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商標取消審判

2024-300020

エーディーエス、エイデイエス

審判番号
2024-300020
法域
商標
審判種別
取消審判(商標取消の審決)
出願番号
商願2014-094710
登録番号
5760330
請求日
2024年01月17日
審決日
2025年02月13日
公報発行日
2025年08月29日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
  • 【請求人代理人】小暮 理恵子
  • 【請求人代理人】行田 朋弘
  • 【被請求人】株式会社 KJTD
  • 【被請求人代理人】弁理士法人一色国際特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 大橋 良成
  • 審判官 大山 健
  • 審判官 山田 啓之
分類
T132 .1 -Y (W09)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法50条
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第2条第3項第8号、商標法第50条第1項、商標法第50条第2項、商標法第2条第3項第1号、商標法第50条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

上記当事者間の商標登録第5760330号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第5760330号商標(以下「本件商標」という。)は、「エーディーエス」の片仮名を上段に、「ADS」の欧文字を下段に書してなり、平成26年11月11日に登録出願、第9類「非破壊検査装置,電子応用機械器具及びその部品,電気磁気測定器,電池,電線及びケーブル」を指定商品として、同27年4月24日に設定登録されたものである。 そして、本件審判請求の登録日は、令和6年1月31日であり、商標法第50条第2項に規定する「その審判の請求の登録前3年以内」とは、令和3年(2021年)1月31日ないし同6年(2024年)1月30日である(以下「要証期間」という。)。 第2 請求人の主張 請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中、第9類「電子応用機械器具及びその部品」(以下「取消請求商品」という場合がある。)についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その請求の理由を要旨次のように述べるとともに、被請求人の答弁に対して要旨次のように弁駁した。また、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。 1 請求の理由 本件商標は、取消請求商品について継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。 2 答弁に対する弁駁 (1)本件商標に係る商品について 答弁書によると、本件商標が使用されている商品は、「超音波探傷映像化装置」とのことであるが、乙第3号証及び乙第6号証の画像なども併せて考えると、同商品の中心的な機能は「超音波応用探傷器」及び「超音波応用探知機」が果たしており、データ処理、演算処理及びディスプレイモニターでの表示という機能は商品に備えられた又は付加された一機能と理解される。 そして、「超音波応用探傷器」及び「超音波応用探知機」は超音波を用いて内部の傷などを探査及び測定できる装置であり、「超音波探傷映像化装置」は傷等を探査及び測定した上でその傷等を可視化する機能をも有する装置であるから、これらはいずれも非破壊検査装置の一種であると理解される。 (2)本件商標の使用態様について 乙第3号証などの各証拠によれば、本件商標は、実際の商品に使用される場合、「ADS71000」の態様で表示されている。当該「ADS71000」の表示は、スペースなしで表示されたり(乙3)、同じロゴ書体で表示されたり(乙4)、又は括弧付きで表示されたり(乙5)している上に、被請求人は「SDS3」、「SDT200」、「HIS3」、「HIS3 LF」、「USFD-20」など、アルファベットと数字を組み合わせた商標(商品名)を付した複数の商品を販売しているという事情(乙8)があるから、需要者は「ADS71000」の表示をひとかたまりとして理解するものである。 このように「ADS71000」の表示は、本件商標と社会通念上同一とはいえない。 第3 被請求人の答弁 被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第10号証を提出した。 1 被請求人の本件商標の使用について 被請求人は、1971年に超音波探傷器のメーカーとして創業し、時代の変遷による製品の高度化に伴った顧客のニーズに応じるべく様々な商品を製造及び販売している(乙2)。 (1)被請求人は、「ADS」という「7軸同時制御超音波探傷映像化装置」を製造及び販売しており、被請求人は当該商品について「ADS」の文字を商標として使用している(乙3、乙4)。この商品は2019年に販売が開始され(乙5)、被請求人はこれを現在まで継続して製造及び販売している。当該商品は、「超音波探傷」、「機構制御技術」及び「画像処理技術」を取り入れた「超音波探傷映像化装置」であり、被探傷物について7つの軸(X軸、Y軸、Z軸、R軸、θ1軸、θ2軸、θ3軸)をモーションコントローラー(駆動制御機)で制御し、探触子(超音波を発生及び受信するセンサー)の3次元的走査を可能とした装置である(乙5)。 そして、当該商品「ADS」は、探査でスキャンしたデータ情報を処理し画像処理して、ディスプレイモニターに表示させる機能を有し、コンピューターが搭載され、探査及びスキャン工程での収集情報をデータ処理及び演算処理等を行った上でディスプレイモニターに表示させるものである(乙6)。つまり、当該商品「ADS」は探査及びスキャンした収集データをコンピューター処理した上でディスプレイモニターに表示させるところ、これは電子データの処理であり、当該処理は電子の作用を応用して行われるものであるから、電子の作用を当該機械器具の機能の本質的な要素の一つとしていることは明らかであり、当該商品「ADS」は電子計算処理を行う「電子応用機械器具」に該当する。また、当該商品「ADS」は「超音波探傷映像化装置」であるから、「電子応用機械器具」に含まれる「超音波応用探傷器」及び「超音波応用探知機」にも該当する(乙3、乙4)。 (2)被請求人は2019年より商品「ADS」を継続して販売しているが、要証期間である2023年5月17日(最終更新日)時点で販売していたことは明らかであり(乙7)、2021年10月4日(最終更新日)時点においても当該商品「ADS」の販売がなされていた(乙8)。また、商品カタログ(乙4)においては、「本カタログの記載内容は2022年4月現在のものです。」と記載されている。 そして、乙第4号証、乙第7号証及び乙第8号証には、被請求人である株式会社KJTDの記載があり、「ADS」の文字が、被請求人により商品の出所表示である商標として要証期間に使用されてきたことは明らかである(商標法第2条第3項第1号、同項第2号及び同項第8号等)。 (3)本件商標は片仮名「エーディーエス」及び欧文字「ADS」を上下二段で表記してなるところ、「エーディーエス」の称呼は欧文字「ADS」を容易に想起させるから、上段の片仮名は、下段の欧文字の表音(単なる読み仮名)であると理解される。そして、乙第3号証ないし乙第8号証の「ADS」の記載は本件商標の下段の欧文字とほぼ一致する外観を有するから、被請求人により本件商標と社会通念上同一の商標の使用がなされているといえる。 なお、片仮名と欧文字の上下二段からなる商標について、上下の文字のいずれか一方の使用について社会通念上同一の商標の使用であると認めた過去の審決は多数あるから(乙9、乙10)、本件についても欧文字「ADS」の使用をもって本件商標と社会通念上同一の商標の使用と判断されるべきである。 2 結語 以上に述べたとおり、本件商標は、要証期間に日本国内において、被請求人により取消請求商品について使用されていた。 第4 当審の判断 1 被請求人提出の乙各号証及び同人の主張によれば、以下のとおりである。 (1)「イプロスものづくり」ウェブサイト(乙7) 乙第7号証は、2024年4月8日に出力された「イプロスものづくり」ウェブサイトの出力物であるところ、全てのページ(全4葉)に、「【カタログ進呈】7軸同時制御で複雑形状の航空機素材も検査!ADS KJTD|イプロスものづくり」及び「https://www.ipros.jp・・・」の表示がある。 また、1葉目には、「株式会社KJTD」、「【カタログ進呈】7軸同時制御で複雑形状の航空機素材も検査!ADS」、「最終更新日:2023/05/17」、「ADS71000は最新の超音波探傷技術、機構制御技術と画像処理技術を取入れた超音波探傷映像化装置です。」、「詳しくは、PDFをダウンロードいただくか、お問い合わせください。」との記載とともに、リンクと思われる「PDFダウンロード」、「お問い合わせ」の表示がある。さらに、1葉目には、カタログの表紙と思われる超音波探傷映像化装置を撮影した画像中に、赤字で「ADS71000」の表示が付されている。 (2)「ADS71000」のカタログ(乙4) 乙第4号証は、「ADS71000」のカタログであるところ、1葉目の右側には、「7軸同時制御超音波探傷映像化装置」、「ADS71000/―Advanced Detection System―」、「株式会社KJTD」との記載があり、左側には、「※本カタログの記載内容は、2022年4月現在のものです。・・・」、「※写真の製品の色は印刷により実機の色とは多少異なる場合があります。」、「株式会社KJTD」との記載がある。 また、2葉目には、「7軸同時制御超音波探傷映像化装置/ADS71000」、「Advanced/Detection/System/71000」、「ADS71000は最新の超音波探傷技術、機構制御技術と画像処理技術を取入れた超音波探傷映像化装置です。」との記載がある。 さらに、1葉目の「―Advanced Detection System―」及び2葉目の「Advanced/Detection/System/71000」の表示においては、それぞれ「A」、「D」及び「S」の大文字が赤字及び白字で表示され、その他の小文字と識別可能に表示されていることが看取できる。 (3)上記(1)及び(2)から、以下の事項が理解できる。 ア 被請求人は、要証期間である2023年5月17日に、「ADS71000」の表示(以下「使用商標」という。)を付して、自社が製造及び販売する「超音波探傷映像化装置」(以下「使用商品」という。)の広告を、「イプロスものづくり」ウェブサイトに掲載した(乙7)。 イ 被請求人は、要証期間である2022年4月頃、使用商標を付して、自社が製造及び販売する使用商品のカタログを作成した(乙4)。 2 上記1によれば、以下のとおり判断できる。 (1)使用商標について 被請求人が、使用商品(「超音波探傷映像化装置」)を販売するために、その広告を掲載したウェブサイト(乙7)及びカタログ(乙4)には、それぞれ使用商標(「ADS71000」の表示)が付されている。 そして、使用商標である「ADS71000」の表示について検討すると、「【カタログ進呈】7軸同時制御で複雑形状の航空機素材も検査!ADS」(乙7)の記載があることや、カタログ(乙4)において、「A」、「D」及び「S」の大文字が赤字及び白字で表示され、その他の小文字と識別可能に表示されていることに鑑みれば、自他商品識別力を発揮する要部は「ADS」であり、「71000」は製品の型番を表していると解して差し支えない。 他方、本件商標は、「エーディーエス」の片仮名を上段に、「ADS」の欧文字を下段に書してなるものである(上記第1を参照。)。 そうすると、使用商標の要部と本件商標の下段とは「ADS」の文字構成が同一である上、本件商標の上段の「エーディーエス」の文字は「ADS」の欧文字の片仮名表記であり、かつ、「ADS」の構成文字から生じる称呼を表したものであって、「エーディーエス」と「ADS」とで観念が異なるような事情も見当たらないから、使用商標は、本件商標と社会通念上同一であると認められる。 (2)使用商品について 使用商品(「超音波探傷映像化装置」)は、超音波探傷技術、機構制御技術及び画像処理技術を取入れた超音波探傷映像化装置である(乙4、乙7)ことに鑑みれば、使用商品は「超音波応用探傷器」及び「超音波応用探知機」が包含される「電子応用機械器具及びその部品」の範ちゅうに属する商品とみて差し支えない。 (3)使用行為、使用時期、使用者について ア 「イプロスものづくり」ウェブサイト(乙7)に基づく使用 「イプロスものづくり」ウェブサイト(乙7)から、被請求人が、要証期間である2023年5月17日に、使用商標を付して、自社が販売する使用商品の広告を、「イプロスものづくり」ウェブサイトに掲載したと認められるから、商標権者が要証期間に、商標法第2条第3項第8号に規定する使用行為を行ったと認めることができる。 イ 「ADS71000」のカタログ(乙4)に基づく使用 また、「ADS71000」のカタログ(乙4)から、被請求人が、要証期間である2022年4月頃、使用商標を付して、自社が製造及び販売する使用商品のカタログを作成したと認められるところ、当該使用商品を宣伝するために、被請求人が当該カタログを要証期間に頒布したことは推認できる。 そうすると、「ADS71000」のカタログ(乙4)からも、商標権者が要証期間に、商標法第2条第3項第8号に規定する使用行為を行ったと認めることができる。 (4)小括 上記(1)ないし(3)からすれば、商標権者は、要証期間に、日本国内において本件審判の請求に係る指定商品中、第9類「電子応用機械器具及びその部品」の範ちゅうに属する「超音波探傷映像化装置」の販売に際して、本件商標と社会通念上同一と認められる使用商標を付してウェブサイトに使用商品の広告を掲載した、及び使用商標を付したカタログを頒布して使用商品を宣伝したと認めることができる(商標法第2条第3項第8号に該当。)。 3 まとめ 以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が、その審判の請求に係る指定商品について本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)の使用をしていたことを証明したといわなければならない。 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。 よって、結論のとおり審決する。

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2024-300020

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