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商標取消審判

2023-300893

エイデイエス、アドエス

審判番号
2023-300893
法域
商標
審判種別
取消審判(商標取消の審決)
出願番号
商願2007-082830
登録番号
5238367
請求日
2023年12月08日
審決日
2024年06月25日
公報発行日
2024年12月27日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】メイプルベア・インコーポレイテッド
  • 【請求人代理人】弁理士法人深見特許事務所
  • 【被請求人】アドレス・サービス 株式会社
  • 【被請求人代理人】安形 雄三
  • 【被請求人代理人】翠簾野 哲
審判長/審判官
  • 審判長 大島 勉
  • 審判官 小林 裕子
  • 審判官 阿曾 裕樹
分類
T132 .1 -Y (X3542)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法50条
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第2条第3項第8号、商標法第50条第1項、商標法第70条第1項、商標法第50条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

上記当事者間の登録第5238367号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第5238367号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成19年7月25日に登録出願、第35類「商品の受注・発注・出荷業務に関する事務処理の代行,通信販売の注文・受付・発注・配送に関する事務処理の代行,郵便物の宛名書き・封入・封緘・料金計算・発送の代行,書類の封入・封緘・宛名書き・発送の代行,商品の在庫管理に関する事務の代行,人材派遣によるOA機器の操作・データ入力・一般会社事務・受付・秘書・経理事務,財務書類の作成(人材派遣によるものを含む。),速記(人材派遣によるものを含む。),筆耕(人材派遣によるものを含む。),書類の複製(人材派遣によるものを含む。),文書又は磁気テープのファイリング(人材派遣によるものを含む。),電子計算機・タイプライター・テレックス又はこれらに準ずる事務用機器の操作(人材派遣によるものを含む。),建築物における来訪者の受付及び案内(人材派遣によるものを含む。)」及び第42類「機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,デザインの考案,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守(人材派遣によるものを含む。),電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明(人材派遣によるものを含む。),建築又は都市計画に関する研究,公害の防止に関する試験又は研究,電気に関する試験又は研究,土木に関する試験又は研究,機械器具の検査・測定(人材派遣によるものを含む。),機械器具に関する試験又は研究(人材派遣によるものを含む。),電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供」のほか、第37類、第39類及び第40類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定役務として、同21年6月12日に設定登録されたものである。 第2 請求人の主張 1 請求の趣旨 請求人は、本件商標の指定役務中、第35類「商品の受注・発注・出荷業務に関する事務処理の代行,通信販売の注文・受付・発注・配送に関する事務処理の代行,商品の在庫管理に関する事務の代行,人材派遣によるデータ入力・一般会社事務・経理事務,文書又は磁気テープのファイリング(人材派遣によるものを含む。)」及び第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守(人材派遣によるものを含む。)」(以下「本件請求役務」という。)の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証(以下、証拠の表記にあたっては、「甲○」又は「乙○」と表記する。)を提出した。 2 請求の理由 本件商標は、その指定役務中、本件請求役務について、継続して3年以上(2020年12月26日から2023年12月25日まで。以下「要証期間」という。)日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。 なお、請求人は、被請求人の答弁に対し、何ら弁駁するところがない。 第3 被請求人の主張 1 答弁の趣旨 被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙1から乙46を提出した。 2 答弁の理由 (1)本件商標がその指定役務において使用された事実について ア 被請求人について 被請求人の住所は、商業登記に登録された本店住所であって(乙1)、これは、旧土地台帳に登録された住所に従ったものである。そして、被請求人の本社住所(乙2)は、住居表示に従ったものである。乙1及び乙2に記載された、商号(企業名称)、会社設立の年月日(創立日)、資本金、代表者名が共通していることから、被請求人と後述の本社住所に係る本件商標の使用者は同一人である。 したがって、後述の使用の事実を証明する資料は、いずれも本件商標の商標権者である被請求人の使用に係るものである。 被請求人の業務内容は、物流サービス、ECサイトの制作・運営、人材派遣、システム開発などである(乙1、乙2)。物流サービス業務では、受発注の代行から検品・在庫管理、仕分け・梱包・発送、配送手配、チャーター便手配、パーツの海外輸出入サポート、全国の物流拠点と在庫管理業務まで、包括的なサービスを提供しており(乙3)、ECサイトの制作・運営業務では、オンラインショップ構築・運営の制作・管理・運営代行を提供しており(乙4)、システム開発業務では、CRM(顧客関係管理)、倉庫管理、ECサイト運用管理アプリケーションなど特定業務に特化したクラウドサービスを提供している(乙5)。被請求人の業務の特徴はワンストップソリューションサービスを提供できることであり、メーカーが国内市場を展開する上で必要とするプロセス(設計支援、製品評価、製品修理、物流、コールセンター、WEBサポート関連の構築、運営、コンテンツ制作など)をワンストップで提供し、顧客ニーズに合わせた業務設計、工程設計等を提供することができる。このようなサービスが評価され、2022年には「日本のサービスイノベーション2022」(主催:公益財団法人日本生産性本部 サービス産業生産性協議会)に選定されている(乙6、乙7)。 そのため、被請求人の業務内容は本件指定役務を含むものである。 なお、乙2から乙5及び乙7は、被請求人ホームページに掲載されているものであるが、新着情報ページより(乙8)、被請求人ホームページは2015年には公開されている。 イ 使用の事実 (ア)パンフレットについて 乙9は、2023年8月発行の被請求人の会社案内のパンフレットである(以下、「本件パンフレット」という。)。被請求人の会社名が表示されており、会社概要に被請求人の本社住所等が記載されている。被請求人の会社名の前に本件商標(以下、「使用商標1」という。)が表示されており、左下下部に、単独で本件商標(以下、「使用商標2」という。)が表示されている。被請求人の事業内容の欄に「システム開発」、「ECサイトの制作・運営」及び「人材派遣」等の記載があり、ビジネス領域において、「EC・販売」、「ECサイト構築」、「受注発送代行」、「製品在庫管理」、「システム開発」等の記載があり、ご提案可能なスキームにおいて、「在庫管理」、「ECサイト構築・運営」、「販売処理・決済代行」等の記載がある。 乙10は、本件パンフレットを提供する際のメールのやり取りであり、乙11は、修正版のパンフレットを添付したメールであり、乙12は、乙11のメールで添付された修正版のパンフレットである。乙10及び乙11のメールは、いずれも2023年8月29日に送信されている。これらのメールのやり取りから、顧客からの問い合わせにより会社案内のパンフレットの資料ダウンロードを受け付けたこと、ダウンロードする当該パンフレットの確認、以前制作したパンフレットを抜粋、修正したものを添付、確認していること、本件パンフレットを資料ダウンロードに追加したことが分かる。 乙13は、乙10のメール内容に記載されたURLのページであり、被請求人ホームページの資料ダウンロードページである。左側に会社案内のパンフレットが表示され、「会社案内(Japanese)2023.8.29」の記載がある。 (イ)ウェブサイトでの投稿について 乙14は、ソーシャル・ネットワーキング・サービスのウェブサイト(以下、「SNSサイト」という。)における、被請求人の基本データの会社情報のページである。上部中央に使用商標2が表示され、会社名、本社住所等には被請求人の情報が記載されており、主なサービスに「EC制作・運営」、「システム開発」等が記載されている。 乙15は、投稿ページの一覧であり、上部中央及び各投稿の左上部に使用商標2が表示され、投稿日が2024年1月12日、2023年10月27日、同月13日及び同月3日となっており、求人情報や新着情報などが投稿され公開されている。 乙16から乙18は、各投稿の詳細ページであり、各投稿の左上部に使用商標2が表示されている。乙16の投稿日は2023年7月11日であり、東金サービスセンターが完成したことが投稿、公開され、乙17の投稿日は2021年10月22日であり、感謝状を頂戴したことが投稿、公開され、乙18の投稿日は同日であり、被請求人の業務内容が投稿、公開されている。乙18に掲載されたチラシには、左上部に使用商標2が表示され、被請求人の業務内容として「EC構築・運用」、「倉庫・物流」、「システム開発」等が表示されている。 (ウ)取引書類等について a 「商品の受注・発注・出荷業務に関する事務処理の代行」、「通信販売の注文・受付・発注・配送に関する事務処理の代行」及び「商品の在庫管理に関する事務の代行」に係る取引書類等 乙19は、被請求人を受託者(乙)とする平成30年2月1日付けの業務委託基本契約書である。第3条(対象業務)において、「商品、または部品の入出荷、保管、発送処理、棚卸、在庫管理業務」、「商品、または部品に関する顧客からの問い合わせ対応業務(顧客情報の記載、保管、管理含む)」等と記載されている。第22条(有効期間)のただし書きにおいて、「期間満了3ヶ月前までに甲または乙より相手方に対して書面による特段の意思表示がなされない限り、本契約は同一条件で1年間更新されるものとし、以後も同様とする。」と記載されており、本契約は現在も有効に存続している。 乙20及び乙21は、乙19で委託された業務、すなわち、顧客のオンラインショッピングサイトで行われる、商品の受注・配送・管理等の業務を代行した際の請求書である。左上部に請求先である委託者名が表示され、右上部に発行日、使用商標1、被請求人の会社名及び本社住所が表示されており、それぞれ2022年12月1日及び2023年12月1日に発行されている。費用項目欄には「受注センター運営全体管理」、「問合せフォーム対応」、「ECサイト発送業務」等が記載されている。 なお、乙19から乙21に係る委託者はマスキングされているが、子会社化、吸収合併を経ており、それぞれ会社名は異なっている。 b 「商品の在庫管理に関する事務の代行」に係る取引書類等 乙22は、被請求人を受託者(丙)とする2019年12月1日付けの業務委託契約に関する覚書である。第2条(本製品の保管)において、「丙は、甲が倉庫に搬入した本製品を、甲に所有権がある本製品を保管する場所(以下「甲区画」という。)に入庫するものとする。」、「丙は、原契約に基づき、甲区画及び乙区画の本製品を適正に管理するものとする。」等と記載されており、被請求人が甲又は乙の商品を管理することが委託されている。なお、有効期間の定めがないが、甲乙丙のいずれも契約解除の意思を示していないため、本契約は現在も有効に存続している。 乙23及び乙24は、乙22で委託された業務、すなわち商品の管理、出荷等に係る請求書である。左上部に請求先である委託者名が表示され、右上部に発行日、使用商標1、被請求人の会社名及び本社住所が表示されており、それぞれ2021年6月30日及び2023年2月28日に発行されている。それぞれ件名に「作業費6月度」及び「製品出荷業務作業費用(2月度)」が記載され、費用項目欄に「製品出荷作業者」、「製品出荷事務」及び「倉庫区間製品移動」、「製品出荷管理費用」等が記載されている。 c 「商品の受注・発注・出荷業務に関する事務処理の代行」及び「商品の在庫管理に関する事務の代行」に係る取引書類等 乙25は、被請求人を受託者(乙)とする令和4年7月1日付けの業務委託契約書である。<業務委託事項>として第1条(内容)において、「製品、部品、および消耗品の輸入代行、保管及び在庫管理業務」、「製品、部品、および消耗品に関する購入、取扱い、修理受付等問い合わせの電話対応業務」、「甲が指定した製品会社から、製品、部品、および消耗品の購入代行業務(甲が数量、時期を定める場合もある)、入出荷、伝票発行、配送業務」等と記載されている。第14条(契約期間)のただし書きにおいて、「期間満了の3ヶ月前に甲または乙のいずれか一方から書面による解除の申し出がない限り、さらに1年間自動的に期間延長するものとし、以後も同様とする。」と記載されており、本契約は現在も有効に存続している。 乙26は、乙25で委託された業務を代行した際の請求書である。左上部に請求先である委託者名が表示され、右上部に発行日、使用商標1、被請求人の会社名及び本社住所が表示されており、2022年11月30日に発行されている。費用項目欄には、委託業務である「電話対応業務」、「在庫保管スペース費用」、「管理費」、「配送費用」等が記載されている。 d 「人材派遣によるデータ入力・一般会社事務・経理事務」及び「文書又は磁気テープのファイリング(人材派遣によるものを含む。)」に係る取引書類等 乙27及び乙28は、被請求人の従業員を派遣した際の個別労働者派遣契約書である。「業務内容」は、「一般事務」であり、「派遣期間」はそれぞれ「自 2022年10月01日 至 2022年12月31日」、「自 2023年10月01日 至 2023年12月31日」と記載されている。「派遣元企業 名称」は被請求人が記載されており、派遣元責任者の電話番号が被請求人(乙9)と同じになっている。なお、「派遣元企業事業所」の被請求人の東京オフィスはグループ会社であるA社内にあり、東京オフィスの「事業所所在地」はA社の住所(乙9)と同じになっている。また、当該契約書はオンライン上で締結され、システムの都合上締結日の欄がないが、当該契約の確定日はそれぞれ2022年9月16日、2023年9月30日である。 乙29及び乙30は、それぞれ乙27及び乙28の派遣契約に係る請求書である。左上部に請求先である派遣先企業名が表示され、右上部に発行日、使用商標1、被請求人の会社名及び本社住所が表示されており、それぞれ2022年11月21日及び2023年11月15日に発行されている。乙29及び乙30の件名には「派遣作業料」と記載され、各項目の単価と乙27及び乙28の派遣料金は一致している。 e 「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守(人材派遣によるものを含む。)」に係る取引書類等 乙31は、被請求人が提供するソフトウェア(DA申込システム)に係る請求書である。左上部に請求先である顧客名が表示され、右上部に発行日、使用商標1、被請求人の会社名及び本社住所が表示されており、2023年3月20日に発行されている。DA申込システムとは、顧客が提供する自動車保険の特約サービス(ドライブレコーダーを活用した遠隔サービス。略称を「DA」という。)に関するシステム(ソフトウェア)であって、ドライブレコーダー等の貸出申込・管理業務等を行うソフトウェアである。被請求人は、DA申込システムに係るソフトウェアの設計・作成・保守を行っており、乙31は、当該ソフトウェアを改修した際の請求書である。 乙32は、DA申込システムに係るソフトウェアを改修する際の顧客への説明資料である。乙32の見積額が、乙31の「合計金額(税別)」の額と一致している。 乙33は、乙31及び乙32に係る受発注等のメールのやり取りである。2023年1月24日及び25日のメール内容から、1月25日にミーティングが行われたことが分かり、乙32の日付と一致する。 (エ)広告について a 東金市ホームページでのバナー広告の掲載 乙34は、東金市ホームページのバナー広告に係る令和5年3月27日付けの広告掲載可否決定通知書である。掲載期間は令和5年4月1日から同年6月30日と記載されている。 乙35は、インターネットアーカイブのウェブサイトに保存されているデータであって、2023年5月8日の東金市のホームページのトップページであり、広告欄に使用商標1及び被請求人の会社名が表示された広告画像が表示されている。 乙36は、2024年2月9日の東金市のホームページのトップページであり、被請求人の広告画像をクリックすると、被請求人のホームページの採用情報ページ(乙37)にリンクされることになる。乙37の求人内容には、倉庫内作業や事務職等の記載がある。 b 山武郡市広域行政組合ホームページでのバナー広告の掲載 乙38は、山武郡市広域行政組合ホームページバナー広告掲載の申込書である。乙39は当該申込書の添付書面であり、「バナー広告の内容」の欄に画像があり使用商標1が表示されている。乙38より、広告掲載申込日は「2023年8月25日」であり、申込者には被請求人の住所及び会社名が記載されている。乙38及び乙39より、掲載希望期間は「2023年10月から2024年3月(6か月間)」と記載されている。 乙40は、2024年2月9日の山武郡市広域行政組合ホームページのトップページであり、右上部及び最下部の広告欄に乙39の画像が表示されている。当該画像をクリックすると、被請求人のホームページの採用情報ページ(乙37)にリンクされることになる。乙37の求人内容は、倉庫内作業や事務職等の記載がある。 c 千葉テレビの協賛・CMの放送 乙41は、千葉テレビへのテレビ放送申込書である。申込日は「2022年3月2日」と記載され、申込者には被請求人の住所及び会社名が記載され、番組名等は「ミライチャンネル協賛企画 2口」と記載され、放送期間は「2022年4月1日から2023年3月31日」と記載されている。乙42は放送されたテレビCMのキャプチャ画像(一部抜粋)である。乙42には、「倉庫・在庫管理システム」、「通販、ネットショップ」、「ネットショップ構築・運営サポート」等の文字が表示され、エンドロールに使用商標1が表示されている。 乙43は、インターネットアーカイブのウェブサイトに保存されているデータであって、2023年3月9日のチバテレミライチャンネルのウェブページであり、協賛の欄に使用商標1が表示されている。乙44は、2024年1月30日のチバテレミライチャンネルのウェブページであり、使用商標1をクリックすると被請求人のホームページのトップページ(乙45)にリンクされることになる。 ウ 使用の事実に係る使用商標等について (ア)使用商標について(本件商標と使用商標の同一性) 本件商標は、「ADS」の欧文字を図案化した商標であり、「A」及び「D」の文字は水色、「S」の文字は青色で配色されたものであって、「D」の文字が「S」の文字の上に重なるように接した構成を特徴とした商標である。 使用商標1は、乙9等において表示されているものであり、被請求人の会社名の文字の前に配置された、色調はわずかに異なるが、構成は本件商標と共通する、図案化された「ADS」の文字からなる商標である。 使用商標2は、乙9の左下部等に表示されているものであり、色調はわずかに異なるが、構成は本件商標と共通する、図案化された「ADS」の文字のみからなる商標である。 使用商標1について、図案化された「ADS」の文字と「アドレス・サービス株式会社」の文字は外観上明確に区別し得るものであり、「アドレス・サービス株式会社」の文字は被請求人の商号と認識されるものであって、図案化された「ADS」とは観念上も明確に区別されるものである。そして、図案化された「ADS」の文字と「アドレス・サービス株式会社」の文字は、それぞれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものではないため、使用商標1は、図案化された「ADS」が個別に自他役務識別機能を有するものであり、使用商標1のみが独立して認識される。 そして、使用商標1及び使用商標2は、本件商標と構成を同一にするものであり、色調がわずかに異なるのみであるから、本件商標に含まれるものである(商標法第70条第1項)。 そのため、使用商標1及び使用商標2は、ともに本件商標と同一性を有するものである。 (イ)使用者について 上述のとおり、被請求人の本社住所は「千葉県東金市・・・」である。 本件パンフレット(乙9)、SNSサイトでの投稿(乙14~乙18)、取引書類等(乙19~乙33)、広告に関する資料(乙34~乙45)には、被請求人の名称、本社住所又は事業所住所が記載されていることから、使用商標1及び使用商標2の使用者は、本件商標の商標権者である被請求人である。 (ウ)使用役務について a 本件パンフレットについて 乙9の被請求人の事業内容の欄に「システム開発」、「ECサイトの制作・運営」及び「人材派遣」等の記載があり、ビジネス領域において、「EC・販売」、「ECサイト構築」、「受注発送代行」、「製品在庫管理」、「システム開発」等の記載があり、提案可能なスキームにおいて、「在庫管理」、「ECサイト構築・運営」、「販売処理・決済代行」等の記載があり、上記業務はそれぞれ本件指定役務に係るものであって、被請求人の業務内容として説明、案内されている。 b SNSサイトでの投稿について 乙14の主なサービスの欄には「EC制作・運営」、「システム開発」等が記載され、乙18のチラシには、被請求人の業務内容として「EC構築・運用」、「倉庫・物流」、「システム開発」等が表示されており、上記業務はそれぞれ本件指定役務に係るものであって、被請求人の業務内容が認識できる態様で公開されている。 乙15から乙18において、それぞれ被請求人の求人案内や新着情報等が投稿され、本件指定役務を含む被請求人の業務内容が公開されている。 c 取引書類等について (a)乙19の業務委託基本契約書には、第3条(対象業務)において、「商品、または部品の入出荷、保管、発送処理、棚卸、在庫管理業務」、「商品、または部品に関する顧客からの問い合わせ対応業務(顧客情報の記載、保管、管理含む)」等と記載され、乙20及び乙21の請求書の費用項目欄には「受注センター運営全体管理」、「ECサイト発送業務」、「問合せフォーム対応」等が記載されており、本件指定役務のうち「商品の受注・発注・出荷業務に関する事務処理の代行」、「通信販売の注文・受付・発注・配送に関する事務処理の代行」及び「商品の在庫管理に関する事務の代行」に係る業務が行われていることが分かる。 (b)乙22の業務委託契約に関する覚書には、第2条(本製品の保管)において「丙は、原契約に基づき、甲区画及び乙区画の本製品を適正に管理するものとする。」等と記載されており、乙23及び乙24の請求書の費用項目欄には、それぞれ「製品出荷作業者」、「製品出荷事務」及び「倉庫区間製品移動」、「製品出荷管理費用」等が記載されており、本件指定役務のうち「商品の在庫管理に関する事務の代行」に係る業務が行われていることが分かる。 (c)乙25の業務委託契約書には、<業務委託事項>として「製品、部品、および消耗品の輸入代行、保管及び在庫管理業務」、「製品、部品、および消耗品に関する購入、取扱い、修理受付等問い合わせの電話対応業務」等と記載されており、乙26の請求書の費用項目欄には委託業務である「電話対応業務」、「在庫保管スペース費用」、「管理費」、「配送費用」等が記載されており、本件指定役務のうち「商品の受注・発注・出荷業務に関する事務処理の代行」及び「商品の在庫管理に関する事務の代行」に係る業務が行われていることが分かる。 (d)乙27及び乙28の個別労働者派遣契約書には、業務内容の欄に「一般事務」と記載されており、乙29及び乙30の請求書の件名には「派遣作業料」が記載されており、本件指定役務のうち「人材派遣によるデータ入力・一般会社事務・経理事務」及び「文書又は磁気テープのファイリング(人材派遣によるものを含む。)」に係る業務が行われていることが分かる。 なお、一般的に一般事務は、文書の作成や整理、メールでの応対、発注伝票や受注伝票の作成と管理、各種台帳の管理、生産量や売上高などのデータの入力、社内の各種届出書類の管理などの業務を含むものである(乙46)。 (e)乙32には、被請求人が提供するDA申込システムに係るソフトウェアの改修内容が説明されており、乙31の請求書の件名には、「DA申込システム改修費用」の記載があり、本件指定役務のうち「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守(人材派遣によるものを含む。)」に係る業務が行われていることが分かる。 d 広告について 東金市ホームページでのバナー広告、及び山武郡市広域行政組合ホームページでのバナー広告は、広告画像をクリックすることにより被請求人のホームページの採用情報ページ(乙37)にリンクされることになり、当該ページには倉庫内作業や事務職等の求人内容が記載されているから、これらの広告は、本件指定役務を含む被請求人の業務に関するものである。 千葉テレビでのテレビCMは、被請求人の業務に関する広告であって、「倉庫・在庫管理システム」、「通販、ネットショップ」、「ネットショップ構築・運営サポート」等の文字が表示されており(乙42)、また、チバテレミライチャンネルのウェブページの協賛欄の使用商標1をクリックすると(乙44)、被請求人のホームページ(乙45)にリンクされることになるから、これらの広告は、本件指定役務を含む被請求人の業務に関するものである。 (エ)使用時期について a 本件パンフレットについて 乙9から乙13より、本件パンフレットは要証期間内の2023年8月に公開、提供されている。 b SNSサイトでの投稿について 乙15から乙18より、各情報はそれぞれ、要証期間内の、2023年10月27日、同月13日、同月3日、同年7月11日、及び2021年10月22日に投稿、公開されている。 c 被請求人発行の請求書について (a)乙20及び乙21に係る請求書はそれぞれ、要証期間内の「2022年12月1日」及び「2023年12月1日」に発行されている。 (b)乙23及び乙24に係る請求書はそれぞれ、要証期間内の「2021年6月30日」及び「2023年2月28日」に発行されている。 (c)乙25の業務委託契約書は、「令和4年(2022年)7月1日」に締結され、乙26の請求書は、「2022年11月30日」に発行されており、それぞれ要証期間内である。 (d)乙29及び乙30に係る請求書はそれぞれ、要証期間内の「2022年11月21日」及び「2023年11月15日」に発行されている。 (e)乙31に係る請求書は、要証期間内の「2023年3月20日」に発行されている。 d 広告について 東金市ホームページでのバナー広告の広告掲載可否決定通知書の日付は、「令和5年3月27日」であり、掲載期間は「令和5年4月1日~令和5年6月30日」であって(乙34)、要証期間内の「2023年5月8日」に東金市のホームページにおいて被請求人のバナー広告が公開されている(乙35)。 山武郡市広域行政組合ホームページでのバナー広告の申込書の日付は、要証期間内の「2023年8月25日」であって(乙38)、掲載希望期間は「2023年10月から2024年3月(6か月間)」である(乙39)。なお、「2024年2月9日」の山武郡市広域行政組合ホームページにおいて被請求人のバナー広告が公開されている。 千葉テレビへの放送申込書の日付は、「2022年3月2日」であり、放送期間は「2022年4月1日から2023年3月31日」であって(乙41)、要証期間内の「2023年3月9日」のチバテレミライチャンネルのウェブページに協賛企業として使用商標1及び被請求人の名称が表示されている(乙43)。 (オ)使用商標の使用行為について a パンフレットについて 被請求人の業務を説明する会社案内のパンフレット(乙9)に使用商標1又は使用商標2を付して、被請求人のホームページでダウンロードにより提供する行為は、役務に関する広告に標章を付して電磁的方法により提供する行為に該当する(商標法第2条第3項第8号)。 b SNSサイトでの投稿について SNSサイトにおいて、被請求人の求人情報、新着情報又は会社情報を、使用商標1又は使用商標2を付して、投稿、公開する行為(乙14~乙18)は、役務に関する広告に標章を付して電磁的方法により提供する行為に該当する(商標法第2条第3項第8号)。 c 被請求人発行の取引書類等について 上記使用の事実に関する被請求人発行の請求書(乙20、乙21、乙23、乙24、乙26、乙29~乙31)に、使用商標1を表示して、取引先に提供する行為は、役務に関する取引書類に標章を付して頒布する行為に該当する(商標法第2条第3項第8号)。 d 広告について 被請求人の業務に関するバナー広告(乙36、乙40、乙43)及びテレビCM(乙42)に、使用商標1を付して、ウェブサイト等で提供する行為は、役務に関する広告に標章を付して電磁的方法により提供する行為に該当する(商標法第2条第3項第8号)。 (2)小括 以上のとおり、本件商標の商標権者である被請求人は、要証期間に、日本国内において、本件指定役務について本件商標を使用していたことを証明した。 第4 当審の判断 1 被請求人の主張及び提出証拠によれば、以下の事実が認められる。 (1)本件商標権者は、千葉県東金市に所在する、コールサービス、物流サービス、システム開発、ECサイトの制作、運営などを事業内容とする会社である(乙2)。 (2)本件商標権者のウェブサイトに掲載されたサービスには、受発注の代行から検品・在庫管理、仕分け・梱包・発送、配送手配、チャーター便手配などを包括的に提供するロジスティクスサービスのほか、オンラインショップ構築・運営、システム開発サービスなどがある(乙3~乙5)。 (3)本件商標権者は顧客との間において、顧客が本件商標権者に対して、商品又は部品の入出荷、保管、発送処理、棚卸、在庫管理業務などを含む業務を委託する、業務委託基本契約を締結している(乙19)。 (4)本件商標権者が顧客宛てに作成した請求書(2022年12月1日付け)には、別掲2のとおりの構成からなる「ADS」の文字(以下「本件使用商標」という。)が表示されており、また、「ECサイトオペレーション費用 2022年11月分」として、「受注センター運営全体管理」、「問合せフォーム対応」、「ECサイト発送業務」、「倉庫・作業スペース」、「プレゼント(出庫数)梱包」、「ギフトラッピング」などの項目が記載されている(乙20)。 2 上記の認定事実によれば、以下のとおり判断できる。 (1)本件商標権者は、ECサイトの運営支援業務の一環として、受注センター運営管理、問合せ対応、発送業務、梱包などの役務を提供しているところ、これらは本件請求役務中「商品の受注・発注・出荷業務に関する事務処理の代行,通信販売の注文・受付・発注・配送に関する事務処理の代行」に相当する役務である。 (2)本件商標権者作成の上記役務に関する請求書は、2022年11月分の費用を知らせる取引書類として、同年12月1日に発行されたものであるから、そのしばらく後の要証期間内には顧客に宛てて頒布されていたと推認できる。 (3)上記請求書に表示された本件使用商標は、別掲2のとおりの書体で「ADS」の文字を、「AD」及び「S」の文字部分を青系の色彩で、一部を重ねて表してなる。 そして、本件商標は、別掲1のとおりの書体で「ADS」の文字を、「AD」及び「S」の文字部分を青系の色彩で、一部を重ねて表してなる。 そうすると、両商標は、いずれも共通する書体及び構成態様(色彩もほぼ共通する)で「ADS」の文字を表してなるから、社会通念上同一の商標と認められる。 (4)以上によれば、本件商標権者は、本件請求役務に含まれる役務に関する取引書類に、本件商標と社会通念上同一の本件使用商標を付して、要証期間に頒布した(商標法第2条第3項第8号)と認められる。 3 まとめ 以上のとおり、被請求人は、要証期間に、日本国内において、本件商標権者が、本件商標と社会通念上同一の商標を、本件請求役務に含まれる役務について使用していたことを証明したものと認められる。 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことができない。 よって、結論のとおり審決する。

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2023-300893

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