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特許拒絶査定不服審判

2024-004810

ショベル

審判番号
2024-004810
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2021-516221外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2024年03月19日
審決日
2025年04月16日
公報発行日
2025年07月25日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .575-Z (E02F) / P18 .113-Z (E02F) / P18 .121-Z (E02F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条1項3号特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項、特許法第29条第1項、特許法第17条の2第6項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2021-516221「ショベル」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年10月29日国際公開、WO2020/218453〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、2020年(令和2年)4月23日を国際出願日とする日本語特許出願であって(優先権主張 2019年(令和元年)4月26日(以下「優先日」という。))、その手続の経緯の概略は、次のとおりである。 令和3年10月22日 :手続補正書の提出 令和5年 8月 2日付け:拒絶理由通知書 同年10月10日 :意見書、手続補正書の提出 同年12月 8日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。) (同月19日 :原査定の謄本の送達) 令和6年 3月19日 :審判請求書、手続補正書の提出 同年 6月 4日付け:前置報告書 第2 令和6年3月19日にされた補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和6年3月19日にされた手続補正を却下する。 [補正の却下の決定の理由] 1 本件補正の内容 令和6年3月19日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)は、特許請求の範囲の補正をするものであり、この補正により、次の(1)に示す本件補正前(令和5年10月10日にされた手続補正後のものをいう。以下同じ。)の特許請求の範囲の請求項8の記載は、後記(2)に示す本件補正後の特許請求の範囲の請求項6の記載に補正された。下線は補正箇所を示す。 (1)本件補正前 「【請求項8】 下部走行体と、 前記下部走行体に旋回自在に搭載される上部旋回体と、 前記上部旋回体に取り付けられる作業アタッチメントと、 前記上部旋回体に搭載され、ショベルの周囲の所定の物体を検出する検出部と、 前記検出部により前記所定の物体が検出される場合に、ショベルの周囲に報知を行う報知部と、を備え、 前記報知部は、前記検出部により前記所定の物体が検出される場合、ショベルが動作を停止しており、且つ、オペレータがショベルを動作させるための操作を開始する兆候があるときに、ショベルの周囲への報知を行い、ショベルが動作を停止していないとき、又はオペレータが動作を停止中のショベルを動作させるための操作を開始する兆候がないときに、ショベルの周囲への報知を全く行わない、 ショベル。」 (2)本件補正後 「【請求項6】 下部走行体と、 前記下部走行体に旋回自在に搭載される上部旋回体と、 前記上部旋回体に取り付けられる作業アタッチメントと、 前記上部旋回体に搭載され、ショベルの周囲の所定の物体を検出する検出部と、 前記検出部により前記所定の物体が検出される場合に、ショベルの周囲に報知を行う報知部と、を備え、 前記報知部は、前記検出部により前記所定の物体が検出される場合、ショベルが動作を停止しており、且つ、オペレータがショベルを動作させるための操作を開始する兆候があることを条件として、ショベルの周囲への報知を行い、ショベルが動作を停止していないこと、及びオペレータが動作を停止中のショベルを動作させるための操作を開始する兆候がないことの何れかの成立を条件として、ショベルの周囲への報知を全く行わない、 ショベル。」 2 本件補正の目的 (1)本件補正による請求項6についてする補正は、次のア及びイの補正事項からなり、全体として特許請求の範囲の減縮であるといえる。 ア 補正前の「ショベルの周囲への報知を行い」との発明特定事項について、「兆候があるとき」という状態のみを示していたのを、「兆候があることを条件として」と補正することにより、「兆候がある」という条件及び状態を示すことにより限定すること。 イ 補正前の「ショベルの周囲への報知を全く行わない」との発明特定事項について、「ショベルが動作を停止していないとき」、又は「兆候がないとき」という状態のみを示していたのを、「ショベルが動作を停止していないこと、及びオペレータが動作を停止中のショベルを動作させるための操作を開始する兆候がないことの何れかの成立を条件として」と補正することにより、「「ショベルが動作を停止していないこと」、及び「兆候がないこと」の何れか」という条件及び状態を示すことにより限定すること。 (2)そして、本件補正前の請求項8に記載された発明と、本件補正後の請求項6に記載される発明は、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一である。 (3)したがって、本件補正は、特許法17条の2第5項2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 3 独立特許要件の判断 本件補正は、上記2のとおり、特許法17条の2第5項2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とする補正に該当するから、本件補正後の請求項6に記載されている事項により特定される発明(以下「本件補正発明」という。)が、同法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に適合するか、すなわち、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるかについて、以下検討する。 (1)本件補正発明 本件補正発明は、前記1(2)に摘記した本件補正後の請求項6に記載された事項により特定されるとおりのものと認める。 (2)引用文献に記載された事項及び引用発明等の認定 ア 引用文献3に記載された事項 原査定の拒絶の理由に引用された、優先日前に発行された文献である特開2019-15174号公報(以下「引用文献3」という。)には、以下の事項が記載されている。また、下線は当合議体が付したものであり、以下同様である。 (ア)「【0011】 画像生成装置100は、作業機械の周辺を監視する作業機械用周辺監視装置の1例であり、制御部1、カメラ2、入力部3、記憶部4、表示部5、人検出センサ6、警報出力部7、ゲートロックレバー8、及びイグニッションスイッチ9で構成される。具体的には、画像生成装置100は、作業機械に搭載されたカメラ2が撮像した入力画像に基づいて出力画像を生成しその出力画像を操作者に提示する。また、画像生成装置100は、人検出センサ6の出力に基づいて、提示すべき出力画像の内容を切り換える。 【0012】 図2は、画像生成装置100が搭載される作業機械としてのショベル60の構成例を示す図であり、ショベル60は、クローラ式の下部走行体61の上に、旋回機構62を介して、上部旋回体63を旋回軸PVの周りで旋回自在に搭載している。 【0013】 また、上部旋回体63は、その前方左側部にキャブ(運転室)64を備え、その前方中央部に掘削アタッチメントEを備え、その右側面及び後面にカメラ2(右側方カメラ2R、後方カメラ2B)及び人検出センサ6(右側方人検出センサ6R、後方人検出センサ6B)を備えている。なお、キャブ64内の操作者が視認し易い位置には表示部5が設置されている。また、キャブ64内には、警報出力部7(右側方警報出力部7R、後方警報出力部7B)、ゲートロックレバー8、イグニッションスイッチ9が設置されている。 ・・・ 【0015】 制御部1は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、NVRAM(Non-Volatile Random Access Memory)等を備えたコンピュータである。本実施例では、制御部1は、例えば、後述する座標対応付け手段10、画像生成手段11、人存否判定手段12、警報制御手段13、及び作業機械状態判定手段14のそれぞれに対応するプログラムをROMやNVRAMに記憶し、一時記憶領域としてRAMを利用しながら各手段に対応する処理をCPUに実行させる。」 (イ)「【0021】 人検出センサ6は、ショベル60の周囲に存在する人を検出するための装置である。本実施例では、人検出センサ6は、例えば、キャブ64にいる操作者の死角となる領域に存在する人を検出できるよう上部旋回体63の右側面及び後面に取り付けられる(図2参照。)。」 (ウ)「【0024】 警報出力部7は、ショベル60の操作者に対する警報を出力する装置である。例えば、警報出力部7は、音及び光の少なくとも一方を出力する警報装置であり、ブザー、スピーカ等の音声出力装置、LED、フラッシュライト等の発光装置を含む。本実施例では、警報出力部7は、警報音を出力するブザーであり、キャブ64の右側内壁に取り付けられる右側方警報出力部7R、及び、キャブ64の後側内壁に取り付けられる後方警報出力部7Bで構成される(図2参照。)。 【0025】 ゲートロックレバー8は、ショベル60の状態を切り換える装置である。本実施例では、ゲートロックレバー8は、ショベル60を作業不可状態とするロック状態と、ショベル60を作業可能状態とするロック解除状態とを有する。なお、「作業可能状態」は、操作者がショベル60を操作できる状態を意味し、「作業不可状態」は、操作者がショベル60を操作できない状態を意味する。ゲートロックレバー8は、自身の現在の状態を表す信号を所定周期で繰り返し制御部1に対して出力する。」 (エ)「【0049】 人存否判定手段12は、作業機械の周囲に設定される複数の監視空間のそれぞれにおける人の存否を判定する手段である。本実施例では、人存否判定手段12は、人検出センサ6の出力に基づいてショベル60の周囲の人の存否を判定する。」 (オ)「【0201】 次に、図22~図25を参照して、警報制御手段13が人存否判定手段12の判定結果と、作業機械状態判定手段14の判定結果とに基づいて警報出力部7を制御する処理(以下、「第2警報制御処理」とする。)について説明する。なお、図22は、第2警報制御処理の流れを示すフローチャートであり、図23は、第2警報制御処理中に表示される出力画像の推移の一例を示す。また、図24は、作業機械状態判定手段14が作業機械の状態を判定する処理(以下、「作業機械状態判定処理」とする。)の流れを示すフローチャートであり、図25は、作業不能状態から作業可能状態への切り替わり時に警報制御手段13が警報出力部7を制御する処理(以下、「作業開始時警報制御処理」とする。)の流れを示すフローチャートである。なお、警報制御手段13は、所定周期で繰り返し第2警報制御処理を実行し、作業機械状態判定手段14は、所定周期で繰り返し作業機械状態判定処理を実行する。また、警報制御手段13は、作業不能状態から作業可能状態への切り替わり時に作業開始時警報制御処理を実行する。 【0202】 最初に、人存否判定手段12は、ショベル60の周囲に人が存在するか否かを判定する(ステップS21)。このとき、画像生成手段11は、表示部5が起動している場合には、例えば、図23の出力画像D31に示すような路面高さ基準の周辺監視用仮想視点画像を生成して表示する。 【0203】 ショベル60の周囲に人が存在すると判定した場合(ステップS21のYES)、人存否判定手段12は、作業機械状態判定手段14による判定の結果(後述の図24参照。)を参照する(ステップS22)。この場合、人存否判定手段12は、ゲートロックレバー8をロック状態に固定してもよい。具体的には、人存否判定手段12は、操作者がゲートロックレバー8を引き上げることができないようにしてもよく、ゲートロックレバー8が引き上げられたとしてもロック解除状態とならないようにしてもよい。 【0204】 作業機械状態判定手段14によりショベル60が作業可能状態にあると判定された場合(ステップS22のYES)、人存否判定手段12は、検出信号を警報制御手段13に対して出力する。検出信号を受けた警報制御手段13は、警報を出力させるための警報開始信号を警報出力部7に対して出力し、警報出力部7から警報を出力させる(ステップS23)。 【0205】 本実施例では、警報出力部7は、警報音を出力する。具体的には、人存否判定手段12は、左側方監視空間ZLに人(ここでは作業者P10~P12である。)が存在すると判定した場合に警報制御手段13に対して左側方検出信号を通知する。そして、警報制御手段13は、左側方警報出力部7L、後方警報出力部7B、及び右側方警報出力部7Rに対して警報開始信号を出力し、3つ全ての警報出力部から警報音を出力させる。この場合、制御部1は、表示部5が起動していない場合には表示部5を起動させる。そして、画像生成手段11は、図21の出力画像D22に示すように、路面高さ基準の周辺監視用仮想視点画像を頭高さ基準の周辺監視用仮想視点画像に切り換えて警報停止ボタンG1を重畳表示する。また、画像生成手段11は、図21の出力画像D23に示すように、路面高さ基準の周辺監視用仮想視点画像上に警報停止ボタンG1を重畳表示してもよい。この場合、警報制御手段13は、警報停止ボタンG1が押下されるまで、ショベル60による作業を禁止してもよい。具体的には、警報制御手段13は、ゲートロック弁を閉状態にし、コントロールバルブと操作レバー等との間の作動油の流れを遮断して操作レバー等を無効にしてもよい。 【0206】 また、作業機械状態判定手段14によりショベル60が作業可能状態にないと判定された場合(ステップS22のNO)、人存否判定手段12は、検出信号を警報制御手段13に対して出力せず、NVRAM等に用意された人検出フラグの値を「1」(オン)に設定する(ステップS24)。なお、人検出フラグは、初期値として値「0」(オフ)が設定されており、検出フラグの値「1」(オン)は人を検出したことを表し、検出フラグの値「0」(オフ)は人を検出していないことを表す。この時点では、警報制御手段13は、検出信号を受けないため、警報開始信号を警報出力部7に対して出力することはなく、警報出力部7から警報を出力させることもない。また、警報制御手段13は、既に警報出力部7に対して警報開始信号を出力していた場合にはそれら警報出力部7に対して警報停止信号を出力してもよい。また、画像生成手段11は、表示部5が起動している場合には、ショベル60の周囲に人が存在すると判定されているにもかかわらず、人が存在しないと判定された場合と同様の出力画像を表示する。具体的には、画像生成手段11は、例えば図23の出力画像D32に示すような路面高さ基準の周辺監視用仮想視点画像を表示する。但し、画像生成手段11は、路面高さ基準の周辺監視用仮想視点画像を頭高さ基準の周辺監視用仮想視点画像に切り換えてもよい。 【0207】 一方、ショベル60の周囲に人が存在しないと判定した場合(ステップS21のNO)、人存否判定手段12は、作業機械状態判定手段14による判定の結果を参照することはなく、警報制御手段13に対して検出信号を出力することもない。」 (カ)「【0213】 最初に、作業機械状態判定手段14は、イグニッションスイッチ9の出力に基づいて、イグニッションスイッチ9がオン状態にあるか否かを判定する(ステップS31)。 【0214】 イグニッションスイッチ9がオン状態にあると判定した場合(ステップS31のYES)、作業機械状態判定手段14は、ゲートロックレバー8の出力に基づいてゲートロックレバー8がロック解除状態にあるか否かを判定する(ステップS32)。 【0215】 ゲートロックレバー8がロック解除状態にあると判定した場合(ステップS32のYES)、作業機械状態判定手段14は、ショベル60が作業可能状態にあると判定する(ステップS33)。 【0216】 一方、イグニッションスイッチ9がオン状態にないと判定した場合(ステップS31のNO)、或いは、ゲートロックレバー8がロック解除状態にないと判定した場合(ステップS32のNO)、作業機械状態判定手段14は、ショベル60が作業可能状態にない、すなわち、ショベル60が作業不可状態にあると判定する(ステップS34)。 【0217】 その後、作業機械状態判定手段14は、NVRAM等に用意された作業可能フラグの値を判定結果に応じて設定する。人存否判定手段12は、図22に示す第2警報制御処理のステップS22においてこの作業可能フラグの値を参照し、参照した値に基づいて警報出力の有無を判断する。なお、作業可能フラグは、初期値として値「0」(オフ)が設定されており、作業可能フラグの値「1」(オン)は作業可能であることを表し、作業可能フラグの値「0」(オフ)は作業不可であることを表す。」 (キ)「【図22】 [図:0001424263000001.jpg] 」 (ク)「【図24】 [図:0001424263000002.jpg] 」 (ケ)上記(ア)~(ク)から、引用文献3には下記の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「下部走行体61の上に、上部旋回体63を旋回自在に搭載したショベル60であって(【0012】)、 制御部1、カメラ2、入力部3、記憶部4、表示部5、ショベル60の周囲に存在する人を検出するための装置である人検出センサ6、警報出力部7、ゲートロックレバー8、及びイグニッションスイッチ9で構成される画像生成装置100が搭載され(【0011】、【0012】、【0021】)、 人存否判定手段12は、人検出センサ6の出力に基づいてショベル60の周囲の人の存否を判定し(【0049】)、 制御部1は、人存否判定手段12、警報制御手段13、及び作業機械状態判定手段14のそれぞれに対応するプログラムを記憶し、各手段に対応する処理をCPUに実行させ(【0015】)、 上部旋回体63は、キャブ(運転室)64、掘削アタッチメントE、人検出センサ6を備え(【0013】)、 キャブ64内には、警報出力部7、ゲートロックレバー8、イグニッションスイッチ9が設置されており(【0013】)、 警報出力部7は、ショベル60の操作者に対する警報を出力する装置であり、ブザー、スピーカ等の音声出力装置、LED、フラッシュライト等の発光装置を含み(【0024】)、 警報制御手段13は、 人存否判定手段12が、ショベル60の周囲に人が存在するか否かを判定するステップS21(【0202】)、 ショベル60の周囲に人が存在すると判定した場合(ステップS21のYES)、人存否判定手段12が、作業機械状態判定手段14による判定の結果を参照するステップS22(【0203】)、 作業機械状態判定手段14によりショベル60が作業可能状態にあると判定された場合(ステップS22のYES)、人存否判定手段12が、検出信号を警報制御手段13に対して出力し、検出信号を受けた警報制御手段13が、警報を出力させるための警報開始信号を警報出力部7に対して出力し、警報出力部7から警報を出力させるステップS23(【0204】)、 作業機械状態判定手段14によりショベル60が作業可能状態にないと判定された場合(ステップS22のNO)、人存否判定手段12が、検出信号を警報制御手段13に対して出力せず、NVRAM等に用意された人検出フラグの値を「1」(オン)に設定するステップS24(【0206】)、 を有する第2警報制御処理を実行し(【0201】)、 作業機械状態判定手段14は、 イグニッションスイッチ9の出力に基づいて、イグニッションスイッチ9がオン状態にあるか否かを判定するステップS31(【0213】)、 イグニッションスイッチ9がオン状態にあると判定した場合(ステップS31のYES)、ゲートロックレバー8の出力に基づいてゲートロックレバー8がロック解除状態にあるか否かを判定するステップS32(【0214】)、 ゲートロックレバー8がロック解除状態にあると判定した場合(ステップS32のYES)、ショベル60が、操作者が操作できる状態である作業可能状態にあると判定するステップS33(【0025】、【0215】)、 イグニッションスイッチ9がオン状態にないと判定した場合(ステップS31のNO)、或いは、ゲートロックレバー8がロック解除状態にないと判定した場合(ステップS32のNO)、ショベル60が作業可能状態にない、すなわち、ショベル60が、操作者が操作できない作業不可状態にあると判定するステップS34(【0025】、【0216】)、 を有する作業機械状態判定処理を実行し(【0201】)、その後NVRAM等に用意された作業可能フラグの値を判定結果に応じて設定する、 ショベル60。」 (3)対比・判断 ア 本件補正発明と引用発明との対比 本件補正発明と引用発明とを対比する。 (ア)後者の「下部走行体61」、「上部旋回体63」、「人検出センサ6」、「掘削アタッチメントE」、「ショベル60」、「人」、及び「警報出力部7」は、それぞれ、前者の「下部走行体」、「上部旋回体」、「検出部」、「作業アタッチメント」、「ショベル」、「所定の物体」、及び「報知部」に相当する。 (イ)後者の「上部旋回体63」は、「下部走行体61」の上に、旋回自在に搭載されるものであるから、前者の「上部旋回体」と、後者の「上部旋回体63」とは、「下部走行体に旋回自在に搭載される」ものである点で一致する。 (ウ)後者の「掘削アタッチメントE」は、「上部旋回体63」に備えられるものであり、また、ショベルのアタッチメントは、ショベルに取り付けられるものであることは技術常識であるから、前者の「作業アタッチメント」と、後者の「掘削アタッチメントE」とは、「上部旋回体に取り付けられる」ものである点で一致する。 (エ)後者の「人検出センサ6」は、「上部旋回体63」に備えられるものであり、また、「ショベル60の周囲に存在する人を検出するための装置」であることから、前者の「検出部」と、後者の「人検出センサ6」とは、「上部旋回体に搭載され、ショベルの周囲の所定の物体を検出する」ものである点で一致する。 (オ)後者の「警報出力部7」は、「ショベル60の操作者に対する警報を出力する装置」であって、「キャブ64」内に設置されるものである。 ここで、ショベルの運転室が、音漏れしない程度まで密閉されるものではなく、運転室内から外を見るための窓等が設けられて視覚的又は聴覚的に開放された構造を採ること、及び警報を作業機の周囲にまで報知することはいずれも技術常識であって、当該技術常識を考慮すると、後者の「警報出力部7」が「ブザー、スピーカ等の音声出力装置」、「LED、フラッシュライト等の発光装置」を含むものであることから、「キャブ64」内に設定された「警報出力部7」から出力される音や光は、当然に、「キャブ64」の外に到達するものであるといえる。 そうすると、前者の「報知部」と、後者の「警報出力部7」とは、「ショベルの周囲に報知を行う」ものである点で一致する。 (カ)ここで、前者の「前記報知部は、前記検出部により前記所定の物体が検出される場合、ショベルが動作を停止しており、且つ、オペレータがショベルを動作させるための操作を開始する兆候があることを条件として、ショベルの周囲への報知を行い、ショベルが動作を停止していないこと、及びオペレータが動作を停止中のショベルを動作させるための操作を開始する兆候がないことの何れかの成立を条件として、ショベルの周囲への報知を全く行わない」との記載は、「ショベルの周囲への報知」を行う場合の条件が、「ショベルが動作を停止しており、且つ、オペレータがショベルを動作させるための操作を開始する兆候がある」状態であることと解される。 また、「ショベルの周囲への報知」を行わない場合の条件について、本件補正発明には、「ショベルが動作を停止していないこと、及びオペレータが動作を停止中のショベルを動作させるための操作を開始する兆候がないことの何れかの成立」を判断する手段についての特定がないことから、「ショベルが動作を停止していない」という状態と、「オペレータが動作を停止中のショベルを動作させるための操作を開始する兆候がない」という状態の何れかを満たせば足りると理解できる。 (キ)前者の「オペレータがショベルを動作させるための操作を開始する兆候があること」とは、明細書【0230】の「ショベル100の動作の開始の兆候の有無は、例えば、ゲートロックレバーの操作状態に基づき判断されてよい。ゲートロックレバーがロック状態にある場合、ショベル100が動作を開始する可能性が低い一方、ゲートロックレバーがロック状態から解除状態に操作された場合、ショベル100が動作を開始する可能性が高いからである。」との記載、及びゲートロックレバーが解除状態にあれば、オペレータがショベル100の操作を開始する可能性が高いといえることから、オペレータがゲートロックレバーを解除状態に操作した状態にあることを意味すると解される。 また、前者の「オペレータが動作を停止中のショベルを動作させるための操作を開始する兆候がないこと」とは、明細書【0230】の「ショベル100の動作の開始の兆候の有無は、例えば、ゲートロックレバーの操作状態に基づき判断されてよい。ゲートロックレバーがロック状態にある場合、ショベル100が動作を開始する可能性が低い一方、ゲートロックレバーがロック状態から解除状態に操作された場合、ショベル100が動作を開始する可能性が高いからである。」との記載、ゲートロックレバーがロック状態にあれば、オペレータがショベル100の操作を開始する可能性が低いといえること、及びショベル100のイグニッションがオフであればショベル100を操作することができないことから、ゲートロックレバーがロック状態にあるか、ショベル100のイグニッションがオフであることを意味すると解される。 (ク)上記(カ)、(キ)をふまえ、以下、引き続き対比する。 後者の「警報制御手段13」は、「人存否判定手段12が、ショベル60の周囲に人が存在するか否かを判定するステップS21」、「ショベル60の周囲に人が存在すると判定した場合(ステップS21のYES)、人存否判定手段12が、作業機械状態判定手段14による判定の結果を参照するステップS22」、及び「作業機械状態判定手段14によりショベル60が作業可能状態にあると判定された場合(ステップS22のYES)、人存否判定手段12が、検出信号を警報制御手段13に対して出力し、検出信号を受けた警報制御手段13が、警報を出力させるための警報開始信号を警報出力部7に対して出力し、警報出力部7から警報を出力させるステップS23」を有する「第2警報制御処理」を実行するところ、後者の「人存否判定手段12」は、「人検出センサ6の出力に基づいてショベル60の周囲の人の存否を判定」する手段であるから、後者の「ショベル60の周囲に人が存在すると判定した場合(ステップS21のYES)」は、「人検出センサ6」の出力に基づいて判定しているといえるので、前者の「検出部により前記所定の物体が検出される場合」に相当する。 (ケ)後者の「第2警報制御処理」の「作業機械状態判定手段14によりショベル60が作業可能状態にあると判定された場合(ステップS22のYES)」における「作業可能状態」は、「イグニッションスイッチ9がオン状態にあると判定した場合(ステップS31のYES)」であって、「ゲートロックレバー8がロック解除状態にあると判定した場合(ステップS32のYES)」に判定される状態である。 また、後者の「イグニッションスイッチ9の出力に基づいて、イグニッションスイッチ9がオン状態にあるか否かを判定するステップS31」において「YES」となるのは、 a 「イグニッションスイッチ9」がオン状態を維持する場合 b 「イグニッションスイッチ9」がオフからオン状態になった場合 の2つの場合のみであって、bの場合にショベルが動作を停止していることは明らかである。 そして、後者の「作業可能状態」は「操作者が操作できる状態」であること、ショベルのゲートロックレバーが解除されている場合には、操作者が運転室に存在しているとの技術常識、及び上記(キ)をふまえると、後者の「第2警報制御処理」の「作業機械状態判定手段14によりショベル60が作業可能状態にあると判定された場合(ステップS22のYES)」における「作業可能状態」は、前者の「ショベルが動作を停止しており、且つ、オペレータがショベルを動作させるための操作を開始する兆候がある」状態に相当する。 そうすると、上記(オ)、(ク)をふまえると、前者の「報知部」と、後者の「警報出力部7」とは、「前記検出部により前記所定の物体が検出される場合に、ショベルの周囲への報知を行う」ものである点で一致し、「前記検出部により前記所定の物体が検出される場合、ショベルが動作を停止しており、且つ、オペレータがショベルを動作させるための操作を開始する兆候があることを条件として、ショベルの周囲への報知を行」うものである点でも一致する。 (コ)「警報制御手段13」は、「人存否判定手段12が、ショベル60の周囲に人が存在するか否かを判定するステップS21」、「ショベル60の周囲に人が存在すると判定した場合(ステップS21のYES)、人存否判定手段12が、作業機械状態判定手段14による判定の結果を参照するステップS22」、及び「作業機械状態判定手段14によりショベル60が作業可能状態にないと判定された場合(ステップS22のNO)、人存否判定手段12が、検出信号を警報制御手段13に対して出力せず、NVRAM等に用意された人検出フラグの値を「1」(オン)に設定するステップS24」を有する「第2警報制御処理」を実行するところ、後者の「作業機械状態判定手段14によりショベル60が作業可能状態にないと判定された場合(ステップS22のNO)」における「作業可能状態にない」との状態は、「ショベル60が、操作者が操作できない作業不可状態」であって、「イグニッションスイッチ9がオン状態にないと判定した場合(ステップS31のNO)、或いは、ゲートロックレバー8がロック解除状態にないと判定した場合(ステップS32のNO)」であることから、上記(キ)をふまえると、前者の「オペレータが動作を停止中のショベルを動作させるための操作を開始する兆候がない」状態に相当する。 (サ)後者の「第2警報制御処理」の「ステップS24」は、「人存否判定手段12が、検出信号を警報制御手段13に対して出力」しないステップであるから、上記(カ)のとおり、「ショベルの周囲への報知」を行わない場合の条件が、「ショベルが動作を停止していない」という状態及び「オペレータが動作を停止中のショベルを動作させるための操作を開始する兆候がない」という状態の何れかを満たすことであると解され、「ショベルが動作を停止していない」という状態及び「オペレータが動作を停止中のショベルを動作させるための操作を開始する兆候がない」という状態の両者の成立を個別に判断する必要はないと解される点、及び(コ)をふまえると、前者の「報知部」と、後者の「警報出力部7」とは、「オペレータが動作を停止中のショベルを動作させるための操作を開始する兆候がないことの成立を条件として、ショベルの周囲への報知を全く行わない」ものである点で一致する。 (シ)後者の「ショベル60」は、「下部走行体61」の上に、「上部旋回体63」を搭載したものであって、「制御部1、カメラ2、入力部3、記憶部4、表示部5、ショベル60の周囲に存在する人を検出するための装置である人検出センサ6、警報出力部7、ゲートロックレバー8、及びイグニッションスイッチ9で構成される画像生成装置100」が搭載され、「上部旋回体63」が、「キャブ(運転室)64」、「掘削アタッチメントE」、「人検出センサ6」を備えるものであるから、前者の「ショベル」と、後者の「ショベル60」とは、「「下部走行体」と、「上部旋回体」と、「作業アタッチメント」と、「検出部」と、「報知部」と、を備え」るものである点で一致する。 (ス)上記(ア)~(シ)によれば、本件補正発明と引用発明とは、 「下部走行体と、 前記下部走行体に旋回自在に搭載される上部旋回体と、 前記上部旋回体に取り付けられる作業アタッチメントと、 前記上部旋回体に搭載され、ショベルの周囲の所定の物体を検出する検出部と、 前記検出部により前記所定の物体が検出される場合に、ショベルの周囲に報知を行う報知部と、を備え、 前記報知部は、前記検出部により前記所定の物体が検出される場合、ショベルが動作を停止しており、且つ、オペレータがショベルを動作させるための操作を開始する兆候があることを条件として、ショベルの周囲への報知を行い、オペレータが動作を停止中のショベルを動作させるための操作を開始する兆候がないことの成立を条件として、ショベルの周囲への報知を全く行わない、 ショベル。」 である点で一致し、相違するところがない。 (セ)以上のとおり、本件補正発明は、引用発明であるか、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 イ 審判請求人の審判請求書における主張について (ア)審判請求人の主張 請求人は、審判請求書の3-3.(6)において、次の主張をしている。 「引用文献3では、ショベルの周囲で人が検出される場合に、ショベルが動作を開始する兆候があることのみを条件として警報を行うことが開示されているに過ぎず、本願発明のように、「ショベルが動作を停止しており、且つ、オペレータがショベルを動作させるための操作を開始する兆候があることを条件として、ショベルの周囲への報知」を行う構成は全く開示されておりませんし示唆もされておりません。 更に、本願発明のように、「ショベルが動作を停止しており、且つ、オペレータがショベルを動作させるための操作を開始する兆候があることを条件として、ショベルの周囲への報知」を行う構成は、出願時の技術常識でもなく、且つ、周知慣用技術の類でもありません。」 (イ)審判請求人の主張についての検討 上記ア(カ)~(ク)で検討したとおり、引用発明は、ショベルの周囲で人が検出される場合に、ショベルが動作を開始する兆候があることのみを条件として警報を行うものではなく、「ショベルが動作を停止しており、且つ、オペレータがショベルを動作させるための操作を開始する兆候があることを条件として、ショベルの周囲への報知」を行うものである。 したがって、上記審判請求人の主張は、上記ア(ス)の結論を左右するものではなく、採用することができない。 (4)本件補正の却下の決定についてのむすび 以上のとおり、本件補正発明は特許法第29条第1項第3号に該当し、特許法第29条第1項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができない。 また、本件補正発明は、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができない。 したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するから、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明について 本件補正は、上記第2のとおり却下したので、本願の請求項1~13に係る発明は、令和5年10月10日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~13に記載された事項により特定されるとおりのものであると認められるところ、そのうち、請求項8に係る発明(以下「本願発明」という。)は、再掲すると、令和5年10月10日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項8に記載された事項によって特定される次のとおりのものである。 「【請求項8】 下部走行体と、 前記下部走行体に旋回自在に搭載される上部旋回体と、 前記上部旋回体に取り付けられる作業アタッチメントと、 前記上部旋回体に搭載され、ショベルの周囲の所定の物体を検出する検出部と、 前記検出部により前記所定の物体が検出される場合に、ショベルの周囲に報知を行う報知部と、を備え、 前記報知部は、前記検出部により前記所定の物体が検出される場合、ショベルが動作を停止しており、且つ、オペレータがショベルを動作させるための操作を開始する兆候があるときに、ショベルの周囲への報知を行い、ショベルが動作を停止していないとき、又はオペレータが動作を停止中のショベルを動作させるための操作を開始する兆候がないときに、ショベルの周囲への報知を全く行わない、 ショベル。」 2 原査定の拒絶の理由の概要 原査定の拒絶の理由は、以下の拒絶理由を含むものである。 理由2(新規性)この出願の請求項8に係る発明は、その優先日前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 理由3(進歩性)この出願の請求項8に係る発明は、その優先日前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記 引用文献3:特開2019-15174号公報 3 引用文献 原査定の拒絶の理由における引用文献3は、上記第2の3(2)における「引用文献3」に相当する。 したがって、引用文献3に記載された内容は、上記第2の3(2)に記載したとおりである。 4 対比・判断 本願発明は、本件補正発明の「前記報知部は、前記検出部により前記所定の物体が検出される場合、ショベルが動作を停止しており、且つ、オペレータがショベルを動作させるための操作を開始する兆候があることを条件として、ショベルの周囲への報知を行い、ショベルが動作を停止していないこと、及びオペレータが動作を停止中のショベルを動作させるための操作を開始する兆候がないことの何れかの成立を条件として、ショベルの周囲への報知を全く行わない」という発明特定事項を、「前記報知部は、前記検出部により前記所定の物体が検出される場合、ショベルが動作を停止しており、且つ、オペレータがショベルを動作させるための操作を開始する兆候があるときに、ショベルの周囲への報知を行い、ショベルが動作を停止していないとき、又はオペレータが動作を停止中のショベルを動作させるための操作を開始する兆候がないときに、ショベルの周囲への報知を全く行わない」に置き換えたものである。 (1)対比・判断 本願発明と引用発明とを対比すると、上記第2の3(3)に加え、 ア 後者の「第2警報制御処理」の「作業機械状態判定手段14によりショベル60が作業可能状態にあると判定された場合(ステップS22のYES)」における「作業可能状態」は、上記第2の3(3)(ケ)をふまえると、前者の「ショベルが動作を停止しており、且つ、オペレータがショベルを動作させるための操作を開始する兆候があるとき」の状態に相当する。 そして、上記第2の3(3)(オ)、(ク)、(ケ)をふまえると、前者の「報知部」と、後者の「警報出力部7」とは、「前記検出部により前記所定の物体が検出される場合、ショベルが動作を停止しており、且つ、オペレータがショベルを動作させるための操作を開始する兆候があるときに、ショベルの周囲への報知を行」うものである点で一致する。 イ 「警報制御手段13」は、「人存否判定手段12が、ショベル60の周囲に人が存在するか否かを判定するステップS21」、「ショベル60の周囲に人が存在すると判定した場合(ステップS21のYES)、人存否判定手段12が、作業機械状態判定手段14による判定の結果を参照するステップS22」、及び「作業機械状態判定手段14によりショベル60が作業可能状態にないと判定された場合(ステップS22のNO)、人存否判定手段12が、検出信号を警報制御手段13に対して出力せず、NVRAM等に用意された人検出フラグの値を「1」(オン)に設定するステップS24」を有する「第2警報制御処理」を実行するところ、後者の「作業機械状態判定手段14によりショベル60が作業可能状態にないと判定された場合(ステップS22のNO)」における「作業可能状態にない」との状態は、「ショベル60が、操作者が操作できない作業不可状態」であって、「イグニッションスイッチ9がオン状態にないと判定した場合(ステップS31のNO)、或いは、ゲートロックレバー8がロック解除状態にないと判定した場合(ステップS32のNO)」であることから、前者の「オペレータが動作を停止中のショベルを動作させるための操作を開始する兆候がないとき」の状態に相当する。 ウ 後者の「第2警報制御処理」の「ステップS24」は、「人存否判定手段12が、検出信号を警報制御手段13に対して出力」しないステップであるから、上記イをふまえると、前者の「報知部」と、後者の「警報出力部7」とは、「オペレータが動作を停止中のショベルを動作させるための操作を開始する兆候がないときにショベルの周囲への報知を全く行わない」ものである点で一致する。 エ そうすると、本願発明と引用発明とは、 「下部走行体と、 前記下部走行体に旋回自在に搭載される上部旋回体と、 前記上部旋回体に取り付けられる作業アタッチメントと、 前記上部旋回体に搭載され、ショベルの周囲の所定の物体を検出する検出部と、 前記検出部により前記所定の物体が検出される場合に、ショベルの周囲に報知を行う報知部と、を備え、 前記報知部は、前記検出部により前記所定の物体が検出される場合、ショベルが動作を停止しており、且つ、オペレータがショベルを動作させるための操作を開始する兆候があるときに、ショベルの周囲への報知を行い、オペレータが動作を停止中のショベルを動作させるための操作を開始する兆候がないときに、ショベルの周囲への報知を全く行わない、 ショベル。」 である点で一致し、相違するところがない。 オ 以上のとおり、本願発明は、引用発明であるか、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、引用発明であり、特許法第29条第1項第3号に該当するものであるから、特許を受けることができない。 また、本願発明は、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、他の請求項に係る発明について審理するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2024-004810

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