商標取消審判
2024-300296
コンカレント
- 審判番号
- 2024-300296
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2016-032500
- 登録番号
- 5887001
- 請求日
- 2024年05月09日
- 審決日
- 2026年02月24日
- 公報発行日
- 2026年08月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】コンカレント リアルタイム インコーポレイテッド
- 【請求人代理人】高橋 伸也
- 【被請求人】ベシマ、ネットワークス、インコーポレーテッド
- 【被請求人代理人】城山 康文
- 【被請求人代理人】岩瀬 吉和
- 【被請求人代理人】横川 聡子
- 審判長/審判官
- 審判長 山田 啓之
- 審判官 杉本 克治
- 審判官 小林 正和
- 分類
- T132 .1 -Y (W09)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第1項、商標法第2条第3項第2号、商標法第50条第2項、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第5887001号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第5887001号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成28年3月24日に登録出願、「電子応用機械器具及びその部品」を含む第9類及び第16類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同年10月7日に設定登録されたものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和6年5月24日であり、商標法第50条第2項に規定する「その審判の請求の登録前3年以内」とは、令和3年(2021年)5月24日から令和6年(2024年)5月23日である(以下「要証期間」という場合がある。)。
なお、要証期間における本件商標の商標権者は、Vecima Solutions株式会社(旧名称は、コンカレント・コンテント・ソリューションズ株式会社。以下「Vecima社」という。)であり、本件審判は、Vecima社を被請求人として請求され、同社が請求に対する答弁を行ったものであるが、その後、本件商標の商標権者は、ベシマ、ネットワークス、インコーポレーテッド(以下「ベシマ社」という。)へ特定承継されたため、ベシマ社を被請求人として本件審判の手続を続行した。
第2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中、第9類「電子応用機械器具及びその部品」(以下「請求に係る商品」という。)についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、請求に係る商品について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
請求人は、被請求人の答弁に対して、何ら弁駁していない。
第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証から乙第12号証(枝番号を含む。)を提出した。
なお、以下、証拠の表記にあたっては、乙第1号証を「乙1」のように簡略して表記する場合があり、枝番号を有する証拠において、枝番号の全てを引用する場合は、枝番号の記載を省略する。
1 被請求人について
被請求人(Vecima社)は、ブロードバンド通信やビデオ配信に関する機器の製造販売や、これらの機器の保守等を事業とし、カナダ・ビクトリア州に本社を持つベシマ社の日本の現地法人として事業を提供している(乙1)。
2 請求に係る商品についての本件商標の使用について
被請求人は、ビデオ配信(VOD)システムの販売や保守の事業を提供しており、当該事業は、サーバーの販売を含むものである。被請求人は、当該ビデオ配信システムの販売や保守を、取引先であるJCOM株式会社(以下「JCOM社」という。)に対し、継続的に提供している(なお、同社は令和3年(2021年)に商号を変更しており、旧名称は、株式会社ジュピターテレコム。以下「ジュピターテレコム社」という。)(乙3、乙4)。
乙第5号証は、被請求人がJCOM社に納入したサーバーの写真であり、当該サーバーには、本件商標と同一の商標が付されている。写真(乙5の1)に表されたサーバーのうち、下の2台にはホスト名「jmcxves01.kt」及び「jmcxves02.kt」が表示されており(乙5の2)、当該商品は、2021年5月25日に、被請求人がJCOM社(ジュピターテレコム社)にて設置を行い、2021年5月31日に、同社による検収がなされたものである。
被請求人は、納入したサーバーについてモニタリング(監視)を行っており、乙第6号証は、当該監視システムより出力したデータであり、ホスト名を「jmcxves01.kt」及び「jmcxves02.kt」とするサーバー情報のプリントアウトである。当該情報には、サーバーの名称として「HTTP Edge」、型番として「R730xd」が表示されていることから、上記写真(乙5)に表されたホスト名を「jmcxves01.kt」及び「jmcxves02.kt」とするサーバーの名称は「HTTP Edge」であり、型番が「R730xd」であることが明らかである。
乙第7号証は、ビデオ配信(VOD)システムに関する取引書類として、2021年5月31日に、被請求人がJCOM社(ジュピターテレコム社)に提出したものの抜粋であり、第9頁に、「HTTP Edge」サーバー2台を、2021年5月25日に納品したことが明示されている。
乙第8号証は、注文番号PUN-200528-00010に対する納品リストであり、当該リストにはサーバーの名称である「HTTP Edge」の記載があり、乙第9号証として提出する受領検収書に、注文番号PUN-200528-00010の表示と、検収日として2021年5月31日との記載があることから、「HTTP Edge」サーバーが、2021年5月31日に検収されたことが明らかである。
乙第10号証は、2021年6月1日に出力した検収情報データのプリントアウトであり、当該データにも、検収日が2021年5月31日であることが明示されている。
乙第7号証から乙第10号証には、いずれも「VOD配信システム更改(STEP2-3)」の文字が表示されており、これらの書類は同一の取引のものであることは明白である。
以上により、本件商標を付したサーバー「HTTP Edge」が、要証期間内に引き渡され、譲渡されたことが明らかである。
また、上記した2021年5月に本件商標を付して譲渡されたサーバーは、名称を「HTTP Edge」、ホスト名を「jmcxves01.kt」及び「jmcxves02.kt」とし、型番が「R730xd」であるところ(乙5、乙6)、当該サーバーは、Dell社のサーバー「PowerEdge R730xd」(乙11)をベースとし被請求人が製造し、販売したものである。
乙第11号証は、Dell社による「PowerEdge R730xd」の商品データシートの写しであり、当該データシートの写真及び記載内容からも、乙第5号証の写真に表された商品がサーバーであることが明らかである。そして、「サーバー」は、「ネットワーク上で、クライアントである他のコンピューターあるいはアプリケーションやプロセスにサービスを提供するコンピューター」であるから(乙12)、請求に係る商品の範ちゅうに属する。
以上のとおり、被請求人により本件商標を付したサーバーの譲渡・引き渡しがあったことを示す乙第5号証から乙第10号証により、要証期間内における、被請求人による「商品に標章を付したものを譲渡し、引き渡」す行為がなされたことが明らかであり、当該行為は商標法第2条第3項第2号に該当する。
第4 当審の判断
1 被請求人提出の証拠の内容
(1)乙第4号証は、JCOM社の登記情報であり、変更前の「商号」として「株式会社ジュピターテレコム」の記載がある。
(2)乙第5号証の1は、4台のサーバーと思われる機械が配された写真である。
また、乙第5号証の2は、当該4台の機械のうち、2台についての拡大写真であり、その機械の中央部分には、別掲2のとおり、内側を青色、外側を黄緑色のグラデーションにより着色した略長方形を組み合わせた筒状の図形と、その右側に「CONCURRENT」の文字を横書きした構成からなる商標(以下「使用商標」という。)が付されている。また、2台の機械の右側部分に、「jmcxves02.kt」又は「jmcxves01.kt」の記載がある。
(3)乙第6号証は、被請求人がサーバーのモニタリングデータと主張するものであり、「サーバ詳細」の見出しの下、「サーバグループ」の欄に「HTTP Edge」、「顧客」の欄に「JCOM」、「host名」の欄に「jmcxves01.kt」又は「jmcxves02.kt」、「メーカ」の欄に「DELL」及び「型番」の欄に「R730xd」の記載がある。
(4)乙第7号証は、Vecima社が作成した2021年5月31日付けの「VOD配信システム更改2021年5月末検収について」と題する書類であり、9頁に「VOD配信システム更改2021年5月末納品状況」の見出しの下、「STEP2-3」、「HTTP Edge 5.2 2台」及び「設置完了 2021/5/25 リリース完了」の記載がある。
(5)乙第8号証は、「VOD配信システム更改(STEP2-3)納品リスト」と題する書類であり、「注文番号:PUN-200528-00010」及び「HTTP Edge5.2」の記載がある。
(6)乙第9号証は、ジュピターテレコム社がVecima社に宛てた「受領検収書」と題する取引書類であり、「下記の通り受領検収致しました。」、「注文番号:PUN-200528-00010」、「受領日:2021年5月31日」及び「VOD配信システム更改(STEP2-3)」の記載がある。
(7)乙第10号証は、「検収情報」と題する書類であり、「品番/品名」の欄に「VOD配信システム更改(STEP2-3)」、「検収日」の欄に「2021/05/31」、「注文番号」の欄に「PUN-200528-00010」並びに「納入先企業名」の欄に「ジュピターテレコム」の記載がある。
(8)乙第11号証は、被請求人がDell社サーバーの商品データシートと主張するものであり、「PowerEdge R730xd」の見出しの下、「極めて柔軟でスケーラブルな2ソケット2Uラックサーバ。」の記載がある。
2 上記1及び被請求人の主張によれば、以下の事実が認められる。
(1)Vecima社は、2021年(令和3年)5月25日に、ジュピターテレコム社(JCOM社)に対し、「VOD配信システム更改(STEP2-3)」として、名称を「HTTP Edge」、型番を「R730xd」、ホスト名を「jmcxves01.kt」及び「jmcxves02.kt」とするサーバー(以下「使用商品」という。)を納品し、同月31日に受領検収された(乙4~乙11)。
(2)使用商品には、使用商標が付されている(乙5)。
3 上記2において認定した事実によれば、以下のとおり判断できる。
(1)使用商品について
使用商品は、「サーバー」であり、「サーバー」は、「ネットワーク上で、クライアントである他のコンピューターあるいはアプリケーションやプロセスにサービスを提供するコンピューター」(乙12)であることから、請求に係る商品「電子応用機械器具及びその部品」の範ちゅうに含まれる商品である。
(2)使用商標について
本件商標及び使用商標は、別掲1及び2のとおり、いずれも、内側を青色、外側を黄緑色のグラデーションにより着色した略長方形を組み合わせた筒状の図形と、その右側に「CONCURRENT」の文字を横書きした構成からなる。
よって、使用商標は、本件商標と同一の商標と認められる。
そして、使用商標は、使用商品に付されている。
(3)使用時期について
Vecima社は、2021年(令和3年)5月25日に、使用商品をジュピターテレコム社に納品し、同月31日に、受領検収されていることから、当該日に使用商品は譲渡又は引き渡されたといえる。
そして、当該日は要証期間内である。
(4)使用者
Vecima社は、要証期間における本件商標の商標権者であるから、使用者は、商標権者である。
(5)小括
以上によれば、商標権者は、要証期間内に、請求に係る商品に含まれる使用商品に本件商標と同一の使用商標を付したものをジュピターテレコム社に譲渡又は引き渡したと認めることができる。
そして、この行為は、商標法第2条第3項第2号にいう「商品・・・に標章を付したものを譲渡し、引き渡し・・・する行為」に該当する。
4 まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が、本件審判の請求に係る商品である「電子応用機械器具及びその部品」に含まれる使用商品について、本件商標と同一の使用商標の使用をしていたことを証明したということができる。
したがって、本件商標の請求に係る商品についての登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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