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特許異議申立

2024-700481

離型フィルム

審判番号
2024-700481
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2022-126242
登録番号
7417878
請求日
2024年05月21日
審決日
2024年09月27日
公報発行日
2024年11月29日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】東洋紡株式会社
  • 【権利者代理人】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
  • 【異議申立人】小宮 邦彦
審判長/審判官
  • 審判長 神谷 健一
  • 審判官 橿本 英吾
  • 審判官 宮澤 浩
分類
P1651.121-Y (B32B)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条
データ出所
審決公報(XML)

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特許第7417878号発明「離型フィルム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7417878号の請求項1ないし3に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 事案の概要 1 手続の経緯 特許第7417878号の請求項1~請求項3に係る特許(以下「本件特許」という。)についての特許出願は、平成29年11月10日に出願した特願2017-217051号の一部を新たな特許出願として令和4年8月8日に特願2022-126242号として分割出願したものであって、令和6年1月11日に特許権の設定登録がされ(請求項の数3)、同年1月19日に特許掲載公報が発行されたところ、発行の日から6月以内である同年5月21日に特許異議申立人 小宮 邦彦(以下「申立人」という。)から、全請求項(請求項1~3)に係る特許についての特許異議の申立てがされたものである。 2 本件特許発明 本件特許の請求項1~請求項3に係る発明(以下、請求項番号にしたがって「本件特許発明1」などといい、まとめて「本件特許発明」ということもある。)は、特許請求の範囲の請求項1~請求項3に記載された事項によって特定されるとおりの、以下のものである。 「【請求項1】 基材フィルムが無機粒子を実質的に含有しておらず、前記基材フィルムの一方の表面上に離型塗布層を有し、 基材フィルムのもう一方の表面上に粒子を含有する易滑塗布層を有し、 易滑塗布層の領域表面平均粗さ(Sa)が1nm以上25nm以下、 最大突起高さ(P)が60nm以上500nm以下、かつ 粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)が10μm以下であり、 前記易滑塗布層は、平均粒径が異なる2種類の粒子を含み、 前記易滑塗布層は、平均粒径が10~270nmの粒子と、平均粒径が300nm~1000nmの粒子を含む、 樹脂シート成型用離型フィルム。 【請求項2】 離型塗布層の領域表面平均粗さ(Sa)が5nm以下、最大突起高さ(P)が200nm以下である請求項1に記載の樹脂シート成型用離型フィルム。 【請求項3】 離型塗布層の表面自由エネルギーが15mJ/m2以上45mJ/m2以下である請求項1に記載の樹脂シート成型用離型フィルム。」 3 特許異議申立ての概要 申立人は、証拠として甲第1号証~甲第7号証を提出するとともに、本件特許発明1~本件特許発明3は、特許法29条2項の規定に違反してされたものであるから、取り消されるべきものである、と主張する。(以下、「第」及び「号証」を略して表記する。) ここで、甲1~甲7は以下のものである。 甲1:特開2014-144636号公報 甲2:特開2016-60158号公報 甲3:特開2014-189717号公報 甲4:特開2016-221737号公報 甲5:[TechnicalData]SurfaceRoughness,JISB0601(1994)Excerpts from JISB0031(1994) 甲6:Ki-Ho Park他5名,原子顕微鏡を用いたセラミックブラケットスロットの表面粗さに関する研究(申立人による翻訳),Korean J Orthod,Vol.40,No.5,2010,pp.294~303及び抄訳文 甲7:MitutoyoQUICK GUIDE TOSURFACE ROUGHNESS MEASUREMENT Reference guide for laboratory and workshop,MitutoyoAmerica Corporation,2016年12月 なお、異議申立書の申立の理由には、いずれの証拠を主引用例とするのか記載がない。申立の理由を参酌すると、主引用例になり得るのは甲1~甲3であるから、当合議体では、甲1を主引用例とする進歩性欠如を「理由1」、甲2を主引用例とする進歩性欠如を「理由2」、甲3を主引用例とする進歩性欠如を「理由3」として、以下判断を示す。 第2 当合議体の判断 1 甲1の記載 本件特許の出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物である甲1には、以下の記載がある。なお、下線は当合議体が付したものであり、引用発明の認定は判断等に活用した箇所を示す。 (1)「【請求項1】 グリーンシート製造用剥離フィルムであって、 第1の面と第2の面とを有する基材と、 活性エネルギー線硬化性化合物(a1)と、ポリオルガノシロキサン(b1)とを含有する剥離剤層形成用材料を、前記基材の前記第1の面側に塗布して形成された塗布層に、活性エネルギー線を照射して、前記塗布層を硬化することにより形成された剥離剤層と、 活性エネルギー線硬化性化合物(a2)を含有する背面コート層形成用材料を、前記基材の前記第2の面側に塗布して形成された塗布層に、活性エネルギー線を照射して、前記塗布層を硬化することにより形成された背面コート層と、を有し、 前記剥離剤層の外表面の算術平均粗さRa2が8nm以下であり、かつ、前記剥離剤層の前記外表面の最大突起高さRp2が50nm以下であり、 前記背面コート層の外表面の算術平均粗さRa3が5~40nmであり、かつ、前記背面コート層の前記外表面の最大突起高さRp3が60~500nmであることを特徴とするグリーンシート製造用剥離フィルム。」 (2)「【0003】 グリーンシート製造用剥離フィルムは、一般に基材と剥離剤層とから構成される。このグリーンシート製造用剥離フィルム上に、セラミックス粒子とバインダー樹脂とが有機溶剤に分散、溶解したセラミックスラリーを塗工し、塗工物を乾燥することにより、グリーンシートは製造される。このような方法により、均一な厚みのグリーンシートを効率よく製造することができる。また、こうして製造されたグリーンシートは、グリーンシート製造用剥離フィルムから剥離して、積層セラミックコンデンサの製造に用いられる。 【0004】 上記のようなグリーンシートの製造において、グリーンシートが形成されたグリーンシート製造用剥離フィルムは、一般に、ロール状に巻かれた状態で保管、輸送される。」 (3)「【0027】 基材11としては、特に制限はなく、従来公知の材料の中から任意のものを適宜選択して用いることができる。このような基材11としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリプロピレンやポリメチルペンテン等のポリオレフィン、ポリカーボネートなどのプラスチックからなるフィルムが挙げられる。基材11は、単層であってもよいし、同種または異種の2層以上の多層であってもよい。これらの中でもポリエステルフィルムが好ましく、特にポリエチレンテレフタレートフィルムがより好ましく、さらには二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムがさらに好ましい。プラスチックからなるフィルムは、加工時、使用時等において、埃等が発生しにくいため、例えば、埃等によるセラミックスラリー塗工不良等を効果的に防止することができる。」 (4)「【0080】 背面コート層13の外表面131の算術平均粗さRa3は、5~40nmであるが、10~30nmであることがより好ましい。これにより、グリーンシートにピンホールや部分的な厚みのばらつき等が発生するのを防止できる。その結果、良好なグリーンシートを形成できる。また、グリーンシート製造用剥離フィルム1の巻取り時の巻きずれを効果的に抑制することができる。そのため、巻き取り張力を高める必要が無く、巻き取り張力に起因する巻き芯部の変形も抑制することが可能となる。 【0081】 背面コート層13の外表面131の最大突起高さRp3は、60~500nmであるが、80~400nmであることがより好ましく、100~300nmであることが特に好ましい。これにより、剥離剤層12の外表面121が高平滑であるグリーンシート製造用剥離フィルム1を、紙製、プラスチック製または金属製等のコア材にロール状に巻き取る際に、空気抜けが良好になり、巻きずれを効果的に抑制することができる。そのため、巻き取り張力を高める必要が無く、巻き取り張力に起因する巻き芯部の変形も抑制することが可能となる。また、ロール状に巻かれたグリーンシート製造用剥離フィルム1の表裏でブロッキングが発生することを防止できる。さらに、グリーンシートが形成されたグリーンシート製造用剥離フィルム1を巻き取って保管する際に、グリーンシートに密着する背面コート層13の外表面131の表面形状が、グリーンシートに転写することを防止でき、グリーンシートにピンホールや部分的な厚みのばらつきが発生するのを防止できる。その結果、良好なグリーンシートを形成できる。」 2 甲1に記載の発明(以下「引用発明1」という。) 甲1には、請求項1に係る発明(以下「引用発明1」という。」)として、次の「グリーンシート製造用剥離フィルム」に係る発明が記載されている。 「 グリーンシート製造用剥離フィルムであって、 第1の面と第2の面とを有する基材と、 活性エネルギー線硬化性化合物(a1)と、ポリオルガノシロキサン(b1)とを含有する剥離剤層形成用材料を、前記基材の前記第1の面側に塗布して形成された塗布層に、活性エネルギー線を照射して、前記塗布層を硬化することにより形成された剥離剤層と、 活性エネルギー線硬化性化合物(a2)を含有する背面コート層形成用材料を、前記基材の前記第2の面側に塗布して形成された塗布層に、活性エネルギー線を照射して、前記塗布層を硬化することにより形成された背面コート層と、を有し、 前記剥離剤層の外表面の算術平均粗さRa2が8nm以下であり、かつ、前記剥離剤層の前記外表面の最大突起高さRp2が50nm以下であり、 前記背面コート層の外表面の算術平均粗さRa3が5~40nmであり、かつ、前記背面コート層の前記外表面の最大突起高さRp3が60~500nmであるグリーンシート製造用剥離フィルム。」(【請求項1】) 3 甲2の記載 本件特許の出願前に日本国内又は外国において電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲2には、以下の記載がある。なお、下線は当合議体が付したものであり、引用発明の認定は判断等に活用した箇所を示す。 (1)「【請求項1】 2層以上からなる二軸配向ポリエステルフィルムを基材とし、前記基材は、粒子を実質的に含有していない表面層Aと粒子を含有する表面層Bを有し、表面層Aの表面上に離型塗布層が積層され、かつ表面層Bの表面上に平滑化塗布層が積層されてなり、平滑化塗布層の領域表面平均粗さ(Sa)が5nm以上25nm以下かつ最大突起高さ(P)が800nm以下であることを特徴するセラミックシート製造用離型フィルム。 【請求項2】 表面層Bに含有する粒子が、シリカ粒子及び/又は炭酸カルシウム粒子であり、粒子の合計が表面層B中に5000~15000ppm含有されていることを特徴とする請求項1に記載のセラミックシート製造用離型フィルム。 【請求項3】 前記離型フィルムの離型塗布層の領域表面平均粗さ(Sa)が5nm以下かつ最大突起高さ30nm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のセラミックシート製造用離型フィルム。 【請求項4】 前記離型フィルムの平滑化塗布層に、易滑性樹脂が含まれることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のセラミックシート製造用離型フィルム。 (但し、易滑性樹脂とは、ポリエステルフィルムに積層したときの表面自由エネルギーγsが25mN/m以下のものを言う。) 【請求項5】 前記離型フィルムの離型塗布層と平滑化塗布層を重ね合わせたときの静摩擦係数μsが0.1以上2.0以下であることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のセラミックシート製造用離型フィルム。 【請求項6】 請求項1~5のいずれかに記載のセラミックシート製造用離型フィルムを用いて作成されたことを特徴とするセラミックシート。 【請求項7】 0.2μm~1.0μmの厚みを有することを特徴とする請求項6に記載のセラミックシート。 【請求項8】 請求項6または7に記載のセラミックシートが用いられてなることを特徴とするセラミックコンデンサ。」 (2)「【技術分野】 【0001】 本発明は、超薄層のセラミックシート製造用離型フィルムに関するものであり、詳しくは超薄層のセラミックシート製造時にピンホール及び厚みムラによる工程不良の発生を抑制したものを製造し得る、超薄層のセラミックシート製造用離型フィルムに関するものである。 【背景技術】 【0002】 従来ポリエステルフィルムを基材とし、その上に離型層を積層した離型フィルムは、積層セラミックコンデンサ、セラミック基板等のセラミックシート成型用に使用されている。近年、積層セラミックコンデンサの小型化・大容量化に伴い、セラミックシートの厚みも薄膜化する傾向にある。そのため、ポリエステルフィルムの離型層表面にセラミックシートを成型する場合、離型層表面の微小な突起が成型したセラミックシートに影響を与え、ハジキやピンホール等の欠点を生じやすくなるといった問題点があった。そのため、優れた平坦性を有する離型層表面を実現するための手法が種々開発されてきた。 【0003】 しかしながら、近年、さらなるセラミックシートの薄膜化が進み、1.0μm以下、より詳しくは0.2μm~1.0μmの厚みのセラミックシートが要求されるようになってきた。そのため、離型層表面をどれだけ平坦にしても、セラミックシート塗布後の巻取りにおいて、離型層の反対面の突起が、巻き取られたセラミックシートに影響を与え、厚み不良やピンホール欠点が生じるという問題が発生してきた。このため、離型層表面だけでなく、離型層の反対面にも高い平坦性が必要とされているが、離型層表面だけでなく、離型層の反対面の平坦性も高くすると、滑り性やエア抜け性が低下し、離型フィルムロール作成時に、シワや平面性が低下するという問題点があった。また、滑り性が低下すると、離型フィルム製造工程やセラミックシート製造工程での搬送ロールに対する滑り性が低下し、ハンドリング性に劣るという問題点もあった。」 (3)「【0023】 本発明における二軸配向ポリエステルフィルム基材において、離型層を塗布する面の反対面を形成する表面層Bは、フィルムの滑り性や空気の抜けやすさの観点から、粒子を含有することが好ましく、特にシリカ粒子及び/又は炭酸カルシウム粒子を用いることが好ましい。含有される粒子含有量は、表面層B中に粒子の合計で5000~15000ppm含有することが好ましい。このとき、表面層Bのフィルムの領域表面平均粗さ(Sa)は、20~40nmの範囲であることが好ましい。シリカ粒子及び/又は炭酸カルシウム粒子の合計が5000ppm以上、Saが20nm以上の場合には、フィルムをロール状に巻き上げるときに、空気を均一に逃がすことができ、巻き姿が良好で平面性良好により、超薄層セラミックシートの製造に好適なものとなる。また、シリカ粒子及び/又は炭酸カルシウム粒子の合計が15000ppm以下、Saが40nm以下の場合には、滑剤の凝集が生じにくく、粗大突起ができないため、超薄層のセラミックシート製造時に品質が安定し好ましい。 【0024】 上記B層に含有する粒子としては、シリカ及び/又は炭酸カルシウム以外に不活性な無機粒子及び/又は耐熱性有機粒子などを用いることができるが、透明性やコストの観点からシリカ粒子及び/又は炭酸カルシウム粒子を用いることがより好ましいが、他に使用できる無機粒子としては、アルミナ-シリカ複合酸化物粒子、ヒドロキシアパタイト粒子などが挙げられる。また、耐熱性有機粒子としては、架橋ポリアクリル系粒子、架橋ポリスチレン粒子、ベンゾグアナミン系粒子などが挙げられる。またシリカ粒子を用いる場合、多孔質のコロイダルシリカが好ましく、炭酸カルシウム粒子を用いる場合は、ポリアクリル酸系の高分子化合物で表面処理を施した軽質炭酸カルシウムが、滑剤の脱落防止の観点から好ましい。 【0025】 上記表面層Bに添加する粒子の平均粒子径は、0.1μm以上2.0μm以下が好ましく、0.5μm以上1.0μm以下が特に好ましい。粒子の平均粒子径が0.1μm以上であれば、離型層の滑り性が良好であり好ましい。また、平均粒子径が2.0μm以下であれば、離型層表面に粗大粒子によるピンホールが発生するおそれがなく好ましい。 【0026】 上記表面層Bには素材の異なる粒子を2種類以上含有させてもよい。また、同種の粒子で平均粒径の異なるものを含有させてもよい。」 4 甲2に記載の発明(以下「引用発明2」という。) 甲2には、次の「セラミックシート製造用離型フィルム」が記載されている。 「2層以上からなる二軸配向ポリエステルフィルムを基材とし、前記基材は、粒子を実質的に含有していない表面層Aと粒子を含有する表面層Bを有し、表面層Aの表面上に離型塗布層が積層され、かつ表面層Bの表面上に平滑化塗布層が積層されてなり、平滑化塗布層の領域表面平均粗さ(Sa)が5nm以上25nm以下かつ最大突起高さ(P)が800nm以下であり、 前記離型フィルムの離型塗布層の領域表面平均粗さ(Sa)が5nm以下かつ最大突起高さ30nm以下である、 セラミックシート製造用離型フィルム。」(【請求項1】、【請求項3】) 5 甲3の記載 本件特許の出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物である甲3には、以下の記載がある。なお、下線は当合議体が付したものであり、引用発明の認定は判断等に活用した箇所を示す。 (1)「【請求項1】 水溶性高分子を含む塗布層を少なくとも片面に有する二軸配向ポリエステルフィルムであって、塗布層表面の幅方向の突起間隔Sm-Xと長手方向の突起間隔Sm-Yがいずれも3~10μmである二軸配向ポリエステルフィルム。 【請求項2】 塗布層表面において、長さが6μm以上の突起が1~100個/30μm2形成されている、請求項1に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。 【請求項3】 塗布層表面に存在する最長突起の長さが15μm以上である、請求項1または2に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。 【請求項4】 塗布層側表面の中心線表面粗さRaが0.5nm以上5nm未満である、請求項1~3のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。 【請求項5】 長手方向のヤング率が3.0~6.0GPaである、請求項1~4のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。 【請求項6】 幅方向のヤング率が4.0~8.5GPaである、請求項1~5のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。 【請求項7】 少なくとも2層以上の積層構成からなる、請求項1~6のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。」 (2)「【技術分野】 【0001】 本発明は、走行性や平滑性、耐削れ性に優れた二軸配向ポリエステルフィルムに関するものであり、磁気記録媒体用、電気絶縁用、コンデンサー用、回路材料、太陽電池用材料などに好適に用いることができる二軸配向ポリエステルフィルムに関するものである。」 (3)「【発明が解決しようとする課題】 【0007】 本発明の目的は、上記の問題を解決し、走行性や平滑性、耐削れ性に優れた二軸配向ポリエステルフィルムを得ることにあり、磁気記録媒体とした際に平滑な磁性層を有することができるため電磁変換特性に優れた高密度磁気記録媒体とすることができる二軸配向ポリエステルフィルムを提供することにある。」 (4)「【0068】 本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、塗布層表面の幅方向の突起間隔Sm-Xと長手方向の突起間隔Sm-Yはいずれも3~10μmである。好ましくはいずれも3.5~9μm、さらに好ましくは4.5~8μmである。突起間隔が10μmより大きいと走行性不良により耐削れ性が低下する場合がある。また、突起間隔が3μmよりも小さいと突起個数が多くなりすぎ、やはり耐削れ性が低下する傾向がある。」 (5)「【0077】 本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、少なくとも2層(La層|Lb層)以上の積層構成を有していることが好ましく、La層は平滑性を担い、Lb層は走行性を向上させる目的で不活性粒子を含有する層とすることが耐削れ性の観点から有効である。 【0078】 La層上には塗布層が塗設され、La層中には塗布層側表面の中心線表面粗さRaを損なわない範囲内であれば、平均粒径が10~100nm、好ましくは20~80nmの不活性粒子を0.01~0.8質量%の割合で含有してもかまわない。好ましく例示できる不活性粒子としては、無機粒子、有機粒子、いずれも用いることができる。もちろん、1種類の粒子でも、2種類以上の粒子を併用してもかまわない。具体的な種類としては、例えば、クレー、マイカ、酸化チタン、炭酸カルシウム、湿式シリカ、乾式シリカ、コロイド状シリカ、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ珪酸塩、カオリン、タルク、モンモリロナイト、アルミナ、ジルコニア等の無機粒子、アクリル酸類、スチレン系樹脂、シリコーン、イミド等を構成成分とする有機粒子などが添加されてもよい。 【0079】 Lb層は走行性付与の観点より、平均粒径が0.05~0.8μmの不活性粒子を含有させることが有効である。含有量は好ましくは0.05~0.5質量%である。不活性粒子としては特に限定されないが、無機粒子、有機粒子、いずれも用いることができる。もちろん、1種類の粒子でも、2種類以上の粒子を併用してもかまわない。具体的な種類としては、例えば、クレー、マイカ、酸化チタン、炭酸カルシウム、湿式シリカ、乾式シリカ、コロイド状シリカ、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ珪酸塩、カオリン、タルク、モンモリロナイト、アルミナ、ジルコニア等の無機粒子、アクリル酸類、スチレン系樹脂、シリコーン、イミド等を構成成分とする有機粒子などが添加されてもよい。」 (6)「【0138】 (実施例1) 押出機E1、E2の2台を用い、280℃に加熱された押出機E1には、Lb層原料として、PETペレット(原料-1)73質量部、平均粒径0.3μmの架橋ポリスチレン粒子含有ペレット(原料-2a)10質量部、平均粒径0.45μm架橋ポリスチレン粒子含有ペレット(原料-2b)0.5質量部、および平均粒径60nmのコロイダルシリカ粒子含有ペレット(原料-2c)16.5質量部を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給した。同じく280℃に加熱された押出機E2には、La層原料として、PETペレット(原料-1)を100質量部を配合し、180℃で3時間減圧乾燥した後に供給した。これらを2層積層するべくTダイ中で積層厚み比(La層|Lb層)=10|1とし、La層側がキャストドラム面側になるように合流させ、表面温度25℃のキャストドラムに静電荷を印加させながら密着冷却固化し、積層未延伸フィルムを作製した。」 (7)「【0152】 【表2】 [図:0001416494000001.jpg] 」(当合議体注:表2は便宜のため右90°回転して摘記した。) 6 甲3に記載の発明(以下「引用発明3」という。) 甲3には、次の「二軸配向ポリエステルフィルム」が記載されている。 「水溶性高分子を含む塗布層を少なくとも片面に有する二軸配向ポリエステルフィルムであって、塗布層表面の幅方向の突起間隔Sm-Xと長手方向の突起間隔Sm-Yがいずれも3~10μmである二軸配向ポリエステルフィルム。」(【請求項1】) 7 対比及び判断(理由1(甲1を主引用例とする進歩性欠如)) (1)対比 引用発明1と本件特許発明1とを対比する。 ア 離型フィルム 引用発明1の「グリーンシート製造用剥離フィルム」と本件特許発明1の「樹脂シート成型用離型フィルム」とは、離型フィルムである点で共通する。 イ 基材フィルム 引用発明1の「第1の面と第2の面とを有する基材」は、本件特許発明1の「基材フィルム」、に相当する。 ウ 離型塗布層 引用発明1は「活性エネルギー線硬化性化合物(a1)と、ポリオルガノシロキサン(b1)とを含有する剥離剤層形成用材料を、前記基材の前記第1の面側に塗布して形成された塗布層に、活性エネルギー線を照射して、前記塗布層を硬化することにより形成された剥離剤層」を有していることから、本願特許発明1と、基材フィルムの一方の表面上に離型塗布層を有している点で共通する。 エ 易滑塗布層 引用発明1の「背面コート層」は、背面コート層形成用材料を塗布して形成される平滑な層であるから(甲1【0067】、【0113】)、本件特許発明1の「易滑塗布層」に相当し、基板フィルムのもう一方の面(離型塗布層を有する面の反対側の面)の易滑塗布層を有する点で共通する。 オ 易滑塗布層の最大突起高さ 引用発明1では「前記背面コート層の前記外表面の最大突起高さRp3が60~500nmである」ことから、本願特許発明1とは、易滑塗布層の最大突起高さ(P)が60nm以上500nm以下である点で共通する。 (2)一致点及び相違点 上記(1)の対比結果を踏まえると、本件特許発明1と引用発明1とは、 「基材フィルムの一方の表面上に離型塗布層を有し、 基材フィルムのもう一方の表面上に易滑塗布層を有し、 易滑塗布層の最大突起高さ(P)が60nm以上500nm以下である、 離型フィルム。」 という点で一致し、次の点で相違する。 (相違点1-1) 本件特許発明1の離型フィルムは樹脂シート成型用であるのに対して、引用発明1は、グリーンシート製造用である点。 (相違点1-2) 本件特許発明1は、基材フィルムが無機粒子を実質的に含有していないのに対して、引用発明1では不明である点。 (相違点1-3) 本件特許発明1は、易滑塗布層が異なる2種類の粒子を含み、平均粒径が10~270nmの粒子と、平均粒径が300nm~1000nmの粒子を含むのに対して、引用発明1では粒子を含まない点。 (相違点1-4) 本件特許発明1は、易滑塗布層の領域表面平均粗さ(Sa)が1nm以上25nm以下であるのに対して、引用発明1では、外表面の算術平均粗さRa3が5~40nmである点。 (相違点1-5) 本件特許発明1は、易滑塗布層の粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)が10μm以下であるのに対して、引用発明1では、粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)が不明である点。 (3)判断 判断事案に鑑みて、まず相違点1-5から検討する。 ア 甲2、甲4~甲7との組み合わせについて 甲2、甲4~甲7には、粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)を10μm以下とする技術的事項は開示されていない。 イ 甲3との組み合わせについて 甲3には、二軸配向ポリエステルフィルムにおいて、片面に有する水溶性高分子を含む塗布層表面の幅方向の突起間隔Sm-Xと長手方向の突起間隔Sm-Yがいずれも3~10μmとすることが開示されている(【請求項1】等)。そして、甲3に開示の技術的事項は、走行性や平滑性、耐削れ性に優れた二軸配向ポリエステルフィルムに関するものであり、磁気記録媒体用、電気絶縁用、コンデンサー用、回路材料、太陽電池用材料などに好適に用いるものである。そして、甲3に開示された技術的事項の発明の目的は、走行性や平滑性、耐削れ性に優れた二軸配向ポリエステルフィルムを得ることにあり、磁気記録媒体とした際に平滑な磁性層を有することができるため電磁変換特性に優れた高密度磁気記録媒体とすることができる二軸配向ポリエステルフィルムを提供することである(甲3【0007】)。 さらに、上記Sm-X及びSm-Yを上記範囲とすることの効果として、「突起間隔が10μmより大きいと走行性不良により耐削れ性が低下する場合がある。また、突起間隔が3μmよりも小さいと突起個数が多くなりすぎ、やはり耐削れ性が低下する傾向がある」(甲3【0068】)と開示されている。 引用発明1は、グリーンシート製造用剥離フィルムであり、解決しようとする課題は、グリーンシートにピンホールや部分的な厚みのばらつき等が発生するのを防止できるグリーンシート製造用剥離フィルムを提供することである(甲1【0009】)。 以上のように、甲3に開示された技術的事項は、引用発明1とは、技術分野及び解決しようとする課題が異なる。したがって、引用発明1の背面コート層に甲3に開示された上記技術的事項をに採用して、相違点1-5に係る本件特許発明1の構成に想到することが容易であるとはいえない。 ウ 本願特許発明1についての結論 してみると、他の相違点について検討するまでもなく、本件特許発明1は、引用発明1及び甲1~7に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。 (4)小括 本件特許発明1は、当業者が引用発明1及び甲1~7に記載された技術に基づいて容易に発明をすることができたものということはできない。 8 対比及び判断(理由2(甲2を主引用例とする進歩性欠如)) (1)対比 引用発明2と本件特許発明1とを対比する。 ア 離型フィルム 引用発明2のセラミックシート製造用離型フィルムと本件特許発明1の樹脂シート成型用離型フィルムとは、離型フィルムである点で共通する。 イ 基材フィルム、離型塗布層 引用発明2の「基材」及び「表面層Aの表面上に離型塗布層が積層」は、本件特許発明1の「基材フィルム」及び「前記基材フィルムの一方の表面上に離型塗布層を有し」に相当する。 ウ 易滑塗布層 引用発明2の表面層Bの表面上に積層された平滑化塗布層は、本願特許発明1の「易滑塗布層」に相当し、基材フィルムのもう一方の表面上に易滑塗布層を有する点で共通する。 エ 領域表面平均粗さ(Sa) 引用発明2では、平滑化塗布層の領域表面平均粗さ(Sa)が5nm以上25nm以下であるから、本件特許発明1の易滑塗布層の領域表面平均粗さ(Sa)が1nm以上25nm以下との構成を満たす。 (2)一致点及び相違点 上記(1)の対比結果を踏まえると、本件特許発明1と引用発明2とは、 「基材フィルムの一方の表面上に離型塗布層を有し、 基材フィルムのもう一方の表面上に易滑塗布層を有し、 易滑塗布層の領域表面平均粗さ(Sa)が1nm以上25nm以下である、 離型フィルム。」 という点で一致し、次の点で相違する。 (相違点2-1) 本件特許発明1は、離型フィルムが樹脂シート成型用であるのに対して、引用発明2は、セラミックシート製造用である点。 (相違点2-2) 本件特許発明1は、基材フィルムが無機粒子を実質的に含有していないのに対して、引用発明2では不明である点。 (相違点2-3) 本件特許発明1は、易滑塗布層の最大突起高さ(P)が60nm以上500nm以下であるのに対して、引用発明2では、最大突起高さ(P)が800nm以下である点。 (相違点2-4) 本件特許発明1は、易滑塗布層の粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)が10μm以下であるのに対して、引用発明2では不明である点。 (相違点2-5) 本件特許発明1では、易滑塗布層は、平均粒径が異なる2種類の粒子を含み、平均粒径が10~270nmの粒子と、平均粒径が300nm~1000nmの粒子を含むが、引用発明2では不明である点。 (3)判断 判断事案に鑑みて、まず相違点2-4から検討する。 ア 甲1、甲4~甲7との組み合わせについて 甲1、甲4~甲7には、粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)を10μm以下とする技術的事項は開示されていない。 イ 甲3との組み合わせについて 甲3には、二軸配向ポリエステルフィルムにおいて、片面に有する水溶性高分子を含む塗布層表面の幅方向の突起間隔Sm-Xと長手方向の突起間隔Sm-Yがいずれも3~10μmとすることが開示されている(【請求項1】等)。そして、甲3に開示の技術的事項は、走行性や平滑性、耐削れ性に優れた二軸配向ポリエステルフィルムに関するものであり、磁気記録媒体用、電気絶縁用、コンデンサー用、回路材料、太陽電池用材料などに好適に用いるものである(甲3【0001】)。そして、甲3に開示された技術的事項の発明の目的は、走行性や平滑性、耐削れ性に優れた二軸配向ポリエステルフィルムを得ることにあり、磁気記録媒体とした際に平滑な磁性層を有することができるため電磁変換特性に優れた高密度磁気記録媒体とすることができる二軸配向ポリエステルフィルムを提供することである(甲3【0007】)。 さらに、上記Sm-X及びSm-Yを上記範囲とすることの効果として、「突起間隔が10μmより大きいと走行性不良により耐削れ性が低下する場合がある。また、突起間隔が3μmよりも小さいと突起個数が多くなりすぎ、やはり耐削れ性が低下する傾向がある」(甲3【0068】)と開示されている。 引用発明2は、セラミックシート製造用剥離フィルムであり、解決しようとする課題は、超薄層のセラミックシート製造時に、厚み不良やピンホール等の欠点を実質上生じることがなく、ハンドリング性に優れた超薄層のセラミックシート製造用離型フィルムを提供しようとすることである(甲2【0009】)。 以上のように、甲3に開示された技術的事項は、引用発明2とは、技術分野及び解決しようとする課題が異なる。したがって、引用発明2の平滑化塗布層に甲3に開示された上記技術的事項を採用して、相違点2-4に係る本件特許発明1の構成に想到することが容易であるとはいえない。 ウ 本願特許発明1についての結論 してみると、他の相違点について検討するまでもなく、本件特許発明1は、引用発明2及び甲1~7に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。 (4)小括 本件特許発明1は、当業者が引用発明2及び甲1~7に記載された技術に基づいて容易に発明をすることができたものということはできない。 9 対比及び判断(理由3(甲3を主引用例とする進歩性欠如)) (1)対比 引用発明3と本件特許発明1とを対比する。 ア フィルム 引用発明3の「二軸配向ポリエステルフィルム」は、本件特許発明1の「樹脂シート成型用離型フィルム」とは、「フィルム」である点で共通する。 (2)一致点及び相違点 上記(1)の対比結果を踏まえると、本件特許発明1と引用発明3とは、 「フィルム」 という点で一致し、次の点で相違する。 (相違点3-1) 本件特許発明1のフィルムは、「樹脂シート成型用離型フィルム」の発明であるのに対して、引用発明3のフィルムは「二軸配向ポリエステルフィルム」の発明である点。 (相違点3-2) 本件特許発明1は(樹脂シート成形用離型シートの)離型塗布層を有するが、引用発明3は離型塗布層を有しない点。 (相違点3-3) 本件特許発明1は、(樹脂シート成形用離型シートの)易滑塗布層を有するが、引用発明3は易滑塗布層を有さず、その結果、本件特許発明1で易滑塗布層を限定する「基材フィルムのもう一方の表面上に粒子を含有する易滑塗布層を有し、易滑塗布層の領域表面平均粗さ(Sa)が1nm以上25nm以下、最大突起高さ(P)が60nm以上500nm以下、かつ粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)が10μm以下であり、前記易滑塗布層は、平均粒径が異なる2種類の粒子を含み、前記易滑塗布層は、平均粒径が10~270nmの粒子と、平均粒径が300nm~1000nmの粒子を含む」との構成を引用発明3は有しない点。 (3)判断 判断事案に鑑みて、まず相違点3-1及び相違点3-2をまとめて検討する。 ア 甲1、甲2、甲4~甲7との組み合わせについて 甲3に開示の技術的事項は、走行性や平滑性、耐削れ性に優れた二軸配向ポリエステルフィルムに関するものであり、磁気記録媒体用、電気絶縁用、コンデンサー用、回路材料、太陽電池用材料などに好適に用いるものである(甲3【0001】)。そして、甲3に開示された技術的事項の発明の目的は、走行性や平滑性、耐削れ性に優れた二軸配向ポリエステルフィルムを得ることにあり、磁気記録媒体とした際に平滑な磁性層を有することができるため電磁変換特性に優れた高密度磁気記録媒体とすることができる二軸配向ポリエステルフィルムを提供することである(甲3【0007】)。 上記引用発明3が想定する用途に鑑みれば、引用発明3の二軸配向ポリエステルフィルムを、樹脂シート成形用離型フィルムに用いる易滑塗布層に転用する動機付けがない。加えて、甲1、甲2、甲4~甲7に開示された技術的事項を考慮しても、そのような動機付けはない。したがって、相違点3-1及び相違点3-2に係る本件特許発明1の構成に想到することが容易であるとはいえない。 イ 本願特許発明についての結論 してみると、他の相違点について検討するまでもなく、本件特許発明1は、引用発明3及び甲1~7に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。 (4)小括 本件特許発明1は、当業者が引用発明3及び甲1~7に記載された技術に基づいて容易に発明をすることができたものということはできない。 10 特許異議申立人の主張について 申立人は、甲1~甲3の技術分野の同一性や解決課題や目的の同一性又は類似性について主張しているが、甲1~甲3の組み合わせについて具体的には論じておらず、その点は、上記で判断したとおりである。 したがって、申立人の上記の主張を採用することはできない。 11 小括 以上のとおりであるから、本件特許発明1は、甲1~甲3に記載された発明及び甲1~7に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明することができたものであるということはできない。 12 他の請求項についての当合議体の判断 (1)請求項1を引用する請求項に係る発明について 請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明に対して、数値限定の範囲を縮小してなる「樹脂シート成型用離型フィルム」の発明である。請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明に対して、さらに構成を付加してなる「樹脂シート成型用離型フィルム」の発明である。 そうしてみると、これらの発明は、本件特許発明1と同じ理由により、甲1~甲3に記載された発明及び甲1~7に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明することができたものであるということはできない。 (2)小括 以上のとおりであるから、本件特許の請求項2及び請求項3に係る発明は、いずれも、甲1~甲3に記載された発明及び甲1~7に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明することができたものであるということはできない。 第3 むずび 以上のとおりであるから、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、本件特許の請求項1~3に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件特許の請求項1~3に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2024-700481

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