント系材料で構成されるセメント系材料層を含む防水層と、前記防水層の上面に設けられるとともにアスファルト系材料で構成される表層と、を備えた舗装構造の舗装を取り替える舗装取替方法であって、
前記防水層の前記セメント系材料層を残置して前記表層を切削する切削工程と、
前記切削工程で残置した前記セメント系材料層を含む前記防水層の上面に、アスファルト系材料で構成される新たな表層を設ける設置工程とを備え、
前記防水層は、前記セメント系材料層の上側に設けられる樹脂系材料層を含み、
前記切削工程は、前記樹脂系材料層を残置して前記表層を切削すること
を特徴とする舗装取替方法。
【請求項3】
打ち継ぎ目を有するコンクリート製の上部構造物の上面に設けられるとともに少なくともセメント系材料で構成されるセメント系材料層を含む防水層と、前記防水層の上面に設けられるとともにアスファルト系材料で構成される表層と、を備えた舗装構造の舗装を取り替える舗装取替方法であって、
前記防水層の前記セメント系材料層を残置して前記表層を切削する切削工程と、
前記切削工程で残置した前記セメント系材料層を含む前記防水層の上面に、アスファルト系材料で構成される新たな表層を設ける設置工程とを備え、
前記防水層は、前記セメント系材料層の上側に設けられる樹脂系材料層を含み、
前記切削工程は、前記樹脂系材料層と前記表層とを切削すること
を特徴とする舗装取替方法。」
第4 特許異議申立理由及び取消理由
1 特許異議申立理由の概要
申立人は、本件特許異議の申立てにおいて、次の理由を主張している。
申立理由1(進歩性):請求項1の特許に係る発明は、甲第1号証記載の発明、及び、周知技術(甲第2号証~甲第4号証)に基づき、当業者が容易に発明することができたものであるから、請求項1の特許に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、同法第113条第2項に該当し取消されるべきものである。
2 取消理由の概要
令和6年12月16日付け取消理由通知書で通知した取消理由は、以下のとおりである。
取消理由1(進歩性):請求項1の特許に係る発明は、甲第1号証記載の発明、及び、周知技術(甲第2号証~甲第4号証)に基づき、当業者が容易に発明することができたものであるから、請求項1の特許に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
第5 当審の判断
申立人による特許異議申立理由及び取消理由は、請求項1に係る特許についてのものであるが、前記「第2 訂正の適否」で説示したように、本件訂正により、請求項1は削除されたため、特許異議の申立理由及び取消理由の対象となる請求項が存在しないものとなった。
第6 むすび
したがって、申立人による特許異議の申立ては、不適法な申立てであって、その補正をすることができないものとなったから、特許法第120条の8第1項において準用する同法第135条の規定により、却下すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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