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特許異議申立

2024-700720

チューブ容器用包材およびチューブ容器

審判番号
2024-700720
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2019-152983
登録番号
7423936
請求日
2024年07月30日
審決日
2025年08月19日
公報発行日
2026年01月30日
結論
請求成立(取消)
当事者
  • 【権利者】大日本印刷株式会社
  • 【権利者代理人】宮嶋 学
  • 【権利者代理人】堀田 幸裕
  • 【権利者代理人】村田 卓久
  • 【権利者代理人】塙 和也
  • 【権利者代理人】高田 泰彦
  • 【権利者代理人】柏 延之
  • 【権利者代理人】藤枡 裕実
  • 【権利者代理人】深町 圭子
  • 【権利者代理人】伊藤 英生
  • 【権利者代理人】後藤 直樹
  • 【権利者代理人】立石 英之
  • 【異議申立人】齊藤 恵美子
審判長/審判官
  • 審判長 八木 誠
  • 審判官 秋山 誠
  • 審判官 藤井 眞吾
分類
P1651.121-ZAA(B65D)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項特許法113条2号
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第120条の5第7項、特許法第120条の5第2項、特許法第113条第2号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7423936号発明「チューブ容器用包材およびチューブ容器」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7423936号の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~3〕について訂正することを認める。 特許第7423936号の請求項1~3に係る特許を取り消す。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7423936号の請求項1~3に係る特許についての出願は、令和元年8月23日の出願であって、令和6年1月22日にその特許権の設定登録がされ、令和6年1月30日に特許掲載公報が発行された。 本件特許異議の申立ての手続の経緯の概略は、次のとおりである。 令和6年 7月30日 :特許異議申立人齊藤恵美子(以下「申立人」という。)による請求項1~3に係る特許に対する特許異議の申立て 令和6年 9月24日付け:取消理由通知書 令和6年11月18日 :特許権者による訂正請求書及び意見書の提出 令和6年12月26日 :申立人による意見書の提出 令和7年 2月12日付け:取消理由通知書(決定の予告) 令和7年 4月 9日 :特許権者による訂正請求書及び意見書の提出(以下、この訂正請求書による訂正の請求を「本件訂正請求」といい、訂正自体を「本件訂正」という。) 令和7年 6月11日 :申立人による意見書の提出 なお、令和6年11月18日に提出された訂正請求書による訂正の請求は、特許法第120条の5第7項の規定により取り下げられたものとみなす。 第2 本件訂正請求の適否 1 訂正の内容 本件訂正の内容は、訂正箇所に下線を付して示すと、次のとおりである。 (1)訂正事項1 本件訂正前の請求項1に記載された 「更に前記印刷層の全域を覆う保護層を備えていることを特徴とするチューブ容器用包材。」を、 「更に前記印刷層の全域を覆う保護層を備えており、 前記内面基材層の外面に、内面印刷部が設けられており、 前記内面印刷部は、少なくとも前記サイドシーム部となる位置に形成されていることを特徴とするチューブ容器用包材。」に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項3も同様に訂正する)。 (2)訂正事項2 本件訂正前の請求項1を引用する請求項2を独立形式に改め、本件訂正前の請求項2に記載された「前記外面印刷基材層および前記内面シーラント層はポリエチレンを含むことを特徴とする請求項1に記載のチューブ容器用包材。」を、 「一対の貼り合わせ端部を有するチューブ容器用包材(但し、少なくとも、樹脂からなる立体装飾樹脂層、容器の地色印刷が施された表面印刷投影層、ヒートシール性樹脂からなる内面樹脂層が順に積層してなる積層体であって、文字、絵柄が立体装飾樹脂層の表面に印刷され、かつ立体装飾樹脂層の厚みが100μm~300μmであることを特徴とする積層体を除く)において、 外面から内面に向かって順に配置されたヒートシール性を有する外面印刷基材層と、外面シーラント層と、内面基材層と、内面シーラント層とを備え、 前記外面印刷基材層の外面のうち、前記チューブ容器のサイドシーム部となる位置を除いて、デジタル印刷により形成された印刷層を設け、 更に前記印刷層の全域を覆う保護層を備えており、 前記内面基材層の内面または外面に、内面印刷部が設けられており、 前記内面印刷部は、少なくとも前記サイドシーム部となる位置に形成されており、 前記外面印刷基材層および前記内面シーラント層はポリエチレンを含むことを特徴とするチューブ容器用包材。」に訂正する(請求項2の記載を引用する請求項3も同様に訂正する)。 2 一群の請求項 本件訂正前の請求項1~3は、請求項2、3が、本件訂正請求の対象である請求項1の記載を引用する関係にあるから、本件訂正は、一群の請求項〔1~3〕について請求されている。 3 訂正の目的の適否、新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 (1)訂正事項1について 訂正事項1は、本件訂正前の請求項1の「内面基材層」を限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 訂正事項1は、本件特許の明細書の【0015】、【0043】、【0044】の記載に基づくものであるから、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件特許明細書等」という。)に記載した事項の範囲内においてするものである。 また、訂正事項1は、本件訂正前の請求項1に係る発明の発明特定事項をさらに限定するものであり、また、発明のカテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (2)訂正事項2について 訂正事項2は、本件訂正前の請求項2について、請求項間の引用関係を解消して独立形式に改めたうえで、本件訂正前の請求項1に記載された「チューブ容器用包材」、「内面基材層」について限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮及び他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものに該当する。 訂正事項2のうち「チューブ容器用包材」について「(但し、少なくとも、樹脂からなる立体装飾樹脂層、容器の地色印刷が施された表面印刷投影層、ヒートシール性樹脂からなる内面樹脂層が順に積層してなる積層体であって、文字、絵柄が立体装飾樹脂層の表面に印刷され、かつ立体装飾樹脂層の厚みが100μm~300μmであることを特徴とする積層体を除く)」とする点は、新たな技術的事項を導入するものではないから、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 訂正事項2のうち「内面基材層」について限定する点は、本件特許の明細書の【0015】、【0043】、【0044】の記載に基づくものであるから、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 また、訂正事項2は、本件訂正前の請求項2に係る発明の発明特定事項をさらに限定するものであり、また、発明のカテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 4 訂正請求についてのむすび 以上のとおり、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号、第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 したがって、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~3〕について訂正することを認める。 第3 本件発明 上記第2のとおり本件訂正請求が認められたことから、本件特許の請求項1~3に係る発明(以下「本件発明1」等という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1~3に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、請求項1~3の記載は、次のとおりである。 【請求項1】 一対の貼り合わせ端部を有するチューブ容器用包材において、 外面から内面に向かって順に配置されたヒートシール性を有する外面印刷基材層と、外面シーラント層と、内面基材層と、内面シーラント層とを備え、 前記外面印刷基材層の外面のうち、前記チューブ容器のサイドシーム部となる位置を除いて、デジタル印刷により形成された印刷層を設け、 更に前記印刷層の全域を覆う保護層を備えており、 前記内面基材層の外面に、内面印刷部が設けられており、 前記内面印刷部は、少なくとも前記サイドシーム部となる位置に形成されていることを特徴とするチューブ容器用包材。 【請求項2】 一対の貼り合わせ端部を有するチューブ容器用包材(但し、少なくとも、樹脂からなる立体装飾樹脂層、容器の地色印刷が施された表面印刷投影層、ヒートシール性樹脂からなる内面樹脂層が順に積層してなる積層体であって、文字、絵柄が立体装飾樹脂層の表面に印刷され、かつ立体装飾樹脂層の厚みが100μm~300μmであることを特徴とする積層体を除く)において、 外面から内面に向かって順に配置されたヒートシール性を有する外面印刷基材層と、外面シーラント層と、内面基材層と、内面シーラント層とを備え、 前記外面印刷基材層の外面のうち、前記チューブ容器のサイドシーム部となる位置を除いて、デジタル印刷により形成された印刷層を設け、 更に前記印刷層の全域を覆う保護層を備えており、 前記内面基材層の内面または外面に、内面印刷部が設けられており、 前記内面印刷部は、少なくとも前記サイドシーム部となる位置に形成されており、 前記外面印刷基材層および前記内面シーラント層はポリエチレンを含むことを特徴とするチューブ容器用包材。 【請求項3】 請求項1乃至2のいずれかに記載のチューブ容器用包材の対向する端部同士を重ね合わせて互いに接合した筒状胴部と、 前記筒状胴部の一端に接合された頭部部材と、を備えることを特徴とするチューブ容器。 第4 取消理由通知(決定の予告)に記載した取消理由について 本件訂正前の請求項1~3に係る特許に対して、当審が特許権者に通知した取消理由の概要は、次のとおりである。 取消理由3(進歩性) 本件特許の請求項1~3に係る発明は、下記甲第9号証に記載された発明に基づいて、その出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1~3に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 <引用文献等一覧> 甲第9号証 特開2010-234719号公報(以下「甲9」という。) 甲第1号証 特開2014-5044号公報(以下「甲1」という。) 甲第2号証 実願昭56-57982号(実開昭57-171644号)のマイクロフィルム(以下「甲2」という。) 第5 当審の判断 1 引用文献に記載された事項等 (1)甲9 ア 甲9の記載 甲9には、次の記載がある(下線は当審で付与した。また、「・・・」は省略を示す。以下同様。)。 「【技術分野】 【0001】 本発明は、積層体とその積層体により製造されるチューブ容器に関し、表面に印刷された文字や絵柄を立体的に表現する積層体、および、それを用いた高意匠性を有するチューブ容器を提供するものである。」 「【発明が解決しようとする課題】 【0006】 近年、化粧品、トイレタリー分野では保存料等の添加剤を加えない製品や遮光性を必要とする製品が増加傾向にあり、それら製品を収納する容器として、バリア性と高い意匠性を有するチューブ容器が必要とされている。 ・・・積層材を筒貼りして胴部を形成する際に積層材の両端の最外層合成樹脂層と最内層合成樹脂層を溶着して貼り合せるため、貼り合せ部の表面には地色印刷を施すことができず、ミミ部、貼り合せ部には印刷抜けが生じることとなり、積層材を用いてチューブ容器を作製した際に意匠性が低下する。」 「【0011】 以下に本発明に係る積層体、その積層体を用いたチューブ容器、およびチューブ容器の製造方法について図面等により詳細に説明する。 図1(a)に本発明に係る積層体の一例の構成を示す。最終的に図3のチューブ容器16を作製した際の容器外側となる側から順に、立体装飾樹脂層3、表面印刷投影層4、内面樹脂層5で構成され、表面印刷投影層4は立体装飾樹脂層3と接する側から順に、基材6、透明および/または半透明な中間印刷層7、金属箔層8で構成される。また、図1(b)に示すように、立体装飾樹脂層3上に表面樹脂層11を設けてもよい。立体装飾樹脂層3または表面樹脂層11には文字や絵柄などの表面印刷2が施される。 ・・・ 【0012】 図1(a)、(b)に示す本発明の積層体について、具体的に説明する。 内面樹脂層としては、熱によって溶融して、立体装飾樹脂層あるいは表面樹脂層と相互に融着し得るものであればよく、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリエチレン若しくはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、その他等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂等の1種ないしそれ以上からなる樹脂およびそのフィルムないしシートを使用し、内面樹脂層を形成することができる。本発明においては、前記のような樹脂の中でも、特に、線状低密度ポリエチレンを使用することが好ましい。線状低密度ポリエチレンは、粘着性を有することから破断の伝搬が少なく耐衝撃性を向上させるという利点がある。また、内面樹脂層は常時内容物に接触していることから、耐環境ストレスクラッキング性の劣化を防止するためにも有効である。 ・・・」 「【0014】 中間印刷層は、基材の一方の面に、容器の地色となる所望の色を印刷し、透明および/または半透明な層として形成する。基材としては、二軸延伸PP、PET、ON、EVOHなどの樹脂のフィルムないしシートを使用でき、厚みは10~50μmが好ましい。 【0015】 中間印刷層は、容器の地色となるもので、透明および/または半透明であれば一様な色柄でもよく、色の濃淡からなるグラデーション模様等、任意の色と柄から形成することができる。中間印刷層の色柄と金属箔等の輝きとの混合により、金属箔以外の金属感を現出させて、容器へ変化に富んだ装飾効果を付与することができる。中間印刷層の厚みは、金属箔との混合による金属感の発現と透明性を維持する程度に適宜設定できる。 【0016】 また、中間印刷層で容器の地色を印刷するので、地色印刷が最表面でなくなり、印刷機に通すためのミミ部分および積層体の両端の貼り合わせ部も地色が印刷された積層体とすることができ、積層体を筒貼りして胴部を形成しても印刷抜けのないチューブ容器胴部を作製できる。」 「【0018】 ・・・立体装飾樹脂層の厚みは100~300μmが好ましい。表面印刷と表面印刷投影層との間に立体装飾樹脂層を設けることにより、表面印刷の文字や絵柄等の影が表面印刷投影層中の金属箔層面に投影され、容器外側から目で見た際に、文字や絵柄等が、その投影された影と多少のずれを生じて重なって、消費者に立体的に見えるといった優れた装飾効果を奏する。立体装飾樹脂層が100μm以下の場合は、表面印刷の文字や絵柄と、その投影された影とのずれが小さく、十分な立体装飾性が生じない。また、300μm以上の場合は、表面印刷と金属箔層が離れすぎ、金属箔面に投影される文字や絵柄等の影が薄くなり、文字や絵柄を十分に立体的に見せることができない。 立体装飾樹脂層上に表面樹脂層を設ける場合は、立体装飾樹脂層と表面樹脂層の厚さの総和が100~300μmとなることが好ましく、そのため、立体装飾樹脂層の厚みは、100~260μmがより望ましい。 【0019】 表面印刷は、立体装飾樹脂層上に、文字や絵柄などを印刷して形成する。印刷方法としては、活版印刷方やフレキソ印刷法、シルク印刷法などの通常の印刷方法を用いることができるが、中でも活版印刷法が製造コストが安価であり、印刷した文字や絵柄が美麗である点で好ましい。 【0020】 また、立体装飾樹脂層上に、表面樹脂層を設けてもよい。表面樹脂層を構成する材料としては、印刷による表面印刷を形成し得るヒートシール性を有する樹脂を使用することが望ましい。具体的には、ヒートシール性を有する樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸メチル共重合体、エチレン-プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリブテンポリマー、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂を不飽和カルボン酸を使用して酸変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、その他等の樹脂を使用することができる。・・・」 「【0025】 以上の方法により、図1(a)、(b)に示す本発明の積層体を作製し、積層体の表面印刷側が外側になるように、両端部の立体装飾樹脂層3または表面樹脂層11と内面樹脂層5を重ね合わせ、その対向面をヒートシールや高周波シール等により溶着して筒状胴部12を構成し、更に、筒状胴部12の一方の開口部に、例えば、高密度ポリエチレン等を射出成型、その他の成型法で成型溶着して、肩部13、口部14からなる頭部15を設け、本発明のチューブ容器16を作製する。」 「【図1】 (b) [図:0001431111000001.jpg] 」 「【図3】 [図:0001431111000002.jpg] 」 イ 積層体の発明 甲9には、特に図1(b)の積層体1に着目すると、次の発明が記載されている。 「チューブ容器16を作製した際の容器外側となる側から順に、立体装飾樹脂層3、表面印刷投影層4、内面樹脂層5で構成され、 表面印刷投影層4は立体装飾樹脂層3と接する側から順に、基材6、透明および/または半透明な中間印刷層7、金属箔層8で構成され、 立体装飾樹脂層3上に表面樹脂層11を設け、表面樹脂層11には文字や絵柄などの表面印刷2が施された、チューブ容器16に用いられる積層体1であって、 内面樹脂層5は、熱によって溶融して、表面樹脂層と相互に融着し得るものであり、 中間印刷層7は、基材6の一方の面に、容器の地色となる所望の色を印刷し、透明および/または半透明な層として形成したものであって、両端の貼り合わせ部も地色が印刷されたものであり、 表面樹脂層11を構成する材料として、ヒートシール性を有する樹脂を使用され、 両端部の表面樹脂層11と内面樹脂層5を重ね合わせ、その対向面をヒートシールや高周波シール等により溶着して筒状胴部12を構成する、積層体1。」(以下「甲9発明」という。) ウ チューブ容器の発明 甲9には、特に図1(b)の積層体1を用いた図3のチューブ容器16に着目すると、次の発明が記載されている。 「チューブ容器16を作製した際の容器外側となる側から順に、立体装飾樹脂層3、表面印刷投影層4、内面樹脂層5で構成され、 表面印刷投影層4は立体装飾樹脂層3と接する側から順に、基材6、透明および/または半透明な中間印刷層7、金属箔層8で構成され、 立体装飾樹脂層3上に表面樹脂層11を設け、表面樹脂層11には文字や絵柄などの表面印刷2が施された、チューブ容器16に用いられる積層体1であって、 内面樹脂層5は、熱によって溶融して、表面樹脂層と相互に融着し得るものであり、 中間印刷層7は、基材6の一方の面に、容器の地色となる所望の色を印刷し、透明および/または半透明な層として形成したものであって、両端の貼り合わせ部も地色が印刷されたものであり、 表面樹脂層11を構成する材料として、ヒートシール性を有する樹脂を使用された積層体1を用いて、 その積層体1の両端部の表面樹脂層11と内面樹脂層5を重ね合わせ、その対向面をヒートシールや高周波シール等により溶着して筒状胴部12を構成し、 更に、筒状胴部12の一方の開口部に、肩部13、口部14からなる頭部15を成型溶着して設けた、チューブ容器16。」(以下「甲9発明の2」という。) (2)甲1 甲1には、次の記載がある。 「【発明が解決しようとする課題】 【0008】 そこで本発明は、従来の印刷方式の代わりにデジタル印刷を用い、多品種・小ロットでの容器生産を比較的低コストかつスピーディーに行うことができるチューブ状積層容器及びその製造方法を提供することを課題とする。」 「【発明を実施するための形態】 【0015】 本発明に係る印刷が施されたチューブ状積層容器は、円筒状の胴部の外周に乾式電子写真方式又は液体現像方式のデジタル印刷機によって印刷された印刷層が形成されている。 本発明に係るチューブ状積層容器を形成する胴部の積層体は、例えば内層及び外層がシーラントで、中間層としての遮蔽材よりなる三層構造の積層シート等により原反を製造し、かかる原反を裁断したシートをサイドシームにより筒状として形成される。内層及び外層のシーラントとしては、化学的に不活性で且つ加工適正の良いポリオレフィン系樹脂(特には低密度ポリエチレン樹脂層)を用いるのが好ましい。他に、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(L-LDPE)、未延伸ポリプロピレン系樹脂等を用いても良い。また、遮蔽材としては、例えばアルミニウム箔、アルミナ蒸着PET、シリカ蒸着PET、エチレンビニルアルコール、シリカ蒸着ポリアミド、あるいはナイロン系樹脂が用いられる。中でもアルミニウム箔を用いるのが好ましい。」 甲1の上記の記載から、甲1には、「チューブ状積層容器において、印刷方式としてデジタル印刷を用いること」(以下「甲1記載事項」という。)が記載されている。 (3)甲2 甲2には、次の記載がある。 「この考案は押出チューブ用ブランクに関するものである。」(明細書1ページ下から5~下から4行) 「第5図及び第6図において101はブランクであり、原反103上に複数が連続して形成されている。ブランク101は金属箔115とプラスチックフィルム116,117,118,119とを層状に重ねてヒートシール若しくは高周波溶着によって貼合したものであるが、少なくとも表層部119は白色ポリエチレンで構成され、表層部119上に印刷により印刷層121が形成され、さらにその上にニス掛けによりニス層122が形成されている。特に重要なこととして、このブランク101においてニス層122は印刷層121の全面に形成されているのではない。すなわち、ブランク101において、サイドシーム(第1図符号104)を形成するべく重ね合される両側端部123,124のうち、一側端124の表面125にはニス層122が形成されない。」(明細書7ページ2行~下から5行) 「この考案においては、印刷は原反素材に対して行い、印刷面の保護は印刷と同時に行うニス掛けによって行うこととなるから、」(明細書15ページ4~7行) 「第6図 [図:0001431111000003.jpg] 」 甲2の上記記載から、甲2には、「押出チューブ用ブランクにおいて、印刷層121の全域を覆い保護するニス層を形成すること。」(以下「甲2記載事項」という。)が記載されている 2 本件発明1について (1)対比 本件発明1と甲9発明とを対比する。 甲9発明の「チューブ容器16に用いられる」「積層体1」は本件発明1の「チューブ容器用包材」に相当する。 甲9発明の「内面樹脂層5」は、「表面樹脂層11」との「対向面をヒートシールや高周波シール等により溶着」されるものであるから、本件発明1の「内面シーラント層」に相当する。 甲9発明の「基材6」は、「積層体1」の内面に設けられているから、本件発明1の「内面基材層」に相当する。 甲9発明の「表面樹脂層11」は、「文字や絵柄などの表面印刷2が施され」、「材料として、ヒートシール性を有する樹脂を使用され」たものであるから、本件発明1の「ヒートシール性を有する」「外面印刷基材層」に相当する。 甲9発明の「立体装飾樹脂層3」は、「表面樹脂層11」と「基材6」とを積層するものであるから、本件発明1の「外面シーラント層」に相当する。 甲9発明において、「積層体1」の「両端部の表面樹脂層11と内面樹脂層5を重ね合わせ、その対向面をヒートシールや高周波シール等により溶着して筒状胴部12を構成する」ことは、本件発明1において、「チューブ容器用包材」が「一対の貼り合わせ端部を有する」ことに相当する。 甲9発明において、「容器外側となる側から順に、立体装飾樹脂層3、表面印刷投影層4、内面樹脂層5で構成され、表面印刷投影層4は立体装飾樹脂層3と接する側から順に、基材6、透明および/または半透明な中間印刷層7、金属箔層8で構成され」ることは、本件発明1において、「外面から内面に向かって順に配置されたヒートシール性を有する外面印刷基材層と、外面シーラント層と、内面基材層と、内面シーラント層とを備え」ることに相当する。 甲9発明の「中間印刷層」は、本件発明1の「内面印刷部」に相当する。 甲9発明の「中間印刷層7は、基材6の一方の面に、容器の地色となる所望の色を印刷し、透明および/または半透明な層として形成したものであって、両端の貼り合わせ部も地色が印刷されたものであ」ることは、本件発明1の「前記内面印刷部は、少なくとも前記サイドシーム部となる位置に形成されていること」に相当する。 甲9発明において、「表面樹脂層11には文字や絵柄などの表面印刷2が施された」ことと、本件発明1において、「前記外面印刷基材層の外面のうち、前記チューブ容器のサイドシーム部となる位置を除いて、デジタル印刷により形成された印刷層を設け」ることとは、外面印刷基材層の外面に、印刷により形成された印刷層を設けることの限りで一致する。 そうすると、本件発明1と甲9発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。 [一致点A] 一対の貼り合わせ端部を有するチューブ容器用包材において、 外面から内面に向かって順に配置されたヒートシール性を有する外面印刷基材層と、外面シーラント層と、内面基材層と、内面シーラント層とを備え、 外面印刷基材層の外面に、印刷により形成された印刷層を設け、 前記内面印刷部は、少なくとも前記サイドシーム部となる位置に形成されているチューブ容器用包材。 [相違点A-1] 外面印刷基材層の外面に、印刷により形成された印刷層を設けることに関して、本件発明1は、「前記外面印刷基材層の外面のうち、前記チューブ容器のサイドシーム部となる位置を除いて、デジタル印刷により形成された印刷層を設け」るものであるのに対して、甲9発明は、「表面樹脂層11には文字や絵柄などの表面印刷2が施された」ものである点。 [相違点A-2] 本件発明1は、「更に前記印刷層の全域を覆う保護層を備えて」いるのに対して、甲9発明は、そのような「保護層」を備えていない点。 [相違点A-3] 本件発明1は、「前記内面基材層の外面に、内面印刷部が設けられて」いるのに対して、甲9発明は、「中間印刷層7」がそのようなものではない点。 (2)判断 ア 相違点A-1について 甲9の「積層材を筒貼りして胴部を形成する際に積層材の両端の最外層合成樹脂層と最内層合成樹脂層を溶着して貼り合せるため、貼り合せ部の表面には地色印刷を施すことができず」(【0006】)の記載から、貼り合わせ部の表面への印刷が好ましくないことが示唆されている。そうすると、甲9発明における「文字や絵柄などの表面印刷2」を「貼り合わせ部」の一を除いて形成することに格別の困難性はない。 また、甲1記載事項は、チューブ状積層容器において、印刷方式としてデジタル印刷を用いることであるところ、甲9発明と甲1記載事項は、いずれもチューブ容器用包材において印刷層を設けるものであるから、甲9発明の「表面印刷2」の印刷方式として、甲1記載事項を採用することは、当業者が容易になし得たことである。 イ 相違点A-2について 甲2記載事項は、押出チューブ用ブランクにおいて、印刷層121の全域を覆い保護するニス層を形成することであるところ、甲9発明と甲2記載事項は、チューブ状積層容器において、印刷方式としてデジタル印刷を用いて印刷層を設けるものであるから、甲9発明に甲2記載事項を適用して、相違点A-2に係る本件発明1の構成とすることは、当業者が容易に想到できたことである。 ウ 相違点A-3について 「中間印刷層7」を「基材6」のどちらの面に形成するかは当業者が適宜決め得ることであること、甲9の【0014】には、「中間印刷層は、基材の一方の面に、容器の地色となる所望の色を印刷し、透明および/または半透明な層として形成する」と記載されていることから、甲9発明において、基材6の外面に、中間印刷層7が設けられるようにすることに格別の困難性はない。 (3)本件発明1についてのまとめ よって、本件発明1は、甲9発明、甲1記載事項及び甲2記載事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 3 本件発明2について (1)対比 本件発明2と甲9発明とを対比する。 甲9発明の「チューブ容器16に用いられる」「積層体1」は本件発明2の「チューブ容器用包材」に相当する。 甲9発明の「内面樹脂層5」は、「表面樹脂層11」との「対向面をヒートシールや高周波シール等により溶着」されるものであるから、本件発明2の「内面シーラント層」に相当する。 甲9発明の「基材6」は、「積層体1」の内面に設けられているから、本件発明2の「内面基材層」に相当する。 甲9発明の「表面樹脂層11」は、「文字や絵柄などの表面印刷2が施され」、「材料として、ヒートシール性を有する樹脂を使用され」たものであるから、本件発明2の「ヒートシール性を有する」「外面印刷基材層」に相当する。 甲9発明の「立体装飾樹脂層3」は、「表面樹脂層11」と「基材6」とを積層するものであるから、本件発明2の「外面シーラント層」に相当する。 甲9発明において、「積層体1」の「両端部の表面樹脂層11と内面樹脂層5を重ね合わせ、その対向面をヒートシールや高周波シール等により溶着して筒状胴部12を構成する」ことは、本件発明2において、「チューブ容器用包材」が「一対の貼り合わせ端部を有する」ことに相当する。 甲9発明において、「容器外側となる側から順に、立体装飾樹脂層3、表面印刷投影層4、内面樹脂層5で構成され、表面印刷投影層4は立体装飾樹脂層3と接する側から順に、基材6、透明および/または半透明な中間印刷層7、金属箔層8で構成され」ることは、本件発明2において、「外面から内面に向かって順に配置されたヒートシール性を有する外面印刷基材層と、外面シーラント層と、内面基材層と、内面シーラント層とを備え」ることに相当する。 甲9発明の「中間印刷層」は、「基材6の一方の面に」「形成したもの」であるから、本件発明2の「前記内面基材層の内面または外面に」「設けられ」た「内面印刷部」に相当する。 甲9発明の「中間印刷層7は、基材6の一方の面に、容器の地色となる所望の色を印刷し、透明および/または半透明な層として形成したものであって、両端の貼り合わせ部も地色が印刷されたものであ」ることは、本件発明2の「前記内面印刷部は、少なくとも前記サイドシーム部となる位置に形成されていること」に相当する。 甲9発明において、「表面樹脂層11には文字や絵柄などの表面印刷2が施された」ことと、本件発明2において、「前記外面印刷基材層の外面のうち、前記チューブ容器のサイドシーム部となる位置を除いて、デジタル印刷により形成された印刷層を設け」ることとは、外面印刷基材層の外面に、印刷により形成された印刷層を設けることの限りで一致する。 そうすると、本件発明2と甲9発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。 [一致点B] 一対の貼り合わせ端部を有するチューブ容器用包材において、 外面から内面に向かって順に配置されたヒートシール性を有する外面印刷基材層と、外面シーラント層と、内面基材層と、内面シーラント層とを備え、 外面印刷基材層の外面に、印刷により形成された印刷層を設け、 前記内面基材層の内面または外面に、内面印刷部が設けられており、 前記内面印刷部は、少なくとも前記サイドシーム部となる位置に形成されているチューブ容器用包材。 [相違点B-1] 本件発明2は、「チューブ容器用包材」が「(但し、少なくとも、樹脂からなる立体装飾樹脂層、容器の地色印刷が施された表面印刷投影層、ヒートシール性樹脂からなる内面樹脂層が順に積層してなる積層体であって、文字、絵柄が立体装飾樹脂層の表面に印刷され、かつ立体装飾樹脂層の厚みが100μm~300μmであることを特徴とする積層体を除く)」ものであるのに対して、甲9発明は、「積層体1」がそのようなものであるか不明である点。 [相違点B-2] 外面印刷基材層の外面に、印刷により形成された印刷層を設けることに関して、本件発明2は、「前記外面印刷基材層の外面のうち、前記チューブ容器のサイドシーム部となる位置を除いて、デジタル印刷により形成された印刷層を設け」るものであるのに対して、甲9発明は、「表面樹脂層11には文字や絵柄などの表面印刷2が施された」ものである点。 [相違点B-3] 本件発明2は、「更に前記印刷層の全域を覆う保護層を備えて」いるのに対して、甲9発明は、そのような「保護層」を備えていない点。 [相違点B-4] 本件発明2は、「前記外面印刷基材層および前記内面シーラント層はポリエチレンを含む」のに対して、甲9発明は、「表面樹脂層11」、「内面樹脂層5」がそのようなものであるか不明である点。 (2)判断 ア 相違点B-1について 甲9発明には、少なくとも、樹脂からなる立体装飾樹脂層3、容器の地色印刷が施された表面印刷投影層4、ヒートシール性樹脂からなる内面樹脂層5が順に積層してなる積層体であって、文字、絵柄が立体装飾樹脂層3の表面に印刷され、かつ立体装飾樹脂層3の厚みが100μm~300μmである積層体(以下「積層体X」という。)が含まれ得る。 しかしながら、甲9の【0019】には、「表面印刷は、立体装飾樹脂層上に、文字や絵柄などを印刷して形成する。」と記載されているように、「文字」や「絵柄」は「表面印刷」の例示であって、甲9発明において、例えば、「文字」、「絵柄」の一方を省略するなどにより、積層体Xではないものとすることは、当業者が適宜なし得たことにすぎない。 また、甲9の【0018】には、「立体装飾樹脂層の厚みは100~300μmが好ましい。表面印刷と表面印刷投影層との間に立体装飾樹脂層を設けることにより、表面印刷の文字や絵柄等の影が表面印刷投影層中の金属箔層面に投影され、容器外側から目で見た際に、文字や絵柄等が、その投影された影と多少のずれを生じて重なって、消費者に立体的に見えるといった優れた装飾効果を奏する。立体装飾樹脂層が100μm以下の場合は、表面印刷の文字や絵柄と、その投影された影とのずれが小さく、十分な立体装飾性が生じない。また、300μm以上の場合は、表面印刷と金属箔層が離れすぎ、金属箔面に投影される文字や絵柄等の影が薄くなり、文字や絵柄を十分に立体的に見せることができない。」と記載されているように、「立体装飾樹脂層の厚み」の範囲「100μm~300μm」は、あくまでも「好ましい」範囲である。そうすると、立体装飾樹脂層3の厚さは、立体装飾性やコスト等を勘案して当業者が適宜決め得ることであり、「100~300μm」の範囲のものとしないことで、甲9発明を積層体Xではないものとすることは、当業者が適宜なし得たことにすぎない。 したがって、甲9発明において、相違点B-1に係る本件発明2の構成とすることは、当業者が容易に想到できたことである。 イ 相違点B-2、相違点B-3について 相違点B-2は相違点A-1と実質的に同じであり、相違点B-3は相違点A-2と実質的に同じであるから、上記2(2)ア及びイで説示したのと同様の理由により、甲9発明において、相違点B-2及びB-3に係る本件発明2の構成とすることは、当業者が容易に想到できたことである。 ウ 相違点B-4について 甲9には、「表面樹脂層」に用いる樹脂としてポリエチレンが例示されており(【0020】、【0038】、【0039】)、「内面樹脂層」に用いる樹脂としてポリエチレンが例示されている(【0012】、【0038】、【0039】)。 甲9発明における「表面樹脂層」、「内面樹脂層」の樹脂として何を用いるかは、当業者が適宜決め得ることであり、甲9に例示されているポリエチレンを採用することに格別の困難性はない。 (3)本件発明2についてのまとめ よって、本件発明2は、甲9発明、甲1記載事項及び甲2記載事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 4 本件発明3について 本件発明3と甲9発明の2とを対比すると、上記2(1)、3(1)で示した点に加えて次のとおりである。 甲9発明の2の「チューブ容器16」は本件発明3の「チューブ容器」に相当する。 甲9発明の2の「積層体1の両端部の表面樹脂層11と内面樹脂層5を重ね合わせ、その対向面をヒートシールや高周波シール等により溶着して筒状胴部12を構成し」たことは、本件発明3の「チューブ容器用包材の対向する端部同士を重ね合わせて互いに接合した筒状胴部」を「備え」たことに相当する。 甲9発明の2の「筒状胴部12の一方の開口部に、肩部13、口部14からなる頭部15を成型溶着して設けた」ことは、本件発明3の「前記筒状胴部の一端に接合された頭部部材」を「備え」たことに相当する。 そうすると、本件発明3と甲9発明の2とは、次の点で相違し、その余の点で一致する。 [相違点C-1] 外面印刷基材層の外面に、印刷により形成された印刷層を設けることに関して、本件発明3は、「前記外面印刷基材層の外面のうち、前記チューブ容器のサイドシーム部となる位置を除いて、デジタル印刷により形成された印刷層を設け」るものであるのに対して、甲9発明の2は、「表面樹脂層11には文字や絵柄などの表面印刷2が施された」ものである点。 [相違点C-2] 本件発明3は、「更に前記印刷層の全域を覆う保護層を備えて」いるのに対して、甲9発明の2は、そのような「保護層」を備えていない点。 相違点C-1は相違点A-1と実質的に同じであり、相違点C-2は相違点A-2と実質的に同じであるから、上記2(2)ア及びイで説示したのと同様の理由により、甲9発明の2において、相違点C-1、相違点C-2に係る本件発明3の構成とすることは、当業者が容易に想到できたことである。 よって、本件発明3は、甲9発明の2、甲1記載事項及び甲2記載事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 第6 むすび 以上のとおり、請求項1~3に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。 よって、結論のとおり決定する。

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2024-700720

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