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特許異議申立

2022-700557

構造物の構築方法

審判番号
2022-700557
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2019-023508
登録番号
7018031
請求日
2022年06月24日
審決日
2022年11月07日
公報発行日
2022年12月28日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】鹿島建設株式会社
  • 【権利者代理人】井上 誠一
  • 【異議申立人】中川 賢治
  • 【異議申立人】鶴亀 國康
審判長/審判官
  • 審判長 住田 秀弘
  • 審判官 澤田 真治
  • 審判官 有家 秀郎
分類
P1651.121-Y (E01D) / P1651.537-Y (E01D)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第36条第6項第2号、特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第1号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7018031号発明「構造物の構築方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7018031号の請求項1~3に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7018031号の請求項1~3に係る特許についての出願は、平成31年2月13日の出願であって、令和4年2月1日にその特許権の設定登録がされ、令和4年2月9日に特許掲載公報が発行された。 本件特許異議申立ての経緯は、次のとおりである。 令和4年6月24日:特許異議申立人中川賢治(以下「申立人1」という。)による請求項1~3に係る特許に対する特許異議の申立て(以下「申立1」という。) 令和4年6月28日:特許異議申立人鶴亀國康(以下「申立人2」という。)による請求項1~3に係る特許に対する特許異議の申立て(以下「申立2」という。) 第2 本件特許の各請求項に係る発明について 本件特許の請求項1~3に係る発明(以下「本件特許発明1」~「本件特許発明3」という。)は、それぞれ特許請求の範囲の請求項1~3に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 「【請求項1】 コンクリート打設用の配管を配置するための桟橋を、既設橋梁に沿って延びるように水域に構築し、前記桟橋に沿って延伸するように配置された前記配管を用いて前記桟橋の側方の水域でコンクリートを新設橋梁の橋脚位置に打設し、構造物を構築することを特徴とする構造物の構築方法。 【請求項2】 前記桟橋は、鋼製の杭により通路桁を支持し、前記通路桁の上に板材を設けたものであることを特徴とする請求項1記載の構造物の構築方法。 【請求項3】 前記桟橋は、河川において既設橋梁の下流側に配置され、 前記桟橋の杭が、既設橋梁の下流側において、既設橋梁の橋脚に対応する位置に配置されることを特徴とする請求項1または請求項2記載の構造物の構築方法。」 第3 申立理由の概要及び証拠方法 1 申立1の申立理由の概要及び証拠方法 申立人1は、証拠方法として以下の甲第1号証の1~甲第6号証を提出し、以下の申立理由を主張している。 (1)証拠方法 甲第1号証の1:「新宮紀宝道路熊野川河口大橋P1-P3 下部工事設計図面」、平成30年3月、近畿地方整備局 紀南河川国道事務所、p.1~45(以下「申立1甲1の1」という。) 甲第1号証の2:「見積り提出依頼書(入札公告資料、工事名 新宮紀宝道路熊野川河口大橋P1-P3下部工事)」、平成30年3月13日、近畿地方整備局長、p.1~5(以下「申立1甲1の2」という。) 甲第1号証の3:「官報(号外政府調達第47号)」、平成30年3月13日、独立行政法人国立印刷局、p.8(新宮紀宝道路熊野川河口大橋P1-P3下部工事の入札公告)(以下「申立1甲1の3」という。) 甲第2号証:特開2001-172912号公報(以下「申立1甲2」という。) 甲第3号証:特開2007-321476号公報(以下「申立1甲3」という。) 甲第4号証:「新須永橋・拡幅工事(北関東道・駒形ICの東)」、Go!Isesaki、平成24年5月16日(更新日)、[on line]、[令和4年4月11日検索]、インターネット<URL:https://www.go-isesaki.com/new_sunaga_bridge.htm>(以下「申立1甲4」という。) 甲第5号証:「河川を横過する橋梁に関する計画の手引き(案)」、平成21年7月、財団法人 国土技術研究センター、p.41(以下「申立1甲5」という。) 甲第6号証:「h形鋼の寸法は?3分でわかる値、規格、長さ、標記の方法、jisとの関係」、建築学生が学ぶ構造力学 Kentiku-kouzou.jp、(更新日不明)、ハナダユキヒロ、[on line]、[令和4年5月26日検索]、インターネット<URL:http://kentiku-kouzou.jp/koukouzou-hkatakousunpou.html>(以下「申立1甲6」という。) (2)申立理由の概要 ア 申立理由1(進歩性)(以下「申立1理由1」という。) 本件特許発明1、2は、申立1甲1の1に記載された発明と周知技術(申立1甲2、申立1甲3)とに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、本件特許発明1、2に係る特許は、同法第29条第2項の規定に違反してなされたものであり、同法第113条第2号の規定に該当し、取り消されるべきものである。 本件特許発明3は、申立1甲1の1に記載された発明と周知技術(申立1甲2、申立1甲3、申立1甲4、申立1甲5)とに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、本件特許発明3に係る特許は、同法第29条第2項の規定に違反してなされたものであり、同法第113条第2号の規定に該当し、取り消されるべきものである。 イ 申立理由2(明確性)(以下「申立1理由2」という。) 本件特許発明1~3については、「既設橋梁に沿って」及び「前記桟橋の側方の水域」との記載が明確ではなく、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていないから、本件特許発明1~3に係る特許は、同法第113条第4号に該当し、取り消されるべきものである。 2 申立2の申立理由の概要及び証拠方法 申立人2は、証拠方法として以下の甲第1号証~甲第5号証を提出し、以下の申立理由を主張している。 (1)証拠方法 甲第1号証:特開2002-146811号公報(以下「申立2甲1」という。) 甲第2号証:特開2009-144346号公報(以下「申立2甲2」という。) 甲第3号証:特開2006-161548号公報(以下「申立2甲3」という。) 甲第4号証:「RC場所打ホロースラブ橋工仮橋・仮桟橋工」、国土交通省総合政策局建設施工企画課、建設マネジメント技術2001年3月号、一般財団法人経済調査会(以下「申立2甲4」という。) 甲第5号証:特開2017-66840号公報(以下「申立2甲5」という。) (2)申立理由の概要 ア 申立理由1(明確性)(以下「申立2理由1」という。) 本件特許発明1~3については、「既設橋梁に沿って」との記載が明確ではなく、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていないから、本件特許発明1~3に係る特許は、同法第113条第4号に該当し、取り消されるべきものである。 イ 申立理由2(明確性)(以下「申立2理由2」という。) 本件特許発明1~3については、「コンクリート打設用の配管を配置するための桟橋」との記載が明確ではなく、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていないから、本件特許発明1~3に係る特許は、同法第113条第4号に該当し、取り消されるべきものである。 ウ 申立理由3(サポート要件)(以下「申立2理由3」という。) 本件特許発明1~3については、「仮設桟橋としてある程度の強度を有する大掛かりなもの」も含まれ、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていないから、本件特許発明1~3に係る特許は、同法第113条第4号に該当し、取り消されるべきものである。 エ 申立理由4(進歩性)(以下「申立2理由4」という。) 本件特許発明1は、申立2甲1に記載された発明と周知技術(申立2甲2及び申立2甲3)とに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、本件特許発明2は、申立2甲1に記載された発明と周知技術(申立2甲2、申立2甲3及び申立2甲4)とに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、本件特許発明3は、申立2甲1に記載された発明と周知技術(申立2甲2、申立2甲3、申立2甲4及び申立2甲5)とに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、本件特許発明1~3に係る特許は、同法第29条第2項の規定に違反してなされたものであり、同法第113条第2号の規定に該当し、取り消されるべきものである。 第4 当審の判断 1 進歩性(申立1理由1、申立2理由4)について (1)申立1甲1の1~申立1甲6及び申立2甲1~申立2甲5 ア 申立1甲1の1~申立1甲1の3の記載 申立1甲1の1は、「近畿地方整備局紀南河川国道事務所」により作成されたものであり、「新宮紀宝道路熊野川河口大橋P1-P3下部工事」が入札公告された平成30年3月13日(申立1甲1の3)に、不特定多数の応札業者に対して開示されたものであって、応札業者は、「国土交通省電子入札システム」(https://www.e-bisc.go.jp/guide2/index.html)からアクセスすると、公告日よりダウンロードが可能な資料であるため、申立1甲1の1は、本件特許出願前に公然知られたものである。 (ア)申立1甲1の1には、以下の記載がある。 a p.39 [図:0001392061000001.jpg] b p.40 [図:0001392061000002.jpg] c p.41 [図:0001392061000003.jpg] (イ)申立1甲1の2には、以下の記載がある。(枠は申立人1が付した。以下同じ。) a 表紙 [図:0001392061000004.jpg] b p.4 [図:0001392061000005.jpg] 上記a及びbの表より、新宮紀宝道路熊野川河口大橋のP1-P3下部工事において、配管架台部のφ125mmの圧送管714mに関し、φ125mmのコンクリート高圧圧送管損料が、714m分、見積もられたことが看取される。 (ウ)甲1の3には、以下の記載がある。 a p.8 [図:0001392061000006.jpg] 上記aの記載より、新宮紀宝道路熊野川河口大橋のP1-P3下部工事は、電子入札対象案件であり、工事内容として鉄筋コンクリート橋脚3基の施工を含み、使用する主要な資機材はコンクリート8,500m3、鋼材1,540tである。 イ 申立1甲1の1に記載された発明 (ア)上記ア(ア)c及びdの図中において、「右岸側配管架台」に配設される「圧送管」について、「※圧送管 125A」、「※圧送管 P2・P3兼用」、「※圧送管 P2」、「※圧送管 P3」と記載されていること、及び上記ア(イ)に示した事項をふまえると、「右岸側配管架台」に配設される「圧送管」は「コンクリート高圧圧送管 125A」であり、P2橋脚及びP3橋脚のためのものであることが、看取される。 (イ)上記ア(ウ)のとおり、申立1甲1の3には、「入札公告(建設工事)」として「1 工事概要」が記載され、「工事名」として「新宮紀宝道路熊野川河口大橋P1-P3」と記載されており、工事内容として「鉄筋コンクリート橋脚3基」と記載されている。 そうすると、「工事名」として「新宮紀宝道路熊野川河口大橋P1-P3」と記載された申立1甲1の1の「右岸側配管架台詳細図(1)(P1橋脚~P3橋脚)全体平面図」におけるP1橋脚~P3橋脚は、「鉄筋コンクリート橋脚」であるといえる。 (ウ)申立1甲1の1のp.15、p.18及びp.27には、P1橋脚、P2橋脚及びP3橋脚を囲むコの字状の設備について、「P1橋脚仮桟橋」、「P2橋脚仮桟橋」及び「P3橋脚仮桟橋」と記載されており、上記ア(ア)aの「右岸側配管架台詳細図(1)」において、P1橋脚、P2橋脚及びP3橋脚を囲むコの字状の設備は、「P1橋脚仮桟橋」、「P2橋脚仮桟橋」及び「P3橋脚仮桟橋」と理解される。 (エ)上記ア(ア)aの「右岸側配管架台詳細図(1)」より、「右岸側配管架台」は、右岸側から、P2橋脚仮桟橋及びP3橋脚仮桟橋へと接続されるように、熊野川の水域に配置されることが、看取される。 (オ)申立1甲1の1において、上記ア(ア)a及びア(ア)cから、新設する「P1橋脚~P3橋脚」を構築する箇所に、それぞれ「P1橋脚仮桟橋」、「P2橋脚仮桟橋」、「P3橋脚仮桟橋」を設置し、「右岸側配管架台」は、略中央部分の側方、及び終点部分の側方で、「P2橋脚仮桟橋」及び「P3橋脚仮桟橋」に接続され、圧送管125AのうちP2のためのものは、「P2橋脚」に向かって「配管」に分岐点があり「ゴムスリーブ管」に接続されてP2橋脚用の作業構台を設けたP2橋脚仮桟橋へと導かれていることを看取できる。 (カ)上記(ア)~(オ)により、申立1甲1の1には、以下の発明が記載されていると認められる。 「新宮紀宝道路熊野川河口大橋のP1橋脚からP3橋脚を構築する下部工事において、 右岸側から1つ目のP1橋脚、2つ目のP2橋脚、3つ目のP3橋脚を構築する箇所に、それぞれP1橋脚仮桟橋、P2橋脚仮桟橋、P3橋脚仮桟橋を設置し、 右岸側からP2橋脚仮桟橋及びP3橋脚仮桟橋へと接続される右岸側配管架台を設置し、 右岸側配管架台は、略中央部分の側方、及び終点部分の側方で、P2橋脚仮桟橋、及びP3橋脚仮桟橋に接続され、 右岸側配管架台には、P2橋脚及びP3橋脚のためのコンクリート高圧圧送管125Aが配設され、 コンクリート高圧圧送管125AのうちP2橋脚のためのものは、右岸側配管架台とP2橋脚仮桟橋との接続部分において、ゴムスリーブ管に接続されて、P2橋脚用の作業構台を設けたP2橋脚仮桟橋へと導かれ、 コンクリート高圧圧送管を配設する右岸側配管架台を、熊野川の水域に配置し、 P1橋脚~P3橋脚を鉄筋コンクリート橋脚として構築する 新宮紀宝道路熊野川河口大橋のP1橋脚からP3橋脚の施工方法。」(以下「申立1甲1発明」という。) ウ 申立1甲2の記載(下線は当審判合議体で付した。以下同じ。) 「【0002】 【従来の技術】近年、都市域では並列して架設される高架橋が急増しており、図10にそのような並列構成の橋梁の例を示してある。2つの橋梁が並列に配置される場合の一例として、既設橋梁に並列して新設橋梁を架設する場合を考えると、図10に示すように新設橋梁01と既設橋梁02の断面が並列状態にあるために種々の空力振動が発生する。その1つがウェークギャロッピング現象と呼ばれるもので、並列橋梁の風下側にある橋梁、すなわち、既設橋梁02に発散的に撓み振動が生じる現象(風速の増大とともに振幅が発散的に増大し、やがては橋梁の破壊に至る極めて危険な振動現象)である。」 エ 申立1甲2に記載された技術事項 「2つの橋梁が並列に配置される場合、既設橋梁に並列して新設橋梁を架設する工事方法。」(以下「申立1甲2技術事項」という。) オ 申立1甲3の記載 「【背景技術】 【0002】 近年、都市河川に架けられた橋梁は、老朽化が進んでおり、架け替えが必要な時期となっている。このような橋梁の架け替えでは、河川占用による大規模な工事が必要で、長期間の交通規制を伴うことがある。従来の橋梁の架け替え方法としては、まず、旧橋の側方に仮橋を架設し、この仮橋を利用して交通の切り回しを行い、次に、旧橋を撤去した後に、そこに新橋を新たに架設し、その後、不要となった仮橋を撤去する方法がある。また、架け替えの作業ヤードとして構台を橋梁に沿って仮設して上下線ごとに架け替えを行う方法などがある。しかしながら、このような従来方法では、新橋の架け替えのために仮橋や構台を仮設する必要があり、作業コストが増加すると共に、工事期間が長期化してしまうことがあった。また、新橋の架け替え後に、仮橋や構台を撤去する必要があることから、より効率的な施工方法が望まれていた。」 カ 申立1甲3に記載された技術事項 「まず、旧橋の側方に仮橋を架設し、この仮橋を利用して交通の切り回しを行い、次に、旧橋を撤去した後に、そこに新橋を新たに架設し、その後、不要となった仮橋を撤去する工事方法、または、架け替えの作業ヤードとして構台を橋梁に沿って仮設して上下線ごとに架け替えを行う工事方法。」(以下「申立1甲3技術事項」という。) キ 申立1甲4の記載 [図:0001392061000007.jpg] ク 申立1甲4に記載の技術事項 「既設橋梁に沿って河川に拡幅橋梁を構築する工事方法。」(以下「申立1甲4技術事項」という。) ケ 申立1甲5の記載 p.41 [図:0001392061000008.jpg] コ 申立1甲5に記載された技術事項 「河川管理施設等構造令に、既設橋と近接する橋の橋脚は、既設橋の橋脚の見通し線上に設けることを定める規定があること。」(以下「申立1甲5技術事項」という。) サ 申立1甲6の記載 [図:0001392061000009.jpg] シ 申立1甲6に記載された技術事項 「h形鋼の寸法はH-200×100×5.5×8のように表記すること。」(以下「申立1甲6技術事項」という、) ス 申立2甲1の記載 (ア)「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、河川や航路を横断する橋梁の基礎などの水中構造物基礎を構築する大口径場所打ち杭式水中構造物基礎の施工法に関する。」 (イ)「【0007】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照し、本発明の実施形態を説明する。図1および図2において(準備工程)、橋脚の構築位置に支持杭5aおよび架台受桁5bからなる支持架台5が設けられ、先端部に拡径掘削装置3を有しており、ケーシングパイプ6を駆動して立坑Kを掘削するケーシング回転掘削装置1が設置されている。そして、その近傍には、仮設桟橋11が構築され、その桟橋11上には作業用の移動式クレーン12などが配置されている。なお、図1および図2では、掘削装置1および3による水中掘削によって5~10m程度の立坑Kを掘削して浅い部分の軟弱地盤E1に、締切り用のセグメント7が設置された状態が示されている。」 (ウ)「【0010】こうして立坑Kが所定深さまで達したら図4および図5に示すように坑内Kの底部に基礎部の鉄筋カゴ21を挿入する。そして、図6および図7に示すように、坑内Kにトレミー管14を挿入し、コンクリートポンプ車13(又は、コンクリートプラント船)によって頂版下端レベルLまで水中コンクリート26を打設する(水中コンクリート打設工程)。」 セ 申立2甲1発明 「橋脚の構築位置に支持杭5aおよび架台受桁5bからなる支持架台5が設けられ、その近傍に仮設桟橋11が構築され、その桟橋11上には作業用の移動式クレーン12などが配置され、コンクリートポンプ車13によって頂版下端レベルLまで水中コンクリート26を打設する、河川を横断する橋梁の基礎などの水中構造物基礎を構築する大口径場所打ち杭式水中構造物基礎の施工法。」(以下「申立2甲1発明」という。) ソ 申立2甲2の記載 「【背景技術】 【0002】 鉄道の既存営業線において、既設橋梁を新設の橋梁に架け替えることがあるが、その架け替えにあたって、新設の橋桁を当該既存営業線の運行に必要な空間と干渉する高さに架設しなければならない場合がある。そして、このような場合にあっては、既存営業線の運行に極力支障を来さないように橋梁の架け替え工事を行う必要がある。ここで、当該架け替え工事に際しては、既存営業線の軌道直下での基礎部(下部工)の施工と橋桁部(上部工)の施工とを行うことになるが、従来では、以下に示すような方法で架け替え工事が行われていた。」 タ 申立2甲2に記載された技術事項 「既設橋梁を新設の橋梁に架け替える工事方法。」(以下「申立2甲2技術事項」という。) チ 申立2甲3の記載 (ア)「【0048】 次に、実施の形態1における仮桟橋の架設方法の支柱打設工程について説明する。 図4に示すように、支柱打設工程において台車1に積載されたクレーン12を用いて他の支柱13を打設する。支柱13の打込みは、バイブロハンマ、ディーゼルパイルハンマ、プレボーリング等の従来と同様の方法を用いることができ、地盤等の現場の状況により最適な工法を選択する。 支柱13としては従来と同様のH型鋼や鋼管を使用した。支柱13として丸鋼管を使用した場合、H型鋼に比べ機械的強度に優れ、レール13の長手方向のピッチを広くすることができるので、資材及び作業工数を低減することができる。 支柱13は後工程で渡設する他のレール14の長さに合わせて、要所でレール14を支持するように配設する。尚、各々の支柱13は前後左右の隣接する他の支柱13と水平つなぎ15で接続し、要所を筋かい(図示せず)で補強した。」 (イ)「【0059】 図11において、実施の形態2における仮桟橋20aが実施の形態1と異なるのは、レール14が架設される桁受16がレール14の架設方向と直交方向に支柱13、13の上端間に配設されている点と、右のレール14の外側にレール14と平行に桁受16、16間に覆工板18が敷設され足場17が架設されている点と、レール14と平行に輸送パイプ21及びベルトコンベア22が配設されている点である。 また、図11において、15aは支柱13と桁受16との間を補強固定する方づえ、15bは支柱13、13間を補強する筋かい、15dはレール14、14間を接続するH型鋼等のつなぎ材、19は足場17の外周に配設された柵状の手摺である。尚、説明の都合上、つなぎ材15dは図11(a)のみに示し、図11(b)では省略した。」 (ウ)「【0062】 実施の形態2における仮桟橋の架設方法が実施の形態1と異なるのは、桁受配設工程と足場架設工程を有する点であり、それ以外については実施の形態1と同様なので説明を省略する。 まず、支柱打設工程の終了後、桁受配設工程でレール14と直交する方向に桁受16を配設する。これにより、次工程のレール渡設工程において、複数の桁受16、16上にレール14を架設することができる。 また、桁受16が桁受配設工程でレール14と直交する方向に配設されるので、足場架設工程において、桁受16、16間に覆工板18を敷設するだけで容易にレール14と平行に足場17を形成することができる。 尚、支柱13、13の間を筋かい15bで補強する筋交い配設工程は支柱打設工程の後工程で行い、左右のレール14、14間をつなぎ材15dで接続するレール補強工程はレール渡設工程の後工程で行う。」 (エ)「【0065】 以上のように実施の形態2における仮桟橋は構成されているので、実施の形態1に加え、以下の作用を有する。 (5)レール14と直交方向に配設されレール14を支持する複数の桁受16を有するので、桁受16で確実にレール14を支持、固定することができ耐久性に優れ、信頼性を向上させることができる。 (6)レール14の外側にレール14と平行に配設された足場17を有することにより、作業者の移動通路を確保でき作業性、安全性に優れる。 (7)足場17の外周に柵状の手摺19を有することにより、作業者の転落等を防止でき、安全性に優れる。 (8)レール14と平行に輸送パイプ21が配設されているので、輸送パイプ21を用いて工事で発生した汚水を陸上や地上に輸送して濾過等の処理を行うことができ、河川等を汚染することがなく環境保護性に優れる。 (9)水平つなぎ15及び筋かい15dをレール14の下に有するので、輸送パイプ21等を配設することができ、作業場所への生コンクリートの供給を簡便に行うことができ、台車1でミキサ車を移送する必要がなく、工数を低減でき施工性を向上させることができる。 (10)水平つなぎ15及び筋かい15dをレール14の下に有するので、ベルトコンベア22等を配設することができ、工事で発生した残土や資材等の搬出、搬入を行うことができ、トラック等に残土や資材等を積載して台車1で移動させる必要がなく、施工性を向上させることができる。」 ツ 申立2甲3に記載された技術事項 「レール14が架設され、右のレール14の外側にレール14と平行に桁受16、16間に覆工板18が敷設され足場17が架設され、レール14と平行に輸送パイプ21及びベルトコンベア22が配設され、支柱13としては従来と同様のH型鋼や鋼管を使用し、桁受16、16間に覆工板18を敷設するだけで容易にレール14と平行に足場17を形成することができ、輸送パイプ21等を配設することができ、作業場所への生コンクリートの供給を簡便に行うことができ、台車1でミキサ車を移送する必要がなく、工数を低減でき施工性を向上させることができる仮桟橋20a。」(以下「申立2甲3技術事項」という。) テ 申立2甲4の記載 (ア)p.62の左欄下から4行目には「(1)下部工 仮橋・仮桟橋の橋脚基礎は,直接基礎形式と杭基礎形式とに大別される(図-2)。直接基礎は,支持地盤上にコンクリートで基礎を構築し,その上にH形鋼等で橋脚を設置するもので,杭基礎は,主にH形鋼をバイブロハンマで地中に打ち込み,杭自体を橋脚とするものである(写真-3,4)。」と記載されている。 (イ)p.63の右欄1行目には「桁の架設後,床版となる覆工板,転落防止用の防護柵等を設置して上部工が完成するが,・・・」と記載されている。 ト 申立2甲4に記載された技術事項 「H形鋼等で杭自体を橋脚とし、桁の架設後、床版となる覆工板、転落防止用の防護柵等を設置する工事方法。」(以下「申立2甲4技術事項」という。) ナ 申立2甲5の記載 「【0018】 本実施形態に係る橋梁の施工方法は、例えば両川岸R2間の距離が15m未満である、いわゆる中小の河川Rに架設された図1に示すような既設橋梁Bを、図15に示すような新設橋梁NBへと架け替える架け替え工事を迅速且つ円滑に行うためのものである。図1に示すこの既設橋梁Bは、耐用年数を経過する期限が近付いている既存の橋であるため、詳細な説明を省略する。また同図に示す既設橋梁Bを撤去した後、新たに図15に示す新設橋梁NBが河川Rに架設されるまでに、対象となる既設橋梁Bの上流側又は下流側に近接した位置で道路を遮断する時期を設けることなく絶え間ない交通を担保すべく、図6及び図7に示すような仮設橋梁TBが、一時的に架設される仮の橋として利用される。」 ニ 申立2甲5記載の技術事項 「対象となる既設橋梁Bの上流側又は下流側に近接した位置で一時的に架設される仮の橋として利用される仮設橋梁TB。」(以下「申立2甲5技術事項」という。) (2)申立1甲1の1を主引用例とする場合 ア 本件特許発明1について (ア)申立1甲1発明との対比・判断 a 対比 (a)申立1甲1発明の「コンクリート高圧圧送管」、「配設され」ること、「右岸側配管架台」、「熊野川の水域に配置」すること、「新宮紀宝道路熊野川河口大橋」、「2つ目のP2橋脚、3つ目のP3橋脚を構築する箇所」、「新宮紀宝道路熊野川河口大橋のP1橋脚からP3橋脚」、「施工方法」は、それぞれ本件特許発明1の「コンクリート打設用の配管」、「配置する」こと、「桟橋」、「水域に構築」すること、「新設橋梁」、「橋脚位置」、「構造物」、「構築方法」に相当する。 (b)申立1甲1発明の「コンクリート高圧圧送管125A」(コンクリート打設用の配管)が「右岸側配管架台」(桟橋)に「配設」(配置)されていることは、本件特許発明1の「前記桟橋に沿って延伸するように配置された前記配管」に相当する。 (c)申立1甲1発明の「右岸側配管架台は、略中央部分の側方、及び終点部分の側方で、P2橋脚仮桟橋、及びP3橋脚仮桟橋に接続され」、「P2橋脚仮桟橋、P3橋脚仮桟橋」は、「右岸側から」「2つ目のP2橋脚、3つ目のP3橋脚を構築する箇所」(新設橋梁の橋脚位置)に「設置」されるから、「右岸側配管架台」(桟橋)の「の側方で」「鉄筋コンクリート橋脚」を「構築するため」コンクリートを打設していることは明らかである。 よって、申立1甲1発明は、本件特許発明1の「前記桟橋の側方の水域でコンクリートを新設橋梁の橋脚位置に打設」することに相当する構成を備えている。 (d)そうすると、本件特許発明1と申立1甲1発明とは、 「コンクリート打設用の配管を配置するための桟橋を、水域に構築し、前記桟橋に沿って延伸するように配置された前記配管を用いて前記桟橋の側方の水域でコンクリートを新設橋梁の橋脚位置に打設し、構造物を構築する構造物の構築方法。」 で一致し、以下の点で相違する。 (相違点1) 本件特許発明1においては、「コンクリート打設用の配管を配置するための桟橋」を「既設橋梁に沿って延びるように水域に構築」した上で、「前記配管を用いて前記桟橋の側方の水域でコンクリートを新設橋梁の橋脚位置に打設」すると特定されているのに対し、 申立1甲1発明においては、「新宮紀宝道路熊野川河口大橋のP1橋脚からP3橋脚を構築する下部工事」において、右岸側から「2つ目のP2橋脚」及び「3つ目のP3橋脚を構築する箇所」に「設置し」た「P2橋脚仮桟橋及びP3橋脚仮桟橋へと接続される」ように、「右岸側配管架台」を「設置し」、「コンクリート高圧圧送管125A」を「配設」している点。 b 判断 (a)申立1甲1発明の「施行方法」は「新宮紀宝道路熊野川河口大橋」の「P2橋脚」及び「P3橋脚」を新設するために「右岸側配管架台」を設けているものであり、既設橋梁に隣接して工事を行うことは想定しておらず、既設橋梁に隣接した箇所で工事を行う場合に、申立1甲1発明の「右岸側配管架台」を維持する動機付けもない。 (b)また、申立1甲2~6には、以下に示すように、申立1甲1発明の「新宮紀宝道路熊野川河口大橋」の「P2橋脚」及び「P3橋脚」を新設するための「施工方法」を、既設橋梁に隣接して新設橋梁を設置する際に使用することは、記載も示唆もされていない。 (c)申立1甲2には、上記1(1)エのとおり、「2つの橋梁が並列に配置される場合、既設橋梁に並列して新設橋梁を架設する工事方法。」が記載されており、申立1甲3には、上記1(1)カのとおり、「まず、旧橋の側方に仮橋を架設し、この仮橋を利用して交通の切り回しを行い、次に、旧橋を撤去した後に、そこに新橋を新たに架設し、その後、不要となった仮橋を撤去する工事方法、または、架け替えの作業ヤードとして構台を橋梁に沿って仮設して上下線ごとに架け替えを行う工事方法。」が記載されている。 (d)申立1甲3技術事項は、既設橋梁に沿って新設橋梁を構築する工事方法でないため、「既設橋梁に沿って新設橋梁を構築する工事方法」が周知の工事であるとは、申立1甲2技術事項及び申立1甲3技術事項からはいえない。 また、仮に、「既設橋梁に沿って新設橋梁を構築する工事方法」が周知の工事であったとしても、「新設橋梁を構築するための桟橋を既設橋梁に沿って構築する工事方法」は周知の工事であるとはいえない。 (e)さらに、申立1甲4~6には、上記1(1)ク、同コ及び同シに示した事項が記載されているが、「新設橋梁を構築するための桟橋を既設橋梁に沿って構築する工事方法」は、いずれにも記載も示唆もなく、申立1甲1発明に適用することが動機付けられるものでないから、相違点1に係る構成を採用することは、当業者といえども、申立1甲1の1~6の記載から容易に想到し得る事項であるとはいえない。 (f)本件特許発明1の効果は、本件明細書の【0009】の記載から理解されるように、コンクリートの打設時に船舶が不要となり、また桟橋に配管を配置するので河川の流れに関係なくコンクリートを打設でき、配管の閉塞時などでも桟橋上の作業員が対処でき、また桟橋上をポンプ車が移動する必要もなく、桟橋に加わる荷重は配管と作業員の重量だけで済むので桟橋の構成も簡易なものとできることであり、そのような効果は、申立1甲1の1~申立1甲6の記載から当業者が予測し得たものとはいえない。 (g)申立人1は、令和4年6月24日付けの特許異議申立書11頁13行~18行において、 「そこで、上記相違点について検討すると、既設橋梁に沿って新設橋梁を構築する工事は周知の工事であり(甲第2号証(特開2001-172912号公報)、甲第3号証(特開2007-321476号公報の【従来の技術】、【背景技術】参照)、甲1発明を、前記周知の工事に転用して、「桟橋」を「既設橋梁に沿って延びるように」構築することは、当業者が容易にできたことである。」 と主張している。 (h)しかしながら、申立1甲2には、上記1(1)エのとおり、「2つの橋梁が並列に配置される場合、既設橋梁に並列して新設橋梁を架設する工事方法。」が記載されており、申立1甲3には、上記1(1)カのとおり、「まず、旧橋の側方に仮橋を架設し、この仮橋を利用して交通の切り回しを行い、次に、旧橋を撤去した後に、そこに新橋を新たに架設し、その後、不要となった仮橋を撤去する工事方法、または、架け替えの作業ヤードとして構台を橋梁に沿って仮設して上下線ごとに架け替えを行う工事方法。」が記載されているものの、新設橋梁を構築するための桟橋を既設橋梁に沿って構築することは記載も示唆もない。 (i)したがって、申立人1の上記主張を採用することはできない。 (j)小括 以上により、本件特許発明1は、申立1甲1の1~申立1甲6に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。 イ 本件特許発明2及び3について 本件特許発明2及び3は、本件特許発明1の発明特定事項を全て含み、さらに限定を加えた発明である。 したがって、本件特許発明2及び3は、本件特許発明1と同様の理由により、申立1甲1の1~申立1甲6に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものともいえず、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないともいえない。 (3)申立2甲1を主引用例とする場合 ア 本件特許発明1について (ア)申立2甲1発明との対比・判断 a 対比 (a)申立2甲1発明の「仮設桟橋11」、「河川」、「橋脚の構築位置」、「大口径場所打ち杭式水中構造物基礎の施工法」は、本件特許発明1の「桟橋」、「水域」、「新設橋梁の橋脚位置」、「構造物の構築方法」に相当する。 (b)また、申立2甲1発明では「河川を横断する橋梁の」「橋脚の構築位置」の「近傍に仮設桟橋11が構築され」ており、「その桟橋11上」の「コンクリートポンプ車13によって」「水中コンクリート26を打設」しており、申立2甲1発明の「河川」(水域)に「仮設桟橋11」(桟橋)「が構築され」、「仮設桟橋11」(桟橋)の「近傍」にある「橋脚の構築位置」(新設橋梁の橋脚位置)に「水中コンクリート26を打設する」ことと、本件特許発明1の「桟橋を、水域に構築し、」「前記桟橋の側方の水域でコンクリートを新設橋梁の橋脚位置に打設」することとは、「前記桟橋より、水域でコンクリートを新設橋梁の橋脚位置に打設」する点で共通する。 (c)以上により、本件特許発明1と申立2甲1発明とは、 「桟橋を、水域に構築し、前記桟橋より、水域でコンクリートを新設橋梁の橋脚位置に打設し、構造物を構築する構造物の構築方法。」 で一致し、以下の点で相違する。 (相違点2) 本件発明1においては、「コンクリート打設用の配管を配置するための桟橋を、既設橋梁に沿って延びるように」構築し、「前記桟橋に沿って延伸するように配置された前記配管を用いて前記桟橋の側方の水域で」コンクリートを打設するのに対し、 申立2甲1発明においては、「橋脚の構築位置」の「近傍」に構築した「仮設桟橋11」から、「コンクリートポンプ車13」によってコンクリートを打設する点。 b 判断 (a)申立2甲1発明は、「橋脚の構築位置に」「支持架台5が設けられ、その近傍に仮設桟橋11が構築され、その桟橋11上には作業用の移動式クレーン12などが配置され、コンクリートポンプ車13によって」「水中コンクリート26を打設する」「河川を横断する橋梁の基礎などの水中構造物基礎を構築する大口径場所打ち杭式水中構造物基礎の施工法」に関するものである。 一方、本件特許発明1は、「コンクリート打設用の配管を配置するための桟橋を、既設橋梁に沿って延びるように水域に構築し」た上で、「前記桟橋に沿って延伸するように配置された前記配管を用いて」「コンクリートを」「打設」しており、本件特許発明1と申立2甲1発明では、「構造物の構築方法」として、前提となる、「既設橋梁」の有無と「桟橋」の配置、及びコンクリートを打設する手段が、いずれも異なっている。 (b)そして、申立2甲1には、既設橋梁に隣接して工事を行うこととし、かつ既設橋梁に隣接してコンクリート打設用の配管を配置するための桟橋を構築することについて、記載も示唆もなされていないし、動機付けもない。 (c)また、申立2甲2~5には、以下に示すように、申立2甲1発明の「河川を横断する橋梁の基礎などの水中構造物基礎を構築する大口径場所打ち杭式水中構造物基礎の施工法」を、既設橋梁に隣接して工事を行う際に使用することは記載も示唆もされていない。 (d)申立2甲2には、上記1(1)タのとおり、「既設橋梁を新設の橋梁に架け替える工事方法。」が記載されているものの、申立2甲2のみをもって、「既設橋梁を新設の橋梁に架け替える工事方法。」が周知であるとはいえない。 (e)また、仮に、「既設橋梁を新設の橋梁に架け替える工事方法。」が周知の工事であったとしても、「新設橋梁を構築するための桟橋を既設橋梁に沿って構築する工事方法」が周知の工事であるとはいえない。 (f)さらに、申立2甲3~5には、上記1(1)ツ、同ト及び同ニのとおり、「新設橋梁を構築するための桟橋を既設橋梁に沿って構築する工事方法」は記載も示唆もなく、それが本件出願当時の技術常識であったとも認められず、他に動機付けられるものもない以上、相違点2に係る構成を採用することは、当業者といえども、申立2甲1~5の記載から容易に想到し得る事項であるとはいえない。 (g)本件特許発明1の効果は、本件明細書の【0009】の記載から理解されるように、コンクリートの打設時に船舶が不要となり、また桟橋に配管を配置するので河川の流れに関係なくコンクリートを打設でき、配管の閉塞時などでも桟橋上の作業員が対処でき、また桟橋上をポンプ車が移動する必要もなく、桟橋に加わる荷重は配管と作業員の重量だけで済むので桟橋の構成も簡易なものとできることであり、そのような効果は、申立2甲1~申立2甲5の記載から当業者が予測し得たものとはいえない。 (h)申立人2は、令和4年6月28日付けの特許異議申立書(以下「申立書2」という。)7頁26行~8頁20行において、 「甲1の記載イにおいて、「橋脚の構築位置」は、新設橋梁の橋脚の構築位置である。さらに、甲1発明は、「河川や航路を横断する橋梁の基礎」(【0001】)を対象としている。そして、甲2(平成21年7月2日発行)に「既設橋梁を新設の橋梁に架け替えることがある」(【0002】)と記載されているとおり、新設橋梁が既設橋梁に沿って新設されることがあることは周知であり、甲1の発行時においても、当業者が既設橋梁を新設の橋梁に架け替える場合を想定していなかったことは考えられない。したがって、既設橋梁を新設の橋梁に架け替える場合には、上記記載イにおける「橋脚の構築位置」は、当然、既設橋梁に沿って配置されていることになる。 以上を前提として、甲1の記載を整理すると、甲1発明は、次の構成を有する発明である。 a.コンクリート打設用のコンクリートポンプ車が走行するための桟橋を、 b.既設橋梁に沿って延びるように水域に構築し、 c.前記桟橋に沿って移動する前記コンクリートポンプ車を用いて前記桟橋の側方の水域でコンクリートを新設橋梁の橋脚位置に打設し、 d.構造物を構築することを特徴とする構造物の構築方法。 したがって、本件発明1と甲1発明は、 α.コンクリート打設用のコンクリート運搬手段が配置される桟橋を、 β.既設橋梁に沿って延びるように水域に構築し、 γ.前記桟橋に沿って移動する前記コンクリート運搬手段を用いて前記桟橋の側方の水域でコンクリートを新設橋梁の橋脚位置に打設し、 δ.構造物を構築することを特徴とする構造物の構築方法。 である点で共通し、コンクリート運搬手段が、本件発明1では、「配管」であるのに対して、甲1発明では、「コンクリートポンプ車」である点で相違する。」 と主張している。 (i)しかしながら、申立2甲1には、既設橋梁については記載も示唆もなく、「仮桟橋11」に配置した「コンクリートポンプ車13」によってコンクリートを打設することが示されているにとどまるから、「コンクリート打設用のコンクリートポンプ車が走行するための桟橋を、既設橋梁に沿って延びるように水域に構築し、前記桟橋に沿って移動する前記コンクリートポンプ車を用いて前記桟橋の側方の水域でコンクリートを新設橋梁の橋脚位置に打設」することが記載されているとはいえない。 そして、本件特許発明1と申立2甲1発明との相違点は、上記aに認定した相違点2のとおり認定されるべきであり、相違点2の容易想到性については上記(a)~(g)のとおりである。 (j)したがって、申立人2の上記主張を採用することはできない。 (k)小括 以上により、本件特許発明1は、申立2甲1~申立2甲5に記載の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。 イ 本件特許発明2及び3について 本件特許発明2及び3は、本件特許発明1の発明特定事項を全て含み、さらに限定を加えた発明である。 したがって、本件特許発明2及び3は、本件特許発明1と同様の理由により、申立2甲1~5に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものともいえず、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないともいえない。 (4)進歩性(申立1理由1、申立2理由4)についての結論 以上のとおりであるから、申立1理由1、申立2理由4に理由はない。 2 サポート要件(申立2理由3)について (1)判断基準 特許請求の範囲の記載がサポート要件に適合するか否かは、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し、特許請求の範囲に記載された発明が、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲内のものであるか否か、また、その記載がなくとも、当業者が出願時の技術常識に照らし、当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断すべきものである。 (2)特許請求の範囲の記載 本件特許の特許請求の範囲の記載は、上記第2のとおりである。 (3)発明の詳細な説明の記載 本件特許の発明の詳細な説明には次の記載がある(下線は当審判合議体が付した。以下同様。)。 ア「【技術分野】 【0001】 本発明は、水域における構造物の構築方法に関する。」 イ「【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 しかしながら、コンクリートプラント船は大掛かりになり、施工場所に行くまでの航路に橋があるとその下を通過できない等の問題がある。また台船上のポンプ車からコンクリートを打設する場合には時間経過によるコンクリートの品質低下の問題が生じる。例えば生コン車の乗船降船に時間がかかるとスランプロスが大きくなり、生コンホッパーでは時間経過によりホッパー内で生コンが降下しスランプが小さくなる。またコンクリートプラント船や台船などの船舶を用いる場合、河川の流れと直交して航行するのも困難である。 【0006】 一方、水面に配管を浮かべてコンクリートを打設する場合や特許文献1のように仮設桟橋を用いる場合、上記のような問題は少ない。しかしながら、水面に配管を浮かべる場合、河川の流れが速いとコンクリートの打設ができない。また長距離圧送が必要になるので配管が閉塞する可能性が高く、その時対処できないという問題もある。また、特許文献1の方法では仮設桟橋上をポンプ車が走行するので、仮設桟橋としてある程度の強度を有する大掛かりなものが必要になり、その構築に掛かる時間やコストが大きくなる。 【0007】 本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、水域でのコンクリート打設による構造物の構築を簡易に行うことができる構造物の構築方法を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0008】 前述した課題を解決するための本発明は、コンクリート打設用の配管を配置するための桟橋を水域に構築し、前記桟橋に沿って延伸するように配置された前記配管を用いて前記桟橋の側方の水域でコンクリートを打設し、構造物を構築することを特徴とする構造物の構築方法である。 【0009】 本発明では、河川等の水域に桟橋を構築し、この桟橋に配置した配管を用いてコンクリートを打設することで水域に構造物を構築する。本発明ではコンクリートの打設時に船舶が不要となり、また桟橋に配管を配置するので河川の流れに関係なくコンクリートを打設でき、配管の閉塞時などでも桟橋上の作業員が対処できる。また桟橋上をポンプ車が移動する必要もなく、桟橋に加わる荷重は配管と作業員の重量だけで済むので桟橋の構成も簡易なものとできる。」 (4)本件特許発明1の課題 本件特許発明1が解決しようとする課題は、本件特許明細書の発明の詳細な説明の【0005】~【0007】の記載から、「水域でのコンクリート打設による構造物の構築を簡易に行うことができる構造物の構築方法を提供すること」であるといえる。 (5)本件特許発明1について 本件特許発明1は、「コンクリート打設用の配管を配置するための桟橋を、既設橋梁に沿って延びるように水域に構築し、前記桟橋に沿って延伸するように配置された前記配管を用いて前記桟橋の側方の水域でコンクリートを新設橋梁の橋脚位置に打設し、構造物を構築することを特徴とする構造物の構築方法。」である。 そして、上記(3)の【0009】の記載によれば、「桟橋に沿って延伸するように配置された前記配管を用いて前記桟橋の側方の水域でコンクリートを新設橋梁の橋脚位置に打設し、構造物を構築すること」によって、当業者は、コンクリートの打設時に船舶が不要となり、また桟橋に配管を配置するので河川の流れに関係なくコンクリートを打設でき、配管の閉塞時などでも桟橋上の作業員が対処できるようになり、本件特許発明1の課題を解決できると認識することができる。 そうすると、本件特許発明1は、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明に当業者が本件発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるということができ、本件特許発明1についてサポート要件の違反はない。 また、本件特許発明1を直接又は間接的に引用する本件特許発明2及び3は、本件特許発明1を特定するための事項を全て含み、本件特許発明1をさらに減縮したものであるから、本件特許発明1と同様の理由により、本件特許発明2及び3についてサポート要件の違反はない。 (6)申立人2の主張 申立人2は、サポート要件について、「本件発明は、コンクリート打設用の配管が配置されている桟橋を構築しさえすれば、甲1に記載されているような移動式クレーンを配置できる程度の強度を有する大掛かりな桟橋を構築して新設橋梁を構築する方法も含むことになる。しかし、甲1の【図8】と【図10】を比較しても分かるとおり、移動式クレーンの方がコンクリートポンプ車よりも頑丈な桟橋を必要とするから、この場合には、「仮設桟橋としてある程度の強度を有する大掛かりなものが必要になり、その構築に掛かる時間やコストが大きくなる」(【0006】)という課題が解決されたといえないことが明らかである。したがって、本件特許の特許請求の範囲は、明細書に記載されていない発明を含むことになる。」と主張する(申立書2の6頁18行~27行)。 しかしながら、仮に、申立人2が主張するように、大掛かりな桟橋を構築するものであったとしても、本件特許発明1の解決すべき課題は、上記(5)で検討したとおりであって、本件特許発明1は、上記課題を解決するものであるから、申立人2の主張は採用できない。 (7)小括 以上によれば、本件特許発明1~3は、特許法第36条第6項第1号に適合するものである。 よって、本件特許発明1~3は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるとはいえず、同法第113条第4号により取り消すことができない。 3 明確性(申立1理由2、申立2理由1、申立2理由2)について (1)判断基準 特許を受けようとする発明が明確であるかは、特許請求の範囲の記載だけではなく、願書に添付した明細書の記載及び図面を考慮し、また、当業者の出願時における技術常識を基礎として、特許請求の範囲の記載が、第三者の利益が不当に害されるほどに不明確であるか否かという観点から判断されるべきである。 (2)本件特許発明1~3について 本件特許発明1~3についての記載は上記第2のとおりであって、それ自体に不明確な記載は見当たらないし、本件明細書の記載や図面とも整合することを踏まえると、請求項1~3の記載が第三者に不測の不利益を及ぼすほどに不明確であるとはいえない。 (3)申立1理由2について ア 「桟橋を、既設橋梁に沿って延びるように水域に構築し」について (ア)申立人1の主張 本件特許発明1の「桟橋」は、「既設橋梁に沿って延びるように水域に構築し」と特定されるが、「桟橋」と「既設橋梁」の位置関係がどのようなものであれば、「既設橋梁に沿って延び」ているものになるのか発明の詳細な説明を参酌しても理解することができない。 すなわち、「桟橋」は「新設橋梁の橋脚位置」にコンクリートを打設するためのコンクリート配管を設置するという目的から、「桟橋」と「新設橋梁の橋脚位置」との間隔は「桟橋の側方の水域でコンクリートを新設橋梁の橋脚位置に打設」できる程度の間隔であることは理解できるが、「既設橋梁」と「桟橋」の技術的な関係については一切記載がない。そもそも「新設橋梁」と「既設橋梁」の位置関係は設計者の意図という自然法則を利用しない非技術的要因で決まる事項であるため、結果として「桟橋」と「既設橋梁」との間隔やその変化がどの程度のことを特定しているか当業者であっても理解することはできない。 本件特許発明1の「桟橋を、既設橋梁に沿って延びるように水域に構築し」は、本件特許明細書の実施例として記載される「既設橋梁」の架け替え工事の他にも、「既設橋梁」と無関係な遠方の「新設橋梁」を新設する工事も含まれ得る発明特定事項であり、不明確である。 (イ)検討 「沿う」とは、一般的に、「1 長く続いているものに、離れないように付き従う。何かに並行した形で続いている。2 方針や基準となるものに従い、それから離れないようにして何かを行う。」を意味する(デジタル大辞泉(小学館))。 そうすると、請求項1で「桟橋」と「新設橋梁の橋脚位置」との間隔等が特定されていないとしても、「既設橋梁に沿って延びるように水域に構築し」との記載から、「桟橋」は「既設橋梁」に対して離れないように付き従うように構築、あるいは、並行した形で続くように構築することであることは明確であるといえ、第三者の利益が不当に害されるほどに不明確であるとはいえない。 また、請求項1の「既設橋梁に沿って延びるように水域に構築し」との記載は、発明の詳細な説明の【0022】の「桟橋1は、既設橋梁Dおよび構築予定の新設橋梁の近傍で、これらの橋梁の延伸方向に沿って河岸Aから延びるように設けられる。」との記載とも整合している。 したがって、上記申立人1の主張は採用できない。 イ 「前記桟橋の側方の水域」について (ア)申立人1の主張 本件特許発明1の「前記桟橋の側方の水域」の「前記桟橋の側方」とは、「前記桟橋」の周囲の領域の内どの範囲を「側方」と定義しているか明確ではない。すなわち、「前記桟橋」の「側方」とは、通常「桟橋」が延びる方向に対して「桟橋」の左右の領域を指すことは理解できるが、「桟橋」の先端から先の領域は一切含まれないのかあるいは、「桟橋」の先端から先の領域のある一定範囲は含まれるのか明確ではない。 (イ)検討 「側方」とは、一般的に、「前後の方向に対して、左右の方向。わきの方。」を意味する(デジタル大辞泉(小学館))。 そうすると、請求項1の「前記桟橋の側方の水域」との記載から、「桟橋」の前後方向に対して、左右方向の水域、あるいは、「桟橋」のわきの水域であることは明確であるといえ、第三者の利益が不当に害されるほどに不明確であるとはいえない。 また、請求項1の「前記桟橋の側方の水域」との記載は、発明の詳細な説明の【0021】、【0022】及び図1の「桟橋1」、「橋脚位置c1~c4」の位置関係の記載とも整合している。 したがって、上記申立人1の主張は採用できない。 (4)申立2理由1について ア 申立人2の主張 請求項1において、「桟橋を、既設橋梁に沿って延びるように水域に構築」することが記載されているが、桟橋と既設橋梁の位置関係がいかなる条件を充足すれば、「既設橋梁に沿って」という要件を充足すると判断されるのかが明確ではない。すなわち、桟橋と既設橋梁との間の距離について、何らかの上限があるのかどうか、桟橋と既設橋梁は平行でなければならないのか、ある程度の角度があってもよいのか、角度があってもよいとした場合、その上限はどの程度か、という点は、明細書において、何ら明らかにされていない。したがって、第三者が既設橋梁の近傍に桟橋を構築して新設橋梁を構築した場合、当該構築方法が本件発明の技術的範囲に属するか否かを判断できないことになる。 よって、請求項1及びこれに従属する請求項2及び3の記載は、特許法第36条第6項第2号に違反するから、本件特許は、全請求項について、同法第113条第4号の規定によって取り消されるべきものである。 イ 検討 上記(3)ア(イ)で検討したとおり、「桟橋を、既設橋梁に沿って延びるように水域に構築」との記載は明確であり、第三者の利益が不当に害されるほどに不明確であるとはいえない。 したがって、上記申立人2の主張は採用できない。 (5)申立2理由2について ア 申立人2の主張 請求項1において、「コンクリート打設用の配管を配置するための桟橋」を構築することが記載されている。しかし、桟橋がいかなる構造、特性等を備えていれば、「コンクリート打設用の配管を配置するための桟橋」と判断されるのかが明確ではない。 本件特許明細書は、「本実施形態では、桟橋1が負担する荷重が配管3と作業員の重量のみであり、上記のように桟橋1を主に鋼材によって構成された簡易なものとできる。」(【0035】)と記載しているが、コンクリート打設用の配管が配置された桟橋であっても、桟橋の上に、甲1に記載されているような移動式クレーンが配置される場合もある。このような場合に、当該桟橋は、コンクリート打設用の配管が配置されていることにより、「コンクリート打設用の配管を配置するための桟橋」であると認められるのか、反対に、「桟橋1が負担する荷重が配管3と作業員の重量のみ」ではないから、「コンクリート打設用の配管を配置するための桟橋」ではないことになるのか、明確ではない。したがって、第三者がこのような桟橋を構築して新設橋梁を構築した場合に、当該構築方法が本件発明の技術的範囲に属するか否かを判断できないことになる。 イ 検討 請求項1の「コンクリート打設用の配管を配置するための桟橋」は、「既設橋梁に沿って延びるように水域に構築」され、「コンクリート打設用の配管を配置」することができ、「配置された前記配管を用いて前記桟橋の側方の水域でコンクリートを新設橋梁の橋脚位置に打設」することができる構造及び機能を有することが理解されるから、明確であり、第三者の利益が不当に害されるほどに不明確であるとはいえない。 そして、申立人2が主張するように桟橋が備える構造、特性等についてさらに具体的に特許請求の範囲に記載されていないからといって、本件特許発明1~3が不明確となるものではない。 また、請求項1の「コンクリート打設用の配管を配置するための桟橋」との記載は、発明の詳細な説明の【0022】、【0024】~【0029】の「桟橋1」にコンクリート3を打設するための配管3を配置する記載とも整合している。 したがって、上記申立人2の主張は採用できない。 (6)小括 以上によれば、本件特許発明1~3は明確であるといえ、特許法第36条第6項第2号に適合するものである。 よって、本件特許発明1~3は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるとはいえず、同法第113条第4号により取り消すことができない。 第5 むすび 以上のとおり、申立人1の主張する申立1の理由及び証拠、並びに、申立人2の主張する申立2の理由及び証拠によっては、本件特許発明1~3に係る特許を取り消すことはできない。また、他に本件特許発明1~3に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2022-700557

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