商標取消審判
2022-300426
ヒノドライブマスター、ドライブマスター、マスター、ヒノ
- 審判番号
- 2022-300426
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2004-089239
- 登録番号
- 4901643
- 請求日
- 2022年05月13日
- 審決日
- 2023年03月02日
- 公報発行日
- 2023年08月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
- 【請求人代理人】小暮 理恵子
- 【請求人代理人】行田 朋弘
- 【被請求人】日野自動車 株式会社
- 【被請求人代理人】長谷川 芳樹
- 【被請求人代理人】黒川 朋也
- 【被請求人代理人】國重 充代
- 審判長/審判官
- 審判長 岩崎 安子
- 審判官 大橋 良成
- 審判官 山田 啓之
- 分類
- T132 .1 -Y (Y0912)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条、商標法第2条第3項第8号、商標法第50条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第4901643号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第4901643号商標(以下「本件商標」という。)は、「日野ドライブマスター」の文字を標準文字で表してなり、平成16年9月29日に登録出願、第9類「自動車の省燃費運転をする上で必要な情報を収集・分析・管理し、ブザーで知らせる警報機能付き情報表示装置,省燃費運転指導警報装置用のコンピュータプログラム,省燃費運転指導警報装置の取得する情報を記録するための光カード・ICカード・磁気カード,その他の電子応用機械器具及びその部品,携帯電話機,自動車電話機,その他の電気通信機械器具」、第12類「自動車盗難・いたずら防止警報器,自動車後進警報器,自動車並びにその部品及び附属品」、第37類「自動車の修理又は整備,自動車の修理又は整備に関するコンサルティング,自動車の修理又は整備に関する情報の提供,自動車の省燃費運転をする上で必要な情報を収集・分析・管理し、ブザーで知らせる警報機能付き情報表示装置の修理・保守及び修理・保守に関するコンサルティング,自動車の省燃費運転をする上で必要な情報を収集・分析・管理し、ブザーで知らせる警報機能付き情報表示装置の修理又は保守に関する情報の提供」及び第38類「移動体電話による通信」を指定商品及び指定役務として、同17年10月14日に設定登録され、その後、同27年5月19日に存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和4年5月30日である。
また、本件審判において、商標法第50条第2項に規定する、「その審判の請求の登録前3年以内」とは、令和元年(2019年)5月30日ないし同4年(2022年)5月29日である(以下「要証期間」という。)。
第2 請求人の主張の要点
請求人は、本件商標の指定商品及び指定役務中、第9類「自動車の省燃費運転をする上で必要な情報を収集・分析・管理し、ブザーで知らせる警報機能付き情報表示装置,省燃費運転指導警報装置用のコンピュータプログラム,省燃費運転指導警報装置の取得する情報を記録するための光カード・ICカード・磁気カード,その他の電子応用機械器具及びその部品,携帯電話機,自動車電話機,その他の電気通信機械器具」及び第12類「自動車盗難・いたずら防止警報器,自動車後進警報器,自動車並びにその部品及び附属品」について、その登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由として、本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが前記指定役務についての本件商標の使用をしていないものであるから、商標法第50条の規定によりその登録は取り消されるべきである旨主張し、甲第1号証及び同第2号証を提出している。
なお、請求人は、被請求人の答弁に対し弁駁していない。
第3 被請求人の答弁の要点
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第11号証(枝番を含む。)を提出した。
1 使用に係る商標
乙第1号証及び乙第2号証は、被請求人が製造及び販売するトラック「HINO PROFIA タンクローリー」及び「HINO PROFIA CARGO」の製品カタログである。また、乙第3号証は被請求人のトラック「HINO PROFIA 大型トラック取扱説明書」である。さらに、乙第4号証は、被請求人が製造及び販売する「日野ドライブマスター」の取扱説明書である。
乙第5-1号証は、被請求人が発行した一括請求書の写し(2022年3月発行)である。2枚目に「ヒノドライブマスター」が記載されている。請求書の読み方を説明すると、2枚目の車型「SH1EEGG-ERABA」は、被請求人が製造、販売するトラクター「HINO PROFIA TRACTOR」である。「HINO PROFIA TRACTOR」のカタログ(乙第5-2号証)の7頁には、「SH1EEGG-ERABA」との記載があり、一括請求書(乙第5-1号証)に記載されている車型と一致する。また、カタログ(乙第5-2号証)の2頁及び4頁には標準装備・オプション「日野ドライブマスター」の記載がある。したがって、車型「SH1EEGG-ERABA」には「日野ドライブマスター」が搭載されていることも明らかである。
乙第4号証は被請求人が製造及び販売する「日野ドライブマスター」の取扱説明書であるが、その説明に「車両の運転状態(車速,アクセル開度,エンジン回転数,燃料噴射量)をモニターし,燃費に悪い運転操作を検出した場合はブザーで警報することで省燃費運転を奨励します。」と記載されている。一方、乙第1号証ないし乙第3号証及び乙第5-2号証は、「トラック」の製品カタログである。類似商品・役務審査基準〔国際分類第11-2022版対応〕によれば(乙第9号証)、「トラック」は、第12類「自動車」の範ちゅうに含まれる。また、「日野ドライブマスター」は上述のとおりブザーで警報することで省燃費運転を奨励する「自動車用警音器」であり、「自動車の部品及び附属品」の範ちゅうに含まれる(乙第9号証)。したがって、使用に係る商品は請求に係る商品のうち、第12類「自動車並びにその部品及び附属品」に関する使用であることは明らかである。
また、乙第4号証には「車両の運転状態(車速,アクセル開度,エンジン回転数,燃料噴射量)をモニターし,燃費に悪い運転操作を検出した場合はブザーで警報することで省燃費運転を奨励します。」と記載されていることから、使用に係る商品は請求に係る商品のうち、第9類「自動車の省燃費運転をする上で必要な情報を収集・分析・管理し、ブザーで知らせる警報機能付き情報表示装置,省燃費運転指導警報装置用のコンピュータプログラム,省燃費運転指導警報装置の取得する情報を記録するための光カード・ICカード・磁気カード」に使用されていることも明らかである。
2 使用期間
乙第1号証には2019年9月(裏表紙に記載)、乙第2号証には2021年7月(裏表紙に記載)、乙第3号証には2019年10月(奥付に記載)、 乙第5-1号証には2022年3月(1枚目上部中央に記載)及び乙第5-2号証には2020年4月(裏表紙に記載)とそれぞれ発行時期が記載されている。なお、乙第4号証の取扱説明書は要証期間外(2016年9月)の発行ではあるが、乙第3号証のカタログ(2019年10月発行)の6-7の「日野ドライブマスタ-★」の箇所において「*詳しくは別冊の「日野ドライブマスター取扱説明書」をご覧ください。」と記載されていることから、乙第4号証(別冊の取扱説明書)も要証期間内の2019年10月以降に頒布されていたことは明らかである。
3 使用者
乙第1号証ないし乙第5-2号証には発行者は被請求人「日野自動車株式会社」であることが記載されている。
4 使用態様、使用場所
乙第1号証ないし乙第5-2号証のカタログ、乙第4号証の取扱説明書及び乙第5-1号証の一括請求書は、日本国内において頒布されている。なお、乙第5-1号証の一括請求書は「南関東日野自動車株式会社」に発行されたものであるが、「南関東日野自動車株式会社」は被請求人のグループ会社であり、被請求人製品の販売会社である。しかし、取引が被請求人と同じグループの会社間で行われたものであるとしても、そのことにより当該取引自体が否定されるものでもないことは過去の審決からも明らかである(乙第8号証)。乙第5-1号証の一括請求書には押印がないが、被請求人が現在発行している一括請求書は電子データに変更されており、その際に社印の押印も廃止しているが、実際に発行されたものである。現在の我が国の商取引において、押印の実務が廃止されつつあることも明らかである。
以上より、被請求人の使用は、商標の「使用」について定義する商標法第2条第3項第8号の「商品若しくは役務に関する広告、価格表若しくは取引書類に標章を付して展示し、若しくは頒布し、又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」に該当する。
5 まとめ
以上のとおり、被請求人は、本審判の請求の登録前3年以内に日本国内においてその請求に係る第9類「自動車の省燃費運転をする上で必要な情報を収集・分析・管理し、ブザーで知らせる警報機能付き情報表示装置,省燃費運転指導警報装置用のコンピュータプログラム」及び第12類「自動車並びにその部品及び附属品」について登録商標を使用しているものであるから、本件商標の登録は維持されるものである。
第4 当審の判断
被請求人は、商標権者が、本件商標を本件審判の請求に係る指定商品中、第9類「自動車の省燃費運転をする上で必要な情報を収集・分析・管理し、ブザーで知らせる警報機能付き情報表示装置,省燃費運転指導警報装置用のコンピュータプログラム」及び第12類「自動車並びにその部品及び附属品」について使用している旨主張し、乙各号証を提出している。
1 被請求人提出の証拠の内容
(1)乙第1号証及び乙第2号証は、「HINO/PROFIA」と題するトラックの写真が掲載された製品カタログであり、それぞれ続葉の「標準装置・オプション一覧表」の「燃費性能」の欄に、「日野ドライブマスター」の記載があり、「本カタログの内容は、2021年9月時点のものです。」(乙1)及び「本カタログの内容は、2021年7月時点のものです。」(乙2)と記載されている。
(2)乙第3号証は、「HINO/PROFIA」と題する「大型トラック」の「取扱説明書」であり、「総目次」及び「第6章 メーター・警告灯・表示灯の見方」の項の6-7葉には、「日野ドライブマスター★」の記載があり、6-7頁の「日野ドライブマスター★」の見出しの下には、「*詳しくは別冊の「日野ドライブマスター取扱説明書」をご覧ください。」と記載されている。また、当該説明書の発行日は、奥付より2019年10月である。
(3)乙第4号証は、「HINO/大・中型トラック」と題する「日野ドライブマスター」の取扱説明書であり、当該取扱説明書中の2頁の「日野ドライブマスター機能概要」の項に、「車両の運転状態(車速,アクセル開度,エンジン回転数,燃料噴射量)をモニターし,燃費に悪い運転操作を検出した場合はブザーで警報することで省燃費運転を奨励します。」の記載があり、また、「2.日野ドライブマスターの構造と機能」の項(5頁)には、「2)設定器」の記載と当該設定器を表した図とともに、「設定器を日野ドライブマスターと接続することにより,以下の操作ができます。1各設定値の設定状況の確認と書き換え2日野ドライブマスターに内蔵の時計の時刻設定3運転操作、走行状態のモニター表示(同乗指導時に使用)」(審決注 数字はいずれも丸付き数字)と記載されている。当該取扱説明書の発行日は、奥付より2016年9月である。
2 前記1の証拠によれば、次の事実が認められる。
(1)商標権者は、令和3年(2021年)7月及び同年9月に、「HINO/PROFIA」と題するトラックの製品カタログ(以下「本件カタログ」という。)を発行した。
(2)本件カタログには、「日野ドライブマスター」(以下「使用商標」という。)と称するトラックの標準装備品又はオプション品(以下「使用商品」という。)が使用商標とともに掲載されている。
(3)使用商品は、車両の運転状態(車速、アクセル開度、エンジン回転数、燃料噴射量)をモニターし、燃費に悪い運転操作を検出した場合はブザーで警報することで省燃費運転を奨励するものであり、設定器を接続することで運転操作及び走行状態をモニター表示することができるものである。
3 判断
前記2で認定した事実から、以下のとおり判断する。
(1)使用商品
使用商品は、トラックの運転状態(車速、アクセル開度、エンジン回転数、燃料噴射量)をモニターし、燃費に悪い運転操作を検出した場合はブザーで警報することで省燃費運転を奨励するものであり、設定器を接続することで運転操作及び走行状態をモニター表示することができるものであることから、本件審判の請求に係る指定商品中、第9類「自動車の省燃費運転をする上で必要な情報を収集・分析・管理し、ブザーで知らせる警報機能付き情報表示装置」の範ちゅうに含まれる商品といえる。
(2)使用商標
本件商標は、「日野ドライブマスター」の文字を標準文字で表してなるところ、使用商標は、「日野ドライブマスター」の文字からなるものであるから、本件商標と使用商標は社会通念上同一である。
そして、使用商標は、使用商品が掲載されている製品カタログに付されているといえる。
(3)使用時期
本件カタログは、令和3年7月及び同年9月に発行されたものであるから、同月頃、商標権者の顧客に対して頒布されたものと推認することができる。
そして、当該頒布された月は、要証期間内である。
(4)小括
以上によれば、商標権者は、要証期間内に使用商品の広告(製品カタログ)に本件商標と社会通念上同一と認められる使用商標を付して頒布したものと認めることができる。
この行為は、商標法第2条第3項第8号にいう「商品に関する広告に標章を付して頒布する行為」に該当し、日本国内で行われたこと明らかである。
4 むすび
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者がその請求に係る指定商品中、第9類「自動車の省燃費運転をする上で必要な情報を収集・分析・管理し、ブザーで知らせる警報機能付き情報表示装置」に含まれる使用商品について、本件商標と社会通念上同一と認められる使用商標の使用をしたことを証明したということができる。
したがって、本件商標の指定商品中請求に係る指定商品についての登録は、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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