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商標取消審判

2024-300851

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審判番号
2024-300851
法域
商標
審判種別
取消審判(商標取消の審決)
出願番号
商願2019-043095
登録番号
6164886
請求日
2024年11月14日
審決日
2026年05月20日
公報発行日
2026年08月28日
結論
請求成立(取消)
当事者
  • 【請求人】株式会社 シムトップス
  • 【請求人代理人】佐野 弘
  • 【被請求人】平井 寛
審判長/審判官
  • 審判長 小林 正和
  • 審判官 小林 裕子
  • 審判官 吉岡 めぐみ
分類
T131 .1 -Z (W09)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法50条
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第50条第1項、商標法第2条第3項第1号、商標法第50条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

上記当事者間の登録第6164886号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 登録第6164886号商標の商標登録を取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第6164886号商標(以下「本件商標」という。)は、「MPPCreator」の文字を標準文字で表してなり、2018年(平成30年)9月17日に中華人民共和国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成31年3月13日に登録出願、第9類「電子計算機用プログラム,記録された又はダウンロード可能なコンピュータソフトウェアプラットフォーム,コンピュータソフトウェア(記憶されたもの),コンピュータソフトウェア用アプリケーション(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるもの),コンピュータプログラム(記憶されたもの),コンピュータ用プログラム(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるもの)」を指定商品として、令和元年7月26日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 そして、本件審判の請求の登録日は、令和6年11月28日である。 なお、本件審判の請求の登録前3年以内の期間である令和3年(2021年)11月28日から同6年(2024年)11月27日までを、以下「要証期間」という。 第2 請求人の主張 請求人は、結論同旨の審決を求め、審判請求書及び令和7年1月14日付け審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)に対する同年3月6日付け審判事件弁駁書(以下「弁駁書」という。)において、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第12号証を提出した。 1 請求の理由 本件商標は、その指定商品(以下「請求指定商品」という。)について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。 2 答弁に対する弁駁 (1)商標権者が主張する本件商標の使用がされている指定商品について 商標権者の主張する「解析結果のデータベース」は、系統的に整理・管理された情報の集まりであり、電子計算機に対する指令であるプログラムや、それと同義のソフトウェアとは、内容の異なる、別の商品である(甲2ないし甲4)。 また、指定商品に含まれるコンピュータソフトウェアプラットフォームは、コンピュータソフトウェアを動作させるのに必要な、基盤となるソフトウェア等であり、オペレーティングシステム(OS)やミドルウェア、ライブラリなどが該当するが(甲5)、商標権者の主張する「解析結果のデータベース」は、これらとも異なる内容の別の商品である。 なお、商標権者が答弁書において主張していない指定商品中の「コンピュータソフトウェア用アプリケーション(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるもの)」及び「コンピュータ用プログラム(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるもの)」についても、プログラム及びソフトウェアと商品の内容が同義であるから、「解析結果のデータベース」とは異なる商品である。 したがって、仮に、商標権者の主張する「解析結果のデータベース」について、本件商標を使用したとしても、指定商品についての使用にはならない。 なお、証拠説明書に、データベースについての記載があるが、乙第1号証ないし乙第8号証を参照しても、解析結果のデータベースが実在していることは確認できない。 また、乙第1号証の表題は「発明支援のための特許分析のご提案」であり、本文中には、「令和3年に一度ご案内しました、特許分析を主業務とする企業です。」、「弊社特許分析が貴社事業の業務効率化に繋がると確信しております。」との記載があることから、A合同会社の事業は、特許分析、すなわち、第45類に含まれる役務「特許に関連する先行技術の調査分析及び先行技術に関する情報の提供」や「特許及び特許出願に関する知的所有権に関する助言」に該当する(甲6)。 したがって、乙第1号証が示す文書は、商標権者が主張する指定商品に関するものではなく、特許分析という役務に関する案内である。 (2)乙第4号証には、差出人と受取人が表示されておらず、乙第1号証に示される文書等が、A合同会社からB社に郵送されたことを証明する証拠にはならない。 (3)乙第1号証である「発明支援のための特許分析のご提案」と乙第2号証であるA合同会社の履歴事項全部証明書に記載されている氏名や住所が一致することと、商標法第2条第3項第1号ないし同項第10号に規定される標章についての使用行為がなされた場所とは、関連がなく、氏名や住所が一致することをもって本件商標の使用場所が日本国内であると確認することはできない。 また、乙第8号証は公開特許公報であり、本件商標の使用場所を示す証拠にはならない。また、乙第1号証に記載されている氏名や所属、法人名称と乙第8号証の表示が一致することと、本件商標の使用場所との関連はなく、本件商標が日本国内で使用されたことを示す証拠にはならない。 (4)上述のとおり、商標権者の主張する分析結果のデータベースは、請求指定商品と異なる商品であり、請求指定商品についての登録商標の使用に該当しない。 ア 取引書類について ここで、乙第1号証が示す文書が「取引書類」に該当するかについて検討する。 乙第1号証は、A合同会社の事業の案内にすぎず、A合同会社とB社との間で取引が成立した事実を裏付ける取引書類を示すものではない。 したがって、乙第1号証が示す文書は、注文書、納品書、送り状、出荷案内書、物品領収書、カタログ等でなく、商品等の販売の事実を裏付ける取引書類に該当しない。 また、乙第1号証が示す文書に同封されて郵送されたとされる乙第5号証と乙第6号証について、答弁書に添付された証拠説明書には、乙第5号証と乙第6号証の印刷物が「特許分析の結果を紹介する」ものにすぎないことが説明されている。 したがって、乙第5号証と乙第6号証が示す印刷物も商品等の販売の事実を裏付ける取引書類に該当しない。 イ 広告物について また、乙第1号証が示す文書が「広告物」に該当するかについても検討する。 広辞苑第7版(新村出編)(株式会社岩波書店)において、広告は「広く世間に告げ知らせること。特に、顧客を誘致するために、商品や興行物などについて、多くの人に知られるようにすること。また、その文書・放送など。」と定義されている(甲9)。 乙第1号証が示す文書は、B社に向けて作成された案内であって、この案内はA合同会社からB社に郵送されたのみであり、乙第1号証の内容を広く世間に告げ知らせるものではない。すなわち、乙第1号証に示される案内をA合同会社がB社に郵送した行為は広告を行う行為に該当しない。 また、乙第1号証が示す文書は、B社に向けて作成された案内であって、新聞、雑誌、カタログ、パンフレット、ちらし、テレビCM、ホームページ上のバナー広告、看板、街頭のネオンサイン、カレンダー等のいずれでもない。 したがって、この乙第1号証が示す文書は、広告物に該当しない。 また、乙第1号証が示す文書が、価格表に該当しないことは明らかである。 ウ 展示と頒布について 次に、乙第1号証が示す文書のB社への郵送が「展示」又は「頒布」に該当するのかについても検討する。 広辞苑第7版において、展示は「品物・作品をならべて一般の人々に見せること。」と定義されている(甲10)。A合同会社は、乙第1号証が示す文書を一般の人々に見せることをしていないので、「展示」に該当しない。 また、広辞苑第7版において、頒布は「広くゆきわたるように分かち配ること。」と定義されている(甲11)。 そして、工業所有権法(産業財産権法)逐条解説〔第22版〕には「頒布とは、上記のような刊行物が不特定多数の者が見得るような状態に置かれることをいう。」との記載がある(甲12)。 A合同会社は、乙第1号証が示す文書を広くゆきわたるように分かち配ることをしておらず、不特定多数の者が見得るような状態に置くこともしていないので、「頒布」に該当しない。 エ 商標の広告的使用について 上述のとおり、乙第1号証が示す文書は、広告物、価格表及び取引書類のいずれにも該当せず、また、この文書について展示も頒布も行われていない。 したがって、A合同会社が、乙第1号証に示される案内をB社に郵送した行為は、商標の広告的使用に該当しない。 以上より、乙第1号証が示す文書等は、本件商標の指定商品について本件商標を使用することを証明する証拠にならない。 (5)上述のとおり、乙第1号証が示す文書は、指定商品について本件商標を使用する証拠にならないので、乙第1号証が示す文書に本件商標が記載されていることが、本件商標の使用を示すことにはならない。 なお、証拠説明書に、データベースについての記載があるが、乙第1号証ないし乙第8号証を参照しても、解析結果のデータベースが実在していることを確認できない。 (6)既に述べたように、データベースは、指定商品である「電子計算機用プログラム」、「記録された又はダウンロード可能なコンピュータソフトウェアプラットフォーム」、「コンピュータソフトウェア(記憶されたもの)」と異なる商品である。 また、A合同会社がB社に郵送したダイレクトメールは、取引書類でも、広告物でも、価格表でもなく、また、展示も頒布もされていないため、商標の広告的使用にも該当しない。 したがって、商標権者及びA合同会社は、本件登録商標の指定商品について本件商標を使用していない。 第3 被請求人の主張 被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を答弁書において要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第8号証(枝番号を含む。)を提出した。 1 いつ本件商標が使用されたかについて 乙第1号証には、ダイレクトメールが作成された日付は令和6年4月26日と記載がある。 その他の方法による日付の確認方法として、乙第3号証には、マイクロソフト社文章作成プログラム「WORD」(以下「WORD」という。)により作成したデータが一覧リストにあり、その更新日時が2024/04/26 9:41と記載されていて、同じ日付を特定する事ができる。加えて乙第3号証の1には、「WORD」により作成した文章を、PDFに変換できる機能を用いて作成したデータを作成保存した時の日時が、2024/04/26 9:40と確認できる。さらに、乙第4号証から郵便局が引き受けた時間が2024/04/26 10:54と分かる。 2 どこで使用されたかについて 乙第1号証記載の送信者の社名と代表社員の氏名が乙第2号証に記載された通常使用権者の履歴事項全部証明書の社名と代表社員に関する事項に記載された代表社員の氏名がいずれも一致する。そして乙第1号証の「弊社紹介」欄に記載した住所と乙第2号証に記載された通常使用権者の履歴事項全部証明書の住所も日本国内で一致する。このことから本件商標の使用場所は日本国内と確認できる。 次に、受取人の所在は、乙第1号証に記載されたダイレクトメール受取人の氏名及び所属及び法人名称と、乙第8号証に記載された公開特許公報の発明者欄の中にある受取人の氏名と所属及び法人名称は一致する。受取人が所属する法人の住所は、乙第8号証に記載されているとおり日本国内であるので、本件商標は日本国内で使用されたことが分かる。 3 使用者について 本件商標の指定商品に該当するダイレクトメールの差出人は、乙第1号証に記載された通常使用権者であり、その代表社員は商標権者である。そして、差出人の法人名と代表社員名は、乙第2号証に記載されている法人名及び代表社員名と一致する。そのことから、本件商標は商標権者から本件商標の使用について黙示の許諾を受けた商標権者が代表社員を務めるA合同会社(通常使用権者)が使用者であると確認できる。 4 どの商品であるかについて 乙第1号証には、文中「解析もSQLデータベースとしてご提供」との記載があり、第9類「電気計算機用プログラム、記録された又はダウンロード可能なコンピュータソフトウェアプラットフォーム、コンピュータソフトウェア(記録されたもの、コンピュータプログラム(記録されたもの))」に該当する。 5 どの商標であるかについて 乙第1号証には、「解析結果のデータベースMPPCreator(R)(合議体注:Rは丸付き文字。)提供は275万円税込(保守別/定量分析を含む)。」と記載され、MPPCreatorが登録商標であることを明示する「(R)」が付与され、本件商標と一致する。このことから、登録商標が本件商標であることを明記して使用したことが確認できる。 6 どのように使用したかについて 乙第1号証にて、本件商標を使用し、技術課題とされた1位から3位までのIPC、FI、Tタームなど特許分類に属さない公報を判読しなければ明らかにできない、少なくともこれら3つの解析結果からの課題をデータ化した、フォーマット構造に特徴のあるデータベースを税込価格275万円で販売すると明記した取引書類をダイレクトメールにより受取人に送付したことは明白である。 さらに、乙第1号証の文中の炒飯技術の分析から、技術課題とされた1位から3位まではIPC、FI、Fタームなど特許分類に属さない「特許文献等を人手で1件ずつ読み込み、ノイズ排除・技術区分付与を行う」行為を行い技術区分を付与した解析結果をデータ化したフォーマット構造に特徴を持つデータベースであることが確認できる。 以上から、本件商標は、(1)審判請求登録日の前3年以内に、(2)日本国内において、(3)商標権者が代表社員を務めるA合同会社(通常使用権者)が、(4)指定商品の第9類「電気計算機用プログラム,記録された又はダウンロード可能なコンピュータソフトウェアプラットフォーム,コンピュータソフトウェア(記録されたもの),コンピュータプログラム(記録されたもの)」について、(5)本件商標を、(6)特許文献等を人手で1件ずつ読み込み、ノイズ排除・技術区分付与を行った解析結果をデータベースとして販売するという取引書類をダイレクトメールによって該当技術を発明する特定の発明者に郵送することにより使用したことが分かる。 第4 審尋 審判長は、被請求人に対し、令和8年2月26日付け審尋において、被請求人が提出した証拠によっては、要証期間に、商標権者又は通常使用権者が、請求指定商品について、本件商標を使用していたことを被請求人が証明しているものとはいえない旨の合議体の暫定的見解及び請求人が提出した弁駁書に対する回答を求めた。 第5 審尋に対する回答 前記第4の審尋に対し、被請求人からの回答はなかった。 第6 当審の判断 1 被請求人の主張及び提出された証拠によれば、以下のとおりである。 (1)被請求人である商標権者は、A合同会社の代表社員であり、A合同会社は、特許分析業等を目的とする会社である(乙1、乙2)。 (2)乙第1号証は、「通常使用権者からダイレクトメールにより郵送された郵便物の写し」(以下「本件ダイレクトメール」という。)とするものである。 本件ダイレクトメールは、A合同会社からB社に宛てたとみられる、「発明支援のための特許分析のご提案」を表題とするものであり、右上に、「令和6年4月26日」の表示がある。また、本文中には、「特許分析を主業務とする企業です。」、「前回ご案内のチャーハン技術のデータを更新(577件>632件)したほか、定量分析(EXCEL)を追加。解析もSQLデータベースとしてご提供」、「研究中の技術分野をご用命頂ければ、同様の分析結果が得られます。」、「分析は、特許1,000件あたり定量分析は44万円(税込)、解析結果のデータベースMPPCreator(R)提供275万円税込(保守別/定量分析を含む)。」等の記載がある。 (3)乙第3号証は、「日本たばこ産業株式会社20240425」を題名とするファイル(以下「本件ファイル」という。)をパソコンに保存したことを示す画像情報の写し(以下「本件画像情報」という。)とするものである。 本件画像情報には、本件ファイルが2024年(令和6年)4月26日に保存されたことを示す記載がある。 (4)乙第4号証は、「印刷された印刷物を、郵便局から受取人にダイレクトメールとして郵送した時の領収書」(以下「本件領収書」という。)とするものである。 本件領収書には、「取扱日時」として、「2024年4月26日」の記載がある。 2 上記1によれば、以下のとおり判断できる。 (1)使用商標について 本件商標は、上記第1のとおり、「MPPCreator」の文字を標準文字で表してなる。そして、本件ダイレクトメールの本文中に記載された「MPPCreator」の文字(以下「使用商標」という。)は、本件商標と構成文字を同一にし、書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標ということができるから、両者は、社会通念上同一の商標といえる。 (2)使用者について 被請求人は、A合同会社が通常使用権者であると主張しているところ、使用商標が記載された本件ダイレクトメールは、A合同会社からB社に宛てたとみられるものであり、商標権者は、A合同会社の代表社員であることを踏まえると、商標権者とA合同会社との間には業務上密接な関係があるということができるから、商標権者は、A合同会社に対して本件商標の黙示の使用許諾を与えていたものと推認できる。 (3)使用期間について 被請求人は、本件商標が要証期間に使用された証拠として、本件ダイレクトメール、本件領収書及び本件ファイルの日付を挙げているところ、本件ダイレクトメールの本文中には使用商標が記載されており、本件ダイレクトメールに記載された「令和6年4月26日」の日付は、要証期間内である。そして、本件ダイレクトメールの作成時に使用したとされる本件ファイルは、要証期間である2024年(令和6年)4月26日に保存されたことがうかがわれ、さらに、印刷された印刷物を本件ダイレクトメールとして郵送した時の本件領収書に記載された取扱日時「2024年4月26日」も、要証期間である。 しかしながら、本件領収書に係る郵便物が本件ダイレクトメールであること、及び、本件ダイレクトメールをB社の担当者が受領したことを客観的に証明する証拠の提出はない。また、本件ダイレクトメールを作成する際に、本件ファイルが用いられたことを客観的に証明する証拠の提出もない。 そうすると、これらの証拠によっては、使用商標が、要証期間内に使用されたものと認めることはできない。 (4)使用商品について 上記1(2)のとおりの本件ダイレクトメールの表題や本文の記載からすると、本件ダイレクトメールは、主として企業への経営診断や助言の観点から行われる「事業分析」のサービスについての宣伝、あるいは、「特許に関連する先行技術の調査分析及び先行技術に関する情報の提供」のサービスについての宣伝のために送付されたものとみるのが相当であり、文中の「MPPCreator」の文字も、事業分析、あるいは、特許に関連する先行技術の調査分析の一環としてのサービスを表すものとみるのが相当である。 そして、上述のサービスによる提供物(納品物)は、通常それらのサービスに付随して提供されるものであるから、本件商標が、電子計算機に対する指令であるプログラムやそれと同義のソフトウェアの範ちゅうである請求指定商品に使用されているとは直ちにいい難い。 したがって、これらの証拠によっては、使用商標が、請求指定商品に使用されたものと認めることはできない。 (5)小括 以上のことからすると、使用商標が、本件商標と社会通念上同一の商標といえるものであり、A合同会社が、商標権者から黙示の使用許諾を受けていたと推認できるとしても、これが要証期間内に、請求指定商品について使用されたものということはできないから、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者が、要証期間内に日本国内において、請求指定商品について、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を使用したとは認められない。 そして、その他、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、要証期間に日本国内において、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を請求指定商品について使用をしていることを認めるに足りる証拠の提出はない。 3 まとめ 以上のとおりであるから、被請求人は、要証期間内に日本国内において、本件商標権者、通常使用権者又は専用使用権者のいずれかが、請求指定商品のいずれかについて、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を使用していることを証明したとはいえない。 また、被請求人は、請求指定商品について、本件商標を使用していないことについて、正当な理由があることも明らかにしていない。 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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