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特許異議申立

2026-700153

二軸配向ポリエステルフィルム

審判番号
2026-700153
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2022-103624
登録番号
7742813
請求日
2026年02月19日
審決日
2026年05月18日
公報発行日
2026年06月26日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】東洋紡株式会社
  • 【異議申立人】宮本 亜子
審判長/審判官
  • 審判長 植前 充司
  • 審判官 柴田 昌弘
  • 審判官 水野 明梨
分類
P1651.113-Y (C08J) / P1651.121-Y (C08J)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第1項第3号
データ出所
審決公報(XML)

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特許第7742813号発明「二軸配向ポリエステルフィルム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7742813号の請求項1~6に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7742813号(以下、「本件特許」という。)の請求項1~6に係る特許についての出願は、2019年(令和1年)10月25日(優先権主張 平成30年11月7日)を国際出願日とする特願2020-555961号の一部を令和4年6月28日に新たな特許出願としたものであって、令和7年9月11日にその特許権の設定登録(請求項の数6)がされ、同年同月22日に特許掲載公報が発行され、その後、当該特許に対し、令和8年2月19日に特許異議申立人 宮本 亜子(以下、「異議申立人」という。)により特許異議の申立て(対象請求項:全請求項)がされたものである。 第2 本件特許発明 本件特許の請求項1~6に係る発明(以下、これらの発明を順に「本件特許発明1」、「本件特許発明2」などという場合がある。また、本件特許発明1~本件特許発明6を総称し、「本件特許発明」という場合がある。)は、願書に添付された特許請求の範囲の請求項1~6に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 「【請求項1】 単層又は積層構造を有している二軸配向ポリエステルフィルムであって、前記単層又は前記積層構造の少なくとも最外層は、ジカルボン酸成分100モル%中、テレフタル酸を98モル%以上含有し、グリコール成分100モル%中、エチレングリコールを98モル%以上含有してなるポリエチレンテレフタレート系樹脂と、平均粒径が0.5~3.0μmの無機粒子を構成成分とする組成物で構成され、両最外層が同一の組成物により構成されてなり、該組成物における無機粒子の含有量は500ppm以上1500ppm以下であり、 少なくとも一方のフィルム表面が下記(1)及び(2)を満たし、かつフィルムが下記(3)~(5)を満たす包装用二軸配向ポリエステルフィルム。 (1)最大突起高さ(SRp)が1.2~1.6μmである。 (2)算術平均粗さ(SRa)が0.024~0.045μmである。 (3)長手方向及び幅方向の引張強さが180~300MPaである。 (4)ヘイズが7%以下である。 (5)フィルムの厚みが9~75μmである。 【請求項2】 前記ポリエチレンテレフタレート系樹脂として、ペットボトル製品からのリサイクルポリエステル樹脂、及び/又はバイオマス由来原料を使用したポリエステル樹脂を含有してなる、請求項1に記載の包装用二軸配向ポリエステルフィルム。 【請求項3】 前記(1)及び(2)を満たすフィルム表面のジヨードメタン接触角が29°以下である、請求項1又は2に記載の包装用二軸配向ポリエステルフィルム。 【請求項4】 前記無機粒子がシリカ粒子である請求項1~3のいずれかに記載の包装用二軸配向ポリエステルフィルム。 【請求項5】 前記シリカ粒子の細孔容積が0.6~2.0ml/gである、請求項4に記載の包装用二軸配向ポリエステルフィルム。 【請求項6】 前記請求項1~5のいずれかに記載の包装用二軸配向ポリエステルフィルムを巻き取ってなるフィルムロール。」 第3 特許異議申立理由の要旨 特許異議申立人が特許異議申立書において申し立てた請求項1~6に係る特許に対する特許異議申立理由の要旨は、次のとおりである。 1 申立理由(甲第1号証に基づく新規性・進歩性) 本件特許発明1及び3~6は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の甲第1号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができないものであるか、本件特許発明1~6は、甲第1号証に記載された発明に基づいてその優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであり、同法同条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本件特許の請求項1~6に係る特許は、同法同条の規定に違反してされたものであり、同法第113条第2号に該当し取り消すべきものである。 2 証拠方法 ・甲第1号証:国際公開第2018/159649号 ・甲第2号証:特開平3-151284号公報 ・甲第3号証:プラスチックフィルム・レジン材料総覧1997/98、398~401ページ、1997年12月18日、株式会社加工技術研究会 なお、証拠の表記については、おおむね特許異議申立書における記載に従った。 第4 当審の判断 当審は、以下に検討するとおり、申立理由1によって、本件特許発明1~6に係る特許を取り消すことはできないものと判断する。 1 申立理由1(甲第1号証を主たる証拠とする新規性・進歩性)について (1)甲第1号証の記載事項等 ア 甲第1号証の記載事項 甲第1号証には、次の記載がある。 「[請求項1] ポリエステルフィルムとヒートシール性樹脂層とを備えた積層体であって、 上記ポリエステルフィルムは、フランジカルボン酸とエチレングリコールからなるポリエチレンフランジカルボキシレート樹脂を含む二軸配向ポリエステルフィルムであり、 上記フィルムの面配向係数ΔPが0.005以上、0.200以下であり、上記フィルムの厚さが1μm以上、300μm以下であり、 上記フィルムの150℃で30分加熱したときの熱収縮率が10%以下であり、 上記積層体のラミネート強度が2.0N/15mm以上であることを特徴とする積層体。 [請求項2] 温度23℃、相対湿度65%下における酸素透過度が1mL/m2/day/MPa以上、200mL/m2/day/MPa以下である請求項1に記載の積層体。 [請求項3] 請求項1または2のいずれかに記載の積層体を備えることを特徴とする包装袋。」 「[0114] (1)破断強度、破断伸度 フィルムのMD方向及びTD方向に対して、それぞれ長さ140mm及び幅10mmの短冊状に試料を片刃カミソリで切り出した。次いで、オートグラフAG-IS(株式会社島津製作所製)を用いて短冊状試料を引っ張り、得られた荷重-歪曲線から各方向の破断強度(MPa)および破断伸度(%)を求めた。 [0115] なお、測定は25℃の雰囲気下で、チャック間距離40mm、クロスヘッドスピード100mm/min、ロードセル1kNの条件にて行った。なお、この測定は5回行い平均値を用いた。」 「[0155] (比較例1) (1)PET樹脂(A)の製造 エステル化反応缶を昇温し、200℃に到達した時点で、テレフタル酸を86.4質量部及びエチレングリコールを64.4質量部からなるスラリーを仕込み、攪拌しながら触媒として三酸化アンチモンを0.017質量部及びトリエチルアミンを0.16質量部添加した。次いで、加圧昇温を行いゲージ圧3.5kgf/cm2、240℃の条件で、加圧エステル化反応を行った。その後、エステル化反応缶内を常圧に戻し、酢酸マグネシウム4水和物0.071質量部、次いでリン酸トリメチル0.014質量部を添加した。さらに、15分かけて260℃に昇温し、リン酸トリメチル0.012質量部、次いで酢酸ナトリウム0.0036質量部を添加した。15分後、得られたエステル化反応生成物を重縮合反応缶に移送し、減圧下260℃から280℃へ徐々に昇温し、285℃で重縮合反応を行った。 [0156] 重縮合反応終了後、95%カット径が5μmのナスロン製フィルターで濾過処理を行い、ノズルからストランド状に押出し、予め濾過処理(孔径:1μm以下)を行った冷却水を用いて冷却、固化させ、ペレット状にカットした。得られたPET樹脂(A)は、融点が257℃、固有粘度が0.62dl/g、不活性粒子及び内部析出粒子は実質上含有していなかった。 [0157] (2)PET樹脂(B)の製造 添加剤としてシリカ粒子(富士シリシア化学株式会社製、サイリシア310、平均粒径2.7μm)を2000ppm含有したポリエチレンテレフタレートをPET(A)樹脂と同様の製法で作成した。 [0158] (3)二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの製造 表層(a)の原料として、PET樹脂(A)70質量部と、PET樹脂(B)30質量部とをペレット混合し、135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した後、押出機1に供給した。また、中間層(b)層の原料としてPET樹脂(A)82質量部と、PET樹脂(B)18質量部とをペレット混合し、135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した後、押出機2に供給した。押出機2、及び押出機1に供給された各原料を、押出機の溶融部、混練り部、配管、ギアポンプ、フィルターまでの樹脂温度は280℃、その後のポリマー管では275℃とし、3層合流ブロックを用いてa/b/aとなるように積層し、口金よりシート状に溶融押し出した。なお、a層とb層との厚み比率は、a/b/a=8/84/8となるように、各層のギアポンプを用いて制御した。また、前記のフィルターには、いずれもステンレス焼結体の濾材(公称濾過精度:10μm粒子を95%カット)を用いた。また、口金の温度は、押出された樹脂温度が275℃になるように制御した。 [0159] そして、押し出した樹脂を、表面温度30℃の冷却ドラム上にキャスティングして静電印加法を用いて冷却ドラム表面に密着させて冷却固化し、厚さ170μmの未延伸フィルムを作成した。 [0160] 得られた未延伸シートを、78℃に加熱されたロール群でフィルム温度を100℃に昇温した後、周速差のあるロール群で、MD方向に3.5倍に延伸した。 [0161] 次いで、得られた一軸延伸フィルムをクリップで把持し、TD方向に延伸を行った。TD方向の延伸温度は120℃、延伸倍率は4.0倍とした。次いで、240℃で15秒間の熱固定を行い、185℃で4%の緩和処理を行い、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムに、実施例1と同様に未延伸ポリプロピレンフィルムをラミネートすることにより積層体を得た。得られたフィルムの物性、積層体の物性を表1に示す。」 「[0163][表1] [図:0001436227000001.jpg] 」 イ 甲第1号証に記載された発明 上記アの記載、特に、比較例1に着目して整理すると、甲第1号証には次の発明が記載されていると認める。 「PET樹脂(A)70質量部と、シリカ粒子(富士シリシア化学株式会社製、サイリシア310、平均粒径2.7μm)を2000ppm含有するPET樹脂(B)30質量部とからなる表層(a)と、PET樹脂(A)82質量部と、PET樹脂(B)18質量部からなる中間層(b)とを、a/b/aとなるように積層し、得られた未延伸シートを、78℃に加熱されたロール群でフィルム温度を100℃に昇温した後、周速差のあるロール群で、MD方向に3.5倍に延伸したのち、TD方向に、延伸温度120℃、延伸倍率4.0倍で延伸し、240℃で15秒間の熱固定を行い、185℃で4%の緩和処理を行うことで得られた、厚さ12.0μm、MD方向の破断強度が230MPa、TD方向の破断強度が240MPa、ヘーズが2.3%である、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム。」(以下、「甲1発明」という。) (2) 対比・判断 ア 本件特許発明1について 本件特許発明1と甲1発明とを対比する。 甲1発明の「二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム」は、本件特許発明1の「二軸配向ポリエステルフィルム」に相当する。 甲1発明の表層(a)は、本件特許発明1の「最外層」に相当する。 甲1発明のPET樹脂は、テレフタル酸とエチレングリコールのみからなり、当該PET樹脂と平均粒径2.7μmのシリカ粒子により表層(a)が構成されていることから、甲1発明は、本件特許発明1の「最外層は、ジカルボン酸成分100モル%中、テレフタル酸を98モル%以上含有し、グリコール成分100モル%中、エチレングリコールを98モル%以上含有してなるポリエチレンテレフタレート系樹脂と、平均粒径が0.5~3.0μmの無機粒子を構成成分とする組成物で構成され、両最外層が同一の組成物により構成されてなり、」という発明特定事項を満たす。 甲1発明の表層(a)は、シリカ粒子を含まないPET樹脂(A)70質量部と、シリカ粒子(富士シリシア化学株式会社製、サイリシア310、平均粒径2.7μm)を2000ppm含有したPET樹脂(B)30質量部とからなるから、表層(a)のシリカ粒子の含有量は、2000×30/100=600ppmと計算される。よって、甲1発明は、本件特許発明1の「両最外層が同一の組成物により構成されてなり、該組成物における無機粒子の含有量は500ppm以上1500ppm以下であり、」という発明特定事項を満たす。 甲1発明の「破断強度」は、本件特許発明1の「引張強さ」に相当するから、甲1発明は、本件特許発明1の「(3)長手方向及び幅方向の引張強さが180~300MPaである。」という発明特定事項を満たす。 さらに、甲1発明は、厚さ12.0μm、ヘーズが2.3%であるから、本件特許発明1の「(4)ヘイズが7%以下である。」及び「(5)フィルムの厚みが9~75μmである。」という発明特定事項を満たす。 してみると、両者の一致点、相違点は次のとおりである。 (一致点) 「単層又は積層構造を有している二軸配向ポリエステルフィルムであって、前記単層又は前記積層構造の少なくとも最外層は、ジカルボン酸成分100モル%中、テレフタル酸を98モル%以上含有し、グリコール成分100モル%中、エチレングリコールを98モル%以上含有してなるポリエチレンテレフタレート系樹脂と、平均粒径が0.5~3.0μmの無機粒子を構成成分とする組成物で構成され、両最外層が同一の組成物により構成されてなり、該組成物における無機粒子の含有量は500ppm以上1500ppm以下であり、 フィルムが下記(3)~(5)を満たす包装用二軸配向ポリエステルフィルム。 (3)長手方向及び幅方向の引張強さが180~300MPaである。 (4)ヘイズが7%以下である。 (5)フィルムの厚みが9~75μmである。」 (相違点) ・相違点1 本件特許発明1は「少なくとも一方のフィルム表面が下記(1)及び(2)を満たし・・・(1)最大突起高さ(SRp)が1.2~1.6μmである。(2)算術平均粗さ(SRa)が0.024~0.045μmである。」と特定するのに対し、甲1発明にはそのような特定がない点。 相違点1について検討する。 一般に、フィルムの最大突起高さ(SRp)や算術平均粗さ(SRa)は、無機粒子の添加量や、樹脂の組成、延伸条件等の製造条件によって変化するものである。 そこで、甲1発明と、本件特許の実施例2とを比較すると、無機粒子の種類と含有量が一致するものの、PET樹脂の組成は異なり(本件特許の実施例2では、構成単位としてイソフタル酸を含むポリエチレンテレフタレート樹脂を用いている。また、添加剤の添加量も異なる。)、延伸温度、延伸倍率も異なっており、SRpやSRaが同一とは言えない。また、組成や製造条件のみからSRpやSRaを推定することは困難である。 そして、甲第1号証には、甲1発明のSRpやSRaは明記がなく、甲第1号証及び他の証拠をみても、甲1発明が相違点1に係る本件特許発明1の発明特定事項を満たす蓋然性が高いと判断する根拠を見出すことができないから、上記相違点1は実質的な相違点である。 また、甲1発明は、比較例であるから、更にSRpやSRaを(1)、(2)を満たすように調節する動機があるとは考えにくい。仮に、甲1発明が比較例でないとしても、甲第1号証は、フィルムの耐ブロッキング性や、SRpやSRaのような表面形状にも着目しておらず、他の全ての証拠を参酌しても、甲1発明において、フィルム表面が上記(1)、(2)を同時に満たすように調節する動機があるとは言えない。 したがって、本件特許発明1は、甲1発明ではなく、甲1発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (異議申立人の主張について) 異議申立人は、特許異議申立書(第28頁)において、甲1発明のa層に含まれるシリカ粒子(サイシリア310)の含有量は600ppmであり、本件特許の実施例2のA層中の無機粒子含有量と同じであり、甲1発明のa層の厚みも、本件特許の実施例2のA層の厚みと同じであるから、甲1発明のSRpとSRaは、本件特許の実施例2と同程度であり、相違点1は実質的な相違点ではない旨、主張している。 しかしながら、上述のとおり、フィルム表面のSRpとSRaは、延伸条件等の製造条件によっても変化する。例えば、本件特許の実施例1と比較例5では、A層の組成や厚みが同一であるにも関わらず、延伸温度や延伸倍率などの条件が異なることにより、SRpとSRaの値が変化している。このことからも、延伸温度や延伸倍率は、SRpとSRaの値に影響を及ぼすと考えられる。 一方、異議申立人は、シリカ粒子の含有量と厚みが一致すれば、その他の製造条件によらず、SRpとSRaが同程度となる根拠は示していない。 よって、異議申立人の主張を採用することはできず、上記相違点1は実質的な相違点である。 さらに、異議申立人は、特許異議申立書(第2頁、第29頁~第31頁)において、仮に相違点1が実質的な相違点であったとしても、甲第2号証には、フィルムの滑り性や、巻き取り時の空気巻き込みによるしわ発生抑制の観点から、フィルム表面の中心線平均粗さ(Ra)及び最大突起高さ(Rt)を所定の範囲に制御することが記載されており、上記(1)、(2)の数値範囲は甲第2号証のRa及びRtの範囲と重複しているから、上記(1)、(2)は設計事項に過ぎない旨主張している。 しかしながら、上述のとおり、甲1発明においてさらなる改良をする動機があるとは言えない(そもそも、甲1発明は、甲第1号証における比較例に位置づけられるものである。)。さらに、甲第2号証のRtとRa(それぞれ、本件特許発明のRSpとRSaに相当する)の範囲は、本件特許発明1の(1)、(2)の数値範囲と一部で重複するのみで、一致しておらず、上記(1)、(2)を満たすように調整する動機があったとは言えない。加えて、上記(1)、(2)を満たすように調節することにより、優れた機械物性、透明性、耐熱性を有するとともに、二次加工適正及び印刷外観に優れるという本件特許発明1が奏する効果が、予測可能であったとも言えない。 よって、上記異議申立人の主張も採用できない。 イ 本件特許発明2~6について 本件特許発明2~6は、本件特許発明1の発明特定事項の全てを有し、さらに限定するものである。 そして、上記アのとおり、本件特許発明1は、甲1発明ではなく、甲1発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものでもないから、本件特許発明2~6は、甲1発明ではなく、甲1発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものでもない。 第5 むすび 以上のとおり、特許異議の申立ての理由によって、本件特許の請求項1~6に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に、本件特許の請求項1~6に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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