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特許異議申立

2023-701096

オープンアーキテクチャ産業制御システム

審判番号
2023-701096
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2019-560214
登録番号
7257329
請求日
2023年10月13日
審決日
2024年03月26日
公報発行日
2024年04月26日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】フィッシャー-ローズマウント システムズ,インコーポレイテッド
  • 【権利者代理人】井上 誠一
  • 【異議申立人】杉村 隆司
審判長/審判官
  • 審判長 鈴木 貴雄
  • 審判官 大山 健
  • 審判官 田々井 正吾
分類
P1651.121-Y (G05B)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

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特許第7257329号発明「オープンアーキテクチャ産業制御システム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7257329号の請求項1~37に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7257329号の請求項1~37に係る特許についての出願は、2018年(平成30年)4月30日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理 2017年5月1日及び2017年5月2日 (US)アメリカ合衆国)を国際出願日とする国際特許出願であって、令和5年4月5日にその特許権の設定登録がされ、令和5年4月13日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許に対し、令和5年10月13日に特許異議申立人 杉村隆司(以下「申立人」という。)は特許異議の申立てを行った。 第2 本件発明 特許第7257329号の請求項1~37に係る特許発明(以下、請求項○に係る特許発明を「本件発明○」といい、まとめて「本件発明」ということがある。)は、それぞれ、特許請求の範囲の請求項1~37に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。 「【請求項1】 産業環境内で物理的機能を実施する複数のフィールドデバイスを有する産業制御システムであって、 前記産業環境内の前記複数のフィールドデバイスに連結された物理的なプロセッサを含む入力/出力ノードと、 1つ以上の仮想コントローラノードであって、前記1つ以上の仮想コントローラノードの各々が、 1つ以上のプロセッサ、 メモリ、 前記メモリに記憶された複数の仮想コントローラであって、前記複数の仮想コントローラの各々は、前記産業環境内で前記フィールドデバイスの制御を実施するように前記1つ以上のプロセッサ上で実行可能であるもの、および、 前記メモリに記憶され、前記1つ以上の仮想コントローラノードの複数の位置にわたって前記複数の仮想コントローラを配置し、移動させることによって、前記複数の仮想コントローラの動作を管理するように前記1つ以上のプロセッサ上で実行可能なスーパーバイザ、を含む、前記1つ以上の仮想コントローラノードと、 前記入力/出力ノードを前記複数の仮想コントローラノードの各々に接続する通信ネットワークと、を備え、 前記物理的なプロセッサが、 (i)前記産業環境内の前記フィールドデバイスのうちの1つ以上からデバイス信号を受信し、前記デバイス信号を処理し、前記処理されたデバイス信号を、前記通信ネットワーク上に配置し、配置されたデバイス信号は、前記複数の仮想コントローラの特定の1つ以上の、それぞれのハードウェア位置を指定することなく、また、前記複数の仮想コントローラの特定の1つ以上のそれぞれのネットワーク位置を指定することなく、それぞれ、前記複数の仮想コントローラの特定の1つ以上に届けるため、前記入力/出力ノードによってアドレス指定されており、 (ii)前記通信ネットワークを介して、前記複数の仮想コントローラのうちの1つ以上から制御信号を受信し、前記受信された制御信号を処理し、前記処理された制御信号を前記産業環境内の前記フィールドデバイスのうちの1つ以上に送信する、産業制御システム。 【請求項2】 前記1つ以上の仮想コントローラノードが、複数の仮想コントローラノードを含み、前記複数の仮想コントローラノードのうちの1つの前記複数の仮想コントローラのうち1つ以上が、前記仮想コントローラ通信を再構成することなく、前記複数の仮想コントローラノードのうちの前記1つから、前記複数の仮想コントローラノードのうちの別の1つへと移動可能である、請求項1に記載の産業制御システム。 【請求項3】 前記複数の仮想コントローラのうち前記1つ以上が、前記仮想コントローラ通信を再構成することなく、仮想コントローラノードの前記メモリの1つの場所から、前記仮想コントローラノードの前記メモリの別の場所へと移動可能である、請求項1に記載の産業制御システム。 【請求項4】 前記仮想コントローラノードのうちの少なくとも1つが、複数の異なるメモリデバイスを含み、前記複数の仮想コントローラのうち前記1つ以上が、前記仮想コントローラ通信を再構成することなく、前記仮想コントローラノードのうちの前記少なくとも1つの前記複数のメモリデバイスのうちの1つから、前記仮想コントローラノードのうちの前記少なくとも1つの前記複数のメモリデバイスのうちの別の1つへと移動可能である、請求項1に記載の産業制御システム。 【請求項5】 前記入力/出力ノードが、前記産業環境内の物理的入力/出力デバイスを介してフィールドデバイスからデバイス信号を受信するように、前記産業環境内の前記物理的入力/出力デバイスに連結された仮想入力/出力ルーチンを含む、請求項1に記載の産業制御システム。 【請求項6】 前記入力/出力ノードが、前記産業環境内のフィールドデバイスから直接デバイス信号を受信するように連結された仮想入力/出力ルーチンを含み、前記仮想入力/出力ルーチンが、前記フィールドデバイスからのデバイス信号、および前記フィールドデバイスに伝達された制御信号に対して入力/出力信号処理を実施するように、前記入力/出力ノード内の汎用プロセッサで実行される、請求項1に記載の産業制御システム。 【請求項7】 前記入力/出力ノードが、自己記述型通信スキームを使用して、デバイス信号を前記仮想コントローラノード内の前記複数の仮想コントローラの前記1つ以上に通信する仮想入力/出力ルーチンを含む、請求項1に記載の産業制御システム。 【請求項8】 前記入力/出力ノードが、複数の異なる通信プロトコルを使用して、前記通信ネットワークを介してデバイス信号を前記複数の仮想コントローラの前記1つ以上に通信する仮想入力/出力ルーチンを含む、請求項1に記載の産業制御システム。 【請求項9】 前記入力/出力ノードが、前記入力/出力ノードの前記メモリに記憶され、前記デバイス信号のうちの1つ以上を使用して、前記産業環境内の前記フィールドデバイスのうちの1つを制御するための1つ以上の制御信号を生成するように、前記入力/出力ノードの前記プロセッサで実行される、制御ルーチンをさらに含む、請求項1に記載の産業制御システム。 【請求項10】 前記1つ以上の仮想コントローラノード内の前記複数の仮想コントローラの前記1つ以上が、第1のレート以下で制御ルーチン実行を実施し、前記入力/出力ノード内の制御ルーチンが、前記第1のレートよりも大きい第2のレートで制御ルーチン実行を実施する、請求項9に記載の産業制御システム。 【請求項11】 前記第2のレートが、前記第1のレートの5倍以上である、請求項10に記載の産業制御システム。 【請求項12】 前記入力/出力ノードが、デバイス信号を前記通信ネットワーク上で多重化する仮想入力/出力通信ルーチンを含む、請求項1に記載の産業制御システム。 【請求項13】 前記入力/出力ノードが、複数の異なる通信プロトコルを介して複数のフィールドデバイスからデバイス信号を受信し、自己記述型通信スキームを使用して、前記デバイス信号を前記通信ネットワーク上で多重化する仮想入力/出力通信ルーチンを含む、請求項1に記載の産業制御システム。 【請求項14】 前記入力/出力ノードが、複数の異なる通信プロトコルを介して複数のフィールドデバイスからデバイス信号を受信し、前記複数の異なる通信プロトコル内で、自己記述型通信スキームを使用して、前記デバイス信号を前記通信ネットワーク上で多重化する仮想入力/出力通信ルーチンを含む、請求項1に記載の産業制御システム。 【請求項15】 前記自己記述型通信スキームが、第1の通信プロトコルにおける前記デバイス信号と、前記第1の通信プロトコルを記述するプロトコル記述信号と、を含むデバイス信号データを含む、請求項14に記載の産業制御システム。 【請求項16】 前記1つ以上の仮想コントローラノードの前記スーパーバイザが、前記1つ以上の仮想コントローラノード内の前記プロセッサの負荷バランシングを実施する、請求項1に記載の産業制御システム。 【請求項17】 前記1つ以上の仮想コントローラノードのうちの少なくとも1つの前記スーパーバイザが、仮想コントローラを、前記仮想コントローラの前記仮想コントローラ通信を再構成することなく、前記仮想コントローラノードにおいて1つのプロセッサから別のプロセッサへと移動させるように構成されている、請求項1に記載の産業制御システム。 【請求項18】 産業環境内で物理的機能を実施する複数のフィールドデバイスを有する産業制御システムであって、 1つ以上の通信チャネルを介して前記産業環境内の前記複数のフィールドデバイスに連結された物理的なプロセッサを含む入力/出力ノードと、 複数のコントローラノードであって、前記コントローラノードの各々が、 1つ以上のプロセッサ、 メモリ、 前記メモリに記憶された複数の仮想コントローラであって、前記複数の仮想コントローラの各々は、前記産業環境内で前記フィールドデバイスの制御を実施するように前記1つ以上のプロセッサ上で実行可能であるもの、および、 前記メモリに記憶され、前記複数の仮想コントローラノードの複数の位置にわたって前記複数の仮想コントローラを配置し、移動させることによって、前記コントローラノードの前記複数の仮想コントローラの動作を管理するように前記1つ以上のプロセッサ上で実行可能なスーパーバイザ、を含む、前記複数のコントローラノードと、 オープン通信プロトコルを使用して、前記入力/出力ノードを前記1つ以上のコントローラノードの各々に接続するオープンプロトコル通信ネットワークと、を備え、 前記物理的なプロセッサが、 (i)前記産業環境内の前記フィールドデバイスのうちの1つ以上からデバイス信号を受信し、オープン通信プロトコルを使用して、前記デバイス信号を前記通信ネットワーク上に配置し、配置されたデバイス信号は、前記複数の仮想コントローラの特定の1つ以上の、それぞれのハードウェア位置を指定することなく、また、前記複数の仮想コントローラの特定の1つ以上のそれぞれのネットワーク位置を指定することなく、それぞれ、前記複数の仮想コントローラの特定の1つ以上に届けるため、前記入力/出力プロセッサによってアドレス指定されており、 (ii)前記通信ネットワークを介して、前記コントローラのうちの1つ以上から制御信号を受信し、前記制御信号を前記産業環境内の前記フィールドデバイスのうちの1つ以上に送信する、産業制御システム。 【請求項19】 前記オープンプロトコル通信ネットワークが、Ethernet通信ネットワークである、請求項18に記載の産業制御システム。 【請求項20】 前記オープンプロトコル通信ネットワークが、TCP/IPパケットベースのネットワーク通信スキームを使用する、請求項18に記載の産業制御システム。 【請求項21】 前記複数の仮想コントローラが、前記複数のコントローラノードのうちの前記1つにおいて前記プロセッサの第1のものから前記プロセッサの第2のものへと移動可能である、請求項18に記載の産業制御システム。 【請求項22】 前記入力/出力ノードが、自己記述型通信スキームを使用して、デバイス信号を前記コントローラノード内の前記仮想コントローラに通信する、請求項18に記載の産業制御システム。 【請求項23】 前記入力/出力ノードが、前記オープン通信プロトコルに従って構成されたパケットを介して複数の異なる通信プロトコルでデータを送信することによって、デバイス信号を前記コントローラノードの前記仮想コントローラに通信する、請求項18に記載の産業制御システム。 【請求項24】 前記入力/出力ノードが、異なる通信プロトコルスキームで構成されたデバイス信号を前記オープンプロトコル通信ネットワーク上で多重化する入力/出力通信ルーチンを含む、請求項18に記載の産業制御システム。 【請求項25】 前記入力/出力ノードが、複数の異なる通信プロトコルを介して前記複数のフィールドデバイスからデバイス信号を受信し、自己記述型通信スキームを使用して、前記デバイス信号を前記通信ネットワーク上で多重化する入力/出力通信ルーチンを含む、請求項18に記載の産業制御システム。 【請求項26】 前記自己記述型通信スキームが、第1の通信プロトコルにおける前記デバイス信号と、前記第1の通信プロトコルを記述するプロトコル記述信号と、を含むデバイス信号データを含む、請求項25に記載の産業制御システム。 【請求項27】 産業環境内で物理的機能を実施する複数のフィールドデバイスを有する産業制御システムであって、 1つ以上の通信チャネルを介して前記産業環境内の前記複数のフィールドデバイスに連結された物理的なプロセッサを含む入力/出力ノードと、 複数のコントローラノードであって、前記コントローラノードの各々が、 1つ以上のプロセッサ、 1つ以上のメモリ、および、 前記1つ以上のメモリに記憶された複数の仮想コントローラであって、前記仮想コントローラの各々は、前記1つ以上のプロセッサ上で、前記産業環境内で前記フィールドデバイスの制御を実施することを実行可能であるもの、を含む、前記複数のコントローラノードと、 前記入力/出力ノードを前記複数のコントローラノードの各々に接続する通信ネットワークと、を備え、 前記物理的なプロセッサが、前記産業環境内の前記フィールドデバイスのうちの1つ以上からデバイス信号を受信し、ハードウェアの場所に依存しない通信アドレス指定スキームを使用して、前記複数の仮想コントローラの特定の1つ以上に届けるため、前記デバイス信号を前記通信ネットワーク上に配置して、前記仮想コントローラの特定の1つ以上の、それぞれのハードウェア位置を指定することなく、また、前記複数の仮想コントローラの特定の1以上の、それぞれのネットワーク位置を指定することなく、1つ以上の仮想コントローラを特定する、産業制御システム。 【請求項28】 前記ハードウェアの場所に依存しない通信アドレス指定スキームが、自己記述型通信スキームを含む、請求項27に記載の産業制御システム。 【請求項29】 前記自己記述型通信スキームが、第1の通信プロトコルにおける前記デバイス信号と、前記第1の通信プロトコルを記述するプロトコル記述信号と、を含むデバイス信号データを含む、請求項28に記載の産業制御システム。 【請求項30】 前記自己記述型通信スキームが、第1の通信プロトコルにおける前記デバイス信号と、前記フィールドデバイスのうちの1つに関して前記第1の通信プロトコルを記述するプロトコル記述信号と、を含むデバイス信号データを含み、ならびに第2の通信プロトコルにおける前記デバイス信号と、前記フィールドデバイスのうちの第2のものに関して前記第2の通信プロトコルを記述するプロトコル記述信号と、を含むデバイス信号データを含む、請求項28に記載の産業制御システム。 【請求項31】 前記通信ネットワークが、オープンプロトコル通信ネットワークである、請求項28に記載の産業制御システム。 【請求項32】 前記オープンプロトコル通信ネットワークが、TCP/IPパケットベースのネットワーク通信スキームを使用する、請求項31に記載の産業制御システム。 【請求項33】 前記コントローラノードのうちの1つが、複数の仮想コントローラを含む仮想コントローラノードであり、前記複数の仮想コントローラが、前記コントローラノードのうちの前記1つにおいて前記プロセッサの第1のものから前記プロセッサの第2のものへと移動可能である、請求項27に記載の産業制御システム。 【請求項34】 前記入力/出力ノードが、自己記述型通信スキームに従って構成されたパケットを介して複数の異なる通信プロトコルでデータを送信することによって、デバイス信号を前記仮想コントローラに通信する、請求項33に記載の産業制御システム。 【請求項35】 前記入力/出力ノードが、前記ハードウェアの場所に依存しない通信スキームを使用して、異なる通信プロトコルスキームで構成されたデバイス信号を前記通信ネットワーク上で多重化する入力/出力通信ルーチンを含む、請求項27に記載の産業制御システム。 【請求項36】 前記入力/出力ノードが、複数の異なる通信プロトコルを介して複数のフィールドデバイスからデバイス信号を受信し、自己記述型通信スキームを使用して、前記デバイス信号を前記通信ネットワーク上で多重化する入力/出力通信ルーチンを含む、請求項27に記載の産業制御システム。 【請求項37】 コントローラノードが、ハードウェアの場所に依存しない通信アドレス指定スキームを使用して、前記通信ネットワークを介して制御信号を送信する、請求項27に記載の産業制御システム。」 第3 申立ての理由 1 理由の概要 申立人は、特許異議申立書とともに証拠として次の甲号証一覧の甲第1号証~甲第6号証(以下甲第○号証を「甲○」という。)を提出した。そして、独立請求項である本件発明1、18、27は、甲1発明と甲2に記載されている技術事項とに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである等、主たる証拠を甲1とし、従たる証拠を甲2~6として、請求項1~37に係る特許は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、請求項1~37に係る特許を取り消すべきものである旨主張する。 2 甲号証一覧 (1)甲1:米国特許出願公開第2013/0211559号明細書 (2)甲1抄訳 (3)甲2:米国特許第7151966号明細書 (4)甲2抄訳 (5)甲3:米国特許出願公開第2018/0316729号明細書 (6)甲3抄訳 (7)甲4:米国特許第9817710号明細書 (8)甲4抄訳 (9)甲5:特表2017-531264号公報 (10)甲6:特開2008-77660号公報 第4 甲号証の記載 1 甲1 (1)甲1の記載事項(下線は当審で付した。以下同じ。) ア 明細書 (ア)「[0002] The subject application relates generally to industrial automation, and, more particularly, to a cloud-based operator interface system for remote monitoring and control of industrial systems.」 「[0002]本願は、一般に産業オートメーションに関し、より詳細には、産業システムの遠隔監視および制御のためのクラウドベースのオペレータインターフェースシステムに関する。」 (イ)「[0030] FIG. 1 illustrates a high-level overview of an industrial enterprise that leverages cloud-based services. The enterprise comprises one or more industrial facilities 104, each having a number of industrial devices 108 and 110 in use. The industrial devices 108 and 110 can make up one or more automation systems operating within the respective facilities 104. Exemplary automation systems can include, but are not limited to, batch control systems (e.g., mixing systems), continuous control systems (e.g., PID control systems), or discrete control systems. Industrial devices 108 and 110 can include such devices as industrial controllers (e.g., programmable logic controllers or other types of programmable automation controllers); field devices such as sensors and meters; motor drives; operator interfaces (e.g., human-machine interfaces, industrial monitors, graphic terminals, message displays, etc.); industrial robots, barcode markers and readers; vision system devices (e.g., vision cameras); smart welders; or other such industrial devices.」 「[0030]「図1は、クラウドベースのサービスを活用する産業企業の概要を示す。企業は、1つ以上の産業施設104を備え、それぞれの産業施設104は、使用中の多数の産業デバイス108および110を有する。産業デバイス108および110は、それぞれの施設104内で動作する1つ以上のオートメーションシステムを構成することができる。例示的なオートメーションシステムは、バッチ制御システム(例えば、混合システム)、連続制御システム(例えば、PID制御システム)または離散制御システムを含んでいてもよいが、これらに限定されない。産業デバイス108および110は、産業コントローラ(例えば、プログラマブルロジックコントローラまたは他の種類のプログラマブルオートメーションコントローラ)などのデバイス;センサおよびメータなどのフィールドデバイス;モータ駆動;オペレータインターフェース(例えばヒューマンマシンインターフェース、産業モニタ、グラフィック端末、メッセージディスプレイ等);産業ロボット;バーコードメーカおよびバーコードリーダ、ビジョンシステムデバイス(例えば、ビジョンカメラ);スマート溶接機;またはその他このような産業デバイスを含んでいてもよい。)」 (ウ)「[0031] Exemplary automation systems can include one or more industrial controllers that facilitate monitoring and control of their respective processes. The controllers exchange data with the field devices using native hardwired I/O or via a plant network such as Ethernet/IP, Data Highway Plus, ControlNet, Devicenet, or the like. A given controller typically receives any combination of digital or analog signals from the field devices indicating a current state of the devices and their associated processes (e.g., temperature, position, part presence or absence, fluid level, etc.), and executes a user-defined control program that performs automated decision-making for the controlled processes based on the received signals. The controller then outputs appropriate digital and/or analog control signaling to the field devices in accordance with the decisions made by the control program. These outputs can include device actuation signals, temperature or position control signals, operational commands to a machining or material handling robot, mixer control signals, motion control signals, and the like. The control program can comprise any suitable type of code used to process input signals read into the controller and to control output signals generated by the controller, including but not limited to ladder logic, sequential function charts, function block diagrams, structured text, or other such platforms.」 「[0031]例示的なオートメーションシステムは、それぞれのプロセスの監視および制御を容易にする1つ以上の産業コントローラを含んでいてもよい。コントローラは、ネイティブのハードワイヤードI/Oを使用するか、Ethernet/IP、Data Highway plus、ControlNet、またはDevicenetなどの設備ネットワークを介してフィールドデバイスとデータを交換する。特定のコントローラは通常、デバイスの現在の状熊とそれに関連するプロセス(例えば。温度、位置、部品の有無、液面レベル等)とを示すデジタル信号またはアナログ信号の任意の組み合わせをフィールドデバイスから受信し、受信した信号に基づいて制御プロセスのための自動意思決定を実施するユーザ定義の制御プログラムを実行する。次いで、コントローラは、制御プログラムによって下された決定に従って、適切なデジタルおよび/またはアナログ制御信号をフィールドデバイスに出力する。これらの出力には、デバイスの作動信号、温度制御信号または位置制御信号、加工ロボットまたは材料ハンドリングロボットへの操作命令、ミキサ制御信号及び動作制御信号などが含まれていてもよい。制御プログラムは、ラダーロジック、シーケンシャルファンクションチャート、機能ブロック図、ストラクチャードテキストまたはその他のプラットフォームを含むがこれらに限定されない、コントローラに読み込まれた入力信号を処理し、コントローラによって生成される出力信号を制御するために使用される任意の適切な種類のコードを備えていてもよい。」 (エ)「[0033] According to one or more embodiments of this disclosure, industrial devices 108 and 110 can be coupled to a cloud platform 102 in order to leverage cloud-based applications. That is, the industrial device 108 and 110 can be configured to discover and interact with cloud-based computing services 112 hosted by cloud platform 102. Cloud platform 102 can be any infrastructure that allows computing services 112 to be accessed and utilized by cloud-capable devices. Cloud platform 102 can be a public cloud accessible via the Internet by devices having Internet connectivity and appropriate authorizations to utilize the services 112. In some scenarios, cloud platform 102 can be provided by a cloud provider as a platform-as-a-service (PaaS), and the services 112 (such as the operator interface system described herein) can reside and execute on the cloud platform 102 as a cloud-based service. In some such configurations, access to the cloud platform 102 and the services 112 can be provided to customers as a subscription service by an owner of the services 112. Alternatively, cloud 102 can be a private cloud operated internally by the enterprise. An exemplary private cloud can comprise a set of servers hosting the cloud services 112 and residing on a corporate network protected by a firewall.」 「[0033]「本開示の1つ以上の実施形態によれば、産業デバイス108および110を、クラウドベースのアプリケーションを活用するためにクラウドプラットフォーム102に結合することができる。すなわち、産業デバイス108および110は、クラウドプラットフォーム102によってホストされるクラウドベースのコンピューティングサービス112を検出し、それとやりとりするように構成することができる。クラウドプラットフォーム102は、クラウド対応型デバイスによるコンピューティングサービス112へのアクセスおよび利用を可能にする任意のインフラストラクチャであってもよい。クラウドプラットフォーム102は、インターネット接続性およびサービス112を利用するための適切な認証を有するデバイスによってインターネットを介してアクセス可能なパブリッククラウドであってもよい。幾つかのシナリオによれば、クラウドプラットフォーム102は、クラウドプロバイダによりPlatform-as-a-Service(PaaS)として提供されていてもよく、(本願明細書で説明するオペレータインターフェースシステムなどの)サービス112は、クラウドベースのサービスとしてクラウドプラットフォーム102上に存在し、そこで実行されてもよい。幾つかのこのような構成において、クラウドプラットフォーム102およびサービス112へのアクセスは、サービス112の所有者によりサブスクリプションサービスとして顧客に提供されてもよい。代替的に、クラウド102は、企業内で運用されるプライベートクラウドであってもよい。例示的なプライベートクラウドは、クラウドサービス112をホストし、ファイアウォールによって保護された企業ネットワーク上に存存するサーバのセットを備えることができる。」 (オ)「[0034] Cloud services 112 can include, but are not limited to, data storage, data analysis, control applications (e.g., applications that can generate and deliver control instructions to industrial devices 108 and 110 based on analysis of near real-time system data or other factors), visualization applications such as the cloud-based operator interface system described herein, reporting applications, Enterprise Resource Planning (ERP) applications, notification services, or other such applications. If cloud platform 102 is a web-based cloud, industrial devices 108 and 110 at the respective industrial facilities 104 may interact with cloud services 112 directly or via the Internet. In an exemplary configuration, industrial devices 108 and 110 may access the cloud services 112 through separate cloud gateways 106 at the respective industrial facilities 104, where the industrial devices 108 and 110 connect to the cloud gateways 106 through a physical or wireless local area network or radio link. In another exemplary configuration, the industrial devices may access the cloud platform directly using an integrated cloud interface.」 「[0034]「クラウドサービス112には、データストレージ、データ解析、制御アプリケーション(例えば略リアルタイムのシステムデータまたは他の要因の解析に基づいて制御命令を生成し、それらを産業デバイス108および110に配信することができるアプリケーション)、本願明細書で説明するクラウドベースのオペレータインターフェースシステムなどの視角化アプリケーション、レポーティングアプリケーション、企業資源計画(ERP)アプリケーション、通知サービス、または他のこのようなアプリケーションが含まれていてもよいが、これらに限定されない。クラウドプラットフォーム102がウェブベースのクラウドである場合、それぞれの産業施設104の産業デバイス108および110は、直接またはインターネットを介してクラウドサービス112とやりとりすることができる。例示的な構成において、産業デバイス108および110は、それぞれの産業施設104にある個々のクラウドゲートウェイ106を介してクラウドサービス112にアクセスすることができ、産業デバイス108および110が物理的もしくは無線ローカルエリアネットワークまたはラジオリンクを介してクラウドゲートウェイ106に接続される。別の例示的な構成において、産業デバイスは、統合されたクラウドインターフェースを使用してクラウドプラットフォームに直接アクセスすることができる。」 (カ)「[0082] Embodiments, systems, and components described herein, as well as industrial control systems and industrial automation environments in which various aspects set forth in the subject specification can be carried out, can include computer or network components such as servers, clients, programmable logic controllers (PLCs), automation controllers, communications modules, mobile computers, wireless components, control components and so forth which are capable of interacting across a network. Computers and servers include one or more processors-electronic integrated circuits that perform logic operations employing electric signals-configured to execute instructions stored in media such as random access memory (RAM), read only memory (ROM), a hard drives, as well as removable memory devices, which can include memory sticks, memory cards, flash drives, external hard drives, and so on.」 「[0082]本願明細書で説明される実施形態、システムおよびコンポーネント、ならびに本願明細書に記載されている様々な態様が実施され得る産業制御システムおよび産業オートメーション環境は、ネットワークを介してやりとりすることができる、サーバ、クライアント、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、オートメーションコントローラ、通信モジュール、モバイルコンピュータ、無線コンポーネントおよび制御コンポーネントなどのコンピュータまたはネットワークコンポーネントを含むことができる。コンピュータおよびサーバには、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、ハードドライブなどのメディアのほか、メモリスティック、メモリカード、フラッシュドライブおよび外付けハードドライブなどを含むリムーバブルメモリデバイスに保存された命令を実行するように構成された1つ以上のプロセッサ(電気信号を用いて論理演算を実施する電子集積回路)が含まれる。」 (キ)「[0083] Similarly, the term PLC or automation controller as used herein can include functionality that can be shared across multiple components, systems, and/or networks. As an example, one or more PLCs or automation controllers can communicate and cooperate with various network devices across the network. This can include substantially any type of control, communications module, computer, Input/Output (I/O) device, sensor, actuator, and human machine interface (HMI) that communicate via the network, which includes control, automation, and/or public networks. The PLC or automation controller can also communicate to and control various other devices such as I/O modules including analog, digital, programmed/intelligent I/O modules, other programmable controllers, communications modules, sensors, actuators, output devices, and the like.」 「同様に、本願明細書で使用されるPLCまたはオートメーションコントローラという用語には、複数のコンポーネント、システム、および/またはネットワークを介して共有することができる機能が含まれていてもよい。例示的に、 1つ以上のPLCまたはオートメーションコントローラは、ネットワーク上の様々なネットワークデバイスと通信し、連携することができる。これには、制御ネットワーク、オートメーションネットワーク、および/またはパブリックネットワークを含むネットワークを介して通信する、実質的にあらゆる種類の制御、通信モジュール、コンピュータ、入力/出力(I/O)デバイス、センサ、アクチュエータおよびヒューマンマシンインターフェース(HMI)が含まれます。PLCまたはオートメーションコントローラは、アナログ、デジタル、プログラムされた/インテリジェントI/Oモジュール、他のプログラマブルコントローラ、通信モジュール、センサ、アクチュエータおよび出力デバイスなどの他の様々なデバイスと通信し、これらを制御することもできる。」 (ク)「[0084] The network can include public networks such as the Internet, intranets, and automation networks such as control and information protocol (CIP) networks including DeviceNet, ControlNet, and Ethernet/IP. Other networks include Ethernet, DH/DH+, Remote I/O, Fieldbus, Modbus, Profibus, CAN, wireless networks, serial protocols, and so forth. In addition, the network devices can include various possibilities (hardware and/or software components). These include components such as switches with virtual local area network (VLAN) capability, LANs, WANs, proxies, gateways, routers, firewalls, virtual private network (VPN) devices, servers, clients, computers, configuration tools, monitoring tools, and/or other devices.」 「[0084]ネットワークには、インターネット、イントラネットなどのパブリックネットワーク、ならびにDeviceNet、ControlNetおよびEthernet/IPを含む共通産業プロトコル(CIP)ネットワークなどのオートメーションネットワークが含まれていてもよい。他のネットワークには、Ethernet、DH/DH+、リモートI/O、フィールドバス、Modbus,Profibus、CAN、無線ネットワークおよびシリアルプロトコルなどが含まれる。さらに、ネットワークデバイスは様々な可能性(ハードウェアおよび/またはソフトウェアコンポーネント)を含むことができる。これらには、仮想ローカルエリアネットワーク(VLAN)機能を備えたスイッチ、LAN、WAN、プロキシ、ゲートウェイ、ルータ、ファイアウォール、仮想プライベートネットワーク(VPN)デバイス、サーバ、クライアント、コンピュータ、設定ツール、監視ツールおよび/またはその他のデバイスなどのコンポーネントが含まれる。」 イ 図面 図1「 [図:0001409144000001.jpg] 」 (2)甲1の記載事項の整理 ア 段落[0002]、[0030]及び、図1の記載からみて、甲1には、産業施設104内に産業デバイス108、110を有するオートメーションシステムについて、記載されている。 イ 段落[0034]、及び図1の記載からみて、上記産業デバイス108,110には、クラウドゲートウェイ106が接続する箇所を介して接続されている。 ウ 段落[0033]~[0034]、及び図1の記載からみて、甲1には、複数のクラウドサービス112を含みその利用を可能にするクラウドプラットフォーム102について記載されており、当該複数のクラウドサービス112は、略リアルタイムのシステムデータまたは他の要因の解析に基づいて制御命令を生成し、それらを産業デバイス108および110に配信することができるアプリケーションを含み、産業施設104内で産業デバイス108および110の制御を実施するものである。そして、段落[0082]~[0083]の記載からみて、クラウドプラットフォーム102は、プロセッサ、メモリを含むことが明らかであり、上記複数のクラウドサービス112は、プロセッサ上で実行可能であることも明らかである。 エ 段落[0082]~[0084]、及び図1の記載からみて、上記クラウドゲートウェイ106と上記クラウドプラットフォーム102に接続するオートメーションネットワークが存在し、また、このオートメーションネットワークは、フィールドバス等の通信プロトコルを使用している。 オ 段落[0031]、[0034]、及び図1の記載からみて、産業デバイス108および110は、それぞれの産業施設104にある個々のクラウドゲートウェイ106、オートメーションネットワークを介してクラウドサービス112にアクセスすることができるものである。 そして、クラウドサービス112は、上記ウでも言及した略リアルタイムのシステムデータまたは他の要因の解析に基づいて制御命令を生成し、それらを産業デバイス108および110に配信することができるアプリケーションを含み、産業デバイス108および110の現在の状態を示す信号(データ)を受信し、その解析に基づいて制御命令を産業デバイス108および110に配信するものである。 そうすると、クラウドゲートウェイ106は、産業デバイス108、110から現在の状態等を示す信号(データ)を受信して処理し、前記オートメーションネットワークを介して送信してクラウドサービス112で解析されて生成された制御信号(命令)を、前記オートメーションネットワークを介して受信して処理し、産業デバイス108、110に配信(出力)することが理解される。 (3)甲1記載の発明 上記(1)~(2)より、甲1には、次の甲1発明1,甲1発明18,及び甲1発明27が、記載されている。 ア 甲1発明1 「産業施設104内に産業デバイス108、110を有するオートメーションシステムであって、 前記産業デバイス108、110に接続されたクラウドゲートウェイ106と、 クラウドプラットフォーム102であって、前記クラウドプラットフォーム102が、 1つ以上のプロセッサ、 メモリ、 前記メモリに記憶された複数のクラウドサービス112であって、前記複数のクラウドサービス112の各々は、前記産業施設104内で前記産業デバイス108、110の制御を実施するように実行可能であるもの、を含む、前記クラウドプラットフォーム102と、 前記クラウドゲートウェイ106を前記クラウドプラットフォーム102に接続するオートメーションネットワークと、を備え、 前記クラウドゲートウェイ106が、 (a1)前記産業施設104内の前記産業デバイス108、110のうちの1つ以上から現在の状態等を示す信号を受信し、前記現在の状態等を示す信号を処理し、前記処理された現在の状態等を示す信号を、前記オートメーションネットワークを介して送信し、 (b1)前記複数のクラウドサービス112のうちの1つ以上から制御信号を受信し、前記受信された制御信号を処理し、前記処理された制御信号を前記産業施設104内の前記産業デバイス108、110に配信する、オートメーションシステム。」 イ 甲1発明18 「産業施設104に産業デバイス108、110を有するオートメーションシステムであって、 接続する箇所を介して産業デバイス108、110に接続された物理的なプロセッサを含むクラウドゲートウェイ106と、 クラウドプラットフォーム102であって、前記クラウドプラットフォーム102が、 1つ以上のプロセッサ、 メモリ、 前記メモリに記憶された複数のクラウドサービス112であって、前記複数のクラウドサービス112の各々は、前記産業施設104内で前記産業デバイス108、110の制御を実施するように前記1つ以上のプロセッサ上で実行可能であるもの、を含む、前記複数のクラウドプラットフォーム102と、 フィールドバス等のプロトコルを使用して、前記クラウドゲートウェイ106を前記クラウドプラットフォーム102の各々に接続するフィールドバス等のプロトコルを含むオートメーションネットワークと、を備え、 前記クラウドゲートウェイ106が、 (a18)前記産業施設104内の前記産業デバイス108、110のうちの1つ以上から現在の状態等を示す信号を受信し、フィールドバス等のプロトコルを使用して、前記現在の状態等を示す信号を前記オートメーションネットワークを介して送信し、 (b18)前記オートメーションネットワークを介して、前記クラウドサービス112のうちの1つ以上から制御信号を受信し、前記制御信号を前記産業施設104内の前記産業デバイス108、110のうちの1つ以上に配信する、オートメーションシステム。」 ウ 甲1発明27 「産業施設104内に産業デバイス108、110を有するオートメーションシステムであって、 接続する箇所を介して前記産業施設104内の前記産業デバイス108、110に接続された物理的なプロセッサを含むクラウドゲートウェイ106と、 クラウドプラットフォーム102であって、前記クラウドプラットフォーム102が、 1つ以上のプロセッサ、 1つ以上のメモリ、および、 前記1つ以上のメモリに記憶された複数のクラウドサービス112であって、前記クラウドサービス112の各々は、前記1つ以上のプロセッサ上で、前記産業施設104内で前記産業デバイス108、110の制御を実施することを実行可能であるもの、を含む、前記クラウドプラットフォーム102と、 前記クラウドゲートウェイ106を前記クラウドプラットフォーム102に接続するオートメーションネットワークと、を備え、 前記前記クラウドゲートウェイ106が、前記産業施設104内の前記産業デバイス108、110のうちの1つ以上から現在の状態等を示す信号を受信する、産業制御システム。」 2 甲2 (1)甲2の記載事項 ア 明細書 (ア)第7欄第59行~第8欄第34行 「Turning to FIG. 4, a system 300 illustrates a virtual controller architecture in accordance with an aspect of the present invention. In this aspect, a plurality of network servers provide controller services 312 to a network cloud 314 operating as a virtual control system. This can include such aspects as a server farm, wherein many servers cooperate to perform a control application (e.g., Apache Web servers offering controller services 312). As an example, a processing service can initiate a request (e.g., based on a remote operator or systems network request to load a file designated by the request) to receive logic from a logic service. The received logic can then be employed to contact an I/O service to control manufacturing operations (e.g., I/O service controls networked I/O or PLC systems operating I/O by transmitting and receiving XML input/output files). As noted above, virtual I/O can be utilized to interact with the processing service. For example, the I/O service can be configured to monitor remote web sites providing input data (e.g., XML files that serve web data directed to a process). If the input data changes, output data can be sent to the I/O service in the form of an XML file and in accordance with processing service operations. The output data may be in the form of control messages that are utilized by other services to control physical operations, and/or to construct data files that are read by systems and/or operators to perform further decisions (e.g., remote operator notified via e-mail if output data exceeds predetermined threshold, remote system changes logic operations based upon output data provided by the I/O service). As illustrated, various industrial control system functions can be virtualized and provided by the controller services 312. These functions can include providing control system status at 320, conducting remote maintenance operations at 324 (e.g., fire a notification event based upon monitored data), performing logic processing at 330, downloading logic programs from remote locations at 334, performing physical and/or logical I/O processing at 338, serving help files at 342 to facilitate troubleshooting and maintenance of the control system, and/or providing debug information at 346 to facilitate starting and/or restarting an application (e.g., processing service timer has timed out, input data is outside of predetermined range, systems status bits reflecting error information).」 「図4によれば、システム300は、本願発明の一態様による仮想コントローラアーキテクチャを示す。本態様では、複数のネットワークサーバが、仮想制御システムとして作動するネットワーククラウド314にコントローラサービス312を提供する。これには、多数のサーバが連携して制御アプリケーションを実施するサーバファーム(例えば、コントローラサービス312を提供するApacheウェブサーバ)などの態様が含まれていてもよい。例示的に、処理サービスは、論理サービスから論理を受信するリクエストを(例えば、該リクエストにより指定されたファイルをロードする、リモートオペレータまたシステムネットワークのリクエストに基づいて)起動することができる。すると、受信した論理を用いてI/Oサービスに接続し、製造作業を制御することができる(例えば、I/Oサービスは、XML入力/出力ファイルを送信および受信することによって、ネットワーク化されたI/OまたはI/Oを操作するPLCシステムを制御する)。上述のように、仮想I/Oを利用して処理サービスとやりとりすることができる。例示的に、I/Oサービスは、入カデータ(例えば、プロセス向けのウェブデータを提供するXMLファイル)を提供するリモートウェブサイトを監視するように設定することができる。入力データが変更されると、処理サービスの操作に従って、出力データをXMLファイルとしてI/Oサービスに送信することができる。出力データは、物理的な操作を制御するため、および/または更なる決定を行うべくシステムおよび/またはオペレータによって読み取られるデータファイルを設定するために、他のサービスによって利用される制御メッセージであってもよい(例えば、出力データが所定のしきい値を超えると、リモートオペレータに電子メールが通知され、リモートシステムはI/Oサービスによって提供さる出力データに基づいて論理演算を変更する)。 図示されているように、様々な産業制御システム機能を仮想化し、コントローラサービス312によって提供することができる。これらの機能は、320において制御システムステータスを提供すること、324においてリモートメンテナンス操作を実行する(例えば、監視データに基づいて通知イベントを発動する)こと、330において論理処理を実施すること、334において遠隔地から論理プログラムをダウンロードすること、338において物理的および/または論理的I/O処理を実施すること、制御システムのトラブルシューティングとメンテナンスとを容易にするために、342においてヘルプファイルを提供すること、および/またはアプリケーションの起動および/または再起動を容易にするために、346においてデバッグ情報(例えば、処理サービスタイマがタイムアウトした、入力データが所定の範囲外である、システムステータスビットがエラー情報を反映しているなど)を提供することを含んでいてもよい。」 (イ)明細書第9欄第28~33行 「Referring now to FIG. 7, an industrial control and distribution system 600 is illustrated in accordance with an aspect of the present invention. The system 600 includes an industrial controller 620 communicating to one or more remote systems 624-628 across a local factory and/or a public network 630 such as the Internet.」 「図7には、本願発明の一態様による産業制御および分配システム600が示されている。システム600は、ローカルな工場および/またはインターネットなどのパブリックネットワーク630を介して1つ以上のリモートシステム624~628と通信する産業コントローラ620を含む。」 (ウ)明細書第9欄第49行~第10欄第21行 「The controller 620 and remote systems 624-628 maintain resources 640 through 648, wherein the resources are associated with various operational aspects of the systems that are provided as a web service. For example, the resources 640-648 can include memory/memory capacity, processor bandwidth or utilization information, processor execution logic, programs, variables, configurations, process information, batch information, and substantially any parameter and/or data that affects operational capabilities of the respective systems. As will be described in more detail below, the resources 640-648 can be described in a schema or list and passed between systems 620-628 in order to distribute one or more resource parameters or capabilities across one or more of the systems 620-628. It is noted that the remote systems 624-628 can be substantially any network device interacting with the controller 620. This can include personal computers, workstations, other controllers, communications modules, and so forth. As an example, remote system2 at reference numeral 626 can be another controller, wherein the controller 620 and remote system2 (or other systems) exchange resource information to determine if the resources 640 and 646 can be transferred, shared, updated, offloaded, and/or coordinated to facilitate an automated manufacturing process. In addition, one controller can act as a master, whereby other controller systems interacting on the network 630 are synchronized or updated based at least in part on the resources maintained by the master. In another example, remote system1 at reference numeral 624 can be configured as a network computer that maintains one or more lists of resources associated with one or more controllers or other network devices (e.g., lists describing controller web services). If conditions change, such as a detected change in load, change in logic programs, change in firmware revision, a design change, configuration change, I/O change and/or other changes, the network computer can distribute resources to the controllers in accordance with the lists (or other determinations) via a remote task such as a remote web service. 」 「コントローラ620およびリモートシステム624~628は、リソース640~648をメンテナンスし、リソースは、ウェブサービスとして提供されるシステムの様々な作動態様に関連付けられる。例えば、リソース640~648は、メモリ/メモリ容量、プロセッサバンド幅または利用情報、プロセッサ実行論理、プログラム、変数、設定、プロセス情報、バッチ情報、およびそれぞれのシステムの作動能力に影響を与える実質的に任意のパラメータおよび/またはデータを含むことができる。以下に詳細に説明するように、リソース640~648を、1つ以上のシステム620~628に渡って1つ以上のリソースパラメータまたは機能を分配するために、スキーマまたはリストとして表し、システム620~628間で受け渡すことができる。リモートシステム624~628は、コントローラ620とやりとりする実質的に任意のネットワークデバイスであってもよいことに留意されたい。これには、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、その他のコントローラおよび通信モジュールなどが含まれていてもよい。 一例として、符号626のリモートシステム2は、別のコントローラであってもよく、コントローラ620とリモートシステム2(または他のシステム)とは、自動化された製造プロセスを促進するべく、リソース640および646を転送、共有、更新、オフロードおよび/または調整することができるか否かを判断するために、リソース情報を交換する。さらに、1つのコントローラがマスタとして機能してもよく、ネットワーク630上でやりとりする他のコントローラシステムは、マスタによってメンテナンスされるリソースに少なくとも部分的に基づいて同期または更新される。別の例として、符号624のリモートシステム1は、1つ以上のコントローラまたは他のネットワークデバイスに関連付けられたリソースの1つ以上のリスト(例えば、コントローラウェブサービスを表すリスト)をメンテナンスするネットワークコンピュータとして設定されていてもよい。検出された負荷の変更、論理プログラムの変更、ファームウェアリビジョンの変更、設計変更、設定変更、I/O変更および/またはその他の変更などの状態の変更があつた場合、ネットワークコンピュータは、リモートウェブサービスなどのリモートタスクを介して、リスト(または他の決定)に従ってリソースをコントローラに分配することができる。」 (エ)明細書第10欄第42~45行 「According to one aspect of the present invention, a coordination component 670 is provided to support flexible exchanges of data and/or capabilities between the controller 620 and remote systems 624-628.」 「本願発明の一態様によれば、コントローラ620とリモートシステム624~628との間のデータおよび/または機能の柔軟な交換をサポートするための調整コンポーネント670が設けられている。」 (オ)明細書第11欄第9~19行 「The distribution component 674 facilitates deployment of resources 640-648 via a deployment engine (described below) that distributes one or more of the resources across the network 630 and between one or more of the controller 620 and/or remote systems 624-628, and/or web services. Resource deployment can occur in connection with the query requests described above, for example, and/or also occur as part or a scheduled process or routine. This includes system reconfigurations, configuring systems from remote web locations, load balancing processor capabilities across systems, and general software or configuration deployments.」 「分配コンポーネント674は、ネットワーク630全体に渡って、ならびにコントローラ620および/または1つ以上リモートシステム624~628および/またはウェブサービスの間で、1つ以上のリソースを分配するデプロイメントエンジン(以下に説明する)を介して、リソース640~648のデプロイメントを容易にする。リソースのデプロイメントは、例えば、上述したクエリ要求に関連して発生することがあり、および/またはスケジュールされたプロセスまたはルーチンの一部として発生することもある。これには、システムの再設定、遠隔なウェブロケーシヨンからのシステムの設定、システム間でのプロセッサ機能の負荷分散、および一般的なソフトウェアまたは設定のデプロイメントが含まれる。」 イ 図面 (ア)図4「 [図:0001409144000002.jpg] 」 (イ)図7「 [図:0001409144000003.jpg] 」 (2)甲2の記載事項の整理 ア 第4欄第13行~第7欄第58行、及び図1~3の記載からみて、甲2には、ネットワーククラウド20において、オープンインターフェース・プロトコル70を介してサービス30~60の機能が利用可能であり(図1)、この機能が要求に応じてXMLベースのプロトコル150を介してコントローラサービス110~130として提供され(図2)、ネットワーククラウドには提供されるサービスが定義され配置されること(図3)が、記載されている。 イ 上記(1)ア(ア)の記載事項、及び図4には、上記アの具体例として、ネットワーククラウドが提供するコントローラサービスとして、バーチャルPLC(プログラマブルロジックコントローラ)を定義して仮想的に配置したものについて、記載されている。 そして、ネットワーククラウド314に、バーチャルPLCを仮想的に配置することで、サービス320~346を利用可能になり、このサービス320~346が、ネットワーククラウド314への要求に応じてコントローラサービス312として提供されることが理解できる。 ウ 図7には、上記(1)ア(イ)の記載事項からみて、コントローラサービスを受けるコントローラ620がネットワーク630を介して1つ以上のリモートシステム624~628と通信することが記載されている。 そして、これらのコントローラ620とリモートシステム624~628間では、リソース640~648の受け渡しを行うことができ、また、これに関して、リソース640~648としては、メモリ/メモリ容量、プロセッサバンド幅または利用情報、プロセッサ実行論理、プログラム、変数、設定、プロセス情報、バッチ情報、およびそれぞれのシステムの作動能力に影響を与える実質的に任意のパラメータおよび/またはデータを含むことができること、及び調整コンポーネント670が受け渡しをサポートすることが記載されている。 (3)甲2記載の技術的事項 上記(1)~(2)より、甲2には次の甲2記載の技術的事項1、及び甲2記載の技術的事項2が記載されている。 ア 甲2記載の技術的事項1 ネットワーククラウド314にバーチャルPLCを仮想的に配置して、サービス320~346を利用可能にし、このサービス320~346が、ネットワーククラウド314への要求に応じてコントローラサービス312として提供されること。 イ 甲2記載の技術的事項2 コントローラサービスを受けるコントローラ620がネットワーク630を介して1つ以上のリモートシステム624~628と通信し、これらのコントローラ620とリモートシステム624~628の間では、調整コンポーネント670のサポートにより、リソース640~648の受け渡しを行うことができ、リソース640~648としては、メモリ/メモリ容量、プロセッサバンド幅または利用情報、プロセッサ実行論理、プログラム、変数、設定、プロセス情報、バッチ情報、およびそれぞれのシステムの作動能力に影響を与える実質的に任意のパラメータおよび/またはデータを含むことができること。 第5 当審の判断 1 本件発明1 (1)本件発明1と甲1発明1の対比 ア 甲1発明1の「産業施設104」は本件発明1の「産業環境」に、以下同様に「産業デバイス108、110」は「物理的機能を実施する複数のフィールドデバイス」に、「オートメーションシステム」は「産業システム」に、それぞれ相当する。 イ 甲1発明1の「クラウドゲートウェイ106」は本件発明1の「物理的なプロセッサを含む入力/出力ノード」に相当する。 ウ 甲1発明1の「クラウドプラットフォーム102」は本件発明1の「1つ以上の仮想コントローラノード」に相当する。 エ 甲1発明1の「クラウドサービス112」は、甲1の段落[0034]に記載されているように、データストレージ、データ解析、制御アプリケーション(例えば略リアルタイムのシステムデータまたは他の要因の解析に基づいて制御命令を生成し、それらを産業デバイス108および110に配信することができるアプリケーション)を含むものであり、産業デバイス108および110を制御する機能を有するから、甲1発明1の「クラウドサービス112」と本件発明1の「仮想コントローラ」とを対比すると、両者は「コントローラ」という点に限り一致する。 そして、甲1発明1の「クラウドサービス112」も、それを実現するアプリケーション等は本件発明1の「仮想コントローラ」と同じく「メモリに記憶された」ものであり、「プロセッサ上で実行可能である」ことが明らかである。 オ 甲1発明1の「オートメーションネットワーク」は本件発明1の「通信ネットワーク」に相当する。 カ 甲1発明1の「現在の状態等を示す信号」は本件発明1の「デバイス信号」に、以下同様に「処理された現在の状態等を示す信号を、前記オートメーションネットワークを介して送信」することは「処理されたデバイス信号を、前記通信ネットワーク上に配置」することに、「配信する」は「送信する」にそれぞれ相当する。 そして、上記イのとおり、甲1発明1の「前記クラウドゲートウェイ106」は本件発明1の「物理的なプロセッサを含む入力/出力ノード」に相当するものであり、よって甲1発明1の(a1)、(b1)の動作は、クラウドゲートウェイ106が含む「物理的なプロセッサ」が行うことが明らかである。 したがって、 甲1発明1の「前記前記クラウドゲートウェイ106が、 (a1)前記産業施設104内の・・・前記オートメーションネットワークを介して送信し、 (b1)前記複数のクラウドサービス112の・・・前記産業デバイス108、110に出力する、」 と、 本件発明1の「前記物理的なプロセッサが、 (i)前記産業環境内の・・・アドレス指定されており、 (ii)前記通信ネットワークを介して・・・前記フィールドデバイスのうちの1つ以上に送信する、」 とを対比すると、両者は、 「前記物理的なプロセッサが、 (A1)前記産業環境内の前記フィールドデバイスのうちの1つ以上からデバイス信号を受信し、前記デバイス信号を処理し、前記処理されたデバイス信号を、前記通信ネットワーク上に配置し、 (B1)前記通信ネットワークを介して、前記複数のコントローラのうちの1つ以上から制御信号を受信し、前記受信された制御信号を処理し、前記処理された制御信号を前記産業環境内の前記フィールドデバイスのうちの1つ以上に送信する、」 という点に限り、一致する。 (2)本件発明1と甲1発明1の一致点及び相違点 上記(1)より、本件発明1と甲1発明1は、以下のアの点で一致し、イの点で相違する。 ア 一致点 産業環境内で物理的機能を実施する複数のフィールドデバイスを有する産業制御システムであって、 前記産業環境内の前記複数のフィールドデバイスに連結された物理的なプロセッサを含む入力/出力ノードと、 1つ以上のコントローラノードであって、前記1つ以上のコントローラノードの各々が、 1つ以上のプロセッサ、 メモリ、 前記メモリに記憶された複数のコントローラであって、前記複数のコントローラの各々は、前記産業環境内で前記フィールドデバイスの制御を実施するように前記1つ以上のプロセッサ上で実行可能であるもの、を含む、前記1つ以上のコントローラノードと、 前記入力/出力ノードを前記複数のコントローラノードの各々に接続する通信ネットワークと、を備え、 前記物理的なプロセッサが、 (A1)前記産業環境内の前記フィールドデバイスのうちの1つ以上からデバイス信号を受信し、前記デバイス信号を処理し、前記処理されたデバイス信号を、前記通信ネットワーク上に配置し、 (B1)前記通信ネットワークを介して、前記複数のコントローラのうちの1つ以上から制御信号を受信し、前記受信された制御信号を処理し、前記処理された制御信号を前記産業環境内の前記フィールドデバイスのうちの1つ以上に送信する、産業制御システム。 イ 相違点 (ア)相違点1 本件発明1が、複数の仮想コントローラを含む1つ以上の仮想コントローラノードを備えるのに対して、甲1発明1のクラウドプラットフォーム102が含むクラウドサービス112は、産業デバイス108、110を制御するコントローラとして機能するものの、仮想コントローラであるか否かは不明である点。 (イ)相違点2 本件発明1の仮想コントローラノードが、「メモリに記憶され、1つ以上の仮想コントローラノードの複数の位置にわたって複数の仮想コントローラを配置し、移動させることによって、前記複数の仮想コントローラの動作を管理するように1つ以上のプロセッサ上で実行可能なスーパーバイザ」を含むのに対して、甲1発明1のクラウドプラットフォーム102は、このようにコントローラの動作を管理するスーパーバイザを含まない点。 (ウ)相違点3 物理的なプロセッサに処理され、通信ネットワーク上に配置されたデバイス信号について、本件発明1は、「複数の仮想コントローラの特定の1つ以上の、それぞれのハードウェア位置を指定することなく、また、前記複数の仮想コントローラの特定の1つ以上のそれぞれのネットワーク位置を指定することなく、それぞれ、前記複数の仮想コントローラの特定の1つ以上に届けるため、前記入力/出力ノードによってアドレス指定されて」いるのに対して、甲1発明1では、デバイス信号を届けるコントローラをこのような形で指定しない点。 (3)相違点の検討 事案に鑑み、相違点2及び相違点3を検討する。 ア 相違点2 甲2には、上記第4の2(3)で示した甲2記載の技術的事項1~2が記載されている。 しかしながら、スーパーバイザは、スーパーバイザ型の仮想化で用いられるソフトウェアであって、仮想化デバイス(コントローラ)が物理的ハードウェアを制御するのにあたり、物理的なハードウェアのホストOSを用いずに、直接ハードウェアの入出力処理を実行する機能を有するものであるところ、甲2においては、仮想化について具体的にどのような方式を採用するかについてはスーパーバイザ型や他の例えばホストOS型の仮想化を含めて何ら記載が無い。仮に甲2記載の技術的事項1~2のネットワーククラウド上でサービスの配置や移動が行われているとしても、甲2において、この配置や移動がスーパーバイザによって行われているという相違点2に係る事項については、記載も示唆もされていないことが明らかである。 そして、そもそも主引用例である甲1発明1は、クラウドサービスを利用して産業システムの監視や制御を容易にするためのインターフェースシステムやデータの取り扱いに関するもので、クラウドサービスを仮想化する手段には特徴が無いから、たとえ仮想化がクラウドサービスにおいて多用されている技術的手段であり、あるいは甲2記載の仮想化がスーパーバイザであるとしても、甲1発明1のクラウドサービスを仮想化するにあたり、その具体的な方式として、複数の選択肢の中からこのスーパーバイザ型を採用する動機がない。 よって、甲1発明1及び甲2記載の技術的事項1~2から、相違点2に係る本件発明1の事項に至ることが、当業者によって容易であるとはいえない。 また、他の各甲号証をみても、相違点2に係る本件発明1の事項について記載されたものは存在せず、相違点2に関し、本件発明1が申立書で引用された甲1~6記載のものから容易に想到し得たものとはいえない。 イ 相違点3 「複数の仮想コントローラの特定の1つ以上の、それぞれのハードウェア位置を指定することなく、また、前記複数の仮想コントローラの特定の1つ以上のそれぞれのネットワーク位置を指定することなく、それぞれ、前記複数の仮想コントローラの特定の1つ以上に届けるため、前記入力/出力ノードによってアドレス指定されて」いるという相違点3に係る本件発明1の事項について、甲2には記載がない。 そして、甲2記載の技術的事項1~2において、ネットクラウド20、120にサービスの配置はするものの、サービスを移動させる必要は無く、したがって移動させるサービスに対して、どのようにデータ等の届ける先の指定を行うかについて考慮することの要請も無いから、相違点3に係る本件発明1の事項を必要とする事情も存在しないことが明らかである。 そして、甲1発明1についてみても、クラウドサービスの利用を主眼としているものであるが、仮想化や、仮想コントローラの配置や移動については記載されておらず、甲1発明1に、仮想コントローラの移動が前提となる相違点3に係る本件発明1のようなアドレス指定を行う動機がないことが明らかである。 よって、甲1発明1及び甲2記載の技術的事項1~2から相違点3に係る本件発明1の事項に至ることが、当業者によって容易であるとはいえない。 また、他の各甲号証をみても、相違点3に係る本件発明1の事項について記載されたものは存在せず、相違点3に関し、本件発明1が申立書で引用された甲1~6記載のものから容易に想到し得たものとはいえない。 (4)小括 したがって、相違点1について検討するまでもなく、本件発明1は、甲1発明1、及び甲2記載の技術的事項1~2、あるいは他の甲号証である甲3~6に記載した内容に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 2 本件発明2~17 本件発明2~17は、いずれも本件発明1を引用する発明であって、それぞれ、本件発明1に対してさらに発明特定事項を追加したものであるから、本件発明1と同様に、甲1発明1、及び甲2記載の技術的事項1~2、あるいは他の甲号証である甲3~6に記載した内容に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 3 本件発明18 (1)本件発明18と甲1発明18の対比 ア 甲1発明18の「産業施設104」は本件発明18の「産業環境」に、以下同様に「産業デバイス108、110」は「物理的機能を実施する複数のフィールドデバイス」に、「オートメーションシステム」は「産業システム」に、それぞれ相当する。 イ 甲1発明18の「接続する箇所」は本件発明18の「1つ以上の通信チャネル」に、同様に「クラウドゲートウェイ106」は「物理的なプロセッサを含む入力/出力ノード」に、それぞれ相当する。 ウ 甲1発明18の「クラウドプラットフォーム102」は本件発明18の「コントローラノード」に相当する。 エ 甲1発明18の「クラウドサービス112」は、甲1の段落[0034]に記載されているように、データストレージ、データ解析、制御アプリケーション(例えば略リアルタイムのシステムデータまたは他の要因の解析に基づいて制御命令を生成し、それらを産業デバイス108および110に配信することができるアプリケーション)を含むものであり、産業デバイス108および110を制御する機能を有するから、甲1発明18の「クラウドサービス112」と本件発明18の「仮想コントローラ」とを対比すると、両者は「コントローラ」という点に限り一致する。 そして、甲1発明18の「クラウドサービス112」も、それを実現するアプリケーション等は本件発明18の「仮想コントローラ」と同じく「メモリに記憶された」ものであり、「プロセッサ上で実行可能である」ことが明らかである。 オ 甲1発明18の「フィールドバス等のプロトコル」は、仕様が公開された通信プロトコルであるから本件発明18の「オープン通信プロトコル」に相当し、同様に甲1発明18の「オートメーションネットワーク」は本件発明18の「通信ネットワーク」に相当する。 カ 甲1発明18の「現在の状態等を示す信号」は本件発明18の「デバイス信号」に、以下同様に「処理された現在の状態等を示す信号を、前記オートメーションネットワークを介して送信」することは「処理されたデバイス信号を、前記通信ネットワーク上に配置」することに、「配信する」は「送信する」にそれぞれ相当する。 そして、上記イのとおり、甲1発明18の「前記クラウドゲートウェイ106」は本件発明18の「物理的なプロセッサを含む入力/出力ノード」に相当するものであり、よって甲1発明18の(a18)、(b18)の動作は、クラウドゲートウェイ106が含む「物理的なプロセッサ」が行うことが明らかである。 したがって、 甲1発明18の「前記前記クラウドゲートウェイ106が、 (a18)前記産業施設104内の・・・前記オートメーションネットワークを介して送信し、 (b18)前記オートメーションネットワークを介して、・・・前記産業デバイス108、110のうちの1つ以上に配信する、」 と、 本件発明18の「前記物理的なプロセッサが、 (i)前記産業環境内の・・・アドレス指定されており、 (ii)前記通信ネットワークを介して、・・・前記フィールドデバイスのうちの1つ以上に送信する、」 とを対比すると、両者は 「前記物理的なプロセッサが、 (A18)前記産業環境内の前記フィールドデバイスのうちの1つ以上からデバイス信号を受信し、前記デバイス信号を処理し、前記処理されたデバイス信号を、前記通信ネットワーク上に配置し、 (B18)前記通信ネットワークを介して、前記複数のコントローラのうちの1つ以上から制御信号を受信し、前記受信された制御信号を処理し、前記処理された制御信号を前記産業環境内の前記フィールドデバイスのうちの1つ以上に送信する、」という点に限り、一致する。 (2)本件発明18と甲1発明18の一致点及び相違点 上記(1)より、本件発明18と甲1発明18は、以下のアの点で一致し、イの点で相違する。 ア 一致点 産業環境内で物理的機能を実施する複数のフィールドデバイスを有する産業制御システムであって、 1つ以上の通信チャネルを介して前記産業環境内の前記複数のフィールドデバイスに連結された物理的なプロセッサを含む入力/出力ノードと、 コントローラノードであって、前記コントローラノードの各々が、 1つ以上のプロセッサ、 メモリ、 前記メモリに記憶された複数のコントローラであって、前記複数のコントローラの各々は、前記産業環境内で前記フィールドデバイスの制御を実施するように前記1つ以上のプロセッサ上で実行可能であるもの、を含む、前記コントローラノードと、 オープン通信プロトコルを使用して、前記入力/出力ノードを前記1つ以上のコントローラノードの各々に接続するオープンプロトコル通信ネットワークと、を備え、 前記物理的なプロセッサが、 (A18)前記産業環境内の前記フィールドデバイスのうちの1つ以上からデバイス信号を受信し、オープン通信プロトコルを使用して、前記デバイス信号を前記通信ネットワーク上に配置し、 (B18)前記通信ネットワークを介して、前記コントローラのうちの1つ以上から制御信号を受信し、前記制御信号を前記産業環境内の前記フィールドデバイスのうちの1つ以上に送信する、産業制御システム。 イ 相違点 (ア)相違点4 本件発明18が、複数の仮想コントローラを含む複数の仮想コントローラノードを備えるのに対して、甲1発明18のクラウドプラットフォーム102が含むクラウドサービス112は複数ではなく、産業デバイス108、110を制御するコントローラであるものの、仮想コントローラであるか否かは不明である点。 (イ)相違点5 本件発明18の仮想コントローラノードが、「メモリに記憶され、複数の仮想コントローラノードの複数の位置にわたって複数の仮想コントローラを配置し、移動させることによって、前記コントローラノードの前記複数の仮想コントローラの動作を管理するように1つ以上のプロセッサ上で実行可能なスーパーバイザ」を含むのに対して、甲1発明18のクラウドプラットフォーム102は、このようにコントローラの動作を管理するスーパーバイザを含まない点。 (ウ)相違点6 物理的なプロセッサが受信し、オープン通信プロトコルを使用して通信ネットワーク上に配置されたデバイス信号について、本件発明18は、「複数の仮想コントローラの特定の1つ以上の、それぞれのハードウェア位置を指定することなく、また、前記複数の仮想コントローラの特定の1つ以上のそれぞれのネットワーク位置を指定することなく、それぞれ、前記複数の仮想コントローラの特定の1つ以上に届けるため、入力/出力プロセッサによってアドレス指定されて」いるのに対して、甲1発明18では、デバイス信号を届けるコントローラをこのような形で指定しない点。 (3)相違点の検討 事案に鑑み、相違点5及び相違点6について検討する。 ア 相違点5 相違点5は、請求項1の上記相違点2と同じくスーパーバイザに関するものであるが、上記1(3)アで検討したとおり、甲2において相違点2に係る本件発明1の事項が記載も示唆もされていないのと同様に、相違点5に係る本件発明18の事項についても記載も示唆もされていないことが明らかであり、甲1発明18のクラウドサービスを仮想化するにあたり、その具体的な方式として、複数の選択肢の中からこのスーパーバイザ型を採用する動機がない。 よって、甲1発明18及び甲2記載の技術的事項1~2から相違点5に係る本件発明18の事項に至ることが、当業者によって容易であるとはいえない。 また、他の各甲号証をみても、相違点5に係る本件発明18の事項について記載されたものは存在せず、相違点5に関し、本件発明18が申立書で引用された甲1~6記載のものから容易に想到し得たものとはいえない。 イ 相違点6 相違点6は、請求項1の上記相違点3と同じくデバイス信号の届け先に関するものであるが、上記1(3)イで検討したのと同様に、甲2には、「複数の仮想コントローラの特定の1つ以上の、それぞれのハードウェア位置を指定することなく、また、前記複数の仮想コントローラの特定の1つ以上のそれぞれのネットワーク位置を指定することなく、それぞれ、前記複数の仮想コントローラの特定の1つ以上に届けるため、入力/出力プロセッサによってアドレス指定されて」いるという相違点6に係る本件発明18の事項について記載がなく、さらに、これを必要とする事情も存在せず、甲1発明18にも、相違点6に係る本件発明18のようなアドレス指定を行う動機がないことが明らかである。 よって、甲1発明18及び甲2記載の技術的事項1~2から相違点6に係る本件発明18の事項に至ることが、当業者によって容易であるとはいえない。 また、他の各甲号証をみても、相違点5に係る本件発明18の事項について記載されたものは存在せず、相違点6に関し、本件発明18が申立書で引用された甲1~6記載のものから容易に想到し得たものとはいえない。 (4)小括 したがって、相違点4について検討するまでもなく、本件発明18は、甲1発明18、及び甲2記載の技術的事項1~2、あるいは他の甲号証である甲3~6に記載した内容に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 4 本件発明19~26 本件発明19~26は、いずれも本件発明18を引用する発明であって、それぞれ、本件発明18に対してさらに発明特定事項を追加したものであるから、本件発明18と同様に、甲1発明18、及び甲2記載の技術的事項1~2、あるいは他の甲号証である甲3~6に記載した内容に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 5 本件発明27 (1)本件発明27と甲1発明27の対比 ア 甲1発明27の「産業施設104」は本件発明27の「産業環境」に、以下同様に「産業デバイス108、110」は「物理的機能を実施する複数のフィールドデバイス」に、「オートメーションシステム」は「産業システム」に、それぞれ相当する。 イ 甲1発明27の「接続する箇所」は本件発明27の「1つ以上の通信チャネル」に、同様に「クラウドゲートウェイ106」は「物理的なプロセッサを含む入力/出力ノード」に、それぞれ相当する。 ウ 甲1発明27の「クラウドプラットフォーム102」は本件発明27の「コントローラノード」に相当する。 エ 甲1発明27の「クラウドサービス112」は、甲1の段落[0034]に記載されているように、データストレージ、データ解析、制御アプリケーション(例えば略リアルタイムのシステムデータまたは他の要因の解析に基づいて制御命令を生成し、それらを産業デバイス108および110に配信することができるアプリケーション)を含むものであり、産業デバイス108および110を制御する機能を有するから、甲1発明27の「クラウドサービス112」と本件発明27の「仮想コントローラ」とを対比すると、両者は「コントローラ」という点に限り一致する。 そして、甲1発明27の「クラウドサービス112」も、それを実現するアプリケーション等は本件発明27の「仮想コントローラ」と同じく「メモリに記憶された」ものであり、「プロセッサ上で実行可能である」ことが明らかである。 オ 甲1発明27の「オートメーションネットワーク」は本件発明27の「通信ネットワーク」に相当する。 カ 甲1発明27の「現在の状態等を示す信号」は本件発明27の「デバイス信号」に相当する。 そして、上記イのとおり、甲1発明27の「前記クラウドゲートウェイ106」は本件発明27の「物理的なプロセッサを含む入力/出力ノード」に相当するものであり、よって甲1発明27の「産業施設104内の産業デバイス108、110のうちの1つ以上から現在の状態等を示す信号を受信する」との動作は、クラウドゲートウェイ106が含む「物理的なプロセッサ」が行うことが明らかである。 したがって、 甲1発明27の「前記物理的なプロセッサが、前記産業施設104内の前記産業デバイス108、110のうちの1つ以上から現在の状態等を示す信号を受信する、」 と、 本件発明27の「前記物理的なプロセッサが、前記産業環境内の前記フィールドデバイスのうちの1つ以上からデバイス信号を受信し、ハードウェアの場所に依存しない通信アドレス指定スキームを使用して、前記複数の仮想コントローラの特定の1つ以上に届けるため、前記デバイス信号を前記通信ネットワーク上に配置して、前記仮想コントローラの特定の1つ以上の、それぞれのハードウェア位置を指定することなく、また、前記複数の仮想コントローラの特定の1以上の、それぞれのネットワーク位置を指定することなく、1つ以上の仮想コントローラを特定する、」 とを対比すると、両者は、 「前記物理的なプロセッサが、前記産業環境内の前記フィールドデバイスのうちの1つ以上からデバイス信号を受信する、」 という点に限り、一致する。 (2)本件発明27と甲1発明27の一致点及び相違点 上記(1)より、本件発明27と甲1発明27は、以下のアの点で一致し、イの点で相違する。 ア 一致点 産業環境内で物理的機能を実施する複数のフィールドデバイスを有する産業制御システムであって、 1つ以上の通信チャネルを介して前記産業環境内の前記複数のフィールドデバイスに連結された物理的なプロセッサを含む入力/出力ノードと、 コントローラノードであって、前記コントローラノードが、 1つ以上のプロセッサ、 1つ以上のメモリ、および、 前記1つ以上のメモリに記憶された複数のコントローラであって、前記コントローラの各々は、前記1つ以上のプロセッサ上で、前記産業環境内で前記フィールドデバイスの制御を実施することを実行可能であるもの、を含む、前記コントローラノードと、 前記入力/出力ノードを前記コントローラノードの各々に接続する通信ネットワークと、を備え、 前記物理的なプロセッサが、前記産業環境内の前記フィールドデバイスのうちの1つ以上からデバイス信号を受信する、産業制御システム。 イ 相違点 (ア)相違点7 本件発明27が、複数の仮想コントローラを含む複数の仮想コントローラノードを備えるのに対して、甲1発明27のクラウドプラットフォーム102が含むクラウドサービス112は複数ではなく、産業デバイス108、110を制御するコントローラであるものの、仮想コントローラであるか否かは不明である点。 (イ)相違点8 物理的なプロセッサが受信したデバイス信号について、本件発明27は、「ハードウェアの場所に依存しない通信アドレス指定スキームを使用して、前記複数の仮想コントローラの特定の1つ以上に届けるため、前記デバイス信号を前記通信ネットワーク上に配置して、前記仮想コントローラの特定の1つ以上の、それぞれのハードウェア位置を指定することなく、また、前記複数の仮想コントローラの特定の1以上の、それぞれのネットワーク位置を指定することなく、1つ以上の仮想コントローラを特定する」のに対して、甲1発明27では、デバイス信号を届けるコントローラをこのような形で特定しない点。 (3)相違点の検討 事案に鑑み、相違点8について検討する。 相違点8は、請求項1の上記相違点3と同じくデバイス信号の届け先に関するものである。そして、相違点3に係る本件発明1の「入力/出力プロセッサによってアドレス指定」するという事項に代えて、本件発明27では「ハードウェアの場所に依存しない通信アドレス指定スキームを使用する」という事項を内容としているが、いずれもデバイス信号の届け先のアドレスを指定する点で共通する。したがって、上記1(3)イで検討したのと同様の理由で、甲2には、「ハードウェアの場所に依存しない通信アドレス指定スキームを使用して、前記複数の仮想コントローラの特定の1つ以上に届けるため、前記デバイス信号を前記通信ネットワーク上に配置して、前記仮想コントローラの特定の1つ以上の、それぞれのハードウェア位置を指定することなく、また、前記複数の仮想コントローラの特定の1以上の、それぞれのネットワーク位置を指定することなく、1つ以上の仮想コントローラを特定する」いるという相違点8に係る本件発明27の事項について記載がなく、さらに、これを必要とする事情も存在せず、甲1発明27にも、相違点8に係る本件発明27のようなアドレス指定を行う動機がないことが明らかである。 よって、甲1発明27及び甲2記載の技術的事項1~2から相違点8に係る本件発明27の事項に至ることが、当業者によって容易であるとはいえない。 また、他の各甲号証をみても、相違点8に係る本件発明27の事項について記載されたものは存在せず、相違点8に関し、本件発明27が申立書で引用された甲1~6記載のものから容易に想到し得たものとはいえない。 (4)小括 したがって、相違点7について検討するまでもなく、本件発明27は、甲1発明27、及び甲2記載の技術的事項1~2、あるいは他の甲号証である甲3~6に記載した内容に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 6 本件発明28~37 本件発明28~37は、いずれも本件発明27を引用する発明であって、それぞれ、本件発明27に対してさらに発明特定事項を追加したものであるから、本件発明27と同様に、甲1発明27、及び甲2記載の技術的事項1~2、あるいは他の甲号証である甲3~6に記載した内容に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 第6 申立人の主張 申立人の特許異議申立書の申立ての理由における本件発明1に関する相違点2及び相違点3に対する主張について、以下検討する。 1 相違点2に対する主張(申立書第65ページの「(ii)相違点2」)について 申立人は、甲2に関し、「マスタ」として機能するコントローラおよび/または調整コンポーネント670が本件発明1のスーパーバイザに相当する旨の主張をする。 これに対して、申立人がその根拠としてあげる上記第4の2(1)ア(ウ)(第9欄第51行~第10欄第21行)、及び第4の2(1)ア(エ)(第10欄第42~45行)における甲2の記載事項は、甲2記載の技術的事項2のコントローラ620(「マスタ」として機能するコントローラ)とリモートシステム624、626、628の間において、調整コンポーネント670のサポートの下でリソース情報を交換することに関するものである。そして、リソース情報624、626、628、640は、「メモリ/メモリ容量、プロセッサバンド幅または利用情報、プロセッサ実行論理、プログラム、変数、設定、プロセス情報、バッチ情報、およびそれぞれのシステムの作動能力に影響を与える実質的に任意のパラメータおよび/またはデータを含むことができる」ものであるが、コントローラに分配されるものであって(第4の2(1)ア(ウ)の記載事項)、いずれも本件発明1の仮想コントローラに相当するものではないから、「マスタ」として機能するコントローラおよび/または調整コンポーネント670が複数の仮想コントローラを配置し、移動させることによって、複数の仮想コントローラの動作を管理するものであるスーパーバイザに相当することはない。 加えて、この甲2記載の技術的事項2におけるリソース情報の受け渡しは、ネットワーククラウド20、120やバーチャルPLC314上ではなく、これらに接続されるコントローラ620とリモートシステム624、626、628の間で、すなわち仮想コントローラの外部で行われるのであるから、上記第5の1(3)アにおける「スーパーバイザ型の仮想化で用いられるソフトウェアであって、仮想化デバイス(コントローラ)が物理的ハードウェアを制御するのにあたり、物理的なハードウェアのホストOSを用いずに、直接ハードウェアの入出力処理を実行する機能を有するもの」という仮想コントローラを制御するソフトウェアとしてのスーパーバイザの機能に照らしても、やはり、スーパーバイザは、「マスタ」として機能するコントローラおよび/または調整コンポーネント670に相当するものではない。 よって、申立人の相違点2に対する主張は採用することができない。 2 相違点3に対する主張(申立書第65~66ページの「(iii)相違点3」)について 申立人は、本件明細書の段落【0015】に基づいて、相違点3に係る事項に関する「ハードウェアの場所に依存しないアドレス指定スキーム」を「制御システム要素を単一のノード(複数のサーバまたはブレードであり得る)または異なるノードのいずれかにおいて、異なるハードウェアデバイス(例えば、異なる処理デバイス)に移動させるか、または配置することができる」ことを意味すると解釈し、上記1でも言及した甲2記載の技術的事項2に関する第4の2(1)ア(ウ)の記載事項が、「制御システム要素を異なるハードウェアデバイスに移動させるか、又は配置することに相当する」ことから、甲2には相違点3に係る本件発明1の事項が記載されており、甲1発明1の「入力/出力ノード」としてのプロセッサ上で相違点3の「アドレス指定」をすることは当業者が容易に想到したことである旨を主張する。 しかしながら、第4の2(1)ア(ウ)の記載事項については、上記1でも検討したとおり、リソース情報は本件発明1の「仮想コントローラ」に相当していないのであり、よって、上記「制御システム要素」を異なるハードウェアデバイスに移動するか配置することを開示していないのであるから、上記本件明細書の段落【0015】に基づく相違点3に係る事項の申立人による解釈には関係なく、この記載事項を根拠として相違点3に係る本件発明1の事項が甲2に記載されているとはいえない。 また、甲2記載の技術的事項1~2についてみても、仮想コントローラ(バーチャルPLC)をネットワーククラウドに配置することは行っているものの移動はしておらず、通信の中断や制御システムの再構成の必要なく移動することを可能にするために「ハードウェアデバイスの場所に依存しないメッセージフォーマット化およびアドレス指定スキーム」(本件明細書の段落【0013】)を使用する相違点3に係る事項の必要性が無いことが明らかである。 そして、甲2記載の技術的事項1~2において仮想コントローラの移動について考慮する余地があったとしても、甲1発明1には、上記1で検討したとおり、仮想コントローラの移動が前提となる相違点3のアドレス指定を行う動機がないことが明らかであり、甲2記載の技術的事項1~2を適用して本件発明1に想到することが容易であるとはいえない、 よって、相違点3に対する申立人の主張は採用することができない。 3 小括 したがって、申立人の相違点2及び相違点3に対する主張はいずれも採用することができない。 第7 むすび 以上のとおりであるから、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、請求項1~37に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に請求項1~37に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2023-701096

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